JP6929717B2 - 二・多段式駐車装置の改造方法と、この方法で改造された駐車設備 - Google Patents
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Description
かかる二・多段式駐車装置は、例えば特許文献1,2に開示されている。
この要望を満たすために、例えば特許文献3,4が提案されている。
特許文献4の「平面駐車場」は、ピットの上端部に床板を敷設し、床板の上を駐車スペースとして用いる。床板は、ピットの上端部に架設される大梁及び小梁の上に敷設されており、ピットの底面と大梁との間には支柱が介装される。
また、二・多段式駐車装置のピット底面は、駐車装置の総重量を支持するため大きな鉛直荷重を支持できるが、ピット側面は、大きな水平荷重が作用すると破損する可能性がある。
この水平力が作用すると、特許文献3,4の装置では、デッキ部(又は床板)を支持する梁が水平に大きく変位し、梁端部がピット側面に衝突してピット側面を破損する可能性があった。
また、この水平力を支持するため、梁端部をピット側面に固定する場合、ピット側面の補強が必要であり、補強工事に過大な費用と時間がかかる可能性があった。
前記基本駐車ユニットの少なくとも1基を撤去してピット内に空スペースを形成し、
耐震架台を、ピット側面から隙間を隔てて、前記空スペースのピット底面に固定して独立して設置し、かつ前記耐震架台の水平力に対する水平変位を前記ピット側面との隙間未満に設定する、二・多段式駐車装置の改造方法が提供される。
さらに、耐震架台の水平力に対する水平変位を隙間未満に設定するので、地震の際に水平力が作用しても、ピット側面の破損を防止できる。
なお、撤去する基本駐車ユニット3は、2基以上でも全てでもよい。
すなわち、耐震架台12は、空スペース4のピット底面1bに支持され、隣接する基本駐車ユニット3及びピット側面1aから独立して設置される。
また、耐震架台12を、ピット側面1aから隙間を隔てて、ピット底面1bに設置するので、ピット側面1aの補強を不要にできる。この隙間は、入出庫高さFLに車両又は人が載る際に支障のない大きさ、例えば10〜30mmに設定するのがよい。
耐震セル13は、幅方向及び前後方向に間隔を隔てた4本の耐震柱14と、4本の耐震柱14の水平変位を低減する剛性付加装置16と、を有する。
この例において、幅方向及び前後方向に隣接する2本の耐震柱14の間に、それぞれ2本ずつのブレース16aが斜めに交差してX字形に取り付けられている。
すなわち単一の耐震セル13は、合計8本のブレース16aにより、耐震柱14の水平変位を低減するようになっている。
大梁18は、耐震柱14の端面に溶接又はボルト・ナットで強固に固定するのがよい。
小梁20は、大梁18の端面に溶接又はボルト・ナットで強固に固定するのがよい。
床面22は、小梁20の端面にボルト・ナットで強固に固定するのがよい。
1対の補助柱15は、耐震柱14と同一の長さを有し、耐震柱14と同一の幅方向及び前後方向に間隔を隔てる。
この例で補助柱15は、耐震柱14と同一の曲げ剛性の高いH型鋼であり、その下端がピット底面1bに固定され鉛直に立設されている。
なお、補助柱15は1対に限定されず、複数対であってもよい。
複数(この例で9本)の小梁20は、複数の大梁18に支持され、この例では幅方向に水平に延び、前後方向に互いに間隔を隔てる。前後方向の間隔は、その上に載る積載物(例えば車両)の重量と移動を考慮して設定されている。
床面22は、複数の小梁20に支持され水平に延びる。
この図において、X方向は幅方向、Y方向は前後方向である。またこの図では床面22の図示を省略している。
開口部26は、外部とピット内とを連通する。開口部26は、隣接する2本の大梁18と2本の小梁20で構成される矩形部の内側に設けられる。開口部26には、開閉可能な扉(図示せず)が設けられることが好ましい。
昇降設備28は、開口部26を通って人が昇降可能になっている。昇降設備28は、この例では梯子であるが、階段であってもよい。
またこの例で、開口部26には扉がなく、昇降設備28は手摺を有する階段である。
その他の構成は、第2実施形態と同様である。
図5(A)(B)に示すように、改造後の床面22を車両6の駐車場、駐輪場、或いは宅配ボックス7の設置場所として用いることができる。
また、ピット1をタイヤラック8などの収納スペースとして有効活用することができる。
また、開口部26と昇降設備28を設けることにより、ピット内をタイヤラックなどの収納スペースとして有効活用することができる。
さらに、耐震架台12の水平力に対する水平変位を隙間未満に設定するので、地震の際、ピット上部に水平力が作用しても、ピット側面1aの破損を防止できる。
2 パレット、3 基本駐車ユニット、4 空スペース、6 車両、7 宅配ボックス、
8 タイヤラック、9 改造前の二・多段式駐車装置、
10 改造後の駐車設備、12 耐震架台、13 耐震セル、14 耐震柱、
15 補助柱、16 剛性付加装置、16a ブレース、18 大梁、20 小梁、
22 床面、24 車止め、26 開口部、28 昇降設備(梯子、階段)
Claims (7)
- 入出庫高さの下方にピットを有し、2段以上のパレットを昇降する基本駐車ユニットを複数備え、該基本駐車ユニットが幅方向に近接して位置する二・多段式駐車装置の改造方法であって、
前記基本駐車ユニットの少なくとも1基を撤去してピット内に空スペースを形成し、
耐震架台を、ピット側面から隙間を隔てて、前記空スペースのピット底面に固定して独立して設置し、かつ前記耐震架台の水平力に対する水平変位を前記ピット側面との隙間未満に設定する、二・多段式駐車装置の改造方法。 - 前記耐震架台は、耐震セルを有し、
該耐震セルは、幅方向及び前後方向に間隔を隔てた4本の耐震柱と、
前記耐震柱の前記水平変位を低減する剛性付加装置と、を有する、請求項1に記載の二・多段式駐車装置の改造方法。 - 前記剛性付加装置は、4本の前記耐震柱の間に、幅方向及び前後方向に設置された複数のブレースである、請求項2に記載の二・多段式駐車装置の改造方法。
- 前記耐震架台は、1又は複数の前記耐震セルに支持され幅方向又は前後方向に水平に延びる複数の大梁と、
複数の前記大梁に支持され前記大梁に直交する水平方向に延び、互いに間隔を隔てる複数の小梁と、
複数の前記小梁に支持され水平に延びる床面と、を有する、請求項2に記載の二・多段式駐車装置の改造方法。 - 前記耐震架台は、幅方向両端部にそれぞれ設置された1対の前記耐震セルと、
1対の前記耐震セルの間に位置し、前記耐震柱と同一の長さを有し、幅方向及び前後方向に間隔を隔てる複数対の補助柱を有する、請求項2に記載の二・多段式駐車装置の改造方法。 - 前記耐震架台は、入出庫高さの床面に設けられ前記ピット内と連通する開口部と、該開口部を通って人が昇降可能な昇降設備とを有する、請求項1に記載の二・多段式駐車装置の改造方法。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の二・多段式駐車装置の改造方法により改造された駐車設備。
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