JP6900565B2 - 振動アクチュエータ - Google Patents
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Description
しかし、従来の回転モータを利用した方法は、偏心マスの慣性力により振動を発生させるため、偏心マスが回転を始め振動が触感として得られるまでの反応が鈍く、リアリティが損なわれるという欠点があった。
可動磁石型の可動子を有した振動アクチュエータでは、往復運動をする可動子を支持するのに複数のダンパ(板ばね)が用いられている。また、振動力を大きくするために、可動子に錘を付加する場合もある(例えば、引用文献1参照)。
本発明は、上記問題点に鑑みて成されたもので、その課題は、固有共振周波数以外での大きな振動が抑制でき、更に、固有共振周波数の変化が少なく、十分な振動出力が得られる振動アクチュエータを提供することにある。
円筒状のケースと、
該ケースに設けられたコイルと、
該コイルにより前記ケースの振動軸線に沿って振動する可動子と、
外周部が前記ケースに固定され、内周部が前記可動子に固定された板ばねと、
を有し、
前記板ばねは、前記ケースまたは前記可動子に対する固定部と、前記固定部と一体に設けられて弾性的に変形する腕部とを備え、
前記板ばねには、前記固定部と前記腕部に渡って設けられた制振用の弾性材が設けられている
ことを特徴とする。
(全体構成)
図1−図8を用いて振動アクチュエータの全体構成を説明する。
ケース1の一方の開口側の端面には、ABS等の樹脂でなる円筒状の第1カバーケース31が配置される。ケース1の他方の開口側の端面には、ABS等の樹脂でなる円筒状の第2カバーケース41が配置されている。
第1カバーケース31と協働して第1ダンパユニット153を挟むように第1ダンパカバー71が配置されている。第2カバーケース41と協働して第2ダンパユニット353を挟むように第2ダンパカバー81が配置されている。
(コイル21)
図1−図8を用いて説明する。
(第1ダンパユニット153、第2ダンパユニット353)
図9−図11を用いて、本実施形態の第1ダンパユニット153、第2ダンパユニット353について、更に詳しく説明する。尚、第1ダンパユニット153と第2ダンパユニット353とは同一形状で、ケース1への取り付け方も同じであるので、ここでは第1ダンパユニット153で説明を行い、第2ダンパユニット353の説明は省略する。そして、第2ダンパユニット353の第1ダンパユニット153と同一部分には、第1ダンパユニット153の各部分の符号に200加えた符号で説明を行う。例えば、第1ダンパユニット153の第1ダンパ51の第1腕部が符号53である場合、第2ダンパユニット353の第2ダンパ351の第1腕部の符号は253である。
第1ダンパカバー71と第1カバーケース31とに挟持され、ケース1の内面に取り付けられる第1ダンパ51の環状枠部51cには、ねじ91との干渉を防ぐために、3つの切り欠き51dが形成されている。
この構成は、第2ダンパ251も有している。
この構成は第2弾性材350も有している。
(第1弾性材150、第2弾性材350の構造)
図12を用いて説明する。尚、本実施形態の第1弾性材150、第2弾性材350は、同一構造であるので、第2弾性材350の説明は省略する。
(作動)
図13を用いて、本実施形態の振動アクチュエータの作動を説明する。
第1コイル23、第2コイル25に通電していない状態では、第1ダンパユニット153、第2ダンパユニット353で支持される可動子111は、コイル21の中央に位置している。
図13の極性では、可動子111には下方(矢印A方向)への推力が発生し、第1コイル23、第2コイル25へ流す電流を反転させれば、可動子111には上方向(矢印B方向)への推力が発生する。
ところで、可動子111に発生する推力は、基本的にはフレミングの左手の法則に基づいて与えられる推力に準じられる。本実施形態では、第1コイル23、第2コイル25が固定されているので、可動子111に第1コイル23、第2コイル25に発生する力の反力としての推力が発生する。
上記構成によれば、以下のような効果が得られる。
尚、第1ダンパ51、第2ダンパ251のねじれによる共振とは、図14に示すように、組立、部品のバラツキにより、アクチュエータ内部の磁場が不均一になり、第1ダンパ51、第2ダンパ251の隣接する腕部の間隔が変化し、可動子111が軸ずれした状態(傾いた状態)での共振をいう。
本発明は、上記実施形態に限定するものではない。以下のような変形例も可能である。
(1)弾性材として、図16−図17に示すものでもよい。図16は図1の第1ダンパに他の実施形態の第1弾性材を設けた第1ダンパユニットの斜視図、図17は図16の第1ダンパユニットの平面図である。
第1ダンパユニット653を構成する2つの部品のうちの他方の部品である第1弾性材650は、第1ダンパ551の隣接する腕部を橋絡する橋絡部を有している。即ち、第1ダンパ551の第1腕部553と第3腕部557とを橋絡する第1橋絡部652、652’と、第2腕部555と第1腕部553とを橋絡する第2橋絡部655、655’と、第3腕部557と第2腕部555とを橋絡する第3橋絡部657、657’である。
更に、第1橋絡部652には、第3腕部557に重ねられて、第3橋絡部657’に接続される第1中間積層腕部667が連設されている。第2橋絡部655には、第1腕部553に重ねられて、第1橋絡部652’に接続される第2中間積層腕部669が連設されている。第3橋絡部657には、第2腕部555に重ねられて、第2橋絡部655’に接続される第3中間積層腕部671が連設されている。
(2)第1弾性材、第2弾性材の構造は、図18のような構造でもよい。第1弾性材で説明を行うが、第2弾性材もこのような構造であってもよい。
図18は図1の第1弾性材の他の構造を説明する構成図である。
図19は図1の第1弾性材の他の構造を説明する構成図である。
図に示すように、第1弾性材850は、第1ダンパ51の一方の面上に積層された、接着剤でなる第1接着層871、PE(ポリエチレン)でなる第1PE層873と、第1ダンパ51の他方の面上に積層された、接着剤でなる第2接着層875、PE(ポリエチレン)でなる第2PE層877とからなっている。そして、第1弾性材850の弾性変形(本実施形態では、第1PE層873、第2PE層877のずり変形)により、第1ダンパ51の制振を行う。
図20は図1の第1弾性材の他の構造を説明する構成図である。
図に示すように、第1弾性材880は、第1ダンパ51にインサート成形法で形成されたエラストマ層881である。
(5)第1弾性材、第2弾性材の構造は、図21のような構造でもよい。第1弾性材で説明を行うが、第2弾性材もこのような構造であってもよい。
図に示すように、第1弾性材950は、第1ダンパ51の一方の面上に積層された、接着剤でなる第1接着層971、PE(ポリエチレン)でなる第1PE層973と、接着剤でなる第2接着層975と、エラストマでなる第1エラストマ層977と、第1ダンパ51の他方の面上に積層された、接着剤でなる第3接着層981、PE(ポリエチレン)でなる第2PE層983と、接着剤でなる第4接着層985と、エラストマでなる第2エラストマ層987とからなっている。そして、第1弾性材950の弾性変形(本実施形態では、第1PE層973、第2PE層983のずり変形、第1エラストマ層977、第2エラストマ層987の曲げ変形)により、第1ダンパ151の制振を行う。
破線で示す弾性材なしの場合は、第1ダンパ、第2ダンパのねじれによる共振(B部)が発生するが、実線で示す弾性材とダンパとからなる第1ダンパユニット、第2ダンパユニットを用いた場合、ねじれ共振が抑制されていることがわかる。
次に、破線で示す弾性材なしの場合は、第1ダンパ、第2ダンパの各腕部自体の共振(C部)が発生するが、実線で示す弾性材とダンパとからなる第1ダンパユニット、第2ダンパユニットを用いた場合、第1ダンパ、第2ダンパの各腕部自体の共振が抑制されていることがわかる。
11 ヨーク
21 コイル
51 第1ダンパ(板ばね)
53、253 第1腕部
55、255 第2腕部
57、257 第3腕部
111 可動子
113 マグネット
150 第1弾性材
251 第2ダンパ(板ばね)
350 第2弾性材
Claims (6)
- 円筒状のケースと、
該ケースに設けられたコイルと、
該コイルにより前記ケースの振動軸線に沿って振動する可動子と、
外周部が前記ケースに固定され、内周部が前記可動子に固定された板ばねと、
を有し、
前記板ばねは、前記ケースまたは前記可動子に対する固定部と、前記固定部と一体に設けられて弾性的に変形する腕部とを備え、
前記板ばねには、前記固定部と前記腕部に渡って接触して制振用の弾性材が設けられ、
前記制振用の弾性部材は前記腕部の一部に設けられている
ことを特徴とする振動アクチュエータ。 - 前記板ばねは、複数の前記腕部を備え、
前記弾性材は、隣接する前記複数の腕部に渡って取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の振動アクチュエータ。 - 前記弾性材は、板状の部材である請求項1又は請求項2記載の振動アクチュエータ。
- 前記可動子の中心軸に沿って設けられた貫通穴と、
前記板ばねの中心軸に沿って設けられた貫通穴と、
前記弾性材の中心軸に沿って設けられた貫通穴と、
前記可動子の貫通穴と前記板ばねの貫通穴と前記弾性材の貫通穴に挿入されたピンと、
を備え、
前記板ばねと前記弾性材は、両者が重ねあわされた状態で、前記ピンによって前記可動子に対して固定されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の振動アクチュエータ。 - 前記板ばねは、複数の前記腕部を備え、
前記弾性体には前記固定部に積層される円環状の支持部が設けられ、
前記円環状の前記支持部に対して、前記複数の腕部と同数の橋絡部が一体に設けられている
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の振動アクチュエータ。 - 前記複数の腕部と、同数の前記橋絡部が重ね合わされ、
前記複数の腕部間に設けられた空隙部と、前記同数の橋絡部間に設けられた空隙部が連通している
ことを特徴とする請求項5に記載の振動アクチュエータ。
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