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JP6998665B2 - ミシン - Google Patents

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Description

本発明は、上糸を横切るように糸掛合部を移動させて当該糸掛合部で上糸を捕捉及び牽引する天秤を備えたミシンに関する。
ミシンは、上糸に糸輪を形成し、上糸の糸輪に下糸を挿通することで、上糸と下糸を交絡させて縫い目を形成する。上糸は、糸駒から針に挿通され、下糸は、剣先を有する釜に収納される。糸輪は、上糸が挿通した針が下死点から上昇することで形成される。釜の剣先が糸輪を捕捉し、糸輪を捕捉した状態で釜が回転し上糸が下糸を潜ることで、上糸と下糸が交絡する。
水平天秤と呼ばれる装置において、糸掛合部は上糸を横切るように往動する(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。水平天秤の糸掛合部はフック状を成し、往路で上糸を捕捉して、上糸をV字状に牽引する。糸掛合部は復路で上糸から離間し、以って上糸の捕捉が解かれる。これにより、上糸に緩みが生じる。この緩み分によって糸輪分を含めた縫い目形成に必要な上糸が供給されることになる。
従来、操作スイッチがオフとなると、ミシンは針を上死点で停止させていた。水平天秤において針が上死点にあるとき、糸掛合部は、往路始点から糸道を通過した後の往路途中の位置に停止する。そのため、操作スイッチがオフの最中、上糸を交換すると、操作スイッチをオンにした後の第1針目の作動サイクルでは、糸掛合部は、糸道を通過した後の往路途中から往路終点に向かうことになる。
糸掛合部が糸道を通過した後の往路途中から動作すると、糸掛合部は、最初の往路において糸道を横切ることができず、最初の往路では上糸を捕捉及び牽引できない。上糸が捕捉及び牽引されなければ、上糸に緩みは生じず、糸取りバネで上糸を引き上げてしまうと糸輪相当分の供給量が不足し、剣先が上糸を捕捉できない虞が生じる。すなわち、第1針目の作動サイクルでは縫い目が形成できない所謂目飛びの虞がある。
そこで、糸掛合部が往路始点から糸道の間に位置するときに稼働停止するミシンが提案されている(例えば特許文献2参照)。このミシンでは、上糸交換後、第1針目の作動サイクルから上糸を確実に捕捉及び牽引できるので、糸輪相当分の緩みが上糸に生じ、第1針目の作動サイクルにおける目飛びが防止される。
一方、ミシンにはハズミ車が備えられている。ハズミ車は手動操作で針を上げ下げする際に利用される。但し、針を駆動させる機構と糸掛合部を駆動させる機構とに一部共通部分が存在し、ハズミ車の手動操作は糸掛合部の変位も生じさせる。そのため、糸掛合部が往路始点から糸道の間に位置するときにミシンを稼働停止させても、その後のハズミ車の手動操作によって糸掛合部が糸道を過ぎた位置に移動していることもある。
このハズミ車を手動操作したケースでは、結局、第1針目の作動サイクルで、糸掛合部が上糸を捕捉及び牽引できず、上糸の緩みに十分な余裕がなく、糸取りバネによる上糸の引き上げによって糸輪相当分の供給量に不足が生じ、剣先が上糸を捕捉できない。すなわち、相変わらず、第1針目の作動サイクルでの目飛びの虞は残存する。
特開平2-111392公報 特開2002-224481号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、上糸を横切って上糸を捕捉及び牽引する天秤を備えるミシンにおいて、第1針目の作動サイクルで目飛びが発生することのを阻止することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係るミシンは、上糸と下糸とを針と釜の協働動作によって交絡させて縫い目を形成するミシンであって、前記上糸の糸道を横断して前記上糸を捕捉し牽引する天秤と、前記上糸の緩みに連動し前記上糸の糸道を変更する糸取りバネと、前記糸取りバネによる前記上糸の糸道変更を規制する糸取りストッパと、を備え、前記糸取りバネは、コイルとアームから成るトーションバネであり、前記アームに前記上糸が掛けられ、前記コイルの付勢力によって前記上糸を引き上げるように回動する糸案内部を有し、前記糸取りストッパは、前記アームを挟持し回動可能に設けられた回動レバーと、前記回動レバーの回動経路上に出没可能な突起部材と、前記突起部材を前記回動経路上に前進させるためのアクチュエータと、を備え、前記アームと前記回動レバーは互いの回動に連動し、前記アクチュエータは、前記第1針目の往復運動間で前記突起部材を前記回動レバーの揺動経路上に前進させ、第2針目以降の往復運動では前記突起部材を前記回動レバーの揺動経路から後退させ、前記糸取りストッパは、前記第1針目の往復運動間で前記アームの回動を規制し、前記針の第1針目の往復運動間では前記上糸の緩みに前記糸取りバネを連動せず前記上糸の糸道を変更させないこと、を特徴とする。
前記突起部材を保持する出力レバーを備え、前記アクチュエータは、前記出力レバーを駆動させることで、前記突起部材を前記回動経路上に前進させ、前記回動レバーは、前記回動経路の少なくとも一部にかかる側面を有し、前記突起部材は、前記出力レバーに対して出没可能に保持され、且つ弾性部材によって前記前進方向に付勢されているようにしてもよい。
前記上糸に調子圧を与える上糸調子器を備え、前記上糸調子器は、前記上糸を挟む可動皿及び固定皿と、を備え、前記アクチュエータは、前記突起部材と前記可動皿を移動させる共通の駆動源であるようにしてもよい。
前記上糸が設置若しくは交換されて以降の、又は糸切動作を含む縫製中断後の、最初の針の往復運動を検知するセンサを備え、前記糸取りバネは、前記上糸が設置若しくは交換されて以降の、又は糸切動作を含む縫製中断後の、針の往復運動の前記第1針目を前記センサで検出した結果に基づき、前記上糸の糸道変更を制御するようにしてもよい。
手動操作により前記天秤の位置を変更可能なハズミ車を備え、前記天秤は、ユーザによる停止操作を契機に、往路の始端と前記糸道との間で停止する一方、前記停止操作後、前記ハズミ車の操作によって前記糸道を通り過ぎた位置に移動可能であるようにしてもよい。
前記第1針目は、前記上糸が設置若しくは交換されて以降、又は糸切動作を含む縫製中断後、縫目形成動作における最初の針の往動運動であるようにしてもよい。
本発明によれば、糸掛合部が上糸の糸道を横切る天秤を備えていても、第1針目の作動サイクルで目飛びが発生することが抑制される。
ミシン全体の構成を示す図であり、(a)は外観を示し、(b)は内部構成の概略を示す。 天秤の詳細構成を示す斜視図である。 糸掛合部の移動軌跡を示す図である。 上糸調子器の分解斜視図である。 上糸調子器の正面斜視図である。 上糸調子器の側面部分拡大図である。 上糸調子器の回動レバーを示す斜視図である。 上糸調子器の背面斜視図である。 上糸調子器の部分断面図である。 ミシンのコントローラの構成を示すブロック図である。 糸取りバネの稼働タイミングを示すタイミングチャートである。 第1針目における天秤の位置を示す斜視図である。 第1針目における糸案内部の跳ね上がり規制を示す斜視図である。 第1針目において糸案内部の跳ね上がりを規制した際の上糸の緩みを示す図である。 第1針目における糸取りストッパの誤作動を示す斜視図である。 第2針目以降における糸案内部の跳ね上がり規制解除を示す斜視図である。 第2針目以降において糸案内部の跳ね上がり規制を解除した際の上糸のしまりを示す図である。
(ミシンの全体構成)
図1に示すミシン1は、針板21に載置された布地100に対して針3を落とし、上糸200と下糸300とを交絡させて縫い目を形成することで、該布地100を縫製する家庭用、職業用又は工業用の装置である。上糸200は糸道4を通って針3に挿通され、更に押え足22の底で押え付けられており、押え足22からユーザによって任意量引き出される。
このミシン1は、針棒31と釜5を有する。針棒31は、針板21に対して垂直に延び、延び方向に往復動可能に取り付けられる。針棒31は、針板21側の先端で針3を支持している。釜5は、一平面が開口した内部中空のドラム形状を有し、針板21に対して水平又は垂直に取り付けられ、円周方向に回転可能となっている。この釜5は、周面に糸輪を捕捉するための剣先を有し、下糸300を巻いたボビンを内部に収容する。
尚、ミシン1において垂直とは針板21を基準とする方向であり、一般的には鉛直方向と一致する。ミシン1において水平は、垂直と直交する方向である。
このミシン1において、針棒31の往復動によって、針3が上糸200を伴って布地100を貫通する。この針3が下死点から上昇する時に、布地100との摩擦によって針3の上昇に追従しきれなかった上糸200が糸輪を形成する。釜5が剣先で糸輪を捕捉しながら回転し、下糸300を繰り出したボビンが釜5の回転に伴って糸輪をくぐる。このとき、下糸300も上糸200の糸輪をくぐり、上糸200と下糸300とが交絡し、縫い目となる。
針棒31と釜5は、共通のミシンモータ6を動力源として、各々の伝達機構を介して駆動する。針棒31には、水平に延びた上軸61がクランク機構62を介して連結されている。上軸61の回転をクランク機構62が直線運動に変換して針棒31に伝達することで、針棒31は上下動する。上軸61には、ハズミ車65が取り付けられており、ユーザの手動操作によって上軸61を軸回転させることが可能となっている。
釜5には、水平に延びた下軸63が歯車機構64を介して連結されている。釜5が水平に設置されている場合、歯車機構64は、例えば軸角を90度とする円筒ウォームギアである。下軸63の回転を歯車機構64が90度変換して釜5に伝えることで、釜5は水平回転する。
更にミシン1は、天秤7と上糸調子器8を有する。天秤7は、上糸200の糸道4に介在自在な装置であり、上糸200を制御する。天秤7は、上糸200を引き締めることで、上糸200を糸駒から繰り出させ、また縫い目を引き締める。また天秤7は、上糸200を緩めることで、釜5が上糸200の糸輪を潜ることが可能な量の上糸200を供給する。
上糸調子器8は、上糸200の糸道4に設置され、上糸200の調子を制御する。上糸調子器8は、作動サイクル中、天秤7が適切に上糸200を引き締めることができるように、糸駒から天秤7までの糸道4の上流で上糸200を挟み込む調子圧をかける。
(天秤)
図2は、天秤7の詳細構成を示す斜視図である。図2に示す天秤7は、上糸200の糸道4を横切る糸掛合部71を有し、糸掛合部71の往復運動によって上糸200の捕捉、捕捉中の牽引、及び解放を繰り返す装置である。糸道4を横切る糸掛合部71は、糸道4の垂直に延びる区間を水平に横切ることが一般的であり、水平に往動運動する糸掛合部71を有する天秤7は水平天秤と呼ばれる。
上軸61には、糸掛合部71を水平運動させるための歯車機構72が設置されている。上軸61の周面に円筒ウォームギア72aが形成され、上軸61との直交軸を有する円筒ホイール72bが円筒ウォームギア72aに噛合する。この円筒ウォームギア72aと円筒ホイール72bによって歯車機構72を成す。この歯車機構72は、軸角を90度とし、垂直面上での回転運動を水平面上での回転運動に変換する。
円筒ホイール72bはクランクシャフトを兼ねる。円筒ホイール72bには、外形が卵形状のプレートにより成るクランクアーム73が連結する。クランクアーム73は、一部の周面が半径方向に膨出している。このクランクアーム73の膨出部には、鈍角に開いたブーメラン形状の天秤体74がクランクピンを介して連結されている。天秤体74は、クランクアーム73側を基端として先端側に糸掛合部71を有している。天秤体74の屈曲点には揺動リンク75がクランクピンを介して連結されている。揺動リンク75は、一端が機枠等に接続された固定端となっている。
尚、天秤体74において、クランクアーム73との連結点と糸掛合部71とは高さが異なっており、天秤体74は、水平面に沿ってブーメラン形状に屈曲する他、高さ方向に2度屈曲して段部が設けられ、連結点側と糸掛合部71側とを高さを相違させて延びている。
この天秤7によると、糸掛合部71は、揺動リンク75に規制されて、揺動リンク75の固定端を中心に水平面を円弧状に往復運動する。また、天秤体74が揺動リンク75に規制されて向きを変化させることにより、糸掛合部71は、揺動リンク75との連結点を中心に水平面に円弧状に往復運動する。この両往復運動の合成により、糸掛合部71は、図3に示すように、往路71aと復路71bで異なる軌跡を辿る。糸掛合部71は、往路前半で円弧状に膨らんだ軌跡を辿り、復路後半で円弧状に引っ込んだ軌跡を辿る。
図2及び図3に示すように、天秤7は、糸掛合部71の往路71a前半に描かれる円弧状の軌跡と上糸200の糸道4が交差するように設置される。また、糸掛合部71は、往路始端71cから糸道4を臨む側面がフック状を成している。そのため、糸掛合部71は、往路71aで糸道4を横切り、糸道4に存在する上糸200を引っ掛けるように捕捉し、往動の継続によって掻き込むように上糸200を牽引する。また、糸掛合部71は、復路71bで上糸200から離間して上糸200を捕捉状態から解放し、糸道4を回避して復路終端、すなわち往路始端71cに戻る。
(上糸調子器)
図4は、上糸調子器8の分解図であり、図5は、上糸調子器8の正面斜視図である。図4及び5に示すように、上糸調子器8は、固定皿801と可動皿802とを面を向かい合わせにして備えている。固定皿801と可動皿802は間に上糸200の糸道4を挟むように設置されている。可動皿802は、固定皿801に至るシャフト803に遊貫され、固定皿801と接離する方向にスライド可能となっている。固定皿801に可動皿802が接触すると、糸道4を通る上糸200が固定皿801と可動皿802によって挟まれ、上糸200は押圧力を受ける。この押圧力が上糸200の調子圧である。
以下、固定皿801と可動皿802が接離する方向を皿接離方向といい、特に固定皿801に可動皿802が接触する向きを皿接触方向、固定皿801から可動皿802が離れる向きを皿離間方向という。また、皿接離方向と直交し、上軸61が延びる水平面に沿った方向を前後方向という。
上糸調子器8は、可動皿802の裏面側、すなわち固定皿801を臨む面とは反対側に、可動皿802を固定皿801に向けて押し出すプッシャ804を備えている。プッシャ804は、複数の突起を可動皿802側に備え、可動皿802の全体に均等に力をかけて押し出し可能となっている。プッシャ804の裏側、すなわち可動皿802を臨む面とは反対側には、圧縮バネ807が設けられている。プッシャ804と圧縮バネ807はシャフト803に挿通され、圧縮バネ807は、皿接離方向に延在している。圧縮バネ807の先端がプッシャ804の裏面に接続されている。
圧縮バネ807の付勢力がプッシャ804を介して可動皿802を固定皿801に押し込み、圧縮バネ807の収縮量に応じた調子圧が可動皿802と固定皿801との間にかかる。この上糸調子器8は、圧縮バネ807を収縮させる調子設定ロッド808を備えている。
調子設定ロッド808は、圧縮バネ807を挟んでプッシャ804とは反対側に位置する。調子設定ロッド808は、シャフト803に遊貫された押圧板808aと、皿接離方向と直交する前後方向に延在したピン808bとを一体化して備えている。押圧板808aは、圧縮バネ807の外径と同一又は若干広い円盤面と、この円盤面の中心から膨出して圧縮バネ807に嵌る円筒体とを有し、圧縮バネ807と嵌合している。
ピン808bは、皿接離方向に長尺な長穴809に緩挿されており、調子設定ロッド808は長穴809でガイドされて皿接離方向に平行移動する。調子設定ロッド808は、皿接触方向に平行移動することで、押圧板808aを用いて圧縮バネ807を収縮させる。圧縮バネ807の収縮量は調子設定ロッド808の移動量で決まる。
この上糸調子器8は、調子設定ロッド808を平行移動させる回転モータ810と歯車811を備えている。回転モータ810はステッピングモータやサーボモータである。回転モータ810の回転軸と歯車811は、直接又は他の歯車を介して噛合している。歯車811の平坦面と調子設定ロッド808のピン808bとは直交関係にある。
歯車811の第1平坦面812には、歯車811の回転中心から外周へ螺旋を描きながら徐々に拡がる螺旋溝813が形成されている。調子設定ロッド808のピン808bは螺旋溝813内に嵌っている。歯車811はカムとなり、調子設定ロッド808はカムフォロアとなる。歯車811が回転すると、調子設定ロッド808は、長穴809に規制されつつ、歯車811の中心側から外周側へ押し出され、圧縮バネ807を皿接触方向に収縮させる。すなわち、上糸200の調子圧はモータ806の回転量に応じて制御される。
この上糸調子器8は更に糸取りバネ816を備えている。糸取りバネ816は、上糸200に発生する緩みに応答して糸道4の経路長を増加させ、増長させた経路長で上糸200の緩み分を吸収させる。この糸取りバネ816は、金属製線材のトーションバネにより成り、コイル部817とアーム818とを有する。アーム818は、コイル部817の巻軸と直交する方向に突き出して延長され、途中で幾つかの折り曲げ加工が施されている。
コイル部817は、シャフト803に挿嵌されて、固定皿801と可動皿802の対を挟んで圧縮バネ807とは反対側に位置する。本上糸調子器8の一例としては、コイル部817は、機枠を挟んで固定皿801と可動皿802の対と隣接する。
アーム818は、環状に大回りしながら皿離間方向に延びて、固定皿801と可動皿802の列を通り越し、アーム818の先端をシャフト803に架けている。特に図6に示すように、アーム818は、U字の両直線腕部を真横に一直線に横切る仮想線で90度角に屈曲加工されており、コイル部817の巻回軸に沿った方向から見るとL字又はV字状を成す。アーム818の折り曲げ方向は、コイル部817の巻き込み方向と一致する。
この糸取りバネ816において、アーム818のU字湾曲部は、糸案内部819として機能する。糸案内部819には、ユーザにより上糸200が掛けられ、また糸案内部819には、コイル部817によって円弧状に跳ね上がる付勢力が与えられる。糸案内部819は、締まった上糸200に付勢されて、締まった上糸200が形成する糸道4に沿うように押し下げられる。一方、糸案内部819は、上糸200に緩みが生じると、コイル部817が蓄積する付勢力により、上糸200を引掛けながら円弧状に跳ね上がり、上糸200を引き上げる。換言すると糸道4の経路長を増加させ、その増加分によって上糸200の緩み分を吸収させる。
また、上糸200が糸道4にセットされる際、上糸4は糸案内部819と接触するようにミシン1に掛け入れられる。このとき、アーム818がV字状に折り曲げられていることにより、上糸200の掛け入れ側に、糸案内部819を正面に据えた受入口が形成されることとなり、更に糸案内部819の両脇に上糸200の外れを阻止するガイドラインが形成されることになる。
更に、図4及び図5に示すように、上糸調子器8は糸取りストッパ820を備える。糸取りストッパ820は、糸案内部819の跳ね上がりを制止する。この糸取りストッパ820は、糸案内部819と動きを共にする回動レバー821と、所定タイミングで回動レバー821を固定する円柱状の突起部材829を備える。
回動レバー821は、コイル部817の付勢力に勝る剛性を有し、基部がシャフト803に挿嵌されて、シャフト803の軸を中心に回転自在となっている。図7に示すように、回動レバー821には、基部から延びる連動レバー822と挟持部825とを一体的に備えている。連動レバー822は、シャフト803と直交して延び、シャフト803の軸を中心に回動する。挟持部825は、糸取りバネ816が備えるアーム818の一部を、アーム818の回動方向から挟み込む。典型的には、挟持部825は、アーム818の基端部分を挟持する。
この連動レバー822と糸案内部819とは、挟持部825を介して連動関係を有し、互いの回動に追従する。そのため、回動レバー821の動作規制は、挟持部825に掴まれたアーム818の糸案内部819に対する動作規制となる。
突起部材829は連動レバー822の回動経路に介入し、連動レバー822の回動を妨げる。即ち、突起部材829は、糸案内部819による、緩んだ上糸200の引き上げを制止する。連動レバー822には切り欠き824が設けられている。突起部材829は、締まった上糸200の付勢により糸案内部819が押し下げられたときに、連動レバー822の切り欠き824に嵌る位置に移動する。
この突起部材829は、平歯車811の第2平坦面814に形成される膨出部815(図8参照)と、膨出部815によって揺動する作動レバー827と、作動レバー827にリンクされた出力レバー828によって移動する。
作動レバー827は、両端が同じ方向に屈曲した略U字形状を有する所謂第1種テコである。作動レバー827は、延び途中がピンで回動可能に軸支されて支点827aを有している。作動レバー827の一端部827bは、平歯車811の第2平坦面814(図8参照)に接触し、力点となる。第2平坦面814は、螺旋溝813が形成された第1平坦面812の反対面である。図4及び図5に示すように、作動レバー827の他端部827cは、圧縮バネ807、可動皿802、固定皿801及び糸取りバネ816を通過するまで、皿接触方向に延び、作用点となる。
図8に示すように、第2平坦面814には、平歯車811の一定角度範囲に延在する台形状の膨出部815が形成されている。膨出部815の形成位置は作動レバー827が第2平坦面814上で描く移動軌跡上である。更に、膨出部815の形成位置は、ロッド806が螺旋溝813の中心又は最外部に位置するときに、作動レバー827の一端部が膨出部815を登上する場所である。回転モータ810により平歯車811が回転し、膨出部815と作動レバー827の一端部とが一致すると、作動レバー827の端部827bが押し上げられ、作動レバー827の端部827cが前方へ回動する。
出力レバー828は、略L字型形状を有する所謂第3種テコである。出力レバー828は、連動レバー822の裏側、即ち、アーム818が突き出た側の逆側を基端とし、連動レバー822を上糸調子器8の外側から回り込んで、連動レバー822の脇を通って前方へ延びる。出力レバー828には、出力レバー828の後方側から延びてきた出力レバー828の端部827cが屈曲点付近で積み重なっている。
出力レバー828の基端はピンで回動可能に軸支されて支点となっている。作動レバー827の重なり部分には穴部827dが形成され、出力レバー828の重なり部分には該穴部827dへ挿入されるピン828aが立ち上がっており、重なり部分で出力レバー828と作動レバー827とが連結する。この連結点が出力レバー828の作用点となる。出力レバー828は、糸案内部819が押し下げられたときの連動レバー822の切り欠き824の位置まで延び、突起部材829は、この位置の切り欠き824を側面から臨む位置に備えられる。突起部材829の位置が出力レバー828における力点である。
回転モータ810により平歯車811が回転し、膨出部815と作動レバー827の一端部とが一致すると、作動レバー827の端部827cが押し上げられ、作動レバー827の出力レバー828との連結点が回動レバー821側に向かう。出力レバー828は、固定端を中心に回動し、突起部材829を連動レバー822の切り欠き824に嵌る。これにより、連動レバー822は、その回動径路の始点で突起部材829と当接し、連動レバー822の回動が阻止される。上糸200に緩みが生じて上糸200から糸案内部819への付勢力が無い状態であっても、連動レバー822に繋がる挟持部825がアーム818を挟持しており、糸案内部819の跳ね上がりも阻止される。そのため、上糸200が緩んでも、その緩みが維持される。
更に、図9に示すように、出力レバー828には突起部材829が設けられる箇所に穴部830が形成されている。穴部830には、底を座面として圧縮バネ831が設置されており、圧縮バネ831に突起部材829が固定されている。穴部830は突起部材829の径より大きく、突起部材829は圧縮バネ831の付勢力を抗して穴部830へ埋没可能となっている。また、連動レバー822は、前後方向に拡がる側面、すなわち出力レバー828を臨む側面が幅広側面823となっている。幅広側面823は、糸案内部819の跳ね上がりが最大となった状態において、突起部材829の介入箇所に及ぶ。
連動レバー822が揺動中に糸取りストッパ820が作動してしまった場合、突起部材829は連動レバー822の幅広側面823に接触し、圧縮バネ831の付勢力に抗して穴部830へ埋没する。そのため、糸取りストッパ820の誤作動によって機構に過負荷が生じるのを防止する。また、連動レバー822の背後に突起部材829が入り込んで、連動レバー822が元に戻らなくなるのを防止する。
(コントローラ)
図10は、ミシン1のコントローラ9の構成を示すブロック図である。図10に示すように、ミシン1には、ミシンモータ6と上糸調子器8等を制御するコントローラ9が内蔵されている。コントローラ9は、所謂コンピュータ又はマイコンと周辺装置で構成される。コンピュータ又はマイコンは、CPUとも呼ばれる演算制御装置、ROMとも呼ばれるプログラム及びデータを格納したメモリ、並びにRAMとも呼ばれるワークメモリを備える。周辺装置は、ミシンモータ6や上糸調子器8等のモータドライバとユーザの入力手段となる操作部93を含む。操作部93は、タッチパネルやダイヤルやフットコントローラ等である。
このコントローラ9は、プログラムの実行により少なくとも演算制御部とモータドライバを主体とする駆動制御部91と調子制御部92とを備える。調子制御部92は、調子設定部921と糸取り制御部922とを備える。
駆動制御部91は、操作部93に停止操作が入力されると、所定タイミングでミシンモータ6への駆動信号を出力停止する。駆動信号の出力停止タイミングは、天秤7の糸掛合部71が往路始端に位置したときである。
調子制御部92は、上糸調子器8を制御する。詳細には回転モータ810の回転量を制御する。調子設定部921は、上糸調子情報に応じて回転モータ810を回転させて、固定皿801と可動皿802とに上糸200を挟持させ、押圧力を上糸200にかける。上糸調子情報は、操作部93に入力された上糸200への調子を決定するための内容であり、風合い等の選択、または縫い模様、布送り量、布厚、縫い速度、針の振幅等の縫い条件である。
糸取り制御部922は、糸取りストッパ820が作動するまで回転モータ810を駆動させ、糸取りバネ816による上糸200の引き上げを制止する。図11は、糸取りストッパ820の駆動タイミングを示すタイミングチャートである。糸取り制御部922は、ミシン1が前回停止してから針3が最初に往復動する第1針目の作動サイクルの終了までは、突起部材829を連動レバー822の回動経路に介入させ、糸案内部819の跳ね上がりを阻止する。第2針目以降の作動サイクルでは、糸取り制御部922は、突起部材829を連動レバー822の回動経路から退避させ、糸案内部819の跳ね上がりを許可する。
換言すると、第1針目の作動サイクルの終了までは、糸取り制御部922が上糸調子器8の回転モータ810を制御し、糸取りストッパ820を作動させて上糸200の緩みに対する糸案内部819の跳ね上がりを阻止し、第2針目の作動サイクル以降は、調子設定部921が上糸調子器8の回転モータ810を制御し、上糸調子情報に従って上糸200に調子圧をかける。
尚、上糸200を設置若しくは交換した後の最初の針3の往復運動、及び糸切動作を伴う縫製中断後の最初の針3の往復運動が第1針目の作動サイクルである。それ以外、たとえば単に縫製動作を一時停止させた後に再開させた場合の再開後の作動サイクルは、第2針目以降の作動サイクルとすることが望ましい。なぜなら、上糸200を交換せずにミシン1の動作を再開させた場合には、例えハズミ車65が操作されても上糸200を捕捉及び牽引できるからである。これらを区別して制御するためには、上糸200の設置若しくは交換は、上糸センサ(不図示)による上糸の有無の検出を行うか、又は可動皿802又はプッシャ804の位置を変える動作等の交換予備動作をセンサによって検知すればよく、同様に糸切動作を伴う縫製中断は、糸切機構(不図示)の動作をセンサによって検知すればよい。
(作用)
ハズミ車65が操作されると、図12に示すように、糸掛合部71が往動始端から糸道4を通り過ぎて停止していることがある。この状態で上糸200が交換されると、第1針目の作動サイクルでは糸掛合部71が上糸200を捕捉及び牽引できない。そのため、上糸200の緩みは少ない。
そこで、第1針目の作動サイクルが終了するまでの間、糸取り制御部922は、回転モータ810を駆動させて、作動レバー827が膨出部815を登上させておく。そうすると、図13に示すように、作動レバー827は、膨出部815に押し上げられて回動し、出力レバー828は、作動レバー827の回動に伴って端部827cが連動レバー822に近づくように回動し、突起部材829は連動レバー822の回動径路上に介入する。連動レバー822は突起部材829に阻まれて回動できず、連動レバー822と動きを共にする糸案内部819は、上糸200が緩んでも跳ね上がることができない。
そのため、図14に示すように、上糸200の緩みに応答して糸案内部819が上糸200を引き上げることはなく、上糸200の緩みが維持される。従って、上糸200の緩み分が糸道4の経路長で吸収されることはなく、第1針目の作動サイクルで糸輪分の糸量を奪い去られることはない。即ち、第1針目の作動サイクルで糸掛合部71が上糸200を捕捉及び牽引できなくとも、第1針目の作動サイクルでは糸取りバネ816が作動しないので、所謂目飛びが抑制される。
図15に示すように、連動レバー822の回動中に突起部材829が回動経路に介入させてしまった場合、突起部材829は、連動レバー822の幅広側面823に当たり、圧縮バネ831の付勢力に抗して穴部830に後退する。そのため、連動レバー822を歪めてしまったり、連動レバー822の背後に突起部材829が挿入されてしまい、連動レバー822が元に戻らず、糸案内部819が跳ね上がったままとなることが防止される。
第2針目以降の作動サイクルでは、上糸調子情報に対応して回転モータ810を回転させておく。この回転量では、膨出部815と作動レバー827とは位置が不一致である。そのため、図16に示すように、作動レバー827は回動せず、突起部材829は連動レバー822の回動経路から退避している。従って、図17に示すように、上糸200に緩みが生じると、上糸200からの糸案内部819への付勢力が解除され、コイル部817の付勢力により糸案内部819は跳ね上がる。糸案内部819は緩んだ上糸200を引掛けて跳ね上がり、上糸200の糸道4の経路長を増加させることで、上糸200の緩み分を吸収して縫い目の締まりを良好にする。
(効果)
このように、本実施形態のミシン1は、往復運動するとともに、往路で上糸200の糸道4を横断して上糸200を捕捉及び牽引する天秤7を備える。また、上糸200の緩みを経路長で吸収するように、上糸200を引き上げて上糸200の糸道4を変更する糸取りバネ816が備えられる。この糸取りバネ816は、針3の第1針目の往復運動間では上糸200の緩みに無応答で上糸200を引き上げず、針3の第2針目以降の往復運動間では上糸200の緩みに応答して上糸200を引き上げるようにした。
これにより、上糸200が掛けられたときに糸掛合部71が糸道4を通り過ぎた位置にあり、上糸200が掛けられた後の第1針目の作動サイクルにおいて糸掛合部71が上糸200を捕捉及び牽引できなくとも、糸取りバネ816が上糸200を引き締めてしまうことがないため、目飛びを虞を低減することができる。
尚、本実施形態では、糸掛合部71が往路始端から糸道4の間にあるときにミシン1を停止するが、ハズミ車65の操作によって糸道4を過ぎた位置に移動してしまい、第1針目で上糸200を捕捉及び牽引できない例を説明した。しかし、これに限られず、第1針目で上糸200を捕捉及び牽引できないあらゆるケースで、本実施形態のミシン1は目飛びの虞を抑制できる。
例えば、ユーザに対する安全のため、針3が上死点に位置するときにミシン1を停止させる場合、糸掛合部71は糸道4を過ぎた位置で停止する。この場合も、停止後に上糸200を交換等によって掛けると、第1針目は上糸200が牽引及び捕捉されない。この針3が上死点で位置するときにミシン1を停止させる場合であっても、本実施形態のミシン1は適用でき、目飛びの虞を抑制できる。
また、本実施形態では、糸取りバネ816による上糸200の引き上げを規制する糸取りストッパ820を備えるようにした。この糸取りストッパ820は、アーム818に取り付けられた回動レバー821と、連動レバー822の回動経路上に出没可能な突起部材829と、当該突起部材829を連動レバー822の回動経路上に前進させる回転モータ810とを備えるようにした。そして、アーム818と連動レバー822は互いの揺動に連動して動作し、回転モータ810は、第1針目の往復運動で突起部材829を連動レバー822の回動経路上に前進させ、第2針目以降の往復運動では突起部材829を連動レバー822の回動経路から後退させるようにした。これにより、糸取りバネ816は、針3の第1針目の往復運動では上糸200の緩みに無応答で上糸200を引き上げない。
さらにこの態様によれば、突起部材829は、当該突起部材829よりも大径の穴部を座面とする圧縮バネ831に保持され、また連動レバー822は、糸案内部819の跳ね上がった状態で、突起部材829が回動経路に介入してくる位置まで少なくとも拡がる幅広側面823を有する構成を採ることができる。これにより、糸取りストッパ820の誤作動や作動タイミングの遅れが生じても、機構に不具合を発生させることがない。すなわち、突起部材829は、連動レバー822の回動中に回動経路に向けて前進すると、連動レバー822の幅広側面823に当接し、圧縮バネ831の付勢力に抗して穴部830に後退できる。
尚、実施形態では糸取ストッパ820は、テコ状の出力レバー828、ピン状の突起部材829、コイルばね状の圧縮バネ831によって構成されているが、この態様に限られず、後述する実施形態を含め糸取りバネ816の回動を規制するあらゆる手段が適用可能である。
このミシン1は、上糸200に調子圧を与える上糸調子器8を備える。また、上糸調子器8は、上糸200を挟む可動皿802及び固定皿801と、固定皿801に向けて可動皿802を移動させる回転モータ810とを備える。そして、糸取りストッパ820は、この回転モータ810によって作動されるようにした。
これにより、糸取りストッパ820は上糸調子器8の多数の部品を共用できるので、部品点数を削減でき、ミシン1のコストと目飛びの虞の両方を抑制できる。尚、突起部材829を連動レバー822の回動経路に差し入れればよく、その作動機構は公知の構成の何れをも採用することができる。例えば、回転モータ810の他にも、ソレノイドやボイスコイルモータ等の直線運動を生むアクチュエータの先に突起部材829を備え付けるようにし、このソレノイドやボイスコイルモータをコントローラ9で制御するようにしてもよい。
(他の実施形態)
以上のように本発明の実施形態を説明したが、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。そして、この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
前述したように、本発明の目的の一つは上糸の緩みが糸道の変更によって吸収されてしまう事を防止することであるため、その固定位置は発明の効果には影響を与えない。即ち、本実施形態では、糸取ストッパ820による上糸の引き上げの規制に対し、糸案内部819が下位置で固定されている構成を用いて説明したが、これに限られない。
例えば切り欠きの無い幅広側面823を持つ回動レバー821及びゴム等の滑り難い材質を用いた突起部材829とを用い、出力レバー828の動作及び圧縮バネ831の付勢力により突起部材829を幅広側面823に押し付けることで、ゴムの摩擦力により任意の位置で回動レバー821の回動を規制する構造であっても構わない。
また、本実施形態では突起部材829はピン形状をしており、圧縮バネを用いて出力レバー828に対し埋没可能に取り付けられている。この他、例えば、出力レバーが前後進方向に弾性変形可能な板バネのような形状であり、かつ先端が前進方向に90°程度曲げられた爪形状部(突起部)を持つL字状の部材(出力レバー821b)であっても構わない。この場合、回転モータ810により、出力レバー821bが前進方向に駆動すると、爪形状部も連動レバー822の回動経路上に前進する。そして、切り欠き824と爪形状部が接触することで連動レバー822の回動を規制し、上糸200の引き上げを規制することができる。
一方、爪形状部が連動レバー822の回動経路上に前進した際、幅広側面に接触したとしても、その接触反力により出力レバー821bが後進方向に弾性変形する。するとその変形により爪形状部位置が出力レバー821bに対し相対的に後進方向にずれることにより、爪形状部が出力レバー821bに埋没することができる。そのため、糸取りストッパ820の誤作動によって機構に過負荷が生じるのを防止する。
1 ミシン
21 針板
22 押え足
3 針
31 針棒
4 糸道
5 釜
6 ミシンモータ
61 上軸
62 クランク機構
63 下軸
64 歯車機構
65 ハズミ車
7 天秤
71 糸掛合部
72 歯車機構
72a 円筒ウォームギア
72b 円筒ホイール
73 クランクアーム
74 天秤体
75 揺動リンク
8 上糸調子器
801 固定皿
802 可動皿
803 シャフト
804 プッシャ
807 圧縮バネ
808 調子設定ロッド
809 長穴
810 回転モータ
811 歯車
812 第1平坦面
813 螺旋溝
814 第2平坦面
815 膨出部
816 糸取りバネ
817 コイル部
818 アーム
819 糸案内部
820 糸取りストッパ
821 回動レバー
822 連動レバー
823 幅広側面
824 切り欠き
825 挟持部
827 作動レバー
828 出力レバー
829 突起部材
830 穴部
831 圧縮バネ
9 コントローラ
91 駆動制御部
92 調子制御部
921 調子設定部
922 糸取り制御部
94 操作部
100 布地
200 上糸
300 下糸

Claims (6)

  1. 上糸と下糸とを針と釜の協働動作によって交絡させて縫い目を形成するミシンであって、
    前記上糸の糸道を横断して前記上糸を捕捉し牽引する天秤と、
    前記上糸の緩みに連動し前記上糸の糸道を変更する糸取りバネと、
    前記糸取りバネによる前記上糸の糸道変更を規制する糸取りストッパと、
    を備え、
    前記糸取りバネは、コイルとアームから成るトーションバネであり、前記アームに前記上糸が掛けられ、前記コイルの付勢力によって前記上糸を引き上げるように回動する糸案内部を有し、
    前記糸取りストッパは、
    前記アームを挟持し回動可能に設けられた回動レバーと、
    前記回動レバーの回動経路上に出没可能な突起部材と、
    前記突起部材を前記回動経路上に前進させるためのアクチュエータと、
    を備え、
    前記アームと前記回動レバーは互いの回動に連動し、
    前記アクチュエータは、
    前記針の第1針目の往復運動間で前記突起部材を前記回動レバーの揺動経路上に前進させ、第2針目以降の往復運動では前記突起部材を前記回動レバーの揺動経路から後退させ、
    前記糸取りストッパは、前記第1針目の往復運動間で前記アームの回動を規制し、前記第1針目の往復運動間では前記上糸の緩みに前記糸取りバネを連動させず前記上糸の糸道を変更させないこと、
    を特徴とするミシン。
  2. 前記突起部材を保持する出力レバーを備え、
    前記アクチュエータは、前記出力レバーを駆動させることで、前記突起部材を前記回動経路上に前進させ、
    前記回動レバーは、前記回動経路の少なくとも一部にかかる側面を有し、
    前記突起部材は、前記出力レバーに対して出没可能に保持され、且つ弾性部材によって前記前進方向に付勢されていること、
    を特徴とする請求項1記載のミシン。
  3. 前記上糸に調子圧を与える上糸調子器を備え、
    前記上糸調子器は、
    前記上糸を挟む可動皿及び固定皿と、
    を備え、
    前記アクチュエータは、前記突起部材と前記可動皿を移動させる共通の駆動源であること、
    を特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
  4. 前記上糸が設置若しくは交換されて以降の、又は糸切動作を含む縫製中断後の、最初の針の往復運動を検知するセンサを備え、
    前記糸取りバネは、
    前記上糸が設置若しくは交換されて以降の、又は糸切動作を含む縫製中断後の、針の往復運動の前記第1針目を前記センサで検出した結果に基づき、前記上糸の糸道変更を制御すること、
    を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のミシン。
  5. 手動操作により前記天秤の位置を変更可能なハズミ車を備え、
    前記天秤は、ユーザによる停止操作を契機に、往路の始端と前記糸道との間で停止する一方、前記停止操作後、前記ハズミ車の操作によって前記糸道を通り過ぎた位置に移動可能であること、
    を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のミシン。
  6. 前記第1針目は、前記上糸が設置若しくは交換されて以降、又は糸切動作を含む縫製中断後、縫目形成動作における最初の針の往動運動であること、
    を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のミシン。
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