以下、図面を参照しながら、本開示の熱交換器の実施形態と、本開示の冷凍装置の実施形態について説明する。なお、同一又は同様の部材には、複数の図面にわたって同一の参照符号を付している。
<第1実施形態>
本開示の熱交換器の第1実施形態に係る室内熱交換器25と、室内熱交換器25を搭載している本開示の冷凍装置の一実施形態に係る空気調和装置100について説明する。
なお、以下の実施形態では、方向や位置関係を説明するために、上、下、左、右、前、後といった表現を用いる場合があるが、これらの表現が示す方向は、図面中の矢印が示す方向に従う。
(1)空気調和装置
室内熱交換器25を搭載している空気調和装置100について概略を説明する。図1は、空気調和装置100の概略構成図である。
空気調和装置100は、冷房運転又は暖房運転を行って、対象空間の空気調和を行う装置である。具体的に、空気調和装置100は、冷媒回路RCを有し、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
空気調和装置100は、主として、熱源ユニットとしての室外ユニット10と、利用ユニットとしての室内ユニット20と、を有する。空気調和装置100では、室外ユニット10と室内ユニット20とがガス冷媒連絡管GP及び液冷媒連絡管LPによって接続されることで、冷媒回路RCが構成されている。冷媒回路RCに封入される冷媒は、例えば、R32やR410AのようなHFC冷媒が封入されている。ただし、冷媒の種類は、R32やR410Aに限定されるものではなく、HFO1234yf、HFO1234ze(E)やこれらの混合冷媒等であってもよい。
室外ユニット10及び室内ユニット20について更に説明する。
(1−1)室外ユニット
室外ユニット10は、室外に設置されるユニットである。
室外ユニット10は、主として、圧縮機11と、流向切換機構12と、室外熱交換器13と、膨張機構14と、室外ファン15と、を有している(図1参照)。
また、室外ユニット10は、吸入管16aと、吐出管16bと、第1ガス冷媒管16cと、液冷媒管16dと、第2ガス冷媒管16eと、を有する(図1参照)。吸入管16aは、流向切換機構12と圧縮機11の吸入側とを接続している。吐出管16bは、圧縮機11の吐出側と流向切換機構12とを接続している。第1ガス冷媒管16cは、流向切換機構12と室外熱交換器13のガス側端とを接続している。液冷媒管16dは、室外熱交換器13の液側端と液冷媒連絡管LPとを接続している。膨張機構14は、液冷媒管16dに設けられている。第2ガス冷媒管16eは、流向切換機構12とガス冷媒連絡管GPとを接続している。
圧縮機11は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮して吐出する装置である。圧縮機11は、インバータ制御される、モータの回転数を調節可能な(容量調節可能な)圧縮機である。圧縮機11の回転数は、運転状況に応じて図示しない制御部により調節される。なお、圧縮機11は、モータの回転数が一定の圧縮機であってもよい。
流向切換機構12は、運転モード(冷房運転モード/暖房運転モード)に応じて、冷媒回路RCにおける冷媒の流れ方向を切り換える機構である。本実施形態では、流向切換機構12は、四路切換弁である。
冷房運転モードでは、流向切換機構12は、圧縮機11が吐出する冷媒が室外熱交換器13に送られるように、冷媒回路RCにおける冷媒の流向を切り換える。具体的には、冷房運転モードでは、流向切換機構12は、吸入管16aを第2ガス冷媒管16eと連通させ、吐出管16bを第1ガス冷媒管16cと連通させる(図1中の実線参照)。暖房運転モードでは、流向切換機構12は、圧縮機11が吐出する冷媒が室内熱交換器25に送られるように、冷媒回路RCにおける冷媒の流向が切り換える。具体的には、暖房運転モードでは、流向切換機構12は、吸入管16aを第1ガス冷媒管16cと連通させ、吐出管16bを第2ガス冷媒管16eと連通させる(図1中の破線参照)。
なお、流向切換機構12は、四路切換弁に限られるものではなく、複数の電磁弁及び冷媒管を組み合わせ、上記のような冷媒の流れ方向の切り換えを実現できるように構成されてもよい。
室外熱交換器13は、冷房運転時には冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器13は、複数の伝熱管及び複数の伝熱フィンを有する(図示省略)。
膨張機構14は、流入する高圧の冷媒を減圧する機構である。本実施形態では、膨張機構14は、開度調節可能な膨張弁である。膨張機構14の開度は、運転状況に応じて適宜調節される。なお、膨張機構14は、膨張弁に限定されるものではなく、キャピラリチューブ等であってもよい。
室外ファン15は、外部から室外ユニット10内に流入し、室外熱交換器13を通過し、室外ユニット10外へ流出する空気流を生成する送風機である。室外ファン15は、運転中、図示しない制御部によって駆動を制御され、回転数が適宜調節される。
(1−2)室内ユニット
室内ユニット20は、室内(空気調和の対象空間)に設置される。室内ユニット20は、主として、室内熱交換器25及び室内ファン28を有している(図1参照)。
本開示の熱交換器の一実施形態に係る室内熱交換器25は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には冷媒の凝縮器として機能する。室内熱交換器25のガス側の冷媒の出入口(ガス側出入口GH)には、ガス冷媒管21が接続される。ガス冷媒管21は、ガス冷媒連絡管GPと室内熱交換器25とを接続する配管である。ガス冷媒管21は、室内熱交換器25側で、第1ガス冷媒管21aと第2ガス冷媒管21bとに分岐している(図6等参照、分岐部は図示省略)。室内熱交換器25の液側の冷媒の出入口(液側出入口LH)には、液冷媒管22が接続されている。液冷媒管22は、液冷媒連絡管LPと室内熱交換器25とを接続する配管である。液冷媒管22は、室内熱交換器25側で、第1液冷媒管22aと第2液冷媒管22bとに分岐している(図6等参照、分岐部は図示省略)。室内熱交換器25の詳細については後述する。
室内ファン28は、外部から室内ユニット20内に流入し、室内熱交換器25を通過し、室内ユニット20外へ流出する空気流(室内空気流AF、図5等参照)を生成する送風機である。室内ファン28は、運転中、図示しない制御部によって駆動を制御され、回転数が適宜調節される。
(1−3)ガス冷媒連絡管、液冷媒連絡管
ガス冷媒連絡管GP及び液冷媒連絡管LPは、空気調和装置100の設置現場において敷設される配管である。ガス冷媒連絡管GP及び液冷媒連絡管LPの配管径や配管長は、設計仕様や設置環境に応じて、個別に選択される。
ガス冷媒連絡管GPは、室外ユニット10の第2ガス冷媒管16eと、室内ユニット20のガス冷媒管21と、を接続する配管であり、主としてガス冷媒が流れる配管である。液冷媒連絡管LPは、室外ユニット10の液冷媒管16dと、室内ユニット20の液冷媒管22と、を接続する配管であり、主として液冷媒が流れる配管である。
(2)空気調和装置における冷媒の流れ
空気調和装置100では、冷房運転時及び暖房運転時に、冷媒回路RCにおいて、それぞれ以下に示すように冷媒が循環する。
(2−1)冷房運転時
冷房運転時には、流向切換機構12が図1の実線で示される状態となり、圧縮機11の吐出側が室外熱交換器13のガス側と連通し、かつ、圧縮機11の吸入側が室内熱交換器25のガス側と連通する。
このような状態で圧縮機11が駆動されると、低圧のガス冷媒は、圧縮機11で圧縮されて高圧のガス冷媒となる。高圧のガス冷媒は、吐出管16b、流向切換機構12及び第1ガス冷媒管16cを経て室外熱交換器13に送られる。そして、高圧のガス冷媒は、室外熱交換器13において、室外空気と熱交換を行うことで、凝縮して高圧の液冷媒(過冷却状態の液冷媒)となる。室外熱交換器13から流出した高圧の液冷媒は、膨張機構14に送られる。膨張機構14において減圧された低圧の冷媒は、液冷媒管16d、液冷媒連絡管LP及び液冷媒管22を流れ、液側出入口LHから室内熱交換器25に流入する。室内熱交換器25に流入した冷媒は、室内空気と熱交換を行うことで蒸発して低圧のガス冷媒(過熱状態のガス冷媒)となってガス側出入口GHを介して室内熱交換器25から流出する。室内熱交換器25から流出した冷媒は、ガス冷媒管21、ガス冷媒連絡管GP、第2ガス冷媒管16e及び吸入管16aを流れて圧縮機11に再び吸入される。
(2−2)暖房運転時
暖房運転時には、流向切換機構12が図1の破線で示される状態となり、圧縮機11の吐出側が室内熱交換器25のガス側と連通し、かつ、圧縮機11の吸入側が室外熱交換器13のガス側と連通する。
このような状態で圧縮機11が駆動されると、低圧のガス冷媒は、圧縮機11で圧縮されて高圧のガス冷媒となり、吐出管16b、流向切換機構12、第2ガス冷媒管16e、ガス冷媒連絡管GP及びガス冷媒管21を経て、室内熱交換器25に送られる。室内熱交換器25に送られた高圧の過熱状態のガス冷媒は、ガス側出入口GHを介して室内熱交換器25に流入し、室内空気と熱交換を行うことで凝縮して高圧の液冷媒(過冷却状態の液冷媒)となった後、液側出入口LHを介して室内熱交換器25から流出する。室内熱交換器25から流出した冷媒は、液冷媒管22、液冷媒連絡管LP、液冷媒管16dを経由して膨張機構14に送られる。膨張機構14に送られた高圧の液冷媒は、膨張機構14を通過時に、膨張機構14の弁開度に応じて減圧される。膨張機構14を通過した低圧の冷媒は、室外熱交換器13に流入する。室外熱交換器13に流入した低圧の冷媒は、室外空気と熱交換を行って蒸発して低圧のガス冷媒となり、第1ガス冷媒管16c、流向切換機構12及び吸入管16aを経由して圧縮機11に再び吸入される。
(3)室内ユニットの詳細
図2は、室内ユニット20の斜視図である。図3は、天井面CLに取り付けられた状態の室内ユニット20の、図2のIII−III矢視の模式断面図である。図4は、下面視における室内ユニット20の概略構成を示した模式図である。
室内ユニット20は、いわゆる天井埋込型の空調室内機であり、空調対象空間の天井に設置されている。室内ユニット20は、外郭を構成するケーシング30を有している。
ケーシング30内には、室内熱交換器25や室内ファン28等の機器が収容されている。ケーシング30は、図3に示されるように、対象空間の天井面CLに形成された開口に挿入され、天井面CLと上階の床面又は屋根との間に形成される天井裏空間CSに設置される。ケーシング30は、天板31a、側板31b、及び底板31c及び化粧パネル32を含む。
天板31aは、ケーシング30の天面部分を構成する部材であり、長辺と短辺とが交互に連続して形成された略八角形状を呈している。
側板31bは、ケーシング30の側面部分を構成する部材であり、天板31aの形状に対応する略八角柱形状を呈している。側板31bには、ガス冷媒連絡管GP及び液冷媒連絡管LPをケーシング30内に挿入する(引き込む)ための、又は、ガス冷媒管21又は液冷媒管22をケーシング30外に引き出すための、開口30aが形成されている(図4の一点鎖線参照)。
底板31cは、ケーシング30の底面部分を構成する部材であり、中央に略四角形の大開口311が形成されている(図3参照)。また、底板31cの大開口311の周囲には、複数の開口312が形成されている(図3参照)。底板31cの下面側(対象空間側)には、化粧パネル32が取り付けられている。
化粧パネル32は、対象空間に露出する板状部材であり、平面視で略四角形状を呈している。化粧パネル32は、天井面CLの開口に嵌め込まれて設置されている(図3参照)。化粧パネル32には、室内空気流AFの吸込口33や吹出口34が形成されている。吸込口33は、化粧パネル32の中央部分において、平面視で底板31cの大開口311と部分的に重なる位置に略四角形状に形成されている。吹出口34は、吸込口33の周囲に、吸込口33を囲むように形成されている。
ケーシング30内には、吸込口33を介してケーシング30内に流入した室内空気流AFを室内熱交換器25へと導くための吸込流路FP1と、室内熱交換器25を通過した室内空気流AFを吹出口34へと送る吹出流路FP2と、が形成されている。吹出流路FP2は、吸込流路FP1の外側に、吸込流路FP1を囲むように配置されている。
ケーシング30内には、中央部分に室内ファン28が配置され、室内ファン28を囲むように室内熱交換器25が配置されている。室内ファン28は、平面視において、吸込口33と部分的に重なる(図4参照)。室内熱交換器25は、平面視において、略四角形の環状を呈し、吸込口33を囲みかつ吹出口34に囲まれるように配置されている。
上述のような態様で、吸込口33、吹出口34、吸込流路FP1、及び吹出流路FP2、室内熱交換器25及び室内ファン28が配置されることで、室内ファン28の運転中、室内ユニット20において室内空気流AFは以下のような経路を流れる。
室内ファン28により生成された室内空気流AFは、吸込口33を介してケーシング30内に流入し、吸込流路FP1を介して室内熱交換器25へ導かれる。室内熱交換器25へ導かれた室内空気流AFは、室内熱交換器25内の冷媒と熱交換を行った後、吹出流路FP2を介して吹出口34へと送られ、吹出口34から対象空間に吹き出される。
以下の説明において、室内空気流AFが室内熱交換器25を通過する際に流れる方向を「空気流れ方向dr3(図7及び図8参照)」と称する。本実施形態では、空気流れ方向dr3は、水平方向である。
(4)室内熱交換器
室内熱交換器25について説明する。
(4−1)室内熱交換器の構成
図5は、後述する扁平多穴管45の扁平管積層方向dr2から見た室内熱交換器25を概略的に示した模式図である。なお、扁平管積層方向dr2は、第1方向の一例である。ここでは、扁平管積層方向dr2は上下方向である。図5は、室内熱交換器25を下方から見た模式図である。図6は、室内熱交換器25の斜視図である。図7は、熱交換面40の一部を示した斜視図である。図8は、図5のVIII-VIII矢視の模式断面図である。図9は、室内熱交換器25の構成を概略的に示した模式図である。
(4−1−1)室内熱交換器に対する冷媒の出入口
室内熱交換器25に対する冷媒の出入口について説明する。
室内熱交換器25には、上述のように、ガス側出入口GH及び液側出入口LHを介して冷媒が流入又は流出する(図1参照)。暖房運転時(すなわち室内熱交換器25が凝縮器として使用される時)には、ガス側出入口GHが冷媒(主として過熱状態のガス冷媒)の入口として機能し、液側出入口LHが冷媒(主として過冷却状態の液冷媒)の出口として機能する。一方、冷房運転時(すなわち室内熱交換器25が蒸発器として使用される時)には、液側出入口LHが冷媒の入口として機能し、ガス側出入口GHが冷媒(主として過熱状態のガス冷媒)の出口として機能する。
室内熱交換器25には、複数(ここでは2つ)のガス側出入口GHと、複数(ここでは2つ)の液側出入口LHが形成されている。具体的に、室内熱交換器25には、ガス側出入口GHとして、第1ガス側出入口GH1及び第2ガス側出入口GH2が形成されている(図6参照)。また、室内熱交換器25には、液側出入口LHとして、第1液側出入口LH1及び第2液側出入口LH2が形成されている(図6参照)。第1ガス側出入口GH1及び第2ガス側出入口GH2は、第1液側出入口LH1及び第2液側出入口LH2より上方に配置されている(図6参照)。
(4−1−2)室内熱交換器の熱交換面
次に、室内熱交換器25の熱交換面40について説明する。室内熱交換器25では、熱交換面40において室内空気流AFと冷媒の熱交換が行われる。なお、設置状態において、熱交換面40を通過する室内空気流AFは、風速分布を有する。本実施形態の室内ユニット20では、熱交換面40を通過する室内空気流AFの上段側の風速は、下段側の風速より大きい。
熱交換面40には、後述する、前列第1熱交換面51、前列第2熱交換面52、前列第3熱交換面53、前列第4熱交換面54、後列第1熱交換面61、後列第2熱交換面62、後列第3熱交換面63、及び後列第4熱交換面64を含む。
室内熱交換器25は、室内空気流AFと熱交換を行うための熱交換面40を、室内空気流AFの空気流れ方向dr3の風上側及び風下側に有している。具体的には、熱交換面40は、空気流れ方向dr3の風上側に配置される前列熱交換面55と、空気流れ方向dr3の風下側に配置される後列熱交換面65と、を含む。言い換えれば、室内熱交換器25は、前列熱交換面55(前列第1熱交換面51、前列第2熱交換面52、前列第3熱交換面53及び前列第4熱交換面54)を有し、空気流れ方向dr3の風上側に配置される前列熱交換部50と、後列熱交換面65(後列第1熱交換面61、後列第2熱交換面62、後列第3熱交換面63及び後列第4熱交換面64)を有し、空気流れ方向dr3の風下側に配置される後列熱交換部60と、を有する。前列熱交換部50及び後列熱交換部60については後述する。
室内熱交換器25は、各熱交換面40において、冷媒が内部を流れる複数(ここでは19本)の扁平多穴管45と、冷媒と室内空気流AFとの熱交換を促進させる複数の伝熱フィン48と、を有する(図7及び図8等参照)。なお、ここで示す扁平多穴管45の本数は、例示に過ぎず、限定されるものではない。扁平多穴管45の本数は、設計仕様等に応じて、適宜変更されてもよい。例えば、扁平多穴管45の本数は、18本以下又は20本以上であってもよい。
各扁平多穴管45は、第1端側(前列熱交換部50の場合には前列第1ヘッダ56側、後列熱交換部60の場合には後列第1ヘッダ66側)から、第2端側(前列熱交換部50の場合には前列第2ヘッダ57側、後列熱交換部60の場合には後列第2ヘッダ67側)に向かって延びる(図9参照)。ここでは、各扁平多穴管45は、概ね四辺形の四辺を描くように延びる(図6参照)。各扁平多穴管45は、所定の扁平管延伸方向dr1(ここでは水平方向)に延びるように配置される。扁平多穴管45は、所定の扁平管積層方向dr2(ここでは鉛直方向)に間隔を置いて複数並べて配置されている(積層されている)。なお、扁平管延伸方向dr1は、扁平管積層方向dr2及び空気流れ方向dr3に交差する方向である。扁平管積層方向dr2は、扁平管延伸方向dr1及び空気流れ方向dr3に交差する方向である。特に、ここでは、空気流れ方向dr3は、扁平管積層方向dr2に概ね直交する。本実施形態では、室内熱交換器25は熱交換面40を風上側及び風下側に有しており、室内熱交換器25では、空気流れ方向dr3に複数列(ここでは2列)に並べられた扁平多穴管45が、扁平管積層方向dr2に複数段に積層されている。なお、熱交換面40の扁平多穴管45の本数、列数、段数については、設計仕様に応じて適宜変更が可能である。
扁平多穴管45は、断面が扁平形状を呈するように構成された扁平管である。扁平多穴管45は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製である。扁平多穴管45の内部には、扁平管延伸方向dr1に沿って延びる複数の冷媒流路(扁平管流路451)が形成されている(図8参照)。複数の扁平管流路451は、扁平多穴管45内において、空気流れ方向dr3に沿って並ぶように配置されている(図8参照)。
伝熱フィン48は、扁平多穴管45と室内空気流AFとの伝熱面積を増大させる平板状の部材である。伝熱フィン48は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製である。伝熱フィン48は、扁平多穴管45に交差するように、扁平管積層方向dr2を長手方向として延びる。伝熱フィン48には、複数のスリット48aが扁平管積層方向dr2に沿って間隔を空けて並べて形成されている。各スリット48aに扁平多穴管45が挿入されている(図8参照)。
各伝熱フィン48は、熱交換面40において、他の伝熱フィン48とともに扁平管延伸方向dr1に沿って間隔を空けて並べられている。本実施形態では、室内熱交換器25は熱交換面40を風上側及び風下側に有しており、室内熱交換器25では、扁平管積層方向dr2に沿って延びる伝熱フィン48が、空気流れ方向dr3に沿って2列に、また扁平管延伸方向dr1に沿って多数並べられている。なお、室内熱交換器25の熱交換面40の伝熱フィン48の数は、扁平多穴管45の扁平管延伸方向dr1の長さ寸法に応じて選択され、設計仕様に応じて適宜選択、変更が可能である。
(4−1−3)室内熱交換器の構成
室内熱交換器25は、複数の(ここでは2つの)熱交換部(前列熱交換部50及び後列熱交換部60)と、前列第1ヘッダ56と、前列第2ヘッダ57と、後列第1ヘッダ66と、後列第2ヘッダ67と、折返し管58と、接続配管70と、を主に有する。以下に、これらの構成について説明する。
なお、ここでは、説明の都合上、空気流れ方向dr3の風上側の前列構成(前列熱交換部50、前列第1ヘッダ56、前列第2ヘッダ57及び折返し管58)と、空気流れ方向dr3の風下側の後列構成(後列熱交換部60、後列第1ヘッダ66及び後列第2ヘッダ67)と、接続配管70と、に分けて、室内熱交換器25の構成を説明する。
(4−1−3−1)前列構成
図10は、前列熱交換部50、前列第1ヘッダ56、前列第2ヘッダ57及び折返し管58を含む前列構成を概略的に示した模式図である。
前列熱交換部50は、熱交換面40として前列熱交換面55を有している。前列熱交換面55には、前列第1熱交換面51、前列第2熱交換面52、前列第3熱交換面53及び前列第4熱交換面54を含む。
(4−1−3−1−1)前列熱交換部
前列熱交換部50の前列熱交換面55が有する扁平多穴管45は、第1端側(前列第1ヘッダ56)から、第2端側(前列第2ヘッダ57)に向かって延びる。各扁平多穴管45は、概ね四辺形の四辺を描くように延びる。言い換えれば、各扁平多穴管45は、略ロの字型に配置される。前列第1熱交換面51、前列第2熱交換面52、前列第3熱交換面53及び前列第4熱交換面54は、扁平多穴管45の延びる方向に沿って、前列第1ヘッダ56側から前列第2ヘッダ57側に向かってこの順に並べて配置される。
前列第1熱交換面51、前列第2熱交換面52、前列第3熱交換面53及び前列第4熱交換面54は、平面視において、概ね四辺形状に配置されている(図5参照)。具体的には、前列第1熱交換面51は、前列第1ヘッダ56から前方に延びる。前列第2熱交換面52は、前列第1熱交換面51の前端から右方に延びる。前列第3熱交換面53は、前列第2熱交換面52の右端から後方に延びる。前列第4熱交換面54は、前列第3熱交換面53の後端から左方へと、前列第2ヘッダ57まで延びる。
なお、図10等の模式図では、理解のしやすさの観点から、四辺形状に配置される前列第1熱交換面51、前列第2熱交換面52、前列第3熱交換面53及び前列第4熱交換面54を、単一の平面状に描画している。
(4−1−3−1−2)前列第1ヘッダ
前列第1ヘッダ56は、冷媒を各扁平多穴管45に分流させる分流ヘッダ、又は各扁平多穴管45から流出する冷媒を合流させる合流ヘッダ等として機能するヘッダ管である。前列第1ヘッダ56は、設置状態において、鉛直方向(上下方向)を長手方向として延びる。
前列第1ヘッダ56は、筒状に構成され、内部に前列第1ヘッダ空間Sa1が形成されている(図10参照)。前列第1ヘッダ56は、前列第1熱交換面51の末端(後端)に接続されている(図6参照)。前列第1ヘッダ56は、前列熱交換部50の各扁平多穴管45の一端と接続され、これらの扁平多穴管45を前列第1ヘッダ空間Sa1と連通させている(図10参照)。
前列第1ヘッダ56の内部には複数(ここでは2つ)の水平仕切板561が配置されている(図10参照)。前列第1ヘッダ空間Sa1は、水平仕切板561により、扁平管積層方向dr2に複数(ここでは3つ)の空間に仕切られている。具体的には、前列第1ヘッダ空間Sa1は、水平仕切板561により、前列第1空間A1、前列第2空間A2及び前列第3空間A3に仕切られている(図10参照)。前列第1空間A1、前列第2空間A2及び前列第3空間A3は、上から、前列第1空間A1、前列第2空間A2、前列第3空間A3の順に並べて配置されている。
前列第1ヘッダ56には、第1ガス側出入口GH1が形成されている(図10参照)。第1ガス側出入口GH1は、前列第1空間A1に連通している。第1ガス側出入口GH1には、第1ガス冷媒管21aが接続されている(図10参照)。前列第1空間A1は、冷房運転時には室内熱交換器25において冷媒流れの最下流側に位置し、暖房運転時には室内熱交換器25において冷媒流れの最上流側に位置する。
また、前列第1ヘッダ56には、第1液側出入口LH1及び第2液側出入口LH2が形成されている(図10参照)。第1液側出入口LH1は、前列第2空間A2に連通している。第1液側出入口LH1には、第1液冷媒管22aが接続されている(図10参照)。第2液側出入口LH2は、前列第3空間A3に連通している。第2液側出入口LH2には、第2液冷媒管22bが接続されている(図10参照)。前列第2空間A2及び前列第3空間A3は、冷房運転時には室内熱交換器25において冷媒流れの最上流側に位置し、暖房運転時には室内熱交換器25において冷媒流れの最下流側に位置する。
(4−1−3−1−3)前列第2ヘッダ
前列第2ヘッダ57は、冷媒を各扁平多穴管45に分流させる分流ヘッダ、各扁平多穴管45から流出する冷媒を合流させる合流ヘッダ、又は各扁平多穴管45から流出する冷媒を他の扁平多穴管45に折り返すための折返しヘッダ等として機能するヘッダ管である。前列第2ヘッダ57は、設置状態において、鉛直方向(上下方向)を長手方向として延びる。
前列第2ヘッダ57は、筒状に構成され、内部に前列第2ヘッダ空間Sa2が形成されている(図10参照)。前列第2ヘッダ57は、前列第4熱交換面54の末端(左端)に接続されている(図6参照)。前列第2ヘッダ57は、前列熱交換部50の各扁平多穴管45の一端と接続され、これらの扁平多穴管45を前列第2ヘッダ空間Sa2と連通させている(図10参照)。
前列第2ヘッダ57内には複数(ここでは2つ)の水平仕切板571が配置されている(図10参照)。前列第2ヘッダ空間Sa2は、水平仕切板571により、扁平管積層方向dr2に複数(ここでは3つ)の空間に仕切られている。具体的には、前列第2ヘッダ空間Sa2は、水平仕切板571により、前列第4空間A4、前列第5空間A5及び前列第6空間A6に仕切られている(図10参照)。前列第4空間A4、前列第5空間A5及び前列第6空間A6は、上から、前列第4空間A4、前列第5空間A5、前列第6空間A6の順に並べて配置されている。
前列第4空間A4は、扁平多穴管45を介して、前列第1ヘッダ56の前列第1空間A1と連通している(図10参照)。また、前列第2ヘッダ57の前列第4空間A4に対応する部分には、第1接続孔H1が形成されている。第1接続孔H1には、折返し管58の一端が接続されている。前列第4空間A4と折返し管58とは連通している。前列第4空間A4は、折返し管58を介して、前列第5空間A5と連通している。
前列第5空間A5は、扁平多穴管45を介して、前列第1ヘッダ56の前列第2空間A2と連通している(図10参照)。また、前列第2ヘッダ57の前列第5空間A5に対応する部分には、第2接続孔H2が形成されている。第2接続孔H2には、折返し管58の一端が接続されている。前列第5空間A5と折返し管58とは連通している。
前列第6空間A6は、扁平多穴管45を介して、前列第1ヘッダ56の前列第3空間A3と連通している(図10参照)。また、前列第2ヘッダ57の前列第6空間A6に対応する部分には、第3接続孔H3が形成されている。第3接続孔H3には、接続配管70の一端が接続されている。前列第6空間A6と接続配管70とは連通している。前列第6空間A6は、接続配管70を介して、後述する後列第2ヘッダ67内の後列第2ヘッダ空間Sb2と連通している。
(4−1−3−1−4)折返し管
折返し管58は、扁平多穴管45を通過して前列第2ヘッダ57内のいずれかの空間(ここでは前列第4空間A4又は前列第5空間A5)に流入した冷媒を折り返して、他の空間(ここでは前列第5空間A5又は前列第4空間A4)へ流入させる折返し流路を形成するための配管である。本実施形態において、折返し管58は、一端が前列第4空間A4に連通するように前列第2ヘッダ57に接続され、他端が前列第5空間A5に連通するように前列第2ヘッダ57に接続されている。
なお、本実施形態では、折返し流路を形成するために折返し管58を利用しているが、折返し流路の形成方法はこのような方法に限定されるものではない。例えば、折返し管58を設ける代わりに、前列第4空間A4と前列第5空間A5とを仕切る水平仕切板571に開口を形成して、前列第4空間A4と前列第5空間A5とを連通する流路を形成してもよい。
(4−1−3−2)後列構成
図11は、後列熱交換部60、後列第1ヘッダ66及び後列第2ヘッダ67を含む後列構成を概略的に示した模式図である。
後列熱交換部60は、熱交換面40として、後列熱交換面65を有している。後列熱交換面65には、後列第1熱交換面61、後列第2熱交換面62、後列第3熱交換面63及び後列第4熱交換面64を含む。
(4−1−3−2−1)後列熱交換部
後列熱交換部60の後列熱交換面65が有する扁平多穴管45は、第1端側(後列第1ヘッダ66)から、第2端側(後列第2ヘッダ67)に向かって延びる。各扁平多穴管45は、概ね四辺形の四辺を描くように延びる(略ロの字型に配置される)。後列第1熱交換面61、後列第2熱交換面62、後列第3熱交換面63及び後列第4熱交換面64は、扁平多穴管45の延びる方向に沿って、後列第1ヘッダ66側から後列第2ヘッダ67側に向かってこの順に並べて配置される。
後列第1熱交換面61、後列第2熱交換面62、後列第3熱交換面63及び後列第4熱交換面64は、平面視において、概ね四辺形状に配置されている(図5参照)。具体的には、後列第1熱交換面61は、後列第1ヘッダ66から前方に延びる。後列第2熱交換面62は、後列第1熱交換面61の前端から右方に延びる。後列第3熱交換面63は、後列第2熱交換面62の右端から後方に延びる。後列第4熱交換面64は、後列第3熱交換面63の後端から左方へと、後列第2ヘッダ67まで延びる。
概ね四辺形状に形成された後列熱交換面65は、前列熱交換面55を囲むように、前列熱交換面55に隣接して配置されている(図6参照)。後列第1熱交換面61、後列第2熱交換面62、後列第3熱交換面63及び後列第4熱交換面64は、それぞれ、前列第1熱交換面51、前列第2熱交換面52、前列第3熱交換面53及び前列第4熱交換面54と対向するように配置されている。
なお、図11等の模式図では、理解のしやすさの観点から、四辺形状に配置される後列第1熱交換面61、後列第2熱交換面62、後列第3熱交換面63及び後列第4熱交換面64を、単一の平面状に描画している。
(4−1−3−2−2)後列第1ヘッダ
後列第1ヘッダ66は、冷媒を各扁平多穴管45に分流させる分流ヘッダ、又は各扁平多穴管45から流出する冷媒を合流させる合流ヘッダ等として機能するヘッダ管である。後列第1ヘッダ66は、設置状態において、鉛直方向を長手方向として延びる。後列第1ヘッダ66は、空気流れ方向dr3における前列第1ヘッダ56の風下側(図6では左側)に、前列第1ヘッダ56と隣接して配置されている。
後列第1ヘッダ66は、筒状に構成され、内部に後列第1ヘッダ空間Sb1が形成されている(図11参照)。後列第1ヘッダ66は、後列第1熱交換面61の末端(後端)に接続されている(図6参照)。後列第1ヘッダ66は、後列熱交換部60の各扁平多穴管45の一端と接続され、これらの扁平多穴管45を後列第1ヘッダ空間Sb1と連通させている(図11参照)。
後列第1ヘッダ66には、第2ガス側出入口GH2が形成されている(図11参照)。第2ガス側出入口GH2は、後列第1ヘッダ空間Sb1に連通している。第2ガス側出入口GH2には、第2ガス冷媒管21bが接続されている(図11参照)。後列第1ヘッダ空間Sb1は、冷房運転時には室内熱交換器25において冷媒流れの最下流側に位置し、暖房運転時には室内熱交換器25において冷媒流れの最上流側に位置する。
(4−1−3−2−3)後列第2ヘッダ
後列第2ヘッダ67は、冷媒を各扁平多穴管45に分流させる分流ヘッダ、各扁平多穴管45から流出する冷媒を合流させる合流ヘッダ、又は各扁平多穴管45から流出する冷媒を他の扁平多穴管45に折り返すための折返しヘッダ等として機能するヘッダ管である。後列第2ヘッダ67は、設置状態において、鉛直方向を長手方向として延びる。後列第2ヘッダ67は、空気流れ方向dr3における前列第2ヘッダ57の風下側(図6では後側)に隣接している。
後列第2ヘッダ67は、筒状に構成され、内部に後列第2ヘッダ空間Sb2が形成されている(図11参照)。後列第2ヘッダ67は、後列第4熱交換面64の末端(左端)に接続されている(図6参照)。後列第2ヘッダ67は、後列熱交換部60の各扁平多穴管45の一端と接続され、これらの扁平多穴管45を後列第2ヘッダ空間Sb2と連通させている(図11参照)。
後列第2ヘッダ空間Sb2は、扁平多穴管45を介して、後列第1ヘッダ66の後列第1ヘッダ空間Sb1と連通している(図11参照)。前列第2ヘッダ57には、第4接続孔H4が形成されている。第4接続孔H4には、接続配管70の一端が接続されている。後列第2ヘッダ空間Sb2は、接続配管70を介して、前列第2ヘッダ57の前列第6空間A6と連通している。
(4−1−3−3)接続配管
接続配管70は、前列熱交換部50及び後列熱交換部60間で冷媒の流路を形成する冷媒配管である。接続配管70は、前列第2ヘッダ57の前列第6空間A6と、後列第2ヘッダ67の後列第2ヘッダ空間Sb2と、を連通させる冷媒の流路である。
(4−2)室内熱交換器における冷媒のパス
室内熱交換器25における冷媒のパスについて説明する。なお、「パス」とは、ここでは、室内熱交換器25に含まれる各要素が連通することで形成される冷媒の流路を意味する。
図12は、室内熱交換器25において形成される冷媒のパスを概略的に示した模式図である。本実施形態では、室内熱交換器25に複数のパスが形成されている。具体的に、室内熱交換器25には、第1パスP1、第2パスP2、第3パスP3及び第4パスP4が形成されている。
(4−2−1)第1パス
第1パスP1は、主に、前列熱交換部50、前列第1ヘッダ56、前列第2ヘッダ57により形成される冷媒の流路である(図12及び図13等参照)。本実施形態では、第1パスP1は、前列熱交換部50の一点鎖線L1(図12及び図13等参照)より上方に形成される。第1パスP1は、主に、前列第1空間A1と、前列第1空間A1と前列第4空間A4とを連通する扁平多穴管45と、前列第4空間A4と、により形成される。
なお、前列熱交換部50を通過する室内空気流AFには、風速分布がある場合がある。例えば、前列熱交換部50の上段側を通過する室内空気流AFの風速は、前列熱交換部50の下段側を通過する室内空気流AFの風速より大きい。例えば、前列熱交換部50の一点鎖線L1(図10参照)より上方部分を通過する室内空気流AFの風速は、一点鎖線L1より下方部分を通過する室内空気流AFよりも風速が大きい。
冷房運転時には、第1パスP1において、前列第4空間A4から前列第1空間A1に向かって冷媒が流れる(図13参照)。
また、暖房運転時には、第1パスP1において、前列第1空間A1から前列第4空間A4に向かって冷媒が流れる(図15参照)。より具体的には、暖房運転時には、主として過熱状態のガス冷媒が、第1ガス冷媒管21aから第1ガス側出入口GH1を通過して前列第1空間A1に流入する。前列第1空間A1に流入したガス冷媒は、第1パスP1の扁平多穴管45の前列第1空間A1側の端部開口(ガス冷媒出入口45aa、図12参照)から流入し、扁平管流路451を通過して、第1パスP1の扁平多穴管45の前列第4空間A4側の端部開口から前列第4空間A4に流入する。
第1パスP1の扁平多穴管45は、ガス冷媒出入口45aa(図12参照)が一端(前列第1ヘッダ56側、第1端側)に設けられているガス側扁平多穴管の一例である。ガス冷媒出入口45aaは、暖房運転時の(室内熱交換器25が凝縮器として機能する時の)室内熱交換器25内の冷媒流れ方向における最上流側の扁平多穴管45の冷媒の入口である。つまり、室内熱交換器25が凝縮器として機能する際にガス冷媒管21から室内熱交換器25に流入するガス冷媒は、初めにガス側扁平多穴管を流れる。また、ガス冷媒出入口45aaは、冷房運転時の(室内熱交換器25が蒸発器として機能する時の)室内熱交換器25内の冷媒流れ方向における最下流側の扁平多穴管45の冷媒の出口である。つまり、室内熱交換器25が蒸発器として機能する際には最後にガス側扁平多穴管を流れて室内熱交換器25から液冷媒管22へと流出する。言い換えれば、ガス側扁平多穴管は、ヘッダのガス側出入口GHと連通する空間に接続される扁平多穴管45である。以下では、扁平多穴管45のうち、特にガス側扁平多穴管をガス側扁平多穴管45aと称する(図10参照)。
なお、図10及び図12に示されるように、一点鎖線L1(前列第1空間A1と前列第2空間A2を仕切る水平仕切板561、及び、前列第4空間A4と前列第5空間A5を仕切る水平仕切板571の配置される高さ位置)は、上から数えて12本目の扁平多穴管45と13本目の扁平多穴管45の間に位置している。すなわち、本実施形態では、第1パスP1は、上から12本分の扁平多穴管45(ガス側扁平多穴管45a)を含む。
(4−2−2)第2パス
第2パスP2は、主に、前列熱交換部50、前列第1ヘッダ56、前列第2ヘッダ57により形成される冷媒の流路である。本実施形態では、第2パスP2は、前列熱交換部50の一点鎖線L1より下方、かつ一点鎖線L2より上方に形成される(図12及び図13等参照)。第2パスP2は、主に、前列第2空間A2と、前列第2空間A2と前列第5空間A5とに連通する扁平多穴管45と、前列第5空間A5と、により形成される。
冷房運転時には、第2パスP2において、前列第2空間A2から前列第5空間A5に向かって冷媒が流れる(図13参照)。
また、暖房運転時には、第2パスP2において、前列第5空間A5から前列第2空間A2に向かって冷媒が流れる(図15参照)。より具体的には、暖房運転時には、第1パスP1(ガス側扁平多穴管45a)及び折返し管58を流れた冷媒が、第2接続孔H2から前列第5空間A5に流入する。前列第5空間A5(前列第2ヘッダ57内)では、複数のガス側扁平多穴管45aから流出した冷媒が合流する。前列第5空間A5(前列第2ヘッダ57内)で合流した冷媒は、第2パスP2の複数の扁平多穴管45へと導かれる。具体的には、前列第5空間A5で合流させられた冷媒は、第2パスP2の扁平多穴管45の前列第5空間A5側の端部開口から流入し、扁平管流路451を通過して、第2パスP2の扁平多穴管45の前列第2空間A2側の端部開口(液冷媒出入口45ba、図12参照)から前列第2空間A2に流入する。暖房運転時に、前列第2空間A2へと流入する冷媒は、主として過冷却状態の液冷媒である。
第2パスP2の扁平多穴管45は、ガス側扁平多穴管45aとは異なり、液冷媒出入口45ba(図12参照)が一端(前列第1ヘッダ56側、第1端側)に設けられている液側扁平多穴管の一例である。液冷媒出入口45baは、暖房運転時の(室内熱交換器25が凝縮器として機能する時の)室内熱交換器25内の冷媒流れ方向における最下流側の扁平多穴管45の冷媒の出口である。つまり、室内熱交換器25が凝縮器として機能する際には最後に液側扁平多穴管を流れて室内熱交換器25から液冷媒管22へと流出する。また、液冷媒出入口45baは、冷房運転時の(室内熱交換器25が蒸発器として機能する時の)室内熱交換器25内の冷媒流れ方向における最上流側の扁平多穴管45の冷媒の入口である。つまり、室内熱交換器25が蒸発器として機能する際に液冷媒管22から室内熱交換器25に流入する液冷媒は、初めに液側扁平多穴管を流れる。言い換えれば、液側扁平多穴管は、ヘッダの液側出入口LHと連通する空間に接続される扁平多穴管45である。以下では、扁平多穴管45のうち、特に液側扁平多穴管を液側扁平多穴管45bと称する(図10参照)。
なお、図10及び図12に示されるように、一点鎖線L2(前列第2空間A2と前列第3空間A3を仕切る水平仕切板561、及び、前列第5空間A5と前列第6空間A6を仕切る水平仕切板571の配置される高さ位置)は、上から数えて16本目の扁平多穴管45と17本目の扁平多穴管45の間に位置している。すなわち、本実施形態では、第2パスP2は、上から数えて13本目から16本目の(つまり4本の)扁平多穴管45(液側扁平多穴管45b)を含む。
(4−2−3)第3パス
第3パスP3は、主に、前列熱交換部50、前列第1ヘッダ56、前列第2ヘッダ57により形成される冷媒の流路である。本実施形態では、第3パスP3は、前列熱交換部50の一点鎖線L2より下方に形成される(図12及び図13等参照)。第3パスP3は、主に、前列第3空間A3と、前列第3空間A3と前列第6空間A6とに連通する扁平多穴管45と、前列第6空間A6と、により形成される。
冷房運転時には、第3パスP3において、前列第3空間A3から前列第6空間A6に向かって冷媒が流れる(図13参照)。
また、暖房運転時には、第3パスP3において、前列第6空間A6から前列第3空間A3に向かって冷媒が流れる(図15参照)。より具体的には、暖房運転時には、後述する第4パスP4(ガス側扁平多穴管45a)及び接続配管70を流れた冷媒が、第3接続孔H3から前列第6空間A6に流入する。前列第6空間A6に流入した冷媒は、第3パスP3の複数の扁平多穴管45へと導かれる。具体的には、前列第6空間A6に流入した冷媒は、第3パスP3の扁平多穴管45の前列第6空間A6側の端部開口から流入し、扁平管流路451を通過して、第3パスP3の扁平多穴管45の前列第3空間A3側の端部開口(液冷媒出入口45ba)から前列第3空間A3に流入する。暖房運転時に、前列第3空間A3へと流入する冷媒は、主として過冷却状態の液冷媒である。なお、第3パスP3の扁平多穴管45は、液側扁平多穴管45bである。
なお、図10及び図12に示されるように、第3パスP3は、上から数えて17本目から19本目(つまり3本の)の扁平多穴管45(液側扁平多穴管45b)を含む。
(4−2−4)第4パス
第4パスP4は、主に、後列熱交換部60、後列第1ヘッダ66、後列第2ヘッダ67により形成される冷媒の流路である(図12及び図14等参照)。第4パスP4は、主に、後列第1ヘッダ空間Sb1と、後列第1ヘッダ空間Sb1と後列第2ヘッダ空間Sb2とを連通する扁平多穴管45と、後列第2ヘッダ空間Sb2と、により形成される。
冷房運転時には、第4パスP4において、後列第2ヘッダ空間Sb2から後列第1ヘッダ空間Sb1に向かって冷媒が流れる(図14参照)。
また、暖房運転時には、第4パスP4において、後列第1ヘッダ空間Sb1から後列第2ヘッダ空間Sb2に向かって冷媒が流れる(図16参照)。より具体的には、暖房運転時には、主として過熱状態のガス冷媒は、第2ガス冷媒管21bから第2ガス側出入口GH2を通過して後列第1ヘッダ空間Sb1に流入する。後列第1ヘッダ空間Sb1に流入したガス冷媒は、第4パスP4の扁平多穴管45の後列第1ヘッダ空間Sb1側の端部開口(ガス冷媒出入口45aa)から流入し、扁平管流路451を通過して、第1パスP1の扁平多穴管45の後列第2ヘッダ空間Sb2側の端部開口から後列第2ヘッダ空間Sb2に流入する。後列第2ヘッダ空間Sb2(後列第2ヘッダ67内)では、複数のガス側扁平多穴管45aから流出した冷媒が合流する。後列第2ヘッダ空間Sb2(後列第2ヘッダ67内)で合流した冷媒は、接続配管70及び前列第6空間A6を経て、第3パスP3の複数の液側扁平多穴管45bへと導かれる。
第4パスP4の扁平多穴管45は、ガス側扁平多穴管45aである(図10参照)。図10及び図12に示されるように、第4パスP4は、合計19本の扁平多穴管45(ガス側扁平多穴管45a)を含む。
言い換えれば、後列熱交換部60の19本の扁平多穴管45は、全て第4パスP4を構成するガス側扁平多穴管45aである。これに対し、前列熱交換部50の扁平多穴管45は、上から12本がガス側扁平多穴管45aであり、下部の7本が液側扁平多穴管45bである。
つまり、本実施形態の室内熱交換器25は、空気流れ方向dr3における風上側の最前列の熱交換部(前列熱交換部50)に含まれるガス側扁平多穴管45aの数が、風下側の最後列の熱交換部(後列熱交換部60)に含まれるガス側扁平多穴管45aの数よりも少ないという構成を有する。
また、本実施形態の室内熱交換器25は、複数の熱交換部(前列熱交換部50及び後列熱交換部60)が、ガス側扁平多穴管45aを含むという構成を有する。
また、本実施形態の室内熱交換器25は、ガス側扁平多穴管45aの総数31本(後列熱交換部60:19本、前列熱交換部50:12本)は、液側扁平多穴管45bの総数7本(全て前列熱交換部50)よりも多いという構成を有する。
また、本実施形態の室内熱交換器25は、ガス側扁平多穴管45aには、いずれも第1ヘッダ56,66側に、ガス冷媒出入口45aaが設けられているという構成を有する。
なお、室内熱交換器25がこれらの構成を有することのメリットについては後述する。
(4−3)室内熱交換器における冷媒の流れ
(4−3−1)冷房運転時
図13は、冷房運転時の前列熱交換部50における冷媒の流れを概略的に示した模式図である。図14は、冷房運転時の後列熱交換部60における冷媒の流れを概略的に示した模式図である。なお、図13及び図14において破線矢印は冷媒の流れ方向を示している。
冷房運転時には、第1液冷媒管22aを流れた冷媒が、第1液側出入口LH1を介して前列熱交換部50の第2パスP2に流入する。第2パスP2に流入した液冷媒は、室内空気流AFと熱交換し加熱されながら第2パスP2の液側扁平多穴管45bを通過する。第2パスP2の液側扁平多穴管45bにおいて加熱され、液側扁平多穴管45bの途中で二相状態((液相と気相が混ざった状態)となった冷媒は、前列第2ヘッダ57で(前列第5空間A5で)合流した後、折返し管58を介して第1パスP1に流入する。第1パスP1に流入した冷媒は、室内空気流AFと熱交換し加熱されながら第1パスP1のガス側扁平多穴管45aを通過し、気相の冷媒が第1ガス側出入口GH1を介して第1ガス冷媒管21aへ流出する。
また、冷房運転時には、第2液冷媒管22bを流れた冷媒が、第2液側出入口LH2を介して前列熱交換部50の第3パスP3に流入する。第3パスP3に流入した液冷媒は、室内空気流AFと熱交換し加熱されながら第3パスP3の液側扁平多穴管45bを通過する。第3パスP3の液側扁平多穴管45bにおいて加熱され、液側扁平多穴管45bの途中で二相状態となった冷媒は、前列第2ヘッダ57で(前列第6空間A6で)合流した後、接続配管70を介して後列熱交換部60の第4パスP4に流入する。第4パスP4に流入した冷媒は、室内空気流AFと熱交換し加熱されながら第4パスP4のガス側扁平多穴管45aを通過し、気相の冷媒が第2ガス側出入口GH2を介して第2ガス冷媒管21bへ流出する。
冷房運転時には(特には、運転が定常状態となった時には)、室内熱交換器25では、第1パスP1内の扁平管流路451(特には、第1パスP1内の前列第1ヘッダ56側の扁平管流路451(例えば、前列第1熱交換面51の第1パスP1に含まれる扁平管流路451)において過熱状態の冷媒が流れる領域(過熱域SH1)が形成される。第1パスP1内の扁平管流路451の過熱域SH1以外の領域は、主に、二相冷媒(液相と気相が混ざった冷媒)が流れる二相領域となる。また、第4パスP4内の扁平管流路451(特に、第4パスP4内の後列第1ヘッダ66側の扁平管流路451(例えば、後列第1熱交換面61の第4パスP4に含まれる扁平管流路451)において過熱状態の冷媒が流れる領域(過熱域SH2)が形成される。第4パスP4内の扁平管流路451の過熱域SH2以外の領域は、主に、二相冷媒が流れる二相領域となる。
なお、本実施形態の室内熱交換器25は、前列熱交換部50及び後列熱交換部60が、ガス側扁平多穴管45a(冷房運転時の冷媒の流れ方向においてガス冷媒出口が一端に設けられている配管)を含むという構成を有する。また、本実施形態の室内熱交換器25は、冷房運転時に、液側扁平多穴管45bで加熱された冷媒が更に加熱されるガス側扁平多穴管45aの総数が、液側扁平多穴管45bの総数よりも多いという構成を有する。そのため、室内熱交換器25が蒸発器として使用される冷房運転時に、冷凍サイクルにおける過熱度を比較的大きな値に制御する場合であっても、性能の低下が抑制されやすい。
(4−3−2)暖房運転時
暖房運転時の室内熱交換器25では、過熱状態のガス冷媒がガス側出入口GHから流入し、熱交換部50,60で冷却され、過冷却状態の液冷媒が液側出入口LHから流出する。
図15は、暖房運転時の前列熱交換部50における冷媒の流れを概略的に示した模式図である。図16は、暖房運転時の後列熱交換部60における冷媒の流れを概略的に示した模式図である。なお、図15及び図16において破線矢印は冷媒の流れ方向を示している。
暖房運転時には、第1ガス冷媒管21aを流れた過熱状態のガス冷媒が第1ガス側出入口GH1を介して前列第1ヘッダ56の前列第1空間A1に流入する。前列第1空間A1に流入したガス冷媒は、室内空気流AFと熱交換し冷却されながら第1パスP1のガス側扁平多穴管45aの扁平管流路451を通過する。第1パスP1のガス側扁平多穴管45aにおいて冷却され、ガス側扁平多穴管45aの途中で二相状態となった冷媒は、前列第4空間A4に流入する。前列第4空間A4に流入した冷媒は、折返し管58を介して前列第5空間A5に流入する。前列第5空間A5に流入した冷媒は、室内空気流AFと熱交換し過冷却状態となりながら第2パスP2の液側扁平多穴管45bの扁平管流路451を通過し、前列第2空間A2及び第1液側出入口LH1を介して第1液冷媒管22aへ流出する。
また、暖房運転時には、第2ガス冷媒管21bを流れた過熱状態のガス冷媒が第2ガス側出入口GH2を介して後列第1ヘッダ66の後列第1ヘッダ空間Sb1に流入する。後列第1ヘッダ空間Sb1に流入したガス冷媒は、室内空気流AFと熱交換し冷却されながら第4パスP4のガス側扁平多穴管45aの扁平管流路451を通過する。第4パスP4のガス側扁平多穴管45aにおいて冷却され、ガス側扁平多穴管45aの途中で二相状態となった冷媒は、後列第2ヘッダ空間Sb2に流入する。後列第2ヘッダ空間Sb2に流入した冷媒は、接続配管70を介して前列第2ヘッダ57の前列第6空間A6に流入する。前列第6空間A6に流入した冷媒は、室内空気流AFと熱交換し過冷却状態となりながら第3パスP3の液側扁平多穴管45bの扁平管流路451を通過し、前列第3空間A3及び第2液側出入口LH2を介して第2液冷媒管22bへ流出する。
前列第2ヘッダ57の内部では、前列熱交換部50のガス側扁平多穴管45aから流出した冷媒が流入する空間(前列第5空間A5)と、後列熱交換部60のガス側扁平多穴管45aから流出した冷媒が流入する空間(前列第6空間A6)と、が隔離されている。言い換えれば、前列第2ヘッダ57の内部には、ガス側扁平多穴管45aから流出した冷媒を熱交換部別に隔離する水平仕切板571が配置されている。
暖房運転時には(特には、運転が定常状態となった時には)、室内熱交換器25では、第1パスP1内の扁平管流路451(特には、第1パスP1内の前列第1ヘッダ56側のガス側扁平多穴管45aの扁平管流路451(例えば、前列第1熱交換面51の第1パスP1に含まれる扁平管流路451))において過熱状態の冷媒が流れる領域(過熱域SH3)が形成される。第1パスP1の扁平管流路451の過熱域SH3以外の領域は、主に、二相冷媒が流れる二相領域となる。また、第4パスP4内の扁平管流路451(特に、第4パスP4内の後列第1ヘッダ66側の扁平管流路451(例えば、後列第1熱交換面61の第4パスP4に含まれる扁平管流路451)において過熱状態の冷媒が流れる領域(過熱域SH4)が形成される。第4パスP4の扁平管流路451の過熱域SH4以外の領域は、主に、二相冷媒が流れる二相領域となる。過熱域SH3及び過熱域SH4は、ガス側扁平多穴管45aの、ガス冷媒出入口45aa付近に形成される、ガス冷媒が流れるガス領域の一例である。
本実施形態の室内熱交換器25では、上述したようにガス側扁平多穴管45aには、いずれも第1ヘッダ56,66側に、ガス冷媒出入口45aaが設けられている。そのため、図15及び図16に示されるように、前列熱交換部50の過熱域SH3と、後列熱交換部60の過熱域SH4とは、扁平多穴管45の同一端部側(第1ヘッダ56,66側)に配置されている。つまり、前列熱交換部50の過熱域SH3と、後列熱交換部60の過熱域SH4とは、空気流れ方向dr3において重なるように配置されている。また、前列熱交換部50の過熱域SH3を流れる冷媒と、後列熱交換部60の過熱域SH4を流れる冷媒とは、流れる方向が一致している(すなわち並行流である)。
本実施形態の室内熱交換器25では、前列熱交換部50は、第1端側(前列第1ヘッダ56側)にガス冷媒出入口45aaが設けられたガス側扁平多穴管45a(第1ガス側扁平多穴管)を含む。また、後列熱交換部60は、第1端側(後列第1ヘッダ66側)にガス冷媒出入口45aaが設けられたガス側扁平多穴管45a(第1ガス側扁平多穴管)を含む。そして、本実施形態の室内熱交換器25では、前列熱交換部50においてその上部にガス側扁平多穴管45aが配置され、後列熱交換部60においてその高さ方向の全体にガス側扁平多穴管45aが配置されている。そのため、前列熱交換部50のガス側扁平多穴管45a(第1ガス側扁平多穴管)の空気流れ方向における風下側には、第1方向(扁平管積層方向dr2)において第1ガス側扁平多穴管と同じ位置に(つまり前列熱交換部50の第1ガス側扁平多穴管と同じ高さ位置に)、第1端側(後列第1ヘッダ66側)にガス冷媒出入口45aaが設けられた後列熱交換部60のガス側扁平多穴管45aだけが配置される。また、後列熱交換部60のガス側扁平多穴管45a(第1ガス側扁平多穴管)の空気流れ方向における風下側には、熱交換部は配置されない。
また、本実施形態の室内熱交換器25では、風上側の最前列の熱交換部(前列熱交換部50)に含まれるガス側扁平多穴管45aの数が、風下側の最後列の熱交換部(後列熱交換部60)に含まれるガス側扁平多穴管45aの数よりも少ない。そのため、扁平管積層方向dr2における、過熱域SH3の長さHe3は、過熱域SH4の長さHe4よりも小さい(図15,図16参照)。また、風上側の前列熱交換部50における冷媒と室内空気流AFとの間の熱交換効率は、前列熱交換部50を通過した風下側の後列熱交換部60における冷媒と室内空気流AFとの間の熱交換効率よりも高い。そのため、扁平管延伸方向dr1における、過熱域SH3の長さLe3は、過熱域SH4の長さLe4よりも小さい(図15,図16参照)。そのため、過熱域SH3の面積は、過熱域SH4の面積よりも小さい(図15,図16参照)。言い換えれば、空気流れ方向dr3から見た時に、過熱域SH3の全体が、過熱域SH4に包含される。
言い換えれば、過熱域SH3の空気流れ方向dr3における風下側には、扁平多穴管45を二相冷媒又は液相冷媒が流れる二相・液領域が配置されない。そのため、高温のガス冷媒と熱交換した室内空気流AFが、低温のガス冷媒と熱交換することによる室内熱交換器25の凝縮性能の低下を抑制することができる。
また、暖房運転時には(特には、運転が定常状態となった時には)、室内熱交換器25では、第2パスP2内の扁平管流路451(特には、第2パスP2内の前列第1ヘッダ56側の扁平管流路451(例えば、前列第1熱交換面51の第2パスP2に含まれる扁平管流路451))において、過冷却状態の冷媒が流れる領域(過冷却域SC1)が形成される。第2パスP2内の扁平管流路451の過冷却域SC1以外の領域は、主に、二相冷媒が流れる二相領域となる。また、室内熱交換器25では、第3パスP3内の扁平管流路451(特には、第3パスP3内の前列第1ヘッダ56側の扁平管流路451(例えば、前列第1熱交換面51の第3パスP3に含まれる扁平管流路451))において、過冷却状態の冷媒が流れる領域(過冷却域SC2)が形成される。第3パスP3内の扁平管流路451の過冷却域SC2以外の領域は、主に、二相冷媒が流れる二相領域となる。なお、本実施形態では、液側扁平多穴管45bは、第1端側(前列第1ヘッダ56側)に液冷媒出入口45baが設けられた扁平多穴管(第1液側扁平多穴管)である。
ここでは、液側扁平多穴管45bの設けられた前列熱交換部50は、空気流れ方向dr3において最も風上側に存在する熱交換部であるため、液側扁平多穴管45bの空気流れ方向dr3における風上側には、熱交換部は配置されない。言い換えれば、過冷却域SC1,SC2の空気流れ方向dr3における風上側には、扁平多穴管45を二相冷媒又はガス冷媒が流れる二相・ガス領域が配置されない。そのため、ここでは、一旦所定の過冷却度まで冷却された冷媒が、風上側で二相冷媒又はガス冷媒により温められた空気により加熱されることを抑制でき、性能低下を抑制できる。また、空気側から見れば、暖房運転時に、二相冷媒又はガス冷媒により温められた空気が、風下側で過冷却された冷媒により冷却されることを抑制でき、暖房性能の低下を抑制できる。
(5)特徴
(5−1)
上記実施形態の室内熱交換器25は、熱交換部50,60を複数列(ここでは2列)有する。室内熱交換器25では、複数列の熱交換部50,60が空気流れ方向dr3に重ねて配置されている。各熱交換部50,60では、第1端側(第1ヘッダ56,66側)から第2端側(第2ヘッダ57,67側)に向かって延び冷媒が内部を流れる扁平多穴管45が、扁平管積層方向dr2に複数並べて配置されている。扁平管積層方向dr2は、第1方向の一例である。本実施形態では、扁平管積層方向dr2は、鉛直方向である。風上側の最前列の前列熱交換部50に含まれる、ガス冷媒出入口45aaが一端に設けられているガス側扁平多穴管45aの数が、風下側の最後列の後列熱交換部60に含まれるガス側扁平多穴管45aの数よりも少ない。
本室内熱交換器25では、例えばガス側扁平多穴管45aのガス冷媒出入口45aaにガス冷媒が流入する際に(室内熱交換器25が凝縮器として使用される際に)、最前列の前列熱交換部50に比べ、最後列の後列熱交換部60で高温のガス冷媒の冷却が行われる割合が高い。高温のガス冷媒は、風下側の温度の高い(風上側で冷媒により加熱された)空気との間でも比較的効率よく熱交換を行うことができる。そのため、このように構成されない場合に比べて、室内熱交換器25全体として効率よく冷媒と空気との間で熱交換を行わせることができる。
また、凝縮器として機能する室内熱交換器25において加熱される空気の側から見れば、本実施形態では、室内熱交換器25は、風上側の前列熱交換部50で加熱された空気を、更に風下側で高温のガス冷媒により加熱することができるので、高い吹出温度を実現でき、凝縮器性能を高めることができる。
(5−2)
上記実施形態の室内熱交換器25では、2列の熱交換部50,60が、ガス側扁平多穴管45aを含む。
ここでは、複数列の熱交換部50,60にガス側扁平多穴管45aを配置することで、自由度の高いパス取りを実現可能である。そのため、室内熱交換器25が蒸発器として機能するときにも、凝縮器として機能するときにも性能が得られやすく、効率の高い室内熱交換器25が実現されやすい。
また、このように構成されることで、室内熱交換器25が蒸発器として使用される冷房運転時に、冷凍サイクルにおける過熱度を比較的大きな値に制御する場合であっても、性能の低下が抑制されやすい。
(5−3)
上記実施形態の室内熱交換器25では、扁平多穴管45は、ガス側扁平多穴管45aとは異なり、液冷媒出入口45baが一端に設けられている液側扁平多穴管45bを含む。
また、上記実施形態の室内熱交換器25では、ガス側扁平多穴管45aの総数は、液側扁平多穴管45bの総数よりも多い。
ここでは、ガス側扁平多穴管45aを液側扁平多穴管45bに比べて多く有することで、室内熱交換器25が蒸発器として使用される場合に、過熱度を大きく取る運転条件であっても性能低下を抑制することができる。
(5−4)
上記実施形態の室内熱交換器25では、ガス側扁平多穴管45aには、いずれも第1端側(ここでは第1ヘッダ56,66側)にガス冷媒出入口45aaが設けられている。
ここでは、複数列のガス側扁平多穴管45aのいずれについても、第1端側にガス冷媒出入口45aaが設けられている。そのため、高温のガス冷媒が流れるガス側扁平多穴管45aの領域(過熱域)と、それより温度が低い冷媒が流れるガス側扁平多穴管45aの領域と、が隣接配置されることによる熱ロスの発生が抑制されやすい。
特に、ここでは、室内熱交換器25が凝縮器として機能する際に形成される過熱域SH4が、その風上側に形成される過熱域SH3より大きい(空気流れ方向dr3に沿って見た時に、過熱域SH3の全体が過熱域SH4に包含される)ので、一旦加熱された空気が、比較的温度の低い冷媒(二相冷媒や液冷媒)と熱交換することを避けることが容易で、熱ロスの発生が抑制されやすい。
(5−5)
上記実施形態の室内熱交換器25は、複数のガス側扁平多穴管45aから流出した冷媒を合流させ、液側扁平多穴管45bへと導く合流部の一例としての前列第2ヘッダ57及び後列第2ヘッダ67を備える。
(5−6)
上記実施形態の室内熱交換器25は、ガス側扁平多穴管45aから流出した冷媒を複数の液側扁平多穴管45bに導くヘッダ管の一例としての前列第2ヘッダ57を備える。前列第2ヘッダ57の内部には、ガス側扁平多穴管45aから流出した冷媒を熱交換部50,60別に隔離する(前列第5空間A5と前列第6空間A6とに分ける)水平仕切板571が配置されている。水平仕切板571は、仕切板の一例である。
ここでは、熱交換部50,60別の冷媒、言い換えれば状態の異なる冷媒を、それぞれ別の液側扁平多穴管45bに導くことができる。
(5−7)
上記実施形態の室内熱交換器25では、液側扁平多穴管45bは、第1端側(前列第1ヘッダ56側)に液冷媒出入口45baが設けられた液側扁平多穴管である。つまり、液側扁平多穴管45bは、第1液側扁平多穴管の一例である。液側扁平多穴管45bの空気流れ方向dr3における風上側には、熱交換部は配置されない。
ここでは、凝縮器使用時に、一旦冷却された冷媒が、風上側で二相冷媒又はガス冷媒により温められた空気により加熱されることを抑制することができ、性能低下を抑制できる。また、空気側から見れば、暖房運転時に、二相冷媒又はガス冷媒により温められた空気が、風下側で過冷却された冷媒により冷却されることを抑制でき、暖房性能の低下を抑制できる。
(5−8)
上記実施形態の室内熱交換器25では、室内熱交換器25では、第1端側(前列第1ヘッダ56側)にガス冷媒出入口45aaが設けられたガス側扁平多穴管45a(第1ガス側扁平多穴管)を含む。また、後列熱交換部60は、第1端側(後列第1ヘッダ66側)にガス冷媒出入口45aaが設けられたガス側扁平多穴管45a(第1ガス側扁平多穴管)を含む。前列熱交換部50のガス側扁平多穴管45a(第1ガス側扁平多穴管)の空気流れ方向における風下側には、第1方向(扁平管積層方向dr2)において第1ガス側扁平多穴管と同じ位置に(つまり前列熱交換部50の第1ガス側扁平多穴管と同じ高さ位置に)、第1端側(後列第1ヘッダ66側)にガス冷媒出入口45aaが設けられた後列熱交換部60のガス側扁平多穴管45aだけが配置される。また、後列熱交換部60のガス側扁平多穴管45a(第1ガス側扁平多穴管)の空気流れ方向における風下側には、熱交換部は配置されない。
ここでは、室内熱交換器25の凝縮器使用時に、高温のガス冷媒と熱交換した室内空気流AFが、比較的低温のガス冷媒と熱交換することによる室内熱交換器25の凝縮性能の低下を抑制することができる。
(5−9)
上記実施形態の室内熱交換器25では、ガス側扁平多穴管45aには、そのガス冷媒出入口45aa付近に、ガス冷媒が流れる過熱域SH3,SH4が形成される。過熱域SH3,SH4は、ガス領域の一例である。過熱域SH3,SH4の空気流れ方向dr3における風下側には、扁平多穴管45を二相冷媒又は液相冷媒が流れる二相・液領域が配置されない。ここでは、過熱域SH3の空気流れ方向dr3における風下側には、過熱域SH4が配置される。また、過熱域SH4の空気流れ方向dr3における風下側には、熱交換部が配置されない。
このような構成とすることで、熱ロスの発生が抑制されやすい。
(5−10)
上記実施形態の冷凍装置の一例としての空気調和装置100は、室内熱交換器25と、室内熱交換器25に空気を供給する送風装置とを有する。室内ファン28は送風装置の一例である。送風装置の一例としての室内ファン28が生成する空気流れ方向dr3に沿って、室内熱交換器25の複数列の熱交換部50,60は配置されている。
(6)変形例
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
(6−1)変形例1A
上記実施形態では、前列第4空間A4と前列第5空間A5とが折返し管58により接続され、前列第6空間A6と後列第2ヘッダ空間Sb2とが接続配管70により接続されている。また、第1液冷媒管22aは前列第2空間A2に、第2液冷媒管22bは前列第3空間A3に接続されている。
これに代えて、図17の室内熱交換器25aのように、前列第2ヘッダ57の前列第4空間A4と前列第1ヘッダ56の前列第2空間A2とを接続配管58aにより接続し、前列第1ヘッダ56の前列第3空間A3と後列第2ヘッダ空間Sb2とを接続配管70aにより接続するようにしてもよい。また、第1液冷媒管22aは前列第2ヘッダ57の前列第5空間A5に、第2液冷媒管22bは前列第2ヘッダ57の前列第6空間A6に接続されている。
このように接続されることで、冷房運転時及び暖房運転時において、全ての扁平多穴管45において、冷媒が流れる方向が同一方向になる。例えば、図18は、暖房運転時における、第1パスP1〜第4パスP4の扁平多穴管45の冷媒の流れを示している(なお、図18では、接続配管58a及び接続配管70aの図示は省略している)。
その結果、過熱域SH3,SH4は第1ヘッダ56,66側に、過冷却域SC1,SC2が第2ヘッダ57,67側に配置される。その結果、過熱域SH3及び過熱域SH4と、過冷却域SC1,SC2とが離して配置されるため(隣接することがないため)、特に熱ロスの発生が抑制されやすい。
(6−2)変形例1B
上記実施形態では、前列熱交換部50はガス側扁平多穴管45a及び液側扁平多穴管45bを有し、後列熱交換部60はガス側扁平多穴管45aだけを有している。ただし、本開示に係る熱交換器の形態は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、室内熱交換器は、室内熱交換器25bのように、暖房運転時に、図19のように冷媒が流れるように、前列熱交換部50には液側扁平多穴管45bだけが、後列熱交換部60にはガス側扁平多穴管45aだけが配置されてもよい。
このようにして、前列熱交換部50に含まれるガス側扁平多穴管45aの数を、後列熱交換部60に含まれるガス側扁平多穴管45aの数よりも少なく構成することで、室内熱交換器25bが凝縮器として使用される際に効率よく冷媒と空気との間で熱交換を行わせることができる。そして、凝縮器性能を高め、暖房運転時に室内ユニット20からの高い吹出温度を実現することができる。
(6−3)変形例1C
上記実施形態では、前列第1ヘッダ56内において、前列第1空間A1、前列第2空間A2、前列第3空間A3が、上から下に向かって、この順番で並ぶように構成されている。また、上記実施形態では、前列第2ヘッダ57内において、前列第4空間A4、前列第5空間A5、前列第6空間A6が、上から下に向かって、この順番で並ぶように構成されている。すなわち、前列熱交換部50において形成されるパスは、第1パスP1が最上段に、第2パスP2が中段に、第3パスP3が最下段に配置されている。
しかし、前列第1ヘッダ56内の空間A1,A2,A3の配置、前列第2ヘッダ57内の空間A4,A5,A6の配置、及び、前列熱交換部50におけるパスP1,P2,P3の配置は、上記実施形態のものに限定されない。上記実施形態の作用効果の一部又は全部と同様の作用効果を奏する範囲で、適宜変更されてもよい。
例えば、前列第1ヘッダ56内には、前列第1空間A1、前列第2空間A2、前列第3空間A3が、下から上に向かって、この順番に並ぶように構成されてもよい。そして、前列第2ヘッダ57内には、前列第4空間A4、前列第5空間A5、前列第6空間A6が、下から上に向かって、この順番に並ぶように構成されてもよい。その結果、前列熱交換部50において形成されるパスは、第1パスP1が最下段に、第2パスP2が中段に、第3パスP3が最上段に配置されてもよい。
つまり、上記実施形態では、過冷却域(SC1、SC2)は、前列熱交換部50のうち、通過する室内空気流AFの風速が他の部分よりも小さい部分(下段部分)に位置している。しかし、このような態様に限定されず、過冷却域は、前列熱交換部50のうち、通過する室内空気流AFの風速が他の部分と同一又は他の部分よりも大きい部分に形成されてもよい。
また、例えば、第2パスP2が最上段に、第1パスP1が中段に、第3パスP3が最下段に配置されるように形成されてもよい。
なお、パスの位置が変更される場合には、パスに連通する開口(GH1、GH2、LH1、LH2、H1−H4)の形成位置(配管の接続位置)についても、対応するように適宜変更されればよい。
ただし、パスの配置は、上記実施形態の特徴(例えば、(5−7)、(5−8)や(5−9)の特徴)を満たすように設計されることが好ましい。
(6−4)変形例1D
上記実施形態では、第1パスP1は12本の扁平多穴管45(ガス側扁平多穴管45a)を、第2パスP2は4本の扁平多穴管45(液側扁平多穴管45b)を、第3パスP3は3本の扁平多穴管45(液側扁平多穴管45b)を、それぞれ有する。ただし、上記実施形態に示した各パスP1〜P3に含まれる扁平多穴管45の本数は、本開示を限定するものではなく、その本数は、設計仕様等に応じて適宜決定されればよい。
ただし、ガス側扁平多穴管45a及び液側扁平多穴管45bの本数や配置は、風上側の最前列の熱交換部に含まれるガス側扁平多穴管45aの数が、風下側の最後列の熱交換部に含まれるガス側扁平多穴管45aの数よりも少なくなるように設計されることが好ましい。また、ガス側扁平多穴管45a及び液側扁平多穴管45bの本数や配置は、上記実施形態の特徴(例えば、(5−1)〜(5−3),(5−7)〜(5−9)の特徴)を満たすように設計されることが好ましい。
(6−5)変形例1E
上記実施形態では、設置状態において、室内熱交換器25の扁平管延伸方向dr1が水平方向であり、扁平管積層方向dr2が鉛直方向である場合について説明した。しかし、扁平管延伸方向dr1や扁平管積層方向dr2は、上記の方向に限定さない。例えば、室内熱交換器25は、設置状態において、扁平管延伸方向dr1が鉛直方向であり、扁平管積層方向dr2が水平方向であるように構成・配置されてもよい。
また、上記実施形態では、空気流れ方向dr3が水平方向である場合について説明した。しかし、これに限定されず、空気流れ方向dr3は、室内熱交換器25の構成態様及び設置態様に応じて適宜変更されうる。
(6−6)変形例1F
上記実施形態では、前列第2ヘッダ57と後列第2ヘッダ67とは別体に構成され、同様に前列第1ヘッダ56と後列第1ヘッダ66とは別体に構成されている。しかし、これに限定されず、室内熱交換器25において、隣接して配置される複数のヘッダ集合管(例えば、前列第2ヘッダ57と後列第2ヘッダ67、又は、前列第1ヘッダ56と後列第1ヘッダ66)は一体に構成されてもよい。すなわち、隣接して配置される複数のヘッダ集合管を1本のヘッダ集合管で構成し、係るヘッダ集合管の内部空間を、ヘッダ集合管の長手方向(例えば鉛直方向)に、あるいは、長手方向と交差する方向(例えば水平方向)に、仕切る仕切板によって上記実施形態と同様に空間に分割してもよい。このように構成することで、ヘッダ管数を削減することが可能である。
(6−7)変形例1G
上記実施形態では、室内熱交換器25は、室内ファン28を囲むように配置されている。しかし、室内熱交換器25は、必ずしも室内ファン28を囲むように配置される必要はなく、室内空気流AFと冷媒との熱交換が可能な態様である限り、その形状や配置については適宜変更が可能である。
(6−8)変形例1H
上記実施形態では、本開示の熱交換器の一例として、天井埋込み型の室内ユニット20に搭載される室内熱交換器25について説明した。ただし、本開示の熱交換器は、天井埋込み型の室内ユニット20に搭載される室内熱交換器25に限定されるものではない。
例えば、空気調和装置の室内ユニットは、天井面CLに固定される天井吊り下げ型、側壁に設置される壁掛け型、ダクト型、床置型等、天井埋込み型以外の種々のタイプの室内ユニットであってもよい。また、室内ユニットは、上記実施形態の室内ユニット20のように四方に空気を吹き出すタイプであってもよいし、例えば、2方向又は1方向に空気を吹き出す室内ユニットであってもよい。
また、室内熱交換器の熱交換部の形状も、前列熱交換部50や後列熱交換部60のような形状に限定されるものではない。例えば、室内熱交換器は、図32に示すように、扁平多穴管の積層方向が鉛直方向に対して傾いている平板状の熱交換部を複数列並べて配置したものであってもよい(図32の室内ユニットは天井吊り下げ型)。また、例えば、室内熱交換器は、図33に示すように、ファン(例えばクロスフローファン)を覆うように側面視においてV字状に形成された熱交換部を複数列並べて配置したものであってもよい(図33の室内ユニットは壁掛け型)。その他、室内熱交換器の形状等は、室内ユニットのタイプ等に応じて適宜選択されればよい。
(6−9)変形例1I
上記実施形態では、本開示の熱交換器の一例である室内熱交換器25が、冷凍装置(冷凍サイクル装置)の一例としての空気調和装置100に適用される場合を例に説明した。
しかし、本開示の熱交換器の特徴は、空気と冷媒との熱交換が行われる熱交換器に広く適用可能である。例えば、本開示の熱交換器の特徴は、空気調和装置100の室外熱交換器13(例えば、図34のような、略L字状の熱交換器であって、扁平多穴管が第1方向に複数並べて配置されている熱交換部を複数列有し、複数列の熱交換部が空気流れ方向に重ねて配置されている熱交換器)に適用されてもよい。
また、本開示の熱交換器が適用される冷凍装置は、空気調和装置100に限定されるものではない。例えば、冷凍装置は、冷凍・冷蔵コンテナや倉庫・ショーケース等において用いられる低温用の冷凍装置や、給湯装置又はヒートポンプチラー等の装置であってもよい。
(6−10)変形例1J
上記実施形態では、空気調和装置100は、冷房運転及び暖房運転の両方を実行可能な装置である。ただし、これに限定されるものではなく、本開示の冷凍装置は、暖房運転又は冷房運転の一方のみを行う空気調和装置であってもよい。つまり、本開示の熱交換器は、凝縮器及び蒸発器として機能する熱交換器でなくてもよく、空気調和装置において凝縮器としてのみ機能する熱交換器であってもよいし、空気調和装置において蒸発器としてのみ機能する熱交換器であってもよい。この場合には、冷媒回路RCには、流向切換機構12は設けられなくてもよい。
なお、空気調和装置100において、室内熱交換器25が、凝縮器としてのみ或いは蒸発器としてのみ機能する場合、ガス冷媒出入口45aaはガス冷媒の入口又は出口のいずれかとして、液冷媒出入口45baは液冷媒の入口又は出口のいずれかとして機能する。ここでは、室内熱交換器25において、ガス冷媒出入口45aaがガス冷媒の入口又は出口の一方としてしか使用されない場合にもガス冷媒出入口と称し、液冷媒出入口45baが液冷媒の入口又は出口の一方としてしか使用されない場合にも液冷媒出入口と称するものとする。
<第2実施形態>
本開示の熱交換器の第2実施形態に係る室内熱交換器125について説明する。なお、室内熱交換器125が使用されると冷凍装置は、第1実施形態の空気調和装置100と同様の構成であるため、ここでは、室内熱交換器125以外についての説明を省略する。
(1)室内熱交換器
(1−1)室内熱交換器の構成
図20は、扁平多穴管45の扁平管積層方向dr2から見た室内熱交換器125を概略的に示した模式図である。図21は、室内熱交換器125の概略的に示した模式図である。図22は、室内熱交換器125において形成される冷媒のパスを概略的に示した模式図である。
室内熱交換器125は、空気流れ方向dr3に3列に重ねて配置されている熱交換部150,160,180(前列熱交換部150、中列熱交換部180及び後列熱交換部160)を有する。つまり、室内熱交換器25が2列の前列熱交換部50及び後列熱交換部60を有していたのに対し、室内熱交換器125は、前列熱交換部150と後列熱交換部160との間に、中列熱交換部180が配置される点で室内熱交換器25と相違する。なお、前列熱交換部150及び後列熱交換部160の構成は、前列熱交換部150と後列熱交換部160との間に中列熱交換部180が配置される点や、パス取り等が前列熱交換部50及び後列熱交換部60と一部異なるものの、多くの点で共通している。そのため、ここでは、前列熱交換部150及び後列熱交換部160と、前列熱交換部50及び後列熱交換部60との相違点について主に説明し、同一の点については、基本的に説明を省略する。また、中列熱交換部180は、前列熱交換部50や後列熱交換部60と同様な点が多いため、説明の重複を避けるため、前列熱交換部50や後列熱交換部60と同様な点についての説明は省略する。
(1−1−1)室内熱交換器に対する冷媒の出入口
室内熱交換器125には、ガス側出入口GH及び液側出入口LHを介して冷媒が流入又は流出する。
室内熱交換器125でも、室内熱交換器25と同様に、ガス側出入口GHとして、第1ガス側出入口GH1及び第2ガス側出入口GH2が形成されている(図21参照)。また、室内熱交換器125には、液側出入口LHとして、第1液側出入口LH1及び第2液側出入口LH2が形成されている(図21参照)。第1ガス側出入口GH1及び第2ガス側出入口GH2は、第1液側出入口LH1及び第2液側出入口LH2よりも上方に配置されている(図21参照)。
(1−1−2)室内熱交換器の構成
室内熱交換器125は、主に、複数の(ここでは3つの)熱交換部(前列熱交換部150、中列熱交換部180及び後列熱交換部160)と、前列第1ヘッダ156と、前列第2ヘッダ157と、中列第1ヘッダ186と、中列第2ヘッダ187と、後列第1ヘッダ166と、後列第2ヘッダ167と、接続配管171,172と、を有する。以下に、これらの構成について説明する。
なお、ここでは、説明の都合上、空気流れ方向dr3の風上側の前列構成(前列熱交換部150、前列第1ヘッダ156、及び前列第2ヘッダ157)と、空気流れ方向dr3の風下側の後列構成(後列熱交換部160、後列第1ヘッダ166及び後列第2ヘッダ167)と、前列構成と後列構成との間に配置される中列構成(中列熱交換部180、中列第1ヘッダ186、及び中列第2ヘッダ187)と、接続配管171,172と、に分けて説明する。なお、上述のように、第1実施形態と同様の点については説明を省略する。
(1−1−2−1)前列構成
図23は、前列熱交換部150、前列第1ヘッダ156、及び前列第2ヘッダ157を含む前列構成を概略的に示した模式図である。
(1−1−2−1−1)前列熱交換部
前列熱交換部150は、熱交換面40として前列熱交換面155を有している。前列熱交換面155には、前列第1熱交換面151、前列第2熱交換面152、前列第3熱交換面153及び前列第4熱交換面154を含む。前列熱交換面155、前列第1熱交換面151、前列第2熱交換面152、前列第3熱交換面153及び前列第4熱交換面154は、第1実施形態の前列熱交換部50の前列熱交換面55、前列第1熱交換面51、前列第2熱交換面52、前列第3熱交換面53及び前列第4熱交換面54と同様の構成であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
(1−1−2−1−2)前列第1ヘッダ
前列第1ヘッダ156は、内部の前列第1ヘッダ空間Sa1に1つしか水平仕切板561が配置されていない点で前列第1ヘッダ56と相違する(図23参照)。前列第1ヘッダ空間Sa1は、水平仕切板561により、扁平管積層方向dr2に2つの空間に仕切られている。具体的には、前列第1ヘッダ空間Sa1は、水平仕切板561により、前列第1空間A11及び前列第2空間A12に仕切られている(図23参照)。前列第1空間A11は、前列第2空間A12の上方に配置されている。
前列第1ヘッダ156には、第1液側出入口LH1及び第2液側出入口LH2が形成されている(図23参照)。第1液側出入口LH1は、前列第1空間A11に連通している。第1液側出入口LH1には、第1液冷媒管22aが接続されている(図23参照)。第2液側出入口LH2は、前列第2空間A12に連通している。第2液側出入口LH2には、第2液冷媒管22bが接続されている(図23参照)。前列第1空間A11及び前列第2空間A12は、冷房運転時には室内熱交換器125において冷媒流れの最上流側に位置し、暖房運転時には室内熱交換器125において冷媒流れの最下流側に位置する。
(1−1−2−1−3)前列第2ヘッダ
前列第2ヘッダ157も、内部の前列第2ヘッダ空間Sa2に1つしか水平仕切板571が配置されていない点で前列第2ヘッダ57と相違する(図23参照)。前列第2ヘッダ空間Sa2は、水平仕切板571により、扁平管積層方向dr2に2つの空間に仕切られている。具体的には、前列第2ヘッダ空間Sa2は、水平仕切板571により、前列第3空間A13及び前列第4空間A14に仕切られている(図23参照)。前列第3空間A13は、前列第4空間A14の上方に配置されている。
前列第3空間A13は、扁平多穴管45を介して、前列第1ヘッダ156の前列第1空間A11と連通している(図23参照)。前列第2ヘッダ157の前列第3空間A13に対応する部分には、第2接続孔H12が形成されている。第2接続孔H12には、第2接続配管172の一端が接続され、前列第3空間A13と第2接続配管172とは連通している。前列第3空間A13は、第2接続配管172を介して、後列第2ヘッダ空間Sb2と連通している。
前列第4空間A14は、扁平多穴管45を介して、前列第1ヘッダ156の前列第2空間A12と連通している(図23参照)。前列第2ヘッダ157の前列第4空間A14に対応する部分には、第1接続孔H11が形成されている。第1接続孔H11には、第1接続配管171の一端が接続され、前列第4空間A14と第1接続配管171とは連通している。前列第4空間A14は、第1接続配管171を介して、中列第2ヘッダ空間Sc2と連通している。
(1−1−2−2)中列構成
図24は、中列熱交換部180、中列第1ヘッダ186、及び中列第2ヘッダ187を含む前列構成を概略的に示した模式図である。
(1−1−2−2−1)中列熱交換部
中列熱交換部180は、熱交換面40として中列熱交換面185を有している。中列熱交換面185には、中列第1熱交換面181、中列第2熱交換面182、中列第3熱交換面183及び中列第4熱交換面184を含む。概ね四辺形状に形成された中列熱交換面185は、前列熱交換面155を囲むように、前列熱交換面155に隣接して配置されている(図20参照)。中列第1熱交換面181、中列第2熱交換面182、中列第3熱交換面183及び中列第4熱交換面184は、それぞれ、前列第1熱交換面151、前列第2熱交換面152、前列第3熱交換面153及び前列第4熱交換面154と対向するように配置されている。
中列熱交換部180の物理的な構成は、前列熱交換部150と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
(1−1−2−2−2)中列第1ヘッダ
中列第1ヘッダ186は、冷媒を各扁平多穴管45に分流させる分流ヘッダ、又は各扁平多穴管45から流出する冷媒を合流させる合流ヘッダ等として機能するヘッダ管である。中列第1ヘッダ186は、設置状態において、鉛直方向を長手方向として延びる。中列第1ヘッダ186は、空気流れ方向dr3における前列第1ヘッダ156の風下側(図20では左側)に、前列第1ヘッダ156と隣接して配置されている。
中列第1ヘッダ186は、筒状に構成され、内部に中列第1ヘッダ空間Sc1が形成されている(図24参照)。中列第1ヘッダ186は、中列第1熱交換面181の末端(後端)に接続されている(図20参照)。中列第1ヘッダ186は、中列熱交換部180の各扁平多穴管45の一端と接続され、これらの扁平多穴管45を中列第1ヘッダ空間Sc1と連通させている(図24参照)。
中列第1ヘッダ186には、第1ガス側出入口GH1が形成されている(図24参照)。第1ガス側出入口GH1は、中列第1ヘッダ空間Sc1に連通している。第1ガス側出入口GH1には、第1ガス冷媒管21aが接続されている(図24参照)。中列第1ヘッダ空間Sc1は、冷房運転時には室内熱交換器125において冷媒流れの最下流側に位置し、暖房運転時には室内熱交換器125において冷媒流れの最上流側に位置する。
(1−1−2−2−3)中列第2ヘッダ
中列第2ヘッダ187は、冷媒を各扁平多穴管45に分流させる分流ヘッダ、各扁平多穴管45から流出する冷媒を合流させる合流ヘッダ、又は各扁平多穴管45から流出する冷媒を他の扁平多穴管45に折り返すための折返しヘッダ等として機能するヘッダ管である。中列第2ヘッダ187は、設置状態において、鉛直方向を長手方向として延びる。中列第2ヘッダ187は、空気流れ方向dr3における前列第2ヘッダ157の風下側(図20では後側)に隣接している。
中列第2ヘッダ187は、筒状に構成され、内部に中列第2ヘッダ空間Sc2が形成されている(図24参照)。中列第2ヘッダ187は、中列第4熱交換面184の末端(左端)に接続されている(図20参照)。中列第2ヘッダ187は、中列熱交換部180の各扁平多穴管45の一端と接続され、これらの扁平多穴管45を中列第2ヘッダ空間Sc2と連通させている(図24参照)。
中列第2ヘッダ空間Sc2は、扁平多穴管45を介して、中列第1ヘッダ186の中列第1ヘッダ空間Sc1と連通している(図24参照)。中列第2ヘッダ187には、第3接続孔H13が形成されている。第3接続孔H13には、第1接続配管171の一端が接続されている。中列第2ヘッダ空間Sc2は、第1接続配管171を介して、前列第2ヘッダ57の前列第4空間A14と連通している。
(1−1−2−3)後列構成
図25は、後列熱交換部160、後列第1ヘッダ166、及び後列第2ヘッダ167を含む前列構成を概略的に示した模式図である。
(1−1−2−3−1)後列熱交換部
後列熱交換部160の物理的な構成は、後列熱交換部60と同様である。
後列熱交換部160の後列熱交換部60との相違点として、概ね四辺形状に形成された後列熱交換面165は、中列熱交換面185を囲むように、中列熱交換面185に隣接して配置されている(図20参照)。後列第1熱交換面161、後列第2熱交換面162、後列第3熱交換面163及び後列第4熱交換面164は、それぞれ、中列第1熱交換面181、中列第2熱交換面182、中列第3熱交換面183及び中列第4熱交換面184と対向するように配置されている。
(1−1−2−3−2)後列第1ヘッダ
後列第1ヘッダ166は、空気流れ方向dr3における中列第1ヘッダ186の風下側(図20では左側)に、中列第1ヘッダ186と隣接して配置されている。その他の点は、後列第1ヘッダ66と同様であるため、説明は省略する。
(1−1−2−3−3)後列第2ヘッダ
後列第2ヘッダ167の後列第2ヘッダ67との相違点について主に説明する。
後列第2ヘッダ167は、後列第2ヘッダ167は、空気流れ方向dr3における中列第2ヘッダ187の風下側(図20では後側)に隣接して配置される。
後列第2ヘッダ空間Sb2は、扁平多穴管45を介して、後列第1ヘッダ166の後列第1ヘッダ空間Sb1と連通している(図25参照)。後列第2ヘッダ167には、第4接続孔H14が形成されている。第4接続孔H14には、第2接続配管172の一端が接続されている。後列第2ヘッダ空間Sb2は、第2接続配管172を介して、前列第2ヘッダ157の前列第3空間A13と連通している(図21参照)。
(1−1−2−4)接続配管
第1接続配管171は、前列熱交換部150及び中列熱交換部180の間で冷媒の流路を形成する冷媒配管である。第1接続配管171は、前列熱交換部150の前列第4空間A14と、中列第2ヘッダ187の中列第2ヘッダ空間Sc2と、を連通させる冷媒の流路である。
第2接続配管172は、前列熱交換部150及び後列熱交換部160の間で冷媒の流路を形成する冷媒配管である。第2接続配管172は、前列熱交換部150の前列第3空間A13と、後列第2ヘッダ167の後列第2ヘッダ空間Sb2と、を連通させる冷媒の流路である。
(1−2)室内熱交換器における冷媒のパス
室内熱交換器125における冷媒のパスについて説明する。
図22は、室内熱交換器125において形成される冷媒のパスを概略的に示した模式図である。本実施形態では、室内熱交換器125に複数のパスが形成されている。具体的に、室内熱交換器125には、第1パスP11、第2パスP12、第3パスP13及び第4パスP14が形成されている。
(1−2−1)第1パス
本実施形態では、第1パスP11は、前列熱交換部150の一点鎖線L3(図26等参照)より上方に形成される。第1パスP1は、主に、前列第1空間A11と、前列第1空間A11と前列第3空間A13とを連通する扁平多穴管45と、前列第3空間A13と、により形成される。
冷房運転時には、第1パスP11において、前列第1空間A11から前列第3空間A13に向かって冷媒が流れる。
また、暖房運転時には、第1パスP11において、前列第3空間A13から前列第1空間A11に向かって冷媒が流れる(図26参照)。より具体的には、暖房運転時には、後述する第4パスP14(ガス側扁平多穴管45a)及び第2接続配管172を流れた冷媒が、第2接続孔H12から前列第3空間A13に流入する。前列第3空間A13(前列第2ヘッダ57内)に流入した冷媒は、第1パスP11の複数の扁平多穴管45へと導かれる。前列第3空間A13の冷媒は、第1パスP11の扁平多穴管45の前列第3空間A13側の端部開口から流入し、扁平管流路451を通過して、第1パスP11の扁平多穴管45の前列第1空間A11側の端部開口(液冷媒出入口45ba)から前列第1空間A11に流入する。暖房運転時に、前列第1空間A11へと流入する冷媒は、主として過冷却状態の液冷媒である。
第1パスP11の扁平多穴管45は、液側扁平多穴管45bである。第1実施形態で説明したため、液側扁平多穴管45bについての説明は省略する。第1パスP11の扁平多穴管45は、例えば図22に示すように11本であるが、本数は適宜決定されればよい。
(1−2−2)第2パス
本実施形態では、第2パスP12は、前列熱交換部150の一点鎖線L3(図26等参照)より下方に形成される。第2パスP12は、主に、前列第2空間A12と、前列第2空間A12と前列第4空間A14とを連通する扁平多穴管45と、前列第4空間A14と、により形成される。
冷房運転時には、第2パスP12において、前列第2空間A12から前列第4空間A14に向かって冷媒が流れる。
また、暖房運転時には、第2パスP12において、前列第4空間A14から前列第2空間A12に向かって冷媒が流れる(図26参照)。より具体的には、暖房運転時には、後述する第3パスP13(ガス側扁平多穴管45a)及び第1接続配管171を流れた冷媒が、第1接続孔H11から前列第4空間A14に流入する。前列第4空間A14(前列第2ヘッダ57内)に流入した冷媒は、第2パスP12の複数の扁平多穴管45へと導かれる。前列第4空間A14の冷媒は、第2パスP12の扁平多穴管45の前列第4空間A14側の端部開口から流入し、扁平管流路451を通過して、第2パスP12の扁平多穴管45の前列第1空間A11側の端部開口(液冷媒出入口45ba)から前列第2空間A12に流入する。暖房運転時に、前列第2空間A12へと流入する冷媒は、主として過冷却状態の液冷媒である。
第2パスP12の扁平多穴管45は、液側扁平多穴管45bである。第2パスP12の扁平多穴管45は、例えば図22に示すように8本であるが、本数は適宜決定されればよい。
(1−2−3)第3パス
第3パスP13は、主に、中列第1ヘッダ空間Sc1と、中列第1ヘッダ空間Sc1と中列第2ヘッダ空間Sc2とを連通する扁平多穴管45と、中列第2ヘッダ空間Sc2と、により形成される。
冷房運転時には、第3パスP13において、中列第2ヘッダ空間Sc2から中列第1ヘッダ空間Sc1に向かって冷媒が流れる。
また、暖房運転時には、第3パスP13において、中列第1ヘッダ空間Sc1から中列第2ヘッダ空間Sc2に向かって冷媒が流れる(図27参照)。より具体的には、暖房運転時には、主として過熱状態のガス冷媒は、第1ガス冷媒管21aから第1ガス側出入口GH1を通過して中列第1ヘッダ空間Sc1に流入する。中列第1ヘッダ空間Sc1に流入したガス冷媒は、第3パスP13の扁平多穴管45の中列第1ヘッダ空間Sc1側の端部開口(ガス冷媒出入口45aa)から流入し、扁平管流路451を通過して、第3パスP13の扁平多穴管45の中列第2ヘッダ空間Sc2側の端部開口から中列第2ヘッダ空間Sc2に流入する。中列第2ヘッダ空間Sc2(中列第2ヘッダ187内)では、複数のガス側扁平多穴管45aから流出した冷媒が合流する。中列第2ヘッダ空間Sc2(中列第2ヘッダ187内)で合流した冷媒は、第1接続配管171及び前列第4空間A14を経て、第2パスP12の複数の液側扁平多穴管45bへと導かれる。
第3パスP13の扁平多穴管45は、ガス側扁平多穴管45aである(図24参照)。第1実施形態で説明したため、ガス側扁平多穴管45aについての説明は省略する。図22に示されるように、第3パスP13は、例えば合計19本の扁平多穴管45(ガス側扁平多穴管45a)を含む。
(1−2−4)第4パス
第4パスP14は、第1実施形態の第4パスP4と共通する点が多い。第4パスP14は、主に、後列第1ヘッダ空間Sb1と、後列第1ヘッダ空間Sb1と後列第2ヘッダ空間Sb2とを連通する扁平多穴管45と、後列第2ヘッダ空間Sb2と、により形成される。
冷房運転時には、第4パスP14において、後列第2ヘッダ空間Sb2から後列第1ヘッダ空間Sb1に向かって冷媒が流れる。
暖房運転時の、第4パスP14における冷媒の流れは、第1実施形態の第4パスP4における冷媒の流れと同様である。相違点として、第4パスP14のガス側扁平多穴管45aを通過して、後列第2ヘッダ空間Sb2で合流した冷媒は、第2接続配管172及び前列第3空間A13を経て、第1パスP11の複数の液側扁平多穴管45bへと導かれる。
第4パスP14の扁平多穴管45は、ガス側扁平多穴管45aである(図25参照)。図22に示されるように、第4パスP14は、例えば合計19本の扁平多穴管45(ガス側扁平多穴管45a)を含む。
本実施形態の室内熱交換器125は、空気流れ方向dr3における風上側の最前列の熱交換部(前列熱交換部150)に含まれるガス側扁平多穴管45aの数(0本)が、風下側の最後列の熱交換部(後列熱交換部160)に含まれるガス側扁平多穴管45aの数(19本)よりも少ないという構成を有する。なお、ここでは、空気流れ方向dr3における風上側の最前列の熱交換部に含まれるガス側扁平多穴管45aの数が0本であって、風下側の最後列の熱交換部にガス側扁平多穴管45aが含まれる場合も、風上側の最前列の熱交換部に含まれるガス側扁平多穴管45aの数が、風下側の最後列の熱交換部に含まれるガス側扁平多穴管45aの数よりも少ないという構成に含まれるものとする。
また、本実施形態の室内熱交換器125は、複数の熱交換部(中列熱交換部180及び後列熱交換部160)が、ガス側扁平多穴管45aを含むという構成を有する。
また、本実施形態の室内熱交換器125は、ガス側扁平多穴管45aの総数38本(後列熱交換部160:19本、中列熱交換部180:19本)は、液側扁平多穴管45bの総数19本(前列熱交換部150)よりも多いという構成を有する。
また、本実施形態の室内熱交換器125は、最前列の(最も風上側の)前列熱交換部150のみ液側扁平多穴管45bを含むという構成を有する。
また、本実施形態の室内熱交換器125は、ガス側扁平多穴管45aには、いずれも第1ヘッダ186,166側に、ガス冷媒出入口45aaが設けられているという構成を有する。
(1−3)室内熱交換器における冷媒の流れ
(1−3−1)冷房運転時
冷房運転時の冷媒の流れについては、ここでは説明を省略する。なお、冷房運転時には、室内熱交換器125の各パスP11〜P14を、暖房運転時とは反対方向に冷媒が流れる。
(1−3−2)暖房運転時
暖房運転時の室内熱交換器125では、過熱状態のガス冷媒がガス側出入口GHから流入し、熱交換部150,160,180で冷却され、過冷却状態の液冷媒が液側出入口LHから流出する。
図26は、暖房運転時の前列熱交換部150における冷媒の流れを概略的に示した模式図である。図27は、暖房運転時の中列熱交換部180における冷媒の流れを概略的に示した模式図である。図28は、暖房運転時の後列熱交換部160における冷媒の流れを概略的に示した模式図である。なお、図26〜図28において破線矢印は冷媒の流れ方向を示している。
暖房運転時には、第1ガス冷媒管21aを流れた過熱状態のガス冷媒が第1ガス側出入口GH1を介して中列第1ヘッダ186の中列第1ヘッダ空間Sc1に流入する。中列第1ヘッダ空間Sc1に流入したガス冷媒は、室内空気流AFと熱交換し冷却されながら第3パスP13のガス側扁平多穴管45aの扁平管流路451を通過する。第3パスP13のガス側扁平多穴管45aにおいて冷却され、ガス側扁平多穴管45aの途中で二相状態となった冷媒は、中列第2ヘッダ空間Sc2に流入する。中列第2ヘッダ空間Sc2に流入した冷媒は、第1接続配管171を介して前列第4空間A14に流入する。前列第4空間A14に流入した冷媒は、室内空気流AFと熱交換し過冷却状態となりながら第2パスP12の液側扁平多穴管45bの扁平管流路451を通過し、前列第2空間A12及び第1液側出入口LH1を介して第2液冷媒管22bへ流出する。
また、暖房運転時には、第2ガス冷媒管21bを流れた過熱状態のガス冷媒が第2ガス側出入口GH2を介して後列第1ヘッダ166の後列第1ヘッダ空間Sb1に流入する。後列第1ヘッダ空間Sb1に流入したガス冷媒は、室内空気流AFと熱交換し冷却されながら第4パスP14のガス側扁平多穴管45aの扁平管流路451を通過する。第4パスP14のガス側扁平多穴管45aにおいて冷却され、ガス側扁平多穴管45aの途中で二相状態となった冷媒は、後列第2ヘッダ空間Sb2に流入する。後列第2ヘッダ空間Sb2に流入した冷媒は、第2接続配管172を介して前列第2ヘッダ57の前列第3空間A13に流入する。前列第3空間A13に流入した冷媒は、室内空気流AFと熱交換し過冷却状態となりながら第1パスP11の液側扁平多穴管45bの扁平管流路451を通過し、前列第1空間A11及び第2液側出入口LH2を介して第1液冷媒管22aへ流出する。
前列第2ヘッダ157の内部では、中列熱交換部180のガス側扁平多穴管45aから流出した冷媒が流入する空間(前列第4空間A14)と、後列熱交換部160のガス側扁平多穴管45aから流出した冷媒が流入する空間(前列第3空間A13)と、が隔離されている。言い換えれば、前列第2ヘッダ157の内部には、ガス側扁平多穴管45aから流出した冷媒を熱交換部別に隔離する水平仕切板571が配置されている。
暖房運転時には(特には、運転が定常状態となった時には)、室内熱交換器125では、第3パスP13内の扁平管流路451(特には、第3パスP13内の中列第1ヘッダ186側のガス側扁平多穴管45aの扁平管流路451(例えば、中列第1熱交換面181の第3パスP13に含まれる扁平管流路451))において過熱状態の冷媒が流れる領域(過熱域SH11)が形成される。第3パスP13の扁平管流路451の過熱域SH11以外の領域は、主に、二相冷媒が流れる二相領域となる。また、第4パスP14内の扁平管流路451(特に、第4パスP14内の後列第1ヘッダ166側の扁平管流路451(例えば、後列第1熱交換面161の第4パスP14に含まれる扁平管流路451)において過熱状態の冷媒が流れる領域(過熱域SH12)が形成される。第4パスP14の扁平管流路451の過熱域SH12以外の領域は、主に、二相冷媒が流れる二相領域となる。過熱域SH11及び過熱域SH12は、ガス側扁平多穴管45aの、ガス冷媒出入口45aa付近に形成される、ガス冷媒が流れるガス領域の一例である。
本実施形態の室内熱交換器125では、上述したようにガス側扁平多穴管45aには、いずれも第1ヘッダ186,166側に、ガス冷媒出入口45aaが設けられている。そのため、図27及び図28に示されるように、中列熱交換部180の過熱域SH11と、後列熱交換部160の過熱域SH12とは、扁平多穴管45の同一端部側(第1ヘッダ186,166側)に配置されている。つまり、中列熱交換部180の過熱域SH11と、後列熱交換部160の過熱域SH12とは、空気流れ方向dr3において重なるように配置されている。また、中列熱交換部180の過熱域SH11を流れる冷媒と、後列熱交換部160の過熱域SH12を流れる冷媒とは、流れる方向が一致している(すなわち並行流である)。
本実施形態の室内熱交換器125では、中列熱交換部180は、第1端側(中列第1ヘッダ186側)にガス冷媒出入口45aaが設けられたガス側扁平多穴管45a(第1ガス側扁平多穴管)を含む。また、後列熱交換部160は、第1端側(後列第1ヘッダ166側)にガス冷媒出入口45aaが設けられたガス側扁平多穴管45a(第1ガス側扁平多穴管)を含む。そして、本実施形態の室内熱交換器125では、中列熱交換部180及び後列熱交換部160においてその高さ方向の全体にガス側扁平多穴管45aが配置されている。そのため、中列熱交換部180のガス側扁平多穴管45a(第1ガス側扁平多穴管)の空気流れ方向における風下側には、第1方向(扁平管積層方向dr2)において第1ガス側扁平多穴管と同じ位置に(つまり中列熱交換部180の第1ガス側扁平多穴管と同じ高さ位置に)、第1端側(後列第1ヘッダ166側)にガス冷媒出入口45aaが設けられた後列熱交換部160のガス側扁平多穴管45aだけが配置される。また、後列熱交換部160のガス側扁平多穴管45a(第1ガス側扁平多穴管)の空気流れ方向における風下側には、熱交換部は配置されない。
また、本実施形態の室内熱交換器125では、後列熱交換部160より風上側の中列熱交換部180における冷媒と室内空気流AFとの間の熱交換効率は、中列熱交換部180を通過した風下側の後列熱交換部160における冷媒と室内空気流AFとの間の熱交換効率よりも高い。そのため、扁平管延伸方向dr1における、過熱域SH11の長さは、過熱域SH12の長さよりも小さい(図27,図28参照)。そのため、過熱域SH11の面積は、過熱域SH12の面積よりも小さい(図27、図28参照)。言い換えれば、空気流れ方向dr3に沿って見た時に、過熱域SH11は過熱域SH12に包含される。
言い換えれば、過熱域SH11の空気流れ方向dr3における風下側には、扁平多穴管45を二相冷媒又は液相冷媒が流れる二相・液領域が配置されない。そのため、高温のガス冷媒と熱交換した室内空気流AFが、低温のガス冷媒と熱交換することによる室内熱交換器125の凝縮性能の低下を抑制することができる。
また、暖房運転時(特には、運転が定常状態となった時には)には、室内熱交換器125では、第1パスP11内の扁平管流路451(特には、第1パスP11内の前列第1ヘッダ156側の扁平管流路451(例えば、前列第1熱交換面151の第1パスP11に含まれる扁平管流路451))において、過冷却状態の冷媒が流れる領域(過冷却域SC11)が形成される。第1パスP11内の扁平管流路451の過冷却域SC11以外の領域は、主に、二相冷媒が流れる二相領域となる。また、室内熱交換器125では、第2パスP12内の扁平管流路451(特には、第2パスP12内の前列第1ヘッダ156側の扁平管流路451(例えば、前列第1熱交換面151の第2パスP12に含まれる扁平管流路451))において、過冷却状態の冷媒が流れる領域(過冷却域SC12)が形成される。第2パスP12内の扁平管流路451の過冷却域SC12以外の領域は、主に、二相冷媒が流れる二相領域となる。なお、本実施形態では、液側扁平多穴管45bは、第1端側(前列第1ヘッダ156側)に液冷媒出入口45baが設けられた扁平多穴管(第1液側扁平多穴管)である。
ここでは、液側扁平多穴管45bの設けられた前列熱交換部150は、空気流れ方向dr3において最も風上側に存在する熱交換部であるため、液側扁平多穴管45bの空気流れ方向dr3における風上側には、熱交換部は配置されない。言い換えれば、過冷却域SC11,SC12の空気流れ方向dr3における風上側には、扁平多穴管45を二相冷媒又はガス冷媒が流れる二相・ガス領域が配置されない。そのため、ここでは、一旦所定の過冷却度まで冷却された冷媒が、風上側で二相冷媒又はガス冷媒により温められた空気により加熱されることを抑制でき、性能低下を抑制できる。また、空気側から見れば、暖房運転時に、二相冷媒又はガス冷媒により温められた空気が、風下側で過冷却された冷媒により冷却されることを抑制でき、暖房性能の低下を抑制できる。
(2)特徴
第2実施形態に係る室内熱交換器125も、第1実施形態に係る室内熱交換器25の(5−1)〜(5−9)と同様の特徴を有する。その他、室内熱交換器125は、以下の特徴を有する。
(2−1)
室内熱交換器125は、少なくとも3列の(ここでは特に3列の)熱交換部150,160,180を有する。そして、最前列の熱交換部、すなわち前列熱交換部150のみ液側扁平多穴管45bを含む。
ここでは、室内熱交換器125が凝縮器として使用される際に、加熱領域が後列側に集中しているため、性能の向上(吹出温度の高温化)を図ることが可能である。
(3)変形例
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
また、第1実施形態の構成や第1実施形態の変形例の構成の一部又は全部は、矛盾が生じない範囲で、本実施形態の変形に適用可能である。
また、逆に、第2実施形態の構成や第2実施形態の変形例の構成の一部又は全部が、矛盾が生じない範囲で、第1実施形態の変形に適用されてもよい。
(3−1)変形例2A
上記実施形態では、室内熱交換器125は、3列の熱交換部を有するが、これに限定されるものではない。熱交換器は、4列以上の熱交換部を有するものであってもよい。なお、4列以上の熱交換部を有する場合にも、最前列の熱交換部に含まれるガス側扁平多穴管45aの数は、最後列の熱交換部に含まれるガス側扁平多穴管45aの数よりも少ないことが好ましい。
(3−2)変形例2B
上記実施形態では、室内熱交換器125の最前列の熱交換部、すなわち前列熱交換部150は、液側扁平多穴管45bのみを有しており、ガス側扁平多穴管45aは有していない。
ただし、これに限定されるものではなく、室内熱交換器は、図29のようなパス取りの室内熱交換器125aであってもよい。室内熱交換器125aでは、前列第1空間A11にはガス側出入口GHが設けられ、ガス側出入口GHにはガス冷媒管21が接続される。
その結果、暖房運転時に、前記実施形態における第1パスP11の扁平多穴管45は、ガス側扁平多穴管45aとして機能する。
そして、暖房運転時に、第1パスP11、第3パスP13及び第4パスP14の、ガス側扁平多穴管45aを通過した冷媒は、折返し管58及び接続配管171,172を介して前列第4空間A14に導かれる。なお、前列第4空間A14は、水平仕切板571により扁平管積層方向dr2に3つに区画されることが好ましい(図29参照)。そして、水平仕切板571により形成される3つの区画のそれぞれには、互いに異なる列の熱交換部のガス側扁平多穴管45aを通過した冷媒が導かれることが好ましい。前列第4空間A14に流入した冷媒は、第2パスP12内を前列第2空間A12へと導かれ、前列第2空間A12内(前列第1ヘッダ156内)で合流して、液側出入口LHから液冷媒管22へと流出する。この結果、暖房運転時には、図30のように過熱域SH21、SH22及びSH23と、過冷却域SC21が形成される。過熱域SH21、SH22及びSH23及び過冷却域SC21以外の記号を付していない領域は、主に、扁平多穴管45内を二相冷媒が流れる二相冷媒領域である。
なお、前述の実施形態と同様に、過熱域SH21,SH22,SH23は、空気流れ方向dr3において互いに重なるように配置される。また、前述したのと同様な理由で、過熱域SH21,SH22,SH23の面積には、(SH23の面積)>(SH22の面積)>(SH21の面積)という関係がある。このように構成されることで得られる効果は、前述のとおりである。
(3−3)変形例2C
上記実施形態では、室内熱交換器125の最前列の熱交換部だけが液側扁平多穴管45bを有しているがこれに限定されるものではない。例えば、図31の室内熱交換器125bのように、中列熱交換部180も液側扁平多穴管45bを有していてもよい。
なお、室内熱交換器125bでは、(前列熱交換部150のガス側扁平多穴管45aの数)≦(中列熱交換部180のガス側扁平多穴管45aの数)≦(後列熱交換部160のガス側扁平多穴管45aの数)の関係が成り立ち、なおかつ、((最前列の)前列熱交換部150のガス側扁平多穴管45aの数)<((最後列の)後列熱交換部160のガス側扁平多穴管45aの数)の関係が成り立つことが好ましい。特に好ましくは、室内熱交換器125bでは、(前列熱交換部150のガス側扁平多穴管45aの数)<(中列熱交換部180のガス側扁平多穴管45aの数)<(後列熱交換部160のガス側扁平多穴管45aの数)の関係が成り立つ。なお、4列以上の熱交換部を有する場合にも、このようなガス側扁平多穴管45aの数量関係が成り立つことが好ましい。
また、室内熱交換器125bでは、(前列熱交換部150の液側扁平多穴管45bの数)≧(中列熱交換部180の液側扁平多穴管45bの数)の関係が成り立つことが好ましい。特に好ましくは、室内熱交換器125bでは、((風上側の)前列熱交換部150の液側扁平多穴管45bの数)>((風下側の)中列熱交換部180の液側扁平多穴管45bの数)の関係が成り立つ。本変形例では、(前列熱交換部150の液側扁平多穴管45bの数)>(中列熱交換部180の液側扁平多穴管45bの数)の関係が成り立っている。
暖房運転時の、室内熱交換器125bにおける冷媒の流れについて概説する。なお、ここでは、説明が冗長になるのを避けるため、具体的なパス取りの態様についての説明は省略する。
室内熱交換器125aでは、ガス側扁平多穴管45aのガス冷媒出入口45aaは、いずれも第1ヘッダ156,166,186側に設けられている。また、液側扁平多穴管45bの液冷媒出入口45baは、いずれも第1ヘッダ156,186側に設けられている。
後列熱交換部160のガス側扁平多穴管45aを流れた冷媒は、後列第2ヘッダ167に流入して合流し、中列熱交換部180及び前列熱交換部150の液側扁平多穴管45bの第2ヘッダ187,157側の端部開口へと分かれて流入する。中列熱交換部180のガス側扁平多穴管45aを流れた冷媒は、中列第2ヘッダ187に流入して合流し、中列熱交換部180及び前列熱交換部150の液側扁平多穴管45bの第2ヘッダ187,157側の端部開口へと分かれて流入する。前列熱交換部150のガス側扁平多穴管45aを流れた冷媒は、前列第2ヘッダ157に流入して合流し、前列熱交換部150の各液側扁平多穴管45bの第2ヘッダ157側の端部開口に分かれて流入する。中列熱交換部180及び前列熱交換部150の液側扁平多穴管45bの扁平管流路451を通過した冷媒は、液冷媒出入口45baから流出し、最終的に液冷媒管22から流入する。
このように冷媒が流れる結果、暖房運転時には、室内熱交換器125bでは、図31のように過熱域SH31、SH32及びSH33と、過冷却域SC31,SC32が形成される。過熱域SH21、SH22及びSH23及び過冷却域SC21以外の記号を付していない領域は、主に、扁平多穴管45内を二相冷媒が流れる二相冷媒領域である。
なお、前述したのと同様に、過熱域SH31,SH32,SH33は、空気流れ方向dr3において互いに重なるように配置されることが好ましい。また、前述したのと同様な理由で、過熱域SH31,SH32,SH33の面積には、(SH33の面積)>(SH32の面積)>(SH31の面積)という関係があることが好ましい。このような構成により得られる効果は前述のとおりである。
なお、室内熱交換器125bでは、風下側の中列熱交換部180に含まれる液側扁平多穴管45bの数が、風上側の前列熱交換部150に含まれる液側扁平多穴管45bの数よりも少ない。そのため、扁平管積層方向dr2における、過冷却域SC32の長さは、過冷却域SC31の長さよりも小さい(図31参照)。言い換えれば、中列第1ヘッダ186側に液冷媒出入口45baが設けられた、中列熱交換部180の液側扁平多穴管45bの空気流れ方向dr3における風上側には、当該液側扁平多穴管45bと扁平管積層方向dr2における同じ位置に、中列第1ヘッダ186側に液冷媒出入口45baが設けられた、前列熱交換部150の液側扁平多穴管45bだけが配置されることとなる。また、風上側の前列熱交換部150における冷媒と室内空気流AFとの間の熱交換効率は、前列熱交換部150を通過した風下側の中列熱交換部180における冷媒と室内空気流AFとの間の熱交換効率よりも高い。そのため、扁平管延伸方向dr1における、過冷却域SC32の長さは、過冷却域SC31の長さよりも小さい(図31参照)。そのため、過冷却域SC31,SC32の面積には、(SC31の面積)>(SC32の面積)いう関係があり、空気流れ方向dr3方向に見た時に、過冷却域SC32は、過冷却域SC31に包含される。
このように構成されることで、室内熱交換器125bが凝縮器として使用される時に、一旦冷却された冷媒が、風上側で温められた空気により加熱されることを抑制でき、性能低下を抑制できる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。