JP6817177B2 - 空調用レジスタ - Google Patents
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Description
上記空調用レジスタにおいて、各突起部は、前記板状部の上流端部を通過する前の前記流れ方向及び前記突起部の配列方向に対し傾斜する方向へ延びていることが好ましい。
上記の構成によれば、隣り合う一対の突起部は、互いに反対傾向の方向へ延びていることから、気流部は、突起部に沿うことで、互いに反対傾向の方向へ向けて流れる。そのため、隣り合う一対の突起部が同一傾向の方向へ延びているものに比べ、各気流部を板状部に近づく側へ吸引する小さな渦流を効率よく発生させることが可能となる。
一方で、フィンは、フィン軸を支点として傾動可能である。この傾動により、フィン本体の両調整面が、フィンを通過する前の空調用空気の流れ方向に対し傾斜している場合には、各気流部はフィン本体の調整面に沿って流れることで流れ方向を変えられる。
なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方とし、後進方向を後方とし、高さ方向を上下方向として説明する。また、車幅方向(左右方向)については、車両を後方から見た場合を基準として方向を規定する。
図1及び図2に示すように、空調用レジスタは、リテーナ10、複数のフィン、シャットダンパ40、ダンパ駆動機構45、操作ノブ48及び伝達機構B1を備えている。これらのうち、フィン及びシャットダンパ40は、板状部を有し、かつその板状部の厚み方向における両側に、空調用空気の流れ状態を調整する調整面が形成された空気流れ調整部に相当する。次に、空調用レジスタを構成する各部について説明する。
リテーナ10は、硬質の樹脂材料によって形成された複数の部材からなり、全体として、両端が開放された筒状をなしている。リテーナ10の内部空間は、送風ダクトを通じて空調装置(図示略)から送られてくる空調用空気Aの流路(以下「通風路11」という)を構成している。ここで、通風路11での空調用空気Aの流れ方向について、空調装置に近い側(図1及び図2では左側)を上流側とし、同空調装置から遠い側(図1及び図2では右側)を下流側とする。通風路11の下流端は、空調用空気Aの吹出口12を構成している。
フィンは、空調用空気Aの流れ状態としての流れ方向を調整するためのものであり、複数の下流フィン15と複数の上流フィン21とからなる。
シャットダンパ40は、空調用空気Aが流れるのを許容したり遮断したりすることで空調用空気Aの流れ状態を調整するものであり、ダンパ本体41、シール部42及び一対のダンパ軸43を備えている。ダンパ本体41は、通風路11の上流フィン21よりも上流に配置されている。シール部42は軟質材料、例えばスポンジ等の軟質の発泡体によって形成されており、ダンパ本体41の周囲に装着されている。シール部42の外周縁部は、ダンパ本体41の外周縁部よりも外側に露出している。ダンパ軸43は、ダンパ本体41の上下方向における両端面から、互いに遠ざかる方向へ突出している。この方向は、空調用空気Aの流れ方向に交差する方向である。なお、図1では、ダンパ軸43がドット(・)で図示されている。
図2に示すように、ダンパ駆動機構45は、シャットダンパ40を傾動させて通風路11を開放及び閉鎖するための機構であり、操作ダイヤル46及び回動伝達部47を備えている。操作ダイヤル46は、吹出口12の下方近傍に配置されており、リテーナ10に回動可能に支持されている。
図1及び図2に示すように、操作ノブ48は、吹出口12からの空調用空気Aの吹出し方向を変更する際に乗員によって操作される部材である。操作ノブ48は、上下方向における中央部の下流フィン15の下流フィン本体16に対し、車幅方向へスライド可能に装着されている。操作ノブ48は、中央部の下流フィン15と一緒に、下流フィン軸17を支点として傾動可能であり、また、中央部の下流フィン本体16上をスライドすることで、車幅方向へ変位可能である。
伝達機構B1は、操作ノブ48のスライド動作を、車幅方向における中央部付近の特定の上流フィン21に伝達して、両上流フィン軸36を支点として上流フィン21を傾動させるための機構である。
より詳しくは、図3(a)に示すように、上流フィン21毎の上流フィン軸36は、上流フィン本体23において、空調用空気Aの流れ方向における上流フィン本体23の中間部25に位置している。
各調整面29であって、上流フィン本体23の厚みT1が最大となる箇所31に隣接する箇所には、渦流発生模様部32が形成されている。本実施形態では、調整面29毎の渦流発生模様部32は、上記箇所31を挟んで、上記流れ方向における両側、すなわち、箇所31の上流側及び下流側であって、同箇所31に隣接する箇所に形成されている。
図1において二点鎖線で示すように、シャットダンパ40が閉位置にあるときには、通風路11が同シャットダンパ40によって閉塞される。シャットダンパ40よりも下流での空調用空気Aの流通が遮断され、吹出口12からの空調用空気Aの吹出しが停止される。このとき、シール部42が両縦壁部13に接触することで、シャットダンパ40と各縦壁部13との間がシールされる。
ところで、上流フィン本体23の両調整面29が、上流端部24を通過する前の空調用空気Aの流れ方向に対し傾斜していない状態では、図6(a),(b)に示すように、空調用空気Aは、各上流フィン21を通過する際、上流フィン本体23の上流端部24に当たり、厚み方向に2つの気流部A1に分離される。
・渦流発生模様部32が、上流フィン21に形成されている。上流フィン21の下流側には下流フィン15が配置されている。そのため、下流フィン15に渦流発生模様部32が形成された場合よりも、空調用レジスタの下流側から渦流発生模様部32が見えにくく、渦流発生模様部32が原因で見栄えが低下するのを抑制することができる。
<渦流発生模様部32について>
・渦流発生模様部32の形成される対象が上流フィン21とは異なる空気流れ調整部に変更されてもよい。対象となるのは、上記実施形態では、下流フィン15及びシャットダンパ40が挙げられる。下流フィン15の場合、下流フィン本体16が板状部を構成し、その厚み方向における両側の面が調整面を構成し、下流フィン軸17がフィン軸を構成する。各調整面に渦流発生模様部32が形成される。シャットダンパ40の場合、ダンパ本体41が板状部を構成し、その厚み方向における両側の面が調整面を構成する。各調整面に渦流発生模様部32が形成される。
・各調整面29において、上記実施形態とは異なる箇所に渦流発生模様部32が形成されてもよい。
・各渦流発生模様部32を構成する突起部33,34が上記実施形態とは異なる形状に変更されてもよい。
・上流フィン21及び下流フィン15の一方が省略されてもよい。この場合、残った方のフィンの調整面に渦流発生模様部32が形成されてもよい。また、上流フィン21及び下流フィン15に対し、他のフィンが加えられてもよい。
・シャットダンパ40として、上記実施形態のように、ダンパ本体41が単一の部材によって構成されたものが用いられてもよいが、複数の部材によって構成されたものが用いられてもよい。後者の場合、ダンパ本体が、同一線上のダンパ軸を支点として、開位置及び閉位置の間で互いに反対方向に傾動される一対のダンパプレートを備えるものであってもよい。この場合、各ダンパプレートの厚み方向における両側の面が調整面とされて、ここに渦流発生模様部が形成される。
<適用箇所について>
・上記空調用レジスタは、車室内においてインストルメントパネルとは異なる箇所、例えばダッシュボードに組込まれる空調用レジスタにも適用可能である。
Claims (5)
- 空調用空気の通風路を有する筒状のリテーナと、
板状部を有し、かつ前記板状部の厚み方向における両側には、前記空調用空気の流れ状態を調整する調整面が形成された空気流れ調整部とを備える空調用レジスタであって、
前記空気流れ調整部は、前記空調用空気の流れ状態として流れ方向を調整するフィンにより構成され、
前記フィンは、前記通風路の途中に配置されて前記板状部を構成するフィン本体と、前記フィン本体から前記流れ方向に交差する方向へ突出するフィン軸とを備え、
前記フィンは、前記フィン軸において前記リテーナに傾動可能に支持されており、
前記フィン本体の各調整面には渦流発生模様部が形成され、
各渦流発生模様部は、互いに離間した状態で前記調整面から突出する複数の突起部を有し、
複数の前記突起部は、前記空調用空気が、流れ方向における前記板状部の上流端部を通過する前の同流れ方向に交差する方向に沿って配列されており、
前記フィン本体のうち、前記流れ方向における上流端部と中間部との間の領域を、フィン本体の上流部とし、前記中間部と下流端部との間の領域を、フィン本体の下流部とした場合、
前記フィン本体の厚みは、前記上流部では前記中間部に近づくに従い増加し、前記下流部では前記中間部から遠ざかるに従い減少しており、
前記渦流発生模様部は、前記厚みが最大となる箇所に隣接する箇所に形成されている空調用レジスタ。 - 各突起部は、前記板状部の上流端部を通過する前の前記流れ方向及び前記突起部の配列方向に対し傾斜する方向へ延びている請求項1に記載の空調用レジスタ。
- 隣り合う前記突起部は、互いに反対傾向の方向へ延びている請求項2に記載の空調用レジスタ。
- 各調整面における前記渦流発生模様部は、前記板状部の厚みが最大となる箇所に対し、前記流れ方向における上流側に隣接する箇所と、下流側に隣接する箇所とにそれぞれ形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の空調用レジスタ。
- 前記流れ方向における上流側の前記渦流発生模様部と、下流側の前記渦流発生模様部とは、隣り合う突起部間の隙間を、前記突起部の配列方向へずらした状態で形成されている請求項4に記載の空調用レジスタ。
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