JP6816537B2 - ペースト加工用塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)工程;塩化ビニル単量体を油溶性重合開始剤及び水性媒体の存在下、均質化処理を行った後、20〜35℃の温度範囲におけるミクロ懸濁重合により重合開始剤含有シードラテックスを製造する工程。
(2)工程;塩化ビニル単量体/酢酸ビニル単量体よりなる混合単量体を(1)工程により得られた重合開始剤含有シードラテックス及び水性媒体の存在下、28〜43℃の温度範囲にてシードミクロ懸濁重合により塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とする工程。
ここで、R1は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基を示し、R2は水素又は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基若しくはアラルキル基を示し、R3は水素又はプロペニル基を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nは1〜200の整数を示し、Mはアルカリ金属、アンモニウムイオン又はアルカノールアミン残基を示し、中でも、特に低温加工での機械的強度、ペースト塩ビゾルとした際の粘度の経時変化が共に極めて優れたものとなり、特に自動車アンダーボディコート剤、自動車用シーラント剤として優れたペースト塩ビが得られることから、R1の炭素数は7〜11、R2及びR3は水素、Aは炭素数2〜3のアルキレン基、nは1〜40であることが好ましい。そして、該一般式(1)で示される化合物としては、例えばノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩、ノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド20モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩、オクチルジプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩、オクチルジプロペニルフェノールエチレンオキシド100モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩、ドデシルプロペニルフェノールエチレンオキシド20モルランダム付加体硫酸エステルナトリウム塩、ドデシルプロペニルフェノールプロピレンオキシド10モルランダム付加体硫酸エステルナトリウム塩、ドデシルプロペニルフェノールブチレンオキシド4モルブロック付加体硫酸エステルナトリウム塩、ドデシルプロペニルフェノールエチレンオキシド30モルブロック付加体硫酸エステルナトリウム塩等が挙げられ、特に自動車アンダーボディコート剤、自動車用シーラント剤として優れたものとなることから、ノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド10モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩、ノニルプロペニルフェノールエチレンオキシド20モル付加体硫酸エステルアンモニウム塩であることが好ましい。
増粘率(%)=100×(粘度(B)−粘度(A))/粘度(A)
なお、表面処理炭酸カルシウムとしては、例えば脂肪酸ナトリウム塩又は脂肪酸カリウム塩を含む表面処理剤等で表面処理した炭酸カルシウムを挙げることができ、市販品としては、例えば(商品名)Viscolite−OS(白石カルシウム株式会社製)を挙げることができる。また、希釈剤としては、例えばノルマルパラフィン系炭化水素系溶剤、イソパラフィン系炭化水素溶剤、ナフテン系炭化水素溶剤、芳香族系炭化水素溶剤等を挙げることができ、市販品としては、例えば(商品名)Exxsol D40(東燃ゼネラル石油株式会社製)を挙げることができる。
ペースト塩ビ(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体)100重量部に対し、フタル酸ジイソノニル100重量部(株式会社ジェイプラス製)、脂肪酸塩表面処理炭酸カルシウム((商品名)Viscolite−OS 白石工業株式会社製)70重量部、及びナフテン系炭化水素溶剤((商品名)Exxsol D40 東燃ゼネラル石油株式会社製)15重量部を混練し、ペースト塩ビゾルを得た。得られたペースト塩ビゾルを23℃にて2時間保管した後、B8H型回転粘度計で23℃、20rpm条件にて測定した粘度を粘度Aとし、該ゾルを、更に40℃にて7日間保管した後、B8H型回転粘度計で40℃、20rpm条件にて測定した粘度を粘度Bとした。粘度A及び粘度Bを下記式にて、得られたペースト塩ビゾルの増粘率を求めた。
<塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体ラテックスの平均粒子径の測定法>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体ラテックスの平均粒子径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、(商品名)LA−920)により屈折率1.16の条件にて得られた塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の粒子径分布を測定し、その結果より平均粒子径を測定した。
2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水990g、塩化ビニル単量体750g、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート11g及び15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液94gを仕込み、該重合液をホモジナイザーを用いて90分間循環し、均質化処理後、温度を30℃に上げて、ミクロ懸濁重合を進めた。オートクレーブの圧力が0.2MPaまで低下した後、未反応の塩化ビニル単量体を回収した。得られた重合開始剤含有シードラテックスの平均粒子径は0.57μm、固形分濃度は32%であった。
シードミクロ懸濁重合の際の重合温度40℃を35℃とし、ペースト塩ビ脱イオン水分散液の製造を行った以外は、実施例1と同様の方法によりペースト塩ビの製造を行った。
2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水990g、塩化ビニル単量体750g、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート8.9g及び15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液94gを仕込み、該重合液をホモジナイザーを用いて90分間循環し、均質化処理後、温度を30℃に上げて、ミクロ懸濁重合を進めた。オートクレーブの圧力が0.2MPaまで低下した後、未反応の塩化ビニル単量体を回収した。得られた重合開始剤含有シードラテックスの平均粒子径は0.54μm、固形分濃度は33%であった。
シードミクロ懸濁重合の際の重合温度40℃を35℃とし、ペースト塩ビ脱イオン水分散液の製造を行った以外は、実施例3と同様の方法によりペースト塩ビの製造を行った。
2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水990g、塩化ビニル単量体750g、過酸化ラウロイル15g及び15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液75gを仕込み、該重合液をホモジナイザーを用いて90分間循環し、均質化処理後、温度を45℃に上げて、ミクロ懸濁重合を進めた。オートクレーブの圧力が0.4MPaまで低下した後、未反応の塩化ビニル単量体を回収した。得られた重合開始剤含有シードラテックスの平均粒子径は0.52μm、固形分濃度は32%であった。
比較例1と同様の方法により重合開始剤等含有シードラテックスの重合を行った。
2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水990g、塩化ビニル単量体750g、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート11g及び15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液94gを仕込み、該重合液をホモジナイザーを用いて90分間循環し、均質化処理後、温度を35℃に上げて、重合を進めた。オートクレーブの圧力が0.2MPaまで低下した後、未反応の塩化ビニル単量体を回収した。得られた重合開始剤等含有シードラテックスの平均粒子径は0.59μm、固形分濃度は32.7%であった。
2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水990g、塩化ビニル単量体750g、t−ブチルパーオキシネオデカノエート13.7g及び15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液78.4gを仕込み、該重合液をホモジナイザーを用いて90分間循環し、均質化処理後、温度を35℃に上げて、ミクロ懸濁重合を進めた。オートクレーブの圧力が0.2MPaまで低下した後、未反応の塩化ビニル単量体を回収した。得られた重合開始剤含有シードラテックスの平均粒子径は0.80μm、固形分濃度は30.5%であった。
2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水990g、塩化ビニル単量体750g、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート15.5g及び15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液78.4gを仕込み、該重合液をホモジナイザーを用いて90分間循環し、均質化処理後、温度を35℃に上げて、ミクロ懸濁重合を進めた。オートクレーブの圧力が0.2MPaまで低下した後、未反応の塩化ビニル単量体を回収した。得られた重合開始剤含有シードラテックスの平均粒子径は0.60μm、固形分濃度は31.0%であった。
Claims (4)
- シード重合により塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を製造するに際し、少なくとも下記(1)工程及び(2)工程を経ることを特徴とするペースト加工用塩化ビニル系樹脂の製造方法。
(1)工程;塩化ビニル単量体を油溶性重合開始剤及び水性媒体の存在下、均質化処理を行った後、20〜35℃の温度範囲におけるミクロ懸濁重合により重合開始剤含有シードラテックスを製造する工程。
(2)工程;塩化ビニル単量体/酢酸ビニル単量体=94/6〜85/15(重量%)よりなる混合単量体を(1)工程により得られたシードラテックス及び水性媒体の存在下、28〜43℃の温度範囲にてシードミクロ懸濁重合により塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とする工程。 - 前記(1)工程における油溶性重合開始剤が、10時間半減期温度が30〜55℃である油溶性重合開始剤であることを特徴とする請求項1に記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂の製造方法。
- 前記(2)工程における混合単量体に対し、更に下記一般式(1)で示される化合物100〜3000ppmを含む条件下でシード重合を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂の製造方法。
(ここで、R1は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基を示し、R2は水素又は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基若しくはアラルキル基を示し、R3は水素又はプロペニル基を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nは1〜200の整数を示し、Mはアルカリ金属、アンモニウムイオン又はアルカノールアミン残基を示す。) - 前記(2)工程のシード重合の後に得られる塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体水性媒体分散液に含まれる塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の粒子径分布における0.6〜0.9μmの範囲の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の体積分率が14%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のペースト加工用塩化ビニル系樹脂の製造方法。
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