JP6816051B2 - 波長可変レーザ装置、及び波長可変レーザ装置の波長制御方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の波長可変レーザ装置は、出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、波長可変光源部から出力されたレーザ光の強度を取得する第1の受光素子と、エタロン等の光フィルタと、光フィルタを透過したレーザ光の強度を取得する第2の受光素子と、波長可変光源部の動作を制御する制御装置(演算回路)とを備える。
ここで、制御装置は、第1,第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、レーザ光の波長を制御するためのモニタ値を算出する。また、制御装置は、光フィルタにおける所定の温度(以下、基準温度と記載)での透過特性を用いて、レーザ光の目標波長に対応し、当該モニタ値の目標となる制御目標値を設定する。そして、制御装置は、モニタ値が制御目標値に合致するように、波長可変光源部の動作を制御する。
そこで、特許文献1に記載の波長可変レーザ装置では、温度制御装置によって、光フィルタの温度を一定に制御している。しかしながら、光フィルタの温度を一定に制御していても、波長可変レーザ装置内部の温度バラつきや、波長可変レーザ装置の外部からの熱流入等により、意図せずに光フィルタの温度が基準温度からずれてしまう場合がある。すなわち、レーザ光の波長を精度良く目標波長に制御することが難しい、という問題がある。
〔波長可変レーザ装置の概略構成〕
図1は、本実施の形態1に係る波長可変レーザ装置1の構成を示す図である。
波長可変レーザ装置1は、モジュール化された波長可変レーザモジュール2と、当該波長可変レーザモジュール2の動作を制御する制御装置3とを備える。
なお、図1では、波長可変レーザモジュール2と制御装置3とを別体で構成しているが、当該各部材2,3を一体にモジュール化しても構わない。
波長可変レーザモジュール2は、制御装置3による制御の下、出力するレーザ光の波長を複数の波長のうちいずれか一波長のレーザ光に可変とし、当該一波長のレーザ光を出力する。この波長可変レーザモジュール2は、波長可変光源部4と、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)5と、平面光波回路(Planar Lightwave Circuit:PLC)6と、光検出部7と、温度センサ8と、温度調節器9とを備える。
波長可変光源部4は、例えばバーニア効果を利用した波長可変レーザであり、制御装置3による制御の下、レーザ光L1を出力する。この波長可変光源部4は、出力するレーザ光L1の波長を可変とする光源部41と、制御装置3から供給される電力に応じて発熱する3つのマイクロヒータ421〜423を有し、光源部41を局所的に加熱することで、光源部41から出力されるレーザ光L1の波長を変更する波長可変部42とを備える。
導波路部431は、半導体積層部432内にz方向に延伸するように形成されている。
また、第1の導波路部43内には、利得部431aと、DBR(Distributed Bragg Reflector)型の回折格子層431bとが配置されている。
ここで、利得部431aは、InGaAsPからなる多重量子井戸構造と光閉じ込め層とを有する活性層である。また、回折格子層431bは、InGaAsPとInPとからなる標本化回折格子で構成されている。
p側電極433は、半導体積層部432上において、利得部431aに沿うように配置されている。なお、半導体積層部432上には、SiN保護膜(図示略)が形成されている。そして、p側電極433は、当該SiN保護膜に形成された開口部(図示略)を介して半導体積層部432に接触している。
ここで、マイクロヒータ421は、半導体積層部432のSiN保護膜上において、回折格子層431bに沿うように配置されている。そして、マイクロヒータ421は、制御装置3から供給される電力に応じて発熱し、回折格子層431bを加熱する。また、制御装置3がマイクロヒータ421に供給する電力を制御することによって回折格子層431bの温度が変化し、その屈折率が変化する。
2分岐部441は、1×2型の多モード干渉型(MMI)導波路441aを含む1×2型の分岐型導波路で構成され、2ポート側が2つのアーム部442,443のそれぞれに接続されるとともに1ポート側が第1の導波路部43側に接続されている。すなわち、2分岐部441により、2つのアーム部442,443は、その一端が統合され、回折格子層431bと光学的に結合される。
ここで、マイクロヒータ422は、リング状であり、リング状導波路444を覆うように形成されたSiN保護膜(図示略)上に配置されている。そして、マイクロヒータ422は、制御装置3から供給される電力に応じて発熱し、リング状導波路444を加熱する。また、制御装置3がマイクロヒータ422に供給する電力を制御することによってリング状導波路444の温度が変化し、その屈折率が変化する。
ここで、マイクロヒータ423は、アーム部443の一部のSiN保護膜(図示略)上に配置されている。当該アーム部443のうちマイクロヒータ423の下方の領域は、光の位相を変化させる位相調整部445として機能する。そして、マイクロヒータ423は、制御装置3から供給される電力に応じて発熱し、位相調整部445を加熱する。また、制御装置3がマイクロヒータ423に供給する電力を制御することによって位相調整部445の温度が変化し、その屈折率が変化する。
ここで、第2の櫛状反射スペクトルは、第1の櫛状反射スペクトルのピークの半値全幅よりも狭い半値全幅のピークを有し、第1の櫛状反射スペクトルの波長間隔とは異なる波長間隔で略周期的な反射特性を有する。但し、屈折率の波長分散を考慮すると、スペクトル成分は厳密には等波長間隔になっていないことに注意が必要である。
また、波長可変光源部4では、バーニア効果を利用してレーザ光L1の波長を変化させることができる。例えば、回折格子層431bをマイクロヒータ421で加熱すると、熱光学効果により回折格子層431bの屈折率が上昇し、回折格子層431bの第1の櫛状反射スペクトルは、全体的に長波側にシフトする。その結果、1550nm付近における第1の櫛状反射スペクトルのピークは、リング共振器フィルタRF1の第2の櫛状反射スペクトルのピークとの重なりが解かれ、長波側に存在する第2の櫛状反射スペクトルの別のピーク(例えば1556nm付近)に重なる。さらに、位相調整部445をチューニングして共振器モードを微調し、共振器モードの一つを二つの櫛状反射スペクトルに重ねることで、1556nm付近でのレーザ発振を実現することができる。すなわち、波長可変光源部4では、回折格子層431bに対するマイクロヒータ421とリング共振器フィルタRF1に対するマイクロヒータ422とにより第1,第2の櫛状反射スペクトルをそれぞれチューニングすることで粗調、位相調整部445に対するマイクロヒータ423により共振器長をチューニングすることで微調を行う波長可変動作が実現される。
そして、光導波路62は、レーザ光L4を光検出部7における後述するPD(Photo Diode)71に導波する。また、光導波路63は、レーザ光L5を光検出部7における後述するPD72に導波する。さらに、光導波路64は、レーザ光L6を光検出部7における後述するPD73に導波する。
ここで、リング共振器型光フィルタ63a,64aは、入射する光の波長に対して周期的な透過特性をそれぞれ有し、当該透過特性に応じた透過率でレーザ光L5,L6をそれぞれ選択的に透過する。そして、リング共振器型光フィルタ63a,64aを透過したレーザ光L5,L6は、PD72,73にそれぞれ入力する。すなわち、リング共振器型光フィルタ63a,64aは、導波路型の光フィルタでそれぞれ構成され、本発明に係る第1,第2の光フィルタに相当する。以下では、説明の便宜上、リング共振器型光フィルタ63aを第1の光フィルタ63aと記載し、リング共振器型光フィルタ64aを第2の光フィルタ64aと記載する。
なお、第1,第2の光フィルタ63a,64aは、基準温度(目標温度)において、位相差が略「0」となる同一の透過特性を有する。また、第1,第2の光フィルタ63a,64aは、コア材に水晶または石英が用いられ、コア及びクラッドの少なくとも一方にドーパントが添加され、当該添加するドーパントの種類及び添加量の少なくとも一方が異なることによって、温度依存性が互いに異なる透過特性をそれぞれ有する。また、熱膨張係数のそれぞれ異なる材料を光フィルタに付加することで、温度依存性が互いに異なる透過特性をそれぞれ有するようにしてもよい。例えば、第1,第2の光フィルタ63a,64aを、複数の層を重ねるように構成された平面光波回路とし、当該平面光波回路の厚み方向(複数の層が重なる方向)の層構成を、光フィルタ毎に異なる熱膨張係数を有する材料で構成する。これにより、光共振器部に温度に依存した歪応力が発生することとなり、温度依存性が互いに異なる透過特性をそれぞれ有するものとなる。当該温度依存性が互いに異なる点については、後述する透過特性情報の説明と併せて説明する。
PD71は、レーザ光L4(波長可変光源部4から出力されたレーザ光L1と同一)を受光し、当該レーザ光L4の強度に応じた電気信号を制御装置3に出力する。
PD72は、第1の光フィルタ63aを透過したレーザ光L5を受光し、当該レーザ光L5の強度に応じた電気信号を制御装置3に出力する。すなわち、PD72は、本発明に係る第1の受光素子に相当する。
PD73は、第2の光フィルタ64aを透過したレーザ光L6を受光し、当該レーザ光L6の強度に応じた電気信号を制御装置3に出力する。すなわち、PD73は、本発明に係る第2の受光素子に相当する。
そして、PD71〜73からそれぞれ出力された電気信号は、制御装置3による波長ロック制御(波長可変光源部4から出力されるレーザ光L1を目標波長にするための制御)に用いられる。
温度調節器9は、例えばペルチェ素子を含むTEC(Thermo Electric Cooler)等で構成されている。この温度調節器9には、波長可変光源部4、半導体光増幅器5、平面光波回路6、光検出部7、及び温度センサ8が載置される。そして、温度調節器9は、供給された電力に応じて当該各部材4〜8の温度を調節する。
なお、温度調節器9において、当該各部材4〜8が載置される設置面91を波長可変光源部4及び半導体光増幅器5が載置される第1の領域Ar1と、平面光波回路6及び光検出部7が載置される第2の領域Ar2の2つの領域に区画した場合には、温度センサ8は、第2の領域Ar2に載置される。すなわち、温度センサ8は、平面光波回路6に近接して配置されている。
次に、制御装置3の構成について説明する。
図3は、制御装置3の構成を示すブロック図である。
制御装置3は、例えばユーザインターフェースを備えた上位の制御装置(図示略)と接続されており、当該上位の制御装置を介したユーザからの指示にしたがって、波長可変レーザモジュール2の動作を制御する。
なお、以下では、本発明の要部である制御装置3による波長ロック制御を主に説明する。また、図3では、説明の便宜上、制御装置3の構成として、波長ロック制御を実行する構成のみを図示している。
この制御装置3は、制御部31と、記憶部32とを備える。
モニタ値算出部311は、PD71〜73からそれぞれ出力された電気信号の出力値に基づいて、レーザ光L1の波長を制御するための第1,第2のモニタ値を算出する。具体的に、モニタ値算出部311は、PD71から出力された電気信号の出力値に対するPD72から出力された電気信号の出力値の比率を第1のモニタ値(以下、第1のPD比と記載)として算出する。また、モニタ値算出部311は、PD71から出力された電気信号の出力値に対するPD73から出力された電気信号の出力値の比率を第2のモニタ値(以下、第2のPD比と記載)として算出する。
図4及び図5は、記憶部32に記憶された透過特性情報を示す図である。なお、図5では、横軸を波長とし、縦軸をPD比としている。
透過特性情報は、基準温度(目標温度)での第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過特性を示す情報である。より具体的に、透過特性情報は、複数の波長λ1〜λn[nm]と、基準温度(目標温度)において、レーザ光L1の波長を当該波長λ1〜λn[nm]にそれぞれ設定した場合でのPD71から出力された電気信号の出力値に対するPD72(PD73)から出力された電気信号の出力値の比率である各第1のPD比(各第2のPD比)の参照値となる複数の制御参照値Pd1〜Pdnとがそれぞれ関連付けられた情報である。なお、第1,第2のPD比は、第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過率にそれぞれ略比例する。このため、透過特性情報は、第1,第2の光フィルタ63a,64aにおける基準温度(目標温度)での透過特性(図6の曲線CL)を示している。
具体的に、第1の光フィルタ63aの透過特性(曲線CL)は、当該第1の光フィルタ63aの温度が基準温度(目標温度)からずれると、図5に曲線CL1´で示すように、波長軸上で全体が短波側または長波側にシフトする。同様に、第2の光フィルタ64aの透過特性(曲線CL)は、当該第2の光フィルタ64aの温度が基準温度(目標温度)からずれると、図5に曲線CL2´で示すように、波長軸上で全体が短波側または長波側にシフトする。なお、図5では、長波側にシフトした状態を例示している。そして、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度が基準温度から同一の温度だけずれた場合には、当該第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過特性は、波長軸上で異なるシフト量でそれぞれシフトする。すなわち、「温度依存性が互いに異なる透過特性」とは、「第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度が基準温度から同一の温度だけずれた場合に波長軸上でのシフト量が互いに異なる透過特性」を意味する。
図6は、記憶部32に記憶された波長電力情報を示す図である。
波長電力情報は、複数の波長λ1〜λn[nm]と、レーザ光L1の波長を当該波長λ1〜λn[nm]に制御するためにマイクロヒータ421〜423にそれぞれ供給する複数の電力(初期電力)とがそれぞれ関連付けられた情報である。なお、図6では、説明の便宜上、マイクロヒータ421〜423にそれぞれ供給する総電力を各電力P1〜Pn[W]として記載している。
記憶部32は、制御部31にて実行されるプログラムや、制御部31の処理に必要な情報(例えば、透過特性情報及び波長電力情報等)等を記憶する。
次に、上述した制御装置3による波長制御方法(波長ロック制御)について説明する。
図7は、制御装置3による波長制御方法を示すフローチャートである。
先ず、波長制御部313は、ユーザインターフェースを介して上位の制御装置(図示略)に入力された目標波長を当該上位の制御装置から取得する(ステップS1)。
ステップS1の後、目標値算出部312は、記憶部32に記憶された透過特性情報を参照し、第1,第2の制御目標値を算出する(ステップS2:目標値算出ステップ)。具体的に、目標値算出部312は、記憶部32に記憶された透過特性情報を読み出す。そして、目標値算出部312は、当該透過特性情報における複数の制御参照値Pd1〜Pdnのうち、ステップS1にて取得された目標波長(例えば波長λ1)に関連付けられた制御参照値(例えば制御参照値Pd1)を第1,第2の制御目標値として算出する。
ステップS3の後、温度制御部314は、温度センサ8にて検出された周囲温度に基づいて、温度調節器9の動作を制御し、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度を目標温度(基準温度)に制御する(ステップS4:粗調ステップ)。例えば、温度制御部314は、温度センサ8にて検出された周囲温度、及びステップS3にてマイクロヒータ421〜423に供給されている総電力(波長電力情報において、各電力P1〜Pn[W]のうち、ステップS1にて取得された目標波長に関連付けられた電力)等に基づいて、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度を推定する。そして、温度制御部314は、当該推定した第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度が目標温度(基準温度)となるように温度調節器9の動作を制御する。なお、温度制御部314は、温度センサ8にて検出された周囲温度自体が目標温度(基準温度)となるように温度調節器9の動作を制御しても構わない。
ステップS5の後、波長制御部313は、ステップS2にて算出された第1の制御目標値に対してステップS5以降に算出された最新の第1のPD比が合致するように、マイクロヒータ421〜423にそれぞれ供給する電力を変化させる波長調整制御を実行する(ステップS6:波長制御ステップ)。
第2のPD比と第2の制御目標値とが同一であると判断された場合(ステップS7:Yes)には、制御装置3は、波長ロック制御を終了する。
一方、第2のPD比と第2の制御目標値とが同一ではないと判断した場合(ステップS7:No)には、温度制御部314は、第2の制御目標値に対して第2のPD比が合致するように、温度調節器9に供給する電力を変化させる(第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度を変化させる)温度制御を実行する(ステップS8:温度制御ステップ)。この後、制御装置3は、ステップS6に戻り、波長調整制御を実行する。
第1の光フィルタ63aの温度が基準温度(目標温度)からずれると、当該第1の光フィルタ63aの透過特性は、波長軸上で全体がシフト(曲線CLから曲線CL1´にシフト)する。すなわち、ステップS6において、第1の光フィルタ63aの温度が基準温度(目標温度)からずれて当該第1の光フィルタ63aの透過特性が曲線CL1´になっているにも拘らず、透過特性情報(曲線CL)における目標波長TWに関連付けられた制御参照値を第1の制御目標値PDTとして波長調整制御を実行した場合には、レーザ光L1の波長は、目標波長TWからずれた波長TW´に制御されてしまう。
具体的に、第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過特性は、上述したように、温度依存性が互いに異なる。このため、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度が基準温度(目標温度)からずれ、第1の光フィルタ63aの透過特性が基準温度(目標温度)での透過特性からシフトしている場合(曲線CLから曲線CL1´にシフトしている場合)には、第2の光フィルタ64aの透過特性は、曲線CLから曲線CL1´へのシフト量とは異なるシフト量だけシフトする(曲線CLから曲線CL2´にシフトする)。すなわち、当該場合には、第2のPD比は、透過特性情報(曲線CL)における目標波長TWに関連付けられた制御参照値である第2の制御目標値PDTではなく、ずれた波長TW´と曲線CL2´とから導き出されるPD比PDT2となる。そして、ステップS8において、第2の制御目標値PDTに対して第2のPD比が合致するように温度制御を実行することにより、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度を基準温度(目標温度)に合致させ、第1の光フィルタ63aの透過特性を曲線CL1´から基準温度(目標温度)での曲線CLに戻す(図8の矢印参照)。この後、ステップS6において、第1の制御目標値PDTを用いて波長調整制御を改めて実行することにより、レーザ光L1の波長は、波長TW´から目標波長TWに制御される。
本実施の形態1に係る波長可変レーザ装置1では、第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過特性は、温度依存性が互いに異なる。このため、目標波長TWに対応した第1の制御目標値PDTと第1のPD比とに基づいて波長調整制御(ステップS6)を実行している際に、目標波長TWに対応した第2の制御目標値PDTと第2のPD比とを比較することにより、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度が基準温度(目標温度)からずれているか否かを判別することができる。また、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度が基準温度(目標温度)からずれている場合には、第2の制御目標値PDTに対して第2のPD比が合致するように温度制御(ステップS8)を実行することにより、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度を基準温度(目標温度)に合致させることができる。そして、第1の制御目標値PDTを用いて波長調整制御(ステップS6)を改めて実行することにより、レーザ光L1の波長を精度良く目標波長TWに制御することができる。
特に、第1,第2の光フィルタ63a,64aは、コア材に水晶または石英が用いられ、コア及びクラッドの少なくとも一方にドーパントが添加され、当該添加するドーパントの種類及び添加量の少なくとも一方が異なる。このため、第1,第2の光フィルタ63a,64aにおける透過特性の温度依存性を互いに異なるものとしつつ、コアとクラッドとの比屈折率差Δを大きくし、小型化を図ることができる。
次に、本実施の形態2について説明する。
以下の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図9は、本実施の形態2に係る制御装置3Aの構成を示すブロック図である。図10は、制御装置3Aによる波長制御方法を示すフローチャートである。
本実施の形態2に係る波長可変レーザ装置1Aでは、上述した実施の形態1で説明した波長可変レーザ装置1に対して、制御装置3とは異なる手法で波長ロック制御を実行する制御装置3Aを採用している。
制御装置3Aでは、上述した実施の形態1で説明した制御装置3に対して、波長制御部313及び温度制御部314の機能、及び記憶部32に記憶する情報を異なるものとしている。以下では、説明の便宜上、本実施の形態2に係る制御部(波長制御部及び温度制御部)及び記憶部をそれぞれ制御部31A(波長制御部313A及び温度制御部314A)及び記憶部32Aとする。
スロープ情報は、第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過特性(曲線CL(図11参照))において、不感帯を除く上限値UL(図11参照)及び下限値LL(図11参照)間の範囲内(以下、スロープ部分と記載)での波長の変動量に対する第1,第2のPD比の変動量の比率(スロープ部分の傾き)を示す情報である。なお、「不感帯」とは、第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過特性(曲線CL)において、山または谷に相当する部分であって、波長の変動量に対する第1,第2のPD比の変動量が小さい部分を意味する。
温度依存性情報は、第1,第2の光フィルタ63a,64aにおける透過特性の温度依存性の関係を示す情報である。具体的に、温度依存性情報は、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度が基準温度(目標温度)からずれた場合において、第1の光フィルタ63aの透過特性における波長のシフト量Δλ1(図11参照)に対する第2の光フィルタ64aの透過特性における波長のシフト量Δλ2(図11参照)の比率(例えば2倍等)を示す情報である。
以下、波長制御部313A、温度制御部314A、及び目標値補正部315の機能について、図10を参照しつつ説明する。
具体的に、波長制御部313Aは、1回目のループ(ステップS6A〜S8Aのループ)では、ステップS6Aにおいて、上述した実施の形態1で説明したステップS6と同様に、ステップS2にて算出された第1の制御目標値に対してステップS5以降に算出された最新の第1のPD比が合致するように波長調整制御を実行する。また、波長制御部313Aは、2回目以降のループ(ステップS6A〜S8Aのループ)では、ステップS6Aにおいて、後述するステップS8Aにて生成された補正制御目標値に対してステップS5以降に算出された最新の第1のPD比が合致するように波長調整制御を実行する。
第2のPD比と第2の制御目標値とが同一であると判断された場合(ステップS7A:Yes)には、制御装置3Aは、波長ロック制御を終了する。
具体的に、目標値補正部315は、記憶部32Aに記憶された透過特性情報及び温度依存性情報と、ステップS5以降に算出された最新の第1のPD比PDT(図11参照)と、ステップS5以降に算出された最新の第2のPD比PDT2(図11参照)とに基づいて、所定の演算により、第1の光フィルタ63aの透過特性における波長のシフト量Δλ1(レーザ光L1の目標波長TWからの波長のシフト量(図11参照))を算出する。また、目標値補正部315は、当該波長のシフト量Δλ1と、記憶部32Aに記憶されたスロープ情報とに基づいて、ステップS2にて算出された第1の制御目標値PDTを補正するための補正値CV(図11参照)を算出する。そして、目標値補正部315は、当該補正値CVをステップS2にて算出された第1の制御目標値PDTに加算して補正制御目標値PDT´(図11参照)を生成する。
この後、制御装置3Aは、ステップS6Aに戻る。
上述した実施の形態1では、制御装置3は、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度が基準温度(目標温度)からずれ、第1の光フィルタ63aの透過特性が曲線CLから曲線CL1´にシフトした場合に、第2のPD比PDT2及び第2の制御目標値PDTを用いて温度制御(ステップS8)を実行していた。すなわち、制御装置3は、当該温度制御により第1の光フィルタ63aの透過特性を基準温度(目標温度)での曲線CLに戻し、当該曲線CLを用いて波長調整制御(ステップS6)を実行していた。
これに対して本実施の形態2では、制御装置3Aは、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度が基準温度(目標温度)からずれ、第1の光フィルタ63aの透過特性が曲線CLから曲線CL1´にシフトした場合に、当該シフトした曲線CL1´を用いて波長調整制御(ステップS6A)を実行する。すなわち、制御装置3Aは、透過特性情報、温度依存性情報、及び最新の第1,第2のPD比PDT,PDT2から波長のシフト量Δλ1を算出するとともに、当該波長のシフト量Δλ1及びスロープ情報から補正値CVを算出し、当該補正値CVにより第1の制御目標値PDTを補正して補正制御目標値PDT´を生成する(ステップS8A)。そして、制御装置3Aは、当該補正制御目標値PDT´を用いて波長調整制御(ステップS6A)を実行する。これにより、レーザ光L1の波長は、目標波長TWに制御される。
なお、本実施の形態2においては、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度が基準温度(目標温度)からずれることでシフトした透過特性を用いて波長調整制御を実行するため、例えば第1,第2の光フィルタ63a,64aが基準温度(目標温度)から大きくずれ、温度調整が困難となる場合であってもレーザ光L1の波長を目標波長TWに制御することができる。また、上述した実施の形態1においては、ステップS8において第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度を制御するため、当該温度変化が収束するまでの時間はこれらの時定数に左右されるが、本実施の形態2においては第1の制御目標値PDTを補正する制御を行うため、上述の時定数の影響を低減することができる。このため、レーザ光L1の波長が目標波長TWに収束するのに必要な時間を短縮することができる。
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態1,2によってのみ限定されるべきものではない。
図12は、本実施の形態1,2の変形例を示す図である。
上述した実施の形態1,2では、第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過特性は、基準温度(目標温度)において、位相差が略「0」となるように設計されていたが、これに限らない。第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過特性における温度依存性が互いに異なっていれば、基準温度(目標温度)において、第1の光フィルタ63aの透過特性(曲線CL1(図12))と第2の光フィルタ64aの透過特性(曲線CL2(図12))とが例えばπ/2の位相差を有するように設計しても構わない。すなわち、このように位相差を設けておくことで、第1の光フィルタ63aの透過特性(曲線CL1)の不感帯と、第2の光フィルタ64aの透過特性(曲線CL2)の不感帯とが互いに重ならないものとなる。このため、波長調整制御(ステップS8,S8A)を実行する際に、第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過特性(曲線CL1,CL2)のうち、目標波長TWが不感帯に位置しない透過特性を用いれば、レーザ光L1の波長を良好に目標波長TWに制御することができる。また、第1,第2の光フィルタ63a,64aの透過特性における温度依存性が互いに異なっているため、製造誤差等により、基準温度(目標温度)において位相差が所望の位相差(例えばπ/2)となっていない場合であっても、第1,第2の光フィルタ63a,64aの温度を制御することで、位相差を所望の位相差(例えばπ/2)に設定することができる。
また、光フィルタの数は、2つに限らず、3つ以上であっても構わない。この際、3つ以上の光フィルタの透過特性における温度依存性が互いに異なっていれば、基準温度(目標温度)において、3つの光フィルタの透過特性における位相差が略「0」となるように設計してもよく、あるいは、例えばπ/N(N=光フィルタの数)の位相差を有するように設計しても構わない。
2 波長可変レーザモジュール
3,3A 制御装置
4 波長可変光源部
5 半導体光増幅器
6 平面光波回路
7 光検出部
8 温度センサ
9 温度調節器
31,31A 制御部
32,32A 記憶部
41 光源部
42 波長可変部
43 第1の導波路部
44 第2の導波路部
45 n側電極
61 光分岐部
62 光導波路
63 光導波路
63a リング共振器型光フィルタ63a(第1の光フィルタ)
64 光導波路
64a リング共振器型光フィルタ64a(第2の光フィルタ)
71〜73 PD
91 設置面
311 モニタ値算出部
312 目標値算出部
313,313A 波長制御部
314,314A 温度制御部
315 目標値補正部
421〜423 マイクロヒータ
431 導波路部
431a 利得部
431b 回折格子層
432 半導体積層部
433 p側電極
441 2分岐部
441a 多モード干渉型導波路
442,443 アーム部
444 リング状導波路
445 位相調整部
Ar1 第1の領域
Ar2 第2の領域
B1 基部
C1 光共振器
CL,CL1´,CL2´ 曲線
CV 補正値
L1〜L6 レーザ光
LL 下限値
M1 反射ミラー
PDT 第1,第2の制御目標値
PDT´ 補正制御目標値
PDT2 第2のPD比
RF1 リング共振器フィルタ
TW 目標波長
TW´ 波長
UL 上限値
Δλ1,Δλ2 波長のシフト量
Claims (12)
- 出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、
入射する前記レーザ光の波長に対して周期的に特性が変化する透過特性をそれぞれ有する第1の光フィルタ及び第2の光フィルタと、
前記レーザ光を3つのレーザ光に分岐する光分岐部と、
前記3つのレーザ光をそれぞれ導波する第1の光導波路、第2の光導波路、及び第3の光導波路と、
前記第1の光導波路にて導波され、前記第1の光フィルタを透過した前記レーザ光の強度に応じた電気信号を出力する第1の受光素子と、
前記第2の光導波路にて導波され、前記第2の光フィルタを透過した前記レーザ光の強度に応じた電気信号を出力する第2の受光素子と、
前記第3の光導波路にて導波された前記レーザ光の強度に応じた電気信号を出力する第3の受光素子と、
前記第1の光フィルタ、前記第2の光フィルタ、前記光分岐部、前記第1の光導波路、前記第2の光導波路、前記第3の光導波路、前記第1の受光素子、前記第2の受光素子、及び前記第3の受光素子の温度を調整する温度調節器と、
前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を目標波長に制御する制御装置とを備え、
前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタは、
温度依存性が互いに異なる前記透過特性をそれぞれ有し、
前記制御装置は、
前記第3の受光素子から出力された電気信号の出力値に対する前記第1の受光素子から出力された電気信号の出力値の比率を第1のモニタ値として算出し、前記第3の受光素子から出力された電気信号の出力値に対する前記第2の受光素子から出力された電気信号の出力値の比率を第2のモニタ値として算出するとともに、
前記第1のモニタ値と、前記第2のモニタ値と、レーザ光の目標波長にそれぞれ対応するとともに当該第1のモニタ値及び当該第2のモニタ値の目標となる第1の制御目標値及び第2の制御目標値とに基づいて、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタの温度の目標温度からのずれを判別し、当該ずれに応じて前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を制御する
ことを特徴とする波長可変レーザ装置。 - 前記制御装置は、
前記第1のモニタ値及び前記第2のモニタ値を算出するモニタ値算出部と、
前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を算出する目標値算出部と、
前記第1のモニタ値及び前記第1の制御目標値に基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を制御する波長制御部と、
前記第2のモニタ値及び前記第2の制御目標値に基づいて、前記温度調節器の動作を制御し、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタの温度を制御する温度制御部とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の波長可変レーザ装置。 - 前記制御装置は、
前記第1のモニタ値及び前記第2のモニタ値を算出するモニタ値算出部と、
前記第1の制御目標値及び前記第2の制御目標値を算出する目標値算出部と、
前記第2のモニタ値及び前記第2の制御目標値に基づいて、前記第1の制御目標値を補正して補正制御目標値を生成する目標値補正部と、
前記第1のモニタ値及び前記補正制御目標値に基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を制御する波長制御部とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の波長可変レーザ装置。 - 周囲温度を検出する温度センサをさらに備え、
前記制御装置は、
前記周囲温度に基づいて、前記温度調節器の動作を制御し、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタの温度を目標温度に制御する温度制御部を備える
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の波長可変レーザ装置。 - 前記温度調節器は、
温度の調節対象が設置される設置面を有し、
前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタは、
前記温度調節器の同一の前記設置面に設置される
ことを特徴とする請求項4に記載の波長可変レーザ装置。 - 前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタは、
導波路型の光フィルタである
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の波長可変レーザ装置。 - 前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタは、
前記レーザ光を伝搬するコア及びクラッドを有し、当該コア及びクラッドの少なくとも一方にドーパントが添加され、当該添加するドーパントの種類及び添加量の少なくとも一方が互いに異なる
ことを特徴とする請求項6に記載の波長可変レーザ装置。 - 前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタは、
平面光波回路でそれぞれ構成されているとともに、当該平面光波回路の厚み方向の層構成が互いに異なる熱膨張係数を有する材料で構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の波長可変レーザ装置。 - 出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、入射する前記レーザ光の波長に対して周期的に特性が変化する透過特性をそれぞれ有する第1の光フィルタ及び第2の光フィルタと、前記レーザ光を3つのレーザ光に分岐する光分岐部と、前記3つのレーザ光をそれぞれ導波する第1の光導波路、第2の光導波路、及び第3の光導波路と、前記第1の光導波路にて導波され、前記第1の光フィルタを透過した前記レーザ光の強度に応じた電気信号を出力する第1の受光素子と、前記第2の光導波路にて導波され、前記第2の光フィルタを透過した前記レーザ光の強度に応じた電気信号を出力する第2の受光素子と、前記第3の光導波路にて導波された前記レーザ光の強度に応じた電気信号を出力する第3の受光素子と、前記第1の光フィルタ、前記第2の光フィルタ、前記光分岐部、前記第1の光導波路、前記第2の光導波路、前記第3の光導波路、前記第1の受光素子、前記第2の受光素子、及び前記第3の受光素子の温度を調整する温度調節器とを備えた波長可変レーザ装置の波長制御方法であって、
前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタは、
温度依存性が互いに異なる前記透過特性をそれぞれ有し、
当該波長可変レーザ装置の波長制御方法は、
前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、第1のモニタ値及び第2のモニタ値を算出するモニタ値算出ステップと、
レーザ光の目標波長にそれぞれ対応するとともに前記第1のモニタ値及び前記第2のモニタ値の目標となる第1の制御目標値及び第2の制御目標値を算出する目標値算出ステップと、
前記第1のモニタ値及び前記第1の制御目標値に基づいて、前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を制御する波長制御ステップと、
前記第2のモニタ値及び前記第2の制御目標値に基づいて、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタの温度の目標温度からのずれを判別し、当該ずれに応じて前記温度調節器の動作を制御し、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタの温度を制御する温度制御ステップとを備える
ことを特徴とする波長可変レーザ装置の波長制御方法。 - 前記波長可変レーザ装置は、
周囲温度を検出する温度センサをさらに備え、
当該波長可変レーザ装置の波長制御方法は、
前記波長制御ステップ及び前記温度制御ステップを実行する前に、前記周囲温度に基づいて、前記温度調節器の動作を制御し、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタの温度を前記目標温度に制御する粗調ステップをさらに備える
ことを特徴とする請求項9に記載の波長可変レーザ装置の波長制御方法。 - 出力するレーザ光の波長を可変とする波長可変光源部と、入射する前記レーザ光の波長に対して周期的に特性が変化する透過特性をそれぞれ有する第1の光フィルタ及び第2の光フィルタと、前記レーザ光を3つのレーザ光に分岐する光分岐部と、前記3つのレーザ光をそれぞれ導波する第1の光導波路、第2の光導波路、及び第3の光導波路と、前記第1の光導波路にて導波され、前記第1の光フィルタを透過した前記レーザ光の強度に応じた電気信号を出力する第1の受光素子と、前記第2の光導波路にて導波され、前記第2の光フィルタを透過した前記レーザ光の強度に応じた電気信号を出力する第2の受光素子と、前記第3の光導波路にて導波された前記レーザ光の強度に応じた電気信号を出力する第3の受光素子と、前記第1の光フィルタ、前記第2の光フィルタ、前記光分岐部、前記第1の光導波路、前記第2の光導波路、前記第3の光導波路、前記第1の受光素子、前記第2の受光素子、及び前記第3の受光素子の温度を調整する温度調節器とを備えた波長可変レーザ装置の波長制御方法であって、
前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタは、
温度依存性が互いに異なる前記透過特性をそれぞれ有し、
当該波長可変レーザ装置の波長制御方法は、
前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子がそれぞれ取得したレーザ光の強度に基づいて、第1のモニタ値及び第2のモニタ値を算出するモニタ値算出ステップと、
レーザ光の目標波長にそれぞれ対応するとともに前記第1のモニタ値及び前記第2のモニタ値の目標となる第1の制御目標値及び第2の制御目標値を算出する目標値算出ステップと、
前記第2のモニタ値及び前記第2の制御目標値に基づいて、前記第1の制御目標値を補正して補正制御目標値を生成する目標値補正ステップと、
前記第1のモニタ値及び前記補正制御目標値に基づいて、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタの温度の目標温度からのずれを判別し、当該ずれに応じて前記波長可変光源部から出力されるレーザ光の波長を制御する波長制御ステップとを備える
ことを特徴とする波長可変レーザ装置の波長制御方法。 - 前記波長可変レーザ装置は、
周囲温度を検出する温度センサをさらに備え、
当該波長可変レーザ装置の波長制御方法は、
前記目標値補正ステップを実行する前に、前記周囲温度に基づいて、前記温度調節器の動作を制御し、前記第1の光フィルタ及び前記第2の光フィルタの温度を前記目標温度に制御する粗調ステップをさらに備える
ことを特徴とする請求項11に記載の波長可変レーザ装置の波長制御方法。
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