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JP6888667B2 - アンテナモジュール及び通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アンテナモジュール及び通信装置に関する。
無線通信用のパッチアンテナと高周波回路部品とが一体化されたアンテナモジュールとして、誘電体基板の第1主面側にパッチアンテナが配置され、誘電体基板の第1主面とは反対側の第2主面に高周波素子(すなわち高周波回路部品)が実装された構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして誘電体基板内に接地層(すなわちグランドパターン導体)が設けられており、誘電体基板の第2主面に接地導体柱が設けられていることにより、高周波素子からの不要輻射をシールドすることができる。また、誘電体基板の第2主面にはさらに、信号導体柱が設けられている。
国際公開第2016/063759号
しかしながら、上記従来の構成では、パッチアンテナから空間中に放射された高周波信号あるいはパッチアンテナで受信される空間中の高周波信号の影響により、RF特性が悪くなる場合がある。具体的には、これら空間中の高周波信号が信号端子(上記従来の構成では信号導体柱)に伝搬してしまうことで、当該信号端子に伝搬した高周波信号が高周波回路部品に入力されることにより、上記RF特性の悪化が生じる。このような問題は、当該信号端子に当該高周波信号が伝搬しやすいミリ波等において特に顕著である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、パッチアンテナと高周波回路部品とが一体化されたアンテナモジュール及び通信装置について、RF特性の向上を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るアンテナモジュールは、誘電体基板と、前記誘電体基板の第1主面側に設けられ、高周波信号を放射または受信する複数のパッチアンテナを含むアンテナと、前記誘電体基板の前記第1主面と反対側の第2主面側に実装され、前記複数のパッチアンテナと電気的に接続された高周波回路部品と、前記誘電体基板の前記第2主面側に設けられ、前記高周波回路部品と電気的に接続された信号端子と、前記誘電体基板の前記第2主面側に設けられ、グランド電位に設定されるグランド端子と、を有するアンテナモジュールであって、前記誘電体基板の前記第1主面に垂直な方向から見た場合に、前記グランド端子は、前記複数のパッチアンテナにより放射または受信される高周波信号の偏波方向において、前記信号端子と、当該信号端子に最も近い前記誘電体基板の第1側面と、の間に配置され、前記アンテナモジュールは、前記グランド端子を含む複数のグランド端子を有し、前記複数のグランド端子のうち少なくとも1つは、前記垂直な方向から見た場合、前記信号端子と前記高周波回路部品との間に配置されている。
これにより、グランド端子がシールドとなって複数のパッチアンテナと信号端子とのアイソレーションを向上することができる。その結果、上記高周波信号が信号端子に与える影響を抑制することができる。したがって、複数のパッチアンテナから信号端子に伝搬した高周波信号が高周波回路部品に入力されることによるRF特性の悪化を抑制することができる。すなわち、パッチアンテナと高周波回路部品とが一体化されたアンテナモジュールについて、RF特性の向上が図られる。また、これにより、高周波回路部品と信号端子とのアイソレーションを向上することができる。よって、信号端子を介して伝達される信号が高周波回路部品に与える影響、あるいは、高周波回路部品の不要輻射が信号端子に与える影響等、高周波回路部品とグランド端子との互いの影響を抑制することができるので、RF特性のさらなる向上を図ることができる。
また、前記垂直な方向から見た場合に、前記高周波回路部品は、前記複数のパッチアンテナが配置された領域内に配置されていることにしてもよい。
これにより、高周波回路部品と各パッチアンテナとを接続する給電線を短く設計することができるので、給電線によって生じるロスが低減され、高性能なアンテナモジュールを実現することができる。このようなアンテナモジュールは、給電線が長くなると当該給電線によるロスが大きくなりやすいミリ波帯のアンテナモジュールとして好適である。
た、前記複数のグランド端子は、前記垂直な方向から見た場合、前記誘電体基板の端部において前記第1側面に沿った位置に並んで配置されていることにしてもよい。
これにより、複数のパッチアンテナと信号端子とのアイソレーションをさらに向上することができるので、RF特性のさらなる向上を図ることができる。
た、前記複数のグランド端子は、前記垂直な方向から見た場合、前記信号端子を囲むように並んで配置されていることにしてもよい。
これにより、複数のパッチアンテナと信号端子とのアイソレーションをさらに向上することができるので、RF特性のさらなる向上を図ることができる。
また、前記信号端子は、前記高周波信号に対応する信号が入力または出力される端子であり、前記複数のグランド端子は、前記垂直な方向から見た場合、前記信号端子を含む全ての信号端子を囲むように並んで配置されていることにしてもよい。
これにより、複数のパッチアンテナと全ての信号端子とのアイソレーションを向上することができるので、RF特性のさらなる向上を図ることができる。
また、前記複数のグランド端子は、前記垂直な方向から見た場合、前記誘電体基板の端部において全ての側面に沿った位置に並んで配置されていることにしてもよい。
これにより、複数のパッチアンテナと信号端子とのアイソレーションを向上しつつ、複数のグランド端子で囲まれた領域の任意の位置に信号端子を配置することができる。つまり、信号端子のレイアウト自由度が向上する。
また、前記複数のグランド端子は、等間隔に並んで配置されており、前記複数のグランド端子のうち隣り合う2つのグランド端子の中心間の距離は、前記複数のパッチアンテナにより放射または受信される高周波信号の実効波長の1/2以下であることにしてもよい。
これにより、当該2つのグランド端子間の隙間を当該実効波長の1/2よりも有意に狭くすることができる。したがって、当該高周波信号をより確実にシールドすることができるので、RF特性のさらなる向上を図ることができる。
また、前記グランド端子は、銅または銅を主成分とする合金からなることにしてもよい。
このように、導電率の高い銅がグランド端子に含まれることにより、グランド端子によるシールド効果を向上することができるので、RF特性のさらなる向上を図ることができる。
また、前記高周波回路部品は、前記信号端子に入力された信号を増幅するパワーアンプを含み、前記複数のパッチアンテナは、前記パワーアンプで増幅された信号を放射することにしてもよい。
パッチアンテナから放射された高周波信号が信号端子に伝搬してしまうと、パワーアンプの発振等の予期せぬ不具合が生じることにより、RF特性が悪くなる。これに対して、本態様によれば、上記高周波信号が信号端子に与える影響を抑制することができる。したがって、複数のパッチアンテナから信号端子に伝搬した高周波信号がパワーアンプに入力されることによるRF特性の悪化を抑制し、RF特性の向上を図ることができる。
また、前記高周波回路部品は、前記複数のパッチアンテナと当該高周波回路部品との間で伝達される高周波信号の位相を調整する位相調整回路を含み、前記信号端子には、前記位相調整回路で位相が調整される信号が入力または出力されることにしてもよい。
パッチアンテナによる高周波信号が信号端子に伝搬してしまうと、位相調整回路による移相度の調整が所望どおりにできない等の予期せぬ不具合が生じることにより、RF特性が悪くなる。これに対して、本態様によれば、上記高周波信号が信号端子に与える影響を抑制することができる。したがって、複数のパッチアンテナから信号端子に伝搬した高周波信号が位相調整回路に入力されることによるRF特性の悪化を抑制し、RF特性の向上を図ることができる。
また、前記アンテナモジュールは、さらに、前記誘電体基板の前記第2主面側に設けられ、前記高周波回路部品を封止する樹脂からなる封止部材を有し、前記信号端子及び前記グランド端子の各々は、前記封止部材を厚み方向に貫通する導体柱であることにしてもよい。
これにより、複数のパッチアンテナと高周波回路部品とが一体化されたアンテナモジュールについて、マザー基板に実装される実装面側を平坦化することができるため、実装工程の簡素化が図られる。
また、本発明の一態様に係る通信装置は、上記いずれかのアンテナモジュールと、BBIC(ベースバンドIC)と、を備え、前記高周波回路部品は、前記BBICから前記信号端子を介して入力された信号をアップコンバートして前記アンテナに出力する送信系の信号処理、及び、前記アンテナから入力された高周波信号をダウンコンバートして前記信号端子を介して前記BBICに出力する受信系の信号処理、の少なくとも一方を行うRFICである。
このような通信装置によれば、上記いずれかのアンテナモジュールを備えることにより、RF特性の向上が図られる。
本発明によれば、パッチアンテナと高周波回路部品とが一体化されたアンテナモジュール及び通信装置について、RF特性の向上が図られる。
図1は、実施の形態に係るアンテナモジュールの外観斜視図である。 図2は、実施の形態に係るアンテナモジュールの分解斜視図である。 図3は、実施の形態に係るアンテナモジュールの平面図及び断面図である。 図4Aは、第1のシミュレーションモデルの斜視図である。 図4Bは、第1のシミュレーションモデルの平面図である。 図5Aは、第2のシミュレーションモデルの斜視図である。 図5Bは、第2のシミュレーションモデルの平面図である。 図6は、第1のシミュレーションモデル及び第2のシミュレーションモデルにおけるアイソレーション特性を示すグラフである。 図7は、実施の形態に係るアンテナモジュールを備える通信装置の構成を示す回路ブロック図である。 図8は、実施の形態の変形例1に係るアンテナモジュールの平面図である。 図9は、実施の形態の変形例2に係るアンテナモジュールの平面図である。 図10は、実施の形態の変形例3に係るアンテナモジュールの平面図である。 図11は、ダミー導体柱を有するアンテナモジュールの一例の要部平面図である。 図12は、ダミー導体柱を有するアンテナモジュールの他の一例の要部平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさ、または大きさの比は、必ずしも厳密ではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する場合がある。
(実施の形態)
[1. アンテナモジュール]
[1−1. 構造]
図1〜図3は、実施の形態に係るアンテナモジュール1の構造を示す図である。具体的には、図1は、実施の形態に係るアンテナモジュール1の外観斜視図である。図2は、実施の形態に係るアンテナモジュール1の分解斜視図である。より具体的には、同図には、誘電体基板20と封止部材30とを分離した状態が示されている。図3は、実施の形態に係るアンテナモジュール1の平面図及び断面図である。より具体的には、図3の(a)は、誘電体基板20を透視してアンテナモジュール1を上面側(図中のZ軸プラス側)から見た場合の平面図であり、図3の(b)は、図3の(a)のIII−III線における断面図である。
以降、アンテナモジュール1の厚さ方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直かつ互いに直交する方向をそれぞれX軸方向及びY軸方向として説明し、Z軸プラス側をアンテナモジュール1の上面(天面)側として説明する。しかし、実際の使用態様においては、アンテナモジュール1の厚さ方向が上下方向とはならない場合もあるため、アンテナモジュール1の上面側は上方向に限らない。また、本実施の形態では、アンテナモジュール1は略矩形平板形状を有し、X軸方向及びY軸方向のそれぞれはアンテナモジュール1の隣り合う2つの側面と平行な方向である。なお、アンテナモジュール1の形状は、これに限らず、例えば、略円形平板形状であってもよいし、さらには平板形状に限らず中央部と周縁部とで厚みが異なる形状であってもかまわない。
また、図2において、封止部材30の上面にはRFIC40の端子である表面電極(ランドまたはパッドとも言う)あるいは表面電極に接続される導電性接合材(例えば、はんだ)が露出するが、これについては図示を省略する。また、図3の(b)では、簡明のため、厳密には別断面にある構成要素を同一図面内に示している場合、あるいは、同一断面にある構成要素の図示を省略している場合がある。
図1に示すように、アンテナモジュール1は、アレイアンテナ10と、アレイアンテナ10が上面側に設けられた誘電体基板20と、を有する。本実施の形態ではさらに、アンテナモジュール1は、誘電体基板20の下面に設けられた封止部材30を有する。また、図2及び図3に示すように、アンテナモジュール1は、さらに、誘電体基板20の下面側に、高周波回路部品であるRFIC40と、信号端子である信号導体柱131と、グランド端子であるグランド導体柱132と、を有する。本実施の形態では、これらRFIC40、信号導体柱131及びグランド導体柱132は、信号導体柱131の下面及びグランド導体柱132の下面を除き、封止部材30で覆われている。また、本実施の形態では、信号導体柱131及びグランド導体柱132は、いずれも複数個設けられている。なお、信号導体柱131及びグランド導体柱132それぞれの個数は、特に限定されず、1以上であればよい。
以下、これらアンテナモジュール1を構成する各部材について、具体的に説明する。
アレイアンテナ10は、誘電体基板20の第1主面側である上面側(Z軸プラス側)に設けられ、高周波信号を放射または受信する複数のパッチアンテナ111を含むアンテナである。本実施の形態では、アレイアンテナ10は、6行3列の2次元状に配置された18個のパッチアンテナ111からなる。
なお、アレイアンテナ10を構成するパッチアンテナ111の個数及び配置は、これに限らず、例えば、複数のパッチアンテナ111が1次元状に並んで配置されていてもかまわない。
各パッチアンテナ111は、図3に示すように、誘電体基板20の主面に略平行に設けられたパターン導体によって構成され、当該パターン導体の下面に給電点111pを有する。このパッチアンテナ111は、給電された高周波信号を空間中に放射する、または、空間中の高周波信号を受信する。本実施の形態では、パッチアンテナ111は、RFIC40から給電点111pに給電された高周波信号を空間中に放射し、空間中の高周波信号を受信して給電点111pからRFIC40に出力する。つまり、本実施の形態におけるパッチアンテナ111は、RFIC40との間で伝達される高周波信号に相当する電波(空間伝搬する高周波信号)を放射する放射素子でもあり、当該電波を受信する受信素子でもある。
本実施の形態では、パッチアンテナ111は、アンテナモジュール1を平面視した場合(Z軸プラス側から見た場合)に、Y軸方向に延びてX軸方向に対向する1対の辺とX軸方向に延びてY軸方向に対向する1対の辺とで囲まれる矩形形状であり、給電点111pが当該矩形形状の中心点からY軸マイナス側にずれた位置に設けられている。このため、本実施の形態において、パッチアンテナ111によって放射または受信される電波の偏波方向はY軸方向となる。
当該電波の波長及び比帯域幅等は、パッチアンテナ111のサイズ(ここでは、Y軸方向の大きさ及びX軸方向の大きさ)に依存する。このため、パッチアンテナ111のサイズは、周波数等の要求仕様に応じて適宜決定され得る。
なお、図1〜図3では、簡明のため、パッチアンテナ111を誘電体基板20の上面から露出させて図示している。しかし、パッチアンテナ111は、誘電体基板20の上面側に設けられていればよく、例えば、誘電体基板20が多層基板で構成された場合には、多層基板の内層に設けられていてもかまわない。
ここで、「上面側」とは、上下方向の中心よりも上側であることを意味する。すなわち、第1主面とこれと反対側の第2主面とを有する誘電体基板20において、「第1主面側に設けられる」とは、第2主面よりも第1主面の近くに設けられることを意味する。以降、他の部材の同様の表現についても、同様である。
誘電体基板20は、誘電体材料からなる基板素体20aと、上記のパッチアンテナ111等を構成する各種導体と、で構成されている。この誘電体基板20は、本実施の形態では、図2及び図3の(a)に示すように4つの側面21〜24を有する略矩形平板形状であり、図3の(b)に示すように複数の誘電体層が積層されることで構成された多層基板である。なお、誘電体基板20は、これに限らず、例えば、略円形平板形状であってもかまわないし、あるいは、単層基板であってもかまわない。
誘電体基板20の各種導体には、パッチアンテナ111を構成するパターン導体の他に、アレイアンテナ10及びRFIC40とともにアンテナモジュール1を構成する回路を形成する導体が含まれる。当該導体には、具体的には、RFIC40のANT端子141とパッチアンテナ111の給電点111pとの間で高周波信号を伝達する給電線を構成するパターン導体121及びビア導体122と、信号導体柱131とRFIC40のI/O端子142との間で信号を伝達するパターン導体124と、が含まれる。
パターン導体121は、誘電体基板20の主面に沿って誘電体基板20の内層に設けられ、例えば、パッチアンテナ111の給電点111pに接続されたビア導体122と、RFIC40のANT端子141に接続されたビア導体122とを接続する。
ビア導体122は、誘電体基板20の主面に垂直な厚さ方向に沿って設けられ、例えば、互いに異なる層に設けられたパターン導体同士を接続する層間接続導体である。
パターン導体124は、誘電体基板20の主面に沿って誘電体基板20の下面に設けられ、例えば、信号導体柱131とRFIC40のI/O端子142とを接続する。
このような誘電体基板20としては、例えば、低温同時焼成セラミックス(Low Temperature Co−fired Ceramics:LTCC)基板、または、プリント基板等が用いられる。
なお、誘電体基板20には、さらに、パターン導体121の上層及び下層に、パターン導体121を挟んで対向して配置された一対のグランドパターン導体が設けられていることが好ましい。さらには、これらグランドパターン導体は誘電体基板20の略全体にわたって設けられていることが好ましい。このように誘電体基板20の略全体にわたってグランドパターン導体を設けることにより、複数のパッチアンテナ111によって放射または受信される高周波信号が誘電体基板20内部を介して各信号導体柱131に伝搬することを抑制できる。また、当該一対のグランドパターン導体のうち、例えば、パターン導体121の上層のグランドパターン導体のみ設けられ、パターン導体121の下層のグランドパターン導体は設けられていなくてもかまわない。
また、パターン導体124は、誘電体基板20の内層に設けられ、ビア導体を介して信号導体柱131とRFIC40のI/O端子142とを接続していてもかまわない。
封止部材30は、誘電体基板20の下面(第2主面)側に設けられ、RFIC40を封止する樹脂からなる。本実施の形態では、封止部材30は、誘電体基板20の下面上に設けられ、誘電体基板20の4つの側面21〜24と面一の4つの側面と、誘電体基板20の下面と略平行の1つの下面とを有し、誘電体基板20の下面全体に設けられている。つまり、本実施の形態において、RFIC40、信号導体柱131及びグランド導体柱132は、封止部材30に埋め込まれている。
このような封止部材30の材質は特に限定されないが、例えば、エポキシ、または、ポリイミド樹脂等が用いられる。
なお、封止部材30の形状は、上記に限らず、誘電体基板20の側面21〜24よりも内側または外側に位置する側面を有してもかまわないし、段差が設けられた下面を有してもかまわない。また、封止部材30は、誘電体基板20の下面と直接的には接しておらず、当該下面との間に絶縁膜等が設けられていてもかまわない。
RFIC40は、誘電体基板20の下面側に実装され、複数のパッチアンテナ111と電気的に接続された高周波回路部品であり、RF信号処理回路を構成する。RFIC40は、後述するBBICから信号導体柱131を介して入力された信号をアップコンバートしてアレイアンテナ10に出力する送信系の信号処理、及び、アレイアンテナ10から入力された高周波信号をダウンコンバートして信号導体柱131を介してBBICに出力する受信系の信号処理、の少なくとも一方を行う。
本実施の形態では、RFIC40は、複数のパッチアンテナ111に対応する複数のANT端子141と、複数の信号導体柱131に対応する複数のI/O端子142と、を有する。例えば、RFIC40は、送信系の信号処理として、送信系の信号導体柱131を介して送信系のI/O端子142(ここではInput端子として機能)に入力された信号についてアップコンバート及び分波等を行い、複数のANT端子141から複数のパッチアンテナ111に給電する。また、例えば、RFIC40は、受信系の信号処理として、複数のパッチアンテナ111で受信されて複数のANT端子141に入力された信号について合波及びダウンコンバート等を行い、受信系のI/O端子142(ここではOutput端子として機能)から受信系の信号導体柱131を介して出力する。
なお、RFIC40における信号処理の一例については、アンテナモジュール1を用いた通信装置の構成と合わせて後述する。
また、RFIC40は、図3に示すように、誘電体基板20の上面に垂直な方向から見た場合(すなわち、Y軸プラス側から見た場合)、複数のパッチアンテナ111が配置された領域であるANT領域内に配置されている。これにより、RFIC40と各パッチアンテナ111とを接続する給電線を短く設計することができる。
ここで、ANT領域とは、上記方向から見た場合に、複数のパッチアンテナ111を包含する最小の領域であり、本実施の形態では矩形形状の領域である。また、上記方向から見た場合に、RFIC40がANT領域に位置するとは、RFIC40の少なくとも一部がANT領域内に位置することを意味し、特定的には、RFIC40全体がANT領域内に位置することを意味する。このようにRFIC40を配置することにより、いずれのパッチアンテナ111についても、給電線を短く設計することができる。
なお、ANT領域の形状は、複数のパッチアンテナ111の配置態様に対応し、矩形形状には限らない。
信号導体柱131は、誘電体基板20の下面側に設けられ、RFIC40と電気的に接続された信号端子であり、封止部材30を厚み方向に貫通する導体柱である。本実施の形態では、信号導体柱131は、円柱形状に構成され、誘電体基板20の下面上に設けられている。具体的には、信号導体柱131は、上面が誘電体基板20のパターン導体124に接続され、下面が封止部材30の下面から露出している。
グランド導体柱132は、誘電体基板20の下面側に設けられ、グランド電位に設定されるグランド端子であり、封止部材30を厚み方向に貫通する導体柱である。本実施の形態では、グランド導体柱132は、円柱形状に構成され、誘電体基板20の下面上に設けられている。具体的には、グランド導体柱132は、上面が誘電体基板20のグランド電極(図示せず)に接続され、下面が封止部材30の下面から露出している。
このような信号導体柱131及びグランド導体柱132は、アンテナモジュール1がマザー基板(図示せず)に実装される際にアンテナモジュール1の外部接続端子となる。つまり、アンテナモジュール1は、リフロー等により、信号導体柱131及びグランド導体柱132がマザー基板の電極と電気的及び機械的に接続されることにより、マザー基板に実装される。
このような信号導体柱131及びグランド導体柱132の材質は特に限定されないが、例えば、導電率の高い(すなわち抵抗値の低い)銅等が用いられる。
なお、信号導体柱131及びグランド導体柱132のそれぞれは、誘電体基板20の下面上に設けられていなくてもかまわない。つまり、信号導体柱131及びグランド導体柱132のそれぞれは、上方端部が誘電体基板20に埋め込まれていてもかまわないし、誘電体基板20の下面と直接的には接しておらず、当該下面との間に絶縁膜等が設けられていてもかまわない。
また、グランド導体柱132は、誘電体基板20のグランド電極(図示せず)に接続されていなくてもよく、アンテナモジュール1がマザー基板(図示せず)に実装されてグランド導体柱132がマザー基板のグランド電極と接続されることによりグランド電位に設定されてもかまわない。また、グランド導体柱132は、誘電体基板20のパターン導体を介してRFIC40のグランド端子と電気的に接続されていてもかまわない。
また、信号導体柱131及びグランド導体柱132は、円柱形状に限らず、例えば、角柱形状、あるいは、断面が略円形または略矩形のテーパー形状であってもかまわない。
以上のように、本実施の形態に係るアンテナモジュール1では、誘電体基板20の第1主面側(本実施の形態では上面側)に複数のパッチアンテナ111が設けられ、誘電体基板20の第2主面側(本実施の形態では下面側)に高周波回路部品(本実施の形態ではRFIC40)が実装されている。また、誘電体基板20の主面に垂直な方向から見て(本実施の形態ではZ軸方向から見て)、RFIC40がANT領域内に配置されている。
これにより、本実施の形態によれば、高周波回路部品と各パッチアンテナ111とを接続する給電線を短く設計することができるので、給電線によって生じるロスが低減され、高性能なアンテナモジュール1を実現することができる。このようなアンテナモジュール1は、給電線が長くなると当該給電線によるロスが大きくなりやすいミリ波帯のアンテナモジュールとして好適である。
[1−2. 信号端子(信号導体柱)とグランド端子(グランド導体柱)との位置関係]
[1−2−1. 本発明に至った経緯]
これに関し、本願発明者は、このようなパッチアンテナと高周波回路部品とが一体化されたアンテナモジュールの開発を進めていくうちに、パッチアンテナにより放射または受信される高周波信号(空間伝搬する高周波信号、すなわち電波)が信号端子(本実施の形態の信号導体柱に相当)に伝搬することにより、アンテナモジュールのRF特性が悪くなることに気付いた。
具体的には、ミリ波帯より低域の周波数帯では、パッチアンテナにより空間伝搬する高周波信号の波長に比べて信号端子のサイズが十分に小さいため、当該高周波信号が信号端子に伝搬しにくい。これに対し、ミリ波帯のように高域の周波数帯では、パッチアンテナにより空間伝搬する高周波信号の波長が短いため、当該高周波信号が信号端子に伝搬しやすくなる。これに関し、当該高周波信号の信号端子への伝搬を抑制するためには信号端子のさらなる小型化が必要となるが、製造工程上または要求仕様上による制約により信号端子の小型化には限界がある。このため、高域の周波数帯では、パッチアンテナにより空間伝搬する高周波信号の波長に比べて信号端子のサイズを十分に小さくすることが難しく、上記のように空間伝搬する高周波信号が信号端子に伝搬しやすくなってしまう。
また、パッチアンテナにより空間伝搬する高周波信号は、誘電体基板において当該パッチアンテナが設けられた一方主面側から他方主面側へ向かって、当該誘電体基板の側面を回り込む。このため、パッチアンテナから信号端子に伝搬する高周波信号は、誘電体基板において当該高周波信号の偏波方向における側面からの回り込みが支配的となる。
また、このような高周波信号の回り込みは、誘電体基板の側面からANT領域までの隙間が狭いほど、すなわち誘電体基板を平面視した場合にANT領域の占める割合が高いほど、顕著となる。したがって、当該高周波信号の周り込みを抑制するためには、誘電体基板の側面からANT領域までの隙間を広く確保することが考えられるが、このような構成はアンテナモジュールの小型化の妨げとなる。
そこで、本願発明者は、パッチアンテナと高周波回路部品とが一体化されたアンテナモジュールにおいて、パッチアンテナにより空間伝搬する高周波信号(以降、「パッチアンテナによる高周波信号」と記載する場合あり)の信号端子への伝搬を抑制するために、信号端子とグランド端子との相対的な位置関係に着目し、本発明に想到するに至った。
[1−2−2. 実施の形態での位置関係]
以下、本実施の形態における信号導体柱131(すなわち信号端子)とグランド導体柱132(すなわちグランド端子)との位置関係について、引き続き図3を用いて説明する。
図3の(a)に示すように、本実施の形態では、誘電体基板20の上面(すなわち第1主面)に垂直な方向から見た場合(すなわち、Z軸プラス側から見た場合)、複数のパッチアンテナ111により放射または受信される高周波信号の偏波方向(ここではY軸方向)において、各信号導体柱131と誘電体基板20の当該信号導体柱131に最も近い側面との間にグランド導体柱132が配置されている。具体的には、上記の方向から見た場合、誘電体基板20の端部において、当該偏波方向における誘電体基板20の一方の側面21に沿って複数(ここでは14個)のグランド導体柱132が配置されている。また、上記の方向から見た場合、誘電体基板20の端部において、当該偏波方向における誘電体基板20の他方の側面23に沿って複数(ここでは14個)のグランド導体柱132が配置されている。
また、上記の方向から見た場合、複数のグランド導体柱132は、少なくとも1つの信号導体柱131を囲むように並んで配置されており、本実施の形態では、全ての信号導体柱131を囲むように並んで配置されている。具体的には、上記の方向から見た場合、複数のグランド導体柱132は、誘電体基板20の端部において全ての側面21〜24に沿って並んで配置されている。より具体的には、複数のグランド導体柱132は、誘電体基板20の外周に沿って矩形環状に配置され、複数の信号導体柱131はその内周に矩形環状に配置されている。
また、これら複数のグランド導体柱132は、等間隔に並んで配置されており、隣り合う2つのグランド導体柱132の中心間の距離pは、複数のパッチアンテナ111により放射または受信される高周波信号の実効波長の1/2以下である。また、本実施の形態では、複数の信号導体柱131は、等間隔に並んで配置されており、隣り合う2つの信号導体柱131の中心間の距離は、隣り合う2つのグランド導体柱132の中心間の距離と略同等である。また、本実施の形態では、誘電体基板20の各側面21〜24に沿って並ぶ隣り合うグランド導体柱132と信号導体柱131との中心間の距離は、隣り合う2つのグランド導体柱132の中心間の距離と略同等である。
ここで、「実効波長」とは、着目している領域の誘電率を考慮した実際の波長を意味し、本実施の形態では、グランド導体柱132が設けられた封止部材30の誘電率及び透磁率を主として考慮した実際の波長を意味する。例えば、複数のパッチアンテナ111により放射または受信される高周波信号の真空中の波長をλとし、封止部材30の比誘電率をεとし、封止部材30の比透磁率をμとすると、実効波長λは、次式で近似される。
λ=λ×1/√(ε×μ
なお、複数の信号導体柱131の配置態様は、上記に限らず、例えば、隣り合う2つのグランド導体柱132の中心間の距離の2倍以上の整数倍で等間隔に配置されていてもかまわないし、さらには、等間隔に配置されていなくてもかまわない。また、誘電体基板20の各側面21〜24に沿って並ぶ隣り合うグランド導体柱132と信号導体柱131との中心間の距離は、上記に限らず、例えば、隣り合う2つのグランド導体柱132の中心間の距離の2倍以上の整数倍であってもかまわないし、当該整数倍以外の任意の距離であってもかまわない。
本実施の形態によれば、複数の信号導体柱131と複数のグランド導体柱132とを上記のような位置関係にすることにより、パッチアンテナ111から信号導体柱131への高周波信号の空間伝搬を抑制することができる。つまり、パッチアンテナ111と信号導体柱131とのアイソレーションを向上することができる。
[1−2−3. シミュレーションによる比較]
このことについて、第1のシミュレーションモデル及び第2のシミュレーションモデルを用いて説明する。
まず、実施の形態の比較例に相当する第1のシミュレーションモデルについて説明する。
図4Aは、第1のシミュレーションモデル90Mの斜視図である。図4Bは、第1のシミュレーションモデル90Mの平面図である。なお、いずれのシミュレーションモデルにおいても、パターン導体121と給電素子111aとの間には、給電線を構成するビア導体122及びその周囲を除いて、パターン導体121と給電素子111aとを隔てるグランドパターン導体が設けられているが、これについては簡明のため図示を省略する。
なお、図4Aにおいて、パッチアンテナ111の給電点111pに接続されているビア導体122と信号導体柱131に接続されているパターン導体121とを接続する構成が省略されているものの、これらは互いに電気的に接続されている。また、これらの図には、第1のシミュレーションモデル90Mが実装されたマザー基板50及びマザー基板50における給電用のパターン導体51も合わせて示されている。これらの事項は、後述する第2のシミュレーションモデルの斜視図及び平面図においても同様である。
これらの図に示すように、第1のシミュレーションモデル90Mは、実施の形態に係るアンテナモジュール1においてY軸方向に隣り合う2つのパッチアンテナ111に対応する構成を有する。ただし、第1のシミュレーションモデル90Mは、実施の形態に比べ、誘電体基板20の上面に垂直な方向から見た場合(Z軸プラス側から見た場合)に、信号導体柱131が誘電体基板20の端部に配置されている点が異なる。つまり、第1のシミュレーションモデル90Mは、信号導体柱131と当該信号導体柱131に最も近い側面21との間に、グランド導体柱132が配置されていない構成である。
また、実施の形態では、パッチアンテナ111として給電点111pを有する1つのパターン導体を例に説明したが、ここでは、パッチアンテナ111は、給電点111pを有するパターン導体である給電素子111aと、給電点111pを有さず給電素子111aの上面側に給電素子111aと離間して配置された無給電素子111bと、を有する構成を用いている。
次に、実施の形態に相当する第2のシミュレーションモデルについて説明する。
図5Aは、第2のシミュレーションモデル10Mを示す斜視図である。図5Bは、第2のシミュレーションモデル10Mの平面図である。
これらの図に示すように、第2のシミュレーションモデル10Mは、第1のシミュレーションモデル90Mに比べ、信号導体柱131と当該信号導体柱131に最も近い側面21との間に、グランド導体柱132が配置されている。また、さらに、第2のシミュレーションモデル10Mでは、信号導体柱131を囲むように複数のグランド導体柱132が配置されている。具体的には、第2のシミュレーションモデル10Mは、第1のシミュレーションモデル90Mに比べ、信号導体柱131よりも誘電体基板20の側面21側(つまり外側)に複数のグランド導体柱132が配置され、さらに、信号導体柱131よりも誘電体基板20の側面21と反対側(つまり内側)に複数のグランド導体柱132が配置された構成である。
図6は、第1のシミュレーションモデル90M及び第2のシミュレーションモデル10Mにおけるアイソレーション特性を示すグラフである。具体的には、ここでは、アイソレーションとして、パッチアンテナ111と信号導体柱131との間の分離度が示されており、より具体的には、パッチアンテナ111から放射された高周波信号に対する信号導体柱131に伝搬した当該高周波信号の強度比の絶対値が示されている。
同図から明らかなように、第2のシミュレーションモデル10Mによれば、第1のシミュレーションモデル90Mに比べて、パッチアンテナ111と信号導体柱131とのアイソレーションが30dB以上向上している。
[1−2−4. まとめ]
これら第1のシミュレーションモデル90M及び第2のシミュレーションモデル10Mのアイソレーションの比較結果(図6参照)からも明らかなように、本実施の形態によれば、次のような効果が奏される。すなわち、誘電体基板20の第1主面に垂直な方向から見た場合(本実施の形態ではZ軸プラス側から見た場合)、グランド端子(本実施の形態では複数のグランド導体柱132)が、複数のパッチアンテナ111による高周波信号の偏波方向(本実施の形態ではY軸方向)において、信号端子(本実施の形態では複数の信号導体柱131)と、当該信号端子に最も近い誘電体基板20の第1側面(本実施の形態では、側面21または側面23)との間に配置されていることにより、グランド端子がシールドとなって複数のパッチアンテナ111と信号端子とのアイソレーションを向上することができる。その結果、上記高周波信号が信号端子に与える影響を抑制することができる。したがって、複数のパッチアンテナ111から信号端子に伝搬した高周波信号が高周波回路部品(本実施の形態ではRFIC40)に入力されることによるRF特性の悪化を抑制することができる。すなわち、パッチアンテナ111と高周波回路部品とが一体化されたアンテナモジュール1について、RF特性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、上記の垂直な方向から見た場合、複数のグランド端子が誘電体基板20の端部において第1側面に沿って並んで配置されていることにより、複数のパッチアンテナ111と信号端子とのアイソレーションをさらに向上することができる。よって、RF特性のさらなる向上を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、上記の垂直な方向から見た場合、複数のグランド端子が信号端子を囲むように並んで配置されていることにより、当該信号端子について上記の偏波方向と異なる偏波方向に偏波する高周波信号もシールドすることができる。よって、複数のパッチアンテナ111と信号端子とのアイソレーションをさらに向上することができるので、RF特性のさらなる向上を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、上記の垂直な方向から見た場合、複数のグランド端子が全ての信号端子を囲むように並んで配置されていることにより、全ての信号端子について上記の偏波方向と異なる偏波方向に偏波する高周波信号もシールドすることができる。よって、複数のパッチアンテナ111と全ての信号端子とのアイソレーションを向上することができるので、RF特性のさらなる向上を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、上記の垂直な方向から見た場合、複数のグランド端子が誘電体基板20の端部において全ての側面21〜24に沿って並んで配置されていることにより、複数のパッチアンテナ111と信号端子とのアイソレーションを向上しつつ、複数のグランド端子で囲まれた領域の任意の位置に信号端子を配置することができる。つまり、信号端子のレイアウト自由度が向上する。
また、例えば、グランド端子は、銅または銅を主成分とする合金からなることが好ましい。このように、導電率の高い銅がグランド端子に含まれることにより、グランド端子によるシールド効果を向上することができるので、RF特性のさらなる向上を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、複数のグランド端子のうち隣り合う2つのグランド端子の中心間の距離(本実施の形態では、隣り合う2つのグランド導体柱132の中心間の距離p(図3の(a)参照))が、複数のパッチアンテナ111により放射または受信される高周波信号の実効波長の1/2以下である。これにより、当該2つのグランド端子間の隙間(本実施の形態では、隣り合う2つのグランド導体柱132の間の隙間d(図3の(a)参照))を当該実効波長の1/2よりも有意(例えば75パーセント以下)に狭くすることができる。したがって、当該高周波信号をより確実にシールドすることができるので、RF特性のさらなる向上を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、高周波回路部品を封止する封止部材30を有し、信号端子及びグランド端子の各々は、封止部材30を厚み方向に貫通する導体柱(具体的には、それぞれ信号導体柱131及びグランド導体柱132)である。これにより、複数のパッチアンテナ111と高周波回路部品とが一体化されたアンテナモジュール1について、マザー基板に実装される実装面側を平坦化することができるため、実装工程の簡素化が図られる。
[2. 通信装置]
本実施の形態に係るアンテナモジュール1は、下面を実装面としてプリント基板等のマザー基板に実装され、例えば、マザー基板に実装されたBBIC2とともに通信装置を構成することができる。
これに関し、本実施の形態に係るアンテナモジュール1は、各パッチアンテナ111から放射される高周波信号の位相及び信号強度を制御することにより鋭い指向性を実現することができる。このようなアンテナモジュール1は、例えば、5G(第5世代移動通信システム)で有望な無線伝送技術の1つであるMassive MIMO(Multiple Input Multiple Output)に対応する通信装置に用いることができる。
そこで、以下では、このような通信装置について、アンテナモジュール1のRFIC40の処理についても述べつつ説明する。
図7は、実施の形態に係るアンテナモジュール1を備える通信装置5の構成を示す回路ブロック図である。なお、同図では、簡明のため、RFIC40の回路ブロックとして、アレイアンテナ10が有する複数のパッチアンテナ111のうち4つのパッチアンテナ111に対応する回路ブロックついてのみ図示し、他の回路ブロックについては図示を省略する。また、以下では、これら4つのパッチアンテナ111に対応する回路ブロックについて説明し、他の回路ブロックについては説明を省略する。
同図に示すように、通信装置5は、アンテナモジュール1と、ベースバンド信号処理回路を構成するBBIC2とを備える。
アンテナモジュール1は、上述したように、アレイアンテナ10と、RFIC40とを備える。
RFIC40は、スイッチ31A〜31D、33A〜33Dおよび37と、パワーアンプ32AT〜32DTと、ローノイズアンプ32AR〜32DRと、減衰器34A〜34Dと、移相器35A〜35Dと、信号合成/分波器36と、ミキサ38と、増幅回路39とを備える。
スイッチ31A〜31Dおよび33A〜33Dは、各信号経路における送信および受信を切り替えるスイッチ回路である。
BBIC2から信号端子(具体的には送信系の信号導体柱131)を介してRFIC40に伝達された信号は、増幅回路39で増幅され、ミキサ38でアップコンバートされる。アップコンバートされた高周波信号は、信号合成/分波器36で4分波され、4つの送信経路を通過して、それぞれ異なるパッチアンテナ111に給電される。このとき、各信号経路に配置された移相器35A〜35Dの移相度が個別に調整されることにより、アレイアンテナ10の指向性を調整することが可能となる。
また、アレイアンテナ10が有する各パッチアンテナ111で受信した高周波信号は、それぞれ、異なる4つの受信経路を経由し、信号合成/分波器36で合波され、ミキサ38でダウンコンバートされ、増幅回路39で増幅されて信号端子(具体的には受信系の信号導体柱131)を介してBBIC2へ伝達される。
なお、上述した、スイッチ31A〜31D、33A〜33Dおよび37、パワーアンプ32AT〜32DT、ローノイズアンプ32AR〜32DR、減衰器34A〜34D、移相器35A〜35D、信号合成/分波器36、ミキサ38、ならびに増幅回路39のいずれかは、RFIC40が備えていなくてもよい。また、RFIC40は、送信経路および受信経路のいずれかのみを有していてもよい。また、本実施の形態に係る通信装置5は、単一の周波数帯域(バンド)の高周波信号を送受信するだけでなく、複数の周波数帯域(マルチバンド)の高周波信号を送受信するシステムにも適用可能である。
このように、RFIC40は、信号端子(本実施の形態では信号導体柱131)に入力された信号を増幅するパワーアンプ32AT〜32DTを含み、複数のパッチアンテナ111はパワーアンプ32AT〜32DTで増幅された信号を放射する。
このような通信装置5において、パッチアンテナ111から放射された高周波信号が信号端子に伝搬してしまうと、パワーアンプ32AT〜32DTの発振等の予期せぬ不具合が生じることにより、RF特性が悪くなる。
これに対して、通信装置5は、上述したアンテナモジュール1を備えることにより、上記高周波信号が信号端子に与える影響を抑制することができる。したがって、複数のパッチアンテナ111から信号端子に伝搬した高周波信号がパワーアンプ32AT〜32DTに入力されることによるRF特性の悪化を抑制し、RF特性の向上を図ることができる。
また、RFIC40は、複数のパッチアンテナ111とRFIC40との間で伝達される高周波信号の位相を調整する位相調整回路を含み、信号端子(本実施の形態では信号導体柱131)には、位相調整回路で位相が調整される信号が入力または出力される。ここで、本実施の形態では、位相調整回路は移相器35A〜35Dによって構成され、送信系の信号導体柱131には位相調整回路による位相調整前の信号が入力され、受信系の信号導体柱131には位相調整回路による位相調整後の信号が出力される。
このような通信装置5において、パッチアンテナ111による高周波信号が信号端子に伝搬してしまうと、位相調整回路による移相度の調整が所望どおりにできない等の予期せぬ不具合が生じることにより、RF特性が悪くなる。
これに対して、通信装置5は、上述したアンテナモジュール1を備えることにより、上記高周波信号が信号端子に与える影響を抑制することができる。したがって、複数のパッチアンテナ111から信号端子に伝搬した高周波信号が位相調整回路に入力されることによるRF特性の悪化を抑制し、RF特性の向上を図ることができる。
なお、アンテナモジュール1における信号端子(実施の形態では信号導体柱131)及びグランド端子(実施の形態ではグランド導体柱132)の配置については、上記実施の形態に限られない。そこで、以下、実施の形態の変形例として、上記実施の形態と異なる配置について、説明する。
(変形例1)
図8は、実施の形態の変形例1に係るアンテナモジュール1Aの平面図である。なお、同図では、誘電体基板20を透視してアンテナモジュール1Aを上面側(図中のZ軸プラス側)から見た場合の平面図が示されている。このことは、以降の各変形例の平面図においても同様である。
同図に示すように、本変形例に係るアンテナモジュール1Aは、実施の形態に係るアンテナモジュール1に比べて、さらに、誘電体基板20の第1主面に垂直な方向から見た場合(すなわちZ軸プラス側から見た場合)、各信号端子(ここでは信号導体柱131)と高周波回路部品(ここではRFIC40)との間にグランド端子(ここではグランド導体柱132)が配置されている点が異なる。つまり、アンテナモジュール1Aが有する複数のグランド端子のうち少なくとも1つは、当該垂直な方向から見た場合、信号端子と高周波回路部品との間に配置されている。
具体的には、本変形例では、実施の形態に比べ、当該垂直な方向から見た場合、さらに、矩形環状に配置された複数の信号導体柱131とRFIC40との間に、矩形環状に配置された複数のグランド導体柱132を有する。
このように構成された本変形例に係るアンテナモジュール1Aであっても、実施の形態と同様の構成を有するため、同様の効果を奏することができる。
また、本変形例によれば、さらに、信号端子(ここでは信号導体柱131)と高周波回路部品(ここではRFIC40)との間にグランド端子(ここではグランド導体柱132)が配置されていることにより、高周波回路部品と信号端子とのアイソレーションを向上することができる。よって、信号端子を介して伝達される信号(すなわち信号導体柱131を流れる信号)が高周波回路部品に与える影響、あるいは、高周波回路部品の不要輻射が信号端子に与える影響等、高周波回路部品とグランド端子との互いの影響を抑制することができるので、RF特性のさらなる向上を図ることができる。
(変形例2)
図9は、実施の形態の変形例2に係るアンテナモジュール1Bの平面図である。
同図に示すように、本変形例に係るアンテナモジュール1Bは、実施の形態に係るアンテナモジュール1に比べて、誘電体基板20の第1主面に垂直な方向から見た場合(すなわちZ軸プラス側から見た場合)、誘電体基板20の側面22に沿って並んで配置されていた複数のグランド端子(ここではグランド導体柱132)、及び、誘電体基板20の側面24に沿って並んで配置されていた複数のグランド端子が設けられていない点が異なる。つまり、アンテナモジュール1Bは、当該垂直な方向から見た場合、各信号端子(ここでは信号導体柱131)について、複数のパッチアンテナ111による高周波信号の偏波方向おいて誘電体基板20の最も近い第1側面(本実施の形態では、側面21または側面23)との間に配置されたグランド端子のみを有する。
このように構成された本変形例に係るアンテナモジュール1Bであっても、実施の形態に比べて効果は多少劣るものの、信号端子(ここでは信号導体柱131)と誘電体基板20の当該信号端子に最も近い側面との間にグランド端子が配置されることにより、実施の形態と同様に、複数のパッチアンテナ111と信号端子とのアイソレーションを向上することができる。
(変形例3)
図10は、実施の形態の変形例3に係るアンテナモジュール1Cの平面図である。
上記実施の形態及びその変形例1、2では、アンテナモジュールが有する全ての信号端子(ここでは信号導体柱131)がグランド端子(ここではグランド導体柱132)によってシールドされていた。これに対して、本変形例では、アンテナモジュール1Cが有する複数の信号端子のうち一部の信号端子のみがグランド端子によってシールドされている点が異なる。具体的には、同図では、複数の信号導体柱131及び複数のグランド導体柱132のうち、X軸マイナス側から2番目、かつ、Y軸マイナス側から2番目に位置する信号導体柱131のみが当該信号導体柱131を囲む8個のグランド導体柱132によってシールドされている。
例えば、RFIC40と電気的に接続される複数の信号導体柱131は、RFIC40に入力される各種信号、または、RFIC40から出力される各種信号を伝達する。各種信号には、高周波用の信号、制御信号または電源、等が含まれ、これらの各種信号は、複数のパッチアンテナ111による高周波信号の影響を受けた場合にRF特性を大きく悪化させるセンシティブな信号と当該影響を受けた場合であってもRF特性をあまり悪化させないノンセンシティブな信号とに分類される。
そこで、本変形例では、例えば、複数の信号導体柱131のうちセンシティブな信号を伝達する信号導体柱131のみをグランド導体柱132によってシールドしてもかまわない。
このように構成された本変形例に係るアンテナモジュール1Cによれば、全ての信号端子(ここでは信号導体柱131)のうち一部の信号端子のみをグランド端子(ここではグランド導体柱132)によってシールドすることにより、グランド端子の個数を削減することができる。
ここで、信号導体柱131が伝達する「高周波用の信号」とは、複数のパッチアンテナ111によって放射または受信される高周波信号に対応する信号であり、本変形例では、BBIC2等から入力されるベースバンド信号またはBBIC2に出力するベースバンド信号である。
これに関し、本変形例では、誘電体基板20の第2主面側に実装された高周波回路部品としてRFIC40を例に説明しているため、「高周波用の信号」は複数のパッチアンテナ111によって放射または受信される高周波信号よりも周波数の低いベースバンド信号である。しかし、当該高周波回路部品は、RFIC40に限らず、高周波用の信号端子(ここでは信号導体柱131)に入力された信号を処理してアレイアンテナ10に出力することによりアレイアンテナ10に高周波信号を放射させる、または、アレイアンテナ10により受信されることでアレイアンテナ10から入力された高周波信号を処理して高周波用の信号端子に出力する回路部品であればよい。このため、「高周波用の信号」は、ベースバンド信号に限らず、複数のパッチアンテナ111によって放射または受信される高周波信号と同じ周波数の高周波信号であってもよい。
すなわち、「高周波用の信号」とは、アンテナモジュール1Cの主経路によって伝送される信号であり、複数のパッチアンテナ111によって放射または受信される高周波信号に含まれる情報(例えば、通信対象のデジタルデータ)を含む。つまり、高周波用の信号を伝達する信号端子(ここでは信号導体柱131)とは、アンテナモジュール1Cの主経路の入力端子または出力端子である。
(その他の変形例)
以上、本発明の実施の形態およびその変形例に係るアンテナモジュールおよび通信装置について説明したが、本発明は上記実施の形態およびその変形例に限定されるものではない。上記実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本開示のアンテナモジュールおよび通信装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
例えば、アンテナモジュールは、さらに、誘電体基板20の第2主面側(上記説明では下面側)に設けられ、信号端子(上記説明では信号導体柱131)及びグランド端子(上記説明ではグランド導体柱132)とは異なるダミー端子等の端子を有してもかまわない。このような構成として、導体柱によって構成されたダミー端子であるダミー導体柱を有する構成を例に説明する。例えば、ダミー端子とは、アンテナモジュールにおいて他と電気的に接続されない独立した端子であり、アンテナモジュールをマザー基板等に実装する際に機械的な接続強度を確保するための端子である。
図11は、ダミー導体柱133を有するアンテナモジュールの一例の要部平面図である。図12は、ダミー導体柱133を有するアンテナモジュールの他の一例の要部平面図である。
これらの図に示すように、アンテナモジュールは、誘電体基板20の第1主面に垂直な方向から見た場合(ここではZ軸プラス側から見た場合)、パッチアンテナ111により放射または受信される高周波信号の偏波方向(ここではY軸方向)において、信号導体柱131と誘電体基板20の当該信号導体柱131に最も近い第1側面(ここでは側面21)との間にグランド導体柱132が設けられていればよく、他の端子レイアウト位置には、ダミー導体柱133が設けられていてもかまわない。
また、図11に示すように第1側面に沿って複数のグランド導体柱132が並んで配置されていてもかまわないし、図12に示すようにグランド導体柱132とダミー導体柱133とが並んで配置されていてもかまわない。
なお、図11及び図12に示すダミー導体柱133が設けられていなくてもかまわない。つまり、アンテナモジュールは、1つの信号導体柱131のみ及び1つのグランド導体柱132のみを有し、当該グランド導体柱132がパッチアンテナによる高周波信号の偏波方向において、当該1つの信号導体柱131と第1側面との間に配置されていてもかまわない。
また、上記説明では、RFIC40は、送信系の信号処理及び受信系の信号処理の両方を行う構成を例に説明したが、これに限らず、いずれか一方のみを行ってもかまわない。
また、上記説明では、高周波回路部品としてRFIC40を例に説明したが、高周波回路部品はこれに限らない。例えば、高周波回路部品は、信号端子(上記説明では信号導体柱131)に入力された信号を増幅するパワーアンプであり、複数のパッチアンテナ111は、当該パワーアンプで増幅された信号を放射してもかまわない。あるいは、例えば、高周波回路部品は、複数のパッチアンテナ111と当該高周波回路部品との間で伝達される高周波信号の位相を調整する位相調整回路であり、信号端子(上記説明では信号導体柱131)には、当該位相調整回路で位相が調整される信号が入力または出力されてもかまわない。
また、上記説明では、アンテナモジュールは封止部材30を有し、信号端子及びグランド端子は封止部材30を貫通する導体柱であるとした。しかし、アンテナモジュールは封止部材を有していなくてもよく、信号端子及びグランド端子は誘電体基板20の第2主面側(例えば第2主面上)に設けられたパターン電極である表面電極であってもかまわない。このように構成されたアンテナモジュールは、キャビティ構造を有するマザー基板等に信号端子及びグランド端子によって実装され得る。
本発明は、バンドパスフィルタ機能のあるアンテナ素子として、ミリ波帯移動体通信システムおよびMassive MIMOシステムなどの通信機器に広く利用できる。
1,1A,1B,1C アンテナモジュール
2 BBIC
5 通信装置
10 アレイアンテナ(アンテナ)
10M 第2のシミュレーションモデル
20 誘電体基板
20a 基板素体
21〜24 側面
30 封止部材
31A,31B,31C,31D,33A,33B,33C,33D,37 スイッチ
32AR,32BR,32CR,32DR ローノイズアンプ
32AT,32BT,32CT,32DT パワーアンプ
34A,34B,34C,34D 減衰器
35A,35B,35C,35D 移相器
36 信号合成/分波器
38 ミキサ
39 増幅回路
40 RFIC
50 マザー基板
51,121,124 パターン導体
90M 第1のシミュレーションモデル
111 パッチアンテナ
111a 給電素子
111b 無給電素子
111p 給電点
122 ビア導体
131 信号導体柱(信号端子)
132 グランド導体柱(グランド端子)
133 ダミー導体柱
141 ANT端子
142 I/O端子

Claims (12)

  1. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板の第1主面側に設けられ、高周波信号を放射または受信する複数のパッチアンテナを含むアンテナと、
    前記誘電体基板の前記第1主面と反対側の第2主面側に実装され、前記複数のパッチアンテナと電気的に接続された高周波回路部品と、
    前記誘電体基板の前記第2主面側に設けられ、前記高周波回路部品と電気的に接続された信号端子と、
    前記誘電体基板の前記第2主面側に設けられ、グランド電位に設定されるグランド端子と、
    を有するアンテナモジュールであって
    前記誘電体基板の前記第1主面に垂直な方向から見た場合に、前記グランド端子は、前記複数のパッチアンテナにより放射または受信される高周波信号の偏波方向において、前記信号端子と、当該信号端子に最も近い前記誘電体基板の第1側面と、の間に配置され、
    前記アンテナモジュールは、前記グランド端子を含む複数のグランド端子を有し、
    前記複数のグランド端子のうち少なくとも1つは、前記垂直な方向から見た場合、前記信号端子と前記高周波回路部品との間に配置されている、
    アンテナモジュール。
  2. 前記垂直な方向から見た場合に、前記高周波回路部品は、前記複数のパッチアンテナが配置された領域内に配置されている、
    請求項1に記載のアンテナモジュール。
  3. 記複数のグランド端子は、前記垂直な方向から見た場合、前記誘電体基板の端部において前記第1側面に沿った位置に並んで配置されている、
    請求項1または2に記載のアンテナモジュール。
  4. 記複数のグランド端子は、前記垂直な方向から見た場合、前記信号端子を囲むように並んで配置されている、
    請求項1または2に記載のアンテナモジュール。
  5. 前記信号端子は、前記高周波信号に対応する信号が入力または出力される端子であり、
    前記複数のグランド端子は、前記垂直な方向から見た場合、前記信号端子を含む全ての信号端子を囲むように並んで配置されている、
    請求項4に記載のアンテナモジュール。
  6. 前記複数のグランド端子は、前記垂直な方向から見た場合、前記誘電体基板の端部において全ての側面に沿った位置に並んで配置されている、
    請求項4または5に記載のアンテナモジュール。
  7. 前記複数のグランド端子は、等間隔に並んで配置されており、
    前記複数のグランド端子のうち隣り合う2つのグランド端子の中心間の距離は、前記複数のパッチアンテナにより放射または受信される高周波信号の実効波長の1/2以下である、
    請求項3〜6のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  8. 前記グランド端子は、銅または銅を主成分とする合金からなる、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  9. 前記高周波回路部品は、前記信号端子に入力された信号を増幅するパワーアンプを含み、
    前記複数のパッチアンテナは、前記パワーアンプで増幅された信号を放射する、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  10. 前記高周波回路部品は、前記複数のパッチアンテナと当該高周波回路部品との間で伝達される高周波信号の位相を調整する位相調整回路を含み、
    前記信号端子には、前記位相調整回路で位相が調整される信号が入力または出力される、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  11. 前記アンテナモジュールは、さらに、前記誘電体基板の前記第2主面側に設けられ、前記高周波回路部品を封止する樹脂からなる封止部材を有し、
    前記信号端子及び前記グランド端子の各々は、前記封止部材を厚み方向に貫通する導体柱である、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のアンテナモジュールと、
    BBIC(ベースバンドIC)と、を備え、
    前記高周波回路部品は、前記BBICから前記信号端子を介して入力された信号をアップコンバートして前記アンテナに出力する送信系の信号処理、及び、前記アンテナから入力された高周波信号をダウンコンバートして前記信号端子を介して前記BBICに出力する受信系の信号処理、の少なくとも一方を行うRFICである、
    通信装置。
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