以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るプロジェクターについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態のプロジェクター1を示す概略構成図である。図2は、本実施形態のプロジェクター1の一部を示す模式図である。図1に示すように、プロジェクター1は、光源装置2と、色分離光学系3と、光変調ユニット4Rと、光変調ユニット4Gと、光変調ユニット4Bと、光合成光学系5と、投射光学装置6と、を備える。光変調ユニット4Rは、光変調装置4RPを有する。光変調ユニット4Gは、光変調装置4GPを有する。光変調ユニット4Bは、光変調装置4BPを有する。
光源装置2は、略均一な照度分布を有するように調整された照明光WLを色分離光学系3に向けて射出する。光源装置2は、光源として、例えば、半導体レーザーを有する。色分離光学系3は、光源装置2からの照明光WLを赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離する。色分離光学系3は、第1のダイクロイックミラー7aと、第2のダイクロイックミラー7bと、第1の反射ミラー8aと、第2の反射ミラー8bと、第3の反射ミラー8cと、リレーレンズ8dと、を備える。
第1のダイクロイックミラー7aは、光源装置2から射出された照明光WLを、赤色光LRと、緑色光LGと青色光LBとが混合された光と、に分離する。第1のダイクロイックミラー7aは、赤色光LRを透過させるとともに、緑色光LGおよび青色光LBを反射する特性を有する。第2のダイクロイックミラー7bは、緑色光LGと青色光LBとが混合された光を緑色光LGと青色光LBとに分離する。第2のダイクロイックミラー7bは、緑色光LGを反射するとともに、青色光LBを透過させる特性を有する。
第1の反射ミラー8aは、赤色光LRの光路中に配置され、第1のダイクロイックミラー7aを透過した赤色光LRを光変調装置4RPに向けて反射する。第2の反射ミラー8bおよび第3の反射ミラー8cは、青色光LBの光路中に配置され、第2のダイクロイックミラー7bを透過した青色光LBを光変調装置4BPに導く。
光変調装置4RP、光変調装置4GP、および光変調装置4BPの各々は、液晶パネルから構成されている。光変調装置4RPは、光源装置2から射出された光のうち赤色光LRを画像信号に応じて変調する。光変調装置4GPは、光源装置2から射出された光のうち緑色光LGを画像信号に応じて変調する。光変調装置4BPは、光源装置2から射出された光のうち青色光LBを画像信号に応じて変調する。これにより、各光変調装置4RP,4GP,4BPは、各色光に対応した画像光を形成する。図示は省略するが、光変調装置4RP,4GP,4BPの各々の光入射側および光射出側には、偏光板が配置されている。
光変調装置4RPの光入射側には、光変調装置4RPに入射する赤色光LRを平行化するフィールドレンズ9Rが配置されている。光変調装置4GPの光入射側には、光変調装置4GPに入射する緑色光LGを平行化するフィールドレンズ9Gが配置されている。光変調装置4BPの光入射側には、光変調装置4BPに入射する青色光LBを平行化するフィールドレンズ9Bが配置されている。
光合成光学系5は、略立方体状のクロスダイクロイックプリズムから構成されている。光合成光学系5は、光変調装置4RP,4GP,4BPからの各色の画像光を合成する。光合成光学系5は、合成した画像光を投射光学装置6に向かって射出する。投射光学装置6は、投射レンズ群から構成されている。投射光学装置6は、光合成光学系5により合成された画像光、すなわち光変調装置4RP,4GP,4BPにより変調された光をスクリーンSCRに向かって拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上には、拡大されたカラー画像(映像)が表示される。
プロジェクター1は、図2に示すように、冷却装置10をさらに備える。冷却装置10は、冷媒Wが気体へ変化することで、プロジェクター1に備えられた冷却対象を冷却する。本実施形態において冷媒Wは、例えば、液体の水である。そのため、以下の説明においては、冷媒Wが気体へ変化することを単に気化と呼ぶ場合がある。本実施形態において冷却対象は、光変調ユニット4R,4G,4Bを含む。すなわち、本実施形態において冷却対象は、光変調装置4RP,4GP,4BPを含む。
冷却装置10は、冷媒生成部20と、冷媒伝送部50と、を有する。冷媒生成部20は、冷媒Wを生成する部分である。冷媒伝送部50は、生成された冷媒Wを冷却対象に向けて伝送する部分である。冷媒伝送部50によって冷却対象、すなわち本実施形態では光変調ユニット4R,4G,4Bに送られた冷媒Wが気化することで冷却対象から熱を奪うことができ、冷却装置10は、冷却対象を冷却することができる。以下、各部について詳細に説明する。
図3は、本実施形態の冷媒生成部20を模式的に示す概略構成図である。冷媒生成部20は、図3に示すように、吸放湿部材40と、モーター24と、第1送風装置60と、熱交換部30と、第1循環ダクト25と、第2循環ダクト26と、加熱部22と、第2送風装置23と、冷却ダクト21と、を有する。
図4は、吸放湿部材40を示す斜視図である。吸放湿部材40は、図4に示すように、回転軸Rを中心とした扁平の円柱状である。吸放湿部材40の中心には、回転軸Rを中心とする中心孔40cが形成されている。中心孔40cは、回転軸Rの軸方向に吸放湿部材40を貫通する。吸放湿部材40は、回転軸R周りに回転する。以下の説明においては、回転軸Rの軸方向を「回転軸方向DR」と呼び、適宜図においてDR軸で示す。
吸放湿部材40は、吸放湿部材40を回転軸方向DRに貫通する無数の貫通孔40bを有する。吸放湿部材40は、多孔質部材である。吸放湿部材40は、吸放湿性を有する。本実施形態において吸放湿部材40は、例えば、貫通孔40bを有する帯状の帯状部材40aを回転軸R周りに巻き、巻かれた帯状部材40aにおける外部に露出する面に吸放湿性を有する物質を塗布して作られている。なお、巻かれた帯状部材40aにおける外部に露出する面とは、吸放湿部材40の外表面、中心孔40cの内周面および貫通孔40bの内側面を含む。なお、吸放湿部材40は、全体が吸放湿性を有する物質から作られていてもよい。吸放湿性を有する物質としては、例えば、ゼオライトやシリカゲル等が挙げられる。
図3に示すモーター24の出力軸は、吸放湿部材40の中心孔40cに挿入されて固定されている。モーター24は、吸放湿部材40を回転軸R周りに回転させる。モーター24によって回転させられる吸放湿部材40の回転速度は、例えば、0.2rpm以上、5rpm以下程度である。
第1送風装置60は、例えば、プロジェクター1内に外部の空気を取り込む吸気ファンである。第1送風装置60は、第1領域F1に位置する吸放湿部材40の部分に空気AR1を送る。本実施形態において第1領域F1は、回転軸Rと直交する方向において、回転軸Rよりも一方側の領域である。一方、回転軸Rと直交する方向において、回転軸Rよりも他方側の領域、すなわち回転軸Rに対して第1領域F1と逆側の領域は、第2領域F2である。第1領域F1は、図3では回転軸Rよりも上側の領域である。第2領域F2は、図3では回転軸Rよりも下側の領域である。第1送風装置60は、空気AR1を送ることができるならば、特に限定されず、例えば、軸流ファンであっても、遠心ファンであってもよい。
熱交換部30は、冷媒Wが生成される部分である。図5は、熱交換部30を示す部分断面斜視図である。図5に示すように、熱交換部30は、流通部31と、第1蓋部32と、第2蓋部33と、を有する。
流通部31は、一方向に延びる管状の複数の配管部31aを有する。本実施形態において配管部31aが延びる一方向は、例えば、回転軸方向DRと直交する。配管部31aは、延びる一方向の両側に開口する。配管部31aの延びる一方向と直交する断面形状は、例えば、円形状である。なお、以下の説明においては、配管部31aが延びる一方向を「延伸方向DE」と呼び、適宜図においてDE軸で示す。上述した第1領域F1と第2領域F2とは、回転軸方向DRと直交する延伸方向DEにおいて、回転軸Rを基準として分けられている。
本実施形態において流通部31は、複数の配管部31aが回転軸方向DRに沿って並べられて構成された層が、回転軸方向DRおよび延伸方向DEの両方と直交する方向に沿って複数積層されて構成されている。なお、以下の説明においては、回転軸方向DRおよび延伸方向DEの両方と直交する方向を「厚さ方向DT」と呼び、適宜図においてDT軸で示す。本実施形態において、流通部31の厚さ方向DTの寸法は、例えば、流通部31の回転軸方向DRの寸法よりも小さく、延伸方向DEと直交する方向の流通部31の寸法のうちで最も小さい。
第1蓋部32は、流通部31における延伸方向DEの一方側(+DE側)の端部に接続されている。第1蓋部32は、回転軸方向DRに長い直方体箱状である。第1蓋部32の内部には、配管部31aの延伸方向DEの一端が開口している。図3に示すように、第1蓋部32の内部には、仕切部32aが設けられている。仕切部32aは、第1蓋部32の内部を回転軸方向DRに並ぶ第1空間S1と第2空間S2とに仕切っている。図3において、第1空間S1は、第2空間S2の右側(+DR側)に位置する。
第1蓋部32には、第1空間S1と第2循環ダクト26の内部とを繋ぐ連通孔32bが形成されている。第1蓋部32には、第2空間S2と第1循環ダクト25の内部とを繋ぐ連通孔32cが形成されている。
第2蓋部33は、流通部31における延伸方向DEの他方側(−DE側)の端部、すなわち流通部31に対して第1蓋部32が接続された側と逆側の端部に接続されている。図5に示すように、第2蓋部33は、回転軸方向DRに長い直方体箱状である。第2蓋部33の内部には、配管部31aの延伸方向DEの他端が開口している。第2蓋部33の内部は、第1蓋部32と異なり、仕切られていない。第2蓋部33の内部は、流通部31の配管部31aの内部を介して、第1蓋部32の内部のうち第1空間S1および第2空間S2のそれぞれと繋がっている。第2蓋部33は、冷媒伝送部50と接続されている。これにより、熱交換部30は、冷媒伝送部50と接続されている。なお、図5においては、第2蓋部33における延伸方向DEの他方側の壁を省略している。
第1循環ダクト25は、図3に示すように、熱交換部30から吸放湿部材40の回転軸方向DRの他方側(−DR側)の領域まで延びるダクトである。第1循環ダクト25の一端部は、熱交換部30に接続されている。第1循環ダクト25は、第1蓋部32の連通孔32cと繋がる流入口を有する。第1循環ダクト25の内部は、当該流入口および連通孔32cを介して第2空間S2と繋がっている。第1循環ダクト25の他端部は、吸放湿部材40と僅かな隙間を介して対向して配置されている。第1循環ダクト25には、第2送風装置23によって熱交換部30の内部から吸放湿部材40に送られる空気が通る。
第1循環ダクト25は、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分と対向する第1開口部25aを有する。第1開口部25aは、吸放湿部材40の回転軸方向DRの他方側(−DR側)に位置し、吸放湿部材40に向かって、回転軸方向DRの一方側(+DR側)に開口している。
第2循環ダクト26は、吸放湿部材40の回転軸方向DRの一方側(+DR側)の領域から熱交換部30まで延びるダクトである。第2循環ダクト26の一端部は、吸放湿部材40と僅かな隙間を介して対向して配置されている。第2循環ダクト26の他端部は、熱交換部30に接続されている。第2循環ダクト26は、第1蓋部32の連通孔32bと繋がる流出口を有する。第2循環ダクト26の内部は、当該流出口および連通孔32bを介して第1空間S1と繋がっている。第2循環ダクト26には、第2送風装置23によって吸放湿部材40から熱交換部30の内部に送られる空気が通る。
第2循環ダクト26は、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分と対向する第2開口部26aを有する。第2開口部26aは、吸放湿部材40の回転軸方向DRの一方側(+DR側)に位置し、吸放湿部材40に向かって、回転軸方向DRの他方側(−DR側)に開口している。第2開口部26aは、第1開口部25aとの間で吸放湿部材40を回転軸方向DRに挟む位置に配置されている。
図3において図示は省略するが、回転軸方向DRに沿って視て、本実施形態の第1開口部25aおよび第2開口部26aは、吸放湿部材40の回転軸Rを中心とする扇形形状である。ここで、本明細書において「扇形形状」とは、曲率中心が同じで半径が異なる2つの弧と、当該曲率中心を中心とする円の半径方向に延び、2つの弧の両端同士をそれぞれ繋ぐ2本の線分とによって囲まれた形状を含む。本実施形態において第1開口部25aおよび第2開口部26aは、上述した2つの弧と2つの線分とによって囲まれた扇形形状である。回転軸方向DRに沿って視て、第1開口部25aの扇形形状および第2開口部26aの扇形形状における弧の曲率中心は、吸放湿部材40の回転軸Rである。
加熱部22は、加熱本体部22aを有する。加熱本体部22aは、第1循環ダクト25の内部に配置されている。加熱本体部22aは、回転軸方向DRにおいて、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分の他方側(−DR側)に配置されている。加熱本体部22aは、例えば、電気ヒーターである。加熱本体部22aは、第1循環ダクト25の内部の雰囲気を加熱する。本実施形態において加熱部22は、第2送風装置23を有する。
第2送風装置23は、第2循環ダクト26の内部に配置されている。第2送風装置23は、回転軸方向DRにおいて、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分の一方側(+DR側)に配置されている。第2送風装置23は、例えば、遠心ファンである。第2送風装置23は、回転軸方向DRの他方側(−DR側)から吸気した空気を、排気口23aから延伸方向DEの他方側(−DE側)に放出する。排気口23aは、第1蓋部32の連通孔32bに開口している。第2送風装置23は、連通孔32bを介して第1空間S1に空気を送る。
第2送風装置23から第1空間S1に放出される空気は、第2循環ダクト26の第2開口部26aを介して第2送風装置23の回転軸方向DRの他方側(−DR側)から吸気した空気であり、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を通過した空気である。すなわち、第2送風装置23は、第1領域F1と異なる第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分に空気を通過させて熱交換部30に送る。本実施形態において第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を通過する前の空気は、第1循環ダクト25の内部を流れている。そのため、加熱本体部22aは、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を通過する前の空気を加熱する。
このように、本実施形態において加熱部22は、加熱本体部22aによって加熱された空気を、第2送風装置23によって第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分に送ることで、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を加熱する。これにより、第2送風装置23は、吸放湿部材40における加熱部22によって加熱された部分の周囲の空気を熱交換部30に送る。
図3に示すように、第2送風装置23から第1空間S1を介して熱交換部30に流入した空気は、複数の配管部31aのうち第1空間S1と繋がる配管部31aの内部を通って、第2蓋部33の内部に流入する。第2蓋部33の内部に流入した空気は、複数の配管部31aのうち第2空間S2と繋がる配管部31aの内部を通って、第2空間S2に流入し、連通孔32cから第1循環ダクト25の内部に流入する。第1循環ダクト25の内部に流入した空気は、加熱本体部22aによって加熱され、再び第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を通過して第2循環ダクト26の内部に流入し第2送風装置23に吸気される。
以上のように、冷媒生成部20は、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分および熱交換部30を通る循環経路27を有する。循環経路27は、熱交換部30から第1循環ダクト25、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分、および第2循環ダクト26をこの順に通って再び熱交換部30に戻るように空気が循環する経路である。第2送風装置23は、循環経路27内の空気を循環させる。循環経路27内を循環する空気は、第1循環ダクト25内において加熱本体部22aを通る。吸放湿部材40と第1循環ダクト25および第2循環ダクト26との間には僅かに隙間が設けられているが、循環経路27は略密閉されており、循環経路27の内部に外部からの空気が流入することが抑制される。なお、以下の説明においては、循環経路27内を循環する空気を空気AR2と呼ぶ。
冷却ダクト21は、回転軸方向DRにおいて、第1領域F1に位置する吸放湿部材40の部分の一方側(+DR側)に配置された流入口を有するダクトである。冷却ダクト21には、第1送風装置60から放出され第1領域F1に位置する吸放湿部材40の部分を通過した空気AR1が流入する。冷却ダクト21は、第1領域F1に位置する吸放湿部材40の部分の一方側の領域から熱交換部30に向かって延びている。
冷却ダクト21は、回転軸方向DRに延びる冷却通路部21aを有する。冷却通路部21aには、熱交換部30の流通部31が延伸方向DEに貫通して配置されている。これにより、冷却通路部21aの内部には、流通部31が配置されている。冷却通路部21aを通る空気AR1は、流通部31の外表面に吹き付けられ、流通部31を回転軸方向DRに通過する。これにより、流通部31は、空気AR1によって冷却される。すなわち、熱交換部30は、第1送風装置60から放出され、吸放湿部材40を通過した空気AR1によって冷却される。図3では、冷却通路部21aにおいて空気AR1は、右側から左側に流通部31を通過している。冷却通路部21aにおける回転軸方向DRの他方側(−DR側)の端部は、開口している。冷却通路部21aの開口は、例えば、冷却ダクト21の流出口である。
第1領域F1に位置する吸放湿部材40の部分に第1送風装置60から空気AR1が送られると、空気AR1に含まれる水蒸気が、第1領域F1に位置する吸放湿部材40の部分に吸湿される。水蒸気を吸湿した吸放湿部材40の部分は、モーター24によって吸放湿部材40が回転させられることで、第1領域F1から第2領域F2に移動する。そして、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分には、加熱本体部22aによって加熱された比較的温度の高い空気AR2が通る。これにより、吸放湿部材40に吸湿された水分が、気化して空気AR2に放湿される。
吸放湿部材40を通過することで空気AR1から吸湿した水蒸気を含んだ空気AR2は、第2送風装置23によって熱交換部30へと送られる。第1空間S1から熱交換部30へと流入した空気AR2は、流通部31の内部を流れる。より詳細には、空気AR2は、流通部31の配管部31aの内部を流れる。流通部31は、冷却ダクト21の冷却通路部21aを回転軸方向DRに沿って流れる空気AR1によって外部から冷却される。
流通部31が冷却されると、配管部31aの内部を流れる比較的温度の高い空気AR2が冷却されて、空気AR2に含まれていた水蒸気が凝縮して液体の水、すなわち冷媒Wになる。このようにして、熱交換部30は、冷却されることで熱交換部30に流入した空気AR2から冷媒Wを生成する。なお、本明細書においては、冷媒生成部20において生成された後の冷媒Wについては、気化して気体(水蒸気)になった場合であっても、気化した冷媒W、または単に冷媒Wと呼ぶ場合がある。
本実施形態において冷媒伝送部50は、多孔質部材製であり、毛細管現象によって冷媒Wを伝送する。冷媒伝送部50の材質としては、例えば、ポリプロピレン、コットン、ポーラス金属等が挙げられる。冷媒伝送部50の材質は、冷媒伝送部50の表面張力を比較的大きくできる材質が好ましい。冷媒伝送部50は、図5に示すように、第1捕捉部51と、第2捕捉部52と、第3捕捉部53と、接続部54と、を有する。
第1捕捉部51は、第1蓋部32の内側面のうち延伸方向DEの一方側(+DE側)の縁部に固定されている。第1捕捉部51は、薄い帯状であり、第1蓋部32の縁部に沿って矩形枠状に成形されている。第2捕捉部52は、第2蓋部33の内側面のうち延伸方向DEの他方側(−DE側)の縁部に固定されている。第2捕捉部52は、薄い帯状であり、第2蓋部33の縁部に沿って矩形枠状に成形されている。
第3捕捉部53は、第1捕捉部51から配管部31aの内部を通って第2捕捉部52まで延びており、第1捕捉部51と第2捕捉部52とを接続している。第3捕捉部53は、延伸方向DEに延びた薄い帯状である。本実施形態において、第3捕捉部53は、図5に示すように、複数の配管部31aのうち1つの配管部31aの内部に配置されているが、これに限らない。第3捕捉部53は、複数の配管部31aのうち一部の配管部31aの内部に設けられていてもよいし、複数の配管部31aのうち全ての配管部31aの内部に設けられていてもよい。複数の配管部31aのうち一部の配管部31aの内部に設けられる場合、第3捕捉部53は、2つ以上の配管部31aの内部に設けられてもよい。
接続部54は、冷媒生成部20と冷却対象とを接続する部分である。本実施形態において接続部54は、第2捕捉部52に接続され、第2蓋部33の内部から第2蓋部33の外部に第2蓋部33の壁を貫通して突出している。図6に示すように、第2蓋部33の外部に突出した接続部54は、冷却対象である光変調ユニット4Gまで延びている。図6は、光変調ユニット4R,4G,4Bと光合成光学系5とを示す斜視図である。接続部54は、薄い帯状である。図5に示すように、接続部54の幅は、例えば、第1捕捉部51の幅、第2捕捉部52の幅、および第3捕捉部53の幅よりも大きい。
次に、本実施形態における冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bについて、より詳細に説明する。以下の説明においては、正の側を上側とし、負の側を下側とする上下方向Zを、適宜図においてZ軸で示す。投射光学装置6における最も光射出側の投射レンズの光軸AXと平行な方向、すなわち投射光学装置6の投射方向と平行な方向を「光軸方向X」と呼び、適宜図においてX軸で示す。光軸方向Xは、上下方向Zと直交する。また、光軸方向Xおよび上下方向Zの両方と直交する方向を「幅方向Y」と呼び、適宜図においてY軸で示す。
なお、上下方向Z、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
図7は、光変調ユニット4Gを光入射側から視た図である。図8は、光変調ユニット4Gを示す図であって、図7におけるVIII−VIII断面図である。
冷却対象である光変調ユニット4Rと光変調ユニット4Gと光変調ユニット4Bとは、図6に示すように、光合成光学系5の周りを囲んで配置されている。光変調ユニット4Rと光変調ユニット4Bとは、光合成光学系5を幅方向Yに挟んで互いに反対側に配置されている。光変調ユニット4Gは、光合成光学系5の光軸方向Xの光入射側(−X側)に配置されている。光変調ユニット4Rの構造と光変調ユニット4Gの構造と光変調ユニット4Bの構造とは、配置される位置および姿勢が異なる点を除いて同様であるため、以下の説明においては、代表して光変調ユニット4Gについてのみ説明する場合がある。
光変調ユニット4Gは、光変調装置4GPを保持する保持フレーム80を有する。保持フレーム80は、図6から図8に示すように、光変調装置4GPに光が入射する方向に扁平で上下方向Zに長い略直方体状である。光変調装置4GPの光が入射する方向は、例えば、光軸方向Xである。
保持フレーム80は、図8に示すように、保持フレーム80を光が入射する方向に貫通する貫通孔81を有する。貫通孔81の光入射側(−X側)の縁には、貫通孔81の幅が広くなる段差部83が設けられている。光変調装置4GPは、段差部83に嵌められて保持フレーム80に保持されている。図7に示すように、保持フレーム80の光入射側の面における上下方向Zの両側の部分には、挿入溝82a,82bが形成されている。
プロジェクター1は、図6から図8に示すように、冷却対象である光変調ユニット4Gに設けられた冷却促進部70をさらに備える。冷却促進部70は、冷媒保持部71と、固定部材72と、を有する。冷媒保持部71は、冷却対象である光変調ユニット4Gの保持フレーム80の面に取り付けられている。本実施形態では、冷媒保持部71は、保持フレーム80における光変調装置4GPの光入射側(−X側)の面に設けられている。冷媒保持部71は、冷媒Wを保持する多孔質部材製である。冷媒保持部71の材質としては、例えば、ポリプロピレン、コットン、ポーラス金属等が挙げられる。冷媒保持部71の材質は、例えば、冷媒伝送部50の材質と同じにできる。冷媒保持部71の材質は、冷媒保持部71の表面張力を比較的大きくできる材質が好ましい。
図9は、冷媒保持部71を示す図である。冷媒保持部71は、図9に示すように、矩形枠状の本体部71aと、本体部71aにおける上下方向Zの両側の端部に設けられた挿入部71b,71cと、を有する。本体部71aは、図8に示すように、保持フレーム80における光変調装置4GPの光入射側(−X側)の面の一部を覆っている。本体部71aにおける内縁側の部分は、光変調装置4GPの外縁部分を覆っている。挿入部71bは、折り曲げられて保持フレーム80の挿入溝82aに挿入されている。挿入部71cは、折り曲げられて保持フレーム80の挿入溝82bに挿入されている。
固定部材72は、冷媒保持部71を固定する部材である。固定部材72は、図6および図8に示すように、板状の部材である。固定部材72は、例えば、金属製である。固定部材72は、矩形枠状の枠部72aと、取付部72bと、挿入部72cと、を有する。枠部72aは、図7および図8に示すように、冷媒保持部71の外縁部を覆っている。保持フレーム80と冷媒保持部71と枠部72aとは、光変調ユニット4Gを通過する光の方向(光軸方向X)に積層されている。以下の説明においては、保持フレーム80と冷媒保持部71と枠部72aとが積層された方向を単に「積層方向」と呼ぶ。固定部材72は、枠部72aによって、保持フレーム80との間で冷媒保持部71を積層方向(光軸方向X)に挟んで固定している。
枠部72aの内縁は、冷媒保持部71の内縁よりも外側に設けられている。そのため、冷媒保持部71の一部、すなわち本実施形態では枠部72aよりも内側の部分は、積層方向の固定部材72側から視て、露出している。
取付部72bは、図6および図8に示すように、枠部72aの上下方向Zの両端部における幅方向Yの両端部にそれぞれ設けられている。取付部72bは、枠部72aから保持フレーム80側(+X側)に突出している。取付部72bは、保持フレーム80の側面に設けられた突起に係合されている。これにより、固定部材72は、保持フレーム80に固定されている。
挿入部72cは、枠部72aの上下方向Zの両端部に設けられている。挿入部72cは、枠部72aから保持フレーム80側(+X側)に突出している。挿入部72cは、保持フレーム80の挿入溝82a,82bに挿入されている。挿入部72cは、挿入溝82a,82bの内部において、冷媒保持部71の挿入部71b,71cを押さえている。
冷却促進部70は、複数の光変調ユニット4R,4G,4Bのそれぞれに設けられている。すなわち、冷媒保持部71と固定部材72とは、複数の光変調ユニット4R,4G,4Bのそれぞれに設けられている。図9に示すように、各光変調ユニット4R,4G,4Bのうち、光変調ユニット4Gに設けられた冷媒保持部71Gは、冷媒伝送部50と接続されている。より詳細には、冷媒保持部71Gの下端部には、冷媒伝送部50の接続部54が接続されている。
光変調ユニット4Bに取り付けられた冷媒保持部71Bおよび光変調ユニット4Rに取り付けられた冷媒保持部71Rは、接続部54が接続されていない点を除いて、光変調ユニット4Gに取り付けられた冷媒保持部71Gと同様である。
本実施形態においては、複数の光変調ユニット4R,4G,4Bに設けられた冷媒保持部71同士を互いに連結する多孔質部材製の連結部73a,73bが設けられている。本実施形態では、光変調ユニット4Gに取り付けられた冷媒保持部71Gの両側に、連結部73a,73bを介して、光変調ユニット4Bに取り付けられた冷媒保持部71Bと、光変調ユニット4Rに取り付けられた冷媒保持部71Rとが連結されている。
連結部73aは、光変調ユニット4Gに取り付けられた冷媒保持部71Gと光変調ユニット4Bに取り付けられた冷媒保持部71Bとを連結している。これにより、冷媒保持部71Bは、冷媒保持部71Gを介して冷媒伝送部50の接続部54と接続されている。図6に示すように、連結部73aには、連結部73aを覆う被覆部74が設けられている。被覆部74は、例えば、樹脂製のフィルム等である。
連結部73bは、光変調ユニット4Gに取り付けられた冷媒保持部71と光変調ユニット4Rに取り付けられた冷媒保持部71とを連結している。これにより、冷媒保持部71Rは、冷媒保持部71Gを介して冷媒伝送部50の接続部54と接続されている。図示は省略するが、連結部73bにも、連結部73aと同様に被覆部74が設けられている。
冷媒生成部20によって生成された冷媒Wは、冷媒伝送部50の接続部54によって、冷媒保持部71Gに伝送される。冷媒保持部71Gに伝送された冷媒Wは、連結部73aを介して冷媒保持部71Bに伝送され、かつ、連結部73bを介して冷媒保持部71Rに伝送される。このようにして、冷媒生成部20で生成された冷媒Wが、3つの光変調ユニット4R,4G,4Bに伝送される。そして、伝送され冷媒保持部71に保持された冷媒Wが気化することで、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bが冷却される。より詳細には、冷媒保持部71に保持された冷媒Wが気化することで、冷媒保持部71が取り付けられた保持フレーム80が冷却され、保持フレーム80が冷却されることで、保持フレーム80が保持する光変調装置4RP,4GP,BPが冷却される。これにより、冷却装置10によって、冷却対象である光変調装置4RP,4GP,4BPを冷却できる。
本実施形態において冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bは、図10および図11に示すように、塵および埃等が付着することを抑制するために、防塵ケース90の内部に収容されている。図10および図11は、防塵ケース90を模式的に示す図である。
本実施形態のプロジェクター1は、図10および図11に示すように、防塵ケース90と、冷却送風装置62と、第3循環ダクト94aと、第4循環ダクト94bと、シャッター部93と、外側送風装置61と、吸湿ダクト95と、湿度センサー96と、制御部97と、をさらに備える。
防塵ケース90は、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bを内部に収容する。本実施形態において防塵ケース90は、光変調ユニット4R,4G,4Bおよび光合成光学系5を内部に収容する。防塵ケース90は、防塵性を有する。防塵ケース90は、例えば、直方体箱状である。防塵ケース90は、閉塞されており、防塵ケース90の内部と外部との塵および埃等の通過を遮断可能となっている。防塵ケース90は、ケース本体91と、冷媒透過部92と、を有する。
なお、本明細書において「ある対象が防塵性を有する」とは、ある対象が、塵および埃等を通過させない性質、または塵および埃等をほぼ通過させない性質を有することを含む。塵および埃等をほぼ通過させない性質とは、ある対象を通過しようとした塵および埃等の90%以上を遮断できる性質であることを含む。
ケース本体91は、例えば、直方体箱状である。ケース本体91は、防塵ケース90の壁部の大部分を構成している。ケース本体91のうち幅方向Yの一方側(+Y側)に位置する壁部91aには、貫通孔91bが形成されている。貫通孔91bは、壁部91aを幅方向Yに貫通している。ケース本体91は、防塵性を有する。本実施形態においてケース本体91は、透光性を有し、光変調ユニット4R,4G,4Bに入射される光および光合成光学系5から射出される光を透過可能である。ケース本体91は、冷媒Wを遮断する。ケース本体91は、例えば、ガラス製、プラスチック製等である。なお、ケース本体91における光合成光学系5の光射出面と対向する壁部に貫通孔が形成されており、ケース本体91の防塵性が維持されつつ、光を透過可能な透光性部材が当該貫通孔に嵌め込まれる構造としてもよい。
冷媒透過部92は、貫通孔91bに嵌め込まれており、貫通孔91bを閉塞している。冷媒透過部92は、防塵ケース90の壁部の一部を構成している。言い換えれば、防塵ケース90を構成する壁部の一部は、冷媒透過部92である。冷媒透過部92は、防塵ケース90の内部に面する内側面92aと、防塵ケース90の外部に面する外側面92bと、を有する。冷媒透過部92は、防塵性を有しつつ防塵ケース90の内部と外部との間で冷媒Wを透過させることが可能である。本実施形態において冷媒透過部92は、多孔質部材製である。冷媒透過部92を構成する多孔質部材の材料は、例えば、ポリエステル、珪藻土、セラミック、ポーラス金属等である。
なお、本明細書において「冷媒透過部が防塵ケースの内部と外部との間で冷媒を透過させることが可能である」とは、防塵ケースの内部に存在した冷媒が冷媒透過部を通って防塵ケースの外部に移動可能であること、および防塵ケースの外部に存在した冷媒が冷媒透過部を通って防塵ケースの内部に移動可能であること、を含む。冷媒透過部を通って防塵ケースの内部と外部との間で移動する際の冷媒の状態は、特に限定されない。冷媒は、液体の状態であってもよいし、気化して気体となった状態であってもよいし、液体と気体との間で変化してもよい。本実施形態において冷媒透過部92は、防塵ケース90の内部において気化して気体となった状態の冷媒Wを吸湿し、防塵ケース90の外部に気体として放湿する。冷媒透過部92に吸湿された状態において冷媒Wは、凝縮されて再び液体となっている。
冷却送風装置62は、防塵ケース90の内部に配置されている。冷却送風装置62は、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bに空気を送る。冷却送風装置62は、防塵ケース90内の空気を循環させる。冷却送風装置62は、例えば、遠心ファンである。冷却送風装置62は、軸流ファンであってもよい。冷却送風装置62は、空気を吸入する吸気口62aと、空気を放出する排気口62bと、を有する。なお、以下の説明においては、防塵ケース90内を循環する空気を空気AR4と呼ぶ。
第3循環ダクト94aは、冷却送風装置62から冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bに向けて光軸方向Xに延びている。第3循環ダクト94a内には、冷却送風装置62の排気口62bから放出されて光変調ユニット4R,4G,4Bに送られる空気AR4が通る。
第4循環ダクト94bは、光変調ユニット4R,4G,4Bの幅方向Yの一方側の領域(+Y側)から冷却送風装置62の幅方向Yの一方側の領域まで延びている。第4循環ダクト94bには、第3循環ダクト94aから光変調ユニット4R,4G,4Bに送られて光変調ユニット4R,4G,4Bを通過した空気AR4が流入される。第4循環ダクト94b内には、光変調ユニット4R,4G,4Bから冷却送風装置62の吸気口62aに送られる空気AR4が通る。
このように、冷却送風装置62の排気口62bから放出された空気AR4は、第3循環ダクト94aを介して光変調ユニット4R,4G,4Bに送られ、光変調ユニット4R,4G,4Bを通過した後、第4循環ダクト94bを介して冷却送風装置62の吸気口62aに送られる。このようにして、冷却送風装置62は、防塵ケース90内の空気AR4を循環させる。
第4循環ダクト94bは、ケース本体91の壁部91aに接触して光軸方向Xに延びる延伸部94cを有する。延伸部94cは、貫通孔94dを有する。貫通孔94dは、冷媒透過部92の内側面92aと対向している。これにより、冷媒透過部92の内側面92aは、貫通孔94dを介して第4循環ダクト94bの内部に露出する。第4循環ダクト94b内を通る空気AR4の一部は、貫通孔94dが設けられた部分を通過する際に、貫通孔94dを介して第4循環ダクト94b内に露出する冷媒透過部92の内側面92aに接触する。これにより、冷却送風装置62は、防塵ケース90内の空気AR4を循環させて、冷媒透過部92の内側面92aに空気AR4を送る。
シャッター部93は、防塵ケース90の外側面に設けられている。本実施形態においてシャッター部93は、壁部91aの外側面に設けられている。シャッター部93は、例えば、図示しない駆動装置によって、光軸方向Xに移動させられる。シャッター部93は、冷媒透過部92の外側面92bを開放する状態と、冷媒透過部92の外側面92bの全体を覆って閉塞する状態と、の間で切り替え可能である。図10は、シャッター部93が冷媒透過部92の外側面92bを開放する状態を示している。図11は、シャッター部93が冷媒透過部92の外側面92bの全体を覆って閉塞する状態を示している。シャッター部93は、防塵性を有する。シャッター部93は、冷媒Wを遮断する。
外側送風装置61は、図10に示すように、防塵ケース90の外部に配置されている。外側送風装置61は、例えば、光軸方向Xに空気を送る。なお、以下の説明においては、外側送風装置61によって送られる空気を、空気AR3と呼ぶ。外側送風装置61によって送られる空気AR3は、防塵ケース90の幅方向Yの一方側(+Y側)を通る。外側送風装置61は、空気AR3を送ることができるならば、特に限定されず、例えば、軸流ファンであっても、遠心ファンであってもよい。
吸湿ダクト95は、外側送風装置61によって送られる空気AR3が通るダクトである。吸湿ダクト95は、防塵ケース90の幅方向Yの一方側(+Y側)に接触して配置され、光軸方向Xに延びている。吸湿ダクト95は、貫通孔95aを有する。貫通孔95aは、防塵ケース90の外側面のうち幅方向Yの一方側の面に対向している。これにより、防塵ケース90の外側面のうち幅方向Yの一方側の面は、貫通孔95aを介して吸湿ダクト95の内部に露出する。
吸湿ダクト95の内部に露出する防塵ケース90の外側面は、シャッター部93が開放した状態において、冷媒透過部92の外側面92bを含む。そのため、吸湿ダクト95の内部を通過する空気AR3の一部は、シャッター部93が開放した状態において冷媒透過部92の外側面92bに接触する。このようにして、外側送風装置61は、冷媒透過部92の外側面92bに空気AR3を送る。冷媒透過部92の外側面92bに空気AR3が送られると、防塵ケース90内で気化した冷媒Wが冷媒透過部92を透過して空気AR3に放湿される。
湿度センサー96は、防塵ケース90の内部に配置されている。湿度センサー96は、防塵ケース90の内部の湿度を計測可能なセンサーである。湿度センサー96の計測結果は、制御部97に送られる。湿度センサー96は、防塵ケース90の内部の湿度を計測可能であれば、特に限定されない。
制御部97は、外側送風装置61を制御する。本実施形態において制御部97は、湿度センサー96から得られた防塵ケース90の内部の湿度に基づいて、外側送風装置61を制御し、冷媒透過部92の外側面92bに送る空気AR3の量を調整する。
具体的に制御部97は、防塵ケース90の内部の湿度が比較的高い場合、外側送風装置61の出力を上昇させ、冷媒透過部92の外側面92bに送られる空気AR3の量を増大させる。冷媒透過部92の外側面92bに送られる空気AR3の量が増大することで、防塵ケース90内から冷媒透過部92を介して空気AR3に放湿される冷媒Wが増加する。単位時間当たりにおいて、空気AR3に放湿される冷媒Wの量が、防塵ケース90内で気化する冷媒Wの量よりも多くなると、防塵ケース90の内部の湿度が低下する。これにより、制御部97は、防塵ケース90の内部の湿度が比較的高い場合に、外側送風装置61の出力を上昇させることで、防塵ケース90の内部の湿度を低下させることができる。
一方、制御部97は、防塵ケース90の内部の湿度が比較的低い場合、外側送風装置61の出力を低下させ、冷媒透過部92の外側面92bに送られる空気AR3の量を減少させる。冷媒透過部92の外側面92bに送られる空気AR3の量が減少することで、防塵ケース90内から冷媒透過部92を介して空気AR3に放湿される冷媒Wが減少する。単位時間当たりにおいて、空気AR3に放湿される冷媒Wの量が、防塵ケース90内で気化する冷媒Wの量よりも少なくなると、防塵ケース90の内部の湿度が上昇する。これにより、制御部97は、防塵ケース90の内部の湿度が比較的低い場合に、外側送風装置61の出力を低下させることで、防塵ケース90の内部の湿度を上昇させることができる。
以上のように、制御部97は、湿度センサー96から得られた防塵ケース90の内部の湿度に基づいて外側送風装置61を制御することで、防塵ケース90の内部の湿度を調整できる。
本実施形態において制御部97は、シャッター部93を制御する。制御部97は、プロジェクター1が動作している際、シャッター部93を図10に示す状態として冷媒透過部92の外側面92bを開放する。一方、制御部97は、プロジェクター1の動作が停止している際、シャッター部93を図11に示す状態として冷媒透過部92の外側面92bを閉塞する。
また、制御部97は、湿度センサー96から得られた防塵ケース90の内部の湿度に基づいて、シャッター部93を制御してもよい。例えば、制御部97は、プロジェクター1が動作している際に防塵ケース90の内部の湿度を上昇させたい場合、シャッター部93を図11に示す状態として冷媒透過部92の外側面92bを閉塞する。これにより、冷媒透過部92を介した防塵ケース90の内部から外部への冷媒Wの移動を遮断できる。したがって、図11に示す状態において光変調ユニット4R,4G,4Bに供給された冷媒Wが気化することで、防塵ケース90の内部の湿度が上昇する。このように、制御部97は、シャッター部93を制御することで、防塵ケース90の内部の湿度を上昇させることができる。
本実施形態によれば、冷却装置10は、冷媒生成部20で生成した冷媒Wを冷媒伝送部50によって冷却対象へと伝送し、吸熱反応である冷媒Wの気化を利用することで冷却対象から熱を奪って冷却対象を冷却することができる。冷媒Wの気化による冷却は、積極的に冷却対象から熱を奪えるため、空冷および液冷のように単に冷媒への伝熱によって冷却対象を冷却する場合に比べて、冷却性能に優れている。これにより、空冷および液冷と同じ冷却性能を得る場合に、空冷および液冷に比べて冷却装置10全体を小型化しやすい。
また、冷媒Wの気化による冷却の場合、気化する冷媒Wが冷却対象と接触する表面積を大きくすることで冷却性能を向上できる。そのため、冷却装置10による冷却性能を大きくしても、騒音が大きくなることを抑制できる。以上により、本実施形態によれば、冷却性能に優れ、かつ、小型で静粛性に優れた冷却装置10を備えたプロジェクター1が得られる。
また、本実施形態によれば、冷媒生成部20において冷媒Wを生成できるため、使用者が冷媒Wを補充する手間がなく、使用者の利便性を向上できる。また、冷媒生成部20によって、冷媒Wを必要なときに必要な分だけ生成することが調整可能であるため、貯蔵タンク等に冷媒Wを溜めておく必要がなく、プロジェクター1の重量を軽くできる。
また、例えば、冷却装置10の冷却対象に塵および埃等が付着することを抑制するために、冷却対象を防塵ケース内に収容する場合がある。この場合、冷却対象に供給されて気化した冷媒Wによって防塵ケース内の湿度が上昇する。そのため、冷媒Wが気化しにくくなり冷却対象の冷却が不十分となる、および冷却対象に用いられる金属部品等が冷媒Wによって腐食しやすくなる等の不具合が生じる虞がある。また、本実施形態のように冷却対象が光変調ユニット4R,4G,4Bである場合には、気化した冷媒Wによって防塵ケース内が曇り、光変調ユニット4R,4G,4Bに入射する光および光変調ユニット4R,4G,4Bから射出される光に影響を与える虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、防塵ケース90を構成する壁部の一部は、防塵性を有しつつ防塵ケース90の内部と外部との間で冷媒Wを透過させる冷媒透過部92である。そのため、塵および埃等が防塵ケース90の内部に侵入することを抑制しつつ、冷媒透過部92を介して、防塵ケース90の内部で気化した冷媒Wを防塵ケース90の外部に排出することができる。これにより、防塵ケース90の内部の湿度が上昇することを抑制でき、上述した各不具合が生じることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、冷媒透過部92は、多孔質部材製である。そのため、冷媒透過部92の内側面92aから気化した冷媒Wを吸湿でき、吸湿した冷媒Wを冷媒透過部92の外側面92bから防塵ケース90の外部に放湿できる。また、塵および埃等の他、煙が防塵ケース90の内部に侵入することも好適に抑制できる。
また、本実施形態によれば、吸放湿部材40によって第1送風装置60から送られる空気AR1に含まれた水蒸気を吸湿でき、吸放湿部材40によって吸湿した水分を第2送風装置23によって送られる空気AR2内に水蒸気として放湿できる。そして、熱交換部30によって、空気AR2に水蒸気として放湿された水分を凝縮させて冷媒Wを生成することができる。これにより、本実施形態によれば、プロジェクター1内の雰囲気中から冷媒Wを生成することができる。
また、例えば、冷媒生成部20において、第2送風装置23から熱交換部30に送られる空気AR2の湿度が比較的低い場合、熱交換部30が冷却されても、冷媒Wが生成されにくい場合がある。熱交換部30に送られる空気AR2の湿度は、例えば、プロジェクター1の外部の空気等が混ざり込むような場合に、低下する場合がある。このような場合、冷媒生成部20の冷媒生成効率が低下する。
これに対して、本実施形態によれば、冷媒生成部20は、第2領域F2に位置する吸放湿部材40部分と熱交換部30とを通る循環経路27を有する。そのため、循環経路27を略密閉することで循環経路27内にプロジェクター1の外部の空気が入ることを抑制でき、熱交換部30に送られる空気AR2の湿度を比較的高い状態に維持しやすい。したがって、熱交換部30を冷却することで、好適に冷媒Wを生成することができる。その結果、冷媒生成部20の冷媒生成効率が低下することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、加熱部22は、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を通過する前の空気AR2を加熱する加熱本体部22aと、第2送風装置23と、を有する。そのため、加熱部22は、第2送風装置23によって吸放湿部材40に空気AR2を送ることで、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分を加熱することができる。これにより、加熱本体部22aを吸放湿部材40から離れた位置に配置しても、加熱部22によって吸放湿部材40を加熱することができる。したがって、加熱部22の構成の自由度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、冷媒透過部92の外側面92bに空気AR3を送る外側送風装置61が設けられている。そのため、冷媒透過部92の外側面92bに送られた空気AR3に、冷媒透過部92に吸湿された冷媒Wを放湿しやすい。これにより、気化した冷媒Wを防塵ケース90の外部に好適に排出することができる。
また、本実施形態によれば、防塵ケース90の内部の湿度に基づいて、冷媒透過部92の外側面92bに送る空気AR3の量を調整する制御部97が設けられている。そのため、上述したようにして、制御部97によって、防塵ケース90の内部の湿度を調整できる。これにより、防塵ケース90の内部の湿度を好適に維持することができる。したがって、例えば、プロジェクター1が多湿の環境下に設置される等の場合であっても、防塵ケース90の内部の湿度が高くなることを抑制でき、プロジェクター1を好適に使用できる。
また、本実施形態によれば、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bに空気AR4を送る冷却送風装置62が設けられている。そのため、空気AR4によって光変調ユニット4R,4G,4Bに伝送された冷媒Wを気化させやすく、光変調ユニット4R,4G,4Bをより冷却することができる。
また、本実施形態によれば、冷却送風装置62は、防塵ケース90内の空気AR4を循環させて、冷媒透過部92の内側面92aに空気AR4を送る。そのため、空気AR4に含まれる気化した冷媒Wを、空気AR4から冷媒透過部92の内側面92aに放湿しやすい。これにより、防塵ケース90内の冷媒Wを、冷媒透過部92を介して防塵ケース90の外部に排出しやすくできる。本実施形態では、冷媒透過部92が多孔質部材製であるため、冷却送風装置62によって空気AR4を冷媒透過部92の内側面92aに送ることで、空気AR4に含まれる気化した冷媒Wを冷媒透過部92に吸湿させやすい。
また、本実施形態によれば、冷媒透過部92の外側面92bを開放する状態と、冷媒透過部92の外側面92bの全体を覆って閉塞する状態と、の間で切り替えるシャッター部93が設けられている。そのため、プロジェクター1が停止している際に、シャッター部93によって冷媒透過部92の外側面92bを閉塞することで、防塵ケース90の内部の湿度が外部環境の影響を受けることを抑制できる。
具体的には、プロジェクター1が多湿な環境下に設置された場合において、プロジェクター1が停止して外側送風装置61が駆動していない場合であっても、防塵ケース90の内部の湿度が上昇することを抑制できる。また、上述したようにして、制御部97によって、防塵ケース90の内部の湿度に基づいてシャッター部93を制御することで、プロジェクター1が動作している際に、防塵ケース90の内部の湿度を調整することもできる。
また、本実施形態によれば、熱交換部30は、第1送風装置60から放出され、吸放湿部材40を通過した空気AR1によって冷却される。そのため、熱交換部30を冷却する冷却部を別途設ける必要がなく、プロジェクター1の部品点数が増加することを抑制できる。また、熱交換部30を冷却する冷却部として送風装置を別途設けるような場合に比べて、プロジェクター1から生じる騒音が大きくなることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、冷媒生成部20は、吸放湿部材40を回転させるモーター24を有する。そのため、吸放湿部材40を一定の速度で安定して回転させることができる。これにより、第1領域F1に位置する吸放湿部材40の部分に空気AR1から好適に水蒸気を吸湿させることができ、かつ、第2領域F2に位置する吸放湿部材40の部分から空気AR2へと好適に水分を放湿させることができる。したがって、効率的に冷媒Wを生成できる。
また、本実施形態によれば、冷媒伝送部50は、毛細管現象によって冷媒Wを伝送する。そのため、冷媒Wを伝送するためにポンプ等の動力を別途用意する必要がない。これにより、プロジェクター1の部品点数が増加することを抑制でき、プロジェクター1をより小型・軽量化しやすい。
また、本実施形態によれば、冷媒伝送部50は、冷媒生成部20と冷却対象とを接続する多孔質部材製の接続部54を有する。そのため、冷媒Wを接続部54に吸収させて毛細管現象によって伝送することができる。
また、本実施形態によれば、冷媒伝送部50は、第2蓋部33の内部に設けられた第2捕捉部52を有する。第2捕捉部52は、接続部54と接続されている。そのため、第2蓋部33の内部に溜まった冷媒Wを第2捕捉部52で吸収して毛細管現象によって接続部54に伝送することができる。これにより、生成した冷媒Wを無駄なく冷却対象へと送りやすい。
また、本実施形態によれば、冷媒伝送部50は、第1蓋部32の内部に設けられた第1捕捉部51と、第1捕捉部51と第2捕捉部52とを接続する第3捕捉部53と、を有する。これにより、第1蓋部32の内部に溜まった冷媒Wを第1捕捉部51で吸収して、毛細管現象によって第3捕捉部53を介して第2捕捉部52に伝送することができる。したがって、第1蓋部32の内部に溜まった冷媒Wを第2捕捉部52から接続部54に伝送して、冷却対象に伝送することができる。そのため、生成した冷媒Wをより無駄なく冷却対象へと送りやすい。
また、本実施形態によれば、第3捕捉部53は、配管部31aの内部を通る。そのため、配管部31aの内部に溜まった冷媒Wを第3捕捉部53で吸収して、第2捕捉部52および接続部54を介して冷却対象へと伝送することができる。したがって、生成した冷媒Wをより無駄なく冷却対象へと送りやすい。
また、本実施形態によれば、接続部54の幅は、例えば、第1捕捉部51の幅、第2捕捉部52の幅、および第3捕捉部53の幅よりも大きい。そのため、接続部54の幅を比較的大きくしやすく、接続部54によって伝送できる冷媒Wの量を多くできる。したがって、冷媒伝送部50によって冷媒Wを冷却対象に送りやすく、冷却対象をより冷却しやすい。
また、一方で、第1捕捉部51の幅、第2捕捉部52の幅、および第3捕捉部53の幅を比較的小さくしやすい。そのため、第1捕捉部51と第2捕捉部52と第3捕捉部53とによって保持される冷媒Wの量を少なくできる。これにより、第1捕捉部51と第2捕捉部52と第3捕捉部53とによって保持されたまま、熱交換部30の内部に残る冷媒Wの量を少なくでき、生成した冷媒Wをより無駄なく冷却対象へと送りやすい。
また、本実施形態によれば、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bに設けられ、冷媒Wを保持する冷媒保持部71が設けられる。そのため、光変調ユニット4R,4G,4Bに伝送された冷媒Wを、冷媒Wが気化するまで冷媒保持部71によって光変調ユニット4R,4G,4Bに対して保持しておくことができる。これにより、生成した冷媒Wを無駄なく利用しやすく、冷却装置10の冷却性能をより向上させることができる。
また、本実施形態によれば、冷媒保持部71は、冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bの面に取り付けられ、かつ、多孔質部材製である。そして、冷媒保持部71の少なくとも一部は、積層方向の冷媒保持部71側から視て、露出している。そのため、冷媒保持部71の露出した部分から冷媒Wを気化させやすく、冷却装置10の冷却性能をより向上させることができる。また、冷媒保持部71が多孔質部材製であるため、毛細管現象によって、冷媒保持部71が設けられた冷却対象の面上に均一に冷媒Wを行き渡らせやすく、より冷却対象を冷却しやすい。
また、例えば、接着剤によって冷媒保持部71を保持フレーム80に固定する場合、接着剤が冷媒保持部71に吸収されて、多孔質部材製である冷媒保持部71の孔が塞がれる場合がある。そのため、冷媒保持部71に冷媒Wが吸収されにくくなり、冷媒保持部71によって冷媒Wを保持しにくくなる場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、冷媒保持部71を保持フレーム80との間で挟んで固定する固定部材72が設けられている。そのため、接着剤を使用することなく、冷媒保持部71を保持フレーム80に対して固定することができる。これにより、冷媒保持部71によって冷媒Wを保持しにくくなることを抑制できる。また、本実施形態では、固定部材72は金属製である。そのため、固定部材72は、熱伝導率が比較的高く、冷却されやすい。したがって、第1送風装置60からの空気AR1および冷媒Wの気化によって固定部材72の温度が低下しやすく、固定部材72と接触する冷却対象をより冷却しやすい。
また、本実施形態によれば、冷媒保持部71は、保持フレーム80における光変調装置4GPの光入射側の面に設けられている。そのため、冷媒保持部71から気化した冷媒Wの水蒸気が、光変調装置4GPから光合成光学系5に射出される光に影響を与えることを抑制できる。これにより、プロジェクター1から投射される画像にノイズが生じることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、冷媒保持部71は、複数設けられた光変調ユニット4R,4G,4Bにそれぞれ設けられ、複数の冷媒保持部71同士を互いに連結する連結部73a,73bが設けられている。そのため、冷媒伝送部50を1つの冷媒保持部71に接続させることで、他の冷媒保持部71にも冷媒Wを伝送することができる。これにより、プロジェクター1の内部における冷媒伝送部50の引き回しを簡単化できる。
また、本実施形態によれば、連結部73a,73bには、連結部73a,73bをそれぞれ覆う被覆部74が設けられている。そのため、連結部73a,73bを伝って移動する冷媒Wが連結部73a,73bにおいて気化することを抑制できる。これにより、冷媒Wが冷却対象である光変調ユニット4R,4G,4Bの冷却に寄与せずに気化することを抑制でき、生成した冷媒Wが無駄になることを抑制できる。
なお、本実施形態においては、連結部73a,73bと同様に、接続部54が被覆されていてもよい。この構成によれば、冷却対象に伝送する間に冷媒Wが気化することを抑制できる。そのため、冷却対象に効率よく冷媒Wを伝送でき、かつ、生成した冷媒Wが無駄になることをより抑制できる。接続部54および連結部73a,73bは、例えば、チューブ等によって周囲を被覆されてもよい。また、接続部54および連結部73a,73bは、表面に気化を抑制するコーティング処理が施されてもよい。
なお、本実施形態においては、下記の構成を採用することもできる。以下の説明において、上記と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
プロジェクター1は、図10に二点鎖線で示すように、防塵ケース90の内部に収容される吸湿部材198を備えてもよい。吸湿部材198は、防塵ケース90の内部において気化した冷媒Wを吸湿することができる。図10では、吸湿部材198は、例えば、第4循環ダクト94bの内部に配置されている。吸湿部材198は、例えば、シリカゲル、ゼオライト等である。この構成によれば、吸湿部材198によって防塵ケース90の内部の湿度を低下できるため、防塵ケース90の内部の湿度が高くなることをより抑制できる。
外側送風装置61によって冷媒透過部92の外側面92bに送られる空気AR3は、外側面92bに送られる前に、上述した吸湿部材198等のような吸湿部材によって、水分が吸湿されてもよい。この場合、比較的乾燥した空気AR3を冷媒透過部92の外側面92bに送ることができるため、空気AR3に、好適に防塵ケース90の内部の冷媒Wを放湿できる。これにより、防塵ケース90の内部において気化した冷媒Wをより好適に防塵ケース90の外部に排出することができる。
第1送風装置60は、第1領域F1に位置する吸放湿部材40の部分を通過させた後の空気AR1を冷媒透過部92の外側面92bに送ってもよい。吸放湿部材40を通過した後の空気AR1は、水分が吸放湿部材40に放湿されて比較的乾燥した状態となっている。そのため、吸放湿部材40を通過した後の空気AR1を冷媒透過部92の外側面92bに送ることで、冷媒透過部92の外側面92bから空気AR1に、好適に防塵ケース90の内部の冷媒Wを放湿できる。これにより、防塵ケース90の内部において気化した冷媒Wをより好適に防塵ケース90の外部に排出することができる。
この構成において、第1送風装置60は、例えば、吸湿ダクト95内に空気AR1を送る。また、この構成において第1送風装置60が冷媒透過部92の外側面92bに送る空気AR1は、冷却ダクト21に流入する前の空気AR1であってもよいし、冷却ダクト21から放出された後の空気AR1であってもよい。また、この構成において外側送風装置61は、設けられなくてもよい。また、この構成において第1送風装置60は、熱交換部30に空気AR1を送らなくてもよく、熱交換部30を冷却する送風装置が別途設けられてもよい。
第1送風装置60は、冷媒透過部92の外側面92bに接触した後の空気AR1を第1領域F1に位置する吸放湿部材40の部分に送ってもよい。冷媒透過部92の外側面92bに接触することで、空気AR1には冷媒透過部92を介して防塵ケース90の内部の冷媒Wが放湿される。そのため、冷媒透過部92の外側面92bに接触した後の空気AR1は、比較的多くの冷媒Wが含まれた状態となっている。これにより、冷媒透過部92の外側面92bに接触した後の空気AR1を吸放湿部材40に送ることで、吸放湿部材40に好適に冷媒Wを放湿することができる。したがって、冷媒生成部20の冷媒生成効率を向上できる。この構成において第1送風装置60は、例えば、吸湿ダクト95内に空気AR1を送る。また、この構成において外側送風装置61は、設けられなくてもよい。
冷媒透過部92は、図12に示す冷媒透過部192のような構成であってもよい。図12は、本実施形態の他の一例である冷媒透過部192の一部を示す図である。冷媒透過部192は、図12に示すように、本体部192cと、複数の第1突起部192dと、複数の第2突起部192eと、を有する。本体部192cは、上述した冷媒透過部92と同様の形状である。
第1突起部192dは、本体部192cの外側面に設けられている。図12では、第1突起部192dは、幅方向Yの一方側(+Y側)に突出している。複数の第1突起部192dは、光軸方向Xおよび幅方向Yのそれぞれに沿って並んで配置されている。
第2突起部192eは、本体部192cの内側面に設けられている。図12では、第2突起部192eは、幅方向Yの他方側(−Y側)に突出している。第2突起部192eは、光軸方向Xおよび幅方向Yのそれぞれに沿って並んで配置されている。
冷媒透過部192のその他の構成は、上述した冷媒透過部92のその他の構成と同様である。
図12の構成によれば、本体部192cの外側面に第1突起部192dが設けられているため、冷媒透過部192の外側面192bの表面積を大きくできる。これにより、冷媒透過部192の外側面192bから空気AR3に冷媒Wを放湿させやすくできる。したがって、冷媒透過部192を介して、防塵ケース90の内部の冷媒Wをより外部に排出しやすく、防塵ケース90の内部の湿度が高くなることをより抑制できる。
また、図12の構成によれば、本体部192cの内側面に第2突起部192eが設けられているため、冷媒透過部192の内側面192aの表面積を大きくできる。これにより、冷媒透過部192の内側面192aから防塵ケース90の内部の冷媒Wを吸湿させやすい。したがって、冷媒透過部192を介して、防塵ケース90の内部の冷媒Wをより外部に排出しやすく、防塵ケース90の内部の湿度が高くなることをより抑制できる。
<第2実施形態>
本実施形態は、第1実施形態に対して、冷媒透過部292からの放湿が、吸放湿部材240に対して行われる点において異なる。なお、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。図13は、本実施形態の防塵ケース290の一部を示す図である。図14は、本実施形態の防塵ケース290の一部を示す図であって、図13におけるXIV−XIV断面図である。
本実施形態の防塵ケース290は、図13に示すように、ケース本体291と、冷媒透過部292と、を有する。本実施形態において冷媒透過部292は、ケース本体291における回転軸方向DRの他方側(−DR側)の壁部291aに設けられている。冷媒透過部292は、壁部291aのうち延伸方向DEの他方側(−DE側)の端部に形成された貫通孔に嵌め込まれている。冷媒透過部292は、図14に示すように、回転軸方向DRに沿って視て、略半円形状である。冷媒透過部292のその他の構成は、第1実施形態の冷媒透過部92のその他の構成と同様である。防塵ケース290のその他の構成は、第1実施形態の防塵ケース90のその他の構成と同様である。
本実施形態の冷媒生成部220において吸放湿部材240は、図13および図14に示すように、第1領域F1aに位置する部分が防塵ケース290の外部において冷媒透過部292と間隔を空けて対向している。言い換えれば、吸放湿部材240と冷媒透過部292との間には隙間が設けられ、当該隙間を介して吸放湿部材240と冷媒透過部292とが対向している。本実施形態において第1領域F1aは、図14に示すように、回転軸Rよりも延伸方向DEの他方側(−DE側)に位置し、かつ、回転軸Rよりも厚さ方向DTの他方側(−DT側)に位置する領域F1bと、回転軸Rよりも延伸方向DEの一方側(+DE側)に位置する領域F1cと、を含む。領域F1bは、図14において回転軸Rよりも下側かつ左側に位置する領域である。領域F1cは、図14において回転軸Rよりも上側に位置する領域である。
本実施形態において吸放湿部材240は、第1領域F1aのうち領域F1cに位置する部分が、冷媒透過部292の外側面292bと回転軸方向DRに対向している。吸放湿部材240は、領域F1cに位置する部分のほぼ全体が防塵ケース290の外側面と対向している。図14に示すように、回転軸方向DRに沿って視て、吸放湿部材240は、冷媒透過部292の全体と重なっている。第1領域F1aにおける領域F1bに位置する吸放湿部材240の部分には、第1送風装置60からの空気AR1が通される。
吸放湿部材240のうち第2領域F2aに位置する部分には、循環経路27内を循環する空気AR2が通される。本実施形態において第2領域F2aは、回転軸Rよりも延伸方向DEの他方側(−DE側)に位置し、かつ、回転軸Rよりも厚さ方向DTの一方側(+DT側)に位置する領域である。第2領域F2aは、図14において回転軸Rよりも下側かつ右側に位置する領域である。第1領域F1aの領域F1bおよび第2領域F2aは、図14において第1領域F1aの領域F1cの下側に位置する領域である。
本実施形態において吸放湿部材240は、回転軸方向DRの他方側(−DR側)から視て、回転軸Rを中心として時計回りに回転する。領域F1cは、領域F1bに対して、吸放湿部材240が回転する向きの進行側に連続して設けられている。すなわち、回転する吸放湿部材240の部分は、第1領域F1aにおいて、領域F1bから領域F1cに移動する。これにより、回転する吸放湿部材240の部分は、第1送風装置60から送られる空気AR1が通過した後に、冷媒透過部292と対向する位置に移動する。
吸放湿部材240のその他の構成は、第1実施形態の吸放湿部材40のその他の構成と同様である。冷媒生成部220のその他の構成は、第1実施形態の冷媒生成部20のその他の構成と同様である。
本実施形態によれば、吸放湿部材240は、第1領域F1aに位置する部分が防塵ケース290の外部において冷媒透過部292と間隔を空けて対向している。そのため、防塵ケース290の内部において気化し、内側面292aから冷媒透過部292に吸湿された冷媒Wを、冷媒透過部292の外側面292bから吸放湿部材240に放湿できる。これにより、防塵ケース290の内部の冷媒Wを外部に排出しつつ、吸放湿部材240に好適に冷媒Wを放湿することができる。したがって、防塵ケース290の内部の湿度が高くなることを抑制しつつ、冷媒生成部220の冷媒生成効率を向上できる。また、吸放湿部材240が冷媒透過部292に対して間隔を空けて配置されるため、吸放湿部材240が回転する際、吸放湿部材240が冷媒透過部292に擦れることがない。したがって、吸放湿部材240を回転させやすい。
また、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、第1領域F1aに位置する吸放湿部材240の部分には、第1送風装置60から空気AR1が送られる。そのため、吸放湿部材240には、空気AR1と冷媒透過部292との両方から冷媒W(水蒸気)が放湿される。これにより、冷媒生成部220の冷媒生成効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、回転する吸放湿部材240の部分は、第1送風装置60から送られる空気AR1が通過した後に、冷媒透過部292と対向する位置に配置される。例えば、第1送風装置60から送られる空気AR1の量が比較的多く、空気AR1から比較的多くの冷媒W(水蒸気)が吸放湿部材240の部分に放湿された場合、吸放湿部材240の部分が吸湿可能な冷媒Wの量は比較的少なくなる。そのため、吸放湿部材240が冷媒透過部292と対向する位置に配置されていても、冷媒透過部292の外側面292bから吸湿できる冷媒Wの量は、比較的少なくなる。一方、第1送風装置60から送られる空気AR1の量が比較的少なく、空気AR1から比較的少ない冷媒W(水蒸気)が吸放湿部材240の部分に放湿された場合、吸放湿部材240の部分が吸湿可能な冷媒Wの量は比較的多くなる。そのため、吸放湿部材240が冷媒透過部292と対向する位置に配置された際に、冷媒透過部292の外側面292bから吸湿できる冷媒Wの量は、比較的多くなる。
これにより、第1送風装置60から送られる空気AR1が通過した後に、吸放湿部材240の部分を冷媒透過部292と対向する位置に配置させることで、空気AR1の量を調節して、冷媒透過部292から吸放湿部材240の部分に放湿される冷媒Wの量を調整できる。したがって、第1送風装置60から送られる空気AR1の量を調整することで、防塵ケース290の内部から排出される冷媒Wの量を調節することができ、防塵ケース290の内部の湿度を調整できる。
なお、本実施形態においては、下記の構成を採用することもできる。
本実施形態において第1送風装置60は、設けられなくてもよい。この場合であっても、吸放湿部材240によって、冷媒透過部292を介して防塵ケース290の内部の冷媒Wを外部に排出できる。また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、冷媒透過部292の外側面292bに空気を送る外側送風装置が設けられてもよい。
また、吸放湿部材240と冷媒透過部292との間隔は、冷媒透過部292に吸湿された冷媒Wが吸放湿部材240に放湿されるならば、特に限定されない。吸放湿部材240と冷媒透過部292との間隔は、例えば、吸放湿部材240の回転軸方向DRの寸法および冷媒透過部292の回転軸方向DRの寸法よりも小さい。吸放湿部材240と冷媒透過部292との間隔は、小さいほど好ましい。
また、吸放湿部材240と冷媒透過部292とは、互いに接触してもよい。また、例えば、防塵ケースに凹部が設けられ、当該凹部に吸放湿部材240の一部が収容されてもよい。この場合、当該凹部の内側面の少なくとも一部は、冷媒透過部の外側面で構成されており、吸放湿部材240は、当該凹部に一部が収容されることで冷媒透過部と間隔を空けて対向してもよいし、当該凹部に一部が収容されることで冷媒透過部と接触してもよい。
本発明の実施形態は、上述した各実施形態に限られず、下記の構成を採用することもできる。
冷媒透過部の構成は、上述した各実施形態の構成に限られない。冷媒透過部は、防塵性を有しつつ、防塵ケースの内部と外部との間で冷媒Wを透過させることが可能であれば、特に限定されない。冷媒透過部は、例えば、フィルター、浸透膜等であってもよい。冷媒透過部は、複数設けられてもよい。この場合、防塵ケースには、例えば、第1実施形態の冷媒透過部92と、第2実施形態の冷媒透過部292と、が設けられてもよい。また、冷媒透過部は、多孔質部材の層が互いに空間を空けて複数層配置されることで構成されてもよい。防塵ケースの内部の空気は、循環しなくてもよい。すなわち、冷却送風装置は、設けられなくてもよい。シャッター部は、設けられなくてもよい。
防塵ケースにおける冷媒透過部の位置は、特に限定されない。第1実施形態において冷媒透過部92は、防塵ケース90の幅方向Yの一方側(+Y側)に位置する壁部91aに設けられていたが、これに限られない。例えば、冷媒透過部は、防塵ケースの上下方向Zの一方側(+Z側)に位置する壁部に設けられていてもよい。この場合、第4循環ダクトおよび吸湿部材も、防塵ケースの内部のうち上下方向Zの一方側(+Z側)の部分に配置される。
加熱部は、上述した実施形態の構成に限られない。加熱部は、加熱本体部として他の熱源によって加熱されるヒートシンクを有してもよい。この場合、加熱部のヒートシンクは、光源装置からの排気によって加熱されてもよい。加熱部は、吸放湿部材に接触して吸放湿部材を加熱する構成であってもよい。この場合、加熱部は、吸放湿部材を通過する前の空気を加熱しなくてもよい。
冷媒生成部の構成は、上述した各実施形態の構成に限られない。冷媒生成部は、冷媒を生成できるならば、特に限定されない。例えば、冷媒生成部は、水素電池等の燃料電池を有してもよい。この場合、例えば、プロジェクターに電力を供給することで燃料電池から生成される水を冷媒として利用することができる。また、冷媒は、冷却対象を冷却できるならば、特に限定されず、水以外であってもよい。また、生成される冷媒は、液体に限られず、例えば、固体であってもよい。この場合、冷却対象に伝送される間に液体に変化してもよいし、固体のまま冷却対象に伝送されてもよい。冷媒が固体のまま冷却対象に伝送された場合、冷媒は、直接気体へと昇華することで冷却対象を冷却してもよいし、液体に融解した後に気化して冷却対象を冷却してもよい。
熱交換部は、冷却されることで熱交換部に流入した空気から冷媒を生成できるならば、特に限定されない。熱交換部は、第1送風装置以外の装置によって冷却されてもよい。吸放湿部材を回転させる駆動部は、モーターに限られず、特に限定されない。吸放湿部材を回転させる駆動部は、吸放湿部材に送風する送風装置であってもよい。この場合、例えば、吸放湿部材には風力により回転する羽根が設けられており、吸放湿部材は、駆動部としての送風装置から風力を得ることで回転する。当該駆動部としての送風装置は、例えば、上述した実施形態の第1送風装置60であってもよい。
冷媒伝送部の構成は、上述した実施形態の構成に限られない。冷媒伝送部は、冷媒を冷却対象に伝送できるならば、特に限定されない。冷媒伝送部は、冷媒を伝送するポンプとポンプによって伝送される冷媒が通る配管とを有してもよい。また、冷媒伝送部は、例えば、重力を利用して冷却対象に冷媒を伝送してもよい。
冷却促進部の構成は、上述した実施形態の構成に限られない。冷却促進部は、冷却対象に伝送された冷媒による冷却対象の冷却を促進できるならば、特に限定されない。例えば、冷却促進部の冷媒保持部は、冷却対象の表面に加工等によって形成された微細な凹凸であってもよい。この場合、凹凸によって冷媒が保持される。また、冷媒保持部は、冷却対象の表面に設けられた親水性コート等であってもよい。
上述した各実施形態において冷却対象は、光変調ユニットとしたが、これに限られない。冷却対象は、光変調装置と、光変調ユニットと、光源装置と、光源装置から射出された光の波長を変換する波長変換素子と、光源装置から射出された光を拡散する拡散素子と、光源装置から射出された光の偏光方向を変換する偏光変換素子とのうちの少なくとも一つを含んでもよい。この構成によれば、プロジェクターの各部を上述したのと同様に、冷却することができる。
上記実施形態において、透過型のプロジェクターに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型のプロジェクターにも適用することも可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む光変調装置が光を透過するタイプであることを意味する。「反射型」とは、光変調装置が光を反射するタイプであることを意味する。なお、光変調装置は、液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
上記実施形態において、3つの光変調装置を用いたプロジェクターの例を挙げたが、本発明は、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクター、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクターにも適用可能である。
上記説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。