インク噴射システムや、ボトルセットを例に、実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、それぞれの構成を認識可能な程度の大きさにするために、構成や部材の縮尺が異なっていることがある。
本実施形態におけるインク噴射システム1は、図1に示すように、インク噴射装置の一例であるプリンター3と、インク供給装置4と、を有している。プリンター3は、記録部6と、制御部9と、を有している。なお、図1には、相互に直交する座標軸であるXYZ軸が付されている。これ以降に示す図についても必要に応じてXYZ軸が付されている。この場合、各図におけるXYZ軸は、図1におけるXYZ軸に対応する。図1には、X軸とY軸とによって規定されるXY平面にインク噴射システム1を配置した状態が図示されている。本実施形態では、XY平面を水平な平面に一致させた状態でインク噴射システム1をXY平面に配置したときの状態が、インク噴射システム1の使用状態である。水平面に一致させたXY平面にインク噴射システム1を配置したときのインク噴射システム1の姿勢を、インク噴射システム1の使用姿勢と呼ぶ。
以下において、インク噴射システム1の構成部品やユニットを示す図や説明にX軸、Y軸、及びZ軸が表記されている場合には、その構成部品やユニットをインク噴射システム1に組み込んだ(搭載した)状態でのX軸、Y軸、及びZ軸を意味する。また、インク噴射システム1の使用姿勢における各構成部品やユニットの姿勢を、それらの構成部品やユニットの使用姿勢と呼ぶ。そして、以下において、インク噴射システム1や、その構成部品、ユニット等の説明では、特にことわりがないときには、それぞれの使用姿勢での説明とする。
Z軸は、XY平面に直交する軸である。インク噴射システム1の使用状態において、Z軸方向が鉛直上方向となる。そして、インク噴射システム1の使用状態では、図1において、−Z軸方向が鉛直下方向である。なお、XYZ軸のそれぞれにおいて、矢印の向きが+(正)の方向を示し、矢印の向きとは反対の向きが−(負)の方向を示している。
プリンター3において、記録部6と、制御部9とは、筐体11に収容されている。記録部6は、搬送装置(図示せず)でY軸方向に搬送される記録媒体Pに、液体の一例であるインクで記録を行う。なお、図示しない搬送装置は、記録用紙などの記録媒体Pを、Y軸方向に間欠的に搬送する。記録部6は、移動装置(図示せず)によって、X軸に沿って往復移動可能に構成されている。インク供給装置4は、記録部6にインクを供給する。制御部9は、上記の各構成の駆動を制御する。
ここで、X軸に沿う方向は、X軸と完全に平行な方向に限定されず、X軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。同様に、Y軸に沿う方向は、Y軸と完全に平行な方向に限定されず、Y軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。Z軸に沿う方向は、Z軸と完全に平行な方向に限定されず、Z軸に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。つまり、任意の軸や面に沿う方向は、これらの任意の軸や面に完全に平行な方向に限定されず、これらの任意の軸や面に直交する方向を除いて、誤差や公差等により傾いた方向も含む。
記録部6は、キャリッジ17と、記録ヘッド19と、を備えている。記録ヘッド19は、インク噴射部の一例であり、インクをインク滴として吐出して、記録媒体Pに記録を行う。キャリッジ17は、記録ヘッド19を搭載している。なお、記録ヘッド19は、制御部9に電気的に接続されている。記録ヘッド19からのインク滴の吐出は、制御部9によって制御される。
タンクユニットの一例であるインク供給装置4は、図1に示すように、インク供給ユニットの一例であるタンク31を有している。本実施形態では、インク供給装置4が、複数の(本実施形態では4つの)タンク31を有している。複数のタンク31は、筐体32の内部に収容されている。これにより、タンク31を筐体32で保護することができる。なお、筐体32と筐体11とは、互いに別体であっても一体であってもよい。筐体32と筐体11とが一体である場合、複数のタンク31は、記録ヘッド19やインク供給チューブ34とともに筐体11の内部に収容される、ということができる。
タンク31には、インクが収容されている。タンク31には、インク注入部33が形成されている。タンク31では、インク注入部33を介してタンク31の外部からタンク31の内部にインクを注入することができる。なお、作業者は、筐体32の外側からタンク31のインク注入部33にアクセスすることができる。また、インク注入部33は、蓋(図示せず)で封止されている。タンク31にインクを注入するとき、蓋を開けてインク注入部33を開放してからインクが注入される。
各タンク31には、インク供給チューブ34が接続される。タンク31内のインクは、インク供給装置4からインク供給チューブ34を介して記録ヘッド19に供給される。そして、記録ヘッド19に供給されたインクが、記録媒体P側に向けられたノズル(図示せず)からインク滴として吐出される。なお、上記の例では、プリンター3とインク供給装置4とを個別の構成として説明したが、インク供給装置4をプリンター3の構成に含めることもできる。
上記の構成を有するインク噴射システム1では、記録媒体PをY軸方向に搬送させ、且つキャリッジ17をX軸に沿って往復移動させながら、記録ヘッド19に所定の位置でインク滴を吐出させることによって、記録媒体Pに記録が行われる。これらの動作は、制御部9によって制御される。
インクは、水性インクと油性インクのいずれか一方に限定されるものではない。また、水性インクとしては、水性溶媒に染料などの溶質が溶解した構成を有するもの、水性分散媒に顔料などの分散質が分散した構成を有するもののいずれでもよい。また、油性インクとしては、油性溶媒に染料などの溶質が溶解した構成を有するもの、油性分散媒に顔料などの分散質が分散した構成を有するもののいずれでもよい。
本実施形態では、タンク31へのインクの注入にボトルセットが活用され得る。以下に、ボトルセットの種々の実施例を説明する。
(実施例1)
実施例1のボトルセットについて説明する。タンク31へのインクの注入に、図2に示す実施例1のボトルセット35が活用され得る。実施例1のボトルセット35には、タンク31へ注入するためのインクが収容されている。ボトルセット35は、ボトル41と、蓋部材42と、を含む。蓋部材42は、図3に示すように、ボトル41に対して着脱可能に構成されている。ボトル41は、インク収容部43と、ノズル部44と、を含む。インク収容部43は、インクを収容可能な部分である。ノズル部44は、インク収容部43内のインクをボトル41の外に流出可能な部分である。
蓋部材42は、ボトル41に装着された状態でノズル部44を被覆可能に構成されている。ノズル部44は、蓋部材42をボトル41に装着したときに、蓋部材42によって被覆される部分であるとも定義される。ノズル部44には、後述する流出口が形成されている。インク収容部43内のインクはノズル部44の流出口からボトル41の外に流出する。蓋部材42は、ボトル41に装着された状態でノズル部44の流出口を被覆可能に構成されている。なお、ボトルセット35において、ボトル41に蓋部材42を装着した状態(図2)は、被覆状態と呼ばれる。被覆状態は、蓋部材42をボトル41に装着し蓋部材42で流出口を被覆した状態である。
なお、蓋部材42は、図3に示すように、ノズル部44に形成されたねじ46を介してノズル部44に係合され得る。つまり、本実施形態では、蓋部材42は、ねじ46を介した係合によってボトル41に装着可能に構成されている。なお、蓋部材42には、ノズル部44のねじ46に係合可能なねじ(後述する)が形成されている。蓋部材42のねじとノズル部44のねじ46とが係合することによって、蓋部材42がボトル41に装着され得る。
本実施形態では、ボトル41は、図4に示すように、容器部材47と、ノズル部材48と、を含む。本実施形態では、容器部材47とノズル部材48とを1つに組み合わせることによってボトル41が構成されている。容器部材47とノズル部材48とは、ねじ49を介した係合によって1つのボトル41として組み合わされる。なお、ノズル部材48には、容器部材47のねじ49に係合可能なねじ(後述する)が形成されている。ノズル部材48のねじと容器部材47のねじ49とが係合することによって、容器部材47とノズル部材48とが、1つのボトル41として組み合わされている。
なお、ボトル41を構成する部品の個数は、容器部材47とノズル部材48との2つに限定されない。ボトル41を構成する部品の個数は、3つや、3つを超える個数も採用され得る。また、ボトル41を構成する部品の個数は、1つも採用され得る。1つの部品でボトル41を構成する場合、例えば、樹脂の一体成形などで部品を形成することができる。
実施例1のボトルセット35は、図5に示すように、容器部材47と、ノズル部材48と、蓋部材42と、を含む。ボトルセット35において、容器部材47と、ノズル部材48とが、図6に示すように、ボトル41を構成する。なお、図6では、ボトル41を図5中のA−A線で切断したときの断面が図示されている。
容器部材47は、インクを収容可能に構成されている。容器部材47とノズル部材48とは、互いに別体で構成されている。ノズル部材48には、ねじ51が形成されている。容器部材47とノズル部材48とは、容器部材47のねじ49とノズル部材48のねじ51とによって、互いに係合可能に構成されている。また、容器部材47とノズル部材48とは、互いに着脱可能に構成されている。容器部材47に対してノズル部材48を相対的に捻る(回す)ことによって、容器部材47からノズル部材48を外すことができる。
インクは容器部材47内に収容されている。容器部材47は、弾性を有する材料で構成されており、図6に示すように、筒状の胴部52と、筒状の係合部53と、開口部54と、を有している。容器部材47の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂が採用され得る。胴部52と係合部53とは、互いに一体に形成されている。胴部52は、係合部53のノズル部材48側とは反対側に位置している。係合部53は、胴部52のノズル部材48側に位置している。係合部53は、胴部52よりも細く形成されている。係合部53の外側の側部53Aにねじ49が形成されている。ねじ49は、側部53Aから突出して設けられている。開口部54は、係合部53の胴部52側とは反対側の端部53Bに形成されている。開口部54は、ノズル部材48側に向かって開口している。
ノズル部材48は、図6に示すように、結合部55と、ノズル部44とに区分され得る。結合部55とノズル部44とは、相互に一体的に形成されている。ノズル部材48の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂が採用され得る。結合部55は、筒状の外観を有している。結合部55の内側の側面に、ねじ51が設けられている。結合部55は、ねじ51によって容器部材47に係合される部位である。結合部55の内径は、容器部材47の係合部53の外径よりも広く構成されている。結合部55の内側にねじ51が形成されており、容器部材47の係合部53の外側にねじ49が形成されている。そして、結合部55の内側のねじ51が係合部53の外側のねじ49に係合することによって、ノズル部材48と容器部材47とが係合する。ノズル部材48と容器部材47とが係合した状態で、ノズル部材48の結合部55が、容器部材47の係合部53を覆う。
ノズル部44は、結合部55から容器部材47側とは反対側に突出している。ノズル部44は、管状の形態を有している。ノズル部44の内側には、導出流路57が形成されている。導出流路57は、開口部54側から結合部55側に向かってノズル部材48を平面視したとき、開口部54の領域に重なる領域に設けられている。導出流路57は、ノズル部44において、平面視で開口部54の領域に重なる中空の領域である。ノズル部44の結合部55側とは反対側の端部58には、流出口59が形成されている。流出口59は、ノズル部44の結合部55側とは反対側に向かって開口している。流出口59は、端部58に開口されている。このため、端部58は、流出口59を囲んでいる。流出口59は、導出流路57の終端に位置する。
容器部材47に収容されたインクは、ノズル部44の導出流路57を経て流出口59から外部に流出可能である。この結果、容器部材47内のインクは、開口部54から導出流路57を経て流出口59から容器部材47外に流出し得る。利用者がボトル41内のインクをタンク31に注入するとき、流出口59がタンク31のインク注入部33内に挿入される。そして、利用者は、容器部材47内のインクをインク注入部33からタンク31内に注入する。なお、利用者がボトル41内のインクをタンク31に注入するとき、利用者は、蓋部材42(図5)をボトル41から外してから注入作業を実施する。
ノズル部44は、図6に示すように、係合部61を含む。係合部61は、筒状の外観を有しており、ノズル部44において結合部55側に位置している。係合部61は、結合部55よりも細く形成されている。係合部61の外側の側部61Aにねじ46が形成されている。ねじ46は、側部61Aから突出して設けられている。ノズル部44において、係合部61の結合部55側とは反対側の部分は、係合部61よりも細く形成されている。なお、本実施例では、導出流路57は、流出口59に向かって細くなっている。
蓋部材42は、弾性を有する材料で構成されており、断面図である図7に示すように、筒状の胴部62と、板状の天板部63とに区分され得る。なお、図7では、蓋部材42を図5中のA−A線で切断したときの断面が図示されている。蓋部材42の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂が採用され得る。本実施例では、蓋部材42は、樹脂材料の射出成形によって形成されている。
胴部62と天板部63とは、互いに一体に形成されている。図5に示すように、ボトルセット35において、蓋部材42の胴部62は、ノズル部材48側に位置する。図7に示すように、天板部63は、胴部62の一端部に位置している。本実施例では、天板部63は、胴部62のノズル部材48側とは反対側に位置する。天板部63は、筒状の胴部62の一端を塞いでいる。
胴部62の内側の側面には、ねじ64が設けられている。胴部62は、ねじ64によってノズル部材48(図6)に係合される部位である。ねじ64は、胴部62のうち天板部63よりも端部66に近い位置に設けられている。胴部62の内径は、ノズル部材48の係合部61の外径よりも広く構成されている。胴部62の内側にねじ64が形成されており、ノズル部材48の係合部61の外側にねじ46が形成されている。そして、胴部62の内側のねじ64がノズル部材48の係合部61の外側のねじ46に係合することによって、蓋部材42とノズル部材48とが係合する。蓋部材42とノズル部材48とが係合した状態で、蓋部材42が、ノズル部材48のノズル部44を覆う。つまり、蓋部材42とノズル部材48とが係合した状態が被覆状態である。本実施例では、ノズル部材48において、ねじ46の結合部55側とは反対側の部分がノズル部44であるとも定義され得る。
ここで、図3に示すように、ボトル41においてインク収容部43は、水平面67に載置可能な底部68を有している。インク収容部43の底部68を水平面67に載置したとき、ボトル41において、流出口59は、底部68と反対側の端部58に位置する。また、蓋部材42は、天面部63Aを有している。図7に示すように、天面部63Aは、天板部63のうち胴部62側とは反対方向に向く面である。ボトルセット35の被覆状態において、図3に示すように、天面部63Aは、水平面67に載置された底部68側とは反対方向、すなわち上方を向く。なお、天面部63Aは、平坦な面に限定されず、種々の凹凸(後述する頂部91に限らず)を有する面も含む。
なお、水平面67は、実質的に水平な面であればよい。実質的な水平には、例えば、インク噴射システム1の使用に推奨される面の傾斜範囲内での傾斜が含まれる。このようなことから、実質的な水平面67は、例えば、高精度に形成された定盤などの面に限定されない。実質的な水平面67には、例えば、インク噴射システム1が使用に際して載置される机や、台、棚、床などの種々の面が含まれる。また、鉛直方向は、厳密に重力方向に沿った距離に限定されず、実質的な水平面67に対する垂直方向も含まれる。このため、実質的な水平面67が、例えば、机や、台、棚、床などの面であるときには、鉛直方向は、これらの面に対する垂直方向を指す。
ここで、蓋部材42の天板部63には、図7に示すように、栓部71が設けられている。栓部71は、シール部の一例であり、天板部63のノズル部材48(図5)側、すなわち天板部63の天面部63Aとは反対側に設けられている。栓部71は、天板部63からノズル部材48(図5)側に向かって突出している。栓部71は、天板部63の中央の領域に設けられている。蓋部材42をボトル41に装着したとき、栓部71は、ノズル部44の流出口59に対面する位置に設けられている。
本実施例では、図7に示すように、胴部62の端部66から栓部71の端部72までの距離(深さ)が、ノズル部44(図6)の結合部55の端部77からノズル部44の端部58までの距離よりも短い(浅い)。つまり、ボトル41に蓋部材42を装着したときに、図8に示すように、栓部71が流出口59から導出流路57内に進入する設定になっている。また、栓部71の太さは、流出口59の内径よりも太い。このため、ボトル41に蓋部材42を装着すると、ノズル部44の流出口59が栓部71によって閉塞される。
これにより、流出口59を封止することができる。このため、容器部材47内のインクをタンク31に注入しきれずに、インクが容器部材47内に余った場合などに、蓋部材42で流出口59を塞いだ状態でインクをボトル41内に保管することができる。これにより、開封後の容器部材47内の気密性を高めた状態でインクを保管することができる。この結果、ボトル41内のインクの液体成分が蒸発してしまったり、インクが劣化してしまったりすることを低く抑えることができる。本実施例では、ノズル部44の流出口59を封止する栓部71が蓋部材42に一体で形成されている。このため、このボトルセット35では、ノズル部44の流出口59を蓋部材42で封止することができる。これにより、蓋部材42に他の部材を付加して流出口59を封止する構成に比較して、部品数を低減することができる。
なお、ボトル41において、容器部材47の端部53Bとノズル部材48との間に、シール部材78を介在させる構成も採用され得る。シール部材78には、開口部79が形成されている。容器部材47内のインクは、シール部材78の開口部79を通ってから導出流路57に流出可能である。この構成によれば、容器部材47の端部53Bとノズル部材48との間にシール部材78が挟持されるので、容器部材47とノズル部材48との間からインクが漏れることを低く抑えることができる。なお、シール部材78の材料としては、例えば、ポリエチレンの発泡材や、ゴムやエラストマーなどの弾性材等、種々の材料が採用され得る。
ボトルセット35では、図2に示すように、被覆状態でボトルセット35の底部68を水平面67に載置したとき、ボトルセット35の頂部91が、蓋部材42の天面部63Aよりも上方に位置する。つまり、ボトルセット35では、底部68を水平面67に載置したとき、底部68から頂部91までの鉛直距離が、底部68から天面部63Aまでの鉛直距離よりも長い。頂部91は、底部68を水平面67に載置したときのボトルセット35において、最も高い位置に位置する部分である。なお、ボトルセット35において、ボトルセット35の頂部91は、蓋部材42に位置している。このため、ボトルセット35の頂部91は、蓋部材42の頂部91でもある。
ここで、蓋部材42は、図7に示すように、凸部92を有している。凸部92は、天面部63Aに設けられている。凸部92は、天面部63Aから胴部62側と反対方向、すなわち天面部63Aから上方に突出している。そして、底部68(図2)を水平面67に載置したときのボトルセット35において、頂部91は、凸部92に位置している。蓋部材42において、凸部92は、図7に示すように、蓋部材42の中心軸CL1からずれた位置に位置している。つまり、凸部92は、蓋部材42の中心軸CL1に交差しない位置に位置している。このため、頂部91も、蓋部材42の中心軸CL1からずれた位置、すなわち蓋部材42の中心軸CL1に交差しない位置に位置している。中心軸CL1は、筒状の胴部62の内側の直径の中心を貫く軸である。
上記の構成により、蓋部材42を上方から水平面67に向かって平面視したとき、図9に示すように、凸部92は、蓋部材42の中心CP1からずれた位置に位置している。つまり、凸部92は、蓋部材42の中心CP1に重ならない位置に位置している。このため、頂部91も、蓋部材42の中心CP1からずれた位置、すなわち蓋部材42の中心CP1に重ならない位置に位置している。つまり、ボトルセット35の底部68を水平面67に載置したとき、蓋部材42の頂部91が、蓋部材42を平面視したときの蓋部材42の中心CP1からずれている。中心CP1は、蓋部材42の中心軸CL1が天面部63Aに交差する位置である。つまり、中心CP1は、中心軸CL1と天面部63Aとが交わる点である。
上記の構成により、ボトルセット35では、被覆状態でボトルセット35の底部68を水平面67に載置して蓋部材42を平面視したとき、頂部91が蓋部材42の中心CP1からずれている。このため、蓋部材42を水平面67に向けてボトルセット35を水平面67に倒置しようとしても、倒置したときのボトルセット35の姿勢(以下、倒置姿勢と呼ぶ)が不安定になる。このため、蓋部材42を水平面67に向けてボトルセット35を水平面67に倒置しようとしても、ボトルセット35が倒れやすい。作業者は、安定した姿勢を求めて、ボトルセット35の底部68を水平面67に載置する姿勢(以下、正置姿勢と呼ぶ)に置きやすい。つまり、ボトルセット35の姿勢を正置姿勢に誘導しやすい。このため、ボトルセット35が倒置されることを避けやすい。
なお、ボトルセット35において、蓋部材42を平面視したとき、頂部91が蓋部材42の中心CP1に重なっている構成も採用され得る。この構成においても、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置しようとしたときに、頂部91によってボトルセット35の姿勢が不安定になる。このため、蓋部材42を水平面67に向けてボトルセット35を水平面67に倒置しようとしても、ボトルセット35が倒れやすい。これにより、ボトルセット35が倒置されることを避けやすいので、インクの漏れが発生することを低く抑えることができる。
ボトルセット35の倒置姿勢では、栓部71にインクによる圧力が作用する。このような状態は、インクの漏れが発生しやすくなる観点から好ましくない。このようなことに対して、本実施例のボトルセット35では、正置姿勢に誘導しやすいので、栓部71に作用する圧力を低く抑えることができ、インクの漏れが発生することを低く抑えることができる。なお、ボトルセット35において、容器部材47の胴部52(図6)を水平面67に載置する姿勢(以下、横置姿勢と呼ぶ)であれば、倒置姿勢に比較して、栓部71に作用するインクの圧力が軽減される。このため、正置姿勢に限定されず、横置姿勢でもインクの漏れが発生することを低く抑えることができる。よって、正置姿勢に誘導することができなくても、ボトルセット35が倒置姿勢から横置姿勢に倒れやすい効果が得られれば、インクの漏れが発生することを低く抑えることができる。例えば、蓋部材42のねじ64(図7)と、ノズル部材48のねじ46(図6)との係合が緩んでいることによって、栓部71による流出口59の閉塞が緩んでいるときに、倒置姿勢では、インクが流出口59から漏れ出ることがある。これに対して、栓部71による流出口59の閉塞が緩んでいるときでも、横置姿勢であれば、インクが流出口59から漏れ出ることを防止できる。
また、ボトルセット35では、頂部91が凸部92に位置するので、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置しようとしたときに、凸部92によってボトルセット35の姿勢が不安定になる。このため、蓋部材42を水平面67に向けてボトルセット35を水平面67に倒置しようとしても、ボトルセット35が倒れやすい。これにより、ボトルセット35が倒置されることを避けやすいので、インクの漏れが発生することを低く抑えることができる。
また、ボトルセット35では、蓋部材42を平面視したとき、頂部91が蓋部材42の中心CP1からずれている。また、ボトルセット35が中心軸CL1に対して略回転対称の形態を有するので、ボトルセット35の重心は、中心軸CL1上に位置する。このため、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置すると、ボトルセット35が一定の向きに傾きやすい。これは、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置すると、図9に示すように、天面部63Aを区画する縁93のうち頂部91から最遠の位置94が水平面67に接地しやすいためである。つまり、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置すると、凸部92と位置94とが常に接地しやすいため、ボトルセット35が一定の向きに傾きやすい。これにより、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置したときに、ボトルセット35が倒れやすい方向を定めやすい。
また、ボトルセット35では、図10に示すように、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置したときに、ボトルセット35の重心95が領域96よりも外側に位置する。領域96は、凸部92のうち水平面67に接する第1部分97と、天面部63Aのうち水平面67に接する第2部分98との間の領域である。この構成によれば、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置しても、ボトルセット35が倒れる。つまり、この構成では、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置しても、ボトルセット35は、倒置姿勢で自立することができない。なお、ボトルセット35が中心軸CL1に対して略回転対称の形態を有するので、ボトルセット35の重心95は、中心軸CL1上に位置する。
また、ボトルセット35では、蓋部材42を平面視したとき(図9)、頂部91が蓋部材42の中心CP1からずれているので、頂部91から最遠の位置94が第2部分98となる。
しかし、最遠の位置94が第2部分98となる構成に限定されず、縁93のうち頂部91から最も近い位置が第2部分98となる構成であっても、第2部分98よりも外側に重心95が位置すればボトルセット35は、倒置姿勢で自立することができない。このため、第1部分97と最遠の位置94との間に重心95が位置していても、縁93のうち頂部91から最も近い位置を第2部分98として、第2部分98と第1部分97との間の領域から重心95の位置が外れている構成も採用され得る。この構成においても、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置したときに、ボトルセット35が倒れやすい。
すなわち、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置して蓋部材42を平面視したときに、凸部92のうち水平面67に接する第1部分97と、天面部63Aのうち水平面67に接する第2部分98との間の領域よりも外側に、ボトルセット35の重心95が位置する構成であればよい。
また、ボトルセット35では、図11に示すように、ボトル41から取り外した蓋部材42を倒置姿勢で水平面67に載置したときに、蓋部材42の重心101が領域96の内側に位置する。この構成によれば、ボトル41から取り外した蓋部材42を倒置姿勢で水平面67に載置したとき、蓋部材42が水平面67に自立する。つまり、ボトル41から取り外した蓋部材42を倒置姿勢で水平面67に載置したとき、蓋部材42が水平面67に倒置可能となる。これにより、例えば、蓋部材42の内側や栓部71(図7)にインクが付着している場合に、蓋部材42を倒置することによって蓋部材42に付着しているインクが蓋部材42の他に拡散することを防止しやすい。なお、蓋部材42が中心軸CL1に対して略回転対称の形態を有するので、蓋部材42の重心101は、中心軸CL1上に位置する。
また、蓋部材42には、図12に示すように、胴部62の外周部103に、蓋部材42から外側に向かって凸となるリブ104が設けられている。本実施例では、複数のリブ104が設けられている。リブ104は、外周部103から胴部62の外側に向かって突出している。リブ104は、胴部62の端部66から天板部63に向かう方向に延在している。この構成によれば、例えば、胴部62を床や机上に載置したときに、リブ104が面に引っ掛かりやすいので、蓋部材42を転がりにくくすることができる。また、例えば、作業者が蓋部材42を手指でつまんで蓋部材42を回転させるときに、リブ104が手指に引っ掛かりやすいので、滑り止めや手掛け部としての効果も得られる。
(実施例2)
実施例2のボトルセット35について説明する。実施例2において、実施例1と同一の構成や、実施例1と同様の機能を有する構成については、実施例1と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。実施例2のボトルセット35では、図13に示すように、蓋部材42の天面部63Aが曲面111で構成されている。そして、頂部91は、曲面111内に位置している。実施例2のボトルセット35では、被覆状態で、蓋部材42の頂部91が曲面111内に位置するので、図14に示すように、蓋部材42を水平面67に向けてボトルセット35を倒置しようとしても、ボトルセット35が倒れやすい。このため、ボトルセット35が倒置されることを避けやすい。なお、曲面111としては、段差や凹凸を含む曲面111も採用され得る。また、曲面111の少なくとも一部に凹部や孔などが形成されていてもよい。なお、曲面111内とは、曲面111の端部113で区画される面内を指す。
実施例2のボトルセット35では、被覆状態でボトルセット35の底部68を水平面67に載置して蓋部材42を平面視したとき、頂部91が蓋部材42の中心CP1に重なっている。しかしながら、頂部91が曲面111内に位置しているので、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置しようとしたときに、頂部91によってボトルセット35の姿勢が不安定になる。このため、蓋部材42を水平面67に向けてボトルセット35を水平面67に倒置しようとしても、ボトルセット35が倒れやすい。これにより、ボトルセット35が倒置されることを避けやすいので、インクの漏れが発生することを低く抑えることができる。
なお、実施例2のボトルセット35において、蓋部材42を平面視したとき、頂部91が蓋部材42の中心CP1からずれている構成も採用され得る。この構成においても、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置しようとしたときに、ボトルセット35の姿勢が不安定になる。このため、蓋部材42を水平面67に向けてボトルセット35を水平面67に倒置しようとしても、ボトルセット35が倒れやすい。これにより、ボトルセット35が倒置されることを避けやすいので、インクの漏れが発生することを低く抑えることができる。
また、実施例2のボトルセット35において、曲面111として球面が採用されている。球面は、厳密な球面に限定されず、公差や誤差の範囲内で凹凸などを含んでいてもよい。この構成によれば、曲面111が球面であるので、ボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に載置しようとしたときに、球面によってボトルセット35の姿勢が一層不安定になる。このため、蓋部材42を水平面67に向けてボトルセット35を水平面67に倒置しようとしても、ボトルセット35が倒れやすく、ボトルセット35を一層倒置しにくい。
実施例2のボトルセット35では、被覆状態でのボトルセット35の重心112が、図14に示すように、球面である曲面111によって囲まれる領域よりも外側に位置する。これにより、蓋部材42を水平面67に向けてボトルセット35を倒置しようとしたときに、ボトルセット35の姿勢が不安定になるので、ボトルセット35が倒れやすい。ここで、球面によって囲まれる領域とは、曲面111を区画する端部113を通る仮想面114と曲面111とによって囲まれる領域を指す。この構成によれば、実施例2のボトルセット35を倒置姿勢で水平面67に自立させることが極めて困難となる。このため、蓋部材42を水平面67に向けてボトルセット35を倒置しようとしたときに、ボトルセット35が倒れやすい。
また、実施例2のボトルセット35では、図15に示すように、蓋部材42の重心115が、球面である曲面111によって囲まれる領域の内側に位置する。この構成によれば、ボトル41から取り外した蓋部材42を倒置姿勢で水平面67に載置したとき、蓋部材42が水平面67に自立する。つまり、ボトル41から取り外した蓋部材42を倒置姿勢で水平面67に載置したとき、蓋部材42が水平面67に倒置可能となる。これにより、例えば、蓋部材42の内側や栓部71(図7)にインクが付着している場合に、蓋部材42を倒置することによって蓋部材42に付着しているインクが蓋部材42の他に拡散することを防止しやすい。なお、蓋部材42が中心軸CL1に対して略回転対称の形態を有するので、蓋部材42の重心115は、中心軸CL1上に位置する。
また、実施例2のボトルセット35では、蓋部材42の重心115が、球面である曲面111によって囲まれる領域の内側に位置するので、蓋部材42を倒置姿勢から傾けても倒置姿勢が保たれる。つまり、実施例2のボトルセット35では、蓋部材42を倒置姿勢から横置姿勢に向かって傾けても、倒置姿勢を維持しようとする復元力が働く。これにより、実施例2のボトルセット35では、蓋部材42が倒置姿勢から横置姿勢に変化しにくい。このため、実施例2のボトルセット35では、蓋部材42が倒置姿勢から倒れにくいので、蓋部材42に付着しているインクが蓋部材42の他に拡散することを一層防止しやすい。
また、実施例2における蓋部材42においても、胴部62にリブ104が設けられている。このため、実施例2における蓋部材42においても、例えば、胴部62を床や机上に載置したときに、リブ104が面に引っ掛かりやすいので、蓋部材42を転がりにくくすることができる。また、例えば、作業者が蓋部材42を手指でつまんで蓋部材42を回転させるときに、リブ104が手指に引っ掛かりやすいので、滑り止めや手掛け部としての効果も得られる。
(実施例3)
上記実施例2の蓋部材42では、曲面111が、半球よりも小さい球の球面で構成されている。しかしながら、曲面111の構成は、これに限定されない。曲面111としては、例えば、図16に示すように、半球よりも大きい球の球面で構成することもできる。図16に示す蓋部材42の構成を実施例3とする。実施例3においても実施例2と同様の効果が得られる。
実施例3では、被覆状態でのボトルセット35の重心112(図14)が、図16に示す頂部91を起点とする半球116の領域よりも外側に位置する構成が採用され得る。この構成により、蓋部材42を水平面67に向けてボトルセット35を倒置しようとしたときに、ボトルセット35の姿勢が不安定になるので、ボトルセット35が倒れやすい。また、実施例3では、ボトル41から取り外した蓋部材42の重心115(図15)が、図16に示す半球116の領域の内側に位置する構成が採用され得る。この構成により、ボトル41から取り外した蓋部材42を倒置姿勢で水平面67に載置したとき、蓋部材42の倒置姿勢が維持され得る。半球116の領域の内側とは、球の最大直径の外周117で区画される領域のうち頂部91を含む領域内を指す。
(実施例4)
実施例4の蓋部材42について説明する。実施例4の蓋部材42では、図17に示すように、曲面111が円柱面で構成されている。実施例4では、頂部91が線状に一連している。実施例4においても実施例2と同様の効果が得られる。
実施例4では、被覆状態でのボトルセット35の重心112(図14)が、図17に示す円柱面によって囲まれる領域よりも外側に位置する構成が採用され得る。この構成により、蓋部材42を水平面67に向けてボトルセット35を倒置しようとしたときに、ボトルセット35の姿勢が不安定になるので、ボトルセット35が倒れやすい。また、実施例4では、ボトル41から取り外した蓋部材42の重心115(図15)が、図17に示す円柱面によって囲まれる領域の内側に位置する構成が採用され得る。この構成により、ボトル41から取り外した蓋部材42を倒置姿勢で水平面67に載置したとき、蓋部材42の倒置姿勢が維持され得る。円柱面によって囲まれる領域の内側とは、円柱面を区画する端部118で区画された領域内を指す。
上記各実施形態や各実施例において、インク噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したり塗布したりして消費する液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置で消費させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては、上記各実施形態で説明したようなインクの他、液晶等も挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
なお、本発明は、上述の実施形態や実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。