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JP6873744B2 - ゴム組成物、及びこれを用いたタイヤ - Google Patents

ゴム組成物、及びこれを用いたタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、ゴム組成物、及びこれを用いたタイヤに関する。
近年、省資源、省エネルギー、及び環境保護の観点から、二酸化炭素を始めとした排出ガスの規制が厳しくなっており、自動車に対する低燃費化に対する要求が非常に高まっている。そこで、自動車共通の課題として、タイヤの転がり抵抗を改善することにより低燃費性を向上させることが求められている。
タイヤの転がり抵抗を低減する手法としては、発熱性の低いゴム組成物をタイヤに適用することが知られている。このような低発熱性のゴム組成物としては、例えば、(1)充填材であるカーボンブラック及びシリカとの親和性を高めた官能化重合体を含むゴム組成物(特許文献1);(2)ジエンエラストマー、補強フィラーとしての無機フィラー、カップリング剤としての多硫化アルコキシシラン、1,2−ジヒドロピリジン、及びグアニジン誘導体を含むゴム組成物(特許文献2);(3)ゴム成分、アミノピリジン誘導体及び無機充填材を含むゴム組成物(特許文献3);(4)末端変性ポリマー及び無機フィラーを含むゴム組成物(特許文献4及び5)等が挙げられる。
これら特許文献1〜5に記載されている発明によれば、充填材とゴム成分との親和性を高めることにより、ゴム組成物の発熱性を低くすることができ、その結果、ヒステリシスロス(転がり抵抗性)の低いタイヤを得ることができる。
しかしながら、これら特許文献1〜5のゴム組成物を用いても、発熱性の低減効果は不十分であり、満足できる低燃費性能を有するタイヤは得られなかった。
ところで、下記式(i)で表されるジヒドロテトラジン誘導体をゴム組成物に添加して使用することが報告されている(特許文献6)。
Figure 0006873744
[式中、Rはアルキル基、アリール基、アルアルキル基を表し、R’、R”は水素原子又はアリール基を表す。]
特許文献6には、これらジヒドロテトラジン誘導体がゴム組成物の酸化による変質、老化等を防止するという効果を有していることについて記載されているものの、発熱を抑制又は防止するという低発熱化に関する効果については一切記載されていない。事実、これらテトラジン誘導体には、ゴム組成物を低発熱化する効果はほとんど認められない(後記比較例参照)。
このように、自動車の低燃費化の要望は、一段と高まっているが、満足できる低燃費性能を有するタイヤは得られておらず、低発熱性に極めて優れたタイヤの開発が熱望されている。
特開2003−514079号公報 特表2003−523472号公報 特開2013−108004号公報 特開2000−169631号公報 特開2005−220323号公報 特開昭49−47439号公報
本発明の目的は、低発熱性を発現し得るゴム組成物を提供することである。
本発明の他の目的の一つは、低発熱性に優れたタイヤを提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のジヒドロテトラジン系化合物と酸化剤とを含むゴム組成物が一段と優れた低発熱性を発現することを発見した。本発明者らは、かかる知見に基づき、さらに検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に示す、ゴム組成物、該ゴム組成物の製造方法、及びタイヤを提供する。
項1.ゴム成分、下記一般式(1)で表されるジヒドロテトラジン化合物又はその塩、酸化剤、並びにカーボンブラック及び/又は無機充填材を含む、ゴム組成物。
Figure 0006873744
[式中、X及びXは、同一又は異なって、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アミド基、又は置換基を有することのある複素環基を示す。]
項2.ジヒドロテトラジン化合物が、一般式(1)において、X及びXが、置換基を有することのある複素環基を示すジヒドロテトラジン化合物である項1に記載のゴム組成物。
項3.ゴム成分100質量部に対して、一般式(1)で表されるジヒドロテトラジン化合物又はその塩0.1〜10質量部、カーボンブラック及び/又は無機充填材をその合計量で20〜150質量部を含み、一般式(1)で表されるジヒドロテトラジン化合物又はその塩1モルに対して0.1〜30モルの酸化剤を含むゴム組成物。
項4.酸化剤が、酸素、オゾン、ハロゲン、ハロゲンオキソ酸及びその塩、過酸化物、超原子価ヨウ素化合物、金属酸化物、クロム酸化合物、過硫酸化合物、金属錯体化合物、ニトロキシラジカル化合物、N−ハロゲンイミド化合物、N−オキシド化合物、キノン化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、及び亜硝酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜3のいずれか一項に記載のゴム組成物。
項5.ゴム成分がジエン系ゴムである項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物。
項6.ゴム成分が、ジエン系ゴムを50質量%以上含有する、項1〜5のいずれか一項に記載のゴム組成物。
項7.ゴム成分が、ジエン系ゴムを70質量%以上含有する、項1〜6のいずれか一項に記載のゴム組成物。
項8.トレッド部、サイドウォール部、ビードエリア部、ベルト部、カーカス部及びショルダー部から選ばれる少なくとも一つの部材に用いられる、項1〜7のいずれか一項に記載のゴム組成物。
項9.トレッド部及びサイドウォール部からなる群から選ばれる少なくとも一つの部材に用いられる、項1〜7のいずれか一項に記載のゴム組成物。
項10.トレッド部の部材に用いられる、項1〜7のいずれか一項に記載のゴム組成物。
項11.項1〜10のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いて作製されたタイヤ。
項12.ゴム成分、一般式(1)で表されるジヒドロテトラジン化合物又はその塩、酸化剤、及び無機充填材及び/又はカーボンブラックを含む原料成分を混合する工程(A)、並びに
工程(A)で得られる混合物、及び加硫剤を混合する工程(B)を含む、ゴム組成物の製造方法。
項13.工程(A)が、ゴム成分、一般式(1)で表されるジヒドロテトラジン化合物又はその塩、及び酸化剤を混合する工程(A−1)、並びに
工程(A−1)で得られた混合物、及び無機充填材及び/又はカーボンブラックを混合する工程(A−2)である、項12に記載の製造方法。
本発明は、低発熱性を発現し得るゴム組成物を提供することができる。
本発明は、低発熱性を発現し得るゴム組成物を用いてタイヤを作製することで、タイヤの転がり抵抗を小さくし、かつタイヤの発熱性を低くすることができることから、低燃費タイヤを提供することができる。また、シリカが高充填されたゴム組成物においても高い低発熱性を示すことから、高い操縦安定性能を有する低燃費タイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
1.ゴム組成物
本発明のゴム組成物は、ゴム成分、式(1)で表されるジヒドロテトラジン化合物又はその塩(以下、「ジヒドロテトラジン化合物(1)」ということがある。)、酸化剤、並びに無機充填材及び/又はカーボンブラックを含んでいる。
Figure 0006873744
[式中、X及びXは、同一又は異なって、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アミド基、又は置換基を有することのある複素環基を示す。]
本発明のゴム組成物中、ジヒドロテトラジン化合物(1)の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、通常0.1〜10質量部であり、好ましくは0.25〜5質量部であり 、より好ましくは0.5〜2質量部である。
酸化剤の配合量は、配合するジヒドロテトラジン化合物(1)で表される化合物1モルに対して、0.1〜30モルであることが好ましく、0.3〜20モルであることがより好ましく、0.5〜10モルであることが更に好ましい。
無機充填材の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、通常20〜150質量部であり、好ましくは30〜120質量部であり、より好ましくは40〜90質量部である。
カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、通常2〜150質量部であり、好ましくは4〜120質量部であり、より好ましくは6〜100質量部である。
なお、本発明のゴム組成物において、無機充填材及び/又はカーボンブラックは、両成分の合計量で、例えば、ゴム成分100質量部に対して、通常20〜150質量部、好ましくは40〜130質量部、より好ましくは45〜100質量部となるよう各成分を上記配合量の範囲内で適宜調整すればよい。
無機充填材及び/又はカーボンブラックの合計の配合量が、20質量部以上であれば、ゴム組成物の補強性向上の観点から好ましく、150質量部以下であれば、転がり抵抗低減の観点から好ましい。なお、無機充填材及び/又はカーボンブラックを配合するときは、予めポリマーと湿式または乾式で混合されたマスターバッチを用いてもよい。
上記無機充填材又はカーボンブラックは、通常、ゴムの補強性を向上させるために用いられる。なお、本明細書においては、無機充填材にカーボンブラックは含まれない。
ゴム成分
本発明のゴム組成物の作製に用いられるゴム成分としては、特に制限はなく、例えば、天然ゴム(NR)、合成ジエン系ゴム、及び天然ゴムと合成ジエン系ゴムとの混合物、並びにこれら以外の非ジエン系ゴムが挙げられるが、優れた低発熱性を発現し、維持するためには、ジエン系ゴムを含有していることが好ましい。
ジエン系ゴムの含有量は、好ましくはゴム成分中50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
天然ゴムとしては、天然ゴムラテックス、技術的格付けゴム(TSR)、スモークドシート(RSS)、ガタパーチャ、杜仲由来天然ゴム、グアユール由来天然ゴム、ロシアンタンポポ由来天然ゴム、植物成分発酵ゴムなどが挙げられ、さらにこれらの天然ゴムを変性した、エポキシ化天然ゴム、メタクリル酸変性天然ゴム、スチレン変性天然ゴム、スルホン酸変性天然ゴム、スルホン酸亜鉛変性天然ゴムなどの変性天然ゴムなども、本発明の天然ゴムに含まれる。
合成ジエン系ゴムとしては、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体(SBS)、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム(SPO)、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合ゴム等、及びこれらの変性合成ジエン系ゴムが挙げられる。変性合成ジエン系ゴムには、主鎖変性、片末端変性、両末端変性などの変性手法によるジエン系ゴムが包含される。ここで、変性合成ジエン系ゴムの変性官能基としては、エポキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基、水酸基などの各種官能基が挙げられ、これら官能基は1種又は2種以上が変性合成ジエン系ゴムに含まれていてもよい。
合成ジエン系ゴムの製造方法は、特に制限はなく、乳化重合、溶液重合、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などが挙げられる。また、合成ジエン系ゴムのガラス転移点においても、特に制限はない。
また、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムの二重結合部のシス/トランス/ビニルの比率は、特に制限はなく、いずれの比率においても好適に用いることができる。また、ジエン系ゴムの数平均分子量および分子量分布は、特に制限はないが、数平均分子量500〜3000000、分子量分布1.5〜15が好ましい。
非ジエン系ゴムとしては、公知のものを広く使用することができる。
ゴム成分は、1種単独で、又は2種以上を混合(ブレンド)して用いることができる。中でも、好ましいゴム成分としては、天然ゴム、IR、SBR、BR又はこれらから選ばれる2種以上の混合物であり、より好ましくは天然ゴム、SBR、BR又はこれらから選ばれる2種以上の混合物である。また、これらのブレンド比率は、特に制限はないが、ゴム成分100質量部中に、SBR、BR又はこれらの混合物を50〜100質量部の比率で配合することが好ましく、75〜100質量部で配合することが特に好ましい。SBR及びBRの混合物を配合する場合には、SBR及びBRの合計量が上記範囲であることが好ましい。また、このときのSBRは50〜100質量部であり、BRが0〜50質量部の範囲であるのが好ましい。
ジヒドロテトラジン化合物(1)
本発明のゴム組成物には、下記一般式(1)で表されるジヒドロテトラジン化合物又はその塩が配合される。
Figure 0006873744
[式中、X及びXは、同一又は異なって、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、アミド基、又は置換基を有することのある複素環基を示す。]
本明細書において、「アルコキシカルボニル基」としては、特に限定はなく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6(特に炭素数1〜4)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ−カルボニル基が挙げられる。
本明細書において、「アミド基」としては、特に限定はなく、例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基等のカルボン酸アミド基;チオアセトアミド基、チオベンズアミド基等のチオアミド基;N−メチルアセトアミド基、N−ベンジルアセトアミド基等のN−置換アミド基;等が挙げられる。
本明細書において、「複素環基」としては、特に限定はなく、例えば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジニル基、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、5−ピリミジル基、3−ピリダジル基、4−ピリダジル基、4−(1,2,3−トリアジル)基、5−(1,2,3−トリアジル)基、2−(1,3,5−トリアジル)基、3−(1,2,4−トリアジル)基、5−(1,2,4−トリアジル)基、6−(1,2,4−トリアジル)基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリル基、3−キノキサリル基、5−キノキサリル基、6−キノキサリル基、7−キノキサリル基、8−キノキサリル基、3−シンノリル基、4−シンノリル基、5−シンノリル基、6−シンノリル基、7−シンノリル基、8−シンノリル基、2−キナゾリル基、4−キナゾリル基、5−キナゾリル基、6−キナゾリル基、7−キナゾリル基、8−キナゾリル基、1−フタラジル基、4−フタラジル基、5−フタラジル基、6−フタラジル基、7−フタラジル基、8−フタラジル基、1−テトラヒドロキノリル基、2−テトラヒドロキノリル基、3−テトラヒドロキノリル基、4−テトラヒドロキノリル基、5−テトラヒドロキノリル基、6−テトラヒドロキノリル基、7−テトラヒドロキノリル基、8−テトラヒドロキノリル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、5−ピラゾリル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、4−(1,2,3−チアジアゾリル)基、5−(1,2,3−チアジアゾリル)基、3−(1,2,5−チアジアゾール)基、2−(1,3,4−チアジアゾール)基、4−(1,2,3−オキサジアゾリル)基、5−(1,2,3−オキサジアゾリル)基、3−(1,2,4−オキサジアゾリル)基、5−(1,2,4−オキサジアゾリル)基、3−(1,2,5−オキサジアゾリル)基、2−(1,3,4−オキサジアゾリル)基、1−(1,2,3−トリアゾリル)基、4−(1,2,3−トリアゾリル)基、5−(1,2,3−トリアゾリル)基、1−(1,2,4−トリアゾリル)基、3−(1,2,4−トリアゾリル)基、5−(1,2,4−トリアゾリル)基、1−テトラゾリル基、5−テトラゾリル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、1−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、4−ベンゾイミダゾリル基、5−ベンゾイミダゾリル基、6−ベンゾイミダゾリル基、7−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフニル基、2−ベンゾチエニル基、3−ベンゾチエニル基、4−ベンゾチエニル基、5−ベンゾチエニル基、6−ベンゾチエニル基、7−ベンゾチエニル基、2−ベンゾオキサゾリル基、4−ベンゾオキサゾリル基、5−ベンゾオキサゾリル基、6−ベンゾオキサゾリル基、7−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、4−ベンゾチアゾリル基、5−ベンゾチアゾリル基、6−ベンゾチアゾリル基、7−ベンゾチアゾリル基、1−インダゾリル基、3−インダゾリル基、4−インダゾリル基、5−インダゾリル基、6−インダゾリル基、7−インダゾリル基、2−モルホリル基、3−モルホリル基、4−モルホリル基、1−ピペラジル基、2−ピペラジル基、1−ピペリジル基、2−ピペリジル基、3−ピペリジル基、4−ピペリジル基、2−テトラヒドロピラニル基、3−テトラヒドロピラニル基、4−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオピラニル基、4−テトラヒドロチオピラニル基、1−ピロリジル基、2−ピロリジル基、3−ピロリジル基、2−テトラヒドロフラニル基、3−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロチエニル基、3−テトラヒドロチエニル基等が挙げられる。中でも、好ましい複素環基としては、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、ピリミジル基又はピラジル基であり、より好ましくはピリジル基である。
これら複素環基は、任意の位置に1個以上の置換基を有していてもよい。該「置換基」としては、特に限定はなく、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、アミノアルキル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、ホルミル基、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基等が挙げられる。該置換基は、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個有していてもよい。
本明細書において、「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子である。
本明細書において、「アミノ基」には、−NHで表されるアミノ基だけでなく、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、s−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、1−エチルプロピルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、イソヘキシルアミノ基、3−メチルペンチルアミノ基等の炭素数1〜6(特に炭素数1〜4)の直鎖状又は分岐状のモノアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数1〜6(特に炭素数1〜4)の直鎖状又は分岐状のアルキル基を2つ有するジアルキルアミノ基等の置換アミノ基も含まれる。
本明細書において、「アミノアルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、アミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基等のアミノアルキル基(好ましくはアミノ基を有する炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキル基)が挙げられる。
本明細書において、「アシル基」としては、特に限定はなく、例えば、アセチル、プロピオニル、ピバロイル基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキルカルボニル基が挙げられる。
本明細書において、「アシルオキシ基」としては、特に限定はなく、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、n−ブチリルオキシ基等が挙げられる。
本明細書において、「カルボキシアルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシ−n−プロピル基、カルボキシ−n−ブチル基、カルボキシ−n−ブチル基、カルボキシ−n−ヘキシル基等のカルボキシ−アルキル基(好ましくはカルボキシ基を有する炭素数1〜6のアルキル基)が挙げられる。
本明細書において、「アルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルプロピル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基等の炭素数1〜6(特に炭素数1〜4)の直鎖状又は分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜8(特に炭素数3〜6)の環状アルキル基等が挙げられる。
本明細書において、「ヒドロキシアルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基等のヒドロキシ−アルキル基(好ましくはヒドロキシ基を有する炭素数1〜6のアルキル基)が挙げられる。
本明細書において、「アルコキシ基」としては、特に限定はなく、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基の炭素数1〜6(特に炭素数1〜4)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基;シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基等の炭素数3〜8(特に炭素数3〜6)の環状アルコキシ基等が挙げられる。
本明細書において、「アリール基」としては、特に限定はなく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ジヒドロインデニル基、9H−フルオレニル基等が挙げられる。より好ましいアリール基としては、フェニル基又はナフチル基が挙げられる。
本明細書において、「アリールオキシ基」としては、特に限定はなく、例えば、フェノキシ基、ビフェニルオキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
本明細書において、「アルキルチオ基」としては、特に限定はなく、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルキルチオ基が挙げられ、具体的には、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、1−エチルプロピルチオ基、n−ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、イソヘキシルチオ基、3−メチルペンチルチオ基等の炭素数1〜6(特に炭素数1〜4)の直鎖状又は分岐状のアルキルチオ基;シクロプロピルチオ基、シクロブチルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、シクロヘプチルチオ基、シクロオクチルチオ基等の炭素数3〜8(特に炭素数3〜6)の環状アルキルチオ基等が挙げられる。
本明細書において、「アリールチオ基」としては、特に限定はなく、例えば、フェニルチオ、ビフェニルチオ、ナフチルチオ基等が挙げられる。
一般式(1)で表されるジヒドロテトラジン化合物の「塩」としては、特に限定はなく、あらゆる種類の塩が含まれる。このような塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;ジメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらジヒドロテトラジン化合物(1)の中でも、好ましい化合物は、X及びXが、同一又は異なって、置換基を有していてもよい複素環基である化合物である。
より好ましいジヒドロテトラジン化合物(1)は、X及びXが、同一又は異なって、置換基を有していてもよい2−ピリジル基、置換基を有していてもよい3−ピリジル基、置換基を有していてもよい4−ピリジル基、置換基を有していてもよい2−フラニル基、置換基を有していてもよいチエニル基、置換基を有していてもよい1−ピラゾリル基、置換基を有していてもよい2−ピリミジル基、又は置換基を有していてもよい2−ピラジル基である化合物であり、これらの中でも、置換基を有していてもよい2−ピリジル基、置換基を有していてもよい3−ピリジル基、又は置換基を有していてもよい4−ピリジル基である化合物が特に好ましい。
具体的に、ジヒドロテトラジン化合物(1)としては、例えば、1,2−ジヒドロ−3,6−ビス(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,2−ジヒドロ−3,6−ビス(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,2−ジヒドロ−3,6−ビス(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,2−ジヒドロ−3,6−ビス(2−フラニル)−1,2,4,5−テトラジン、1,2−ジヒドロ−3,6−ビス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)−1,2,4,5−テトラジン、1,2−ジヒドロ−3,6−ビス(2−チエニル)−1,2,4,5−テトラジン、1,2−ジヒドロ−3,6−ビス(2−ピリミジニル)−1,2,4,5−テトラジン、1,2−ジヒドロ−3,6−ビス(2−ピラジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン −3,6−ジカルボン酸、ジメチル 1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン−3,6−ジカルボン酸、1,2−ジヒドロ−1,2,4,5−ジヒドロテトラジン−3,6−ジカルボンアミド、1,4−ジヒドロ−3,6−ビス(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ジヒドロ−3,6−ビス(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ジヒドロ−3,6−ビス(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ジヒドロ−3,6−ビス(2−フラニル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ジヒドロ−3,6−ビス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ジヒドロ−3,6−ビス(2−チエニル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ジヒドロ−3,6−ビス(2−ピリミジニル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ジヒドロ−3,6−ビス(2−ピラジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン −3,6−ジカルボン酸、ジメチル 1,4−ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジン−3,6−ジカルボン酸、1,4−ジヒドロ−1,2,4,5−ジヒドロテトラジン−3,6−ジカルボンアミド等が挙げられる。
中でも、好ましいジヒドロテトラジン化合物(1)は、1,2−ジヒドロ−3,6−ビス(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,2−ジヒドロ−3,6−ビス(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,2−ジヒドロ−3,6−ビス(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ジヒドロ−3,6−ビス(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、1,4−ジヒドロ−3,6−ビス(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、及び1,4−ジヒドロ−3,6−ビス(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジンである。
ジヒドロテトラジン化合物(1)には、下記一般式(1−1)で表される1,4−ジヒドロテトラジン化合物、一般式(1−2)で表される1,2−ジヒドロテトラジン化合物、又はそれらの混合物のいずれもが含まれ、本発明では、これらの化合物を1種単独で、又は2種を併用して使用することができる。
Figure 0006873744
Figure 0006873744
[式中、X及びXは、前記と同じ。]
ジヒドロテトラジン化合物(1)が粉体である場合、その体積平均径は特に制限されない。低発熱性発現の観点から、体積平均径が300μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがさらに好ましく、75μm以下であることが特に好ましい。
なお、体積平均径は、レーザー光回折法等による粒度分布測定装置を用いて、体積基準粒度分布から積算分布曲線の50%に相当する粒子径として求めることができる。
また、取り扱い時のハンドリング性及び着火性又は爆発性リスク低減の観点から、粉体をオイル、樹脂などで表面処理したものを使用してもよく、又は粉体を炭酸カルシウム、シリカなどの充填剤などと混合して使用してもよい。
ジヒドロテトラジン化合物(1)をゴム成分に添加することで、ゴム成分に低発熱性を付与することができる。このようなジヒドロテトラジン化合物(1)を含むゴム組成物から作製(製造)されたタイヤは、低発熱性を付与できることから、転がり抵抗が低減され、その結果、低燃費性能を発現する。
酸化剤
ジヒドロテトラジン化合物(1)と併用可能な酸化剤としては、例えば、酸素、オゾン、ハロゲン、ハロゲンオキソ酸類、過酸化物、超原子価ヨウ素化合物、金属酸化物、クロム酸化合物、過硫酸化合物、金属錯体化合物、ニトロキシルラジカル化合物、N−ハロゲンイミド化合物、N−オキシド化合物、キノン化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硝酸エステル等を挙げることができる。
ハロゲンとしては、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素等が挙げられる。
ハロゲンオキソ酸類としては、次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸、過臭素酸、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、次亜ヨウ素酸、亜ヨウ素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸及びそれらの塩等が挙げられる。
過酸化物としては、過酸化水素、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化リチウム、過酸化マグネシウム、過酸化カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化鉛、過酸化ストロンチウム、超酸化カリウム、超酸化ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化亜鉛、過酸化ルビジウム、過酸化セシウム等が挙げられる。また、上記以外の過酸化物として、過酢酸、m−クロロ過安息香酸等のアシルパーオキサイド;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド;1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド;ジイソブチリルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;クミルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等のパーオキシエステル;ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
超原子価ヨウ素化合物としては、(ジクロロ)ヨードベンゼン、(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン、ペンタフルオロ(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン、(ジアセトキシヨード)ベンゼン、ビス(ピリジン)ヨードニウムテトラフルオロボラート、2−ヨードキシ安息香酸、1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3−(1H)−オン、ジフェニルヨードニウムクロリド、過ヨウ素酸三ナトリウム、(ヒドロキシ(トシルオキシ)ヨード)ベンゼン2−ヨードキシベンゼンスルホン酸、2,2’−ジヨード−4,4’,6,6’−テトラメチル−1,1’−ビフェニル、2,2’−ジヨード−5,5’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル等が挙げられる。
金属酸化物としては、酸化銅、酸化銀、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、酸化パラジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化白金、酸化カドミウム、酸化クロム、酸化鉛、二酸化セレン、酸化サマリウム、四酸化オスミウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸アンモニウム、過マンガン酸銀、過マンガン酸亜鉛、過マンガン酸マグネシウム、過マンガン酸カルシウム、過マンガン酸バリウム、酸化マンガン、二酸化マンガン、マンガン酸ナトリウム、マンガン酸カリウム、マンガン酸バリウム、七モリブデン酸六アンモニウム、バナジウム(IV)ビス(アセチルアセトナト)オキシド、二酸化セレン、メチルトリオキソレニウム、過ルテニウム酸プロピルアンモニウム等が挙げられる。
クロム酸化合物としては、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム等が挙げられる。
過硫酸化合物としては、オキソン、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等が挙げられる。
金属錯体化合物としては、アルミニウムイソプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、ヘキサシアノ鉄酸カリウム、硝酸セリウム(IV)アンモニウム(CAN)等が挙げられる。
ニトロキシルラジカル化合物としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、2−アザアダマンタンN−オキシル(AZADO)、1−メチル−2−アザアダマンタンN−オキシル(1−Me−AZADO)、2−ヒドロキシ−2−アザアダマンタン(AZADOL)、9−アザビシクロ[3,3,1]ノナンN−オキシル(ABNO)、2−アザトリシクロ[3,2,1,1]ノナン2−オキシド(Nor−AZADO)、5−フルオロ−2−アザアダマンタンN−オキシル(5−F−AZADO)等が挙げられる。
N−ハロゲンイミド化合物としては、N−ヨードコハク酸イミド(NIS)、N−クロロコハク酸イミド(NCS)、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)等が挙げられる。
N−オキシド化合物としては、2,6−ジクロロピリジンN−オキシド、ピリジンN−オキシド、ニコチン酸N−オキシド、2,6−ジメチルピリジンN−オキシド、4−ニトロキノリン1−オキシド、2−メチル−4−ニトロピリジン1−オキシド、4−メチルモルホリンN−オキシド等が挙げられる。
キノン化合物としては、1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)、テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン等が挙げられる。
硝酸塩としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硝酸カルシウム、硝酸スカンジウム、硝酸チタン、硝酸バナジウム、硝酸クロム、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸亜鉛、硝酸ガリウム、硝酸ゲルマニウム、硝酸ルビジウム、硝酸ストロンチウム、硝酸イットリウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ニオブ、硝酸ルテニウム、硝酸ロジウム、硝酸パラジウム、硝酸銀、硝酸バリウム等が挙げられる。
亜硝酸塩としては、亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸アルミニウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸スカンジウム、亜硝酸チタン、亜硝酸バナジウム、亜硝酸クロム、亜硝酸マンガン、亜硝酸鉄、亜硝酸コバルト、亜硝酸ニッケル、亜硝酸銅、亜硝酸亜鉛、亜硝酸ガリウム、亜硝酸ゲルマニウム、亜硝酸ルビジウム、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸イットリウム、亜硝酸ジルコニウム、亜硝酸ニオブ、亜硝酸ルテニウム、亜硝酸ロジウム、亜硝酸パラジウム、亜硝酸銀、亜硝酸バリウム等が挙げられる。
亜硝酸エステルとしては、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸n−プロピル、亜硝酸アミル、亜硝酸イソアミル、亜硝酸イソブチル、亜硝酸イソプロピル、亜硝酸t−ブチル、亜硝酸n−ブチル、亜硝酸ヘキシル等が挙げられる。
これらの中でも、超原子価ヨウ素化合物、金属酸化物、過硫酸化合物、金属錯体化合物、N−ハロゲンイミド化合物、キノン化合物、及び亜硝酸塩が好ましく、特に(ジアセトキシヨード)ベンゼン、過マンガン酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)、亜硝酸ナトリウム、及び硝酸セリウム(IV)アンモニウム(CAN)が好ましい。本発明においては、酸化剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら酸化剤の使用量は、特に制限はなく、配合するジヒドロテトラジン化合物(1)で表される化合物1モルに対して、0.1〜30モルであることが好ましく、0.3〜20モルであることがより好ましく、0.5〜10モルであることが更に好ましい。
無機充填材
無機充填材としては、ゴム工業界において、通常使用される無機化合物であれば、特に制限はない。使用できる無機化合物としては、例えば、シリカ;γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al・HO);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)];炭酸アルミニウム[Al(CO]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n−1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al・3SiO・5HO等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO等)、ケイ酸カルシウム(Ca・SiO等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)・nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等が挙げられる。これらの無機充填材は、ゴム成分との親和性を向上させるために、該無機充填材の表面が有機処理されていてもよい。
無機充填材としては、ゴム強度を付与する観点からシリカが好ましく、より好ましくはシリカ単独で、又はシリカとゴム工業界で通常使用される無機化合物の1種以上とを併用することができる。無機充填材として、シリカ及びシリカ以外の上記無機化合物を併用する場合には、無機充填材の全成分の合計量が上記範囲となるように適宜調整すればよい。
シリカは、ゴム強度を付与することができるため添加することが好ましい。シリカとしては、市販のあらゆるものが使用できる。中でも、好ましいシリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ、又はコロイダルシリカであり、より好ましくは湿式シリカである。これらのシリカは、ゴム成分との親和性を向上させるために、シリカの表面が有機処理されていてもよい。
シリカのBET比表面積としては、特に制限はなく、例えば、40〜350m/gの範囲が挙げられる。BET比表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性及びゴム成分中への分散性を両立できるという利点がある。該BET比表面積は、ISO 5794/1に準拠して測定される。
この観点から、好ましいシリカとしては、BET比表面積が80〜300m/gの範囲にあるシリカであり、より好ましくは、BET比表面積が100〜270m/gであるシリカであり、特に好ましくは、BET比表面積が110〜270m/gの範囲にあるシリカである。
このようなシリカの市販品としては、Quechen Silicon Chemical Co., Ltd.製の商品名「HD165MP」(BET比表面積 =165m/g)、「HD115MP」(BET比表面積 =115m/g)、「HD200MP」(BET比表面積 =200m/g)、「HD250MP」(BET比表面積 =250m/g)、東ソー・シリカ株式会社製の商品名「ニップシールAQ」(BET比表面積=205m/g)、「ニップシールKQ」(BET比表面積 =240m/g)、デグッサ社製の商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m/g)、ソルベイ社製の商品名「Z1085Gr」(BET比表面積=90m/g)、「Z Premium200MP」(BET比表面積=215m/g)、「Z HRS 1200MP」(BET比表面積=200m/g)等が挙げられる。
シリカの配合量としては、ゴム成分100質量部に対して、通常20〜150質量部であり、好ましくは30〜120質量部であり、より好ましくは40〜90質量部である。
通常、シリカを添加することで操縦安定性能が向上するが、大量に添加することで低発熱性が悪化する傾向にある。しかしながら、ジヒドロテトラジン化合物(1)を用いることによって、シリカを大量に配合しても優れた低発熱性を発現する。
特に操縦安定性能と低燃費性能との両立を図る場合のシリカの配合量としては、ゴム成分100質量部に対して、通常40〜120質量部であり、好ましくは60〜115質量部であり、より好ましくは70〜110質量部である。
無機充填材、特にシリカを配合するゴム組成物において、ジヒドロテトラジン化合物(1)を配合することにより、シリカの分散性が大幅に向上し、ゴム組成物の低発熱性が著しく改良できる。
カーボンブラック
カーボンブラックとしては、特に制限はなく、例えば、市販品のカーボンブラック、Carbon-Silica Dual phase filler等が挙げられる。ゴム成分にカーボンブラックを含有することにより、ゴムの電気抵抗を下げて、帯電を抑止する効果、さらにゴムの強度を向上させる効果を享受できる。
具体的に、カーボンブラックとしては、例えば、高、中又は低ストラクチャーのSAF、ISAF、IISAF、N110、N134、N220、N234、N330、N339、N375、N550、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラック等が挙げられる。中でも、好ましいカーボンブラックとしては、SAF、ISAF、IISAF、N134、N234、N330、N339、N375、HAF、又はFEFグレードのカーボンブラックである。
カーボンブラックのDBP吸収量としては、特に制限はなく、好ましくは60〜200cm/100g、より好ましくは70〜180cm/100g以上、特に好ましくは80〜160cm/100gである。
また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)は、好ましくは30〜200m/g、より好ましくは40〜180m/g、特に好ましくは50〜160m/gである。
カーボンブラックが配合されたゴム組成物では、ジヒドロテトラジン化合物(1)が酸化されて生成したテトラジン化合物が、又はゴム成分とジヒドロテトラジン化合物(1)との反応物が、カーボンブラックと強く相互作用をすることが考えられる。したがって、本発明のゴム組成物によれば、特にカーボンブラックの分散性が大幅に向上し、ゴム組成物の低発熱性が著しく改良できる。
その他の配合剤
本発明のゴム組成物には、上記ジヒドロテトラジン化合物(1)、酸化剤、並びに無機充填材及び/又はカーボンブラック以外にも、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、硫黄等の加硫剤を配合することができる。本発明のゴム組成物には、さらに、別の配合剤、例えば、老化防止剤、オゾン防止剤、軟化剤、加工助剤、ワックス、樹脂、発泡剤、オイル、ステアリン酸、亜鉛華(ZnO)、加硫促進剤、加硫遅延剤等を配合してもよい。これら配合剤は、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
また、シリカなどの無機充填材が配合されたゴム組成物においては、シリカによるゴム組成物の補強性を高める目的、又はゴム組成物の低発熱性と共に耐摩耗性を高める目的で、シランカップリング剤を配合してもよい。
無機充填材と併用可能なシランカップリング剤としては特に制限されず、市販品を好適に使用することができる。このようなシランカップリング剤として、例えばスルフィド系、ポリスルフィド系、チオエステル系、チオール系、オレフィン系、エポキシ系、アミノ系、アルキル系のシランカップリング剤が挙げられる。
スルフィド系のシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)トリスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)ジスルフィド等が挙げられる。これらの内、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが特に好ましい。
チオエステル系のシランカップリング剤としては、例えば、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
チオール系のシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等を挙げることができる。
オレフィン系のシランカップリング剤としては、例えば、ジメトキシメチルビニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルエトキシビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−(メトキシジメトキシジメチルシリル)プロピルアクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、3−[ジメトキシ(メチル)シリル]プロピルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−[ジメトキシ(メチル)シリル]プロピルメタクリレート、3−(トリエトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリレート等を挙げることができる。
エポキシ系のシランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、トリエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)シラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらの内、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
アミノ系のシランカップリング剤としては、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−エトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらの内、3−アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。
アルキル系のシランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらの内、メチルトリエトキシシランが好ましい。
これらシランカップリング剤の中でも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを特に好ましく使用することができる。
本発明においては、シランカップリング剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物のシランカップリング剤の配合量は、無機充填材100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、3〜15質量部であることが特に好ましい。0.1質量部以上であれば、ゴム組成物の低発熱性向上の効果をより好適に発現することができ、20質量部以下であれば、ゴム組成物のコストが低減し、経済性が向上するからである。
ゴム組成物の製造方法
本発明のゴム組成物の製造方法としては、特に制限されない。本発明のゴム組成物の製造方法は、例えば、ゴム成分、ジヒドロテトラジン化合物(1)、酸化剤、並びに無機充填材及び/又はカーボンブラックを含む原料成分を混練する工程(A)、並びに工程(A)で得られる混合物、及び加硫剤を混練する工程(B)を含んでいる。
工程(A)
工程(A)は、ゴム成分、ジヒドロテトラジン化合物(1)、酸化剤、並びに無機充填材及び/又はカーボンブラックを含む原料成分を混練する工程であり、加硫剤を配合する前の工程であることを意味している。
工程(A)では、さらに必要に応じて、上記のその他の配合剤等を配合することができる。
工程(A)における混練方法としては、例えば、ゴム成分と、ジヒドロテトラジン化合物(1)と、酸化剤と、無機充填材及び/又はカーボンブラックとを含む組成物を混練する方法が挙げられる。この混練方法においては、各成分の全量を一度に混練してもよく、粘度調整等の目的に応じて、各成分を分割投入して混練してもよい。また、ゴム成分と無機充填材及び/又はカーボンブラックとを混練した後、ジヒドロテトラジン化合物(1)及び酸化剤を投入して混練するか、ゴム成分とジヒドロテトラジン化合物(1)と酸化剤とを混練した後、無機充填材及び/又はカーボンブラックを投入して混練してもよい。各成分を均一に分散させるために、混練操作を繰り返し行ってもよい。
工程(A)におけるゴム組成物を混合する際の温度としては、特に制限はなく、例えば、ゴム組成物の温度が60〜190℃であることが好ましく、80〜175℃であることがより好ましく、100〜170℃であることがさらに好ましい。
工程(A)における混合時間としては、特に制限はなく、例えば、10秒間から20分間であることが好ましく、30秒間から10分間であることがより好ましく、2分間から7分間であることがさらに好ましい。
工程(A)において、ジヒドロテトラジン化合物(1)の配合量としては、特に制限はなく、例えば、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、好ましくは0.25〜5質量部であり、より好ましくは0.5〜2質量部である。
工程(A)において、酸化剤の配合量としては、特に制限はなく、例えば、ジヒドロテトラジン化合物(1)1モルに対し、0.1〜30モルであることが好ましく、0.3〜20モルであることがより好ましく、0.5〜10モルであることが更に好ましい。
工程(A)における無機充填材の配合量としては、ゴム成分100質量部に対して、通常20〜150質量部であり、好ましくは30〜120質量部であり、より好ましくは40〜90質量部である。
工程(A)におけるカーボンブラックの配合量としては、ゴム成分100質量部に対して、通常2〜150質量部であり、好ましくは4〜120質量部であり、より好ましくは6〜100質量部である。
なお、工程(A)において、無機充填材及び/又はカーボンブラックは、両成分の合計量で、例えば、ゴム成分100質量部に対して、通常20〜150質量部となるよう各成分の上記配合量の範囲内で適宜調整すればよい。
また、工程(A)における別の混練方法としては、ゴム成分とジヒドロテトラジン化合物(1)と酸化剤とを混練する工程(A−1)、並びに工程(A−1)で得られた混合物と無機充填材及び/又はカーボンブラックを含む原料成分とを混練する工程(A−2)を含む二段階の混練方法を挙げることができる。
工程(A−1)において、ゴム成分とジヒドロテトラジン化合物(1)と酸化剤とを混練する方法としては、ゴム成分が固体の場合は、該ゴム成分とジヒドロテトラジン化合物(1)と酸化剤とを混練する方法(混練方法);ゴム成分が液状(液体)である場合は、該ゴム成分の溶液又は乳液(懸濁液)と、ジヒドロテトラジン化合物(1)と酸化剤とを混合する方法(液状混合方法)等が挙げられる。
混練温度としては、80〜190℃であることが好ましく、90〜160℃であることがより好ましく、100〜150℃であることがさらに好ましい。液状混合方法の場合は、液状ゴム組成物の温度の上限が、80〜170℃であることが好ましく、90〜160℃であることがより好ましく、100〜150℃であることがさらに好ましい。
混合時間又は混練時間としては、特に制限はなく、例えば、混練方法の場合は、10秒間から20分間であることが好ましく、30秒間から10分間であることがより好ましく、60秒間から7分間であることがさらに好ましい。液状混合方法の場合は、10秒間から60分間であることが好ましく、30秒間から40分間であることがより好ましく、60秒間から30分間であることがさらに好ましい。液状混合方法による混合反応後は、例えば、減圧下において、混合物中の溶剤を飛ばし(取り除き)、固形のゴム組成物を回収することができる。
工程(A−1)におけるジヒドロテトラジン化合物(1)の配合量としては、特に制限はなく、例えば、ゴム成分100質量部に対して、通常0.1〜10質量部であり、好ましくは0.25〜5質量部であり、より好ましくは0.5〜2質量部である。
工程(A−2)における工程(A−1)で得られた混合物と無機充填材及び/又はカーボンブラックとを混合する際の温度としては、特に制限はなく、例えば、混合物の温度が60〜190℃であることが好ましく、80〜175℃であることがより好ましく、100〜170℃であることがさらに好ましい。
工程(A−2)における混合時間としては、特に制限はなく、例えば、10秒間から20分間であることが好ましく、30秒間から10分間であることがより好ましく、2分間から7分間であることがさらに好ましい。
工程(A−2)における無機充填材の配合量としては、工程(A−1)で得られた混合物100質量部に対して、通常20〜150質量部であり、好ましくは30〜120質量部であり、より好ましくは40〜90質量部である。
工程(A−2)におけるカーボンブラックの配合量としては、工程(A−1)で得られた混合物100質量部に対して、通常2〜150質量部であり、好ましくは4〜120質量部であり、より好ましくは6〜100質量部である。
なお、工程(A−2)において、無機充填材及び/又はカーボンブラックは、両成分の合計量で、例えば、工程(A−1)で得られた混合物100質量部に対して、通常20〜150質量部となるよう各成分の上記配合量の範囲内で適宜調整すればよい。
工程(B)
工程(B)は、工程(A)で得られる混合物、及び加硫剤を混合する工程であり、混練の最終段階を意味している。
工程(B)では、さらに必要に応じて、加硫促進剤等を配合することができる。
該工程の混合(又は混練)温度としては、特に制限はなく、例えば、60〜140℃であることが好ましく、80〜120℃であることがより好ましく、90〜120℃であることがさらに好ましい。
混合(又は混練)時間としては、特に制限はなく、例えば、10秒間から20分間であることが好ましく、30秒間から10分間であることがより好ましく、60秒間から5分間であることがさらに好ましい。
工程(A)から工程(B)に進む際には、前段階の工程終了後の温度より、30℃以上低下させてから次の工程(B)へ進むことが好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法において、通常、ゴム組成物に配合されるステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤、老化防止剤等の各種配合剤を、必要に応じて、工程(A)又は工程(B)において添加することができる。
上記の工程(A)及び工程(B)により、ゴム成分中のジエン系ゴムにジヒドロテトラジン化合物(1)及び酸化剤を処理して得られた混合物、並びに無機充填材及び/又はカーボンブラックを含有するゴム組成物を製造することができる。
本発明におけるゴム組成物は、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー、ニーダー、二軸押出機等を用いて混合又は混練りされる。その後、押出工程において押出して加工され、例えば、トレッド用部材、サイドウォール用部材等として成形される。続いて、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
2.タイヤ
本発明のタイヤは、上記本発明のゴム組成物を用いて作製されたタイヤである。
本発明のタイヤとしては、例えば、空気入りタイヤ(ラジアルタイヤ、バイアスタイヤ等)、ソリッドタイヤ等が挙げられる。
タイヤの用途としては、特に制限はなく、例えば、乗用車用タイヤ、高荷重用タイヤ、モーターサイクル(自動二輪車)用タイヤ、スタッドレスタイヤ等が挙げられ、中でも、乗用車用タイヤに好適に使用できる。
本発明のタイヤの形状、構造、大きさ及び材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明のタイヤにおいて、上記ゴム組成物は、特にトレッド部、サイドウォール部、ビードエリア部、ベルト部、カーカス部及びショルダー部から選ばれる少なくとも一つの部材に用いられる。
中でも、空気入りタイヤのタイヤトレッド部、又はサイドウォール部を当該ゴム組成物で形成するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
トレッド部とは、トレッドパターンを有し、路面と直接接する部分で、カーカスを保護するとともに摩耗及び外傷を防ぐタイヤの外皮部分であり、タイヤの接地部を構成するキャップトレッド及び/又はキャップトレッドの内側に配設されるベーストレッドをいう。
サイドウォール部とは、例えば、空気入りラジアルタイヤにおけるショルダー部の下側からビード部に至るまでの部分であり、カーカスを保護するとともに、走行する際に最も屈曲の激しい部分である。
ビードエリア部とは、カーカスコードの両端を固定し、同時にタイヤをリムに固定させる役目を負っている部分である。ビードとは高炭素鋼を束ねた構造である。
ベルト部とは、ラジアル構造のトレッドとカーカスとの間に円周方向に張られた補強帯である。カーカスを桶のたがの様に強く締付けトレッドの剛性を高めている。
カーカス部とは、タイヤの骨格を形成するコード層の部分であり、タイヤの受ける荷重、衝撃、及び充填空気圧に耐える役割を果たしている。
ショルダー部とは、タイヤの肩の部分で、カーカスを保護する役目を果たす。
本発明のタイヤは、タイヤの分野において、これまでに知られている方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常の又は酸素分圧を調整した空気;窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
本発明のタイヤは、低発熱性を有し、タイヤの転がり抵抗が小さくなることから、自動車の低燃費化を図ることができる。また、シリカが高充填されたゴム組成物においても高い低発熱性を示すことから、高い操縦安定性能を有する低燃費タイヤを提供することができる。
以下、製造例及び実施例を示して、本発明について具体的に説明する。ただし、実施例はあくまで一例であって、本発明は、実施例に限定されない。
製造例1:X =X =3−ピリジル基である一般式(1)の化合物(1a)の製造
500mL四つ口フラスコに、3−シアノピリジン78g(0.75モル)、水加ヒドラジン49g(1.3当量)、及びメタノール30mLを加え、70℃で1時間撹拌した。次いで、この混合物に、メタノール270mL、及びチオグリコール酸7g(10モル%)を加え、還流管を装着して外温80℃にて一晩加熱撹拌した。この反応液を熱時濾過して少量の冷メタノールで洗浄した。200mL四ツ口フラスコに、粗結晶及びメタノール300mLを加え、外温80℃にて1時間加熱撹拌した。この懸濁液を熱時濾過して少量のメタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥し、表題の化合物(1a)を橙色の結晶54gで得た。
融点:229℃、
H−NMR(500MHz,DMSO−d,δppm):
7.47〜7.49(m,2H),8.17(d,J=5.0,Hz,2H),8.65(d,J =5.0 Hz,2H),8,98(s,2H),9.32(s,2H)
製造例2:X =X =2−ピリジル基である一般式(1)の化合物(1b)の製造
2L四つ口フラスコに、2−シアノピリジン420g(4.0モル)、水加ヒドラジン260g(1.0当量)、及びメタノール160mLを加え、70℃で1時間撹拌した。次いで、この混合物に、メタノール640mL、及びチオグリコール酸37g(10モル%)を加え、還流管を装着して外温80℃にて4時間加熱撹拌した。この反応液を濾過して少量の冷メタノールで洗浄した。100mL四ツ口フラスコに、粗結晶及びメタノール640mLを加え、外温80℃にて1時間加熱撹拌した。この懸濁液を濾過して少量のメタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥し、表題の化合物(1b)を橙色の結晶380gで得た。
融点:196℃、
H−NMR(500MHz,DMSO−d,δppm):
7.53〜7.55(m,1H),7.92〜7.99(m,2H),8.64(d,J =5.0 Hz,1H),8,98(s,1H)
製造例3:X =X =4−ピリジル基である一般式(1)の化合物(1c)の製造
1L四つ口フラスコに、4−シアノピリジン104g(1.0モル)、水加ヒドラジン65g(1.0当量)、チオグリコール酸9.8g(0.1当量)及びメタノール600mLを加え、還流管を装着して外温70℃にて一晩加熱撹拌した。この反応液を氷冷し、結晶を濾過して少量の冷メタノールで洗浄した。1L四ツ口フラスコに、粗結晶及びメタノール500mLを加え、室温にて1時間撹拌した。この懸濁液を濾過して少量のメタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥し、表題の化合物(1c)を橙色の結晶72gで得た。
融点:267℃(分解)、
H−NMR(300MHz,DMSO−d,δppm):
7.75〜7.77(m,2H),8.67〜8.79(m,2H),9.43(s,1H)
製造例4:X =X =2−フラニル基である一般式(1)の化合物(1d)の製造
500mLナス型フラスコに、2−フロニトリル50g(0.54モル)、水加ヒドラジン55g(2.0当量)、及びエタノール250mLを加え、氷冷下で撹拌した。次いで、この混合物に、チオグリコール酸5g(10モル%)を加え、還流管を装着して外温85℃にて2時間加熱撹拌した。この反応液を氷冷し、結晶を濾過して少量の冷エタノールで洗浄した。粗結晶を減圧下で乾燥し、茶色のジヒドロテトラジン粗結晶47gを得た。2Lナス型フラスコに、粗結晶を加えた。更にTHF1500mLを加え、混合物を超音波浴にて30分間超音波を照射して溶解させ、溶液を氷冷した。析出した白色結晶を0.2μm孔径のメンブレンフィルターで濾過し、濾液を濃縮した。濃縮物をTHF1500mLに溶解し、氷冷した。析出した白色結晶を、濾別及び濃縮の操作を2回繰り返し、濾液の濃縮物から、表題の化合物(1d)を薄茶色固体23gで得た。
融点:186℃(分解)、
H−NMR(300MHz,DMSO−d,δppm):
6.60〜6.10(m,1H),7.12(d,J=0.9,Hz,1H),7.81(d,J =0.6 Hz,1H),8.96(s,1H)
製造例5:X =X =カルボキシル基である一般式(1)の化合物(1e)の製造
3L四ツ口フラスコに、グリシンエチル塩酸塩300g(2.2モル)、及び水530mLを加え、溶液温度−5℃にて撹拌した。容器内を窒素で置換した後、この溶液に氷冷した亜硝酸ナトリウム178g(2.6モル)の水(530mL)溶液を滴下した。溶液温度を−9℃に冷却し、そこへ5%硫酸200mLを滴下し、溶液温度を−9℃に保ち、10分間撹拌した。反応液を分液ロートに移し、下層を分取した。
2L四つ口フラスコに、水酸化ナトリウム356g(8.9モル)、及び水480mLを加え、加熱して溶液温度を50℃にして同温度で撹拌した。これに、上記工程で分取した下層を溶液温度50〜70℃で滴下し、60℃で1時間半撹拌した。反応液を室温まで冷却し、エタノール2.2Lに注ぎ、溶液温度0℃で冷却撹拌した。得られた反応液を静置し、上澄みをデカンテーションし、エタノール1.1Lを加えて撹拌、静置、デカンテーションを5回繰り返した。懸濁液を濾過してエタノール1L、及びジエチルエーテル1Lで洗浄した後、減圧下で乾燥し、黄色のジヒドロテトラジンナトリウム塩固体167gを得た。
500mLナス型フラスコに、得られた固体60g、水66mL、及び砕いた氷66gを加え、氷冷下撹拌した。次いでこの混合物に濃塩酸55.6mLを1時間かけて滴下し、30分間撹拌した。ジエチルエーテル100mLを加えて静置、上澄みのデカンテーションを5回繰り返した。懸濁液を濾過して少量のジエチルエーテルで洗浄した後、減圧下で乾燥し、表題の化合物(1e)を黄色の固体30gで得た。
融点:142−146℃、
H−NMR(500MHz,DMSO−d,δppm):7.36(s,2H),8.29(br,2H)
製造例6:X =X =メトキシカルボニル基である一般式(1)の化合物(1f)の製造
窒素雰囲気下、3L四ツ口フラスコにメタノール1350mLを加え、−30℃で冷却撹拌し、そこに塩化チオニル73.8mL(1.0モル)を滴下し、−30℃で30分間撹拌した。これに製造例5で製造した化合物(1e)87g(0.5モル)を30分間かけて加えた後、室温で1時間、35から40℃で2時間撹拌し、さらに−30℃で1時間撹拌した。懸濁液を濾過してジイソプロピルエーテル500mLで洗浄した。得られた固体をジクロロメタン4Lに溶解し、濾過した後、濾液を減圧濃縮及び減圧乾燥し、表題の化合物(1f)を黄色の固体46.6gで得た。
融点:171−172℃、
H−NMR(500MHz,CDCl,δppm):7.46(s,2H),3.93(s,6H)
実施例1〜7及び比較例1〜7
下記表1及び2の工程(A)に記載の各成分をその割合(質量部)で混合し、バンバリーミキサーで混合物の最高温度が160℃になるように回転数を調整しながら5分間混練した。混合物の温度が80℃以下になるまで養生させた後、表1及び2の工程(B)に記載の各成分をその割合(質量部)で投入し、混合物の最高温度が110℃以下になるよう調整しながら混練して、ゴム組成物を製造した。
実施例8〜12及び比較例8〜10
下記表3の工程(A−1)に記載の各ゴム成分、ジヒドロテトラジン化合物及び酸化剤をその割合(質量部)で、バンバリーミキサーを用いて混練した。混合物の温度が130〜180℃に達した時点から、その温度を維持するように調整しながら約2分間混練し、その後ロールミルで冷却して混合物を製造した。
得られた混合物に表3の工程(A−2)に記載の各成分をその割合(質量部)で混合し、バンバリーミキサーで混合物の最高温度が160℃になるように回転数を調整しながら5分間混練した。混合物の温度が80℃以下になるまで養生させた後、表3の工程(B)に記載の各成分をその割合(質量部)で投入し、混合物の最高温度が110℃以下になるよう調整しながら混練して、ゴム組成物を製造した。
低発熱性(tanδ指数)試験
実施例1〜12及び比較例1〜10で作製したゴム組成物(試験組成物)について、粘弾性測定装置(Metravib社製)を使用し、温度40℃、動歪5%、周波数15Hzでtanδを測定した。
ジヒドロテトラジン化合物(1)及び酸化剤を添加しない比較例1又は8で作製したゴム組成物をリファレンスとし、下記式に基づいて、低発熱性指数を算出した。
なお、低発熱性指数の値が大きい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。また、それぞれのリファレンスの加硫ゴム組成物の低発熱性は100とする。
結果を、表1〜3に示した。
式:低発熱性指数={(リファレンスのtanδ)/(試験組成物のtanδ)}×100
Figure 0006873744
Figure 0006873744
Figure 0006873744
[表中の記号の説明]
実施例(表中)において使用する原料を以下に示す。
*1: PetroChina Dushanzi Petrochemical Company製、商品名「RC2557S」
*2: Sinopec Qilu Petrochemical Co., Ltd.製、商品名「BR9000」
*3: Quechen Silicon Chemical Co., Ltd.製、商品名「HD165MP」
*4: Evonik Industries AG社製、商品名「Si69」
*5: Rhein Chemie Rheinau GmbH社製、商品名「Antilux 111」
*6: Hansen & Rosenthal社製、商品名「Vivatec 700」
*7: Sichuan Tianyu Grease Chemical Co., Ltd.製
*8: Kemai Chemical Co., Ltd.製、商品名「6−PPD」
*9: Dalian Zinc Oxide Co., Ltd.製
*10: Kemai Chemical Co., Ltd.製、商品名「DPG」
*11: Kemai Chemical Co., Ltd.製、商品名「CBS」
*12: 硫黄、Shanghai Jinghai Chemical Co.,Ltd.製
*13: 製造例1で製造した化合物
*14: 製造例2で製造した化合物
*15: 製造例3で製造した化合物
*16: 製造例4で製造した化合物
*17: 特許文献6の実施例1に記載の化合物
*18: 亜硝酸ナトリウム、国葯集団化学試剤有限公司製
*19: 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、東京化成工業株式会社製
*20: ヨードベンゼンジアセテート、国葯集団化学試剤有限公司製
*21: N−ブロモスクシンイミド、国葯集団化学試剤有限公司製
本発明のゴム組成物は、ジヒドロテトラジン化合物(1)及び酸化剤が配合されることにより、無機充填材(例えば、シリカ等)及び/又はカーボンブラックの分散性が向上し、低発熱性に優れている。本発明のゴム組成物は、ゴム組成物中に、シランカップリング剤を添加されていなくても、低発熱性に優れる。よって、各種自動車の各種空気入りタイヤの各部材、特に空気入りラジアルタイヤのトレッド用部材、サイドウォール用部材、ビードエリア用部材、ベルト用部材、カーカス用部材、及びショルダー用部材として利用することができる。

Claims (6)

  1. ゴム成分、下記一般式(1)で表されるジヒドロテトラジン化合物又はその塩、酸化剤、並びにカーボンブラック及び/又は無機充填材を含む、ゴム組成物。
    Figure 0006873744
    [式中、X及びXは、同一又は異なって、置換基を有することのあるピリジル基を示す。]
  2. 前記置換基は、ハロゲン原子、アミノ基、アミノアルキル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、ホルミル基、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、チオール基、アルキルチオ基、及びアリールチオ基からなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. トレッド部、サイドウォール部、ビードエリア部、ベルト部、カーカス部及びショルダー部から選ばれる少なくとも一つの部材に用いられる、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いて作製されたタイヤ。
  5. ゴム成分、一般式(1)で表されるジヒドロテトラジン化合物又はその塩、酸化剤、及び無機充填材及び/又はカーボンブラックを含む原料成分を混合する工程(A)、並びに
    工程(A)で得られる混合物、及び加硫剤を混合する工程(B)を含む、ゴム組成物の製造方法。
  6. 工程(A)が、ゴム成分、一般式(1)で表されるジヒドロテトラジン化合物又はその塩、及び酸化剤を混合する工程(A−1)、並びに
    工程(A−1)で得られた混合物、及び無機充填材及び/又はカーボンブラックを混合する工程(A−2)である、請求項5に記載の製造方法。
JP2017036717A 2017-02-28 2017-02-28 ゴム組成物、及びこれを用いたタイヤ Active JP6873744B2 (ja)

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