JP6865727B2 - SiGe層のエッチング方法 - Google Patents
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Description
このMEMS加速度センサの感度は、原理的に、可動錘の質量が大きければ大きいほど高くなる。可動錘の形成材料としては、一般にSiが用いられる場合が多い。しかしながら、MEMS加速度センサの感度を高めると同時に小型化するには、可動錘の形成材料としてSiよりも密度の高い材料を用いることが好ましい。このような材料の一つとして、SiGeを例示できる(例えば、特許文献2参照)。
したがい、可動錘の形状や寸法に応じて、厚い膜厚のSiGe層を高アスペクト比でエッチングすることを可能にする方法として、いわゆるボッシュプロセス法を適用することが考えられる。ボッシュプロセス法は、Si等の被エッチング層をSF6ガス等のプラズマを用いてエッチングするエッチング処理と、エッチング処理によって形成された凹部にC4F8ガス等のプラズマを用いて保護膜を形成する保護膜形成処理とを交互に繰り返し行うことで、被エッチング層を深掘りエッチングする方法である。
まず、ボッシュプロセス法のエッチング処理用に供給するガスの流量を増加させる等によってエッチングの強さを高める方法を検討したものの、この方法では、エッチング選択比が低下したり、形成される凹部の側壁の形状が逆テーパ形状になるという問題が生じた。
次に、ボッシュプロセス法の保護膜形成処理用に供給するガスの流量を減少させる等によって保護膜形成速度を低下させる方法を検討したものの、この方法では、形成される凹部の側壁の形状がボーイング形状になるという問題が生じた。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、基板の表面に形成されたSiGe層をプラズマを用いてエッチングするエッチング処理と、前記エッチング処理によって形成された凹部にプラズマを用いて保護膜を形成する保護膜形成処理とを交互に繰り返し行うことで、前記SiGe層を深掘りエッチングする工程を含み、前記エッチング処理において、プラズマを生成するために供給するガスとして、SF 6 ガスとO2ガスとを含み、供給するSF 6 ガスの流量に対するO 2 ガスの流量の比率が10%以上である、ことを特徴とするSiGe層のエッチング方法を提供する。
なお、説明の便宜上、各図に示す各構成要素の寸法や縮尺比は、実際のものとは異なる場合がある。
図1(a)に示すように、プラズマエッチング装置100は、チャンバ1と、コイル2と、載置台3とを備える。チャンバ1は、上部にプラズマ生成空間11が設けられ、下部に処理空間12が設けられている。コイル2は、プラズマ生成空間11を囲うようにチャンバ1の外部に配設されている。載置台3は、処理空間12に配置され、エッチングを施す基板Sが載置される。
本実施形態に係るエッチング方法は、エッチング処理と、保護膜形成処理とを交互に繰り返し行うことで、基板SのSiGe層10を深掘りエッチングする工程を含む。
図2に示すように、エッチング処理用ガスにO2ガスを含まない場合、ボッシュプロセス法によってSiGe層10を深掘りエッチングすると、針状のエッチング残渣10aが発生してしまう。エッチング残渣10aが発生すると、基板Sの機械的形状や電気的特性に悪影響を及ぼすおそれがあるので問題である。
以下、エッチング処理用ガスにO2ガスを含むことの効果、及びO2ガスの好ましい流量(SF6ガスの流量に対するO2ガスの好ましい流量の比率)について検討した結果について説明する。
(1)エッチング処理におけるSF6ガスの流量250sccm、O2ガスの流量0〜150sccm
(2)エッチング処理(SiGe層10の凹部底面に堆積した保護膜除去時)の時間1.5sec、チャンバ1内圧力2Pa、コイル2への印加電力1500W、載置台3への印加電力150W
(3)エッチング処理(SiGe層10のエッチング時)の時間1.1sec、チャンバ1内圧力2Pa、コイル2への印加電力1500W、載置台3への印加電力20W
(4)保護膜形成処理におけるC4F8ガスの流量300sccm、保護膜形成処理の時間1.2sec、チャンバ1内圧力3Pa、コイル2への印加電力1500W、載置台3への印加電力0W
そして、O2ガスの各流量毎に、深掘りエッチング後のエッチング残渣の発生有無とエッチング残渣の最大高さを電子顕微鏡で観察すると共に、SiGe層10のエッチングレートを評価した。
図3に示すように、エッチング処理用ガスにO2ガスを含まない(SF6ガスの流量に対するO2ガスの流量の比率=0%)場合に比べて、エッチング処理用ガスにO2ガスを少しでも含ませると(SF6ガスの流量に対するO2ガスの流量の比率≧10%)、たとえエッチング残渣が発生したとしてもその最大高さが小さくなり、エッチング残渣の発生を抑制可能であることが分かった。さらに、SF6ガスの流量に対するO2ガスの流量の比率を40%以上にすれば、エッチング残渣の発生を十分に抑制可能であることが分かった。具体的には、上記流量の比率が40%の場合にはエッチング残渣の最大高さが0.2μmであり、50%、60%の場合にはエッチング残渣が発生しなかった。
Si層30でエッチング残渣が発生せず、SiGe層10でエッチング残渣が発生するのは、Geが存在することで、エッチング残渣の起点となるC4F8ガス起因のCF系ポリマーが残存し易くなるからではないかと考えられる。そして、SiGe層10を深掘りエッチングする際、エッチング処理用ガスにO2ガスを含ませることでエッチング残渣の発生が抑制されるのは、エッチング残渣の起点となるC4F8ガス起因のCF系ポリマーがO2ガスでアッシングされるからではないかと考えられる。
なお、図3に示す結果は一例に過ぎず、SF6ガスの流量やコイル2への印加電力などの条件を種々変更したとしても、供給するSF6ガスの流量に対するO2ガスの流量の比率を40%以上にすれば、いずれの条件でもエッチング残渣の発生を十分に抑制可能であった。
2・・・コイル
3・・・載置台
10・・・SiGe層
100・・・プラズマエッチング装置
S・・・基板
Claims (2)
- 基板の表面に形成されたSiGe層をプラズマを用いてエッチングするエッチング処理と、前記エッチング処理によって形成された凹部にプラズマを用いて保護膜を形成する保護膜形成処理とを交互に繰り返し行うことで、前記SiGe層を深掘りエッチングする工程を含み、
前記エッチング処理において、プラズマを生成するために供給するガスとして、SF 6 ガスとO2ガスとを含み、
供給するSF 6 ガスの流量に対するO 2 ガスの流量の比率が10%以上である、
ことを特徴とするSiGe層のエッチング方法。 - 前記供給するSF6ガスの流量に対するO2ガスの流量の比率が60%以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載のSiGe層のエッチング方法。
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