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JP6859196B2 - 毛髪処理剤 - Google Patents

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JP6859196B2 JP2017100521A JP2017100521A JP6859196B2 JP 6859196 B2 JP6859196 B2 JP 6859196B2 JP 2017100521 A JP2017100521 A JP 2017100521A JP 2017100521 A JP2017100521 A JP 2017100521A JP 6859196 B2 JP6859196 B2 JP 6859196B2
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Description

本発明は、毛髪処理剤に関する。
近年、毛髪化粧料には、毛髪に滑らかさやまとまりを付与できるコンディショニング効果がより期待されるようになってきている。カチオン性ポリマーや脂肪酸の配合によって毛髪に滑らかさやまとまり等を付与する技術は既に報告されている。しかしそれらの効果は持続性に乏しく、翌日の洗髪までには、滑らかさやまとまりが消失してしまうものであった。また、コンディショニング効果の持続を高めるためカチオン性ポリマーの配合量を増加させると、すすぎ時の毛髪にべたつき感が生じ、乾燥後に毛髪が揃いにくくなり、重い感触が残るという問題があった。
これに対し特許文献1では一つ又は複数のカチオン性ポリマーとカチオン性界面活性剤を組み合わせることで、清潔で、輝きがあり、滑らかで、柔軟な毛髪をもたらし、梳かすことが容易になり、その良好な化粧料の特性は、複数回シャンプーを行った後でさえ、長期間持続される化粧料組成物が開示されている。また、特許文献2には、特定のカチオン性ポリマーと特定の分岐脂肪酸とを組み合わせることで、乾燥後の滑らかさやまとまりといったコンディショニング効果を持続させつつも、毛髪を揃いやすくし、更にひんやり感を付与して、心地よい感触が翌日の洗髪まで持続的に得られることが開示されている。また、特許文献3には、特定のカチオン性ポリマーと特定の混合脂肪酸との間で水不溶性の複合体を形成させ、更にシリコーン類とを組み合わせることで、処理直後から次の洗髪時まで持続する滑らかさとまとまりが得られる、洗い流すタイプの毛髪化粧料組成物が開示されている。
特表2013-536830号公報 特開2013-216620号公報 特開2014-141485号公報
ところで寝ぐせは、就寝時に寝具等から頭髪に加わる外力によって毛髪が身だしなみ上望ましくない形状に形付けられる現象であって、多くの人が日常生活で感じる煩わしい現象である。寝ぐせを直す際には、毛髪を水や整髪料で濡らしたり、加湿等をしたりすることにより、毛髪内部に存在する水素結合を一旦切断した後に、ドライヤーやヘアアイロン等で乾燥させながら、より好ましい形状で水素結合を再形成する、という操作が必要になる。この操作は概ね煩雑であることに加えて多くの手間と時間がかかるため、多忙な現代人にとっては、寝ぐせがつきにくくなり、かつ良好な毛髪感触が次の洗髪まで続く毛髪処理剤が求められていた。
しかしながら、特許文献1〜3はコンディショニング効果やその持続については開示しているが、毛髪の寝ぐせがつきにくくなる効果については示唆されておらず、また、その効果も不十分であった。
したがって、本発明は、毛髪を寝ぐせがつきにくくさせることに加えて、すすぎ時のベタつきを抑制するとともに毛髪に滑らかさを付与し、かつ毛髪のまとまりや滑らかさを次の洗髪時まで持続させることができ、更に耐シャンプー性に優れる毛髪処理剤に関する。
本発明者らは、高カチオン密度のカチオン性ポリマー、低カチオン密度のカチオン性ポリマー、及び脂肪酸又はその塩を組み合わせてなる毛髪処理剤とすることによって、寝ぐせをつきにくくさせる効果、すすぎ時のベタつきを抑制する効果、毛髪に滑らかさを付与する効果、毛髪のまとまりや滑らかさを次の洗髪時まで持続させる効果、及び高い耐シャンプー効果が達成されること、更にはこの毛髪処理剤による処理に続き、カチオン性界面活性剤と高級アルコールを含有する第二の毛髪処理剤によって処理することにより、更に上記効果が向上することを見いだした。
本発明は、成分(A)〜(C)を含有し、成分(B)に対する成分(A)の質量比(A)/(B)が0.01以上0.50以下である毛髪処理剤を提供するものである。
(A) 電荷密度が3.0meq/g以上24meq/g以下であるカチオン性ポリマー
(B) 電荷密度が3.0meq/g未満であるカチオン性ポリマー
(C) 脂肪酸又はその塩
また本発明は、次の毛髪処理剤A剤及びB剤を備えた毛髪処理キットを提供するものである。
A剤:前記成分(A)〜(C)を含有する毛髪処理剤
B剤:下記成分(H)及び(I)を含有する毛髪処理剤
(H) カチオン性界面活性剤
(I) 炭素数12以上22以下の高級アルコール
更に本発明は、次の工程A及びBを含む毛髪処理方法を提供するものである。
工程A:前記成分(A)〜(C)を含有する毛髪処理剤(A剤)を頭髪に塗布する工程
工程B:工程Aの後、下記成分(H)及び(I)を含有する毛髪処理剤(B剤)を頭髪に塗布する工程
(H) カチオン性界面活性剤
(I) 炭素数12以上22以下の高級アルコール
本発明の毛髪処理剤で毛髪を処理することにより、毛髪を寝ぐせがつきにくくさせ、すすぎ時のベタつきを抑制するとともに毛髪に滑らかさを付与し、かつ毛髪のまとまりや滑らかさを次の洗髪時まで持続させ、更に高い耐シャンプー性を付与することができる。
●毛髪処理剤
〔成分(A):電荷密度3.0meq/g以上24meq/g以下のカチオン性ポリマー〕
成分(A)のカチオン性ポリマーの電荷密度は、すすぎ時のベタつきのなさ、すすぎ時の滑らかさ、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性、及び耐シャンプー性の観点から、3.0meq/g以上であって、好ましくは3.5meq/g以上、より好ましくは4.0meq/g以上、更に好ましくは4.5meq/g以上、更に好ましくは5.0meq/g以上、更に好ましくは5.5meq/g以上であり、また、同様の観点から、24meq/g以下であって、好ましくは10meq/g以下、より好ましくは7.0meq/g以下、更に好ましくは6.5meq/g以下である。
ここで、カチオン性ポリマーの電荷密度とは、ポリマー上の正電荷の数と該ポリマーの分子量の比を指す。カチオン性ポリマーの電荷密度にポリマー分子量を乗じると、所定のポリマー鎖における正に荷電した部位の数が求められる。カチオン性ポリマーの電荷密度は、ポリマーの1g当たりの正電荷(カチオン性を有する窒素原子)のミリ当量数(meq/g)として定義される。下記成分(B)のカチオン性ポリマーの電荷密度も同様である。
成分(A)のカチオン性ポリマーとしては、ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体、4級化ポリビニルイミダゾリウム誘導体、ポリエチレンイミン、メタクリロイルオキシエチレントリモニウムクロリドの重合体等が挙げられる。
ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体としては、次の一般式(1)又は(2)で表される骨格を有するものが好ましい。
Figure 0006859196
〔式中、R1及びR2は同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基(フェニル基等)、ヒドロキシアルキル基、アミドアルキル基、シアノアルキル基、アルコキシアルキル基又はカルボアルコキシアルキル基を示し、R3及びR4は同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基を示し、X-は陰イオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン、メチル硫酸アニオン、リン酸アニオン、硝酸アニオン等)を示す。〕
ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体は、成分(C)との併用によるコンディショニング効果の持続性向上効果をより高める観点から、式(1)又は(2)で表される構成単位を、一分子中に好ましくは50〜100モル%、より好ましくは65〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%、更に好ましくは95〜100モル%含有する。
ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体の具体例としては、次の一般式(3)又は(4)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006859196
〔式中、R1、R2及びX-は、前記と同じ意味を示す。p、q及びrはモル比を示し、p+q+r=100である。〕
pは好ましくは0〜50、より好ましくは0〜40、更に好ましくは0〜30、更に好ましくは0〜25であり、qは好ましくは50〜100、より好ましくは60〜100、更に好ましくは70〜100、更に好ましくは75〜100であり、rは好ましくは0〜50、より好ましくは0〜40、更に好ましくは0〜30、更に好ましくは0〜25である。
これらの中でも、ジアリル4級アンモニウム塩のホモポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩とアクリル酸とのコポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマーが好ましい。ジアリル4級アンモニウム塩のホモポリマーの具体例としては、マーコート100(INCI名:ポリクオタニウム-6、Lubrizol Advanced Materials, Inc.製、電荷密度6.2meq/g、重量平均分子量150,000)等が挙げられ、ジアリル4級アンモニウム塩とアクリル酸とのコポリマーの具体例としては、マーコート295(INCI名:ポリクオタニウム-22、Lubrizol Advanced Materials, Inc.製、電荷密度6.0meq/g、重量平均分子量190,000)、マーコート280(INCI名:ポリクオタニウム-22、Lubrizol Advanced Materials, Inc.製、電荷密度5.0meq/g、重量平均分子量450,000)、ジアリル4級アンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマーの具体例としては、マーコート550(INCI名:ポリクオタニウム-7、Lubrizol Advanced Materials, Inc.製、電荷密度3.1meq/g、重量平均分子量1,600,000)等が挙げられる。
4級化ポリビニルイミダゾリウム誘導体としては、例えば次の一般式(5)で表されるものが好ましい。
Figure 0006859196
〔式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Y-は塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン、炭素数1〜4のアルキル硫酸アニオン、リン酸アニオン、硝酸アニオン等の陰イオンを示し、s及びtはモル比を示し、s+t=100である。〕
カチオン性を示すモノマーのモル比であるtは、成分(C)との併用によるコンディショニング効果の持続性向上効果をより高める観点から、好ましくは73以上、より好ましくは90以上、更に好ましくは93以上であり、また、好ましくは99以下である。
このような4級化ポリビニルイミダゾリウム誘導体の具体例としては、ビニルピロリドンと塩化メチルビニルイミダゾリウムとのコポリマーであるルビカットエクセレンス(BASF社製、電荷密度6.7meq/g、重量平均分子量40,000)等が挙げられる。
ポリエチレンイミンの具体例としては、和光純薬工業株式会社から販売されている電荷密度23.2meq/g、重量平均分子量10,000のポリエチレンイミンが挙げられる。
メタクリロイルオキシエチレントリモニウムクロリドの重合体の具体例としては、(INCI名:ポリクオタニウム-37、BASF社:コスメディア ウルトラジェル300、電荷密度4.8meq/g)が挙げられる。
成分(A)の重量平均分子量は、成分(C)と水不溶性のコンプレックスを形成して毛髪に残留しやすいものとする観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは50,000以上、更に好ましくは100,000以上であり、また、好ましくは10,000,000以下、より好ましくは5,000,000以下、更に好ましくは2,000,000以下、更に好ましくは1,000,000以下、更に好ましくは800,000以下である。
ここで、重量平均分子量は、例えばゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、以下の条件にて測定することができる。
移動層:50mM LiBr, 1%CH3COOH/エタノール:水=3:7
カラム:TSK gel α-M(2本直列)
標準物質:ポリエチレングリコール
成分(A)のカチオン性ポリマーの中でも、すすぎ時のベタつきのなさ、すすぎ時の滑らかさ、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性、及び耐シャンプー性の観点から、ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体が好ましい。
成分(A)のカチオン性ポリマーは、単独で又は2種以上を組合せて用いることができ、毛髪処理剤中における含有量は、すすぎ時のベタつきのなさ、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性、及び耐シャンプー性の観点より、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上であり、また、すすぎ時のベタつきのなさ、すすぎ時の滑らかさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性、及び寝ぐせのつきにくさの観点より、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下である。
〔成分(B):電荷密度3.0meq/g未満のカチオン性ポリマー〕
成分(B)のカチオン性ポリマーの電荷密度は、すすぎ時のベタつきのなさ、すすぎ時の滑らかさ、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性、及び耐シャンプー性の観点から、3.0meq/g未満であって、好ましくは2.0meq/g以下、より好ましくは1.5meq/g以下、更に好ましくは1.2meq/g以下であり、また、好ましくは0.1meq/g以上、より好ましくは0.3meq/g以上、更に好ましくは0.5meq/g以上である。
このような電荷密度3.0meq/g未満のカチオン性ポリマーとしては、例えばN,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体(INCI名:ポリクオタニウム-52、ソフケアKG-101W-E、花王社製、電荷密度0.83meq/g)、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル(INCI名:ポリクオタニウム-10)等のカチオン化セルロースが挙げられる。カチオン化セルロースとしては、例えばポイズC-60H(花王社製、電荷密度1.1meq/g)、ポイズC-150L(花王社製、電荷密度0.9meq/g)等が挙げられる。成分(B)のカチオン性ポリマーは、単独で又は2種以上を組合せて用いることができ、すすぎ時のベタつきのなさ及びすすぎ時の滑らかさの観点から2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
毛髪処理剤中における成分(B)の含有量は、すすぎ時のベタつきのなさ、すすぎ時の滑らかさ、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性、及び耐シャンプー性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、すすぎ時のベタつきのなさ、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性、及び耐シャンプー性の観点から、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下である。
毛髪処理剤中における成分(B)に対する成分(A)の質量比(A)/(B)は、すすぎ時のベタつきのなさ、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性、及び耐シャンプー性の観点から、0.001以上であり、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.03以上、更に好ましくは0.08以上、更に好ましくは0.10以上、更に好ましくは0.30以上であり、また、すすぎ時のベタつきのなさ、すすぎ時の滑らかさ、及び寝ぐせのつきにくさの観点から、0.50以下であり、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.40以下である。
〔成分(C):脂肪酸又はその塩〕
成分(C)の脂肪酸又はその塩としては、炭素数14以上22以下の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸又はその塩が挙げられる。
成分(C)としては、すすぎ時のベタつきのなさ、すすぎ時の滑らかさ、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性、及び耐シャンプー性の観点から、下記一般式(6)で表される脂肪酸又はその塩を用いることが好ましい。
5-COOM (6)
〔式中、R5は、炭素数13以上21以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、Mは、水素、ナトリウム又はカリウムを示す〕
一般式(6)中のR5の炭素数は、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性の観点から、好ましくは15以上21以下、より好ましくは17以上21以下である。また、R5は、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましい。成分(C)の具体例としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸が挙げられる。成分(C)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
毛髪処理剤中における成分(C)の含有量は、すすぎ時のベタつきのなさ、すすぎ時の滑らかさ、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性、及び耐シャンプー性の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上であり、また、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.30質量%以下、更に好ましくは0.25質量%以下である。
〔成分(D):有機酸〕
本発明の毛髪処理剤は、更に成分(D)として有機酸を含有することができる。有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸;ポリグルタミン酸等のポリカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸等が挙げられる。これらのうち、コハク酸、乳酸が好ましい。成分(D)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
毛髪処理剤中における成分(D)の含有量は、すすぎ時のベタつきのなさ、すすぎ時の滑らかさ、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性、及び耐シャンプー性の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上であり、また、すすぎ時のベタつきのなさ、すすぎ時の滑らかさの観点から、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.35質量%以下である。
〔成分(E):カチオン性界面活性剤〕
本発明の毛髪処理剤は、更に成分(E)としてカチオン性界面活性剤を含有することができる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩、(ii)アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、(iii)ジアルキルジメチルアンモニウム塩、(iv)アルキルジメチルアミン及びその塩、(v)アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、(vi)アルキルアミドアミン及びその塩等が挙げられる。
(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩
アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば下記一般式(7)で表されるものが挙げられる。
8−N+(CH3)3- (7)
〔式中、R8は炭素数12〜22のアルキル基を示し、X-は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;メトサルフェートイオン、エトサルフェートイオン、メトフォスフェートイオン、エトフォスフェートイオン、メトカーボナートイオン等を示す。〕
具体的には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェート等が挙げられる。
(ii)アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩
アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば下記一般式(8)で表されるものが挙げられる。
9−O−R10−N+(CH3)3- (8)
〔式中、R9は炭素数12〜22のアルキル基を示し、R10はヒドロキシ基が置換していてもよいエチレン基又はプロピレン基を示し、X-は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;メトサルフェートイオン、エトサルフェートイオン、メトフォスフェートイオン、エトフォスフェートイオン、メトカーボナートイオン等を示す。〕
具体的には、ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
(iii)ジアルキルジメチルアンモニウム塩
ジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、例えば下記一般式(9)で表されるものが挙げられる。
(R11)2+(CH3)2- (9)
〔式中、R11はそれぞれ独立して炭素数12〜22のアルキル基を示し、X-は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン;メトサルフェートイオン、エトサルフェートイオン、メトフォスフェートイオン、エトフォスフェートイオン、メトカーボナートイオン等を示す。〕
具体的には、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアルキル(C12-18)ジモニウムクロリド等が挙げられる。
(iv)アルキルジメチルアミン及びその塩
アルキルジメチルアミンは、酸と反応して4級アンモニウム塩となり、界面活性剤となる。したがって、ここでは、アルキルジメチルアミン及びその塩をカチオン性界面活性剤と定義する。また、その含有量は、アルキルジメチルアミンの質量で換算する。アルキルジメチルアミン及びその塩としては、例えば下記一般式(10)で表されるもの及びその塩が挙げられる。
12−N(CH3)2 (10)
〔式中、R12は炭素数12〜22のアルキル基を示す。〕
塩としては、有機酸又は無機酸による塩が挙げられる。有機酸としては、前述の成分(D)が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。これらの中で、有機酸が好ましく、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、酸性アミノ酸が好ましい。ジカルボン酸としてはマレイン酸、コハク酸がより好ましい。ヒドロキシカルボン酸としてはグリコール酸、乳酸、リンゴ酸がより好ましい。酸性アミノ酸としてはグルタミン酸がより好ましい。
具体的なアルキルジメチルアミン及びその塩としては、N,N-ジメチルベヘニルアミン、N,N-ジメチルステアリルアミン及びそれらの有機酸塩が挙げられ、すすぎ時の毛髪の滑らかさの観点からN,N-ジメチルベヘニルアミンの乳酸塩、N,N-ジメチルステアリルアミンのグリコール酸塩などが好ましい。
(v)アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩
アルコキシアルキルジメチルアミンは、酸と反応して4級アンモニウム塩となり、界面活性剤となる。したがって、ここでは、アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩をカチオン性界面活性剤と定義する。また、その含有量は、アルコキシアルキルジメチルアミンの質量で換算する。アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩としては、例えば下記一般式(11)で表されるもの及びその塩が挙げられる。
13−O−R14−N(CH3)2 (11)
〔式中、R13は炭素素数12〜22のアルキル基を示し、R14はエチレン基又はプロピレン基を示す。〕
塩としては、有機酸又は無機酸による塩が挙げられる。有機酸としては、前述の成分(D)が挙げられる。無機酸としては、前述の一般式(10)で表されるアルキルジメチルアミンの中和に用いられる無機酸が挙げられる。
具体的なアルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩としては、N,N-ジメチル-3-ヘキサデシルオキシプロピルアミン、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシプロピルアミン及びそれらの有機酸塩が挙げられ、すすぎ時の毛髪の滑らかさの観点から、N,N-ジメチル-3-ヘキサデシルオキシプロピルアミンの乳酸塩、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシプロピルアミンのグリコール酸塩が好ましい。
(vi)アルキルアミドアミン及びその塩
アルキルアミドアミンは、酸と反応して4級アンモニウム塩となり、界面活性剤となる。したがって、ここでは、アルキルアミドアミン及びその塩をカチオン性界面活性剤と定義する。また、その含有量は、アルキルアミドアミンの質量で換算する。アルキルアミドアミン及びその塩としては、例えば下記一般式(12)で表されるもの及びその塩が挙げられる。
15−CONH−(CH2)m−N(CH3)2 (12)
〔式中、R15は炭素数12〜22のアルキル基を示し、mは2〜4の数を示す。〕
これらの中で、R15が炭素数14〜22のアルキル基であるものが好ましい。
塩としては、有機酸又は無機酸による塩が挙げられる。有機酸としては、前述の成分(D)が挙げられる。無機酸としては、前述の一般式(10)で表されるアルキルジメチルアミンの中和に用いられる無機酸が挙げられる。
具体的なアルキルアミドアミン及びその塩としては、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド及びその塩、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド及びその塩が挙げられる。
これらの中で、(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩、(ii)アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、(iii)ジアルキルジメチルアンモニウム塩、(v)アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、(vi)アルキルアミドアミン及びその塩が好ましく、すすぎ時の毛髪を滑らかにし、すすぎ後の乾燥過程における髪の絡まりを抑制する観点から、(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩、(iii)ジアルキルジメチルアンモニウム塩、(v)アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、(vi)アルキルアミドアミン及びその塩が好ましい。更には、N,N-ジメチル-3-ヘキサデシルオキシプロピルアミン及びその塩、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシプロピルアミン及びその塩、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド及びその塩、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド及びその塩、アルキル(C12-18)トリモニウムクロリド、ジアルキル(C12-18)ジモニウムクロリドが好ましく、これらの中でもアルキル(C12-18)トリモニウムクロリドがより好ましい。
成分(E)のカチオン性界面活性剤は、いずれか1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。毛髪処理剤中における成分(E)の含有量は、すすぎ時のベタつきのなさ、すすぎ時の滑らかさ、1日後のまとまりの持続性、及び1日後の滑らかさの持続性観点から、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.2質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
〔成分(F):成分(C)以外のアニオン性界面活性剤〕
本発明の毛髪処理剤は、更に成分(F)として、成分(C)の脂肪酸塩以外のアニオン性界面活性剤を含有することができる。脂肪酸塩以外のアニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の疎水性部位を有する硫酸エステル塩;スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、アルカンスルホン酸塩、アシルイセチオネート、アシルメチルタウレート等の疎水性部位を有するスルホン酸塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩等の疎水性部位を有するカルボン酸塩;アシルグルタミン酸塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体等の疎水性部位を有するアミノ酸塩等が挙げられる。これらアニオン性界面活性剤のアニオン性基の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;炭素数2又は3のアルカノール基を1〜3個有するアルカノールアミン塩(例えばモノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩等)が挙げられる。
成分(F)のアニオン性界面活性剤は、いずれか1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。毛髪処理剤中における成分(F)の含有量は、すすぎ時のベタつきのなさ、すすぎ時の滑らかさ、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性、及び耐シャンプー性の観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
〔成分(G):高級アルコール〕
本発明の毛髪処理剤は、更に成分(G)として高級アルコールを含有することができる。高級アルコールとしては、直鎖及び分岐鎖、また飽和及び不飽和のいずれの脂肪族アルコールでもよく、その炭素数は、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、更に好ましくは16以上であり、また、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。これらの高級アルコールは、いずれか1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
毛髪処理剤中における成分(G)の含有量は、すすぎ時のベタつきのなさ、すすぎ時の滑らかさ、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、1日後の滑らかさの持続性、及び耐シャンプー性の観点から、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下である。
〔水〕
本発明の毛髪処理剤は、媒体として水を含有することが好ましい。水は、成分(A)〜(C)及びその他の成分の残量となる。
〔その他の任意成分〕
本発明の毛髪処理剤には更に、毛髪化粧料に一般に使用されるその他の成分を、目的に応じて配合することができる。例えば、ジメチルポリシロキサン、環状シリコーン、アミノ変性シリコーン、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリシドール変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等のシリコーン類;ヒドロキシアルキルセルロース、高重合ポリエチレンオキサイド等の成分(A)、(B)以外の高分子化合物;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド等の非イオン性界面活性剤;スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル;イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどの油剤;エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン等のアルコール類;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ剤;pH調整剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ユーカリの極性溶媒抽出物、真珠層を有する貝殻又は真珠から得られる蛋白質又はその加水分解物、シルクから得られる蛋白質又はその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、ツバキ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;雲母チタン等のパール粉体;メントール等の清涼剤:香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ(ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS))に記載されている成分等が挙げられる。
〔pH〕
本発明の毛髪処理剤のpHは、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.5以上、更に好ましくは3.0以上であって、また、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.5以下、更に好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.5以下である。なお、本発明において、毛髪処理剤のpHは、水で20質量倍希釈したときの25℃における値をいう。
〔毛髪処理剤の形態〕
また本発明の毛髪処理剤の形態としては、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック等のヘアコンディショニング組成物が挙げられ、中でも髪に適用後、洗い流して使用されるものが好ましい。
〔毛髪処理方法〕
本発明の毛髪処理剤を用いて髪のコンディショニング処理を行うには、洗髪後の毛髪に本発明の毛髪処理剤を髪に塗布した後、水で洗い流せばよい。これにより、乾燥後の毛髪を寝ぐせがつきにくくするとともに、毛髪に滑らかさを付与し、かつ毛髪のまとまりや滑らかさを次の洗髪時まで持続させることができる。
●第二の毛髪処理剤
以上述べた成分(A)〜(C)を含有する本発明の毛髪処理剤(A剤)による毛髪処理に続き、下記成分(H)及び(I)を含有する第二の毛髪処理剤(B剤)による処理を行うことによって、前記効果を更に向上させることができる。この第二の毛髪処理剤(B剤)は、毛髪に対してA剤を塗布した後、水ですすぐか又はすすぎを行わずに該毛髪に対して塗布して用いることができる。B剤は、すすぎ時のベタつきのなさ、及びすすぎ時の滑らかさの観点から、毛髪に対してA剤を塗布した後、水ですすぎを行わずに該毛髪に対して塗布するためのものであることがより好ましい。
(H) カチオン性界面活性剤
(I) 高級アルコール
〔成分(H):カチオン性界面活性剤〕
B剤は、成分(H)としてカチオン性界面活性剤を含有する。成分(H)のカチオン性界面活性剤としては、前述のA剤における成分(E)としてのカチオン性界面活性剤と同様のものを挙げることができる。前述のA剤における成分(E)としてのカチオン性界面活性剤の中でも、B剤における成分(H)としてのカチオン性界面活性剤としては、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、及び1日後の滑らかさの持続性の観点から、(i)アルキルトリメチルアンモニウム塩、(ii)アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、(v)アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、(vi)アルキルアミドアミン及びその塩が好ましい。更に、N,N-ジメチル-3-ヘキサデシルオキシプロピルアミン及びその塩、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシプロピルアミン及びその塩、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ドコサナミド及びその塩、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)ステアラミド及びその塩、アルキル(C12-18)トリモニウムクロリドが好ましく、これらの中でもN,N-ジメチル-3-ヘキサデシルオキシプロピルアミン及びその塩、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシプロピルアミン及びその塩がより好ましい。これらのカチオン性界面活性剤は、いずれか1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
B剤中における成分(H)の含有量は、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、及び1日後の滑らかさの持続性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.5質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下である。
〔成分(I):高級アルコール〕
B剤は、成分(I)として高級アルコールを含有する。成分(I)の高級アルコールとしては、直鎖及び分岐鎖、また飽和及び不飽和のいずれの脂肪族アルコールでもよい。その炭素数は、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、更に好ましくは16以上であり、また、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。具体的にはラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、アラキルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-オクチルドデカノール等が挙げられる。これらのうち、塗布時の塗り広げやすさの観点からステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、セテアリルアルコールが好ましい。これらの高級アルコールは、いずれか1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
B剤中における成分(I)の含有量は、寝ぐせのつきにくさ、1日後のまとまりの持続性、及び1日後の滑らかさの持続性の観点から、好ましくは2質量%超、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、また、同様の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下、更に好ましくは7質量%以下である。
〔水〕
B剤は、媒体として水を含有することが好ましい。水は、成分(H)〜(I)及びその他の成分の残量となる。
〔その他の任意成分〕
B剤には更に、毛髪化粧料に一般に使用されるその他の成分を、目的に応じて配合することができる。例えば、前述のA剤の「その他の任意成分」に記載の成分を用いることができる。
本発明において、B剤としては、前記成分(H)及び(I)を含有する毛髪処理剤であれば特に限定されることなくいずれのものも使用することができる。例えば、通常使用されているヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック等のヘアコンディショニング組成物を利用することもできる。
〔毛髪処理方法〕
A剤及びB剤を用いた髪のコンディショニング処理は、次の工程A及びBを含む毛髪処理方法により行われる。
工程A:A剤を頭髪に塗布する工程
工程B:工程Aの後、B剤を頭髪に塗布する工程
工程Aは、毛髪洗浄剤によって洗浄し、すすぎ後の濡れた頭髪に対して行うことが好ましい。また、すすぎ時のベタつきのなさ、及びすすぎ時の滑らかさの観点から、工程Aの後、毛髪上のA剤を水で洗い流すことなく、工程Bを行うことが好ましい。
工程Bの後は、水、好ましくは温水で洗い流せばよい。
以上述べた実施形態に関し、以下に本発明の好ましい態様を更に開示する。
<1> 成分(A)〜(C)を含有し、成分(B)に対する成分(A)の質量比(A)/(B)が0.001以上0.50以下である毛髪処理剤。
(A) 電荷密度が3.0meq/g以上24meq/g以下であるカチオン性ポリマー
(B) 電荷密度が3.0meq/g未満であるカチオン性ポリマー
(C) 脂肪酸又はその塩
<2> 成分(A)のカチオン性ポリマーの電荷密度が、好ましくは3.5meq/g以上、より好ましくは4.0meq/g以上、更に好ましくは4.5meq/g以上、更に好ましくは5.0meq/g以上、更に好ましくは5.5meq/g以上であり、また、好ましくは10meq/g以下、より好ましくは7.0meq/g以下、更に好ましくは6.5meq/g以下である、<1>に記載の毛髪処理剤。
<3> 成分(A)のカチオン性ポリマーが、好ましくはジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体、4級化ポリビニルイミダゾリウム誘導体、ポリエチレンイミン及びメタクリロイルオキシエチレントリモニウムクロリドの重合体からなる群より選ばれる1種又は2種以上、より好ましくはポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-22及びポリクオタニウム-7からなる群より選ばれる1種又は2種以上のジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む重合体である、<1>又は<2>に記載の毛髪処理剤。
<4> 成分(A)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上であり、また、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
<5> 成分(B)のカチオン性ポリマーの電荷密度が、好ましくは2.0meq/g以下、より好ましくは1.5meq/g以下、更に好ましくは1.2meq/g以下であり、また、好ましくは0.1meq/g以上、より好ましくは0.3meq/g以上、更に好ましくは0.5meq/g以上である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
<6> 好ましくは、成分(B)のカチオン性ポリマーが、ポリクオタニウム-52、ポリクオタニウム-10から選ばれる1種又は2種以上である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
<7> 成分(B)の含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下である、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
<8> 成分(B)に対する成分(A)の質量比(A)/(B)が、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.03以上、更に好ましくは0.08以上、更に好ましくは0.10以上、更に好ましくは0.30以上であり、また、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.40以下である、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
<9> 好ましくは、成分(C)が、下記一般式(6)で表される脂肪酸又はその塩である、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
5-COOM (6)
〔式中、R5は、炭素数13以上21以下、好ましくは15以上21以下、より好ましくは17以上21以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、Mは、水素、ナトリウム又はカリウムを示す〕
<10> 成分(C)の含有量が、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上であり、また、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.30質量%以下、更に好ましくは0.25質量%以下である、<1>〜<9>のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
<11> 好ましくは、更に、成分(D)として有機酸を含有する、<1>〜<10>のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
<12> 成分(D)が、好ましくは酢酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、ポリグルタミン酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルタミン酸及びアスパラギン酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上、より好ましくはコハク酸及び乳酸から選ばれる1種又は2種である、<11>に記載の毛髪処理剤。
<13> 成分(D)の含有量が、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上であり、また、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.35質量%以下である、<11>又は<12>に記載の毛髪処理剤。
<14> 好ましくは、更に成分(E)としてカチオン性界面活性剤を含有する、<1>〜<13>のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
<15> 成分(E)が、好ましくはアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミン及びその塩、アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、並びにアルキルアミドアミン及びその塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上、より好ましくはアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、並びにアルキルアミドアミン及びその塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上、更に好ましくはアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、並びにアルキルアミドアミン及びその塩から選ばれる1種又は2種以上である、<14>に記載の毛髪処理剤。
<16> 好ましくは、更に成分(G)として高級アルコールを含有する、<1>〜<15>のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
<17> 成分(G)が、好ましくは直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族アルコールであって、その炭素数が、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、更に好ましくは16以上であり、また、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である、<16>に記載の毛髪処理剤。
<18> 成分(G)の含有量が、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下である、<16>又は<17>に記載の毛髪処理剤。
<19> 次の毛髪処理剤A剤及びB剤を備えた毛髪処理キット。
A剤:<1>〜<18>のいずれかに記載の毛髪処理剤
B剤:下記成分(H)及び(I)を含有する毛髪処理剤
(H) カチオン性界面活性剤
(I) 高級アルコール
<20> 成分(H)が、好ましくはアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミン及びその塩、アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、並びにアルキルアミドアミン及びその塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上、より好ましくはアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、並びにアルキルアミドアミン及びその塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上である、<19>に記載の毛髪処理キット。
<21> B剤中における成分(H)の含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.5質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下である、<19>又は<20>に記載の毛髪処理キット。
<22> 成分(I)が、好ましくは直鎖又は分岐鎖の、飽和又は不飽和の脂肪族アルコールであって、その炭素数が、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、更に好ましくは16以上であり、また、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である、<19>〜<21>のいずれか1項に記載の毛髪処理キット。
<23> A剤中における高級アルコールの含有量が、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下であり、
B剤中における成分(I)の含有量が、好ましくは2質量%超、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下、更に好ましくは7質量%以下である、<19>〜<22>のいずれか1項に記載の毛髪処理キット。
<24> 次の工程A及びBを含む毛髪処理方法。
工程A:<1>〜<18>のいずれかに記載の毛髪処理剤(A剤)を頭髪に塗布する工程
工程B:工程Aの後、下記成分(H)及び(I)を含有する毛髪処理剤(B剤)を頭髪に塗布する工程
(H) カチオン性界面活性剤
(I) 高級アルコール
<25> 好ましくは、工程Aの後、毛髪上のA剤を水で洗い流すことなく、B剤を頭髪に塗布する、<24>に記載の毛髪処理方法。
<26> A剤中における高級アルコールの含有量が、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下であり、
B剤中における成分(I)の含有量が、好ましくは2質量%超、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下、更に好ましくは7質量%以下である、<24>又は<25>に記載の毛髪処理方法。
実施例1〜8、比較例1〜6
表1に示す毛髪処理剤A剤及びB剤を常法に従って調製した。これらの毛髪処理剤の一方又は両方を用いて、以下に示す各種評価を行った。
すすぎ時のベタつきのなさ・滑らかさ
ヘアカラーを年4回の頻度で使用していた人の毛髪20g(長さ約30cm)を用いて毛髪トレスを作製した。この毛髪トレスを下記のモデルシャンプー1gで洗浄した後、40℃の温水で30秒、毛髪に指を通しながらすすぎ流した。次にA剤1gを塗布し、毛髪全体に十分に馴染ませた後、40℃の温水で30秒間すすぎながら、ベタつき、滑らかさの観点から官能評価を行った。なお、実施例5、比較例3については、A剤を塗布して毛髪に十分なじませた後、洗い流すことなくB剤1gを塗布し、毛髪全体に十分に馴染ませた後、40℃の温水で30秒間すすぎながら、ベタつき、滑らかさの観点から官能評価を行った。また、比較例6については、毛髪トレスをモデルシャンプー1gで洗浄し、すすぎ流した後、A剤を塗布することなくB剤1gを塗布し、毛髪全体に十分に馴染ませた後、40℃の温水で30秒間すすぎながら、ベタつき、滑らかさの観点から官能評価を行った。
すすぎ時のベタつきのなさについては「ベタつかない」/「どちらともいえない」/「ベタつく」から、すすぎ時の滑らかさについては「滑らか」/「どちらともいえない」/「滑らかではない」から、それぞれ択一的に選択させた。
評価は7名のパネラーによって行い、「ベタつかない」/「どちらともいえない」/「ベタつく」、「滑らか」/「どちらともいえない」/「滑らかではない」と答えたパネラーの人数を順に示す。
(モデルシャンプーの組成)
(成分) (質量%)
ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15.5
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.28
エデト酸二ナトリウム 0.1
安息香酸ナトリウム 0.5
オキシベンゾン 0.03
リン酸 0.075
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
塩化ナトリウム 0.8
香料 0.26
精製水 残量
(合計) 100
まとまりの持続、滑らかさの持続
すすぎ時のベタつきのなさ・滑らかさを評価した後の毛髪トレスをタオルドライを行い、ドライヤーで十分に乾燥させた後、実験室条件下で1日(24時間)吊るして静置させた後、まとまり、滑らかさの観点から官能評価を行った。
まとまりの持続性については「まとまる」/「どちらともいえない」/「まとまらない」から、滑らかさの持続性については「滑らか」/「どちらともいえない」/「滑らかではない」から、それぞれ択一的に選択させた。
評価は7名のパネラーによって行い、「まとまる」/「どちらともいえない」/「まとまらない」、「滑らか」/「どちらともいえない」/「滑らかではない」と答えたパネラーの人数を順に示す。
耐シャンプー性
上記の持続性評価の後の毛髪トレスをモデルシャンプー1gで洗浄した後、40度の温水で30秒間すすぎながら、滑らかさの観点から官能評価を行った。
すすぎ時の滑らかさについては、「滑らか」/「どちらともいえない」/「滑らかではない」から択一的に選択させた。評価は7名のパネラーによって行い、「滑らか」/「どちらともいえない」/「滑らかではない」と答えたパネラーの人数を順に示す。
寝ぐせのつきにくさ
評価用ウイッグとして、中国人直毛のウイッグ(ビューラックス社製)をショートヘアにカットしたものを用いた。モデルシャンプー3gで洗浄した後、40℃の温水で30秒、頭髪に指を通しながらすすぎ流した。次にA剤3gを塗布し、頭髪に指を通しながら30秒間なじませ、40℃の温水で30秒間、頭髪に指を通しながらすすぎ流した。なお、実施例5、比較例3については、A剤を塗布して頭髪に十分なじませた後、洗い流すことなくB剤3gを塗布し、頭髪全体に十分に馴染ませた後、40℃の温水で30秒間、頭髪に指を通しながらすすぎ流した。また、比較例6については、頭髪をモデルシャンプー3gで洗浄し、すすぎ流した後、A剤を塗布することなくB剤3gを塗布し、頭髪全体に十分に馴染ませた後、40℃の温水で30秒間すすぎ流した。
その後、タオルで余分な水分を拭き取り、ドライヤー(メーカー;TESCOM、型番;NB1902)で、3分乾燥させた後のウイッグを評価に用いた。あらかじめ35℃に設定・加温したホットプレート(CAMAG社製、TLC PLATE HEATER)上に、タオル(綿製、長さ80cm×幅34cm)の長辺を真ん中から2つ折りにしたものを2枚重ねて置き、タオルとタオルの間に5gの水分を含ませた不織布(長さ20cm×幅14cm)を広げて挟むことで、一定の水分を有する疑似枕を作製した。次いで上述の毛髪洗浄剤組成物処理後の評価用ウイッグをタオル(疑似枕)の上に仰向けに置いた後、寝ぐせのつきにくさを評価するためにウイッグの首方向に引きずりながら10cm移動させ、そのまま1時間静置した。
その後、ウイッグを起こした後に、寝ぐせがついた頭髪部位を3回、手櫛を速度20cm/秒で通しながら軽く撫でつけた。
撫でつけ後の状態を、7名のパネラーに「寝ぐせがつきにくい」/「どちらともいえない」/「寝ぐせがつきやすい」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「寝ぐせがつきにくい」/「どちらともいえない」/「寝ぐせがつきやすい」と答えたパネラーの人数を順に示す。
Figure 0006859196
*1:マーコート100(ルブリゾール・アドバンスト・マテリアルズ社製:電荷密度6.2meq/g)
*2:マーコート280(ルブリゾール・アドバンスト・マテリアルズ社製:電荷密度5.0meq/g)
*3:ポイズ C-150L(花王社製:電荷密度0.9meq/g)
*4:ソフケア KG-101W-E(2.4%)花王社製:電荷密度0.83meq/g)
*5:ルナックS-98(花王社製)
*6:イソステアリン酸EX(高級アルコール工業社製)
*7:ファーミンDM E-80(花王社製)
*8:カルコール8098(花王社製)
実施例9〜12
表2に示す毛髪処理剤A剤及びB剤を常法に従って調製した。これらの毛髪処理剤の一方又は両方を用いて、表1の場合と同様にして各種評価を行った。
ただし、実施例9はA剤を毛髪に塗布後、洗い流すことなくB剤で処理した後に評価を行い、実施例10はA剤を毛髪に塗布後、洗い流した後B剤で処理した後に評価を行い、実施例11はA剤のみで処理した後に評価を行い、実施例12はA剤による処理を2回繰り返した後に評価を行った。
Figure 0006859196
*1、*3〜*8:表1と同じ
*9:コータミン60W(花王社製)
*10:A剤を毛髪に塗布後、洗い流すことなくB剤で処理
*11:A剤を毛髪に塗布後、洗い流した後B剤で処理

Claims (12)

  1. 成分(A)〜(C)を含有し、成分(A)の含有量が0.01質量%以上1.0質量%以下、成分(B)の含有量が0.2質量%以上2質量%以下、成分(C)の含有量が0.10質量%以上0.30質量%以下、成分(B)に対する成分(A)の質量比(A)/(B)が0.001以上0.50以下である毛髪処理剤。
    (A) 次の一般式(1)又は(2)で表される骨格を有し、電荷密度が3.0meq/g以上24meq/g以下であるカチオン性ポリマー
    Figure 0006859196
    〔式中、R 1 及びR 2 は同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、アミドアルキル基、シアノアルキル基、アルコキシアルキル基又はカルボアルコキシアルキル基を示し、R 3 及びR 4 は同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基を示し、X - は陰イオンを示す。〕
    (B) 電荷密度が3.0meq/g未満であるカチオン性ポリマー
    (C) 脂肪酸又はその塩
  2. 更に、成分(D)として有機酸を含有する、請求項1に記載の毛髪処理剤。
  3. 成分(B)に対する成分(A)の質量比(A)/(B)が0.03以上0.40以下である請求項1又は2に記載の毛髪処理剤。
  4. 成分(A)の電荷密度が4.5meq/g以上である請求項1〜3のいずれかに記載の毛髪処理剤。
  5. 成分(A)の電荷密度が7.0meq/g以下である請求項1〜4のいずれかに記載の毛髪処理剤。
  6. 成分(B)の電荷密度が0.3meq/g以上である請求項1〜5のいずれかに記載の毛髪処理剤。
  7. 成分(C)が下記一般式(6)で表される脂肪酸又はその塩である請求項1〜6のいずれかに記載の毛髪処理剤。
    5-COOM (6)
    〔式中、R5は、炭素数13以上21以下の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を
    示し、Mは、水素、ナトリウム又はカリウムを示す〕
  8. 次の毛髪処理剤A剤及びB剤を備えた毛髪処理キット。
    A剤:請求項1〜7のいずれかに記載の毛髪処理剤
    B剤:下記成分(H)及び(I)を含有する毛髪処理剤
    (H) カチオン性界面活性剤
    (I) 炭素数12以上22以下の高級アルコール
  9. A剤中における炭素数12以上22以下の高級アルコールの含有量が2質量%以下であり、
    B剤中における成分(I)の含有量が2質量%を超え20質量%以下である、請求項8に記載の毛髪処理キット。
  10. 次の工程A及びBを含む毛髪処理方法。
    工程A:請求項1〜7のいずれかに記載の毛髪処理剤(A剤)を頭髪に塗布する工程
    工程B:工程Aの後、下記成分(H)及び(I)を含有する毛髪処理剤(B剤)を頭髪に塗布する工程
    (H) カチオン性界面活性剤
    (I) 炭素数12以上22以下の高級アルコール
  11. 工程Aの後、毛髪上のA剤を水で洗い流すことなく、B剤を頭髪に塗布する、請求項10に記載の毛髪処理方法。
  12. A剤中における炭素数12以上22以下の高級アルコールの含有量が2質量%以下であり、
    B剤中における成分(I)の含有量が2質量%を超え20質量%以下である、請求項10又は11に記載の毛髪処理方法。
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