最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一実施態様に係る交通情報収集システムは、自端末の位置および当該位置の通過時刻の情報を含むプローブ情報を取得する移動端末と、前記プローブ情報の収集者によって利用される収集サーバであって、前記移動端末が取得した前記プローブ情報を収集する前記収集サーバと、前記プローブ情報の利用者によって利用される利用サーバであって、前記移動端末が取得した前記プローブ情報を取得する前記利用サーバと、前記プローブ情報の仲介者によって利用される仲介サーバであって、前記収集サーバが収集した前記プローブ情報を前記利用サーバに送信する前記仲介サーバとを備え、前記移動端末のユーザを識別する第1IDであって、前記利用サーバによって管理される前記第1IDに対応した前記ユーザの識別子である第2IDを関連付けした前記プローブ情報である第2ID関連プローブ情報を、前記移動端末が前記収集サーバに送信し、前記収集サーバは、前記移動端末から前記第2ID関連プローブ情報を受信し、受信した前記第2ID関連プローブ情報を、前記仲介サーバに送信し、前記仲介サーバは、前記収集サーバから前記第2ID関連プローブ情報を受信し、受信した前記第2ID関連プローブ情報の中から、前記第2ID関連プローブ情報が示す前記第2IDに基づいて前記利用サーバが管理する前記第1IDに対応付けられると判断される前記第2ID関連プローブ情報を、前記利用サーバに送信し、前記利用サーバは、前記仲介サーバから、前記第2ID関連プローブ情報を受信する。
この構成によると、収集サーバが収集した移動端末のプローブ情報が、仲介サーバを介して利用サーバに送信される。利用サーバはユーザの識別子である第1IDを管理している。一方、移動端末は第1IDに対応した第2IDと関連付けてプローブ情報(第2ID関連プローブ情報)を収集サーバに送信する。このため、収集サーバは、第2IDを知ることはできても、第1IDを知ることはできない。仲介サーバは、収集サーバから取得した第2ID関連プローブ情報が示す第2IDに基づいて利用サーバが管理する第1IDに対応付けられると判断される第2ID関連プローブ情報を利用サーバに送信する。このため、利用サーバは、自身が管理する第1IDを収集サーバに知らせることなく、自身が管理する顧客のプローブ情報を入手することができる。つまり、利用サーバは、プローブ情報の利用者の管理する顧客情報の流出のリスクを減らした上で、プローブ情報の収集者からプローブ情報を入手することができる。
(2)好ましくは、前記仲介サーバは、前記収集サーバから、前記第2ID関連プローブ情報を受信する仲介側プローブ情報受信部と、前記仲介側プローブ情報受信部が受信した前記第2ID関連プローブ情報のうち、前記利用サーバが管理する前記第1IDに対応した前記第2IDに関連付けられた前記第2ID関連プローブ情報を、前記利用サーバに送信する仲介側プローブ情報送信部とを含む。
この構成によると、仲介サーバは、収集サーバから収集した第2ID関連プローブ情報の中から、利用サーバが管理する第1IDに対応した第2ID関連プローブ情報を当該利用サーバに送信している。例えば、利用サーバが複数ある場合には、仲介サーバが、収集サーバが収集したすべての第2ID関連プローブ情報を一旦受信し、利用サーバごとに当該利用サーバが管理する第1IDに対応した第2ID関連プローブ情報を振り分け、各利用サーバに振り分けられた第2ID関連プローブ情報を送信することができる。このため、仲介サーバは、収集サーバに第1IDを知らせることなく第1IDに対応したプローブ情報を利用サーバに送信することができる。
(3)また、前記仲介サーバは、前記利用サーバが管理する前記第1IDに対応した前記第2IDを、前記収集サーバに送信する第2ID送信部と、前記第2ID送信部が送信した前記第2IDに関連付けられた前記第2ID関連プローブ情報を、前記収集サーバから受信する仲介側プローブ情報受信部と、前記仲介側プローブ情報受信部が受信した前記第2ID関連プローブ情報を、前記利用サーバに送信する仲介側プローブ情報送信部とを含み、前記収集サーバは、前記移動端末から、前記第2ID関連プローブ情報を受信する収集側プローブ情報受信部と、前記仲介サーバから、前記第2IDを受信する収集側ID受信部と、前記収集側プローブ情報受信部が受信した前記第2ID関連プローブ情報のうち、前記収集側ID受信部が受信した前記第2IDに関連付けられた前記第2ID関連プローブ情報を、前記仲介サーバに送信する収集側プローブ情報送信部とを含んでいてもよい。
この構成によると、仲介サーバが、第1IDに対応した第2IDを収集サーバに送信することにより、第2IDに関連付けられた第2ID関連プローブ情報を収集サーバから受信し、受信した第2ID関連プローブ情報を利用サーバに送信している。例えば、プローブ情報の利用を要求している利用者の利用サーバで管理されている第1IDに対応する第2IDを仲介サーバが収集サーバに送信する。このことにより、利用サーバは、第1IDで特定されるユーザが利用する移動端末のプローブ情報を、仲介サーバを経由して収集サーバから入手することができる。このため、仲介サーバは、収集サーバに第1IDを知らせることなく、第1IDに対応したプローブ情報を利用サーバに送信することができる。
(4)好ましくは、前記利用サーバは、さらに、前記仲介サーバから受信した前記第2ID関連プローブ情報が示す前記第2IDを前記第1IDに変換する。
この構成によると、利用サーバが第2IDを第1IDに変換している。このため、仲介サーバが第2IDを第1IDに変換する必要がなくなり、仲介サーバの処理負荷を軽減することができる。
(5)さらに好ましくは、前記移動端末は、さらに、所定の暗号鍵を用いて前記第1IDを暗号化することにより、前記第1IDを前記第2IDに変換し、前記利用サーバは、さらに、前記所定の暗号鍵に対応した復号鍵を用いて前記第2IDを復号することにより、前記第2IDを前記第1IDに変換する。
この構成によると、移動端末は、第1IDを暗号化することにより第1IDを第2IDに変換している。このため、第2IDを知ることができる収集サーバは、第2IDから第1IDを類推することが困難である。また、暗号鍵および復号鍵を定期的に更新するなどすることにより、収集サーバは第1IDを類推することがより困難となる。このため、利用サーバは、より安全に、収集サーバからプローブ情報を入手することができる。
(6)また、前記仲介サーバは、さらに、前記収集サーバから受信した前記第2ID関連プローブ情報が示す前記第2IDを前記第1IDに変換し、変換後の前記第1IDを、前記利用サーバが管理する前記第1IDに対応付けられると判断される前記第2ID関連プローブ情報とともに、前記利用サーバに送信してもよい。
この構成によると、仲介サーバが第2IDを第1IDに変換し、第1IDとともに第2ID関連プローブ情報を利用サーバに送信している。このため、利用サーバが第2IDを第1IDに変換する必要がなくなり、利用サーバの処理負荷を軽減することができる。
(7)好ましくは、前記移動端末は、さらに、所定の暗号鍵を用いて前記第1IDを暗号化することにより、前記第1IDを前記第2IDに変換し、前記仲介サーバは、さらに、前記所定の暗号鍵に対応した復号鍵を用いて前記第2IDを復号することにより、前記第2IDを前記第1IDに変換する。
この構成によると、移動端末は、第1IDを暗号化することにより第1IDを第2IDに変換している。このため、第2IDを知ることができる収集サーバは、第2IDから第1IDを類推することが困難である。また、暗号鍵および復号鍵を定期的に更新するなどすることにより、収集サーバは第1IDを類推することがより困難となる。このため、利用サーバは、より安全に、収集サーバからプローブ情報を入手することができる。
(8)本発明の他の実施態様に係る交通情報収集方法は、上述の交通情報収集システムの構成に対応する処理ステップを含んで構成される。このため、上述の交通情報収集システムと同様の作用および効果を奏することができる。
(9)本発明の他の実施態様に係るプログラムは、上述の交通情報収集システムが備える移動端末としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該移動端末のユーザを識別する第1IDであって、前記移動端末の位置および当該位置の通過時刻の情報を含むプローブ情報の利用者が利用する利用サーバによって管理される前記第1IDを取得する第1ID取得部と、前記第1ID取得部が取得した前記第1IDを第2IDに変換するID変換部と、前記ID変換部による変換後の前記第2IDを、前記プローブ情報を作成するプログラムモジュールに送信して、当該プログラムモジュールを起動する起動部として前記コンピュータを機能させる。
この構成によると、移動端末が第1IDに対応した第2IDをプログラムモジュールに送信して、プログラムモジュールを起動している。そのため、プログラムモジュールは、第1IDではなく、第2IDと関連付けてプローブ情報を収集サーバに送信することになる。このため、収集サーバは、第2IDを知ることはできても、第1IDを知ることはできない。仲介サーバは、第1IDに対応付けられるプローブ情報を収集サーバから取得して、利用サーバに送信することができる。このため、利用サーバは、自身が管理する第1IDを収集サーバに知らせることなく、自身が管理する顧客のプローブ情報を入手することができる。つまり、利用サーバは、プローブ情報の利用者の管理する顧客情報の流出のリスクを減らした上で、プローブ情報の収集者からプローブ情報を入手することができる。
(10)本発明の他の実施態様に係るプログラムは、上述の交通情報収集システムが備える移動端末としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該移動端末のユーザを識別する第1IDであって、前記移動端末の位置および当該位置の通過時刻の情報を含むプローブ情報の利用者が利用する利用サーバによって管理される前記第1IDを取得する第1ID取得部と、前記第1ID取得部が取得した前記第1IDを第2IDに変換するID変換部と、前記移動端末のプローブ情報を取得するプローブ情報取得部と、前記ID変換部による変換後の前記第2IDと、前記プローブ情報取得部が取得した前記プローブ情報とを関連付けて、前記プローブ情報の収集者が利用する収集サーバに送信するプローブ情報送信部として前記コンピュータを機能させる。
この構成によると、移動端末は第1IDに対応した第2IDと関連付けてプローブ情報を収集サーバに送信している。このため、収集サーバは、第2IDを知ることはできても、第1IDを知ることはできない。仲介サーバは、第1IDに対応付けられるプローブ情報を収集サーバから取得して、利用サーバに送信することができる。このため、利用サーバは、自身が管理する第1IDを収集サーバに知らせることなく、自身が管理する顧客のプローブ情報を入手することができる。つまり、利用サーバは、プローブ情報の利用者の管理する顧客情報の流出のリスクを減らした上で、プローブ情報の収集者からプローブ情報を入手することができる。
(11)本発明の他の実施態様に係るプログラムは、上述の交通情報収集システムが備える仲介サーバとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、移動端末から当該移動端末の位置および当該位置の通過時刻の情報を含むプローブ情報を収集する収集サーバに、前記移動端末のユーザを識別する第1IDであって、前記プローブ情報の利用者が利用する利用サーバによって管理される前記第1IDに対応した前記ユーザの識別子である第2IDを送信する第2ID送信部と、前記第2ID送信部が送信した前記第2IDが関連付けられた前記プローブ情報である第2ID関連プローブ情報を、前記収集サーバから受信するプローブ情報受信部と、前記プローブ情報受信部が受信した前記第2ID関連プローブ情報を、前記利用サーバに送信するプローブ情報送信部として前記コンピュータを機能させる。
この構成によると、収集サーバが収集した移動端末のプローブ情報が、仲介サーバを介して利用サーバに送信される。利用サーバはユーザの識別子である第1IDを管理している。一方、移動端末は第1IDに対応した第2IDと関連付けてプローブ情報(第2ID関連プローブ情報)を収集サーバに送信する。このため、収集サーバは、第2IDを知ることはできても、第1IDを知ることはできない。仲介サーバは、収集サーバから取得した第2ID関連プローブ情報が示す第2IDに基づいて利用サーバが管理する第1IDに対応付けられると判断される第2ID関連プローブ情報を利用サーバに送信する。このため、利用サーバは、自身が管理する第1IDを収集サーバに知らせることなく、自身が管理する顧客のプローブ情報を入手することができる。つまり、利用サーバは、プローブ情報の利用者の管理する顧客情報の流出のリスクを減らした上で、プローブ情報の収集者からプローブ情報を入手することができる。
(12)本発明の他の実施態様に係るプログラムは、上述の交通情報収集システムが備える収集サーバとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、移動端末のユーザを識別する第1IDであって、前記移動端末の位置および当該位置の通過時刻の情報を含むプローブ情報の利用者が利用する利用サーバによって管理される前記第1IDに対応した前記ユーザの識別子である第2IDを関連付けした前記プローブ情報である第2ID関連プローブ情報を、前記移動端末から受信するプローブ情報受信部と、前記プローブ情報の仲介者によって利用される仲介サーバから、前記第2IDを受信する第2ID受信部と、前記プローブ情報受信部が受信した前記第2ID関連プローブ情報のうち、前記第2ID受信部が受信した前記第2IDに関連付けられた前記第2ID関連プローブ情報を、前記仲介サーバに送信するプローブ情報送信部として前記コンピュータを機能させる。
この構成によると、収集サーバは、第1IDに対応した第2IDを仲介サーバから受信し、受信した第2IDに関連付けられた第2ID関連プローブ情報を仲介サーバに送信することができる。仲介サーバは、第2ID関連プローブ情報を利用サーバに送信することができる。このため、収集サーバは、第1IDを知ることなく、利用サーバに、第1IDに対応したプローブ情報を送信することができる。つまり、利用サーバは、プローブ情報の利用者の管理する顧客情報の流出のリスクを減らした上で、プローブ情報の収集者からプローブ情報を入手することができる。
(13)本発明の他の実施態様に係るプログラムは、上述の交通情報収集システムが備える利用サーバとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記利用サーバは、移動端末の位置および当該位置の通過時刻の情報を含むプローブ情報の利用者によって利用され、前記移動端末のユーザを識別する第1IDであって、前記利用サーバが管理する第1IDに対応した第2IDに関連付けられた前記プローブ情報である第2ID関連プローブ情報を、収集サーバが収集した前記プローブ情報を仲介する仲介サーバから受信するプローブ情報受信部として前記コンピュータを機能させる。
この構成によると、利用サーバは、自身が管理する第1IDを収集サーバに知らせることなく、自身が管理する顧客のプローブ情報を仲介サーバから入手することができる。つまり、利用サーバは、プローブ情報の利用者の管理する顧客情報の流出のリスクを減らした上で、プローブ情報の収集者からプローブ情報を入手することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
(実施の形態1)
[1−1.システムの全体構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る交通情報収集システムの構成を示す図である。
交通情報収集システム1は、道路上を走行する自動車などの車両2の位置および当該位置の通過時刻の情報を含むプローブ情報を収集するシステムであり、移動端末10と、収集サーバ20と、仲介サーバ30と、複数の利用サーバ40(X、Y)とを備える。移動端末10は、無線基地局4を介してインターネットなどの広域通信網3に接続されている。また、収集サーバ20、仲介サーバ30および複数の利用サーバ40(X、Y)も広域通信網3に接続されている。
移動端末10は、車両2のドライバまたは同乗者が利用するスマートフォンなどの携帯情報端末であり、移動端末10上では、プローブ情報を取得するためのカーナビゲーションなどのアプリが実行されているものとする。このアプリを利用したカーナビゲーションなどのサービスは、収集サーバ20を利用するプローブ情報収集者またはプローブ情報収集者に関連する事業者から提供される。移動端末10は、所定時間間隔で自身のプローブ情報を取得し、取得したプローブ情報を収集サーバ20に送信する。図1には、移動端末10を1つしか記載していないが、道路上には複数の車両2が走行している。このため、移動端末10も複数存在する。
収集サーバ20は、プローブ情報収集者によって利用されるサーバであって、移動端末10が取得したプローブ情報を収集する。
利用サーバ40は、プローブ情報利用者によって利用されるサーバであって、移動端末10が取得したプローブ情報を取得する。利用サーバ40は、1以上存在するものとし、ここでは、利用サーバXおよびYを図示している。なお、利用サーバXおよびYのプローブ情報利用者は異なる。
仲介サーバ30は、プローブ情報を仲介する事業者(以下、「プローブ情報仲介者」という。)によって利用されるサーバであって、収集サーバ20が収集したプローブ情報を利用サーバ40に送信する。
なお、上記したプローブ情報収集者、プローブ情報利用者およびプローブ情報仲介者は互いに異なる。
[1−2.移動端末10の構成]
図2は、本発明の実施の形態1に係る移動端末10の機能的な構成を示すブロック図である。
移動端末10は、移動端末10のユーザを、当該ユーザの識別子である第1IDにより識別する。第1IDは、利用サーバ40によって管理されており、利用サーバ40が、第1IDとユーザの顧客情報(購買履歴情報、家族情報など)とを対応付けて記憶している。移動端末10は、自身のプローブ情報を取得し、移動端末10のユーザの第1IDに対応した第2IDを関連付けしたプローブ情報である第2ID関連プローブ情報を収集サーバに送信する。ここで、第2IDは、移動端末10のユーザの識別子であり、第1IDと対応付けられる識別子である。
移動端末10は、上述したようにスマートフォンなどの携帯情報端末であり、内部にCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)および通信インタフェースなどを備えるコンピュータを含む。
移動端末10は、第1ID取得部11と、第1ID送信部12と、認証結果受信部13と、ID変換部14と、起動部15と、第2ID送信部18と、プローブ情報取得部16と、プローブ情報送信部17とを備える。これらの各処理部は、RAMなどに記憶されたコンピュータプログラムをCPU上で実行することにより、その機能を達成する。
移動端末10上では、起動アプリ10Aとカーナビゲーションアプリ10Bとが実行され、起動アプリ10Aを実行することにより処理部11〜15および18が実現され、カーナビゲーションアプリ10Bを実行することにより処理部16および17が実現される。
なお、起動アプリ10Aは、プローブ情報利用者ごとに用意されている。つまり、利用サーバXが第1IDを管理しているユーザの移動端末10には、利用サーバXを利用するプローブ情報利用者(以下、「プローブ情報利用者X」という。)用の起動アプリ10Aがインストールされており、利用サーバYが第1IDを管理しているユーザの移動端末10には、利用サーバYを利用するプローブ情報利用者(以下、「プローブ情報利用者Y」という。)用の起動アプリ10Aがインストールされているものとする。
図3は、移動端末10の表示画面の一例を示す図であり、図3(a)に示すように、移動端末10のホーム画面には、起動アプリ10Aのアイコン10Cと、カーナビゲーションアプリ10Bのアイコン10Dとが表示されている。起動アプリ10Aのアイコン10Cをユーザがタップすることにより、起動アプリ10Aが起動し、図3(b)に示すような起動アプリ10Aの初期画面が表示される。
第1ID取得部11は、第1IDを取得する。第1ID取得部11は、例えば、ユーザが移動端末10のソフトウェアキーボードなどを操作して入力した第1IDを受け付けることにより、第1IDを取得する。なお、第1ID取得部11は、第1IDとともに、パスワードの入力を受け付けてもよい。例えば、図3(b)に示す起動アプリ10Aの初期画面において、ユーザがログインボタン10Eをタップすると、図3(c)に示すような第1IDおよびパスワードの入力画面が表示される。この画面において、ユーザが第1IDおよびパスワードを入力すると、第1ID取得部11が、入力された第1IDおよびパスワードを取得する。
第1ID送信部12は、第1ID取得部11が取得した第1IDおよびパスワードを利用サーバ40に送信することにより、ユーザ認証を受ける。なお、第1IDが利用サーバXにより管理されている場合(起動アプリ10Aがプローブ情報利用者X用の起動アプリ10Aの場合)には、第1ID送信部12は、第1IDおよびパスワードを利用サーバXに送信することにより、利用サーバXによりユーザ認証を受ける。また、第1IDが利用サーバYにより管理されている場合(起動アプリ10Aがプローブ情報利用者Y用の起動アプリ10Aの場合)には、第1ID送信部12は、第1IDおよびパスワードを利用サーバYに送信することにより、利用サーバYによりユーザ認証を受ける。
認証結果受信部13は、いずれかの利用サーバ40でユーザ認証された認証結果を、当該利用サーバ40から受信する。
ID変換部14は、認証結果受信部13がユーザ認証成功との認証結果を得た場合に、第1IDを第2IDに変換する。例えば、ID変換部14は、暗号鍵として予め定められた公開鍵を用いて公開鍵暗号方式により第1IDを暗号化し、暗号化した結果を第2IDとしてもよい。具体的には、第1IDが利用サーバXにより管理される場合には、利用サーバX用の公開鍵を用いて第1IDを暗号化し、第1IDが利用サーバYにより管理される場合には、利用サーバY用の公開鍵を用いて第1IDを暗号化する。なお、暗号方式は公開鍵暗号方式に限定されるものではなく、第1IDを管理する利用サーバとの間で秘密管理された共通鍵を暗号鍵として用いて第1IDを暗号化する共通鍵暗号方式などの他の方式を用いることもできる。また、ID変換部14は、第1IDと第2IDとの変換テーブルを有しており、変換テーブルを用いて第1IDを第2IDに変換してもよい。なお、暗号鍵または変換テーブルは定期的に更新するとしてもよい。
起動部15は、認証結果受信部13がユーザ認証成功との認証結果を得た場合に、カーナビゲーションアプリ10Bを起動する。その際、起動部15は、カーナビゲーションアプリ10Bに第2IDを送信する。これにより、例えば、図3(d)に示すように、移動端末10の画面には、カーナビゲーションアプリ10Bが提供する経路案内の画像が表示され、それ以降はカーナビゲーションのサービスが提供される。
第2ID送信部18は、第2IDを仲介サーバ30に送信する。この際、第2IDとともに、起動アプリ10Aがどのプローブ情報利用者向けのアプリであるかを示す情報も合わせて送信する。例えば、第2ID送信部18は、起動アプリ10Aの識別子を送信することにより、上記情報を仲介サーバ30に送信する。これにより、仲介サーバ30側では、第2IDとプローブ情報利用者とを紐づけることができる。
プローブ情報取得部16は、移動端末10のプローブ情報を取得する。例えば、移動端末10は、移動端末10が備えるGPS(Global Positioning System)センサやジャイ
ロセンサなどから移動端末10の位置情報を所定時間間隔で取得し、当該位置の通過時刻情報を移動端末10が備えるタイマーや時計などから取得することにより、プローブ情報を取得する。
プローブ情報送信部17は、ID変換部14による変換後の第2IDと、プローブ情報取得部16が取得したプローブ情報とを関連付けて、収集サーバ20に送信する。第2IDが関連付けされたプローブ情報のことを、以下では「第2ID関連プローブ情報」という。なお、プローブ情報送信部17は、第2ID関連プローブ情報を1つずつ収集サーバ20に送信してもよいが、複数の第2ID関連プローブ情報をまとめて収集サーバ20に送信してもよい。
図4は、プローブ情報送信部17から収集サーバ20に送信される第2ID関連プローブ情報の一例を示す図である。図4に示すように第2ID関連プローブ情報は、プローブIDと、第2IDと、位置情報と、時刻情報とを含む。プローブIDとは、プローブ情報の送信者を識別するための識別子であり、例えば、移動端末10の装置IDなどである。第2IDは、ID変換部14から取得される移動端末10のユーザの識別子である。位置情報および時刻情報はプローブ情報取得部16から取得されるプローブ情報である。第2ID関連プローブ情報は、車両2の速度情報や舵角情報などのその他のプローブ情報を含んでいてもよい。プローブ情報送信部17は、第2ID関連プローブ情報に第2IDを含めることにより、第2IDと、プローブ情報取得部16が取得したプローブ情報とを関連付ける。なお、プローブ情報送信部17は、端末装置10の装置IDに第2IDを付加したものをプローブIDとして、第2ID関連プローブ情報に含めてもよい。これにより、プローブ情報送信部17は、第2IDと、プローブ情報取得部16が取得したプローブ情報とを関連付けることができる。この場合には、第2ID関連プローブ情報に第2IDの欄を設ける必要はない。
なお、移動端末10のユーザは、図3(a)に示したホーム画面において、アイコン10Cをタップせずに、アイコン10Dをタップすることによりカーナビゲーションアプリ10Bを起動することも可能である。この場合、起動アプリ10Aは起動されていないため、カーナビゲーションアプリ10Bは、起動アプリ10AのID変換部14から第2IDを受信することができない。このような場合には、カーナビゲーションアプリ10Bのプローブ情報送信部17は、第2ID関連プローブ情報の第2IDの欄に、ダミーの値(例えば、予め定められた定数、または乱数)を埋め込んで、収集サーバ20に第2ID関連プローブ情報を送信するようにしてもよい。なお、移動端末10にカーナビゲーションアプリ10Bがインストールされているが、起動アプリ10Aがインストールされていない場合にも同様に、カーナビゲーションアプリ10Bのプローブ情報送信部17は、第2ID関連プローブ情報の第2IDの欄に、ダミーの値を埋め込んで、収集サーバ20に第2ID関連プローブ情報を送信するようにしてもよい。
[1−3.収集サーバ20の構成]
図5は、本発明の実施の形態1に係る収集サーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
収集サーバ20は、移動端末10から第2ID関連プローブ情報を受信し、受信した第2ID関連プローブ情報を仲介サーバ30に送信する。
収集サーバ20は、CPU、ROM、RAM、HDD(Hard Disk Drive)および通信
インタフェースなどを備えるコンピュータにより構成される。
収集サーバ20は、プローブ情報受信部21と、プローブ情報記憶部22と、プローブ情報要求信号受信部23と、プローブ情報送信部24とを備える。処理部21、23および24は、RAMなどに記憶されたコンピュータプログラムをCPU上で実行することにより、その機能を達成する。
プローブ情報受信部21は、移動端末10から、第2ID関連プローブ情報を受信する。プローブ情報受信部21は、受信した第2ID関連プローブ情報をプローブ情報記憶部22に書き込む。
プローブ情報記憶部22は、プローブ情報受信部21が受信したプローブ情報を記憶する記憶装置であり、HDDなどにより構成される。
プローブ情報要求信号受信部23は、プローブ情報の送信を要求する信号であるプローブ情報要求信号を、仲介サーバ30から受信する。
プローブ情報送信部24は、プローブ情報要求信号受信部23が受信したプローブ情報要求信号に応答して、プローブ情報記憶部22から第2ID関連プローブ情報を読み出す。プローブ情報送信部24は、読み出した第2ID関連プローブ情報を、仲介サーバ30に送信する。例えば、プローブ情報送信部24は、プローブ情報記憶部22に記憶されている第2ID関連プローブ情報のうち、仲介サーバ30に未送信のすべての第2ID関連プローブ情報を、仲介サーバ30に送信する。仲介サーバ30に送信済みか否かは、プローブ情報送信部24が、第2ID関連プローブ情報に送信済みフラグを付けることにより、管理してもよい。
[1−4.仲介サーバ30の構成]
図6は、本発明の実施の形態1に係る仲介サーバ30の機能的な構成を示すブロック図である。
仲介サーバ30は、収集サーバ20から第2ID関連プローブ情報を受信する。仲介サーバ30は、受信した第2ID関連プローブ情報の中から、第2ID関連プローブ情報が示す第2IDに基づいて、利用サーバ40ごとに、当該利用サーバ40が管理する第1IDに対応付けられると判断される第2ID関連プローブ情報を、利用サーバ40に送信する。
仲介サーバ30は、CPU、ROM、RAM、HDDおよび通信インタフェースなどを備えるコンピュータにより構成される。
仲介サーバ30は、プローブ情報要求信号送信部31と、プローブ情報受信部32と、プローブ情報記憶部33と、プローブ情報振り分け部34と、プローブ情報送信部35と、第2ID受信部38と、関係情報記憶部39とを備える。処理部31、32、34、35および38は、RAMなどに記憶されたコンピュータプログラムをCPU上で実行することにより、その機能を達成する。
第2ID受信部38は、移動端末10から第2IDと、移動端末10上で実行されている起動アプリ10Aがどのプローブ情報利用者に向けられたものであるのかを示す情報(例えば、起動アプリ10Aの識別子)とを受信する。第2ID受信部38は、受信したこれらの情報に基づいて、第2IDとプローブ情報利用者のIDとの関係を示す関係情報を作成し、作成した関係情報を関係情報記憶部39に書き込む。
図7は、第2ID受信部38が作成した関係情報の一例を示す図である。図7に示すように、関係情報は、第2IDとプローブ情報利用者IDとの関係を示している。例えば、第2ID「111」とプローブ情報利用者ID「X」とが対応付けられており、第2ID「111」で識別されるユーザは、プローブ情報利用者X用の起動アプリ10Aを利用していることが示されている。また、第2ID「112」とプローブ情報利用者ID「Y」とが対応付けられており、第2ID「112」で識別されるユーザは、プローブ情報利用者Y用の起動アプリ10Aを利用していることが示されている。
関係情報記憶部39は、図7に示すような第2ID受信部38が作成した関係情報を記憶する記憶装置であり、HDDなどにより構成される。
プローブ情報要求信号送信部31は、収集サーバ20に対してプローブ情報要求信号を送信する。プローブ情報要求信号送信部31は、所定時間ごとなどのように定期的にプローブ情報要求信号を送信してもよいし、いずれかの利用サーバ40からプローブ情報を入手したい旨の要求があった場合にプローブ情報要求信号を送信してもよい。
プローブ情報受信部32は、プローブ情報要求信号送信部31が送信したプローブ情報要求信号に応答して収集サーバ20から送信される第2ID関連プローブ情報を受信し、受信した第2ID関連プローブ情報をプローブ情報記憶部33に書き込む。
プローブ情報記憶部33は、プローブ情報受信部32が受信した第2ID関連プローブ情報を一時的に記憶する記憶装置であり、HDDなどにより構成される。
プローブ情報振り分け部34は、プローブ情報記憶部33に一時的に記憶された第2ID関連プローブ情報の振り分け先の利用サーバ40を決定する。具体的には、プローブ情報振り分け部34は、図7に示した関係情報を参照して、第2ID関連プローブ情報に含まれる第2IDに基づいて、当該第2IDに対応したプローブ情報利用者IDを決定する。プローブ情報振り分け部34は、決定したプローブ情報利用者IDが利用する利用サーバ40を、第2ID関連プローブ情報の振り分け先の利用サーバ40として決定する。例えば、第2ID関連プローブ情報に含まれる第2IDが「111」である場合には、第2ID「111」はプローブ情報利用者ID「X」に対応している。このため、プローブ情報振り分け部34は、第2ID「111」を含む第2ID関連プローブ情報を、プローブ情報利用者Xの利用する利用サーバXに振り分けることを決定する。同様にして、プローブ情報振り分け部34は、第2ID「112」を含む第2ID関連プローブ情報を、プローブ情報利用者Yの利用する利用サーバYに振り分けることを決定する。
プローブ情報送信部35は、プローブ情報振り分け部34が決定した振り分け先に基づいて、プローブ情報記憶部33に一時記憶された第2ID関連プローブ情報を、それぞれの振り分け先の利用サーバ40に送信する。以上の処理により、プローブ情報送信部35は、利用サーバ40ごとに、利用サーバ40が管理する第1IDに対応した第2IDに関連付けられた第2ID関連プローブ情報を、利用サーバ40に送信することができる。
[1−5.利用サーバ40の構成]
図8は、本発明の実施の形態1に係る利用サーバ40の機能的な構成を示すブロック図である。
利用サーバ40は、仲介サーバ30から第2ID関連プローブ情報を受信する。利用サーバ40は、CPU、ROM、RAM、HDDおよび通信インタフェースなどを備えるコンピュータにより構成される。
利用サーバ40は、プローブ情報受信部41と、ID変換部42と、プローブ情報記憶部43と、顧客情報記憶部44と、認証処理部45とを備える。処理部41、42および45は、RAMなどに記憶されたコンピュータプログラムをCPU上で実行することにより、その機能を達成する。
プローブ情報受信部41は、仲介サーバ30から第2ID関連プローブ情報を受信する。
ID変換部42は、プローブ情報受信部41が受信した第2ID関連プローブ情報に含まれる第2IDを第1IDに変換する。例えば、ID変換部42は、復号鍵として予め定められた秘密鍵を用いて公開鍵暗号方式により第2IDを復号し、復号した結果を第1IDとしてもよい。具体的には、利用サーバ40が利用サーバXの場合には、利用サーバX用の秘密鍵を復号鍵として用いて、第2IDを復号し、利用サーバ40が利用サーバYの場合には、利用サーバY用の秘密鍵を復号鍵として用いて第2IDを復号する。公開鍵暗号方式を用いることにより、利用サーバ40が秘密鍵を適切に管理しさえすれば、第2IDから第1IDへの変換の秘匿性を担保することができる。なお、復号方式は公開鍵暗号方式に限定されるものではなく、利用サーバ40と移動端末10との間で秘密管理された共通鍵を復号鍵として用いて第2IDを復号する共通鍵暗号方式などの他の方式を用いることもできる。また、ID変換部42は、第1IDと第2IDとの変換テーブルを有しており、変換テーブルを用いて第2IDを第1IDに変換してもよい。なお、復号鍵または変換テーブルは定期的に更新するとしてもよい。
プローブ情報受信部41は、ID変換部42により変換された後の第1IDと対応付けて、受信した第2ID関連プローブ情報を、プローブ情報記憶部43に書き込む。
プローブ情報記憶部43は、第2ID関連プローブ情報を記憶する記憶装置であり、HDDなどにより構成される。プローブ情報記憶部43は、ID変換部42により変換された後の第1IDと対応付けて第2ID関連プローブ情報を記憶する。これにより、プローブ情報記憶部43は、第1IDごとに、プローブ情報を管理することができる。
顧客情報記憶部44は、第1IDごとに顧客情報を記憶している記憶装置であり、HDDなどにより構成される。図9は、顧客情報記憶部44に記憶されている顧客情報の一例を示す図である。図9に示すように、顧客情報は、第1ID、パスワード、氏名、住所、購買履歴および家族構成の情報を含む。例えば、第1ID「111」のユーザの氏名は「A川B男」であり、パスワードは「abc」であり、ユーザの住所は「E県」であり、「商品G」を過去に購入しており、「独身」であることが顧客情報に示されている。
認証処理部45は、移動端末10から第1IDおよびパスワードの組み合わせを受信し、受信した第1IDおよびパスワードの組み合わせが顧客情報記憶部44に記憶されている顧客情報に含まれているか否かを調べることにより、第1IDのユーザ認証を行う。認証処理部45は、ユーザ認証の結果を移動端末10に送り返す。例えば、移動端末10から第1ID「111」およびパスワード「abc」の組み合わせを受信した場合には、この組み合わせは図9に示した顧客情報に含まれているため、認証処理部45は、第1IDのユーザ認証に成功したと判断し、判断結果を移動端末10に送信する。また、移動端末10から第1ID「111」およびパスワード「xyz」の組み合わせを受信した場合には、この組み合わせは図9に示した顧客情報に含まれていないため、認証処理部45は、第1IDのユーザ認証に失敗したと判断し、判断結果を移動端末10に送信する。
[1−6.交通情報収集システム1の処理フロー]
図10は、本発明の実施の形態1に係る交通情報収集システム1の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。以下、このシーケンス図に基づいて、交通情報収集システム1が実行する処理の流れの一例を説明する。なお、以下の説明では、移動端末10のユーザは、プローブ情報利用者Xの顧客であり、移動端末10には、プローブ情報利用者X用の起動アプリ10Aがインストールされているものとする。
図3(a)を参照して、ユーザにより移動端末10上のアイコン10Cがタップされ、起動アプリ10Aが起動された後、図3(b)に示すホーム画面上のログインボタン10Eがタップされることにより、図3(c)に示すような第1IDおよびパスワードの入力画面が表示される。ユーザが、この入力画面において第1IDおよびパスワードを入力すると、移動端末10の第1ID取得部11が、入力された第1IDおよびパスワードを取得する(S1)。
移動端末10の第1ID送信部12は、第1ID取得部11が取得した第1IDおよびパスワードを利用サーバXに送信する(S2)。
利用サーバXの認証処理部45は、移動端末10から第1IDおよびパスワードの組み合わせを受信し、受信した当該組み合わせに基づいて、顧客情報記憶部44に記憶されている顧客情報を参照してユーザ認証処理を行う(S3)。
認証処理部45は、ユーザ認証処理の結果を移動端末10に返送する(S4)。移動端末10の認証結果受信部13が認証結果を受信する。
認証結果受信部13がユーザ認証失敗との認証結果を受信した場合には(S5でNO)、その後の処理は行われない。
認証結果受信部13がユーザ認証成功との認証結果を受信した場合には(S5でYES)、ID変換部14は、第1ID取得部11が取得した第1IDを第2IDに変換する(S6)。
第2ID送信部18は、第2IDと起動アプリ10Aの識別子とを仲介サーバ30に送信する(S7)。
仲介サーバ30の第2ID受信部38は、第2ID送信部18から送信された第2IDと起動アプリ10Aの識別子とを受信し、受信したこれらの情報に基づいて、第2IDとプローブ情報利用者のIDとの関係を示す関係情報を作成し、作成した関係情報を関係情報記憶部39に書き込む(S8)。関係情報の一例は図7に示した通りである。
移動端末10の起動部15は、カーナビゲーションアプリ10Bを起動するとともに、カーナビゲーションアプリ10Bに第2IDを送信する(S9)
移動端末10のプローブ情報取得部16は、移動端末10のプローブ情報を取得する(S10)。
プローブ情報送信部17は、ID変換部14による変換後の第2IDと、プローブ情報取得部16が取得したプローブ情報とを関連付けた第2ID関連プローブ情報を収集サーバ20に送信する(S11)。つまり、プローブ情報送信部17は、図4に示したように、プローブIDと第2IDとプローブ情報(位置情報、時刻情報など)を含む第2ID関連プローブ情報を作成し、作成した第2ID関連プローブ情報を収集サーバ20に送信する。
収集サーバ20のプローブ情報受信部21は、移動端末10から、第2ID関連プローブ情報を受信し、受信した第2ID関連プローブ情報をプローブ情報記憶部22に書き込む(S12)。
ステップS10〜S12の処理は、移動端末10がプローブ情報を取得する限り、つまり、移動端末10上でカーナビゲーションアプリ10Bが実行される限り繰り返し実行される。
仲介サーバ30のプローブ情報要求信号送信部31は、定期的に収集サーバ20に対してプローブ情報要求信号を送信し、収集サーバ20のプローブ情報要求信号受信部23は、仲介サーバ30から、プローブ情報要求信号を受信する(S13)。
収集サーバ20のプローブ情報送信部24は、プローブ情報要求信号に応答して、プローブ情報記憶部22から仲介サーバ30に未送信のすべての第2ID関連プローブ情報を読み出し、読み出した第2ID関連プローブ情報を仲介サーバ30に送信する。仲介サーバ30のプローブ情報受信部32は、収集サーバ20から第2ID関連プローブ情報を受信し、受信した第2ID関連プローブ情報をプローブ情報記憶部33に書き込む(S14)。
仲介サーバ30のプローブ情報振り分け部34は、プローブ情報記憶部33に一時的に記憶された第2ID関連プローブ情報の振り分け先の利用サーバ40を決定する(S15)。振り分け方法は上述した通りであるが、ステップS8の処理において作成された関係情報を参照して、第2ID関連プローブ情報に含まれる第2IDに基づいて、当該第2IDに対応したプローブ情報利用者IDを決定する。プローブ情報振り分け部34は、決定したプローブ情報利用者IDが利用する利用サーバ40を、第2ID関連プローブ情報の振り分け先の利用サーバ40として決定する。
仲介サーバ30のプローブ情報送信部35は、プローブ情報振り分け部34が決定した振り分け先に基づいて、プローブ情報記憶部33に一時記憶された第2ID関連プローブ情報を、それぞれの振り分け先の利用サーバXおよびYに送信する。つまり、プローブ情報送信部35は、利用サーバXが管理する第1IDに対応した第2IDに関連付けられた第2ID関連プローブ情報を利用サーバXに送信し、利用サーバYが管理する第1IDに対応した第2IDに関連付けられた第2ID関連プローブ情報を利用サーバYに送信する。利用サーバXおよびYのプローブ情報受信部41は、仲介サーバ30から第2ID関連プローブ情報を受信する(S16、S17)。
利用サーバXのID変換部42は、プローブ情報受信部41が受信した第2ID関連プローブ情報に含まれる第2IDを第1IDに変換する(S18)。
利用サーバXのプローブ情報受信部41は、ID変換部42により変換された後の第1IDと対応付けて、受信した第2ID関連プローブ情報を、プローブ情報記憶部43に書き込む(S19)。
利用サーバYのID変換部42およびプローブ情報受信部41も、ステップS18およびS19と同様の処理を行う(S20、S21)。
[1−7.実施の形態1の効果等]
以上説明したように、本発明の実施の形態1によると、収集サーバ20が収集した移動端末10のプローブ情報が、仲介サーバ30を介して利用サーバ40に送信される。利用サーバ40はユーザの識別子である第1IDを管理している。一方、移動端末10は第1IDに対応した第2IDと関連付けてプローブ情報(第2ID関連プローブ情報)を収集サーバ20に送信する。このため、収集サーバ20は、第2IDを知ることはできても、第1IDを知ることはできない。仲介サーバ30は、収集サーバ20から取得した第2ID関連プローブ情報が示す第2IDに基づいて利用サーバ40が管理する第1IDに対応付けられると判断される第2ID関連プローブ情報を、利用サーバ40に送信する。このため、利用サーバ40は、自身が管理する第1IDを収集サーバ20に知らせることなく、自身が管理する顧客のプローブ情報を入手することができる。つまり、利用サーバ40は、プローブ情報利用者の管理する顧客情報の流出のリスクを減らした上で、プローブ情報収集者からプローブ情報を入手することができる。
また、仲介サーバ30は、収集サーバ20から収集した第2ID関連プローブ情報の中から、利用サーバ40が管理する第1IDに対応した第2ID関連プローブ情報を当該利用サーバ40に送信している。例えば、利用サーバ40が複数ある場合には、仲介サーバ30が、収集サーバ20が収集したすべての第2ID関連プローブ情報を一旦受信し、利用サーバ40ごとに当該利用サーバ40が管理する第1IDに対応した第2ID関連プローブ情報を振り分け、各利用サーバ40に振り分けられた第2ID関連プローブ情報を送信することができる。このため、仲介サーバ30は、収集サーバ20に第1IDを知らせることなく第1IDに対応したプローブ情報を利用サーバ40に送信することができる。
また、利用サーバ40が第2IDを第1IDに変換している。このため、仲介サーバ30が第2IDを第1IDに変換する必要がなくなり、仲介サーバ30の処理負荷を軽減することができる。
また、移動端末10は、第1IDを暗号化することにより第1IDを第2IDに変換している。このため、第2IDを知ることができる収集サーバ20は、第2IDから第1IDを類推することが困難である。また、暗号鍵(公開鍵)および復号鍵(秘密鍵)を定期的に更新するなどすることにより、収集サーバ20は第1IDを類推することがより困難となる。このため、利用サーバ40は、より安全に、収集サーバ20からプローブ情報を入手することができる。
また、仲介サーバ30を介してプローブ情報の授受を行うことにより、プローブ情報利用者が抱く顧客情報流出の不安を低減させることができる。
さらに、顧客情報の流出リスクを減らしてプローブ情報の授受を行うことができるため、プローブ情報の取引市場の活性化を促し、プローブ情報を有効活用する機会を増やすことができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、利用サーバ40が第2IDを第1IDに変換する処理を行った。これに対し、実施の形態2では、仲介サーバ30が第2IDを第1IDに変換する。以下、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、同様の点については説明を適宜省略する。
実施の形態2に係る交通情報収集システムの構成は、図1に示した交通情報収集システム1の構成と同様である。
また、交通情報収集システム1に含まれる移動端末10の構成は、図2に示した移動端末10の構成と同様である。
また、交通情報収集システム1に含まれる収集サーバ20の構成は、図5に示した収集サーバ20の構成と同様である。
[2−1.仲介サーバ30の構成]
図11は、本発明の実施の形態2に係る仲介サーバ30の機能的な構成を示すブロック図である。
仲介サーバ30は、図6に示した実施の形態1に係る仲介サーバ30の構成に、さらに、ID変換部36を加えたものである。ID変換部36は、RAMなどに記憶されたコンピュータプログラムをCPU上で実行することにより、その機能を達成する。
ID変換部36は、プローブ情報受信部32が受信してプローブ情報記憶部33に一時記憶された第2ID関連プローブ情報を読み出し、読み出した第2ID関連プローブ情報に含まれる第2IDを第1IDに変換する。例えば、ID変換部36は、復号鍵として予め定められた秘密鍵を用いて公開鍵暗号方式により第2IDを復号し、復号した結果を第1IDとしてもよい。具体的には、ID変換部36は、関係情報記憶部39に記憶されている関係情報から第2IDに対応するプローブ情報利用者IDを特定する。ID変換部36は、当該IDのプローブ情報利用者が利用する利用サーバ用の秘密鍵を復号鍵として用いて第2IDを復号する。例えば、第2IDが「111」である場合には、ID変換部36は、図7に示す関係情報を参照して、第2ID「111」に対応するプローブ情報利用者IDを「X」と特定する。プローブ情報利用者ID「X」のプローブ情報利用者は利用サーバXを利用するため、ID変換部36は、利用サーバX用の秘密鍵を復号鍵として用いて第2IDを復号し、復号した結果を第1IDとする。なお、復号方式は公開鍵暗号方式に限定されるものではなく、仲介サーバ30と移動端末10との間で秘密管理された共通鍵を復号鍵として用いて第2IDを復号する共通鍵暗号方式などの他の方式を用いることもできる。また、ID変換部36は、第1IDと第2IDとの変換テーブルを有しており、変換テーブルを用いて第2IDを第1IDに変換してもよい。なお、復号鍵または変換テーブルは定期的に更新するとしてもよい。
ID変換部36は、変換された後の第1IDを第2ID関連プローブ情報と対応付けてプローブ情報記憶部33に書き込む。
プローブ情報送信部35は、ID変換部36によりプローブ情報記憶部33に書き込まれた第1IDと第2ID関連プローブ情報との組を、プローブ情報振り分け部34が決定した振り分け先に基づいて、それぞれの振り分け先の利用サーバ40に送信する。
[2−2.利用サーバ40の構成]
図12は、本発明の実施の形態2に係る利用サーバ40の機能的な構成を示すブロック図である。
利用サーバ40は、図8に示した実施の形態1に係る利用サーバ40の構成からID変換部42を除いた構成を有する。
プローブ情報受信部41は、仲介サーバ30から、第1IDと第2ID関連プローブ情報との組を受信し、プローブ情報記憶部43に書き込む。
[2−3.交通情報収集システム1の処理フロー]
図13は、本発明の実施の形態2に係る交通情報収集システム1の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。以下、このシーケンス図に基づいて、交通情報収集システム1が実行する処理の流れの一例を説明する。
ステップS1〜S15の処理は、図10に示したものと同様である。
ステップS15の後、仲介サーバ30のID変換部36は、プローブ情報受信部32が受信してプローブ情報記憶部33に一時記憶された第2ID関連プローブ情報を読み出し、読み出した第2ID関連プローブ情報に含まれる第2IDを第1IDに変換する(S31)。ID変換部36は、変換された後の第1IDを第2ID関連プローブ情報と対応付けてプローブ情報記憶部33に書き込む。
プローブ情報送信部35は、ID変換部36によりプローブ情報記憶部33に書き込まれた第1IDと第2ID関連プローブ情報との組を、プローブ情報振り分け部34が決定した振り分け先に基づいて、それぞれの振り分け先の利用サーバXおよびYに送信する。利用サーバXおよびYのプローブ情報受信部41は、仲介サーバ30から第1IDと第2ID関連プローブ情報との組を受信する(S32、S33)。
利用サーバXのプローブ情報受信部41は、受信した第1IDと第2ID関連プローブ情報との組をプローブ情報記憶部43に書き込む(S34)。
利用サーバYのプローブ情報受信部41は、受信した第1IDと第2ID関連プローブ情報との組をプローブ情報記憶部43に書き込む(S35)。
[2−4.実施の形態2の効果等]
以上説明したように、本発明の実施の形態2によると、仲介サーバ30が第2IDを第1IDに変換し、第1IDとともに第2ID関連プローブ情報を利用サーバ40に送信している。このため、利用サーバ40が第2IDを第1IDに変換する必要がなくなり、利用サーバ40の処理負荷を軽減することができる。
(実施の形態3)
実施の形態1では、収集サーバ20は、プローブ情報要求信号に応答して、仲介サーバ30に対して未送信のすべての第2ID関連プローブ情報を送信した。これに対して、実施の形態3では、収集サーバ20は、仲介サーバ30から要求のあった第2ID関連プローブ情報を送る。以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、同様の点については説明を適宜省略する。
実施の形態3に係る交通情報収集システムの構成は、図1に示した交通情報収集システム1の構成と同様である。
また、交通情報収集システム1に含まれる移動端末10の構成は、図2に示した移動端末10の構成と同様である。
また、交通情報収集システム1に含まれる利用サーバ40の構成は、図8に示した利用サーバ40の構成と同様である。
[3−1.仲介サーバ30の構成]
図14は、本発明の実施の形態3に係る仲介サーバ30の機能的な構成を示すブロック図である。
仲介サーバ30は、図6に示した実施の形態1に係る仲介サーバ30の構成において、プローブ情報要求信号送信部31の代わりに、第2ID送信部37を備える。第2ID送信部37は、RAMなどに記憶されたコンピュータプログラムをCPU上で実行することにより、その機能を達成する。
第2ID送信部37は、収集サーバ20に対して、利用サーバ40が管理する第1IDに対応した第2IDを送信する。例えば、第2ID送信部37は、関係情報記憶部39に記憶されている関係情報を参照して、プローブ情報利用者ID「X」に対応する第2IDを、収集サーバ20に定期的に送信する。同様に、第2ID送信部37は、関係情報を参照して、プローブ情報利用者ID「Y」に対応する第2IDを、収集サーバ20に定期的に送信する。これにより、第2ID送信部37は、利用サーバXおよびYが管理する第1IDに対応した第2IDを、収集サーバ20に定期的に送信することができる。プローブ情報利用者ID「X」に対応する第2IDの送信タイミングと、プローブ情報利用者ID「Y」に対応する第2IDの送信タイミングとは同時であってもよいし、異なっていてもよい。ただし、複数のプローブ情報利用者IDに対応する第2IDを同時に収集サーバ20に送信した方が、収集サーバ20が第2IDからプローブ情報利用者を特定しにくくすることができる。このため、同時に複数のプローブ情報利用者IDに対応する第2IDを収集サーバ20に送信することが望ましい。
プローブ情報受信部32は、第2ID送信部37が送信した第2IDに応答して収集サーバ20から送信される第2ID関連プローブ情報を受信し、受信した第2ID関連プローブ情報をプローブ情報記憶部33に書き込む。
[3−2.収集サーバ20の構成]
図15は、本発明の実施の形態3に係る収集サーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
収集サーバ20は、図5に示した実施の形態1に係る収集サーバ20の構成において、プローブ情報要求信号受信部23の代わりに第2ID受信部25を備える。第2ID受信部25は、RAMなどに記憶されたコンピュータプログラムをCPU上で実行することにより、その機能を達成する。
第2ID受信部25は、仲介サーバ30から、第2IDを受信する。
プローブ情報送信部24は、第2ID受信部25が受信した第2IDに関連付けられた第2ID関連プローブ情報をプローブ情報記憶部22から読み出し、読み出した第2ID関連プローブ情報を仲介サーバ30に送信する。例えば、プローブ情報送信部24は、プローブ情報記憶部22に記憶されている仲介サーバ30に未送信の第2ID関連プローブ情報の中から、第2ID受信部25が受信した第2IDを含む第2ID関連プローブ情報を抽出する。プローブ情報送信部24は、抽出した第2ID関連プローブ情報を仲介サーバ30に送信する。
[3−3.交通情報収集システム1の処理フロー]
図16は、本発明の実施の形態3に係る交通情報収集システム1の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。以下、このシーケンス図に基づいて、交通情報収集システム1が実行する処理の流れの一例を説明する。
ステップS1〜S12の処理は、図10に示したものと同様である。
ステップS12の後、仲介サーバ30の第2ID送信部37は、収集サーバ20に対して、利用サーバ40が管理する第1IDに対応した第2IDを送信する。収集サーバ20の第2ID受信部25は、第2ID送信部37が送信した第2IDを受信する(S41)。例えば、利用サーバ40には、利用サーバX、YおよびZの3つがあるものとし、第2ID送信部37は、このうち利用サーバXおよびYが管理する第1IDに対応した第2IDを、収集サーバ20に送信するものとする。つまり、第2ID送信部37は、関係情報記憶部39に記憶されている関係情報を参照して、プローブ情報利用者ID「X」に対応する第2IDと、プローブ情報利用者ID「Y」に対応する第2IDとを収集サーバ20に送信する。
収集サーバ20のプローブ情報送信部24は、第2ID受信部25が受信した第2IDに関連付けられた第2ID関連プローブ情報をプローブ情報記憶部22から読み出し、読み出した第2ID関連プローブ情報を仲介サーバ30に送信する。仲介サーバ30のプローブ情報受信部32は、プローブ情報送信部24から第2ID関連プローブ情報を受信し、受信した第2ID関連プローブ情報をプローブ情報記憶部33に書き込む(S42)。例えば、第2ID受信部25が受信した第2IDは、プローブ情報利用者ID「X」に対応する第2IDと、プローブ情報利用者ID「Y」に対応する第2IDとが含まれる。プローブ情報送信部24は、これらの第2IDを含む第2ID関連プローブ情報をプローブ情報記憶部22から読み出し、読み出した第2ID関連プローブ情報を仲介サーバ30に送信する。
ステップS42の後、ステップS15〜S21の処理が実行される。これらの処理は、図10に示したものと同様である。
なお、第2ID送信部37は、利用サーバ40からの要求を受け、第2IDを収集サーバ20に送信してもよい。例えば、利用サーバXからプローブ情報の送信要求を受け付けた第2ID送信部37は、利用サーバXに対応する第2IDを関係情報記憶部39に記憶されている関係情報(図7)から特定し、特定した第2IDを収集サーバ20に送信するようにしてもよい。これにより、第2ID送信部37は、利用サーバXで管理されている第1IDに対応する第2IDを収集サーバ20に送信することができる。
[3−4.実施の形態3の効果等]
以上説明したように、本発明の実施の形態3によると、仲介サーバ30が、利用サーバ40が管理する第1IDに対応した第2IDを収集サーバ20に送信している。また、仲介サーバ30が、第2IDに関連付けられた第2ID関連プローブ情報を収集サーバ20から受信し、受信した第2ID関連プローブ情報を利用サーバ40に送信している。例えば、仲介サーバ30が、プローブ情報利用者の利用サーバ40で管理されている第1IDに対応する第2IDを収集サーバ20に送信する。このことにより、利用サーバ40は、第1IDで特定されるユーザが利用する移動端末のプローブ情報を、仲介サーバ30を経由して収集サーバ20から入手することができる。このため、仲介サーバ30は、収集サーバ20に第1IDを知らせることなく、第1IDに対応したプローブ情報を利用サーバ40に送信することができる。
(実施の形態4)
実施の形態3では、利用サーバ40が第2IDを第1IDに変換する処理を行った。これに対し、実施の形態4では、仲介サーバ30が第2IDを第1IDに変換する。以下、実施の形態1〜3と異なる点を中心に説明し、同様の点については説明を適宜省略する。
実施の形態4に係る交通情報収集システムの構成は、図1に示した交通情報収集システム1の構成と同様である。
また、交通情報収集システム1に含まれる移動端末10の構成は、図2に示した移動端末10の構成と同様である。
また、交通情報収集システム1に含まれる収集サーバ20の構成は、図15に示した収集サーバ20の構成と同様である。
また、交通情報収集システム1に含まれる利用サーバ40の構成は、図12に示した利用サーバ40の構成と同様である。
[4−1.仲介サーバ30の構成]
図17は、本発明の実施の形態4に係る仲介サーバ30の機能的な構成を示すブロック図である。
仲介サーバ30は、図14に示した実施の形態3に係る仲介サーバ30の構成に、さらに、ID変換部36を加えたものである。ID変換部36は、RAMなどに記憶されたコンピュータプログラムをCPU上で実行することにより、その機能を達成する。
ID変換部36は、図11に示した実施の形態2に係る仲介サーバ30のID変換部36と同様の処理を行う。つまり、ID変換部36は、プローブ情報受信部32が受信してプローブ情報記憶部33に一時記憶された第2ID関連プローブ情報を読み出し、読み出した第2ID関連プローブ情報に含まれる第2IDを第1IDに変換する。
[4−2.交通情報収集システム1の処理フロー]
図18は、本発明の実施の形態4に係る交通情報収集システム1の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。以下、このシーケンス図に基づいて、交通情報収集システム1が実行する処理の流れの一例を説明する。
ステップS1〜S12、S41、S42およびS15の処理は、図16に示したものと同様である。
ステップS15の後、仲介サーバ30のID変換部36は、プローブ情報受信部32が受信してプローブ情報記憶部33に一時記憶された第2ID関連プローブ情報を読み出し、読み出した第2ID関連プローブ情報に含まれる第2IDを第1IDに変換する(S31)。ID変換部36は、変換された後の第1IDを第2ID関連プローブ情報と対応付けてプローブ情報記憶部33に書き込む。なお、この処理は、図13に示したものと同様である。
ステップS31の後、ステップS31〜S35の処理が実行される。これらの処理は、図13に示したものと同様である。
[4−3.実施の形態4の効果等]
以上説明したように、本発明の実施の形態4によると、実施の形態3と同様の効果を奏することができる。それに加え、仲介サーバ30が第2IDを第1IDに変換し、第1IDとともに第2ID関連プローブ情報を利用サーバ40に送信している。このため、利用サーバ40が第2IDを第1IDに変換する必要がなくなり、利用サーバ40の処理負荷を軽減することができる。
[5.付記]
以上、本発明の実施の形態に係る交通情報収集システム1について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
上述の実施の形態では、移動端末10はスマートフォンなどの携帯情報端末としたが、移動端末10は携帯情報端末に限定されるものではなく、プローブ情報を取得して収集サーバ20に送信することのできる装置であれば、その他の装置であってもよい。例えば、移動端末10は、車両2に固定される固定式のカーナビゲーション装置であってもよいし、携帯型のカーナビゲーション装置であってもよい。
また、上述の実施の形態では、移動端末10のID変換部14が第1IDを第2IDに変換しているが、第1IDから第2IDへの変換は他の装置が行ってもよい。例えば、仲介サーバ30または利用サーバ40にID変換部14が備えられていてもよい。この場合、移動端末10は、仲介サーバ30または利用サーバ40に第1IDを送信し、いずれかのサーバのID変換部14において第1IDを第2IDに変換してもらう。移動端末10は、仲介サーバ30または利用サーバ40から、第1IDを変換した後の第2IDを受信する。
また、仲介サーバ30のプローブ情報振り分け部34は、関係情報記憶部39に記憶された関係情報(図7)を参照して、第2IDに対応したプローブ情報利用者IDを決定しているが、関係情報を用いずにプローブ情報利用者IDを決定してもよい。例えば、第2IDを「7」で割った余りが「6」となる第2IDは利用サーバXが管理する第1IDに対応付けられており、第2IDを「7」で割った余りが「0」となる第2IDは利用サーバYが管理する第1IDに対応付けられているとする。このように、第2IDが所定の法則性を有している場合には、モジュロ演算等を行うことにより第2IDからプローブ情報利用者IDを決定することができる。なお、ハッシュ関数等を用いて第2IDからプローブ情報利用者IDを導き出すことができる場合も同様である。このような場合には、移動端末10の第2ID送信部18と、仲介サーバ30の第2ID受信部38および関係情報記憶部39とは無くてもよい。
また、上述の実施の形態では、移動端末10のプローブ情報送信部17が送信する第2ID関連プローブ情報に含まれるプローブIDは、プローブ情報の送信者を識別するための識別子であり、例えば、移動端末10の装置IDなどであるとしたが、プローブIDはこれに限定されるものではない。例えば、仲介サーバ30は、収集サーバ20から予め大量のプローブIDを入手しておき、プローブ情報送信部17は、入手したプローブIDを第2ID関連プローブ情報に含めて収集サーバ20に送信するようにしてもよい。これにより、例えば、1つの第2IDに複数のプローブIDを対応させることもできる。よって、収集サーバ20は、プローブIDから第2IDを特定することが困難となり、第2IDの匿名性を高めることができる。また、実施の形態3および4において、仲介サーバ30の第2ID送信部37が収集サーバ20に対して第2IDを送信する際に、ダミーの第2IDを送信することができる。例えば、第2ID送信部37は、プローブ情報利用者ID「X」に対応する第2IDを収集サーバ20に送信する際に、プローブ情報利用者ID「Y」に対応する第2IDや、その他のプローブ情報利用者IDに対応する第2IDを混ぜて収集サーバ20に送信してもよい。これにより、収集サーバ20がどのプローブ情報利用者IDに対応した第2IDを受信したかを捕捉しにくくすることができる。
また、実施の形態1および2では、収集サーバ20は、仲介サーバ30から送信されたプローブ情報要求信号に応答して第2ID関連プローブ情報を仲介サーバ30に送信することとしたが、第2ID関連プローブ情報の送信タイミングはこれに限定されるものではない。例えば、収集サーバ20は、定期的に(所定時間間隔で)仲介サーバ30に対して第2ID関連プローブ情報を送信してもよい。なお、定期的に第2ID関連プローブ情報を送信する場合には、収集サーバ20のプローブ情報要求信号受信部23および仲介サーバ30のプローブ情報要求信号送信部31は備えられていなくてもよい。
なお、仲介サーバ30の関係情報記憶部39に記憶される関係情報は、第2IDとプローブ情報利用者のIDとの関係を示すものとしたが、第2IDと第1IDとの関係を直接示していてもよい。この場合、移動端末10の第2ID送信部18は、第2IDと第1IDとの組を仲介サーバ30に送信する(図10のS7)。仲介サーバ30の第2ID受信部38は、移動端末10から第1IDと第2IDとを受信し、第1IDと第2IDとの対応付けを示す関係情報を作成し、作成した関係情報を関係情報記憶部39に書き込む。仲介サーバ30のプローブ情報振り分け部34は、第2IDに基づいて第2ID関連プローブ情報の振り分け先の利用サーバ40を決定することとなるが、上述したように、第2IDが所定の法則性を有している場合には、モジュロ演算を行ったり、ハッシュ関数の値を計算するなどすることで、第2IDからプローブ情報利用者IDを決定することができる。
また、上述の実施の形態では、第2ID関連プローブ情報の中に、第2IDとプローブ情報とを含めることとしたが、第2IDとプローブ情報とは別のデータとして取り扱ってもよい。この場合のプローブ情報を第2ID関連プローブ情報と呼んでもよい。
また、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSIから構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
また、本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、上記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体、例えば、HDD、CD−ROM、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。
また、上記プログラムに含まれる各ステップは、複数のコンピュータにより実行されてもよい。
さらに、上記実施の形態および上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。