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JP6737748B2 - 車両用外板パネル及び車両用外板パネルの製造方法 - Google Patents

車両用外板パネル及び車両用外板パネルの製造方法 Download PDF

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JP6737748B2 JP2017166171A JP2017166171A JP6737748B2 JP 6737748 B2 JP6737748 B2 JP 6737748B2 JP 2017166171 A JP2017166171 A JP 2017166171A JP 2017166171 A JP2017166171 A JP 2017166171A JP 6737748 B2 JP6737748 B2 JP 6737748B2
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Description

本発明は、車両用外板パネル及び車両用外板パネルの製造方法に関する。
一般に車両のボディの外壁は、金属製の車両用外板パネル(以下、「外板パネル」という場合がある。)により構成されている。このような外板パネルには、樹脂製のモール材などが装着され、ボディの意匠性の向上が図られている(下記特許文献1参照)。
特開2016−132344号公報
しかしながら、従来のボディの外観構造は、外板パネルに装着される部品点数が多く、製造工数の増加を招いた。よって、簡易な構成により意匠性の向上を図れる外板パネルが望まれている。
そこで、本発明は、前記する背景に鑑みて創案された発明であって、簡易な構成により意匠性の向上を図れる車両用外板パネル及び車両用外板パネルの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る車両用外板パネルは、圧空成形により所定形状に形成され、車両に取り付けられてボディの外壁を構成する透明な透明樹脂板と、スクリーン印刷により前記透明樹脂板の少なくとも一部に形成され、前記透明樹脂板を装飾する装飾層と、を備えていることを特徴とする。
本発明の車両用外板パネル及び車両用外板パネルの製造方法によれば、構成を簡易とすることができ、かつ、意匠性の向上が図れる。
第1実施形態の外板パネルの断面図である。 図1の枠線IIで囲まれた範囲の拡大図である。 装飾層形成工程を示す図である。 台座部材固定工程を示す図である。 台座部材固定工程後の透明樹脂板を積み上げた状態を示す図である。 台座部材が上側の透明樹脂板を支持できるような位置関係にある場合を示す図である。 台座部材が上側の透明樹脂板を支持できない位置関係にある場合を示す図である。 環状の台座部材と2つの矩形状の台座部材とにより上側の透明樹脂板を支持できるような位置関係にある場合を示す図である。 圧空成形工程を示す図である。 切削工程を示す図である。 ボス接着工程を示す図である。 台座部材にボスが螺合した状態を示す図である。 台座部材にスタットボルトが接着された状態を示す図である。 台座部材に車両搭載部品が直接固定された状態を示す図である。 圧空成形工程前であってスクリーン印刷により形成された隣り合う装飾層同士の境界線の状態を示す図である。 圧空成形工程後の境界線の状態を示す図である。 境界部をグラデーション加工した状態の図である。 圧空成形後に凹部が形成された透明樹脂板を表面側から視た状態を説明するための図である。 圧空成形後に凹部が形成された透明樹脂板を表面側から視た状態を説明するための図である。 テイルゲートを後方の右上側から視た斜視図である。 圧空成形される前の透明樹脂板を表面側から視た正面図である。 図8AのIX−IX線矢視端面図である。 図8AのX−X線矢視端面図である。 図8AのXI−XI線矢視端面図である。 ブラケットの一端部をリベットで透明樹脂板に固定した状態を示す図である。 リアコンビネーションランプにLEDシートを用いた例を示す図である。 フロントフェンダーパネルを前方の左上側から視た斜視図である。 図14のXV−XV線矢視端面図である。 変形例のヘッドライトを示す斜視図である。 図16のXVII−XVII線矢視端面図である。 変形例のヘッドライトが点灯した状態の斜視図である。 変形例の装飾層を備えるフロントフェンダーパネルを前方の左上側から視た斜視図である。 図19のXX−XX線矢視端面図である。 リアフェンダーパネルを左方から視た側面図である。 図21のXXII−XXII線矢視端面図である。 ルーフを前方の左上側から視た斜視図である。 図23のXXIV−XXIV線矢視端面図である。 図23のXXV−XXV線矢視端面図である。 図23のXXVI−XXVI線矢視端面図である。 図23のXXVII−XXVII線矢視端面図である。 LIDARが取り付けられて外板パネルを断面視した断面図である。
つぎに、実施形態に係る外板パネルについて、図面を参照しながら説明する。
まず、第1実施形態では、外板パネルの基本構造を説明する。その次に、外板パネルを車両のボディの各部位に適用した例を説明する。
なお、説明の都合上、外板パネルにおいて、車外側の面を表面と称し、車内側の面を裏面と称する。
(第1実施形態)
図1に示すように、外板パネル100は、圧空成形により所定形状に形成され、車両に取り付けられてボディの外壁を構成する透明樹脂板1と、スクリーン印刷により透明樹脂板1の少なくとも一部に形成され、透明樹脂板1を装飾する装飾層2と、透明樹脂板1の裏面1a側に設けられた台座部材3と、台座部材3を介して透明樹脂板1の裏面1a側に固定される車両搭載部品4と、スチフナ5と、を備えている。
なお、本実施形態において、装飾層2は透明樹脂板1の裏面1aに設けられている。また、透明樹脂板1の表面1b側には、保護層6が設けられている。
透明樹脂板1は、板状を呈しており、熱可塑性の樹脂により形成されている。具体的には、本実施形態の透明樹脂板1は、ポリカーボネイトにより形成されている。なお、本発明の透明樹脂板1は、ポリカーボネイト以外に、ポリエチレンテレフタラート(PET)、アクリル樹脂、ABS樹脂などの熱可塑性の樹脂により形成されてもよく、特に限定されない。
また、透明樹脂板1は、透明な樹脂(透明なポリカーボネイト)により形成されている。よって、透明樹脂板1の表面1b側から、透明樹脂板1の裏面1aの装飾層2を視認することができる。なお、透明樹脂板1は、透明であれば、無色又は有色を問わない。
透明樹脂板1は、長手方向に切った断面が曲面状となっている。また、透明樹脂板1の厚みは、長手方向に略均一に形成されている。なお、本発明において、透明樹脂板1の厚みについて特に限定されない。よって、例えば、高い強度を備えるために透明樹脂板1を厚く設定したりなど、所望の厚みに設定してよい。
装飾層2は、透明樹脂板1の裏面1aに固着したインキの薄層である。なお、装飾層2に用いられるインキは、特に限定されないが、透明樹脂板1を形成する材質(本実施形態においてはポリカーボネイト)に固着し易いものが望ましい。
図1に示すように、装飾層2は、色彩の異なる第1装飾層2aと第2装飾層2bを備え、2つの領域に分かれている。よって、外板パネル100の意匠性を向上させるために意匠部材(例えばモールなど)を外板パネル100(透明樹脂板1)に取り付ける、ということを回避できる。
台座部材3は、略矩形状の板状部品であり、車両搭載部品4を外板パネル100(透明樹脂板1)に取り付けるためのものである。そのほか、台座部材3は、外板パネル100において車両搭載部品4の重みが作用する部位の強度を向上させる役割を果たしている。また、大きい台座部材3を利用して外板パネル100に対する接着面積を増大すれば、外板パネル100に作用する単位面積当たりの負荷を軽減することができる。
台座部材3は、両面テープ7により装飾層2の裏面に固着している。なお、両面テープ7における接着層(不図示)は、装飾層2のインキが溶けないものが使用されている。
また、台座部材3を装飾層2に固定するためのものとしては、両面テープ7以外に、装飾層2を形成したインキと同じインキであり透明色のもので接着したり、又は、感圧接着剤により接着したりする方法が挙げられる。
台座部材3は、熱可塑性の樹脂に形成されている。具体的には、台座部材3はポリカーボネイトにより形成されている。よって、台座部材3は、後述する圧空成形工程において透明樹脂板1と共に変形する。
台座部材3は、3つ設けられ、車両搭載部品4の重みが3か所に分散するようになっている。また、台座部材3の裏面には、ボルトにより車両搭載部品4を締結するためのボス8が接着されている。なお、ボス8の先端部には、雌ねじ部8aが形成されている(図2参照)。
台座部材3の裏面には、切り欠き9が設けられ、ボス8の基部8bを接着するための座面(平坦面)3aが形成されている。また、各座面3aは、互いに平行となっている。
このため、各座面3aに接着されるボス8は、同方向に延在し、各雌ねじ穴8aに螺合するボルト(不図示)の中心軸(図1の軸線O参照)が同方向に統一される。
車両搭載部品4は、ハーネスなどの電装品や、ランプなどの点灯体などが挙げられ、本発明において特に限定されない。
スチフナ5は、外板パネル100(透明樹脂板1)を補強する台座部材3よりも薄い板状部品であり、両面テープ7により装飾層2の内側に接着している。また、スチフナ5は、外板パネル100に沿って延在し、長方形状(帯状)に形成されている。
スチフナ5は、熱可塑性の樹脂に形成されている。具体的には、スチフナ5はポリカーボネイトにより形成されている。よって、スチフナ5は、後述する圧空成形工程において透明樹脂板1と共に変形する。
保護層6は、外板パネル100(透明樹脂板1)の表面1bに傷が付くことを防止するとともに、透明樹脂板1の耐候性を向上させるための透明層である。
つぎに、外板パネル100の製造方法について、図3,図4を参照しながら説明する。
外板パネル100の製造方法は、保護層形成工程と、装飾層形成工程と、台座部材固定工程と、積み上げ工程と、圧空成形工程と、切削工程と、ボス接着工程と、固定部品取付工程と、を備えている。
特に図示しないが、保護層形成工程は、透明樹脂板1の表面1b側に、保護層6の原料を塗布し硬化させ保護層6を形成する工程である。
なお、保護層形成工程を圧空成形工程前に行うと、圧空成形工程により透明樹脂板1が変形した(延びた)際に、保護層6に割れが発生する可能性がある。よって、割れが発生する部分には、この段階で保護層6を形成せず、圧空成形工程後に吹き付け等で保護層6を形成する。
図3Aに示すように、装飾層形成工程は、透明であり平板状の透明樹脂板(ポリカーボネイト板)1の裏面1aにスクリーン印刷により装飾層2を形成する工程である。
ここで、圧空成形工程により透明樹脂板1が平板状から曲面状に変形すること、つまり、透明樹脂板1に形成した装飾層2も圧空成形で変形する(延びる)ことを考慮して形成する。
図3Bに示すように、台座部材固着工程は、透明樹脂板1の裏面1a側に台座部材3を固定するための工程である。本実施形態の台座部材固着工程においては、予め略矩形状に切り取った台座部材3を、両面テープ7により装飾層2の裏面に接着している。また、当該工程では、スチフナ5を併せて接着する。
図3Cに示すように、積み上げ工程は、台座部材固着工程を終えた透明樹脂板1を順に積み上げる工程である。当該工程によれば、透明樹脂板1が占有するスペースを狭小にすることができ、生産性が向上する。また、積み上げられた各透明樹脂板1の間に台座部材3等が介在するため、装飾層2に傷が付いたり、摩耗したりすることを防止できる。
なお、積み上げ工程において、積み上げられた透明樹脂板1が崩れないようにするため、同じ厚みの台座部材3を少なくても3つ以上固定すること、その3つの台座部材3が上側の透明樹脂板1を支持できるような位置関係にあること、そして、スチフナ5の厚みが3つの台座部材3よりも薄いことが必要となる。
ここで、3つの台座部材3が上側の透明樹脂板1を支持できるような位置関係とは、図3Dに示すように、各台座部材3を結ぶ直線L1,L2,L3により構成される形状が三角形を成している場合である。よって、図3Eに示すように、各台座部材3が略同一直線L4上に位置している場合は、上側の透明樹脂板1を安定して支持できず、含まれない。
圧空成形工程は、装飾層2が形成された透明樹脂板1を圧空成形により所定形状に成形する工程である。
具体的に、圧空成形工程は、最初に、加熱により透明樹脂板1を台座部材3と共に軟化させる。次に透明樹脂板1の表面1b側に雌型(下型)200を用意する。
次に、図示しない真空装置により透明樹脂板1と雌型200との間を真空にするとともに、圧空BOX201を透明樹脂板1の裏面1a側に配置して透明樹脂板1の裏面1aに圧縮空気圧をかけ(図4Aの矢印を参照)、透明樹脂板1を雌型200に押し付ける。これにより、図4Aに示すように、透明樹脂板1が雌型200の形状となる。最後に、透明樹脂板1を冷却して透明樹脂板1を硬化させ、離型する。
なお、圧空成形によれば、金型が単純な雌型200のみとなり、雄型と雌型とも複雑な金型が必要となる射出成型により形成される場合よりも金型費が抑えられる。
なお、本実施形態では、圧空成形工程前に台座部材固着工程を実施しているが、本発明において、圧空成形工程後に台座部材固着工程を実施してもよい。
ただし、圧空成形工程後に台座部材固着工程を実施すると、曲面状の透明樹脂板1に対し、曲面状の台座部材3及びスチフナ5を接着することとなり、接着面である曲面同士を合わせ難く、透明樹脂板1に対する接着強度が低くなる。
よって、実施形態で説明したように、圧空成形工程前に台座部材固着工程を実施し、台座部材3及びスチフナ5を圧空成形により透明樹脂板1とともに変形させることが望ましい。
また、さらに台座部材3の接着強度を高めたい場合には、台座部材3を大型化させて透明樹脂板1に対する接着面積が大きくする方法が挙げられる。
図4Bに示すように、切削工程は、透明樹脂板1及び台座部材3を切削する工程である。具底的には、切削工程において、透明樹脂板1において余分な箇所(図4Bの2点鎖線を参照)が切り落とされ、外板パネル100が完成する。
また、本工程において、併せて台座部材3の裏面に切り欠き9(座面3a)を形成する。なお、当初から座面3aが形成された台座部材3を用いると、圧空成形工程により、台座部材3の座面3aの位置が変わったり、座面3aが湾曲したりする可能性がある。
一方で、本実施形態によれば、圧空成形工程後に切り欠き9(座面3a)を形成するため、座面3aを所望の位置とすること、そして、座面3aの平坦性を確保することができ、ボス8の設置位置及び向きを高精度とすることができるほかに、台座部材3に対する接着強度を高めることができる。
図4Cに示すように、ボス接着工程は、台座部材3の座面3aにボス8を接着剤により接着する工程である。
特に図示しないが、固定部品取付工程は、外板パネル100の裏面(透明樹脂板1の裏面1a)側に車両搭載部品4を配置し、ボルトで車両搭載部品4を締結し、外板パネル100に車両搭載部品4を固定する工程である。
これによれば、外板パネル100に車両搭載部品4が一体化される。よって、外板パネル100を車体に組み付けた後に、車両搭載部品4を組み付ける工程を省くことができ、生産性の向上を図ることができる。
以上、実施形態によれば、外板パネル100は、圧空成形により成形された透明樹脂板1と、スクリーン印刷により形成された装飾層2とにより成り、構成を簡易とすることができる。
また、圧空成形によれば、透明樹脂板1を自由度の高い形状、つまり、意匠性の高い形状とすることができる。さらに、スクリーン印刷によれば、様々なデザインを付与することができる。よって、意匠性の高い外板パネル100を提供することが可能となる。
また、スクリーン印刷による装飾層2の形成は、平板状の透明樹脂板1に行われる。よって、成形後の部品(コーナー部分などの湾曲・屈曲する部品)に対して装飾層を形成する場合よりも容易とすることができ、生産性の向上を図れる。
また、従来技術で説明したように、樹脂製のモール材を別途製造して外板パネル100(透明樹脂板1)に装着させる必要がないため、部品点数の削減を図れる。
また、本実施形態によれば、装飾層2が透明樹脂板1よりも奥(内側)に位置していることから、装飾層2を外部から視た場合、図2の矢印Aに示すように、透明樹脂板1を介して視認され、装飾層2は深みを有する美観を発揮する。よって、従来の鋼板の外板パネルの表面に塗装された装飾層とは、異なる美観を与え、意匠性に優れる。
また、本実施形態によれば、透明樹脂板1の裏面1aに台座部材3が形成されている。よって、透明樹脂板1の裏面1aに雌ねじ穴を形成してボルトにより車両搭載部品4を固定すること、言い換えると、装飾層2の一部に雌ねじ穴を空けて意匠性を損なうことを回避できる。よって、外板パネル100の意匠性を保持できる。
以上、第1実施形態について説明したが、本発明は上記した例に限定されない。
本実施形態において、台座部材3の座面3aにボス8を固定するために接着材を用いているが、本発明においては、図5Aに示すように、台座部材3の座面3aに雌ねじ穴3bを形成し、その雌ねじ穴3bにボス8の雄ねじ8cを螺合してもよい。または、図5Bに示すように、台座部材3の座面3aにアクリル系の樹脂10を塗布するとともに、紫外線照射によりアクリル系の樹脂10を硬化させてスタットボルト8Aの基部8bを固定してもよい。
また、本実施形態及び上記変形例において、車両搭載部品4を固定するためにボス8やスタットボルト8Aを用いているが、本発明ではボス8やスタットボルト8Aを用いることなく、直接、台座部材3の座面3aに車両搭載部品4を固定してもよい。
具体的には、図5Cに示すように、台座部材3の座面3aに凸部3cを形成し、その凸部3cに車両搭載部品4の凹部4aを嵌め込み、さらに接着剤(不図示)により固定するようにしてもよい。
また、特に図示しないが、台座部材3の座面3aに雌ねじ穴を形成し、その雌ねじ穴に車両搭載部品4を締結するボルトを螺合させてもよい。
また、本実施形態において、台座部材3は、矩形状のものを使用しているが、例えば直線状であってもよい。若しくは、図3Fに示すように、環状の台座部材3Aを用いてもよい。このような環状の台座部材3Aによれば、例えば、車両搭載部品4を支持するハウジング(不図示)に環状のフランジが形成されている場合、このフランジの全周を環状の台座部材3Aに固定することができる。また、外板パネル100の製造工程において、環状の台座部材3Aが他の2つの矩形状の台座部材3と同じ厚みであり、各台座部材3,3Aを結ぶ直線L1,L2,L3により構成される形状が三角形を成している場合、台座部材固着工程を終えた透明樹脂板1を積み上げても(図3C参照)、透明樹脂板1が崩れ難い。よって、生産性の向上も図れる。
また、本実施形態において、装飾層2を透明樹脂板1の裏面1aに形成しているが、本発明において、装飾層2を透明樹脂板1の表面1bに形成してもよい。このような例によっても、外板パネル100の構造は簡易であり、かつ、意匠性の高い外板パネル100を提供することができるからである。なお、透明樹脂板1の表面1bに形成された装飾層2は、奥深さを有する美観を生じることができない。
また、本実施形態において、スクリーン印刷により装飾層2を形成しているが、この装飾層2以外に、導電率の高いインキにより電気を供給するための電線を形成したり、窓を暖めて霜を除去するための電線を形成したりしてもよい。つまり、本発明において、スクリーン印刷により透明樹脂板1又は装飾層2に電線を形成してもよい。また、このような電線を形成する場合、外部から視認され難くするため、装飾層2の裏面に形成することが好ましい。
また、本実施形態において、保護層形成工程を圧空成形工程前に実施しているが、圧空成形工程後に保護層形成工程をおこなってもよい。
そのほか、図6Aに示すように、装飾層形成工程により、第1装飾層11と第2装飾層12との境界線13を直線状に形成したものの、図6Bに示すように、圧空成形工程(透明樹脂板1の変形)により境界線13が屈曲する可能性がある。
よって、これに対処するため、装飾層同士の境界部をグラデーションとする方法が挙げられる。具体的には、図6Cに示すように、例えば、第2装飾層12と同じ色の円形12aを複数形成し、第2装飾層12と複数の円形12aとの隙間11aを埋めるように第1装飾層11を形成することで、境界部13Aがグラデーションとなる。これによれば、圧空成形工程により、境界部13Aが屈曲したとしても、境界部13Aが屈曲したことを不明瞭とすることができる。
若しくは、透明樹脂板1に、装飾層同士の境界線に対応して延在する凹部を形成してもよい。具体的には、図7A,図7Bに示すように、境界線13に沿って延在する凹部14を透明樹脂板1に形成してもよい。これによれば、境界線13が後方に位置するとともに、境界線13を挟む2つの稜線14a,14aが透明樹脂板1に形成される。
この結果、境界線13が屈曲し、境界線13が所定の位置(図7A,図7Bの矢印B参照)から位置ずれしても、境界線13よりも手前にある稜線14a,14aの方が視覚に入り易くなり、境界線13を視認する集中力を低減できる。
(第2実施形態)
つぎに、本発明をテイルゲート120の外板パネル20に適用した例を説明する。また、本実施形態においては、外板パネル20には、光を透過可能な透過部が形成されている。
図8Aに示すように、テイルゲート120は、車両の後部開口(不図示)を開閉する扉である。テイルゲート120は、骨格を構成するフレーム部材121(図10,図11参照)と、フレーム部材121の外側に設けられ車両後面を構成する外板パネル20と、を備えている。
外板パネル20は、後方から視て略矩形状を呈し、外郭が車両の後部開口(不図示)と同一形状に形成されている。
外板パネル20には、窓部(透過部)21と、窓部21を囲む窓枠部22と、窓枠部22の上方に位置する水平板状の水平壁部23と、水平壁部23の下方に位置するハイマウントストップランプのレンズ(透過部)24と、窓枠部22の下方で左右方向に延びるモール25と、モール25の両端の下方に位置するリアコンビネーションランプ130のレンズ(透過部)26,26と、モール25の下方に位置する下壁部27と、が形成されている。また、図9に示すように、リアコンビネーションランプ130は、上側がテールランプ131、下側がストップランプ132となっている。よって、レンズ26は、上レンズ26aと下レンズ26bとに分かれている。
この外板パネル20は、図8Bに示すように、表面20eに保護層(不図示)が形成され、裏面20fに装飾層2Aが形成された平板状の透明樹脂板1Aを、窓部21や窓枠部22等の形状に圧空成形し、その後、切削工程で外板パネル20の外形線Pに沿って切削し、余分な部分Qを取り除くことで製造されている。よって、外板パネル20を構成する窓部21、窓枠部22、水平壁部23、レンズ24、モール25と、レンズ26,26、及び下壁部27の各部位は、1つの透明樹脂板1Aにより形成され、一体となっている。
また、図8Bに示すように、透明樹脂板1Aに形成された装飾層2Aは、窓部21、窓枠部22、水平壁部23、レンズ24、モール25と、レンズ26,26、及び下壁部27の各部位毎に色分けされたり、若しくは装飾層自体が形成されていなかったりしている。以下、詳細に説明する。
外板パネル20の各部位の装飾層2Aに関し、図9に示すように、窓枠部22には、スクリーン印刷により黒色の装飾層22aが形成されている。モール25には、スクリーン印刷により銀色の装飾層25aが形成されている。
下壁部27には、スクリーン印刷によりボディ色の装飾層27aが形成されている。水平壁部23には、下壁部27と同じ色の装飾層23aが形成されている(図8B参照)。
また、ハイマウントストップランプのレンズ24には、スクリーン印刷により赤色透明の装飾層24aが形成されている(図8B参照)。よって、ハイマウントストップランプの図示しない発光部が発光すると、レンズ24から後方へ赤色の光が照射される。
窓部21には、装飾層が形成されていない。また、窓部21の裏面(内面)には、通電により熱を発し、窓部21に発生した霜を除去するための複数の電熱線21a(図8A参照)が形成されている。なお、電熱線21aは、装飾層形成工程のスクリーン印刷により形成されている。
図9に示すように、上レンズ26aには、装飾層が形成されていない。よって、テールランプ131用の発光部131aから発生られる白色や黄色の光が上レンズ26aを介して後方に照射される。
下レンズ26bは、赤色透明の装飾層26cが形成されている。よって、ストップランプ132用の発光部132aから発生られる白色の光は、赤色となって後方に照射される。
なお、図9、図10に示すように、テールランプ131用のハウジング133を固定するため、レンズ26の周縁部には、座面に凸部が形成された環状の台座部材28が設けられている。そして、ハウジング133の端部には凹部134が形成され、その凹部134が台座部材28の凸部に嵌め込まれることで、ハウジング133が固定される。
つぎに、図11を参照しながら、フレーム部材121に対する外板パネル20の取り付けの詳細を説明する。なお、図11に示す外板パネル20の左側に配置される部品は、リアバンパーフェイス122である。このリアバンパーフェイス122の縁部には、前方に延びる前後壁部123と、前後壁部123の前端から左右方向内側に延びる左右壁部124と、が形成されている。
図11に示すように、外板パネル20には、縁部から裏面側であって内方(図11においては右方)に折り返された折り返し部20aと、折り返し部20aから前方に延出して車両に取り付けられる取付部20bと、が形成されている。
また、フレーム部材121の縁部121aは、前方に折り返されて前方に延びている。
このフレーム部材121の縁部121aは、外板パネル20の取付部20bの内側に重ね合わせられている。
そして、外板パネル20の取付部20bとフレーム部材121の縁部121aとがリベットRにより締結され、フレーム部材121に対し外板パネル20が固定されている。
なお、フレーム部材121と外板パネル20との取り付けは、リベットRにより行われていることから、リベットRによる締結を解除すると、外板パネル20が破損することなく回収することができる。
また、以下において、リベットRに締結されて一体となっている取付部20b及び縁部121aの全体を合わせ面(20b,121a)と称する。
合わせ面(20b,121a)には、トリムシール125が設けられている。トリムシール125は、断面凹状を呈し合わせ面を覆う本体部126と、本体部126の前面に設けられたチューブ127と、本体部126の側面に設けられた外リップ128a,内リップ128bと、を備えている。
合わせ面(20b,121a)の前端と本体部126との間には、接着剤からなるシール部129が形成されている。このため、本体部126と合わせ面(20b,121a)との間が封止され、液体が車内側に浸入しないようになっている。
なお、仮に、本体部126と合わせ面(20b,121a)との間から液体が侵入したとしても、内リップ128bがフレーム部材121に当接している。よって、内部への流路が封止されており、車内側に液体が浸入する可能性が極めて低い。
外リップ128aは、外板パネル20の折り返し部20aの外側端末に当接し、合わせ面(20b,121a)と本体部126との間に液体が浸入し難くなっている。
また、チューブ127は、テイルゲート120の閉状態にリアパネル122の左右壁部124に押圧され、液体や騒音が車内側にさらに浸入し難くなっている。
以上、第2実施形態によれば、別途に窓ガラスやレンズ(透過部)やモール等を製造する必要がなく、部品点数の削減を図ることができる。
また、外板パネル20により発光部が一体化(モジュール化)されている。よって、車体に対するテイルゲートの組み付けを最終工程の方とすることができる。よって、車体に対する組み付け時に、外板パネル(テイルゲート)に傷が付かないように注意を払う必要がなくなり、生産性向上を図れる。
また、折り返し部20aが形成されていることから、合わせ面(20b,121a)及びリベットRは、外板パネル20の後方に位置して車両後方から視認し難くなるため、意匠性が向上する。
また、従来の構造によれば、レンズの周縁部はハウジングに支持されており、レンズの周縁部は発光する部分となっていなかった。
しかしながら、本実施形態によれば、図8Aに示すように、レンズ26の周縁部は、隣接するモール25や下壁部27と連続し、ハウジング133に支持されていない。よって、レンズ26の周縁部を光が透過し、発光面とすることができる。
つぎに第2実施形態の変形例を説明する。
図12に示すように、部品136を支持するブラケット137が外板パネル20の端側に設けられている場合、台座部材138に設けられたナット139aにボルト139bを締結することでブラケット137の内側端部137aを固定する。さらに、リベットRを貫通させることで137の外側端部137bと外板パネル20の取付部20bを一体化させる。このような方法によりブラケット137を透明樹脂20に固定してもよい。
図13に示すように、レンズ26(透過部)の裏面に、プリズムシート(屈折シート)30を設け、さらにプリズムシート30の裏面に有機ELシート31を設けてもよい。
これによれば、ハウジング133を支持するための台座部材28が不要となる。また、プリズムシート30を透過する光が屈折し、意匠性の向上を図れる。
そのほか、レンズ(透過部)26を構成する外板パネル20にレーザを照射したり、ルーターなどで切削したりすることで光を屈折させる凹凸を形成してもよい。若しくは、プリズムシート30の代わりに導光板を設けてもよい。
(第3実施形態)
つぎに、左側のフロントフェンダーパネルに適用した例を説明する。
図14に示すように、外板パネル40は、バンパーフェイス140の左部から後方に延在し、車両前部の左側壁、つまり、フロントフェンダーパネル41を構成している。
また、外板パネル40は、前側に位置し左右方向に延在するヘッドライトのレンズ42と、ターンライトのレンズ43と、を備えている。さらに、レンズ42の下寄りには、左右方向に延在し、レンズを装飾するモール44が形成されている。
この外板パネル40は、特に図示しないが、裏面に装飾層が形成された平板状の透明樹脂板(透明なポリカーボネイト板)を所定形状に圧空成形し、その後、余分な部位を切削することで形成された部品である。よって、フロントフェンダーパネル41、レンズ42、レンズ43、及びモール44は、1つの透明樹脂により形成されており、一体となっている。
図15に示すように、フロントフェンダーパネル41の装飾層41aは、スクリーン印刷によりボディ色となっており、車両全体で統一されている。
なお、外板パネル40の前縁部には、裏面側に延び、さらに下方に延びる取付部40aが形成されている。この取付部40aにはクリップ141が付き刺さっており、これにより外板パネル40とバンパーフェイス140とが一体になっている。
フロントフェンダーパネル41の裏面側であってレンズ42の近傍には、座面に凸部が形成された台座部材45が設けられている。そして、この台座部材45には、ヘッドライトの発光部(不図示)を支持するハウジング46が接着されている。なお、図15において、ハウジング46の内部構造については省略している。
レンズ42は、曲面状を呈し、前方から後方に向って次第に上方に位置している。
レンズ42には、装飾層が形成されていない。よって、レンズ42の後方の発光部(不図示)から発せられた光は、色が変わることなく、前方へ照射される。
モール44は、凸状に形成され、レンズ42よりも前方に突出している。モール44の裏面には、銀色の装飾層44aが形成されている。よって、モール44に入射する光は反射するようになっている。
また、特に図示しないが、ターンライトのレンズ43の裏面には、黄色の装飾層がスクリーン印刷により形成されている。
以上、本実施形態によれば、レンズ42,42と、モール44を別途に製造する必要がなく、部品点数の削減を図ることができる。
つぎに第3実施形態の変形例を説明する。
第1の変形例として、透過部(レンズ)に形成された装飾層が光の透過率が比較的高くなっている場合を説明する。
図16に示すように、変形例に係るヘッドライト50は、3つ設けられている。これに対応して外板パネル40には、レンズ51が3つ形成されている。各レンズ51の形状は、正面視で略C字に形成されている。なお、変形例のヘッドライト50の発光部52は、レンズ51の形状に対応して、略C字になっている。
図17に示すように、変形例のレンズ51の裏面には、ボディ色を同じの装飾層51aが形成されている。また、装飾層51aの厚みは、フロントフェンダーパネル41の装飾層41aよりも薄く形成されている。よって、装飾層51aは、装飾層41aよりも光の透過率が高いハーフミラー仕様となっている。
以上から、図16に示すように、外板パネル40を車両の外部から視認した場合、レンズ51の形状(フロントフェンダーパネル41とレンズ51との境界)が視認し難く、外板パネル40がボディ色で統一されている。一方で、発光部52が発光すると、図18に示すように、光が装飾層51aとレンズ51を透過し、略C字状の光が前方へ照射される。
以上、ハーフミラー仕様となっている装飾層51aについて説明したが、このような装飾層をレンズ以外に適用してもよい。
例えば、図19に示すように、外板パネル40の一部の領域(ヘッドライトのレンズ42とターンライトのレンズ43との間)にハーフミラー仕様の装飾層60を形成してもよい。
具体的に説明すると、装飾層60は、前後方向に延びる長方形状を呈している。また、装飾層60は、フロントフェンダーパネル41の装飾層41aと同じ色である。装飾層60は、装飾層41aよりも厚みが薄い。よって、装飾層60は、装飾層41aよりも光の透過性が高いハーフミラー仕様となっている。
また、図20に示すように、装飾層60の下方には、発光部61が設けられている。この発光部61は、前後方向に並ぶ5つのLED62と、LED62からの光が前後方向に拡散させるための拡散シート63と、を備えている。
これによれば、外板パネル40においてヘッドライトとターンライトとの間に、装飾層60を透過して外部に光を照射すること、言い換えると、自動運転車両等が周囲に対し、行動に対する意思を表示したり伝達したりすることが可能となる。
(第4実施形態)
つぎに、左側のリアフェンダーパネルに適用した例を説明する。
図21に示すように、外板パネル70は、後部ドア150の後方に配置され、車両後部の左壁部(外板パネル)、つまり、リアフェンダーパネル71を構成している。
また、外板パネル70は、略三角状の窓部72と、窓部72を囲む窓枠部73と、窓枠部73の外周に設けられたモール74と、テールランプのレンズ75とが形成されている。
この外板パネル70は、特に図示しないが、裏面に装飾層が形成された平板状の透明樹脂板(透明なポリカーボネイト板)を所定形状に圧空成形し、その後、余分な部位を切削することで形成された部品である。よって、リアフェンダーパネル71、窓部72、窓枠部73、モール74、及びテールランプのレンズ75は、1つの透明樹脂板により形成され、一体となっている。そのほか、外板パネル70には、切削工程により、矩形状の給油孔71bが形成されている。
図22に示すように、リアフェンダーパネル71の装飾層71aは、スクリーン印刷によりボディ色となっており、車両全体で統一されている。窓部72には、装飾層が形成されていない。窓枠部73の裏面には、スクリーン印刷により黒色の装飾層73aが形成されている。モール74の裏面には、スクリーン印刷により銀色の装飾層74aが形成されている。よって、モール74は、窓枠部73の外周を銀色で装飾している。
図22に示すように、レンズ75は、車両の左方を向く左面76と、後方を向く後面77とを備えている。
レンズ75において、左面76の裏面全体と、後面77の車幅方向中央部から外側の部位に半透明であり赤色の装飾層75aが形成されている。一方で、後面の車幅方向中央部から内側の部位には装飾層が形成されていない。よって、テールランプの発光部78から光が発せられると、後面77の内側を透過する光は、白色や黄色のまま後方へ照射され、一方で、左面76と後面77の外側を透過する光は赤色となって照射される。
(第5実施形態)
つぎに、ルーフに適用した例を説明する。
図23に示すように、外板パネル80は、車室の上方に配置されて水平板状を呈し、車室の屋根の外壁を構成する外壁、つまり、ルーフ81を構成している。
また、外板パネル80には、ルーフ81の前端に設けられた矩形枠状の窓枠部82と、窓枠部内に設けられたフロント窓部83と、ルーフ及び窓枠部の左右両端に沿って前後方向に延在する左右のサイドアウタパネル84,84と、が形成されている。
この外板パネル80は、特に図示しないが、裏面に装飾層が形成された平板状の透明樹脂板(透明なポリカーボネイト板)を所定形状に圧空成形し、その後、余分な部位を切削することで形成された部品である。よって、ルーフ81、窓枠部82、フロント窓部83、及び左右のサイドアウタパネル84,84は1つの透明樹脂板により形成され、一体となっている。
図24に示すように、ルーフ81の裏面に形成された装飾層81a及びサイドアウタパネル84,84の裏面に形成された装飾層84a,84aは、スクリーン印刷によりボディ色となっており、車両全体で統一されている。
ルーフ81の左右の両端部には、下方に窪む凹部81bが形成されている。この凹部81bは、前後方向に延在し(図23参照)、従来のルーフモールの役割を果たしている。よって、凹部81bによれば、従来のルーフモールが不要となるとともに、ルーフ81の意匠性が向上する。
つぎに、ルーフ81の固定構造について説明する。
図24に示すように、ルーフ81の左右両端の裏面側には、ナット81dが接着された台座部材81cが設けられている。このナット81dに対し、サイドルーフレール180を下方から貫通するボルト81eが締結している。これにより、ルーフ81の左右両端がサイドルーフレール180に固定される。
なお、サイドルーフレール180は、接合されて閉断面形状を成す一対のフレーム部材181,182により構成されている。また、サイドアウタパネル84の下端は、リベットRによりフレーム部材182に固定されている。
また、図25に示すように、ルーフ81の前端の裏面側には、ナット81dが接着された台座部材81cが設けられている。このナット81dに対してフロントルーフレール183を下方から貫通するボルト81eが締結している。これにより、ルーフ81の前端がフロントルーフレール183に固定される。
また、図26に示すように、ルーフ81の後部には、後端縁から下方に延びて、締結具184aによりリアルーフレール184に締結される取付部81fが形成されている。
また、取付部81fとリアルーフレール184との間には、ウレタン発泡材によるシール材184bが介在し、車内側に液体が浸入しないようになっている。
なお、取付部81f及び締結具184aは、テイルゲート185により覆われ、視認されないようになっている。
つぎに、窓枠部82とフロント窓部83について説明する。
図27に示すように、窓枠部82の裏面には、黒色の装飾層82aが形成され、窓枠部82の色彩が黒色となっている。一方で、フロント窓部83の裏面は、装飾層が形成されていない。
窓枠部82の下端部82bは、リベットRによりウインドシールド186に固定されている。
窓枠部82の下端部82bとフレーム部材との間には、ウレタン発泡材によるシール材187が介在し、車内側に液体が浸入しないようになっている。
また、リベットR及びシール材187が配置された窓枠部82の下端部82bは、フロントカウルトップ188により被覆され、視認されないようになっている。
(第6実施形態)
つぎに、外板パネル90にLIDAR(Light Detection and Ranging)92を組み付けた場合について説明する。
図28に示すように、LIDAR92は、パルス状に発光するレーザを照射し散乱光を検出し(図28の矢印参照)、その反射時間(発光後に反射光を検出するまでの時間)から距離を算出するための装置であり、自動走行に利用される装置である。
外板パネル90を構成する透明樹脂91の裏面には、スクリーン印刷によりボディ色の装飾層91aが形成されている。また、透明樹脂91の裏面には、LIDAR92を支持するブラケット93を固定するための台座部材91bが設けられている。
また、外板パネル90には透過部94が形成されている。透過部94の裏面には、赤外線透過インキを用いて、スクリーン印刷により形成された装飾層94aが形成されている。よって、透過部94を介して、LIDAR92が車外にレーザを照射しり、車内に散乱光を取り込んだり(検出したり)することができる。
なお、赤外線透過インキとしては、帝国インキ社の「IRインキ」が挙げられる。
また、装飾層94aは、外板パネル90の装飾層91aと同じ色のものが使用されている。よって、外板パネル90の全体の色彩が統一され、意匠性が損なわれるおそれがない。
1,1A,91 透明樹脂板
1a 裏面
2 装飾層
3,3A 台座部材
3a 座面
4 車両搭載部品
5 スチフナ
6 保護層
7 両面テープ
8 ボス
13A 境界部
14 凹部
14a 稜線
20a 折り返し部
20b 取付部
21 窓部(透過部)
21a 電熱線(電線)
24,26 レンズ(透過部)
30 プリズムシート(屈折シート)
41 フロントフェンダーパネル
42 レンズ(透過部)
71 リアフェンダーパネル
72 窓部(透過部)
75 レンズ(透過部)
81 ルーフ
83 フロント窓部(透過部)
84 サイドアウタパネル
92 LIDAR
94 透過部
20,40,70,80,90,100 外板パネル
R リベット

Claims (12)

  1. 圧空成形により所定形状に形成され、車両に取り付けられてボディの外壁を構成する透明樹脂板と、
    スクリーン印刷により前記透明樹脂板の少なくとも一部に形成され、前記透明樹脂板を装飾する装飾層と、を備え
    前記装飾層同士の境界部がグラデーションとなっている
    ことを特徴とする車両用外板パネル。
  2. 圧空成形により所定形状に形成され、車両に取り付けられてボディの外壁を構成する透明樹脂板と、
    スクリーン印刷により前記透明樹脂板の少なくとも一部に形成され、前記透明樹脂板を装飾する装飾層と、を備え
    前記透明樹脂板には、前記装飾層同士の境界線に対応して延在する凹部が形成されている
    ことを特徴とする車両用外板パネル。
  3. 圧空成形により所定形状に形成され、車両に取り付けられてボディの外壁を構成する透明樹脂板と、
    スクリーン印刷により前記透明樹脂板の少なくとも一部に形成され、前記透明樹脂板を装飾する装飾層と、を備え
    前記透明樹脂板には、光を透過可能な透過部が形成され、
    前記透過部には、透過する光を屈折させるための屈折シートが設けられている
    ことを特徴とする車両用外板パネル。
  4. 前記透明樹脂板の裏面側に設けられた台座部材と、
    前記台座部材を介して前記透明樹脂板の裏面側に固定される車両搭載部品と、を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用外板パネル。
  5. 前記台座部材は、環状を呈していることを特徴とする請求項に記載の車両用外板パネル。
  6. 前記透明樹脂板には、
    縁部から裏面側であって内方に折り返された折り返し部と、
    前記折り返し部から延出して車両に取り付けられる取付部と、
    が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両用外板パネル。
  7. 前記装飾層は、前記透明樹脂板の裏面に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両用外板パネル。
  8. 前記透明樹脂板又は前記装飾層には、前記スクリーン印刷により電線が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両用外板パネル。
  9. 前記透過部を構成する前記透明樹脂板には、光を屈折させるための凹凸が形成されていることを特徴とする請求項に記載の車両用外板パネル。
  10. 前記透過部に形成された装飾層は光の透過率が比較的高いことを特徴とする請求項に記載の車両用外板パネル。
  11. 車両に取り付けられてボディの外壁を構成する車両用外板パネルの製造方法であって、
    透明であり平板状の透明樹脂板にスクリーン印刷により装飾層を形成する装飾層形成工程と、
    前記装飾層が形成された前記透明樹脂板を圧空成形により所定形状に成形する圧空成形工程と、を備え
    前記圧空成形工程前に、前記透明樹脂板の裏面側に台座部材を固定するための台座部材固定工程と、
    前記圧空成形工程後に、前記透明樹脂板及び台座部材を切削する切削工程と、を備えている
    ことを特徴とする車両用外板パネルの製造方法。
  12. 前記台座部材固定工程後であって前記圧空成形工程前に、前記透明樹脂板を順に積み上げる積み上げ工程を備え、
    前記台座部材固定工程において、同じ厚みの前記台座部材を少なくても3つ以上固定するとともに、前記3つの台座部材が前記積み上げ工程において上側に積み上げられる前記透明樹脂板を支持できる位置関係に配置することを特徴とする請求項11に記載の車両用外板パネルの製造方法。
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