[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)、小当り遊技状態(小当り状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ちが含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2は、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dが設けられる。上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dは、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置44(図4参照)の一部を構成している。
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する始動入賞口(始動口1、第1始動入賞領域)36が設けられる。センターケース40の右側の遊技領域32において、普図始動ゲート34の下方には第2始動入賞口(始動口2、第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37(普通電動役物、普電)が設けられる。普通変動入賞装置37は、前方から奥側に引っ込むようにスライドすることで、遊技球が流入し易い状態に変換する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。なお、始動入賞口36には、左打ち時に遊技球が入賞し易くなり、普通変動入賞装置37には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。
可動部材37bは、スライド開閉式の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して動作して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
始動入賞口36の右方の遊技領域32には、下大入賞口ソレノイド38b(図7参照)によって前方から奥側に引っ込むことで大入賞口を開放する下大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉38cを有する第1特別変動入賞装置38(特別電動役物)が設けられている。第1特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な遊技状態)に変換し、下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、下大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として下大入賞口スイッチ38a(カウントスイッチ)が配設されている。なお、第1特別変動入賞装置38には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。
普通変動入賞装置37の上方の遊技領域32には、上大入賞口ソレノイド39b(図3参照)によって上端側が右側に倒れる方向に回動することで上大入賞口を開放する開閉扉39cを有する第2特別変動入賞装置39が設けられている。第2特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上大入賞口スイッチ39a(カウントスイッチ)(図3参照)が配設されている。なお、第2特別変動入賞装置39には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。また、下大入賞口スイッチ38aと上大入賞口スイッチ39aを総称して、大入賞口スイッチ43と呼ぶ。
第2特別変動入賞装置39の内部には、特定領域86(いわゆるV入賞口)が設けられている。特定領域86(V入賞口)に遊技球が入球した場合に大当り終了後の確変状態(高確率状態、特定遊技状態)が確定する。特定領域86は、確変大当りの場合にのみ、長時間開放されるなどして遊技球が容易に通過できるようにしてよい。なお、遊技制御装置100は、特定領域86への遊技球の通過(V入賞)をセンサ(後述の特定領域スイッチ72)等を介して検知でき、V入賞を検知すると大当り終了後に確変状態に移行することを確定するとともに、後述の演出制御装置300にV入賞があったことを示す情報(特定領域通過コマンド等)を送信する。そして、演出制御装置300は、V入賞を表示装置41などにおいて報知できる。
一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置38、39の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。また、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置38、39やその近傍には、遊技球が入賞した場合などに発光可能なLED(後述の盤装飾装置46の一部)が配設されている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表示部52(特図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普図表示器、ランプD8、D10、D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、を有している。特図1保留表示器54はランプD11、D12により構成される。特図2保留表示器55は、ランプD13、D14により構成される。普図保留表示器56は、ランプD15、D16により構成される。
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD7)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊技状態表示器、ランプD17)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、確率状態表示部、ランプD9)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(ランプD3−D6)が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよい。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、ランプD10、D18の点灯消灯を繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特図1表示器51、特図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
ランプ表示装置80は、図柄(後述の第四特別図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1、2(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部3−6(LED)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御装置300(後述)で制御される。
ランプ表示部1、2は、変動表示として所定の点滅周期(例えば200msec(ミリ秒))で点滅する。一括表示装置50の特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53における変動表示の変動時間が遊技制御装置100で計測されるのに対して、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2の変動時間は演出制御装置300(後述)で計測される。
ランプ表示部3、4(特図1保留LED1、特図1保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図1保留数(第1始動記憶数)を表示する。同様に、ランプ表示部5、6(特図2保留LED1、特図2保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図2保留数(第2始動記憶数)を表示する。ランプ表示部3−6は、大当り発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合(表示装置41で後述のリーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の始動入賞口36への入賞及び普通変動入賞装置37への入賞は、始動口1スイッチ36a(図3参照)及び始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。
なお、本実施形態において、遊技機10は、いわゆる同時変動機であり、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは互いに独立して、同時に(共に)実行状態にすることができる。特図1変動表示ゲームで大当り(本実施形態で特図1変動表示ゲームに小当りはない)が発生する場合には、実行中の特図2変動表示ゲームは、強制的にはずれ結果で停止する。特図2変動表示ゲームで大当りが発生する場合には、実行中の特図1変動表示ゲームは、強制的にはずれ結果で停止する。
特図2変動表示ゲームで小当りが発生する場合には、実行中の特図1変動表示ゲームは中断する。この場合、特図1ゲーム処理タイマによる変動時間の計測を中断して、特図1変動表示ゲームの結果の導出(停止図柄番号に対応する停止図柄の表示)を延期し、特図2変動表示ゲームに関する小当り動作の終了後に、中断していた特図1変動表示ゲームを再開できる。
また、通常遊技状態において右打ちによって普通変動入賞装置37に遊技球が入賞した場合には、特図2変動表示ゲームは変動開始するが、基本的に長時間変動(長変動、例えば10分)が行われるため、この間に特図1変動表示ゲームにて大当りが発生すると強制的にはずれ停止されることになる。
また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)によって第四特別図柄が変動する。ランプ表示部1、2の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「消灯」、大当りもしくは小当りの場合は「点灯」で停止する。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームは共に同時に実行状態(実行されている状態)をとってよい。
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置38、39は、大入賞口ソレノイド(38b、39b)(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置38、39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が小当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定結果態様(小当り結果態様)が導出され、小当り状態となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は小当り結果態様となる。なお、本実施形態では、小当りの判定にも大当り乱数値が使用されるが、小当り値(小当り判定値)は、大当り値(大当り判定値)と異なる。
このとき、特別変動入賞装置38、39は、大入賞口ソレノイド38b、39b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。なお、大入賞口の全開放時間は、小当り状態(小当り遊技状態)の方が大当り状態(特別遊技状態)よりも短いため、小当り状態では大当り状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値(獲得球数)が少ない。なお、小当り状態と大当り状態では両方とも大入賞口が開放状態となるが、大当り状態を第1特別遊技状態と呼び、小当り状態を第2特別遊技状態と呼んでもよい。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特定結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38、39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選した場合のように上述の特定のフラグがセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ(38a、39a)には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。RAM初期化スイッチ112が押下げられてオン操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100(主基板)は、設定キースイッチ93を備える。設定キースイッチ93は、操作者の回転操作等によってオンすることによって遊技条件(遊技)に関する設定に応じた確率設定値(設定値)を変更可能な状態にする。なお、RAM初期化スイッチ112は、操作者の操作に応じて確率設定値を変更可能な設定値変更スイッチとしても使用可能である。本実施形態では、確率設定値は、大当り確率や小当り確率などの当選確率を設定するための設定値であるが、確率以外の他の遊技条件(演出など)も確率設定値に応じて変更可能である。設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技条件に関する設定(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)を構成する。なお、RAM初期化スイッチ112ではなく、他のスイッチが、設定値変更スイッチを兼用してもよいし、専用に独自の設定値変更スイッチを設けてもよい。
設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技機10内部の遊技制御装置100上に設けられることによって、前面枠12(本体枠)が開放されなければ操作できない位置(アクセスできない位置)に配置される。即ち、一般の遊技者は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112にアクセスして操作することができない。
後述するように、遊技機10の電源投入(停電復旧、復電)の際に、遊技機10は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112のオン/オフ状態に応じて、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)などの各種状態に、移行することができる。
本実施形態において、確率設定値は、例えば6段階で規定され、確率設定値1(設定1)、確率設定値2(設定2)、確率設定値3(設定3)、確率設定値4(設定4)、確率設定値5(設定5)、確率設定値6(設定6)がある。一般的に、設定1が遊技者に最も不利な設定であり、設定6が遊技者に最も有利な設定である。設定1、2が低設定であり、設定3、4が中間の設定(中間設定)であり、設定5、6が高設定である。
確率設定変更処理では、操作者によってRAM初期化スイッチ112が押下操作される度に、作業用設定値領域の作業用設定値(設定)が、設定値0(設定1、確率設定値1)→設定値1(設定2、確率設定値2)→設定値2(設定3、確率設定値3)→設定値3(設定4、確率設定値4)→設定値4(設定5、確率設定値5)→設定値5(設定6、確率設定値6)→設定値0(設定1)→設定値1(設定2)→・・・のように変更される。このように、RAM初期化スイッチ112は、設定値変更スイッチとしても機能する。なお、説明の都合上、設定変更状態(設定変更モード)中に、作業用設定値0〜5をそれぞれ確率設定値1〜6に対応して設けるが、作業用設定値と確率設定値は同じ数値範囲(即ち0〜5又は1〜6)に揃えて同じものとして取り扱ってもよい(作業用設定値と確率設定値を同じ数値にする)。
なお、RAM初期化スイッチ112(設定値変更スイッチ)の操作ではなく、設定キースイッチ93を所定の位置に回転操作して確率設定値を変更する構成としてもよい。また、確率設定値は6段階に限られない。そして、選択されている0〜5の作業用設定値に対応する表示用確率設定値が、例えば4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器である性能表示装置152等に表示される。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶する。RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用されるもので、遊技に関する情報(遊技情報)が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段となる。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様(大当り態様)が導出される可能性が異なる(期待度が異なる)リーチ演出の系統(種類)として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37(普通変動入賞装置)内の始動口2スイッチ37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38、39の大入賞口スイッチ43(下大入賞口スイッチ38a、上大入賞口スイッチ39a)に接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
さらに、インタフェースチップ(近接I/F)121は、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ73、アウト球検出スイッチ74に接続される。特定領域スイッチ72は、特定領域86(V入賞口)への遊技球の通過(V入賞)を検出する。残存球排出口スイッチ73は、特別変動入賞装置38、39からの遊技球を排出する残存球排出口を通過した遊技球を検出する。アウト球検出スイッチ74は、アウト口30bを通過する遊技球のみを検出してもよいし、遊技領域に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出してもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124、又は、第4入力ポート126に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ43の検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ73、又は、アウト球検出スイッチ74の検出信号は第4入力ポート126に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12(本体枠)等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65からの信号が入力される。
また、第2入力ポート123は、設定キースイッチ93からの設定キースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123、第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号、RAM初期化スイッチ112からの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、第1特別変動入賞装置38を開放させる下大入賞口ソレノイド38b(大入賞口ソレノイド1)、第2特別変動入賞装置39を開放させる上大入賞口ソレノイド39b(大入賞口ソレノイド2)、レバーを動作させ特定領域86を開放させるレバーソレノイド86bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38b、39bなどの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力されるシリアルデータ(制御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)など)を受けて、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150が設けられている。本実施形態では、性能表示装置152は、複数(4つ)の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)からなり、ドライバ150はLEDドライバであるが、これに限られるものではない。
性能表示装置152は、遊技制御装置100(主基板)上に設けられるものであるが、他の場所に設けられてもよい。例えば、性能表示装置152は、表示用確率設定値や役物比率や出玉率や排出球数を表示可能である。
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30bを通過した遊技球の数との合計である。排出球数は、アウト球検出スイッチ74の信号などをカウント(計数)することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35、始動入賞口36(第1始動入賞口、始動口1)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動口2)、及び、特別変動入賞装置38、39(大入賞口)が含まれる。
出玉率は、排出球数(或は発射球数)に対する賞球数の合計の比率(割合)であり、(獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。即ち、出玉率は、排出球数100個当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機10の電源投入から現在まで)に入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物比率)である。なお、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(=大入賞口比率)でもよいし、或は、大入賞口及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数の割合(=一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置80が含まれてよい。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポート(電サポ)を実行する。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行する。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
〔電源投入時の移行状態〕
図5は、遊技機10の電源投入(電源復旧)時の移行状態を説明する図である。前述のように、電源投入時のRAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93のオンオフ状態によって、図5に示すように4つの状態(モード)へ移行する。
まず、電源投入時に、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ93とがオンにされている場合には、確率設定値(設定値)を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する(図6BのA1027−A1036と図8参照)。
次に、電源投入時に、設定キースイッチ93がオンにされているがRAM初期化スイッチ112がオフの場合には、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する(図6BのA1031−A1036と図8参照)。
また、電源投入時に、設定キースイッチ93がオフであるがRAM初期化スイッチ112がオンにされている場合には、RAM初期化状態(RAMクリアモード)に移行し、RAM初期化処理(RAMクリア処理)が実行されて、RAM111cが初期化される(図6BのA1042−1044参照)。
電源投入時に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112とがオフである場合には、通常復電状態(通常復電モード)に移行し、単に復電されるだけの状態になる。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6A及び図6Bに示すメイン処理と、所定時間周期(本実施形態では4msec(ミリ秒))で行われる図7に示すタイマ割込み処理とからなる。即ち、遊技用マイコン111の制御処理に対応する遊技制御用プログラムは、メイン処理に対応するメインプログラム(呼出元ルーチン)と、タイマ割込み処理に対応する割込み処理プログラム(割込み処理ルーチン)から構成される。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図6A及び図6Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図6Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h〜01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込む(A1006)。即ち、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112からの信号を読み込む。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、待機時間の開始前に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むことで、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても、電源投入時に行った設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1010)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込むなどして、停電が発生しているか否か判定する(A1008)。停電が発生している場合に(A1008の結果が「Y」)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
遊技制御装置100は、停電が発生していない場合には(A1008の結果が「N」)、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1009)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1010)。タイマの値が0でない場合(A1010の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の処理に戻る。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1011)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1012)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1013)。
さらに、ここで、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150を初期設定してもよい。遊技制御装置100は、初期設定の内容に対応する制御用データを含むコマンドを、第2出力ポート134(シリアル通信回路)の送信バッファに書き込んでドライバ150に送信する。例えば、遊技制御装置100は、初期設定においてデューティ比を設定する。デューティ比は、性能表示装置152の各LED(各セグメント)の明るさに対応する。遊技制御装置100は、初期設定において、性能表示装置152の使用桁数を設定する。本実施形態では、使用桁数は4である。
次に、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1014)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
続いて、遊技制御装置100は、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRAM異常フラグをセットする(A1015)。ここでは、一旦、異常前提のフラグを所定のレジスタにセットしておく。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1016)。そして、正常であれば(A1016の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の所定領域(例えば遊技制御用作業領域)のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1018)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1019)。チェックサムが一致する場合には(A1019の結果が「Y」)、RAMは正常であり、RAMの異常を示すRAM異常フラグをクリアする(A1020)。その後、ステップA1021の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1016の結果が「N」、又は、A1017の結果が「N」)、チェックサムが一致しない場合には(A1019の結果が「N」)、RAM異常フラグをクリアすることなく、ステップA1021の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両スイッチがオンであるか否かを判定する(A1021)。遊技制御装置100は、両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、設定可変状態(設定変更モード)に移行し、ステップA1027−A1037の確率設定変更中の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフである場合に(A1021の結果が「N」)、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRAM異常フラグがセットされているか否か判定する(A1022)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1022の結果が「N」)、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A1023)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、ステップA1031−A1037の確率設定確認中(設定確認状態中、設定確認モード中)の処理、ステップA1041−1044のRAM初期化処理(RAMクリア処理)、又は、ステップA1041、A1045、A1046の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1023の結果が「Y」)、遊技制御装置100(主基板、メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する(A1024)。メイン異常エラー報知のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技制御装置100の異常があったことを報知する。
続いて、遊技制御装置100は、遊技停止時の7セグ表示データ(図9(C)の「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152で表示するために性能表示装置152のドライバ150に出力する(A1025)。そして、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)や情報収集端末など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機し、再度、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両方のオン操作)をして電源が投入されるのを待つ。なお、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機して待機している間、割込みは禁止されたままであり(A1001)、特図1、2ゲーム処理や普図ゲーム処理を実行可能なタイマ割込み処理(図7)が実行できないため、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)は実行できない。
このように、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両方のオン操作)を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされている場合に異常があったとして、A1024−A1026の処理を実行する。例えば、確率設定変更中(設定変更が完了する前)に電源がオフして再起動した場合などに、設定変更の操作を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされることがある。
一方、遊技制御装置100は、RAM異常フラグがセットされている場合も(A1022の結果が「Y」)、遊技制御装置100(メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信し(A1024)、遊技停止時の7セグ表示データ(図9(C)の「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152のドライバ150に出力し(A1025)、外部装置にRAM異常を知らせるために、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、前述と同様に、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、確率設定変更中(設定可変状態中)の処理を開始して、まず、RAM異常フラグがセットされているか否かを判定する(A1027)。RAM異常フラグがセットされている場合に(A1027の結果が「Y」)、確率設定値が正しいものであるか不明であるため、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている確率設定値をクリアし初期値(例えば最低設定値「1」)にしてから(A1028)、確率設定変更中であることを示す確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1027の結果が「N」)、確率設定値をクリアせずに、確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。次に、確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1030)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定変更中であることを表示装置41などにおいて報知する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフであり(A1021の結果が「N」)、RAM異常フラグがセットされておらず(A1022の結果が「N」)、且つ、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、設定キースイッチ93がオンであるか否かを判定する(A1031)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1031の結果が「Y」)、RAM初期化スイッチ112はオフということになり、確率設定確認中(設定確認状態中)の処理が開始して、確率設定確認中であることを示す確率設定確認中フラグをセットする(A1032)。そして、確率設定確認中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1033)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることを表示装置41などにおいて報知する。
ステップA1030又はステップA1033の後に、遊技制御装置100は、確率設定変更中と確率設定確認中の共通の処理として、ステップA1034からA1040の処理を実行する。
遊技制御装置100は、まず、確率設定変更中と確率設定確認中においてセキュリティ信号を出力するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128ms(所定時間)をセーブする(A1034)。なお、セキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、後述の確率設定変更/確認処理(図8)において実行されるが、確率設定変更又は確率設定確認が早期に終了した場合には、残りのセキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、外部情報編集処理(A1321)で実行される。確率設定変更中と確率設定確認中において、少なくとも50msは、セキュリティ信号は出力される。
次に、遊技制御装置100は、割込みを許可する(A1035)。これにより、タイマ割込み処理(図7)が実行可能となる。そして、設定キースイッチ93がオフであるか否かを判定する(A1036)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1036の結果が「N」)、停電が発生しているか否かを判定する(A1037)。停電が発生していない場合に(A1037の結果が「N」)、ステップA1036の処理に戻る。一方、停電が発生している場合に(A1037の結果が「Y」)、ステップA1055−A1061の停電発生時の処理を実行する。
このように、設定キースイッチ93がオンであり、停電が発生していない限り、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、又は、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)が継続される。
一方、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1036の結果が「Y」)、割込みを禁止し(A1038)、報知終了のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する(A1039)。なお、報知終了のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることの報知又は確率設定変更中であることの報知を終了する。
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否か、即ち、これまで確率設定変更中であったか否かを判定する(A1040)。確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1040の結果が「Y」)、即ち、これまで確率設定変更中であった場合に、ステップA1042−A1044のRAM初期化処理(後述)を実行する。一方、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1040の結果が「N」)、即ち、これまで確率設定確認中であった場合に、ステップA1045以降の電源投入時(電源復旧時)の通常の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1031の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112がオンであるか否かを判定する(A1041)。RAM初期化スイッチ112がオンである場合に(A1041の結果が「Y」)、RAM111cにおいて、確率設定値を記憶するための確率設定値領域以外のRAM領域を0クリアする(A1042)。即ち、確率設定値領域で記憶されている確率設定値を除いて、RAM111cに記憶された遊技情報は0クリアされる。さらに、前述の確率設定変更中フラグもここでクリアされる。また、ここで、確率設定値領域の他に、スタック領域や未使用領域をクリアしない構成や、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域をクリアしない構成も可能である。なお、性能情報は、入賞により得られた賞球数に基づいて導出されるもので、例えば、出玉率、ベース値(通常遊技状態における出玉率)、役物比率、排出球数などである。
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1043)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1044)、ステップA1047の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112がオフである場合に(A1041の結果が「N」)、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112が両方ともオフであるため、通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を開始し、停電復旧処理を実行する(A1045)。例えば、初期化すべき領域に停電復旧時(復電時)の初期値をセーブする。また、前述の確率設定確認中フラグもここでクリアされる。次に、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1046)、ステップA1047の処理に移行する。
なお、ステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンド及びステップA1046の処理で送信される停電復旧時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態(高確率状態又は低確率状態)や時短状態の有無を示す確率情報コマンド、所定の演出モードで特図変動表示ゲームが実行された回数を示す演出回数情報コマンド、電源投入されたこと示す停電復旧コマンドが含まれる。
さらに、RAM初期化時のコマンド及び停電復旧時のコマンドには、遊技機10の確率設定値(設定値)の情報である設定値情報を示す設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、以降、演出制御装置300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマンド)も含まれる。RAM初期化のコマンドを受信した演出制御装置300は、例えば、表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカの音でRAM初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。また、停電復旧時のコマンドには、表示装置41の画面の表示内容を指定する画面指定のコマンドが含まれる。なお、画面指定のコマンドは、特図1、2について共に普段処理中では(変動中でも当り中でもないとき)、客待ちデモコマンドであり、それ以外なら復旧画面コマンドである。
ステップA1044又はステップA1046の後に、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1047)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する大当り図柄乱数の初期値(大当り図柄初期値乱数)、小当り図柄を決定する小当り図柄乱数の初期値(小当り図柄初期値乱数)、普図の当りを決定する当り乱数の初期値(当り初期値乱数)、転落抽選で使用する転落抽選乱数の初期値(転落抽選初期値乱数)等)のスタート値としてRWMの所定領域にセーブし(A1048)、割込みを許可する(A1049)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数のスタート値(初期値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1050)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数、転落抽選乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
続いて、遊技制御装置100は、割込みを禁止し(A1051)、性能情報やその表示(性能表示)を編集する性能表示編集処理を実行する(A1052)。ここで、性能情報(役物比率や出玉率など)を計算してよい。また、RAM異常フラグがレジスタにセットされていた場合に、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域をクリアしてもよい(ステップA1042でクリアされていないなら)。その後、割込みを許可する(A1053)。これにより、タイマ割込み処理(図7)が実行可能となる。
次に、遊技制御装置100は、停電が発生しているか否かを判定する(A1054)。停電が発生していない場合に(A1054の結果が「N」)、ステップA1050の処理に戻る。これにより、停電が発生するまで、ステップA1050−A1054の処理が繰り返される。
停電が発生した場合に(A1054の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電発生時の処理を開始し、一旦割込みを禁止し(A1055)、全出力ポートにオフデータを出力する(1056)。その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1057)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1058)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1059)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1060)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1061)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、タイマ割込み処理(割込み処理プログラム)の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。次に、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグに基づいて、確率設定変更中又は確率設定確認中であるか否かを判定する(A1304)。確率設定変更中又は確率設定確認中である場合に(A1304の結果が「Y」)、確率設定値を変更又は確認するための確率設定変更/確認処理を実行する(A1305)。
遊技制御装置100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(A1304の結果が「N」)、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理を実行する(A1306)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とする。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1307)、さらに、乱数更新処理1(A1308)、乱数更新処理2(A1309)を実行する。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、下大入賞口スイッチ38a、上大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1310)。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口で遊技球の異常排出が発生中であるか否かを判定する(A1311)。後述の異常排出監視処理(A1320)によって異常排出発生中フラグが設定された場合に、異常排出が発生中であると判定できる。異常排出が発生中である場合に(A1311の結果が「Y」)、ステップA1317以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、異常排出が発生中でない場合に(A1311の結果が「N」)、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aにより始動口への入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A1312)。続いて、特図1変動表示ゲームに関する処理を行う特図1ゲーム処理を実行し(A1313)、次に、特図2変動表示ゲームに関する処理を行う特図2ゲーム処理を実行する(A1314)。なお、特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1315)。遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1316)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1317)。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1318)。
その後、遊技制御装置100は、振動センサ65からの入力に基づいて振動による不正を監視する振動不正監視処理を実行する(A1319)。次に、大入賞口からの異常排出を監視する異常排出監視処理を実行する(A1320)。異常排出監視処理では、特別変動入賞装置38、39における大入賞口スイッチ43(下大入賞口スイッチ38a、上大入賞口スイッチ39a)、特定領域スイッチ72(V入賞口スイッチ)、残存球排出口スイッチ73からの入力に基づいて、特別変動入賞装置38、39の異常排出を監視し、異常排出が発生した場合に異常排出発生中フラグが設定される。なお、特別変動入賞装置38、39の大入賞口スイッチ43を通過した遊技球は、特定領域スイッチ72(V入賞口スイッチ)又は残存球排出口スイッチ73を通過して排出される。
次に、遊技制御装置100は、各種外部装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1321)。そして、性能表示装置152の表示を制御する性能表示モニタ制御処理を実行する(A1322)。その後、タイマ割込み処理を終了する。
なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔確率設定変更/確認処理〕
次に、タイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理(A1305)の詳細について説明する。図8は、確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。確率設定変更/確認処理では、確率設定値が変更又は確認できる。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値が正常範囲内であるか否かを判定する(A2401)。ここでの確率設定値は、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている。
遊技制御装置100は、確率設定値が正常範囲内である場合に(A2401の結果が「Y」)、確率設定値に対応する確率設定値表示データを設定して(A2402)、性能表示装置152にドライバ150を介して出力する(A2404)。確率設定値が正常範囲内でない場合に(A2401の結果が「N」)、確率設定値表示データとして消灯データを設定して(A2403)、性能表示装置152にドライバ150を介して出力する(A2404)。
ここで、確率設定値表示データは、性能表示装置152で表示される表示用確率設定値のデータであり、確率設定値表示データ領域に記憶されている。なお、ホール関係者等の混乱を防止するため、確率設定値が異なっても同じ大当り確率(及び小当たり確率)であれば、表示用確率設定値を大当り確率(及び小当たり確率)に対応付けて同じにしてよい。即ち、同じ表示用確率設定値は、同じ大当り確率(及び小当たり確率)を意味してよい。
次に、遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新する(A2405)。セキュリティ信号制御タイマは、ステップA1034で設定された128ms(所定時間)である。続いて、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。
その後、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A2407)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A2407の結果が「N」)、即ち、確率設定確認中である場合に、何もせずに確率設定変更/確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A2407の結果が「Y」)、即ち、確率設定変更中である場合に、電源投入後の最初のタイマ割込み処理であるか否かを判定する(A2408)。電源投入後の最初のタイマ割込み処理である場合に(A2408の結果が「Y」)、確率設定変更/確認処理を終了する。これは、RAM初期化スイッチ112を押しっぱなしだった場合に、意図せずに確率設定値の更新がされる事態を防止するためである。
遊技制御装置100は、電源投入後の最初のタイマ割込み処理でない場合に(A2408の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112の入力があるか否かを判定する(A2409)。RAM初期化スイッチの入力がない場合に(A2409の結果が「N」)、確率設定変更/確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112の入力がある場合に(A2409の結果が「Y」)、作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)の作業用設定値を0〜5の範囲で+1更新するとともに、作業用設定値に対応して確率設定値領域の確率設定値1〜6を+1更新する(A2410)。これにより、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、確率設定値領域の確率設定値が1ずつ更新される。その後、確率設定変更/確認処理を終了する。なお、設定変更モードに入ったときに作業用設定値を格納する作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)に、確率設定値領域から読み出した確率設定値に対応する値(確率設定値から1減算した値)が格納されてよい。
なお、上記では、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、作業用設定値の更新に対応して確率設定値領域の確率設定値を直接更新するようにしたが、RAM111cの作業用設定値領域に設定変更中の確率設定値(作業用設定値)を記憶するようにし、設定キースイッチ93がオフになり設定変更作業が完了したときに(A1036の結果が「Y」)、作業用設定値領域の作業用設定値に対応する値をはじめて確率設定値領域に格納するようにしてもよい。このようにすれば、設定変更中に停電が発生した場合(A1037の結果が「Y」)に、遊技制御や演出制御等に使用される確率設定値(確率設定値領域に記憶される確率設定値)が意図しない値で変更される事態を防止できる。
〔性能表示装置での表示例〕
図9は、性能表示装置152の表示例を示す図である。性能表示装置152は、4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器であるが、性能表示装置152の各桁は、8セグメントa,b,c,d,e,f,g,Dpからなる。
図9(a)の例において、確率設定変更中において、桁1から桁3に、設定変更中であることを示すため「SET」という点灯表示がされている。一方、確率設定変更中にRAM初期化スイッチ112が操作される度に切り替わる作業用設定値0〜5に対応して、桁0では、表示用確率設定値が例えば「1」〜「6」に切り替わって点灯表示される。
図9(b)の例において、確率設定値が正常範囲内でなく異常な場合に(A2401の結果が「N」)、確率設定値表示データとして消灯データを設定して(A2403)、桁0が消灯する。なお、桁1から桁3において、設定変更中であることを示す「SET」の表示は、消灯されない。
図9(c)の例において、電源投入時にRAMが異常の場合(A1022の結果が「Y」)や、確率設定変更中(設定変更が完了する前)に電源がオフして再起動した場合(A1023の結果が「Y」)に、遊技停止時の7セグ表示データエラー表示「E1」が桁1、2で点灯表示されている(A1024)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(A1312)の詳細について説明する。図10は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、第1始動入賞口36(始動口1)への入賞を監視する始動口1入賞監視テーブルを準備し(A2701)、大当り乱数としてハード乱数を取得するハード乱数取得処理を実行する(A2702)。次に、第1始動入賞口36への始動口入賞があったか否かを判定する(A2703)。そして、始動口入賞がなかった場合(A2703の結果が「N」)、ステップA2709の処理に移行する。
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36への始動口入賞があった場合(A2703の結果が「Y」)、大当りの発生確率が低確率状態であり且つ時短なしの状態(普電サポートなしの状態)であるか否か、即ち、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)であるか否かを判定する(A2704)。特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグが設定されていれば、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)であると判定できる。そして、低確率状態且つ時短なしの状態である場合(A2704の結果が「Y」)、即ち通常遊技状態である場合、ステップA2707の処理に移行する。
遊技制御装置100は、大当りの発生確率が低確率状態でない場合(高確率状態である場合)又は時短ありの状態(普電サポートありの状態)である場合(A2704の結果が「N」)、演出コマンドとして右打ち指示報知コマンドを準備し(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。これにより、演出制御装置300は、特図高確率状態又は時短状態で第1始動入賞口36への始動口入賞があった場合に、右打ちを指示する右打ち指示表示を警告として表示装置41に表示することができる。なお、演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信される。
次に、遊技制御装置100は、第1始動入賞口36(始動口1)への入賞による保留の情報を設定するテーブルを準備し(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。
続いて、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動口2)への入賞を監視する始動口2入賞監視テーブルを準備し(A2709)、大当り乱数としてハード乱数を取得するハード乱数取得処理を実行する(A2710)。次に、普通変動入賞装置37への始動口入賞があったか否かを判定する(A2711)。始動口入賞がなかった場合(A2711の結果が「N」)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への始動口入賞があった場合(A2711の結果が「Y」)、普通変動入賞装置37が作動中(普電作動中)であるか否かを判定する(A2712)。普通変動入賞装置37が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普通変動入賞装置37に対する不正(普電不正)が発生中であるか否かを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上(例えば5個以上)ある場合に、普電不正が発生中であると判定できる。普通変動入賞装置37に対する不正が発生中である場合(A2713の結果が「Y」)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37に対する不正が発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、普通変動入賞装置37(始動口2)への入賞による保留の情報を設定するテーブルを準備し(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37に対する不正が発生中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2713の処理を実行せず、ステップA2714とA2715の処理を実行する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715)の詳細について説明する。図11は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2702にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2910)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2911)。
その後、遊技制御装置100は、特図の大当り確率の高確率状態から低確率状態への転落を抽選するための転落抽選乱数を抽出し、準備し(A2912)、転落抽選乱数を転落抽選乱数格納領域にセーブする(A2913)。
次に、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37(始動口2)への入賞であるか否かを判定する(A2914)。普通変動入賞装置37への入賞でない場合(A2914の結果が「N」)には、ステップA2917の処理に移行する。一方、始動入賞口36への入賞である場合(A2914の結果が「Y」)、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2915)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2916)。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(A2917)、特図保留情報判定処理を実行する(A2918)。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A2919)、演出コマンド設定処理(A2920)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。飾り特図保留数コマンドは、始動口1スイッチ36aでは飾り特図1保留数コマンドであり、始動口2スイッチ37aでは飾り特図2保留数コマンドである。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(A2918)の詳細について説明する。図12Aと図12Bは、特図保留情報判定処理(先読み処理、事前判定処理)の前半と後半の手順を示すフローチャートである。なお、特図保留情報判定処理は、第1始動入賞口36と普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき発生した特図1、2始動記憶に対して実行される。
遊技制御装置100は、まず、大当り中(特別遊技状態中)であるか否かを判定する
(A3001)。大当り中である場合に(A3001の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。大当り中でない場合に(A3001の結果が「N」)、第1始動入賞口36(始動口1)への入賞であるか否かを判定する(A3002)。始動口1への入賞である場合に(A3002の結果が「Y」)、即ち、第1始動入賞口36(始動口1)への入賞である場合に、先読み処理(事前判定処理)を実行するため、ステップA3004以降の処理に移行する。
遊技制御装置100は、始動口1の入賞でない場合に(A3002の結果が「N」)、大当りの発生確率が低確率状態であり且つ時短なしの状態(普電サポートなしの状態)であるか否か、即ち、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態)であるか否かを判定する(A3003)。特図低確率&時短なし中である場合(A3003の結果が「Y」)、特図保留情報判定処理を終了する。即ち、通常遊技状態で普通変動入賞装置37(始動口2)への入賞である場合には、先読み処理(事前判定処理)を実行せずに、特図保留情報判定処理を終了する。なお、通常遊技状態では、後述のように特図2変動表示ゲームは長時間変動(長変動)になってはずれ結果で強制終了することも多いため、無駄にならないよう先読み処理(事前判定処理)を実行しない。
遊技制御装置100は、特図低確率&時短なし中でない場合に(A3003の結果が「N」)、即ち、通常遊技状態以外(時短状態又は確変状態)で普通変動入賞装置37(始動口2)への入賞である場合に、先読み処理(事前判定処理)を実行するため、ステップA3004以降の処理に移行する。
そして、遊技制御装置100は、先読み処理(事前判定処理)を開始し、大当りの発生確率が高確率状態であるか否か、即ち特図高確率中であるか否かを判定する(A3004)。特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率フラグ(本実施形態では、特図高確率&時短ありフラグ)が設定されている場合に、特図高確率中であると判定できる。特図高確率中である場合に(A3004の結果が「Y」)、ステップA2912で準備した転落抽選乱数は転落当選の判定値範囲内か判定し(A3005)、判定結果に対応する先読み転落抽選情報コマンドを演出コマンドとして準備し(A3006)、演出コマンド設定処理する(A3007)。次に、遊技制御装置100は、低確率状態での先読み大当り判定を行うための低確率判定フラグを準備する(A3008)。特図高確率中でない場合に(A3004の結果が「N」)、高確率状態から低確率状態への転落はそもそもないため、転落に関する先読み処理を(A3005−A3007)を実行せずに、ステップA3008の処理に移行する。
その後、遊技制御装置100は、ステップA2909で準備した大当り乱数に基づいて後述の先読み大当り判定処理を実行し(A3009)、先読み大当り判定処理の判定結果は大当りであるか否かを判定する(A3010)。判定結果は大当りである場合に(A3010の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチ(始動口1スイッチ36a又は始動口2スイッチ37a)に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3011)、準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得し(A3012)、ステップA3019の処理に移行する。
遊技制御装置100は、先読み大当り判定処理の判定結果ははずれである場合に(A3010の結果が「N」)、普通変動入賞装置37(始動口2)への入賞であるか否かを判定する(A3013)。始動口2への入賞である場合に(A3013の結果が「Y」)、始動口2への入賞によって実行される特図2変動表示ゲームでは小当りが発生可能であるため、小当りに関する先読み処理として後述の小当り判定処理を実行し(A3014)、小当り判定処理の判定結果は小当りであるか否かを判定する(A3015)。そして、判定結果は小当りである場合に(A3015の結果が「Y」)、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3016)、準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得し(A3017)、ステップA3019の処理に移行する。
遊技制御装置100は、始動口2への入賞でない場合に(A3013の結果が「N」)、特図1変動表示ゲームでは小当りが発生可能でないため、はずれの停止図柄情報を設定する(A3018)。即ち、判定結果が大当りにも小当りにもならない場合にはずれの停止図柄情報を設定する。また、始動口2への入賞で判定結果は小当りでない場合に(A3015の結果が「N」)、即ち、判定結果が大当りにも小当りにもならない場合にはずれの停止図柄情報を設定する(A3018)。その後、ステップA3019の処理に移行する。
ステップA3012、A3017、A3018の後に、遊技制御装置100は、停止図柄情報を図柄情報領域にセーブする(A3019)。なお、図柄情報領域の停止図柄情報は、後述の変動パターン設定処理(A3038)でも使用される。そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する低確率用の先読み停止図柄コマンド(低確率)を演出コマンドとして準備し(A3020)、演出コマンド設定処理を実行する(A3021)。
次に、遊技制御装置100は、高確率状態での先読み大当り判定を行うための高確率判定フラグを準備し(A3022)、A3009−A3018と同様に、A3023−A3032の処理を実行する。まず、後述の先読み大当り判定処理を実行し(A3023)、先読み大当り判定処理の判定結果は大当りであるか否かを判定する(A3024)。判定結果は大当りである場合に(A3024の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチ(始動口1スイッチ36a又は始動口2スイッチ37a)に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3025)、準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得し(A3026)、ステップA3033の処理に移行する。
遊技制御装置100は、先読み大当り判定処理の判定結果ははずれである場合に(A3024の結果が「N」)、普通変動入賞装置37(始動口2)への入賞であるか否かを判定する(A3027)。始動口2への入賞である場合に(A3027の結果が「Y」)、始動口2への入賞によって実行される特図2変動表示ゲームでは小当りが発生可能であるため、小当りに関する先読み処理として後述の小当り判定処理を実行し(A3028)、小当り判定処理の判定結果は小当りであるか否かを判定する(A3029)。そして、判定結果は小当りである場合に(A3029の結果が「Y」)、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3030)、準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得し(A3031)、ステップA3033の処理に移行する。
遊技制御装置100は、始動口2への入賞でない場合に(A3027の結果が「N」)、特図1変動表示ゲームでは小当りが発生可能でないため、はずれの停止図柄情報を設定する(A3032)。即ち、判定結果が大当りにも小当りにもならない場合にはずれの停止図柄情報を設定する。また、始動口2への入賞で判定結果は小当りでない場合に(A3029の結果が「N」)、即ち、判定結果が大当りにも小当りにもならない場合にはずれの停止図柄情報を設定する(A3032)。その後、ステップA3033の処理に移行する。
ステップA3026、A3031、A3032の後に、遊技制御装置100は、特図高確率中であるか否かを判定する(A3033)。特図高確率中である場合に(A3033の結果が「Y」)、停止図柄情報を上書きして図柄情報領域にセーブし(A3034)、ステップA3035の処理に移行する。なお、図柄情報領域の停止図柄情報は、後述の変動パターン設定処理(A3038)でも使用される。特図高確率中でない場合に(A3033の結果が「N」)、図柄情報領域の停止図柄情報を上書きすることなく、ステップA3035の処理に移行する。
そして、遊技制御装置100は、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する高確率用の先読み停止図柄コマンド(高確率)を演出コマンドとして準備し(A3035)、演出コマンド設定処理を実行する(A3036)。
続いて、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行し(A3037)、先読みとして特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3038)。そして、特図変動表示ゲームの変動態様を示す変動パターン番号に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして準備し(A3039)、演出コマンド設定処理を実行し(A3040)、特図保留情報判定処理を終了する。
なお、演出制御装置300は、先読み停止図柄コマンド(低確率)と先読み停止図柄コマンド(高確率)の両方を受信するが、受信した時の大当り確率が低確率状態であれば先読み停止図柄コマンド(低確率)を使用して先読み図柄系コマンド処理(図51)を実行し、受信した時の大当り確率が高確率状態であれば先読み停止図柄コマンド(高確率)を使用して先読み図柄系コマンド処理(図51)を実行してよい。
〔先読み大当り判定処理〕
次に、特図保留情報判定処理における先読み大当り判定処理(A3009、A3023)の詳細について説明する。図13は、先読み大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3101)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3102)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3102の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3107)、先読み大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3102の結果が「N」)、判定フラグが高確率判定フラグであるか否かを判定する(A3103)。そして、判定フラグが高確率判定フラグである場合には(A3103の結果が「Y」)、確率設定値に対応する高確率中の上限判定値を設定する(A3104)。一方、判定フラグが高確率判定フラグでない場合(低確率判定フラグである場合)には(A3103の結果が「N」)、確率設定値に対応する低確率中の上限判定値を設定する(A3105)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3106)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3106の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3107)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3106の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3108)。判定結果を設定すると、先読み大当り判定処理を終了する。
〔特図1ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(A1313)の詳細について説明する。図14は、特図1ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動表示ゲームが中断中であることを示す特図1ゲーム中断フラグが設定されているか否かを判定する(A3201)。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームが中断中であることを示す特図1ゲーム中断フラグが設定されていない場合(A3201の結果が「N」)、特図2変動表示ゲームの大当り状態中又は小当り状態中であるか否かを判定する(A3202)。特図2変動表示ゲームの大当り状態でも小当り状態中でもない場合(A3202の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A3203)。大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた下大入賞口スイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた上大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。そして、特定領域スイッチ72からの入力を監視する特定領域スイッチ特定領域スイッチ監視処理を実行する(A3204)。
次に、遊技制御装置100は、特図1ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A3205)。特図1ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。特図2変動表示ゲームの大当り中状態又は小当り状態中である場合(A3202の結果が「Y」)、ステップA3203、A3204の処理を行わずに、ステップA3205の処理を行う。次に、特図1ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A3206)。特図1ゲーム処理タイマが0でない場合(A3206の結果が「N」)、ステップA3217の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図1ゲーム処理タイマが0である場合(A3206の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A3207)。さらに、特図1ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A3208)。続いて、特図1ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図1ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A3209)。
遊技制御装置100は、ステップA3209にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図1変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理を実行する(A3210)。なお、特図1普段処理の詳細については、図16にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3209にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図1の停止表示時間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動中処理を実行する(A3211)。なお、特図1変動中処理の詳細については、図35にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3209にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図1変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じた大当りファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理を実行する(A3212)。なお、特図1表示中処理の詳細については、図37にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3209にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A3213)。なお、ファンファーレ/インターバル中処理の詳細については、図39にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3209にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A3214)。
遊技制御装置100は、ステップA3209にてゲーム処理番号が「5」の場合には、インターバル時間やエンディング時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A3215)。
遊技制御装置100は、ステップA3209にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図2ゲームウェイト時間値(後述)を設定したり、特図1普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う特図1大当り終了処理を実行する(A3216)。なお、特図1大当り終了処理の詳細については、図40にて後述する。
特図1ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A3217)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行し(A3218)、レバーソレノイド86bを制御するレバーソレノイド制御処理を実行し(A3219)、特図1ゲーム処理を終了する。
一方、特図1変動表示ゲームが中断中であることを示す特図1ゲーム中断フラグが設定されている場合(A3201の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、ステップA3202からA3216の処理を行わずに、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A3217)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行し(A3218)、レバーソレノイド86bを制御するレバーソレノイド制御処理を実行し(A3219)、特図1ゲーム処理を終了する。このようにして、特図1変動表示ゲームが中断中である場合には、変動時間を計時する変動時間タイマ(特図1ゲーム処理タイマ)の計時(更新)が停止する。なお、図柄変動制御処理によって、特図1表示器51において、特別図柄の変動自体は見かけ上継続してもよい。
〔特図2ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(A1314)の詳細について説明する。図15Aと図15Bは、特図2ゲーム処理の前半と後半の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動表示ゲームの大当り状態中であるか否かを判定する(A3301)。特図1変動表示ゲームの大当り状態中でない場合(A3301の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A3302)。大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた下大入賞口スイッチ38aや第2特別変動入賞装置39内に設けられた上大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。そして、特定領域スイッチ72からの入力を監視する特定領域スイッチ監視処理を実行する(A3303)。
次に、遊技制御装置100は、特図2ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A3304)。特図2ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの大当り状態中である場合(A3301の結果が「Y」)、ステップA3302、A3303の処理を行わずに、ステップA3304の処理を行う。
次に、特図2ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A3305)。特図2ゲーム処理タイマが0でない場合(A3305の結果が「N」)、ステップA3323の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図2ゲーム処理タイマが0である場合(A3305の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるか否かを判定する(A3306)。特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0になっていない場合(A3306の結果が「N」)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を−1更新し(A3307)、特図2ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(例えば60000msec(60秒))をセーブする(A3308)。なお、後述のように、特図2変動表示ゲームが長変動であり、変動時間が長時間(例えば10分)である場合に、2バイトでは変動時間のタイマの設定できないため、ステップA3306−A3308の処理によって長変動用タイマ値のカウントを繰り返し回数分だけ繰り返して、特図2変動表示ゲーム用の長い変動時間のタイマを用意している。
遊技制御装置100は、特図2ゲーム処理タイマが0である場合(A3305の結果が「Y」)且つ特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(A3306の結果が「Y」)、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A3309)。さらに、特図2ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A3310)。続いて、特図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図2ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A3311)。
遊技制御装置100は、ステップA3311にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図2変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理を実行する(A3312)。なお、特図2普段処理の詳細については、図17にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3311にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図2の停止表示時間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動中処理を実行する(A3313)。なお、特図2変動中処理の詳細については、図36にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3311にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図2変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じた大当りファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理を実行する(A3314)。なお、特図2表示中処理の詳細については、図38にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3311にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A3315)。なお、ファンファーレ/インターバル中処理は、特図1ゲーム処理内で実行するものと共通しており、詳細については、図39にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3311にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A3316)。
遊技制御装置100は、ステップA3311にてゲーム処理番号が「5」の場合には、インターバル時間やエンディング時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A3317)。
遊技制御装置100は、ステップA3311にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図2普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う特図2大当り終了処理を実行する(A3318)。なお、特図2大当り終了処理の詳細については、図41にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3311にてゲーム処理番号が「7」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理を実行する(A3319)。なお、小当りファンファーレ中処理は、詳細について、図45にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA3311にてゲーム処理番号が「8」の場合には、小当り終了コマンドを設定する処理や、小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理を実行する(A3320)。
遊技制御装置100は、ステップA3311にてゲーム処理番号が「9」の場合には、エンディング時間を設定する処理や、特図2小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理を実行する(A3321)。
遊技制御装置100は、ステップA3311にてゲーム処理番号が「10」の場合には、特図2普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う特図2小当り終了処理を実行する(A3322)。なお、特図2小当り終了処理の詳細については、図46にて後述する。
特図2ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A3323)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行し(A3324)、レバーソレノイド86bを制御するレバーソレノイド制御処理を実行し(A3325)、特図2ゲーム処理を終了する。
〔特図1普段処理〕
次に、特図1ゲーム処理における特図1普段処理(A3210)の詳細について説明する。図16は、特図1普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動表示ゲームが変動開始可能であるか否か判定する(A3401)。特図1変動表示ゲームが変動開始可能でない場合(変動開始不可である場合)(A3401の結果が「N」)、特図1ゲーム処理番号として特図1普段処理の番号「0」を設定し(A3416)、RWMの特図1ゲーム処理番号領域にセーブする(A3417)。なお、ここで、特図2変動表示ゲームの大当りの変動の終了(特図2表示中処理中)から大当り動作の終了(特図2大当り終了処理)まで、及び、特図2変動表示ゲームの小当りの変動の終了(特図2表示中処理中)から小当り動作の終了(特図2小当り終了処理)までは、特図1変動表示ゲームは、変動開始可能でないとされる。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームが変動開始可能である場合(A3401の結果が「Y」)、左打ち指示報知済みであるか否か判定する(A3402)。既に、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して、演出制御装置300に送信していれば、左打ち指示報知済みであると判断できる。左打ち指示報知済みである場合(A3402の結果が「Y」)、ステップA3406の処理に移行する。
遊技制御装置100は、左打ち指示報知フラグに基づいて左打ち指示報知済みでない場合(A3402の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A3403)、演出コマンド設定処理を実行し(A3404)、表示装置41等で左打ち指示の報知(表示)がされることを示す左打ち指示報知フラグをセットする(A3405)。
次に、遊技制御装置100は、特図1保留数が0であるか否か判定する(A3406)。特図1保留数が0である場合(A3406の結果が「Y」)、RWMの特図1ゲーム処理番号領域に特図1普段処理番号「0」をセーブする(A3402)。これにより、特図1保留数が1以上になるまで、特図1普段処理が繰り返される。
遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(A3406の結果が「N」)、現在の確率状態(低確率状態又は高確率状態)や時短状態の有無に対応する変動開始確率情報コマンドを演出コマンドとして準備し(A3407)、演出コマンド設定処理を実行する(A3408)。続いて、特図1変動表示ゲームを開始するための特図1変動開始処理を実行する(A3409)。その後、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備し(A3410)、演出コマンド設定処理を実行する(A3411)。
その後、遊技制御装置100は、時短状態での残りの特図変動表示ゲームの回数である時間短縮変動回数に対応する残り遊技回数コマンドを演出コマンドとして準備し(A3412)、演出コマンド設定処理を実行する(A3413)。残り遊技回数コマンドを受信した演出制御装置300は、時間短縮変動回数を把握することができる。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の特図ステータス領域に特図1変動中の情報をセットする(情報加算)(A3414)。ここで、特図ステータス領域には、特図1変動中、又は、(特図1変動中+特図2変動中)の情報がセットされることになる。次に、特図1変動中処理に移行するための処理である特図1変動中処理移行設定処理を実行する(A3415)。特図1変動中処理移行設定処理では、例えば、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号「1」をセーブする。
〔特図2普段処理〕
次に、特図2ゲーム処理における特図2普段処理(A3312)の詳細について説明する。図17は、特図2普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2変動表示ゲームが変動開始可能であるか否か判定する(A3501)。特図2変動表示ゲームが変動開始可能でない場合(変動開始不可である場合)(A3501の結果が「N」)、特図2ゲーム処理番号として特図2普段処理の番号「0」を設定し(A3518)、RWMの特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(A3519)。なお、ここで、特図1変動表示ゲームの大当りの変動の終了(特図1表示中処理中)から大当り動作の終了(特図1大当り終了処理)まで、特図2変動表示ゲームは、変動開始可能でないとされる。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームが変動開始可能である場合(A3501の結果が「Y」)、特図2保留数が0であるか否か判定する(A3502)。特図2保留数が0でない場合(A3502の結果が「N」)、現在の確率状態(低確率状態又は高確率状態)や時短状態の有無に対応する変動開始確率情報コマンドを演出コマンドとして準備し(A3503)、演出コマンド設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームを開始するための特図2変動開始処理を実行する(A3505)。
続いて、遊技制御装置100は、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備し(A3506)、演出コマンド設定処理を実行する(A3507)。その後、遊技制御装置100は、時短状態での残りの特図変動表示ゲームの回数である時間短縮変動回数に対応する残り遊技回数コマンドを演出コマンドとして準備し(A3508)、演出コマンド設定処理を実行する(A3509)。残り遊技回数コマンドを受信した演出制御装置300は、時間短縮変動回数を把握することができる。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の特図ステータス領域に特図2変動中の情報をセットする(情報加算)(A3510)。ここで、特図ステータス領域には、特図2変動中、又は、(特図1変動中+特図2変動中)の情報がセットされることになる。次に、特図2変動中処理に移行するための処理である特図2変動中処理移行設定処理を実行する(A3511)。特図2変動中処理移行設定処理では、例えば、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号「1」をセーブする。
遊技制御装置100は、特図2保留数が0である場合(A3502の結果が「Y」)、
特図1保留数が0であるか否か判定する(A3512)。特図1保留数が0である場合(A3512の結果が「Y」)、特図1が変動中(特図1変動表示ゲームが実行中)であるか否か判定する(A3513)。特図1が変動中でない場合(A3513の結果が「N」)、客待ちデモ開始済みであるか否か判定する(A3514)。客待ちデモ開始済みでない場合(A3514の結果が「N」)、客待ちデモ中フラグをセットする(A3515)。
次に、遊技制御装置100は、現在の確率状態に対応する客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備し(A3516)、演出コマンド設定処理を実行する(A3517)。客待ちデモコマンドを受信した演出制御装置300は、表示装置41で客待ちデモを実行できる。その後、特図2ゲーム処理番号として特図2普段処理の番号「0」を設定し(A3518)、RWMの特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(A3519)。これにより、特図2保留数が1になるまで、特図2普段処理が繰り返される。
一方、特図1保留数が0でない場合(A3512の結果が「N」)、特図1変動表示ゲームが実行されることになるため、客待ちデモコマンドを準備等せずに、特図2ゲーム処理番号として特図2普段処理の番号「0」を設定し(A3518)、RWMの特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(A3519)。また、特図1が変動中である場合(A3513の結果が「Y」)、又は、客待ちデモ開始済みである場合(A3514の結果が「Y」)にも、客待ちデモコマンドを準備等せずに、特図2ゲーム処理番号として特図2普段処理の番号「0」を設定し(A3518)、RWMの特図2ゲーム処理番号領域にセーブする(A3519)。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図1普段処理における特図1変動開始処理(A3409)の詳細について説明する。図18は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1情報設定フラグをセットする(A3601a)。なお、特図1情報設定フラグは、変動情報の設定用(先読み変動パターンの振り分けを含む)などに使用される。次に、特図1転落抽選乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし、準備し(A3602a)、特図1転落抽選乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A3603a)、後述の転落抽選処理を実行する(A3604a)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(A3605a)、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(A3606a)、特図1変動表示ゲームの変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図1情報設定処理(A3607a)を実行する。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3608a)。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する特図1変動パターン設定処理(A3609a)、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(A3610a)を実行する。そして、時間短縮変動回数を更新する時間短縮変動回数更新処理を実行する(A3611a)。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動中処理に移行するために処理番号として「1」を設定し(A3612a)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3613a)。続いて、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A3614a)、特図1の変動開始に関する信号(特別図柄1変動中信号のオンデータ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A3615a)。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする(A3616a)。続いて、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100msec)をセーブし(A3617a)、特図1変動中図柄番号領域に変動中図柄番号の初期値(例えば、非点灯図柄を示す0)をセーブし(A3618a)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図2普段処理における特図2変動開始処理(A3505)の詳細について説明する。図19は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
特図2変動開始処理は、特図1変動開始処理(図18)における「大当りフラグ1」を「大当りフラグ2」に、「特図1」を「特図2」に置き換えたものであり、特図1変動開始処理と同様の処理が行われるため、詳細な説明は省略する。なお、特図2変動開始処理におけるステップA3601b−A3618bは、それぞれ、特図1変動開始処理におけるステップA3601a−A3618aに対応する。
〔転落抽選処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における転落抽選処理(A3604a、A3604b)の詳細について説明する。図20は、転落抽選処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否か、即ち特図高確率中であるか否かを判定する(A3701)。特図高確率中でない場合に(A3701の結果が「N」)、転落抽選処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図高確率中である場合に(A3701の結果が「Y」)、対象(特図1又は特図2)の転落抽選乱数の値が転落抽選下限判定値未満であるか否かを判定する(A3702)。転落抽選下限判定値未満である場合に(A3702の結果が「Y」)、転落抽選処理を終了する。転落抽選下限判定値以上である場合に(A3702の結果が「N」)、対象の転落抽選乱数の値が転落抽選上限判定値より大きいか否かを判定する(A3703)。転落抽選上限判定値より大きい場合に(A3703の結果が「Y」)、転落抽選処理を終了する。
遊技制御装置100は、転落抽選上限判定値以下の場合に(A3703の結果が「N」)、対象の転落抽選乱数の値が転落抽選上限判定値と転落抽選下限判定値の間の値になるため、転落抽選の当選時の処理を開始し、まず、高確率終了に関する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(A3704)。ここで、高確率終了に関する信号は、大当り2信号のオフデータ(オフ信号)と大当り4信号のオフデータ(オフ信号)である。これにより、高確率終了に関する信号が外部情報として外部情報端子71ひいては外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。
次に、遊技制御装置100は、高確率&時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3705)。高確率&時短の終了に関する信号は、例えば、特別図柄1高確率状態信号のオフデータ、特別図柄2高確率状態信号のオフデータ、特別図柄1変動時間短縮状態信号のオフデータ、特別図柄2変動時間短縮状態信号のオフデータである。
続いて、遊技制御装置100は、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3706)。そして、RWMの遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブする(A3707)。RWMの特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(A3708)、転落抽選処理を終了する。特図低確率&時短なしフラグは、大当りの確率が低確率で且つ時短状態がないこと(通常遊技状態)を示す。
以上のように、確変状態(特図高確率中)では、各特図変動表示ゲームの開始時に転落抽選が実行され、転落抽選の当選時に、確変状態(高確率状態)から通常遊技状態(低確率状態)へ転落する転落処理(A3704−A3708)が実行される。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3605a)の詳細について説明する。図21は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、RWMの大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3801)。続いて、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備する(A3802)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3803)。
次に、遊技制御装置100は、大当りフラグ2は大当りであるか否か、即ち、大当りフラグ2領域に大当り情報がセーブされているか判定する(A3804)。大当りフラグ2は大当りでない場合(A3804の結果が「N」)、取得した大当り乱数値に基づいて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行し(A3805)、判定の結果が大当りであるか否か判断する(A3806)。判定の結果が大当りである場合(A3806の結果が「Y」)、ステップA3801にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3807)、大当りフラグ1設定処理を終了する。なお、大当りフラグ2が大当りでない場合にのみ、大当りフラグ1が大当りとなり得る(大当りフラグ1領域に大当り情報がセーブされる)ので、大当りフラグ1と大当りフラグ2が同時に大当りとなることが避けられる。
遊技制御装置100は、大当りフラグ2は大当りである場合(A3804の結果が「Y」)、又は、特図1変動表示ゲームの判定結果が大当りでない場合(A3806の結果が「N」)、大当りフラグ1設定処理を終了する。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3605b)の詳細について説明する。図22は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、RWMの小当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブし(A3901)、RWMの大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3902)。続いて、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備する(A3903)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3904)。
次に、遊技制御装置100は、大当りフラグ1は大当りであるか否か、即ち、大当りフラグ1領域に大当り情報がセーブされているか判定する(A3905)。大当りフラグ1は大当りでない場合(A3905の結果が「N」)、取得した大当り乱数値に基づいて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行し(A3906)、判定の結果が大当りであるか否か判断する(A3907)。判定の結果が大当りである場合(A3907の結果が「Y」)、ステップA3902にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3908)、大当りフラグ2設定処理を終了する。なお、大当りフラグ1が大当りでない場合にのみ、大当りフラグ2が大当りとなり得る(大当りフラグ2領域に大当り情報がセーブされる)ので、大当りフラグ1と大当りフラグ2が同時に大当りとなることが避けられる。
遊技制御装置100は、大当りフラグ1は大当りである場合(A3905の結果が「Y」)、又は、特図2変動表示ゲームの判定結果が大当りでない場合(A3907の結果が「N」)、取得した大当り乱数値に基づいて、特図2変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行し(A3909)、判定の結果は小当りであるか否か判断する(A3910)。なお、本実施形態では、小当りの判定にも大当り乱数値が使用される(別の言い方では、小当り判定と大当り判定に同じ乱数値が使用される)。特図2変動表示ゲームが小当りである場合(A3910の結果が「Y」)、ステップA3901にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ2領域に小当り情報を上書きしてセーブし(A3911)、大当りフラグ2設定処理を終了する。特図2変動表示ゲームが小当りでない場合(A3910の結果が「N」)、小当りフラグ2領域に小当り情報をセーブすることなく、大当りフラグ2設定処理を終了する。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3805、A3906)の詳細について説明する。図23は、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理である。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A4001)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A4002)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A4002の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A4007)、大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A4002の結果が「N」)、特図高確率中であるか否かを判定する(A4003)。そして、特図高確率中である場合には(A4003の結果が「Y」)、確率設定値に対応する高確率中の上限判定値を設定する(A4004)。一方、特図高確率中でない場合には(A4003の結果が「N」)、確率設定値に対応する低確率中の上限判定値を設定する(A4005)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A4006)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A4006の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A4007)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A4006の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A4008)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、大当りフラグ2設定処理等における小当り判定処理(A3909)の詳細について説明する。図24は、小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、小当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における小当り判定処理に共通する処理である。
遊技制御装置100は、まず、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満であるか否かを判定する(A4101)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果が小当り且つ大当りとなることを避けるべく、小当り判定値の範囲(小当り下限判定値と小当り上限判定値の間)は、前述の大当り判定値の範囲(下限判定値と上限判定値の間)とは重ならない。なお、本実施形態では、独自に小当り乱数を設けることはせず、小当りの判定にも大当り乱数を利用するが、独自の小当り乱数を設ける構成も可能である。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(A4101の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(A4103)、小当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合には(A4101の結果が「N」)、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいか否かを判定する(A4102)。大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(A4102の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定する(A4103)。一方、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(A4102の結果が「N」)、判定結果として小当りを設定する(A4104)。判定結果を設定すると、小当り判定処理を終了する。
〔大当り確率、小当り確率、転落確率〕
図25(a)(b)(c)は、上述の大当り判定処理(図23)と小当り判定処理(図24)と転落抽選処理(図20)の結果として決定される特図変動表示ゲームの大当り確率と小当り確率と転落確率を例示するテーブルである。
図25(a)の例では、高確率状態での大当り確率(高確率状態)は、確率設定値1〜6(設定1〜6)によらず同じである。一方、低確率状態での大当り確率(低確率状態)は、確率設定値が大きくなる(高い設定になる)とともに高くなる傾向になり、確率設定値が大きいほど大当りが発生し易くなり遊技者に有利となる。このように低確率状態の大当り確率と高確率状態の大当り確率のうち一方だけを、確率設定値が大きくなるとともに高くするように構成してもよい。大当り確率は、図23の上限判定値と下限判定値の差分を大当り乱数の値の範囲で割ったものである。大当り確率は、上限判定値の他に、下限判定値又は大当り乱数の値の範囲を確率設定値に対応して変更することによって、確率設定値に応じて変更できる。
また、設定1と設定2で、設定3と設定4で、又は、設定5と設定6で、大当り確率(高確率状態)と大当り確率(低確率状態)は同じである。なお、全ての設定で互いに大当り確率を異ならせてもよい。また、大当り確率が同じでも、演出制御装置300は、各確率設定値に応じた演出を実行可能である(後述の変動演出設定処理)。
図25(b)の例では、高確率状態であるか低確率状態であるかによらず、又、確率設定値(設定)によらず、小当り確率は一定である。小当り確率は、図24の小当り上限判定値と小当り下限判定値の差分を大当り乱数の値の範囲で割ったものである。図14のように、特図1変動表示ゲームでは、小当りは発生しない(小当り確率はゼロ)。なお、特図1変動表示ゲームで小当りが発生する構成も可能である。
図25(c)の例では、転落抽選の当選確率としての転落確率は、確率設定値(設定)によらず、高確率状態であるか低確率状態であるかによらず、又、特図1変動表示ゲームであるか特図2変動表示ゲームであるかによらず一定(1/237)である。転落確率は、図20の転落抽選上限判定値と転落抽選下限判定値の差分を転落抽選乱数の値の範囲で割ったものである。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(A3606a)の詳細について説明する。図26は、特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1は大当りであるか否か、即ち、大当りフラグ1領域に大当り情報がセーブされているか判定する(A4201)。大当りフラグ1が大当りである場合(A4201の結果が「Y」)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4202)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(A4203)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得してRWMの特図1停止図柄退避領域にセーブする(A4204)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(A4205)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(A4206)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。そして、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(A4207)。時間短縮判定データは、大当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は時短なし)の情報を含み、後述の特図1大当り終了処理と特図2大当り終了処理で使用される。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、RWMの特図1ラウンド数上限値情報領域にセーブし(A4208)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得してRWMの特図1大入賞口開放情報領域にセーブする(A4209)。その後、ステップA4212の処理に移行する。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4201の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄退避領域にセーブし(A4210)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブする(A4211)。その後、ステップA4212の処理に移行する。
遊技制御装置100は、ステップA4209、A4211の後、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備し、演出コマンドとして飾り特図1コマンドを飾り特図1コマンド領域にセーブする(A4212)。以上の処理により、特図1変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、遊技制御装置100は、演出コマンド設定処理を実行する(A4213)。これにより、飾り特図1コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4214)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A4215)。その後、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(A3606b)の詳細について説明する。図27は、特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2は大当りであるか否か、即ち、大当りフラグ2領域に大当り情報がセーブされているか判定する(A4301)。大当りフラグ2が大当りである場合(A4301の結果が「Y」)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4302)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(A4303)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得してRWMの特図2停止図柄退避領域にセーブする(A4304)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(A4305)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(A4306)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。そして、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(A4307)。時間短縮判定データは、大当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は時短なし)の情報を含み、後述の特図1大当り終了処理と特図2大当り終了処理で使用される。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、RWMの特図2ラウンド数上限値情報領域にセーブし(A4308)、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得してRWMの特図2大入賞口開放情報領域にセーブする(A4309)。その後、ステップA4317の処理に移行する。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2が大当りでない場合(A4301の結果が「N」)、小当りフラグ2は小当りであるか否か、即ち、小当りフラグ2領域に小当り情報がセーブされているか判定する(A4310)。小当りフラグ2は小当りである場合(A4310の結果が「Y」)、特図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(A4311)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(A4312)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄退避領域にセーブする(A4313)。この処理により特定結果の種類が選択される。続いて、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4314)。その後、ステップA4317の処理に移行する。
遊技制御装置100は、小当りフラグ2は小当りでない場合(A4310の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄退避領域にセーブし(A4315)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブする(A4316)。その後、ステップA4317の処理に移行する。
遊技制御装置100は、ステップA4309、A4314、A4316の後、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備し、演出コマンドとして飾り特図2コマンドを飾り特図2コマンド領域にセーブする(A4317)。以上の処理により、特図2変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、遊技制御装置100は、演出コマンド設定処理を実行する(A4318)。飾り特図2コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4319)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A4320)、特図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリア(A4321)する。その後、特図2停止図柄設定処理を終了する。
このように、遊技制御装置100が、第1始動入賞口36での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして特図1変動表示ゲームを実行し、普通変動入賞装置37での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして特図2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図大当り図柄振分の一例〕
図28は、上述の特図1停止図柄設定処理と特図2停止図柄設定処理によって制御される特図1、2変動表示ゲームの大当りの種類の振分(大当り図柄振分)を例示するテーブルである。なお、各設定(各確率設定値)に対して大当りの種類の振分は共通する。
図28は、特図1停止図柄設定処理と特図2停止図柄設定処理で取得された大当り停止図柄番号に対応する大当りの種類とその振分率を規定するテーブルを例示する。図28の例では、大当りの種類は、特図1、2変動表示ゲームで共通に、10R確変大当り、4R確変大当り、10R通常大当り(時短回数100回)がある。その他、10R通常大当り(時短回数0回)などを設けてもよい。
なお、10R確変大当り、4R確変大当り、10R通常大当り(時短回数100回)の振分率は、特図1変動表示ゲームで30%、30%、40%であり、特図2変動表示ゲームで50%、10%、40%で異なっている。なお、振分率は適宜変更可能である。
〔特図1情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1情報設定処理(A3607a)の詳細について説明する。図29は、特図1情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、変動パターン選択情報テーブルを設定する(A4401)。そして、特図1の停止図柄パターンに対応する前半オフセットデータと後半オフセットデータを取得する(A4402)。
ここで、前半オフセットデータ(変動振分情報1)は、前半変動を振り分けるためのテーブルポインタであり、後半オフセットデータ(変動振分情報2)は、後半変動を振り分けるためのテーブルポインタである。前半変動は、リーチ開始前までの変動態様であり、後半変動は、リーチ状態となった後の変動態様でありリーチの種類(ノーマルリーチやスペシャルリーチ等でありリーチなしを含む)に対応する。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果が大当りであるか否か判定し(A4403)、特図1変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(A4403の結果が「N」)、特図1保留数に応じて前半変動を振り分けるために前半オフセットデータに特図1保留数を加算して値を変換する(A4404)。そして、ステップA4405の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果が大当りである場合(A4403の結果が「Y」)、ステップA4404の処理を行わず、ステップA4402で取得した前半オフセットデータを更新、変換せずに、ステップA4405の処理に移行する。
そして、遊技制御装置100は、前半オフセットデータ(変動振分情報1)をRWMの変動振分情報1領域にセーブし(A4405)、後半オフセットデータ(変動振分情報2)をRWMの変動振分情報2領域にセーブし(A4406)、特図1情報設定処理を終了する。
〔特図2情報設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2情報設定処理(A3607b)の詳細について説明する。図30は、特図2情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りの発生確率が低確率状態であり且つ時短なしの状態(普電サポートなしの状態)であるか否か、即ち、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)であるか否か判定する(A4501)。特図低確率&時短なし中である場合(A4501の結果が「Y」)、ステップA4505の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図低確率&時短なし中でない場合(A4501の結果が「N」)、即ち、時短状態又は確変状態である場合に、これから開始する特図変動表示ゲームが時間短縮最終変動であるか否かを判定する(A4502)。時間短縮最終変動とは、時短状態での最終(例えば100回目)の特図変動表示ゲームである。これから開始する特図変動表示ゲームが時間短縮最終変動である場合に(A4502の結果が「Y」)、ステップA4506の処理に移行する。
遊技制御装置100は、これから開始する特図変動表示ゲームが時間短縮最終変動でない場合に(A4502の結果が「N」)、変動パターン選択情報テーブルを設定する(A4503)。そして、特図2の停止図柄パターンに対応する前半オフセットデータと後半オフセットデータを取得する(A4504)。前述のように、前半オフセットデータ(変動振分情報1)は、前半変動を振り分けるためのテーブルポインタであり、後半オフセットデータ(変動振分情報2)は、後半変動を振り分けるためのテーブルポインタである。
一方、遊技制御装置100は、特図低確率&時短なし中である場合(A4501の結果が「Y」)、これから開始する特図変動表示ゲームが高確率最終変動であるか否かを判定する(A4505)。ここで、高確率最終変動は、転落抽選(図20)に当選して確変状態(高確率状態)から通常遊技状態(低確率状態)に転落した際の特図変動表示ゲームである。
遊技制御装置100は、これから開始する特図変動表示ゲームが高確率最終変動である場合に(A4505の結果が「Y」)、又は、時間短縮最終変動である場合に(A4502の結果が「Y」)、最終変動であることを報知するための時間を確保するため、最終変動用の前半オフセットデータと後半オフセットデータを設定し(A4506)、ステップA4511の処理に移行する。
遊技制御装置100は、これから開始する特図変動表示ゲームが高確率最終変動でない場合に(A4505の結果が「N」)、特図2変動表示ゲームの結果が大当りであるか否か判定する(A4507)。特図2変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(A4507の結果が「N」)、低確率時の特図2のはずれ・小当り用の前半オフセットデータを設定し(A4508)、ステップA4510の処理に移行する。特図2変動表示ゲームの結果が大当りである場合(A4507の結果が「Y」)、低確率時の特図2の大当り用の前半オフセットデータを設定する(A4509)。続いて、特図2変動表示ゲームの長時間変動用の後半オフセットデータを設定する(A4510)。これにより、通常遊技状態では、特図2変動表示ゲームは長時間変動(長変動)になる。
なお、確変状態(特図高確率状態)と時短状態では、特図2変動表示ゲームの長時間変動用の後半オフセットデータを設定しないため、特図2変動表示ゲームは通常の変動時間の変動(長変動に比較して短変動)になる。これにより、確変状態(特図高確率状態)と時短状態では、特図2変動表示ゲームにより小当りが頻繁に発生する小当りRUSH(ラッシュ)状態が可能となる。
遊技制御装置100は、ステップA4504、A4506又はA4510の後、前半オフセットデータ(変動振分情報1)をRWMの変動振分情報1領域にセーブし(A4511)、後半オフセットデータ(変動振分情報2)をRWMの変動振分情報2領域にセーブし(A4512)、特図2情報設定処理を終了する。
〔特図1変動パターン設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1変動パターン設定処理(A3609a)の詳細について説明する。図31は、特図1変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、変動グループアドレステーブルを設定し(A4601a)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得して準備し(A4602a)、特図1の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から乱数として変動パターン乱数1をロードして準備する(A4603a)。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果がはずれであるか否か判定する(A4604a)。特図1変動表示ゲームの結果がはずれである場合(A4604aの結果が「Y」)、変動パターン乱数1に基づく2バイト振り分け処理を実行し(A4605a)、特図1変動表示ゲームの結果がはずれでない場合(大当り又は小当りの場合)(A4604aの結果が「N」)、変動パターン乱数1に基づく振り分け処理を実行する(A4606a)。なお、2バイト振り分け処理と振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図1変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
なお、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用で構造が異なり、当り用では振り分けの乱数は1バイトサイズ、はずれ用では2バイトサイズとなっている。当り用は、データ容量の節約のため1バイトサイズとしているが、特図1変動表示ゲームの当りの出現率自体が低いため1バイトでも足りる。なお、当りの場合(大当り又は小当りの場合)、変動パターン乱数1の下位の値だけを使用する。
遊技制御装置100は、ステップA4605a又はA4606aの後、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備する(A4607a)。続いて、特図1の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から乱数として変動パターン乱数2をロードして準備し(A4608a)、変動パターン乱数2に基づく振り分け処理を実行する(A4609a)。そして、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4610a)。ここでの振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図1変動表示ゲームの後半変動番号(後半変動パターン)を選択するための処理である。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループテーブルを設定し(A4611a)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4612a)。続いて、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備する(A4613a)。さらに、特図1の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から乱数として変動パターン乱数3をロードして準備し(A4614a)、変動パターン乱数3に基づく振り分け処理を実行する(A4615a)。ここでの振り分け処理は、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図1変動表示ゲームの前半変動番号(前半変動パターン)を選択したりするための処理である。
さらに、遊技制御装置100は、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブし(A4616a)、特図1変動パターン設定処理を終了する。
以上の処理により、特図1変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔特図2変動パターン設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2変動パターン設定処理(A3609b)の詳細について説明する。図32は、特図2変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
特図2変動パターン設定処理は、特図1変動パターン設定処理(図31)における「特図1」を「特図2」に置き換えたものであり、特図1変動パターン設定処理と同様の処理が行われるため、詳細な説明は省略する。なお、特図2変動パターン設定処理におけるステップA4601b−A4616bは、それぞれ、特図1変動パターン設定処理におけるステップA4601a−A4616aに対応する。
以上の処理により、特図2変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(A3610a、A3610b)の詳細について説明する。図33は、変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、使用した特図1の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域(保留球1用)をクリアする(A5001)。
次に、遊技制御装置100は、前半変動時間値テーブルを設定し(A5002)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A5003)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(A5004)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A5005)。
そして、遊技制御装置100は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A5006)、加算値を対象の特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A5007)。続いて、特図1変動表示ゲームに関して情報設定中であるか否かを判定する(A5008)。特図1変動表示ゲームに関して情報設定中でない場合(A5008の結果が「N」)、特図2変動表示ゲームに関して情報設定中であるため、特図2変動表示ゲームの長変動(長時間変動)を開始するか否かを判定する(A5009)。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの長変動を開始しない場合(A5009の結果が「N」)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域に0をセーブし(A5010)、特図2変動表示ゲームの長変動を開始する場合(A5009の結果が「Y」)、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数領域に9をセーブする(A5011)。特図2変動表示ゲームの長変動では、2バイトのタイマでは足らない変動時間(例えば10分)の変動をさせるため、特図2ゲーム処理タイマの所定の繰り返し回数(ここでは9)が繰り返し回数領域に設定される。なお、割込み周期4msec(ミリ秒)のタイマ割込み処理において、2バイトのタイマでは、約262秒まで設定できる。
例えば、特図ゲーム処理タイマ領域への上記の加算値のセーブによって60000msec(60秒)のタイマが設定され、さらに9回の繰り返し回数がセーブされる場合に、タイマ割込み処理(特に、特図2ゲーム処理(図15))でタイマを減算していき(A3304)、タイムアップした時に(A3305の結果が「Y」)、繰り返し回数を1減算し(A3307)、ゲーム処理タイマに長変動用タイマ値である60000ms(60秒)が再度セットされる(A3308)。結果として、長変動の特図2変動表示ゲームを、60000msec+(60000msec×9)=10分の長い変動時間とすることができる。
なお、特図1変動表示ゲームの変動時間と、長変動でない場合(繰り返し回数=0)の特図2変動表示ゲームの変動時間は、ステップA5007で特図ゲーム処理タイマ領域にセーブされた前半変動時間値と後半変動時間値の加算値となる。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームに関して情報設定中である場合(A5008の結果が「Y」)、タイマの繰り返し回数を設定することなく、ステップA5012に移行する。
遊技制御装置100は、ステップA5008、A5010、A5011の後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A5012)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備する(A5013)。そして、変動コマンドを演出コマンドとして送信するための演出コマンド設定処理を実行する(A5014)。
次に、遊技制御装置100は、開始する特図変動表示ゲームの対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を−1更新し(A5015)、対象の特図変動表示ゲームに係る乱数格納領域の内容をシフトし(A5016)、シフト後の空き領域をクリアする(A5017)。そして、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドが挙げられ、これらコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、時間短縮変動回数更新処理(A3611a、A3611b)の詳細について説明する。図34は、時間短縮変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図高確率中(確変状態中)であるか否かを判定する(A5101)。特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率フラグ(本実施形態では、特図高確率&時短ありフラグ)が設定されている場合に、特図高確率中であると判定できる。特図高確率中である場合に(A5101の結果が「Y」)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図高確率中でない場合に(A5101の結果が「N」)、特図時短中(時短状態中)であるか否かを判定する(A5102)。特図ゲームモードフラグ領域に時短ありフラグ(本実施形態では、特図低確率&時短ありフラグ)が設定されている場合に、特図時短中であると判定できる。特図時短中でない場合(A5102の結果が「N」)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図時短中(特図低確率で普電サポートありの状態)である場合(A5102の結果が「Y」)、時間短縮変動回数を−1更新する(1だけ減算する)(A5103)。なお、時間短縮変動回数の初期値は、大当り終了後に時短状態が維持される変動回数であり、例えば100回に設定されている(後述の大当り終了設定処理2)。また、特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームのいずれが変動開始する場合でも、時間短縮変動回数を−1更新する。
続いて、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する(A5104)。時間短縮変動回数が0でない場合(A5104の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームの開始時に時短状態が継続する場合には、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数更新処理を終了する。時間短縮変動回数が0である場合(A5104の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、時短終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(A5105)。ここで、時短終了に関する信号は、大当り2信号のオフデータである。これにより、時短終了に関する信号が外部情報として外部情報端子71ひいては外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。
続いて、遊技制御装置100は、時短終了に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(A5106)。ここでの時短終了に関する信号は、例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号のオフデータ、特別図柄2変動時間短縮状態信号のオフデータ、普通図柄1変動時間短縮状態信号のオフデータ、普通電動役物1開放延長状態信号のオフデータである。
次に、遊技制御装置100は、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし(A5107)、RWMの特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(A5108)、普図ゲームモードフラグ領域に普図時短なしフラグをセーブし(A5109)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
このように、第2実施形態における時間短縮変動回数更新処理が実行されることで、時短状態(特図低確率且つ普電サポートありの状態)から適切に通常遊技状態(特図低確率且つ普電サポートなしの状態)へ移行させることができる。
〔特図1変動中処理〕
次に、特図1ゲーム処理における特図1変動中処理(A3211)の詳細について説明する。図35は、特図1変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新する(A5301)。図柄確定回数出力回数は、特図変動表示ゲームの停止図柄が確定する際に生成される図柄確定回数信号を外部装置に出力する図柄確定回数信号編集処理(外部情報編集処理の一部)において利用される。次に、飾り特図1コマンド領域から飾り特図1コマンドをロードして演出コマンドとして準備し(A5302)、演出コマンド設定処理を実行する(A5303)。その後、飾り特図1変動表示ゲームを停止させるための飾り特図1停止コマンドを演出コマンドとして準備し(A5304)、演出コマンド設定処理を実行する(A5305)。
次に、遊技制御装置100は、特図1の停止図柄の表示時間(停止表示時間)として、特図1の停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(A5306)。例えば、停止図柄パターンに対応する表示時間は、停止図柄パターンが特図1のはずれ図柄であれば600msec、特図1の大当り図柄であれば2000msecである。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定する(A5307)。特図1変動表示ゲームの結果がはずれである場合(A5307の結果が「Y」)、前述の特図1停止図柄設定処理でセーブした情報(はずれ時の停止図柄番号)を特図1停止図柄退避領域からロードして特図1停止図柄領域にセーブする(A5322)。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果がはずれでない場合(大当りの場合)(A5307の結果が「N」)、特図2も変動中(特図2変動表示ゲームも実行中)であるか否かを判定する(A5308)。特図2は変動中でない場合(A5308の結果が「N」)、ステップA5319の処理に移行する。特図2も変動中である場合(A5308の結果が「Y」)、後述の特図2表示中処理が実行中であるか否かを判定する(A5309)。
遊技制御装置100は、特図2表示中処理が実行中である場合(A5309の結果が「Y」)、ステップA5311の処理に移行する。特図2表示中処理が実行中でない場合(A5309の結果が「N」)、図柄確定回数出力回数を+1更新する(A5310)。続いて、特図2の表示時間として特図1の表示時間に4msecを加算した値(特図1の表示時間+4msec)の表示時間を設定し(A5311)、特図2ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブする(A5312)。ここで、4msecは、タイマ割込み処理の割込み周期(所定時間周期)である。4msecを加算したのは、次の特図2ゲーム処理で特図2ゲーム処理タイマが−1更新(割込み周期に相当する4msecだけ減算)されるため(A3304)、余分に付加したものである。これにより、実際の特図1の停止図柄の表示時間と特図2の停止図柄の表示時間を同じに揃えることができる。なお、既に特図2の停止表示を開始していたら、ここでは表示時間が再設定されることになる(基本は表示時間の延長となるが、場合によっては短縮になる可能性もある)。
次に、遊技制御装置100は、飾り特図2のはずれ図柄コマンドを演出コマンドとして設定、準備し(A5313)、飾り特図2コマンド領域にセーブし(A5314)、演出コマンド設定処理を実行する(A5315)。続いて、飾り特図2変動表示ゲームを停止させるための飾り特図2停止コマンドを演出コマンドとして準備し(A5316)、演出コマンド設定処理を実行する(A5317)。その後、特図2表示中処理を実行するための設定をする特図2表示中処理移行設定処理2を実行する(A5318)。特図2表示中処理移行設定処理2では、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号「2」をセーブしたり、特図2変動表示ゲームをはずれ結果で停止する処理を実行する。
ステップA5311からA5318の処理により、特図1変動表示ゲームに係る制御である特図1変動中処理において、特図2変動表示ゲーム(飾り特図2変動表示ゲームも含む)のはずれ結果が設定され、特図2表示中処理の実行(特図2変動表示ゲームの終了)が設定される。このように、特図2変動表示ゲームが実行中(特図2の変動中)であっても、特図1変動表示ゲームが当り結果(大当り)になると、特図2変動表示ゲームは、はずれ結果で強制的に変動終了(強制終了)することになる。
なお、特図1変動中処理は、変動時間の終了の際、即ち、特図1ゲーム処理タイマ(ステップA5007で設定された特図1ゲーム処理タイマ領域の値)がタイムアップする際(A3206の結果が「Y」)に実行されるため、当り結果の特図1変動表示ゲームが変動停止する際に、特図2変動表示ゲームは強制的に変動終了(強制終了)することになる。
次に、遊技制御装置100は、飾り特図1コマンド領域から飾り特図1コマンドをロードし、当り図柄コマンド領域にセーブする(A5319)。次に、前述の特図1ラウンド数上限値情報領域からラウンド数上限値情報をロードし、ラウンド数上限値情報領域にセーブし(A5320)、前述の特図1大入賞口開放情報領域から大入賞口開放情報をロードし、大入賞口開放情報領域にセーブする(A5321)。その後、前述の特図1停止図柄設定処理でセーブした情報(大当り時の停止図柄番号)を特図1停止図柄退避領域からロードし、特図1停止図柄領域にセーブする(A5322)。次に、特図1表示中処理を実行するための設定をする特図1表示中処理移行設定処理1を実行し(A5323)、特図1変動中処理を終了する。特図1表示中処理移行設定処理1では、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号「2」をセーブしたり、特図1変動表示ゲームを停止する処理を実行するなど、特図1表示中処理に移行するために必要な処理を行う。
以上のように、本実施形態では、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間(表示時間)を設定する停止時間設定手段(表示時間設定手段)をなす。また、遊技制御装置100が、特図2変動表示ゲームが実行中(特図2の変動中)であっても、特図1変動表示ゲームが当り結果になると、特図2変動表示ゲームをはずれ結果で強制的に終了させる強制終了手段をなす。
〔特図2変動中処理〕
次に、特図2ゲーム処理における特図2変動中処理(A3313)の詳細について説明する。図36は、特図2変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、図柄確定回数出力回数を+1更新する(A5401)。図柄確定回数出力回数は、変動表示ゲームの停止図柄が確定する際に生成される図柄確定回数信号を外部装置に出力する図柄確定回数信号編集処理(外部情報編集処理の一部)において利用される。次に、飾り特図2コマンド領域から飾り特図2コマンドをロードして演出コマンドとして準備し(A5402)、演出コマンド設定処理を実行する(A5403)。その後、飾り特図2変動表示ゲームを停止させるための飾り特図2停止コマンドを演出コマンドとして準備し(A5404)、演出コマンド設定処理を実行する(A5405)。
次に、遊技制御装置100は、特図2の停止図柄の表示時間(停止表示時間)として、特図2の停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(A5406)。例えば、停止図柄パターンに対応する表示時間は、停止図柄パターンが特図2のはずれ図柄であれば600msec、特図2の大当り図柄であれば600msec、特図2の小当り図柄であれば136msecである。なお、特図2のはずれ図柄と大当り図柄の表示時間は、同じになっているが、特図2の小当り図柄の表示時間よりも長い。
次に、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定する(A5407)。特図2変動表示ゲームの結果がはずれである場合(A5407の結果が「Y」)、前述の特図2停止図柄設定処理でセーブした情報(はずれ時の停止図柄番号)を特図2停止図柄退避領域からロードして特図2停止図柄領域にセーブする(A5427)。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果がはずれでない場合(A5407の結果が「N」)、特図1も変動中(特図1変動表示ゲームも実行中)であるか否かを判定する(A5408)。特図1は変動中でない場合(A5408の結果が「N」)、ステップA5423の処理に移行する。特図1も変動中である場合(A5408の結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(A5409)。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果が大当りでない場合に(A5409の結果が「N」)、即ち、小当りである場合に、特図1ゲーム中断フラグをセットし(A5412)、飾り特図1中断コマンドを演出コマンドとして準備し(A5413)、演出コマンド設定処理を実行する(A5414)。その後、ステップA5423の処理に移行する。このように、特図1変動表示ゲームが実行中(特図1の変動中)であっても、特図2変動表示ゲームが小当りになると、特図1変動表示ゲームは、特図1ゲーム処理タイマによる変動時間の計測を中断することによって、中断することになる。この場合、特図1変動表示ゲームの結果の導出(停止図柄番号に対応する停止図柄の表示)を延期し、特図2変動表示ゲームに関する小当り動作の終了後に、中断していた特図1変動表示ゲームを再開できる。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果が大当りである場合に(A5409の結果が「Y」)、後述の特図1表示中処理が実行中であるか否かを判定する(A5410)。特図1表示中処理が実行中である場合(A5410の結果が「Y」)、ステップA5415の処理に移行する。特図1表示中処理が実行中でない場合(A5410の結果が「N」)、図柄確定回数出力回数を+1更新する(A5411)。続いて、特図1の表示時間として特図2の表示時間に4msecを加算した値(特図2の表示時間+4msec)の表示時間を設定し(A5415)、特図1ゲーム処理タイマ領域に表示時間をセーブする(A5416)。ここで、4msecは、タイマ割込み処理の割込み周期(所定時間周期)である。4msecを加算したのは、次の特図1ゲーム処理で特図1ゲーム処理タイマが−1更新(割込み周期に相当する4msecだけ減算)されるため(A3205)、余分に付加したものである。これにより、実際の特図2の停止図柄の表示時間と特図1の停止図柄の表示時間を同じに揃えることができる。なお、既に特図1の停止表示を開始していたら、ここでは表示時間が再設定されることになる(基本は表示時間の延長となるが、場合によっては短縮になる可能性もある)。
次に、遊技制御装置100は、飾り特図1のはずれ図柄コマンドを演出コマンドとして設定、準備し(A5417)、飾り特図1コマンド領域にセーブし(A5418)、演出コマンド設定処理を実行する(A5419)。続いて、飾り特図1変動表示ゲームを停止させるための飾り特図1停止コマンドを演出コマンドとして準備し(A5420)、演出コマンド設定処理を実行する(A5421)。その後、特図1表示中処理を実行するための設定をする特図1表示中処理移行設定処理2を実行する(A5422)。特図1表示中処理移行設定処理2では、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号「2」をセーブしたり、特図1変動表示ゲームをはずれ結果で停止する処理を実行する。
ステップA5415からA5422の処理により、特図2変動表示ゲームに係る制御である特図2変動中処理において、特図1変動表示ゲーム(飾り特図1変動表示ゲームも含む)のはずれ結果が設定され、特図1表示中処理の実行(特図1変動表示ゲームの終了)が設定される。このように、特図1変動表示ゲームが実行中(特図1の変動中)であっても、特図2変動表示ゲームが大当りになると、特図1変動表示ゲームは、はずれ結果で強制的に変動終了(実行終了)することになる。
なお、特図2変動中処理は、変動時間の終了の際、即ち、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であり且つ特図2ゲーム処理タイマがタイムアップする際(A3305とA3306の結果が「Y」)に実行されるため、当り結果の特図2変動表示ゲームが変動停止する際に、特図1変動表示ゲームは強制的に変動終了(実行終了)することになる。
次に、遊技制御装置100は、飾り特図2コマンド領域から飾り特図2コマンドをロードし、当り図柄コマンド領域にセーブする(A5423)。次に、特図2変動表示ゲームの結果が小当りであるか否か判定する(A5424)。特図2変動表示ゲームの結果が小当りである場合(A5424の結果が「Y」)、前述の特図2停止図柄設定処理でセーブした情報(小当り時の停止図柄番号)を特図2停止図柄退避領域からロードして特図2停止図柄領域にセーブする(A5427)。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果が小当りでない場合(大当りである場合)(A5424の結果が「N」)、前述の特図2ラウンド数上限値情報領域からラウンド数上限値情報をロードし、ラウンド数上限値情報領域にセーブし(A5425)、
前述の特図2大入賞口開放情報領域から大入賞口開放情報をロードし、大入賞口開放情報領域にセーブする(A5426)。その後、前述の特図2停止図柄設定処理でセーブした情報(大当り時の停止図柄番号)を特図2停止図柄退避領域からロードし、特図2停止図柄領域にセーブする(A5427)。次に、特図2表示中処理を実行するための設定をする特図2表示中処理移行設定処理1を実行し(A5428)、特図2変動中処理を終了する。特図2表示中処理移行設定処理1では、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号「2」をセーブしたり、特図2変動表示ゲームを停止する処理を実行するなど、特図2表示中処理に移行するために必要な処理を行う。
以上のように、本実施形態では、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間(表示時間)を設定する停止時間設定手段(表示時間設定手段)をなす。また、遊技制御装置100が、特図1変動表示ゲームが実行中(特図1の変動中)であっても、特図2変動表示ゲームが当り結果になると、特図1変動表示ゲームをはずれ結果で強制的に終了させる強制終了手段をなす。
〔特図1表示中処理〕
次に、特図1ゲーム処理における特図1表示中処理(A3212)の詳細について説明する。図37は、特図1表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域から大当りフラグ1(大当り情報、又は、はずれ情報を示す)をロードし(A5701)、大当りフラグ1領域をクリアする(A5702)。続いて、大当りフラグ1に基づいて特図1変動表示ゲームの結果は大当りか否かを判定する(A5703)。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果は大当りである場合(A5703の結果が「Y」)、特図1大当りの開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(A5704)。例えば、特図1大当りの開始に関する信号は、条件装置作動中信号のオンデータ、特別図柄1当り信号のオンデータである。
次に、遊技制御装置100は、当り図柄コマンド領域から当り図柄コマンドをロードして演出コマンドとして準備し(A5705)、演出コマンド設定処理を実行する(A5706)。なお、特図1変動表示ゲームの結果が大当りであるため、この当り図柄コマンドは、大当り図柄に対応する。続いて、大当りファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備し(A5707)、演出コマンド設定処理を実行する(A5708)。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(A5709)。ここでの信号は、大当り2信号のオンデータ(オン信号)と大当り3信号のオンデータ(オン信号)を含む。なお、本実施形態では、2R大当りは存在しないため関係ないが、大当り2信号は、低確率中の2R確変大当りでオフしてもよく、大当り3信号は、高確率中の2R確変大当りでオフしてもよい。
続いて、遊技制御装置100は、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(A5710)、大当りファンファーレ時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A5711)。
次に、遊技制御装置100は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するために処理番号として「3」を設定し(A5712)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(A5713)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を実行し(A5714)、特図1表示中処理を終了する。
ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するための処理を実行する。具体的には、大当りの開始に関する信号として、大当り1信号のオンデータ(オン信号)と大当り4信号のオンデータ(オン信号)とを外部情報出力データ領域にセーブする。また、高確率&時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする。さらに、時間短縮変動回数を保持する時間短縮変動回数領域をクリアする。また、ラウンド数領域を0クリアする。
一方、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの結果は大当りでない場合(大当りフラグ1は大当りでない場合)(A5703の結果が「N」)、即ち、特図1変動表示ゲームの結果がはずれである場合、今回実行した特図1変動表示ゲームが高確率最終変動であるか否かを判定する(A5715)。高確率最終変動は、転落抽選(図20)に当選した場合の特図変動表示ゲームである。高確率最終変動でない場合(A5715の結果が「N」)、今回実行した特図1変動表示ゲームが時間短縮最終変動であるか否かを判定する(A5716)。時間短縮最終変動は、時短状態での最終(例えば100回目)の特図変動表示ゲームである。時間短縮最終変動でない場合に(A5716の結果が「N」)、ステップA5724の処理に移行する。
遊技制御装置100は、高確率最終変動である場合(A5715の結果が「Y」)又は時間短縮最終変動である場合に(A5716の結果が「Y」)、低確率を示す確率情報コマンド(低確率)を演出コマンドとして準備し(A5717)、演出コマンド設定処理を実行する(A5718)。続いて、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(A5719)、左打ち指示報知フラグをクリアする(A5720)。その後、特図2変動表示ゲームの小当り状態であるか否か判定する(A5721)。特図2変動表示ゲームの小当り状態である場合(A5721の結果が「Y」)、ステップA5724の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの小当り状態でない場合(A5721の結果が「N」)、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A5722)。続いて、右打ち時であることを報知する第2遊技状態表示部56(ランプD8−D10)を消灯させるために、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A5723)、特図ステータス領域の特図1変動中をクリアする(情報減算)(A5724)。その後、特図1変動表示ゲームの結果がはずれであるため、特図1普段処理に移行するために特図1普段処理の処理番号として「0」を設定し、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A5725)。そして、特図1表示中処理を終了する。
〔特図2表示中処理〕
次に、特図2ゲーム処理における特図2表示中処理(A3314)の詳細について説明する。図38Aと図38Bは、特図2表示中処理の手順を示すフローチャートである。図38Aは、特図2表示中処理の前半部分を示し、図38Bは、特図2表示中処理の後半部分を示す。
遊技制御装置100は、まず、小当りフラグ2領域から小当りフラグ2(小当り情報、又は、はずれ情報を示す)をロードし(A5801)、小当りフラグ2領域をクリアする(A5802)。続いて、大当りフラグ2領域から大当りフラグ2(大当り情報、又は、はずれ情報を示す)をロードし(A5803)、大当りフラグ2領域をクリアする(A5804)。続いて、大当りフラグ2に基づいて特図2変動表示ゲームの結果は大当りか否かを判定する(A5805)。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果は大当りである場合(A5805の結果が「Y」)、特図2大当りの開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(A5806)。例えば、特図2大当りの開始に関する信号は、条件装置作動中信号のオンデータ、特別図柄2当り信号のオンデータである。
次に、遊技制御装置100は、当り図柄コマンド領域から当り図柄コマンドをロードして演出コマンドとして準備し(A5807)、演出コマンド設定処理を実行する(A5808)。なお、特図2変動表示ゲームの結果が大当りであるため、この当り図柄コマンドは、大当り図柄に対応する。続いて、大当りファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備し(A5809)、演出コマンド設定処理を実行する(A5810)。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(A5811)。ここでの信号は、大当り2信号のオンデータと大当り3信号のオンデータを含む。なお、本実施形態では、2R大当りは存在しないため関係ないが、大当り2信号は、低確率中の2R確変大当りでオフしてもよく、大当り3信号は、高確率中の2R確変大当りでオフしてもよい。
続いて、遊技制御装置100は、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(A5812)、大当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A5813)。そして、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するために処理番号として「3」を設定する(A5814)。
次に、遊技制御装置100は、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(A5815)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を実行し(A5816)、特図2表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理は、特図1表示中処理内で実行するものと同様である。
一方、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果は大当りでない場合(A5805の結果が「N」)、小当りフラグ2に基づいて特図2変動表示ゲームの結果は小当りであるか否か(小当りフラグ2は小当りであるか否か)を判定する(A5817)。特図2変動表示ゲームの結果は小当りである場合(A5817の結果が「Y」)、今回実行した特図2変動表示ゲームが高確率最終変動であるか否かを判定する(A5818)。高確率最終変動でない場合(A5818の結果が「N」)、今回実行した特図2変動表示ゲームが時間短縮最終変動であるか否かを判定する(A5819)。時間短縮最終変動でない場合に(A5819の結果が「N」)、ステップA5820からA5823の処理をせず、ステップA5824の処理に移行する。
遊技制御装置100は、今回実行した特図2変動表示ゲームが高確率最終変動である場合(A5818の結果が「Y」)、又は、時間短縮最終変動である場合に(A5819の結果が「Y」)、低確率を示す確率情報コマンド(低確率)を演出コマンドとして準備し(A5820)、演出コマンド設定処理を実行する(A5821)。
続いて、遊技制御装置100は、RWMの停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(A5822)、左打ち指示報知フラグをクリアする(A5823)。その後、当り図柄コマンド領域から当り図柄コマンドをロードして演出コマンドとして準備し(A5824)、演出コマンド設定処理を実行する(A5825)。なお、特図2変動表示ゲームの結果が小当りであるため、この当り図柄コマンドは、小当り図柄に対応する。
次に、遊技制御装置100は、小当りファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備し(A5826)、演出コマンド設定処理を実行する(A5827)。そして、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1のオンデータ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A5828)、右打ち時であることを報知する第2遊技状態表示部56(ランプD8−D10)を点灯させるために、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(A5829)。
次に、遊技制御装置100は、本実施形態では小当りで下大入賞口が開放されるため、下大入賞口不正入賞数領域をクリアし(A5830)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(A5831)、特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理を実行し(A5832)、特図2表示中処理を終了する。なお、小当りで大入賞口が開放されるが、表示装置41の画面は変化させなくてもよい。
特図2小当りファンファーレ中処理移行設定処理では、特図2小当りファンファーレ中処理に移行するための処理を実行する。具体的には、小当りファンファーレ中処理に移行するために処理番号として「7」を設定し、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする。また、小当りファンファーレ時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし、小当りの開始に関する信号(大当り1信号のオンデータ)を外部情報出力データ領域にセーブする。さらに、特図2小当りの開始に関する信号(特別図柄2小当り信号のオンデータ)を試験信号出力データ領域にセーブし、特図ステータス領域に小当り中情報をセーブする。
一方、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果は小当りでない場合(小当りフラグ2は小当りでない場合)(A5817の結果が「N」)、即ち、特図2変動表示ゲームの結果がはずれである場合、今回実行した特図2変動表示ゲームが高確率最終変動であるか否かを判定する(A5833)。高確率最終変動でない場合(A5833の結果が「N」)、今回実行した特図2変動表示ゲームが時間短縮最終変動であるか否かを判定する(A5834)。時間短縮最終変動でない場合に(A5834の結果が「N」)、ステップA5835からA5839の処理をせず、ステップA5840の処理に移行する。
遊技制御装置100は、高確率最終変動である場合(A5833の結果が「Y」)、又は、時間短縮最終変動である場合に(A5834の結果が「Y」)、確率情報コマンド(低確率)を演出コマンドとして準備し(A5835)、演出コマンド設定処理を実行する(A5836)。続いて、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(A5837)、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A5838)。
続いて、遊技制御装置100は、右打ち時であることを報知する第2遊技状態表示部56(ランプD8−D10)を消灯させるために、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A5839)、特図ステータス領域の特図2変動中をクリアする(情報減算)(A5840)。その後、特図2変動表示ゲームの結果がはずれであるため、特図2普段処理に移行するために特図2普段処理の処理番号として「0」を設定し、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A5841)。そして、特図2表示中処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(A3213、A3315)の詳細について説明する。図39Aと図39Bは、ファンファーレ/インターバル中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特別変動入賞装置38、39の残存球をカウントする残存球カウンタが0であるか否かを判定する(A6001)。残存球カウンタが0でない場合に(A6001の結果が「N」)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。残存球カウンタが0である場合に(A6001の結果が「Y」)。初回の大当りラウンドであるか否かを判定する(A6002)。初回の大当りラウンドでない場合に(A6002の結果が「N」)、ステップA6010の処理に移行する。
遊技制御装置100は、初回の大当りラウンドである場合に(A6002の結果が「Y」)、普図始動ゲート34で遊技球の通過があったか否かを判定する(A6003)。普図始動ゲート34で遊技球の通過がない場合に(A6003の結果が「N」)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。即ち、右打ちが開始されて普図始動ゲート34に遊技球が通過するまで、大当りに関する処理(大入賞口開放中処理など)に移行しない。
遊技制御装置100は、普図始動ゲート34で遊技球の通過があった場合に(A6003の結果が「Y」)、即ち、右打ちが開始された場合に、大当りの開始に関する情報の設定を実行する(A6004−A6009)。まず、ラウンド数上限値テーブルを設定し(A6004)、ラウンド数上限値情報領域のラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値をラウンド数上限値テーブルから取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(A6005)。なお、本実施形態において、ラウンド数上限値は、10R、4Rである。
続いて、遊技制御装置100は、ラウンド数上限値情報領域のラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタをラウンド数上限値テーブルから取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(A6006)。そして、本実施形態では大当りで上大入賞口が開放されるため、上大入賞口不正入賞数領域をクリアし(A6007)、RWMの上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブし(A6008)、役物連続作動装置作動中信号のオン出力データを試験信号出力データ領域にセーブする(A6009)。
次に、遊技制御装置100は、ラウンド数領域のラウンド数を+1更新する(A6010)。なお、ラウンド数領域のラウンド数は、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理において0クリアされているため、今回の大当り動作開始前に0となっている。その後、大入賞口開放情報とラウンド数に対応するラウンドコマンドを演出コマンドとして準備し(A6011)、演出コマンド設定処理を実行する(A6012)。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大当り中処理制御ポインタ初期値を設定し(A6013)、RWMの大当り中処理制御ポインタ領域にセーブする(A6014)。ここで、一のラウンド中に大入賞口の開閉を繰り返すパターンの場合は、初期値として0を設定、一のラウンド中に大入賞口を1回だけ開くパターンの場合は、初期値としていきなり上限値(=21)を設定する。なお、開閉を繰り返すパターンの場合は初期値として0でなくても、0より大きく上限値未満の値でよい(即ち、途中の値から始める)。次に、大入賞口開放情報とラウンド数に対応する大入賞口開放時間を設定する(A6015)。
続いて、遊技制御装置100は、特定領域86(V入賞口)を開放させるレバーソレノイド86bを動作させるレバーソレノイド動作ラウンドであるか否かを判定する(A6016)。本実施形態では、レバーソレノイド動作ラウンドは、大当りラウンド1(第1回目の大当りラウンド)である。
遊技制御装置100は、レバーソレノイド動作ラウンドである場合に(A6016の結果が「Y」)、レバーソレノイド86bの動作データを設定する(A6017)。ここでは、確変大当り(10R又は4R確変大当り)の場合に長時間で、通常大当り(10R通常大当り)の場合に短時間(非常に短い時間)で、特定領域86を開放するように、レバーソレノイド86bの動作データを設定する。具体的には、レバーソレノイド制御ポインタ領域にデータを設定するとともに、レバーソレノイド制御タイマを0クリアする。一方、レバーソレノイド動作ラウンドでない場合に(A6016の結果が「N」)、レバーソレノイドの停止データを設定する(A6018)。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口開放中処理に移行するために処理番号として「4」を設定し(A6019)、特図1変動表示ゲームの大当りであるか否かを判定する(A6020)。特図1変動表示ゲームの大当りである場合(A6020の結果が「Y」)、この処理番号を特図1ゲーム処理番号領域にセーブし(A6021)、大入賞口開放時間を特図1ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A6022)。特図1変動表示ゲームの大当りでない場合(A6020の結果が「N」)、この処理番号を特図2ゲーム処理番号領域にセーブし(A6023)、大入賞口開放時間を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A6024)。
次に、遊技制御装置100は、上大入賞口開放開始に関する信号(特別電動役物1作動中信号のオンデータ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6025)、RWMの大入賞口ソレノイド出力データ領域に、上大入賞口ソレノイド39b(大入賞口ソレノイド2)をオンする上大入賞口オンデータをセーブし(A6026)、大入賞口カウント数をクリアし(A6027)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
なお、本実施形態では、上大入賞口だけを開放する大当りのみ存在するが、上大入賞口だけを開放する大当りと下大入賞口だけを開放する大当りの2タイプを設けてもよいし、上大入賞口と下大入賞口の両方を開放する大当りを設ける構成も可能である。
〔特図1大当り終了処理〕
次に、特図1ゲーム処理における特図1大当り終了処理(A3216)の詳細について説明する。図40は、特図1大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時間短縮判定データによるサブルーチンコールを実行する(A6101)。時間短縮判定データが時短なしのデータの場合に、大当り終了後に通常遊技状態に移行するために大当り終了設定処理1を実行し(A6102)、時間短縮判定データが時短ありのデータの場合に、大当り終了後に時短状態に移行するために大当り終了設定処理2を実行する(A6103)。
次に、遊技制御装置100は、特定領域86(V入賞口)を遊技球が通過したことを示す特定領域通過情報があるか否かを判定する(A6104)。なお、前述のように確変大当り(10R又は4R確変大当り)の場合の大当りラウンド1(第1回目の大当りラウンド)において、特定領域86は長時間開放され(A6017)、特定領域スイッチ72が特定領域86への遊技球の通過(V入賞)をほぼ確実に検出する(特定領域レギュラー通過)。そして、遊技制御装置100は、特定領域スイッチ72の検出信号があった場合に、特定領域86への遊技球の通過(V入賞)があったことを示す特定領域通過情報をRAMに保存可能である。
なお、通常大当り(10R通常大当り)の場合の大当りラウンド1でも、特定領域86はごく短時間だけ開放されるが、特定領域スイッチ72が特定領域86(V入賞口)への偶然の遊技球の通過(V入賞)を検出できることもある(特定領域イレギュラー通過)。この場合にも、遊技制御装置100は特定領域通過情報をRAMに保存可能である。
遊技制御装置100は、特定領域通過情報がない場合に(A6104の結果が「N」)、ステップA6106の処理に移行する。一方、特定領域通過情報がある場合に(A6104の結果が「Y」)、大当り終了後に確変状態(確率変動状態)に移行するために、大当り終了設定処理3を実行する(A6105)。なお、この場合に、大当り終了設定処理3で設定されたデータが大当り終了設定処理1、2で設定されたデータに対して上書きされ、大当り終了設定処理1、2で設定されたデータは無効になる。
次に、遊技制御装置100は、停電復旧時送信コマンド領域から確率情報コマンドをロードする(A6106)。なお、大当り終了設定処理1−3において、停電復旧時送信コマンド領域には、低確率又は高確率の確率状態や時短状態の有無を示す確率情報コマンドがセーブされている。
その後、遊技制御装置100は、特定領域イレギュラー通過があったか否かを判定する(A6107)。上述のように、特定領域イレギュラー通過(特定領域異常通過)とは、通常大当りの場合に、特定領域86を遊技球が通過することであり、特定領域レギュラー通過(特定領域正常通過)とは、確変大当りの場合に、特定領域86を遊技球が通過することである。例えば、通常大当りの場合に特定領域通過情報が生じていれば、特定領域イレギュラー通過があったと判定できる。なお、特定領域レギュラー通過だけでなく、特定領域イレギュラー通過があった場合でも、大当り終了後に確変状態(確率変動状態)に移行する。
遊技制御装置100は、特定領域イレギュラー通過があった場合に(A6107の結果が「Y」)、ロードした確率情報コマンドにイレギュラー確変情報を上乗せして含ませて(A6108)、この確率情報コマンドを演出コマンドとして設定するよう演出コマンド設定処理を実行する(A6109)。一方、特定領域イレギュラー通過がなかった場合に(A6107の結果が「N」)、ロードした確率情報コマンドをそのまま演出コマンドとして設定するよう演出コマンド設定処理を実行する(A6109)。
次に、遊技制御装置100は、特図1普段処理に戻るために処理番号として「0」を設定し(A6110)、特図1ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A6111)。そして、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(A6112)。ここでの大当りの終了に関する信号は、大当り1信号のオフデータと大当り3信号のオフデータである。
続いて、遊技制御装置100は、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6113)。ここでの大当りの終了に関する信号は、例えば、条件装置作動中信号のオフデータ、役物連続作動装置作動中信号のオフデータ、特別図柄1当り信号のオフデータ、特別図柄2当り信号のオフデータである。
次に、遊技制御装置100は、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブする(A6114)。続いて、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A6115)、特図ステータス領域をクリアする(A6116)。その後、特図2ゲームウェイト時間値を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A6117)、特図1大当り終了処理を終了する。
この特図2ゲームウェイト時間値は、強制終了した特図2変動表示ゲームの変動開始の判定(特図2ゲーム処理中の特図2普段処理)を、次回のタイマ割込み処理(図7)の時に遅らせるために設定するものである。ここでは、特図2ゲームウェイト時間値は、割込み周期の2倍の時間である8msec(即ち、特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブされる値としては2)である。
仮に、特図2ゲームウェイト時間値を設定しないとすると、特図1大当り終了処理が実行されている今回の特図1ゲーム処理(図7のA1313)の直後に行われる特図2ゲーム処理(図7のA1314)で、特図2変動表示ゲームの変動開始の判定が開始してしまうため(今回のタイマ割込み処理内で開始する)、特図1変動表示ゲームより特図2変動表示ゲームが先に開始することになり問題となる場合がある。なお、特図1大当り終了処理において特図1ゲーム処理タイマは設定していないので0のままとなっている。従って、特図1変動表示ゲームの変動開始の判定に関しては、次回のタイマ割込み処理(特図1ゲーム処理中の特図1普段処理)で行われる。
特図2ゲームウェイト時間値は、割込み周期の2倍の時間(8msec)に設定されるが、今回の特図1ゲーム処理の直後の特図2ゲーム処理(今回のタイマ割込み処理内で開始する)で特図2ゲーム処理タイマが−1更新(4msecの減少)するためである。次回のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理で、特図2ゲーム処理タイマがさらに−1更新(4msecの減少)して0になり(A3305の結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームの変動開始の判定(特図2ゲーム処理中の特図2普段処理)が行われる。これにより、特図1変動表示ゲームによる大当り状態終了後の次回のタイマ割込み処理内において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの変動開始の判定(特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理内)が行われ、開始条件(始動条件)が成立していれば、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に変動開始することができる。なお、前述のように、特図1変動表示ゲームが大当り状態中は、特図2変動表示ゲームははずれ図柄で停止している(強制終了しているか元々変動していない)。
なお、大当り状態終了後に、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームよりも先に開始しても特に遊技制御に問題が生じない場合には、ステップA6717の処理を省略して、特図2ゲームウェイト時間値を設定しなくてもよい。
〔特図2大当り終了処理〕
次に、特図2ゲーム処理における特図2大当り終了処理(A3318)の詳細について説明する。図41は、特図2大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
特図2大当り終了処理のステップA6201からA6216は、特図1大当り終了処理のステップA6101からA6116における「特図1」を「特図2」に置き換えたものであり、それぞれ、特図1大当り終了処理のステップA6101からA6116と同様の処理が行われるため、詳細な説明は省略する。
なお、特図2大当り終了処理において、特図1ゲームウェイト時間値を設ける必要はない。特図1ゲーム処理タイマと特図2ゲーム処理タイマは設定していないので0のままとなっており、次回のタイマ割込み処理において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの変動開始の判定(特図1ゲーム処理と特図2ゲーム処理内)が行われ、開始条件(始動条件)が成立していれば、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームが同時に変動開始することができるためである。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、特図1、2大当り終了処理における大当り終了設定処理1(A6102、A6202)の詳細について説明する。図42は、大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短状態なし(時短なし)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(A6301)。ここで、時短状態なしの開始に関する信号は、大当り2信号のオフデータである。時短状態なしの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6302)。ここで、時短状態なしの開始に関する信号は、特別図柄1高確率状態信号のオフデータ、特別図柄2高確率状態信号のオフデータ、特別図柄1変動時間短縮状態信号のオフデータ、特別図柄2変動時間短縮状態信号のオフデータ、普通図柄1高確率状態信号のオフデータ、普通電動役物1開放延長状態信号のオフデータである。
次に、遊技制御装置100は、遊技状態表示番号領域に時短状態なしの番号をセーブし(A6303)、普図ゲームモードフラグ領域に普図時短なしフラグをセーブして(A6304)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(A6305)。普図時短なしフラグは、普図変動表示ゲームの時間短縮変動状態(時短状態、普電サポート状態)でないことを示す。特図低確率&時短なしフラグは、大当りの確率が低確率で且つ時短状態(普電サポート状態)でないことを示す。
その後、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数領域を0クリアし(A6306)、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1のオフデータ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6307)。そして、右打ち中の表示LED(第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(A6308)、停電復旧時送信コマンド領域に低確率を示す確率情報コマンド(低確率)をセーブし(A6309)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、特図1、2大当り終了処理における大当り終了設定処理2(A6103、A6203)の詳細について説明する。図43は、大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブ(A6501)。ここで、時短の開始に関する信号は、大当り2信号のオンデータである。なお、大当り2信号のオンデータは、大当りのファンファーレ開始の際に外部情報出力データ領域にセーブされており(A5709、A5811)、大当り2信号のオンデータが大当り中から継続して外部情報端子71ひいては外部装置(ホールコンピュータなど)に出力されることになる。
次に、遊技制御装置100は、時短状態あり(時短あり)の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6502)。ここで、時短状態ありの開始に関する信号は、特別図柄1高確率状態信号のオフデータ、特別図柄2高確率状態信号のオフデータ、特別図柄1変動時間短縮状態信号のオンデータ、特別図柄2変動時間短縮状態信号のオンデータ、普通図柄1高確率状態信号のオンデータ、普通電動役物1開放延長状態信号のオンデータである。
続いて、遊技制御装置100は、遊技状態表示番号領域に時短状態ありの番号をセーブし(A6503)、普図ゲームモードフラグ領域に普図時短ありフラグをセーブして(A6504)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短ありフラグをセーブする(A6505)。普図時短ありフラグは、普図変動表示ゲームの時間短縮変動状態(時短状態、普電サポート状態)であることを示す。特図低確率&時短ありフラグは、大当りの確率が低確率で且つ時短状態(普電サポート状態)であることを示す。
次に、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数を記憶する時間短縮変動回数領域に初期値(例えば100)をセーブし(A6506)、停電復旧時送信コマンド領域に時短状態であることを示す確率情報コマンド(時短)をセーブし(A6507)、大当り終了設定処理2を終了する。
なお、大当り状態中から右打ちが有利となる右打ち状態であるため、大当り終了設定処理2では、右打ちに関する設定は行われない。
〔大当り終了設定処理3〕
次に、特図1、2大当り終了処理における大当り終了設定処理3(A6105、A6205)の詳細について説明する。図44は、大当り終了設定処理3の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブ(A6801)。ここで、時短の開始に関する信号は、大当り2信号のオンデータである。なお、大当り2信号のオンデータは、大当りのファンファーレ開始の際に外部情報出力データ領域にセーブされており(A5709、A5811)、大当り2信号のオンデータが大当り中から継続して外部情報端子71ひいては外部装置(ホールコンピュータなど)に出力されることになる。
次に、遊技制御装置100は、高確率&時短ありの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6802)。ここで、高確率&時短ありの開始に関する信号は、特別図柄1高確率状態信号のオンデータ、特別図柄2高確率状態信号のオンデータ、特別図柄1変動時間短縮状態信号のオンデータ、特別図柄2変動時間短縮状態信号のオンデータである。
次に、遊技制御装置100は、遊技状態表示番号領域に時短状態ありの番号をセーブし(A6803)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(A6804)。特図高確率&時短ありフラグは、大当りの確率が高確率で且つ時短状態(ここでは特図変動表示ゲームの時間短縮変動が実行される状態)であることを示す。
その後、遊技制御装置100は、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1のオンデータ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6805)。そして、右打ち中の表示LED(第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(A6806)、停電復旧時送信コマンド領域に高確率を示す確率情報コマンド(高確率)をセーブし(A6807)、大当り終了設定処理3を終了する。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、特図2ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(A3319)の詳細について説明する。図45は、小当りファンファーレ中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、下大入賞口開放の小当り開放中コマンドを演出コマンドとして準備し(A6901)、演出コマンド設定処理を実行する(A6902)。次に、処理番号として「8」を設定し(A6903)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし(A6904)、下大入賞口の開放時間として小当り開放時間(例えば1600msec)を特図2ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A6905)。
続いて、遊技制御装置100は、小当り動作の開始に関する信号(特別電動役物2作動中信号のオンデータ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6906)、大入賞口ソレノイド出力データ領域に下大入賞口オンデータをセーブする(A6907)。これにより、特図2変動表示ゲームの小当りでは下大入賞口(第1特別変動入賞装置38)が開放される。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口のカウントスイッチ(下大入賞口スイッチ38a及び/又は上大入賞口スイッチ39a)のカウント数(検出回数)を記憶する大入賞口カウント数領域をクリアし(A6908)、小当りファンファーレ中処理を終了する。
なお、本実施形態では、大入賞口が1回だけ開く小当り開放パターンだけであるが、大入賞口の開閉を繰り返す小当り開放パターンがあってもよい。また、処理番号として「8」を設定することにより、小当りファンファーレ中処理の終了後に、小当り中処理に移行できる。
〔特図2小当り終了処理〕
次に、特図2ゲーム処理における特図2小当り終了処理(A3322)の詳細について説明する。図46は、特図2小当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、特図2普段処理に戻るために処理番号として「0」を設定し(A7301)、特図2ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A7302)。続いて、小当りの終了に関する信号(特別図柄2小当り信号のオフデータ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A7303)、下大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(A7304)。さらに、ラウンドLEDポインタ領域に消灯の番号をセーブし(A7305)、特図ステータス領域をクリアする(A7306)。
次に、遊技制御装置100は、大当りの発生確率が低確率状態であり且つ時短なしの状態(普電サポートなしの状態)であるか否か、即ち、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)であるか否かを判定する(A7307)。特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)でない場合に(A7307の結果が「N」)、ステップA7310以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、特図低確率&時短なし中(通常遊技状態中)である場合に(A7307の結果が「Y」)、左打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1のオフデータ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A7308)、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A7309)、特図1変動表示ゲームが中断中であるか否かを判定する(A7310)。
遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームが中断中である場合(A7310の結果が「Y」)、飾り特図1再開コマンドを演出コマンドとして準備し(A7311)、演出コマンド設定処理を実行する(A7312)。飾り特図1再開コマンドを受信した演出制御装置300は、飾り特図1変動表示ゲームの再開の処理を実行できる。その後、特図1ゲーム中断フラグ領域をクリアし(A7313)、特図2小当り終了処理を終了する。特図1変動表示ゲームが中断中でない場合(A7310の結果が「N」)、飾り特図1再開コマンドを準備することなく、特図1ゲーム中断フラグ領域をクリアし(A7313)、特図2小当り終了処理を終了する
なお、特図2大当り終了処理(図41)と同じ理由により、特図2小当り終了処理において、ゲームウェイト時間値を設ける必要はない。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図47は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
その後、演出制御装置300は、計時手段としてのRTC(リアルタイムクロック)338から時刻の情報を読み込むRTC読込処理を実行する(B0009)。
RTC読込処理では、所定の周期(例えば1分おき)でRTC338から時刻の情報を読み込む構成としてもよく、ステップB0009へ処理が移行する度に時刻の情報を読み込む必要はない。また、演出制御装置300への電源投入(即ち遊技機10への電源投入)の際に、一度だけ、RTC読込処理を実行する構成としてもよい(RTC読込処理の位置を変えて、例えばステップB0003とB0004の間で実行してもよい)。演出制御装置300は、RAM内のタイマ領域に時刻を計時する時刻用タイマ(計時手段)を設定し、所定の周期でRTC338から時刻の情報を読み込んだ際又は電源投入時に一度だけRTC338から時刻の情報を読み込んだ際に、時刻用タイマをRTC338の時刻に合わせるよう調整してよい。そして、演出制御装置300は、RTC338に代えて、時刻用タイマを使用して各種処理を実行してもよい。このようにすれば、RTC338から時刻を読み込む処理の回数を低減でき、CPU311の負荷が減少する。
なお、RTC読込処理において、読み込んだ時刻が複数の所定時刻(第1所定時刻、第2所定時刻、・・・)のいずれかに合致する場合に、所定の演出を実行してよいが、複数の所定時刻の時間間隔を設定値に応じた確率で抽選することによって、遊技者はこの時間間隔から設定値を推定することができる。例えば、長い時間間隔の選択率が、設定値が大きいほど小さくなるように抽選されてよい。また、所定の演出を実行する実行期間を設定値に応じた確率で抽選することによって、遊技者は所定の演出の実行期間から設定値を推定することができる。例えば、長い実行期間の選択率が、設定値が大きいほど大きくなるように抽選されてよい。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0010)。続いて、遊技場(遊技店)の責任者や遊技者等によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0011)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制御処理を実行する(B0012)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報がQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。例えば、演出制御装置300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を表示装置41に表示できる。なお、演出ポイントに加算する値(加算値)を設定値に応じた確率で抽選することによって、遊技者は加算値から設定値を推定することができる。例えば、大きな加算値の選択率が、設定値が大きいほど大きくなるように抽選してよい。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B0013)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B0014)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図48にて後述する。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等の表示装置(表示手段)に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0015)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B0016)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B0017)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0017の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB0017の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B0017の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0018)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B0019)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0020)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44、枠演出装置)を制御する可動体制御処理を実行する(B0021)。可動体制御処理では、例えば、モータを駆動する役物動作演出を設定する。
そして、演出制御装置300は、前述のB0021の処理を終えると、B0008の処理に戻る。以降、B0008からB0021までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図48を参照して、上述したメイン処理(図47)における受信コマンドチェック処理(B0014)の詳細について説明する。図48は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y])、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図49にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y])、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図49を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図48)における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図49は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンを指令するコマンドであり、変動コマンド(変動開始情報設定処理で設定)がある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、当り系コマンドは、当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、大当りファンファーレコマンド(特図表示中処理で設定)、ラウンドコマンド(ファンファーレ/インターバル中処理で設定)、インターバルコマンド(大入賞口開放中処理で設定)、エンディングコマンド(大入賞口開放中処理で設定)、小当りファンファーレコマンド、小当り開放中コマンド(小当りラウンドコマンド)、小当り終了画面コマンド(小当りエンディングコマンド)などである。そして、MODE部が当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンド、飾り特図2コマンドがある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、先読み停止図柄コマンドがある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。なお、受信した時の大当り確率が低確率状態であれば先読み停止図柄コマンド(低確率)を使用して先読み図柄系コマンド処理を実行し、受信した時の大当り確率が高確率状態であれば先読み停止図柄コマンド(低確率)を使用して先読み図柄系コマンド処理を実行してよい。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、先読み変動パターンコマンドがある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図50を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図49)における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図50は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1302)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧コマンドを表すか否かを判定する(B1305)。そして、MODE部が停電復旧コマンドを表す場合には(B1305の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧コマンドを表していない場合には(B1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1307の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1312)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド、不正解除コマンド、状態オフコマンド、状態オンコマンドがある。状態オンコマンドとして、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号の発生(ガラス枠開放エラー)や、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号の発生(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)を示すコマンドがある。また、状態オフコマンドは、エラーの不発生を示す。
そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1316)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(特図表示中処理等で設定)を表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部がアウト球数を示すアウト球数コマンドを表すか否かを判定する(B1319)。そして、MODE部がアウト球数コマンドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、アウト球数受信時処理を実行し(B1320)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がアウト球数コマンドを表していない場合には(B1319の結果が「N」)、次に、MODE部がカウントのコマンド(大入賞口カウントコマンド)を表すか否かを判定する(B1321)。そして、MODE部が大入賞口スイッチのカウントのコマンドを表す場合には(B1321の結果が「Y」)、カウント情報設定処理を実行し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(B1321の結果が「N」)、MODE部が設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)を表すか否かを判定する(B1323)。設定値情報コマンドは、図6BのステップA1046の停電復旧時のコマンド及びステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドに含まれる。そして、MODE部が設定値情報コマンドを表す場合には(B1323の結果が「Y」)、設定値受信時処理を実行し(B1324)、単発系コマンド処理を終了する。設定値受信時処理では、設定値(確率設定値)をRAM等の記憶部に記憶するとともに必要な処理を実行する。
演出制御装置300は、MODE部が設定値情報コマンドを表していない場合には(B1323の結果が「N」)、MODE部が設定変更系のコマンドを表すか否かを判定する(B1325)。設定変更系のコマンドとして、例えば、確率設定変更中のコマンド(A1030)がある。そして、MODE部が設定変更系のコマンドを表す場合には(B1325の結果が「Y」)、設定変更系情報設定処理を実行し(B1326)、単発系コマンド処理を終了する。設定変更系情報設定処理では、設定変更系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定変更中のコマンドを受信した場合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更中であること報知する設定変更中表示を表示装置41に表示する。
演出制御装置300は、MODE部が設定変更系のコマンドを表していない場合には(B1325の結果が「N」)、MODE部が設定確認系のコマンドを表すか否かを判定する(B1327)。設定確認系のコマンドとして、例えば、確率設定確認中のコマンド(A1033)がある。そして、MODE部が設定確認系のコマンドを表す場合には(B1327の結果が「Y」)、設定確認系情報設定処理を実行し(B1328)、単発系コマンド処理を終了する。設定確認系情報設定処理では、設定確認系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定確認中のコマンドを受信した場合に、設定確認系情報設定処理では、遊技者に設定確認中であること報知する設定確認中表示を表示装置41に表示する。
次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1329)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンド(飾り特図1停止コマンド)と特図2の図柄停止コマンド(飾り特図2停止コマンド)がある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1329の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1330)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1330の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1331)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1332)、単発系コマンド処理を終了する。B1332の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」「小当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1329の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1330の結果が「N」)には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
その他、図50には記載されていないが、MODE部が飾り特図1中断コマンド(A5413)や飾り特図1再開コマンド(A7311)を表す場合には、演出制御装置300は、飾り特図1変動表示ゲームを中断したり再開したりする処理を実行してよい。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図51を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図49)における先読み図柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図51は、演出制御装置300によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報であるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマンドであるか否かを判定する(B1601)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合(B1601の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1602)。
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1601の結果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマンドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1603)。
演出制御装置300は、ステップB1602とB1603の後、先読み変動系コマンドの受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B1604)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信されるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図52を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図49)における先読み変動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。図52は、演出制御装置300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンドの受信待ち中であるか否かを判定する(B1701)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1604)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(B1701の結果が「N」)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1701の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1702)。
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2)の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1703)、先読み変動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(B1704)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1705)、先読み変動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT部を取得する(B1706)。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1707)。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、ACT部が共に0以外である場合(B1707の結果が「Y」)、変換後のMODE部とACT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセーブする(B1708)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B1709)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1710)。
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になければ長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンドMODE部に変換しておく。
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置300がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、ノーマルリーチ−1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担を軽減する。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1707の結果が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B1710の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B1710の結果が「Y」)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマンド領域からロードし(B1711)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を実行する(B1712)。先読み演出としては、例えば、連続予告演出(チャンス目先読み演出を含む)、先読みゾーン演出、保留変化予告などがある。続いて、最新保留の先読み演出(保留変化予告等)が発生するか否かを判定する(B1713)。最新保留の先読み演出が発生する場合(B1713の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応するポイント情報を設定する(B1714)。
次に、演出制御装置300は、発生する先読み演出(保留変化予告等)が直ちに開始する演出であるか否か判定する(B1715)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出である場合(B1715の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定する(B1716)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B1715の結果が「N」)、保留シフト時(保留表示の移動時、保留数減少時)の先読み演出に対応する表示を設定、保存する(B1717)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み演出が発生しない場合(B1713の結果が「N」)、又は、発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B1715の結果が「N」)、そのまま。先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図53を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図49)における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図53は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1802)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種別は、はずれ図柄や、図28に示した10R確変大当り図柄、4R確変大当り図柄、10R通常大当り図柄に対応する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図54を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図49)における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図54は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1905)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続予告演出の先読み演出回数(連続予告演出の残り回数)が0でなければ−1更新する(B1907)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図55を参照して、前述した変動系コマンド処理(図54)における変動演出設定処理(B1905)の詳細について説明する。図55は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B2001の結果が「Y」)、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、設定値(確率設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2003)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定値(確率設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2005)。
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。なお、予告の抽選確率は、設定値に依存することになる。続いて、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定値(確率設定値)に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B2009)。なお、予告の抽選確率は、設定値に依存することになる。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B2011)。そして、設定値(確率設定値、設定)を示唆するための設定示唆演出の内容を決定する(B2012)。その後、例えばリーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する停止図柄設定処理を実行する(B2013)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する。
次に、演出制御装置300は、設定示唆演出の表示設定を行う(B2014)。リーチ演出等の変動演出の表示設定を行い(B2015)、予告演出の表示設定を行う(B2016)。続いて、特図種別に対応する保留減少(保留シフト)の表示設定を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減る表示が設定される他、保留シフト時の先読み演出に対応する表示情報(B1717)等が読み出される(B2017)。続いて、スピーカの音声による演出態様(音出力態様)を定める音声番号、装飾装置の発光による演出態様を定める装飾番号を設定する(B2018)。装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)は、複数の装飾用発光部(装飾LED等)を有し、装飾番号で定められる発光態様(各LEDの色や発光タイミング等)で発光する。
なお、音声番号や装飾番号を、演出内容に基づいて設定するだけでなく、設定値(確率設定値)に応じた抽選確率で抽選して設定することも可能である。このようにすると、遊技者は、装飾装置の発光態様、即ち、装飾用発光部(LED)の発光態様から遊技機10の設定値(確率設定値)を推測することを楽しめる。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B2019)、第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄、識別情報)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B2020)。なお、第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置80のランプ表示部1、2(LED)、及び/又は、表示装置41で表示される。
〔当り系コマンド処理〕
次に、図56を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図49)における当り系コマンド処理(B1208)の詳細について説明する。図56は、演出制御装置300によって実行される当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表すか否かを判定する(B2101)。当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表す場合(B2101の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドが大当りファンファーレコマンド又は小当りファンファーレコマンドである場合、ファンファーレ演出を設定するためのファンファーレ演出設定処理を実行する(B2102)。なお、ファンファーレコマンドには、今回の大当りのラウンド数上限値の情報が含まれている。続いて、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファンファーレ中を設定し(B2103)、当り系コマンド処理を終了する。なお、ラウンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から判定される図柄種別からも得ることができる。
演出制御装置300は、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さない場合には(B2101の結果が「N」)、当り系コマンドのMODE部がラウンドを表すか否かを判定する(B2104)。MODE部がラウンドを表す場合(B2104の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがラウンドコマンド又は小当り開放中コマンドである場合、演出制御装置300は、ラウンド演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B2105、B2106)、当り系コマンド処理を終了する。
受信した当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B2104の結果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がインターバルを表すか否かを判定する(B2107)。MODE部がインターバルを表す場合(B2107の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御装置300は、インターバル演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(B2108、B2109)、当り系コマンド処理を終了する。なお、小当りで大入賞口が一回だけ開放される場合、即ち、小当りが1ラウンドである場合、インターバルコマンドはない。
受信した当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B2107の結果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がエンディングを表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B2110の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがエンディングコマンド又は小当り終了画面コマンドである場合、演出制御装置300は、エンディング演出を設定するためのエンディング演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B2111、B2112)、当り系コマンド処理を終了する。
なお、受信した当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B2110の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、当り系コマンド処理を終了する。
以下、図57から図66を参照して、第1実施形態に係る設定示唆演出について説明する。
〔設定示唆演出のタイムチャート〕
図57は、第1実施形態の遊技機10が行う設定示唆演出のタイムチャートである。本実施形態では、特図変動表示ゲームに関連して設定示唆演出を所定期間において複数回実行する場合について説明する。具体例として、始動入賞口36または普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると特図変動表示ゲームを開始し、ノーマルリーチ(1回目のリーチ)が発生する前に1回目の設定示唆演出(設定報知演出)を行い、ノーマルリーチの後、SPリーチが発生(発生しなくてもよい)後で特図変動表示ゲーム終了前に2回目の設定示唆演出を実行する場合について説明する。なお、複数回は、2回だけでなく、3回以上の回数であってもよい。
設定示唆演出は、表示装置41(図4)において、例えば、変動表示ゲームを表示する際に、例えば、キャラA、キャラB、キャラC(互いに識別可能な形状、色、模様を有するキャラクタ)を表示し、その表示個数により現在設定されている確率設定値を示唆可能とする演出であり、所定の確率(本実施形態では1/100程度)で発生するものである。また設定示唆演出は、変動表示ゲーム以外の他のタイミング(例えば、球切れエラーの解除時)でも発生するものである。
キャラAは、例えば、いわゆる奇数設定を示唆し、現在設定されている確率設定値が、確率設定値(1〜6)のうち、奇数の確率設定値(1,3,5)のいずれかであることを示唆(報知)するものである。なお、確率設定値領域に記憶される内部的な確率設定値1〜6が、各々、設定1〜6に対応する。
キャラBは、例えば、いわゆる偶数設定を示唆し、現在設定されている確率設定値が、確率設定値(1〜6)のうち、偶数の確率設定値(2,4,6)のいずれかであることを示唆(報知)するものである。
キャラCは、例えば、現在設定されている確率設定値が、確率設定値(1〜6)のうち、高設定(確率設定値(5,6))のいずれかであることを示唆(報知)するものである。
1回目の設定示唆演出では、キャラA、キャラB、キャラCがそれぞれ1〜3個表示される。2回目の設定示唆演出では、キャラA、キャラB、キャラCがそれぞれ1〜10個表示されるが、4〜10個が選択され易くなっている。例えば、キャラA、キャラB、キャラCの表示個数の差を1回目の場合よりも顕著にし、演出制御装置300(遊技制御装置100)が意図する設定示唆がどのキャラクタを用いて行われているか判断できるようにしてよい。
〔設定示唆演出の信頼度〕
図58は、第1実施形態の遊技機10が行う設定示唆演出の信頼度の一例を示す表である。図58は、あくまで例示するものであり、適宜変更可能である。
設定示唆演出においては、例えば、キャラA、キャラB、キャラCの個数により、そのキャラクタ(キャラ)による設定示唆演出の信頼度を設定することができる。キャラクタの個数を設定に応じた当選確率で抽選することによって、キャラクタの個数に応じた信頼度を設定できる。各個数への振り分けで抽選を行う場合には、当選確率は振り分け率(選択率)となる。各個数について振り分けでなく独立に抽選する場合には、重複当選することもあるが(例えば4個と7個に)、その場合にはいずれか一方の当選を選択する。
なお、設定示唆演出をキャラA、キャラB、キャラCのうち個数の最大のキャラクタのみによって行ってもよい(個数の最大でないキャラクタの数は設定に無関係に抽選し表示して設定示唆しないようにする)。
前述のように、1回目の設定示唆演出では、キャラA、キャラB、キャラCがそれぞれ1〜3個表示される。このため、キャラA〜Cの各々の個数として1個、2個、3個の場合が、それぞれ、設定に応じた当選確率で抽選される。
前述のように、2回目の設定示唆演出では、キャラA、キャラB、キャラCがそれぞれ1〜10個表示されるため、キャラA〜Cの各々の個数として1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個の場合が、それぞれ、設定に応じた当選確率で抽選される。なお、4〜10個が選択され易くなっているため、4〜10個の当選確率を1〜3個の当選確率よりも顕著に大きくする(極端には1〜3個の当選確率をゼロにする)。
図58に示すように、キャラA、キャラB、キャラCの表示個数がそれぞれ1つ増えるごとに信頼度が10%上昇するように設定され、10個表示されると信頼度を100%に設定することができる。例えば、1個、2個、3個のキャラCはどの設定でも満遍なく出現するもので、高設定の設定示唆の信頼度が低くなっている。
また、図58に示す信頼度には、キャラクタの表示総数と最も表示個数の多いキャラクタの表示個数との割合を掛け合わせることも可能である。
さらに、上記のように、本実施形態では、変動表示ゲーム中に設定示唆演出を複数回行うが、例えば、1回目と、2回目で特定のキャラクタが増加するように設定し、2回目の設定示唆演出では特定のキャラクタの増加量の大きさで(キャラクタの個数ではなく)、当該設定示唆の信頼度を報知してもよい。例えば、増加量の最も多いキャラクタによる設定示唆を演出制御装置300(遊技制御装置100)が意図する設定示唆演出とし、その増加量の大きさに基づいて当該設定示唆の信頼度を報知することも可能である。
なお、設定示唆演出の設定は、前記のように、変動演出設定処理(図55)のステップB2012及びステップB2014において行う。
〔大当りの期待度〕
図59は、第1実施形態の遊技機10が行う設定示唆演出と大当りとの関係を示す表の一例である。図59(A)に示すように、本実施形態では、設定示唆演出が発生した場合には「大当り」の期待度が高く設定され、発生しない場合には、低く設定されている。図59は、あくまで例示するものであり、適宜変更可能である。
「大当り」が発生する場合において、設定示唆演出の後に「大当り」が発生する割合を80%とし、設定示唆演出なしに「大当り」が発生する割合を20%に割り振っている。
逆に「はずれ」が発生する場合において、設定示唆演出の後に「はずれ」が発生する割合を1%とし、設定示唆演出なしで「はずれ」が発生する割合を99%としている。
これにより、設定示唆演出があった場合には、その後「大当り」が発生するという期待感を遊技者に与えることができ、また設定示唆演出が無くても「大当り」が発生することで遊技者に驚きを与えることができる。
図59(B)に示すように、設定示唆演出に登場するキャラクタの第1態様(例えば数、色)を変化させることで設定示唆を行い、キャラクタの第2態様(例えば大きさ)で大当りの期待度を報知することも可能である。上記のように、キャラA,キャラB、キャラCのうち最も表示個数が多いキャラクタにより演出制御装置300(遊技制御装置100)が意図する設定示唆演出を行うことが可能である。また、キャラA,キャラB、キャラCのうちいずれかのキャラクタが他のキャラクタと異なる色を有する場合は、当該異なる色を有するキャラクタにより演出制御装置300(遊技制御装置100)が意図する設定示唆演出を行うことも可能である。
「大当り」が発生する場合において、大きなキャラクタにより表示される設定示唆演出の後に「大当り」が発生する割合を50%とし、前記大きなキャラクタよりも小さなキャラクタにより表示される設定示唆演出の後に「大当り」が発生する割合を30%とし、設定示唆演出なしに「大当り」が発生する割合を20%としている。
逆に「はずれ」が発生する場合において、大きなキャラクタにより表示される設定示唆演出の後に「はずれ」が発生する割合を1%とし、前記大きなキャラクタよりも小さなキャラクタにより表示される設定示唆演出の後に「はずれ」が発生する割合を1%とし、設定示唆演出なしに「はずれ」が発生する割合を98%としている。
これにより、設定示唆演出があった場合には、その後「大当り」が発生するという期待感を遊技者に与えることができ、特に大きな表示のキャラクタにより設定示唆演出を行うことで、その期待感をさらに高めることができ、遊技の興趣を高めることができる。
〔画面遷移図〕
図60は、第1実施形態の遊技機10が行う設定示唆演出の画面遷移図である。ここでは、変動表示がノーマルリーチを経てSPリーチに発展する飾り特図変動表示ゲームを実行する際に設定示唆演出を実行する場合について説明する。設定示唆演出はノーマルリーチ前(1回目)とSPリーチ(SP3リーチ)発生時(2回目)に実行する。
図60の(A1)は、飾り特図変動表示ゲームを開始する際の表示画面である。表示装置41の中央部に変動表示領域610(左領域610A、中領域610C、右領域610B)が配置され、変動表示領域610において飾り停止図柄「6,1,2」が表示されている。また、表示装置41の右下隅には変動表示領域615が配置され、変動表示領域615において停止図柄「6,1,2」が表示されている。また、表示装置41の表示画面の右上隅の特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「3」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。
第1始動記憶を第1保留表示として表示する第1保留表示部630aにおいて保留表示633(第1保留表示)が右側に移動(保留シフト)するとともに、四角形枠の保留消化領域640に第1保留表示部630aの右端の保留表示633が移動する。第2始動記憶を第2保留表示(第2始動記憶表示)として表示する第2保留表示部630bには、現時点で、保留表示633は表示されていない。
その後、(A2)では、識別情報として飾り特別図柄(大図柄)の変動(↓↓↓)が変動表示領域610で実行中であり、識別情報として飾り縮小図柄(小図柄)の変動(↓↓↓)が変動表示領域615で実行中である。変動表示領域610の左領域610A、右領域610B、中領域610Cで、それぞれ、左図柄、右図柄、中図柄が変動している。また、実行中の特図変動表示ゲームに係る保留(この特図変動表示ゲームの実行権利となっていた始動記憶)を示す変動中保留表示633aが、保留消化領域640に表示されている。また、特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「2」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。
また、このとき、1回目の設定示唆演出として、表示装置41には、キャラA(クマ)、キャラB(カエル)、キャラC(トラ)がそれぞれ複数表示される。(A2)では、キャラAが2個、キャラBが2個、キャラCが1個表示されているが、現時点ではキャラAの設定示唆の信頼度が20%、キャラBの設定示唆の信頼度が20%、キャラCの設定示唆の信頼度が10%であり、どのキャラクタにより演出制御装置300(遊技制御装置100)が意図する設定示唆を行っているかはあまり明確ではない。
しかし、設定示唆演出が複数回行われることを知っている遊技者にとっては、次の設定示唆演出で信頼度の高い設定示唆が行われることが予見できるので、このように設定示唆が明確ではない設定示唆演出であっても遊技者を演出に注目させ遊技に集中させることができる。
なお、各キャラの表示位置は任意であり、静止画として表示してもよいし、各キャラの表情、及び表示位置が動く動画として表示してもよい。
次に、(A3)では、リーチ状態(ノーマルリーチ)となり、左図柄と右図柄が仮停止表示されるとともに1回目の設定示唆演出が終了する。なお、(A3)では、各キャラの表示を消去しているが、そのまま表示し続けても良い。また、このとき、文字表示755a「リーチ」が変動表示領域610の下に表示される。
その後、(A4)では、リーチが、ノーマルリーチの状態からSP3リーチに発展して、表示画面の中央でムービー演出(動画演出)が実行されるとともに、左図柄と右図柄が画面の上側の角に移動する。このとき、文字表示755a「リーチ」の表示は消失させてもよい。
また、SP3リーチへの移行とともに、2回目の設定示唆演出が実行される。ここでは、例えばムービー演出(動画演出)の周囲にキャラA、キャラB、キャラCを表示するとともに、1回目の設定示唆演出よりも多く表示する。(A4)では、キャラAが3個、キャラBが4個、キャラCが5個表示されている。なお、ここでは、最も表示個数の多いキャラCの個数(5個)により設定示唆を行う例を示し、キャラCの設定示唆(確率設定値が5か6のいずれか)の信頼度を50%として表示(設定)することができる。
また、最も表示個数の多いキャラCの個数(5個)とキャラクタの表示総数(3+4+5=12)との割合により、キャラCの設定示唆の信頼度を(5/12)×50%=20.8%として表示(設定)することもできる。このとき、キャラCによる設定示唆の信頼度がさらに高いことを報知するため、2回目の設定示唆演出において、キャラAまたはキャラBの表示個数を1回目よりも減少させるように抽選してもよい。
さらに、キャラCは、1回目に1個表示され、2回目に5個表示され、表示数が4個増加している。よって、例えば、1個当たりの信頼度の増加分を10%として、2回目のキャラCの設定示唆の信頼度を(個数に関係なく)増加量の4×10%とすることもできる。
その後、(A5)では、特図変動表示ゲームが終了するとともに設定示唆演出も終了し、大当りの飾り停止図柄「3,3,3」が変動表示領域610に表示され、大当りの停止図柄「3,3,3」が変動表示領域615に表示される。また、文字表示755b「大当り!!」が飾り停止図柄の下に表示される。また、このとき、保留消化領域640に表示されていた変動中保留表示633aが消失し、これにより保留が1つ完全に消化されたことを確認できる。
続いて、(A6)では、大当りのラウンド遊技が開始し、大当り状態(特別遊技状態)となるとともに、大当りラウンドの演出が開始される。なお、上記設定示唆演出(1回目、及び/若しくは、2回目)において、キャラA、キャラB、キャラCを図60に示す場合よりも大きく表示することにより、大当りの期待度がさらに高いことを報知(設定)するようにしてもよい。
〔設定示唆演出(第1変形例)のタイムチャート〕
図61は、第1実施形態の遊技機10が行う設定示唆演出の第1変形例のタイムチャートである。第1変形例では、ノーマルリーチが発生する前に所定回数(3回)の擬似変動からなる擬似連続演出が実行され、1回目の設定示唆演出が2回目の擬似変動中に発生し、2回目の設定示唆演出が3回目の擬似変動中に発生する。擬似連続演出と、擬似変動の所定回数は、例えば、変動演出設定処理(図55)のステップB2010で決定されてよい。なお、擬似連続演出は、1回の変動表示ゲームの開始から終了までの間に、飾り特別図柄(識別情報)を変動及び仮停止させる疑似変動を所定回数(所定ステップ)だけ行う演出である。
キャラA(赤)(図62A)は、いわゆる奇数設定を示唆し、例えば、現在設定されている確率設定値が、確率設定値(1〜6)のうち、奇数の確率設定値(1,3,5)のいずれかであることを示唆するものである。
キャラB(青)(図62A)は、いわゆる偶数設定を示唆し、例えば、現在設定されている確率設定値が、確率設定値(1〜6)のうち、偶数の確率設定値(2,4,6)のいずれかであることを示唆するものである。
キャラC(黄)(図62A)は、例えば、現在設定されている確率設定値が、確率設定値(1〜6)のうち、高設定(確率設定値(5,6)のいずれか)であることを示唆するものである。
第1変形例では複数のキャラクタによりキャラクタ群を形成して表示する群演出を実行する。キャラクタ群において、キャラA(赤)とキャラB(青)の総数を一定(または、ほぼ一定)にし、その割合によって、確率設定値が偶数または奇数である旨の設定示唆の信頼度を報知する。キャラクタ群において、さらにキャラC(黄)の個数で確率設定値が高設定「5,6」である旨の設定示唆の信頼度を報知する。なお、キャラAとキャラBは、色を変えるだけで形状は同じにしてよい。
キャラA(赤)とキャラB(青)は、排反事象である奇数設定と偶数設定を示唆するものであるから、総数を一定にし、キャラA(赤)とキャラB(青)の割合で設定示唆の信頼度を報知できる。
1回目の設定示唆演出では、例えばキャラA(赤):キャラB(青)の個数の比率を7:3とし、2回目の設定示唆演出では、キャラA(赤):キャラB(青)の個数の比率を9:1とすることで、確率設定値が奇数である奇数設定の設定示唆の信頼度を高めることができる。例えば、比率7:3では、奇数設定の信頼度は70%(偶数設定の信頼度は30%)になり、比率9:1では、奇数設定の信頼度は90%(偶数設定の信頼度は10%)になってよい。
また逆に、1回目の設定示唆演出では、例えばキャラA(赤):キャラB(青)の個数の比率を3:7とし、2回目の設定示唆演出では、キャラA(赤):キャラB(青)の個数の比率を1:9とすることで、確率設定値が偶数である偶数設定の設定示唆の信頼度を高めることも可能である。例えば、比率3:7では、偶数設定の信頼度は70%(奇数設定の信頼度は30%)になり、比率1:9では、偶数設定の信頼度は90%(奇数設定の信頼度は10%)になってよい。
さらに、1回目の設定示唆演出では、例えばキャラC(黄)の表示数を5個とし、2回目の設定示唆演出では、キャラC(黄色)の表示数を7個と増加させることで、確率設定値が高設定であるとする設定示唆の信頼度を高めることも可能である。
第1変形例では、1回目の設定示唆演出において、例えばキャラC(キャラA、キャラBでもよい)が表示されない場合、またはキャラA、キャラB、キャラCのいずれも表示されない場合は、大当りの期待度は低いものとして設定することが可能である。また、キャラA、キャラB、キャラCが全て表示されている場合は、大当りの期待度が高いものとして設定することも可能である。
また、キャラA、キャラB、キャラCの表示される大きさや色の変化に基づいて大当りの期待度が変化するように設定することも可能である。このように設定示唆演出を行うキャラクタが大当りの期待度が高いことを示す場合、保留消化領域640の変動中保留表示633aにおける大当りの期待度が高いことを示す表示態様変化とともに行ってもよいし、当該表示態様変化を禁止して遊技者が当該設定示唆演出に注目できるようにしてもよい。
〔画面遷移図(第1変形例)〕
図62Aは、第1実施形態の遊技機10が行う設定示唆演出の第1変形例の画面遷移図(前半)である。図62Bは、第1実施形態の遊技機10が行う設定示唆演出の第1変形例の画面遷移図(後半)である。
図62Aの(B1)は、図60の(A1)と同様である。図62Aの(B2)は、図60の(A2)と同様であるが、変動表示領域610で表示される変動表示は、擬似連続演出の1回目の擬似変動となっている。
そして、(B3)では、擬似連続演出の1回目の擬似変動(単演出)が終わって左図柄と右図柄が仮停止表示されるとともに、中領域610Cでは、擬似連続演出を示唆する擬似連図柄が停止表示される。また、これから開始する擬似変動の実行回数(擬似連回数)を示す文字表示752「擬似2回」が表示される。
その後、(B4)では、2回目の擬似変動が開始するとともに1回目の設定示唆演出(群演出)が行われる。例えば、(B4)に示すように、キャラA(星型★)、キャラB(星型☆)、キャラC(三角形△)による流星群が画面右から左に流れる映像が所定時間流れる。そして、当該映像が流れることにより大当りの期待度が高いことを報知することができる。
このとき、例えば、キャラA(赤)の表示個数とキャラB(青)の表示個数の割合は、7:3であり、奇数設定の設定示唆の信頼度がやや高い状態であることを報知している。また、キャラC(黄)も表示されているため、このキャラC(黄)の表示により高設定であることを所定の信頼度(図58でよい)により設定示唆することができる。なお、1回目の設定示唆演出(群演出)を行っている間、文字表示752「擬似2回」は表示したままでもよいし、消去してもよい。
次に、(B5)では、1回目の設定示唆演出(群演出)が終了する。また、(B5)においても文字表示752「擬似2回」は表示されたままでもよいし、消去されてもよい。なお、変動表示領域610において2回目の擬似変動が継続している。
そして、(B6)では、2回目の擬似変動が終了して左図柄と右図柄が仮停止表示されるとともに、中領域610Cでは、擬似連続演出を示唆する擬似連図柄が停止表示される。また、同時に、これから開始する擬似変動の実行回数(擬似連回数)を示す文字表示752「擬似3回」が表示される。
その後、図62Bの(B7)では、3回目の変動飾り特別図柄(大図柄)の擬似変動(↓↓↓)が変動表示領域610で所定時間実行される。
その後、(B8)では、2回目の設定示唆演出(群演出)が行われる。このとき、(B4)と同様に、キャラA、キャラB、キャラCによる流星群が画面右から左に流れる映像が所定時間流れる。しかし、今回は、キャラA(赤)の表示個数とキャラB(青)の表示個数の割合は、9:1であり、奇数設定であることを設定示唆する信頼度がさらに高くなっている。
また、キャラC(黄)の表示個数も5個から7個に増加しているので、その増加分だけ設定示唆の信頼度が高くなっていることを報知することができる(図58参照)。逆に2回目の設定示唆演出においてキャラC(黄)の表示個数が増加していない、または減少している場合は、キャラC(黄)の表示による設定示唆の信頼度それほど高くないことを報知することもできる。
次に、(B9)では、リーチ状態となり、左図柄と右図柄が仮停止表示され、設定示唆演出(群演出)が終了する。この場合は、擬似連続演出は終了しているため、中領域610Cに擬似連図柄は表示されない。また、文字表示755「リーチ」が、変動表示領域610の下に表示される。
その後、(B10)では、特図変動表示ゲームが終了し、変動表示領域610及び変動表示領域615に「はずれ」の停止図柄「3,1,3」が表示される。また、このとき、保留消化領域640に表示されていた変動中保留表示633aが消失し、これにより保留が1つ完全に消化されたことを確認できる。
〔設定示唆演出(第2変形例)のタイムチャート〕
図63は、第1実施形態の遊技機10が行う設定示唆演出の第2変形例のタイムチャートである。遊技機10においては、大当りの期待度の高い保留の入賞に基づいて所定の確率でキャラゾーン演出(例えば、表示画面全体を用いた予告演出)を行う場合があり、このキャラゾーン演出により大当りの期待度が高いことを報知することができる。
そこで、第2変形例では、キャラゾーン突入時に所定の確率で設定示唆演出を行い、設定示唆演出が登場することでキャラゾーンのみが発生する場合よりも大当りの期待度が高いことを報知する。
また、キャラゾーン突入のきっかけとなった保留が消化されるまでキャラゾーンは継続し、その間、保留消化とともに複数回の変動表示ゲームが行われる。このとき、当該変動表示ゲームを開始する毎に設定示唆演出を行うとともに、回を重ねるごとに設定示唆の信頼度を高めるようにしている。
このように、第2変形例では、キャラゾーン演出は、保留に基づく先読み演出(先読みゾーン演出)として複数回の特図変動表示ゲームに亘って実行されるもので、先読み変動系コマンド処理(図52)で設定される。なお、これに限られず、キャラゾーン演出は、実行中の特図変動表示ゲームの大当りの期待度が高い場合など所定の契機(タイミング)で発生して複数回の変動表示ゲームに亘って実行されるものでよく、変動演出設定処理(図55)などで設定されてよい。
第2変形例では、第1始動記憶(第2始動記憶でもよい)に既に3つの保留(保留3、保留2、保留1)を有する場合において、大当りの期待度の高い保留(保留0)が入賞し、保留3、保留2、保留1、保留0の順に保留が消化される場合を考える。
そして、保留3の消化の際に1回目の設定示唆演出を行い、保留2の消化の際に2回目の設定示唆演出を行い、保留1の消化の際に3回目の設定示唆演出を行い、保留0の消化の際に4回目の設定示唆演出を行う。
1回目の設定示唆演出では、例えば、奇数の確率設定値を設定示唆するキャラAが3個表示され、偶数の確率設定値を設定示唆するキャラBが2個表示され、高設定の確率設定値を示唆するキャラCは表示されない(0個表示される)。
2回目の設定示唆演出では、例えば、奇数の確率設定値を設定示唆するキャラAが3個表示され、偶数の確率設定値を設定示唆するキャラBが3個表示され、高設定の確率設定値を示唆するキャラCが1個表示される。
3回目の設定示唆演出では、例えば、奇数の確率設定値を設定示唆するキャラAが3個表示され、偶数の確率設定値を設定示唆するキャラBが5個表示され、高設定の確率設定値を示唆するキャラCが4個表示される。
4回目の設定示唆演出では、例えば、奇数の確率設定値を設定示唆するキャラAが3個表示され、偶数の確率設定値を設定示唆するキャラBが5個表示され、高設定の確率設定値を示唆するキャラCが7個表示される。
このように、特図変動表示ゲームの回数を重ねるごとに演出制御装置300(遊技制御装置100)が意図する設定示唆を行うキャラクタの表示個数を増加させている。図63では、キャラBの表示個数が増加してキャラAよりも多くなっているので、確率設定値が偶数である旨の設定示唆の信頼度が奇数である旨の設定示唆の信頼度よりも高いと判断できる。
また、キャラCの表示個数が0個、1個、4個、7個と特図変動表示ゲームの回数を重ねるごとに多くなるので、キャラCの表示態様(増加量)により高設定である旨の設定示唆の信頼度が高いことを報知することもできる。
逆にキャラCの表示個数が特図変動表示ゲームの回数を重ねても増加しない、または少なくなる場合は、キャラCの表示態様(減少量)により高設定である旨の設定示唆の信頼度が低いことを報知することもできる。
〔画面遷移図(第2変形例)〕
図64Aは、第1実施形態の遊技機10が行う設定示唆演出の第2変形例の画面遷移図(前半)である。図64Bは、第1実施形態の遊技機10が行う設定示唆演出の第2変形例の画面遷移図(後半)である。
図64Aの(C1)は、飾り特図変動表示ゲームを開始する際の表示画面であり、図60(A1)と同様に停止図柄が表示されている。特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「4」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。
(C1)において、第1始動記憶を第1保留表示として表示する第1保留表示部630aにおいて保留表示633(保留3)が右側に移動(保留シフト)するとともに、四角形枠の保留消化領域640に第1保留表示部630aの右端の保留表示633が移動する。
ここで、第1保留表示部630aに表示されている保留表示633(保留0)は、入賞時に大当りの期待度が高く設定示唆演出を行うものとして事前判定されたものである。これにより、保留表示633(保留0)は、他の保留とは色等を異なる表示態様に保留変化して期待度が高いことを報知しているが、当該表示態様は省略してもよい。
その後、(C2)では、図60の(A3)と同様の変動表示が行われるとともに、保留3の消化が開始される。このとき、実行中の特図変動表示ゲームに係る保留(保留3)を示す変動中保留表示633aが、保留消化領域640に表示されている。このとき、特図1保留数表示部650が表示する特図1保留数は「3」となっている。
また、保留3の消化を開始する際に、1回目の設定示唆演出を行うとともにキャラゾーンに突入し、表示装置41に表示されている背景(色、模様等)が変化する。
(C2)では、キャラA(クマ)が3個表示され、キャラB(カエル)が2個表示され、キャラC(トラ)は表示されない。
ところで、上記のように、保留表示633(保留0)は、入賞時に大当りの期待度が高く設定示唆演出を行うものとして事前判定されたものである。したがって、保留0が入賞した段階((C1)よりも前の段階)でキャラゾーンに突入することも可能である。しかし、保留3を消化するときにキャラゾーンに突入させることで、保留3に対する注目度を高めることができる。
その後(C3)では、1回目の変動表示ゲームが終了し、変動表示領域610及び変動表示領域615に「はずれ」の停止図柄「3,2,9」が表示される、また、変動中保留表示633aも消失することで保留3が消化済みとなる。このとき、キャラA、キャラBが、停止図柄「3,2,9」に重ならない位置に移動し、あるいは消去されることで1回目の設定示唆演出も終了する。
次に、(C4)では、(C2)と同様の変動表示が行われるとともに、保留2の消化が開始される。このとき、実行中の特図変動表示ゲームに係る保留(保留2)を示す変動中保留表示633aが、保留消化領域640に表示されている。このとき、特図1保留数表示部650が表示する特図1保留数は「2」となっている。
また、保留2の消化を開始する際に、2回目の設定示唆演出を行われ、キャラA(クマ)が3個表示され、キャラB(カエル)が3個表示され、キャラC(トラ)が1個表示される。
その後(C5)では、2回目の変動表示ゲームが終了し、変動表示領域610及び変動表示領域615に「はずれ」の停止図柄「5,7,8」が表示される、また、変動中保留表示633aも消失することで保留2が消化済みとなる。このとき、キャラA、キャラB、キャラCは、停止図柄「5,7,8」に重ならない位置に移動し、あるいは消去されることで2回目の設定示唆演出も終了する。
次に、(C6)では、(C2)及び(C4)と同様の変動表示が行われるとともに、保留1の消化が開始される。このとき、実行中の特図変動表示ゲームに係る保留(保留1)を示す変動中保留表示633aが、保留消化領域640に表示されている。また、特図1保留数表示部650が表示する特図1保留数は「1」となっている。
また、保留1の消化を開始する際に、3回目の設定示唆演出を行われ、キャラA(クマ)が3個表示され、キャラB(カエル)が5個表示され、キャラC(トラ)が4個表示される。
その後(C7)では、3回目の変動表示ゲームが終了し、変動表示領域610及び変動表示領域615に「はずれ」の停止図柄「4,2,1」が表示される、また、変動中保留表示633aも消失することで保留1が消化済みとなる。このとき、キャラA、キャラB、キャラCが、停止図柄「4,2,1」に重ならない位置に移動し、あるいは消去されることで3回目の設定示唆演出も終了する。
次に、(C8)では、(C2)、(C4)及び(C6)と同様の変動表示が行われるとともに、保留0の消化が開始される。このとき、実行中の特図変動表示ゲームに係る保留(保留0)を示す変動中保留表示633aが、保留消化領域640に表示されている。このとき、特図1保留数表示部650が表示する特図1保留数は「0」となっている。
また、保留0の消化を開始する際に、4回目の設定示唆演出を行われ、キャラA(クマ)が3個表示され、キャラB(カエル)が5個表示され、キャラC(トラ)が7個表示される。
その後(C9)では、4回目の変動表示ゲームが終了し、変動表示領域610及び変動表示領域615に「はずれ」の停止図柄「2,6,9」が表示される、また、変動中保留表示633aも消失することで保留1が消化済みとなり、これによりキャラゾーンは終了する。このとき、キャラA、キャラB、キャラCが消去されることで4回目の設定示唆演出も終了する。
〔その他の設定示唆演出〕
図65は、他の設定示唆演出の一例を説明する図である。図65のように、キャラクタに代えて、打ち方指示表示のうちの右打ち指示表示620によって、表示装置41で設定示唆演出が実行されてもよい。この場合に、右打ち指示表示620の個数が多いほど高設定の信頼度が高くなるようにしてよい。
また、特図変動表示ゲーム中以外でも、遊技者が表示装置41に注目し易いタイミングであれば設定示唆演出が実行されてよい。図65の例では、大当りのファンファーレの際など遊技状態が通常遊技状態から特別遊技状態に移行する際に、右打ち指示表示620によって設定示唆演出が実行される。このように、遊技者が注目し易いタイミングで設定示唆演出が実行されることによって、設定示唆演出の見逃しを防止できる。また、大当りのファンファーレの際に、右打ちによって普図始動ゲート34に遊技球を打ち出すように示唆する表示621「ゲートを狙え!!」も表示されている。
右側の遊技領域32に大当りのラウンド数上限値を選択する振分ゲートが設けられる場合に、普図始動ゲート34の代わりに、この振分ゲートを狙うことを表示621で表示してもよい。なお、振分ゲートを遊技球が通過するまで、大当りラウンドが開始しないため、設定示唆演出の見逃しをさらに防止できる。
図66は、他の設定示唆演出の別例を説明する図である。図66の例では、遊技者が故意に起こせずまた遊技を中断しなければならないようなエラー(ここでは球切れエラー)が発生した際に、設定示唆演出が実行される。このようにしても、遊技者が注目し易いタイミングで設定示唆演出が実行されることによって、設定示唆演出の見逃しを防止できる。
図66の(D1)で開始した飾り特図変動表示ゲーム中に、(D2)のように、シュート球切れスイッチ信号の検出による球切れエラーが発生し、エラー表示623「球切れエラー」が表示される。エラー表示623とともにキャラクタ625が表示されて、キャラクタ625の表示態様(表情)によって、高設定の信頼度が報知される。その後、(D3)のように、エラーが解除されたことを示すエラー解除表示627「エラーが解除されました」とともに、キャラクタ625が表示されて、キャラクタ625の表示態様(表情)によって、同様に高設定の信頼度が報知される。
[第1実施形態の作用・効果]
上記によれば、第1実施形態の遊技機10は、識別情報を変動表示させる変動表示ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備え、変動表示ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、遊技に関する設定に応じた設定値(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定キースイッチ93、RAM初期化スイッチ112)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定期間において、前記設定値に関する情報(確率設定値)を示唆する設定示唆演出を複数回実行可能である。
上記構成により、変動表示ゲーム等に関連して設定示唆演出を所定期間(例えば、一の変動表示ゲームの期間や複数の変動表示ゲームに亘る期間)において複数回実施することで、遊技者を演出に注目させて遊技に集中させることができるとともに遊技の興趣を高めることが可能である。
第1実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、一の変動表示ゲームにおいて、設定示唆演出を複数回実行可能である。
上記構成により、複数回の設定示唆演出が行われる一の変動表示ゲームに対する注目度を高めることで遊技者を演出に注目させることができるとともに、遊技に集中させることができる。
第1実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、複数の変動表示ゲームに亘って、設定示唆演出を複数回実行可能である。
上記構成により、ゾーン演出等、複数の変動表示ゲームに亘って行われる演出のタイミングに合わせて設定示唆演出を行うことで遊技者を演出に注目させるとともに、遊技に集中させることができる。
第1実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、後に実行される設定示唆演出の示唆の信頼度が、先に実行される設定示唆演出の示唆の信頼度よりも大きくなるように、複数回の設定示唆演出を設定する。
上記構成により、タイミングによって設定示唆の信頼度に差異を設けることによって、遊技者は演出を見ながら特定のタイミングで設定示唆の演出が出てくるかどうか待つ楽しみが生まれる。したがって、次に表れる設定示唆演出に対する期待感を高めることで遊技者を演出に注目させることができるとともに、遊技に集中させることができる。
第1実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、設定示唆演出を出現させることによって、変動表示ゲームの停止結果が特別結果となる期待度を報知可能であり、設定示唆演出の態様の変化(キャラクタ数の増加など)によって、設定示唆演出の示唆の信頼度を変化させる。
上記構成により、設定示唆演出を特別結果(大当り)の期待度に関連付けることで、確率設定値を気にせずに遊技を行っている遊技者であっても演出に注目させ、設定示唆演出の態様の変化を設定示唆の信頼度に関連付けることで遊技者を演出に注目させることができるとともに、遊技に集中させることができる。
第1実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、複数回の設定示唆演出において同一の種類の画像(キャラA、キャラB、キャラC)を表示装置41で表示することによって、複数回の設定示唆演出の演出態様を互いに関連付ける。
上記構成により、同一種類のキャラクタを設定示唆演出において複数回表示することで、複数回行われる設定示唆演出が互いに関連したものでありそれに注目することで設定示唆を把握できるようにすることで、遊技者を演出に注目させることができるとともに、遊技に集中させることができる。
また、第1実施形態の遊技機10は、識別情報を変動表示させる変動表示ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備え、変動表示ゲームの停止結果が特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、遊技に関する設定に応じた設定値(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定キースイッチ93、RAM初期化スイッチ112)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、設定値に関する情報(確率設定値)を示唆する設定示唆演出を実行可能であり、設定示唆演出を出現させることによって、変動表示ゲームの停止結果が特別結果となる期待度を報知可能であることを特徴とする。
上記構成により、特別結果(大当り)の期待度と関連づけられた設定示唆演出を行うことで、設定示唆演出の見逃しを防止することができる。
第1実施形態において、演出制御手段(演出制御装置300)は、キャラクタ(キャラA,キャラB,キャラC)を表示装置41に表示することによって、設定示唆演出を実行可能である。
上記構成により、簡易かつ識別容易な態様で設定示唆演出を行うことができる。
[第2実施形態]
図67から図75を参照して、第2実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第2実施形態は、設定可変状態(設定変更モード)における表示用確率設定値とその表示の仕方に関するものである。
〔作業用設定値、表示用確率設定値、演出制御情報〕
図67は、第2実施形態の遊技機10の作業用設定値と表示用確率設定値(設定例1,2,3,4)と演出制御情報(演出設定値、演出用設定値)との対応関係を示す表である。通常、遊技制御装置100は、6個の作業用設定値「0,1,2,3,4,5」(設定値)を保持し、これに対応して確率設定値(設定値に関する情報であって、大当り確率(及び小当たり確率)に対応する情報)「1,2,3,4,5,6」を備えている。しかし、遊技機10によっては、異なる確率設定値に対応する大当り確率(及び小当たり確率)が同じであり、表示用確率設定値の設定の種類を6個よりも少ない数にする場合がある。即ち、ホール関係者等の混乱を防止するため、遊技機10の内部で使用又は記憶される確率設定値が異なっても、同じ大当り確率(及び小当たり確率)であれば、大当り確率(及び小当たり確率)に対応付けられる表示用確率設定値を同じにする。同じ表示用確率設定値は、同じ大当り確率(及び小当たり確率)を意味する。
図67の設定例1では、作業用設定値0−5に対して表示用確率設定値として1−6がそれぞれ設定され、表示用確率設定値は互いに異なる値に設定されている。設定例2では、6個の作業用設定値に対応する表示用確率設定値を全て「1」に設定する場合を表している。設定例3では、作業用設定値「0」,「1」,「2」に対応する表示用確率設定値をそれぞれ「1」に設定し、作業用設定値「3」,「4」,「5」に対応する表示用確率設定値を「2」に設定する場合を表している。設定例4では、作業用設定値「0」,「1」に対応する表示用確率設定値をそれぞれ「1」に設定し、作業用設定値「2」,「3」に対応する表示用確率設定値をそれぞれ「2」に設定し、作業用設定値「4」,「5」に対応する表示用確率設定値をそれぞれ「3」に設定する場合を表している。
設定例1では、設定値変更スイッチとしてのRAM初期化スイッチ112を押すたびに表示用確率設定値が変化するので、作業者はRAM初期化スイッチ112の操作に遊技機10(遊技制御装置100)が反応していることを識別できる。
一方、設定例2では、作業用設定値の値に関わらず、いずれの表示用確率設定値も「1」であるため、RAM初期化スイッチ112を押す前後で表示用確率設定値の表示が「1」のままで変化はなく、作業者がRAM初期化スイッチ112の操作に対応して性能表示装置152(表示部)の表示が反応しているか否か識別できない。また、設定例3においても、作業用設定値を「0」から「1」、「1」から「2」、「3」から「4」、「4」から「5」にそれぞれ変更する際の操作に遊技機10(遊技制御装置100)が反応しているか否か識別できない。さらに、設定例4においても、作業用設定値を「0」から「1」、「2」から「3」、「4」から「5」にそれぞれ変更する際の操作に遊技機10(遊技制御装置100)が反応しているか否か識別できない。
そこで、本実施形態では、RAM初期化スイッチ112を押下する毎に、すなわち作業用設定値を変更する毎に、一時的に表示用確率設定値の表示をRAM初期化スイッチ112の押下前後とは異なる表示にすることで、RAM初期化スイッチ112の操作に遊技機10(遊技制御装置100)が反応しているか否か識別できるようにしている。
〔確率設定変更/確認処理〕
図68は、第2実施形態の遊技機10の確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態の確率設定変更/確認処理の手順は第1実施形態と類似するが、作業用設定値(及び表示用確率設定値)を変更する前後において、確率設定値表示データとして中間データ(中間情報)を性能表示装置152に送信(表示)することが特徴となっている。
図68に示すように、作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)の作業用設定値を「0」乃至「5」の範囲で+1更新するとともに、作業用設定値に対応して確率設定値領域の確率設定値1〜6を+1更新したのち(A2410)、確率設定値表示データとして中間データを確率設定値表示データ領域に設定し(A2411)、設定された確率設定値表示データ(中間データ)を出力する(A2412)。この場合、次の確率設定値表示データを出力する(A2404)まで、性能表示装置152は中間データに基づいた表示態様となる。なお、中間データを表示する時間が短く、作業者に認識できない場合には、確率設定値表示データ(中間データ)を出力したのち、所定時間遅延させるためのタイマーを作動させてもよい。
中間データの表示態様としては、4桁の性能表示装置152の各桁の数字等を表示するためのLED(発光部材:ここでは8セグメントa,b,c,d,e,f,g,Dp)を全て消灯させる表示態様(図69、図70)、LEDを全て点灯させる表示態様(図71)、LEDの一部の特定位置を点灯させる表示態様(図72)(表示用確率設定値を示す表示態様とは異なる)がある。
また、表示用確率設定値の表示はそのままにし、表示用確率設定値を表示する桁とは異なる桁の少なくともいずれかのLEDを発光させる表示態様もある(図73)。
また、設定変更中において、遊技制御装置100(図3)が性能表示装置152に送信(表示)する表示用確率設定値の情報には、表示用確率設定値を表示するLED(セグメントa,b,c,d,e,f,g)を点灯させる点灯パターンデータのみならず、当該LEDの右下にあるドット状のLED(セグメントDp)を点灯させるドットデータ(Dp=1)(付加情報)を包含させている。よって、中間データとしては、ドットも含め性能表示装置152を構成するLEDを全て消灯させる表示態様(図74)、セグメントDpの点灯を維持しつつそれ以外のLEDを全て消灯させる表示態様(図75)もある。
ところで、遊技制御装置100は、設定変更後の作業用設定値(確率設定値)の情報を演出制御装置300(図4)に送信し(図6B、A1044)、これを演出制御装置300が受信(図50、B1323)して演出設定値(演出用設定値)として利用できるようになっている。そして、演出制御装置300は、図67に示すように、作業用設定値「0」から「5」に対応した演出制御情報「1」から「6」を演出設定値として備えている。ここで、演出制御装置300は、演出設定値としての演出制御情報「1」から「6」に基づいて演出をそれぞれ異なる内容にすることができる。例えば、図55の変動演出設定処理では設定値に基づいて演出内容が設定されている。これにより、確率設定値を変更する毎に演出制御情報を変更して演出にバリエーションを与えることで遊技機10に対する興趣を向上させることができる。
〔性能表示装置の表示例〕
図69は、第2実施形態の遊技機10における設定例2の表示用確率設定値の表示態様を表す模式図である。図69における中間データは、性能表示装置152を構成するLEDを全て消灯させる表示態様を備えている。
また、確率設定値表示データは、性能表示装置152の桁3に「S」の文字、桁2に「E」の文字、桁1に「T」の文字がそれぞれ現れるように(「SET」の文字が現れるように)、そして桁0に現在の表示用確率設定値の値が現れるようにLEDが点灯する表示態様を備えている。また、確率設定値表示データは、桁1、桁2、桁3のLEDが消灯し、桁0(他の桁に表示させてもよい)に現在の表示用確率設定値の値が現れるようにLEDが点灯する表示態様を備えることもできる。
図69に示すように、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112がオンの状態で電源投入すると設定変更モード(設定可変状態)となる。この場合、遊技制御装置100のRAM111cの確率設定値領域に記憶された確率設定値(ここでは、「1」乃至「6」のいずれか任意の値で、前回の最終的な作業用設定値に1加えた値に相当する)が読み出され、性能表示装置152の桁3に「S」の文字、桁2に「E」の文字、桁1に「T」の文字がそれぞれ現れ、桁0において一種類の表示用確率設定値の値「1」が点灯表示され、全体として「SET1」の文字が点灯表示される。なお、設定可変状態(設定変更モード)に入ったときに作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)には、確率設定値領域から読み出した確率設定値に対応する値(確率設定値から1減算した値)が格納されてよい。
そして、RAM初期化スイッチ112を押下すると、作業用設定値の値が変更(例えば「0」から「1」)され、所定時間、性能表示装置152の全てのLEDが消灯する。または、「SET」の点灯を維持したまま表示用確率設定値「1」を一時消灯する表示態様としてもよい。
そして、当該所定時間経過後に、変更された作業用設定値(例えば「1」)に対応して変更後の表示用確率設定値「1」を包含する文字「SET1」(見た目の変化はない)が点灯表示される。
再び、RAM初期化スイッチ112を押下すると、作業用設定値の値が変更(例えば「1」から「2」)され、所定時間、性能表示装置152の全てのLEDが消灯する。
そして、当該所定時間経過後に、変更された作業用設定値(例えば「2」)に対応して変更後の表示用確率設定値「1」を包含する文字「SET1」(見た目の変化はない)が点灯表示される。
以上のように、作業者がRAM初期化スイッチ112を押下するたびに、表示用確率設定値「1」を包含する文字「SET1」が一時的に消灯してその後再点灯されるように識別でき、設定キースイッチ93をオフにすると全て消灯する。また、作業者がRAM初期化スイッチ112を押下するたびに、作業用設定値領域の作業用設定値が変更されるとともに、設定キースイッチ93をオフにすると最後に更新された作業用設定値に対応する確率設定値が確率設定値領域に記憶される。
図70は、第2実施形態の遊技機10の設定例2、又は設定例3の表示用確率設定値の表示態様を表す模式図である。
まず、図70において、表示用確率設定値が設定例3の場合であって設定変更開始時の作業用設定値が「1」の場合を便宜的に考える。
設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112がオンの状態で電源投入すると、性能表示装置152(桁0)には、作業用設定値「1」に対応する表示用確率設定値「1」を包含する文字「SET1」が点灯表示される。
そして、RAM初期化スイッチ112を押下すると、作業用設定値の値が変更(「1」から「2」)され、所定時間、性能表示装置152の全てのLEDが消灯する。
そして、当該所定時間経過後に、変更された作業用設定値(例えば「2」)に対応した変更後の表示用確率設定値「1」を包含する文字「SET1」(見た目の変化はない)が点灯表示される。
再び、RAM初期化スイッチ112を押下すると、作業用設定値の値が変更(「2」から「3」)され、所定時間、性能表示装置152の全てのLEDが消灯する。
そして、所定時間経過後に、変更された作業用設定値「3」に対応する表示用確率設定値「2」を包含する文字「SET2」が点灯表示される。これにより、作業者は、RAM初期化スイッチ112の押下により表示用確率設定値が「1」から「2」に変更されたことを視認できる。
以上のように、作業者がRAM初期化スイッチ112を押下するたびに作業用設定値の変更に伴って表示用確率設定値が(1→1→2→2→2→1→・・・)というように変更するとともに、表示用確率設定値の値が切り替わる際に一時的に消灯し、その後次の表示用確率設定値が表示され、設定キースイッチ93をオフにすると全て消灯する。
次に、図70において、表示用確率設定値が設定例4の場合であって設定変更開始時の作業用設定値が「0」である場合を便宜的に考える。
設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112がオンの状態で電源投入すると、性能表示装置152(桁0)には、作業用設定値「0」に対応する表示用確率設定値「1」を包含する文字「SET1」が点灯表示される。
そして、RAM初期化スイッチ112を押下すると、作業用設定値の値が変更(「0」から「1」)され、所定時間、性能表示装置152の全てのLEDが消灯する。
そして、当該所定時間経過後に、変更された作業用設定値「1」に対応した変更後の表示用確率設定値「1」を包含する文字「SET1」(見た目の変化はない)が点灯表示される。
再び、RAM初期化スイッチ112を押下すると、作業用設定値の値が変更(「1」から「2」)され、所定時間、性能表示装置152の全てのLEDが消灯する。
そして、当該所定時間経過後に、変更された作業用設定値「2」に対応した変更後の表示用確率設定値「2」を包含する文字「SET2」が点灯表示される。これにより、作業者は、RAM初期化スイッチ112の押下により表示用確率設定値が「1」から「2」に変更されたことを視認できる。その後、図示は省略するが、RAM初期化スイッチ112を2回押下すると、作業用設定値「4」に対応する表示用確率設定値「3」を包含する文字「SET3」が点灯表示される。
以上のように、作業者がRAM初期化スイッチ112を押下するたびに作業用設定値の変更に伴って表示用確率設定値が(1→1→2→2→3→3→1→・・・)というように変更される。また、表示用確率設定値の値が切り替わる際に全てのLEDが所定時間消灯し、その後次の表示用確率設定値が点灯表示される。さらに、設定キースイッチ93をオフにすると全てのLEDが消灯する。
図71は、第2実施形態の遊技機10における設定例2の表示用確率設定値の表示態様の第1変形例を表す模式図である。以後説明する変形例は、設定例2を例として説明するが、設定例1、設定例3、及び設定例4にも適用可能である。
第1変形例において、中間データは、図69(又は図70)とは逆に、性能表示装置152の桁3、桁2、桁1、桁0における全てのLEDが点灯表示される(少なくとも桁3、桁2、桁1のいずれかの桁が点灯表示されればよい)表示態様を備えている。一方、確率設定値表示データは、性能表示装置152の桁3、桁2、桁1においてLEDが全て消灯し(前記のように「SET」の文字を表示する態様としてもよい)、桁0において表示用確率設定値の表示を構成するLEDを点灯させる表示態様を備えている。
第1変形例における表示用確率設定値の表示態様は図70と同様に遷移する。一方、RAM初期化スイッチ112を押下すると、中間データにより、所定時間、桁3、桁2、桁1、桁0のLEDが全て点灯し、その後、変更後の表示用確率設定値が表示される。
よって、作業者がRAM初期化スイッチ112を押下する毎に、桁0の表示用確率設定値の点灯表示が所定時間消え、代わりに桁3、桁2、桁1、桁0の全てのLEDが所定時間点灯する。
図72は、第2実施形態の遊技機10における設定例2の表示用確率設定値の表示態様の第2変形例を表す模式図である。図72に示す第2変形例は、中間データの表示態様を除いて図69に示す表示態様と同様に遷移する。一方、中間データは、表示用確率設定値と同じ桁(桁0)に表示され、且つ変更前の表示用確率設定値及び変更後の表示用確率設定値とは異なる表示態様を備えている。
図72に示すように、中間データは、例えば、桁0のLED(セグメントg)のみを点灯させる表示態様を備えている。その他、第2変形例では、表示用確率設定値を示す表示以外の表示であればどのような表示態様でも適用できる。また、他の桁(桁3、桁2、桁1)にも中間データにより任意の表示を行うようにしてもよい。
よって、作業者がRAM初期化スイッチ112を押下する毎に、桁0の表示用確率設定値の点灯表示が所定時間消え、代わりに桁0の特定位置のLED(例えばセグメントg)が所定時間点灯する。
図73は、第2実施形態の遊技機10における設定例2の表示用確率設定値の表示態様の第3変形例を表す模式図である。図73に示す第3変形例は、中間データの表示態様を除いて図69に示す表示態様と同様に遷移する。一方、中間データは、表示用確率設定値が表示される桁(桁0)とは異なる桁(桁3、桁2、桁1)にも表示され、且つ桁0においては表示用確率設定値の表示が維持されている。すなわち、中間データは、全体として変更前の表示用確率設定値及び変更後の表示用確率設定値とは異なるが、表示用確率設定値を表示する桁においては変更前の表示用確率設定値の情報を共有する表示態様となっている。
第3変形例において、遊技制御装置100は、確率設定値表示データ領域に記憶されている表示用確率設定値(桁0)の情報と第3変形例に係る中間データ(桁3、桁2、桁1)を合成して当該合成データ(中間データ)を確率設定値表示データとして確率設定値表示データ領域に設定する(図68、A2411において実行される)。
図73に示すように、中間データとしては、桁3、桁2、桁1の全てのLEDが点灯する表示態様を備えており、合成データとしては、桁3、桁2、桁1において全てのLEDが点灯し、桁0において変更前の表示用確率設定値を表示するLEDが点灯する表示態様を備える。なお、確率設定値表示データは、桁0に確率設定値を点灯表示し、桁3、桁2、桁1は消灯する表示態様を備えているが、前記と同様に「SET」の文字を表示するようにしてもよい。
よって、作業者がRAM初期化スイッチ112を押下する毎に、桁3、桁2、桁1の全てのLEDが所定時間点灯し、且つその間の表示用確率設定値の点灯表示も維持される。
図74は、第2実施形態の遊技機10における設定例2の表示用確率設定値の表示態様の第4変形例を表す模式図である。図74に示す第4変形例は、表示用確率設定値(付加情報)による表示を除いて図69に示す表示態様と同様に遷移する。
第4変形例において、遊技制御装置100は、上記同様に、RAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93をオン状態にして遊技機10に電源投入することで設定可変状態(第1状態)となる。このとき、遊技制御装置100は、確率設定値表示データにドットデータ(Dp=1)(付加情報)を追加する。これにより、表示されている表示用確率設定値「1.」が設定変更中の暫定値であることを示すことができる。
一方、中間データとしては、性能表示装置152の全てのLEDが消灯する表示態様を備えている。よって、RAM初期化スイッチ112を押下するたびに性能表示装置152において桁3、桁2、桁1の「SET」を表示するLED、桁0の表示用確率設定値「1」を表示するLED、及び桁0のドットを表示するLED(セグメントDp)が所定時間消灯する。
なお、設定キースイッチ93をオフにすることにより設定終了状態(第2状態)となる。このとき、遊技制御装置100は設定変更後(確定後)の表示用確率設定値(ドットデータ(Dp=0)を含む)を示す確率設定値表示データ(桁3、桁2、桁1の「SET」を表示するLEDは消灯する表示態様を有する)を確率設定表示データ領域に設定することで、設定変更後の表示用確率設定値「1」を所定時間表示し、その後表示用確率設定値「1」の点灯表示を消灯する。
図75は、第2実施形態の遊技機10における設定例2の表示用確率設定値の表示態様の第5変形例を表す模式図である。図75に示す第5変形例は、中間データによる表示を除いて図74に示す第4変形例の表示態様と同様に遷移する。
一方、中間データとしては、桁3、桁2、桁1の「SET」を表示するLED及び桁0の表示用確率設定値を表示するLEDは消灯し、ドットデータ(Dp=1)(付加情報)を表示するLED(セグメントDp)が点灯する表示態様を備えている。よって、RAM初期化スイッチ112を押下するたびに性能表示装置152において桁3、桁2、桁1の「SET」の文字を表示するLED、及び桁0の表示用確率設定値を表示するLEDが消灯する一方、桁0のドットを表示するLED(セグメントDp)の点灯は維持される。したがって、操作に対応して性能表示装置152の表示が反応しており、且つ設定変更中であることが容易に識別できる。
[第2実施形態の作用・効果]
本実施形態は、ゲーム(始動条件の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)を備え、ゲームの結果が特別結果となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、遊技に関する設定に応じた設定値(作業用設定値、確率設定値)を変更可能な設定変更手段(RAM初期化スイッチ112、設定キースイッチ93)と、発光部材(LED)を発光させることによって設定値に関する情報(大当り確率に対応する情報、表示用確率設定値)を表示可能な表示部(性能表示装置152)と、を備え、設定変更手段は、設定値(作業用設定値)を変更するための第1のスイッチ(RAM初期化スイッチ112)を備え、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第1のスイッチ(RAM初期化スイッチ112)の操作に対応して設定値(作業用設定値)を変更するとともに変更後の設定値に関する情報(表示用確率設定値)を表示部(性能表示装置152)に表示可能とされ、設定値(作業用設定値)を変更する際に、変更前の設定値に関する情報(表示用確率設定値)及び変更後の設定値に関する情報(表示用確率設定値)とは異なる中間情報(中間データ)を表示部(性能表示装置152)に表示したのち、変更後の設定値に関する情報(表示用確率設定値)を表示部(性能表示装置152)に表示する。
上記構成により、確率設定値の変更の前後において一時的に変更前後の設定値に関する情報(表示用確率設定値)とは表示態様が異なる中間データが表示されるので、作業者は設定変更時の操作部(RAM初期化スイッチ112)の操作に対応して表示部(性能表示装置152)の表示が反応しているか否かを識別することができる。
本実施形態において、設定値に関する情報(表示用確率設定値)は、設定値(作業用設定値)によらず同一であり、且つゲームが特別結果となる確率値に対応する情報である。
上記構成において、操作部(RAM初期化スイッチ112)の押下の前後において設定値に関する情報(表示用確率設定値)に変更はないが、前記の中間データが表示されるので、操作部(RAM初期化スイッチ112)の操作に対応して表示部(性能表示装置152)の表示が反応しているか否かを識別することができる。
本実施形態において、中間情報(中間データ)は、発光部材(LED)を全て消灯させる情報、又は発光部材を全て点灯させる情報であることを特徴とする。
上記構成により、変更前の設定値に関する情報(表示用確率設定値)から変更後の設定値に関する情報(表示用確率設定値)への変更を容易に識別することができる。
本実施形態において、表示部(性能表示装置152)は、複数の桁を有し、中間情報(中間データ)は、設定値に関する情報(表示用確率設定値)を表示する桁とは異なる桁に表示される。
上記構成により、中間データの表示により表示部(性能表示装置152)が操作に反応していることを示すとともに設定値に関する情報(表示用確率設定値)は消去されないので設定値に関する情報(表示用確率設定値)の視認性の低下を回避することができる。
本実施形態において、表示部(性能表示装置152)は、設定値に関する情報(表示用確率設定値)と、設定値に関する情報(表示用確率設定値)とは異なる付加情報(Dp=1)と、を表示可能とされ、設定変更手段(RAM初期化スイッチ112、設定キースイッチ93)は、設定値(作業用設定値)の変更が可能である設定可変状態に移行させるための第2のスイッチ(設定キースイッチ93)を備え、第2のスイッチ(設定キースイッチ93)は、設定可変状態への移行を許容する第1状態と、設定可変状態を終了させる第2状態と、に状態を可変可能であり、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第1状態のときに設定値に関する情報(表示用確率設定値)とともに付加情報(Dp=1)を送信(表示)し、第2状態のときに付加情報の送信(表示)を停止させ(ドットデータ(Dp=0)を送信し)、中間情報(中間データ)は、付加情報(ドットデータ(Dp=1))を包含する。
上記構成により、設定変更中において操作部(RAM初期化スイッチ112)が押下されても設定変更中であることを示すLED(セグメントDp)の点灯が消灯することなく維持されるので、設定変更中を示す表示の信頼性を高めることができる。
本実施形態において、ゲームに関する演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、設定値(作業用設定値)に基づいて前記演出を制御し、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、変更後の設定値(最終的な作業用設定値、確率設定値)の情報を演出制御手段(演出制御装置300)に送信する。
上記構成により、変更後の設定値に対応する演出を実行できるため、演出にバリエーションを与えることで遊技機10に対する興趣を向上させることができる。
[第3実施形態]
図76から図80を参照して、第3実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態や第2実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態や第2実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第3実施形態は、設定変更状態における入力の受け付けに関するものである。
〔確率設定変更/確認処理〕
始めに、図76を参照して、第3実施形態に係る確率設定変更/確認処理について説明する。図76は、第3実施形態に係る確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。
第3実施形態に係る確率設定変更/確認処理には、第1実施形態に係る確率設定変更/確認処理に加えて、A2601及びA2602の処理が追加される。
遊技制御装置100は、第1実施形態に係る確率設定変更/確認処理で上述したようにステップA2401からステップA2410の処理を行った後、所定のスイッチの入力があるか否かを判定する(A2601)。所定のスイッチの入力は、例えば、始動口スイッチ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a)、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a〜35nの入力である。なお、所定のスイッチの入力には、特定領域スイッチ72、特別変動入賞装置38、39の大入賞口スイッチ43、残存球排出口スイッチ73、アウト球検出スイッチ74といった、インタフェースチップ(近接I/F)121に入力されるものを含めてもよい(図3参照)。
所定のスイッチの入力がある場合には(A2601の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、スイッチ入力に対応する処理を実行し(A2602)、確率設定変更/確認処理を終了する。
スイッチ入力に対応する処理では(A2602)、遊技制御装置100は、スイッチ入力があったことを示すスイッチ入力コマンドを演出制御装置300に送信する。また、演出制御装置300は、後述する単発系コマンド処理のステップB3302の処理によって遊技制御装置100からのスイッチ入力コマンドを受信することで、始動口LEDの点灯等を行う。同様に、遊技制御装置100は、第2ドライバ138bと第3ドライバ138cを介して一括表示装置50にオン/オフ駆動信号を出力して、一括表示装置50を点灯させるようにしてもよい。
他方で、所定のスイッチの入力がない場合には(A2601の結果が「N」)、遊技制御装置100は、そのまま確率設定変更/確認処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
図77は、第3実施形態に係る単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
第3実施形態に係る単発系コマンド処理には、第1実施形態に係る単発系コマンド処理に加えて、B3301及びB3302の処理が追加される。
演出制御装置300は、第1実施形態に係る単発系コマンド処理で上述したようにステップB1301からステップB1327の処理を行った後、MODE部が設定確認系のコマンドを表していない場合には(B1327の結果が「N」)、MODE部がスイッチ入力コマンドの範囲か否かを判定する(B3301)。演出制御装置300は、MODE部がスイッチ入力コマンドの範囲内である場合に、遊技制御装置100からスイッチ入力コマンドを受信していることになり、スイッチ入力があると判定する。
MODE部がスイッチ入力コマンドを表す場合には(B3301の結果が「Y」)、演出制御装置300は、スイッチ入力時処理を実行してから(B3302)、単発系コマンド処理を終了する。
スイッチ入力時処理では(B3302)、演出制御装置300は、スイッチ入力コマンドを受信することによって、始動口LEDを点灯、又は、表示装置41の表示画面にチェック項目表示を行う。演出制御装置300は、スイッチ入力コマンドを受信した際に装飾LEDを順次点灯させたり、可動役物やスピーカ19(上スピーカ19a、下スピーカ19b)を動作させてもよい。
他方で、MODE部がスイッチ入力コマンドを表さない場合には(B3301の結果が「N」)、演出制御装置300は、第1実施形態に係る単発系コマンド処理で上述したようにステップB1329以降の処理を進める。
〔ホール・遊技者設定モード処理〕
図78を参照して、前述したメイン処理(図47)におけるホール・遊技者設定モード処理(B0011)の詳細について説明する。図78は、第3実施形態に係るホール・遊技者設定モード処理の手順を示すフローチャートである。ホール・遊技者設定モード処理によって、ホール(遊技店)の責任者が遊技機10の各種設定を行えるホール設定モード、又は、遊技者が遊技機10の各種設定を行える遊技者設定モードを起動させることができる。
演出制御装置300は、まず、ホール設定モード中であるか否か判定する(B0401)。後述のホール設定モード中フラグが設定されている場合に、ホール設定モード中であると判定できる。ホール設定モード中である場合に(B0401の結果が「Y」)、B0406−B0416の処理を行って、ホール(遊技店)の責任者による演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a、タッチパネル25b)の操作に基づいて、各種設定や各種調整を行う。
演出制御装置300は、ホール設定モード中でない場合に(B0401の結果が「N」)、遊技者設定モード中であるか否か判定する(B0402)。後述の遊技者設定モード中フラグが設定されている場合に、遊技者設定モード中であると判定できる。遊技者設定モード中である場合に(B0402の結果が「Y」)、B0420−B0425の処理を行って、遊技者による演出ボタン25の操作に基づいて各種設定や各種調整を行う。
演出制御装置300は、遊技者設定モード中でない場合に(B0402の結果が「N」)、ホール設定モード開始条件が成立したか否か判定する(B0403)。例えば、客待ち中や設定変更状態中に、ホール設定モードに入るための演出ボタン25の操作が操作信号として演出ボタン入力処理(B0010)で検出された場合などに、ホール設定モード開始条件が成立したと判定できる。なお、客待ち中とは、例えば、表示装置41に客待ち用の映像(客待ちデモ)が表示されるような状態である。また、設定変更状態中において前面枠12(本体枠)が開放されているとき(前面枠開放エラーに関するエラー/不正系のコマンドを受信しているとき(B1316))に、演出ボタン入力処理(B0010)で演出ボタン25の操作が操作信号として検出された場合にホール設定モードに入るようにしてもよい。ホール設定モード開始条件が成立していない場合に(B0403の結果が「N」)、B0417の処理を実行する。
演出制御装置300は、ホール設定モード開始条件が成立した場合に(B0403の結果が「Y」)、ホール設定モードにおける表示装置41に対する画面描画(ホール設定画面の描画)を開始するための画面描画開始設定を行う(B0404)。そして、ホール設定モード中フラグを設定する(B0405)。
次に、演出制御装置300は、ホールの責任者による演出ボタン25の操作に基づいて、上スピーカ19a及び下スピーカ19bの音量を調整、設定するホール音量調整処理(B0406)、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの輝度を調整、設定するホールLED輝度調整処理(B0407)、表示装置41の表示部(液晶ディスプレイ等)の輝度を調整、設定する液晶輝度調整処理(B0408)、省電力の設定を行う省電力設定処理(B0409)を実行する。スピーカの音量、LEDの輝度、表示装置41の輝度に関する設定値や省電力の設定に関する設定値は、ホール設定モードにおける設定値となる。
次に、演出制御装置300は、ロゴ役物の発行色等を設定するロゴカラー設定処理を実行する(B0410)。そして、設定確定操作入力があったか否か判定する(B0411)。演出ボタン25の設定確定操作による操作信号が演出ボタン入力処理(B0010)で検出された場合に、設定確定操作入力があったと判定できる。設定確定操作入力がない場合に(B0411の結果が「N」)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。
演出制御装置300は、設定確定操作入力があった場合に(B0411の結果が「Y」)、工場出荷時の設定で確定したか否か判定する(B0412)。設定確定操作以外に演出ボタン25の操作がなかった場合に、工場出荷時の設定で確定したと判定できる。工場出荷時の設定で確定しなかった場合に(B0412の結果が「N」)、B0414の処理に進む。工場出荷時の設定で確定した場合に(B0412の結果が「Y」)、工場出荷時の設定で各種設定や各種調整を行う工場出荷時設定処理を実行する(B0413)。工場出荷時の設定は、ROM321等のメモリに記憶されているデフォルトの設定である。次に、B0406−B0410やB0413で決定された音量や各種輝度などのホール設定データ(又はホール調整データ)をバックアップメモリ(例えばFeRAM323)に書き込む(B0414)。
次に、演出制御装置300は、ホール設定モードにおける表示装置41に対する画面描画を終了するための画面描画終了設定を行う(B0415)。そして、ホール設定モード中フラグをクリアする(B0416)。
演出制御装置300は、ホール設定モード開始条件が成立していない場合に(B0403の結果が「N」)、遊技者設定モード開始条件が成立したか否か判定する(B0417)。客待ち中において、遊技者設定モードに入るための演出ボタン25の操作が操作信号として演出ボタン入力処理(B0010)で検出された場合などに、遊技者設定モード開始条件が成立したと判定できる。遊技者設定モード開始条件が成立していない場合に(B0417の結果が「N」)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。
演出制御装置300は、遊技者設定モード開始条件が成立した場合に(B0417の結果が「Y」) 、遊技者設定モードにおける表示装置41に対する画面描画を開始するための画面描画開始設定を行う(B0418)。そして、遊技者設定モード中フラグを設定する(B0419)。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作に基づいて、上スピーカ10a及び下スピーカ10bの音量を調整する遊技者音量調整処理(B0420)と、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの輝度を調整する遊技者LED輝度調整処理(B0421)を実行する。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25等の操作に基づいて演出をカスタマイズ(個別設定)する後述の演出カスタマイズ処理を実行する(B0422)。そして、設定確定操作入力があったか否か判定する(B0423)。設定確定操作入力がない場合に(B0423の結果が「N」)、ホール・遊技者設定モード処理を終了する。設定確定操作入力があった場合に(B0423の結果が「Y」)、遊技者設定モードにおける表示装置41に対する画面描画を終了するための画面描画終了設定を行う(B0424)。そして、遊技者設定モード中フラグをクリアする(B0425)。なお、B0420−B0421で決定された音量や輝度などの遊技者設定データ(又は遊技者調整データ)は、消えてもよいため、バックアップメモリに書き込まない。
なお、上記において、一旦ホール設定モード又は遊技者設定モードに入った後の描画更新設定(メニュー表示におけるハイライト項目の更新など)は、演出ボタン入力処理(B0010)の方で行うものとする。
〔設定変更中の遊技盤〕
図79は、第3実施形態に係る設定変更状態のときの遊技盤30の正面図である。
第3実施形態に係る遊技盤30(センターケース40を含む)には、図79に示すように発光可能な盤装飾装置46のLED(発光ダイオード)が、普図始動ゲート34の手前と、各一般入賞口35の手前と、にそれぞれ設けられる。普図始動ゲート34の手前に設けられるLEDは普図始動ゲートLED34Lであり、各一般入賞口35の手前に設けられるLEDは一般入賞口LED35Lである。
第3実施形態に係る演出制御装置300は、設定変更状態になると、確率設定変更中のコマンドを受信して、表示装置41の表示画面に設定変更状態であることが示す「設定変更中」という文字を表示させる(B1326の設定変更系情報設定処理)。
ここで、遊技制御装置100は、設定変更状態(設定可変状態、設定変更モード)であるときに、図76で上述したように確率設定変更/確認処理のステップA2601、A2602の処理で、設定値の変更に関する入力とは異なる入力であるゲートスイッチ34aや入賞口スイッチ35a〜35nからの入力を受け付け可能な制御手段として機能する。そして、遊技制御装置100は、ゲートスイッチ34aや入賞口スイッチ35a〜35nからの入力を受け付けると、受け付けた入力に対応するスイッチ入力コマンドを演出制御装置300に送信する。
そして、演出制御装置300は、図77の単発系コマンド処理のステップB3301、B3302の処理で、遊技制御装置100からのスイッチ入力コマンドを受信すると、当該スイッチ入力コマンドに対応する盤装飾装置46のLED(普図始動ゲートLED34Lや一般入賞口LED35L)を点灯または点滅させる。
したがって、設定変更状態のときに、普図始動ゲート34や各一般入賞口35に遊技球を通過または入賞させることによって、対応する普図始動ゲートLED34Lや一般入賞口LED35Lが点灯または点滅するので、簡単に動作チェックを行うことができ遊技機10のメンテナンス性を向上させることができる。その結果、例えば工場出荷時に遊技機10の動作確認を容易に行えるようになるので、初期不良の遊技機10を早期に検出できるようになる。
なお、演出制御装置300は、スイッチ入力コマンドに対応する盤装飾装置46のLED(普図始動ゲートLED34Lや一般入賞口LED35L)を点灯または点滅させた後、対応していない他のLEDを順番に点灯または点滅させてもよい。このような態様によれば、遊技制御装置100からいずれかのスイッチ入力コマンドを受信するだけで、種々の盤装飾装置46のLEDの動作チェックが簡単に行えるようになるので、遊技機10のメンテナンス性を向上させることができる。
また、遊技制御装置100は、ゲートスイッチ34aや入賞口スイッチ35a〜35nからの入力を受け付けたことに対応して、一括表示装置50の表示部51〜60(LEDランプ、特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示部53、特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59、ラウンド表示部60)を適宜点灯または点滅させてもよい。なお、遊技制御装置100は、受け付けた入力に対応する一括表示装置50の表示部(表示部51〜60のいずれか)を点灯または点滅させた後、全ての表示部(表示部51〜60)を点灯または点滅させて一括表示装置50の表示部51〜60全体の動作チェックが行えるようにしてもよい(A2602の処理)。また、一括表示装置50の表示部51〜60全体の動作チェックは、全点灯や全点滅する態様に限らず、正常に発光していることが確認しやすいように循環点灯する態様としてもよい。
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からのスイッチ入力コマンドを受信してスイッチ入力時処理(B3302)を行う際に、図79に示すように、表示装置41の表示画面にチェック表を表示してもよい。チェック表には、受け付けた入力に対応する各スイッチの項目に、例えば「○」という正常動作チェック済み表示が表示される。
なお、演出制御装置300は、遊技制御装置100が始動口スイッチ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a)の入力を受け付けることに対応して、図79に示すように、チェック表の始動口1や始動口2の項目に正常動作チェック済み表示(「○」)を表示してもよい。
また、第1始動入賞口36(始動口1、第1始動入賞領域)の手前に盤装飾装置46のLED(始動入賞口LED36L)を設けて、対応するスイッチ入力コマンドに合わせて当該LEDを点灯または点滅させるようにしてもよい。さらに、演出制御装置300は、対応するスイッチ入力コマンドに合わせて演出用装置としてスピーカ19(上スピーカ19a、下スピーカ19b)を動作させてもよい。その際、演出制御装置300は、例えば、ゲートスイッチ34aに対応するスイッチ入力コマンドを受信すると「普図始動ゲート!」と音声報知でき、入賞口スイッチ35a〜35nに対応するスイッチ入力コマンドを受信すると「一般入賞口!」と音声報知できる。
さらに、設定変更中において、遊技制御装置100が前面枠12等が開放していると出力される前面枠開放検出スイッチ64からの信号を受信して演出制御装置300にエラー/不正系のコマンドを送信しているときに、演出制御装置300が演出ボタン25の操作を受け付けると、演出制御装置300は、図78で上述したようにホール・遊技者設定モード処理のステップB0403の処理が成立したと判定する(B0403の結果が「Y」)。
そのため、演出制御装置300は、ステップB0404以降の処理を実行することになるので、設定変更中にホール設定を行えるようになる。このように、遊技制御装置100は、設定変更状態であるときに、前面枠開放検出スイッチ64からの信号を設定値の変更に関する入力とは異なる入力として受け付け可能な制御手段として機能する。また、演出制御装置300は、前面枠12等が開放した状態で演出ボタン25の操作を受け付けることで、設定変更状態中に設定値の変更に関する入力とは異なる入力としてホール設定に関する入力を受け付け、当該ホール設定の設定値(例えば、スピーカの音量、LEDの輝度など)を変更することができる制御手段として機能する。
〔設定変更中の遊技盤の別例〕
図80は、第3実施形態に係る設定変更中の遊技盤30の正面図の別例である。
別例の遊技盤30では、演出制御装置300は、図80に示すように、普図始動ゲートLED34L、一般入賞口LED35L、始動入賞口LED36Lに加えて、普図変動入賞LED37L、第1特別変動入賞LED38L、第2特別変動入賞LED39Lも発光させる。普図変動入賞LED37Lは、普通変動入賞装置37(始動口2、第2始動入賞口)の手前に設けられたLEDである。第1特別変動入賞LED38Lは第1特別変動入賞装置38の手前に設けられたLEDであり、第2特別変動入賞LED39Lは第2特別変動入賞装置39の手前に設けられたLEDである。
設定変更中の普通変動入賞装置37や第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39は、スライド開閉式の可動部材37bやアタッカ形式の開閉扉38c、39cによってそれぞれ閉じられている。
そこで、演出制御装置300は、例えば設定変更中に演出ボタン25等が押下されることに対応して、普図変動入賞LED37Lや第1特別変動入賞LED38Lや第2特別変動入賞LED39Lを点灯または点滅させることができる。なお、普図変動入賞LED37Lや第1特別変動入賞LED38Lや第2特別変動入賞LED39Lの点灯等は、順番に行ってもよく、同時に行ってもよい。
また、遊技制御装置100は、所定のスイッチの入力がある場合には(A2601の結果が「Y」)、可動部材37bや開閉扉38c、39cを開状態にして、普通変動入賞装置37や第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39に遊技球を直接入賞できる状態にしてもよい。
さらに、別例の遊技盤30では、演出制御装置300は、盤装飾装置46のLEDである上部演出ユニットLED40cLや側部演出ユニットLED40dLを発光させることができる。上部演出ユニットLED40cLは、上部演出ユニット40cに設けられるLEDである。側部演出ユニットLED40dLは、側部演出ユニット40dのキャラクタが持つ剣の刃部分に設けられるLEDである。演出制御装置300は、例えば設定変更中に演出ボタン25等が押下されることに対応して、上部演出ユニットLED40cLや側部演出ユニットLED40dLを点灯または点滅させる。なお、上部演出ユニットLED40cLや側部演出ユニットLED40dLの点灯等は、順番に行ってもよく、同時に行ってもよい。
このように、入賞口や入賞装置のLEDに加えて役物(装飾部材)のLEDも発光させることによって、役物(装飾部材)のLEDの動作チェックも簡単に行うことができ遊技機10のメンテナンス性を向上させることができる。なお、発光の際に演出用装置として可動役物等を可動させて可動役物等のモータが正常に動くか確認できるようにすることで、メンテナンス性をさらに向上させてもよい。
また、演出制御装置300は、例えば設定変更中に演出ボタン25等が押下されることに対応して、遊技領域32の右下側に設けられるランプ表示装置80(ランプ表示部1〜6(LED))を合わせて発光させてもよい。
[第3実施形態の作用・効果]
第3実施形態の遊技機10は、識別情報(識別情報、飾り特別図柄、飾り第1図柄A〜C、本特図)を変動表示させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の停止結果が特別結果(大当り結果)となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技状態)を発生可能である。遊技機10は、遊技に関する制御を行う制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)と、遊技条件に関する設定値を変更可能な設定変更手段(設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112)と、を備える。制御手段は、設定変更手段によって設定値が変更可能な設定変更状態(設定可変状態、設定変更モード)であるときに、当該設定値の変更に関する入力とは異なる入力を受け付け可能である。
このような遊技機10によれば、設定値が変更可能な設定変更状態であるときに、ホール設定や動作チェックといった遊技機10の管理やメンテナンスに関わる入力を制御手段が受け付け可能になるので、遊技機10の管理性やメンテナンス性を向上させることできる。
また、第3実施形態の遊技機10では、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、設定変更状態中に設定値の変更に関する入力とは異なる入力として所定の入力(前面枠開放検出スイッチ64からの信号と演出ボタン25からの信号)を受け付けると、当該設定変更状態中に設定値とともに当該設定値とは異なる設定値(ホール設定での設定値)も変更可能である。
このような遊技機10によれば、設定変更状態であるときに遊技条件に関する設定値とは異なる設定値としてホール設定の設定値等が変更可能になるので、遊技場(遊技店)の責任者によるメンテナンス性を向上させることができる。また、通常、設定変更状態には、遊技場(遊技店)の責任者の操作によって移行することになるので、設定変更状態のときにホール設定の設定値を変更可能にすることで、遊技場の責任者ではない者によって不必要にホール設定の設定値が変更されることを抑制することができる。
また、第3実施形態の遊技機10は、発光可能な発光装置(盤装飾装置46のLED(特に第1始動入賞口36と第2始動入賞口の手前のLED)に加えて、一括表示装置50の表示部51〜60)と、遊技領域32に設けられ、遊技球が入球又は通過可能な所定領域と、所定領域への遊技球の入球又は通過を検出可能な検出手段と、を備える。制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、異なる入力として検出手段からの入力を受け付けると、発光装置を発光させる。
このような遊技機10によれば、設定変更状態のときに、各種検出手段が正常に遊技球を検出できることと、各種発光装置が正常に発光することとを、簡単に動作チェックできるので、遊技機10のメンテナンス性を向上させることができる。
また、第3実施形態の遊技機10では、発光装置(盤装飾装置46のLED等、演出用装置)は、複数設けられる。制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)は、設定変更状態中に複数の発光装置の表示を所定の表示態様(例えば発光)に順番に変更可能である。
このような遊技機10によれば、例えば、演出制御装置300が遊技制御装置100からいずれかのスイッチ入力コマンドを受信するだけで、設定変更状態中に、種々の発光装置(盤装飾装置46のLED、演出用装置)の動作チェックが簡単に行えるようになるので、遊技機10のメンテナンス性を向上させることができる。
また、第3実施形態の遊技機10は、演出に関する表示を表示可能な演出用装置(表示装置41、盤装飾装置46、ランプ表示装置80等)と、遊技領域32に設けられ、遊技球が入球又は通過可能な所定領域(普図始動ゲート34、各一般入賞口35、第1始動入賞口36(第1始動入賞領域)、普通変動入賞装置37の第2始動入賞口(第2始動入賞領域)等)と、所定領域への遊技球の入球又は通過を検出可能な検出手段(ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a〜35n、始動口スイッチ等)と、を備える。制御手段は、異なる入力として検出手段からの入力を受け付けると、演出用装置の表示を所定の表示態様(LEDの発光、チェック表に正常動作チェック済み表示の表示)に変更可能である。
このような遊技機10によれば、例えば、設定変更状態のときに、所定領域として普図始動ゲート34や各一般入賞口35等に遊技球を通過または入球させることによって、対応する普図始動ゲートLED34Lや一般入賞口LED35Lが点灯または点滅させたり、表示装置41に通過または入球のチェック表を表示できるので、簡単に動作チェックを行うことができ遊技機10のメンテナンス性を向上させることができる。その結果、例えば工場出荷時に遊技機10の動作確認を容易に行えるようになるので、初期不良の遊技機10を早期に検出できるようになる。
また、第3実施形態の遊技機10は、演出を実行可能な演出用装置(表示装置41、盤装飾装置46のLEDに加えてスピーカ19、盤演出装置44(可動役物等)の上部演出ユニット40cや側部演出ユニット40d等)を備える。制御手段(演出制御装置300)は、設定変更状態であるときに、演出用装置を動作可能である。
このような遊技機10によれば、例えば、演出用装置として、盤装飾装置46のLEDの発光に加えてスピーカ19から音声を報知させ、発光の際に演出用装置として可動役物等を可動させることによって、設定変更状態であるときに、盤演出装置44のLEDの動作チェックとともにスピーカ19や可動役物等のモータの動作チェックも簡単に行うことができ遊技機10のメンテナンス性をさらに向上させることができる。
[第4実施形態]
図81から図86を参照して、第4実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第3実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第3実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第4実施形態は、特別遊技状態のときに停電が発生し、復電したときの遊技機10の動作に関するものである。
〔通常動作の特別遊技状態のときのタイミングチャート〕
始めに、図81を参照して、第4実施形態において、通常動作の特別遊技状態のときの信号出力等のタイミングについて説明する。図81は、第4実施形態に係る通常動作の特別遊技状態のときの信号出力等のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
まず、図81で示すように、時刻t1では、1回目の大当り(特別遊技状態)が発生すると、特図1表示中処理(図37)又は特図2表示中処理(図38)において外部情報出力データ領域にセーブされた大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号として、例えば、大当り1信号と大当り2信号とが出力される。この大当りの開始に関する信号は、外部情報として、外部情報端子71ひいては外部装置(ホールコンピュータなど)に出力されるものである。具体的には、大当り1信号および大当り2信号は、変動表示ゲームの停止結果(表示結果)が大当り結果(特別結果)となると出力開始される。なお、遊技機10の電源はオンにされた状態が維持されており、セキュリティ信号はオフとなっている。
大当り1信号は、特図1変動表示ゲームが大当りの場合には特図1表示中処理(図37)のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(A5714)で外部情報出力データ領域にセーブされ、又は、特図2変動表示ゲームが大当りの場合には特図2表示中処理(図38)のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(A5816)で外部情報出力データ領域にセーブされる。大当り2信号は、特図1変動表示ゲームが大当りの場合には特図1表示中処理(図37)のステップA5709で外部情報出力データ領域にセーブされ、又は、特図2変動表示ゲームが大当りの場合には特図2表示中処理(図38)のステップA5811で外部情報出力データ領域にセーブされる。
時刻t2で、1回目の大当りが終了すると、大当り1信号の出力はオフになる。具体的には、大当り1信号の出力は、特別遊技状態の終了、すなわちラウンド遊技後の大当り終了処理(図40、図41)によって大当りの終了に関する信号が外部情報出力データ領域にセーブされることで、オフになる。他方で、1回目の大当り終了後は時短状態(普電サポート状態、特定遊技状態)または確変状態(特定遊技状態、確率変動状態)となっており、大当り2信号の出力はオンの状態が維持される。
具体的には、大当り1信号のオフデータが、特図1変動表示ゲームによる大当りの終了の場合には、大当り1信号をオフにするため、特図1大当り終了処理(図40)のステップA6112で外部情報出力データ領域にセーブされる。また、大当り1信号のオフデータが、特図2変動表示ゲームによる大当りの終了の場合には、大当り1信号をオフにするため、特図2大当り終了処理(図41)のステップA6212で外部情報出力データ領域にセーブされる。
大当り2信号は、大当り終了後に時短状態となる場合には、大当り終了設定処理2のステップA6501で外部情報出力データ領域にセーブされ出力(オン状態)が継続する。また、大当り2信号は、大当り終了後に確変状態となる場合には、大当り終了設定処理3のステップA6801で外部情報出力データ領域にセーブされ出力(オン状態)が継続する。
続いて、時刻t3で、再度大当りが発生、すなわち2回目の大当りが発生すると、大当り1信号の出力がオンになる。
そして、時刻t4で、2回目の大当りが終了すると、大当り1信号の出力はオフになる。また、2回目の大当りは、通常大当り図柄(例えば10R通常大当り図柄)に対応するもので、時間短縮判定データが時短ありのデータであり、特定領域通過情報がないため(A6104の結果が「N」)(V入賞なし)、大当り終了設定処理2が実行される(A6103)。そのため、2回目の大当り終了後は時短状態(普電サポート状態)となる。
その後、時刻t5で、2回目の大当り終了後に時短状態における変動表示ゲームが、例えば100回に到達すると、時短状態での残りゲーム数(時間短縮変動回数)が0回となって時短状態が終了する。その際、大当り2信号の出力は、時間短縮変動回数更新処理のステップA5105において、大当り2信号のオフデータが外部情報出力データ領域にセーブされることで、オフになる。また、このように通常動作で特別遊技状態等を含む遊技が行われている場合、遊技機10の電源はオン状態が維持され、セキュリティ信号はオフのままである。
なお、上記と異なり、2回目の大当り終了後に確変状態になる場合には、転落抽選処理(図20)において転落抽選に当選した場合に確変状態が終了し、その際、大当り2信号の出力は、大当り2信号のオフデータが外部情報出力データ領域にセーブされることで(A3704)、オフになる。
〔特別遊技状態のときの停電後、正常復旧するときのタイミングチャート〕
図82を参照して、第4実施形態おいて、特別遊技状態のときに停電が発生し、復電で正常復旧するときの信号出力等のタイミングについて説明する。図82は、第4実施形態に係る特別遊技状態のときに停電が発生し、復電で正常復旧するときの信号出力等のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。なお、以下の図82から図86では、図81等で説明した内容と重複する内容について適宜省略して説明する。
時刻t1では、上述した図81と同様に、1回目の大当り(特別遊技状態)が発生すると、大当り1信号と大当り2信号とが出力される。また、セキュリティ信号は、オフ状態が維持される。
時刻t11で、1回目の大当り中(例えばラウンド遊技中)に停電が発生すると、図82に示すように、遊技機10の電源はオフになり、大当り遊技が中断される。また、遊技機10の電源がオフになったことに伴い、大当り1信号および大当り2信号もオフになる。
時刻t12で、復電(停電復旧)され遊技機10の電源がオンになると、メイン処理の停電復旧処理(A1045)によって遊技機10は停電前の状態に正常復旧される。大当り1信号および大当り2信号の出力状態(オン状態)は、停電時にRAMにセーブ(記憶)されており(A1057、A1058)、遊技制御装置100は、復電時に大当り1信号および大当り2信号の出力状態についてのセーブデータ(記憶情報)、すなわち大当り状態を内部に保持(維持)している。そのため、停電前にオン状態であった大当り1信号と大当り2信号はオン状態となり、1回目の大当り遊技が再開される。
時刻t13で、1回目の大当りが終了すると、大当り1信号の出力はオフになる。他方で、1回目の大当り終了後は時短状態(普電サポート状態)または確変状態(特定遊技状態、確率変動状態)となっており、大当り2信号の出力はオンの状態が維持される。
その後、時刻t14から時刻t16における2回目の大当りの発生以降の信号出力は、図81で上述した時刻t3から時刻t5における信号出力と同様になる。
なお、停電が、2回目の大当り中や時短状態または確変状態中に発生した場合も、同様に、大当り1信号および大当り2信号はオフになる。そして、復電され遊技機10の電源がオンになると、メイン処理の停電復旧処理(A1045)によって遊技機10は停電前の状態に正常復旧され、2回目の大当り、時短状態または確変状態を再開することができる。
〔特別遊技状態のときの停電後、メモリ異常が発生するときのタイミングチャート〕
図83を参照して、第4実施形態おいて、特別遊技状態のときに停電が発生し、復電でメモリ異常が発生するときの信号出力等のタイミングについて説明する。図83は、第4実施形態に係る特別遊技状態のときに停電が発生し、復電でメモリ異常が発生するときの信号出力等のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
時刻t1で、上述した図81等と同様に1回目の大当り(特別遊技状態)が発生して大当り1信号と大当り2信号とが出力された後、時刻t21で1回目の大当り中に停電が発生すると遊技機10の電源のオフとともに大当り1信号および大当り2信号もオフになる。
時刻t22で、復電され遊技機10の電源がオンになった際に、RAM(ここではRAM111c)のメモリ異常が発生すると、セキュリティ信号の出力がオンになる。具体的には、メイン処理でRAM異常フラグがセットされていると判定されることで(A1022の結果が「Y」)、セキュリティ信号のオンデータが出力される(A1026)。他方で、大当り1信号と大当り2信号は、セキュリティ信号以外の信号としてオフにされる(A1026)。また、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機して待機している間、割込みは禁止されたままであり(A1001)、特図1、2ゲーム処理や普図ゲーム処理を実行可能なタイマ割込み処理(図7)が実行できないため、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)は実行できない。このため、RAM異常の不正が遊技に反映されることを防止できる。
なお、停電時にRAMにセーブデータ(記憶情報)としてセーブ(記憶)された大当り1信号および大当り2信号の出力状態(オン状態)は、復電時に停電復旧処理で読み込まれる。したがって、正常復旧時には、大当り1信号および大当り2信号は、図83に破線で示すように出力されることができる。しかしながら、RAMのメモリ異常が発生しているので、遊技制御装置100は、図83の実線のようにセキュリティ信号をオンにする一方で、図83に破線で示すように保持している大当り1信号および大当り2信号を出力しない。
その後、時刻t23で、一度電源がオフされ、その後電源投入された際に設定キースイッチ93(設定キー)とRAM初期化スイッチ112が押下(オン)であると判定されると(A1021の結果が「Y」)、設定変更状態(設定変更モード、設定可変状態)に移行して、RAM異常のため確率設定値がクリアされ(A1028)、セキュリティ信号がオンにされる(A1034)。そして、設定キースイッチ93がオフにされ(A1036の結果が「Y」)、設定変更状態が終了すると、確率設定値以外のRAM領域の0クリア(RAMクリア)が行われ(A1042)、初期化される(A1043、A1044)。そのため、セキュリティ信号がオフにされるとともに、保持している大当り1信号および大当り2信号もオフにされる。さらに、遊技機10のメモリ異常が解消する。他方で、大当り状態もリセットされ、遊技機10は通常遊技状態となり、停止図柄もはずれ図柄になる。
なお、停電が、2回目の大当り中や時短状態または確変状態中に発生した場合も、同様に、メモリ異常が発生し、RAMクリアと初期化が行われて、遊技機10は通常遊技状態となる。
〔特別遊技状態のときの停電後、設定確認状態に移行するときのタイミングチャート〕
図84を参照して、第4実施形態において、特別遊技状態のときに停電が発生し、復電で正常復旧し設定確認状態(設定確認モード)に移行するときの信号出力等のタイミングについて説明する。図84は、第4実施形態に係る特別遊技状態のときに停電が発生し、復電で正常復旧し設定確認状態に移行するときの信号出力等のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
時刻t1で上述した図81等と同様に1回目の大当りが発生して大当り1信号と大当り2信号とが出力された後、時刻t31で1回目の大当り中に停電が発生すると遊技機10の電源のオフとともに大当り1信号および大当り2信号もオフになる。
時刻t32で、遊技機10の設定キースイッチ93がオンにされた状態(RAM初期化スイッチ112はオフ状態)で、復電され遊技機10の電源がオンになると、確率設定確認中フラグがセットされ(A1032)、遊技機10は確率設定値(設定値)を確認可能な設定確認状態に移行する(A1305)。
時刻t32で設定確認状態に移行すると、図84に示すように、セキュリティ信号が出力される(A2406)。他方で、大当り1信号と大当り2信号は、図83に実線で示すように、セキュリティ信号以外の信号としてオフにされる(A2406)。
なお、図83で上述したように、大当り1信号および大当り2信号の出力状態(オン状態)は、停電時にRAMにセーブされており(A1057、A1058)、復電時も図84に破線で示すように、大当り1信号および大当り2信号の出力状態(オン状態)に関するセーブデータが保持されている。
そして、時刻t33で、遊技機10の設定キースイッチ93がオフにされ(A1036の結果が「Y」)、停電復旧処理が行われると(A1045)、セキュリティ信号がオフになる。
また、停電時にRAMにセーブデータ(記憶情報)としてセーブ(記憶)された大当り1信号および大当り2信号の出力状態は、設定確認状態が終了した後、停電復旧処理にて読み込まれてオン状態になる。そのため、設定確認状態が終了すると、1回目の大当り遊技が再開される。そして、停電が発生せずに通常動作しているときの大当り遊技(特別遊技)と同じ回数のラウンドが同じ時間をかけて消化される。
時刻t34で、1回目の大当りが終了すると、大当り1信号の出力はオフになる。他方で、1回目の大当り終了後は時短状態(普電サポート状態)または確変状態(特定遊技状態、確率変動状態)となっており、大当り2信号の出力はオンの状態が維持される。
その後、時刻t35から時刻t36における2回目の大当りの発生以降の信号出力は、図81で上述した時刻t3から時刻t5における信号出力と同様になる。
なお、停電が、2回目の大当り中や時短状態または確変状態中に発生し、復電され設定確認状態に移行した場合、設定確認状態が終了すると、メイン処理の停電復旧処理(A1045)によって遊技機10は停電前の状態に正常復旧され、2回目の大当り、時短状態または確変状態を再開することができる。
〔特別遊技状態のときの停電後、設定変更状態に移行するときのタイミングチャート〕
図85を参照して、第4実施形態において、特別遊技状態のときに停電が発生し、復電で正常復旧し設定変更状態(設定変更モード、設定可変状態)に移行するときの信号出力等のタイミングについて説明する。図85は、第4実施形態に係る特別遊技状態のときに停電が発生し、復電で正常復旧し設定変更状態に移行するときの信号出力等のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
時刻t1で上述した図81等と同様に1回目の大当りが発生して大当り1信号と大当り2信号とが出力された後、時刻t41で1回目の大当り中に停電が発生すると遊技機10の電源のオフとともに大当り1信号および大当り2信号もオフになる。
時刻t42で、遊技機10の設定キースイッチ93がオンにされ、かつ、RAM初期化スイッチ112が押下(オン)された状態で、復電され遊技機10の電源がオンになると、確率設定変更中フラグがセットされ(A1029)、遊技機10は確率設定値(設定値)を変更可能な設定変更状態に移行する(A1305)。
時刻t42で設定変更状態に移行すると、図85に示すように、セキュリティ信号が出力される(A2406)。他方で、大当り1信号と大当り2信号は、図85に実線で示すように、セキュリティ信号以外の信号としてオフにされる(A2406)。
なお、図83で上述したように、大当り1信号および大当り2信号の出力状態(オン状態)は、停電時にRAMにセーブされており(A1057、A1058)、復電時も図85に破線で示すように、大当り1信号および大当り2信号の出力状態(オン状態)に関するセーブデータが保持されている。
そして、時刻t43で、遊技機10の設定キースイッチ93がオフにされると(A1036の結果が「Y」)、確率設定変更中フラグがセットされていることから(A1040の結果が「Y」)、確率設定値以外のRAM領域の0クリア(RAMクリア)が行われ(A1042)、初期化される(A1043、A1044)。そのため、セキュリティ信号がオフにされるとともに、保持している大当り1信号および大当り2信号もオフにされる。したがって、遊技機10は、設定変更状態が終了すると、正常復旧であるがRAMクリアが行われることによって大当り状態がリセットされて、通常遊技状態となり、停止図柄もはずれ図柄になる。
なお、停電が、2回目の大当り中や時短状態または確変状態中に発生した場合も、同様に、設定変更状態が終了すると、RAMクリアと初期化が行われて、遊技機10は通常遊技状態となる。
〔特別遊技状態のときの停電後、設定変更状態で電源オフにされるときのタイミングチャート〕
図86を参照して、第4実施形態において、特別遊技状態のときに停電が発生し、復電で正常復旧し設定変更状態(設定変更モード、設定可変状態)に移行してから電源がオフにされるときの信号出力等のタイミングについて説明する。図86は、第4実施形態に係る特別遊技状態のときに停電が発生し、復電で正常復旧し設定変更状態に移行してから電源がオフにされるときの信号出力等のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
時刻t1から時刻t52における1回目の大当りの発生から停電し、設定変更状態で復電されるときの信号出力は、図85で上述した時刻t1から時刻t42における信号出力と同様になる。なお、時刻t52で、設定変更状態に移行する際に、図85の時刻t42と同様に、確率設定変更中フラグがセットされる(A1029)。
その後、時刻t53で、設定変更状態のときに電源がオフにされると(または再度の停電になると)、セキュリティ信号の出力がオフになる。なお、図85に破線で示すように、図84までの破線と同様に、大当り1信号と大当り2信号の出力状態(オン状態)に関するセーブデータは保持されている。また、電源がオフにされることでRAMにセーブされたセーブデータは読み取れなくなるので、電源オフ時の大当り1信号と大当り2信号の破線はオフとしている。なお、確率設定変更中フラグはセットされたままになる(A1037の結果が「Y」、A1057、A1058)。
時刻t54で、RAM初期化スイッチ112がオンになっていない状態で(A1021の結果が「N」)、電源がオンにされると、確率設定変更中フラグがセットされていることから(A1023の結果が「Y」)、セキュリティ信号のオンデータが出力される(A1026)。他方で、大当り1信号と大当り2信号は、図86に実線で示すように、セキュリティ信号以外の信号としてオフにされる(A1026)。したがって、大当り1信号と大当り2信号は、図86に破線で示すようにRAM内にセーブデータとして出力状態(オン状態)が保持されているが、出力されることはない。また、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機して待機している間、タイマ割込み処理(図7)が実行できないため、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)は実行できない。このため、想定しない処理(設定変更状態において停電して復電される処理)が遊技に反映されることを防止できる。その後、図83の時刻t23と同様にRAMクリアされることで(A1042)、正常復旧されることができ、その際、大当り状態はリセットされる。
[第4実施形態の作用・効果]
第4実施形態の遊技機10は、ゲーム(例えば、特図変動表示ゲーム、変動表示ゲーム)の結果(停止結果)が特別結果(大当り結果)となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技状態)を発生可能な制御手段(遊技制御装置100)を備える。遊技機10は、遊技に関する情報が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段(遊技制御装置100のRAM)を備える。制御手段は、特別遊技状態の発生を契機に信号(大当り1信号)を出力可能であり、特別遊技状態の発生中に停電が発生した後、復電された際の再起動処理中に、保持記憶手段に記録された情報の異常を検出した場合には、当該異常を報知するためのセキュリティ信号を出力し、信号(大当り1信号)を出力しない。
このような遊技機10によれば、特別遊技状態の発生中に停電が発生した後、復電された際の再起動処理中に、保持記憶手段に記録された情報の異常を検出した場合には、特別遊技状態の発生を契機に出力される信号(大当り1信号)を出力せず、セキュリティ信号を出力するので、復電された際に遊技機に対する不正が行われていることを報知できる。不正の報知によって、遊技場(遊技店)の責任者は、不正に対する対策を取ることができる。
また、第4実施形態の遊技機10は、遊技条件に関する設定値(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(遊技制御装置100、設定キースイッチ93、RAM初期化スイッチ112)を備える。制御手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態(大当り遊技状態)の発生を契機に信号(大当り1信号)を出力可能であり、特別遊技状態の発生中に停電が発生した後、設定値が変更可能な設定変更状態(設定変更モード、設定可変状態)において停電して復電された際の再起動処理中に、異常を報知するためのセキュリティ信号を出力し、信号(大当り1信号)を出力しない。
このような遊技機10によれば、設定変更状態において停電して復電された際の再起動処理中に、特別遊技状態の発生を契機に出力される信号(大当り1信号)を出力せず、セキュリティ信号を出力するので、設定変更状態において想定しない処理が遊技機に対して行われていることを報知できる。この報知によって、遊技場(遊技店)の責任者は、想定しない処理(設定変更状態において停電して復電される処理)が遊技機に対して行われたことに対する対応を取ることができる。
また、第4実施形態の遊技機10は、ゲーム(例えば、特図変動表示ゲーム、変動表示ゲーム)の結果(停止結果)が特別結果(大当り結果)となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技状態)および特定遊技状態(時短状態、確変状態)を発生可能な制御手段(遊技制御装置100)を備える。遊技機10は、遊技に関する情報が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段(遊技制御装置100のRAM)を備える。制御手段は、特別遊技状態の発生を契機に信号(大当り2信号)を出力開始でき、当該特別遊技状態後の特定遊技状態が終了するまで当該信号を出力可能であり、特別遊技状態または特定遊技状態の発生中に停電が発生した後、復電された際の再起動処理中に、保持記憶手段に記録された情報の異常を検出した場合には、当該異常を報知するためのセキュリティ信号を出力し、信号(大当り2信号)を出力しない。
このような遊技機10によれば、特別遊技状態や特定遊技状態の発生中に停電が発生した後、復電された際の再起動処理中に、保持記憶手段に記録された情報の異常を検出した場合には、特別遊技状態の発生を契機に出力される信号(大当り2信号)を出力せず、セキュリティ信号を出力するので、復電された際に遊技機に対する不正が行われていることを報知できる。不正の報知によって、遊技場(遊技店)の責任者は、不正に対する対策を取ることができる。
また、第4実施形態の遊技機10は、遊技条件に関する設定値(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(遊技制御装置100、設定キースイッチ93、RAM初期化スイッチ112)を備える。制御手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態(大当り遊技状態)の発生を契機に信号(大当り2信号)を出力開始でき、当該特別遊技状態後の特定遊技状態(時短状態、確変状態)が終了するまで当該信号を出力可能であり、特別遊技状態または前記特定遊技状態の発生中に停電が発生した後、設定値が変更可能な設定変更状態(設定変更モード、設定可変状態)において停電して復電された際の再起動処理中に、異常を報知するためのセキュリティ信号を出力し、信号(大当り2信号)を出力しない。
このような遊技機10によれば、設定変更状態において停電して復電された際の再起動処理中に、特別遊技状態の発生を契機に出力される信号(大当り2信号)を出力せず、セキュリティ信号を出力するので、設定変更状態において想定しない処理が遊技機に対して行われていることを報知できる。この報知によって、遊技場(遊技店)の責任者は、想定しない処理(設定変更状態において停電して復電される処理)が遊技機に対して行われたことに対する対応を取ることができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態を組合せることも可能である。また、例えば、本発明を他の種類の遊技機(スロットマシンなど)に適用することもできる。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。