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JP6725302B2 - キーレスエントリーシステム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、キーレスエントリーシステム、及び車載機に関する。
車両に設けられた車載機と使用者が携帯する携帯機との間で無線通信を行い、車両のドアを施錠又は解錠するキーレスエントリーシステムが知られている。また、携帯機が車両に近づくと、車載機と携帯機との間で相互に通信が行われ、個々の携帯機に固有に設定されているIDの認証がなされることによって車両のドアを施錠又は解錠するパッシブキーレスエントリー装置も知られている。
パッシブキーレスエントリー装置に関して、携帯機が車両の外側にあるのか内側にあるのかを判別する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−266955号公報
悪意を持った第三者が、携帯機と車載機との間に、無線信号を中継する中継機を置いた場合、携帯機が車載機から遠く離れた位置にあっても、携帯機と車載機との間で相互に無線通信を行うことが可能となる。その結果、使用者が意図しないにもかかわらず、車両のドアが解錠される等の操作が行われるおそれがある。このように、中継機を介して、携帯機と車載機との間で無線通信を行わせることによって、車両を操作する手法は、リレーアタックと呼ばれている。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、不正行為によって車両が操作されることを防止することにある。
(1)本発明の一態様は、車載機と携帯機とを備えるキーレスエントリーシステムであって、前記車載機は、リクエスト信号を生成する第1の制御部と、複数の送信アンテナの各々から、前記第1の制御部によって生成されたリクエスト信号を順次送信する第1の送信部と、リクエスト信号に対する応答信号を受信する第1の受信部と、前記第1の受信部によって受信された応答信号に含まれるリクエスト信号の受信特性の履歴を記憶する記憶部とを備え、前記第1の制御部は、前記第1の受信部によって応答信号が新たに受信された場合に、該応答信号に含まれるリクエスト信号の受信特性と、前記記憶部に記憶している前記応答信号に含まれるリクエスト信号の受信特性の履歴とに基づいて、前記記憶部に記憶している前記受信特性の履歴に含まれる受信特性に対する新たに受信された前記応答信号に含まれる受信特性の変動量が閾値以下である場合にリレーアタックが無いと判定して、車両に所定の動作を行わせる判定し、前記携帯機は、前記車載機の複数の前記送信アンテナの各々によって順次送信される前記リクエスト信号を受信する第2の受信部と、前記第2の受信部によって受信される前記リクエスト信号に基づいて生成されるリクエスト信号の受信特性を含む応答信号を生成する第2の制御部と、前記第2の制御部によって生成された応答信号を送信する第2の送信部とを備える、キーレスエントリーシステムである。
)本発明の一態様は、上記のキーレスエントリーシステムにおいて、前記リクエスト信号の受信特性は、前記リクエスト信号の受信強度としてもよい。
)本発明の一態様は、上記のキーレスエントリーシステムにおいて、前記第1の制御部は、前記第1の受信部によって応答信号が新たに受信された場合に、該応答信号に含まれる複数の前記送信アンテナの各々から送信されるリクエスト信号の受信特性に基づいて推定される値と、前記記憶部に記憶される受信特性の履歴に基づいて推定される値とに基づいて、前記車両に所定の動作を行わせるか否かを判定するようにしてもよい。
)本発明の一態様は、上記のキーレスエントリーシステムにおいて、前記記憶部は、前記第1の受信部によって受信された応答信号に含まれる受信特性に基づいて推定される値の履歴を記憶し、前記第1の制御部は、前記第1の受信部によって応答信号が新たに受信された場合に、該応答信号に含まれる複数の前記送信アンテナの各々から送信されるリクエスト信号の受信特性に基づいて推定される値と、前記記憶部に記憶される推定される値の履歴とに基づいて、前記車両に所定の動作を行わせるか否かを判定するようにしてもよい。
)本発明の一態様は、上記のキーレスエントリーシステムにおいて、前記第2の制御部は、前記第2の受信部によって受信される前記リクエスト信号に基づいて推定される値を含む応答信号を生成し、前記記憶部は、前記第1の受信部によって受信された応答信号に含まれる推定される値の履歴を記憶し、前記第1の制御部は、前記第1の受信部によって応答信号が新たに受信された場合に、該応答信号に含まれる推定される値と、前記記憶部に記憶した推定される値の履歴とに基づいて、前記車両に所定の動作を行わせるか否かを判定するようにしてもよい。
)本発明の一態様は、上記のキーレスエントリーシステムにおいて、前記推定される値は、基準位置からの距離、携帯機の位置、及び基準位置からの方向のいずれかであってもよい。
本発明の実施形態によれば、不正行為によって車両が操作されることを防止することができる。
図1は、実施形態に係るキーレスエントリーシステムの概要図である。 図2は、実施形態に係るキーレスエントリーシステムのブロック図である。 図3は、実施形態に係る車載機によって送信されるリクエスト信号の一例を示す図である。 図4は、履歴情報の一例を示す図である。 図5は、実施形態に係る携帯機によって送信される応答信号の一例を示す図である。 図6は、実施形態に係るキーレスエントリーシステムの動作の一例を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
<第1実施形態>
<キーレスエントリーシステムの構成>
図1は、第1実施形態に係るキーレスエントリーシステムを搭載する車両の概要を示す。キーレスエントリーシステムは、携帯機200と車載機とを備える。携帯機200は使用者に携帯され、車載機は車両2に設置される。
車載機は、5本の送信アンテナと1本の受信アンテナとを備える。図1に示される例では、右のフロントドアのドアアウターハンドルの近傍に送信アンテナ102aが設けられ、左のフロントドアのドアアウターハンドルの近傍に送信アンテナ102bが設けられ、リアゲートドアのドアアウターハンドルの近傍に送信アンテナ102cが設けられる。さらに、車室内において、運転席と助手席との間に送信アンテナ102d、及び受信アンテナ106が設けられ、ダッシュボードの部分に送信アンテナ102eが設けられる。さらに、車室内において、運転席と助手席との間に車載機の回路部100aが設けられる。以下、送信アンテナ102a−送信アンテナ102eを区別しない場合は、送信アンテナ102と記載する。
携帯機200と車載機とが無線通信を行うことによって、認証や、車両2に所定の動作を行わせる指令等が行われ、車両2は所定の動作を実行する。例えば、車両2には、エンジンのスタート、ストップあるいはドアの施解錠等を行うための操作スイッチが設けられ、該操作スイッチが押されることによって所定の動作を行わせることができる。使用者によって操作スイッチが押されると、複数の送信アンテナ102の各々から、リクエスト信号が順次送信され、該リクエスト信号を順次受信した携帯機200は該リクエスト信号の受信強度(RSSI: Received Signal Strength Indication, Received Signal Strength Indicator)等の受信特性を測定する。携帯機200は、複数の送信アンテナ102の各々から送信されるリクエスト信号の受信特性を表す情報と携帯機200のID(以下、「認証ID」という)とを含む応答信号を生成し、該応答信号を車載機へ送信する。
車載機は、該車載機が搭載された車両を操作可能な1又は複数の携帯機のID(以下、「登録ID」という)と、携帯機200によって送信される応答信号に含まれる受信特性の履歴情報とを記憶している。車載機は、携帯機200によって送信された応答信号を新たに受信すると、その応答信号に含まれている認証IDと、受信特性とを取得する。車載機は、認証IDと登録IDとを照合する。認証IDと登録IDとを照合した結果、認証IDが登録IDに含まれる場合に、車載機は、応答信号に含まれている受信特性と、記憶している受信特性の履歴とに基づいて、操作スイッチが押されることによって要求された動作を車両2に行わせるか否かを判定する。
以下、所定の動作の一例としてエンジンを始動する動作を適用し、受信特性の一例として受信強度を適用した場合について説明する。さらに、操作スイッチの一例としてエンジンスタートスイッチを適用する。
<キーレスエントリーシステムの構成>
図2は、実施形態に係るキーレスエントリーシステムを構成する車載機100、及び携帯機200の一例を示す。車載機100と携帯機200とは、無線通信を行うことによって接続される。車載機100によってリクエスト信号30が送信され、携帯機200によって該リクエスト信号に対する応答信号40が送信される。
<車載機の構成>
車載機100は、送信アンテナ102(102a、102b、102c、102d、102e)と、受信アンテナ106と、回路部100aとを備える。回路部100aには、送信部104と、受信部108と、制御部110と、記憶部112とが含まれる。制御部110には、エンジン始動部302と、ドア施解錠部304と、エンジンスタートスイッチ306とが接続されている。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置を備える。制御部110には、使用者によってエンジンスタートスイッチ306が押されることによってエンジン始動要求が供給される。制御部110は、エンジンスタートスイッチ306からエンジン始動要求が供給されると、リクエスト信号を生成し、該リクエスト信号を送信部104へ出力する。また、制御部110は、エンジンスタートスイッチ306からエンジン始動要求が供給された場合に限らず、定期的にリクエスト信号を生成し、該リクエスト信号を送信部104へ出力するようにしてもよい。
送信部104は、送信機を備え、制御部110と接続される。送信部104は、制御部110によってリクエスト信号が供給されると、該リクエスト信号を、送信アンテナ102a、送信アンテナ102b、送信アンテナ102c、送信アンテナ102d、及び送信アンテナ102eへ順次出力する。
送信アンテナ102は、送信部104と接続される。送信アンテナ102は、送信部104から供給されたリクエスト信号をLF(Low Frequency)帯やVLF(Very Low Frequency)帯の周波数で送信する。例えば、20kHz−300kHzの中の周波数が使用される。
<リクエスト信号の送信例>
図3は、リクエスト信号の送信例を示す。図3において、横軸は時間を示し、縦軸は複数の送信アンテナ102の各々によって送信されるリクエスト信号30を示している。送信部104は、複数の送信アンテナ102の各々から、リクエスト信号30をLF帯で順次送信する。
リクエスト信号30は、ウェイクアップ信号31と、同期信号32と、コマンド信号33と、タイミング信号34と、測定信号35(35a、35b、35c、35d、35e)とを含む。車載機100からウェイクアップ信号31が送信されることによって、該ウェイクアップ信号31を受信した携帯機200は、スリープ状態からウェイクアップする。また、車載機100からコマンド信号33が送信されることによって、該コマンド信号33を受信した携帯機200は、該コマンド信号33に含まれる車両固有の識別符号と携帯機200に記憶されている識別情報とを照合することによって、車載機100へ応答信号を送信するか否かを判定することができる。携帯機200は、車両固有の識別符号と携帯機200に記憶されている識別情報とが一致する場合に応答信号を送信すると判定し、一致しない場合には送信しないと判定する。また、車載機100からタイミング信号34が送信されることによって、その後に受信強度測定用の信号が続くことがわかるため、携帯機200は受信強度測定のタイミングを合わせることができる。その後に、車載機100から測定信号35が送信されると、該測定信号35を受信した携帯機200は、受信強度を測定できる。携帯機200で受信した信号がどの送信アンテナからのリクエスト信号であるかの識別は、各送信アンテナからのリクエスト信号に送信アンテナの識別情報を含ませることによって識別するようにしてもよいし、送信アンテナからの送信順番と送信タイミングとが予め設定されているので、最初の送信アンテナからの受信のタイミングから、各送信アンテナからのリクエスト信号を待ち受けることによって識別するように構成してもよい。
送信部104は、送信アンテナ102a、送信アンテナ102b、送信アンテナ102c、送信アンテナ102d、及び送信アンテナ102eへ予め設定された順番にしたがって、リクエスト信号30を順次出力する。これによって、送信アンテナ102a、送信アンテナ102b、送信アンテナ102c、送信アンテナ102d、及び送信アンテナ102eから、順次リクエスト信号30が無線送信される。アンテナからの距離が離れる程、無線信号は減衰するために、携帯機200で測定された受信強度は、送信アンテナ102からの距離に相関する値となる。図2に戻り説明を続ける。
記憶部112は、制御部110と接続される。記憶部112は、登録ID1122と、履歴情報1124とを記憶している。登録ID1122は、上述したように、車載機100が搭載された車両2を操作可能な一又は複数の携帯機のIDである。履歴情報1124は、携帯機200によって送信される応答信号に含まれる受信強度の履歴である。例えば、記憶部112には、送信アンテナ102a−送信アンテナ102eの各々から送信されるリクエスト信号の携帯機200における受信強度を表す情報が記憶される。
<履歴情報>
図4は、履歴情報の一例を示す。履歴情報1124には、履歴の識別情報である履歴IDと、リクエスト信号の受信強度を表す情報とが対応付けられる。ここで、リクエスト信号の受信強度は、リクエスト信号を送信した送信アンテナ毎に記憶される。図4に示される例では、履歴ID「1」と、送信アンテナ102aによって送信されたリクエスト信号の携帯機200における受信強度「AAA」と、送信アンテナ102bによって送信されたリクエスト信号の携帯機200における受信強度「BBB」と、送信アンテナ102cによって送信されたリクエスト信号の携帯機200における受信強度「CCC」と、送信アンテナ102dによって送信されたリクエスト信号の携帯機200における受信強度「DDD」と、送信アンテナ102eによって送信されたリクエスト信号の携帯機200における受信強度「EEE」とが対応付けられている。図2に戻り説明を続ける。
受信部108は、受信機を備え、制御部110と接続される。受信部108は、受信アンテナ106を介して、携帯機200によって送信される応答信号を受信し、該応答信号を制御部110へ出力する。
制御部110は、受信部108によって供給された応答信号に含まれる認証IDと、受信強度とを取得する。制御部110は、認証IDと、記憶部112に記憶されている登録ID1122とが一致するか否かを判定する。制御部110は、認証IDと登録ID1122とが一致する場合に認証が成功したと判定し、一致しない場合に認証が失敗したと判定する。制御部110は、認証に失敗した場合には、車両2にエンジンの始動を行わせないと判定する。
制御部110は、認証が成功したと判定した場合、応答信号から取得した受信強度に基づいて携帯機200の位置を推定する。以下、応答信号から取得した受信強度に基づいて推定される携帯機200の位置を「第1の推定位置」という。例えば、制御部110は、各送信アンテナからの受信強度(距離)に基づいて、三角測量等によって第1の推定位置を求める。そして、制御部110は、第1の推定位置が、車両2のエンジンの始動を許可するエリアに含まれるか否かを判定する。ここで、エンジンの始動を許可するエリアは、予め設定される。例えば、エンジンの始動を許可するエリアは、運転席から所定の距離によって形成されるエリアに設定されてもよい。
制御部110は、第1の推定位置がエンジンの始動を許可するエリアに含まれる場合に、応答信号から取得した受信強度と、記憶部112に記憶されている受信強度の履歴とに基づいて、エンジンを始動させるか否かを判定する。例えば、制御部110は、記憶部112に記憶されている履歴情報1124に含まれるリクエスト信号の受信強度に基づいて携帯機200の位置を推定する。ここで、制御部110は、直近のリクエスト信号の受信強度に基づいて携帯機200の位置を推定するようにしてもよいし、過去の一又は複数のリクエスト信号の受信強度に基づいて携帯機200の位置を推定するようにしてもよい。以下、履歴情報1124に含まれるリクエスト信号の受信強度に基づいて推定される位置を「第2の推定位置」という。制御部110は、第2の推定位置に対する第1の推定位置の変動量を求め、該変動量が閾値以下であるか否かを判定する。制御部110は、変動量が閾値以下であると判定した場合、エンジンの始動を行わせると判定する。
エンジンの始動を行わせると判定した場合、制御部110は、エンジン始動部302へ、エンジン始動信号を出力する。エンジン始動部302は、制御部110によって供給されたエンジン始動信号に応じて、車両のエンジンを始動する。
エンジン始動部302は、車両2のエンジンを始動する処理を行う。ドア施解錠部304は、車両のドアの施錠又は解錠を行う。エンジンスタートスイッチ306は、エンジンを始動させるときに使用者によって押される操作スイッチである。
<携帯機の構成>
携帯機200は、送信アンテナ202と、受信アンテナ206と、回路部200aとを備える。回路部200aには、送信部204と、受信部208と、制御部210と、記憶部212とが含まれる。記憶部212には、認証ID2122が記憶される。
受信部208は、受信機を備え、受信アンテナ206と接続される。受信部208は、受信アンテナ206を介して、車載機100の複数の送信アンテナの各々によって送信されるリクエスト信号を順次受信し、該リクエスト信号の受信強度を測定する。そして、受信部208は、リクエスト信号と、該リクエスト信号の受信強度を表す情報とを制御部210へ出力する。
制御部210は、CPU等の演算処理装置を備え、受信部208と、記憶部212と接続される。制御部210は、受信部208からリクエスト信号が供給されると、記憶部212に記憶された認証ID2122を取得する。制御部210は、受信部208から供給された受信強度を表す情報と、認証ID2122とを含む応答信号を生成し、送信部204へ出力する。
送信部204は、送信機を備え、送信アンテナ202及び制御部210と接続される。送信部204は、制御部210から供給された応答信号を送信アンテナ202からRF(Radio Frequency)帯の周波数で送信する。例えば、300MHz−950MHzの中の周波数が使用される。
<応答信号の送信例>
図5は、携帯機200によって送信される応答信号の一例を示す。図5において、横軸は時間を示し、縦軸は送信アンテナ202によって送信される応答信号40を示している。送信部204は、応答信号40を送信アンテナ202へ出力する。これによって、送信アンテナ202から応答信号40がRF帯で無線送信される。
応答信号40は、同期信号41と、信号強度測定情報42(42a、42b、42c、42d、42e)と、ID応答信号43とを含む。携帯機200から同期信号41が送信されることによって、該同期信号41を受信した車載機100は、携帯機200との間で同期をとることができる。携帯機200から信号強度信号42が送信されることによって、該信号強度信号42を受信した車載機100は、複数の送信アンテナ102の各々から送信したリクエスト信号の携帯機200における受信強度を取得することができる。例えば、送信アンテナ102a−102eの各々によって送信されたリクエスト信号の受信強度は、それぞれ信号強度信号42a−42eに含まれる。携帯機200からID応答信号43が送信されることによって、該ID応答信号43に含まれる認証ID2122を受信した車載機100は、該認証ID2122を使用して携帯機200を認証することができる。
<キーレスエントリーシステムの動作>
図6は、実施形態に係るキーレスエントリーシステムの動作の一例を示す。
ステップS602では、使用者によってエンジンスタートスイッチ306が押されることによって、エンジンスタートスイッチ306がオンにされる。エンジンスタートスイッチ306がオンにされることによって、エンジン始動要求が車載機100の制御部110へ出力され、制御部110は、エンジンスタートスイッチ306がオンにされたことを検出する。
ステップS604では、制御部110は、エンジンスタートスイッチ306がオンされたことを検出すると、リクエスト信号を生成し、送信部104へ出力する。送信部104は、制御部110によって供給されたリクエスト信号を送信アンテナ102a−送信アンテナ102eから順次送信する。
ステップS606では、携帯機200の受信部208は、車載機100によって送信されたリクエスト信号を受信し、該リクエスト信号の受信強度を測定する。
ステップS608では、携帯機200の制御部210は、ステップS606によって測定された受信強度を表す情報と、認証ID2122とを含む応答信号を生成し、送信部204へ出力する。送信部204は、制御部210によって供給された応答信号を送信アンテナ202から送信する。
ステップS610では、車載機100の制御部110は、受信部108によって応答信号が受信されると、該応答信号に含まれる受信強度と、認証IDとを取得する。そして、制御部110は、応答信号から取得した受信強度に基づいて、携帯機200の位置(第1の推定位置)を演算する。
ステップS612では、車載機100の制御部110は、認証IDと、記憶部112に記憶されている登録ID1122とが一致するか否かを判定する。制御部110は、認証IDと登録IDとが一致しない場合には終了する。この場合、エンジンの始動は実行されない。
ステップS614は、制御部110によって、認証IDと登録IDとが一致すると判定された場合に実行される。ステップS614では、制御部110は、ステップS610によって演算された第1の推定位置が車両2のエンジンの始動を許可するエリア等の所定のエリア内であるか否かを判定する。
ステップS616は、制御部110によって第1の推定位置が所定のエリア内であると判定された場合に実行される。ステップS616では、制御部110は、記憶部112に記憶された履歴情報1124に記憶されている受信強度に基づいて推定される第2の推定位置に対する、第1の推定位置の変動量が閾値以下であるか否かを判定する。
ステップS618は、第2の推定位置に対する、第1の推定位置の変動量が閾値以下であると判定された場合に実行される。ステップS618では、制御部110は、エンジンの始動を許可する。この場合、制御部110は、エンジン始動部302へ、エンジン始動信号を出力する。エンジン始動部302は、制御部110によって供給されたエンジン始動信号に応じて、車両のエンジンを始動する。
ステップS620では、制御部110は、第1の位置情報をリセットする。
ステップS622は、ステップS614において制御部110によって第1の推定位置が所定のエリア内でないと判定された場合に実行される。ステップS622では、制御部110は、携帯機200の位置情報(第1の推定位置)を記憶する。この場合、エンジンの始動は実行されない。
ステップS624は、ステップS616において制御部110によって第2の推定位置に対する、第1の推定位置の変動量が閾値より大きいと判定された場合に実行される。ステップS624では、制御部110は、携帯機200の位置情報(第1の推定位置)を記憶する。この場合、エンジンの始動は実行されない。
図6に示されるキーレスエントリーシステムの動作の一例において、ステップS612と、ステップS614と、ステップS616はその順序を変更してもよい。
上述した実施形態においては、制御部110によって、第2の推定位置が演算され、第1の推定位置と該第2の推定位置とに基づいてエンジンを始動するか否かが判定される場合について説明したがこの例に限られない。例えば、制御部110は、第1の推定位置がエンジンの始動を許可するエリアに含まれる場合に、応答信号から取得した受信強度と、記憶部112に記憶されている受信強度の履歴とに基づいて、エンジンを始動させるか否かを判定するようにしてもよい。例えば、制御部110は、記憶部112に記憶されている履歴情報1124に含まれる各送信アンテナによって送信されたリクエスト信号の受信強度に対する応答信号に含まれる受信強度の変動量を求め、該変動量が閾値以下であると判定した場合にエンジンの始動を行わせると判定し、該変動量が閾値より大きいと判定した場合にエンジンの始動を行わせないと判定してもよい。また、該変動量が閾値より大きいと判定した場合に、所定時間の間、エンジンスタートスイッチ306が押されてもエンジンの始動を行わないように設定してもよい。
また、上述した実施形態においては、車載機100がリクエスト信号の受信強度の履歴を記憶する場合について説明したがこの例に限られない。例えば、車載機100は、リクエスト信号の受信強度に基づいて推定される第2の推定位置の履歴を記憶するようにしてもよい。これによって、エンジンスタートスイッチ306が押された場合に、第2の推定位置を演算することなく、エンジンを始動するか否かを判定することができる。
また、上述した実施形態においては、車載機100の制御部110が、記憶部112に記憶された履歴情報1124に記憶されている受信強度に基づいて推定される第2の推定位置に対する、第1の推定位置の変動量が閾値以下であるか否かを判定する場合について説明したがこの例に限られない。例えば、制御部110は、第2の推定位置と、第1の推定位置との差分に基づいて、該差分が閾値以下であると判定した場合にエンジンの始動を行わせると判定し、該変動が閾値より大きいと判定した場合にエンジンの始動を行わせないと判定してもよい。また、例えば、制御部110は、第2の推定位置に対する第1の推定位置の変化率に基づいて、該変化率が閾値以下であると判定した場合にエンジンの始動を行わせると判定し、該変化率が閾値より大きいと判定した場合にエンジンの始動を行わせないと判定してもよい。また、例えば、制御部110は、記憶部112に記憶された履歴情報1124に記憶されている受信強度に基づいて、前回以前の第2の推定位置を含む複数の第2の推定位置を求める。そして、制御部110は、複数の第2の推定位置の各々に対する第1の推定位置の変動量の移動平均に基づいて、該移動平均が閾値以下であると判定した場合にエンジンの始動を行わせると判定し、該移動平均が閾値より大きいと判定した場合にエンジンの始動を行わせないと判定してもよい。
上述した実施形態において、制御部110は、エンジンスタートスイッチ306が押されても連続してエンジン始動が許可されなかった回数をカウントするようにしてもよい。そして、制御部110は、カウントされた回数が閾値を超えた場合に警報を鳴らすようにしてもよい。これによって、不正行為によって車両が操作されていることを知らせることができる。さらに、制御部110は、閾値を履歴情報1124に基づいて変更するようにしてもよい。例えば、制御部110は、第2の推定位置に対する第1の推定位置の変動量が閾値より大きい場合に、該変動量に応じて閾値を変更する。一例として、制御部110は、変動量が大きくなるにしたがって閾値を小さくするようにしてもよい。不正行為が行われる場合には、第2の推定位置から離れた位置から操作が行われると想定されるため、第2の推定位置に対する第1の推定位置の変動量が大きいと想定される。変動量の値が大きくなるにしたがって閾値を小さくすることにより、不正行為の回数を制限できる。
上述した実施形態において、携帯機200の受信アンテナ206は、三軸の受信アンテナによって構成されてもよい。そして、受信部208は、互いに直交する3軸方向の受信強度を測定し、3軸方向の受信強度を表す情報と、認証IDとを含む応答信号を送信する。車載機100は、3軸方向の受信強度の履歴を記憶する。車載機100は、携帯機200によって送信された応答信号を新たに受信すると、該応答信号に含まれる3軸方向の受信強度と、記憶している3軸方向の受信強度の履歴に基づいて、エンジンを始動させるか否かを判定する。例えば、車載機100の制御部110は、応答信号に含まれる3軸方向の受信強度の比と、3軸方向の受信強度の履歴から求められる3軸方向の受信強度の比とを比較することによって、変動が小さい場合にはエンジンの始動を許可し、変動が大きい場合にはエンジンの始動を許可しない。
不正行為が行われる場合には、不正行為が行われない場合と比較して、車載機100の受信アンテナ106に応答信号が受信されるように不正な携帯機の向きが頻繁に変えられるため、不正な携帯機の向きの変動が大きくなる想定される。3軸方向の受信強度の比は、携帯機200の向きと相関を有するため、3軸方向の受信強度の比に基づいてエンジンの始動を許可するか否かと判定することによって、不正行為が行われているか否かの判定精度を向上させることができる。
実施形態に係るスマートエントリーシステムによれば、車載機100は、リクエスト信号に対する応答信号に含まれる該リクエスト信号の受信強度の履歴を記憶する。車載機100は、応答信号を新たに受信した場合に、該応答信号に含まれる受信強度と、受信強度の履歴とに基づいて、エンジンスタートスイッチ306が押されることによって要求されたエンジンの始動を車両2に行わせるか否かを判定する。
仮に、ノイズ等の何等かの原因で制御部110がエンジンの始動を車両2に行わせないと判定した場合に、使用者はエンジンスタートスイッチ306を再度押すことになる。不正行為が行われていない場合には、使用者は、携帯機200の位置等を意識することなく操作を繰り返すので、操作毎の携帯機の位置はあまり動かないと想定される。このため、不正行為が行われていない場合には、車載機100によって送信されるリクエスト信号の携帯機200による受信強度は、操作毎(リクエスト信号の受信毎)の変動が小さいと想定される。
一方、不正行為が行われる場合には、車載機100によって送信されたリクエスト信号を、車両2の近傍、あるいは車両2の内部で受信した不正な第1の携帯機(中継機)は、受信したリクエスト信号の情報を、車両2から離れた場所にいる使用者の近傍の不正な第2の携帯機(中継機)へ送信する。第2の携帯機は、第1の携帯機によって送信された情報からリクエスト信号を再現する。第2の携帯機によってリクエスト信号が再現されると、使用者によって携帯されている携帯機200から応答信号が送信される。これにより、使用者はまだ車両2から離れた位置にいるのに、応答信号が車両2に送信されることになる。不正な第1の携帯機は、正しい携帯機200のように車載機100とチューニングされていないために、正しい携帯機200とは受信感度等の受信特性が異なる。そのため、エンジンを始動させるために不正行為を行う者は、携帯機がエンジンの始動を許可するエリアにいると車載機100に認識させるような受信強度を不正な第1の携帯機で得るために、不正な第1の携帯機の場所や向きをいろいろ試しながら変えて操作スイッチを押し、車載機100からのリクエスト信号を受信するという作業を繰り返すと想定される。このため、不正な第1の携帯機によって送信されるリクエスト信号の情報を受信した不正な第2の携帯機によって再現されるリクエスト信号は、再現毎の信号の強度の変動が大きいと想定される。このため、第2の携帯機によって再現されたリクエスト信号を受信する携帯機200によって送信される応答信号に含まれる受信強度の変動も大きくなると想定される。
エンジンスタートスイッチ306等の操作スイッチに対して操作が行われる場合に、車載機100は、第1の推定位置と、第2の推定位置とを求める。不正行為が行われる場合には、携帯機200からの応答信号に含まれる受信強度の変動も大きくなると想定されるため、受信強度に基づいて推定される位置や、距離の変動も大きくなると想定される。本実施形態では、車載機100は、第2の推定位置に対する、第1の推定位置の変動が閾値以下である場合に不正行為が行われていないと判定し、閾値より大きい場合に不正行為が行われていると判定する。これによって、不正行為によって、車両が操作されることを防止できる。
<第2実施形態>
<キーレスエントリーシステムの構成>
第2実施形態に係るキーレスエントリーシステムを搭載する車両の概要は、図1を適用できる。
<キーレスエントリーシステムの構成>
第2の実施形態に係るキーレスエントリーシステムを構成する車載機100、及び携帯機200の一例は、図2を適用できる。
第2実施形態に係る携帯機200は、第1実施形態に係る携帯機200を適用できる。ただし、制御部210は、受信部208からリクエスト信号が供給されると、記憶部212に記憶された認証ID2122を取得する。制御部210は、受信部208から供給された受信強度を表す情報に基づいて、携帯機200の位置を推定する。つまり、制御部210は、第1の推定位置を演算する。そして、制御部210は、第1の推定位置を表す情報と、認証ID2122を含む応答信号を生成し、送信部204へ出力する。
第2の実施形態に係る車載機100は、第1の実施形態に係る車載機100を適用できる。ただし、制御部110は、受信部108によって供給された応答信号に含まれる第1の推定位置を表す情報と、認証ID2122とを取得する。制御部110は、認証IDと、記憶部112に記憶されている登録ID1122とが一致するか否かを判定する。制御部110は、認証ID2122と登録ID1122とが一致する場合に認証が成功したと判定し、一致しない場合に認証が失敗したと判定する。制御部110は、認証に失敗した場合には、エンジンの始動は行わないと判定する。制御部110は、認証が成功したと判定した場合、応答信号から取得した第1の推定位置を表す情報によって表される第1の推定位置が、車両2に対してエンジンの始動を許可するエリアに含まれるか否かを判定する。制御部110は、第1の推定位置がエンジンの始動を許可するエリアに含まれる場合に、応答信号から取得した第1の推定位置と、記憶部112に記憶されている受信強度の履歴とに基づいて、エンジンを始動させるか否かを判定する。
<キーレスエントリーシステムの動作>
実施形態に係るキーレスエントリーシステムの動作は、図6を適用できる。ただし、ステップS606において、携帯機200は、受信強度を測定するとともに、該受信強度に基づいて第1の推定位置を演算する。ステップS608において、携帯機200は、第1の推定位置と、認証IDとを含む応答信号を車載機100へ送信する。そして、ステップS610は省略される。
第2実施形態に係るスマートエントリーシステムによれば、携帯機200は、車載機100によって送信されるリクエスト信号の受信強度に基づいて第1の推定位置を演算する。そして、携帯機200は、該第1の推定位置と、認証IDとを含む応答信号を生成し、該応答信号を車載機100へ送信する。車載機100において受信強度に基づいて第1の推定位置を演算することなく、エンジンスタートスイッチが押されることによって要求されたエンジンの始動を車両に行わせるか否かを判定することができるため、不正行為によって車両が操作されることを防止することができる。また、車載機100における第1の推定位置を演算する処理負荷を低減できる。
<変形例(その1)>
変形例に係るキーレスエントリーシステムを搭載する車両の概要は、図1を適用できる。変形例に係るキーレスエントリーシステムを構成する車載機100、及び携帯機200の一例は、図2を適用できる。
変形例に係る車載機100は、第1実施形態に係る車載機100を適用できる。ただし、制御部110は、認証が成功したと判定した場合、応答信号から取得した受信強度に基づいて基準位置からの距離を推定する。以下、応答信号から取得した受信強度に基づいて推定される基準位置からの距離を「第1の推定距離」という。例えば、基準位置は、所定の送信アンテナ、操作位置、車載機等である。送信アンテナを基準位置とした場合には、第1の推定距離は受信強度から直接求められる。操作位置、車載機等を基準位置とした場合には、第1の推定距離は、該基準位置と送信アンテナとの間の位置関係と受信強度とから推定される。そして、制御部110は、該第1の推定距離に基づいて、携帯機200の位置が車両2に対してエンジンの始動を許可するエリアに含まれるか否かを判定する。
さらに、制御部110は、記憶部112に記憶されている履歴情報1124に含まれるリクエスト信号の受信強度に基づいて基準位置からの距離を推定する。以下、履歴情報1124に含まれるリクエスト信号の受信強度に基づいて推定される距離を「第2の推定距離」という。制御部110は、第2の推定距離に対する第1の推定距離の変動量を求め、該変動量が閾値以下であるか否かを判定する。制御部110は、変動量が閾値以下であると判定した場合に、車両2にエンジンの始動を行わせると判定し、変動量が閾値より大きいと判定した場合に、車両2にエンジンの始動を行わせないと判定する。
キーレスエントリーシステムの動作は、図6を適用できる。ただし、ステップS610では、車載機100は第1の推定距離を演算する。ステップS616では、第2の推定距離に対する第1の推定距離の変動量が閾値以下であるか否かを判定する。
また、携帯機200が第1の推定距離を演算するようにしてもよい。そして、携帯機200は、第1の推定距離と、認証ID2122とを含む応答信号を車載機100へ送信する。これによって、車載機100によって第1の推定距離を演算する処理負荷を低減できる。
また、制御部110は、記憶部112に記憶されている履歴情報1124に含まれるリクエスト信号の受信強度に基づいて第2の推定距離を求め、該第2の推定距離の履歴を記憶するようにしてもよい。これによって、エンジンスタートスイッチ306が押された場合に、第2の推定位置を演算することなく、エンジンを始動するか否かを判定することができる。
変形例に係るキーレスエントリーシステムによれば、第1の推定位置、及び第2の推定位置の代わりに、第1の推定距離、及び第2の推定距離を使用して、エンジンを始動するか否かを判定することができるため、不正行為によって車両が操作されることを防止することができる。
<変形例(その2)>
変形例に係るキーレスエントリーシステムを搭載する車両の概要は、図1を適用できる。変形例に係るキーレスエントリーシステムを構成する車載機100、及び携帯機200の一例は、図2を適用できる。
変形例に係る車載機100は、第1実施形態に係る車載機100を適用できる。ただし、制御部110は、認証が成功したと判定した場合、応答信号から取得した受信強度に基づいて基準位置からの方向を推定する。以下、応答信号から取得した受信強度に基づいて推定される基準位置からの方向を「第1の推定方向」という。例えば、基準位置は、所定の送信アンテナ、操作位置、車載機等である。
また、制御部110は、認証が成功したと判定した場合、応答信号から取得した受信強度に基づいて第1の推定距離を求めてもよい。この場合、制御部110は、該第1の推定距離に基づいて、携帯機200の位置が車両2に対してエンジンの始動を許可するエリアに含まれているか否かを判定する。
さらに、制御部110は、記憶部112に記憶されている履歴情報1124に含まれるリクエスト信号の受信強度に基づいて基準位置からの方向を推定する。以下、履歴情報1124に含まれるリクエスト信号の受信強度に基づいて推定される基準位置からの方向を「第2の推定方向」という。制御部110は、第2の推定方向に対する第1の推定方向の変動量を求め、該変動量が閾値以下であるか否かを判定する。制御部110は、変動量が閾値以下であると判定した場合に、車両2にエンジンの始動を行わせると判定する。
キーレスエントリーシステムの動作は、図6を適用できる。ただし、ステップS610では、車載機100は第1の推定方向を演算する。ステップS616では、第2の推定方向に対する第1の推定方向の変動量が閾値以下であるか否かを判定する。
また、携帯機200が第1の推定方向を演算するようにしてもよい。そして、携帯機200は、第1の推定方向と、認証IDとを含む応答信号を車載機100へ送信する。これによって、車載機100によって第1の推定方向を演算する処理負荷を低減できる。
また、制御部110は、記憶部112に記憶されている履歴情報1124に含まれるリクエスト信号の受信強度に基づいて第2の推定方向を求め、該第2の推定方向の履歴を記憶するようにしてもよい。これによって、エンジンスタートスイッチ306が押された場合に、第2の推定方向を演算することなく、エンジンを始動するか否かを判定することができる。
変形例に係るキーレスエントリーシステムによれば、第1の推定位置、及び第2の推定位置の代わりに、第1の推定方向、及び第2の推定方向を使用して、エンジンを始動するか否かを判定することができるため、不正行為によって車両が操作されることを防止することができる。
上述した実施形態及び変形例では、車載機が5本の送信アンテナと1本の受信アンテナを備える場合について説明したがこの例に限られない。例えば、車載機が1本−4本や、6本以上の送信アンテナを備えるようにしてもよい。また、車載機が2本以上の受信アンテナを備えるようにしてもよい。また、上述した実施形態及び変形例では、右のフロントドアのドアアウターハンドル近傍、左のフロントドアのドアアウターハンドル近傍、及びリアゲートドアのドアアウターハンドル近傍に送信アンテナが設けられる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、ドアミラーの部分に送信アンテナが設けられてもよい。さらに、車室内において、運転席と助手席との間、及びダッシュボードの部分に送信アンテナ及び受信アンテナが設けられる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、インスツルメントパネルの部分や、グローブボックスの部分に送信アンテナや受信アンテナが設けられてもよい。
また、上述した実施形態及び変形例では、携帯機200によって測定される受信特性の例として、受信強度を適用した場合について説明したがこの例に限られない。例えば、受信特性として、電界強度や、受信電力が適用されてもよい。
上述した実施形態及び変形例では、携帯機200を携帯した使用者によってエンジンの始動が行われる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、車両のドアの施錠又は解錠を行う場合についても適用できる。例えば、使用者が右のフロントドアのドアアウターハンドル部分に触れたり、ドア近傍の操作スイッチを押したり、ドアノブを動かしたりすることによって、複数の送信アンテナ102の各々からリクエスト信号が順次送信され、該リクエスト信号を順次受信した携帯機200は該リクエスト信号の受信特性を測定する。携帯機200は、複数の送信アンテナ102の各々から送信されるリクエスト信号の受信特性を表す情報と認証ID2122とを含む応答信号を生成し、該応答信号を車載機100へ送信する。車載機100は、携帯機200によって送信された応答信号を新たに受信すると、その応答信号に含まれている認証IDと、受信特性とを取得する。車載機100は、応答信号から取得した認証IDと登録IDとを照合する。応答信号から取得した認証IDと登録IDとを照合した結果、認証IDが登録IDに含まれる場合に、車載機100は、応答信号に含まれている受信特性と、記憶している受信特性の履歴とに基づいて、車両2にドアの施錠又は解錠を行わせるか否かを判定する。また、この場合、車両2にドアの施錠又は解錠を行わせないと判定された場合に、所定時間の間、施錠又は解錠スイッチを操作しても施錠又は解錠が行われないように設定してもよい。
上述した実施形態では、履歴情報の一例として、図4に示されるように過去三回の受信強度の履歴が記憶されている場合について説明したがこの例に限られない。例えば、過去一回から二回の受信強度の履歴が記憶されてもよいし、四回以上の受信強度の履歴が記憶されてもよい。
以上、実施形態及びその変形例を説明したが、これらの実施形態及びその変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態及びその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。これら実施形態及びその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、上述の車載機、及び携帯機(以下、「各装置」という)は内部にコンピュータを有している。そして、上述した各装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
上述した実施形態、及び変形例において、制御部110は第1の制御部の一例であり、送信部104は第1の送信部の一例であり、受信部108は第1の受信部の一例であり、記憶部112は記憶部の一例である。また、受信部208は第2の受信部の一例であり、制御部210は第2の制御部の一例であり、送信部204は第2の送信部の一例である。
2…車両、30…リクエスト信号、40…応答信号、100…車載機、102a、102b、102c、102d、102e…送信アンテナ、104…送信部、106…受信アンテナ、108…受信部、110…制御部、112…記憶部、200…携帯機、202…送信アンテナ、204…送信部、206…受信アンテナ、208…受信部、210…制御部、212…記憶部、302…エンジン始動部、304…ドア施解錠部、306…エンジンスタートスイッチ、1122…登録ID、1124…履歴情報、2122…認証ID

Claims (6)

  1. 車載機と携帯機とを備えるキーレスエントリーシステムであって、
    前記車載機は、
    リクエスト信号を生成する第1の制御部と、
    複数の送信アンテナの各々から、前記第1の制御部によって生成されたリクエスト信号を順次送信する第1の送信部と、
    リクエスト信号に対する応答信号を受信する第1の受信部と、
    前記第1の受信部によって受信された応答信号に含まれるリクエスト信号の受信特性の履歴を記憶する記憶部と
    を備え、
    前記第1の制御部は、前記第1の受信部によって応答信号が新たに受信された場合に、該応答信号に含まれるリクエスト信号の受信特性と、前記記憶部に記憶している前記応答信号に含まれるリクエスト信号の受信特性の履歴とに基づいて、前記記憶部に記憶している前記受信特性の履歴に含まれる受信特性に対する新たに受信された前記応答信号に含まれる受信特性の変動量が閾値以下である場合にリレーアタックが無いと判定して、車両に所定の動作を行わせる判定し、
    前記携帯機は、
    前記車載機の複数の前記送信アンテナの各々によって順次送信される前記リクエスト信号を受信する第2の受信部と、
    前記第2の受信部によって受信される前記リクエスト信号に基づいて生成されるリクエスト信号の受信特性を含む応答信号を生成する第2の制御部と、
    前記第2の制御部によって生成された応答信号を送信する第2の送信部と
    を備える、キーレスエントリーシステム。
  2. 前記リクエスト信号の受信特性は、前記リクエスト信号の受信強度である、請求項1に記載のキーレスエントリーシステム。
  3. 前記第1の制御部は、前記第1の受信部によって応答信号が新たに受信された場合に、該応答信号に含まれる複数の前記送信アンテナの各々から送信されるリクエスト信号の受信特性に基づいて推定される値と、前記記憶部に記憶される受信特性の履歴に基づいて推定される値とに基づいて、前記車両に所定の動作を行わせるか否かを判定する、請求項1又は請求項2に記載のキーレスエントリーシステム。
  4. 前記記憶部は、前記第1の受信部によって受信された応答信号に含まれる受信特性に基づいて推定される値の履歴を記憶し、
    前記第1の制御部は、前記第1の受信部によって応答信号が新たに受信された場合に、該応答信号に含まれる複数の前記送信アンテナの各々から送信されるリクエスト信号の受信特性に基づいて推定される値と、前記記憶部に記憶される推定される値の履歴とに基づいて、前記車両に所定の動作を行わせるか否かを判定する、請求項1又は請求項2に記載のキーレスエントリーシステム。
  5. 前記第2の制御部は、前記第2の受信部によって受信される前記リクエスト信号に基づいて推定される値を含む応答信号を生成し、
    前記記憶部は、前記第1の受信部によって受信された応答信号に含まれる推定される値の履歴を記憶し、
    前記第1の制御部は、前記第1の受信部によって応答信号が新たに受信された場合に、該応答信号に含まれる推定される値と、前記記憶部に記憶した推定される値の履歴とに基づいて、前記車両に所定の動作を行わせるか否かを判定する、請求項1又は請求項2に記載のキーレスエントリーシステム。
  6. 前記推定される値は、基準位置からの距離、携帯機の位置、及び基準位置からの方向のいずれかである、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のキーレスエントリーシステム。
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