[第1実施形態]
<画像形成システムの全体構成>
図1は、印刷システム100の全体構成を示すブロック図である。
印刷システム100は、印刷制御装置102と、前記印刷制御装置102とは別体の印刷装置103と、を備えている。そして、この印刷システム100は、クライアントコンピュータ101と通信可能に接続されている。クライアントコンピュータ101と印刷制御装置102とは、Local Area Network(LAN)110を介して通信可能に接続されている。印刷制御装置102とLAN110とは、イーサネット(登録商標)ケーブル109で接続されている。また、印刷制御装置102と印刷装置103とは、ビデオケーブル107および制御ケーブル108を介して接続されている。なお、本実施形態では、印刷装置103は、LAN110に直接接続されていないが、印刷装置103は、LAN110に直接接続されても良い。
クライアントコンピュータ101は、プリンタドライバを用いてプリントジョブ(印刷要求)を生成して、生成したプリントジョブを印刷制御装置102に送信する。このプリントジョブは、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたPDLデータである。なお、プリントジョブは、PDLデータに限定されるものでなく、JPEGなどの所定の圧縮方式に従った画像データや、ビットマップデータであっても良い。
印刷制御装置102は、クライアントコンピュータ101から送信されたプリントジョブを解釈して、ラスター画像データを生成する。そして、印刷制御装置102は、生成したラスター画像データ、及び、前記ラスター画像データを用いた印刷を印刷装置103に実行させるための制御コマンド、を印刷装置103に送信する。ラスター画像データは、ビデオケーブル107を介して、印刷装置103に送信される。また、制御コマンド(印刷の開始を指示するコマンド、給紙段、印刷部数、印刷レイアウトなどを指定するコマンドなど)は、制御ケーブル108を介して、印刷装置103に送信される。
そして、本実施形態の印刷制御装置102は、ラスター画像データや制御コマンドを送信する前に、印刷装置103を省電力状態から復帰させるためのパケットである復帰用データを印刷装置103に送信する。この復帰用データは、制御ケーブル108を介して、印刷装置103に送信される。この復帰用データは、印刷に使用されるポート番号(ポート番号:9100番や515番)が指定されたTCPパケットである。
印刷装置103は、印刷制御装置102から送信される制御コマンドに従って、ラスター画像データを用いた印刷を行う。本実施形態の印刷装置103は、プリント機能だけでなく、スキャン機能、コピー機能、BOX機能、SEND機能などの様々な機能を有するMFP(Multifunction Peripheral)である。また、印刷装置103は、製本機能やステイプル機能などを有しても良い。
図1に示すように、印刷装置103は、スキャナ部104、プリンタ部105および操作部106を備えている。スキャナ部104は、原稿台に置かれた原稿の画像を読み取って、当該画像に対応する画像データを生成する。プリンタ部105は、ラスター画像データに基づいて印刷を行う。プリンタ部105は、電子写真方式の印刷機構を含む。この印刷機構は、感光体ドラム105aと、感光体ドラム105a上に静電潜像を形成する露光装置(図示しない)と、静電潜像をトナー現像する現像装置(図示しない)と、印刷用紙に転写されたトナー像を印刷用紙に定着させる定着器105bと、を含む。また、操作部106は、表示部106aと入力部106bとを有する。表示部106aは、例えば、液晶ディスプレイであって、入力部106bは、例えば、タッチパネルやボタンである。
図2は、印刷装置と印刷制御装置のハードブロック図である。
次に、図2を参照して、印刷装置103のコントローラ130の詳細を説明する。コントローラ130は、印刷装置103の全体の動作制御、状態管理、画像処理などを行う。例えば、コントローラ130は、操作部106、スキャナ部104およびプリンタ部105の動作を制御する。
コントローラ130は、CPU131、ROM132、RAM133、HDD134、電源制御部135、画像処理部136、ビデオインターフェース(ビデオI/F)137、ネットワークインターフェース(NWI/F)138及びシステムバス139を備える。
CPU131は、記憶装置(ROM132、HDD134)に格納されたプログラムを実行して、印刷装置103の各部の制御を行う。RAM133は、CPU131のワークメモリとして使用される。HDD134は、大容量の記憶装置であり、CPU131により実行される各種制御プログラムおよび画像データを格納している。画像処理部136は、画像信号線を介してスキャナ部104及びプリンタ部105に接続される。ビデオI/F137は、ビデオケーブル107を介して印刷制御装置102に接続される。また、ネットワークI/F138は、制御ケーブル108を介して印刷制御装置102に接続される。ビデオI/F137は、ラスター画像データを、ビデオケーブル107を介して印刷制御装置102に送信する。また、ネットワークI/F138は、制御コマンドを、制御ケーブル108を介して印刷制御装置102に送信する。また、電源制御部135は、印刷装置103の各部への電力供給と停止とを制御する。
次に、図2を参照して、印刷制御装置の詳細を説明する。
印刷制御装置102は、CPU121、メモリ122、HDD123、ビデオI/F124、ネットワークI/F125およびネットワークI/F126を備える。以下、印刷装置103と通信を行うためのネットワークI/F125を内部ネットワークI/F125と呼び、クライアントコンピュータ101と通信を行うためのネットワークI/F126を外部ネットワークI/F126と呼ぶ。
CPU121は、記憶装置(メモリ122、HDD123)に格納されたプログラムを実行して、印刷制御装置102の各部の制御を行う。メモリ122は、CPU131のワークメモリとして使用される。HDD123は、大容量の記憶装置であり、CPU121により実行される各種制御プログラムおよび画像データを格納している。ビデオI/F124は、ビデオケーブル107を介して印刷装置103に接続される。また、内部ネットワークI/F125は、制御ケーブル108を介して印刷装置103に接続される。外部ネットワークI/F126は、イーサネット(登録商標)ケーブル109を介してLAN110に接続される。
図3は、印刷装置103の電源ブロック図である。
図3を参照して、印刷装置103の電源系について詳細に説明する。
印刷装置103は、スタンバイ状態と、スタンバイ状態より消費電力の少ない省電力状態と、で動作する。なお、印刷装置103は、スタンバイ状態および省電力状態とは異なる電力状態となって良いことは言うまでもない。例えば、印刷装置103は、印刷装置103の各ユニットへの電力供給を停止した電源オフ状態となっても良い。また、印刷装置103は、印刷装置103の電源を切る直前の状態をHDD134に保存して、次に電源を入れたときに電源を切る直前の状態から作業を再開するハイバネーション状態となっても良い。また、印刷装置103は、上記した状態をHDD134では無くRAM133に保存するサスペンド状態となっても良い。
印刷装置103は、第1電源供給部151、第2電源供給部152および第3電源供給部153を備える。第1電源供給部151は、プラグPを介して供給される交流電源から約5.0Vの直流電源を生成する。そして、第1電源供給部151は、生成した直流電源をネットワークI/F138、CPU131、RAM133、ROM132、HDD134、および、操作部106の入力部106bに供給する。以下、第1電源供給部151から電源の供給を受けるデバイスを、第1電源系統デバイスと呼ぶ。
また、第2電源供給部152は、プラグPを介して供給される交流電源から約12.0Vの直流電源を生成する。そして、第2電源供給部152は、生成した直流電源を表示部106b、画像処理部136、ビデオI/F137に供給する。以下、第2電源供給部152から電源の供給を受けるデバイスを、第2電源系統デバイスと呼ぶ。
また、第3電源供給部153は、プラグPを介して供給される交流電源から約24.0Vの直流電源を生成する。そして、第3電源供給部153は、生成した直流電源をプリンタ部105およびスキャナ部104に供給する。以下、第3電源供給部153から電源の供給を受けるデバイスを、第3電源系統デバイスと呼ぶ。
第1電源供給部151と第1電源系統デバイスとの間には、ユーザの操作に応じてオン状態またはオフ状態になる電源スイッチ154が配置されている。この電源スイッチ154は、ユーザの操作に応じてオン状態またはオフ状態になるメカニカルリレー154aと、メカニカルリレーをオフ状態にするためのソレノイド154bと、を有している。
また、電源スイッチ154と並列に、第1電源供給部151によって生成された電力を第1電源系統デバイスに供給するためのリレースイッチ155が配置される。電源スイッチ154がユーザの操作によってオフ状態になったとしても、リレースイッチ155を介して第1電源供給部151から第1電源系統デバイスに電力が供給される。電源スイッチ154がオフ状態になったことは、信号SEESAWを介して電源制御部135に通知される。電源制御部135は、電源スイッチ154がオフ状態になった場合に、CPU131に対してシャットダウン処理を実行するよう指示する。そして、CPU131によってシャットダウン処理が実行されると、電源制御部135は、ソレノイド154bに電力を供給することによって、メカニカルリレー154aをオフ状態にする。これにより、印刷装置103が電源オフ状態になる。
また、プラグPと第2電源供給部152との間には、プラグPから第2電源供給部152への電力の供給と遮断とを切り替えるリレースイッチ156が配置される。また、プラグPと第3電源供給部153との間には、プラグPから第3電源供給部153への電力の供給と遮断とを切り替えるリレースイッチ157が配置される。
また、CPU131、ROM132およびHDD134と第1電源供給部151との間には、CPU131、ROM132およびHDD134への電力の供給と停止とを切り替えるスイッチ158が配置される。
また、プリンタ部105と第3電源供給部153との間には、プリンタ部105への電力の供給と停止とを切り替えるスイッチ159が配置される。また、スキャナ部104と第3電源供給部153との間には、スキャナ部104への電力の供給と停止とを切り替えるスイッチ160が配置される。
次に、電源制御部135の詳細について説明する。
電源制御部135は、回路の書き変えが可能なプログラムの書き換えが可能なロジック回路である。本実施形態の電源制御部135は、CPLD(Complex Programmable Logic Device)である。
電源制御部135は、印刷装置103を省電力状態から復帰させるための復帰要因を検知する。なお、省電力状態とは、図4に示すように、以下に示す復帰要因を検知するために必要な箇所である電源制御部135、ネットワークI/F138、入力部106bおよびRAM133に電力が供給されているが、その他の箇所への電力供給は停止されている。
・印刷制御装置102からWOL(WakeOnLAN)パケットを受信したこと
・ユーザによって入力部106bが押下されたこと
ネットワークI/F138がWOLパケットを受信した場合には、電源制御部135に、復帰信号WAKE_LANまたはWAKE_LAN2が入力される。ネットワークI/F138が、宛先ポート番号が9100番のWOLパケットを受信した場合には、復帰信号WAKE_LAN2がHiレベルになる。宛先ポート番号が9100番以外のWOLパケットを受信した場合には、復帰信号WAKE_LANがHiレベルになる。
また、ユーザによって入力部106bが押下された場合には、電源制御部135に、復帰信号KEYが入力される。
印刷装置103が省電力状態のときに、ネットワークI/F138が、宛先ポート番号が9100番のWOLパケットを受信した場合には、電源制御部135は、信号CONT、信号PRINT、信号RELAYを制御する(Hiレベルにする)。これにより、スイッチ156−159がONされて、CPU131、ROM132、HDD134、操作部106、画像処理部136、ビデオI/F137およびプリンタ部105に電力が供給される。ここでは、操作部106の表示部106bにも電力が供給される例について説明したが、表示部106bへの電力供給は停止したままでも構わない。
なお、宛先ポート番号の9100番は、RAW印刷で使用するポート番号である。なお、LPR印刷で使用する宛先ポート番号の515番のWOLパケットを受信した場合に、ネットワークI/F138が、WAKE_LAN2を制御して(Hiレベルにして)も良い。
また、印刷装置103が省電力状態のときに、ネットワークI/F138が、宛先ポート番号が9100番以外のWOLパケットを受信した場合には、電源制御部135は、信号CONTを制御する(Hiレベルにする)。これにより、スイッチ158がONされて、CPU131、ROM132およびHDD134に電力が供給される。そして、電力が供給されたCPU131は、受信したWOLパケットを解析して、プリンタ部105やスキャナ部104を復帰する必要があるかどうか判断する。プリンタ部105やスキャナ部104を復帰させる必要があると判断した場合には、CPU131は、電源制御部135に復帰させるべき箇所に電力が供給されるよう指示する。
また、印刷装置103が省電力状態のときに、入力部106bが押下された場合には、電源制御部135は、信号CONTおよびRELAYを制御する(Hiレベルにする)。これにより、スイッチ156−158がONされて、CPU131、ROM132、HDD134、操作部106、画像処理部136およびビデオI/F137に電力が供給される。
なお、上記した印刷装置103の省電力状態とは、図4に示すように、印刷装置103を省電力状態から復帰させるために必要な部分に電力を供給するが、その他の部分への電力供給を停止する。具体的には、省電力状態において、電源制御部135、ネットワークI/F138、RAM133および入力部106aに電力が供給されている。
印刷制御装置102も、印刷装置103と同様に省電力状態に移行しても良い。図5に示すように、印刷制御装置102が省電力状態に移行した場合、CPU121、メモリ122、HDD123およびビデオI/F124への電力供給が停止される。一方で、省電力状態でも、内部ネットワークI/F125および外部ネットワークI/F126には、電力が供給される。
図6は、印刷装置が省電力状態に移行する場合に印刷制御装置との間で実行される処理を示した図である。
次に、図6を参照して、印刷装置103が省電力状態に移行する場合に印刷制御装置102との間で実行される処理について説明する。
まず、印刷装置103が省電力状態に移行する条件(Sleep移行条件)を検知した場合(S601)、印刷装置103は、印刷制御装置102に対して、省電力状態に移行することを通知する(Sleep通知:S602)。
Sleep移行条件は、
・操作部106の入力部106bの節電ボタンが押下されたこと
・印刷装置103が使用されずに所定時間経過したこと
などである。
Sleep通知を受信した印刷制御装置102は、印刷装置103に対するポーリングを中止するなどの処理を実行する(Sleep移行処理:S603)。印刷制御装置102は、印刷装置103のバージョン情報、メディアライブラリ情報、給紙装置や排紙装置の構成情報、ネットワークの設定情報、用紙残量、トナー残量などの情報を定期的にポーリングしている。Sleep移行処理では、このポーリングを中止する処理などを行う。
印刷制御装置102は、Sleep移行処理が完了すると、印刷装置103に対して、当該移行処理が完了したことを通知する(Sleep移行処理完了通知:S604)。
Sleep移行処理完了通知を受信した印刷装置103は、Sleep移行する処理を実行する(S605)。これにより、印刷装置103は、省電力状態に移行する。
なお、Sleep移行処理完了通知を実行した印刷制御装置102も、印刷装置103と連動して省電力状態に移行する。
また、省電力状態の印刷装置103が上記した復帰要因を検知した場合(S606)、印刷装置103は、印刷制御装置102に対して、スタンバイ状態(図3の状態)に移行したことを通知する(WakeUP通知:S607)。
WakeUP通知を受信した印刷制御装置102は、S603で停止したポーリングを再開する(S608)。このWakeUP通知は、宛先MACアドレスが、印刷制御装置102のMACアドレスであるTCPパケットである。印刷制御装置102は、自装置のMACアドレス宛てのTCPを受信した場合に、省電力状態から復帰する。
図7は、省電力状態に移行した印刷制御装置が実行する処理を示したフローチャートである。
図7を参照して、省電力状態のときに印刷制御装置102の外部ネットワークI/F126が実行する処理について説明する。
印刷制御装置102が省電力状態のとき、外部ネットワークI/F126は、パケットを受信したか否かを判断する(S701)。パケットを受信したと判断した場合(S701:Yes)、外部ネットワークI/F126は、当該パケットがWOLパケットか否かを判断する(S702)。このWOLパケットとは、例えば、クライアントコンピュータ101のプリンタドライバから投入されたプリントジョブである。
WOLパケットを受信した場合、外部ネットワークI/F126は、印刷制御装置102を省電力状態から復帰するよう指示する(S703)。一方、受信したパケットがWOLパケットで無ければ、外部ネットワークI/F126は、当該パケットを破棄する(S704)。
図8は、省電力状態から復帰した印刷制御装置が実行する処理を示したフローチャートである。
次に、図8を参照して、WOLパケットを受信することによって省電力状態から復帰した印刷制御装置が実行する処理について説明する。
まず、印刷制御装置102のCPU121は、受信したWOLパケットが印刷装置103の起動を要するパケットか否かを判断する(S801)。印刷装置103の起動を要しないパケットであると判断した場合(S801:No)、CPU121は、受信したWOLパケットに応じた処理を実行する(S808)。例えば、WOLパケットが、印刷装置103や印刷制御装置102の状態を問い合わせで、印刷装置103を省電力状態から復帰させずに回答することが可能なパケットであった場合、CPU121は、当該問い合わせに対して回答する。
一方、印刷装置103の起動を要するパケットであると判断した場合(S801:No)、CPU121は、当該パケットが印刷装置103に印刷を実行させるプリントジョブか否かを判定する(S802)。本実施形態では、CPU121は、受信したWOLパケットのポート番号に基づいて、プリントジョブか否かを判定する。受信したWOLパケットの宛先ポート番号が9100番であるならば、CPU121は、WOLパケットがプリントジョブであると判定する。なお、プリントジョブか否かの判定は、ポート番号に限らない。
受信したWOLパケットがプリントジョブであった場合(S802:Yes)、CPU121は、印刷装置103が省電力状態か否かを判断する(S803)。印刷装置103が省電力状態であった場合、CPU121は、宛先ポート番号が9100番や515番の復帰用データを印刷装置103に対して送信する(S804)。印刷制御装置102は、印刷装置103が省電力状態に移行する際に、Sleep通知(図6のS602)を受信しているので、印刷装置103が省電力状態か否かを判断することが可能である。
印刷装置103が省電力状態でない場合(S803:No)、CPU121は、前述した復帰用データを印刷装置103に対して送信しない。
上記したように、本実施形態では、印刷装置103が省電力状態である場合には、復帰用データを送信するが、印刷装置103が省電力状態でない場合には、復帰用データを送信しない。省電力状態の印刷装置103に対して復帰用データを送信することによって、印刷装置103を省電力状態から復帰させることが可能となる。一方で、スタンバイ状態の印刷装置103に対して復帰用データを送信しないことによって、印刷装置103側で当該復帰用データを破棄するなど余計な処理を実行する必要がない。仮に、スタンバイ状態の印刷装置103に対して復帰用データを送信する場合には、印刷装置103に復帰用データを破棄するために、当該復帰用データか否かを判断する手段や復帰用データを破棄する手段、が必要になる。本実施形態では、印刷装置103がスタンバイ状態の場合には、印刷制御装置102から復帰用データが送信されないので、上記した手段を設ける必要がない。
そして、CPU121は、受信したプリントジョブのページ記述言語を解釈して、印刷可能なラスター画像データを生成すると共に、当該ラスター画像データを用いた印刷を印刷装置103に実行させるための制御コマンドを生成する(S805)。
CPU121は、ラスター画像データをビデオI/F124を介して印刷装置103に送信すると共に、制御コマンドを内部ネットワークI/F125を介して印刷装置103に送信する(S806)。この制御コマンドの宛先ポート番号は、9915番である。
S802において、受信したWOLパケットが印刷装置103に印刷を実行させるプリントジョブでは無いと判断された場合、CPU121は、印刷装置102にWOLパケットを処理させるため、WOLパケットを印刷装置102に送信する(S807)。このS807で送信されるWOLパケットの宛先ポート番号は、9100番とは異なるポート番号である。S807において、印刷制御装置102がWOLパケットを送信する場合は、例えば、印刷制御装置102が、印刷制御装置102で生成したラスター画像データを印刷装置103のHDD134に保存するジョブを受信した場合などが挙げられる。
図9は、省電力状態に移行した印刷装置が実行する処理を示したフローチャートである。図9を参照して、省電力状態のときに印刷装置103のネットワークI/F138が実行する処理について説明する。
印刷装置103が省電力状態のとき、ネットワークI/F138は、パケットを受信したか否かを判断する(S901)。パケットを受信したと判断した場合(S901:Yes)、ネットワークI/F138は、当該パケットがWOLパケットか否かを判断する(S902)。このWOLパケットとは、例えば、印刷制御装置102から送信される制御コマンドや復帰用データである。
WOLパケットを受信した場合、ネットワークI/F138は、このWOLパケットの宛先ポート番号が9100番(若しくは、515番)か否かを判断する(S903)。宛先ポート番号が9100番(若しくは、515番)ならば、ネットワークI/F138は、復帰信号WAKE_LAN2をHiレベルにする(S904)。これにより、図10に示すように、信号CONT、信号PRINT、信号RELAYがHiレベルになって、プリンタ部105、CPU131、HDD134などに電力が供給される。このとき、プリンタ部105は、CPU131の起動を待たずに、印刷を行うための準備動作(感光体ドラム105aの回転駆動、定着器105bの温度を定着温度まで上昇させる処理など)を行う。CPU131の起動処理は、プリンタ部105の準備動作と並行して実行される。
上記したように、ネットワークI/F138は、CPU131の起動を待たずに、プリンタ部105の準備動作を行うことができるので、CPU131の起動処理が完了するのを待ってからプリンタ部105の準備動作を行う場合に比べて、プリンタ部105の準備動作の完了までの時間を短縮することができる。
なお、ここでは、プリンタ部105の準備動作を実行させるか否かを、WOLパケットの宛先ポート番号で判断する例について説明したが、本発明は、宛先ポート番号に基づく判断に限定されない。例えば、WOLパケットがプリンタ部105を使用するパケットであることを識別する識別情報を含む場合には、当該識別情報に基づいて、プリンタ部105の準備動作を実行させるか否かを判断しても良い。
宛先ポート番号が9100番および515番以外の番号ならば、ネットワークI/F138は、復帰信号WAKE_LANをHiレベルにする(S905)。これにより、図11に示すように、信号CONTがHiレベルになって、CPU131、HDD134などに電力が供給される。電力が供給されたCPU131は、起動処理が完了すると、WOLパケットを解釈して処理をする。第1実施形態では、宛先ポート番号が9100番および515番以外ならば、プリンタ部105への電力供給を再開しない例について説明したが、本発明はこれに限らない。プリンタ部105への電力供給は再開するが、感光体ドラム105aの回転駆動などを行わないように制御しても良い。
一方、S902において、受信したパケットがWOLパケットで無ければ、ネットワークI/F138は、受信したパケットが代理応答可能なパケットか否かを判断する(S906)。代理応答可能なパケットとは、ネットワークI/F138がCPU131の代わりに応答することが可能なパケットを言う。したがって、ネットワークI/F138が代理応答可能なパケットを受信した場合には(S906:Yes)、省電力状態で、ネットワークI/F138が受信したパケットに対して応答する(S907)。
なお、受信したパケットがWOLパケットでも代理応答可能なパケットでも無い場合には(S906:No)、ネットワークI/F138は、受信したパケットを破棄する(S908)。
図12は、復帰用データの送信時における通信シーケンス図である。
次に、図12を参照して、印刷制御装置102から印刷装置103に対して復帰用データが送信されたときに実行される通信シーケンスについて説明する。
印刷制御装置102は、印刷装置103の対象ポート(9100番又は515番)に対して、復帰用データを送信する(S1201)。これにより、印刷装置103のプリンタ部105の準備動作が開始される。プリンタ部105の準備動作を開始させることで復帰用データの役割は果たされているが、本実施形態では、TCPの通信のオープン処理およびクローズ処理を実施する。印刷装置103は、復帰用データ(SYNフラグがセットされたTCPパケット)を受信すると、ACKフラグとSYNフラグとがセットされたTCPパケットを送信する(S1202)。そして、印刷制御装置102は、ACKフラグとSYNフラグとがセットされたTCPパケットを受信すると、ACKフラグがセットされたTCPパケットを送信する(S1203)。S1201−S1203のオープン処理により、通信路が確立された事になる。
クライアントコンピュータ101が印刷データを送信する場合は、この通信路が確立した後、PUSHフラグがセットされたTCPパケットとして、データ部が印刷データのパケットを送信する。しかし、本実施形態では、復帰用データ(SYNフラグがセットされたTCPパケット)により、プリンタ部105の準備動作を開始させるという目的は果たされているので、TCPパケットのデータ部にデータが存在するパケットを送信しない。このため、本実施形態では、上記したオープン処理の後、データを送信することなく、クローズ処理を実行する。
具体的には、印刷制御装置102は、FINフラグがセットされたTCPパケットを送信する(S1204)。印刷装置103は、ACKフラグがセットされたTCPパケットを送信する(S1205)。また、印刷装置103は、FINフラグがセットされたTCPパケットを送信する(S1206)。最後に、印刷制御装置102は、ACKフラグがセットされたTCPパケットを送信する(S1207)。
S1204−S1207までのクローズ処理は、TCPのプロトコルで規定されているクローズ処理であればS1204−S1207の処理に限定されない。
図20は、復帰用データのパケット構造を示す図である。
次に、図20を参照して、復帰用データの詳細について説明する。
図20に示すように、復帰用データのEtherヘッダ2001の送信先アドレスには、印刷装置103のMACアドレスがセットされる。また、復帰用データのEtherヘッダ2001の送信元アドレスには、印刷制御装置102のMACアドレスがセットされる。
また、復帰用データのIPヘッダ2002の送信先アドレスには、印刷装置103のIPアドレスがセットされる。また、復帰用データのIPヘッダ2002の送信元アドレスには、印刷制御装置102のIPアドレスがセットされる。
また、TCPヘッダ2003の送信先ポート番号2005には、9100番又は515番がセットされる。印刷装置103は、9100番をプリンタドライバからの印刷ジョブを受け付けるポートとして使用する。
TCPヘッダ2003の送信元ポート番号2004には、印刷制御装置102で使用したポートであって、動的に使用されるため、一意に決まらない。
また、Flag2006は、TCPパケットの接続状態を示す。本実施形態の復帰用データは、Flag2006にSYNがセットされている。このSYNがセットされたパケットは、TCP接続のオープン処理を要求するパケットである。
上記したように、印刷制御装置102は、ラスター画像データおよび制御コマンドを印刷装置103に対して送信する前に、復帰用データを送信する。これにより、印刷装置は、ラスター画像データや制御コマンドを受信する前に、プリンタ部105の準備動作を実行することができる。このように、プリンタ部105は、ラスター画像データを受信するまでの間に準備動作を行うことができるので、ラスター画像データおよび制御コマンドを受信したら、準備動作の完了を待たずに、印刷を実行することができる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、ネットワークI/F138が受信したWOLパケットの宛先ポート番号が特定のポート番号か否かに応じて、プリンタ部105の復帰を制御する例について説明した。この第2実施形態では、WOLパケットを受信した場合に、宛先ポート番号に関わらず、プリンタ部105の復帰を行う。
図13は、第2実施形態の印刷装置103の電源ブロック図である。
図13を参照して、第2実施形態の印刷装置103の電源系について詳細に説明する。なお、第1実施形態と同じ部分の説明は割愛する。
第2実施形態の印刷装置103のネットワークI/F238は、印刷制御装置102からWOLパケットを受信した場合には、電源制御部135に入力される復帰信号WAKE_LAN2をHiレベルに制御する。第2実施形態のネットワークI/F238は、第1実施形態のネットワークI/F138とは異なり、受信したWOLパケットの宛先ポート番号に関わらず、WOLパケットを受信した場合に、復帰信号WAKE_LAN2をHiレベルにする。このWOLパケットとは、印刷装置103のMACアドレスが指定されたTCPパケットなどである。
図14は、省電力状態から復帰した印刷制御装置が実行する処理を示したフローチャートである。
次に、図14を参照して、WOLパケットを受信することによって省電力状態から復帰した印刷制御装置が実行する処理について説明する。
まず、印刷制御装置102のCPU121は、クライアントコンピュータ101から受信したWOLパケットが印刷装置103の起動を要するパケットか否かを判断する(S1401)。印刷装置103の起動を要しないパケットであると判断した場合(S1401:No)、CPU121は、受信したWOLパケットに応じた処理を実行する(S1408)。例えば、WOLパケットが、印刷装置103や印刷制御装置102の状態を問い合わせで、印刷装置103を省電力状態から復帰させずに回答することが可能なパケットであった場合、CPU121は、当該問い合わせに対して回答する。
一方、印刷装置103の起動を要するパケットであると判断した場合(S1401:No)、CPU121は、当該パケットが印刷装置103に印刷を実行させるプリントジョブか否かを判断する(S1402)。CPU121は、受信したWOLパケットのポート番号に基づいて、プリントジョブか否かを判断する。受信したWOLパケットの宛先ポート番号が9100番であるならば、CPU121は、WOLパケットがプリントジョブであると判断する。なお、プリントジョブか否かの判断は、ポート番号に限らない。
受信したWOLパケットがプリントジョブであった場合(S1402:Yes)、CPU121は、印刷装置103が省電力状態か否かを判断する(S1403)。印刷装置103が省電力状態であった場合、CPU121は、復帰用データとしてのWOLパケットを印刷装置103に対して送信する(S1404)。なお、このWOLパケットは、例えば、印刷装置103のMACアドレスが指定されたTCPパケットである。このWOLパケットを受信した印刷装置103は、図12に示した通信シーケンス図のように、オープン処理の後、データ通信を行わずに、クローズ処理を行う。
印刷装置103が省電力状態でない場合(S1403:No)、CPU121は、前述したWOLパケットを印刷装置103に対して送信しない。
そして、CPU121は、受信したプリントジョブのページ記述言語を解釈して、印刷可能なラスター画像データを生成すると共に、当該ラスター画像データを用いた印刷を印刷装置103に実行させるための制御コマンドを生成する(S1405)。
CPU121は、ラスター画像データをビデオI/F124を介して印刷装置103に送信すると共に、制御コマンドを内部ネットワークI/F125を介して印刷装置103に送信する(S1406)。
S1402において、受信したWOLパケットが印刷装置103に印刷を実行させるプリントジョブでは無いと判断された場合、CPU121は、印刷装置103にWOLパケットを処理させるため、WOLパケットを印刷装置103に送信する(S1407)。このWOLパケットを受信した印刷装置103は、図12に示した通信シーケンス図とは異なり、オープン処理の後、データ通信を行って、クローズ処理を行う。
図15は、省電力状態に移行した印刷装置が実行する処理を示したフローチャートである。図15を参照して、省電力状態のときに印刷装置103のネットワークI/F138が実行する処理について説明する。
印刷装置103が省電力状態のとき、ネットワークI/F138は、パケットを受信したか否かを判断する(S1501)。パケットを受信したと判断した場合(S1501:Yes)、ネットワークI/F138は、当該パケットがWOLパケットか否かを判断する(S1502)。このWOLパケットとは、印刷装置103のMACアドレスが指定されたTCPパケットであって、例えば、印刷制御装置102から送信される制御コマンドや復帰用データである。
WOLパケットを受信した場合、ネットワークI/F138は、復帰信号WAKE_LAN2をHiレベルにする(S1504)。これにより、図10に示すように、信号CONT、信号PRINT、信号RELAYがHiレベルになって、プリンタ部105、CPU131、HDD134などに電力が供給される。このとき、プリンタ部105は、CPU131の起動を待たずに、印刷を行うための準備動作(感光体ドラム105aの回転駆動、定着器105bの温度を定着温度まで上昇させる処理など)を行う。CPU121の起動処理は、プリンタ部105の準備動作と並行して実行される。
一方、S1502において、受信したパケットがWOLパケットで無ければ、ネットワークI/F138は、受信したパケットが代理応答可能なパケットか否かを判断する(S1506)。代理応答可能なパケットとは、ネットワークI/F138がCPU131の代わりに応答することが可能なパケットを言う。したがって、ネットワークI/F138が代理応答可能なパケットを受信した場合には(S1506:Yes)、省電力状態で、ネットワークI/F138が受信したパケットに対して応答する(S1507)。
なお、受信したパケットがWOLパケットでも代理応答可能なパケットでも無い場合には(S1506:No)、ネットワークI/F138は、受信したパケットを破棄する(S1508)。
[第3実施形態]
第1実施形態では、印刷制御装置102がプリントジョブを受信した場合に、印刷装置103のCPU131の起動を待たずにプリンタ部105を復帰させる例について説明した。第3実施形態では、印刷制御装置102がスキャンジョブを受信した場合に、印刷装置103のCPU131の起動を待たずにスキャナ部104を復帰させる例について説明する。このスキャンジョブは、例えば、印刷装置103のスキャナ部104に原稿の画像を読み取らせて、読み取った画像の画像データを印刷制御装置102に送信させるリモートスキャンジョブである。
図16は、第3実施形態の印刷装置103の電源ブロック図である。
図16を参照して、第3実施形態の印刷装置103の電源系について詳細に説明する。なお、第1実施形態と同じ部分の説明は割愛する。
第3実施形態の印刷装置103のネットワークI/F338は、印刷制御装置102から宛先ポート番号が特定のポート番号であるWOLパケットを受信した場合には、電源制御部135に入力される復帰信号WAKE_LAN3をHiレベルに制御する。この特定のポート番号とは、印刷装置103に読取処理を行わせるために指定されるポート番号である。
復帰信号WAKE_LAN3がHiレベルになると、電源制御部135は、信号CONT、信号SCAN、信号RELAYをHiレベルにする。これにより、スキャナ部104、CPU131、HDD134などに電力が供給される。
図17は、省電力状態から復帰した印刷制御装置が実行する処理を示したフローチャートである。
次に、図17を参照して、WOLパケットを受信することによって省電力状態から復帰した印刷制御装置が実行する処理について説明する。
まず、印刷制御装置102のCPU121は、受信したWOLパケットが印刷装置103の起動を要するパケットか否かを判断する(S1701)。印刷装置103の起動を要しないパケットであると判断した場合(S1701:No)、CPU121は、受信したWOLパケットに応じた処理を実行する(S1708)。例えば、WOLパケットが、印刷装置103や印刷制御装置102の状態を問い合わせで、印刷装置103を省電力状態から復帰させずに回答することが可能なパケットであった場合、CPU121は、当該問い合わせに対して回答する。
一方、印刷装置103の起動を要するパケットであると判断した場合(S1701:No)、CPU121は、当該パケットが印刷装置103に読取を実行させるスキャンジョブか否かを判断する(S1702)。CPU121は、受信したWOLパケットのポート番号に基づいて、スキャンジョブか否かを判断する。受信したWOLパケットの宛先ポート番号が特定のポート番号であるならば、CPU121は、WOLパケットがスキャンジョブであると判断する。なお、スキャンジョブか否かの判断は、ポート番号に限らない。
受信したWOLパケットがスキャンジョブであった場合(S1702:Yes)、CPU121は、印刷装置103が省電力状態か否かを判断する(S1703)。印刷装置103が省電力状態であった場合、CPU121は、宛先ポート番号が特定のポート番号の復帰用データを印刷装置103に対して送信する(S1704)。
印刷装置103が省電力状態でない場合(S1703:No)、CPU121は、前述した復帰用データを印刷装置103に対して送信しない。
CPU121は、受信したスキャンジョブを解釈して(S1705)、印刷装置103にスキャンを実行させるための制御コマンド(読取解像度、モノクロ/カラー指定など)を内部ネットワークI/F125を介して印刷装置103に送信する(S1706)。
S1702において、受信したWOLパケットが印刷装置103に読取を実行させるスキャンジョブでは無いと判断された場合、CPU121は、印刷装置103にWOLパケットを処理させるため、WOLパケットを印刷装置103に送信する(S1707)。このS1707で送信されるWOLパケットの宛先ポート番号は、特定のポート番号とは異なるポート番号である。
図18は、省電力状態に移行した印刷装置が実行する処理を示したフローチャートである。図18を参照して、省電力状態のときに印刷装置103のネットワークI/F338が実行する処理について説明する。
印刷装置103が省電力状態のとき、ネットワークI/F338は、パケットを受信したか否かを判断する(S1801)。パケットを受信したと判断した場合(S1801:Yes)、ネットワークI/F138は、当該パケットがWOLパケットか否かを判断する(S1802)。このWOLパケットとは、例えば、印刷制御装置102から送信される制御コマンドや復帰用データである。
WOLパケットを受信した場合、ネットワークI/F338は、このWOLパケットの宛先ポート番号が特定のポート番号か否かを判断する(S1803)。宛先ポート番号が特定のポート番号ならば、ネットワークI/F338は、復帰信号WAKE_LAN3をHiレベルにする(S1804)。これにより、図19に示すように、信号CONT、信号SCAN、信号RELAYがHiレベルになって、スキャナ部104、CPU131、HDD134などに電力が供給される。このとき、スキャナ部104は、CPU131の起動を待たずに、原稿の読取を行うための準備動作を行う。CPU131の起動処理は、スキャナ部104の準備動作と並行して実行される。
宛先ポート番号が特定のポート番号以外の番号ならば、ネットワークI/F338は、復帰信号WAKE_LANをHiレベルにする(S1805)。これにより、図11に示すように、信号CONTがHiレベルになって、CPU131、HDD134などに電力が供給される。電力が供給されたCPU131は、起動処理が完了すると、WOLパケットを解釈して処理をする。
一方、S1802において、受信したパケットがWOLパケットで無ければ、ネットワークI/F338は、受信したパケットが代理応答可能なパケットか否かを判断する(S1806)。代理応答可能なパケットとは、ネットワークI/F338がCPU131の代わりに応答することが可能なパケットを言う。したがって、ネットワークI/F138が代理応答可能なパケットを受信した場合には(S1806:Yes)、省電力状態で、ネットワークI/F138が受信したパケットに対して応答する(S1807)。
なお、受信したパケットがWOLパケットでも代理応答可能なパケットでも無い場合には(S1806:No)、ネットワークI/F138は、受信したパケットを破棄する(S1808)。
[他の実施形態]
第1実施形態の印刷制御装置102は、復帰用データ(SYNフラグがセットされたパケット)を送信した後、印刷装置103からの応答には返信しない(S1003のパケットを送信しない)、としても良い。これにより、印刷装置103は、TCPプロトコルとしての通信シーケンスが終了する。
また、第1実施形態に記載した復帰用データの他の例として、パケットのペイロード部に復帰用データであることを示す領域を定義して、この領域を使用しても良いし、データ固定のパケットを使用したり、可能な限り小さいサイズのパケットを使用したりしても良い。すなわち、復帰用データは、プリンタドライバ等からの送信される印刷ジョブと判別することが可能なパケットであれば、そのパケットの内容は限定されない。
また、本実施形態の復帰用データで指定されるポート番号は、印刷制御装置102が予め記憶しておいても良いし、印刷装置103から印刷ジョブとして使用するポート番号を取得しても良い。
なお、印刷制御装置102は、印刷装置103でエラーが発生しており、印刷が出来ない状況の場合には、復帰用データおよび印刷コマンドを送信しないようにしても良い。印刷制御装置102は、印刷装置103の状態を示す情報を定期的に取得しており、当該取得した印刷装置103の状態に基づいて、復帰用データおよび印刷コマンドの送信を制御しても良い。つまり、印刷制御装置102は、印刷装置103で印刷が出来ないエラーが発生していない場合に限り、復帰用データおよび印刷コマンドを送信する。
上記した第1実施形態の印刷制御装置102では、復帰用データを送信した後に(S804)、RIP処理を開始する(S805)。しかし、本発明では、RIP処理を開始した後に、ラスター画像データを送信する前に、復帰用データを送信しても良い。
上記した第1実施形態の印刷制御装置102では、印刷装置103が省電力状態ではない場合に復帰指示を送信しなかった(S803:No)。しかし、本発明では、印刷装置103が省電力状態ではない場合に復帰指示を送信しても良い。例えば、印刷装置103が前記省電力状態とは異なる低電力状態であるが、印刷制御装置102では、印刷装置103が低電力状態であるかどうかを判断できない場合には、復帰指示を送信する。これにより、印刷装置103が低電力状態のときに、印刷装置103を低電力状態から復帰させることができる。
印刷装置103が、上記した低電力状態では、ポート番号9100が指定された復帰指示を受信してもプリンタ部105の準備動作を行わないように構成されている場合には、印刷制御装置102は、復帰指示として、ポート番号9100が指定された復帰指示とは異なる復帰指示を送信する。