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JP6796440B2 - 積層装置および三次元造形装置 - Google Patents

積層装置および三次元造形装置 Download PDF

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本発明は、エネルギー硬化型の造形材料および支持材料を積層して立体物を形成する積層装置および当該積層装置を備えた三次元造形装置に関する。
近年、3Dプリンティング等の三次元造形技術が急速に普及している。三次元造形により得られる造形物は、例えば、工業製品の試作品、展示品、医療用模型などに利用される。三次元造形の方式としては、インクジェット方式、光造形方式、粉末方式等が知られている。
一般的に、インクジェット方式の三次元造形装置は、吐出ヘッドから造形材料を吐出することで造形材料層を形成し、当該造形材料層を積み重ねることで、指定された立体形状の造形物を製造する。具体的には、造形ステージ上に紫外線硬化型の造形材料を吐出することで造形材料層を形成する。そして、当該造形材料層に紫外線を照射することで、造形材料層を硬化させる。このような、造形材料の吐出処理および照射部による紫外線照射処理を繰り返すことで、造形ステージ上に造形物が形成される。インクジェット方式の三次元造形技術については、例えば、特許文献1に記載される。
特許文献1に記載の三次元造形装置は、立体造形物となるモデル材(造形材料)を吐出するモデル材吐出ノズルと、立体造形物を支持するサポート部を形成するサポート材(支持材料)を吐出するサポート材吐出ノズルと、モデル材吐出ノズルまたはサポート材吐出ノズルから吐出された液状のモデル材または液状のサポート材を平滑化するローラと、液状のモデル材または液状のサポート材に紫外光を照射するUVランプと、各部を制御する制御部とを備える。
特開2015−150840号公報
しかしながら、特許文献1の三次元造形装置は、複数のUVランプを備えている。このような構成では、複数のUVランプを配置するためのスペースが必要であり、装置の小型化が困難である。また、UVランプは高価であるため、特許文献1の構成では、三次元造形装置の製造コストを低減することも困難である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、照射部の数を抑えて、小型かつ製造コストの安い積層装置および三次元造形装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、エネルギー硬化型の造形材料および支持材料を積層して立体物を形成する積層装置であって、前記造形材料および前記支持材料からなる材料層が形成される造形ステージと、前記造形ステージに向けて、前記造形材料を吐出する第1吐出ヘッドと、前記造形ステージに向けて、前記支持材料を吐出する第2吐出ヘッドと、前記造形ステージ上に形成された前記材料層を平坦化するローラと、前記造形ステージ上に形成された前記材料層にエネルギー線を照射する照射部と、前記第1吐出ヘッド、前記第2吐出ヘッド、前記ローラ、および前記照射部を含む処理ユニットに対して、前記造形ステージを相対的に上下に移動させる昇降機構と、前記処理ユニットに対して、前記造形ステージを、相対的に水平方向である前後方向に往復移動させる移動機構と、制御部と、を有し、前記照射部は、前記第1吐出ヘッドと、前記第2吐出ヘッドとの間に配置され、前記制御部は、a)前記移動機構により前記造形ステージを前方へ移動させつつ、前記第1吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、前記造形材料を吐出する工程と、b)前記移動機構により前記造形ステージを前方へ移動させつつ、前記第2吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、前記支持材料を吐出する工程と、c)前記移動機構により前記造形ステージを後方へ移動させつつ、前記第2吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、前記支持材料を吐出する工程と、d)前記移動機構により前記造形ステージを後方へ移動させつつ、前記第1吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、前記造形材料を吐出する工程と、を実行する
本願の第2発明は、第1発明の積層装置であって、前記ローラは、第1ローラおよび第2ローラを含み、前記照射部は、前記第1吐出ヘッドおよび前記第1ローラと、前記第2吐出ヘッドおよび前記第2ローラとの間に配置される。
本願の第3発明は、エネルギー硬化型の造形材料および支持材料を積層して立体物を形成する積層装置であって、前記造形材料および前記支持材料からなる材料層が形成される造形ステージと、前記造形ステージに向けて、前記造形材料を吐出する第1吐出ヘッドと、前記造形ステージに向けて、前記支持材料を吐出する第2吐出ヘッドと、前記造形ステージ上に形成された前記材料層を平坦化するローラと、前記造形ステージ上に形成された前記材料層にエネルギー線を照射する照射部と、前記第1吐出ヘッド、前記第2吐出ヘッド、前記ローラ、および前記照射部を含む処理ユニットに対して、前記造形ステージを相対的に上下に移動させる昇降機構と、前記処理ユニットに対して、前記造形ステージを、相対的に水平方向に往復移動させる移動機構と、制御部と、を有し、前記照射部は、前記第1吐出ヘッドと、前記第2吐出ヘッドとの間に配置され、前記ローラは、第1ローラおよび第2ローラを含み、前記照射部は、前記第1吐出ヘッドおよび前記第1ローラと、前記第2吐出ヘッドおよび前記第2ローラとの間に配置され、前記移動機構は、前記造形ステージを前後に往復移動させ、前記第1ローラは、前記第1吐出ヘッドの前方に配置され、前記第2ローラは、前記第2吐出ヘッドの前方に配置される。
本願の第4発明は、第2発明の積層装置であって、前記移動機構は、前記造形ステージを前後に往復移動させ、前記第1ローラは、前記第1吐出ヘッドの後方に配置され、前記第2ローラは、前記第2吐出ヘッドの後方に配置される。
本願の第5発明は、第1発明から第4発明までのいずれか1発明の積層装置であって、前記造形材料および前記支持材料は、紫外線硬化型材料であり、前記エネルギー線は、紫外線である。
本願の第6発明は、三次元造形装置であって、エネルギー硬化型の造形材料および支持材料を積層して立体物を形成する積層装置と、前記積層装置が有する造形ステージを、前記積層装置に搬入する搬入装置と、前記積層装置により形成された立体物から前記支持材料を除去する洗浄装置と、前記造形ステージを搬出する搬出装置と、を有し、前記積層装置は、前記造形材料および前記支持材料からなる材料層が形成される前記造形ステージと、前記造形ステージに向けて、前記造形材料を吐出する第1吐出ヘッドと、前記造形ステージに向けて、前記支持材料を吐出する第2吐出ヘッドと、前記造形ステージ上に形成された前記材料層を平坦化するローラと、前記造形ステージ上に形成された前記材料層にエネルギー線を照射する照射部と、前記第1吐出ヘッド、前記第2吐出ヘッド、前記ローラ、および前記照射部を含む処理ユニットに対して、前記造形ステージを相対的に上下に移動させる昇降機構と、前記処理ユニットに対して、前記造形ステージを、相対的に水平方向に往復移動させる移動機構と、制御部と、を有し、前記照射部は、前記第1吐出ヘッドと、前記第2吐出ヘッドとの間に配置される
本願の第1発明〜第6発明によれば、第1吐出ヘッドと第2吐出ヘッドとの間に、照射部が配置される。これにより、照射部の数を抑えて、装置を小型化できるとともに、製造コストを抑えることができる。
三次元造形装置の構成を示した図である。 積層装置の構成を示した図である。 造形ステージ、遮蔽板、昇降機構および移動機構の正面図である。 造形ステージ、遮蔽板、昇降機構および移動機構の側面図である。 制御部と積層装置内の各部との接続を示したブロック図である。 インクジェット方式の三次元造形の過程を示したフローチャートである。 変形例に係る積層装置の構成を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書では、水平方向に沿って往復移動する造形ステージの、往路方向を前方とし、復路方向を後方として、各部の位置関係を説明する。ただし、この前後方向の定義によって、積層装置および三次元造形装置の向きを限定する意図はない。
<1.三次元造形装置の構成>
図1は、本実施形態に係る三次元造形装置2の構成を示した図である。この三次元造形装置2は、搬入装置3、積層装置1、搬送装置4、洗浄装置5、および搬出装置6を有する。
搬入装置3は、後述する造形ステージ10を積層装置1に搬送する装置である。搬入装置3は、搬送機構301を有する。搬送機構301は、例えば、ロボット機構、ローラ機構等により構成される。ただし、搬送機構301は、他の機構により構成されていてもよい。造形ステージ10は、外部から搬入装置3内に搬入されると、搬送機構301により、積層装置1に搬送される。なお、積層装置1の構成については、後述する。
搬送装置4は、造形ステージ10を積層装置1から洗浄装置5へと搬送する装置である。搬送装置4は、搬送機構401を有する。搬送機構401は、例えば、ロボット機構、ローラ機構等により構成される。ただし、搬送機構401は、他の機構により構成されていてもよい。積層装置1により、造形ステージ10の上面に材料層9からなる立体物が形成されると、造形ステージ10は、搬送機構401により洗浄装置5に搬送される。
洗浄装置5は、材料層9からなる立体物から支持材料を除去する装置である。洗浄装置5は、薬液502に満たされた処理槽501を有する。造形ステージ10が洗浄装置内に搬入されると、立体物は処理槽501の薬液502中に浸漬される。これにより、立体物から支持材料が除去される。その結果、造形ステージ10の上面に造形材料からなる造形物91が形成される。その後、造形ステージ10は、搬出装置6の搬送機構601により、装置外部へと搬出される。
<2.積層装置の構成>
続いて、積層装置1の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る積層装置1の構成を示した図である。この積層装置1は、三次元造形における造形物91の製造工程において、造形材料および支持材料からなる立体物を形成する装置である。本実施形態の造形材料および支持材料は、いずれも紫外線硬化型の材料である。造形材料は、目的とする造形物を構成する材料である。支持材料は、造形物の製造中に造形材料が崩れたり撓んだりすることを防止するために、造形材料を支持する材料である。立体物は、造形材料および支持材料からなる材料層9を積層することで形成される。
図2に示すように、本実施形態の積層装置1は、造形ステージ10、吐出ヘッド20、照射部30、ローラ40、昇降機構50、移動機構60および制御部80を有する。
造形ステージ10は、材料層9を支持する支持台である。造形ステージ10は、水平に広がる上面を有する。図2の矢印および破線矢印に示すように、造形ステージ10は前後方向および下方に移動しつつ、上面に材料層9が順次積層形成される。これにより、造形ステージ10の上面に立体物が形成される。なお、後述する紫外線の反射を抑制するために、造形ステージ10の表面は、黒色の皮膜処理や、黒色フィルムの貼り付け等の、反射防止処理がされていてもよい。
吐出ヘッド20は、造形材料および支持材料を吐出することで、造形ステージ10の上面に材料層9を形成する。吐出ヘッド20は造形ステージ10の上方に配置される。本実施形態では、吐出ヘッド20は、造形材料を吐出する第1吐出ヘッド21と、第1吐出ヘッド21の前方に配置され、支持材料を吐出する第2吐出ヘッド22を有する。第1吐出ヘッド21は、前後方向に移動する造形ステージ10の上面に、造形材料の液滴を選択的に吐出する。第2吐出ヘッド22は、前後方向に移動する造形ステージ10の上面に、支持材料の液滴を選択的に吐出する。
照射部30は、造形ステージ10の上面に形成された材料層9に紫外線を照射する機構である。照射部30は、後述する制御部80によって、照射タイミングや発光強度が制御される。照射部30の光源としては、例えば、UVランプが用いられる。ただし、照射部30の光源には、メタルハライドランプ、キセノンランプまたはLEDランプ等を用いてもよい。図2に示すように、本実施形態の積層装置1は、単一の照射部30を有する。照射部30は、積層装置1の前後方向の中央付近に配置される。また、照射部30は、造形ステージ10の上方、かつ第1吐出ヘッド21と第2吐出ヘッド22との間に配置される。
ローラ40は、円筒状の外周面を有する回転体である。ローラ40の材料には、例えば、材料層9よりも硬度の高いSUS等の金属が用いられる。図2に示すように、本実施形態のローラ40は、第1吐出ヘッド21の後方に配置される第1ローラ41と、第2吐出ヘッド22の後方(照射部30と第2吐出ヘッド22との間)に配置される第2ローラ42と、を有する。照射部30は、第1吐出ヘッド21および第1ローラ41と、第2吐出ヘッド22および第2ローラ42と、の間に配置される。図2に示すように、ローラ40は、水平に延びる回転軸を中心として、回転可能に支持される。
ローラ40は、例えば、図示を省略したモータ等の駆動源と接続されている。そして、当該モータを駆動させると、当該モータの出力軸とともにローラ40が回転軸を中心に回転する。平坦化処理を行うときには、造形ステージ10を前後方向に移動させて、材料層9の上面にローラ40を接触させつつ、ローラ40を回転させる。これにより、材料層9の上面は平坦化される。
昇降機構50は、造形ステージ10を上下に移動させる機構である。図3は、造形ステージ10、昇降機構50および移動機構60の正面図である。図4は、造形ステージ10、昇降機構50および移動機構60の側面図である。本実施形態の昇降機構50には、モータの回転運動をボールねじを介して直進運動に変換する機構が用いられる。造形ステージ10は、保持部51上に支持される。保持部51は、ボールねじの外周面に設けられた螺旋状のねじ溝と噛み合うように、ボールねじに取り付けられている。図示を省略したモータを駆動させると、ボールねじがその軸心周りに回転する。これにより、保持部51および造形ステージ10が、ボールねじに沿って上下方向に移動する。ただし、昇降機構50には、リニアモータ等の他の機構を用いてもよい。
移動機構60は、造形ステージ10を前後方向に往復移動させる機構である。本実施形態の移動機構60には、リニアモータ機構が用いられる。移動機構60は、ガイド61、駆動部62、および接続部63により構成される。接続部63は、駆動部62と、昇降機構50の筐体とを接続する。リニアモータを駆動すると、駆動部62がガイド61に沿って前後に移動する。これにより、駆動部62に接続された昇降機構50および造形ステージ10が、一体として、ガイド61に沿って前後方向に移動する。ただし、移動機構60には、ボールねじ等の他の機構を用いてもよい。
制御部80は、積層装置1内の各部を動作制御するための手段である。図5は、制御部80と、積層装置1内の各部との接続を示したブロック図である。図5中に概念的に示したように、制御部80は、CPU等の演算処理部81、RAM等のメモリ82およびハードディスクドライブ等の記憶部83を有するコンピュータにより構成される。記憶部83内には、積層装置1による各処理を実行するためのコンピュータプログラムPが、インストールされている。
図5に示すように、制御部80は、吐出ヘッド20、照射部30、ローラ40、昇降機構50および移動機構60と、それぞれ通信可能に接続されている。制御部80は、記憶部83に記憶されたコンピュータプログラムPやデータをメモリ82に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムPに基づいて、演算処理部81が演算処理を行うことにより、上記の各部を動作制御する。これにより、造形ステージ10の搬送処理、造形材料および支持材料の吐出処理、紫外線照射処理および平坦化処理が進行する。
<3.積層処理について>
次に、上記の積層装置1による積層処理について説明する。
図6は、積層処理の過程を示したフローチャートである。積層処理を行うときは、まず、製造したい立体物の設計データを、高さ位置ごとに分割する。
次に、指定回数nを選択する(ステップS1)。指定回数nは、昇降機構50により造形ステージ10を1回下降させた後に、移動機構60が造形ステージ10を前方および後方に直進移動させる移動回数を示す。本実施形態の積層処理では、造形ステージ10の往復移動における、前方への直進移動の間に材料層9が1層形成され、さらに後方への直進移動の間に材料層9が1層形成される。したがって、指定回数nを設定すると、昇降機構50により造形ステージ10を1回下降させた後に、造形ステージ10上にn層分の材料層9が積層されることとなる。
指定回数nを設定すると、昇降機構50は、n層分の材料層9の高さだけ、造形ステージ10を下降させる。本実施形態では、指定回数nが2回として設定される。指定回数nを2回と設定すると、昇降機構50は、2層分の材料層9の高さだけ、造形ステージ10を下降させる(ステップS2)。
続いて、移動機構60は、造形ステージ10を、開始位置である後方端(図2参照)から前方に向けて移動させる。そうすると、造形ステージ10は、第1ローラ41の下方を通過する。ここで、造形ステージ10は、2層分の材料層9の高さ分だけ下降している。このため、造形ステージ10は、第1ローラ41の外周面と接触することなく、第1ローラ41の下方を通過する。そして、第1吐出ヘッド21は、下方を通過する造形ステージ10の上面に向けて、分割されたデータに基づいて、造形材料の液滴を吐出する(ステップS3)。これにより、設計データの各高さ位置の形状に応じた1層分の造形材料の層が形成される。
続いて、移動機構60は造形ステージ10をさらに前方へと移動させ、照射部30の下方を通過させる。照射部30は、下方を通過する造形ステージ10へ向けて紫外線を照射する(ステップS4)。これにより、造形ステージ10の上面に形成された造形材料の層が硬化する。
続いて、移動機構60は、造形ステージ10をさらに前方へと移動させる。そうすると、造形ステージ10は、第2ローラ42の下方を通過する。ここで、造形ステージ10は、2層分の材料層9の高さ分だけ下降している。このため、造形ステージ10の上面に形成された1層分の造形材料の層は、第2ローラ42の外周面と接触することなく、第2ローラ42の下方を通過する。
続いて、移動機構60は、造形ステージ10をさらに前方へと移動させ、第2吐出ヘッド22の下方を通過させる。第2吐出ヘッド22は、下方を通過する造形ステージ10の上面に向けて、分割されたデータに基づいて、支持材料の液滴を吐出する(ステップS5)。これにより、設計データの各高さ位置の形状に応じた1層分の支持材料の層が形成される。1層分の支持材料の層が形成されると、移動機構60は造形ステージ10を前方端(図2参照)まで移動させる。
次に、移動機構60は、造形ステージ10を後方へと移動させ、再度、第2吐出ヘッド22の下方を通過させる。第2吐出ヘッド22は、下方を通過する造形ステージ10の上面に向けて、分割されたデータに基づいて、支持材料の液滴を吐出する(ステップS6)。これにより、設計データの各高さ位置の形状に応じた、2層目の支持材料の層が形成される。
続いて、移動機構60は、造形ステージ10をさらに後方へと移動させる。これにより、2層目の支持材料の層の上面と、第2ローラ42の外周面とが接触する。その結果、支持材料の層の上面が第2ローラ42により平坦化される(ステップS7)。このとき、図2中に矢印で示したように、第2ローラ42は、造形ステージ10の後方への移動の向きに逆らう向きに回転している。これにより、支持材料の層を効果的に平坦化できる。
続いて、移動機構60は造形ステージ10をさらに後方へと移動させ、再度、照射部30の下方を通過させる。照射部30は、下方を通過する造形ステージ10へ向けて紫外線を照射する(ステップS8)。これにより、造形ステージ10の上面に形成された、2層分の支持材料の層が硬化する。
続いて、移動機構60は造形ステージ10をさらに後方へと移動させ、再度、第1吐出ヘッド21の下方を通過させる。第1吐出ヘッド21は、下方を通過する造形ステージ10の上面に向けて、分割されたデータに基づいて、造形材料の液滴を吐出する(ステップS9)。これにより、設計データの各高さ位置の形状に応じた、2層目の造形材料の層が形成される。
続いて、移動機構60は、造形ステージ10をさらに後方へと移動させる。これにより、材料層9の上面と、第1ローラ41の外周面とが接触する。その結果、造形材料の層の上面が第1ローラ41により平坦化される(ステップS10)。このとき、図2中に矢印で示したように、第1ローラ41は、造形ステージ10の後方への移動の向きに逆らう向きに回転している。これにより、造形材料の層を効果的に平坦化できる。造形材料の層が平坦化されると、移動機構60は造形ステージ10を後方端(図2参照)まで移動させる。
次に、制御部80は、積層すべき次の材料層9があるか否かを確認する(ステップS11)。そして、積層すべき次の材料層9がある場合は、ステップS2に戻り、昇降機構50が、造形ステージ10を材料層9の2層分の高さだけ下降させる。そして、ステップS3〜S10の処理を繰り返すことにより、材料層9をさらに積層する。
一方で、全ての材料層9の積層が完了すると、昇降機構50は、材料層9が第1ローラ41および第2ローラ42と接触しない高さまで、造形ステージ10を下降させる(ステップS12)。そして、移動機構60は造形ステージ10をさらに前方へと移動させ、照射部30の下方を通過させる。照射部30は、下方を通過する造形ステージ10へ向けて紫外線を照射する(ステップS13)。これにより、造形ステージ10の上面に形成された、最後の造形材料の層が硬化する。その結果、造形ステージ10の上面に、材料層9の多層体である立体物が形成される。
その後、立体物を洗浄液中に浸漬するなどして、多層体から支持材料を除去する(ステップS14)。これにより、造形材料の部分のみが残り、設計データに応じた形状の造形物が得られる。
このように、この積層装置1では、第1吐出ヘッド21と第2吐出ヘッドの間に配置される1つの照射部30により、造形材料および支持材料を硬化させることができる。したがって、高価な照射部の数を抑えることができる。その結果、積層装置1および三次元造形装置2の製造コストを低減できる。さらに、積層装置1および三次元造形装置2を小型化できる。
また、この積層装置1では、材料層9を2層分形成後に、造形ステージ10の復路でのみ、平坦化処理を行う。これにより、第1吐出ヘッド21と照射部30との間のローラ40を省略できる。また、第2吐出ヘッド22の前方のローラ40を省略できる。このため、積層装置1の、ローラ40の数を抑えることができる。その結果、積層装置1を小型化できる。また、積層装置1の製造コストを低減できる。さらに、ローラ40による、平坦化処理の回数を抑えることができる。このため、薬液洗浄等による、ローラ40のメンテナンス回数を低減できる。その結果、造形物の製造コストを低減できる。
また、ステップS7およびステップS10では、造形ステージ10の後方移動のときにのみ、平坦化処理が行われる。このため、ローラ40の回転方向を変更することなく、効果的に材料層9の表面を平坦化できる。その結果、積層処理における制御を簡易化することができる。
また、この積層装置1では、造形材料および支持材料を、それぞれ2層形成後に、照射部30による紫外線照射処理を行う。このため、上述の通り、照射部30の数を一つとすることができる。その結果、積層装置1の製造コストを低減できるとともに、積層装置1を小型化できる。
<4.変形例>
以上、本発明の主たる実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態では、積層処理における指定回数nは2回であった。しかしながら、指定回数nは3回以上であってもよい。
指定回数nが偶数回の場合、昇降機構により造形ステージを、n層分の材料層の高さだけ下降させた後に、移動機構が造形ステージを前方および後方にn回直進移動させればよい。例えば、指定回数nが4回の場合、先ず、昇降機構が、造形ステージを、4層分の材料層の高さだけ、下降させる。そして、移動機構は、造形ステージの高さを一定に保ちつつ、造形ステージを前方および後方へ合計4回直進移動させる。そして、当該移動の間に、造形材料および支持材料を各々4層分積層させる。そして、造形ステージの最後の後方への直進移動のときに、4層目の造形材料の層および支持材料の層を、ローラにより平坦化する。このようにすれば、指定回数nが4以上の偶数回であっても、ローラや照射部を追加することなく、三次元造形処理を行うことができる。また、造形ステージの最後の復路でのみ、材料層は、ローラにより平坦化処理されるため、ローラの回転方向を一定とすることができる。
また、指定回数nは3回以上の奇数回であってもよい。例えば、指定回数nが3回の場合、先ず、昇降機構が、造形ステージを、3層分の材料層の高さだけ、下降させる。そして、移動機構は、造形ステージの高さを一定に保ちつつ、造形ステージを前方および後方へ合計3回直進移動させる。そして、当該移動の間に、造形材料および支持材料を各々3層分積層させる。そして、造形ステージの最後の直進移動のときに、3層目の造形材料の層および支持材料の層を、ローラにより平坦化する。このようにすれば、指定回数nが3以上の奇数回であっても、三次元造形処理を行うことができる。
ただし、指定回数nが奇数回の場合には、造形ステージを前方へ直進移動させながら平坦化処理を行うときと、造形ステージを後方へ直進移動させながら平坦化処理を行うときと、が交互に生じる。このため、平坦化処理を行うときの造形ステージの直進移動の向きに応じて、ローラの回転方向を変更するとよい。すなわち、昇降機構が造形ステージを下降させるたびに、ローラの回転方向を変更するとよい。
また、上記の実施形態では、造形材料を吐出する第1吐出ヘッドは、支持材料を吐出する第2吐出ヘッドの前方に配置されていた。しかしながら、第1吐出ヘッドは、第2吐出ヘッドの後方に配置されてもよい。そして、支持材料を吐出した後に、造形材料を吐出することで、三次元造形処理がなされてもよい。また、第1吐出ヘッドおよび第2吐出ヘッドの数は、それぞれ複数であってもよい。
また、上記の実施形態では、第1ローラが、第1吐出ヘッドの後方に配置され、第2ローラが、第2吐出ヘッドの後方に配置されていた。しかしながら、第1ローラが、第1吐出ヘッドの前方に配置され、第2ローラが、第2吐出ヘッドの前方に配置されてもよい。
また、上記の実施形態では、造形材料の層を第1ローラ41で平坦化し、支持材料の層を第2ローラ42で平坦化していた。このため、積層装置1内に、2つのローラ40が設けられていた。しかしながら、図7のように、積層装置1内に設けられるローラ40の数は、1つであってもよい。そして、造形材料と支持材料とを、1つのローラ40で平坦化するようにしてもよい。このようにすれば、積層装置1および三次元造形装置2の製造コストを、より低減できるとともに、積層装置1および三次元造形装置2を、より小型化できる。また、ローラ40に関する調整の手間も軽減できる。
また、上記の実施形態では、第1吐出ヘッド、第2吐出ヘッド、ローラ、および照射部を含む処理ユニットの高さが固定されていた。そして、昇降機構は、当該処理ユニットに対して造形ステージを、上下に移動させていた。しかしながら、昇降機構は、高さが固定された造形ステージに対して、処理ユニットを上下に移動させてもよい。すなわち、昇降機構は、処理ユニットに対して造形ステージを、相対的に上下に移動させるものであればよい。
また、上記の実施形態では、第1吐出ヘッド、第2吐出ヘッド、ローラ、および照射部を含む処理ユニットの前後方向の位置が固定されていた。そして、移動機構は、当該処理ユニットに対して造形ステージを、前後に往復移動させていた。しかしながら、移動機構は、前後方向の位置が固定された造形ステージに対して、処理ユニットを前後に往復移動させてもよい。すなわち、移動機構は、処理ユニットに対して造形ステージを、相対的に水平方向に往復移動させるものであればよい。
また、上記実施形態では、造形材料および支持材料は紫外線硬化型の材料であった。しかしながら、造形材料および支持材料は、熱、赤外線、レーザおよびX線等の、紫外線以外のエネルギーにより硬化するエネルギー硬化型の材料であってもよい。そして、照射部は、熱、赤外線、レーザおよびX線等のエネルギー線を照射するものであってもよい。
また、積層装置および三次元造形装置の細部の形状および構造については、本願の各図に示された形状および構造と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 積層装置
2 三次元造形装置
9 材料層
10 造形ステージ
20 吐出ヘッド
21 第1吐出ヘッド
22 第2吐出ヘッド
30 照射部
40 ローラ
41 第1ローラ
42 第2ローラ
50 昇降機構
51 保持部
60 移動機構
61 ガイド
62 駆動部
63 接続部
80 制御部

Claims (6)

  1. エネルギー硬化型の造形材料および支持材料を積層して立体物を形成する積層装置であって、
    前記造形材料および前記支持材料からなる材料層が形成される造形ステージと、
    前記造形ステージに向けて、前記造形材料を吐出する第1吐出ヘッドと、
    前記造形ステージに向けて、前記支持材料を吐出する第2吐出ヘッドと、
    前記造形ステージ上に形成された前記材料層を平坦化するローラと、
    前記造形ステージ上に形成された前記材料層にエネルギー線を照射する照射部と、
    前記第1吐出ヘッド、前記第2吐出ヘッド、前記ローラ、および前記照射部を含む処理ユニットに対して、前記造形ステージを相対的に上下に移動させる昇降機構と、
    前記処理ユニットに対して、前記造形ステージを、相対的に水平方向である前後方向に往復移動させる移動機構と、
    制御部と、
    を有し、
    前記照射部は、前記第1吐出ヘッドと、前記第2吐出ヘッドとの間に配置され
    前記制御部は、
    a)前記移動機構により前記造形ステージを前方へ移動させつつ、前記第1吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、前記造形材料を吐出する工程と、
    b)前記移動機構により前記造形ステージを前方へ移動させつつ、前記第2吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、前記支持材料を吐出する工程と、
    c)前記移動機構により前記造形ステージを後方へ移動させつつ、前記第2吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、前記支持材料を吐出する工程と、
    d)前記移動機構により前記造形ステージを後方へ移動させつつ、前記第1吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、前記造形材料を吐出する工程と、
    を実行する積層装置。
  2. 請求項1に記載の積層装置であって、
    前記ローラは、第1ローラおよび第2ローラを含み、
    前記照射部は、前記第1吐出ヘッドおよび前記第1ローラと、前記第2吐出ヘッドおよび前記第2ローラとの間に配置される積層装置。
  3. エネルギー硬化型の造形材料および支持材料を積層して立体物を形成する積層装置であって、
    前記造形材料および前記支持材料からなる材料層が形成される造形ステージと、
    前記造形ステージに向けて、前記造形材料を吐出する第1吐出ヘッドと、
    前記造形ステージに向けて、前記支持材料を吐出する第2吐出ヘッドと、
    前記造形ステージ上に形成された前記材料層を平坦化するローラと、
    前記造形ステージ上に形成された前記材料層にエネルギー線を照射する照射部と、
    前記第1吐出ヘッド、前記第2吐出ヘッド、前記ローラ、および前記照射部を含む処理ユニットに対して、前記造形ステージを相対的に上下に移動させる昇降機構と、
    前記処理ユニットに対して、前記造形ステージを、相対的に水平方向に往復移動させる移動機構と、
    制御部と、
    を有し、
    前記照射部は、前記第1吐出ヘッドと、前記第2吐出ヘッドとの間に配置され、
    前記ローラは、第1ローラおよび第2ローラを含み、
    前記照射部は、前記第1吐出ヘッドおよび前記第1ローラと、前記第2吐出ヘッドおよび前記第2ローラとの間に配置され、
    前記移動機構は、前記造形ステージを前後に往復移動させ、
    前記第1ローラは、前記第1吐出ヘッドの前方に配置され、
    前記第2ローラは、前記第2吐出ヘッドの前方に配置される積層装置。
  4. 請求項2に記載の積層装置であって、
    前記移動機構は、前記造形ステージを前後に往復移動させ、
    前記第1ローラは、前記第1吐出ヘッドの後方に配置され、
    前記第2ローラは、前記第2吐出ヘッドの後方に配置される積層装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の積層装置であって、
    前記造形材料および前記支持材料は、紫外線硬化型材料であり、
    前記エネルギー線は、紫外線である積層装置。
  6. エネルギー硬化型の造形材料および支持材料を積層して立体物を形成する積層装置と、
    前記積層装置が有する造形ステージを、前記積層装置に搬入する搬入装置と、
    前記積層装置により形成された立体物から前記支持材料を除去する洗浄装置と、
    前記造形ステージを搬出する搬出装置と、
    を有し、
    前記積層装置は、
    前記造形材料および前記支持材料からなる材料層が形成される前記造形ステージと、
    前記造形ステージに向けて、前記造形材料を吐出する第1吐出ヘッドと、
    前記造形ステージに向けて、前記支持材料を吐出する第2吐出ヘッドと、
    前記造形ステージ上に形成された前記材料層を平坦化するローラと、
    前記造形ステージ上に形成された前記材料層にエネルギー線を照射する照射部と、
    前記第1吐出ヘッド、前記第2吐出ヘッド、前記ローラ、および前記照射部を含む処理ユニットに対して、前記造形ステージを相対的に上下に移動させる昇降機構と、
    前記処理ユニットに対して、前記造形ステージを、相対的に水平方向に往復移動させる移動機構と、
    制御部と、
    を有し、
    前記照射部は、前記第1吐出ヘッドと、前記第2吐出ヘッドとの間に配置される三次元造形装置。
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