[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。以下の説明において、適宜、図1などに示すXYZ直交座標系を参照する。このXYZ直交座標系は、X方向およびY方向が水平方向(横方向)であり、Z方向が鉛直方向である。また、各方向において、適宜、矢印の先端と同じ側を+側(例、+Z側)、矢印の先端と反対側を−側(例、−Z側)と称す。例えば、鉛直方向(Z方向)において、上方が+Z側であり、下方が−Z側である。なお、図面においては、実施形態を説明するため、一部または全部を模式的に記載するとともに、一部分を大きくまたは強調して記載する等適宜縮尺を変更して表現した部分を含む。
図1は、第1実施形態に係る塗布装置の一例を示す上面図である。図2は、図1のA−A線に沿った断面を−Y方向から見た断面図である。図3は、図1のB−B線に沿った断面を−Y方向から見た断面図である。本実施形態の塗布装置1は、基板Sに液状体L(図7(B)参照)を塗布する。塗布装置1は、例えば、フレーム2と、制御部3と、ステージ4と、ステージ駆動部5(駆動部)と、ノズルNZと、ノズル支持部6と、ノズル受け渡し機構7と、を備える。
フレーム2は、各部を支持する。フレーム2は、例えば、ステージ支持部9と、ガントリ10と、を含む(図2及び図3参照)。ステージ支持部9は、例えば、ステージ4をX方向と平行な方向に移動可能に支持する。ステージ支持部9は、例えば、脚部9aと、基台9bと、を備える。脚部9aは、床面に設置され、基台9bを下方から支持する。脚部9aは、例えば、4つの部材で構成され、基台9bの四つの角部の下方に配置される。基台9bは、例えば、上方から見て矩形状である。基台9bは、ステージ4を下方から、ガイド(図示せず)等を介して、X方向と平行な方向に移動可能に支持する。
ガントリ10は、一対の支柱部10aと、架橋部10bとを有する(図1〜図3参照)。支柱部10aはステージ4をY方向に挟んで2つ設けられている(図1参照)。各支柱部10aは、それぞれ、鉛直方向に延びており、床面に設置される(図2及び図3参照)。各支柱部10aは、架橋部10bを支持する。架橋部10bは、Y方向と平行な方向に延びている。架橋部10bは、その両端が、それぞれ、各支柱部10aの上端側(+Z側)の面に接続されている(図1参照)。架橋部10bは、後に説明するノズル支持部6を支持する。なお、ガントリ10は移動可能でもよい。例えば、ガントリ10は、基台9bに対してX方向に移動可能な構成でもよい。
制御部3は、各部を制御する。制御部3は、塗布装置1の各部と通信可能に接続される。制御部3は、例えば、CPU(図示せず)、ハードディスクやメモリなどの記憶装置(図示せず)を備えるコンピュータ装置である。制御部3は、例えば、塗布装置1の各部を制御するプログラムを実行可能である。このプログラムは、例えば、予め記憶装置に記憶される。なお、制御部3は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置と接続されてもよいし、また、ディスプレイ等の表示装置と接続されてもよい。
ステージ4は、基板Sを載置する。ステージ4は、基台9bの上方に、基台9bにX方向に移動可能に支持される。ステージ4は、例えば、上方から見て矩形状である(図1参照)。ステージ4は、例えば、XY平面(水平面)と平行な上面を含む。上面は、例えば、定盤で形成される。基板Sは、上面に載置されることにより、基板SはXY平面と平行(水平面)な面に配置される。基板Sは、例えば、ステージ4に設けられる位置決め機構(図示せず)により位置決めされて、上面に設けられる吸着部(図示せず)により吸着されることにより、上面に支持される。
ステージ駆動部5は、ステージ4を駆動する。ステージ駆動部5は、例えば、電動モータ等である。ステージ駆動部5は、例えば、ステージ4を基台9bに対して、X方向と平行な方向に移動させる。ステージ4は、ステージ駆動部5の駆動により、後に説明するノズル支持部6に対して、相対的に移動する。ステージ駆動部5は、例えば、制御部3と通信可能に接続され、駆動のタイミング、駆動量、駆動方向、駆動の速度などが制御部3に制御され、ステージ4を所定位置に移動させる。なお、ステージ駆動部5は、制御部3に接続されなくてもよい。例えば、ステージ駆動部5は、ステージ4のユーザが手動により駆動する構成でもよい。
ノズルNZは、基板Sに液状体Lを塗布する。本実施形態では、塗布装置1は、複数のノズルNZ(NZ1、NZ2)を備える。例えば、図1に示す例では、ノズルNZ1は、ノズル支持部6に支持され塗布可能な状態であり、ノズルNZ2は後に説明するノズル受け渡し機構7Bに支持されるノズルNZ1との交換用のノズルである。例えば、ノズルNZ1、NZ2は、それぞれ、スリットノズルである。ノズルNZ1、NZ2は、それぞれ、液状体Lを吐出する吐出口OP(図2(B)参照)を有する。例えば、吐出口OPは、例えば、下方向に向いたスリット状の開口である。
ノズルNZ1、NZ2は、それぞれ、対応するノズル受け渡し機構7の送液部19に接続される。ノズルNZ1は、ノズル受け渡し機構7Aの送液部19に接続され、ノズル支持部6及びノズル受け渡し機構7Aのいずれかに支持される。ノズルNZ2は、ノズル受け渡し機構7Bの送液部19に接続され、ノズル支持部6及びノズル受け渡し機構7Aのいずれかに支持される。ノズルNZ1、NZ2は、それぞれ、例えば、パイプなどの配管(図示せず)により、対応する送液部19に接続される。ノズルNZ1、NZ2は、塗布の際、送液部19からの液状体Lの供給により、吐出口OPから液状体Lを吐出して、基板Sに液状体Lを塗布する。ノズル受け渡し機構7、送液部19については、後に説明する。
なお、ノズルNZは、スリットノズルに限定されず、任意である。例えば、ノズルNZは、インクジェット方式のノズル、バーコーター、ディスペンサーノズル等でもよい。また、複数のノズルNZは、それぞれ、異なる種類のノズルでもよい。また、複数のノズルNZは、用途が異なるノズルを含んでもよい。例えば、ノズルNZ1及びノズルNZ2は、互いに異なる種類の液状体Lの塗布に用いてもよい。また、複数のノズルNZ1、NZ2は、それぞれ、送液部19に接続されなくてもよい。例えば、複数のノズルNZ1、NZ2は、それぞれ、塗布の際に、送液部19に接続してもよい。
ノズル支持部6は、複数のノズルNZから1つを選択して支持し、かつ、支持したノズルNZを昇降させる。ノズル支持部6は、例えば、ガイド部12と、支持部13と、ノズル保持部14、昇降駆動部15と、を備える。ノズル支持部6は、例えば、ガントリ10に支持される。
ガイド部12は、例えば、ガントリ10の架橋部10bに支持される。ガイド部12は、支持部13を鉛直方向に移動可能に支持する。支持部13は、ノズル保持部14を支持する。ガイド部12は、例えば、支持部13、ノズル保持部14及びノズルNZを、鉛直方向(Z方向と平行な方向)に移動可能に支持する。
ノズル保持部14は、ノズルNZを保持する。ノズル保持部14は、位置決めしてノズルNZを保持する。ノズル保持部14は、保持したノズルNZを開放可能に形成される。ノズル保持部14は、例えば、支持部13に取り付けられている。ノズル保持部14は、後に説明するノズル受け渡し機構7との間でノズルNZの受け渡しが可能に構成される。ノズル保持部14は、例えば、後に説明するノズル受け渡し機構7からノズルNZが受けとる際には、ノズルNZを受けとって保持し、また、ノズル受け渡し機構7にノズルNZを受け渡す際には、支持するノズルNZを開放してノズル受け渡し機構7に渡す。なお、ノズル保持部14のノズルNZの保持及び開放の機構については、後に図8〜図11において説明する。また、ノズルNZの位置決めの機構については、後に図11において説明する。
昇降駆動部15は、ノズルNZを昇降させる。昇降駆動部15は、支持部13に接続される。昇降駆動部15は、例えば、支持部13を昇降させることにより、ノズル保持部14に保持されたノズルNZを基板Sに対して昇降させる。昇降駆動部15は、例えば、電動モータ等である。昇降駆動部15は、支持部13を所定位置に移動可能である。例えば、昇降駆動部15は、塗布の際、ノズルNZの吐出口OPと基板Sとの間隔が所定の間隔になるように、支持部13を駆動する。昇降駆動部15は、例えば、制御部3と通信可能に接続され、その駆動が制御部3に制御される。昇降駆動部15は、例えば、駆動のタイミング、駆動量、駆動方向、駆動の速度などが制御部3に制御される。なお、昇降駆動部15は、制御部3に接続されなくてもよい。例えば、昇降駆動部15は、ユーザが手動で昇降を制御する構成でもよい。また、昇降駆動部15はなくてもよい。例えば、ノズル支持部6は、ユーザが人力により支持部13を昇降させる構成でもよい。
上記のように構成されたノズル支持部6は、ノズルNZ1、NZ2からノズルNZ1あるいはノズルNZ2を選択してノズル保持部14により支持する。例えば、図1に示す例では、ノズル支持部6は、ノズルNZ1、NZ2からノズルNZ1を選択して、支持している。また、ノズル支持部6は、支持したノズルNZ1を、塗布等の際、昇降駆動部15の駆動により昇降させ、所定の位置に配置する。
次に、ノズル受け渡し機構7について説明する。ノズル受け渡し機構7は、ノズル支持部6に対してノズルNZの受け渡しを行う。塗布装置1は、例えば、複数のノズル受け渡し機構7(7A、7B)を備える。ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、例えば、旋回部18と、送液部19と、を備える。ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、ステージ4近傍に配置される。例えば、ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、ステージ4の−Y側及び+Y側に配置される。
本実施形態では、ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、同様の構成である。以下の説明では、ノズル受け渡し機構7Aを例に説明をする。
旋回部18は、上下方向(鉛直方向)を軸としてノズルNZを旋回可能に保持する。旋回部18は、例えば、軸部20と、支持部21と、旋回駆動部22と、ノズル保持部23と、を備える。
軸部20は、鉛直方向に延びている。軸部20は、例えば、床面に固定される。なお、軸部20は、床面以外に固定されてもよい。例えば、軸部20はフレーム2(例、基台9b)に固定されてもよい。軸部20は、支持部21を、取り付け部材(図示せず)を介して、軸部20の鉛直方向の軸まわりに回転可能に支持する。
支持部21は、ノズル保持部23を支持する。支持部21は、軸部20の軸周りに旋回する。支持部21は、旋回駆動部22に接続され、旋回駆動部22の駆動により旋回する。軸部20及び支持部21は、ノズルNZがノズル保持部23に保持された状態において、支持部21を旋回した際に、ノズルNZの下端が、ステージ4に載置された基板Sに干渉しないよう、ステージ4に載置された基板Sの上方に配置されるように、形成されている(図2に示すノズル受け渡し機構7Bを参照)。
旋回駆動部22は、支持部21を駆動して、旋回させる。旋回駆動部22は、例えば、電動モータ等である。旋回駆動部22は、例えば、制御部3と通信可能に接続され、その駆動が制御部3に制御される。旋回駆動部22は、例えば、駆動のタイミング、駆動量、駆動方向、駆動の速度などが制御部3に制御され、支持部21を所定位置に移動させる。なお、旋回駆動部22は、制御部3に接続されなくてもよい。例えば、旋回駆動部22は、ユーザが手動で旋回を制御する構成でもよい。また、旋回駆動部22はなくてもよい。例えば、ノズル受け渡し機構7は、ユーザが人力により支持部21を旋回させる構成でもよい。
ノズル保持部23は、ノズルNZを保持する。ノズル保持部23は、保持したノズルNZを開放可能に構成される。ノズル保持部23は、例えば、ノズル支持部6のノズル保持部14との間でノズルNZの受け渡しが可能に構成される。ノズルNZの受け渡しについては、後に説明する。なお、ノズル保持部23のノズルNZの保持及び開放の機構については、後に図8〜図11において説明する。
送液部19は、ノズルNZに液状体Lを供給する。送液部19は、例えば、ポンプである。送液部19は、例えば、図3に示すように、ワゴン25に形成されている。ワゴン25は、例えば、ステージ4の側方(Y方向と平行な方向)に配置される。ワゴン25は、例えば、旋回部18に対してステージ4から離れる側(−Y側)の近傍に配置される。ワゴン25は、例えば、複数の車輪25aと、収容部25bと、送液部19と、を備える。ワゴン25は、収容部25bの下部に設けられる複数の車輪25aにより移動可能に形成されている。収容部25bは、箱体に形成され、内部に物品を収容可能である。例えば、収容部25bの内部には、液状体Lを格納する複数の容器27が収容されている。送液部19は、例えば、収容部25bの上部の管部25cに配置される。送液部19は、例えば、収容部25bに収容される容器27と、管部25cを介して、パイプなどの配管(図示せず)により接続される。また、送液部19は、例えば、複数のノズルNZのうちの、対応する所定のノズルNZとパイプなどの配管(図示せず)により接続される。例えば、ノズル受け渡し機構7Aの送液部19は、ノズルNZ1に接続され、ノズル受け渡し機構7Bの送液部19は、ノズルNZ2に接続される。なお、ノズルNZ1と送液部19までの配管の長さと、ノズルNZ2と送液部19までの配管の長さは、ほぼ同一に設定される。この場合、送液部19の制御をノズルNZ1とノズルNZ2で同様にすることができる。
送液部19は、容器27に格納された液状体Lを所定量ノズルNZに対して送液する。送液部19は、制御部3と通信可能に接続され、制御部3によりその動作が制御される。送液部19は、例えば、ノズルNZに液状体Lを供給するタイミング、ノズルNZに供給する液状体Lの量などが、制御部3により制御される。送液部19は、例えば、制御部3の制御により駆動し、容器27に格納された液状体Lを所定の量、ノズルNZに供給する。これにより、塗布の際、ノズル支持部6に支持されるノズルNZは、送液部19の液状体Lの供給により、吐出口OPから所定量の液状体Lを基板Sに対して吐出して、液状体Lを基板Sに塗布する。
なお、送液部19及び容器27のうち少なくとも一つは、ワゴン25に形成されなくてもよい。また、塗布装置1がワゴン25を備えるか否かは、任意である。
以上のように構成されるノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、受け渡し位置P1A、P1Bと、待機位置P2A、P2Bとの間を移動して、受け渡し位置P1A、P1Bで、ノズル支持部6に対してノズルNZの受け渡しを行い、待機位置P2A、P2Bで待機する(図5(A)、図6(A)参照)。なお、本実施形態のノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、旋回による水平のみの移動により、受け渡し位置P1A、P1Bと、待機位置P2A、P2Bとの間を移動可能に形成されている。この場合、迅速にノズルNZの受け渡しをすることができる。
受け渡し位置P1A、P1Bは、それぞれ、ノズル支持部6とノズル受け渡し機構7A、7Bとの間で、ノズルNZの受け渡しが可能な位置に設定される。例えば、ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、受け渡し位置P1A、P1Bにおいて、支持部21の長手方向が、ステージ4の移動方向と直交する方向(Y方向と平行な方向)になるように形成されている。
待機位置P2A、P2Bは、それぞれ、ノズル受け渡し機構7A、7BがノズルNZを保持したときに、ノズルNZがステージ4の上方から外れた位置に設定される。ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、待機位置P2A、P2Bにおいて、支持部21の長手方向が、X方向と平行な方向になるように形成される。例えば、ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、待機位置P2A、P2Bにおいて、ノズルNZのメンテナンスなどが行われる。
以下、塗布装置1の動作に基づいて、本実施形態に係る塗布方法を説明する。図4は、実施形態に係る塗布方法のフローチャートである。図5〜図7は、塗布装置1の動作の一例を示す図である。なお、図4を説明する際、適宜、図1〜図3、及び図5〜図7を参照する。
本塗布方法は、基板Sに液状体Lを塗布する方法である。本塗布方法は、例えば、図4に示すステップS1において、ノズルNZを保持していないノズル受け渡し機構7Aを、ノズル支持部6に対して進出させる。例えば、図5(A)に示すように、ノズルNZを保持していない待機位置P2Aに位置するノズル受け渡し機構7Aは、制御部3の制御により旋回駆動部22が駆動して、旋回部18が旋回することにより、受け渡し位置P1Aに移動する。ノズル受け渡し機構7Aは、旋回による水平のみの移動により、受け渡し位置P1Aと待機位置P2Aとの間を移動可能に形成されているので、迅速に移動することができる。
続いて、図4に示すステップS2において、ノズル受け渡し機構7AによりノズルNZを保持する。例えば、受け渡し位置P1Aにおいて、ノズル受け渡し機構7Aは、ノズル支持部6が保持している状態のノズルNZ1を、ノズル保持部23で保持する。この時、ノズルNZ1は、ノズル支持部6のノズル保持部14及びノズル受け渡し機構7Aのノズル保持部23の両方の保持機構により保持される。
続いて、図4に示すステップS3において、ノズル支持部6によるノズルNZの保持を開放する。例えば、ノズル支持部6は、ノズル受け渡し機構7AがノズルNZ1を保持している状態で、ノズルNZ1を開放し、ノズルNZ1がノズル受け渡し機構7Aに渡される。ノズルNZ1は、ノズル支持部6とノズル受け渡し機構7Aとのいずれかに保持された状態で、受け渡しが行われるので、確実にノズルNZの受け渡しを行うことができる。
続いて、図4に示すステップS4において、ノズル受け渡し機構7Aを退避する。ノズル支持部6に選択されないノズルNZ1は、ノズル受け渡し機構7Aによりステージの上方から退避する。例えば、図5(B)に示すように、ノズル受け渡し機構7Aは、ノズルNZ1を保持している状態で、制御部3の制御により旋回駆動部22が駆動して、待機位置P2Aに移動する。例えば、待機位置P2Aにおいて、ノズル受け渡し機構7Aに保持されたノズルNZ1は、ノズルの交換、ノズルのメンテナンスなどが行われる。
続いて、図4に示すステップS5において、ノズルNZ2を保持している別のノズル受け渡し機構7Bを、ノズル支持部6に対して進出させる。例えば、図6(A)に示すように、ノズルNZ2を保持している待機位置P2Bに位置するノズル受け渡し機構7Bは、制御部3の制御により旋回駆動部22が駆動して、旋回部18が旋回することにより、受け渡し位置P1Bに移動する。ノズル受け渡し機構7Bは、旋回による水平方向のみの移動により、受け渡し位置P1Bと待機位置P2Bとの間を移動可能に形成されているので、迅速に移動することができる。
続いて、図4に示すステップS6において、ノズル支持部6によりノズルNZ2を保持する。例えば、受け渡し位置P2Aにおいて、ノズル支持部6は、ノズル受け渡し機構7Bが保持している状態のノズルNZ2を、ノズル保持部14で保持する。この時、ノズルNZは、ノズル支持部6のノズル保持部14及びノズル受け渡し機構7Bのノズル保持部23の両方の保持機構により保持される。
続いて、図4に示すステップS7において、ノズル受け渡し機構7BによるノズルNZ2の保持を開放する。例えば、ノズル受け渡し機構7Bは、ノズル支持部6がノズルNZを保持している状態で、ノズルNZ2を開放し、ノズルNZ2がノズル支持部6に渡される。ノズルNZ2は、ノズル支持部6とノズル受け渡し機構7Aとのいずれかに保持された状態で、受け渡しが行われるので、確実にノズルNZの受け渡しを行うことができる。
続いて、図4に示すステップS8において、ノズル受け渡し機構7Bを退避する。例えば、図6(B)に示すように、ノズル受け渡し機構7Bは、制御部3の制御により旋回駆動部22が駆動して、待機位置P2Bに移動し待機する。なお、ステップS8を行うか否かは任意である。
続いて、図4に示すステップS9において、ステージ4上に基板Sを載置する。例えば、図7(A)に示すように、基板Sをステージ4に位置決めして載置する。なお、基板Sの載置は、例えば、ユーザが人力により行ってもよいし、搬送装置等の装置により行ってもよい。
続いて、図4に示すステップS10において、ステージ4を移動させて基板S上に液状体Lを塗布する。例えば、図7(B)に示すように、ステージ4とノズル支持部6とを相対的に移動させて、基板S上に液状体Lを塗布する。例えば、まず、制御部3の制御により、昇降駆動部15は、ノズルNZ2の下端と基板Sと間隔が所定の間隔になるように、支持部13を駆動することにより、ノズルNZ2を移動する。次に、制御部3の制御により、ステージ駆動部5はステージ4を−X方向に移動させながら、送液部19が所定の量の液状体LをノズルNZ2に供給する。これにより、ノズルNZ2は、液状体Lを吐出口OPから吐出して、基板S上に液状体Lを塗布する。基板Sへの液状体Lの塗布が終了の後、基板Sを搬出する。基板Sの搬出は、例えば、ユーザが手動により行ってもよいし、搬送装置などにより行ってもよい。なお、ステップS9によるステージ4上の基板Sの載置は、例えば、上記したステップS1の開始前に行ってもよい。
次に、ノズル支持部6のノズル保持部14及びノズル受け渡し機構7のノズル保持部23について説明する。図8〜図10は、それぞれ、ノズル支持部6及びノズル受け渡し機構7のノズル保持部の第1の例〜第3の例を示す図である。
ノズル支持部6のノズル保持部14及びノズル受け渡し機構7のノズル保持部23は、それぞれ、互いにノズルNZの受け渡しが可能であれば、構成は任意である。ノズル支持部6のノズルNZの保持機構は、例えば、図8〜図10に示す第1の例〜第3の例のいずれの構成を用いてもよい。
まず、図8(A)及び(B)に示すノズル支持部6のノズル保持部14A、及びノズル受け渡し機構7のノズル保持部23Aの第1の例について説明する。第1の例のノズル支持部6のノズル保持部14A、及びノズル受け渡し機構7のノズル保持部23Aは、それぞれ、ノズルNZをノズルNZの長手方向で挟み込むことにより、ノズルNZを保持する。ノズル支持部6のノズル保持部14A及びノズル受け渡し機構7のノズル保持部23Aは、それぞれ、把持部30を備える。
ノズル支持部6の把持部30は、例えば、図8(A)に示すように、ノズルNZを長手方向(Y方向と平行な方向)に挟みこむことが可能に形成される一対の把持部材である。一対の把持部材は、ノズルNZの長手方向にノズルNZを挟んで配置される。一対の把持部材は、それぞれ、凹部30aを有している。凹部30aは、ノズルNZの長手方向の端部を挿入可能に形成されている。一対の把持部材は、支持部13に支持される。一対の把持部材は、図示しないガイドを介して、支持部13に対してノズルNZの長手方向と平行な方向に移動可能に、支持部13に支持される。一対の把持部材は、ノズルNZを保持する際、ノズルNZに近づく方向に移動することにより、ノズルNZの長手方向の端部が凹部30aに挿入され、ノズルNZを押圧することでノズルNZを支持する。また、一対の把持部材は、ノズルNZを保持から解放する際、ノズルNZに離れる方向に移動することにより、ノズルNZの長手方向の端部が凹部30aからはずれることで、ノズルNZを解放する。
次に、ノズル受け渡し機構7の把持部30は、一対の把持部材が支持部21に支持される。ノズル受け渡し機構7の把持部30は、配置される位置が異なる以外は、ノズル支持部6の把持部30と同様に構成される。ノズル受け渡し機構7の把持部30は、ノズルNZの長手方向から挟んで保持し、把持部30によりノズルNZの挟み込みを解除することにより、保持したノズルNZを開放する。
ノズル支持部6の把持部30とノズル受け渡し機構7の把持部30とは、図8(B)に示すように、それぞれ、ノズルNZの受け渡しをする位置P1A、P1B(図5(A)、図6(A)参照)において、異なる高さになるように形成されている。例えば、図8(B)に示す例では、位置P1A、P1Bにおいて、ノズル支持部6の把持部30は、ノズル受け渡し機構7の把持部30に対して、下方に位置するように形成されている。なお、位置P1A、P1Bにおいて、ノズル支持部6の把持部30は、ノズル受け渡し機構7の把持部30に対して、上方に位置するように形成されていてもよい。
第1の例では、ノズル支持部6の把持部30とノズル受け渡し機構7の把持部30とが、図8(B)に示すように、それぞれ、ノズルNZの受け渡しをする位置P1(図5(A)、図6(A)参照)において、異なる高さになるように形成されているので、ノズル支持部6の把持部30及びノズル受け渡し機構7の把持部30において、それぞれのノズル保持動作及びノズル開放動作は、干渉せず、独立して行うことができる。これにより、ノズル支持部6及びノズル受け渡し機構7の一方がノズルNZを保持した状態で、他方がノズルNZを開放することができる。
続いて、図9に示すノズル支持部6のノズル保持部14及びノズル受け渡し機構7のノズル保持部23の第2の例について説明する。第2の例のノズル支持部6のノズル保持部14B及びノズル受け渡し機構7のノズル保持部23Bは、それぞれ、把持部32を備え、ノズルNZに設けられた被把持部31を、把持部32により挟み込むことでノズルNZを保持する。
図9に示すように、ノズルNZには、被把持部31が設けられている。被把持部31は、ノズルNZの短手方向(X方向と平行な方向)の両側のそれぞれの面に設けられている。被把持部31は、例えば、突出部31aを有するフランジ部材である。ノズル支持部6に近い側(−X側)に設けられた被把持部31は、ノズル支持部6の把持部32に挟み込まれる。また、ノズル支持部6に対して離れた側(+X側)に設けられた被把持部31は、ノズル受け渡し機構7の把持部32に挟み込まれる。
ノズル支持部6の把持部32は、例えば、図9に示すように、被把持部31の突出部31aをノズルNZの長手方向(Y方向と平行な方向)に挟みこむことが可能に形成される、一対の把持部材である。一対の把持部材は、被把持部31をノズルNZの長手方向を挟んで配置される。一対の把持部材は、それぞれ、凹部32aを有している。凹部32aは、被把持部31の突出部31aを挿入可能に形成されている。一対の把持部材は、支持部13に支持される。一対の把持部材は、図示しないガイドを介して、支持部13に対してノズルNZの長手方向と平行な方向に移動可能に、支持部13に支持される。一対の把持部材は、ノズルNZを保持する際、ノズルNZに近づく方向に移動することにより、ノズルNZのノズル支持部6側の突出部31aが凹部32aに挿入され、突出部31aを押圧することでノズルNZを支持する。また、一対の把持部材は、ノズルNZを保持から解放する際、ノズルNZから離れる方向に移動することにより、突出部31aが凹部32aからはずれることで、ノズルNZを開放する。
ノズル受け渡し機構7の把持部32は、一対の把持部材が支持部21に支持される点以外は、ノズル支持部6の把持部32と同様に構成され、ノズルNZのノズル支持部6から離れた側の突出部31aを長手方向から挟むことによりノズルNZを保持し、把持部32によりノズルNZの挟み込みを解除することにより、保持したノズルNZを開放する。
本例では、被把持部31は、ノズルNZの短手方向のそれぞれの面に設けられているので、ノズル支持部6の把持部32及びノズル受け渡し機構7の把持部32は、位置P1(図5(A)、図6(A)参照)において、ノズルNZの短手方向に対して反対側において、それぞれのノズル保持動作及びノズル開放動作を、干渉せず、独立して行うことができる。これにより、ノズル支持部6及びノズル受け渡し機構7の一方がノズルNZを保持した状態で、他方がノズルNZを開放することができるので、ノズルNZの受け渡しを確実に行うことができる。
なお、被把持部31及び把持部32は、それぞれ、被把持部31を把持部32により把持(保持)可能であれば、任意の構成を用いることができる。また、把持部32は、例えば、駆動部(不図示)により行われてもよい。
続いて、図10に示すノズル支持部6のノズル保持部14及びノズル受け渡し機構7のノズル保持部23の第3の例について説明する。第3の例のノズル支持部6のノズル保持部14C及びノズル受け渡し機構7のノズル保持部23Cは、それぞれ、電磁石部38を備え、ノズルNZに設けられた被吸着部37を電磁石部38が吸着することで、ノズルNZを保持する。
図10に示すように、ノズルNZには、それぞれ、被吸着部37が設けられている。被吸着部37は、ノズルNZの短手方向(X方向と平行な方向)のそれぞれの面に設けられている。被吸着部37は、電磁石部38に吸着可能な鉄などの磁性材料により形成される。
ノズル支持部6の電磁石部38は、例えば、磁性材料で形成される芯のまわりにコイルが巻かれ、通電することによって一時的に磁力を発生させる磁石である。ノズル支持部6の電磁石部38は、電源(図示せず)及びスイッチ39に接続され、通電および遮断の切り替えが行われる。電磁石部38は、支持部13に支持される。電磁石部38は、スイッチ39で通電することにより、磁力が発生して被吸着部37を吸着して、ノズルNZを保持する。電磁石部38は、スイッチ39で遮断することにより、磁力がなくなり被吸着部37との吸着が解除されて、ノズルNZを開放する。スイッチ39による通電および遮断の切り替えは、例えば、制御部3により制御される。なお、スイッチ39による通電および遮断の切り替えは、ユーザが手動により行う構成でもよい。
ノズル受け渡し機構7のノズル保持部23Cは、電磁石部38が支持部21に支持される点以外は、ノズル支持部6のノズル保持部14Cと同様に構成され、ノズルNZに設けられた被吸着部37に電磁石部38が吸着することによりノズルNZを保持し、電磁石部38による被吸着部37の吸着を解除することにより、保持したノズルNZを開放する。
本例では、被吸着部37は、ノズルNZの短手方向のそれぞれの面に設けられているので、ノズル支持部6の電磁石部38及びノズル受け渡し機構7の電磁石部38は、位置P1(図5(A)、図6(A)参照)において、ノズルNZの短手方向に対して反対側において、それぞれのノズル保持動作及びノズル開放動作を、干渉せず、独立して行うことができる。これにより、ノズル支持部6及びノズル受け渡し機構7の一方がノズルNZを保持した状態で、他方がノズルNZを開放することができる。
次に、位置決め部41について説明する。図11(A)及び(B)は、位置決め部の一例を示す図であり、(A)は上方から見た図であり、(B)は側方から見た図である。
以下、図8(A)及び(B)に示すノズル支持部6のノズル保持部14Aの位置決め部41を例に説明する。位置決め部41は、例えば、図11(A)及び(B)に示すように、支持面42と、2つの凸部43と、2つの凹部44と、を備える。支持面42は、例えば、矩形平板状である。支持面42は、例えば、支持部13の2つの面のうちのノズルNZを保持する側(+X側)の面に設けられる。支持面42の+X側の面は、ノズルNZがノズル保持部14Aに保持されたときに、ノズルNZの−X側の面に密着するように形成される。
2つの凸部43は、支持面42の+X側の面の、支持面42の高さ方向における中央部分に、Y方向と平行な方向に並んで形成される。2つの凸部43は、例えば、円錐状(テーパー状)である。2つの凹部44は、ノズルNZの−X側の面に、Y方向と平行な方向に並んで形成され、ノズルNZがノズル保持部14Aに保持されたときに、2つの凸部43が嵌め合わされるように形成される。
なお、凸部43および凹部44の個数は、それぞれ、2つでなくてもよく、例えば、凸部43および凹部44の個数は、3つ以上でもよい。なお、凸部43の形状は、円錐状(テーパー状)に限定されず、任意である。例えば、凸部43の形状は、円柱状でもよいし、矩形柱状でもよい。
位置決め部41は、ノズルNZがノズル保持部14Aに保持されたときに、支持面42がノズルNZの−X側の面と密着することにより、ノズルNZのY軸まわり及びZ軸まわりの移動を規制し、且つ、2つの凸部43と2つの凹部44とが嵌め合わされることにより、ノズルNZのX軸まわりの移動を制限する。これにより、位置決め部41は、ノズルNZがノズル保持部14Aに保持されたときに、ノズルNZを所定位置に位置決めすることができる。また、2つの凸部は、円錐状(テーパー状)であるので、ノズル受け渡し機構7がノズルNZをノズル支持部6に対して受け渡しをする際、ノズルNZの位置が若干ずれていても、ノズルNZを位置決めすることができる。
なお、図9に示すノズル保持部14Bに位置決め部41を設ける場合、例えば、支持面42及び2つの凸部43は、把持部32の上方または下方に配置され、2つの凹部44は、ノズルNZがノズル保持部14Bに保持されたときに、2つの凸部43が嵌め合わされる位置に配置される。
また、図10に示すノズル保持部14Cに位置決め部41を設ける場合、例えば、支持面42及び2つの凸部43は、電磁石部38の上方または下方に配置され、2つの凹部44は、ノズルNZがノズル保持部14Cに保持されたときに、2つの凸部43が嵌め合わされる位置に配置される。
なお、図8〜図10に示すノズル受け渡し機構7に位置決め部41を設けてもよい。例えば、図8に示すノズル受け渡し機構7のノズル保持部23Aに位置決め部41を設ける場合、支持面42及び2つの凸部43は、ノズル保持部23Aの支持部21に配置され、2つの凹部44は、ノズルNZがノズル保持部14Aに保持されたときに、2つの凸部43が嵌め合わされる位置に配置される。また、図9に示すノズル受け渡し機構7のノズル保持部23Bに位置決め部41を設ける場合、例えば、支持面42及び2つの凸部43は、ノズル保持部23Bの把持部32の上方または下方に配置され、2つの凹部44は、ノズルNZがノズル保持部14Aに保持されたときに、2つの凸部43が嵌め合わされる位置に配置される。また、図10に示すノズル受け渡し機構7のノズル保持部23Cに位置決め部41を設ける場合、例えば、支持面42及び2つの凸部43は、電磁石部38の上方または下方に配置され、2つの凹部44は、ノズルNZがノズル保持部14Aに保持されたときに、2つの凸部43が嵌め合わされる位置に配置される。
このように、本実施形態の塗布装置1および塗布方法は、ノズル支持部6に対してノズルNZの受け渡しを行うことで複数のノズルNZから1つを選択するので、ノズル支持部6を複数のノズルNZで共用することができる。これにより、装置のコストを抑制することができ、また、装置の構成をシンプルでコンパクトにすることができる。また、複数のノズルNZでノズル支持部6を共用するので、ノズルの交換による、ノズル支持部6のノズルの支持機構、あるいはノズルの駆動機構の調整に要する時間を抑制することができ、迅速にノズルの交換を行うことができる。
以上のように、本実施形態の塗布装置1及び塗布方法は、迅速にノズルの交換を行うことができる。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
図12(A)及び(B)は、第2実施形態に係る塗布装置1Aを示す図であり、(A)はX方向から見た図であり、(B)は上方から見た図である。本実施形態の塗布装置1Aは、メンテナンス部46を備える。塗布装置1Aは、ワゴン25A、メンテナンス部46以外は、第1実施形態の塗布装置1と同様の構成である。なお、図12において、塗布装置1Aのメンテナンス部46以外は、図示を省略あるいは簡略化している。
メンテナンス部46は、ノズルNZのメンテナンスを行う部分である。例えば、塗布装置1Aのワゴン25Aは、メンテナンス部46を備える。ワゴン25Aは、メンテナンス部46を備える点以外は、第1実施形態のワゴン25と同様の構成である。なお、ワゴン25Aは、ノズル受け渡し機構7A、7Bの近傍に2つ配置される。
メンテナンス部46は、ワゴン25Aの上部に配置される。メンテナンス部46は、例えば、待機位置P2A、P2Bに位置するノズル受け渡し機構7A、7Bに保持された状態のノズルNZがアクセス可能に形成されている。例えば、本実施形態では、ワゴン25Aが移動することにより、ノズル受け渡し機構7A、7Bに保持された状態のノズルNZがワゴン25Aのメンテナンス部46にアクセス可能である。
メンテナンス部46は、例えば、ノズルNZの先端を洗浄する洗浄部(図示せず)と、ノズルNZから液状体Lを予備的に吐出するための予備吐出部(図示せず)と、ノズルNZの先端を払拭する払拭部(図示せず)と、を備える。なお、メンテナンス部46は、これらのうち少なくとも1つを備えていればよい。
洗浄部は、例えば、ノズルNZを洗浄するための洗浄液を保持する容器を備える。予備吐出部は、ノズルNZから予備吐出した液状体Lを受けるための容器を備える。払拭部は、例えば、ノズルNZの先端に対して移動することによりノズルNZを払拭する払拭部材を備える。
以上のように、本実施形態の塗布装置1Aは、メンテナンス部46を備えるので、ノズルNZのメンテナンスを塗布動作中に行うことができる。これにより、塗布装置1Aは、生産性の低下を抑制することができる。また、本実施形態の塗布装置1Aは、ワゴン25Aがメンテナンス部46を備えるので、メンテナンス部46の構成をシンプルにすることができる。また、メンテナンス部46及び送液部19はワゴン25Aを共用するので、塗布装置1Aの装置サイズをコンパクトにすることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
図13は、第3実施形態に係る塗布装置1Bを示す上面図である。本実施形態の塗布装置1Bは、例えば、フレーム2と、制御部3(図示せず)と、ステージ4と、ステージ駆動部5(駆動部)と、4つのノズルNZ(NZ1〜NZ4)と、2つのノズル支持部6(6A、6B)と、4つのノズル受け渡し機構7(7A〜7D)と、を備える。なお、制御部3、ステージ4、及びステージ駆動部5(駆動部)は、第1実施形態の同様であるので、説明を省略あるいは簡略化する。
本実施形態のフレーム2は、ステージ支持部9Bと、ガントリ10と、を備える。本実施形態のステージ支持部9Bは、第1実施形態のステージ支持部9よりもX方向に長く形成される以外は、第1実施形態と同様の構成である。ステージ4は、ステージ支持部9BのX方向と平行な方向の両端部の間を移動する。ガントリ10は、第1実施形態のガントリ10と同様の構成である。
2つのノズル支持部6A、6Bは、それぞれ、例えば、ガントリ10の架橋部10bに支持される。例えば、ノズル支持部6Aは、ガントリ10の架橋部10bの+X側に支持され、ノズル支持部6Bは、ガントリ10の架橋部10bの−X側に支持される。
ノズル支持部6Aは、第1実施形態のノズル支持部6と同様の構成であり、複数のノズルNZ1、NZ2から1つを選択して支持し、かつ、支持したノズルNZを昇降させる。ノズル支持部6Bは、複数のノズルNZ3、NZ4から1つを選択して支持し、かつ、支持したノズルNZを昇降させる。ノズル支持部6Bは、ガントリ10に支持される位置、及び支持するノズルNZが異なること以外は、第1実施形態のノズル支持部6と同様の構成である。また、ノズル支持部6A、6Bの動作は、それぞれ、第1実施形態のノズル支持部6と同様である。
ノズル受け渡し機構7A〜7Dは、それぞれ、ステージ支持部9Bの近傍に配置される。例えば、ノズル受け渡し機構7A、ACは、ステージ支持部9Bの−Y側に、X方向と平行な方向に並んで形成される。例えば、ノズル受け渡し機構7B、7Dは、ステージ支持部9Bの+Y側に、X方向と平行な方向に並んで形成される。ノズル受け渡し機構7A〜ADは、それぞれ、配置される位置が異なる点以外は、第1実施形態のノズル受け渡し機構7Aと同様の構成である。ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、ノズル支持部6Aとの間でノズルNZの受け渡しが可能に形成されている。また、ノズル受け渡し機構7C、ADは、それぞれ、ノズル支持部6Bに対してノズルNZの受け渡しが可能に形成されている。ノズル受け渡し機構7A〜7Dの動作は、それぞれ、第1実施形態のノズル受け渡し機構7と同様である。
ノズルNZ1〜NZ4は、それぞれ、第1実施形態と同様のスリットノズルである。ノズルNZ1は、ノズル受け渡し機構7Aの送液部19に接続され、ノズル支持部6及びノズル受け渡し機構7Aのいずれかに支持される。また、ノズルNZ2は、ノズル受け渡し機構7Bの送液部19に接続され、ノズル支持部6及びノズル受け渡し機構7Bのいずれかに支持される。また、ノズルNZ3は、ノズル受け渡し機構7Cの送液部19に接続され、ノズル支持部6及びノズル受け渡し機構7Cのいずれかに支持される。また、ノズルNZ4は、ノズル受け渡し機構7Dの送液部19に接続され、ノズル支持部6及びノズル受け渡し機構7Dのいずれかに支持される。
次に、塗布装置1Bの動作について説明する。本実施形態の塗布装置1Bは、4つのノズルNZ1〜NZ4のいずれか1つをノズル支持部6Aあるいはノズル支持部6Bで選択して、基板Sに塗布する点が第1実施形態と異なっており、これ以外の動作については、第1実施形態の塗布装置1の動作と同様である。
本実施形態の塗布装置1Bは、ノズルNZ1〜NZ4から1つを選択して、ノズル支持部6Aあるいはノズル支持部6Bに支持する。例えば、ノズルNZ1、NZ2のいずれかが選択される場合、ノズルNZ1、NZ2は、対応するノズル受け渡し機構7A、7Bにより、ノズル支持部6Aに渡され、ノズル支持部6Aに支持される。また、ノズルNZ3、NZ4のいずれかが選択される場合、ノズルNZ3、NZ4は、対応するノズル受け渡し機構7C、7Dにより、ノズル支持部6Bに渡され、ノズル支持部6Bに支持される。
ノズル支持部6Aあるいはノズル支持部6Bに支持されたノズルNZは、対応する昇降駆動部15により、ノズルNZの下端が基板Sに対して所定の距離になるように移動する。続いて、制御部3の制御により、ステージ駆動部5が駆動し、ステージ4が+X方向又は−X方向と平行な方向に移動しながら、ノズルNZは、対応する送液部19によりに液状体Lが供給されて、吐出口OPから液状体Lを吐出する。これにより、塗布装置1Bは、基板Sに液状体Lを塗布する。
ノズル支持部6Aあるいはノズル支持部6Bに支持されたノズルNZは、交換する際、対応するノズル受け渡し機構7A〜7Dのいずれかに渡される。この際、ノズル支持部6A及びノズル支持部6Bは、それぞれ、ノズルNZを支持していない状態である。続いて、最初に戻り、塗布装置1Bは、複数のノズルNZ1〜NZ4から1つを選択して、ノズル支持部6Aあるいはノズル支持部6Bに支持し、次の塗布が行われる。
以上のように、本実施形態の塗布装置1Bは、4つのノズルNZが交換可能に形成されているので、使用可能なノズルを多くすることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。以下、本実施形態と上記実施形態の相違点を中心に説明する。
図14は、第4実施形態に係る塗布装置の一例を示す上面図である。本実施形態の塗布装置1Cは、例えば、フレーム2、制御部3、ステージ4、ステージ駆動部5(駆動部)、ノズルNZ、ノズル支持部6C(ガントリ10の支柱部10c)、ノズル受け渡し機構7(7A、7B)、及びワゴン25を備える。制御部3、ステージ4、ステージ駆動部5、及びワゴン25は、第1実施形態と同様である。
フレーム2は、各部を支持する。フレーム2は、例えば、ステージ支持部9(図2参照)と、ガントリ10と、を含む。ステージ支持部9は、第1実施形態と同様である。
図15(A)は、第4実施形態のノズルを示す図である。第4実施形態のノズルNZは、上部にアダプタ55が取り付けられている。ノズルNZは、アダプタ55が取り付けられている以外は、第1実施形態と同様である。アダプタ55は、長手方向(Y方向と平行な方向)の長さが、ノズルNZよりも長く形成されている。アダプタ55の下面(下部)には、アダプタ55を、後に説明するガントリ10の支柱部10cに位置決めする位置決め部56が設けられている。位置決め部56は、アダプタ55の下面に設けられる凹部56aと、支柱部10cの上面に設けられる凸部56b(図15(B)参照)と、を備える。凹部56aは、アダプタ55の下部の+Y側及び−Y側に設けられている。各凹部56aは、下方に開口される。各凹部56aには、ノズルNZがガントリ10(支柱部10c(ノズル支持部6C))に設置される際、支柱部10cの凸部56bがはめ込まれ、その結果、ノズルNZは支柱部10cに対して位置決めされる。
アダプタ55の上面には、被支持部57が設けられている。被支持部57は、後に説明するノズル受け渡し機構7のノズル保持部23D(図16(A)参照)に支持される。被支持部57は、例えば、一対のL字状の部材(L字状部材)で構成されている。被支持部57は、例えば、一対のL字状の部材が、Y方向と平行な方向(ノズルNZの長手方向と平行な方向)に沿って配置される。+Y側のL字状部材は−Y側に突出した突出部57aを有し、−Y側のL字状部材は+Y側に突出した突出部57aを有している。各L字状部材の突出部57aの下面(下部)には、ノズル保持部23Dに位置決めする位置決め部60の凹部60aが設けられている。凹部60aは、例えば、円錐状(テーパー状)である。各位置決め部60は、凹部60aと、後に説明するノズル保持部23Dの突出部65の上面に設けられる凸部60b(図16(B)参照)と、を備える。各凹部60aは、下方に開口される。各凹部60aは、ノズルNZがノズル受け渡し機構7に保持される際、ノズル受け渡し機構7の支持部Qの凸部60bがはめ込まれ、その結果、ノズルNZは、ノズル受け渡し機構7の支持部21に対して位置決めされる。
図15(B)は、第4実施形態のノズル及びガントリを示す図である。本実施形態のガントリ10は、一対の支柱部10cを備える。一対の支柱部10cはステージ4をY方向に挟んで2つ設けられている。各支柱部10cは、ステージ支持部9に支持されている。各支柱部10cは、鉛直方向に延びており、後に説明する昇降駆動部15の駆動により鉛直方向に移動する。各支柱部10cは、その上面(+Z側の面)でアダプタ55を介してノズルNZを支持するノズル支持部6Cである。各支柱部10c(ノズル支持部6C)は、複数のノズルNZ(NZ1、NZ2)から1つを選択して支持し、後に説明するノズル受け渡し機構7との間でノズルNZの受け渡しが可能に構成されている。なお、支柱部10cは、ステージ支持部9に支持されなくてもよい。例えば、支柱部10cは、床面に支持されてもよいし、第1実施形態のガントリ10の支柱部10aに支持されてもよい。
各支柱部10cには、アダプタ55の位置決めをする、位置決め部56の凸部56bが設けられている。各凸部56bは、例えば、円錐状(テーパー状)である。各凸部56bは、ノズルNZがガントリ10(支柱部10c)に支持される際、アダプタ55の凹部56aにはまり込み、ノズルNZは位置決めされる。なお、凹部56a及び凸部56bの個数は、それぞれ、2つでなくてもよく、例えば、凹部56a及び凸部56bの個数は、3つ以上でもよい。なお、凹部56a及び凸部56bの形状は、それぞれ、円錐状(テーパー状)に限定されず、任意である。例えば、凹部56a及び凸部56bの形状は、円柱状でもよいし、矩形柱状でもよい。
本実施形態の塗布装置1Cは、クランプ機構62を備える(図15(B)参照)。クランプ機構62は、アダプタ55と支柱部10cとを固定する。クランプ機構62は、+Y側及び−Y側に設けられている。各クランプ機構62は、例えば、支柱部10cに取り付けられている。各クランプ機構62は、例えば、アダプタ55を支柱部10cの上面に押し付けて固定する。各クランプ機構62は、制御部3(図14参照)の制御により、不図示の駆動部により駆動され、アダプタ55と支柱部10cとを固定する。また、各クランプ機構62は、制御部3の制御により、不図示の駆動部により駆動され、アダプタ55と支柱部10cとの固定を開放する。なお、クランプ機構62は、図15(B)の例では、+Y側及び−Y側に設けられているが、+Y側及び−Y側の少なくとも一方に設けられてもよい。また、塗布装置1Cが、クランプ機構62を備えるか否かは任意である。
また、各支柱部10cは、昇降駆動部15により鉛直方向に駆動する。昇降駆動部15は、各支柱部10cを鉛直方向に駆動することにより、支持するノズルNZを昇降させる。昇降駆動部15は、例えば、電動モータ等である。昇降駆動部15は、制御部3(図14参照)に制御され、塗布時におけるノズルNZと基板Sとの距離の調整時(微調整時)、及び、ガントリ10(支柱部10c)とノズルNZとノズル受け渡し機構7(7A、7B)とにおけるノズルNZの受け渡し時などの際に、ノズルNZを昇降させる。
次に、図14の説明に戻り、第4実施形態のノズル受け渡し機構7について説明する。ノズル受け渡し機構7は、複数のノズル受け渡し機構7A、7Bを備える。ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、ステージ4近傍に配置される。ノズル受け渡し機構7Aは、ステージ4の−Y側に配置され、ノズルNZ1を支持する。ノズル受け渡し機構7Bは、ステージ4の+Y側に配置され、ノズルNZ2を支持する。ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、旋回部18と、送液部19と、を備える。各送液部19は、第1実施形態と同様であり、対応するノズルNZに接続され、液状体L(図7(B)参照)を送液する。
図16(A)は、第4実施形態のノズル受け渡し機構を示す図である。図16(A)は、第4実施形態のノズル受け渡し機構7Bを−Y方向から見た図である。なお、本実施形態では、ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、同様の構成である。以下の説明では、ノズル受け渡し機構7Bを例に説明をする。
旋回部18は、上下方向(鉛直方向)を軸としてノズルNZを旋回可能に保持する。旋回部18は、例えば、軸部20と、支持部21と、旋回駆動部22と、ノズル保持部23Dと、を備える。軸部20、支持部21、及び旋回駆動部22は、第1実施形態と同様である。旋回駆動部22は、制御部3(図14参照)に制御され、軸部20に回転可能に支持される支持部21を旋回させる。支持部21は、旋回駆動部22の駆動により、第1実施形態と同様に、水平方向に旋回する。なお、受け渡し機構7は、旋回駆動部22を備えず、ユーザが人力により支持部21を旋回させる構成でもよい。
ノズル保持部23Dは、ノズルNZを保持する。ノズル保持部23Dは、例えば、一対のL字状の部材(L字状部材)で構成されている。この一対のL字状部材は、X方向と平行な方向(支持部21の長手方向と平行な方向)に並んで配置される。+X側のL字状部材は+X側に突出した突出部65を有し、−X側のL字状部材は−X側に突出した突出部65を有している。各突出部65は、ノズルNZ(アダプタ55)の被支持部57の内側(中央側)に位置する。各突出部65は、その上面で、ノズルNZの被支持部57の突出部57aの下面を支持する。ノズル保持部23Dは、ノズルNZの被支持部57を支持することにより、ノズルNZを支持する。
図16(B)は、本実施形態のノズル保持部23Dの拡大図である。ノズル保持部23Dは、各突出部65の上面(上部)に、ノズルNZの位置決めをする位置決め部60の凸部60bが設けられている。各凸部60bは、ノズルNZがノズル保持部23Dに支持される際、アダプタ55の被支持部57の各凹部60aにはまり込み、ノズルNZは位置決めされる。なお、凹部60a及び凸部60bの個数は、それぞれ、2つでなくてもよく、例えば、凹部60a及び凸部60bの個数は、3つ以上でもよい。なお、凹部60a及び凸部60bの形状は、それぞれ、円錐状(テーパー状)に限定されず、任意である。例えば、凹部60a及び凸部60bの形状は、円柱状でもよいし、矩形柱状でもよい。ノズルNZの受け渡しについては、後に説明する。なお、ノズル保持部23DのノズルNZの保持及び開放の機構については、後に説明する。
上記のように構成される本実施形態のノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、受け渡し位置P1A、P1B(図14参照)と、待機位置P2A、P2Bとの間を移動して、受け渡し位置P1A、P1Bで、ガントリ10の支柱部10cに対してノズルNZの受け渡しを行い、待機位置P2A、P2Bで待機する。
受け渡し位置P1A、P1Bは、それぞれ、ガントリ10の支柱部10cとノズル受け渡し機構7A、7Bとの間で、ノズルNZの受け渡しが可能に設定される。例えば、ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、受け渡し位置P1A、P1Bにおいて、支持部21の長手方向が、ステージ4の移動方向と直交する方向(Y方向と平行な方向)になるように形成されている(図14参照)。
待機位置P2A、P2Bは、それぞれ、ノズル受け渡し機構7A、7BがノズルNZを保持したときに、ノズルNZがステージ4の上方から外れた位置に設定される。ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、待機位置P2A、P2Bにおいて、支持部21の長手方向が、X方向と平行な方向になるように形成される(図14参照)。例えば、ノズル受け渡し機構7A、7Bは、それぞれ、待機位置P2A、P2Bにおいて、ノズルNZのメンテナンスなどが行われる。
次に、塗布装置1Cの動作について説明する。図17〜図19は、それぞれ、塗布装置1Cの動作を示す図である。塗布装置1Cの動作を説明する際、適宜、図14〜図16を参照する。
本実施形態の塗布装置1Cは、図14に示すように、2つのノズルNZ1、NZ2のいずれか1つをガントリ10の支柱部10c(ノズル支持部6C)で選択して、基板Sに塗布する。例えば、ノズルNZ1、NZ2のいずれかが選択される場合、ノズルNZ1、NZ2は、対応するノズル受け渡し機構7A、7Bにより、各支柱部10cに支持される。なお、図14は、支柱部10cが、ノズルNZ1を支持する例を示している。
各支柱部10cは、例えば、図17(A)に示すように、ノズルNZを各支柱部10cの上面で、下方から、ノズルNZのアダプタ55を支持することにより、ノズルNZを支持する。各支柱部10cは、ノズルNZを下方から支持するので、ノズルNZを落下させずに確実に保持することができる。また、ノズルNZは、位置決め部56により、各支柱部10cに位置決めされた状態で支持される。ノズルNZは、アダプタ55の下面(下部)の凹部56aに、各支柱部10cの凸部56bがはめ込まれて位置決めされる。クランプ機構62は、ノズルNZが各支柱部10cに位置決めされて支持された状態で、アダプタ55と各支柱部10cとを固定する。+Y側及び−Y側のクランプ機構62は、例えば、アダプタ55の下面を各支柱部10cの上面に押し付けて固定する。アダプタ55と各支柱部10cとは、クランプ機構62により、確実に固定される。各クランプ機構62は、制御部3(図14参照)の制御により、不図示の駆動部により駆動され、アダプタ55と各支柱部10cとを固定する。塗布装置1Cは、制御部3の制御により昇降駆動部15(図14参照)を駆動して、基板SとノズルNZとの間の距離を微調整して、基板Sに塗布を行う。塗布装置1Cによる基板Sの塗布の動作は、第1実施形態と同様である。
次に、塗布装置1Cによる、各支柱部10cに支持されたノズルNZを交換する動作を説明する。なお、以下の説明では、ノズル受け渡し機構7Bを用いてノズルを交換する例を説明するが、ノズル受け渡し機構7Aについても同様である。
塗布装置1Cは、各支柱部10cに支持されたノズルNZを交換する際、まず、図17(B)に示すように、制御部3(図14参照)は、昇降駆動部15を駆動し、支柱部10cを鉛直上方に移動させる。制御部3は、各支柱部10cを鉛直上方の所定位置に移動させる。この所定位置は、各支柱部10cとノズル受け渡し機構7(7A、7B)との間で、ノズルNZの受け渡しが可能な位置である。例えば、この所定位置は、アダプタ55の被支持部57の下方に、ノズル受け渡し機構7のノズル保持部23Dが配置可能な位置に設定される。
続いて、図18(A)に示すように、制御部3は、旋回駆動部22を駆動し、ノズル受け渡し機構7の旋回部18を旋回させる。制御部3は、旋回部18を、受け渡し位置P1Bに移動させる。この受け渡し位置P1Bにおいて、旋回部18は、各支柱部10cの鉛直上方の所定位置に配置される。例えば、受け渡し位置P1Bにおいて、ノズル受け渡し機構7のノズル保持部23Dは、アダプタ55の被支持部57の下方(直下)の位置に設定される。
続いて、図18(B)に示すように、制御部3は、昇降駆動部15を駆動し、各支柱部10cを鉛直下方に移動させる。なお、制御部3は、この各支柱部10cの鉛直下方の移動に先立ち、クランプ機構62を駆動して、クランプ機構62による支柱部10cとアダプタ55の固定を開放する。各支柱部10cの鉛直下方の移動により、支柱部10cとノズル受け渡し機構7Bとの間のノズルNZの受け渡しが行われる。各支柱部10cを鉛直下方の移動により、ノズル保持部23Dの凸部60bが、アダプタ55の被支持部57の凹部60aにはまり込み、ノズルNZが位置決めされる。
続いて、図19(A)に示すように、制御部3は、昇降駆動部15を駆動し、各支柱部10cを、さらに鉛直下方に移動させる。これにより、ノズルNZは、ノズル受け渡し機構7Bのノズル保持部23Dに位置決めされた状態で、各支柱部10cからノズル受け渡し機構7に渡される。
続いて、図19(B)に示すように、制御部3は、旋回駆動部22を駆動し、ノズル受け渡し機構7Aを待機位置P2Aに移動させる。待機位置P2A、P2Bにおいて、ノズルNZは、メンテナンスなどが行われる。
続いて、ノズル受け渡し機構7Bから支柱部10cへノズルNZ1の受け渡しが行われることにより、ノズルNZの交換が行われる。ノズル受け渡し機構7Bから各支柱部10cへの受け渡しの動作は、上記した各支柱部10cからノズル受け渡し機構7Aへのノズルの受け渡しの動作と反対の順番で行われる。
以上のように、本実施形態の塗布装置1Cは、迅速かつ確実にノズルの交換を行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
例えば、上述の実施形態では、塗布装置1、1A、1B、1Cが、ノズル支持部6に対して、ステージ4が移動する構成を例に説明したが、塗布装置1、1A、1B、1Cの構成はこれに限定されない。例えば、塗布装置1、1A、1B、1Cは、ステージ4に対して、ノズル支持部6が移動する構成でもよい。
例えば、ノズル受け渡し機構7は、上記の構成に限定されず、任意の構成を用いることができる。図20は、ノズル受け渡し機構7の他の例を示す図である。例えば、図20に示すように、ノズル受け渡し機構7は、駆動部50の駆動により上下方向及び水平方向に移動可能に形成し、ノズル支持部6との間でノズルNZの受け渡しを行う構成にしてもよい。