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JP6781030B2 - L−カルノシン誘導体またはその塩、及びl−カルノシンまたはその塩の製造方法 - Google Patents

L−カルノシン誘導体またはその塩、及びl−カルノシンまたはその塩の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、L−カルノシン誘導体またはその塩の新規な製造方法に関するものであり、さらには、該方法で得られたL−カルノシン誘導体またはその塩から、L−カルノシンまたはその塩を製造する新規な製造方法に関するものである。
下記式(4)
(式中、
、およびXは、それぞれ、酸であり、
oは0以上1以下の範囲の数であり、pは0以上1以下の範囲の数であり、o+pは0以上2以下の範囲となり、o+pが0を超える場合にL−カルノシン塩となる。)で示されるL−カルノシンまたはその塩は、組織修復促進作用、免疫調整作用、抗炎症作用を有していることから、医薬品や健康食品などの需要が高まっている。また、L−カルノシンは、容易に金属とキレート結合をつくることから、亜鉛と錯形成したポラプレジンクなどの抗潰瘍薬、味覚障害治療薬へ応用されている。
L−カルノシンは、通常、以下の方法で合成されている。具体的には、L−ヒスチジン又はその誘導体と、シアノ酢酸エステルとを反応させる方法(例えば、特許文献1参照)、L−ヒスチジン又はその誘導体とN−トリフルオロアセチル誘導体とを反応させる方法(例えば、非特許文献1参照)、又は、L−ヒスチジン誘導体とN−フタロイル誘導体とを反応させる方法(特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、以上の従来方法では、以下の点で改良の余地があった。例えば、特許文献1に記載の方法では、比較的高温(例えば、120℃)で反応させても、収率が低いという点で改善の余地があった。また、この方法では、シアノ基で保護されたL−カルノシン誘導体を、水素還元によって該シアノ基をアミノ基にするため、製造コストが比較的高くなる傾向にあった。
また、非特許文献1に記載の方法では、活性化剤としてニトロフェノールを使用しなければならず、後処理工程が煩雑になるという点で改善の余地があった。さらに、原料となるN−トリフルオロアセチル誘導体が高価であり、工業的な生産を考えると他原料での製造が望まれていた。
また、特許文献3の方法では、L−ヒスチジンの3箇所に保護基を導入した誘導体を使用しており、この誘導体自体の製造が難しいという点で改善の余地があった。また、フタロイル基の脱保護反応を行う際に、爆発性のあるヒドラジンを使用しており、高度な製造設備を使用しなければならなかった。
国際公開WO2001/1064638号パンフレット 中国公開公報CN101284862
Russ. J. General Chem. 2007, 77(9), 1576
L−カルノシンは、前記の通り、医薬品にも適用されており、その適用範囲は広い。そのため、なるべく安全かつ簡便な方法で、収率よく製造することができれば、その工業的利用価値はさらに高くなる。
したがって、本発明の目的は、安全かつ簡便な方法でL−カルノシンを製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った。そして、L−ヒスチジン及びその誘導体又はそれらの塩(以下、単に、「L−ヒスチジン化合物またはその塩」とする場合もある)と反応させる、原料化合物について検討を行った。その結果、N−カルバメート保護−カルボキシ無水物とL−ヒスチジン化合物又はその塩とを塩基の存在下で反応させることにより、比較的柔和な条件で最終的に得られるL−カルノシン(またはその塩)の収率を高くできることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
溶媒中で下記式(1)
(式中、
は、炭素数1〜6のアルキル基である。)で示されるN−カルバメート保護−カルボキシ無水物と、
下記式(2)
(式中、
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基であり、
、およびXは、それぞれ、酸であり、
mは0以上1以下の範囲の数であり、nは0以上1以下の範囲の数であり、m+nは0以上2以下の範囲となり、m+nが0を超える場合にL−ヒスジン化合物塩となる。)で示されるL−ヒスジン化合物またはその塩とを、塩基の存在下で反応させた後、反応系内を添加して脱炭酸反応および脱カルバメート反応を行うことにより、
下記式(4)
(式中、
、およびXは、それぞれ、酸であり、
oは0以上1以下の範囲の数であり、pは0以上1以下の範囲の数であり、o+pは0以上2以下の範囲となり、o+pが0を超える場合にL−カルノシン塩となる。)で示されるL−カルノシンまたはその塩を製造する方法である。
第二の本発明は、
溶媒中で下記式(1)
(式中、
は、炭素数1〜6のアルキル基である。)で示されるN−カルバメート保護−カルボキシ無水物と、
下記式(2)
(式中、
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基であり、
、およびXは、それぞれ、酸であり、
mは0以上1以下の範囲の数であり、nは0以上1以下の範囲の数であり、m+nは0以上2以下の範囲となり、m+nが0を超える場合にL−ヒスジン化合物塩となる。)で示されるL−ヒスジン化合物またはその塩とを、塩基の存在下で反応させた後、反応系内を添加して脱炭酸反応を行うことにより、
下記式(3)
(式中、
は、前記式(1)におけるものと同義であり、
は、前記式(2)におけるものと同義であり、
は、酸であり、
qは0以上1以下の範囲の数であり、qが0を超える場合にN−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体塩となる。)
で示されるN−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体またはその塩を製造する方法である。
第二の本発明は、前記脱炭酸反応を、pHが3以上7未満の範囲で実施することが好ましい。
第三の本発明は、第二の本発明により前記式(3)で示されるN−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体またはその塩を製造した後、該N−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体またはその塩と、酸とを接触させて脱カルバメート反応を行うことにより、
下記式(4)
(式中、
、およびXは、それぞれ、酸であり、
oは0以上1以下の範囲の数であり、pは0以上1以下の範囲の数であり、o+pは0以上2以下の範囲となり、o+pが0を超える場合にL−カルノシン塩となる。)
で示されるL−カルノシンまたはその塩を製造する方法である。
第三の本発明は、前記脱保護反応を、pHが0.5以上3未満の範囲で実施することが好ましい。
本発明の方法によれば、特定の原料、すなわち、前記式(1)で示されるN−カルバメート保護−カルボキシ無水物を原料とすることにより、比較的柔和な条件で高収率のL−カルノシン(またはその塩)を製造することができる。そのため、より簡便な方法で製造しながらL−カルノシンの製造コストを安価なものとすることができるため、本発明の工業的利用価値は高い。
本発明は、特定の原料、すなわち、前記式(1)で示されるN−カルバメート保護−カルボキシ無水物と、L−ヒスジン化合物またはその塩とを、塩基の存在下で反応させる工程を含む、L−カルノシンまたはその塩の製造方法である。以下、順を追って説明する。
(N−カルバメート保護−カルボキシ無水物)
本発明においては、下記式(1)
(式中、
は、炭素数1〜6のアルキル基である。)で示されるN−カルバメート保護−カルボキシ無水物(以下、単に、「N−カルバメート保護−カルボキシ無水物」とする場合もある。)を原料とすることを最大の特徴とする。
は、炭素数1〜6のアルキル基であり、N−カルバメート保護−カルボキシ無水物自体の生産性を考慮すると炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。かかるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。その中でも、下記に詳述する脱保護反応を容易にするためには、t−ブチル基であることが最も好ましい。
N−カルバメート保護−カルボキシ無水物は、公知の方法で製造することができる。例えば、Rがt−ブチル基である化合物は、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−β−アラニンから製造することができる(例えば、J. Org. Chem. 2001, 66, 6541参照)。具体的には、次の4段階で合成することができる。
先ず、塩基の存在下、β−アラニンメチルエステル塩酸塩と二炭酸ジ−tert−ブチル(以下、「二炭酸ジ−t−ブチル」とする場合もある。)とを反応させる(第1工程)。次いで、塩基の存在下、得られたN−t−ブトキシカルボニル−β−アラニンメチルエステルと二炭酸ジ−t−ブチルとを反応させて、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−β−アラニンメチルエステルを合成する(第二工程)。次いで、水酸化アルカリ金属とN,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−β−アラニンメチルエステルとを反応させて、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−β−アラニンを合成する(第三工程)。そして、最後に、得られたN,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−β−アラニン、ジメチルホルムアミド(DMF)、および塩化オキサリルを反応させて、N−t-ブトキシカルボニル−カルボキシ無水物を合成することができる(第四工程)。なお、以下、本発明において、t−ブトキシカルボニル基をBoc基とする場合もある。下記に第1〜第4工程の反応式を示したが、Bocとした基は、Rがt-ブチル基の場合である、すなわち−COO−(t−Bu)を示す。
なお、前記の例は、Rがt-ブチル基の場合の合成例である。Rがt-ブチル基以外のアルキル基であるN−カルバメート保護−カルボキシ無水物とする場合には、N原子を保護する保護基(前記例ではBoc基)を、そのアルキル基に対応する基で保護するようにしてやれば、所望とするN−カルバメート保護−カルボキシ無水物を得ることができる。
本発明は、前記に説明したN−カルバメート保護−カルボキシ無水物とL−ヒスジン化合物とを塩基の存在下で反応させることを特徴とする。次に、L−ヒスジン化合物またはその塩について説明する。
(L−ヒスジン化合物またはその塩;L−ヒスジン化合物またはL−ヒスジン化合物塩)
本発明においては、
下記式(2)
(式中、
は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基であり、
、およびXは、それぞれ、酸であり、
mは0以上1以下の範囲の数であり、nは0以上1以下の範囲の数であり、m+nは0以上2以下の範囲となり、m+nが0を超える場合にL−ヒスジン化合物塩となる。)で示されるL−ヒスジン化合物またはその塩をもう一方の原料とする。
前記式(2)において、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基である。Rが水素原子である場合には、式(2)で示される化合物はL−ヒスジンとなる。
の炭素数1〜6のアルキル基は、L−ヒスジン化合物またはその塩自体の生産性を考慮すると、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。かかるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。その中でも、特に好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基である。
また、Rは、置換基を有していてもよいベンジル基であってもよい。なお、当然のことではあるが、置換基を有さないベンジル基であってもよい。該ベンジル基が有する置換基(ベンゼン環が有する置換基)としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基等が挙げられる。これらの中でも、L−ヒスジン化合物自体の生産性、最終的に得られるL−カルノシンの製造のし易さを考慮すると、メチル基、メトキシ基、ニトロ基、または置換基を有さない単なるベンジル基が好ましく、最も好ましくは置換基を有さない単なるベンジル基である。
本発明の方法によれば、副反応を少なくすることができる。そのため、L−ヒスジン化合物またはその塩自体の生産性を向上し、最終的に得られるL-カルノシンまたはその塩の製造コストを低減するためには、Rは水素原子であることが好ましい。
、およびXは、それぞれ、酸である。そして、Xの数を示すmは0以上1以下の範囲の数である。Xの数を示すnは0以上1以下の範囲の数である。そして、m+nは0以上2以下の範囲となり、m+nが0を超える場合にL−ヒスジン化合物塩となる。塩酸塩のような1塩基酸塩となる場合には、m、およびnは、1のような整数となる。硫酸塩のような2塩基酸塩の場合には、m、およびnは1/2となる場合がある。さらには、リン酸塩のような3塩基酸塩の場合には、m、およびnは1/3となる場合がある。なお、当然のことながら、m=0、n=0となるときに、L−ヒスジン化合物となる。そして、m=n=0であって、Rが水素原子の場合には、L−ヒスジンとなる。
、およびXは、それぞれ、酸であり、同一の酸であっても、異なる酸であってもよい。該酸は、L−ヒスジン化合物塩を形成するものであれば、特に制限されるものではない。L−ヒスジン化合物塩自体の生産性、および反応系内からの該酸の除去のし易さを考慮すると、塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸、メチルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、蟻酸、蓚酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、または酢酸が挙げられる
前記L−ヒスチジン化合物塩は、反応系内では塩が分離して前記L−ヒスジン化合物となる。そのため、前記L−ヒスジン化合物塩を原料とすることもできる。前記L−ヒスジン化合物塩を原料とし、特定の塩基、例えば、特定の有機塩基を使用した場合には、反応系内を自然に酸性雰囲気とすることもできる。この場合、後処理等が容易となる。このことについては、下記の脱炭酸反応の説明において、詳細に記載する。
以上のようなL−ヒスジン化合物またはその塩は、公知の方法で製造することができる。例えば、特許文献1、2、非特許文献1にその製造方法が記載されている。
L−ヒスジン化合物またはその塩の使用量は、必要量使用すれば特に制限されるものではない。中でも、後工程を容易にし、かつ最終的に得られるL−カルノシン(またはその塩)の収率を高めためには、前記N−カルバメート保護−カルボキシ無水物1モルとしたとき、前記L−ヒスジン化合物を0.9〜5モル使用することが好ましく、1〜3モル使用することがより好ましく、1〜2モル使用することがさらに好ましい。なお、反応系内の導入する前には前記L−ヒスジン化合物塩である場合には、反応系内でのL−ヒスジン化合物が前記使用範囲となるように使用量を決定すればよい。
(塩基)
本発明おいては、前記N−カルバメート保護−カルボキシ無水物と前記L-ヒスジン化合物とは、塩基の存在下で反応させる。使用する塩基は、特に制限されるものではなく、無機塩基、有機塩基の何れであってもよい。
無機塩基としては、例えば、アルカリ金属塩が挙げられる。より具体的には、重曹(炭酸水素ナトリウム)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これら無機塩基は、1種類のものであっても、複数種類のものを使用してもよい。反応後の精製を考慮すると、中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、重曹等を使用することが特に好ましい。
有機塩基としては、特に制限されるものではなく、1級、2級、又は3級アミンが挙げられ、その中でも、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミンを使用することが好ましい。有機塩基も、1種類のものを使用することができるし、複数種類のものを使用することができる。前記L−ヒスジン化合物塩を原料とし、これら有機塩基を使用した場合には、反応系内が自ずと酸性雰囲気となる場合があり、脱炭酸反応が自然に進む場合がある。
塩基の使用量は、特に制限されるものではない。中でも、後工程を容易にするためには、前記N−カルバメート保護−カルボキシ無水物を1モルとしたとき、塩基を0.1〜10モル使用することが好ましく、0.5〜6モル使用することがより好ましく、1〜3モル使用することがさらに好ましい。これら塩基は、水に溶解した水溶液の状態で使用することができる。なお、後述するが、前記塩基は、反応系内に徐々に添加することもできる。この場合、反応系内に添加した塩基の全使用量が前記範囲を満足するようにすることが好ましい。
(N−カルバメート保護−カルボキシ無水物と、L−ヒスジン化合物またはその塩との反応条件)
(原料化合物の反応)
本発明において、N−カルバメート保護−カルボキシ無水物と、L-ヒスジン化合物またはその塩との反応条件は、塩基の存在下で反応を実施すれば、特に制限されるものではない。その中でも、以下の条件で実施することが好ましい。
(原料化合物の反応;反応溶媒)
塩基の存在下で反応を実施するには、溶媒を用いることが好ましい。使用できる溶媒としては、塩基の存在下でN−カルバメート保護−カルボキシ無水物と、L−ヒスジン化合物またはその塩とが、溶解できる溶媒を使用することが好ましい。
具体的には、水;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等の酢酸エステル溶媒;塩化メチル、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のその他の溶媒が挙げられる。これら溶媒は、単独で使用しようすることもできるし、複数種類の混合溶媒として使用することもできる。
以上の溶媒の中も、操作性等を考慮すると、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、及びTHFからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒、または、該群より選ばれる少なくとも1種の溶媒と水との混合溶媒を使用することが好ましい。混合溶媒を使用する場合には、特に制限されるものではないが、該群より選ばれる少なくとも1種の溶媒と水との体積比(該群より選ばれる少なくとも1種の溶媒/水)は、23℃において、0.1〜100/1の範囲とすることが好ましい。なお、塩基の水溶液を反応系内で使用する場合には、前記体積比には、該水溶液の水が含まれるものとする。塩基として無機塩基を使用する場合には、水と該有機溶媒との混合溶媒を使用することが好ましい。また、混合溶媒を使用する場合であって、水に難溶な有機溶媒を使用する際には、反応系内を十分に攪拌混合して両者を分散させることが好ましい。有機塩基を使用する場合には、該群より選ばれる少なくとも1種の溶媒のみであっても、混合溶媒であってもよい。
溶媒の使用量は、特に制限されるものではない。中でも、該反応は、混合攪拌ができるよう状態で実施することが好ましい。そのため、前記N−カルバメート保護−カルボキシ無水物を100質量部としたとき、該溶媒を100〜10000質量部使用することが好ましく、さらに200〜1000質量部とすることが好ましい。なお、溶媒が混合溶媒の場合には、前記使用量は、混合溶媒の合計量が基準となる。
(原料化合物の反応;反応系内への導入順序)
本発明において、塩基の存在下、N−カルバメート保護−カルボキシ無水物とL−ヒスジン化合物と反応させるには、前記塩基、前記N−カルバメート保護−カルボキシ無水物、及び前記L−ヒスジン化合物またはその塩を反応容器内(反応系内)で混合攪拌して接触させればよい。これら成分を反応系内に導入する方法は、特に制限されるものではなく、以下の方法が採用できる。
例えば、必要に応じて溶媒で希釈した各成分を同時に反応系内に導入して攪拌混合する方法を採用することできる。また、N−カルバメート保護−カルボキシ無水物、またはL−ヒスジン化合物あるいはその塩の一方の原料を必要に応じて溶媒と一緒に予め反応系内に入れておき、必要に応じて溶媒で希釈した他方の原料を反応系内に添加して攪拌混合する方法を採用することができる。さらには、両方の原料を必要に応じて溶媒と一緒に予め反応系内に入れておき、必要に応じて溶媒で希釈した塩基を反応系内に添加して攪拌混合する方法を採用することもできる。中でも、最終的に得られるL−カルノシンの収量を向上させ、後処理工程を容易にするためには、L−ヒスジン化合物またはその塩、及び塩基を必要に応じて溶媒と一緒に予め反応系内に入れておき、必要に応じて溶媒で希釈したN−カルバメート保護−カルボキシ無水物を反応系内に添加して攪拌混合する方法を採用することが好ましい。そして、反応系内のpHが変化する場合(低くなる場合)には、塩基を追加して、反応系内のpHが7以上となるように調整することが好ましい。
(原料化合物の反応 その他の反応条件 反応温度、pH等)
N−カルバメート保護−カルボキシ無水物と、L−ヒスジン化合物またはその塩との反応温度は、特に制限されるものではないが、反応時間、収量、不純物副生の抑制等を考慮すると、−78〜100℃とすることが好ましく、さらには−20〜70℃とすることが好ましい。
また、反応系内におけるpHは、使用する塩基の種類・量、溶媒の量等に応じて適宜決定すればよいが、7以上15以下とすることが好ましく、8〜12とすることが好ましい。反応中に脱保護反応等によってpHが下がる傾向にある場合には、塩基を反応系内に追加して、pHが前記範囲を維持するように調整することが好ましい。該pH範囲は、前記L−ヒスジン化合物を使用した場合に、特に好適である。
一方、原料としてL−ヒスジン化合物塩を使用した場合には、以下のようなpHの範囲とすることが好ましい。すなわち、前記L−ヒスチジン化合物塩から分離した酸と塩を形成しない塩基、例えば、無機塩基を使用した場合には、pHは7以上15以下とすることが好ましく、8〜12とすることが好ましい。
また、原料としてL−ヒスジン化合物塩を使用し、かつ該酸と塩を形成する塩基、例えば、トリエチルアミンのような有機塩基を使用した場合には、反応系内のpHは、7〜15とすることが好ましく、さらに8〜12の範囲とすることが好ましい。該有機塩基と該酸で形成される塩、例えば、トリエチルアミン塩酸塩は酸性となるため、pHを高く維持するためには、大過剰の有機塩基が必要となり、後処理工程が煩雑となる。そのため、この場合には、pHがあまり高くないアルカリ雰囲気を維持することが好ましい。
(原料化合物の反応 反応時間等)
また、反応時間は、原料の消費、生成物の量等を確認して適宜決定すればよいが、前記条件を採用するのであれば、0.1〜72時間で十分に反応が進行する。前記L−ヒスチジン化合物塩、及び有機塩基を使用した場合には、反応時間は比較的長くなる。その他、反応雰囲気も、特に制限されるものではなく、空気雰囲気下、又は不活性ガス雰囲気下でじしすることができる。また、大気圧下、減圧下、加圧下で反応させればよい。
以上のような条件により、塩基の存在下、N−カルバメート保護−カルボキシ無水物と、L−ヒスジン化合物またはその塩とを反応させることが好ましい。反応が終了した後には、反応系内を酸性雰囲気として脱炭酸反応、および脱保護反応を実施する。この際、必要に応じて酸を配合することができる。また、前記L−ヒスチジン化合物塩、及び有機塩基を使用した場合には、反応系内に酸性の塩(例えば、トリエチルアミン塩酸塩のような塩)が生じるため、反応系内が自ずと酸性雰囲気となり、酸を配合しなくとも脱炭酸反応が進むことがある。次に、反応物とこれら脱炭酸反応、および脱保護反応について説明する。
(原料化合物の反応から反応系内を酸性雰囲気とする方法)
前記原料化合物の反応から反応系内を酸性雰囲気として、脱炭酸反応、および脱カルバメート反応(以下、脱カルバメート反応を単に「脱保護反応」とする場合もある)を行う方法について説明する。
前記塩基の存在下、前記N−カルバメート保護−カルボキシ無水物と、前記L−ヒスジン化合物またはその塩との反応では、以下の反応物が生成すると考えられる。そして、この反応物を酸性雰囲気に置くことにより、以下の通り、脱炭酸反応と脱保護反応とが進行するものと考えられる。
前記の反応物において、Rは、使用する塩基のよって決まるものである。例えば、無機塩基を使用した場合、その雰囲気によって決まるが、その無機塩基に由来する基となるか、または水素原子となる。具体的には、アルカリ金属の水酸化物を使用した場合には、Rは、アルカリ金属となるか、水素原子となる。また、有機塩基を使用した場合には、水素原子となる。
前記式(3)で示されるN−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体またはその塩において、Xは、酸であり、酸性雰囲気の条件によって決まる基である。また、該酸の数を示すqは0又は1の整数であり、q=1の場合に、N−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体塩となる。
前記式(4)で示されるL−カルノシン又はその塩において、XおよびXは、それぞれ、酸であり、酸性雰囲気の条件によって決まる基である。また、該酸の数を示すoは0以上1以下の範囲の数であり、該酸の数を示すpは0以上1以下の範囲の数である。そして、o+pは0以上2以下の範囲となり、o+pが0を超える場合にL−ヒスジン塩となる。塩酸塩のような1塩基酸塩となる場合には、o、およびpは、1のような整数となる。硫酸塩のような2塩基酸塩の場合には、o、およびpは1/2となる場合がある。さらには、リン酸塩のような3塩基酸塩の場合には、o、およびpは1/3となる場合がある。
なお、X、XおよびXで示される酸は、塩基、水等による洗浄等で容易に取り除くことができる。
前記反応ついて説明する。原料化合物を塩基存在下で反応させると、前記反応物を得ることができる(原料化合物の反応)。この反応物を酸性雰囲気下に置くことにより、炭酸が副生する。この際、Rが、例えば、アルカリ金属の場合には、アルカリ金属塩も副生する。
次いで、それら副生物を除去することにより、前記式(3)で示されるN−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体またはその塩を得ることができる(脱炭酸反応)。
さらに、酸を反応系内に配合して反応系内のpHを下げることにより、R、必要に応じてRの基が脱離(脱保護)して、L−カルノシンまたはその塩を製造することができる(脱保護反応)。
N−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体塩、またはL−カルノシン塩を反応系内から取り出す際に、塩基、水等で洗浄等することにより、これらは容易に酸を取り除くことができる。
前記反応式においては、脱炭酸反応と脱保護反応とを分けて記載したが、両反応はいずれも酸性雰囲気で実施するため、反応物から1工程で脱炭酸反応と脱保護反応とを行い、L−カルノシンまたはその塩を製造することもできる。1工程でL−カルノシンまたはその塩を製造する場合には、酸により反応系内のpHを0.1〜3未満の範囲とすることが好ましい。なお、該反応物は、一旦反応系内から取り出して、別途、酸と接触させることもできる。ただし、工程を簡略化するためには、塩基の存在下、N−カルバメート保護−カルボキシ無水物とL−ヒスジン化合物またはその塩との反応を行った反応液と酸とを接触させることが好ましい。
前記の通り、脱炭酸反応と脱保護反応とは1工程で実施することができるが、脱炭酸工程と脱保護工程とを順次行うこともできる。L−カルノシンまたはその塩は、医薬原料としても使用されるため、非常に高純度のものが望まれている。そのため、先ずは、脱炭酸反応を行い、次いで、脱保護反応を行うことが好ましい。すなわち、脱炭酸反応で得られるN−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体またはその塩を精製し、精製したL−カルノシン誘導体またはその塩を脱保護することにより、より一層高純度のL−カルノシンまたはその塩を得ることができる。
脱炭酸反応で得られるN−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体またはその塩(以下、単に「L−カルノシン誘導体またはその塩」とする場合もある)を一旦取り出す場合には、(i)無機塩基を使用して原料化合物の反応を行う場合と、(ii)有機塩基を使用して、かつL−ヒスジン化合物塩を原料として反応を行う場合とで、酸性雰囲気とする好適な条件が異なる。次に、これらの条件を説明するが、先ず、(i)無機塩基を使用して原料化合物の反応を行う場合について説明する。
((i)無機塩基を使用した場合における脱炭酸反応)
この場合、前記反応物に酸を接触させて、前記式(3)で示されるL−カルノシン誘導体またはその塩を製造することができる。
前記の反応物において、Rは、前記の通り、使用する塩基のよって決まるものである。例えば、無機塩基を使用した場合、その雰囲気によって決まるが、その無機塩基に由来する基となるか、または水素原子となる。具体的には、アルカリ金属の水酸化物を使用した場合には、Rは、アルカリ金属となるか、水素原子となる。
また、Rは前記式(1)におけるものと同義であり、Rは前記式(2)におけるものと同義である。
前記反応物と酸とを接触させる場合には、反応物を含む反応液と酸とを接触させることができる。酸と反応液とを接触させるためには、両者を撹拌混合すればよい。
((i)無機塩基を使用した場合における脱炭酸反応;酸)
前記反応物から前記L−カルノシン誘導体またはその塩を製造するために使用する酸は、特に制限されるものではなく、公知のものが使用できる。具体的には、塩化水素、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、またはリン酸等が挙げられる。これら酸は、水溶液の状態で使用することができる。前記L−カルノシン誘導体塩は、この使用した酸によって決まる。
脱炭酸反応で得られる式(3)で示される前記L−カルノシン誘導体塩は、qが0以上となる場合であり、Xが酸の場合である。このXは、脱炭酸反応に使用した前記酸の種類によって決まる。例えば、塩化水素を使用して酸性雰囲気とした場合には、Xは塩化水素となる。塩酸塩のような1塩基酸塩となる場合には、qは1のような整数となる。硫酸塩のような2塩基酸塩の場合には、qは1/2となる。さらには、リン酸塩のような3塩基酸塩の場合には、qは1/3となる。
((i)無機塩基を使用した場合における脱炭酸反応;反応条件)
酸の使用量は、特に制限されるものではないが、前記反応物1モルに対して、酸を1〜10〜モル使用することが好ましい。中でも、前記酸と前記反応液との混合液のpHが3以上6以下となる範囲の使用量とすることが好ましい。なお、前記反応系内pHは、使用する酸全量を反応系内に導入した際のpHの範囲である。
このような条件で脱炭酸反応を実施するのが好ましい。特に、Rがt-ブチル基(Boc基による保護)である場合には、前記pHの範囲では、脱炭酸反応をより進行させることができ、前記L−カルノシン誘導体またはその塩の収量を高くすることができる。その結果、該L−カルノシン誘導体またはその塩を反応系内から取り出しやすくなり、該L−カルノシン誘導体またはその塩の精製が容易となる。
脱炭酸反応を行う際の反応温度は、特に制限されるものではなく、反応時間、収量、不純物副生の抑制等を考慮すると、−78〜100℃とすることが好ましく、さらには−20〜70℃とすることが好ましい。
脱炭酸反応の反応時間は、特に制限されるものではないが、反応物の消費、L−カルノシン誘導体の生成量等を確認して適宜決定すればよいが、前記条件を採用するのであれば、0.1〜72時間で十分に反応が進行する。その他、反応雰囲気も、特に制限されるものではなく、空気雰囲気下、又は不活性ガス雰囲気下でじしすることができる。また、大気圧下、減圧下、加圧下で反応させればよい。
本発明においては、前記の通り、この状態でさらに酸を加えて脱保護反応を実施することも可能である。ただし、L−カルノシンまたはその塩の純度を高めるために、一旦、前記式(3)で示されるL−カルノシン誘導体またはその塩を反応系内から取り出すこともできる。
以上の条件で脱炭酸反応を行うことにより、前記式(3)で示されるL−カルノシン誘導体またはその塩を製造することができる。L−カルノシン誘導体またはその塩を反応系内から取り出す方法は、公知の方法が使用できる。例えば、抽出、再結晶、カラム精製等の方法により、L-カルノシン誘導体またはその塩を分離精製することができる。
また、前記L-カルノシン誘導体塩を製造した場合には、塩基、水等により洗浄等することで、容易に前記L−カルノシン誘導体とすることができる。
次に、(ii)有機塩基を使用して、かつL−ヒスジン化合物塩を原料として反応を行う場合の条件について説明する。
((ii)有機塩基を使用して、かつL−ヒスジン化合物塩を原料とする場合の脱炭酸反応)
前記L−ヒスジン化合物塩を使用する場合、例えば、塩酸塩のようなL−ヒスジン化合物塩を原料として用いた場合には、原料化合物の反応において、反応系内に塩酸が存在するようになる。そして、この塩酸とさらに塩を形成するような塩基、例えば、トリエチルアミンのような有機塩基を使用した場合には、トリエチルアミン塩酸塩が形成され、反応系内が自ずと酸性雰囲気となる場合がある。この場合には、酸を反応系内にさらに加えなくとも、脱炭酸反応を進めることができる。ただし、この場合であっても、酸を反応系内にさらに加えることにより、脱炭酸反応を短時間で完了させることができる。
有機塩基としてトリエチルアミンを使用し、L−ヒスジン化合物塩酸塩を使用した場合の具体的な例を説明する。
前記式(3a)で示される化合物は、前記式(3)で示されるL−カルノシン誘導体またはその塩において、q=0である場合、すなわち前記式(3)で示されるL−カルノシン誘導体である。ただし、酸を追加配合して酸性雰囲気としたような場合では、前記式(3a)は、反応系内から取り出す際に前記式(3)と同じL−カルノシン誘導体塩となる。追加配合する酸は、前記((i)無機塩基を使用した場合における脱炭酸反応)で説明した酸と同じものが使用できる。
なお、当然のことであるが、前記式(3a)において、Rは前記式(1)におけるものと同義であり、Rは前記式(2)におけるものと同義である。
この場合、反応系内における初期の段階では、L−ヒスジン化合物塩酸塩がL−ヒスジン化合物となり、トリエチルアミンの存在下でN−カルバメート保護−カルボキシ無水物と反応するものと考えられる。そのため、反応初期では、反応系内のpHは7〜15とすることが好ましく、さらに8〜12の範囲とすることが好ましい。反応系内のpHは、時間と共に(反応の進行と共に)低下する傾向にある。そのため、アミド結合形成反応がある程度進むまでは、原料化合物の反応では、pHを好ましくは7〜15、さらに好ましくは8〜12の範囲となるようにトリエチルアミンを反応系内に加えることが好ましい。
次いで、反応がある程度進めば、そのまま放置しておくことにより、反応系内に固体のトリエチルアミン塩酸塩が生じ、自ずと反応系内は酸性雰囲気となる。この時、脱炭酸酸反応を確実に実施するためには、反応系内のpHが酸性雰囲気となる、好ましくはpHが3以上7未満、さらに好ましくはpHが3以上6以下となるように調整することが好ましい。酸を、別途、反応系内に追加配合しなくとも、反応系内のpHが前記範囲を満足する場合には、そのまま攪拌混合を実施すればよい。ただし、反応時間を短縮するためには、新たに酸を追加配合することもできる。
反応条件は、特に制限されるものではなく、前記(原料化合物の反応)で説明した通りの条件を採用して反応を行い、反応時間については、前記式(3)で示されるL−カルノシン誘導体(またはその塩)が十分に製造できる時間とすればよい。具体的には、反応時間は0.1〜72であればよい。その他、反応雰囲気も、特に制限されるものではなく、空気雰囲気下、又は不活性ガス雰囲気下でじしすることができる。また、大気圧下、減圧下、加圧下で反応させればよい。
この場合、例えば、トリエチルアミン塩酸塩が生じる場合では、酸を配合しなければ反応系内のpHは低くすることは難しい。そのため、この場合には、脱炭酸反応までを実施し、さらに酸を反応系内に配合して脱保護反応を実施することが好ましい。なお、酸をさらに配合して脱保護反応を行う態様は、(無機塩基を使用した場合における、反応物、および酸との接触)において説明した脱保護反応と同じである。
前記方法で得られるL−カルノシン誘導体を反応系内から取り出す方法は、公知の方法が使用できる。例えば、抽出、再結晶、シリカゲルまたは樹脂カラム精製等の方法により、L-カルノシン誘導体(またはその塩)を分離精製することができる。
次に、前記(i)無機塩基を使用した場合における脱炭酸反応、および(ii)有機塩基を使用して、かつL−ヒスジン化合物塩を原料とする場合の脱炭酸反応で得られた前記L−カルノシン誘導体またはその塩の脱カルバメート反応(脱保護反応)を行い前記式(4)で示されるL−カルノシンまたはその塩の製造方法について説明する。
(脱保護反応;脱カルバメート反応)
本発明においては、前記式(3)で示されるL−カルノシン誘導体またはその塩と酸とを接触させることにより、該L−カルノシン誘導体またはその塩のR、およびR(水素原子を除く)の脱保護反応を行い、L−カルノシンまたはその塩を製造することができる。
前記式(4)で示されるL−カルノシン又はその塩において、XおよびXは、それぞれ、酸であり、酸性雰囲気の条件によって決まる基である。また、該酸の数を示すoは0以上1以下の範囲の数であり、該酸の数を示すpは0以上1以下の範囲の数である。そして、o+pは0以上2以下の範囲となり、o+pが0を超える場合にL−ヒスジン塩となる。塩酸塩のような1塩基酸塩となる場合には、o、およびpは、1のような整数となる。硫酸塩のような2塩基酸塩の場合には、o、およびpは1/2となる場合がある。さらには、リン酸塩のような3塩基酸塩の場合には、o、およびpは1/3となる場合がある。
以下には、一旦、前記式(3)で示されるL−カルノシン誘導体またはその塩を反応系内から取り出して、さらに酸と接触させて脱保護反応を実施する場合の好適な条件を記す。そのため、脱保護反応の対象となるのは、(原料化合物の反応)において、有機塩基、又は無機塩基の何れを使用して製造したものであってもよい。
脱保護反応を行うには、反応系内を酸性雰囲気とすればよく、前記L−カルノシン誘導体またはその塩と、酸とを接触させればよい。接触させるには、前記L−カルノシン誘導体またはその塩と、酸とが攪拌混合された状態とすればよい。
(脱保護反応;酸)
使用する酸は特に制限されるものではなく、前記脱炭酸反応で例示した酸が挙げられる。中でも、塩化水素、硫酸、メタンスルホン酸が好ましい。また、これら酸は、水溶液の状態で反応系内に導入することができる。
脱保護反応で得られる式(4)で示される前記L−カルノシン塩は、o+pが0を超える場合であり、X、またはXが酸の場合である。このXおよびXは、脱保護反応に使用した前記酸の種類によって決まる。例えば、塩化水素を使用して酸性雰囲気とした場合には、Xは塩化水素となる。
酸の使用量は、特に制限されるものではないが、前記L−カルノシン誘導体またはその塩1モルに対して、酸を0.1〜100モル使用することが好ましい。中でも、前記L-カルノシン誘導体と酸とを接触させる反応系内のpHが0.1以上3未満となる範囲の使用量とすることが好ましい。このような条件で脱保護反応を実施するのが好ましい。特に、Rがt-ブチル基(Boc基による保護)である場合には、前記pHの範囲において、容易に脱保護が実施される。なお、前記反応系内pHは、使用する酸全量を反応系内に導入した際のpHの範囲である。
(脱保護反応;溶媒)
脱保護反応は、溶媒中で実施することができる。前記L−カルノシン誘導体を取り出した後、脱保護反応を実施する場合には、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール溶媒;1,4−ジオキサン、THF等のエーテル系溶媒、水を使用することができる。これら溶媒は、単独で使用しようすることもできるし、複数種類の混合溶媒として使用することもできる。以上の溶媒の中も、操作性等を考慮すると、アルコール、水、またはアルコールと水との混合溶媒を使用することが好ましい。混合溶媒を使用する場合には、特に制限されるものではないが、アルコールと水との体積比(アルコール/水)は、23℃において、0.01/1〜100/1の範囲とすることが好ましい。
(脱保護反応;反応系内への導入手順、反応条件)
脱保護反応を行うに際し、反応系内へ前記L−カルノシン誘導体またその塩、及び酸を導入する手順は、特に制限されるものではない。例えば、必要に応じて溶媒で希釈した前記L−カルノシン誘導体またはその塩、必要に応じて希釈した前記酸を同時に反応系内に導入し、攪拌混合する方法、又は、何れか一方を必要に応じて溶媒で希釈して先ず反応系内へ入れておき、必要に応じて溶媒で希釈したもう一方を反応系内へ添加して攪拌混合することもできる。中でも、不純物を低減するという点では、必要に応じて前記溶媒で希釈した前記L−カルノシン誘導体またはその塩を先に反応系内に導入し、それに、必要に応じて前記溶媒で希釈した前記酸を添加して、攪拌混合する方法を採用することが好ましい。
脱保護反応を行う際の反応温度は、特に制限されるものではなく、反応時間、収量、不純物副生の抑制等を考慮すると、−78〜100℃とすることが好ましく、さらには−20〜70℃とすることが好ましい。
脱保護反応の反応時間は、特に制限されるものではないが、前記L−カルノシン誘導体の消費、L−カルノシンの生成量等を確認して適宜決定すればよいが、前記条件を採用するのであれば、0.1〜72時間で十分に反応が進行する。その他、反応雰囲気も、特に制限されるものではなく、空気雰囲気下、又は不活性ガス雰囲気下でじしすることができる。また、大気圧下、減圧下、加圧下で反応させればよい。
(L−カルノシンまたはその塩の精製方法)
以上のような方法により、前記L−カルノシン誘導体またはその塩の脱保護反応を実施し、L−カルノシンまたはその塩を製造することができる。反応終了後は、公知の方法に従いL−カルノシンまたはその塩を取り出すことができる。例えば、抽出、再結晶、カラム精製等の方法により、L-カルノシンまたはその塩を分離精製することができる。この際、塩基、水等の洗浄等することにより、L-カルノシン塩は、L−カルノシンとすることができる。
L−カルノシンを精製する場合には、以下の方法を採用することが好ましい。具体的には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)溶媒で再結晶することが好ましい。該アルコールは、水を含んでいてもよい。L−カルノシンを該再結晶溶媒で溶解させる際の温度は、特に制限されるものではないが、20〜120℃で行うことが好ましく、さらに30〜80℃で行うことが好ましい。この際、再結晶溶媒の使用量は、溶解させる対象物(L−カルノシンを含む対象物)1gに対して、1〜50mlとすることが好ましく、さらに5〜20mlとすることが好ましい。また、結晶を析出させる際の温度は、−10〜100℃が好ましく、さらに−5〜50℃が好ましい。得られた結晶は、公知の方法で乾燥すればよい。
以上のような方法に従えば、比較的柔和な条件であっても、純度の高いL−カルノシンを容易に得ることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、具体例であって、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1(無機塩基を使用した場合)
前記反応を実施した。
(N−カルバメート保護−カルボキシ無水物の準備)
N−カルバメート保護−カルボキシ無水物として、3−tert−ブチロキシカルボニルー4,5−ジヒドロー1,3−オキサジンー2,6−ジオン(以下、N−Boc−NCAと略す場合もある)を使用した。
N−Boc−NCAは、J. Org. Chem. 2001, 66, 6541を参照して製造した。得られたN−Boc−NCAのIR、及びH−NMRは以下の通りであり、N−Boc−NCAを確認した。
N−Boc−NCAの分析結果
IR(KBr):1730cm−1
H−NMR(90MHz、CDCl3):1.58−1.56(s、9H)、2.94−2.80(t、2H)、3.98−3.84(t、2H)。
(原料化合物の反応)
L−ヒスチジン(360mg、2mmol)の酢酸エチル/水(5mL/5mL)溶液に、24wt%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.5に調整した。この混合溶液に、N−Boc−NCA(500mg、2mmol)を添加した。反応系内のpHは10.5±0.5を維持するように、前記水酸化ナトリウム水溶液を添加した。さらに、反応系内のpHが10.5±0.5のまま3時間反応を行った。
(脱炭酸反応)
前記反応で得られた反応液に、濃塩酸を加え、反応系内のpHを4.5とし、pHが4.5±0.5を維持するように、濃塩酸を加えて1時間、脱炭酸反応を行った。
(取り出し)
反応終了後、水層を酢酸エチル洗浄、n−ブタノールにて抽出し、得られたn−ブタノール溶液を希塩酸(pH:4.0)洗浄で、乾燥、減圧濃縮することにより、N−Boc−L−カルノシン(210mg、57%)を結晶物として得た。
得られたN−Boc−L−カルノシンの分析値は以下の通りであった。
(N−Boc−L−カルノシンの分析値)
融点(mp):70℃
IR(KBr):2984、1533cm−1
H−NMR(90MHz、DMSO)1.43(S、9H)、3.45−2.13(m、6H)、4.50−4.41(m、1H)、6.74−6.59(m、1H)、7.02(m、1H)、8.23−8.13(m、3H)、9.81(m、1H)
以上の結果より、N−Boc−L−カルノシンが生成できたことを確認した。
参考例2(有機塩基を使用した場合)
前記反応を実施した。
(N−カルバメート保護−カルボキシ無水物の準備)
実施例1で使用したのと同じN−Boc−NCAを原料にした。
(原料化合物の反応、および脱炭酸反応)
L−ヒスチジンメチルエステル・2塩酸塩(560mg、2mmol)のTHF(5ml)溶液に、トリエチルアミン(0.47g、4mmol)を室温で加え、同温で3時間攪拌した。
反応液にN−Boc−NCA(0.5g、2mmol)を室温で加え、同温で発泡が収まるまで3時間攪拌した。反応系内の初期段階のpHは10〜12であり、発泡が生じたことから収まるまでの反応系内のpHは3.5〜5の範囲であった。
(取り出し)
THFを留去し、生成物を塩化メチレン抽出した。抽出液を水で洗浄後減圧濃縮し、N−tert−ブトキシカルボニル−β―アラニル−L−ヒスチジン メチルエステル(Boc−Car−OMe)(350mg、44%)を結晶物として得た。
得られたBoc−Car−OMeの分析値は以下の通りであった。
(Boc−Car−OMeの分析値)
IR(KBr):1694、1532cm−1
H−NMR(90MHz、DMSO):1.36(s、9H)、2.32−2.16(t、2H)、3.34−2.82(m、4H)、3.58(s、3H)、4.86(m、1H)、6.77(m、2H)、7.50−8.25(m、3H)
以上の結果より、Boc−Car−OMeが生成できたことを確認した。
実施例3(脱保護反応)
実施例1で製造したN−Boc−L−カルノシン(100mg、0.3mmol)を2N−HCl(10ml)水溶液にて1時間、50℃にて反応を行った。溶媒を留去しL−カルノシン塩酸塩(55mg、70%)を結晶物として得た。
(L−カルノシン塩酸塩の分析値)
IR(KBr):3026、1649cm−1
H−NMR(90MHz、D2O):3.33−2.68(m、6H)、7.36(m、1H)、8.65(m、1H)
以上の結果より、L−カルノシン塩酸塩が生成できたことを確認した。
参考例4(脱保護反応)
参考例2で製造したBoc−L−Car−OMe(100mg、0.3mmol)を6N−HCl(5ml)水溶液にて1時間、50℃にて反応を行った。溶媒を留去しL−カルノシン塩酸塩(60mg、76%)を結晶物として得た。
得られたL−カルノシン塩酸塩の分析値は、実施例3で得られたL−カルノシン塩酸塩と同じであった。

Claims (5)

  1. 溶媒中で下記式(1)
    (式中、
    は、炭素数1〜6のアルキル基である。)で示されるN−カルバメート保護−カルボキシ無水物と、
    下記式(2)
    (式中、
    は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基であり、
    、およびXは、それぞれ、酸であり、
    mは0以上1以下の範囲の数であり、nは0以上1以下の範囲の数であり、m+nは0以上2以下の範囲となり、m+nが0を超える場合にL−ヒスジン化合物塩となる。)
    で示されるL−ヒスジン化合物またはその塩とを、
    塩基の存在下で反応させた後、反応系内を添加して脱炭酸反応および脱カルバメート反応を行うことにより、
    下記式(4)
    (式中、
    、およびXは、それぞれ、酸であり、
    oは0以上1以下の範囲の数であり、pは0以上1以下の範囲の数であり、o+pは0以上2以下の範囲となり、o+pが0を超える場合にL−カルノシン塩となる。)
    で示されるL−カルノシンまたはその塩を製造する方法。
  2. 溶媒中で下記式(1)
    (式中、
    は、炭素数1〜6のアルキル基である。)で示されるN−カルバメート保護−カルボキシ無水物と、
    下記式(2)
    (式中、
    は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有していてもよいベンジル基であり、
    、およびXは、それぞれ、酸であり、
    mは0以上1以下の範囲の数であり、nは0以上1以下の範囲の数であり、m+nは0以上2以下の範囲となり、m+nが0を超える場合にL−ヒスジン化合物塩となる。)
    で示されるL−ヒスジン化合物またはその塩とを、
    塩基の存在下で反応させた後、反応系内を添加して脱炭酸反応を行うことにより、
    下記式(3)
    (式中、
    は、前記式(1)におけるものと同義であり、
    は、前記式(2)におけるものと同義であり、
    は、酸であり、
    qは0以上1以下の範囲の数であり、qが0を超える場合にN−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体塩となる。)
    で示されるN−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体またはその塩を製造する方法。
  3. 前記脱炭酸反応を、pHが3以上7未満の範囲で実施することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 請求項2、又は3に記載の方法により前記式(3)で示されるN−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体またはその塩を製造した後、該N−カルバメート保護−L−カルノシン誘導体またはその塩と、酸とを接触させて脱カルバメート反応を行うことにより、
    下記式(4)
    (式中、
    、およびXは、それぞれ、酸であり、
    oは0以上1以下の範囲の数であり、pは0以上1以下の範囲の数であり、o+pは0以上2以下の範囲となり、o+pが0を超える場合にL−カルノシン塩となる。)
    で示されるL−カルノシンまたはその塩を製造する方法。
  5. 前記脱カルバメート反応を、pHが0.5以上3未満の範囲で実施することを特徴とする請求項4に記載の方法。
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