JP6770753B2 - 管継手 - Google Patents
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Description
詳しくは、継手の接続端に形成されるフランジ同士をクランプで締め付けて固定するへルール継手,フェルール継手,サニタリー継手などと呼ばれる管継手に関する。
継手本体の接続部は、へルール継手などとして継手本体の接続端に形成される溝付のフランジであり、フランジ同士の間にOリングなどのガスケット(パッキン)を挟んで接合され、クランプにより締め付けて固定される。
クランプで締め付けるへルール継手などは、レンチやスパナなどの工具不要で且つ手締めにて簡単に連結及び分解が可能となるため、製造ラインを頻繁に分解洗浄する必要がある食品、飲料、医薬、化粧品、酪農、化学などの業界で広く使われている。
またへルール継手などは、管体の中でも変形不能なパイプ同士を連結する構造が一般的であり、製造ラインが複雑に曲がる場合には簡単に設置できず不向きであった。
これに対し、特許文献1のように管体としてホースやチューブなどの弾性変形可能な可撓管が連結可能な管継手もある。
しかし、特許文献1では、カシメ機により管体及びカシメパイプを縮径変形させて継手本体のニップルと一体化する必要があるため、製造ラインの設置現場では管体を通る流体が変更される度に、ホースやチューブなどの管体を簡単に交換することが困難であった。
このため、管体の交換作業を簡単に行うには、へルール継手に対してカシメ機で縮径接続した予備の管体を用意しておく必要があり、多数の管体を接続している現場では、予備の管体も多数必要になって、それらの管理が面倒になるという問題があった。
本発明の実施形態に係る管継手Aは、図1〜図3に示すように、継手本体10の接続端に形成される溝付フランジ1を有し、接続される他の継手本体10′の溝付フランジ1′との間にOリングなどのガスケット2を挟んで接合され、へルールクランプ3により締め付けて固定する流体継手である。この種の管継手Aは、例えばへルール継手,フェルール継手,サニタリー継手などと呼ばれ、その中でも管体として弾性変形可能な可撓管Bを連結するために用いられる流体継手である。
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係る管継手Aは、可撓管Bの挿入空間Sに沿って設けられたニップル11を有する継手本体10と、ニップル11と径方向へ対向するように設けられるへルール20と、へルール20の内側に設けられる押さえ部材30と、継手本体10及びへルール20を軸方向へ接近させて締め付けるように設けられるクランプ40と、を主要な構成要素として備えている。
可撓管Bの挿入空間Sは、継手本体10のニップル11とへルール20及び押さえ部材30との間に形成される。
管継手Aの具体例として図1(a)(b)に第一管継手A1を示す。管継手Aの変形例として、図2(a)(b)に第二管継手A2を示し、図3(a)(b)に第三管継手A3を示している。
可撓管Bとしては、平坦な内表面B1及び外表面B2を有し、その切断面B3が略垂直又は垂直に近い角度で切断されたものを用いることが好ましい。
挿入空間Sに対しては、図1(a),図2(a)及び図3(a)に示されるように、可撓管Bの切断面B3から所定長さの接続端部Baが差し込まれる。
可撓管Bの具体例として図示される例では、単層構造のホースが用いられ、接続端部Baをその他の部位より若干拡径変形させた状態で、後述する継手本体10のニップル11に沿って嵌合している。
また、その他の例として図示しないが、複数層構造のホースやチューブなどを用いることや、可撓管Bの接続端部Baをその他の部位より拡径変形させずにニップル11と嵌合することなどの変更が可能である。
継手本体10の軸方向他端側には、ニップル11と第一フランジ12を有している。
ニップル11は、可撓管B(接続端部Ba)の内径と略同じか又は可撓管B(接続端部Ba)の内径よりも若干小さな外径を有する円筒状に形成され、挿入空間Sに差し込まれた可撓管Bの内表面B1と径方向へ対向する外周面11aを有する。ニップル11の外周面11aには、軸方向へ抜け止め用の凹凸部11bを形成することが好ましい。
第一フランジ12は、ニップル11の外周面11aよりも径方向外側において継手本体10の軸方向他端部に径方向へ環状に突出して形成される。
さらにニップル11の外側に形成される挿入空間Sには、図1(a),図2(a)及び図3(a)に示されるように、可撓管Bがその内表面B1をニップル11の外周面11aに沿って対向させるように差し込まれる。
さらに図1(a)(b)に示される第一管継手A1の例では、第一フランジ12の対向面12aにおいて後述する押さえ部材30と軸方向へ対向する内周縁に円環状の凹溝12bを形成している。
図2(a)(b)に示される第二管継手A2の例では、第一フランジ12の対向面12aにおいて後述する押さえ部材30と軸方向へ対向する内周縁に第一面取り部12cを形成している。
また継手本体10の他の例として図3(a)(b)に示される第三管継手A3の場合には、ニップル11の基端に可撓管Bの挿入空間Sを挟むことなく第一フランジ12の対向面12aが平滑に形成されている。
なお、それ以外の継手本体10の変形例として図示しないが、第一フランジ12を図示例以外の形状に変更することも可能である。
第二フランジ21は、継手本体10の第一フランジ12と軸方向へ対向して接合するように径方向へ環状に突出して形成される。
さらにへルール20は、図1(a),図2(a)及び図3(a)に示されるように、その内側空間に可撓管Bを挿通することで可撓管Bの外側に配置される。挿入空間Sに対する可撓管Bの差し込み後には、押さえ部材30とへルール20を継手本体10に向けて軸方向へ動かすことにより、第一フランジ12と第二フランジ21を接近させるようにへルール20が配置される。
押圧面22は、図1(b),図2(b)及び図3(b)に示されるように、後述するクランプ40により第一フランジ12と第二フランジ21を軸方向へ接近させて締め付けた状態で、差し込み後の可撓管Bの外表面B2に向けて後述する押さえ部材30を押し込むように構成される。
押圧面22は、第二フランジ21から軸方向へ離隔することに伴って徐々に縮径されるテーパー面に形成することが好ましい。
さらにへルール20は、第二フランジ21と軸方向へ離隔した外面に凸部23を有することが好ましい。
またへルール20の他の例として図3(a)(b)に示される第三管継手A3の場合には、テーパー状に形成された押圧面22の大径な一端側に環状の凹凸内面22aを形成している。
第一管継手A1,第二管継手A2及び第三管継手A3の場合には、凸部23をフランジ状に形成している。
なお、それ以外のへルール20の変形例として図示しないが、押圧面22や凸部23を図示例以外の形状に変更することも可能である。
押さえ部材30が硬質材料製である場合には、例えばC形リングのように周方向の一部にスリットやすり割りなどを形成して分離することにより、径方向への弾性変形が可能になる。
さらに押さえ部材30は、図1(a),図2(a)及び図3(a)に示されるように、その内側孔30aに可撓管Bを挿通することで可撓管Bの外側に配置される。挿入空間Sに対する可撓管Bの差し込み後には、押さえ部材30とへルール20を継手本体10に向けて軸方向へ動かすことにより、可撓管Bの外表面B2とへルール20の押圧面22との間に押さえ部材30を径方向へ挟むように配置される。
また押さえ部材30は、図1(b),図2(b)及び図3(b)に示されるように、後述するクランプ40による第一フランジ12と第二フランジ21の締め付け状態で、へルール20の押圧面22により可撓管Bの外表面B2の一部に入り込んで可撓管Bの内表面B1の一部がニップル11の外周面11aに圧接するように形成される縮径部31を有している。
つまり、後述するクランプ40で第一フランジ12と第二フランジ21が軸方向へ接近して締め付けられると、押さえ部材30はへルール20の押圧面22で差し込み後の可撓管Bの外表面B2向け押圧されて弾性的に縮径変形する。これに伴い、押さえ部材30の内周面となる縮径部31によって、可撓管Bの外表面B2の一部は径方向へ圧縮変形して、縮径部31が可撓管Bの外表面B2の一部に食い込む。これにより、可撓管Bにおいて径方向へ圧縮変形した外表面B2の一部と径方向へ対向する内表面B1の一部は、ニップル11の外周面11aに圧接されて密着する。
さらに図1(a)(b)に示される第一管継手A1の場合には、押さえ部材30の一端側外面に、へルール20の押圧面22と略平行に対向する第一傾斜面32を形成している。押さえ部材30の他端側には、第一フランジ12の対向面12aの内周縁に形成された円環状の凹溝12bと軸方向へ嵌め合う円環状の突起33を形成している。
図2(a)(b)に示される第二管継手A2の場合には、押さえ部材30の一端側外面に形成した第一傾斜面32に加えて、押さえ部材30の他端側外面には、第一フランジ12の対向面12aの内周縁に形成された第一面取り部12cと軸方向へ略平行に対向する第二傾斜面34を形成している。
また図3(a)(b)に示される第三管継手A3の場合には、テーパー状の押圧面22の大径な一端側に形成された環状の凹凸内面22aと径方向に対向する凹凸外面35を押さえ部材30の外周面に形成している。押さえ部材30の軸方向一端部には、第一フランジ12の対向面12aと第二フランジ21の対向面21aとの間に挟まれる鍔部36を形成している。
なお、それ以外の押さえ部材30の変形例として図示しないが、へルール20の押圧面22との摩擦抵抗を減らすため第一傾斜面32に凹凸部位を形成することや、例えばO形リングなどが複数個並べて配置されることで押さえ部材30を構成するなど、図示例以外の形状に変更することも可能である。
特に可撓管Bとして複数層構造のホースやチューブを用いる場合には、押さえ部材30の内周面や外周面に複数の凹溝を軸方向へ形成することも可能である。これにより、ニップル11から浸入した流体が、複数層構造のホースやチューブの層間に侵入するトラブルを防止することができる。
クランプ40の中でも、環状体42が周方向へ複数に分割され、締め具として蝶ナットなどの手動操作可能なものが好ましい。クランプ40は、溝付のフランジ1同士を締め付けるへルールクランプ3と同種のものや、サイズが合えばへルールクランプ3と同じものであってもよい。
クランプ40の具体例としては、特開2006−226345号公報に記載される二ツ割(二分割)構造や、三ツ割(三分割)構造など、種々の構造のものが使用可能である。
クランプ40は、図1(b),図2(b)及び図3(b)に示されるように、挿入空間Sに対して可撓管Bが差し込まれた後に、継手本体10の第一フランジ12とへルール20の第二フランジ21に亘ってクランプ40を、環状溝41が第一フランジ12及び第二フランジ21の外周端と嵌合するようにセットし、締め具の回転操作によって第一フランジ12及び第二フランジ21が軸方向へ接近移動され、締め付け固定される。
先細部12t,21tは、第一フランジ12及び第二フランジ21において対向面12a,21aと反対側の面を面取り加工することなどにより、第一フランジ12及び第二フランジ21の外周端幅を、クランプ40の環状溝41の開口幅に比べてより肉薄に形成している。
これに伴い、押さえ部材30の縮径部31で可撓管Bの外表面B2の一部が径方向へ圧縮変形して、可撓管Bの内表面B1の一部をニップル11の外周面11aに圧接させる。
したがって、クランプ40による締め付けのみで継手本体10のニップル11に対し可撓管Bを密着させて着脱可能に連結することができる。
その結果、カシメ機による管体及びカシメパイプの縮径変形で継手本体のニップルと一体化させる必要がある従来のものに比べ、カシメ機などの専用工具が無くても現場で可撓管Bを簡単に交換できる。しかも可撓管Bの交換作業は、専門知識が無い者でもできて便利である。
さらに、可撓管Bを通る流体が変更される度に着香、味覚、変色などの理由で可撓管Bの交換が必要であっても、製造ラインの設置現場において流体毎に可撓管Bを簡単に交換できる。このため、へルール継手に対してカシメ機で縮径接続した予備の管体を複数種類用意する必要がある従来のものに比べ、作業性に優れるばかりでなく、管理上も優れる。
この場合には、クランプ40で継手本体10の第一フランジ12に対しへルール20の第二フランジ21を軸方向へ接近移動させて締め付けることにより、押さえ部材30の外面(第一傾斜面32)に沿って押圧面22となるテーパー面がスムーズに摺動する。
このため、押圧面22となるテーパー面で押さえ部材30の外面(第一傾斜面32)を徐々に縮径変形させて、縮径部31が可撓管Bの外表面B2の一部に対し徐々に押し込まれる。
したがって、クランプ40による第一フランジ12と第二フランジ21の接近移動をスムーズに行って、ニップル11の外周面11aに可撓管Bの内表面B1の一部を確実に密着させることができる。
その結果、押さえ部材30がゴムなどのような摩擦抵抗が大きくてへルール20の押圧面22との摺動性に劣る弾性材料からなる場合であっても、クランプ40により第一フランジ12と第二フランジ21を確実に接近移動できて、より作業性に優れる。
この場合には、継手本体10の第一フランジ12とへルール20の第二フランジ21に亘ってクランプ40をセットすることにより、第一フランジ12と第二フランジ21が軸方向へ若干離れていても、第一フランジ12の先細部12tと、第二フランジ21の先細部21tがそれぞれクランプ40の環状溝41内に嵌入する。
このため、第一フランジ12と第二フランジ21が軸方向へ若干離れた状態でも、クランプ40の締め付け動作により第一フランジ12と第二フランジ21が接近移動可能になる。
したがって、第一フランジ12と第二フランジ21の隙間に影響されずにクランプ40の締め付け動作を行うことができる。
その結果、押さえ部材30がゴムなどのような摩擦抵抗が大きくてへルール20の押圧面22との摺動性に劣る弾性材料からなるため、第一フランジ12と第二フランジ21が離れている場合であっても、クランプ40により第一フランジ12と第二フランジ21を確実に接近移動できて、より作業性に優れる。
この場合には、管継手Aの分解時においてへルール20の凸部23に対し、クランプ40や指などを引っ掛けて第一フランジ12と第二フランジ21が離隔する方向へ引っ張ることにより、へルール20の押圧面22が押さえ部材30から剥がれて離隔移動可能になる。
したがって、管継手Aを素早く分解することができる。
その結果、押さえ部材30がゴムなどのような摩擦抵抗が大きくてへルール20の押圧面22に密着する場合であっても、短時間に分解できて、より作業性に優れる。
11 ニップル 11a 外周面
12 第一フランジ 12t 先細部
20 へルール 21 第二フランジ
21t 先細部 22 押圧面
23 凸部 30 押さえ部材
31 縮径部 32 外面(第一傾斜面)
40 クランプ 41 環状溝
B 可撓管 B1 内表面
B2 外表面 S 挿入空間
Claims (3)
- 弾性変形可能な可撓管の挿入空間に沿って設けられたニップルを有する継手本体と、
前記ニップルよりも径方向外側で且つ前記継手本体の軸方向端部に径方向へ突出して形成される第一フランジと、
前記ニップルと前記可撓管の前記挿入空間を挟んで径方向へ対向するように設けられる筒状のへルールと、
前記へルールの軸方向端部に前記第一フランジと軸方向へ対向するように径方向へ突出して形成される第二フランジと、
前記挿入空間に差し込まれた前記可撓管の外表面と前記へルールとの間に設けられる径方向へ弾性変形可能な環状の押さえ部材と、
前記第一フランジ及び前記第二フランジに亘って両者の対向方向へ接近させ締め付けるように設けられるクランプと、を備え、
前記へルールは、前記クランプにより前記第一フランジと前記第二フランジが軸方向へ接合した締め付け状態で、前記挿入空間に差し込まれた前記可撓管の前記外表面に向け前記押さえ部材を押し込むように形成される押圧面を有し、前記押圧面が前記押さえ部材の外面に沿って軸方向へ摺動するように前記外面と径方向へ略平行に対向するとともに、前記第二フランジから軸方向へ離隔することに伴って徐々に縮径されるテーパー面であり、
前記第一フランジは、前記押さえ部材と軸方向へ対向する凹溝を有し、
前記押さえ部材は、前記可撓管の前記外表面と対向して形成される縮径部と、前記縮径部の一端外面に前記第一フランジの前記凹溝と軸方向及び径方向へ嵌め合うように形成される環状の突起と、を有し、
前記縮径部は、前記押圧面による弾性的な縮径変形に伴い、前記縮径部の内周面の軸方向全体が前記可撓管の前記外表面に押し込まれて、前記可撓管の内表面が前記ニップルの外周面に圧接されることを特徴とする管継手。 - 前記継手本体の前記第一フランジと前記へルールの前記第二フランジが、前記クランプの環状溝と径方向へ対向する外周端に第一先細部と第二先細部を有することを特徴とする請求項1記載の管継手。
- 前記へルールが、前記第二フランジと軸方向へ離隔した外面に凸部を有することを特徴とする請求項1記載の管継手。
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