Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP6765735B1 - 3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨構造及びその構築方法 - Google Patents

3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨構造及びその構築方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6765735B1
JP6765735B1 JP2019212768A JP2019212768A JP6765735B1 JP 6765735 B1 JP6765735 B1 JP 6765735B1 JP 2019212768 A JP2019212768 A JP 2019212768A JP 2019212768 A JP2019212768 A JP 2019212768A JP 6765735 B1 JP6765735 B1 JP 6765735B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
column
joint
steel
end member
block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019212768A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021085163A (ja
Inventor
亮平 黒沢
亮平 黒沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurosawa Construction Co Ltd
Original Assignee
Kurosawa Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurosawa Construction Co Ltd filed Critical Kurosawa Construction Co Ltd
Priority to JP2019212768A priority Critical patent/JP6765735B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6765735B1 publication Critical patent/JP6765735B1/ja
Publication of JP2021085163A publication Critical patent/JP2021085163A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)

Abstract

【課題】鉄骨造ラーメン構造の柱梁接合部及び周囲部材との溶接接合部が常に圧縮状態に維持され、柱梁接合部及び周囲部材の溶接接合部が地震力によって破損しないようにすることができる鉄骨造ラーメン構造を提供する。【解決手段】複数層階で形成される鉄骨造ラーメン構造であって、柱梁接合部から平面2方向に延びる所定長さの梁端部材2と上下2方向に延びる所定長さの柱端部材1がそれぞれ設けられ、梁端部材2と柱端部材1にそれぞれ柱梁接合部を貫通するPC緊張材が配置されて緊張定着されてプレストレスが付与されて3軸圧縮状態とした柱梁接合ブロックが形成されており、この柱梁接合ブロックに柱部材1Bと梁部材2Bとが接合されてラーメン骨組としてあることを特徴とする3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造ラーメン構造。【選択図】図4

Description

本発明は、鉄骨造(S造)のラーメン構造の柱梁接合部(パネルゾーン)を3軸圧縮状態にし、巨大地震の襲来によっても柱梁接合部が破壊されないものである。
鉄骨造(S造)のラーメン構造の柱梁接合部において、梁部材と柱部材との接合は、一般的には溶接で行われており、接合部の溶接接合構造について多くの手法が提案されている。
特許文献1(特開2002−138573号公報)に開示された接合構造は、最も一般的な鉄骨造柱梁の溶接接合構造であって、図10に示すように、柱に上下方向に一定間隔を隔てて溶接された上下のダイアフラムにH形鋼製の梁部材が接合された構造であって、上ダイアフラムより下ダイアフラムの柱からの突出長さを大きくしてあり、下ダイアフラムに梁の下フランジが載置されて下ダイアフラムとボルトナットで固定され、上フランジは上ダイアフラムに溶接接合された接合構造である。
特許文献2(特開2015−172268号公報)に記載された柱梁接合部は、H型鋼梁部材の設計基準強度よりも柱に設けた接合部材である通しダイアフラムの設計基準強度を建造物の健全性を維持可能な範囲で強度の低い圧延鋼材製とすることによって建築コストを低減するものである。
特許文献3(特許第5521105号号公報)に記載された柱梁接合部は、PC柱と鉄骨梁とを併用した柱梁接合部の接合方法であって、PC鋼材を用いて柱と梁を圧着接合するものである。
更に、関連技術として、鉄骨造(S造)は耐火性能がRC造に比較して劣り、また、座屈しやすく、地震による揺れが大きく、長周期の地震動が作用すると揺れが長時間継続するという弱点を解決しなければならない課題を有しており、鉄骨柱に基礎から最上層階まで通して緊張材を配置して緊張定着して鉄骨柱にプレストレスを付与し、地震力が解放された後に付与してあるプレストレスによる復元力によって鉄骨柱を速やかに元の位置に復帰させて鉄骨造の建造物全体の制震性能を著しく向上させることが特許文献4(特許第5301745号公報)に開示されている。
特開2002−138573号公報 特開2015−172268号公報 特許第5521105号号公報 特許第5301745号号公報
地震時に地震力によって柱梁接合部まわりの柱部材及び梁部材断面に大きな繰り返し曲げ応力(フェイス曲げモーメント)が生じ、特許文献1、2に開示されている単純な溶接接合部やボルト接合部及び溶接とボルトの複合接合部が破壊に至ることが報告されている。
このような破壊を抑制する一手法として特許文献3(特許第5521105号号公報)には、図10に示すように、PC柱と鉄骨梁とをPC圧着接合する柱梁接合部が示されているが、柱梁接合部にPC鋼材を貫通させてPC柱と鉄骨梁とを緊張定着して一体化する際には、緊張力が導入されていない中間鉄骨梁部材が引張られるため柱梁接合部における緊張力の導入が阻害されることになり、有効な柱梁の接合力を導入することが困難となるという問題がある。
また、柱部材と柱梁接合部を接合するには、PC圧着接合することが考えられるが、しかし、特許文献4(特許第5301745号公報)に示されるような鉄骨柱に基礎から上層まで通しで緊張材を配置して緊張定着することは、柱に作用している軸力に追加して更に柱部材全長に一様なプレストレスを導入することになり、柱に作用する軸力は下層階ほど大きなものとなり、各層によって異なるものとなる。
特に、高層や超高層建物の場合は、最上層と最下層の柱軸力の差が極めて大きなものとなり、最下層の柱はオーバープレストレスの状態となることがあるので好ましくない。
そのため、各層の柱梁接合部にプレストレスを導入する場合、軸力方向については、プレストレスを調整して軸力とプレストレスを合計した圧縮力が許容応力を超えないようにすることが必要であるが、各層のプレストレスを個々の柱に作用する軸力を考慮して異なる値に調整することは現状の技術レベルでは実施困難である。
以上のことを踏まえて、本発明は、鉄骨造の柱梁接合部とそれに接続される柱、梁等の周囲部材との溶接接合部が常に圧縮状態に維持され、溶接接合部が地震力によって破損に至らないようにするものであり、そのため、鉄骨造ラーメン構造の梁と柱部材に、少なくとも梁部材にプレストレスを導入することによって力学的に好ましくない応力が柱梁接合部に生じないようにすることを課題とするものである。
鉄骨造ラーメン構造であって、柱梁接合部から平面2方向に延びる所定長さの梁端部材と上下2方向に延びる所定長さの柱端部材がそれぞれ設けられ、梁端部材と柱端部材にそれぞれ柱梁接合部を貫通するPC緊張材が配置されて緊張定着されてプレストレスが付与されて3軸圧縮状態とした柱梁接合ブロックが形成されており、この柱梁接合ブロックに柱部材と梁部材とが接合されてラーメン骨組としてあることを特徴とする3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造ラーメン構造である。
また、鉄骨造ラーメン構造であって、柱梁接合部から平面2方向に延びる所定長さの梁端部材と上下2方向に延びる所定長さの柱端部材がそれぞれ設けられ、梁端部材のみに柱梁接合部を貫通するPC緊張材が配置されて緊張定着されてプレストレスが付与された柱梁接合ブロックが形成されており、この柱梁接合ブロックに柱部材と梁部材とが接合されてなるラーメン骨組に上下方向には垂直荷重によって柱梁接合部が3軸圧縮状態としてあることを特徴とする3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造ラーメン構造である。
また、複数層階で形成される鉄骨造ラーメン構造であって、柱方向において、柱梁接合部から上下2方向に延びる所定長さの柱端部材を形成し、梁方向において、平面2方向に所定の長さに梁端部材を柱端部材の柱梁接合部位置に接合して一体化し、それぞれに柱梁接合部を貫通してPC緊張材を配置して緊張定着してプレストレスを導入して、3軸圧縮状態になる柱梁接合ブロックを形成して柱部材の頭部に設置して溶接接合で一体化し、柱梁接合ブロックの梁端部材に梁部材を溶接接合で一体化して当該層の鉄骨造ラーメン骨組を形成することによって最下層を形成し、以上の工程を繰り返して上方層の鉄骨造ラーメン骨組を構築していくことを特徴とする3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造ラーメン構造の構築方法である。
本発明によれば、以下に記載の効果が得られる。
(1)予めプレストレスが導入された柱梁接合部を含む柱梁接合ブロックを使用して柱と梁部材とを接合することによって、柱梁接合ブロックに接合された柱、梁部材に緊張定着の影響が全く及ばないようにすることができる。
(2)柱梁接合部に柱端部材と梁端部材には溶接部が存在するが、溶接部が常に圧縮状態であるので地震時に繰り返し地震力を受けても溶接部が破損に至るのを回避することができる。
(3)柱梁接合部から所定長の柱端部材と梁端部材を設けることより、応力の大きな範囲を避けて応力の小さい断面において接合してあるので溶接やボルト接合部に余裕をもたせることができるので安全率の高いものとすることができる。
(4)柱梁接合ブロックの限定された範囲内にプレストレスを導入するものであるので、各層の柱に作用する軸力を考慮して柱梁接合部に導入するプレストレス力を調整することが可能である。つまり、柱の軸力によって、各層階に設置する柱梁接合ブロックに異なるプレストレスを導入して容易に対応することができる。
閉鎖型断面鉄骨部材を柱部材とした圧縮柱梁接合部の実施例1の(1)平面図、(2)A−A断面図、(3)B−B断面図及び(4)C−C断面図。 閉鎖型断面鉄骨部材を柱部材とした圧縮柱梁接合部の実施例2の(1)平面図、(2)A−A断面図、(3)B−B断面図及び(4)C−C断面図。 H型鋼を柱部材とした圧縮柱梁接合部の実施例3の(1)平面図、(2)A−A断面図、(3)B−B断面図及び(4)C−C断面図。 閉鎖型断面鉄骨部材を柱部材とした柱梁接合ブロックを用いて構築された3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造骨組の(1)平面図及び(2)側面図。 閉鎖型断面鉄骨部材を柱部材とした柱梁接合ブロックを用いて構築された3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造骨組の施工手順説明図。 H形鋼を柱部材とした柱梁接合ブロックを用いて構築された3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造骨組の平面図。 H形鋼を柱部材とした柱梁接合ブロックを用いて構築された3軸圧縮柱接合部を有する鉄骨造骨組の側面図。 H形鋼を柱部材とした柱梁接合ブロックを用いて構築された3軸圧縮柱接合部を有する鉄骨造骨組の施工手順説明図。 柱梁接合部の従来技術 柱梁接合部の従来技術
図1に本発明の柱梁接合ブロック1Aの実施例の一例を示すものであって、柱梁接合部において、ラーメン構造の外柱として梁が柱に対して3方向に接続されるケースを示している。
図1(1)は、鉄骨構造の柱梁接合部の平面図であり、(2)は正面図、(3)はB−B断面図、(4)はC−C断面図である。
本明細書においては、柱端部材1と梁の軸方向にプレストレスが導入された梁端部材2、2が一体化されたものを柱梁接合ブロック1Aと称することにする。
本発明において、柱は、柱端部材と柱部材とで形成され、梁は、少なくとも梁端部材と梁部材とで形成されるものである。梁については、必要に応じて梁端部材と梁部材の間に梁端ジョイント部材を介在させ、梁端ジョイント部材を有する梁部材と梁端部材を形成するものとしてもよい。鉄骨造ラーメン構造は、これらの柱と梁で形成されるものとする。
図1(1)、(2)に示されるように、柱梁接合ブロック1Aは、柱が接続される柱端部材1と柱端部材1に所定長さの梁端部材2が柱端部材1を基準にして平面3方向に溶接固定されている。柱端部材1は、閉鎖型断面鉄骨部材であり、図示の例では角型鋼管を使用している。図1(2)に示すように、柱端部材1の上下両端部には角型鋼管の開口を塞ぐエンドプレート10が溶接固定されている。
梁端部材2も同様に閉鎖型断面鉄骨部材の角形鋼管であり、その端部にはPC緊張材3を定着するエンドプレート20が固定してあり、エンドプレート20には梁を接続するための梁端ジョイント部材21が溶接固定されている。梁端部材2の高さは、溶接するために梁端ジョイント部材21の高さと同じにするか、若干大きくするのが好ましい。梁端ジョイント部材21の端部には梁部材2Bを接合するためのボルト穴22が複数形成してある。ただし、これに限ることなく、溶接接合とすることもできる。また、ボルト接合と溶接接合を併用した接合構造とすることもできる。
柱端部材1と梁端部材2が交わる部分を本明細書においては柱梁接合部(パネルゾーン)という。
柱端部材1は、柱梁接合部(パネルゾーン)から所定長さまで上下方向(柱軸方向)に延びており、両端にそれぞれエンドプレート10が溶接されており、その合計長さを柱端部材1の長さLとする。要するに、柱端部材1の長さは、柱梁接合部と上下両端のエンドプレート10を含めた合計長さである。
角型鋼管からなる柱端部材1に平面2方向(梁軸方向)に角型鋼管からなる梁端部材2を溶接して一体化し、柱端部材1及び梁端部材それぞれの部材にPC緊張材3を配置してエンドプレート20に定着具を配置して、緊張定着してプレストレスを導入して柱梁接合ブロック1Aを梁軸方向に2軸圧縮状態するものである。
PC緊張材3については、図示のPC鋼棒としてもよく、複数のPC鋼より線からなるPCケーブルとしてもよい。
なお、図1の例は、例えば、高層または超高層建物の下層階に組み込んだ状態においては柱端部材1には垂直荷重によって大きな軸力が発生して作用することによって柱梁接合部が3軸圧縮状態となるので柱軸方向にプレストレスは不要となり、従ってプレストレスを導入するためのPC緊張材3の配設は省略することが可能とする一例である。
PC緊張材3による緊張力の導入によって鉄骨部材に局部座屈が生ずるのを防止するために、PC緊張材3を緊張する前に、補剛材として閉鎖型断面鉄骨部材の部材断面内にコンクリートまたは無収縮モルタルからなる充填材4を充填することが安価で好ましい。充填材4を使用しない場合は、補剛材としてスチフナー(図示しない)を設けるなどの補強を施す場合もある。
また、梁端部材2の先端のエンドプレート20に梁端ジョイント部材21を溶接固定し、柱梁接合ブロック1Aと梁端ジョイント部材21を介して梁部材2Bとを連結して一体化接合することが好ましいが、梁端ジョイント部材20を使用することなく梁部材2Bを直接梁端部材2のエンドプレート20に溶接して柱梁接合ブロック1Aと接合することも可能である。
図2に示す実施例2は、基本的には図1に示す実施例1と同様なものであるが、軸力を負担する柱梁接合ブロック1Aの柱端部材1にも梁端部材2と同様にPC緊張材3を配設してプレストレスを導入するようにしたものである。図2(2)に示されるように柱端部材1にPC緊張材3が配設されて軸力方向にも緊張力が導入されている点が実施例1とは、異なるものであり、その他は実施例1とかわるところはなく、この実施例2の柱梁接合ブロック1Aが適用されるのは、柱梁接合部において軸力による圧縮力が不足する場合である。
この場合では、柱端部材1の上下両端部には溶接固定されているエンドプレート10は、角型鋼管の開口を塞ぐためのものでなく、PC緊張材3の定着具を取付するための定着プレートになる。
建築物の階層によって柱梁接合部に垂直荷重によって異なる軸力が発生して作用しているので、本願発明によれば、補充的に追加するプレストレス量を各階層によって異なるものとすることができる。下層階において、軸力が大きい場合には、プレストレスは不要となり、実施例1の状態となる。
建築物の平面においては、その用途によって、梁間方向と桁行方向のスパン割が異なることがあり、このような場合において、鉄骨造の建築物として構築する場合には、柱部材にH形鋼を使用し、H形鋼断面の強軸方向を梁間方向に、弱軸方向を桁行方向に配置して曲げ応力に対応することが多いので、以下に柱部材として、H形鋼を使用した実施例3を説明する。
図3に示すように、柱端部材1は、H形鋼からなる柱部材と同じサイズのH形鋼のフランジ間に側面プレート1Dを溶接して閉鎖断面を形成してあり、柱梁接合部の上下方向(柱軸方向)にそれぞれ所定長さを有し、柱端部材1の両端にはそれぞれエンドプレート10が溶接してある。また、柱端部材1を構成するH形鋼を柱端部材1の先端(エンドプレート10)から更に所要の長さを延長させてあり、柱部材1Bとの接合に利用する柱端ジョイント部11としてある。従って、柱梁接合ブロック1Aの上下方向(柱軸方向)に用いたH形鋼の全長は、柱端部材1の長さと柱端部材1と柱部材1Bとをジョイント接合するために必要な長さの柱端ジョイント部11の長さとの合計長さとなる。
図示の実施例では、接合手段として高力ボルト接合を採用してあるのでボルト挿入用の孔22が複数設けてある。
なお、柱端ジョイント部11の接合手段はボルト接合に限るものでなく、溶接または溶接と高力ボルト接合を併用したものでもよく、また、従来慣用のH形鋼柱の接合手段から適宜選択したものでもよい。
梁端部材2は、実施例1と同じように梁端ジョイント部材20まで閉鎖断面としてあり、その先端には接合するため梁部材と同じH形鋼が梁端ジョイント部材20に溶接で一体化してある。
柱端部材1と梁端部材2内で形成される空間には実施例1と同様にコンクリート、または、無収縮モルタルが充填してあり、PC緊張材3が配設されて緊張定着してあり、柱梁接合部には3軸方向にプレストレスが導入されている。
図4に本発明の柱梁接合ブロック1を用いて構築された3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造骨組の(1)平面図と(2)側面図の一部を示す。
平面図に代表的な中柱1a、外柱1bおよび隅柱1cと梁部材2Bの配置状態を示す。但し、小梁の配置の図示は省略してある。梁継手2aは、高力ボルト継手、または溶接継手のいずれかを採用する。
地震力による柱梁部材1に生じる曲げモーメントは、柱梁接合部の部材端部において(フェイス曲げモーメント)が最大となるが、中央断面に向かうに従って小さくなる。そこで、梁端部材2の所定長さ(柱梁接合部から突出した長さ)は、当該梁の内法寸法l(柱間の距離)の1/10〜1/4とすることによって曲げモーメントが小さい断面において溶接接合やボルト継手接合されることになり、巨大地震時においても接合部で破断することがなく、安全が担保される。
具体的には、平面においてX方向の内法寸法l、梁端部材2の長さaとし、Y方向の内法寸法l、梁端部材の長さaとすると、それらの関係は以下の範囲内とする。
図4(2)の側面図に当該平面の柱と梁とからなる骨組を示す。なお、この図面においては、スラブは図示を省略してある。
上下方向(柱軸方向)においても梁と同様とし、柱の内法寸法(梁間の距離h)は各層の高さが異なる場合は、以下の関係にする。なお、bnはn階における柱端部材1の長さであり、hはn階における階高である。)
次に本発明の柱梁接合部1の構築手順を図5の施工実施例に基づいて説明する。
構築手順は以下である。
(1)フーチング5と基礎梁6とからなる基礎から鉄骨造とする柱部材1Bを各柱の位置に立設する。
(2)予め製作した柱梁接合ブロック1Aを柱部材1Bの頭部に設置し、柱端部材1のエンドプレート10と柱部材1Bを溶接して接合する。
(3)梁部材2Bを柱梁接合ブロック1Aに取り付けられた梁端ジョイント部材21と高力ボルト継手で接合する。高力ボルトによる接合に代えて溶接接合としてもよく、また、ボルトと溶接を併用して接続してもよい。
(4)柱梁接合ブロック1Aの上に次の層の柱部材1Aを設置して溶接して接合する。
以後、(2)〜(4)の手順を繰り返すことによって上層階を構築していき、建築物を完成させる。
閉鎖断面型鉄骨材を柱部材とした施工工程を説明したが、実施例3のH形鋼柱部材の3軸圧縮柱梁接合ブロックを用いたS造ラーメン構造について図6、7に平面図と側面図の一部を示す。
平面図に代表的な中柱1a、外柱1bおよび隅柱1cと梁部材2Bの配置状態を示す。梁継手2aは、高力ボルト継手、または溶接継手のいずれかを採用する。
梁端部材2の所定長さは、閉鎖断面型鉄骨材を柱部材とした場合と同様であり、施工工程を図8に示す。基本的工程は前述の閉鎖断面型鉄骨材を柱部材としたものと同じであるが、柱端部材1にはエンドプレートが設けられておらず、柱端部材1と柱部材1Bがボルトで接合されようになっている。
施工手順は以下である。
(1)フーチング5と基礎梁6とからなる基礎からH型鋼からなる鉄骨柱部材1Bを各柱の位置に立設する。H型鋼からなる柱部材1Bの上端部にはボルト接合のためのボルト穴22が形成してある。
(2)予め製作した柱梁接合ブロック1Aを柱部材1Bの頭部に設置し、添接板をH形鋼からなる柱部材1Bと柱端部材1にまたがって設置し、高力ボルトで両者を接合する。
(3)梁部材2Bを柱梁接合ブロック1Aに取り付けられた梁端ジョイント部材21と高力ボルト継手で接合する。
(4)柱梁接合ブロック1Aの上に次の層の柱部材1Bを設置して溶接して接合する。
以後、(2)〜(4)の手順を繰り返すことによって上層階を構築していき、建築物を完成させる。
1 柱端部材
1A 柱梁接合ブロック
1B 柱部材
1C PC柱
1D 側面プレート
1a 中柱
1b 外柱
1c 隅柱
10 エンドプレート(柱)
11 柱端ジョイント部材
2 梁端部材
2a 梁継手
2B 梁部材
20 エンドプレート(梁)
21 梁端ジョイント部材
22 ボルト穴
3 PC緊張材
4 充填材(無収縮モルタル)
5 フーチング
6 基礎梁

Claims (8)

  1. 複数層階で形成される鉄骨造ラーメン構造であって、柱梁接合部から平面2方向に延びる所定長さの梁端部材が柱梁接合部から上下2方向に延びる所定長さの柱端部材とそれぞれ溶接で接合一体化してあり、梁端部材と柱端部材にそれぞれ柱梁接合部を貫通するPC緊張材が配置されて緊張定着されてプレストレスが付与されて3軸圧縮状態とした柱梁接合ブロックが形成されており、この柱梁接合ブロックに柱部材と梁部材とが溶接又はボルト接合で一体化してあるラーメン骨組としてあり、
    前記各層の柱端部材に作用する軸力とプレストレスを合計した圧縮力を部材の許容応力度を超えないように調整してプレストレスが付与してあることを特徴とする3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造ラーメン構造。
  2. 複数層階で形成される鉄骨造ラーメン構造であって、柱梁接合部から平面2方向に延びる所定長さの梁端部材が柱梁接合部から上下2方向に延びる所定長さの柱端部材とそれぞれ溶接で接合一体化してあり、梁端部材のみに柱梁接合部を貫通するPC緊張材が配置されて緊張定着されてプレストレスが付与された柱梁接合ブロックが形成されており、この柱梁接合ブロックに柱部材と梁部材とが溶接又はボルト接合で接合一体化してあるラーメン骨組に上下方向には垂直荷重によって柱梁接合部が3軸圧縮状態としてあることを特徴とする3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造ラーメン構造。
  3. 前記梁端部材の所定長さが、当該梁の内法寸法(柱間の距離)の1/10〜1/4であり、前記柱端部材の所定長さが、当該柱の内法寸法(梁間の距離)の1/6〜1/3であることを特徴とする請求項1または2に記載の3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造ラーメン構造。
  4. 前記柱梁接合ブロックの部材断面が閉鎖型断面であり、断面内に補剛材としてコンクリートまたはモルタルが充填硬化させてあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造ラーメン構造。
  5. 複数層階で形成される鉄骨造ラーメン構造であって、柱方向において、柱梁接合部から上下2方向に延びる所定長さの柱端部材を形成し、梁方向において、平面2方向に所定の長さに梁端部材を柱端部材の柱梁接合部位置に溶接によって接合して一体化した後に、それぞれに柱梁接合部を貫通してPC緊張材を配置して緊張定着してプレストレスを導入して3軸圧縮状態とした柱梁接合ブロックを形成し、
    この柱梁接合ブロックを柱部材の頭部に設置して溶接又はボルト接合によって接合一体化し、柱梁接合ブロックの梁端部材に溶接又はボルト接合によって梁部材を接合して一体化して当該層の鉄骨造ラーメン骨組を形成することによって最下層を形成し、以上の工程を繰り返して上方層の鉄骨造ラーメン骨組を構築していくことを特徴とする3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造ラーメン構造の構築方法。
  6. 請求項5において、柱梁接合ブロックの梁端部材に予め梁端ジョイント部材を設けておき、梁部材を梁端ジョイント部材を介して柱梁接合ブロックと一体化接合することを特徴とする3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造ラーメン構造の構築方法。
  7. 請求項5において、柱梁接合ブロックの柱端部材に予め柱端ジョイント部材を設けておき、柱部材を柱端ジョイント部材を介して柱梁接合ブロックと一体化接合することを特徴とする3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造ラーメン構造の構築方法。
  8. 請求項5〜7のいずれかにおいて、前記柱梁接合ブロックの部材断面が閉鎖型断面であり、断面内に補剛材としてコンクリートまたはモルタルを充填硬化させてあることを特徴とする3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨造ラーメン構造の構築方法。
JP2019212768A 2019-11-25 2019-11-25 3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨構造及びその構築方法 Active JP6765735B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019212768A JP6765735B1 (ja) 2019-11-25 2019-11-25 3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨構造及びその構築方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019212768A JP6765735B1 (ja) 2019-11-25 2019-11-25 3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨構造及びその構築方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6765735B1 true JP6765735B1 (ja) 2020-10-07
JP2021085163A JP2021085163A (ja) 2021-06-03

Family

ID=72706629

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019212768A Active JP6765735B1 (ja) 2019-11-25 2019-11-25 3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨構造及びその構築方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6765735B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7015592B1 (ja) * 2021-04-15 2022-02-03 株式会社Jts 建築物の柱梁構造、建築物、及び建築物の施工方法
JP7061822B1 (ja) * 2021-04-15 2022-05-02 株式会社Jts 建築部材

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7015592B1 (ja) * 2021-04-15 2022-02-03 株式会社Jts 建築物の柱梁構造、建築物、及び建築物の施工方法
JP7061822B1 (ja) * 2021-04-15 2022-05-02 株式会社Jts 建築部材
WO2022219899A1 (ja) * 2021-04-15 2022-10-20 株式会社Jts 建築物の柱梁構造、建築物、建築物の施工方法、及び建築部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021085163A (ja) 2021-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wu et al. Seismic behavior of bolted beam-to-column connections for concrete filled steel tube
JP6171070B1 (ja) コンクリート製柱と鉄骨梁との接合方法
JP6644324B1 (ja) 3軸圧縮柱梁接合部のプレストレス導入法
JP6747734B1 (ja) Pc造3軸圧縮柱梁接合部のプレストレス導入法
WO1998036134A1 (fr) Joint pour structure acier, et structure combinee utilisant les memes joints pour structure acier
JP6749673B1 (ja) コンクリート製柱と鉄骨梁との接合構造
JP5408595B1 (ja) 鉄骨ピンを用いた柱・梁のpc耐震接合構造とpc耐震接合方法
JP6765735B1 (ja) 3軸圧縮柱梁接合部を有する鉄骨構造及びその構築方法
JP5521105B1 (ja) Pc柱と鉄骨梁との接合構造および接合方法
Rofooei et al. Assessment of the seismic behavior of self-centering eccentrically braced frames with vertical link-beam
JP6683336B1 (ja) 建物構造及び建物構造の形成方法
CN112523378B (zh) 一种可消除框架膨胀效应的自复位耗能钢梁及其施工方法
JP2020007842A (ja) 鉄筋コンクリート造の躯体とブレースとの接合構造
JPH10292486A (ja) 通しダイアフラム体及びこれを用いた鉄骨構造物の接合構造
Bournas et al. Seismic performance of mechanical connections in the SAFECAST precast building
JP6224420B2 (ja) Cft柱とコンクリート底版の接続構造
JP5411375B1 (ja) 制震柱状体を用いた建物
JP3516927B2 (ja) 耐震補強フレーム
JP2007126830A (ja) 既存建物への間柱の設置構造
JP4045502B2 (ja) 構造物
JP6293207B2 (ja) 既存建物への間柱の設置構造
JP2019100040A (ja) 免震建物、免震構造の構築方法
JP6373613B2 (ja) 圧縮ブレースによる耐震補強構造
JPH11131591A (ja) 鉄骨構造物用ジョイント及びこれを用いた鉄骨構造物の接合構造
JP3519331B2 (ja) 耐震補強ユニットの束柱と梁との接合部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191204

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191204

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20191204

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200311

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200901

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6765735

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250