JP6756092B2 - インクジェット用インク組成物 - Google Patents
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Description
定な分散体あるいは溶液となっている。しかし、特に産業用途向けのインクにおいて、定着樹脂エマルションを多く含む場合があるが、定着樹脂の含有量の増加に伴い、定着樹脂由来の異物が発生する懸念が高まっている。
本発明に係るインクジェット用インク組成物の一態様は、
色材としての顔料または分散染料と、イオン性液体とを含み、
前記イオン性液体の含有量が0.05質量%以上5質量%以下であることを特徴とする。
適用例1のインクジェット用インク組成物において、
前記イオン性液体が、150℃未満の温度で液体のイオン性化合物であることができる。
適用例1または適用例2のインクジェット用インク組成物において、
前記イオン性液体と前記色材との含有比率(イオン性液体含有量/色材含有量)が0.01以上1以下であることができる。
適用例1ないし適用例3のいずれか一例のインクジェット用インク組成物において、さらに、ガラス転移温度が0℃以下の樹脂を含むことができる。
よれば、イオン性液体によって当該樹脂の絡み合いによる異物が溶解されるため、異物の発生が抑制され、保存安定性が良好となる。
適用例4のインクジェット用インク組成物において、
前記イオン性液体と前記樹脂との含有比率(イオン性液体含有量/樹脂含有量)が0.01以上5以下であることができる。
適用例1ないし適用例5のいずれか一例のインクジェット用インク組成物において、前記イオン性液体として、2種以上のイオン性液体を含むことができる。
適用例1ないし適用例6のいずれか一例のインクジェット用インク組成物において、さらに、溶剤として水を含み、前記イオン性液体が水溶性であることができる。
適用例1ないし適用例6のいずれか一例のインクジェット用インク組成物において、さらに、溶剤として有機溶剤を含み、前記イオン性液体が非水溶性であることができる。
適用例1ないし適用例6のいずれか一例のインクジェット用インク組成物において、さらに、重合性化合物を含み、前記イオン性液体が非水溶性であることができる。
本発明に係るインクジェット用インク組成物は、色材としての顔料または分散染料と、イオン性液体とを含み、前記イオン性液体の含有量が0.05質量%以上5質量%以下であることを特徴とする。本発明に係るインクジェット用インク組成物には、必ず色材としての顔料または分散染料及びイオン性液体が含まれるが、これ以外に含まれる成分によって、水系インク組成物と、溶剤系インク組成物と、光硬化型インク組成物とに大別することができる。以下、水系インク組成物、溶剤系インク組成物、光硬化型インク組成物の順に、各インク組成物に含まれる成分について説明する。
本明細書における「水系インク組成物」とは、インク組成物の全質量(100質量%)に対して、水を30質量%以上含有するインク組成物のことをいう。
本実施形態に係る水系インク組成物は、色材として、顔料または分散染料を含有する。本実施形態に係るインクジェット用インク組成物において、上述の異物発生のメカニズムは、顔料と分散染料とで同じであると考えられる。
顔料種としては、特に制限されるものではないが、平面的な骨格を有する分子を含む顔料を用いた場合に、顔料由来の異物の抑制効果が高くなる。平面的な骨格を有する分子を含む顔料の場合には、色素分子が互いにスタックした状態で溶媒に分散されており、そのようなスタック状態から色素類似体が徐々に溶媒中に溶け出していくと考えられる。このような平面的な色素分子の構造類似体は、本来の色素分子とは異なる溶解特性や分散特性を示すため、構造類似体が溶媒に溶け出すと、顔料とは異なる析出物を生じ、異物となって溶媒中に析出、分散、浮遊することになる。本実施形態に係る水系インク組成物に含まれるイオン性液体は、平面的な色素分子の構造類似体を溶解する能力が高いため、顔料由来の異物の発生を効果的に抑制することができる。
上記の顔料を樹脂で分散させた樹脂分散顔料又は自己分散顔料を用いることが好ましい。
樹脂分散顔料に用いられる樹脂分散剤としては、ポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等およびこれらの塩が挙げられる。これらの中でも、疎水性官能基を有するモノマーと親水性官能基を持つモノマーとの共重合体、疎水性官能基と親水性官能基とを併せ持つモノマーからなる重合体が好ましい。共重合体の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれの形態でも用いることができる。
本実施形態に係る水系インク組成物は、顔料として自己分散顔料を含有することができる。自己分散顔料を用いることにより、水系インク組成物の粘度を適正な範囲に調整しやすくなるため、取扱いが容易となる。また、自己分散顔料は、分散剤を別途配合しなくても、水系インク組成物中で均一に分散させることができる。
300」等を用いることができる。
分散染料は、インク中において分散媒中に分散するものであり、加熱により昇華する性質を有する染料(昇華性染料)である。分散染料は、各種着色剤の中でも、鮮明な色相が得られること、被染色体に対する染色特性(例えば、染色再現性、堅牢性、耐白場汚染性等)等の点で優れている。その一方で、従来のインクにおいては、分散染料を含む場合に、インク中に分散染料を含む材料の凝集体としての異物が発生するという問題が発生しやすかったが、本発明においては、このような問題の発生を確実に防止することができる。すなわち、本発明によれば、分散染料を用いることの利点を発揮させつつ、上記のような問題の発生を防止することができる。
本実施形態に係る水系インク組成物は、イオン性液体を含む。イオン性液体は、イオンのみから成る塩の一種でありながら、分子の大きさ及び弱いイオン間相互作用のため、低い温度で液体の状態をとる物質である。イオン性液体は、一般的な無機塩(例えば、NaCl(融点:約800℃))に比べて非常に低温(典型的には200℃以下)で液体の状態を呈する。
2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェイト、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムオクチルサルフェート、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−ヘキサデシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−アリル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(AEIm TFSI)、1,3−ジアリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(AAIm TFSI)等が挙げられる。
(例えば、ステアリン酸(塩)等の炭素数10以上の高級脂肪酸(塩))に由来する異物、及び/又は、これらの不純物が混合してなる異物を、溶解することができる。これにより、水系インク組成物における異物の発生が抑制される。その結果、インクの保存安定性及び記録ヘッドからの吐出安定性が向上し目詰まりが抑制され、信頼性が良好となる。
<水>
本実施形態に係る水系インク組成物は、溶剤として水を含有する。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。本実施形態に係る水系インク組成物中における水の含有量は、水系インク組成物の全質量(100質量%)に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上95質量%以下、特に好ましくは60質量%以上90質量%以下である。ここで、水の含有量は、水を添加した量に限られず、他の添加剤等を加える場合には添加剤中の水分も含むものである。
本実施形態に係る水系インク組成物は、記録媒体上での濡れ拡がり性、浸透性、乾燥性を制御する観点から極性溶剤を含有することが好ましい。しかしながら、極性溶剤の中には、上述の色材由来成分を僅かではあるが溶解させるものが存在する。この溶解された色材由来成分の一部が、温度環境の変化などに伴って再析出することにより結晶性の異物を形成することが分かってきており、この異物が徐々にヘッドフィルターを詰まらせることで、インクの吐出不良を引き起こすという課題があった。本実施形態に係る水系インク組成物によれば、色材由来成分による異物をイオン性液体で溶解させることにより、かかる課題を解決することができる。
アルカンジオール類としては、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール等の1,2−アルカンジオール;1,3−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,3−ヘプタンジオール、1,3−オクタンジオール等の1,3−アルカンジオール;2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジオール等のその他のジオール類が挙
げられる。
アルキレングリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル等のエチレングリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類が挙げられる。
ピロリドン類としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン等が挙げられる。
アミド類としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、エクアミドM100(商品名、出光興産株式会社製)、エクアミドB100(商品名、出光興産株式会社製)等が挙げられる。
ラクトン類としては、α−アセトラクトン、α−エチルラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ζ−エナンチオラクトン、η−カプリロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−ノナラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、2−ブチル−2−エチルプロピオラクトン、α,α−ジエチルプロピオラクトン等が挙げられる。
本実施形態に係る水系インク組成物は、上記極性溶剤以外の水溶性有機溶剤を含有してもよい。このような水溶性有機溶剤としては、特に限定されないが、アルコール類(例えば、エチルアルコール、1−プロパノール、フッ化アルコール等)や、多価アルコール類(例えば、ポリアルキレングリコール、グリセリン等)を例示することができる。特にグリセリンは保湿剤として機能し、水系インク組成物が空気に触れている状態で放置しても、より乾燥し難くするという効果がある。これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る水系インク組成物は、上述の色材を記録媒体に定着させるための樹脂(本明細書において「定着樹脂」ともいう。)を含有してもよい。定着樹脂は、水溶性、ディスパージョンまたはエマルジョンの形態で供給されることが好ましい。
リル352D、ジョンクリルPDX−7145、ジョンクリル538J、ジョンクリル7640、ジョンクリル7641、ジョンクリル631、ジョンクリル790、ジョンクリル780、ジョンクリル7610(以上、BASF社製)、NKバインダー R−5HN(新中村化学工業株式会社製)、パラロイドB60(ローム・アンド・ハース社製)等が挙げられる。
本実施形態に係る水系インク組成物は、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも使用することができ、さらにこれらは併用してもよい。
本実施形態に係る水系インク組成物は、pH調整剤を添加して好ましくはpHを6.0以上10.0以下、より好ましくは7.0以上9.5以下に調整するとよい。
キレート剤、防腐剤、粘度調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防黴剤等については、公知の物質を用いることができる。
本実施形態に係る水系インク組成物は、イオン性液体と色材との含有比率(イオン性液体含有量/色材含有量)が、好ましくは0.01以上1以下、より好ましくは0.1以上1以下、さらに好ましくは0.2以上1以下、特に好ましくは0.4以上1以下である。イオン性液体と色材との含有比率が前記範囲内にあると、水系インク組成物に含まれるイオン性液体と色材との含有割合のバランスが良好となるため、色材に由来する異物の発生を効率的に抑制でき、保存安定性が良好となる。また、水系インク組成物中の色材由来の異物の発生を抑制することで、ヘッドフィルターの異物による目詰まりが解消され、インクの吐出安定性が良好となる。イオン性液体と色材との含有比率(イオン性液体含有量/色材含有量)が0.01未満の場合、色材に対するイオン性液体の含有量が少ないため、水系インク組成物中に色材由来の異物を溶解させる効果が小さくなる。そのため、色材由来の異物が温度環境の変化などにより発生し、インクの吐出不良を引き起こす場合がある。一方、イオン性液体と色材との含有比率(イオン性液体含有量/色材含有量)が1を超える場合、色材に対するイオン性液体の含有量が多いため、水系インク組成物中に色材由来の異物を溶解させる効果については問題ないが、記録媒体上に吐出されたインクの乾燥性が低下するため、滲み等により印刷品質が損なわれる場合がある。
本実施形態に係る水系インク組成物をインクジェット用インクとして用いる場合には、例えば組成や配合を調節することで、粘度(25℃における粘度)を好ましくは2mPa・s以上20mPa・s以下、より好ましくは3mPa・s以上15mPa・s以下とする。これにより、インクジェット用インクの吐出安定性(吐出量の安定性、液滴の飛行特性等)、吐出応答性(応答速度、高周波対応性(周波数特性)等)等を優れたものとすることができる。なお、インクジェット用インクの粘度は、振動式粘度計を用いた、JIS
Z8809に準拠した測定により求めることができる。
本明細書における「溶剤系インク組成物」とは、有機溶剤を主成分とするインクであり、実質的に水を含まないインクを意味する。ここで、「実質的に水を含まない」とは、インク組成物を製造する際に水を意図的に添加しないという意味であり、インク組成物を製造中または保管中に不可避的に混入する微量の水分を含んでいても構わない。
本実施形態に係る溶剤系インク組成物は、色材としての顔料または分散染料を含有する。色材は、上述の水系インク組成物と同様の種類及び含有量とすることができる。
本実施形態に係る溶剤系インク組成物は、イオン性液体を含有する。イオン性液体は、上述の水系インク組成物と同様の種類及び含有量とすることができる。なお、本実施形態に係る溶剤系インク組成物に含まれるイオン性液体は、非水溶性であることが好ましい。
<極性溶剤>
本実施形態に係る溶剤系インク組成物は、極性溶剤を含有する。この極性溶剤は、インク特性を制御する重要な成分であるため、溶剤系インク組成物中には必ず含まれている。極性溶剤の中には、上述の色材由来成分を僅かではあるが溶解させるものが存在する。この溶解された色材由来成分の一部が、温度環境の変化などに伴って再析出することにより結晶性の異物を形成することが分かってきており、この異物が徐々にヘッドフィルターを詰まらせることで、インクの吐出不良を引き起こすという課題があった。本実施形態に係る溶剤系インク組成物によれば、色材由来成分による異物をイオン性液体で溶解させることにより、かかる課題を解決することができる。
アルカンジオール類としては、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール等の1,2−アルカンジオール;1,3−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,3−ヘプタンジオール、1,3−オクタンジオール等の1,3−アルカンジオール;2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−エチ
ル−1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジオール等のその他のジオール類が挙げられる。
アルキレングリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル等のエチレングリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類が挙げられる。
ピロリドン類としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン等が挙げられる。
アミド類を含有することにより、低吸収性記録媒体上に付着したインクの定着性を向上させることができる。アミド類の中でも下記一般式(1)で示される化合物であることが好ましい。
溶解して内部にインクを効果的に浸透させることができる。このようにインクが浸透することで、インクが強固に定着し、かつ、インクの表面が乾燥しやすくなる。そのため、得られる画像は、表面乾燥性及び定着性に優れたものとなる。その反面、他の溶剤に比べて上述の色材由来成分が溶解しやすいため、上述の異物によるインク吐出不良の問題が発生しやすい傾向がある。
上記極性溶剤以外の有機溶剤としては、特に限定されないが、アルコール類(例えば、エチルアルコール、1−プロパノール、フッ化アルコール等)やエーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル等)を例示することができる。これらの有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る溶剤系インク組成物は、上述の色材を記録媒体に定着させるための樹脂(定着樹脂)を含有してもよい。
アクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン−(メタ)アクリル共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂、エチレンアルキル(メタ)アクリレート樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂などが挙げられる。
塩化ビニル樹脂及び酢酸ビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル及び酢酸ビニルに由来する構成単位を含む共重合体(以下、「塩酢ビ共重合体」ともいう。)等が挙げられるが、これらの中でも塩酢ビ共重合体が好ましい。塩酢ビ共重合体は、上記極性溶剤に溶解させることができる。その結果、極性溶剤に溶解した塩酢ビ共重合体により、記録媒体の表面にインクを強固に定着させることができる。
ニル及び酢酸ビニルを圧入し懸濁重合を行うか、塩化ビニルの一部と酢酸ビニルを圧入して反応をスタートさせ、残りの塩化ビニルを反応中に圧入しながら懸濁重合を行うことができる。
本実施形態に係る溶剤系インク組成物は、表面張力を低下させ記録媒体との濡れ性を向上させる観点から、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、または非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン誘導体を添加してもよい。
ることが好ましい。具体例としては、サーフィノール82、104、465、485、TG(いずれもエアープロダクツジャパン社製)、オルフィンSTG、E1010(いずれも日信化学株式会社製)、ニッサンノニオンA−10R、A−13R(いずれも日油株式会社製)、フローレンTG−740W、D−90(共栄社化学株式会社製)、ノイゲンCX−100(第一工業製薬株式会社製)等が挙げられる。
本実施形態に係る溶剤系インク組成物には、上記の成分以外にも、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)等のキレート剤、防腐剤、粘度調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、及び防黴剤など、所定の性能を付与するための物質を含有することができる。
本実施形態に係る溶剤系インク組成物における、イオン性液体と色材との含有比率(イオン性液体含有量/色材含有量)及びイオン性液体と定着樹脂との含有比率(イオン性液体含有量/定着樹脂含有量)については、上述の水系インク組成物と同様である。
本実施形態に係る溶剤系インク組成物をインクジェット用インクとして用いる場合には、例えば組成や配合を調節することで、粘度(25℃における粘度)を好ましくは2mPa・s以上20mPa・s以下、より好ましくは3mPa・s以上15mPa・s以下とする。これにより、インクジェット用インクの吐出安定性(吐出量の安定性、液滴の飛行特性等)、吐出応答性(応答速度、高周波対応性(周波数特性)等)等を優れたものとすることができる。なお、インクジェット用インクの粘度は、振動式粘度計を用いた、JIS Z8809に準拠した測定により求めることができる。
本実施形態に係る溶剤系インク組成物は、低吸収性記録媒体、特に塩化ビニル系記録媒体などのフィルムメディアに記録した時の画質が優れるため、屋外で展示するサイン用途などに好適となる。塩化ビニル系記録媒体としては、塩化ビニル系樹脂を含有するものであれば特に限定されない。塩化ビニル系樹脂を含有する記録媒体としては、硬質もしくは軟質の塩化ビニル系フィルムまたはシート等が挙げられる。本実施形態に係る溶剤系インク組成物は、塩化ビニル系樹脂基材における無処理表面への画像の記録を可能ならしめるものであり、従来の受容層を有する記録媒体のごとく、高価な記録媒体の使用を不要とする優れた効果を有するが、インク受容層により表面処理された基材であっても適用できることは言うまでもない。
本明細書における「光硬化型インク組成物」とは、重合性化合物を含むインクに光を照射することにより、重合性化合物が重合して固化するインクのことをいう。本実施形態に係る光硬化型インク組成物は、色材及びイオン性液体の他、重合性化合物や光重合開始剤
を含有する。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物は、色材としての顔料または分散染料を含有する。色材は、上述の水系インク組成物と同様の種類及び含有量とすることができる。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物は、イオン性液体を含有する。イオン性液体は、上述の水系インク組成物と同様の種類及び含有量とすることができる。なお、本実施形態に係る光硬化型インク組成物に含まれるイオン性液体は、非水溶性であることが好ましい。本発明における「非水溶性」の定義については、上述の通りである。
<重合性化合物>
上記インク組成物に含まれる重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により、光照射時に重合されて、印刷されたインクを硬化させることができる。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物は、光重合開始剤を含む。光重合開始剤は、紫外線の照射による光重合によって、記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて画像を形成するために用いられる。紫外線(UV)を用いることにより、安全性に優れ、且つ光源ランプのコストを抑えることができる。光(紫外線)のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、上記重合性化合物の重合を開始させるものであれば制限はないが、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を使用することができ、中でも光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
合性(メタ)アクリレート)を攻撃することで光ラジカル重合を引き起こす。
フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 784(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)、IRGACURE OXE 01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE 02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、IRGACURE 754(オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物)(以上、BASF社製)、Speedcure TPO、Speedcure DETX(2,4−ジエチルチオキサントン)、Speedcure ITX(2−イソプロピルチオキサントン)(以上、Lambson社製)、KAYACURE DETX−S(2,4−ジエチルチオキサントン)(日本化薬社(Nippon Kayaku Co., Ltd.)製)、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF社製)、及びユベクリルP36(UCB社製)などが挙げられる。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物は、上記の成分以外にも、スリップ剤(界面活性剤)、重合禁止剤、重合促進剤、浸透促進剤、溶剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤を含有することができる。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、及び増粘剤が挙げられる。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物における、イオン性液体と色材との含有比率(イオン性液体含有量/色材含有量)及びイオン性液体と定着樹脂との含有比率(イオン性液体含有量/定着樹脂含有量)については、上述の水系インク組成物と同様である。
本実施形態に係る光硬化型インク組成物をインクジェットヘッドのノズルから吐出する際、吐出安定性を良好なものとするため、インク組成物の20℃での粘度を35mPa・s以下とするのが好ましく、25mPa・s以下とするのがより好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
2.1.1.水系インク組成物の調製
表1に示す水系インク組成物を、下記に従って作製した。表1に示す材料を表1に示す含有量(単位:質量%)で、それぞれ混合し十分に撹拌した。この混合液を孔径5μmの金属フィルターで濾過した後、真空ポンプを用いて脱気処理して、実施例及び比較例で用いる各水系インク組成物を得た。
<定着樹脂>
・ウレタン樹脂A(商品名「スーパーフレックス470」、第一工業製薬株式会社製、Tg=−31℃)
・ウレタン樹脂B(商品名「スーパーフレックス420」、第一工業製薬株式会社製、Tg=−20℃)
<界面活性剤>
・BYK−348(ビックケミー・ジャパン株式会社製、シリコン系界面活性剤)
<イオン性液体>
・EMI・Cl(1-Ethyl-3-Methylimidazolium Chloride、固体(融点78℃、和光純薬工業株式会社)
・BMI・Cl(1-Butyl-3-Methylimidazolium Chloride、固体(融点67℃、和光純薬工業株式会社)
表1及び表2に示す各水系インク組成物をインクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)に初期充填後、下記に示す評価を行った。
水系インク組成物を充填したプリンターを40℃で3ヶ月間放置後、プリンターからヘッドを取りはずし、ノズル先端を目視で観察することにより異物の有無を確認した。
各水系インク組成物40gを50cc容のガラス瓶に入れ密栓した後に、これらのガラス瓶を60℃の恒温槽内に入れ、7日間放置した。7日後に取り出し、室温に戻した後、DVM−E型回転粘度計(東京計器株式会社製)を用いて25℃での粘度を測定した。そして、事前に測定した初期粘度に対する、7日間放置後の粘度の変動率を計算した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
A:粘度の変動率が±3%未満。
B:粘度の変動率が±3%以上±5%未満。
C:粘度の変動率が±5%以上±10%未満。
D:粘度の変動率が±10%以上。
各水系インク組成物を、インクジェットプリンターの専用カートリッジにそれぞれ充填した。そして、該カートリッジをインクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)に装着し、10分間連続して印刷し、全てのノズルから正常にインクが吐出していることを確認した。次に、インクカートリッジを取り外し、記録ヘッドをヘッドキャップから外した状態で、50℃の環境下に3ヶ月間放置した。放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまで、クリーニング動作を繰り返し、以下の判断基準により回復性を評価した。
<評価基準>
A:ヘッドクリーニング2回以下で初期と同等に印刷できる。
B:ヘッドクリーニング3回以上4回以下で初期と同等に印刷できる。
C:ヘッドクリーニング5回以上10回以下で初期と同等に印刷できる。
D:ヘッドクリーニング10回以下では初期と同等の印刷ができない。
各水系インク組成物を、インクジェットプリンターの専用カートリッジにそれぞれ充填した。そして、該カートリッジをプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)に装着して、35℃で湿度35%RHの雰囲気下において、A4版のXerox P(商品名、富士ゼロックス株式会社製)に、マイクロソフトワード文章(文字サイズ11、標準、MSPゴシック)を4000字/頁の割合で、500頁印刷を行った。500頁目の文章に関して、下記評価基準に従って吐出安定性の評価を行った。
<評価基準>
A:全く印字乱れがない。
B:1〜3カ所の印字乱れがある。
C:3〜9カ所の印字乱れがある。
D:10カ所以上の印字乱れがある。
表1に示す各水系インク組成物を、インクジェットプリンターの専用カートリッジにそれぞれ充填した。そして、該カートリッジをプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製)に装着して、所定の印刷パターンでA4版のXerox P用紙(商品名、富士ゼロックス株式会社製)に印刷した。その後、得られた印刷物のパターンに滲みが存在するか、光学顕微鏡を用いて、下記の基準で評価した。
<評価基準>
A:印字パターンに滲みがない。
B:1〜3カ所、印字パターンに滲みがある。
C:4〜9カ所、印字パターンに滲みがある。
D:10カ所以上、印字パターンに滲みがある。
2.2.1.溶剤系インク組成物の調製
表3に示す溶剤系インク組成物を、下記に従って作製した。まず容器に、表3に示す含有量(単位:質量%)で有機溶剤を混合し、スターラーを用いて30分間撹拌した。次に、得られた混合溶剤の一部を取り分けて、Solsperse37500(LUBRIZOL社製、分散剤)及びシアン顔料(クラリアント社製、C.I.ピグメントブルー15:3)を所定量添加して、ホモジナイザーを用いて粉砕処理した。その後、直径0.3mmのジルコニアビーズを充填したビーズミルで分散処理を行うことにより、顔料分散液を得た。得られた顔料分散液に、有機溶剤の残部及び表3に記載の材料を所定量添加し、さらに1時間混合撹拌してから、5μmのPTFE製メンブレンフィルターを用いてろ過することにより、実施例及び比較例で用いる各溶剤系インク組成物を得た。
<界面活性剤>
・BYK−315(ビックケミー・ジャパン株式会社製、シリコン系界面活性剤)
<定着樹脂>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(日信化学工業株式会社製、商品名「ソルバインCL」)
・パラロイドB60(ローム・アンド・ハース社製、アクリル樹脂)
<有機溶剤>
・エクアミドM100(出光興産株式会社製、塩化ビニル膨潤剤)
<イオン性液体>
・AEIm TFSI
((1-Allyl-3-ethylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide、液体、関東化学株式会社)
・AAIm TFSI
((1,3-Diallylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide、液体、関東化学株式
会社)
表3に示す各溶剤系インク組成物をプリンターに初期充填後、下記に示す評価を行った。
インクジェットプリンターSP−300V(ローランドDG社製)を使用した以外は、水系インク組成物と同様の方法で不純物の有無を確認した。
水系インク組成物と同様の方法で溶剤系インク組成物の保存安定性を評価した。
各溶剤系インク組成物を、インクジェットプリンターの専用カートリッジに充填した。そして、該カートリッジをインクジェットプリンターSP−300V(ローランドDG社製)に装着して、10時間特定パターンの印刷を連続して行った。この際、印刷時のヒーター設定温度は50℃とし、Duty200%の条件で光沢ポリ塩化ビニルシートSV−G−1270G(ローランドDG社製)上に印刷を行った。10時間後に印刷した特定パターンに関して、下記評価基準に従って吐出安定性の評価を行った。
<評価基準>
A:印字パターンに乱れがない。
B:1〜3カ所、印字パターンに乱れがある。
C:4〜9カ所、印字パターンに乱れがある。
D:10カ所以上、印字パターンに乱れがある。
Duty(%)=実吐出ドット数/(縦解像度×横解像度)×100
(式中、「実吐出ドット数」は単位面積当たりの実ドット数であり、「縦解像度」及び「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。)
2.3.1.光硬化型インク組成物の調製
表4中の各材料を表4に示す含有量で十分に混合撹拌した後、真空ポンプで脱気することにより、各光硬化型インク組成物を得た。
<色材>
・PV19(C.I.ピグメントバイオレット19)
<ラジカル重合性化合物>
・VEEA(アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、日本触媒社製)
・PEA(フェノキシエチルアクリレート、大阪有機化学社製)
・DPGDA(ジプロピレングリコールジアクリレート、サートマー社製)
<光重合開始剤>
・IRGACURE 819(BASF社製商品名、固形分100%)
・DAROCURE TPO(BASF社製商品名、固形分100%)
・Speedcure DETX(Lambson社製商品名、固形分100%)
<重合禁止剤>
・MEHQ(p−メトキシフェノール)
<シリコン系界面活性剤>
・UV3500(ビックケミー・ジャパン株式会社製)
<イオン性液体>
・AEIm TFSI
((1-Allyl-3-ethylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide、液体、関東化学株式会社)
・AAIm TFSI
((1,3-Diallylimidazolium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide、液体、関東化学株式会社)
表4に示す各光硬化型インク組成物をプリンターに初期充填後、下記に示す評価を行った。
水系インク組成物と同様の方法で不純物の有無を確認した。
水系インク組成物と同様の方法で保存安定性の評価を行った。
記録媒体としてPETフィルム(PET50A PLシン、リンテック社製)を用いた以外は、水系インク組成物と同様の方法で、吐出安定性の評価を行った。なお、500頁目のPETフィルムには紫外線(照射は、強度800mW/cm2、ピーク波長395nm)を十分に照射し、光硬化型インク組成物を十分に硬化させた後、評価を行った。
表1〜表4の結果から明らかなように、実施例1〜14のインクジェット用インク組成物によれば、水系インク、溶剤系インク、及び光硬化型インクのいずれの場合であってもイオン性液体を所定量含有することで、インク中の不純物の発生を抑制できることが分かった。その結果、インクの保存安定性や吐出安定性も良好となることが分かった。
Claims (6)
- 色材としての顔料または分散染料と、イオン性液体と、ガラス転移温度が0℃以下のウレタン樹脂と、水と、を含み、
前記イオン性液体の含有量がインク組成物の全質量に対して0.05質量%以上5質量%以下であり、
前記水の含有量がインク組成物の全質量に対して30質量%以上であり、
前記ウレタン樹脂の含有量がインク組成物の全質量に対して0.1質量%以上である、インクジェット用インク組成物。 - 前記イオン性液体が、150℃未満の温度で液体のイオン性化合物である、請求項1に記載のインクジェット用インク組成物。
- 前記イオン性液体と前記色材との含有比率(イオン性液体含有量/色材含有量)が0.01以上1以下である、請求項1または請求項2に記載のインクジェット用インク組成物。
- 前記イオン性液体と前記ウレタン樹脂との含有比率(イオン性液体含有量/ウレタン樹脂含有量)が0.01以上5以下である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット用インク組成物。
- 前記イオン性液体として、2種以上のイオン性液体を含む、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット用インク組成物。
- 前記イオン性液体が水溶性である、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット用インク組成物。
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