以下、図面を参照しながら、本願の開示する技術の一実施形態を説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る電子機器10は、機器本体20と、カバー部材30とを備える。この電子機器10は、一例として、ブック型となっている。図1を含む各図に示される矢印L方向、矢印W方向、矢印T方向は、互いに直交しており、それぞれ電子機器10の縦方向、幅方向、厚さ方向に相当する。
(第一機器本体及び第二機器本体)
図2に示されるように、機器本体20は、第一機器本体21と、第二機器本体22とを有する。第一機器本体21及び第二機器本体22は、それぞれ平盤状を成している。この第一機器本体21及び第二機器本体22は、それぞれ矢印T方向から見た平面視にて矩形状を成している(図5等も参照)。この第一機器本体21及び第二機器本体22を平面視した場合の矩形状は、より具体的には、矢印L方向を長手方向とし矢印W方向を短手方向とする長方形状である。
第一機器本体21及び第二機器本体22は、矢印W方向の一方側において後述するヒンジによって開閉可能に連結されている。図2に示されるように閉状態にある第一機器本体21及び第二機器本体22の矢印W方向の一方側の端部は、第一機器本体21及び第二機器本体22が開閉する際の支点側となる端部である。以降、この端部を、開閉基端部23と称する。第一機器本体21及び第二器本体が後述するヒンジによって互いに連結されることにより、第一機器本体21及び第二機器本体22は、一例として、本又は手帳を模した構成となっている。
このように本又は手帳を模した構成である第一機器本体21及び第二機器本体22の各々は、矢印T方向の両側に前面25と背面26とをそれぞれ有している。第一機器本体21及び第二機器本体22は、互いの前面25が向かい合う状態で閉状態とされると共に、互いの前面25が同じ側を向く状態で開状態とされる。
図1、図2には、第一機器本体21及び第二機器本体22の閉状態が示されており、図3、図4には、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態から開状態に遷移する様子が示されている。また、図5〜図8には、第一機器本体21及び第二機器本体22の開状態が示されている。
さらに、図9、図10には、第一機器本体21及び第二機器本体22を開状態としてユーザが電子機器10を手で持って使用している様子の一例が示されている。このように、第一機器本体21及び第二機器本体22は、開状態と閉状態とを取り得るように開閉可能となっており、ユーザは、電子機器10を本又は手帳のように扱うことが可能となっている。
図7に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22の各々には、前面25と背面26とを繋ぐ四つの側面27が形成されている。この四つの側面27には、本又は手帳のページの重なりを模した複数の凹凸28が形成されている(図8も参照)。この複数の凹凸28は、各側面27の長手方向にそれぞれ延びると共に、各側面27の短手方向に並んでいる。
第一機器本体21及び第二機器本体22の各々は、より具体的には、筐体と、この筐体の内部に収容された内部ユニット等を備える。内部ユニットには、例えば、バッテリや制御回路等の電子機器10の駆動に必要な要素が含まれる。第一機器本体21の内部ユニットと第二機器本体22の内部ユニットとは、例えば、ケーブルや信号線等によって接続されている。
(ディスプレイ及びサブディスプレイ)
図5に示されるように、電子機器10は、ディスプレイ40を備える。このディスプレイ40は、シート状であり、可撓性を有している。このシート状のディスプレイ40には、例えば、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイが適用される。ディスプレイ40は、第一機器本体21及び第二機器本体22の内部ユニットによって駆動される。
ディスプレイ40は、第一機器本体21の前面25から第二機器本体22の前面25に亘って設けられている。ディスプレイ40は、矢印T方向から見た平面視にて矩形状を成している。このディスプレイ40を平面視した場合の矩形状は、より具体的には、矢印L方向を短手方向とし矢印W方向を長手方向とする長方形状である。
このディスプレイ40は、開状態にある第一機器本体21及び第二機器本体22の二つの前面25を合せた横長の長方形と略同じ形状か又はその長方形よりも少し小さい相似形状を成している。ディスプレイ40の矢印W方向の一端側は、第一機器本体21の前面25に固定されており、ディスプレイ40の矢印W方向の他端側は、第二機器本体22の前面25に固定されている。
第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にある場合には、ディスプレイ40が平面状に展開され、第一機器本体21及び第二機器本体22の各々の前面25は、ディスプレイ40に覆われる(図7、図8も参照)。これに対し、図2に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態にある場合には、ディスプレイ40が二つ折りに折り畳まれる。ディスプレイ40は、言わば電子機器10におけるメインディスプレイである。
一方、図2に示されるように、第二機器本体22の背面26には、サブディスプレイ50が設けられている(図1も参照)。このサブディスプレイ50は、「インターフェース部」の一例である。サブディスプレイ50は、矢印L方向を長手方向とし、矢印W方向を短手方向とする概略長方形状とされている。サブディスプレイ50は、第二機器本体22の開閉基端部23と反対側の端部に隣接している。第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23と反対側の端部を、以降、開閉先端部24と称する。サブディスプレイ50は、第二機器本体22の開閉先端部24側に配置されると共に、この開閉先端部24に沿って設けられている。
(ヒンジ)
図11は、図1に示される電子機器10においてカバー部材30を想像線で示すと共にその他を実線で示す背面図である。図11に示されるように、電子機器10は、第一機器本体21及び第二機器本体22を開閉可能に連結する一対のヒンジ60を備える。一対のヒンジ60は、矢印L方向に離間して配置されている。この一対のヒンジ60は、互いに同一の構成である。
図12、図13に示されるように、ヒンジ60は、一対のアーム部材61、一対のベース部材62、及び、一対のピン63を有する。一対のアーム部材61、一対のベース部材62、及び、一対のピン63は、それぞれ互いに同一の構成である。
図13に示されるように、一対のアーム部材61は、それぞれ長尺板状に形成されている。各アーム部材61の長手方向の一端側は、回動基端部64であり、各アーム部材61の長手方向の他端側は、回動先端部65である。各アーム部材61の回動基端部64側には、溝66と、突起67が形成されている。溝66は、アーム部材61の板厚方向に見た場合に円弧状を成すと共に、アーム部材61の板厚方向に貫通している。突起67は、アーム部材61の板厚方向を高さ方向とする円柱状に形成されている。この突起67は、アーム部材61の板厚方向一方側に突出している。
一対のベース部材62は、それぞれブロック状に形成されており、互いに対向して配置される。一対のベース部材62は、互いに対向する面68を有しており、一対のベース部材62には、互いに対向する面68に開口する溝69が形成されている。溝69は、一対のベース部材62が対向する方向に見た場合に円弧状を成している。一対のベース部材62には、一対の孔70、71が形成されている。一対の孔70、71は、溝69の両側に位置しており、一対のベース部材62が対向する方向に貫通している。
そして、上述のヒンジ60は、次の要領にて組み立てられている。すなわち、一対のベース部材62の間には、一対のアーム部材61の回動基端部64が配置される。この一対のアーム部材61の回動基端部64は、互いに摺動可能に重ね合わされる。また、一対のアーム部材61は、それぞれの突起67が互いに反対側に突出するように配置され、それぞれの突起67は、各ベース部材62の溝69に挿入される。また、一対のピン63は、一対のベース部材62を挟んだ両側から、孔70、溝66、孔71に順に挿入される。
図14〜図16には、このようにして組み立てられたヒンジ60が動作する様子が示されている。図14では、ヒンジ60が開状態にあり、図15では、ヒンジ60が開状態と閉状態との中間状態にあり、図16では、ヒンジ60が閉状態にある。このヒンジ60では、図13に示される突起67が溝69を移動すると共に、ピン63が溝66を移動することで、一対のアーム部材61の回動軌跡が規定される。
図11に示されるように、一対のアーム部材61は、第一機器本体21及び第二機器本体22にそれぞれ固定される。一対のアーム部材61が第一機器本体21及び第二機器本体22にそれぞれ固定されることにより、上述のヒンジ60は、第一機器本体21及び第二機器本体22をブック状に連結している。
図14に示されるヒンジ60の開状態、及び、図16に示されるヒンジ60の閉状態は、上述の第一機器本体21及び第二機器本体22の開状態(図7参照)及び閉状態(図2参照)にそれぞれ対応する。図13に示される溝66、69の形状は、上述の第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態と閉状態とを取り得るように適宜設定される。
図2に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態にある場合には、第一機器本体21の開閉基端部23と第二機器本体22の開閉基端部23とが矢印T方向に互いに離間した状態になる。一方、図7に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にある場合には、第一機器本体21の開閉基端部23と第二機器本体22の開閉基端部23とが矢印W方向に互いに突き合わされた状態になる。
第一機器本体21の開閉基端部23と第二機器本体22の開閉基端部23とが矢印W方向に互いに突き合わされた状態では、それぞれの開閉基端部23が互いに当接し、第一機器本体21及び第二機器本体22の開動作が規制される。そして、第一機器本体21の開閉基端部23と第二機器本体22の開閉基端部23とが矢印W方向に互いに突き合わされた状態では、第一機器本体21と第二機器本体22とが矢印W方向に平面状に並んだ状態となる。
上述のヒンジ60(図13参照)は、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23が矢印T方向に互いに離間した状態及び互いに突き合わされた状態の両方の状態を取り得るように構成されている。開閉基端部23が矢印T方向に互いに離間した状態及び互いに突き合わされた状態の両方の状態を取り得るようにする構成は、図13に示されるヒンジ60における溝66、69の形状や突起67及びピン63の配置が適宜設定されることにより実現される。
図2に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態にある場合には、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23が矢印T方向に互いに離間した状態になり、第一機器本体21と第二機器本体22との間には隙間80が生ずる。この隙間80には、二つ折りに折り畳まれたディスプレイ40が収容される。
また、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態にある場合には、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉先端部24が矢印T方向に互いに当接した状態になる。このため、第一機器本体21と第二機器本体22との間の隙間80は、開閉先端部24から開閉基端部23に向かうに従って矢印T方向に拡大する。
第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態とされ、ディスプレイ40が二つ折りに折り畳まれる場合には、ディスプレイ40の曲げ部41の曲率が確保されるように、隙間80における開閉基端部23側の大きさが確保される。隙間80における開閉基端部23側の大きさが確保されることにより、第一機器本体21及び第二機器本体22によって曲げ部41が潰されることが抑制され、曲げ部41が鋭角に屈曲せずに湾曲した状態となる。
(スライド機構及び付勢部材)
図11に示されるように、第二機器本体22の背面26には、スライド機構90及び一対の付勢部材100が設けられている。このスライド機構90及び一対の付勢部材100は、矢印W方向における第二機器本体22の開閉基端部23とサブディスプレイ50との間に配置されている。
スライド機構90は、一対の案内溝91と、一対のスライダ92と、スライド板93とを有する。一対の案内溝91は、それぞれ矢印W方向に延びると共に、矢印L方向に並んでいる。この一対の案内溝91は、それぞれ第二機器本体22の背面26に開口している。一対のスライダ92は、一対の案内溝91にそれぞれ収容されており、矢印W方向に移動可能となっている。スライド板93は、矢印L方向を長手方向とする長方形状であり、一対のスライダ92を連結している。一対のスライダ92及びスライド板93は、矢印W方向に一体にスライドする。
一対の案内溝91の間には、一対の収容溝101が形成されている。この一対の収容溝101は、一対の案内溝91と同様に、それぞれ矢印W方向に延びると共に、矢印L方向に並んでいる。この一対の収容溝101には、一対の付勢部材100がそれぞれ収容されている。
一対の付勢部材100は、一例として、それぞれ矢印W方向を軸方向とするコイルバネである。この一対の付勢部材100は、スライド板93を第二機器本体22の開閉先端部24側に付勢する。図11に示されるようにスライド板93がサブディスプレイ50側の移動限に位置している場合には、一対の付勢部材100が自由状態又は僅かに圧縮した状態になるように、一対の付勢部材100の軸長は設定されている。
(カバー部材)
図2に示されるように、カバー部材30は、第一機器本体21の背面26から第二機器本体22の背面26に亘って設けられている。カバー部材30は、矢印T方向から見た平面視にて矩形状を成している(図6参照)。このカバー部材30を平面視した場合の矩形状は、より具体的には、矢印L方向を短手方向とし矢印W方向を長手方向とする長方形状である。
図11に示されるように、カバー部材30は、開状態にある第一機器本体21及び第二機器本体22の二つの背面26を合せた形状と略同様の大きさ及び形状を有している。カバー部材30の矢印W方向の一端側31は、第一機器本体21の背面26に固定されている。
一方、カバー部材30の矢印W方向の他端側32は、第二機器本体22の背面26に設けられた上述のスライド板93に対して固定されている。そして、カバー部材30の他端側32は、スライド板93を有するスライド機構90によって、第二機器本体22に対して矢印W方向にスライド可能に支持されている。スライド機構90及び一対の付勢部材100は、カバー部材30によって覆われている。
図11に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にある場合には、カバー部材30によって、第一機器本体21及び第二機器本体22の背面26の全体が覆われる(図6も参照)。一方、図2に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態にある場合には、カバー部材30によって、第一機器本体21及び第二機器本体22の背面26のうちサブディスプレイ50を除く残余部が覆われる(図1も参照)。
このように、本実施形態の電子機器10では、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にある場合と閉状態にある場合とでカバー部材30によって覆われる領域が異なる。このようにカバー部材30によって覆われる領域が異なるのは、第一機器本体21及び第二機器本体22が開閉する際に開閉基端部23の前面25側と背面26側とで内周差が生じるからである。
つまり、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にある場合と閉状態にある場合とでは、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23側に位置する背面エッジ部26A(図2、図7参照)の間の距離が変化する。そして、第一機器本体21及び第二機器本体22の背面エッジ部26Aの間の距離が変化すると、これに伴って、カバー部材30の他端側32が第二機器本体22の背面26に沿って矢印W方向に移動する。
このカバー部材30は、図11に示されるスライド機構90及び一対の付勢部材100との関係では、次のように構成されている。すなわち、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態から開状態に遷移する場合(図3、図4参照)には、カバー部材30の他端側32がスライド板93のスライドを伴って第二機器本体22の開閉先端部24側に移動する。そして、第二機器本体22の背面26の開閉先端部24側に設けられたサブディスプレイ50は、カバー部材30の他端側32に対して露出する状態からカバー部材30の他端側32に覆われた状態になる。
また、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態から開状態に遷移する場合には、一対の付勢部材100によって、カバー部材30の他端側32が、第二機器本体22の開閉先端部24側、すなわち、サブディスプレイ50を覆う方向に付勢される。そして、カバー部材30の他端側32と共にスライド板93が第二機器本体22の開閉先端部24側に移動し、一対の付勢部材100が復元される。
一方、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態から閉状態に遷移する場合には、カバー部材30の他端側32と共にスライド板93が第二機器本体22の開閉基端部23側に移動する。また、第二機器本体22の開閉基端部23側へのスライド板93の移動に伴って、一対の付勢部材100が圧縮される。
また、カバー部材30自体は、より具体的には、次のような構成になっている。図17は、カバー部材30の背面図である。図17に示されるように、カバー部材30は、カバー本体33、第一心材34、第二心材35、及び、第三心材36を有する。図17では、カバー部材30に設けられたカバー本体33が想像線で示されると共に、カバー部材30に設けられた第一心材34、第二心材35、及び、第三心材36が実線で示されている。
図11に示されるように、カバー本体33は、第一機器本体21の背面26から第二機器本体22の背面26に亘って設けられる(図6も参照)。このカバー本体33は、カバー部材30の表皮を形成するものであり、ブックカバーを模した態様、例えば、合成皮革、天然皮革、ビニール等により形成される。
図17に示される第一心材34、第二心材35、及び、第三心材36は、シート状又は板状に形成される。第一心材34は、カバー本体33における第一機器本体21(図11参照)の背面26を覆う部位に設けられており、第二心材35は、カバー本体33における第二機器本体22(図11参照)の背面26を覆う部位に設けられている。また、第三心材36は、カバー本体33における第一心材34と第二心材35との間に設けられている。
第三心材36は、第一心材34及び第二心材35よりも薄く形成されるか又は軟らかい材料によって形成される等により、第一心材34及び第二心材35よりも曲げ剛性が低く設定されている。つまり、第一心材34及び第二心材35は硬く、第三心材36は第一心材34及び第二心材35よりも柔らかくなっている。
上述のカバー部材30は、領域別には、第一カバー部37、第二カバー部38、及び、第三カバー部39を有する。第一カバー部37は、第一心材34が設けられた部位、すなわち、図11に示される第一機器本体21の背面26を覆う部位であり、第二カバー部38は、第二心材35が設けられた部位、すなわち、図11に示される第二機器本体22の背面26を覆う部位である。また、第三カバー部39は、第三心材36が設けられた部位、すなわち、第一カバー部37と第二カバー部38との間に位置する部位である。
なお、図11に示されるように、第一機器本体21の背面26には、カメラ130が設けられており、カバー部材30には、カメラ130と対応する位置に孔131が形成されている(図6も参照)。カメラ130の前面部は、孔131を通じて外部に露出している。
(閉塞部材)
図18は、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23側の拡大斜視図である。図18に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23側には、閉塞部材110が設けられている。閉塞部材110は、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23における矢印L方向の両端側にそれぞれ設けられている(図11参照)。この一対の閉塞部材110は、互いに同一の構成である。
閉塞部材110は、矢印L方向を板厚方向とする板状に形成されている。また、閉塞部材110は、矢印L方向に見た場合に半円状を成している。この閉塞部材110の外周部には、円弧部111が形成されている。閉塞部材110は、閉状態にある第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23に対して第三カバー部39側に突出するように配置されている。閉塞部材110の円弧部111は、カバー部材30に形成された第三カバー部39に向けて凸を成している。
この閉塞部材110は、上述の第一機器本体21、第二機器本体22、及び、カバー部材30との関係では、次のように構成されている。すなわち、閉塞部材110は、第一機器本体21及び第二機器本体22が開閉する間(図4参照)、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23と第三カバー部39との間に形成される隙間120を閉塞する。また、閉塞部材110は、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態にある間(図18参照)、隙間120を閉塞する。さらに、閉塞部材110が隙間120を閉塞するときには、円弧部111が第三カバー部39の内面と密着する。
図11に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23には、一対の閉塞部材110と対応する位置にそれぞれ収容溝29が形成されている。第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にある場合に、一対の閉塞部材110は、収容溝29にそれぞれ収容される。また、閉塞部材110は、カバー部材30の矢印L方向の端部よりも内側に配置されている。
次に、本実施形態の電子機器10の動作について説明する。
(閉状態)
図2に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態にある場合(図1も参照)には、第一機器本体21及び第二機器本体22の互いの前面25が矢印T方向に向かい合う状態となる。このとき、ディスプレイ40は、二つ折りに折り畳まれた状態となる。
また、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態にある場合には、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉先端部24が矢印T方向に互いに当接した状態になる。一方、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23は、矢印T方向に互いに離間した状態になり、第一機器本体21と第二機器本体22との間には隙間80が生ずる。この隙間80には、二つ折りに折り畳まれたディスプレイ40が収容される。
この第一機器本体21と第二機器本体22との間の隙間80は、開閉先端部24から開閉基端部23に向かうに従って矢印T方向に拡大する。このため、二つ折りに折り畳まれたディスプレイ40の曲げ部41が第一機器本体21及び第二機器本体22によって潰されることが抑制される。この結果、曲げ部41は、鋭角に屈曲せずに湾曲した状態となり、曲げ部41への局所的な応力集中が抑制される。
また、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態にある場合には、カバー部材30の他端側32が第二機器本体22の開閉基端部23側に移動した状態となる。そして、サブディスプレイ50は、カバー部材30の他端側32に対して露出される。一方、第一機器本体21及び第二機器本体22の背面26のうちサブディスプレイ50を除く残余部は、カバー部材30によって覆われる。
また、カバー部材30の他端側32が第二機器本体22の開閉基端部23側に移動することにより、図11に示されるスライド板93も第二機器本体22の開閉基端部23側に移動する。そして、これにより、一対の付勢部材100が圧縮された状態になる。
さらに、図18に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23と、第三カバー部39との間に形成された隙間120は、閉塞部材110によって閉塞される。このとき、閉塞部材110の外周部に形成された円弧部111は、第三カバー部39の内面と密着し、隙間120への異物の侵入が防止される。
(閉状態から開状態への遷移)
図3、図4に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態から開状態に遷移する場合には、第一機器本体21及び第二機器本体22の開動作に伴って、折り畳まれた状態のディスプレイ40が徐々に展開される。
また、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態から開状態に遷移する場合には、カバー部材30の他端側32がスライド板93(図11参照)のスライドを伴って第二機器本体22の開閉先端部24側に移動する。そして、サブディスプレイ50がカバー部材30の他端側32に対して露出する状態からカバー部材30の他端側32に覆われた状態に徐々に遷移する。
また、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態から開状態に遷移する場合には、一対の付勢部材100(図11参照)によってカバー部材30の他端側32がサブディスプレイ50を覆う方向、すなわち第二機器本体22の開閉先端部24側に付勢される。そして、図11に示されるように、カバー部材30の他端側32と共にスライド板93が第二機器本体22の開閉先端部24側に移動し、一対の付勢部材100が徐々に復元される。第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態から開状態に遷移する場合には、一対の付勢部材100の復元力がユーザの開操作に対するアシスト力となって作用する。
また、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態から開状態に遷移する間、図4に示される閉塞部材110は、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23と第三カバー部39との間に形成される隙間120を閉塞する。このとき、図18に示されるように、閉塞部材110の外周部に形成された円弧部111は、第三カバー部39の内面と密着し、隙間120への異物の侵入が防止される。
(開状態)
図5〜図8に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にある場合には、第一機器本体21及び第二機器本体22の互いの前面25が矢印T方向の同じ側を向いた状態となる。このとき、第一機器本体21の開閉基端部23と第二機器本体22の開閉基端部23とが矢印W方向に互いに突き合わされた状態になり、第一機器本体21と第二機器本体22とが矢印W方向に平面状に並んだ状態となる。そして、ディスプレイ40は、平面状に展開され、第一機器本体21及び第二機器本体22の各々の前面25がディスプレイ40によって覆われる。
また、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にある場合には、カバー部材30の他端側32が第二機器本体22の開閉先端部24側に移動した状態となる。そして、図6に示されるように、サブディスプレイ50は、カバー部材30の他端側32によって覆われる。このときには、カバー部材30によって、第一機器本体21及び第二機器本体22の背面26(図11参照)の全体が覆われる。
また、このときには、図11に示されるように、一対の閉塞部材110は、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23に形成された収容溝29にそれぞれ収容される。さらに、カバー部材30の他端側32が第二機器本体22の開閉先端部24側に移動することにより、スライド板93も第二機器本体22の開閉先端部24側に移動する。そして、これにより、一対の付勢部材100が復元された状態になる。
なお、図9に示されるように、電子機器10は、第一機器本体21と第二機器本体22とが矢印W方向に平面状に並ぶようにして開状態とされる以外に、次のように使用されても良い。すなわち、図10に示されるように、電子機器10は、第一機器本体21と第二機器本体22とが屈曲した状態となるようにして使用されても良い。
(開状態から閉状態への遷移)
図3、図4に示される順序とは逆に、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態から閉状態に遷移する場合には、第一機器本体21及び第二機器本体22の閉動作に伴って、展開した状態のディスプレイ40が徐々に折り畳まれる。
また、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態から閉状態に遷移する場合には、カバー部材30の他端側32がスライド板93(図11参照)のスライドを伴って第二機器本体22の開閉基端部23側に移動する。そして、第二機器本体22の背面26の開閉先端部24側に設けられたサブディスプレイ50がカバー部材30の他端側32に覆われた状態からカバー部材30の他端側32に対して露出する状態に徐々に遷移する。
また、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態から閉状態に遷移する場合には、カバー部材30の他端側32と共にスライド板93(図11参照)が第二機器本体22の開閉基端部23側に移動する。そして、図11に示されるスライド板93が第二機器本体22の開閉基端部23側へ移動することに伴って、一対の付勢部材100が徐々に圧縮される。この一対の付勢部材100の圧縮時の弾性力は、閉操作するユーザに抵抗力となって作用する。
さらに、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態から閉状態に遷移する間、図4に示される閉塞部材110は、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23と第三カバー部39との間に形成される隙間120を閉塞する。このとき、閉塞部材110の外周部に形成された円弧部111は、第三カバー部39の内面と密着し、隙間120への異物の侵入が防止される。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)本実施形態によれば、それぞれ平盤状を成す第一機器本体21及び第二機器本体22は、ヒンジ60によってブック状に連結されている。したがって、例えば、図9、図10に示されるように、電子機器10を本や手帳等のように扱うことができるので、電子機器10の嗜好性を高めることができる。
(2)本実施形態によれば、電子機器10は、ブック状に連結された第一機器本体21及び第二機器本体22とは別にカバー部材30を備える。したがって、このカバー部材30がブックカバーのように見えることにより、電子機器10の意匠性を向上させることができる。また、デザインや色等が異なる複数種類のカバー部材30を用意し、ユーザに好みのカバー部材30を選択してもらうことにより、電子機器10の嗜好性をより向上させることができる。
(3)本実施形態によれば、可撓性を有するシート状のディスプレイ40が採用されている。このディスプレイ40は、図5に示されるように、第一機器本体21の前面25から第二機器本体22の前面25に亘って設けられている。したがって、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にある場合には、ディスプレイ40が第一機器本体21の前面25から第二機器本体22の前面25に亘って連続して配置される。これにより、例えば、第一機器本体21の前面25と第二機器本体22の前面25とに表示器がそれぞれ設けられる場合に比して、ディスプレイ40に表示される画面の視認性を向上させることができる。
(4)本実施形態によれば、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にある場合には、第一機器本体21の開閉基端部23と第二機器本体22の開閉基端部23とが矢印W方向に互いに突き合わされた状態になる。したがって、第一機器本体21及び第二機器本体22が矢印W方向に平面状に並ぶので、可撓性を有するシート状のディスプレイ40を平面状に展開することができる。これにより、ディスプレイ40に表示される画面の視認性をより一層向上させることができる。
(5)本実施形態によれば、図2に示されるように、第二機器本体22の背面26には、サブディスプレイ50が設けられている(図1も参照)。このサブディスプレイ50は、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態にある場合には、カバー部材30の他端側32に対して露出される。したがって、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態にある場合には、サブディスプレイ50に必要最小限の情報を表示させることができるので、電子機器10の利便性を向上させることができる。
(6)本実施形態によれば、図6に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にある場合には、カバー部材30の他端側32が第二機器本体22の開閉先端部24側に移動した状態となる。そして、サブディスプレイ50は、カバー部材30の他端側32によって覆われる。したがって、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態である場合に、カバー部材30の他端側32によってサブディスプレイ50を保護することができる。
つまり、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にある場合には、メインのディスプレイ40がユーザに面して配置され、サブディスプレイ50は、ユーザとは反対側に面して配置される。この場合には、サブディスプレイ50がユーザから見えないことにより、このサブディスプレイ50に物がぶつかることでサブディスプレイ50が故障することが懸念される。しかしながら、本実施形態によれば、サブディスプレイ50は、カバー部材30の他端側32によって覆われるので、サブディスプレイ50に物がぶつかることを防止することができる。
(7)本実施形態によれば、図11に示されるように、第二機器本体22には、付勢部材100が設けられている。そして、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態から開状態に遷移する場合には、付勢部材100によって、カバー部材30の他端側32が、第二機器本体22の開閉先端部24側、すなわち、サブディスプレイ50を覆う方向に付勢される。したがって、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態に遷移したときには、カバー部材30の他端側32を第二機器本体22の開閉先端部24側に的確に移動させることができる。これにより、カバー部材30の他端側32によってサブディスプレイ50を適切に保護することができる。
また、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態から開状態に遷移する場合には、カバー部材30の他端側32が第二機器本体22の開閉先端部24側に押されるので、第一機器本体21及び第二機器本体22の動きにカバー部材30が追従する。これにより、カバー部材30に皺や弛み等が生じることを抑制することができるので、電子機器10の意匠性が損なわれることを防止することができる。
しかも、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態から開状態に遷移する場合には、付勢部材100の復元力がユーザの開操作に対するアシスト力となって作用する。これにより、第一機器本体21及び第二機器本体22を閉状態から開状態に円滑に遷移させることができるので、電子機器10の利便性を向上させることができる。
一方、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態から閉状態に遷移する場合には、スライド板93が第二機器本体22の開閉基端部23側へ移動することに伴って付勢部材100が徐々に圧縮される。そして、この付勢部材100の圧縮時の弾性力は、閉操作するユーザに抵抗力となって作用する。したがって、第一機器本体21及び第二機器本体22が勢い良く閉じたり、第一機器本体21及び第二機器本体22が不意に閉じられたりすることを防止することができるので、このことによっても、電子機器10の利便性を向上させることができる。
(8)本実施形態によれば、カバー部材30のカバー本体33(図17参照)には、第一機器本体21の背面26を覆う第一心材34と、第二機器本体22の背面26を覆う第二心材35とが設けられている。したがって、カバー本体33における第一機器本体21の背面26を覆う部位と第二機器本体22の背面26を覆う部位とに皺や弛み等が生じることを抑制することができる。これにより、電子機器10の意匠性が損なわれることを抑制することができる。
また、カバー部材30のカバー本体33には、第一心材34と第二心材35との間に第三心材36が設けられている。したがって、第一機器本体21及び第二機器本体22を開閉する際に第一機器本体21と第二機器本体22との間においても、皺や弛み等が生じることを抑制することができる。しかも、この第三心材36は、第一心材34及び第二心材35よりも曲げ剛性が低く設定されている。したがって、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉が第三心材36によって阻害されることを抑制することができる。これにより、電子機器10の利便性を確保することができる。
(9)本実施形態によれば、図18に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23側には、閉塞部材110が設けられている。この閉塞部材110は、第一機器本体21及び第二機器本体22が開閉する間、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23と第三カバー部39との間に形成される隙間120を閉塞する。また、閉塞部材110は、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態にある間、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23と第三カバー部39との間に形成される隙間120を閉塞する。
したがって、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23と第三カバー部39との間に形成される隙間120に異物が侵入することを抑制することができる。これにより、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にされる場合に、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23の間に異物が挟まって第一機器本体21及び第二機器本体22を平面状に開くことができなくなることを防止することができる。
しかも、カバー部材30の他端側32が第二機器本体22の開閉先端部24側に付勢されることにより、第一機器本体21及び第二機器本体22が開閉する際には、カバー部材30の第三カバー部39が閉塞部材110の円弧部111に密着する。したがって、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23と第三カバー部39との間に形成される隙間120に異物が侵入することをより効果的に抑制することができる。
(10)本実施形態によれば、図2に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態にある場合には、第一機器本体21の開閉基端部23と第二機器本体22の開閉基端部23とが矢印T方向に互いに離間した状態になる。したがって、第一機器本体21及び第二機器本体22が閉状態とされ、ディスプレイ40が二つ折りに折り畳まれる場合には、第一機器本体21及び第二機器本体22によってディスプレイ40の曲げ部41が潰されることを抑制できる。これにより、ディスプレイ40の曲げ部41が鋭角に屈曲せずに湾曲した状態となるので、ディスプレイ40に局所的に応力が集中することを抑制することができる。この結果、ディスプレイ40の故障を防止することができる。
(11)本実施形態によれば、図7、図8に示されるように、第一機器本体21及び第二機器本体22には、前面25と背面26とを繋ぐ四つの側面27が形成されており、この四つの側面27には、各側面27の長手方向に延びる複数の凹凸28が形成されている。したがって、この複数の凹凸28により本又は手帳のページの重なりを表現することができるので、電子機器10の意匠性を向上させることができる。
また、側面27に複数の凹凸28が形成されることにより、この複数の凹凸28が滑り止めとして機能する。これにより、第一機器本体21及び第二機器本体22を容易に開閉することができるので、電子機器10の利便性を向上させることができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態において、第二機器本体22の背面26には、「インターフェース部」の一例として、サブディスプレイ50(図1参照)が設けられているが、例えば、カメラやスイッチなどのサブディスプレイ50以外の構成が設けられていても良い。つまり、第二機器本体22の背面26に設けられる「インターフェース部」は、電子機器10において保護することが要求されるものであれば、何でも良い。
また、上記実施形態では、付勢部材100(図11参照)として、コイルバネが用いられているが、コイルバネ以外の弾性部材が用いられても良い。
また、上記実施形態において、カバー部材30には、好ましくは、第一心材34、第二心材35、及び、第三心材36(図17参照)が用いられるが、第一心材34、第二心材35、及び、第三心材36が省かれても良い。
また、上記実施形態において、第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23側には、好ましくは、閉塞部材110(図18参照)が設けられるが、閉塞部材110が省かれても良い。
また、上記実施形態において、電子機器10は、好ましくは、シート状のディスプレイ40(図5参照)を備えるが、第一機器本体21の前面25及び第二機器本体22の前面25にそれぞれ表示器を備えていても良い。
また、上記実施形態において、電子機器10は、好ましくは、本又は手帳を模した形状(図9、図10参照)とされるが、例えば、折り畳み式の携帯電話等でも良い。
また、上記実施形態において、第一機器本体21及び第二機器本体22が開状態にある場合には、第一機器本体21の開閉基端部23と第二機器本体22の開閉基端部23とが矢印W方向に互いに突き合わされて当接した状態になる(図5、図7参照)。しかしながら、第一機器本体21の開閉基端部23と第二機器本体22の開閉基端部23とは、矢印W方向に離間して対向しても良い。また、第一機器本体21の開閉基端部23と第二機器本体22の開閉基端部23とが矢印W方向に離間して対向する場合には、ヒンジ60によって第一機器本体21及び第二機器本体22の開動作が規制されても良い。
また、上記実施形態において、第一機器本体21及び第二機器本体22の各々の四つの側面27には、いずれも本又は手帳のページの重なりを模した複数の凹凸28(図7、図8参照)が形成されている。しかしながら、四つの側面27のうち第一機器本体21及び第二機器本体22の開閉基端部23側の側面27は、カバー部材30によって覆われて外部から見えにくいため、複数の凹凸28が形成されていなくても良い。
以上、本願の開示する技術の一実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
なお、上述の本願の開示する技術の一実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
それぞれ平盤状を成し、開閉可能に連結された第一機器本体及び第二機器本体と、
前記第一機器本体の背面から前記第二機器本体の背面に亘って設けられると共に、一端側が前記第一機器本体に固定されたカバー部材と、
前記第二機器本体の背面に設けられたインターフェース部と、
前記第一機器本体及び前記第二機器本体が閉状態から開状態に遷移することに伴って、前記インターフェース部が前記カバー部材の他端側に対して露出する状態から、前記インターフェース部が前記カバー部材の他端側に覆われた状態になるように、前記カバー部材の他端側を前記第二機器本体に対してスライド可能に支持するスライド機構と、
を備える電子機器。
(付記2)
前記カバー部材の他端側が前記インターフェース部を覆う方向に、前記カバー部材の他端側を前記第二機器本体に対して付勢する付勢部材をさらに備える、
付記1に記載の電子機器。
(付記3)
前記カバー部材は、
前記第一機器本体の背面から前記第二機器本体の背面に亘って設けられたカバー本体と、
前記カバー本体における前記第一機器本体の背面を覆う部位に設けられた第一心材と、
前記カバー本体における前記第二機器本体の背面を覆う部位に設けられた第二心材と、
前記カバー本体における前記第一心材と前記第二心材との間に設けられた第三心材とを有し、
前記第三心材は、前記第一心材及び前記第二心材よりも曲げ剛性が低い、
付記1又は付記2に記載の電子機器。
(付記4)
前記カバー部材は、
前記第一機器本体の背面を覆う第一カバー部と、
前記第二機器本体の背面を覆う第二カバー部と、
前記第一カバー部と前記第二カバー部との間に位置する第三カバー部とを有し、
前記第一機器本体及び前記第二機器本体の開閉基端部側には、閉塞部材が設けられ、
前記閉塞部材は、前記第一機器本体及び前記第二機器本体が開閉する間、及び、前記第一機器本体及び前記第二機器本体が閉状態にある間、前記第一機器本体及び前記第二機器本体の開閉基端部と、前記第三カバー部との間に形成される隙間を閉塞する、
付記1〜付記3のいずれか一項に記載の電子機器。
(付記5)
前記第一機器本体の前面から前記第二機器本体の前面に亘って設けられると共に、可撓性を有するシート状のディスプレイをさらに備える、
付記1〜付記4のいずれか一項に記載の電子機器。
(付記6)
前記インターフェース部は、サブディスプレイである、
付記5に記載の電子機器。
(付記7)
前記サブディスプレイは、前記第二機器本体の背面の開閉先端部側に配置されている、
付記6に記載の電子機器。
(付記8)
前記第一機器本体及び前記第二機器本体をブック状に連結するヒンジをさらに備える、
付記1〜付記7のいずれか一項に記載の電子機器。
(付記9)
前記第一機器本体及び前記第二機器本体は、互いの前面が向かい合う状態で閉状態とされると共に、互いの前面が同じ側を向く状態で開状態とされる、
付記8に記載の電子機器。
(付記10)
前記第一機器本体及び前記第二機器本体には、前面と背面とを繋ぐ側面が形成され、
前記側面には、前記側面の長手方向に延びる複数の凹凸が形成されている、
付記8又は付記9に記載の電子機器。
(付記11)
前記ヒンジは、前記第一機器本体及び前記第二機器本体が開状態にある場合に、前記第一機器本体の開閉基端部と前記第二機器本体の開閉基端部とを互いに突き合わせた状態にする、
付記8〜付記10のいずれか一項に記載の電子機器。
(付記12)
前記ヒンジは、前記第一機器本体及び前記第二機器本体が閉状態にある場合に、前記第一機器本体の開閉基端部と前記第二機器本体の開閉基端部とを互いに離間させた状態にする、
付記8〜付記11のいずれか一項に記載の電子機器。