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JP6742947B2 - 血液情報表示装置 - Google Patents

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JP6742947B2
JP6742947B2 JP2017110653A JP2017110653A JP6742947B2 JP 6742947 B2 JP6742947 B2 JP 6742947B2 JP 2017110653 A JP2017110653 A JP 2017110653A JP 2017110653 A JP2017110653 A JP 2017110653A JP 6742947 B2 JP6742947 B2 JP 6742947B2
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Description

本発明は、非侵襲的に人体の血液状態を推定する血液情報表示装置に関する。
従来、血液を採取することなく非侵襲的に人体の血液状態を推定するデバイスが種々提案されている(例えば特許文献1)。同文献のデバイスは、生体の第1部位において脈波を計測する脈波計と、生体の第2部位において基準脈として心臓の活動電位を計測する心電計と、血圧(P)を計測する血圧計と、演算手段と、被験者に対して所定の情報を示すための表示手段とを備えている。
そして、演算手段は、心電計によって計測された基準脈と前記脈波計により計測された脈波との間で観察される伝播時間、および、第1部位と第2部位の間の距離に基づいてみかけの脈波伝播速度(C)を計算する処理を行う。また、算出された該みかけの脈波伝播速度(C)と、前記血圧計により計測された血圧(P)とを用いて、式:I=kP/2C(kは定数)に従って血液状態指数(I)を計算する処理を行う。
演算手段は、さらに、算出された前記血液状態指数(I)の複数のデータを用いて統計処理を行い血液状態指数の平均値(Im)を計算する処理と、該平均値(Im)と算出された前記血液状態指数(I)とを用いて(I−Im)の値を計算する処理と、前記(I−Im)の値、または、その値に対応する血液状態の表示を前記表示手段に表示させる処理とを行う。
特許4323560号
特許文献1のデバイスでも、非侵襲的に血流状態を良好に推定することは可能であるが、本願発明は、特許文献1とは異なる方式で、非侵襲的に人体の血液状態を推定する装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の一形態の装置は次の通りである:
人体の心電情報を検出する心電計ユニットと、
人体の脈波情報を検出する脈波計ユニットと、
入力デバイスと、
制御部と、を備える血液情報表示装置であって、
前記制御部は、
a1:人体の少なくとも身長またはリーチに関するデータ(例えば左右の腕を広げた長さ、その半分の長さ)の入力を受け付ける処理と、
a2:前記心電計ユニットからの信号に基いて心電波形データを作成する処理と、
a3:前記脈波計ユニットからの信号に基いて脈波波形データを作成する処理と、
を行い、さらに、
b1:前記心電波形データおよび前記脈波波形データに基いて、脈波波形に関する値(T−T)を求める処理(ここで、Tは末梢脈波出現の時間であり、Tは末梢脈波のピーク時間である)と、
b2:身長またはリーチに関する前記データおよび前記値(T−T)を用い、脈波血流連動速度Vを求める処理と、
を行う、血液情報表示装置。
本発明によれば、非侵襲的に人体の血液状態を推定する血液情報表示装置を提供することができる。
本発明の血液情報表示装置の構成例を模式的に示すブロック図である。 心電計ユニットの構成の一例を模式的に示す図である。 脈波計ユニットの構成の一例を模式的に示す図である。 心臓近傍での脈波波形と、末梢側における脈波波形とを示す模式図である。 情報の表示例を示す図である。 波形表示部に表示される波形の例を示す図である。 他の態様に係る心電計測補助具を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態を図面を参照して以下に説明する。
1.装置構成の概要
図1は、本実施形態の血液情報表示装置の構成例を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、血液情報表示装置1は、装置本体100と、その装置本体に接続される心電計ユニット10と、その装置本体に接続される脈波計ユニット20とを備えている。
装置本体100は、例えばコンピュータとして構成されたものであってもよい。装置本体100は、一例として、種々の情報を表示する表示デバイス30と、使用者が種々の入力を行うための入力デバイス61と、外部のデータ記憶媒体からデータを読み込むデータ読込部62と、外部のネットワークまたは機器と通信を行うための通信部63と、種々の演算処理を行う制御部50(一例で、プロセッサを含んだ制御回路)と、を有するものであってもよい。なお、これらの構成要素の全てが必須という訳ではなくその1つまたは複数が省略されてもよい。
コンピュータとしては、デスクトップ型PCや、タッチパネルディプレイを有するタブレット端末や、タッチパネルディプレイを有する携帯型端末(スマートフォン)やまたは、ノート型PCのような可搬の端末等を利用することができる。これらに本願発明の一形態に係るコンピュータプログラムをインストールすることによって、血液情報表示装置1(装置本体100)を構成することができる。
もっとも、上記のような構成ではなく、マイクロコンピュータ等の演算装置を有する専用の装置として構成することも可能である。この場合、例えば、所定の筐体内に演算装置(プロセッサ)が内蔵され、その筐体の一部に表示デバイス30が設けられるあるいは筐体に外付けでディスプレイが接続されるようなものであってもよい。筐体内の所定の記憶領域(メモリ等)に本発明の一形態に係るコンピュータプログラムを格納した構成となっていてもよい。このような構成の装置において、電源は筐体に内蔵されるバッテリーであってもよいし、ACアダプタ等を用いて商用電源から給電されるものであってもよい。図1に示す入力デバイス61、データ読取部62、制御部50、表示デバイス30および通信部30が筐体内またはその一部に設けられた構成であってもよい。
(ディスプレイについて)
表示デバイス30としては、液晶パネルや有機ELパネル等を用いることができる。タッチパネルが一体的に設けられたタッチパネル式ディスプレイを利用することもできる。タッチパネルは、それを通じて使用者が種々の入力を行うことができるものであるため、入力デバイスとしての機能もある。
(入力デバイスについて)
入力デバイス61としては、特に限定されるものではないが、キーボード、マウス、タッチパネル等が挙げられる。図1のブロック図では1つの要素のみが描かれているが、当然ながら複数の入力デバイス61が設けられていてもよい。入力デバイス61を介して装置本体100に入力される情報としては次のうちの1つまたは複数であってもよい:
−使用者の年齢、
−使用者の血圧値、
−使用者の性別、
−使用者の身長、
−使用者のリーチに関するデータ、等。
(通信部について)
通信部63は、外部のネットワークまたは機器と、有線方式または無線方式で通信を行う。このような通信部63が設けられている場合、制御部50で処理を行った種々の演算結果(具体的には、例えば、使用者の血液状態に関する情報)等を外部に送信し、外部の記憶媒体や他の電子機器と情報のやりとりを行うことができる点で好ましい。無線方式の通信を実現するため、例えばBluetooth(登録商標)モジュール等が内蔵されていてもよい。
(データ読込部について)
データ読込部62は、所定のデータを格納した記憶媒体(CD、DVD、メモリ媒体等)からデータを読み込むための機器である。カードスロット等であってもよい。図1のブロック図では1つの要素のみが描かれているが、当然ながら複数のデータ読込部が設けられていてもよい。記憶媒体から読み取るデータとしては、例えば、インストールするソフトウェアのプログラムや、更新プログラム、修正プログラム等が挙げられる。記憶媒体としては、メモリカード等を用いてもよく、この場合、データ読込部62はカードスロットとして構成される。
(心電計ユニットについて)
心電計ユニット10は、図2Aに示すように、例えば、筐体13と、その筐体に設けられ使用者の左手の一部および右手の一部で押さえられる一対の導電部11a、11bを有するものであってもよい。心電計ユニット10は、例えばケーブルを介して、装置本体100に接続される。心電計ユニット10と制御部50とは電気的に接続され、制御部50は、導電部11a、11bからの電気的信号に基づき心電波形を作成、表示する。この機能は、制御部50のメモリまたは記憶部55にインストールされたコンピュータブログラムによって実行されるものであってもよい。
制御部50は、心電波形をリアルタイムに表示デバイス30に表示するものであることが好ましい。表示デバイス30に表示された心電波形を見ながら、使用者は、波形の正常/異常を確認することもできる。使用者の判断の参考となるように、表示デバイス30に、正常波形表示部に加え、異常波形表示部が表示されてもよい(図5参照)。異常波形表示部には、典型的な異常波形が少なくとも1つ表示される。このような構成によれば、上段の実際の心電波形と、参考として表示されている異常波形とを見比べながら、使用者が自身で波形の正常/異常をチェックすることができる。上記を実現するための装置として、制御部50は、表示デバイス30に、正常波形表示部に加え異常波形表示部を表示させるように構成されている。
なお、限定されるものではないが図6に示すような心電計測補助具70を用いるようにしてもよい。この補助具70は、身体に取り付けられる2つの導電パッド部71−1、71−2と、イヤホン型(または耳栓型と言うこともできる)のアース部材73と、それらに接続されたコードと、該コードの端部に設けられたコネクタ部75とを有している。
導電パッド部71−1、71−2は、可撓性を有し、例えば使用者の両手に貼り付け(取り付け)られる。コネクタ部75は、例えばいわゆるミニジャックのようなものであってもよく、導電パッド部71−1の電気信号を伝達する第1の部分、導電パッド部71−2の電気信号を伝達する第2の部分、および、アース部材73と電気的に接続された第3お部分を含む。コネクタ部75は、一例で、装置本体100(図1参照)に差し込まれる。
アース部材73は、この例では、イヤホン型となっており、使用者の耳に挿入される導電性の挿入部73aを有している。挿入部73aは、全体として、略球形、略円柱形、またはそれらを組み合わせたような形状であってもよい。挿入部73aは、より詳しくは、一例で、外耳孔の内周全体に当接するように円形または楕円形の断面を部分的に有するようなものであってもよい。挿入部73aは、耳の中には挿入されない本体部73bから所定の高さだけ突出して形成されたものであってもよい。
ECGデータを計測する際に、このようなアース部材73を使用者の耳に挿入してアースをとることで、本実施形態の構成ではより安定したECGデータを取得することが可能となる。アース部材73は、複数の部品を組み合わせて構成されるようなものであってもよいし、または、導電性の金属をキャストして作製したものであってもよい。
人体のアースを取るための部材としては、例えばバンドやクリップ等も想定されるが、本実施形態のようなイヤホン型のアース部材73によれば、挿入部73aが使用者の耳にしっかりと当接するので安定してアースをとることが可能となり、また、アース部材の取付けのために衣類を脱いだりする必要もない。
なお、以上ではミニジャックのようなコネクタ部75のものを例示したが、当然ながらコネクタ接続ではなく、コードが装置本体100の内部回路に直接接続されるような形態としてもよい。
アース部材73に代えて、耳たぶに取り付けられるアース用取付具(不図示)を用いるようにしてもよい。具体的には、イヤリングのような、耳たぶの一方の面を押さえる第1の部分と、耳たぶの他方の面を押さえる第2の部分とを備え、各部分(少なくとも当接部)は導電性材料で構成されているアース用取付具(不図示)を利用できる。これにより、耳たぶのところでアースを取ることができる。上記第1の部分と第2の部分は、一方が他方に近接可能に構成されたものであってもよい。例えば、上記第1の部分および第2の部分の一方を、ネジ式に回していくと、当該一方の部材が他方に対して近接するようなものであってもよい。あるいは、上記第1の部分および第2の部分が、弾性的に開閉するクリップの先端(一例)のような個所として設けられていてもよい。これによれば、クリップを開いて耳たぶを挟むだけで取り付けを行うことができるので、取付け作業が容易となる。
(脈波計ユニットについて)
脈波計ユニット20は、図2Bに示すように、人体の体の一部に発光ダイオード(発光素子)21aとフォトダイオード(受光素子)21bとを有するものであってもよい。これらは、遮光材料よりなるセンサ筐体内に配置されている。発光ダイオードから皮膚に対して、所定波長の光を照射する。この光は皮膚の血管内において反射され、その反射光がフォトダイオードに受光されて電気信号(脈波信号)として取り出される。なお、光源の波長は一例で950nm程度であってもよく、ノイズ対策としてパルス光源としてもよい。
脈波計ユニット20も、例えばケーブルを介して、装置本体100に接続される。
計測位置は指先としてもよい。したがって、脈波計ユニット20の筐体(不図示)は、例えば指先を挟むことができるように開閉可能な構成となっていてもよい。出射光と反射光との間には、動脈流によって光が吸収されているとういう関係があり、それを利用して脈動波形を得ることが可能となる。
(制御部について)
制御部50は、中央処理装置(CPU)およびメモリ等のハードウェアを有し、種々の演算処理を行う演算処理部である。この例では、例えばメモリで構成された記憶部55が設けられている。このメモリに、コンピュータプログラムがインストールされもよい。コンピュータプログラムは、任意のネットワークを介して必要時に外部機器からその全部または一部がダウンロードされるものであってもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、「記録媒体」とは、メモリカード、USBメモリ、SDカード(登録商標)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、および、Blu−ray(登録商標)Disc等の任意の「可搬の物理媒体」を含むものとする。
制御部の50は次のような機能を有するものであってもよい:
−心電計ユニットからの検出信号に基づき、心電波形データを作成する、
−脈波計ユニットからの検出信号に基づき、脈波波形データを作成する、
−使用者が入力デバイス61を介して入力したデータ(例えば身長の数値情報、最高血圧および最低血圧の値、等)を受け付ける、
−前記心電波形データおよび前記脈波波形データに基いて、脈波波形に関する値(T−T)を解析し、求める(ここで、Tは末梢脈波出現の時間であり、Tは末梢脈波のピーク時間である)、
−身長データ(例:170cm)および上記値(T−T)を用い、後述する式を用いて脈波血流連動速度Vを求める。
この他にも、制御部の50は、後述する各種数式を用いて種々の演算を行う機能を有する。
2.動作および算出理論
続いて、血流状態推定の一例について説明する。図3の波形の伝播において脈波の計測タイミングの始点は、心臓の心室の活動期であるECGのR波のピークポイントとする。終点は一例として使用者の左手の人差し指とする。このように本実施形態の装置ではR波のピークポイントが時間の基準となるので、心電計ユニット10が用いられている。
図3において、脈波が末梢(指先)に到達したところでの波形のボトムポイントの位置および時刻は(X、T)であり、ピークポイントの位置および時刻は(X、T)である。
計測のタイミングは脈波の到達時とする。脈波発生地点(X、Td:delay)は、大動脈弁が開いた瞬間とする。圧力発生直後の脈波の波形(図3中、上側の波形)は、血流の影響が少ないため基本的にはほぼ対称形状の波形となる。
これに対して、心臓から離れるにつれ、血流の影響を受けて、図3中の下側の波形のように形状が変形することが知られている。具体的には、頂部が原点方向に傾くような変形が生じることとなる。本発明者らは、このような波形の変形に着目し、当該変形の度合いを調べ、血流の影響が大きいか小さいかを調べることで、血液状態を推定できることを見出した。
再び図3を参照し、時刻(X、T)に大動脈弁が開き、脈波が発生する(ボトム点)。その後、波形はピークポイントに達する。図3(上側)では、ピークポイントが(X、Tp:peak)で示されている。
ピークポイントを過ぎると、内圧の減少とともに流速も減少していく。脈波は、血管を伝わり末梢(X=l:ここでlはリーチの1/2の値とする(心臓から指先までの距離)。入力された身長情報の1/2の値を利用してもよい。)に到達する。波形は上記のとおり末梢にいくにつれて非対称の形状となるが、他方、ボトム点(X、T)の波形は血液粘度の影響を受けない。なお、脈波が発生した地点(X、T)におけるR波からボトムまでの時間Tは、個体固有の遅延時間である。また、R波からピークポイントまでの時間Tも、個体固有の進行時間である。
図3において脈波のボトム点が末梢まで移動する時間T(「脈波伝播時間」という。脈波伝播時間Tは次のように表わすことができる。
一方、ピークポイント間の時間、すなわち(X、T)から(X、T)までの時間T(「血流依存脈波伝搬時間」という)は次のようになる。
脈波速度Cおよび血流依存脈波速度Uは次のようになる。Cは、図3のグラフで言えば、上の波形のボトム点から下の波形のボトム点までの移動速度であり、Uは上の波形のピークポイントから下の波形のピークポイントまでの移動速度である。Cは血流の影響を受けないが、Uは血流の影響を受けている。
もし計測点での脈波が血流の影響を受けなければ、次のようになり、末梢の波形は略対称となる。
血流依存伝搬時間Tから血液粘度の影響を受けない脈波伝搬時間Tを減じると、次のようになる。T−Tは負の値である。
一個体の短時間内の計測において、T、Tの値は、個体固有の値で一定であり、座標X、Xも変わらない。T、T、T、Tのうち計測できる時間は、T、Tである。
、T間でf(X、T)を時間で微分すると次のようになる:
この式を、血流脈波勾配(BPS:Blood Circulation Pulse Wave Slope)とする。
次いで、血流の影響を受ける時間(T−T)のストロークごとの変化ついて検討する。(T−T)は、血流に連動した時間差:「脈波血流連動時間差(PBIL: Pulse wave Blood circulation Interlocking Lag)とする。」として、次のようにおく。
(T−T)の値が短いほど、脈波は、血流の影響を強く受けていることになる。上記の式と末梢脈波到達地点lと、T、Tから、脈波血流連動速度V(PBIS: Pulse Wave Blood circulation Interlocking Speed)を求めると次のようになる。
3.動作および算出理論
脈波の解析は、例えば、血流の影響を受けるVの解析、血液粘度の影響を受けないCの解析、VとCの同時解析、経年変化解析等で行うことが可能である。
(1)「血流連動期待値」(PBIE:Pulse wave Blood circulation Interlocking Expectation)
一個体の計測で得られたPBIS(V)は、上述のとおり血流の影響を受けている。Vの平均値Vを平常値(PBIE=100)とする。PBIEの値が100を超えたら血流状態は、平均より流速が速く、100以下は平均より遅いことを意味する。血流連動期待値は、下記式で表される。
(2)「血液濃度中心指標ρ」(BCI:Blood Concentration Central Index)
これは、動脈圧、PWVが血液濃度中心値に与える影響を確認する指標である(数式は下記参照)。
脈波速度Cは下記式で表されることが知られている。ここで、βはスティフネスパラメータ、Pは血圧、ρは血液濃度である。Cは血液粘度の影響を受けない。
血液濃度ρは、一般的に次のような数値範囲である。血液濃度中心値(初期値)ρを、1.0605とする。
動脈圧P、脈波速度Cのときの血液濃度中心指標の値をρとし、平均脈波速度C、平均動脈圧Pのときの値をρとする。すると、上記式は次のように置き換えられる。
βは、一個体の短時間の測定の場合は一定とみなすことができる。上記式を二乗して比をとると次のようになる。
ここで、ρの中心値は1.0605であるのでこれを代入して、血液濃度中心指標ρは次のように求められる。
(3)血流依存指数(BCR:Blood Circulation Ratio)
このBCRは、血液粘度の影響を受ける血流に依存した脈波血流連動速度PBIS(V)と血液粘度の影響を受けない脈波速度Cとの比で表す。もし、PBISが血流の影響を受けなければ一定である。BCRが大きいほど血流の影響が大きいことを意味する。
(4)脈波速度と血流速度の経年変化
血管壁の硬さ(β)が加齢や疾病の影響で硬くなれば脈波速度と血流速度は速くなる。Cとβの平均値から血管壁の状態を確認することも可能である。
(測定血圧での修正について)
ところで、計測値T、Tを統計処理する場合、脈波伝搬時間は常に動脈圧Pの影響を受けているので、経時的な脈波伝搬時間は、測定血圧で時間修正して処理することが、一形態において好ましい。
例えば、Tを時間修正する場合、測定基準血圧を一個体の動脈圧平均血圧P(具体的な一例としてP=(120+80)/2=100)とすると次のような修正となる。すなわち、修正された血流伝搬時間をTAMDは次のようになる。
そして、修正時間差 (BPCL:blood pressure correction lag)は次のようになる。
(装置の動作例)
以上のような理論を踏まえ、本実施形態の装置の動作の一例を以下に説明する。
まず、使用者は、本実施形態の血液状態表示装置を用意し、電源をONにする。汎用コンピュータを利用している場合には、電源ONの後、血液状態解析ソフトウェアを起動するといった操作によるものであってもよい。
また、使用者は、入力デバイス61を介して、身長、性別、血圧等の情報を入力して、制御部50がこれを受け付ける。血圧情報は、例えば、市販の血圧計で測定した最高血圧および最低血圧の値を入力するようにしてもよい。身長情報は、心臓から末梢までの距離に相当する数値を求めために利用される。
そして、使用者は、脈波計ユニット20を自身の体の一部(指先)に取り付けるとともに、心電計ユニット10の一対の導電部を指で押さえる。
これにより、制御部50の心電計機能および脈波計機能により、リアルタイムに、心電波形データおよび脈波波形データが作成され、表示デバイス30に波形が表示される。限定されるものではないが、図4のような結果表示画面31が表示され、その一部の波形表示部31aにこれらのリアルタイム波形が動的に表示されるようになっていてもよい。
制御部50は、また、各種機能により、こうして得られた心電波形データおよび脈波波形データ等に基いて、時間TおよびTを求める。そしてPBIS(V)を求める上述した計算式を用いて、当該使用者の脈波血流連動速度PBIS(V)を計算する。
また、制御部50は、求めたこの速度(V)を統計処理して平均値Vを計算し、PBIEを求める上述した計算式を用いて血流連動期待値PBIEを計算する。さらに、制御部50は、ρを求める上述した計算式を用いて血液濃度中心指数BCIを計算する。具体的には、CやPの算出については、適宜、統計処理を行えばよく、具体的な特定の計算方法に限定されるものではない。また、制御部50は、BCRを求める上述した計算式を用いて血液依存BCIも計算する。
制御部50は、このようにして計算した結果(一例でBCR、BPIE、BCIの少なくとも1つ)を、表示デバイス30に表示する。図4のような結果表示画面31において、例えば血液状態表示部31bにこれらの値の1つまたは複数が表示されるようになっていてもよい。
必要に応じて、制御部50は、結果出力機能により、計算した結果情報を外部に送信する。例えば、通信部63を介して、有線または無線で他の機器やネットワークに情報を送ることができる。
以上説明したような本実施形態の構成によれば、脈波の影響を受けているパラメータ(図3のグラフで言えば下のグラフの波形の度合いに関連するもの)を算出し、BCR等ととして結果表示を行う。したがって、使用者はその値を見て血流の影響具合を確認することができる。
また、結果表示画面に心電波形が表示されるので、使用者は自身の心電波形を確認することができる。この際、上述のように異常波形の例も合わせて表示されていれば、正常/異常の判断がより良好に行えるので、好ましい。
以上、本発明の一形態について具体的な例を挙げて説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない限り種々変更可能である。
例えば、算出したBCR、BPIE、BCIの少なくとも1つの数値に関し、複数の数値範囲が設定されており(一例で、数値a〜bの第1の範囲、数値c〜dの第2の範囲、等)、算出した数値がどの範囲に属しているかを判定し、その範囲をディスプレイに表示するような構成としてもよい。
(付記)
本出願は以下の発明を開示する:
1.人体の心電情報を検出する心電計ユニット(10)と、
人体の脈波情報を検出する脈波計ユニット(20)と、
入力デバイス(65)と、
制御部(50)と、を備える血液情報表示装置(装置、血流変化検知装置)であって、
前記制御部(50)は、
a1:人体の少なくとも身長データ(例:170cm)の入力を受け付ける処理と、
a2:前記心電計ユニットからの信号に基いて心電波形データを作成する処理と、
a3:前記脈波計ユニットからの信号に基いて脈波波形データを作成する処理と、
を行い、さらに、
b1:前記心電波形データおよび前記脈波波形データに基いて、脈波波形に関する値(T−T)を求める処理(ここで、Tは末梢脈波出現の時間であり、Tは末梢脈波のピーク時間である)と、
b2:前記身長データ(例:170cm)および前記値(T−T)を用い、脈波血流連動速度Vを求める処理と、
を行う、装置。
2.さらに、ディスプレイ(30)を備える、上記記載の装置。
3.前記制御部(50)は、
c1:一個人の脈波血流連動速度Vの平均値Vmを求める処理と、
c2:今回求めた脈波血流連動速度Vと平均値Vmとを用いて、血流連動期待値:(V/Vm)×100[%]を求める処理と、
c3:その血流連動期待値を前記ディスプレイに表示させる処理と、
を行う、上記記載の装置。
4.前記制御部(50)は、さらに、
d1:一個人の脈波速度Cを求める処理と、
d2:その平均値Cmを求める処理と、
d3:血圧の平均値Pmを求める処理と、
d4:下記式により血液濃度中心指標ρiを求める処理と、
を行う、上記記載の装置。
5.前記制御部(50)は、さらに、
e1:下記式により血流依存指数(BCR)を求める処理を行う、上記記載の血液情報表示装置。
なお、上記で求めた各種の数値は、適宜、ディスプレイに表示してもよい。上記では、本発明を装置を対象として表現したが、本明細書は、同様の技術的思想を方法またはプログラムのカテゴリとして表現したものをも開示する。
1 血液状態表示装置
10 心電計ユニット
20 脈波計ユニット
30 表示デバイス
50 制御部(演算処理部、制御ユニット、制御回路)
55 記憶部(メモリ)
61 入力デバイス
62 データ読取部
63 通信部
70 補助具
71 導電パッド部
73 アース部材
73a 挿入部
73b 本体部
75 コネクタ部
100 装置本体

Claims (6)

  1. 人体の心電情報を検出する心電計ユニットと、人体の脈波情報を検出する脈波計ユニットと、制御部とを備えるシステムを用いた血液情報処理方法であって、
    a1:制御部が、人体の少なくとも身長またはリーチに関するデータの入力を受け付けるステップと、
    a2:制御部が、前記心電計ユニットからの信号に基いて心電波形データを作成するステップと、
    a3:制御部が、前記脈波計ユニットからの信号に基いて脈波波形データを作成するステップと、
    b1:制御部が、前記心電波形データおよび前記脈波波形データに基いて、脈波波形に関する値(T −T )を求めるステップ(ここで、T は末梢脈波出現の時間であり、T は末梢脈波のピーク時間である)と、
    b2:制御部が、身長またはリーチに関する前記データおよび前記値(T −T )を用い、脈波血流連動速度Vを求めるステップと、
    を含む、血液情報処理方法。
  2. さらに、
    ディスプレイに少なくとも前記脈波血流連動速度Vの情報を表示させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. さらに
    c1:制御部が、一個人の脈波血流連動速度Vの平均値Vmを求めるステップと、
    c2:制御部が、今回求めた脈波血流連動速度Vと平均値Vmとを用いて血流連動期待値:(V/Vm)×100[%]を求めるステップと、
    c3:制御部が、その血流連動期待値を前記ディスプレイに表示させるステップと、
    含む、請求項2に記載の方法。
  4. さらに、
    e1:制御部が、下記式により血流依存指数(BCR)を求めるステップを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 人体の心電情報を検出する心電計ユニットと、人体の脈波情報を検出する脈波計ユニットと、制御部とを備えたシステムを用いた血液情報処理方法を実行するためのコンピュータプログラムであって
    a1:制御部に、人体の少なくとも身長またはリーチに関するデータの入力を受け付けるステップを実行させ、
    a2:制御部に、前記心電計ユニットからの信号に基いて心電波形データを作成するステップを実行させ、
    a3:制御部に、前記脈波計ユニットからの信号に基いて脈波波形データを作成するステップを実行させ、
    b1:制御部に、前記心電波形データおよび前記脈波波形データに基いて、脈波波形に関する値(T −T )を求めるステップ(ここで、T は末梢脈波出現の時間であり、T は末梢脈波のピーク時間である)を実行させ、
    b2:制御部に、身長またはリーチに関する前記データおよび前記値(T −T )を用い、脈波血流連動速度Vを求めるステップを実行させる命令を含む、コンピュータプログラム。
  6. さらに、
    ディスプレイに少なくとも前記脈波血流連動速度Vの情報を表示させる命令を含む、請求項5に記載のコンピュータプログラム。
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