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JP6741802B2 - パレット搬送システム、パレット搬送方法、および、パレット搬送プログラム - Google Patents

パレット搬送システム、パレット搬送方法、および、パレット搬送プログラム Download PDF

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Description

本開示は、パレット搬送システムにおけるパレットの搬送制御に関する。
予め設定されたスケジュールに従って多数のワークを順次加工することが可能なパレット搬送システムが知られている。パレット搬送システムに関し、特許文献1(特開平09−174371号公報)は、「ユーザの要望に応じた装置の新規構築時や、機器の追加拡張時,配置の変更時の設計,製造上の柔軟性,拡張性を向上でき、かつコストを低減できるパレットプール式機械加工装置」を開示している(「要約」参照)。
特開平09−174371号公報
パレット搬送システムは、作業ステーション、工作機械、およびパレット収納部などで構成される。作業者は、作業ステーションにおいて、加工対象のワークをパレットに取り付ける作業を行う。ワークの取り付け作業が完了すると、パレットは、工作機械に搬送され、ワークの加工が開始される。ワークの加工が完了すると、当該パレットを搭載するパレットは、パレット収納部または作業ステーションに搬送される。
このように、ワークは、搬送過程において様々な場所に搬送される。ワークの種類によっては、特別の権限を有する人物にしか加工過程や加工後の形状を公開することができない。そのため、ワークが無作為にパレット搬送システムを搬送されると、ワークの秘密情報が権限を有さない人物に公開されてしまう可能性がある。
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、ワークの搬送過程においてワークの秘密情報が漏洩することを防止できるパレット搬送システムを提供することである。他の局面における目的は、ワークの搬送過程においてワークの秘密情報が漏洩することを防止できるパレット搬送方法を提供することである。他の局面における目的は、ワークの搬送過程においてワークの秘密情報が漏洩することを防止できるパレット搬送プログラムを提供することである。
本開示の一例では、パレット搬送システムは、ワークを取り付けることが可能なパレットを搬送するための搬送装置と、上記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、複数のパレットを収納するためのパレット収納部と、上記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、上記パレット収納部から搬送されたパレットに対して作業者がワークの取り付け作業を行うための作業ステーションと、上記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、上記作業ステーションでパレットに取り付けられたワークを加工するための工作機械と、上記搬送装置を制御するための制御装置とを備える。上記制御装置は、加工対象のワークが秘匿対象であるか否かを示す情報に基づいて、当該ワークが秘匿対象であるか否かを判断し、上記加工対象のワークが秘匿対象でないと判断した場合には、上記加工対象のワークが取り付けられたパレットを第1搬送方法で搬送し、上記加工対象のワークが秘匿対象であると判断した場合には、上記加工対象のワークが取り付けられたパレットを上記第1搬送方法とは異なる第2搬送方法で搬送する。
本開示の一例では、上記制御装置は、上記加工対象のワークが取り付けられたパレットの搬送経路を上記第1搬送方法と上記第2搬送方法とで変える。
本開示の一例では、上記パレット搬送システムは、上記工作機械を複数備える。上記加工対象のワークが取り付けられたパレットは、上記第1搬送方法では、複数の上記工作機械の内の空いている工作機械に搬送される。上記第2搬送方法では、複数の上記工作機械の内の予め決められた工作機械に搬送される。
本開示の一例では、上記加工対象のワークが取り付けられたパレットは、上記第1搬送方法では、上記パレット収納部の空いている場所に搬送される。上記第2搬送方法では、上記パレット収納部の予め決められた場所に搬送される。
本開示の一例では、上記パレット搬送システムは、上記作業ステーションを複数備える。上記加工対象のワークが取り付けられたパレットは、上記第1搬送方法では、複数の上記作業ステーションの内の空いている作業ステーションに搬送される。上記第2搬送方法では、複数の上記作業ステーションの内の予め決められた作業ステーションに搬送される。
本開示の一例では、上記第2搬送方法では、予め決められた時間帯において、秘匿対象のワークが取り付けられたパレットの搬送が禁止される。
本開示の一例では、上記作業ステーションは、加工対象のワークに関する情報を表示するためのディスプレイと、上記ディスプレイの表示を制御するための表示制御部とを含む。上記表示制御部は、上記加工対象のワークが秘匿対象である場合において、上記作業者に対して所定の第1権限が与えられているときには、上記秘匿対象のワークに関する情報を上記ディスプレイに表示することを許可し、上記加工対象のワークが秘匿対象である場合において、上記作業者に対して上記第1権限よりも低い第2権限が与えられているときには、上記秘匿対象のワークに関する情報の表示を制限する。
本開示の他の例では、パレット搬送システムにおけるパレット搬送方法が提供される。上記パレット搬送システムは、ワークを取り付けることが可能なパレットを搬送するための搬送装置と、上記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、複数のパレットを収納するためのパレット収納部と、上記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、上記パレット収納部から搬送されたパレットに対して作業者がワークの取り付け作業を行うための作業ステーションと、上記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、上記作業ステーションでパレットに取り付けられたワークを加工するための工作機械とを備える。上記パレット搬送方法は、加工対象のワークが秘匿対象であるか否かを示す情報に基づいて、当該ワークが秘匿対象であるか否かを判断するステップと、上記加工対象のワークが秘匿対象でないと判断した場合には、上記加工対象のワークが取り付けられたパレットを第1搬送方法で搬送するステップと、上記加工対象のワークが秘匿対象であると判断した場合には、上記加工対象のワークが取り付けられたパレットを上記第1搬送方法とは異なる第2搬送方法で搬送するステップとを備える。
本開示の他の例では、パレット搬送システムで実行されるパレット搬送プログラムが提供される。上記パレット搬送システムは、ワークを取り付けることが可能なパレットを搬送するための搬送装置と、上記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、複数のパレットを収納するためのパレット収納部と、上記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、上記パレット収納部から搬送されたパレットに対して作業者がワークの取り付け作業を行うための作業ステーションと、上記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、上記作業ステーションでパレットに取り付けられたワークを加工するための工作機械とを備える。上記パレット搬送プログラムは、上記パレット搬送システムに、加工対象のワークが秘匿対象であるか否かを示す情報に基づいて、当該ワークが秘匿対象であるか否かを判断するステップと、上記加工対象のワークが秘匿対象でないと判断した場合には、上記加工対象のワークが取り付けられたパレットを第1搬送方法で搬送するステップと、上記加工対象のワークが秘匿対象であると判断した場合には、上記加工対象のワークが取り付けられたパレットを上記第1搬送方法とは異なる第2搬送方法で搬送するステップとを実行させる。
ある局面において、ワークの搬送過程においてワークの秘密情報が漏洩することを防止できる。
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
パレット搬送システムの外観を示す図である。 パレット搬送システムの装置構成の一例を示す図である。 秘匿搬送方法の具体例1を示す図である。 非秘匿搬送方法の具体例1を示す図である。 秘匿搬送方法の具体例2を示す図である。 非秘匿搬送方法の具体例2を示す図である。 秘匿搬送方法の具体例3を示す図である。 非秘匿搬送方法の具体例3を示す図である。 搬送禁止時間帯における秘匿搬送方法を示す図である。 搬送許可時間帯における秘匿搬送方法を示す図である。 秘匿設定画面の一例を示す図である。 パレット搬送システムを構成する各種機器の協働関係を概略的に示す概念図である。 コントロールシステムのハードウェア構成の一例を示す模式図である。 PLC(Programmable Logic Controller)の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。 工作機械の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。 操作端末のハードウェア構成の一例を示す模式図である。 操作端末のプロセッサが実行する搬送処理の一部を表わすフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
<A.パレット搬送システム10の外観>
図1を参照して、パレット搬送システム10について説明する。図1は、パレット搬送システム10の外観を示す図である。
図1に示されるように、パレット搬送システム10は、1つ以上のパレット収納部200と、1つ以上の搬送装置300と、1つ以上の工作機械400と、1つ以上の作業ステーション500とを含む。
パレット収納部200は、搬送装置300によるパレットPLの搬送先の1つであり、パレットPLを収納するための場所である。パレット収納部200には、複数のパレットPLが収納され得る。パレット収納部200には、ワークが搭載されていない空のパレットや、加工前のワークを搭載するパレットや、加工途中のワークを搭載するパレットや、加工済みのワークを搭載するパレットなどが収納される。
搬送装置300は、指定されたパレットPLを指定された場所に搬送する。より具体的には、搬送装置300は、レール330と、台車331とを含む。台車331は、たとえば、後述のサーボモータ335(図2参照)によってレール330に沿って移動可能に構成される。また、台車331は、レール330と直交方向(すなわち、台車331の走行方向に直交する方向)に駆動可能に構成されるフォーク部333を有する。台車331は、レール330に沿って搬送対象のパレットPLの位置まで移動し、フォーク部333を用いて搬送対象のパレットPLを台車331上に載せる。その後、台車331は、レール330に沿って指定された搬送先まで移動し、フォーク部333を用いて搬送対象のパレットPLを搬送先に搬入する。
工作機械400は、搬送装置300によるパレットPLの搬送先の1つである。工作機械400は、予め設計された加工プログラムに従って、搬入されたパレットPLに取り付けられているワークを加工する。ワークの加工が完了すると、工作機械400内のパレットPLは、搬送装置300によってパレット収納部200または作業ステーション500に搬送される。
作業ステーション500は、搬送装置300によるパレットPLの搬送先の1つである。作業ステーション500において、作業者は、搬入されたパレットPLに対して種々の作業を行う。一例として、作業者は、作業ステーション500において、搬入されたパレットPLに対して加工対象のワークを取り付ける作業や、加工済みのワークをパレットPLから取り外す作業などを行う。作業者は、パレットPLに対する作業が完了すると、作業完了を指示するための操作を行う。このことに基づいて、作業ステーション500内のパレットPLは、搬送装置300によってパレット収納部200または工作機械400に搬送される。
<B.パレット搬送システム10の装置構成>
図2は、パレット搬送システム10の装置構成の一例を示す図である。図2を参照して、パレット搬送システム10の装置構成の一例について説明する。
図2に示されるように、パレット搬送システム10は、制御装置50と、リモートI/O(Input/Output)ユニット61〜63と、搬送装置300と、工作機械400と、作業ステーション500とを含む。
本明細書でいう「制御装置50」とは、パレット搬送システム10を制御する装置を意味する。制御装置50の装置構成は、任意である。制御装置50は、単体の制御ユニットで構成されてもよいし、複数の制御ユニットで構成されてもよい。図2の例では、制御装置50は、コントロールシステム100と、制御盤150とで構成されている。
コントロールシステム100は、パレット搬送システム10を制御するメインコンピュータである。制御盤150は、加工工程を自動化するための種々の産業用機器を制御する。制御盤150は、PLC151を含む。
コントロールシステム100およびPLC151は、ネットワークNW1に接続される。コントロールシステム100およびPLC151は、有線で通信接続されてもよいし、無線で通信接続されてもよい。ネットワークNW1には、EtherNET(登録商標)などが採用される。コントロールシステム100は、ネットワークNW1を介して、PLC151に制御指令を送る。当該制御指令によって、搬送対象のパレットPL、当該パレットPLの搬送先、当該パレットPLの搬送開始/停止などが指定される。
リモートI/Oユニット61〜63およびPLC151は、ネットワークNW2に接続されている。ネットワークNW2には、データの到達時間が保証される、定周期通信を行うフィールドネットワークを採用することが好ましい。このような定周期通信を行うフィールドネットワークとして、EtherCAT(登録商標)、EtherNet/IP(登録商標)、CC−Link(登録商標)、またはCompoNet(登録商標)などが採用される。
搬送装置300は、1つ以上のサーボドライバ334と、1つ以上のサーボモータ335とを含む。搬送装置300内または搬送装置300周辺には、リモートI/Oユニット61が設置される。リモートI/Oユニット61は、搬送装置300内の各種駆動ユニット(たとえば、サーボドライバ334)と、PLC151との間のデータのやり取りを仲介する。サーボドライバ334は、リモートI/Oユニット61を介してPLC151からの制御指令を一定周期ごとに受け、当該制御指令に従って、サーボモータ335を駆動制御する。一例として、一つのサーボモータ335は、上述の台車331(図1参照)を駆動制御し、もう一つのサーボモータ335は、上述のフォーク部333(図1参照)を駆動制御する。
サーボドライバ334は、PLC151から目標回転速度(または目標位置)の入力を逐次的に受け、サーボモータ335が目標回転速度で回転するようにサーボモータ335を制御する。より具体的には、サーボドライバ334は、サーボモータ335用のエンコーダ(図示しない)のフィードバック信号からサーボモータ335の実回転速度(または実位置)を算出し、当該実回転速度が目標回転速度よりも小さい場合にはサーボモータ335の回転速度を上げ、当該実回転速度が目標回転速度よりも大きい場合にはサーボモータ335の回転速度を下げる。このように、サーボドライバ334は、サーボモータ335の回転速度のフィードバックを逐次的に受けながらサーボモータ335の回転速度を目標回転速度に近付ける。これにより、搬送装置300は、パレットPLを任意の搬送先に移動することができる。
工作機械400は、CNC(Computer Numerical Control)401と、サーボドライバ411と、サーボモータ412とを含む。工作機械400内または工作機械400周辺には、リモートI/Oユニット62が設置される。リモートI/Oユニット62は、工作機械400内の各種駆動ユニット(たとえば、CNC401)と、PLC151との間のデータのやり取りを仲介する。サーボドライバ411は、サーボドライバ334と同様に、リモートI/Oユニット62を介してPLC151からの制御指令を一定周期ごとに受け、当該制御指令に従って、サーボモータ412を駆動制御する。
作業ステーション500は、作業者による操作を受け付ける操作端末550を含む。作業ステーション500内または作業ステーション500周辺には、リモートI/Oユニット63が設置される。リモートI/Oユニット63は、操作端末550とPLC151との間のデータのやり取りを仲介する。操作端末550に対する作業者の操作内容は、リモートI/Oユニット63介してPLC151に一定周期ごとに送られる。
<C.パレットの搬送工程>
コントロールシステム100の制御装置50は、パレット収納部200、搬送装置300、または工作機械400など様々な場所にワークを搬送する。このとき、ワークの種類によっては、特別の権限を有する人物にしか加工過程や加工後の形状を公開することができない。
そこで、制御装置50は、加工対象のワークが秘匿対象であるか否かに応じて、ワークの搬送方法を変える。より具体的には、制御装置50は、加工対象のワークが秘匿対象であるか否かを示す情報に基づいて、当該ワークが秘匿対象であるか否かを判断する。制御装置50は、加工対象のワークが秘匿対象でないと判断した場合には、当該ワークが取り付けられたパレットを通常の搬送方法(第1搬送方法)で搬送する。一方で、制御装置50は、加工対象のワークが秘匿対象であると判断した場合には、当該ワークが取り付けられたパレットを通常の搬送方法とは異なる特別の搬送方法(第2搬送方法)で搬送する。このように、秘匿対象のワークと非秘匿対象のワークとで搬送方法が変えられることで、ワークの搬送過程において当該ワークの秘密情報が漏洩することを防止できる。
以下では、説明の便宜のために、秘匿対象のワークを「秘匿ワーク」と称し、非秘匿対象のワークを「非秘匿ワーク」と称する。また、秘匿対象のワークが取り付けられたパレットの搬送を「秘匿搬送」と称し、非秘匿ワークが取り付けられたパレットの搬送を「非秘匿搬送」と称する。
なお、非秘匿搬送方法(第1搬送方法)と異なる秘匿搬送方法(第2搬送方法)とは、秘匿搬送を実現するためのプログラムコードが、非秘匿搬送を実現するためのプログラムコードとは別に記述されていることを意味する。これらのプログラムコードは、1つの搬送プログラム内に記述されてもよいし、異なる搬送プログラム内に記述されていてもよい。非秘匿搬送と秘匿搬送との間で内部処理が異なりさえすれば、ワークの搬送経路が結果的に同じになるような場合であっても、本明細書でいう「秘匿搬送」および「非秘匿搬送」の概念を逸脱するものではない。
以下では、図3〜図8を参照して、非秘匿搬送方法および秘匿搬送方法の具体例1〜3について説明する。
なお、図3〜図8には、パレット搬送システム10が2つの工作機械400A,400Bで構成されている例が示されているが、パレット搬送システム10を構成する工作機械の数は、2つに限定されない。パレット搬送システム10は、1つの工作機械で構成されてもよいし、3つ以上の工作機械で構成されてもよい。以下では、複数の工作機械400A,400Bを総称して、工作機械400ともいう。
また、図3〜図8には、パレット搬送システム10が2つの作業ステーション500A,500Bで構成されている例が示されているが、パレット搬送システム10を構成する作業ステーションの数は、2つに限定されない。パレット搬送システム10は、1つの作業ステーションで構成されてもよいし、3つ以上の作業ステーションで構成されてもよい。以下では、複数の作業ステーション500A,500Bを総称して、作業ステーション500ともいう。
(C1.具体例1)
まず、図3および図4を参照して、秘匿搬送方法および非秘匿搬送方法の具体例1について説明する。図3は、秘匿搬送方法の具体例1を示す図である。図4は、非秘匿搬送方法の具体例1を示す図である。
本具体例では、パレット搬送システム10の制御装置50は、加工対象のワークが取り付けられたパレットの搬送経路を非秘匿搬送方法および秘匿搬送方法とで変える。
管理者は、工作機械400A,400Bのそれぞれについて、秘匿ワークの搬送先として許可するか否かを予め設定しておく。図3および図4の例では、工作機械400Aが秘匿エリアとして設定されており、工作機械400Aについては秘匿ワークの搬送が許可される。
まず、図3を参照して、具体例1に従う秘匿搬送方法について説明する。あるタイミングにおいて、秘匿ワークW4を搭載しているパレットPL4の搬送タイミングが到来したとする。このことに基づいて、コントロールシステム100の制御装置50は、パレット収納部200にあるパレットPL4の前に台車331を移動する。その後、制御装置50は、台車331のフォーク部333(図1参照)を駆動し、パレットPL4を台車331に載せる。次に、制御装置50は、秘匿エリアとして設定されている工作機械400AにパレットPL4を搬送する。
このように、秘匿搬送では、秘匿ワークW4を搭載しているパレットPL4は、複数の工作機械400A,400Bの内の予め決められた工作機械400Aに搬送される。秘匿ワークW4の加工が予め定められた工作機械400Aで行われることで、秘匿ワークW4の加工工程が周囲の人物に漏洩することを防止できる。
なお、図3には、秘匿ワークW4を搭載しているパレットPL4がパレット収納部200から搬送される例が示されているが、パレットPL4の搬送元は、作業ステーション500A,500Bであってもよい。この場合、制御装置50は、秘匿ワークW4を搭載しているパレットPL4を、作業ステーション500A,500Bから、工作機械400Aに搬送する。
次に、図4を参照して、具体例1に従う非秘匿搬送方法について説明する。あるタイミングにおいて、非秘匿ワークW5を搭載しているパレットPL5の搬送タイミングが到来したとする。このことに基づいて、コントロールシステム100の制御装置50は、パレット収納部200にあるパレットPL5の前に台車331を移動する。その後、制御装置50は、台車331のフォーク部333(図1参照)を駆動し、パレットPL5を台車331に載せる。次に、制御装置50は、工作機械400A,400Bの内の空いている工作機械にパレットPL5を搬送する。図4の例では、パレットPL5は、工作機械400Bに搬送されている。
このように、非秘匿ワークW5は、秘匿する必要がないため、制御装置50は、複数の工作機械400A,400Bの内の空いている工作機械にパレットPL5を搬送する。典型的には、パレットPL5は、秘匿エリアとして設定されていない工作機械400Bに搬送される。
なお、図4には、非秘匿ワークW5を搭載しているパレットPL5がパレット収納部200から搬送される例が示されているが、パレットPL5の搬送元は、作業ステーション500A,500Bであってもよい。この場合、制御装置50は、非秘匿ワークW5を搭載しているパレットPL5を、作業ステーション500A,500Bから、工作機械400A,400Bの内の空いている工作機械に搬送する。
(C2.具体例2)
次に、図5および図6を参照して、秘匿搬送方法および非秘匿搬送方法の具体例2について説明する。図5は、秘匿搬送方法の具体例2を示す図である。図6は、非秘匿搬送方法の具体例2を示す図である。
本具体例は、秘匿ワークの搬送経路を非秘匿ワークの搬送経路の搬送経路と異なる点では上記具体例1と同じであるが、ワークの搬送先が上記具体例1とは異なる。本具体例では、秘匿ワーク/非秘匿ワークが、パレット収納部200に搬送される。
管理者は、パレット収納部200内のパレットの収納場所のそれぞれについて、秘匿ワークの搬送先として許可するか否かをコントロールシステム100に予め設定しておく。図5および図6の例では、パレットPL1〜PL4の収納場所が秘匿エリアAR1として設定されており、秘匿エリアAR1については秘匿ワークの搬送が許可される。
まず、図5を参照して、具体例2に従う秘匿搬送方法について説明する。あるタイミングにおいて、工作機械400Aでの秘匿ワークW4の加工が完了したとする。このことに基づいて、コントロールシステム100の制御装置50は、工作機械400Aの前に台車331を移動する。その後、制御装置50は、台車331のフォーク部333(図1参照)を駆動し、パレットPL4を台車331に載せる。次に、制御装置50は、パレット収納部200の秘匿エリアAR1にパレットPL4を搬送する。
このように、秘匿搬送では、秘匿ワークW4を搭載しているパレットPL4は、パレット収納部200内の予め決められた場所に搬送される。これにより、秘匿ワークW4の加工後の形状が漏洩することを防止できる。
なお、図5には、秘匿ワークW4を搭載しているパレットPL4が工作機械400Aから搬送される例が示されているが、パレットPL4の搬送元は、作業ステーション500A,500Bであってもよい。この場合、制御装置50は、秘匿ワークW4を搭載しているパレットPL4を、作業ステーション500A,500Bから、パレット収納部200内の秘匿エリアAR1に搬送する。
次に、図6を参照して、具体例2に従う非秘匿搬送方法について説明する。あるタイミングにおいて、工作機械400Bでの非秘匿ワークW5の加工が完了したとする。このことに基づいて、コントロールシステム100の制御装置50は、工作機械400Bの前に台車331を移動する。その後、制御装置50は、台車331のフォーク部333(図1参照)を駆動し、パレットPL5を台車331に載せる。次に、制御装置50は、パレット収納部200の空き場所にパレットPL5を搬送する。
このように、非秘匿ワークW5は、秘匿する必要がないため、制御装置50は、パレット収納部200内の任意の空き場所にパレットPL5を搬送する。典型的には、パレットPL5は、秘匿エリアAR1として設定されていない空き場所に搬送される。
なお、図6には、非秘匿ワークW5を搭載しているパレットPL5がパレット収納部200から搬送される例が示されているが、パレットPL5の搬送元は、作業ステーション500A,500Bであってもよい。この場合、制御装置50は、非秘匿ワークW5を搭載しているパレットPL5を、作業ステーション500A,500Bから、パレット収納部200内の秘匿エリアAR1以外の空き場所に搬送する。
(C3.具体例3)
次に、図7および図8を参照して、秘匿搬送方法および非秘匿搬送方法の具体例3について説明する。図7は、秘匿搬送方法の具体例3を示す図である。図8は、非秘匿搬送方法の具体例3を示す図である。
本具体例は、加工対象のワークが秘匿対象であるか否かに応じて搬送経路を変える点では上記具体例1,2と同じであるが、ワークの搬送先が上記具体例1,2とは異なる。本具体例では、秘匿ワーク/非秘匿ワークが、作業ステーション500に搬送される。
管理者は、作業ステーション500A,500Bのそれぞれについて、秘匿ワークの搬送先として許可するか否かをコントロールシステム100に予め設定しておく。図7および図8の例では、作業ステーション500Aが秘匿エリアとして設定されており、作業ステーション500Aについては秘匿ワークの搬送が許可される。
まず、図7を参照して、具体例3に従う秘匿搬送方法について説明する。あるタイミングにおいて、秘匿ワークW4を搭載しているパレットPL4の搬送タイミングが到来したとする。このことに基づいて、コントロールシステム100の制御装置50は、パレット収納部200にあるパレットPL4の前に台車331を移動する。その後、制御装置50は、台車331のフォーク部333(図1参照)を駆動し、パレットPL4を台車331に載せる。次に、制御装置50は、秘匿エリアとして設定されている作業ステーション500AにパレットPL4を搬送する。
このように、秘匿搬送では、秘匿ワークW4を搭載しているパレットPL4は、複数の作業ステーション500A,500Bの内の予め決められた作業ステーション500Aに搬送される。これにより、秘匿ワークW4の形状が漏洩することを防止できる。
なお、図7には、秘匿ワークW4を搭載しているパレットPL4がパレット収納部200から搬送される例が示されているが、パレットPL4の搬送元は、工作機械400A,400Bであってもよい。この場合、制御装置50は、秘匿ワークW4を搭載しているパレットPL4を、工作機械400A,400Bから、作業ステーション500Aに搬送する。
次に、図8を参照して、具体例3に従う非秘匿搬送方法について説明する。あるタイミングにおいて、非秘匿ワークW5を搭載しているパレットPL5の搬送タイミングが到来したとする。このことに基づいて、コントロールシステム100の制御装置50は、パレット収納部200にあるパレットPL5の前に台車331を移動する。その後、制御装置50は、台車331のフォーク部333(図1参照)を駆動し、パレットPL5を台車331に載せる。次に、制御装置50は、作業ステーション500A,500Bの内の空いている工作機械にパレットPL5を搬送する。図8の例では、パレットPL5は、作業ステーション500Bに搬送されている。
このように、非秘匿ワークW5は、秘匿する必要がないため、制御装置50は、非秘匿ワークW5を搭載しているパレットPL5を複数の作業ステーション500A,500Bの内の空いている作業ステーションに搬送する。典型的には、パレットPL5は、秘匿ワークの搬送先として設定されていない作業ステーション500Bに搬送される。
なお、図8には、非秘匿ワークW5を搭載しているパレットPL5がパレット収納部200から搬送される例が示されているが、パレットPL5の搬送元は、工作機械400A,400Bであってもよい。この場合、制御装置50は、非秘匿ワークW5を搭載しているパレットPL5を、工作機械400A,400Bから、作業ステーション500A,500Bの内の空いている工作機械に搬送する。
<D.秘匿搬送方法の変形例>
次に、図9および図10を参照して、秘匿搬送方法の変形例について説明する。上述では、秘匿搬送方法と非秘匿搬送方法との間で搬送経路を変えることで、秘匿ワークの秘匿化が図られていた。これに対して、本変形例では、パレット搬送システム10は、予め定められた時間帯に秘匿ワークの搬送を禁止することで、秘匿ワークの秘匿化を図る。
秘匿ワークの搬送を禁止する時間帯は、管理者などによって予め設定される。以下では、秘匿ワークの搬送が禁止されている時間帯を「搬送禁止時間帯」ともいう。これに対して、秘匿ワークの搬送が許可されている時間帯を「搬送許可時間帯」ともいう。
図9は、搬送禁止時間帯における秘匿搬送方法を示す図である。図9の例では、コアタイム(たとえば、8時〜18時)が搬送禁止時間帯として設定されている。
図9に示されるように、搬送禁止時間帯のあるタイミングにおいて、秘匿ワークW4を搭載しているパレットPL4の搬送タイミングが到来したとする。現在時刻が搬送禁止時間帯に含まれる場合、パレット搬送システム10の制御装置50は、秘匿ワークW4を搭載しているパレットPL4の搬送を禁止する。一方で、非秘匿ワークを搭載するパレットについては、制御装置50は、現在時刻が搬送禁止時間帯に含まれるか否かに関わらず、ワークの搬送を実行する。
このように、搬送禁止時間帯においては、秘匿ワークW4を搭載するパレットPL4の搬送が禁止されことで、たとえば、作業者が多い時間帯(たとえば、コアタイム)において、秘匿ワークW4に関する情報が特別の権限を有さない作業者に漏洩するリスクを低減することができる。
図10は、搬送許可時間帯における秘匿搬送方法を示す図である。図10の例では、夜間の時間帯(たとえば、18時〜8時)が搬送許可時間帯として設定されている。
図10に示されるように、搬送許可時間帯のあるタイミングにおいて、非秘匿ワークW5を搭載しているパレットPL5の搬送タイミングが到来したとする。現在時刻が搬送許可時間帯に含まれる場合、パレット搬送システム10の制御装置50は、パレットPL5の搬送を許可し、指定された搬送先にパレットPL5を搬送する。このとき、好ましくは、制御装置50は、上記具体例1〜4で説明した秘匿搬送を実行し、搬送先を予め設定された秘匿エリアに制限する。図10の例では、秘匿ワークW4が、秘匿エリアとして設定されている工作機械400Aまたは作業ステーション500Aに搬送されている。
<E.秘匿情報の設定画面>
コントロールシステム100は、秘匿搬送を実現するための各種設定(以下、「秘匿設定」ともいう。)を受け付ける。以下では、図11を参照して、秘匿搬送に関する各種設定を受け付ける秘匿設定画面の一例について説明する。
図11は、秘匿設定画面の一例を示す図である。図11には、秘匿設定画面の一例として、秘匿設定画面130が示されている。秘匿設定画面130は、ユーザ設定を受け付ける設定欄131〜135を有する。
設定欄131は、秘匿対象/非秘匿対象の選択をワークの種別に受け付ける。一例として、プルダウンメニューで「YES」が選択されたワークは、秘匿対象として設定される。一方で、プルダウンメニューで「NO」が選択されたワークは、非秘匿対象として設定される。
設定欄132は、複数の工作機械400の各々について、秘匿エリア/非秘匿エリアの選択を受け付ける。一例として、プルダウンメニューで「YES」が選択された工作機械は、秘匿エリアとして設定される。一方で、プルダウンメニューで「NO」が選択された工作機械は、非秘匿エリアとして設定される。
設定欄133は、パレット収納部200内のパレットの収納場所の各々について、秘匿エリア/非秘匿エリアの選択を受け付ける。一例として、プルダウンメニューで「YES」が選択された収納場所は、秘匿エリアとして設定される。一方で、プルダウンメニューで「NO」が選択された収納場所は、非秘匿エリアとして設定される。
設定欄134は、複数の作業ステーション500の各々について、秘匿エリア/非秘匿エリアの選択を受け付ける。一例として、プルダウンメニューで「YES」が選択された作業ステーションは、秘匿エリアとして設定される。一方で、プルダウンメニューで「NO」が選択された作業ステーションは、非秘匿エリアとして設定される。
設定欄135は、秘匿ワークの搬送禁止時間帯の設定を受け付ける。搬送禁止時間帯は、曜日ごとに設定されてもよいし、日単位で設定されてもよい。設定欄135が空欄の場合には、搬送禁止時間帯は、設定されなかったものとみなされる。設定された搬送禁止時間帯以外の時間帯は、搬送許可時間帯としてみなされる。
なお、図11には、設定欄135において搬送禁止時間帯が設定されている例が示されているが、代わりに、設定欄135において搬送許可時間帯が設定されてもよい。この場合、搬送許可時間帯以外の時間帯が、搬送禁止時間帯としてみなされる。
秘匿設定画面130のOKボタン136が押下された場合、コントロールシステム100は、設定欄131〜135において設定された各種の情報を後述の秘匿設定情報126(図13参照)として記憶装置120(図13参照)に保存する。一方で、秘匿設定画面130のキャンセルボタン137が押下された場合、コントロールシステム100は、設定欄131〜135において設定された各種の情報を保存せずに、秘匿設定画面130を閉じる。コントロールシステム100に保存された秘匿設定情報126は、PLC151に転送される。
なお、図11の例では、秘匿設定情報126が秘匿設定画面130において管理者によって設定される前提で説明を行ったが、秘匿設定情報126の一部または全部は、自動で設定されてもよい。たとえば、パレット搬送システム10は、所定の画像処理に基づいて、搬送対象の各ワークが秘匿対象であるか否かを自動で特定してもよい。たとえば、パレット搬送システム10は、搬送対象のワークをカメラ(図示しない)で撮影して得られた撮影画像に対して予め定められた画像処理を実行することで、搬送対象のワークが秘匿対象であるか否かを判断する。搬送対象のワークが秘匿対象であるか否かを撮影画像を用いて判断する方法には、種々のアルゴリズムが採用され得る。
一例として、秘匿対象のワーク形状を表わす画像(以下、「基準画像」ともいう。)が予め準備されている。当該基準画像は、二次元画像であってもよいし、三次元画像であってもよい。パレット搬送システム10は、搬送対象のワークを撮影して得られた撮影画像を基準画像と比較し、基準画像と撮影画像との類似度を算出する。当該類似度の算出手法には、任意のアルゴリズムが採用される。当該類似度の算出手法として、SSD(Sum of Squared Difference)、SAD(Sum of Absolute Difference)、NCC(Normalized Cross-Correlation)、またはZNCC(Zero-mean Normalized Cross-Correlation)などが採用され得る。
パレット搬送システム10は、算出した類似度が所定閾値を超えた場合、搬送対象のワークが秘匿対象であると判断する。一方で、パレット搬送システム10は、算出した類似度が所定閾値以下である場合には、搬送対象のワークが非秘匿対象であると判断する。
<F.データの共有方法>
図12を参照して、パレット搬送システム10を構成する各種機器間でのデータの共有方法について説明する。図12は、パレット搬送システム10を構成する各種機器の協働関係を概略的に示す概念図である。
上述のように、コントロールシステム100およびPLC151は、EtherNETなどのネットワークNW1に接続される。リモートI/Oユニット61〜63およびPLC151は、フィールドネットワークであるネットワークNW2に接続される。
ネットワークNW2には、フレーム72が伝送される。フレーム72は、ネットワークNW2上を予め定められた制御周期ごとに周回する。リモートI/Oユニット61〜63およびPLC151は、フレーム72を介して各種データを共有する。
フレーム72は、たとえば、PLC151用のデータ領域71Aと、リモートI/Oユニット61に接続される搬送装置300用のデータ領域71Bと、リモートI/Oユニット62に接続される工作機械400用のデータ領域71Cと、リモートI/Oユニット63に接続される操作端末550用のデータ領域71Dとを有する。
フレーム72のデータ領域71Aは、PLC151が各種データを書き込む領域である。データ領域71Aには、パレットPLの搬送指示などが書き込まれる。当該搬送指示には、パレットPLの搬送先が含まれる。当該搬送先は、たとえば、パレット収納部200内の格納場所を示す識別番号(たとえば、格納場所を示すID(Identification))や、工作機械400を識別するための識別番号(たとえば、工作機械のID)などで表わされる。PLC151によってデータ領域71Aに書き込まれた各種データは、ネットワークNW2に接続される各種機器に参照され得る。
フレーム72のデータ領域71Bは、リモートI/Oユニット61が搬送装置300に関する各種データを書き込む領域である。データ領域71Bに書き込まれた各種データは、ネットワークNW2に接続される各種機器に参照される。
フレーム72のデータ領域71Cは、リモートI/Oユニット62が工作機械400に関する各種データを書き込む領域である。データ領域71Cに書き込まれた各種データは、ネットワークNW2に接続される各種機器に参照される。
フレーム72のデータ領域71Dは、たとえば、リモートI/Oユニット63が操作端末550に対する操作内容を書き込む領域である。一例として、フレーム72のデータ領域71Dには、作業ステーション500からのパレットの搬送に対する許可または拒否の選択結果などが書き込まれる。
<G.コントロールシステム100のハードウェア構成>
図13を参照して、コントロールシステム100のハードウェア構成について説明する。図13は、コントロールシステム100のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
コントロールシステム100は、プロセッサ101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、通信インターフェイス104と、表示インターフェイス105と、入力インターフェイス107と、記憶装置120とを含む。これらのコンポーネントは、バス110に接続される。
プロセッサ101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのGPU(Graphics Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
プロセッサ101は、パレット搬送プログラム122やオペレーティングシステムなどの各種プログラムを実行することでコントロールシステム100の動作を制御する。プロセッサ101は、パレット搬送プログラム122の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置120またはROM102からRAM103にパレット搬送プログラム122を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、パレット搬送プログラム122の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
通信インターフェイス104には、LAN(Local Area Network)やアンテナなどが接続される。コントロールシステム100は、通信インターフェイス104を介してネットワークNW1に接続される。これにより、コントロールシステム100は、ネットワークNW1に接続される外部機器とデータをやり取りする。当該外部機器は、たとえば、制御盤150やサーバー(図示しない)などを含む。コントロールシステム100は、当該外部機器からパレット搬送プログラム122をダウンロードできるように構成されてもよい。
表示インターフェイス105には、ディスプレイ106が接続される。表示インターフェイス105は、プロセッサ101などからの指令に従って、ディスプレイ106に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。ディスプレイ106は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはその他の表示機器である。なお、ディスプレイ106は、コントロールシステム100と一体的に構成されてもよいし、コントロールシステム100とは別に構成されてもよい。ディスプレイ106には、たとえば、上述の秘匿設定画面130(図11参照)が表示される。
入力インターフェイス107には、入力デバイス108が接続される。入力デバイス108は、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネル、またはユーザの操作を受け付けることが可能なその他の装置である。なお、入力デバイス108は、コントロールシステム100と一体的に構成されてもよいし、コントロールシステム100とは別に構成されてもよい。
記憶装置120は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。記憶装置120は、パレット搬送プログラム122、スケジュール情報124および秘匿設定情報126などを格納する。スケジュール情報124において、パレット(またはワーク)の搬送順序やパレット(またはワーク)の加工優先度などが規定される。秘匿設定情報126は、上述の秘匿設定画面130(図11参照)において設定された各種情報を含む。記憶装置120に記憶される各種データの格納場所は、記憶装置120に限定されず、プロセッサ101の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
パレット搬送プログラム122は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、パレット搬送プログラム122による搬送制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従うパレット搬送プログラム122の趣旨を逸脱するものではない。さらに、パレット搬送プログラム122によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーがパレット搬送プログラム122の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態でコントロールシステム100が構成されてもよい。
<H.PLC151のハードウェア構成>
図14を参照して、PLC151のハードウェア構成の一例について説明する。図14は、PLC151の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
PLC151は、プロセッサ161と、ROM(Read Only Memory)162と、RAM(Random Access Memory)163と、通信インターフェイス164,165と、記憶装置170とを含む。
プロセッサ161は、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのMPU(Micro Processing Unit)、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGAまたはそれらの組み合わせなどによって構成される。
プロセッサ161は、制御プログラム172など各種プログラムを実行することで搬送装置300や工作機械400の動作を制御する。プロセッサ161は、制御プログラム172の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置170からROM162に制御プログラム172を読み出す。RAM163は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラム172の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
通信インターフェイス164には、LANやアンテナなどが接続される。PLC151は、通信インターフェイス164を介してネットワークNW1に接続される。これにより、PLC151は、ネットワークNW1に接続される外部機器とデータをやり取りする。当該外部機器は、たとえば、コントロールシステム100やサーバー(図示しない)などを含む。
通信インターフェイス165は、フィールドネットワークであるネットワークNW2に接続するためのインターフェイスである。PLC151は、通信インターフェイス165を介してネットワークNW2に接続される外部機器とデータをやり取りする。当該外部機器は、たとえば、リモートI/Oユニット61〜63などを含む。
記憶装置170は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。記憶装置170は、制御プログラム172および秘匿設定情報176などを格納する。秘匿設定情報176は、上述のコントロールシステム100から受信した秘匿設定情報126に相当する。記憶装置170に記憶される各種データの格納場所は、記憶装置170に限定されず、プロセッサ161の記憶領域(たとえば、キャッシュ領域など)、ROM162、RAM163、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
制御プログラム172は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う制御プログラム172の趣旨を逸脱するものではない。さらに、制御プログラム172によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが制御プログラム172の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態でPLC151が構成されてもよい。
<I.工作機械400のハードウェア構成>
図15を参照して、工作機械400のハードウェア構成の一例について説明する。図15は、工作機械400の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
工作機械400は、CNC401と、ROM402と、RAM403と、フィールドバスコントローラ404と、表示インターフェイス405と、入力インターフェイス409と、サーボドライバ411A〜411Dと、サーボモータ412A〜412Dと、エンコーダ413A〜413Dと、ボールねじ414A,414Bと、工具を取り付けるための主軸415とを含む。これらの機器は、バス(図示しない)を介して接続されている。
CNC401は、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのMPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
CNC401は、加工プログラム422など各種プログラムを実行することで工作機械400の動作を制御する。CNC401は、加工プログラム422の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置420からROM402に加工プログラム422を読み出す。RAM403は、ワーキングメモリとして機能し、加工プログラム422の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
フィールドバスコントローラ404は、リモートI/Oユニット62を介してPLC151との通信を実現するためのインターフェイスである。CNC40は、フィールドバスコントローラ404を介してPLC151との間でデータをやり取りする。
表示インターフェイス405は、ディスプレイ430などの表示機器と接続され、CNC401などからの指令に従ってディスプレイ430に対して画像を表示するための画像信号を送出する。ディスプレイ430は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはその他の表示機器である。
入力インターフェイス409は、入力デバイス431に接続され得る。入力デバイス431は、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネル、またはユーザ操作を受け付けることが可能なその他の入力機器である。
CNC40は、加工プログラム422に従ってサーボドライバ411Aを制御する。サーボドライバ411Aは、CNC401から目標回転数(または目標位置)の入力を逐次的に受け、サーボモータ412Aが目標回転数で回転するようにサーボモータ412Aを制御し、ワーク設置台(図示しない)をX軸方向に駆動する。より具体的には、サーボドライバ411Aは、エンコーダ413Aのフィードバック信号からサーボモータ412Aの実回転数(または実位置)を算出し、当該実回転数が目標回転数よりも小さい場合にはサーボモータ412Aの回転数を上げ、当該実回転数が目標回転数よりも大きい場合にはサーボモータ412Aの回転数を下げる。このように、サーボドライバ411Aは、サーボモータ412Aの回転数のフィードバックを逐次的に受けながらサーボモータ412Aの回転数を目標回転数に近付ける。サーボドライバ411Aは、ボールねじ414Aに接続されるワーク設置台をX軸方向に移動し、ワーク設置台をX軸方向の任意の位置に移動する。
同様のモータ制御により、サーボドライバ411Bは、ボールねじ414Bに接続されるワーク設置台をCNC40からの制御指令に従ってY軸方向に移動し、ワーク設置台をY軸方向の任意の位置に移動する。同様のモータ制御を行うことにより、サーボドライバ411Cは、CNC40からの制御指令に従って主軸415をZ軸方向に移動し、主
軸415をZ軸方向の任意の位置に移動する。同様のモータ制御を行うことにより、サーボドライバ411Dは、CNC40からの制御指令に従って、主軸415の回転速度を制御する。
記憶装置420は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。記憶装置420は、加工プログラム422などを格納する。加工プログラム422の格納場所は、記憶装置420に限定されず、CNC401の記憶領域(たとえば、キャッシュ領域など)、ROM402、RAM403、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
<J.操作端末550のハードウェア構成>
図16を参照して、作業ステーション500に設置されている操作端末550のハードウェア構成について説明する。図16は、操作端末550のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
操作端末550は、プロセッサ501と、ROM502と、RAM503と、通信インターフェイス504と、表示インターフェイス505と、入力インターフェイス507と、記憶装置520とを含む。これらのコンポーネントは、バス510に接続される。
プロセッサ501は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのGPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
プロセッサ501は、制御プログラム522やオペレーティングシステムなどの各種プログラムを実行することで操作端末550の動作を制御する。プロセッサ501は、制御プログラム522の実行命令を受け付けたことに基づいて、記憶装置520またはROM502からRAM503に制御プログラム522を読み出す。RAM503は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラム522の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
通信インターフェイス504には、LANやアンテナなどが接続される。操作端末550は、通信インターフェイス504を介してネットワークNW1,NW2に接続される。これにより、操作端末550は、ネットワークNW1,NW2に接続される外部機器とデータをやり取りする。当該外部機器は、たとえば、制御盤150やサーバー(図示しない)などを含む。操作端末550は、当該外部機器から制御プログラム522をダウンロードできるように構成されてもよい。
表示インターフェイス505には、ディスプレイ506が接続される。表示インターフェイス505は、プロセッサ501などからの指令に従って、ディスプレイ506に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。ディスプレイ506には、作業ステーション500にある作業中のパレットの強制搬送を許可または拒否を受け付ける選択画面などが表示される。ディスプレイ506は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはその他の表示機器である。なお、ディスプレイ506は、操作端末550と一体的に構成されてもよいし、操作端末550とは別に構成されてもよい。
入力インターフェイス507には、入力デバイス508が接続される。入力デバイス508は、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネル、またはユーザの操作を受け付けることが可能なその他の装置である。なお、入力デバイス508は、操作端末550と一体的に構成されてもよいし、操作端末550とは別に構成されてもよい。
記憶装置520は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。記憶装置520は、制御プログラム522や作業者情報524などを格納する。作業者情報524において、各作業者に与えられている権限が作業者IDごとに規定される。制御プログラム522や作業者情報524の格納場所は、記憶装置520に限定されず、プロセッサ501の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリなど)、ROM502、RAM503、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
制御プログラム522は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、制御プログラム522による制御処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う制御プログラム522の趣旨を逸脱するものではない。さらに、制御プログラム522によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが制御プログラム522の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で操作端末550が構成されてもよい。
<K.表示制限>
引き続き図16を参照して、操作端末550のディスプレイ506における表示画面について説明する。
作業ステーション500において、作業者は、搬入されたパレットにワークを取り付ける作業や、搬入されたパレットから加工済みのワークを取り外す作業を行う。この作業過程において、作業者を支援するための情報がディスプレイ506に表示される。一例として、作業工程、作業手順、および作業上の注意点などが、作業者の支援情報として表示される。作業者は、表示された支援情報を確認しながら作業を行うことで効率的に作業を行うことができる。
このとき、操作端末550のプロセッサ501は、表示制御部として機能し、ディスプレイ506の表示を制御する。より具体的には、プロセッサ501は、作業ステーション500内の作業者に対して所定の第1権限が与えられているときには、秘匿対象のワークに関する情報をディスプレイ506に表示する。一方で、プロセッサ501は、作業ステーション500内の作業者に対して第1権限よりも低い第2権限が与えられているときには、秘匿ワークに関する一部の情報の表示を制限する。制限される表示情報の一例としては、秘匿ワークの加工形状や秘匿ワークの加工工程などが挙げられる。第2権限が与えられている作業者に対しては、秘匿ワークに関する情報の公開が制限されることで、ワークの秘密情報の漏洩が防止される。
作業者に与えられている権限の種類は、種々の方法で特定され得る。一例として、各作業者の権限は、管理者によって予め登録されている。この登録内容は、作業者情報524として記憶装置520に格納される。作業者情報524には、各作業者に与えられている権限が作業者IDごとに規定される。作業者は、作業の開始時において、入力デバイス508を用いて自身の作業者IDを入力し、操作端末550にログインする。このことに基づいて、操作端末550のプロセッサ501は、作業者情報524を参照して、入力された作業者ID(ログイン情報)に関連付けられている権限の種類を特定する。
<L.制御フロー>
図17を参照して、PLC151のプロセッサ161の制御フローについて説明する。図17は、プロセッサ161が実行する搬送処理の一部を表わすフローチャートである。
ステップS110において、プロセッサ161は、ワークの搬送指令を受け付けたか否かを判断する。一例として、当該搬送指令は、搬送プログラム上でワークの搬送を示す命令コードが実行されたことに基づいて発せられる。当該命令コードには、たとえば、搬送対象のワークの識別情報や、当該ワークの搬送先などが規定されている。プロセッサ161は、ワークの搬送指令を受け付けたと判断した場合(ステップS110においてYES)、制御をステップS170に切り替える。そうでない場合には(ステップS110においてNO)、プロセッサ161は、制御をステップS120に切り替える。
ステップS120において、プロセッサ161は、上述の秘匿設定情報176(図14参照)に基づいて、搬送対象のワークが秘匿対象であるか否かを判断する。プロセッサ161は、搬送対象のワークが秘匿対象であると判断した場合(ステップS120においてYES)、制御をステップS130に切り替える。そうでない場合には(ステップS120においてNO)、プロセッサ161は、制御をステップS122に切り替える。
ステップS122において、プロセッサ161は、搬送プログラム上で指定された場所に非秘匿ワークを搬送する。
ステップS130において、プロセッサ161は、上述の秘匿設定情報176(図14参照)から搬送禁止時間帯を特定し、現在時刻が当該搬送禁止時間帯に含まれるか否かを判断する。プロセッサ161は、現在時刻が搬送禁止時間帯に含まれると判断した場合(ステップS130においてYES)、制御をステップS132に切り替える。そうでない場合には(ステップS130においてNO)、プロセッサ161は、制御をステップS140に切り替える。
ステップS132において、プロセッサ161は、秘匿ワークの搬送を禁止する。典型的には、プロセッサ161は、ステップS132において何も実行せずに、処理をステップS170に進める。あるいは、プロセッサ161は、所定の警告を出力した上で、処理をステップS170に進める。
ステップS140において、プロセッサ161は、秘匿ワークの搬送先が工作機械400であるか否かを判断する。搬送先が工作機械400であるか否かは、たとえば、ステップS120において受けた搬送指令に基づいて判断される。プロセッサ161は、秘匿ワークの搬送先が工作機械400であると判断した場合(ステップS140においてYES)、制御をステップS142に切り替える。そうでない場合には(ステップS140においてNO)、プロセッサ161は、制御をステップS150に切り替える。
ステップS142において、プロセッサ161は、上述の秘匿設定情報176(図14参照)から秘匿エリアとして設定されている工作機械400を特定し、特定した工作機械400の内の空いている工作機械に秘匿ワークを搬送する。
ステップS150において、プロセッサ161は、秘匿ワークの搬送先がパレット収納部200であるか否かを判断する。搬送先がパレット収納部200であるか否かは、たとえば、ステップS120において受けた搬送指令に基づいて判断される。プロセッサ161は、秘匿ワークの搬送先がパレット収納部200であると判断した場合(ステップS150においてYES)、制御をステップS152に切り替える。そうでない場合には(ステップS150においてNO)、プロセッサ161は、制御をステップS160に切り替える。
ステップS152において、プロセッサ161は、上述の秘匿設定情報176(図14参照)から秘匿エリアとして設定されているパレット収納部200内の収納場所を特定し、特定した収納場所の内のいずれかの空き場所に秘匿ワークを搬送する。
ステップS160において、プロセッサ161は、秘匿ワークの搬送先が作業ステーション500であるか否かを判断する。搬送先が作業ステーション500であるか否かは、たとえば、ステップS120において受けた搬送指令に基づいて判断される。プロセッサ161は、秘匿ワークの搬送先が作業ステーション500であると判断した場合(ステップS160においてYES)、制御をステップS162に切り替える。そうでない場合には(ステップS160においてNO)、プロセッサ161は、制御をステップS170に切り替える。
ステップS162において、プロセッサ161は、上述の秘匿設定情報176(図14参照)から秘匿エリアとして設定されている作業ステーション500を特定し、特定した作業ステーション500の内の空いている作業ステーションに秘匿ワークを搬送する。
ステップS164において、プロセッサ161は、秘匿ワークに関する情報の表示を制限するように作業ステーション500内の操作端末550に指示を送信する。
ステップS170において、プロセッサ161は、搬送処理を終了するか否かを判断する。一例として、搬送処理の終了命令は、搬送の終了命令が搬送プログラム上で実行された場合や、何らかのエラーが発生した場合に発せられる。プロセッサ161は、搬送処理を終了すると判断した場合(ステップS170においてYES)、図17に示される処理を終了する。そうでない場合には(ステップS170においてNO)、プロセッサ161は、制御をステップS110に戻す。
<M.まとめ>
以上のようにして、パレット搬送システム10は、搬送対象のワークが秘匿対象である場合には、当該秘匿ワークを特別の搬送方法(すなわち、秘匿搬送)で搬送する。秘匿搬送では、秘匿ワークは、予め決められた秘匿エリアに搬送される。一方で、パレット搬送システム10は、搬送対象のワークが非秘匿対象である場合には、当該非秘匿ワークを通常の搬送方法(すなわち、非秘匿搬送)で搬送する。
このように、パレット搬送システム10は、搬送対象のワークが秘匿対象であるか否かに応じてワークの搬送方法を変える。これにより、ワークの搬送過程において当該ワークの秘密情報が漏洩することを防止できる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10 パレット搬送システム、50 制御装置、61,62,63 リモートI/Oユニット、71A,71B,71C,71D データ領域、72 フレーム、100 コントロールシステム、101,161,501 プロセッサ、102,162,402,502 ROM、103,163,403,503 RAM、104,164,165,504 通信インターフェイス、105,405,505 表示インターフェイス、106,430,506 ディスプレイ、107,409,507 入力インターフェイス、108,431,508 入力デバイス、110,510 バス、120,170,420,520 記憶装置、122 パレット搬送プログラム、124 スケジュール情報、126,176 秘匿設定情報、130 秘匿設定画面、131,132,133,134,135 設定欄、136 OKボタン、137 キャンセルボタン、150 制御盤、151 PLC、172,522 制御プログラム、200 パレット収納部、300 搬送装置、330 レール、331 台車、333 フォーク部、334,411,411A,411B,411C,411D サーボドライバ、335,412,412A,412B,412C,412D サーボモータ、400,400A,400B 工作機械、404 フィールドバスコントローラ、413A,413B,413C,413D エンコーダ、414A,414B ボールねじ、415 主軸、422 加工プログラム、500A,500B 作業ステーション、524 作業者情報、550 操作端末。

Claims (11)

  1. ワークを取り付けることが可能なパレットを搬送するための搬送装置と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、複数のパレットを収納するためのパレット収納部と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記パレット収納部から搬送されたパレットに対して作業者がワークの取り付け作業を行うための作業ステーションと、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記作業ステーションでパレットに取り付けられたワークを加工するための複数の工作機械と、
    前記搬送装置を制御するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    加工対象のワークが秘匿対象であるか否かを示す情報に基づいて、当該ワークが秘匿対象であるか否かを判断し、
    前記加工対象のワークが秘匿対象でないと判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを第1搬送方法で搬送し、
    前記加工対象のワークが秘匿対象であると判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを前記第1搬送方法とは異なる第2搬送方法で搬送し、
    前記加工対象のワークが取り付けられたパレットは、
    前記第1搬送方法では、前記パレット収納部または前記作業ステーションから、前記複数の工作機械の内の空いている工作機械に搬送され、
    前記第2搬送方法では、前記パレット収納部または前記作業ステーションから、前記複数の工作機械の内の予め決められた工作機械に搬送される、パレット搬送システム。
  2. ワークを取り付けることが可能なパレットを搬送するための搬送装置と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、複数のパレットを収納するためのパレット収納部と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記パレット収納部から搬送されたパレットに対して作業者がワークの取り付け作業を行うための作業ステーションと、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記作業ステーションでパレットに取り付けられたワークを加工するための工作機械と、
    前記搬送装置を制御するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    加工対象のワークが秘匿対象であるか否かを示す情報に基づいて、当該ワークが秘匿対象であるか否かを判断し、
    前記加工対象のワークが秘匿対象でないと判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを第1搬送方法で搬送し、
    前記加工対象のワークが秘匿対象であると判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを前記第1搬送方法とは異なる第2搬送方法で搬送し、
    前記加工対象のワークが取り付けられたパレットは、
    前記第1搬送方法では、前記作業ステーションまたは前記工作機械から、前記パレット収納部の空いている場所に搬送され、
    前記第2搬送方法では、前記作業ステーションまたは前記工作機械から、前記パレット収納部の予め決められた場所に搬送される、パレット搬送システム。
  3. ワークを取り付けることが可能なパレットを搬送するための搬送装置と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、複数のパレットを収納するためのパレット収納部と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記パレット収納部から搬送されたパレットに対して作業者がワークの取り付け作業を行うための複数の作業ステーションと、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記作業ステーションでパレットに取り付けられたワークを加工するための工作機械と、
    前記搬送装置を制御するための制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    加工対象のワークが秘匿対象であるか否かを示す情報に基づいて、当該ワークが秘匿対象であるか否かを判断し、
    前記加工対象のワークが秘匿対象でないと判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを第1搬送方法で搬送し、
    前記加工対象のワークが秘匿対象であると判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを前記第1搬送方法とは異なる第2搬送方法で搬送し、
    前記加工対象のワークが取り付けられたパレットは、
    前記第1搬送方法では、前記パレット収納部または前記工作機械から、前記複数の作業ステーションの内の空いている作業ステーションに搬送され、
    前記第2搬送方法では、前記パレット収納部または前記工作機械から、前記複数の作業ステーションの内の予め決められた作業ステーションに搬送される、パレット搬送システム。
  4. 前記第2搬送方法では、予め決められた時間帯において、秘匿対象のワークが取り付けられたパレットの搬送が禁止される、請求項1〜のいずれか1項に記載のパレット搬送システム。
  5. 前記作業ステーションは、
    加工対象のワークに関する情報を表示するためのディスプレイと、
    前記ディスプレイの表示を制御するための表示制御部とを含み、
    前記表示制御部は、
    前記加工対象のワークが秘匿対象である場合において、前記作業者に対して所定の第1権限が与えられているときには、前記秘匿対象のワークに関する情報を前記ディスプレイに表示することを許可し、
    前記加工対象のワークが秘匿対象である場合において、前記作業者に対して前記第1権限よりも低い第2権限が与えられているときには、前記秘匿対象のワークに関する情報の表示を制限する、請求項1〜のいずれか1項に記載のパレット搬送システム。
  6. パレット搬送システムにおけるパレット搬送方法であって、
    前記パレット搬送システムは、
    ワークを取り付けることが可能なパレットを搬送するための搬送装置と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、複数のパレットを収納するためのパレット収納部と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記パレット収納部から搬送されたパレットに対して作業者がワークの取り付け作業を行うための作業ステーションと、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記作業ステーションでパレットに取り付けられたワークを加工するための複数の工作機械とを備え、
    前記パレット搬送方法は、
    加工対象のワークが秘匿対象であるか否かを示す情報に基づいて、当該ワークが秘匿対象であるか否かを判断するステップと、
    前記加工対象のワークが秘匿対象でないと判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを第1搬送方法で搬送するステップと、
    前記加工対象のワークが秘匿対象であると判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを前記第1搬送方法とは異なる第2搬送方法で搬送するステップとを備え
    前記加工対象のワークが取り付けられたパレットは、
    前記第1搬送方法では、前記パレット収納部または前記作業ステーションから、前記複数の工作機械の内の空いている工作機械に搬送され、
    前記第2搬送方法では、前記パレット収納部または前記作業ステーションから、前記複数の工作機械の内の予め決められた工作機械に搬送される、パレット搬送方法。
  7. パレット搬送システムにおけるパレット搬送方法であって、
    前記パレット搬送システムは、
    ワークを取り付けることが可能なパレットを搬送するための搬送装置と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、複数のパレットを収納するためのパレット収納部と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記パレット収納部から搬送されたパレットに対して作業者がワークの取り付け作業を行うための作業ステーションと、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記作業ステーションでパレットに取り付けられたワークを加工するための工作機械とを備え、
    前記パレット搬送方法は、
    加工対象のワークが秘匿対象であるか否かを示す情報に基づいて、当該ワークが秘匿対象であるか否かを判断するステップと、
    前記加工対象のワークが秘匿対象でないと判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを第1搬送方法で搬送するステップと、
    前記加工対象のワークが秘匿対象であると判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを前記第1搬送方法とは異なる第2搬送方法で搬送するステップとを備え
    前記加工対象のワークが取り付けられたパレットは、
    前記第1搬送方法では、前記作業ステーションまたは前記工作機械から、前記パレット収納部の空いている場所に搬送され、
    前記第2搬送方法では、前記作業ステーションまたは前記工作機械から、前記パレット収納部の予め決められた場所に搬送される、パレット搬送方法。
  8. パレット搬送システムにおけるパレット搬送方法であって、
    前記パレット搬送システムは、
    ワークを取り付けることが可能なパレットを搬送するための搬送装置と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、複数のパレットを収納するためのパレット収納部と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記パレット収納部から搬送されたパレットに対して作業者がワークの取り付け作業を行うための複数の作業ステーションと、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記作業ステーションでパレットに取り付けられたワークを加工するための工作機械とを備え、
    前記パレット搬送方法は、
    加工対象のワークが秘匿対象であるか否かを示す情報に基づいて、当該ワークが秘匿対象であるか否かを判断するステップと、
    前記加工対象のワークが秘匿対象でないと判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを第1搬送方法で搬送するステップと、
    前記加工対象のワークが秘匿対象であると判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを前記第1搬送方法とは異なる第2搬送方法で搬送するステップとを備え
    前記加工対象のワークが取り付けられたパレットは、
    前記第1搬送方法では、前記パレット収納部または前記工作機械から、前記複数の作業ステーションの内の空いている作業ステーションに搬送され、
    前記第2搬送方法では、前記パレット収納部または前記工作機械から、前記複数の作業ステーションの内の予め決められた作業ステーションに搬送される、パレット搬送方法。
  9. パレット搬送システムで実行されるパレット搬送プログラムであって、
    前記パレット搬送システムは、
    ワークを取り付けることが可能なパレットを搬送するための搬送装置と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、複数のパレットを収納するためのパレット収納部と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記パレット収納部から搬送されたパレットに対して作業者がワークの取り付け作業を行うための作業ステーションと、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記作業ステーションでパレットに取り付けられたワークを加工するための複数の工作機械とを備え、
    前記パレット搬送プログラムは、前記パレット搬送システムに、
    加工対象のワークが秘匿対象であるか否かを示す情報に基づいて、当該ワークが秘匿対象であるか否かを判断するステップと、
    前記加工対象のワークが秘匿対象でないと判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを第1搬送方法で搬送するステップと、
    前記加工対象のワークが秘匿対象であると判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを前記第1搬送方法とは異なる第2搬送方法で搬送するステップとを実行させ
    前記加工対象のワークが取り付けられたパレットは、
    前記第1搬送方法では、前記パレット収納部または前記作業ステーションから、前記複数の工作機械の内の空いている工作機械に搬送され、
    前記第2搬送方法では、前記パレット収納部または前記作業ステーションから、前記複数の工作機械の内の予め決められた工作機械に搬送される、パレット搬送プログラム。
  10. パレット搬送システムで実行されるパレット搬送プログラムであって、
    前記パレット搬送システムは、
    ワークを取り付けることが可能なパレットを搬送するための搬送装置と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、複数のパレットを収納するためのパレット収納部と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記パレット収納部から搬送されたパレットに対して作業者がワークの取り付け作業を行うための作業ステーションと、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記作業ステーションでパレットに取り付けられたワークを加工するための工作機械とを備え、
    前記パレット搬送プログラムは、前記パレット搬送システムに、
    加工対象のワークが秘匿対象であるか否かを示す情報に基づいて、当該ワークが秘匿対象であるか否かを判断するステップと、
    前記加工対象のワークが秘匿対象でないと判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを第1搬送方法で搬送するステップと、
    前記加工対象のワークが秘匿対象であると判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを前記第1搬送方法とは異なる第2搬送方法で搬送するステップとを実行させ
    前記加工対象のワークが取り付けられたパレットは、
    前記第1搬送方法では、前記作業ステーションまたは前記工作機械から、前記パレット収納部の空いている場所に搬送され、
    前記第2搬送方法では、前記作業ステーションまたは前記工作機械から、前記パレット収納部の予め決められた場所に搬送される、パレット搬送プログラム。
  11. パレット搬送システムで実行されるパレット搬送プログラムであって、
    前記パレット搬送システムは、
    ワークを取り付けることが可能なパレットを搬送するための搬送装置と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、複数のパレットを収納するためのパレット収納部と、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記パレット収納部から搬送されたパレットに対して作業者がワークの取り付け作業を行うための複数の作業ステーションと、
    前記搬送装置によるパレットの搬送先の1つであり、前記作業ステーションでパレットに取り付けられたワークを加工するための工作機械とを備え、
    前記パレット搬送プログラムは、前記パレット搬送システムに、
    加工対象のワークが秘匿対象であるか否かを示す情報に基づいて、当該ワークが秘匿対象であるか否かを判断するステップと、
    前記加工対象のワークが秘匿対象でないと判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを第1搬送方法で搬送するステップと、
    前記加工対象のワークが秘匿対象であると判断した場合には、前記加工対象のワークが取り付けられたパレットを前記第1搬送方法とは異なる第2搬送方法で搬送するステップとを実行させ
    前記加工対象のワークが取り付けられたパレットは、
    前記第1搬送方法では、前記パレット収納部または前記工作機械から、前記複数の作業ステーションの内の空いている作業ステーションに搬送され、
    前記第2搬送方法では、前記パレット収納部または前記工作機械から、前記複数の作業ステーションの内の予め決められた作業ステーションに搬送される、パレット搬送プログラム。
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