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JP6631487B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本開示は、車両用空調装置に関する。
従来、特許文献1に記載の粉塵検出装置がある。特許文献1に記載の粉塵検出装置は、受光素子の出力に基づいて粉塵量を検出し、受光素子の出力の一定期間における最大値と平均値との差が所定値よりも大きいものを埃と識別している。この粉塵検出装置は、単位時間当たりの埃識別回数を数回で移動平均し、その平均した埃識別回数により埃の発生濃度を算出している。
特開2003−65940号公報
近年、空気中の粒子状物質(PM;Particulate Matter)等の粉塵が健康に影響を及ぼすことから、車室内の粉塵濃度を認知したいというニーズがある。車室内の粉塵濃度は、例えばユーザが車両の窓やドアを開閉した場合に急変する可能性がある。このような状況において、特許文献1に記載の粉塵検出装置のように単位時間当たりの埃識別回数の移動平均に基づいて埃の発生濃度を検出した場合、現在の車室内の粉塵濃度が急変したとしても、その検出結果が平均化されてしまうため、粉塵濃度の演算結果が変化し難い。すなわち、粉塵濃度の演算結果の応答が実際の粉塵濃度の変化に対して遅れる。したがって、仮に粉塵濃度の演算結果をディスプレイ等に表示している場合には、ディスプレイに表示される粉塵濃度の演算結果が実際の粉塵濃度に適合しない可能性があるため、この状況にユーザが違和感を覚えるおそれがある。
本開示は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より状況に適合した粉塵濃度を検出することの可能な車両用空調装置を提供することある。
上記課題を解決する車両用空調装置(1)は、空調ダクト(10)内を流れる空気を車室内に吹き出すことにより、車室内の空調を行う。車両用空調装置は、粉塵センサ(70)と、演算部(80)と、を備える。粉塵センサは、空調ダクト内を流れる空気の粉塵濃度を検出する。演算部は、粉塵センサにより検出される粉塵濃度を移動平均時間で平均化することにより粉塵濃度の平均値を演算する。演算部は、現在の粉塵濃度が所定の閾値濃度を超えている場合には、現在の粉塵濃度が閾値濃度以下である場合と比較して、移動平均時間を短くする。演算部は、現在の粉塵濃度が閾値濃度を超えている場合には、車室内の粉塵濃度が増加し易い操作が車両に対して行われているか否かを判定し、車室内の粉塵濃度が増加し易い操作が車両に対して行われていると判定することをもって、移動平均時間を更に短くする。
この構成によれば、粉塵センサにより検出される粉塵濃度が閾値濃度以上になると、粉塵濃度の平均値を演算する際に用いられる移動平均時間が短くなる。これにより、現在の粉塵濃度の値が粉塵濃度の平均値に反映され易くなるため、より状況に適合した粉塵濃度を検出することができる。
なお、上記手段、及び特許請求の範囲に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本開示によれば、より状況に適合した粉塵濃度を検出することの可能な車両用空調装置を提供できる。
図1は、第1実施形態の車両用空調装置の概略構成を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態の粉塵センサの出力特性の一例を示すグラフである。 図3は、第1実施形態のECUにより実行される処理の手順を示すフローチャートである。 図4は、第2実施形態のECUにより実行される処理の手順を示すフローチャートである。 図5は、第3実施形態のECUにより実行される処理の手順を示すフローチャートである。 図6は、第4実施形態のECUにより実行される処理の手順を示すフローチャートである。 図7は、第5実施形態のECUにより実行される処理の手順を示すフローチャートである。 図8は、第6実施形態のECUにより実行される処理の手順を示すフローチャートである。 図9は、他の実施形態の車両用空調装置における現在の粉塵濃度の値と移動平均時間との関係を示すグラフである。
<第1実施形態>
以下、車両用空調装置の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1に示されるように、本実施形態の車両用空調装置1は、空調ダクト10と、空調ユニット20とを備えている。車両用空調装置1は、車両のインストルメントパネルの内部に設けられている。
空調ダクト10の内部には、車室内を空調するための空調風を車室内に導く空気通路11が形成されている。空気通路11内では、図中に矢印Aで示される方向に空気が流れる。空調ダクト10の空気流れ方向Aの上流側の部分には、空調ダクト10の外部から空気通路11内に空気を取り込む部分として、外気吸込口12と、内気吸込口13とが形成されている。外気吸込口12は、車室外の空気である外気を空気通路11内に取り込む部分である。内気吸込口13は、車室内の空気である内気を空気通路11内に取り込む部分である。
空調ダクト10における外気吸込口12及び内気吸込口13の下流側の部分には、フィルタ17が配置されている。フィルタ17は、外気吸込口12から取り込まれる外気、あるいは内気吸込口13から取り込まれる内気に含まれる埃等の粉塵を除去する。
空調ダクト10の空気流れ方向Aの下流側の部分には、デフロスタ吹出口14と、フェイス吹出口15と、フット吹出口16とが形成されている。デフロスタ吹出口14は、空調ダクト10内を流れる空気を車両のフロントガラスの内面に向かって吹き出す。フェイス吹出口15は、空調ダクト10内を流れる空気を運転者又は助手席の乗員に向かって吹き出す。フット吹出口16は、空調ダクト10内を流れる空気を運転者又は助手席の乗員の足下に向かって吹き出す。
空調ユニット20は、外気吸込口12又は内気吸込口13から空気通路11に導入された空気から空調風を生成する。空調風は、車室内を空調するための空気である。空調ユニット20は、ブロワファン21と、蒸発器22と、ヒータコア23とを備えている。
ブロワファン21は、外気吸込口12及び内気吸込口13の空気流れ方向Aの下流側に配置されている。ブロワファン21は、電力の供給に基づき回転することにより空気通路11内に空気流を発生させる。ブロワファン21に供給される電力の調整により、空気通路11内を流れる空気の風量、換言すれば空調風の風量が調整される。
蒸発器22は、ブロワファン21の空気流れ方向Aの下流側に配置されている。蒸発器22は、図示しない冷凍サイクルの構成要素である。冷凍サイクルは、蒸発器22の他、圧縮機、凝縮器、及び膨張弁により構成されている。冷凍サイクルでは、圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器22の順で冷媒が循環する。蒸発器22では、内部を流れる冷媒と空気通路11内の空気との間で熱交換が行われることにより、冷媒が蒸発して気化する。蒸発器22は、冷媒が気化する際の気化熱を利用して空気通路11内を流れる空気を冷却する機能、及び空気通路11内を流れる空気を除湿する機能を有している。
ヒータコア23は、蒸発器22の空気流れ方向Aの下流側に配置されている。ヒータコア23は、図示しないエンジンと配管を介して接続されている。この配管を介してエンジンとヒータコア23との間でエンジン冷却水が循環している。ヒータコア23は、内部を流れるエンジン冷却水を熱源として、空気通路11内を流れる空気を加熱する。
空調ユニット20は、内外気切替ドア24と、エアミックスドア25と、吹出口切替ドア26,27,28とを更に備えている。
内外気切替ドア24は、外気吸込口12及び内気吸込口13を開閉させる。内外気切替ドア24が図中に実線で示される内気導入位置に位置している場合、外気吸込口12が閉塞されるとともに、内気吸込口13が開口される。この場合、車両用空調装置1は、内気吸込口13から空気通路11内に内気を取り込む内気循環モードとなる。一方、内外気切替ドア24が図中に破線で示される外気導入位置に位置している場合、内気吸込口13が閉塞されるとともに、外気吸込口12が開口される。この場合、車両用空調装置1は、外気吸込口12から空気通路11内に外気を取り込む外気導入モードとなる。
エアミックスドア25は、ヒータコア23に流入する空気の風量と、ヒータコア23を迂回する空気の風量との比率を調整する。具体的には、エアミックスドア25の位置は、図中の実線で示される最大暖房位置と、図中に破線で示される最大冷房位置との間で調整することが可能となっている。エアミックスドア25の位置が最大暖房位置である場合、蒸発器22を通過した空気のほとんどがヒータコア23を通過するため、空調風の温度が最も上昇する。エアミックスドア25の位置が最大冷房位置である場合、蒸発器22を通過した空気のほとんどがヒータコア23を迂回する。この場合、蒸発器22で冷却された空気がそのまま各吹出口14〜16へ流れるため、空調風の温度が最も低下する。車両用空調装置1では、エアミックスドア25の開度が最大暖房位置と最大冷房位置との間で調整されることで、空調風の温度が調整される。
吹出口切替ドア26〜28は、デフロスタ吹出口14、フェイス吹出口15、及びフット吹出口16のそれぞれの開閉状態を切り替える。吹出口切替ドア26〜28の少なくとも1つが開状態となることにより、開状態の吹出口から車室内に向けて空調風が吹き出される。
次に、車両用空調装置1の電気的な構成について説明する。
車両用空調装置1は、操作部60と、表示部61と、粉塵センサ70と、ECU(Electronic Control Unit)80とを備えている。本実施形態では、ECU80が演算部に相当する。
操作部60は、空調風の風量や温度等を調整する際に運転者により操作される部分である。操作部60は、例えば車両のインストルメントパネルに配置されている。操作部60では、例えば外気導入モード及び内気循環モードのいずれか一方を選択することができる。また、操作部60では、空調風の風量、空調風の温度、及び空調風の吹出口等を設定することができる。操作部60は、これらの操作情報をECU80に出力する。
表示部61は、車両用空調装置1の各種情報を表示する部分である。本実施形態では、車両のカーナビゲーション装置の表示部が車両用空調装置1の表示部61として代用されている。なお、表示部61は、車両用空調装置1専用のものを用いてもよい。
粉塵センサ70は、空調ダクト10におけるフィルタ17の設置部分に形成された迂回路18に設けられている。迂回路18は、外気吸込口12から取り込まれる外気、あるいは内気吸込口13から取り込まれる内気をフィルタ17を迂回させて流す部分である。粉塵センサ70は、迂回路18を流れる空気に含まれている粉塵の濃度Cdを検出する。
具体的には、粉塵センサ70は、例えば迂回路18に向けて光を照射する発光素子と、発光素子から照射される光を受光する受光素子とを有している。受光素子は、受光した光に応じた電圧信号を出力する。粉塵センサ70は、受光素子の出力電圧に応じた電圧信号を検出信号Vdとして出力する。受光素子の受光量は、迂回路18内を通過する空気の粉塵濃度Cdに応じて変化する。すなわち、空調ダクト10内を流れる空気の粉塵濃度Cdに応じて粉塵センサ70の検出信号Vdが変化する。粉塵センサ70の検出信号Vdは、図2に示されるように、粉塵濃度が「0[μg/m3]であるときに基準電圧Vocを示す。また、粉塵センサ70の検出信号Vdは、粉塵濃度Cdの増加に伴い増加するとともに、粉塵濃度Cdが所定濃度以上になると、一定値となる。
また、ECU80には、車両の状態を検出するための各種センサ及びスイッチの検出信号が取り込まれている。例えば、図1に示されるように、ECU80には、始動スイッチ71の出力信号が取り込まれている。始動スイッチ71は、車両を始動させる際に運転者により操作されるスイッチである。始動スイッチ71としては、車両のエンジンを始動させる際に操作されるイグニッションスイッチや、ハイブリッド車や電気自動車等を始動させる際に操作される押しボタン式のスイッチ等を用いることができる。始動スイッチ71は、運転者によりオン操作及びオフ操作が行われた際に、その操作に応じた信号を出力する。
ECU80は、CPU81やメモリ82等を有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。ECU80は、操作部60から操作情報を取得するとともに、取得した操作情報に基づいて空調ユニット20を駆動させる。これにより、操作部60の操作情報に応じた空調風が空調ユニット20により生成される。
ECU80には、粉塵センサ70の検出信号Vdが取り込まれている。ECU80は、粉塵センサ70の検出信号Vdに基づいて粉塵濃度Cdの情報を取得するとともに、取得した粉塵濃度Cdを移動平均時間で平均化することにより粉塵濃度の平均値ACdを演算する。また、ECU80は、演算された粉塵濃度の平均値ACdを表示部61に表示する。
次に、ECU80により実行される粉塵濃度の平均値ACdを演算する処理の具体的な手順について図3を参照して説明する。ECU80は、始動スイッチ71がオン操作された際に、図3に示される処理を実行する。
図3に示されるように、ECU80は、まず、ステップS10の処理として、粉塵センサ70の初期設定を行う。具体的には、ECU80は、始動スイッチ71がオン操作された直後に粉塵センサ70の検出信号Vdを取得するとともに、取得した検出信号Vdを粉塵センサ70の検出信号Vdの初期値Vdbとして記憶する。これは以下の理由による。
粉塵センサ70では、発光素子や受光素子における粉塵の堆積等に起因して、粉塵センサ70の検出信号Vdの初期値Vdbが経時的に変化する可能性がある。なお、初期値Vdbとは、粉塵が含まれていない空気を検出した際に粉塵センサ70から出力される検出信号Vdの値である。したがって、このような粉塵センサ70の検出信号Vdの初期値Vdbの経時的な変化を考慮して粉塵濃度Cdを演算する必要がある。
そこで、本実施形態のECU80は、始動スイッチ71がオン操作された直後に粉塵センサ70から出力される検出信号Vdを取得する。始動スイッチ71がオン操作された直後の時点では、迂回路18に空気が流れていない。そのため、この時点における粉塵センサ70の検出信号Vdを取得することにより、粉塵が含まれていない空気を検出した際に粉塵センサ70から出力される検出信号Vdを取得することができる。ECU80は、取得した検出信号Vdを初期値Vdbとしてメモリ82に記憶する。
ECU80は、ステップS10の処理に続くステップS11の処理として、粉塵センサ70の検出信号Vdを取得するとともに、ステップS12の処理として、現在の粉塵濃度Cd(1)を演算する。具体的には、ECU80は、ステップS11の処理で取得した粉塵センサ70の検出信号Vdと、メモリ82に記憶されている初期値Vdbとの差分値に基づいて現在の粉塵濃度Cd(1)を演算する。
その後、ECU80は、ステップS13の処理として、現在の粉塵濃度Cd(1)が所定の閾値濃度Cd1を超えているか否かを判断する。閾値濃度Cd1は、空気に多量の粉塵が含まれているか否かを判断することができるように予め実験等により求められており、メモリ82に記憶されている。なお、閾値濃度Cd1としては、空気質指数(Air Quality Index)において定められている値を用いてもよい。
ECU80は、ステップS13の判断処理で否定判断した場合には、すなわち現在の粉塵濃度Cd(1)が閾値濃度Cd1以下である場合には、ステップS16の処理として、移動平均時間Tmaを基準時間Tmabに設定する。基準時間Tmabは予め設定されており、メモリ82に記憶されている。
一方、ECU80は、ステップS13の判断処理で肯定判断した場合には、すなわち現在の粉塵濃度Cd(1)が閾値濃度Cd1を超えている場合には、ステップS14の処理として、現在の粉塵濃度Cd(1)に基づいて補正時間ΔTma1を演算する。補正時間ΔTma1は、粉塵濃度の平均値ACdを演算する際に用いられる移動平均時間Tmaを補正するための値である。補正時間ΔTma1としては、例えば予め設定されている固定値を用いることができる。なお、補正時間ΔTma1としては、現在の粉塵濃度Cd(1)に応じて変化する変動値を用いることもできる。具体的には、ECU80は、現在の粉塵濃度Cd(1)が大きくなるほど、補正時間ΔTma1をより大きい値に設定してもよい。
ECU80は、ステップS14の処理に続くステップS15の処理として、移動平均時間Tmaを短縮する。具体的には、ECU80は、基準時間Tmabから補正時間ΔTma1を減算するとともに、この減算値「Tmab−ΔTma」を移動平均時間Tmaとして設定する。
ECU80は、ステップS15の処理又はステップS16の処理を実行した後、ステップS17の処理として、粉塵濃度の平均値ACdを演算する。具体的には、ECU80は、現在から移動平均時間Tmaだけ前の時点までの期間に粉塵センサ70により検出された複数の粉塵濃度Cd(1)〜Cd(n)の総和を演算するとともに、その総和をデータの個数nで除算することにより粉塵濃度の平均値ACdを演算する。なお、「n」は2以上の整数である。よって、ステップS15において移動平均時間Tmaが「Tmab−ΔTma」に短縮されている場合には、ステップS16において移動平均時間Tmaが基準時間Tmabに設定されている場合と比較すると、粉塵濃度の平均値ACdを演算する際に用いられる粉塵濃度Cdのデータの個数nが減少することになる。結果的に、現在の粉塵濃度Cd(1)が粉塵濃度の平均値ACdに反映され易くなる。
ECU80は、ステップS17の処理に続くステップS18の処理として、演算された粉塵濃度の平均値ACdを表示部61に表示した後、ステップS11の処理に戻る。その後、ECU80は、ステップS11〜S17の処理を所定の周期で繰り返し実行する。
次に、本実施形態の車両用空調装置1の作用及び効果について説明する。
粉塵センサ70により検出される粉塵濃度Cdが閾値濃度Cd1以上に変化した場合には、粉塵濃度の平均値ACdを演算する際に用いられる移動平均時間Tmaが短くなる。これにより、現在の粉塵濃度Cd(1)が粉塵濃度の平均値ACdに反映され易くなるため、より状況に適合した粉塵濃度を検出することができる。結果的に、より適切な粉塵濃度を表示部61に表示させることが可能となるため、ユーザの違和感を軽減することができる。
<第2実施形態>
次に、車両用空調装置1の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図1に破線で示されるように、本実施形態の車両用空調装置1は、車両の窓の開閉状態を検出する窓開閉センサ72を更に備えている。窓開閉センサ72は、車両の窓の開閉状態を検出するとともに、検出された窓の開閉状態に応じた検出信号を出力する。
窓開閉センサ72の出力信号は、ECU80に取り込まれている。ECU80は、窓開閉センサ72の出力信号に基づいて、車両の窓の開閉状態の情報を取得する。
図4に示されるように、ECU80は、ステップS15の処理又はステップS16の処理を実行した後、ステップS20の処理として、車両の窓が開状態であるか否かを判断する。本実施形態では、このステップS20の処理が、車室内の粉塵濃度が増加し易い操作が行われているか否かを判定する処理に相当する。ECU80は、ステップS20の判断処理で否定判断した場合には、すなわち車両の窓が閉状態である場合には、ステップS22の処理として、ステップS15の処理又はステップS16の処理で演算された移動平均時間Tmaをそのまま維持する。
ECU80は、ステップS20の判断処理で肯定判断した場合には、すなわち車両の窓が開状態である場合には、車室内の粉塵濃度が増加し易い状況であると判定する。この場合、ECU80は、ステップS21の処理として、移動平均時間Tmaを更に短縮する。具体的には、ECU80は、ステップS15の処理又はステップS16の処理で演算された移動平均時間Tmaから補正時間ΔTma2を減算することにより、移動平均時間Tmaを更に短縮する。補正時間ΔTma2の値は、予め実験等により設定されており、メモリ82に記憶されている。
ECU80は、ステップS21の処理又はステップS22の処理を実行した後、ステップS17以降の処理を実行する。
次に、本実施形態の車両用空調装置1の作用及び効果について説明する。
例えば内外気切替ドア24が内気導入位置に設定されている場合、ユーザが車両の窓を開けると、車室内に外気が進入するため、車室内の粉塵濃度が増加する。よって、空調ダクト10内の粉塵濃度も増加する。本実施形態の車両用空調装置1では、このような状況において、移動平均時間Tmaが更に短くなる。これにより、現在の粉塵濃度Cd(1)が粉塵濃度の平均値ACdに更に反映され易くなるため、状況に一層適合した粉塵濃度を検出することができる。
<第3実施形態>
次に、車両用空調装置1の第3実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図1に破線で示されるように、本実施形態の車両用空調装置1は、車両のドアの開閉状態を検出するドア開閉センサ73を更に備えている。ドア開閉センサ73は、車両のドアの開閉状態を検出するとともに、検出されたドアの開閉状態に応じた検出信号を出力する。
ドア開閉センサ73の出力信号は、ECU80に取り込まれている。ECU80は、ドア開閉センサ73の出力信号に基づいて、車両のドアの開閉状態の情報を取得する。
また、図5に示されるように、ECU80は、ステップS15の処理又はステップS16の処理を実行した後、ステップS30の処理として、車両ドアが開状態であるか否かを判断する。本実施形態では、このステップS30の処理が、車室内の粉塵濃度が増加し易い操作が行われているか否かを判定する処理に相当する。ECU80は、ステップS30の判断処理で否定判断した場合には、すなわち車両ドアが閉状態である場合には、ステップS32の処理として、ステップS15の処理又はステップS16の処理で演算された移動平均時間Tmaをそのまま維持する。
ECU80は、ステップS30の判断処理で肯定判断した場合には、すなわち車両ドアが開状態である場合には、車室内の粉塵濃度が増加し易い状況であると判定する。この場合、ECU80は、ステップS31の処理として、移動平均時間Tmaを更に短縮する。具体的には、ECU80は、ステップS15の処理又はステップS16の処理で演算された移動平均時間Tmaから補正時間ΔTma3を減算することにより、移動平均時間Tmaを更に短縮する。補正時間ΔTma3の値は、予め実験等により設定されており、メモリ82に記憶されている。
ECU80は、ステップS31の処理又はステップS32の処理を実行した後、ステップS17以降の処理を実行する。
次に、本実施形態の車両用空調装置1の作用及び効果について説明する。
例えば内外気切替ドア24が内気導入位置に設定されている場合、ユーザが車両のドアを開けると、車室内に外気が進入するため、車室内の粉塵濃度が増加する。よって、空調ダクト10内の粉塵濃度も増加する。本実施形態の車両用空調装置1では、このような状況において、移動平均時間Tmaが更に短くなる。これにより、現在の粉塵濃度Cd(1)が粉塵濃度の平均値ACdに更に反映され易くなるため、状況に一層適合した粉塵濃度を検出することができる。
<第4実施形態>
次に、車両用空調装置1の第4実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図1に破線で示されるように、本実施形態の車両用空調装置1は、車室内に乗員が存在するか否かを検出する乗員センサ74を備えている。乗員センサ74は、車室内の乗員の有無を検出するとともに、その検出結果に応じた信号を出力する。乗員センサ74としては、車両の座席に乗員が着座しているか否かを検出する着座センサや、車室内の乗員の有無を赤外線により検出する赤外線センサ等を用いることができる。
乗員センサ74の出力信号は、ECU80に取り込まれている。ECU80は、乗員センサ74の出力信号に基づいて、車室内の乗員の有無の情報を取得する。
図6に示されるように、ECU80は、ステップS15の処理又はステップS16の処理を実行した後、ステップS40の処理として、車室内に乗員が存在するか否かを判断する。ECU80は、ステップS40の判断処理で否定判断した場合には、すなわち車室内に乗員が存在しない場合には、ステップS42の処理として、ステップS15の処理又はステップS16の処理で演算された移動平均時間Tmaをそのまま用いる。
ECU80は、ステップS40の判断処理で肯定判断した場合には、すなわち車室内に乗員が存在する場合には、車室内の粉塵濃度が増加し易い状況であると判定する。この場合、ECU80は、ステップS41の処理として、移動平均時間Tmaを更に短縮する。具体的には、ECU80は、ステップS15の処理又はステップS16の処理で演算された移動平均時間Tmaから補正時間ΔTma4を減算することにより、移動平均時間Tmaを更に短縮する。補正時間ΔTma4の値は、予め実験等により設定されており、メモリ82に記憶されている。なお、補正時間ΔTma4の値は、車室内に存在する乗員の数に応じて変動する値であってもよい。具体的には、ECU80は、車室内に存在する乗員の数が増加するほど、補正時間ΔTma4の値を増加させてもよい。
ECU80は、ステップS41の処理又はステップS42の処理を実行した後、ステップS17以降の処理を実行する。
次に、本実施形態の車両用空調装置1の作用及び効果について説明する。
車室内に乗員が存在する状況では、乗員の衣服等に付着した粉塵が車室内に飛散することにより、車室内の粉塵濃度が増加する。このような状況では、内外気切替ドア24が内気導入位置に設定されている場合、空調ダクト10内の粉塵濃度も増加する。本実施形態の車両用空調装置1では、このような状況において移動平均時間Tmaが更に短くなる。これにより、現在の粉塵濃度Cd(1)が粉塵濃度の平均値ACdに更に反映され易くなるため、状況に一層適合した粉塵濃度を検出することができる。
<第5実施形態>
次に、車両用空調装置1の第5実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図1に破線で示されるように、本実施形態のECU80は、大気の粉塵濃度Cdaの情報を管理するサーバ75とネットワーク回線を通じて無線通信可能に接続されている。ECU80は、サーバ75との通信により、現在の大気の粉塵濃度Cdaの情報を取得することができる。本実施形態では、サーバ75が外部装置に相当する。
図7に示されるように、ECU80は、ステップS15の処理又はステップS16の処理を実行した後、ステップS50の処理として、現在の大気の粉塵濃度Cdaの情報をサーバ75から取得する。そして、ECU80は、ステップS51の処理として、現在の大気の粉塵濃度Cdaが所定の閾値濃度Cda1を超えているか否かを判断する。本実施形態では、閾値濃度Cd1が第1閾値濃度に相当し、閾値濃度Cda1が第2閾値濃度に相当する。
ECU80は、ステップS51の判断処理で否定判断した場合には、すなわち現在の大気の粉塵濃度Cdaが所定の閾値濃度Cda1以下である場合には、ステップS53の処理として、ステップS15の処理又はステップS16の処理で演算された移動平均時間Tmaをそのまま維持する。
ECU80は、ステップS51の判断処理で肯定判断した場合には、すなわち現在の大気の粉塵濃度Cdaが所定の閾値濃度Cda1を超えている場合には、ステップS52の処理として、移動平均時間Tmaを更に短縮する。具体的には、ECU80は、ステップS15の処理又はステップS16の処理で演算された移動平均時間Tmaから補正時間ΔTma5を減算することにより、移動平均時間Tmaを更に短縮する。補正時間ΔTma5の値は、予め実験等により設定されており、メモリ82に記憶されている。なお、補正時間ΔTma5の値は、大気の粉塵濃度Cdaに応じて変動する値であってもよい。具体的には、大気の粉塵濃度Cdaが増加するほど、補正時間ΔTma5の値を増加させてもよい。
ECU80は、ステップS52の処理又はステップS53の処理を実行した後、ステップS17以降の処理を実行する。
次に、本実施形態の車両用空調装置1の作用及び効果について説明する。
大気の粉塵濃度Cdaが高い場合、大気中の粉塵が空調ダクト10内に進入し易くなるため、空調ダクト10内の粉塵濃度が増加する可能性がある。このような状況では、移動平均時間Tmaが更に短くなる。結果的に、現在の粉塵濃度Cd(1)が粉塵濃度の平均値ACdに更に反映され易くなるため、状況に一層適合した粉塵濃度を検出することができる。
<第6実施形態>
次に、車両用空調装置1の第6実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図8に示されるように、本実施形態のECU80は、ステップS15の処理又はステップS16の処理を実行した後、ステップS60の処理として、空調ダクト10に外気が導入されているか否かを判断する。具体的には、ECU80は、内外気切替ドア24の位置が外気導入位置に位置していることに基づいて、空調ダクト10に外気が導入されていると判断する。本実施形態では、このステップS60の処理が、車室内の粉塵濃度が増加し易い操作が行われているか否かを判定する処理に相当する。ECU80は、ステップS60の判断処理で否定判断した場合、すなわち空調ダクト10に内気が導入されている場合には、ステップS62の処理として、ステップS15の処理又はステップS16の処理で演算された移動平均時間Tmaをそのまま維持する。
ECU80は、ステップS60の判断処理で肯定判断した場合には、すなわち空調ダクト10に外気が導入されている場合には、車室内の粉塵濃度が増加し易い状況であると判定する。この場合、ECU80は、ステップS61の処理として、移動平均時間Tmaを更に短縮する。具体的には、ECU80は、ステップS15の処理又はステップS16の処理で演算された移動平均時間Tmaから補正時間ΔTma6を減算することにより、移動平均時間Tmaを更に短縮する。補正時間ΔTma6の値は、予め実験等により設定されており、メモリ82に記憶されている。
ECU80は、ステップS61の処理又はステップS62の処理を実行した後、ステップS17以降の処理を実行する。
次に、本実施形態の車両用空調装置1の作用及び効果について説明する。
例えば内外気切替ドア24が外気導入位置に設定されている場合、大気中の粉塵が空調ダクト10内に進入するため、空調ダクト10内の粉塵濃度も増加する。本実施形態の車両用空調装置1では、このような状況において移動平均時間Tmaが更に短くなる。これにより、現在の粉塵濃度Cd(1)が粉塵濃度の平均値ACdに更に反映され易くなるため、状況に一層適合した粉塵濃度を検出することができる。
<他の実施形態>
なお、各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・第5実施形態の車両用空調装置1では、大気中の粉塵濃度の情報を管理する外部装置として、サーバ75以外の適宜の外部装置を用いることができる。
・図9に示されるように、閾値濃度Cd1は、現在の粉塵濃度Cd(1)の値に対してヒステリシスを有していてもよい。具体的には、現在の粉塵濃度Cd(1)の値が増加する際には、閾値濃度Cd1が第1設定値Cd11に設定される。また、現在の粉塵濃度Cd(1)の値が減少する際には、閾値濃度Cd1が第2設定値Cd12に設定される。このような構成によれば、現在の粉塵濃度Cd(1)の値が設定値Cd11,Cd12付近で変動したような場合に閾値濃度Cd1のばらつきを抑制することができる。結果的に、表示部61に表示される粉塵濃度の平均値ACdのばらつきを抑制することができる。
・ECU80が提供する手段及び/又は機能は、実体的なメモリに記憶されたソフトウェア及びそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組み合わせにより提供することができる。例えばECU80がハードウェアである電子回路により提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路により提供することができる。
・本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
1:車両用空調装置
10:空調ダクト
70:粉塵センサ
72:窓開閉センサ
73:ドア開閉センサ
74:乗員センサ
80:ECU(演算部)

Claims (7)

  1. 空調ダクト(10)内を流れる空気を車室内に吹き出すことにより、車室内の空調を行う車両用空調装置(1)であって、
    前記空調ダクト内を流れる空気の粉塵濃度を検出する粉塵センサ(70)と、
    前記粉塵センサにより検出される粉塵濃度を移動平均時間で平均化することにより前記粉塵濃度の平均値を演算する演算部(80)と、を備え、
    前記演算部は、
    前記粉塵センサにより検出される現在の粉塵濃度が所定の閾値濃度を超えている場合には、前記現在の粉塵濃度が前記閾値濃度以下である場合と比較して、前記移動平均時間を短くし、
    前記演算部は、
    前記現在の粉塵濃度が前記閾値濃度を超えている場合には、車室内の粉塵濃度が増加し易い操作が車両に対して行われているか否かを判定し、車室内の粉塵濃度が増加し易い操作が車両に対して行われていると判定することをもって、前記移動平均時間を更に短くする
    車両用空調装置。
  2. 車両ドアの開閉状態を検出するドア開閉センサ(73)を更に備え、
    前記演算部は、
    前記ドア開閉センサにより検出される前記車両ドアの開閉状態に基づいて、前記車両ドアが開状態であると判断されることをもって、車室内の粉塵濃度が増加し易い操作が車両に対して行われていると判定する
    請求項に記載の車両用空調装置。
  3. 車両の窓の開閉状態を検出する窓開閉センサ(72)を更に備え、
    前記演算部は、
    前記窓開閉センサにより検出される前記窓の開閉状態に基づいて、前記窓が開状態であると判断されることをもって、車室内の粉塵濃度が増加し易い操作が車両に対して行われていると判定する
    請求項に記載の車両用空調装置。
  4. 前記演算部は、
    車両の空調装置の内外気切替ドアが外気導入位置に位置していることをもって、車室内の粉塵濃度が増加し易い操作が車両に対して行われていると判定する
    請求項に記載の車両用空調装置。
  5. 空調ダクト(10)内を流れる空気を車室内に吹き出すことにより、車室内の空調を行う車両用空調装置(1)であって、
    前記空調ダクト内を流れる空気の粉塵濃度を検出する粉塵センサ(70)と、
    前記粉塵センサにより検出される粉塵濃度を移動平均時間で平均化することにより前記粉塵濃度の平均値を演算する演算部(80)と、を備え、
    前記演算部は、
    前記粉塵センサにより検出される現在の粉塵濃度が所定の閾値濃度を超えている場合には、前記現在の粉塵濃度が前記閾値濃度以下である場合と比較して、前記移動平均時間を短くし、
    車室内の乗員の有無を検出する乗員センサ(74)を更に備え、
    前記演算部は、
    前記現在の粉塵濃度が前記閾値濃度を超えている場合には、前記乗員センサにより車室内に乗員が存在するか否かを判定し、車室内に乗員が存在していると判定することをもって、前記移動平均時間を更に短くす
    両用空調装置。
  6. 空調ダクト(10)内を流れる空気を車室内に吹き出すことにより、車室内の空調を行う車両用空調装置(1)であって、
    前記空調ダクト内を流れる空気の粉塵濃度を検出する粉塵センサ(70)と、
    前記粉塵センサにより検出される粉塵濃度を移動平均時間で平均化することにより前記粉塵濃度の平均値を演算する演算部(80)と、を備え、
    前記演算部は、
    前記粉塵センサにより検出される現在の粉塵濃度が所定の閾値濃度を超えている場合には、前記現在の粉塵濃度が前記閾値濃度以下である場合と比較して、前記移動平均時間を短くし、
    前記閾値濃度を第1閾値濃度とするとき、
    前記演算部は、
    前記現在の粉塵濃度が前記閾値濃度を超えている場合には、大気中の粉塵濃度の情報を外部装置から取得するとともに、前記大気中の粉塵濃度が所定の第2閾値濃度を超えることをもって、前記移動平均時間を更に短くす
    両用空調装置。
  7. 前記閾値濃度は、前記現在の粉塵濃度の値に対してヒステリシスを有している
    請求項1〜のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
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