以下、添付図面にもとづき、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るレセプタクルコネクタ及びこれに対して上方から嵌合される相手コネクタとしてのプラグコネクタの斜視図であり、コネクタ嵌合前の状態を示している。本実施形態におけるレセプタクルコネクタ1及びプラグコネクタ2は、それぞれ異なる回路基板(図示せず)の実装面上に配される回路基板用電気コネクタであり、各回路基板の実装面に対して直角な方向(図1での上下方向)を挿抜方向とするコネクタ組立体を構成している。本実施形態では、レセプタクルコネクタ1に対するプラグコネクタ2の嵌合方向、すなわち図1でプラグコネクタ2を下方へ向けて移動させる方向を「コネクタ嵌合方向」とし、その反対方向、すなわち図1での上方へ向かう方向を「コネクタ抜出方向」として説明する。また、プラグコネクタ2に対する相手コネクタであるレセプタクルコネクタ1の嵌合方向および抜出方向は、それぞれ上述のプラグコネクタ2の「コネクタ嵌合方向」および「コネクタ抜出方向」の反対方向になる。
[レセプタクルコネクタ1の構成]
レセプタクルコネクタ1は、図1に見られるように、略直方体外形をなすハウジング10と、上記実装面に対して平行な一方向であるコネクタ長さ方向(ハウジング10の長手方向)で該ハウジング10に一体モールド成形により配列保持される複数のレセプタクル信号端子20及びレセプタクル補強金具30とを有している。該レセプタクルコネクタ1は、図1で示される姿勢で、回路基板上に配置実装される。
図1に見られるように、レセプタクル信号端子20は、コネクタ長さ方向でのハウジング10の後述する突壁12の範囲にて、コネクタ幅方向で対称な二列をなして設けられている。レセプタクル補強金具30は、コネクタ長さ方向でのレセプタクル信号端子20の配列範囲に対して両方の外側位置でハウジング10に設けられている。また、後述するように、レセプタクル補強金具30は、該レセプタクル補強金具30の一部としてレセプタクル電源端子45を有している。図1に見られるように、該レセプタクル電源端子45は、上記コネクタ長さ方向での突壁12の両端域にて、レセプタクル信号端子20の配列範囲に対して両方の外側に位置している。
図1に見られるように、ハウジング10は、樹脂等の電気絶縁材で作られており、取付対象面である回路基板(図示せず)の実装面に対して平行な底面をもち上記コネクタ長さ方向を長手方向として延びる底壁11(図4参照)と、コネクタ幅方向での底壁11の中央域で該底壁11から上方へ起立するとともにコネクタ長さ方向に延びる突壁12と、底壁11から起立し突壁12を囲む四角枠状の周壁13とを有している。該周壁13は、コネクタ幅方向で対向する底壁11の縁部から起立して上記コネクタ長さ方向に延びる一対の外壁としての側壁14と、コネクタ長さ方向で対向する底壁11の縁部から起立するとともに、上記一対の側壁14の端部同士を連結しコネクタ幅方向に延びる一対の外壁としての端壁15とを有している。周壁13と突壁12との間で上方に開口した四角環状の空間は、プラグコネクタ2の嵌合部を受け入れるための受入部16を形成している。
レセプタクルコネクタ1の底面図である図4に見られるように、底壁11は、コネクタ長さ方向(図4にて左右方向)での端子位置にて、コネクタ挿抜方向(紙面に対して直角な方向)に貫通する底孔部11Aが該コネクタ長さ方向で配列形成されている(図5(A),(B)をも参照)。この底孔部11Aは、ハウジング10とレセプタクル信号端子20及びレセプタクル補強金具30との一体成形後、金型を下方へ抜去する際に形成される。該底孔部11Aは、コネクタ長さ方向での両端に位置する底孔部11Aを除き、等間隔で配列形成されている(図4参照)。コネクタ長さ方向での両端域に位置する二つの底孔部11A同士の間隔は、他の底孔部11A同士の間隔よりも若干狭くなっている(図4参照)。また、コネクタ長さ方向での両端に位置する底孔部11Aは、他の底孔部11Aよりもコネクタ幅方向での寸法が若干小さくなっている。
レセプタクル端子20の位置での断面図である図5(A),(B)に見られるように、底孔部11Aは、コネクタ長さ方向(紙面に直角な方向)に見たときに、コネクタ幅方向(図5(A),(B)での左右方向)にて、突壁12の側面よりも若干外側の位置から側壁14の内面よりも若干外側の位置までにわたる範囲に形成されている。つまり、底孔部11Aは、コネクタ幅方向にて、後述するレセプタクル信号端子20の接触腕部22よりも外側の範囲に形成されている。コネクタ長さ方向でのレセプタクル補強金具30の位置に形成された底孔部11Aも同様に、該レセプタクル補強金具30の後述のレセプタクル電源端子45の接触腕部44よりも外側の範囲に形成されている。換言すると、コネクタ幅方向での上記接触腕部22,44に対応する範囲では底壁11が閉塞されている。以下、レセプタクル信号端子20及びレセプタクル電源端子45を、特に区別する必要がないときには「レセプタクル端子20,45」と総称する。
また、底壁11は、レセプタクル信号端子20の接続部24及びレセプタクル補強金具30の側方固定部42に対応する位置では、該底壁11の底面が該接続部24の上面及び側方固定部42の上面に接面している。また、該底壁11は、接続部24同士間の位置及び接続部24と側方固定部42との間の位置では、該底壁11の底面が該接続部24の上面及び側方固定部42の上面よりも上方に位置しており、該底面の下方に底溝部11Bが形成されている(図4をも参照)。
突壁12は、コネクタ長さ方向でのレセプタクル信号端子20に対応する位置に信号端子用溝部12Aが、そしてレセプタクル電源端子45に対応する位置に電源端子用溝部12Bが、突壁12の側面(コネクタ幅方向に対して直角な面)から没するとともに上下方向に延びて形成されている(図5(A),(B)参照)。以下、信号端子用溝部12A及び電源端子用溝部12Bを、特に区別する必要がないときには「端子用溝部12A,12B」と総称する。図5(A),(B)に見られるように、端子用溝部12A,12Bは、突壁12の起立範囲全域にわたって形成されており、上端位置では開放されているとともに、下端位置では底壁11によって閉塞されている。該端子用溝部12A,12Bは、レセプタクル端子20,45の接触腕部22,44を収容している。図1に見られるように、信号端子用溝部12Aと電源端子用溝部12Bとは同じ溝幅寸法(コネクタ長さ方向での寸法)で形成されている。
図1に見られるように、ハウジング10は、コネクタ長さ方向での端部が、レセプタクル端子20,30の配列範囲の部分よりも高く形成されている。上記端部では、側壁14の内面(受入部16側に位置する面)の上部に、下方へ向かうにつれてコネクタ幅方向内方に傾斜する側方案内面14Aが形成されている。該側方案内面14Aは、コネクタ嵌合過程にてプラグコネクタ2をコネクタ幅方向で受入部16内へ向けて案内する。
端壁15の内面(受入部16側に位置する面)の上部には、コネクタ幅方向での両端域で下方に向かうにつれてコネクタ長さ方向内方へ傾斜する端案内面15Aが形成されている。図1に見られるように、該端案内面15Aの上縁及び下縁は、側方案内面14Aの上縁及び下縁と同じ高さに位置している。該端案内面15Aは、コネクタ嵌合過程にてプラグコネクタ2をコネクタ長さ方向で受入部16内へ向けて案内する。
また、側方案内面14Aと端案内面15Aとの間には、下方に向かうにつれてコネクタ幅方向内方及びコネクタ長さ方向内方へ傾斜する隅案内面10Aが形成されている。図1に見られるように、該隅案内面10Aの上縁及び下縁は、側方案内面14A及び端案内面15Aの上縁及び下縁と同じ高さに位置している。該隅案内面10Aは、コネクタ嵌合過程にてプラグコネクタ2をコネクタ幅方向及びコネクタ長さ方向で受入部16内へ向けて案内する。
図2(A)は図1のレセプタクルコネクタ1のコネクタ長さ方向に対して直角な面での断面斜視図であり、図2(B)は図1のプラグコネクタ2のコネクタ長さ方向に対して直角な面での断面斜視図である。この図2(A),(B)では、コネクタ長さ方向中央位置でのハウジングの断面を示しており、左半部にてハウジングを省略した状態を示し、右半部の下方位置に該右半部で保持される補強金具を示している。また、図2(A),(B)の左半部では、説明の便宜上、図1に比べて端子同士の間隔及び端子と補強金具との間隔を大きくして示している。
以下、図1、図2(B)及び図5(A)に基いて、レセプタクル信号端子20の構成を説明する。レセプタクル信号端子20は、帯状の金属板条片を板厚方向で屈曲して作られていて、ハウジングの底壁11に沿ってコネクタ幅方向に延びる基部21と、該基部21の突壁12側の端部から上方へ向けて延びる信号接触腕部22と、基部21の側壁14側の端部で上方へ向けて延びてから下方へ向けて折り返された逆U字状の被保持部23と、該被保持部23の下端からコネクタ幅方向外方へ向けて延びる接続部24とを有している。
図5(A)に見られるように、基部21は、コネクタ幅方向で受入部16を含む範囲にわたって延びており、底壁11に一体モールド成形により保持されている。該基部21は、受入部16内に向けてその上面が露呈しているとともに、底壁11の底孔部11Aに対応する範囲でその下面が回路基板側に露呈している。また、基部21は、その長手方向(コネクタ幅方向)で突壁12側の部分が幅狭部として形成され、側壁14側の部分が該幅狭部よりも端子幅(コネクタ長さ方向での寸法)が広い幅広部として形成されている。
図4にて破線で示されているように、基部21は、コネクタ幅方向で上記幅広部が底壁11の底孔部11Aの大部分の範囲に対応して位置しており、上記幅狭部が底孔部11Aの残部の範囲に対応して位置している。また、基部21の幅狭部及び幅広部は、その端子幅が底壁11の底孔部11Aよりも大きくなっており、該基部21の両側端面そして両側縁部(コネクタ幅方向に延びる縁部)での下面(板面)が底壁11によって保持されている。したがって、基部21の両側端面(コネクタ幅方向に延びる側端面)と底壁11との間には隙間が存在しておらず、底孔部11Aは、その上端開口が基部21の下面によって覆われて閉塞されている。なお、底孔部11Aに対応する範囲にて、基部21の側縁部の板面が底壁11に保持されることは必須ではなく、少なくとも基部21の両側端面のみが保持されていればよい。また、基部21の側縁部の板面が底壁11に保持される場合、側縁部の上面のみ、あるいは下面及び上面の両方が保持されていてもよい。
信号接触腕部22は、突壁12の信号端子用溝部12A内に収容されており、その板厚方向(コネクタ幅方向)で弾性変位可能となっている。該信号接触腕部22は、その下部が基部21と同じ幅寸法(コネクタ長さ方向での寸法)で形成されているとともに、上部が下部よりも小さい幅寸法で形成されている。また、該信号接触腕部22は、その自由端側たる上端側部分が側壁14に向けて凸湾曲して、後述するプラグコネクタ2のプラグ信号端子60と接触するための信号接触突部22Aとして形成されている(図5(B)参照)。信号接触腕部22は、自由状態にて、信号接触突部22Aの湾曲頂部がハウジング10の信号端子用溝部12Aから突出して受入部16内に位置している(図5(A)参照)。
被保持部23は、図2に見られるように、基部21の側壁14側の端部から該側壁14の内面に沿って上方へ向けて延びる内側腕部23Aと、該内側腕部23Aの上端から連続して該内側腕部23Aよりもコネクタ幅方向外側位置で下方へ向けて折り返される移行部23Bと、該移行部23Bを経て下方へ向けて延びる外側腕部23Cとを有しており、側壁14に一体モールド成形により保持されている。
内側腕部23Aは、受入部16内に向けて板面が露呈しており、該板面から矩形状に没したロック凹部23A−1が形成されている。該ロック凹部23A−1は、例えば、プレス加工等により形成されており、その幅寸法(上記配列方向での寸法)は内側腕部23Aの幅寸法より小さくなっている。該ロック凹部23A−1は、後述するプラグコネクタ2のプラグ信号端子60の被ロック段部61A−1に係止することにより、コネクタ嵌合状態を維持してコネクタ同士の抜けを防止するとともに、該被ロック段部61A−1との係止時に接触して電気的に導通することにより、上記信号接触突部22Aを補助する役割も果たす(図5(B)参照)。
移行部23Bは、上方へ向けて凸湾曲しており、該移行部23Bの上面が側壁14から露呈している。外側腕部23Cは、側壁14から露呈することなく該側壁14内に埋設保持されている(図5(A)をも参照)。該外側腕部23Cは、図2(B)によく見られるように、下端部が他部よりも小さい幅寸法(上記配列方向での寸法)で形成されている。
接続部24は、基部21よりも下方位置で、外側腕部23Cの下端からコネクタ幅方向外方へ向けて側壁14の外面とほぼ同位置にまで直状に延びており、ハウジング10の底壁11から露呈している。該接続部24は、回路基板の対応信号回路部に半田接続されるようになっている。
本実施形態では、上述のようにコネクタ幅方向での接続部24の先端位置を側壁14の外面とほぼ同位置とすることにより、コネクタ幅方向でのレセプタクルコネクタ1の大型化が回避されている。また、既述したように、接続部24同士間の位置ではハウジング10の底壁11に底溝部11Bが形成されている。したがって、半田接続時にて、溶融半田が底溝部11B内へ流れ込むことにより、接続部24の両側端面(コネクタ幅方向に延びる側面)に対して半田付けできる。このように、本実施形態では、コネクタ幅方向でのコネクタの大型化を回避しつつ、該接続部24にて半田接続可能な部分の面積を十分広く確保できるようになっている。
次に、図1及び図2(B)に基づいてレセプタクル補強金具30の構成について説明する。本実施形態では、レセプタクル補強金具30は、ハウジング10を補強する機能のみならず、後述するように、ロック金具としての機能、さらには電源端子としての機能をも有している。ただし、レセプタクル補強金具30にロック金具としての機能そして電源端子としての機能を備えることは必須ではない。
レセプタクル補強金具30は、金属板部材を板厚方向に屈曲して作られており、上方から見て、端壁15の位置に設けられる部分と、突壁12の位置に設けられる部分と、二つの側壁14のそれぞれの位置に設けられる部分と、受入部16の位置に設けられる部分とに大別される。
レセプタクル補強金具30における、端壁15の位置に設けられる部分は、該端壁15の内面に沿って延びる端壁内面補強部31と、該端壁内面補強部31の上端から下方へ向けて折り返される端壁頂面補強部32と、該端壁頂面補強部32を経て端壁15の外面に沿って下方へ延びる端壁側被保持部33と、コネクタ幅方向での端壁内面補強部31の両端寄り位置で該端壁内面補強部31の下端からコネクタ長さ方向外方へ向けて延びる端固定部34とを有している。
端壁内面補強部31は、下半部がコネクタ幅方向で端壁15全域にわたって延びており、上半部が上記下半部コネクタ幅方向中央域で該下半部の上縁から上方へ延びている。図1及び図2(B)に見られるように、端壁内面補強部31の板面は、端壁15の内面から若干突出して露呈している。端壁頂面補強部32は、端壁内面補強部31の上半部と同じ幅寸法(コネクタ幅方向での寸法)で形成されており、該上半部に連続して上方へ向けて凸湾曲し、その上面が端壁15の上面から若干突出している。端壁側被保持部33は、端壁頂面補強部32と同じ幅寸法で形成されており、該端壁頂面補強部32に連続して延び、その板面が端壁15の外面から若干突出している。本実施形態では、端壁内面補強部31及び端壁頂面補強部32がそれぞれ端壁15の内面そして上面を覆っているので、コネクタ挿抜過程にて、該端壁15の内面そして上面がプラグコネクタ2との干渉によって損傷することを防止できる。
端固定部34は、図1に見られるように、ハウジング10の底壁11から露呈しており、その下面で回路基板の対応電源回路部と半田接続されて固定される。該端固定部34は、コネクタ長さ方向にて端壁15の外面とほぼ同位置にまで延びている。このように端固定部34の先端位置を端壁15の外面とほぼ同位置とすることにより、コネクタ長さ方向でのレセプタクルコネクタ1の大型化が回避されている。
レセプタクル補強金具30における、突壁12の位置に設けられる部分は、図1に見られるように、突壁12の起立面としての端面(コネクタ長さ方向に対して直角な面)に沿って延びる突壁端面補強部35と、該突壁端面補強部35の上端から下方へ向けて折り返される突壁頂面補強部36と、該突壁頂面補強部36を経て下方へ延びる突壁側被保持部37と、後述の延出部43から突壁12の電源端子用溝部12B内で上方へ向けて延びる電源接触腕部44とを有している。
突壁端面補強部35及び突壁頂面補強部36は、突壁12によって保持されているとともに、それぞれの板面が突壁12の端面そして上面(頂面)と同一レベル面をなし露呈している。本実施形態では、突壁端面補強部35及び突壁頂面補強部36がそれぞれ突壁12の端面そして上面を覆っているので、コネクタ挿抜過程にて、突壁12の端面そして上面がプラグコネクタ2との干渉によって損傷することを防止できる。
電源接触腕部44は、レセプタクル端子20の信号接触腕部22と同列をなして位置し、板厚方向(コネクタ幅方向)で弾性変位して、後述のプラグ補強金具70に設けられた対応電源接触部としての内側板部73(図2(A)参照)と接圧をもって接触可能となっている(図5(B)参照)。該電源接触腕部44は、その自由端側たる上端側部分が側壁14に向けて凸湾曲して、その凸湾曲した部分が上記内側板部73と接触するための電源接触突部44Aとして形成されている。電源接触腕部44は、自由状態にて、電源接触突部44Aの湾曲頂部がハウジング10の電源端子用溝部12Bから突出して受入部16内に位置している。なお、レセプタクル補強金具30に電源端子としての機能を設けない場合には、電源接触腕部44は省略される。
レセプタクル補強金具30における、側壁14の位置に設けられる部分は、端壁内面補強部31の下半部のコネクタ幅方向両端から側壁14に沿ってコネクタ長さ方向内方へ延びる側壁側被保持部39と、該側壁側被保持部39の上縁から下方へ向けて折り返される移行部40と、該移行部40を経て側壁14の内面に沿って下方へ延びるロック板部41と、側壁側被保持部39の下縁からコネクタ幅方向外方へ延びる側方固定部42とを有している。
側壁側被保持部39は、側壁14に埋設保持されている。移行部40は、上方へ向けて凸湾曲しており、図1に見られるように、その上面が側壁14の上面と同一レベル面をなし露呈している。ロック板部41は、受入部16側に位置する板面が側壁14の内面から露呈した状態で該側壁14に保持されており、その露呈した板面から矩形状に没したロック凹部41Aが形成されている。なお、レセプタクル補強金具30にロック金具としての機能を設けない場合には、ロック板部41を省略してもよい。
側方固定部42は、図1に見られるように、ハウジング10の底壁11から露呈しており、その下面で回路基板の対応電源回路部と半田接続されて固定され、後述の電源端子45のための接続部としての機能をも備えている。該側方固定部42は、コネクタ幅方向にて側壁14の外面とほぼ同位置にまで延びている。本実施形態では、このようにコネクタ幅方向での側方固定部42の先端位置を側壁14の外面とほぼ同位置とすることにより、コネクタ幅方向でのレセプタクルコネクタ1の大型化が回避されている。また、コネクタ長さ方向で互いに隣接する側方固定部42とレセプタクル信号端子20の接続部24との間の位置ではハウジング10の底壁11に底溝部11Bが形成されており、半田接続時にて、溶融半田が底溝部11B内へ流れ込んで側方固定部42の側端面に対して半田付け可能となっている。このようにして、この結果、コネクタ幅方向でのコネクタの大型化を回避しつつ、該接続部24にて半田接続可能な部分の面積の確保が可能となっている。
レセプタクル補強金具30における、受入部16の位置に設けられる部分は、底壁11に沿ってコネクタ長さ方向に延び、端壁内面補強部31及び突壁端面補強部35の下端部同士を連接する連接底部38(図6(A),(B)をも参照)と、底壁11に沿ってコネクタ幅方向に延び、電源接触腕部44及びロック板部41の下端部同士を連接する延出部43とを有している。連接底部38及び延出部43は、その上面が受入部16に露出した状態で該底壁11に保持されている。なお、レセプタクル補強金具30に電源端子としての機能を設けない場合には、延出部43を省略してもよい。
延出部43は、ロック板部41と同じ端子幅寸法で該ロック板部の下縁から突壁12側へ向けて延出している。また、コネクタ長さ方向での突壁12の電源端子用溝部12Bと同位置にて、延出部43の突壁12寄りの縁部(コネクタ長さ方向に延びる縁部)から上方へ向けて電源接触腕部44が延びている。以下、延出部43と電源接触腕部44とからなる部分を「電源端子45」という。本実施形態では、電源端子45は、レセプタクル補強金具30の一部として形成されている例について説明するが、これに代えて、電源端子は、レセプタクル補強金具とは別個の部材として作られていてもよい。
延出部43は、電源端子45の基部をなしている。該延出部43は、既述したレセプタクル信号端子20の基部21と同様に、コネクタ幅方向で受入部16を含む範囲にわたって延びている(レセプタクル信号端子20の基部21については図5(A),(B)参照)。また、図4にて破線で示されているように、延出部43は、コネクタ長さ方向での両端域に位置する二つの底孔部11Aに対応する範囲を含んで形成されており、該延出部43の両側端面そして両側縁部(コネクタ幅方向に延びる縁部)での下面(板面)が底壁11によって保持されている。したがって、延出部43の両側端面(コネクタ幅方向に延びる側端面)と底壁11との間には隙間が存在しておらず、上記二つの底孔部11Aの上端開口は、一つの延出部43の下面によって覆われて閉塞されている。
以上の構成のレセプタクルコネクタ1は、以下の要領で製造される。まず、レセプタクル信号端子20及びレセプタクル補強金具30をコネクタ長さ方向に配列する。次に、該レセプタクル信号端子20及び該レセプタクル補強金具30を、上方からもたらされた金型(「上側金型」という)によって上方から、そして下方からもたらされた金型(「下側金型」という)によって下方から押さえて固定する。このとき、上側金型及び下側金型は、レセプタクル信号端子20の基部21そしてレセプタクル補強金具30の延出部43のそれぞれの上面及び下面を挟み込むように押さえる。
ところで、同じ端子幅の複数の端子を一体モールド成形によりハウジングで保持する場合、従来では、一体成形時にて端子を金型で押さえる際、全ての端子は、それぞれ同じ面積をもって一箇所で押さえられることが多い。しかし、上記複数の端子のうち一部の端子の基部が他の端子の基部よりも幅広であった場合には、上記一部の端子の基部の一箇所を、上記他の端子の基部での押さえ面積(金型で押さえられる面積)と同じ面積で押さえることとすると、一体モールド成形時における上記一部の端子の姿勢が不安定となってしまう。
本実施形態では、レセプタクル補強金具30の延出部43は、レセプタクル信号端子20の基部21よりも幅広であるが、該延出部43は、コネクタ長さ方向での複数箇所(本実施形態では二箇所)で金型によって押さえられ、その押さえ面積は二つの底孔部11Aの合計面積とほぼ同じである。したがって、幅広な延出部43を一つの底孔部11Aの面積をもって一箇所で押さえる場合と比較して、押さえる箇所数が増え、また、押さえ面積が広くなるので、一体モールド成形時におけるレセプタクル補強金具30の姿勢をより安定させることができる。
また、本実施形態では、底壁11は、延出部43に対応する領域にて、複数(本実施形態では二つ)の底孔部11A以外の範囲で閉塞されており、該延出部32が該底壁11で保持されている。したがって、一体モールド成形時での大きい押さえ面積そして端子の安定性を確保するために延出部のほぼ全域にわたる領域で底壁に底孔部が形成されるような場合と比べると、延出部43に対応する領域でのハウジング10の強度を大きくすることができる。
次に、組み合わされた上下二つの金型内に樹脂を注入して、レセプタクル信号端子20及びレセプタクル補強金具30をハウジング10と一体モールド成形することにより、該ハウジング10に保持させる。本実施形態では、レセプタクル信号端子20及びレセプタクル補強金具30は、コネクタ全体で見たときに、ほぼ等間隔の複数位置で金型によって押さえられているので、コネクタ全体にわたって均等に樹脂を流し込むことができる。
一体モールド成形後、上側金型及び下側金型をそれぞれ上方そして下方へ移動して抜去することにより、レセプタクルコネクタ1が完成する。このとき、下側金型の下方への抜去により、図5(A),(B)に見られるように、コネクタ長さ方向での端子位置にて、コネクタ幅方向での突壁12の端子用溝部12A,12Bよりも外側で底壁11に底孔部11Aが形成される。また、レセプタクル信号端子20の接続部24同士間の位置そしてレセプタクル補強金具30の側方固定部42と接続部24との間に位置には底溝部11Bが形成される。
本実施形態では、突壁12の端子用溝部12A,12Bは、該突壁12の起立範囲全域にわたって形成されていて、突壁12の上面(頂面)位置で上方に開放されている。したがって、上側金型を上方から移動して配置することによって、端子用溝部12A,12Bを有する突壁12を成形できる。したがって、コネクタ長さ方向での端子位置にて、コネクタ幅方向での該端子用溝部12A,12Bに対応する範囲に、換言すると、該端子用溝部12A,12Bに収容されるレセプタクル端子20,45の接触腕部22,44に対応する範囲に底壁11を形成することができる。
回路基板の実装面へのレセプタクルコネクタ1の実装時、レセプタクル信号端子20の接続部24やレセプタクル補強金具30の側方固定部42を実装面に半田接続する際、溶融した半田がハウジング10の底壁11と上記実装面との間をレセプタクル端子20,45の接触腕部22,44側へ向けて流れようとすることがある。しかし、本実施形態では、接触腕部22,44に対応する範囲では底壁11が閉塞されているので、溶融半田が上記接触腕部の表面を這い上がっていくことはない。
また、底壁11には底孔部11Aが形成されているが、全ての底孔部11Aは、レセプタクル信号端子20の基部21あるいはレセプタクル電源端子45の延出部43によって上端開口が閉塞されているので、溶融した半田が上記実装面側から底孔部11A内に流れ込むことがあっても、該半田は上記基部21そして延出部43の底面によってそれ以上の進行を阻止されて、該底孔部11A内に留まるので、接触腕部22,44側へ這い上がっていくことがない。
また、コネクタ実装後に半田接続部分にコーティング剤が塗布された場合にも、上述した半田の場合と同様に、該コーティング剤が接触腕部22,44側へ這い上がっていくことが阻止される。この結果、半田やコーティング剤が接触腕部22,44に付着することを防止して、接触腕部22,44の弾性変位状態や相手端子との接触状態を良好に確保することができる。
[プラグコネクタ2の構成]
次に、図1、図2(A)、図3及び図5に基づいてプラグコネクタ2の構成について説明する。図3(A)は図1のプラグコネクタ2を上下反転させて示した斜視図であり、図3(B)は図3(A)のプラグコネクタ2のハウジング50を省略して示した斜視図である。
プラグコネクタ2は、レセプタクルコネクタ1の受入部16に適合した枠状の嵌合部(図3(A)参照)を有しており、該嵌合部が受入部16内に嵌入することにより、コネクタ1,2同士が嵌合接続されるようになっている。プラグコネクタ2は、略直方体外形をなすハウジング50と、回路基板(図示せず)の実装面に対して平行をなすコネクタ長さ方向(ハウジング50の長手方向)で該ハウジング50に一体モールド成形により配列保持される複数のプラグ信号端子60及びプラグ補強金具70とを有している。
ハウジング50は、樹脂等の電気絶縁材で作られており、図1に見られるように、取付対象面である回路基板(図示せず)の実装面に対して平行な底面をもちコネクタ長さ方向に延びる底壁51と、該底壁51から下方(図3(A)では上方)へ起立する嵌合部としての周壁53とを有している。該周壁53は、互いに対向して配列方向に延びる二つの側壁54と、該二つの側壁54の端部同士を連結しコネクタ長さ方向に対して直角なコネクタ幅方向(ハウジング50の短手方向)に延びる二つの端壁55とを有している。周壁53によって囲まれ図1での下方(図3(A)では上方)に開口した空間は、レセプタクルコネクタ1の突壁12を受け入れるための受入部56(図3(A)参照)を形成している。
底壁51は、図1及び図3(A)によく見られるように、コネクタ長さ方向での側壁54の全域にわたってコネクタ幅方向外方へ張り出す張出部51Aが形成されている。該張出部51Aは、レセプタクル端子20の移行部23B及びレセプタクル補強金具30の移行部40に対応して位置している(レセプタクル端子20の移行部23Bとの位置関係については図5(B)参照)。図3(A)によく見られるように、該張出部51Aの上面は、後述するプラグ信号端子60の接続部62及びプラグ補強金具70の側方固定部74の上面よりも高く位置している。このような形状の張出部51Aを設けることにより、接続部62及び側方固定部74の半田実装時にて、溶融半田がコネクタ幅方向内方へ流れようとしても、張出部51Aの側面(コネクタ幅方向に対して直角な面)によってそれ以上の進行が阻止される。つまり、コネクタ幅方向で上記移行部23B,40に対応する位置に溶融半田が流れ込むことがない。
従来、プラグコネクタは、コネクタ幅方向でレセプタクル端子の移行部と対応する範囲にハウジング部分を有しておらず、半田実装時に上記範囲に溶融半田が流れ込んでしまうことに起因して、コネクタ嵌合時、上記範囲で固化した半田が上記移行部と干渉するおそれがあった。本実施形態では、既述したように、ハウジング50の張出部51Aによって、上記範囲に溶融半田が流れ込むことが阻止されるので、コネクタ嵌合時、固化した半田が上記移行部23B,40と干渉することを防止できる。
プラグ信号端子60は、コネクタ長さ方向でのハウジング50の中央寄り範囲にて、コネクタ幅方向で対称な二列をなして設けられている。該プラグ信号端子60は、帯状の金属板条片を板厚方向に屈曲して作られており、図2(A)及び図3(B)によく見られるように、側壁54に保持されるU字状のU字状部61と、該U字状部61の二つの腕部のうち受入部56側に位置する一方の腕部(後述の内側腕部61C)の図2(A)での上端(図3(B)での下端)から、コネクタ幅方向外方へ向けて延び回路基板の対応信号回路部に接続される接続部62とを有している。プラグ信号端子60は、U字状部61で、ハウジング50との一体モールド成形により保持されている。
U字状部61は、コネクタ嵌合状態にて、レセプタクルコネクタ1のレセプタクル信号端子20の信号接触腕部22と内側腕部23Aとの間に突入する部分であり、側壁54を下方(図3(A),(B)での上方)から跨ぐようにして該側壁54に埋設されている。該U字状部61は、図2(A)によく見られるように、側壁54の外面に沿って下方へ延びる外側腕部61Aと、該外側腕部61Aの下端からコネクタ幅方向内側位置で上方へ向けて折り返される移行部61Bと、該移行部61Bを経て上方へ向けて延びる内側腕部61Cとを有している。コネクタ幅方向でのU字状部61の寸法は、レセプタクル信号端子20の信号接触突部22Aと該信号接触突部22Aに対向する内側腕部23Aの板面との間隔よりも若干大きくなっている。
U字状部61の外側腕部61Aは、図1に見られるように、側壁54の外面から板面が露呈していている。その露呈した板面には、該板面の上部が没して形成された段状をなし該外側腕部61Aの幅方向(コネクタ長さ方向)に延びる被ロック段部61A−1が形成されており、該被ロック段部61A−1がレセプタクル端子20のロック凹部23A−1と係止するようになっている。移行部61Bは、図2(A)に見られるように、コネクタ幅方向に延びており、該移行部61Bの下面(図3(A)では上面)が側壁54から露呈している。内側腕部61Cは、図3(A)に見られるように、受入部56側の板面が側壁54の内面から露呈していて、その露呈した板面が、コネクタ嵌合状態にてレセプタクル信号端子20の信号接触突部22Aと接圧をもって接触する対応信号接触部として形成されている。
接続部62は、図2(A)に見られるように、内側腕部61Cの上端から底壁51の底面に沿ってコネクタ幅方向外方へ向けて直状に延び、ハウジング50外へ延出しており(図1をも参照)、回路基板の対応信号回路部に半田接続可能となっている。
プラグ補強金具70は、図1に見られるように、レセプタクルコネクタ1のレセプタクル補強金具30に対応して、コネクタ長さ方向でのハウジング10の各端部に一つずつ設けられている。該プラグ補強金具70は、ハウジング50を補強する機能のみならず、レセプタクル補強金具30とロックするロック機能、さらには該レセプタクル補強金具30の電源接触腕部44と接触して電気的に導通する電源端子としての機能をも有している。ただし、プラグ補強金具70にロック金具としての機能そして電源端子としての機能を備えることは必須ではない。
プラグ補強金具70は、金属板部材を板厚方向に屈曲して作られており、図2(A)に示されるように、ハウジング50の側壁54の外面に沿って延びる外側板部71と、該外側板部71の下端からコネクタ幅方向内方へ向けて延びる側方移行部72と、該側方移行部72を経て側壁54の内面に沿って上方へ延びる内側板部73と、該内側板部73の上端からコネクタ幅方向外方へ延びる側方固定部74と、コネクタ幅方向に延び二つの内側板部73同士を連結する連結部75と、連結部75の下縁からコネクタ長さ方向外側位置で上方へ向けて折り返された端移行部76と、該端移行部76を経て端壁55の外面に沿って上方へ延びる端被保持部77と、連結部75の上縁からコネクタ長さ方向外方へ向けて延びる端固定部78とを有している。
外側板部71は、図2(A)に見られるように、側壁54の外面から板面が露呈しており、その露呈した板面には、該板面の上部が没して形成された段状をなし該外側板部71の幅方向(コネクタ長さ方向)に延びる被ロック段部71Aが形成されている。該被ロック段部71Aは、プラグ信号端子60の外側腕部61Aの被ロック段部61A−1と同じ高さ位置に形成されている。該被ロック段部71Aは、レセプタクルコネクタ1との嵌合状態にて、レセプタクル補強金具30のロック凹部41Aとロックし合うようになっている。
側方移行部72は、側壁54の下面(図3(A)では上面)に沿ってコネクタ幅方向に延びており、該側方移行部72の下面(図3(A)では上面)が側壁54から露呈している(図3(A)参照)。内側板部73は、図3(A)に見られるように、側壁54の内面から板面が露呈しており、レセプタクル補強金具30の電源接触腕部44と接圧をもって接触する対応電源接触部として形成されている。
側方固定部74は、図2(A)に見られるように内側板部73の上端(図3(A),(B)では下端)からコネクタ幅方向外方へ延びて、図1及び図2(A)に見られるように、ハウジング50外へ延出しており、回路基板の対応回路部に半田接続可能となっている。
連結部75は、図2(A)に見られるように、コネクタ長さ方向に対して直角な板面をもちコネクタ幅方向に延びる連結基部75Aと、該連結基部75Aの両端で屈曲されてコネクタ長さ方向内方へ向けて延びる連結端部75Bとを有している。該連結部75は、端壁55に埋設保持されている。
端移行部76は、端壁55の下面(図3(A)では上面)に沿ってコネクタ幅方向に延びており、該端移行部76の下面(図3(A)では上面)の一部が端壁55から露呈している(図3(A)参照)。端被保持部77は、端壁55によって保持されており、図1及び図3(A)に見られるように、端壁55の外面から板面が露呈している。端固定部78は、図1に見られるように、ハウジング50の底壁51からコネクタ長さ方向に突出しており、その上面(図3(A)では下面)で回路基板の対応部と半田接続されて固定される。
[コネクタの嵌合動作]
次に、図1,図5及び図6に基づいて、コネクタ1,2の嵌合動作について説明する。図5は、図1のレセプタクルコネクタ1及びプラグコネクタ2のコネクタ長さ方向に対して直角な面での断面図であり、信号端子の位置での断面を示しており、(A)はコネクタ嵌合前の状態、(B)はコネクタ嵌合状態を示している。図6は、図1のレセプタクルコネクタ及びプラグコネクタのコネクタ幅方向に対して直角な面での断面図であり、コネクタ幅方向中央位置での断面を示しており、(A)はコネクタ嵌合前の状態、(B)はコネクタ嵌合状態を示している。
まず、レセプタクルコネクタ1のレセプタクル信号端子20の接続部24及びレセプタクル補強金具30の側方固定部42をそれぞれ回路基板の対応回路部へ半田接続するとともに、レセプタクル補強金具30の端固定部34を回路基板の対応部へ半田接続して、レセプタクルコネクタ1を回路基板に実装する。また、プラグコネクタ2のプラグ信号端子60の接続部62及びプラグ補強金具70の側方固定部74をそれぞれ他の回路基板の対応回路部へ半田接続するとともに、プラグ補強金具70の端固定部78を上記他の回路基板の対応部へ半田接続して、プラグコネクタ2を上記他の回路基板に実装する。また、レセプタクルコネクタ1及びプラグコネクタ2におけるそれぞれの半田接続部分に、必要に応じて腐食防止のためのコーティング剤を塗布してもよい。
次に、図1、図5(A)及び図6(A)に見られるように、レセプタクルコネクタ1を受入部16が上方へ開口した姿勢とするとともに、プラグコネクタ2を受入部56が下方へ開口した姿勢として該レセプタクルコネクタ1の上方に位置させる。そして、図1、図5(A)及び図6(A)にて矢印で示されるように、プラグコネクタ2を下方へ移動させ、該プラグコネクタ2の嵌合部をレセプタクルコネクタ1の受入部16内へ嵌入させる。
この結果、プラグコネクタ2のプラグ信号端子60のU字状部61は、レセプタクルコネクタ1のレセプタクル信号端子20の信号接触突部22Aおよびロック凹部23A−1との間を押し拡げて突入する。そして、信号接触腕部22がコネクタ幅方向で内方へ向けて弾性変位する。さらに、U字状部61の突入が進行すると、図5(B)に見られるように、コネクタ嵌合状態にて、信号接触突部22AがU字状部61の内側腕部61C(対応信号接触部)と接圧をもって接触するとともに、U字状部61の外側腕部61Aの被ロック段部61A−1がロック凹部23A−1内に突入し、該ロック凹部23A−1の上縁に対してコネクタ抜出方向で係止可能に位置する。この結果、コネクタ1,2の端子20,60同士が電気的に導通するとともに互いにロックされる。
また、レセプタクル補強金具30の電源接触突部44Aが、該電源接触腕部44に対応して位置するプラグ補強金具70の内側板部73(対応電源接触部)と接圧をもって接触する。また、コネクタ嵌合状態にて、プラグ補強金具70の被ロック段部71Aが、レセプタクル補強金具30のロック凹部41A内に突入し、該ロック凹部41Aの上縁に対してコネクタ抜出方向で係止可能に位置する。この結果、補強金具30,70同士が電気的に導通するとともに互いにロックされる。このようにして、コネクタ1,2同士の嵌合接続動作が完了する。また、コネクタ抜出時には、プラグコネクタ2を上方にもち上げて端子同士そして補強金具同士のロック状態を解除することにより、プラグコネクタ2を抜出できる。
本実施形態では、ハウジング10の端壁15の内面ではレセプタクル補強金具30の端壁内面補強部31の板面が露呈しているとともに、ハウジング10の突壁12の端面ではレセプタクル補強金具30の突壁端面補強部35の板面が露呈している。したがって、コネクタ挿抜過程にて、プラグコネクタ2の嵌合部が正規の嵌合位置からコネクタ長さ方向で端壁15に向けてずれた場合には、該嵌合部は、端壁内面補強部31の板面に当接するので、端壁15の内面に直接当接することがない。また、上記嵌合部が正規の嵌合位置からコネクタ長さ方向で突壁12側に向けてずれた場合には、該嵌合部は、突壁端面補強部35の板面に当接するので、突壁12の端面に直接当接することがない。この結果、端壁15及び突壁12の損傷を防止できる。
また、本実施形態では、ハウジング10の端壁15の頂面では端壁頂面補強部32の板面が露呈しているとともに、ハウジング10の突壁12の頂面では突壁頂面補強部36の板面が露呈している。したがって、コネクタ嵌合過程にて、該プラグコネクタ2の嵌合部が正規の嵌合位置からコネクタ長さ方向で端壁15側へずれて嵌合されて端壁15の頂面側に当接しても、該嵌合部は、端壁頂面補強部32に当接するので、ハウジング10の端壁15の頂面に直接当接することがない。また、コネクタ嵌合過程にて、該プラグコネクタ2の嵌合部が正規の嵌合位置からコネクタ長さ方向で突壁12側へずれて嵌合されて突壁12の頂面側に当接しても、該嵌合部は、突壁頂面補強部36に当接するので、ハウジング10の突壁12の頂面に直接当接することがない。この結果、端壁15及び突壁12の損傷をより確実に防止できる。なお、レセプタクル補強金具30に端壁頂面補強部32及び突壁頂面補強部36を設けることは必須ではなく、また、該端壁頂面補強部32及び該突壁頂面補強部36のうちのいずれか一方のみを設けることとしてもよい。
さらに、本実施形態のレセプタクル補強金具30は、端壁側被保持部33で端壁15に保持されるとともに、突壁側被保持部37で突壁12に保持されているので、コネクタ挿抜過程にて、レセプタクル補強金具30がプラグコネクタ2の嵌合部からの当接力を受けてハウジング10から外れてしまうことをより確実に防止できる。なお、レセプタクル補強金具30に端壁側被保持部33及び突壁側被保持部37を設けることは必須ではなく、また、該端壁側被保持部33及び該突壁側被保持部37のうちのいずれか一方のみを設けることとしてもよい。
また、本実施形態では、端壁内面補強部31と突壁端面補強部35とは連接底部38によって連接されることにより一体的に作られていて、端壁内面補強部31と突壁端面補強部35とが互いの強度を補うような関係となっているので、レセプタクル補強金具30自体の強度が向上し、該レセプタクル補強金具30の不用意な変形等が防止され、ハウジング10をより強固に補強することができる。
本実施形態では、レセプタクル補強金具30の端壁内面補強部31と突壁端面補強部35とを連接底部38で連接して、コネクタ長さ方向でのコネクタ同士のずれによるハウジング10の損傷を防止するとともに、レセプタクル補強金具30自体の強度を向上させることとしたが、レセプタクル補強金具30の構成については、さらなる変更が可能である。例えば、レセプタクル補強金具に、ハウジングの側壁の内面に沿って延び該側壁に保持される周壁内面補強部としての側壁内面補強部と、該側壁内面補強部に対面するハウジングの突壁の起立面(側面)に沿って延び該突壁に保持される突壁起立面補強部としての突壁側面補強部とを設けて、該側壁内面補強部及び突壁側面補強部の下端同士を、底壁に沿ってコネクタ幅方向に延びる連接底部によって連接するようにしてもよい。このような構成とすることにより、コネクタ幅方向でのコネクタ同士のずれによるハウジングの損傷を防止するとともに、レセプタクル補強金具自体の強度を向上させることができる。
本実施形態では、レセプタクル信号端子およびレセプタクル電源端子の両種の端子を有しているレセプタクルコネクタ1に本発明を適用した例を説明したが、本発明は、いずれか一方の種類の端子のみを有する端子についても適用可能である。
本実施形態では、端子の接触腕部を収容する溝部が突壁に形成されている場合について説明したが、本発明は、上記溝部が側壁に形成されている場合にも適用できる。この場合には、コネクタ長さ方向での端子位置にて底壁が側壁の溝部に対応する範囲を含んで形成される。