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JP6620789B2 - ターボ過給エンジンの排気装置 - Google Patents

ターボ過給エンジンの排気装置 Download PDF

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JP6620789B2
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Description

本発明は、エンジン本体から排出される排気ガスにより駆動されて吸気を過給するターボ過給機を備えたターボ過給エンジンの排気装置に関する。
ターボ過給エンジンの排気装置として、下記特許文献1のものが知られている。この特許文献1の排気装置では、排気通路の途中部にターボ過給機のタービンが設けられるとともに、タービンよりもさらに下流側の排気通路に三元触媒を含む触媒装置が設けられている。また、タービンとエンジン本体との間に位置する部分の排気通路には、当該排気通路内に外部から空気(二次空気)を導入するための二次空気供給通路が接続されている。二次空気供給通路にはエアポンプが設けられ、このエアポンプの駆動/停止により二次空気の導入の有無が切り替えられるようになっている。
上記エアポンプが駆動されて排気通路内に二次空気が導入されると、排気ガス中の未燃成分(HC等)と二次空気との酸化反応が生じ、熱が発生する。これにより、二次空気の導入位置よりも下流側における排気ガスの温度が上昇するので、タービンの駆動力が増大するという効果や、タービンのさらに下流側に位置する触媒の活性化が促進されるといった効果が期待できる。
特開2015−214966号公報
ここで、上記特許文献1の技術では、エアポンプにより圧送された二次空気が排気通路内に導入されるので、例えば排気通路の圧力が比較的低い条件、つまりエアポンプの圧力から排気ガスの圧力を差し引いた圧力差が大きい条件では、十分な量の二次空気を排気通路内に導入することが可能である。しかしながら、例えばある気筒の排気行程の開始直後のように、排気通路を流れる排気ガスの圧力が高いときには、上記圧力差が縮小するか、もしくはマイナスに転じることにより、二次空気の排気通路への導入ができなくなるか、微量しか導入できなくなる。
このように、上記特許文献1では、排気通路内に導入できる二次空気の量が時間により大きくばらつくので、排気ガス中に含まれる二次空気の割合は、流れ方向に沿って大→小→大→小‥‥というパターンで大きく変化する。そして、二次空気の割合が小さい領域では、排気ガス中の未燃成分を十分に酸化させることができず、結果として、排気ガスの昇温効果が平均的に低下する。このため、上述したタービン駆動力の増大効果等が十分に得られなくなるという問題があった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、タービン上流の排気通路に導入される空気により排気ガス中の未燃成分を安定的に酸化させることができ、もってタービンの駆動力を十分に高めることが可能なターボ過給エンジンの排気装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、複数の気筒を含むエンジン本体と、エンジン本体に導入される吸気が流通する吸気通路と、エンジン本体から排出される排気ガスにより駆動されて吸気を過給するターボ過給機とを備えたターボ過給エンジンに適用される排気装置であって、前記排気ガスが流通する排気通路と、前記排気通路内に外部から空気を導入する二次空気導入部と、前記二次空気導入部と前記吸気通路とを連通する連通路とを備え、前記ターボ過給機は、前記排気ガスにより回転駆動されるタービンと、タービンを収容するタービンハウジングとを備え、前記タービンハウジングは、前記タービンの周囲に、仕切壁により仕切られた複数のスクロール部を有し、前記排気通路は、前記複数の気筒と前記複数のスクロール部とを1対1の関係で接続する複数の単管状の独立排気管を有し、前記複数の独立排気管にそれぞれ前記二次空気導入部が設けられ、前記二次空気導入部は、排気ガスが内部を通過する第1管部と、第1管部の外周を取り囲むように配置された第2管部と、前記第1管部と前記第2管部との間に形成された環状隙間に空気を取り込むための取込部とを有し、前記第1管部の下流端部は、前記第2管部の内周面から前記環状隙間の分だけ隔てた位置において前記第2管部の内部に開放された開放端とされ、前記第1管部の下流端部の流路面積は、当該下流端部よりも上流側を流れる排気ガス通路の流路面積に比べて小さい値に設定され、前記第1管部の下流端部から下流側に所定距離離れた前記タービンハウジングの内部に前記タービンが配置され、前記連通路は、前記吸気通路から延びる共通連通管と、共通連通管の下流端から分岐して前記各二次空気導入部に接続される複数の独立連通管とを有し、前記各独立連通管には、前記各二次空気導入部から前記吸気通路への空気の逆流を防止する逆止弁がそれぞれ設けられている、ことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、いわば二重管構造をなすように配置された第1管部および第2管部を含む二次空気導入部が排気通路に設けられるとともに、これら第1管部および第2管部の間に形成された環状隙間に空気が導入されるので、二次空気導入部よりも下流側の排気通路において、導入された空気が排気ガスの周囲を取り囲むように分布する状態、つまり径方向に層状化されたガス分布が得られる。排気ガスの周囲を取り囲む空気は、高温の排気ガスの熱が排気通路の壁面へと逃げるのを抑制する断熱材として機能するので、排気ガスがタービンに到達するまでの間、排気ガスの温度は十分な高温に維持される。このため、排気ガスとその外周の空気とがタービンに導入されたときには、このタービンの回転による撹拌に伴い、排気ガス中の未燃成分と空気中の酸素とが高温環境下で確実に反応し、排気ガスの温度が十分に上昇する。これにより、排気ガスからタービンに入力されるエネルギーが増大するので、タービンの駆動力を十分に高めることができる。
また、第1管部の下流端部の流路面積が、当該下流端部よりも上流側を流れる排気ガス通路の流路面積に比べて小さい値に設定されるので、第1管部を通過した後の排気ガスの流速が第1管部を通過する前の流速よりも速くなる。このような排気ガスの高速化は、いわゆるエゼクタ効果を生じさせ、上述した環状隙間の圧力を負圧化させる。これにより、例えばエアポンプ等を用いて空気を圧送しなくても、外部から取込部に供給される空気を自然に環状隙間に取り込むことができる。
しかも、エゼクタ効果を利用する構成であるため、排気行程の開始から終了までの間に第1管部を通過する排気ガスの流速(流量)が変化しても、その変化に追従するように空気の導入量も自然に調節されて、排気ガスと空気との割合が略一定に維持される。例えば、排気行程の開始直後では、非常に高速の排気ガスが第1管部を通過するので、エゼクタ効果により生成される負圧が強くなる結果、第1管部と第2管部との間の環状隙間に導入される空気の量も増大する。一方、排気行程がある程度進行すると、第1管部を通過する排気ガスの流速も低下するので、エゼクタ効果により生成される負圧が弱くなる結果、環状隙間に導入される空気の量も減少する。このように、本発明では、排気ガスの流速(流量)に応じて空気の導入量が自然に調節されるので、二次空気導入部からタービンへと至る排気ガスの流れ方向のいずれの位置においても、排気ガスと空気との割合が略一定に維持される。これにより、排気行程中に排出された排気ガスがタービンを通過する間、排気ガス中の未燃成分を酸化させる作用が安定的に発揮されるので、その酸化作用により排気ガスの温度を平均的に十分に上昇させることができ、タービンの駆動力を効果的に増大させることができる。
さらに、排気通路が複数の気筒に連通する複数の独立排気管を有するものとされ、各独立排気管内のいずれにおいてもいわゆる排気干渉が生じないように形成されるので、各気筒から排出された排気ガスが十分な速度を保ちつつ各独立排気管の内部を流通する。このため、各独立排気管に設けられた二次空気導入部においてエゼクタ効果が効率よく発揮され、十分な量の空気が各独立排気管に導入される。これにより、排気ガスがタービンを通過するときにその排気ガス中の未燃成分の酸化反応が十分に進行するので、当該酸化反応による排気ガスの高温化を効率よく達成することができる。
好ましくは、前記排気ガスを浄化するための触媒を含む触媒装置が前記タービンよりさらに下流側の排気通路に配置される(請求項2)。
この構成によれば、前記のように未燃成分の酸化に伴い高温化された排気ガスを利用して触媒装置内の触媒を迅速に活性化することができる。例えば、触媒装置内の触媒の温度が所定値未満となるエンジンの冷間時は、触媒を迅速に昇温させて活性化することが求められるが、その一方で、燃料の気化率の低下によって、未燃のまま排気通路に排出される燃料が増加する。そこで、このように排気ガス中の未燃成分が多くなるエンジンの冷間時に、二次空気導入部から導入される空気を利用して未燃成分を酸化させるようにすれば、排気ガスの温度を十分に上昇させることができ、触媒の活性化を効果的に促進することができる。
より好ましくは、前記二次空気導入部の取込部に空気を供給するのを許容または停止する切替弁が前記共通連通管に設けられ、前記切替弁は、前記触媒の温度が所定値未満となるエンジンの冷間時に少なくとも開弁される(請求項3)。
この構成によれば、触媒の温度が低く排気ガスの高温化が要求される条件でのみ排気通路内に空気を導入することができる。言い換えると、不必要時には排気通路への空気の導入を停止できるので、排気ガスが無用に高温化されるのを回避でき、タービンよりも下流側の排気通路に設けられる部品群の信頼性を向上させることができる。
前記のように共通連通管に切替弁が設けられる場合、この切替弁は、エンジンの負荷が高くかつ回転速度が低い運転条件のときに少なくとも開弁されるものであってもよい(請求項4)。
この構成によれば、低速・高負荷運転時におけるエンジンの出力トルクを増大させることができ、車両の加速性能を向上させることができる。
以上説明したように、本発明のターボ過給エンジンの排気装置によれば、タービン上流の排気通路に導入される空気により排気ガス中の未燃成分を安定的に酸化させることができ、タービンの駆動力を十分に高めることができる。
本発明の排気装置が適用されたターボ過給エンジンの好ましい実施形態を示す概略システム図である。 上記エンジンのエンジン本体を示す概略断面図である。 ターボ過給機およびその周辺部品の構造を示す図1の一部拡大図である。 二次空気導入部の詳細構造を説明するための断面図である。 上記二次空気導入部による作用を説明するための図である。 排気ガスの流量と上記二次空気導入部からの空気の導入量との関係を時系列で示すグラフである。 本発明の他の実施形態を説明するための図である。
(1)全体構成
図1は、本発明の排気装置が適用されたターボ過給エンジンの好ましい実施形態を示す概略システム図であり、図2は、当該エンジンのエンジン本体1を示す概略断面図である。本図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載された4サイクルのガソリンエンジンであり、エンジン本体1と、エンジン本体1に導入される吸気が流通する吸気通路20と、エンジン本体1から排出される排気ガスが流通する排気通路30と、排気通路30内に外部から空気を導入する二次空気システム40と、排気ガスのエネルギーにより駆動されて吸気を過給するターボ過給機60とを備えている。
エンジン本体1は、回転軸Xの周りを回転する2つのロータ2を有した2ロータタイプのロータリエンジンである。なお、以下では、回転軸Xと平行な方向を前後方向と称し、このうち回転軸Xの一方側(図1の左側)を前側、回転軸Xの他方側(図1の右側)を後側とする。
具体的に、エンジン本体1は、上述した2つのロータ2と、各ロータ2を内部に収容する2つのロータハウジング3と、両ロータハウジング3の間に設けられたインターミディエイトハウジング4と、これらロータハウジング3およびインターミディエイトハウジング4を前後から挟むように取り付けられた2つのサイドハウジング5とを有している。
前側のサイドハウジング5と前側のロータハウジング3とインターミディエイトハウジング4とによって、前側のロータ2を収容するロータ収容室7が形成されている。同様に、後側のサイドハウジング5と後側のロータハウジング3とインターミディエイトハウジング4とによって、後側のロータ2を収容するロータ収容室7が形成されている。なお、ロータ収容室7は請求項にいう「気筒」に相当する。言い換えると、当実施形態のエンジンは、2つの気筒を備えた2気筒エンジンである。
各ロータハウジング3の内周面(各ロータ収容室7の周面)は、前後方向視(図2)において、2ノードのペリトロコイド曲線に沿うように形成されている。以下では、このロータハウジング3の内周面をトロコイド内周面3aという。トロコイド内周面3aにより囲まれたロータ収容室7は、前後方向視で繭に近似した略楕円状の空間とされる。
インターミディエイトハウジング4は、2つのロータ収容室7を前後方向に隔てる隔壁として機能する。前側のサイドハウジング5は、前側のロータ収容室7の前面を塞ぐように前側のロータハウジング3に取り付けられ、後側のサイドハウジング5は、後側のロータ収容室7の後面を塞ぐように後側のロータハウジング3に取り付けられている。
ロータ2は、前後方向視で略三角形をなすブロック体であり、ロータハウジング3と略同一の厚みを有しかつその内周面(トロコイド内周面3a)と内接するように形成されている。ロータ2は、その外周面として、上記三角形の各辺に対応する3つのフランク面2aを有し、各フランク面2aは、径方向外側に凸となるように膨出した曲面状に形成されている。
ロータ2は、上記三角形の各頂点に対応する位置に、それぞれ図示しないアペックスシールを有している。アペックスシールは、ロータハウジング3のトロコイド内周面3aに摺接するように取り付けられている。ロータ収容室7の内部には、ロータ2の各フランク面2aとトロコイド内周面3aとにより画成された3つの作動室8が形成される。
ロータ2の側面(前面および後面)には環状のオイルシール18が取り付けられている。オイルシール18は、余分な潤滑オイルが作動室8内に流入するのを防止するものである。
エンジン本体1は、ロータ2の回転軸Xに沿って設けられたエキセントリックシャフト6を有している。エキセントリックシャフト6は、インターミディエイトハウジング4および前後のサイドハウジング5をそれぞれ貫通するように前後方向に延びており、ロータ2の位置に対応する前後2箇所に偏心状に拡径した偏心部6aを有している。ロータ2の中心部には円形状の孔が形成されており、その孔には図略のロータベアリングを介して偏心部6aが嵌合されている。
ロータ2は、エキセントリックシャフト6に対して遊星回転運動するように支持されている。すなわち、ロータ2は、エキセントリックシャフト6の偏心部6aの周りを自転しつつ、回転軸Xの周りに自転と同方向に公転するように支持されている(この自転および公転を含め、広い意味で単にロータの回転という)。ロータ2が回転すると、これに伴い3つの作動室8が同時に周方向に移動して、各作動室8にて吸気、圧縮、膨張(燃焼)、および排気の各行程が順次行われる。各作動室8での燃焼により生じる回転力は、ロータ2を介してエキセントリックシャフト6から出力される。
ロータ2の内周面には図略のインターナルギヤが形成されており、このインターナルギヤと噛み合う外歯車を構成するステーショナリギヤ(固定ギヤ)がサイドハウジング5に取り付けられている。これらインターナルギヤとステーショナリギヤとは、ロータ2が1回転する間にエキセントリックシャフト6が3回転するようなギヤ比で組み合わされている。
当実施形態の場合、ロータ2は図2における時計回り(矢印の方向)に回転する。回転軸Xを通るロータ収容室7の長軸Yを挟んで分けられるロータ収容室7の右側が概ね吸気行程および排気行程の領域となり、左側が概ね圧縮行程および膨張行程の領域となっている。
インターミディエイトハウジング4には、前側のロータ収容室7に連通する吸気ポート10が形成されており、後側のサイドハウジング5には、後側のロータ収容室7に連通する吸気ポート10が形成されている。これら吸気ポート10,10は、それぞれ吸気行程にある作動室8に開口する位置に形成されている。すなわち、吸気ポート10は吸気行程中に開放され、この開放された吸気ポート10を通じて、吸気通路20から供給された空気(新気)が作動室8に導入される。
エンジン本体1には、ガソリンを主成分とする燃料を吸気ポート10に噴射するインジェクタ15が各ロータ2に1つずつ設けられている。前側のロータ2用のインジェクタ15は、対応する吸気ポート10に臨む状態でインターミディエイトハウジング4に取り付けられ(図2)、後側のロータ2用のインジェクタ15は、対応する吸気ポート10に臨む状態で後側のサイドハウジング5に取り付けられている(図示省略)。
前側のサイドハウジング5には、前側のロータ収容室7に連通する排気ポート11が形成されており、インターミディエイトハウジング4には、後側のロータ収容室7に連通する排気ポート11が形成されている。これら排気ポート11,11は、それぞれ排気行程にある作動室8に開口する位置に形成されている。すなわち、排気ポート11は排気行程中に開放され、この開放された排気ポート11を通じて、作動室8内の排気ガスが排気通路30に排出される。
エンジン本体1には、混合気に点火する点火プラグ16,17が各ロータ2に2つずつ設けられている。前側のロータ2および後側のロータ2用の各点火プラグ16,17は、圧縮行程が終了した(圧縮行程から膨張行程に切り替わる)状態の作動室8に臨む状態で、対応するロータハウジング3にそれぞれ取り付けられている。点火プラグ16,17は、ロータ収容室7の短軸Zを挟んだロータ回転方向のトレーリング側(遅れ側)とリーディング側(進み側)とにそれぞれ配置されており、作動室8内の混合気に対し同時に、または所定の位相差を持って点火を行う。
以上のようなエンジン本体1の燃焼サイクルは、次のようにして進行する。まず、図2における右下の作動室8は吸気行程にあり、この作動室8では、吸気ポート10から導入された吸気とインジェクタ15から噴射された燃料とが混合されて混合気が形成される。ロータ2の回転に伴って作動室8が左下の領域に移動すると、その作動室8内の混合気が圧縮され、圧縮行程が行われる。ロータ2がさらに回転すると、図2の左側の作動室8のように、圧縮行程がほぼ終了した状態になり、その状態で点火プラグ16,17による点火が行われて、混合気の燃焼が開始される。その後、作動室8が左上の領域へと移動するとともに、作動室8内の燃焼ガスが膨張し、膨張行程が行われる。ロータ2がさらに回転し、作動室8が右上の領域に移行すると、その作動室8内の燃焼ガスが排気ポート11から排出され、排気行程が行われる。その後は再び吸気行程に戻り、以後、同じ動作が繰り返される。
吸気通路20は、単管状の共通吸気管21と、共通吸気管21の下流端から分岐した第1独立吸気管22および第2独立吸気管23とを有している。第1独立吸気管22の下流端部は、前側のロータ2用の吸気ポート10に連通するようにエンジン本体1(インターミディエイトハウジング4)に接続され、第2独立吸気管23の下流端部は、後側のロータ2用の吸気ポート10に連通するようにエンジン本体1(後側のサイドハウジング5)に接続されている。なお、本明細書において、吸気通路20における下流(または上流)とは、吸気通路20を流通する吸気の流れ方向の下流(または上流)のことをいう。
共通吸気管21には、吸気中に含まれる異物を除去するエアクリーナ24と、ターボ過給機60により過給された吸気を冷却するインタークーラ25と、吸気通路20を流通する吸気の流量を調整する開閉可能なスロットル弁26とが、上流側からこの順に設けられている。
排気通路30は、単管状の共通排気管33と、共通排気管33の上流端から分岐する第1独立排気管31および第2独立排気管32とを有している。第1独立排気管31の上流端部は、前側のロータ2用の排気ポート11に連通するようにエンジン本体1(前側のサイドハウジング5)に接続され、第2独立排気管32の上流端部は、後側のロータ2用の排気ポート11に連通するようにエンジン本体1(インターミディエイトハウジング4)に接続されている。なお、本明細書において、排気通路30における上流(または下流)とは、排気通路30を流通する排気ガスの流れ方向の上流(または下流)のことをいう。
共通排気管33には触媒装置34が設けられている。触媒装置34には、排気ガス中の有害成分を浄化するための触媒(例えば三元触媒)が内蔵されている。
排気通路30には、第1・第2独立排気管31,32の内部にそれぞれ外部から空気を導入するための2つの二次空気導入部41が設けられている。各二次空気導入部41は、二次空気システム40の一部を構成する要素であるが、その詳細については後述する。
図3は、ターボ過給機60およびその周辺部品を拡大して示す図である。この図3および先の図1に示すように、ターボ過給機60は、排気通路30に設けられたタービン61と、吸気通路20に設けられたコンプレッサ62と、タービン61とコンプレッサ62とを連結する連結軸63と、タービン61を収容するタービンハウジング64と、コンプレッサ62を収容するコンプレッサハウジング65とを有している。
タービン61は、排気通路30を流通する排気ガスのエネルギーを受けて回転し、連結軸63を介してコンプレッサ62を回転させる。コンプレッサ62は、タービン61と連動して回転することにより、吸気通路20を流通する吸気を圧縮する。
コンプレッサハウジング65は、共通吸気管21の途中部、詳しくは、エアクリーナ24とインタークーラ25との間に位置する部分の共通吸気管21に介設されている。
タービンハウジング64は、第1独立排気管31および第2独立排気管32の各下流端部と共通排気管33との間に介設されている。第1・第2独立排気管31,32からタービンハウジング64に導入された排気ガスは、いずれもタービン61を通過した後に共通排気管33に導出される。
タービンハウジング64は、いわゆるツインスクロール型のものであり、第1スクロール部64aおよび第2スクロール部64bをその内部に有している。両スクロール部64a,64bは、タービン61の周囲の空間をタービン61の軸方向に2分割する仕切壁Sによって仕切られている。第1スクロール部64aは第1独立排気管31と連通し、第2スクロール部64bは第2独立排気管32と連通している。これにより、第1独立排気管31からの排気ガスが第1スクロール部64aを介してタービン61に導入されるとともに、第2独立排気管32からの排気ガスが第2スクロール部64bを介してタービン61に導入されるようになっている。
タービンハウジング64には、タービン61の上流側の内部通路(第1・第2スクロール部64a,64b)とタービン61の下流側の内部通路とを連通するバイパス通路71が設けられている。バイパス通路71には、過給圧が予め定められた上限値を超えないように開閉制御されるウェストゲート弁72が設けられている。なお、図1では第1スクロール部64aのみにバイパス通路71が連通しているように図示されているが、バイパス通路71は第1スクロール部64aだけでなく第2スクロール部64bにも連通している。
(2)二次空気システムの構成
図1に示すように、二次空気システム40は、第1・第2独立排気管31,32内に空気を導入するための上述した2つの二次空気導入部41と、各二次空気導入部41と吸気通路20とを連通する連通路42とを有している。
連通路42は、吸気通路20の共通吸気管21から分岐して延びる共通連通管55と、共通連通管55の下流端から分岐した第1独立連通管56および第2独立連通管57とを有している。
共通連通管55の上流端部は、コンプレッサ62よりも下流側(コンプレッサ62とインタークーラ25との間)に位置する部分の共通吸気管21に接続されている。第1独立連通管56の下流端部は、第1独立排気管31用の二次空気導入部41に接続されている。第2独立連通管57の下流端部は、第2独立排気管32用の二次空気導入部41に接続されている。
共通連通管55には、吸気通路20から二次空気導入部41へと流れる空気の流れを許容または停止するための切替弁58が設けられている。また、第1独立連通管56および第2独立連通管57には、切替弁58の開弁時に二次空気導入部41から吸気通路20へと空気が逆流するのを防止するための逆止弁59がそれぞれ設けられている。
切替弁58は、触媒装置34内の触媒の温度が所定値未満となるエンジンの冷間時に開弁され、それ以外の条件では閉弁される。エンジンの冷間時に切替弁58が開弁されると、吸気通路20(共通吸気管21)を流通する空気の一部が連通路42へと分流して二次空気導入部41に供給され、排気通路30(第1独立排気管31または第2独立排気管32)の内部に導入される。導入された空気は、排気ガス中の未燃成分(HC等)を酸化させるために利用される。
第1独立排気管31用の二次空気導入部41と、第2独立排気管32用の二次空気導入部41とは、いずれも同一の構造を有しており、その詳細は図4に示すとおりである。本図に示すように、各二次空気導入部41は、排気ポート11から排出された排気ガスが内部を通過する第1管部51と、第1管部51の外周面を取り囲むように配置された第2管部52と、第1管部51と第2管部52との間に形成された環状隙間Pに空気を取り込むための取込部53とを有している。
第1管部51は、第1独立排気管31とエンジン本体1との間、もしくは第2独立排気管32とエンジン本体1との間において、各ロータ2用の排気ポート11と直接連通するように設けられている。具体的に、第1独立排気管31とエンジン本体1との間に位置する第1管部51は、前側のロータ2用の排気ポート11に連通するように前側のサイドハウジング5に結合されており、第2独立排気管32とエンジン本体1との間に位置する第1管部51は、後側のロータ2用の排気ポート11に連通するようにインターミディエイトハウジング4に結合されている。
第1管部51は、エンジン本体1(サイドハウジング5またはインターミディエイトハウジング4)に固定される環状のフランジ部51bと、フランジ部51bの内周端から下流側に向けて延びる本体部51aとを有している。本体部51aの下流端部は、第2管部52の内周面から環状隙間Pの分だけ隔てた位置において第2管部52の内部に開放された開放端とされている。
本体部51aは、その上流側の一部分が、下流側ほど流路面積が小さくなるような絞り形状とされている。このため、本体部51aの下流端部の流路面積、つまり第1管部51の出口面積A2は、本体部51aの上流側部分の流路面積よりも小さい。また、排気ポート11の下流端部の流路面積、つまり排気ポート11の出口面積A1は、本体部51aの上流端部の流路面積とほぼ同一とされ、第1管部51の出口面積A2よりも大きい。言い換えると、第1管部51の出口面積A2は、第1管部51の上流側部分の流路面積および排気ポート11の出口面積A1のいずれよりも小さい値に設定されている。排気ポート11から第1管部51に導入された排気ガスは、このような形状の第1管部51を通過することにより、排気ポート11を通過していた時点よりも流速が高められた状態で第1管部51から排出されることになる。
第2管部52は、第1管部51の本体部51aの外径よりも大きい内径を有するストレート管状の本体部52aと、本体部52aの下流端部に形成された環状のフランジ部52bとを有している。第2管部52は、第1独立排気管31または第2独立排気管32の上流側に同軸状に配置された状態で、第1独立排気管31または第2独立排気管32の上流端部にフランジ部52bを介して結合されている。また、この状態で、第2管部52は、その本体部52aの上流側の一部が第1管部51の本体部51aの外周面を取り囲むように配置されている。これにより、第1管部51(本体部51a)の外周面と第2管部52の内周面との間に、断面視で円環状の環状隙間Pが形成されるようになっている。なお、環状隙間Pの径方向寸法が全周に亘って略同一となるように、第2管部52と第1管部51とは両者の中心軸が略一致する状態で配置される。
取込部53は、環状隙間Pに導入される空気の入口部として第2管部52の外周壁に突設された筒状の突起である。この取込部53には、第1独立連通管56または第2独立連通管57の下流端部が接続される。第1独立連通管56または第2独立連通管57から供給された空気は、取込部53を貫通する貫通孔を通じて環状隙間Pに導入される。
(3)作用効果等
以上説明したように、当実施形態では、ターボ過給機60のタービン61よりも上流側に位置する第1独立排気管31および第2独立排気管32にそれぞれ二次空気導入部41が設けられ、各二次空気導入部41は、排気ガスが内部を通過する第1管部51と、第1管部51の外周を取り囲むように配置された第2管部52と、第1管部51と第2管部52との間に形成された環状隙間Pに空気を取り込むための取込部53とを有している。第1管部51の下流端部は、第2管部52の内周面から環状隙間Pの分だけ隔てた位置において第2管部52の内部に開放された開放端とされ、第1管部51の出口面積A2は、第1管部51の上流側部分の流路面積および排気ポート11の出口面積A1(言い換えると第1管部51の下流端部よりも上流側を流れる排気ガス通路の流路面積)に比べて小さい値に設定されている。このような構成によれば、タービン61を流れる排気ガス中の未燃成分を安定的に酸化させ、それによってタービン61の駆動力を十分に高めることができるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、いわば二重管構造をなすように配置された第1管部51および第2管部52の間(環状隙間P)に取込部53を介して空気が導入されるので、例えば図5に示すように、二次空気導入部41よりも下流側の排気通路30(第1独立排気管31または第2独立排気管32)において、導入された空気が排気ガスの周囲を取り囲むように分布する状態、つまり径方向に層状化されたガス分布が得られる。排気ガスの周囲を取り囲む空気は、高温の排気ガスの熱が排気通路30の壁面へと逃げるのを抑制する断熱材として機能するので、排気ガスがタービン61に到達するまでの間、排気ガスの温度は十分な高温に維持される。このため、排気ガスとその外周の空気とがタービン61に導入されたときには、このタービン61の回転による撹拌に伴い、排気ガス中の未燃成分と空気中の酸素とが確実に反応し、排気ガスの温度が十分に上昇する。これにより、排気ガスからタービン61に入力されるエネルギーが増大するので、タービン61の駆動力を十分に高めることができる。
また、第1管部51の出口面積A2が排気ポート11の出口面積A1に比べて小さい値に設定されるので、第1管部51を通過した後の排気ガスの流速が第1管部51を通過する前の流速よりも速くなる。このような排気ガスの高速化は、いわゆるエゼクタ効果を生じさせ、上述した環状隙間Pの圧力を負圧化させる。これにより、例えばエアポンプ等を用いて空気を圧送しなくても、吸気通路20から分流した空気(連通路42内の空気)を取込部53を介して自然に環状隙間Pに取り込むことができる。
しかも、エゼクタ効果を利用する構成であるため、排気行程の開始から終了までの間に第1管部51を通過する排気ガスの流速(流量)が変化しても、その変化に追従するように空気の導入量も自然に調節されて、排気ガスと空気との割合が略一定に維持される。
このことを図6を用いて説明する。図6は、二次空気導入部41を通過する排気ガスの流量と二次空気導入部41から導入される空気の導入量とを時系列で示すグラフである。本グラフの横軸に記載のエキセン角(EA)とは、エキセントリックシャフト6の回転角度のことである。ロータリエンジンでは、各ロータ収容室7において270°EAごとに排気ポート11が開口するので、各独立排気通路31,32に設けられた二次空気導入部41において、排気ガスの流量および空気の導入量は270°EAを1サイクルとして変化する。
図6に示すように、排気ポート11が開放された直後(排気行程の開始直後)は、排気ポート11から二次空気導入部41へと勢いよく排気ガスが排出されるので、第1管部51を通過する排気ガスの流速(流量)が急上昇するとともに、エゼクタ効果により環状隙間Pに生じる負圧が強くなる。これにより、環状隙間Pに導入される空気の量が、排気ガスの流量に追従するように増大する。一方、排気行程がある程度進行すると、第1管部51を通過する排気ガスの流速も低下するので、エゼクタ効果により生成される負圧が弱くなる結果、環状隙間Pに導入される空気の量も減少する。このように、上記実施形態では、排気ガスの流速(流量)に応じて空気の導入量が自然に調節されるので、二次空気導入部41からタービン61へと至る排気ガスの流れ方向のいずれの位置においても、排気ガスと空気との割合が略一定に維持される。これにより、排気行程中に排出された排気ガスがタービン61を通過する間、排気ガス中の未燃成分を酸化させる作用が安定的に発揮されるので、その酸化作用により排気ガスの温度を平均的に十分に上昇させることができ、タービン61の駆動力を効果的に増大させることができる。
また、上記実施形態では、タービン61の下流側に触媒装置34が配置されるので、上記のように未燃成分の酸化に伴い高温化された排気ガスを利用して触媒装置34内の触媒を迅速に活性化することができる。例えば、触媒装置34内の触媒の温度が所定値未満となるエンジンの冷間時は、触媒を迅速に昇温させて活性化することが求められるが、その一方で、ロータ収容室7に噴射される燃料の気化率の低下によって、未燃のまま排気通路30に排出される燃料が増加する。そこで、このように排気ガス中の未燃成分が多くなるエンジンの冷間時に、二次空気導入部41から導入される空気を利用して未燃成分を酸化させるようにすれば、排気ガスの温度を十分に上昇させることができ、触媒の活性化を効果的に促進することができる。
特に、上記実施形態では、二次空気導入部41に供給される空気が流通する連通路42に切替弁58が設けられ、この切替弁58が、触媒装置34内の触媒の温度が所定値未満となるエンジンの冷間時にのみ開弁されるので、排気ガスの高温化が要求される条件でのみ排気通路30内に空気を導入することができる。言い換えると、不必要時には排気通路30への空気の導入を停止できるので、排気ガスが無用に高温化されるのを回避でき、タービン61よりも下流側の排気通路30に設けられる部品群の信頼性を向上させることができる。また、エンジンの冷間時以外は吸気通路20からの空気の分流が停止されるので、例えばエンジンの高負荷運転時にエンジン本体1に供給される空気の量が不足するのを防止することができる。
なお、上記実施形態では、触媒装置34内の触媒の温度が所定値未満となるエンジンの冷間時にのみ切替弁58を開弁して二次空気導入部41から排気通路30内に空気を導入するようにしたが、例えばエンジンの冷間時以外であっても、排気ガスの高温化もしくはそれによるタービン61の駆動力アップが求められることはあり得る。例えば、エンジンの負荷が高くかつ回転速度が低い運転条件のとき(低速・高負荷運転時)は、たとえウェストゲート弁72を全閉にしても十分なタービン61の駆動力が得られないことがある。そこで、このような条件のときに切替弁58を開弁することが考えられる。このようにすれば、二次空気導入部41から排気通路30内に導入された空気を利用して排気ガス中の未燃成分を酸化させることができ、高温化した排気ガスによりタービン61に十分な駆動力を付与することができる。これにより、低速・高負荷運転時におけるエンジンの出力トルクを増大させることができ、車両の加速性能を向上させることができる。なお、エンジンの高負荷時の空燃比は、一般に、理論空燃比よりもリッチなパワー空燃比(例えばA/F=12〜13程度)とされるので、排気ガス中の未燃成分は増加する傾向にある。このため、低速・高負荷運転時に上記のように切替弁58を開弁した場合には、二次空気導入部41から導入される空気を利用して比較的多量の未燃成分を酸化させることができ、排気ガスのエネルギーひいてはタービン61の駆動力を十分に増大させることができる。
また、上記実施形態では、第1・第2独立排気管31,32の上流端部にそれぞれ二次空気導入部41を設けたが、各独立排気管31,32の途中部に二次空気導入部41を設けてもよい。
(4)他の実施形態
上記実施形態では、本発明の排気装置をロータリエンジンに適用した例について説明したが、本発明はロータリエンジンだけでなくレシプロエンジンにも適用可能である。その一例を図7を用いて詳しく説明する。
図7は、直列4気筒型のレシプロエンジンに本発明を適用した変形実施例を示している。本図に示されるエンジンは、列状に並ぶ4つの気筒102A〜102Dを有するエンジン本体101と、各気筒102A〜102Dに供給される吸気が流通する吸気通路120と、各気筒102A〜102Dから排出される排気ガスが流通する排気通路130と、排気通路130内に外部から空気を導入する二次空気システム140と、排気ガスのエネルギーにより駆動されて吸気を過給するターボ過給機160とを備えている。
気筒102A〜102Dには、それぞれインジェクタおよび点火プラグ(いずれも図示省略)が設けられている。気筒102A〜102Dでは、インジェクタから噴射された燃料と吸気通路120から導入された空気との混合気が点火プラグによる点火に伴い燃焼する。気筒102A〜102Dには、それぞれピストン(図示省略)が摺動可能に収容されている。各ピストンは、上記燃焼による膨張力を受けて気筒102A〜102D内で往復運動し、その往復運動が回転運動に変換されて出力軸(クランク軸)から取り出される。
図7の左側から右側にかけて順に並ぶ気筒102A,102B,102C,102Dをそれぞれ第1気筒、第2気筒、第3気筒、第4気筒とすると、図7のエンジンでは、第1気筒102A→第3気筒102C→第4気筒102D→第2気筒102B、の順に点火(燃焼)が行われる。
吸気通路120は、単管状の共通吸気管121と、共通吸気管121の下流端が接続されたサージタンク122と、サージタンク122から分岐して各気筒102A〜102Dに連通する4本の独立吸気管123とを有している。
共通吸気管121には、エアクリーナ124、インタークーラ125、およびスロットル弁126が、上流側からこの順に設けられている。
排気通路130は、単管状の共通排気管133と、共通排気管133の上流端から分岐する第1独立排気管131および第2独立排気管132とを有している。
共通排気管133には触媒装置134が設けられている。
第1・第2独立排気管131,132は、それぞれ、上流側が二股状に分岐した分岐管とされている。すなわち、第1独立排気管131は、共通排気管133に連通する集合管部131cと、集合管部131cの上流端から分岐する2つの分岐管部131a,131bとを有している。同様に、第2独立排気管132は、共通排気管133に連通する集合管部132cと、集合管部132cの上流端から分岐する2つの分岐管部132a,132bとを有している。
第1独立排気管131は、その分岐管部131a,131bの各上流端が図外の排気ポートを介して第1気筒102Aおよび第4気筒102Dに連通するように、エンジン本体101に接続されている。また、第2独立排気管132は、その分岐管部132a,132bの各上流端が図外の排気ポートを介して第2気筒102Bおよび第3気筒102Cに連通するように、エンジン本体101に接続されている。第1独立排気管131に連通する第1気筒102Aおよび第4気筒102Dの組と、第2独立排気管132に連通する第2気筒102Bおよび第3気筒102Cの組とは、それぞれ、点火順序ひいては排気行程の順序(排気順序)が連続しない気筒の組合せとなっている。
ターボ過給機160は、タービン161、コンプレッサ162、および連結軸163を有している。タービン161は、第1独立排気管131および第2独立排気管132の各下流端部と共通排気管133との間に設けられ、コンプレッサ162は共通吸気管121の途中部に設けられている。
二次空気システム140は、第1独立排気管131および第2独立排気管132にそれぞれ設けられた2つの二次空気導入部141と、吸気通路120から分流された空気を各二次空気導入部141に供給するための連通路142とを有している。
二次空気導入部141は、第1独立排気管131の集合管部131cと、第2独立排気管132の集合管部132cとにそれぞれ設けられている。各二次空気導入部141の構造は上述した実施形態(図1〜図5)に示したものと同様であり、図4に示した第1管部51、第2管部52、および取込部53と同様の要素を有している。連通路142には切替弁158が設けられており、この切替弁158の開弁時に、吸気通路120から連通路142を通じて供給された空気が各二次空気導入部141を介して第1・第2独立排気管131,132の内部に導入されるようになっている。
以上説明した図7の変形実施例では、排気行程が重複しない気筒の組(第1・第4気筒102A,102Dの組、および第2・第3気筒102B,102Cの組)に連通する2つの独立排気管131,132にそれぞれ二次空気導入部141が設けられているので、各二次空気導入部141を介して十分な量の空気を排気ガス中に導入することができる。すなわち、第1気筒102Aからの排気ガスが第1独立排気管131を流れる期間(つまり第1気筒102Aの排気行程)と、第4気筒102Dからの排気ガスが第1独立排気管131を流れる期間(つまり第4気筒102Dの排気行程)とが重複しないため、第1独立排気管131の内部では、第1気筒102Aおよび第4気筒102Dから排出された排気ガスが互いに干渉を起こすことなく十分な速度を保ちつつ流通する。同様に、第2気筒102Bからの排気ガスが第2独立排気管132を流れる期間(つまり第2気筒102Bの排気行程)と、第3気筒102Cからの排気ガスが第2独立排気管132を流れる期間(つまり第3気筒102Cの排気行程)とが重複しないため、第2独立排気管132の内部では、第2気筒102Bおよび第3気筒102Cから排出された排気ガスが互いに干渉を起こすことなく十分な速度を保ちつつ流通する。このため、各独立排気管131,132に設けられた二次空気導入部141においてエゼクタ効果が効率よく発揮され、十分な量の空気が各独立排気管131,132に導入される。これにより、排気ガスがタービン161を通過するときにその排気ガス中の未燃成分の酸化反応が十分に進行するので、当該酸化反応による排気ガスの高温化を効率よく達成することができる。
1 エンジン本体
7 ロータ収容室(気筒)
8 作動室
30 排気通路
31 独立排気管
32 独立排気管
34 触媒装置
41 二次空気導入部
42 連通路
51 第1管部
52 第2管部
53 取込部
58 切替弁
60 ターボ過給機
61 タービン
101 エンジン本体
102A〜102D 気筒
130 排気通路
131 独立排気管
132 独立排気管
141 二次空気導入部
158 切替弁
160 ターボ過給機
161 タービン

Claims (4)

  1. 複数の気筒を含むエンジン本体と、エンジン本体に導入される吸気が流通する吸気通路と、エンジン本体から排出される排気ガスにより駆動されて吸気を過給するターボ過給機とを備えたターボ過給エンジンに適用される排気装置であって、
    前記排気ガスが流通する排気通路と、
    前記排気通路内に外部から空気を導入する二次空気導入部と、
    前記二次空気導入部と前記吸気通路とを連通する連通路とを備え、
    前記ターボ過給機は、前記排気ガスにより回転駆動されるタービンと、タービンを収容するタービンハウジングとを備え、
    前記タービンハウジングは、前記タービンの周囲に、仕切壁により仕切られた複数のスクロール部を有し、
    前記排気通路は、前記複数の気筒と前記複数のスクロール部とを1対1の関係で接続する複数の単管状の独立排気管を有し
    記複数の独立排気管にそれぞれ前記二次空気導入部が設けられ、
    前記二次空気導入部は、排気ガスが内部を通過する第1管部と、第1管部の外周を取り囲むように配置された第2管部と、前記第1管部と前記第2管部との間に形成された環状隙間に空気を取り込むための取込部とを有し、
    前記第1管部の下流端部は、前記第2管部の内周面から前記環状隙間の分だけ隔てた位置において前記第2管部の内部に開放された開放端とされ、
    前記第1管部の下流端部の流路面積は、当該下流端部よりも上流側を流れる排気ガス通路の流路面積に比べて小さい値に設定され、
    前記第1管部の下流端部から下流側に所定距離離れた前記タービンハウジングの内部に前記タービンが配置され、
    前記連通路は、前記吸気通路から延びる共通連通管と、共通連通管の下流端から分岐して前記各二次空気導入部に接続される複数の独立連通管とを有し、
    前記各独立連通管には、前記各二次空気導入部から前記吸気通路への空気の逆流を防止する逆止弁がそれぞれ設けられている、ことを特徴とするターボ過給エンジンの排気装置。
  2. 請求項1に記載のターボ過給エンジンの排気装置において、
    前記排気ガスを浄化するための触媒を含む触媒装置が前記タービンよりさらに下流側の排気通路に配置されている、ことを特徴とするターボ過給エンジンの排気装置。
  3. 請求項2に記載のターボ過給エンジンの排気装置において、
    前記二次空気導入部の取込部に空気を供給するのを許容または停止する切替弁が前記共通連通管に設けられ、
    前記切替弁は、前記触媒の温度が所定値未満となるエンジンの冷間時に少なくとも開弁される、ことを特徴とするターボ過給エンジンの排気装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のターボ過給エンジンの排気装置において、
    前記二次空気導入部の取込部に空気を供給するのを許容または停止する切替弁が前記共通連通管に設けられ、
    前記切替弁は、エンジンの負荷が高くかつ回転速度が低い運転条件のときに少なくとも開弁される、ことを特徴とするターボ過給エンジンの排気装置。
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