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JP6699011B2 - 脂肪酸サロゲートを含むリゾホスファチジルセリン誘導体 - Google Patents

脂肪酸サロゲートを含むリゾホスファチジルセリン誘導体 Download PDF

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JP6699011B2 JP2014139092A JP2014139092A JP6699011B2 JP 6699011 B2 JP6699011 B2 JP 6699011B2 JP 2014139092 A JP2014139092 A JP 2014139092A JP 2014139092 A JP2014139092 A JP 2014139092A JP 6699011 B2 JP6699011 B2 JP 6699011B2
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Description

発明の詳細な説明
本発明は、脂肪酸サロゲートを含むリゾホスファチジルセリン誘導体およびその塩、ならびに脂肪酸サロゲートに関する。より詳細には、リゾホスファチジルセリン受容体機能調節活性を有するリゾホスファチジルセリン誘導体およびその塩、ならびにこれら化合物の合成中間体として用いることができる脂肪酸サロゲートに関する。また本発明は、リゾホスファチジルセリン誘導体およびその塩を含む、医薬組成物またはリゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤にも関する。
リゾリン脂質はアシル基を1本有するリン脂質の総称である。リゾリン脂質は、細胞膜を構成するジアシルリン脂質に比べ疎水性が低下しており、容易に細胞膜から遊離することができるという性質を有している。いくつかのリゾリン脂質は、細胞間あるいは膜間のシグナル分子として機能し、生体内で重要な役割を持っていることが明らかとなっており、従来から、組織障害などの炎症反応が起こる際、生体膜のリン脂質が加水分解されリゾリン脂質が産生されることが知られている(特許文献1)。リゾリン脂質の一種であるリゾホスファチジルセリン(LysoPS)はマスト細胞の脱顆粒に起因する急性炎症に関与することが知られている(非特許文献1および2)。LysoPS受容体として、Gタンパク質共役受容体であるGPR34、P2Y10、A630033H20Rik、およびGPR174が同定され(非特許文献3)、このうち、GPR34、P2Y10、およびGPR174がLPS1、LPS2、およびLPS3と呼ばれている(非特許文献4)。このうちLPS1はマスト細胞の脱顆粒反応を誘導または増強するシグナル伝達に関与し、アレルギー性疾患および慢性炎症疾患の処置のための標的となりうるとの報告がされている(特許文献1および2)。また特定のリゾホスファチジルセリン誘導体(リゾホスファチジルスレオニン)がマスト細胞の脱顆粒反応を強力に促進することが知られている(特許文献3および4)。
また、自己免疫治療薬として有用な化合物のスクリーニング方法や、リゾホスファチジルセリンおよびその誘導体がスクリーニング方法により見出されたことが報告されている(特許文献5)。自己免疫疾患は、本来は異物に対する防御機構である免疫系が過剰に反応し、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで攻撃を加えてしまうことで症状を来す疾患の総称であり、全身にわたり影響が及ぶ全身性自己免疫疾患と、特定の臓器だけが影響を受ける臓器特異的疾患の2種類に大別される。自己免疫疾患は、一般的に慢性疾患、難治性疾患となることが多く、そのいくつかは厚生労働省特定疾患研究対象疾患に指定されている。自己免疫疾患の処置方法については多くの研究がなされており、例えば、炎症に関与するサイトカイン特異的抗体を用いた自己免疫疾患に起因する慢性炎症の処置方法(特許文献6)、および病原性自己抗体の中和による疾患の治療方法(特許文献7)などが報告されている。しかし、自己免疫疾患の原因は解明されていない点が多く、有効な治療法は多くの自己免疫疾患でまだ確立されていない。自己免疫疾患に対しては免疫系を抑制する薬剤や炎症を和らげる抗炎症薬(ステロイドまたは非ステロイド薬)などが第一選択剤として用いられている。
特開2007−267601号 WO2006/088246号 特開2007−284402号 特開2010−184867号 WO2012/157746号 特表2010−502183号 特表2009−505640号
Nature 第279巻、第250-252頁(1979年) J.C. FEBS Lett. 第105巻、第58-62頁(1979年) Journal of Health Science 第57巻、第2号、第115-128頁(2011年) Nature Methods、第9巻、第10号、第1021-1029頁(2012年)
本発明は、リゾホスファチジルセリン誘導体またはその塩、ならびにこれら化合物の合成中間体として用いることができる脂肪酸サロゲートを提供することを目的とする。また、本発明は、当該化合物またはその塩を含む、医薬組成物またはリゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を進めたところ、GPR34、P2Y10および/またはGPR174のアゴニスト活性を有する化合物またはその塩を見出し、リゾホスファチジルセリン受容体アゴニスト活性を有する化合物またはその塩に関する本発明を完成させた。また、リゾホスファチジルセリン等に含まれる脂肪酸構造の代替構造を鋭意探索したところ、鎖状脂肪鎖構造の一部を芳香環構造に置き換えることで受容体アゴニスト活性が増大することを見出し、脂肪酸サロゲートに関する本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下に示す、化合物、中間体(脂肪酸サロゲート)、医薬組成物、およびリゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤に関する。
(1)式(I):
Figure 0006699011
[式中:
1は、独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、ヒドロキシC1-6アルキル、C7-14アラルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、5〜10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5〜10員ヘテロアリール、C6-10アリールオキシ、5〜10員ヘテロアリールオキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、およびヒドロキシから選択され、
2およびR3は、独立して、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲン原子から選択され、
pは、0〜5であり、
qおよびrは、独立して、0〜4であり、
lおよびmは、独立して、0〜3であり;
nは、0〜5であり;
1およびZ2は、mが0または1の場合、いずれか一方が酸素原子で他方が直接結合であるか、いずれも直接結合であり、mが2または3の場合、Z1およびZ2は、独立して、酸素原子および直接結合からなる群より選択され;
3は、酸素原子、硫黄原子、−NR9−、−CO−、−SO2−、ジフルオロメチレン、および直接結合からなる群より選択され、ここで、R9は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
4は、水素原子、C1-6アルキル、C7-14アラルキル、またはC1-6アルコキシC1-6アルキルであり;
5は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
6およびR7は、独立して、水素原子、C1-6アルキル、C7-14アラルキル、ホルミル、C1-6アルキルカルボニル、C6-10アリールカルボニル、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、およびC7-14アラルキルオキシカルボニルからなる群より選択され;
8は、水素原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、またはC7-14アラルキルであり;
X−A−Yは、
Figure 0006699011
からなる群から選択される1つの基であり、
ここで、R10およびR11は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1以上のR12によって置換されていてもよいC1-6アルキル、ヒドロキシ、またはC1-6アルコキシであって、R12は、ヒロドキシ、C1-6アルコキシ、C3-10シクロアルキルオキシ、5〜10員ヘテロシクリルオキシ、C7-14アラルキルオキシ、C6-10アリールオキシ、および5〜10員ヘテロアリールオキシから選択され、sは、1〜5であり、XおよびYは、独立して、CH2または直接結合であり;
Bは、酸素原子または−NR13−であり、ここで、R13は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
1、Q2およびQ3のいずれか1つは炭素原子または窒素原子であり、残りの2つは炭素原子である]
により示される化合物、またはその塩。
(2)式(II):
Figure 0006699011
[式中:
1は、独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、ヒドロキシC1-6アルキル、C7-14アラルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、5〜10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5〜10員ヘテロアリール、C6-10アリールオキシ、5〜10員ヘテロアリールオキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、およびヒドロキシから選択され、
3は、独立して、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲン原子から選択され、
pは、0〜5であり、
rは、0〜4であり、
mは、3〜15であり;
nは、0〜5であり;
1およびZ2は、独立して、酸素原子および直接結合からなる群より選択され;
4は、水素原子、C1-6アルキル、C7-14アラルキル、またはC1-6アルコキシC1-6アルキルであり;
5は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
6およびR7は、独立して、水素原子、C1-6アルキル、C7-14アラルキル、ホルミル、C1-6アルキルカルボニル、C6-10アリールカルボニル、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、およびC7-14アラルキルオキシカルボニルからなる群より選択され;
8は、水素原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、またはC7-14アラルキルであり;
X−A−Yは、
Figure 0006699011
からなる群から選択される1つの基であり、
ここで、R10およびR11は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1以上のR12によって置換されていてもよいC1-6アルキル、ヒドロキシ、またはC1-6アルコキシであって、R12は、ヒロドキシ、C1-6アルコキシ、C3-10シクロアルキルオキシ、5〜10員ヘテロシクリルオキシ、C7-14アラルキルオキシ、C6-10アリールオキシ、および5〜10員ヘテロアリールオキシから選択され、sは、1〜5であり、XおよびYは、独立して、CH2または直接結合であり;
Bは、酸素原子または−NR13−であり、ここで、R13は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
1、Q2およびQ3のいずれか1つは炭素原子または窒素原子であり、残りの2つは炭素原子である]
により示される化合物、またはその塩。
(3)式(III):
Figure 0006699011
[式中:
1は、独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、ヒドロキシC1-6アルキル、C7-14アラルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、5〜10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5〜10員ヘテロアリール、C6-10アリールオキシ、5〜10員ヘテロアリールオキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、およびヒドロキシから選択され;
3は、独立して、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲン原子から選択され;
pおよびrは、独立して、0〜4であり;
mは、独立して、0〜3であり;
nは、0〜5であり;
1およびZ2は、mが0または1の場合、いずれか一方が酸素原子で他方が直接結合であるか、いずれも直接結合であり、mが2または3の場合、Z1およびZ2は、独立して、酸素原子および直接結合からなる群より選択され;
3は、酸素原子、硫黄原子、−NR9−、−CO−、−SO2−、ジフルオロメチレン、および直接結合からなる群より選択され、ここで、R9は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
4は、水素原子、C1-6アルキル、C7-14アラルキル、またはC1-6アルコキシC1-6アルキルであり;
5は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
6およびR7は、独立して、水素原子、C1-6アルキル、C7-14アラルキル、ホルミル、C1-6アルキルカルボニル、C6-10アリールカルボニル、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、およびC7-14アラルキルオキシカルボニルからなる群より選択され;
8は、水素原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、またはC7-14アラルキルであり;
X−A−Yは、
Figure 0006699011
からなる群から選択される1つの基であり、
ここで、R10およびR11は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1以上のR12によって置換されていてもよいC1-6アルキル、ヒドロキシ、またはC1-6アルコキシであって、R12は、ヒロドキシ、C1-6アルコキシ、C3-10シクロアルキルオキシ、5〜10員ヘテロシクリルオキシ、C7-14アラルキルオキシ、C6-10アリールオキシ、および5〜10員ヘテロアリールオキシから選択され、sは、1〜5であり、XおよびYは、独立して、CH2または直接結合であり;
Bは、酸素原子または−NR13−であり、ここで、R13は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
1、Q2およびQ3のいずれか1つは炭素原子または窒素原子であり、残りの2つは炭素原子であり;
15は、C3-15アルキル、C3-10シクロアルキル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択される]
により示される化合物、またはその塩。
(4)pが1〜3である、(1)〜(3)のいずれかに記載の化合物、またはその塩。
(5)R1が、独立して、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C6-10アリール、C6-10アリールオキシ、およびハロゲン原子から選択される、(1)〜(4)のいずれかに記載の化合物、またはその塩。
(6)Z3(CH2lが、酸素原子、−NH−、−CH2−、−OCH2−、および直接結合からなる群より選択される、(1)、(4)、(5)のいずれかに記載の化合物、またはその塩。
(7)R5が、水素原子またはメチルである、(1)〜(6)のいずれかに記載の化合物、またはその塩。
(8)R4が、水素原子であり;
6およびR7が、水素原子であり;
8が、水素原子である;
(1)〜(7)のいずれかに記載の化合物、またはその塩。
(9)X−A−Yが、
Figure 0006699011
からなる群から選択される1つの基であり、
XおよびYは、独立して、CH2または直接結合である;
(1)〜(8)のいずれかに記載の化合物、またはその塩。
(10)式(IV):
Figure 0006699011
[式中:
1は、独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、ヒドロキシC1-6アルキル、C7-14アラルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、5〜10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5〜10員ヘテロアリール、シアノ、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、およびヒドロキシから選択され、
2およびR3は、独立して、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲン原子から選択され、
pは、0〜5であり、
qおよびrは、独立して、0〜4であり、
lおよびmは、独立して、0〜3であり;
nは、0〜5であり;
1およびZ2は、mが0または1の場合、いずれか一方が酸素原子で他方が直接結合であるか、いずれも直接結合であり、Z1およびZ2は、独立して、酸素原子および直接結合からなる群より選択され;
3は、酸素原子、硫黄原子、−NR9−、−CO−、−SO2−、ジフルオロメチレン、および直接結合からなる群より選択され、ここで、R9は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
1、Q2およびQ3のいずれか1つは炭素原子または窒素原子であり、残りの2つは炭素原子である]
により示される化合物、またはその塩。
(11)(1)〜(9)のいずれかに記載の化合物またはその塩を含み、自己免疫疾患を治療するための、医薬組成物。
(12)(1)〜(9)のいずれかに記載の化合物またはその塩を含み、GPR34、P2Y10、およびGPR174から選択されるいずれか1つ以上のリゾホスファチジルセリン受容体に作用する、リゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤。
(13)リゾホスファチジルセリン受容体アゴニスト活性を有する、(12)に記載のリゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤。
(14)式(Ia):
Figure 0006699011
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、X、Y、p、q、r、l、m、n、Z1、Z2、およびZ3は、上記(1)で定義したとおりであり、nは、好ましくは1〜3、より好ましくは2であり、mは、好ましくは0〜3、より好ましくは1であり、lは、好ましくは0〜3、より好ましくは0であり、Z1(CH2m2が、好ましくは−OCH2−または−CH2O−であり、Z3(CH2lが、好ましくは、酸素原子、−NH−、−CH2−、−OCH2−、および直接結合からなる群より選択される]
により示される、(1)に記載の化合物、またはその塩。
(15)式(Ib):
Figure 0006699011
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R10、p、q、r、l、m、n、Z1、Z2、およびZ3は、上記(1)で定義したとおりであり、nは、好ましくは1〜3、より好ましくは2であり、mは、好ましくは0〜3、より好ましくは1であり、lは、好ましくは0〜3、より好ましくは0であり、Z1(CH2m2が、好ましくは−OCH2−または−CH2O−であり、Z3(CH2lが、好ましくは、酸素原子、−NH−、−CH2−、−OCH2−、および直接結合からなる群より選択され、R10は、好ましくは1以上のR12によって置換されていてもよいC1-6アルキルであって、R12は、好ましくはヒロドキシ、C1-6アルコキシ、C3-10シクロアルキルオキシ、5〜10員ヘテロシクリルオキシ、C7-14アラルキルオキシ、C6-10アリールオキシ、および5〜10員ヘテロアリールオキシから選択される]
により示される、(1)に記載の化合物、またはその塩。
(16)式(Ic):
Figure 0006699011
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R11、p、q、r、l、m、n、Z1、Z2、およびZ3は、上記(1)で定義したとおりであり、nは、好ましくは1〜3、より好ましくは2であり、mは、好ましくは0〜3、より好ましくは1であり、lは、好ましくは0〜3、より好ましくは0であり、Z1(CH2m2が、好ましくは−OCH2−または−CH2O−であり、Z3(CH2lが、好ましくは、酸素原子、−NH−、−CH2−、−OCH2−、および直接結合からなる群より選択される、R11は、好ましくはヒドロキシ、またはC1-6アルコキシである]
により示される、(1)に記載の化合物、またはその塩。
(17)式(Id):
Figure 0006699011
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、p、q、r、l、m、n、Z1、Z2、およびZ3は、上記(1)で定義したとおりであり、nは、好ましくは1〜3、より好ましくは2であり、mは、好ましくは0〜3、より好ましくは1であり、lは、好ましくは0〜3、より好ましくは0であり、Z1(CH2m2が、好ましくは−OCH2−または−CH2O−であり、Z3(CH2lが、好ましくは、酸素原子、−NH−、−CH2−、−OCH2−、および直接結合からなる群より選択される]
により示される、(1)に記載の化合物、またはその塩。
(18)式(IIa):
Figure 0006699011
式中、R4、R5、R6、R7、R8、X、Y、n、およびmは、上記(2)で定義したとおりであり、nは、好ましくは1〜3、より好ましくは2であり、mは、好ましくは3〜15、より好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8、特に好ましくは4〜6である]
により示される、(2)に記載の化合物、またはその塩。
(19)式(IIb):
Figure 0006699011
式中、R4、R5、R6、R7、R8、R10、n、およびmは、上記(2)で定義したとおりであり、nは、好ましくは1〜3、より好ましくは2であり、mは、好ましくは3〜15、より好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8、特に好ましくは4〜6であり、R10は、好ましくは1以上のR12によって置換されていてもよいC1-6アルキルであって、R12は、ヒロドキシ、C1-6アルコキシ、C3-10シクロアルキルオキシ、5〜10員ヘテロシクリルオキシ、C7-14アラルキルオキシ、C6-10アリールオキシ、および5〜10員ヘテロアリールオキシから選択され、nは、好ましくは1〜3、より好ましくは2であり、mは、好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは4〜6である]
により示される、(2)に記載の化合物、またはその塩。
(20)式(IIc):
Figure 0006699011
式中、R4、R5、R6、R7、R8、R11、n、およびmは、上記(2)で定義したとおりであり、nは、好ましくは1〜3、より好ましくは2であり、mは、好ましくは3〜15、より好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8、特に好ましくは4〜6であり、R11は、好ましくはヒドロキシ、またはC1-6アルコキシである]
により示される、(2)に記載の化合物、またはその塩。
(21)式(IId):
Figure 0006699011
式中、R4、R5、R6、R7、R8、n、およびmは、上記(2)で定義したとおりであり、nは、好ましくは1〜3、より好ましくは2であり、mは、好ましくは3〜15、より好ましくは3〜10、さらに好ましくは3〜8、特に好ましくは4〜6である]
により示される、(2)に記載の化合物、またはその塩。
(22)式(IIIa):
Figure 0006699011
式中、R4、R5、R6、R7、R8、X、Y、n、およびmは、上記(3)で定義したとおりであり、nは、好ましくは1〜3、より好ましくは2であり、mは、好ましくは0〜3、より好ましくは1であり、R15は、好ましくはC3-10アルキル、より好ましくはC3-8アルキル、さらに好ましくはC4-6アルキルである]
により示される、(3)に記載の化合物、またはその塩。
(23)式(IIIb):
Figure 0006699011
式中、R4、R5、R6、R7、R8、R10、n、およびmは、上記(3)で定義したとおりであり、nは、好ましくは1〜3、より好ましくは2であり、mは、好ましくは0〜3、より好ましくは1であり、R15は、好ましくはC3-10アルキル、より好ましくはC3-8アルキル、さらに好ましくはC4-6アルキルであり、R10は、好ましくは1以上のR12によって置換されていてもよいC1-6アルキルであって、R12は、ヒロドキシ、C1-6アルコキシ、C3-10シクロアルキルオキシ、5〜10員ヘテロシクリルオキシ、C7-14アラルキルオキシ、C6-10アリールオキシ、および5〜10員ヘテロアリールオキシから選択される]
により示される、(3)に記載の化合物、またはその塩。
(24)式(IIIc):
Figure 0006699011
式中、R4、R5、R6、R7、R8、R11、n、およびmは、上記(3)で定義したとおりであり、nは、好ましくは1〜3、より好ましくは2であり、mは、好ましくは0〜3、より好ましくは1であり、R15は、好ましくはC3-10アルキル、より好ましくはC3-8アルキル、さらに好ましくはC4-6アルキルであり、R11は、好ましくはヒドロキシ、またはC1-6アルコキシである]
により示される、(3)に記載の化合物、またはその塩。
(25)式(IIId):
Figure 0006699011
式中、R4、R5、R6、R7、R8、n、およびmは、上記(3)で定義したとおりであり、nは、好ましくは1〜3、より好ましくは2であり、mは、好ましくは0〜3、より好ましくは1であり、R15は、好ましくはC3-10アルキル、より好ましくはC3-8アルキル、さらに好ましくはC4-6アルキルである]
により示される、(3)に記載の化合物、またはその塩。
(26)O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−((3−(o−トリルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−((3−(m−トリルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−((3−(p−トリルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−((3−((3−(2−((3−(3−クロロロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−((3−((3−(2−((3−(4−クロロロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−((3−((3−(2−((3−(3,4−ジクロロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−((3−((3−(2−((3−(4−ブロモロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−((3−((3−(2−((3−(4−(tert−ブチル)フェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−((3−((3−(2−((3−([1,1’−ビフェニル]−4−イルオキシ)
ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−((3−((3−(2−([1,1’−ビフェニル]−3−イルメトキシ)フェニ
ル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−((3−((3−(3−([1,1’−ビフェニル]−3−イルメトキシ)フェニ
ル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(((R)−3−((3−(2−((2’,6’−ジメチル−[1,1’−ビフェ
ニル]−3−イル)メトキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(((R)−3−((3−(3−((2’,6’−ジメチル−[1,1’−ビフェ
ニル]−3−イル)メトキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ((R)−2−ヒドロキシ−3−((3−(2−((3−(フェニルアミノ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(((R)−3−((3−(2−([1,1’−ビフェニル]−3−イルメトキシ
)フェニル)プロパノイル)オキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(((R)−3−((3−(3−([1,1’−ビフェニル]−3−イルメトキシ
)フェニル)プロパノイル)オキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−((3−(4−ヨードフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−((3−(4−メトキシフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−((3−((3−(2−((3−ベンジルベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−((3−((3−(2−((3−(ベンジルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ(((2R,3R)−2−(((3−(2−((3−(p−トリルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−yl)オキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−((((2R,3R)−2−(((3−(2−((3−(4−クロロロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ(((2R,3R)−3−((3−(2−((3−(p−トリルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン;
O−((((2R,3R)−3−((3−(2−((3−(4−クロロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−yl)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−((((2R,3R)−3−((3−(2−((3−(2−フルオロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−yl)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ((R)−2−ヒドロキシ−3−((3−(2−(4−フェノキシブトキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ((R)−2−ヒドロキシ−3−((3−(2−((6−フェノキシヘキシル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ((R)−2−ヒドロキシ−3−((3−(3−(4−フェノキシブトキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ((R)−2−ヒドロキシ−3−((3−(3−((6−フェノキシヘキシル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−(4−フェノキシブトキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−((6−フェノキシヘキシル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ(3−((3−(3−(4−フェノキシブトキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(ヒドロキシ(3−((3−(3−((6−フェノキシヘキシル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(((R)−3−((3−(2−((3−(ヘキシルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−(((R)−3−((3−(3−((3−(ヘキシルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
O−((3−((3−(2−((3−(ヘキシルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;および
O−((3−((3−(3−((3−(ヘキシルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリン;
から選択される化合物、またはその塩。
(27)式(V):
Figure 0006699011
[式中:
1は、独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、ヒドロキシC1-6アルキル、C7-14アラルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、5〜10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5〜10員ヘテロアリール、C6-10アリールオキシ、5〜10員ヘテロアリールオキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、およびヒドロキシから選択され、
3は、独立して、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲン原子から選択され、
pは、0〜5であり、
rは、0〜4であり、
mは、3〜15であり;
nは、0〜5であり;
1およびZ2は、独立して、酸素原子および直接結合からなる群より選択され;
1、Q2およびQ3のいずれか1つは炭素原子または窒素原子であり、残りの2つは炭素原子である]
により示される化合物、またはその塩。
(28)式(VI):
Figure 0006699011
[式中:
1は、独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、ヒドロキシC1-6アルキル、C7-14アラルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、5〜10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5〜10員ヘテロアリール、C6-10アリールオキシ、5〜10員ヘテロアリールオキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、およびヒドロキシから選択され;
3は、独立して、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲン原子から選択され;
pおよびrは、独立して、0〜4であり;
mは、独立して、0〜3であり;
nは、0〜5であり;
1およびZ2は、mが0または1の場合、いずれか一方が酸素原子で他方が直接結合であるか、いずれも直接結合であり、mが2または3の場合、Z1およびZ2は、独立して、酸素原子および直接結合からなる群より選択され;
3は、酸素原子、硫黄原子、−NR9−、−CO−、−SO2−、ジフルオロメチレン、および直接結合からなる群より選択され、ここで、R9は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
1、Q2およびQ3のいずれか1つは炭素原子または窒素原子であり、残りの2つは炭素原子であり;
15は、C3-15アルキル、C3-10シクロアルキル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択される]
により示される化合物、またはその塩。
本発明によれば、リゾホスファチジルセリン誘導体またはその塩、ならびに当該化合物の合成中間体として用いることができる脂肪酸サロゲートが提供され、また、当該化合物またはその塩を含む、医薬組成物またはリゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤が提供される。
以下、本発明を更に具体的に説明する。
化合物またはその塩
本発明の化合物またはその塩としては、上記式(I)、(II)、(III)の化合物またはその塩など、より具体的には後述の実施例に記載した化合物などが挙げられる。
また、上記式(I)、(II)、(III)、(Ia)〜(Id)、(IIa)〜(IId)、(IIIa)〜(IIId)の化合物には、オルト、メタ、パラ置換体がそれぞれ含まれる。
本発明の最も好ましい実施形態としては、以下の表1−1〜1−6に示される化合物またはその塩が挙げられる:
Figure 0006699011
Figure 0006699011
Figure 0006699011
Figure 0006699011
Figure 0006699011
Figure 0006699011
本発明の別の態様である脂肪酸サロゲートとしては、以下の表2−1〜2−4に示される化合物またはその塩が挙げられる:
Figure 0006699011
Figure 0006699011
Figure 0006699011
Figure 0006699011
本明細書において「C1-6アルキル」とは、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状、環状または部分的に環状のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、3−メチルブチル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3−エチルブチル、および2−エチルブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロプロピルメチルなどが含まれ、例えば、C1-4アルキルおよびC1-3アルキルなども含まれる。
本明細書において「C1-6アルキルカルボニル」とは、アルキル部分として既に定義したC1-6アルキル基を有するアルキルカルボニル基を意味し、例えばメチルカルボニル(アセチル)、エチルカルボニル、tert-ブチルカルボニルの他、C1-4アルキルカルボニルなどが含まれる。
本明細書において「C1-6アルキルスルホニル」とは、アルキル部分として既に定義したC1-6アルキル基がスルホニル基に結合した基を意味し、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニルなどが含まれる。
「ヒドロキシC1-6アルキル」とは、1以上のヒドロキシ基が、アルキル部分として既に定義したC1-6アルキル基の炭素原子に結合している水素原子と置き換わった基を意味し、例えば、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、1,2−ヒドロキシエチルなどが含まれる。
本明細書において「C1-6アルコキシ」とは、アルキル部分として既に定義した炭素数1〜6のアルキル基を有するアルキルオキシ基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、3−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、1−メチルブトキシ、1−エチルプロポキシ、n−ヘキシルオキシ、4−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−メチルペントキシ、1−メチルペントキシ、3−エチルブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロプロピルメチルオキシなどが含まれ、例えば、C1-4アルコキシおよびC1-3アルコキシなども含まれる。また、本明細書において「C1-4アルコキシ」には、例えばC1-3アルコキシなども含まれる。
本明細書において「C1-6アルコキシカルボニル」とは、アルコキシ部分として既に定義したC1-6アルコキシ基を有するアルコキシカルボニル基を意味し、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニルの他、C1-3アルコキシカルボニルなどが含まれる。
本明細書における「C1-6アルコキシC1-6アルキル」には、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシエチル、1−メトキシエチルなどが含まれる。
本明細書において「C2-6アルケニル」には、例えば、炭素数2〜6の直鎖状または分岐鎖状の1つの二重結合を含む直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基が含まれる。当該用語にはさらに、2以上の二重結合を含む直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基が含まれる。
本明細書において「C2-6アルキニル」とは、炭素数2〜6の直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基を意味する、1つの三重結合を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキニル基、および2以上の三重結合を含む直鎖状または分岐鎖状のアルキニル基が含まれる。
本明細書において「C3-10シクロアルキル」とは、炭素数3〜10の環状のアルキル基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。なお、C3-10シクロアルキルは、上記C1-30アルキルの意味する範囲に含まれる。
本明細書において「5〜10員ヘテロシクリル」とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1以上のヘテロ原子を含み、環原子が5〜10の、飽和または部分飽和の脂肪族ヘテロ環基を意味する。具体例としては、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロチオピラニルなどが含まれる。
本明細書における「C6-10アリール」とは、例えば、炭素数が6〜10の芳香族炭素環基であり、例えばフェニル、ナフチルなどが含まれる。
本明細書において「C6-10アリールオキシ」には、例えば、フェノキシ、ナフチルオキシなどが含まれる。
本明細書において「C6-10アリールカルボニル」には、例えば、ベンゾイルなどが含まれる。
本明細書における「C7-14アラルキル」は、アリール基を含む炭素数が7〜14のアリールアルキル基を意味し、例えば、ベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチルなどが含まれる。アルキル基部分の炭素数は、例えば、1〜4である。
本明細書における「C7-14アラルキルオキシカルボニル」には、例えば、ベンジルオキシカルボニル、1−フェネチルオキシカルボニル、2−フェネチルオキシカルボニル、1−ナフチルメチルオキシカルボニル、2−ナフチルメチルオキシカルボニルなどが含まれる。
本明細書において「5〜10員へテロアリール」とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1以上のヘテロ原子を含む、環原子が5〜10の単環の芳香族ヘテロ環基を意味する。具体例としては、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、フリル、チエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリルなどが含まれる。
本明細書において「5〜10員へテロアリールオキシ」には、例えば、ピロリルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピラゾリルオキシ、トリアゾリルオキシ、ピリジルオキシ、ピリミジルオキシ、ピリダジニルオキシ、フリルオキシ、チエニルオキシ、オキサゾリルオキシ、オキサジアゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、チアジアゾリルオキシなどが含まれる。
本明細書における「ハロゲン原子」には、例えば、塩素原子、フッ素原子、ヨウ素原子などが含まれる。
本明細書において、炭素原子間の1以上の結合が二重結合の場合、シス配置であってもトランス配置であってもよい。
上記式(I)、(II)、(III)で表される化合物に関する本発明には、互変異性体、幾何異性体、光学異性体などの各種の立体異性体、およびそれらの混合物が含まれる。
本発明の化合物の「塩」とは、塩であれば特に限定されず、医薬品として使用可能な塩であることが好ましい。本発明の化合物が塩基と形成する塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムなどの無機塩基との塩;メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン等の有機塩基との塩などが挙げられる。当該塩は、酸付加塩であってもよく、かかる塩としては、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸;および、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などの有機酸との酸付加塩が挙げられる。
本明細書において「脂肪酸サロゲート」とは、脂肪酸の代替構造をいう。また、すなわち、本発明の一態様において、「脂肪酸サロゲート」は、リゾホスファチジルリン酸構造を有する類縁体化合物の合成中間体として用いることができる。また、別の態様において、「脂肪酸サロゲート」は、脂肪酸構造を有する物質の代替化合物、あるいは合成中間体としても用いることができる。
更に、本発明の化合物には、水和物、各種溶媒和物や結晶多形等も含まれる。
本発明の化合物に含まれる原子(例えば、水素原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子およびリン原子など)は、それぞれの天然に最も多く存在する同位体以外の同位体原子であってもよく、当該同位体原子は放射性導体原子であってもよい。すなわち、本発明の1つの側面によれば、同位体原子で標識化された本明細書で既に定義された式(I)、(II)、および(III)の化合物、またはその塩が提供される。ここで、同位体原子による標識化は、例えば、放射性同位体による標識化(3H、14C、32Pなど)であってもよく、化合物の調製の容易さの側面からは、3Hによる標識化が好ましい。本発明の3H標識化化合物は、例えば、3H標識化された脂肪酸またはその誘導体を使用することにより合成することができる。
本発明の1つの態様において、式(I)、(II)、および(III)の化合物は、プロドラッグとして投与され、生体内において活性化合物に変換される。例えば、式(I)、(II)、および(III)中のR4およびR8はカルボン酸エステルあるいはリン酸エステルを形成する基であってもよい。その具体例としては、例えばJournal of Medicinal Chemistry, 2008, 51(8), 2337に記載の基などが挙げられ、C1-6アルキル(例えば、tert-ブチル)、C1-6アルコキシC1-6アルキル(例えば、メトキシメチル)、C1-6アルキルカルボニルオキシC1-6アルキル(例えば、ピバロイルオキシメチル)、C1-6アルコキシカルボニルオキシC1-6アルキル(例えば、イソプロポキシカルボニルオキシメチル)、置換されていてもよいフェニル(例えば、C1-3アルコキシフェニル)、置換されていてもよいベンジル(例えば、C1-6アルコキシ、ヒドロキシ、C1-6アルキルカルボニルオキシ、ニトロ、およびハロゲン原子から選択される1〜3の基により置換されていてもよいベンジル)、フタリジル(例えば、C1-6アルコキシから選択される1〜4の基により置換されていてもよいイソベンゾフラノン−3−イル)、ジオキソレノンイルメチル(例えば、ジオキソレノン環5位がC1-6アルコキシまたはフェニルから選択される基により置換されていてもよいジオキソレノン−4−イルメチル)、またはフリルメチル(例えば、フラン環5位がニトロにより置換されていてもよい2−フリルメチル)などが含まれる。
化合物またはその塩の合成
リゾホスファチジルセリン受容体は親水性部位(アミノ酸部位およびリン酸ジエステル部位)、疎水性部位(アシル側鎖部位)、親水性部位と疎水性部位とを連結する連結部位とからなるモジュール型分子であることから、下記一般的合成法に従い各モジュラー構造を系統的に変換して、本発明の化合物およびその塩を合成することができる。式(I)、(II)、および(III)の化合物は、例えば、式(Id)の連結部位(デオキシタイプ)を有する化合物は、以下のスキームに示す工程により合成することができる。
Figure 0006699011
[式中、R3は、本明細書において既に定義したとおりであり;−O−アシル側鎖は、本明細書において既に定義した式(IV)、(V)、および(VI)のカルボン酸構造に対応し;PG1、PG2、およびPG3は、それぞれ保護基を意味し、例えば、PG1、PG2およびPG3は、tert−ブチルジメチルシリル(TBS)またはtert−ブチルであり、PG3は、tert−ブトキシカルボニル(Boc)である]。
式(Id)に含まれる化合物は、例えば、工程aで連結部位(デオキシタイプ)のヒドロキシ基の1つとホスホアミダイトとを縮合・酸化した後に、工程bでのアシル側鎖部位との縮合工程を経て、工程cでリン酸、カルボン酸およびアミンの脱保護を行うことにより調製することができる。
工程aの縮合反応は、例えば、リン酸の活性誘導体を用い、適当な縮合剤を使用する。また、例えば塩化メチレン、テトラヒドロフラン、N,N'−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンなどの適当な溶媒中で、適当な反応促進剤(例えば1H−テトラゾールなど)の存在下で行うことができる。酸化工程は、適当な溶媒中で、適当な酸化剤(例えば、tert−ブチルヒドロぺルオキシド、メタクロロ過安息香酸、ヨウ素−ピリジン−水等)を使用して行うことができる。縮合工程と酸化工程は、縮合反応後に後処理して得られた生成物に対して行うこともできるが、後処理を行うことなしにワンポット反応として行ってもよい。
工程bのアルコールのアシル化工程は、酸クロリドを用いて調製してもよく、この場合、適当な溶媒中で、適当な塩基(例えば4−ジメチルアミノピリジンなど)の存在下または塩基の非存在下で行うことができる。アシル化は、カルボン酸と適当な縮合剤(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)など)を使用して行うこともできる。
工程cの脱保護工程は、適切な脱保護条件に付すことにより行うことができ、例えば、トリフルオロ酢酸(TFA)を使用することができる。さらに置換基変換を行うことにより、目的の式(Id)に含まれる化合物を得ることができる。
これらの工程は、特に限定はされないが、例えば0〜70℃、好ましくは15〜30℃の反応温度、および例えば10分〜2日、好ましくは1〜2時間の反応時間で行うことができる。
また、式(Id)に含まれる化合物は、工程a’で連結部位(デオキシタイプ)のヒドロキシ基の1つとアシル側鎖部位と先に縮合させ、その後、工程b’でホスホアミダイトと縮合・酸化した後に、工程cでリン酸、カルボン酸およびアミンの脱保護を行うことにより調製することができる。なお、本反応において、出発原料である1,3−プロパンジオールの代わりにヒドロキシプロピルアミンを用いる場合、エステルの代わりにアミドを連結基として有する化合物を合成することができる。
Figure 0006699011
[式中、R3、PG2およびPG3は本明細書において既に定義したとおりである]。
式(I)、(II)、(III)の合成に用いるアミノ酸部位は、例えば、工程aで、アミノ酸のアルコール体のカルボン酸およびアミンを適切な置換基PG2およびPG3で保護することにより調製することができる。
工程aのカルボン酸およびアミンの保護反応は、適切な保護条件に付すことにより行うことができる。
Figure 0006699011
[式中、R3、PG1、PG2およびPG3は本明細書において既に定義したとおりである]。
式(I)、(II)、(III)の合成に用いるホスホアミダイトは、例えば、スキーム2において合成したアルコール(アミノ酸部位)とビス(ジイソプロピルアミノ)−tert−ブチルホスフィンとを反応させることにより調製することができる。工程aの縮合工程は、スキーム1における工程aの縮合工程と同様の条件で行うことができる。
Figure 0006699011
[式中、nおよびmは本明細書において既に定義したとおりであり;PG6は保護基を意味し、例えば、PG6は、TBSまたはC1-6アルキル(メチル、エチル、tert−ブチル)である]。
式(I)、(II)、および(III)の合成に用いるベンゼン環を有する側鎖部位は、例えば、工程aにおいてカルボン酸基を有するフェノールのカルボン酸を保護し、工程bにおいてフェノールをアルキル化し、工程cにおいてカルボン酸を脱保護することにより調製することができる。
工程aのリン酸の保護工程は、適切な保護条件に付すことにより行うことができる。工程bのフェノールのアルキル化反応は、例えばハロゲン化アルキルを反応剤として用い、適切な条件下で行うことができる。工程cの脱保護工程は、適切な脱保護条件に付すことにより行うことができる。
Figure 0006699011
[式中、nおよびmは本明細書において既に定義したとおりであり;PG7は保護基を意味し、例えば、PG7は、TBSまたはC1-6アルキル(メチル、エチル、tert−ブチル)である]。
式(I)、(II)、および(III)の合成に用いるベンゼン環を有する側鎖部位は、例えば、工程aにおいてベンゼン環に置換するアルデヒドをアルコールに還元し、工程bにおいてフェノールとカップリングさせ、工程cにおいてカルボン酸を脱保護することにより調製することができる。
工程aのアルデヒドの還元工程は、例えば、水素化ホウ素ナトリウムを還元剤として用い、適切な保護条件に付すことにより行うことができる。工程bのフェノールとのカップリング化反応は、例えば、DEADを反応剤として用い、適切な条件下で行うことができる。工程cの脱保護工程は、適切な脱保護条件に付すことにより行うことができる。
医薬組成物
本発明の医薬組成物は、種々の剤形、例えば、経口投与のためには、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、液剤、乳剤、懸濁液、溶液剤、酒精剤、シロップ剤、エキス剤、エリキシル剤とすることができ、非経口剤としては、例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤などの注射剤;経皮投与または貼付剤、軟膏またはローション;口腔内投与のための舌下剤、口腔貼付剤;ならびに経鼻投与のためのエアゾール剤とすることができるが、これらには限定されない。これらの製剤は、製剤工程において通常用いられる公知の方法により製造することができる。式(I)、(II)、(III)の化合物は、好ましくは非経口剤として投与される。
当該医薬組成物は、一般に用いられる各種成分を含みうるものであり、例えば、1種以上の薬学的に許容され得る賦形剤、崩壊剤、希釈剤、滑沢剤、着香剤、着色剤、甘味剤、矯味剤、懸濁化剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、補助剤、防腐剤、緩衝剤、結合剤、安定剤、コーティング剤等を含みうる。また本発明の医薬組成物は、持続性または徐放性剤形であってもよい。
本発明の治療剤、予防剤、または医薬組成物の投与量は、投与経路、患者の体型、年齢、体調、疾患の度合い、発症後の経過時間等により、適宜選択することができ、本発明の医薬組成物は、治療有効量および/または予防有効量の上記式(I)、(II)、(III)の化合物を含むことができる。本発明において上記式(I)、(II)、(III)の化合物は、一般に1〜10000mg/日/成人の用量で使用されうる。当該医薬組成物の投与は、単回投与または複数回投与であってもよく、例えば免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、メトトレキサート、アザチオプリンなど)、ステロイド系抗炎症薬(ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾンなど)、非ステロイド系抗炎症薬(ロキソプロフェンナトリウム、インドメタシン、ジクロフェナクナトリウムなど)、または抗体医薬(インフリキシマブ、アダリムマブ、トシリズマブ、セルトリズマブペゴル、エタネルセプトなど)などの他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。
本発明の治療剤または予防剤は、必要に応じ、従来公知の着色剤、保存剤、香料、風味剤、コーティング剤、抗酸化剤、ビタミン、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、およびミネラル分(鉄、亜鉛、マグネシム、ヨードなど)などの成分を含有していてもよい。本発明の治療剤または予防剤は、医薬組成物、機能性食品、健康食品、飲料、サプリメントなどに適した形態、例えば顆粒剤(ドライシロップを含む)、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)、錠剤(チュアブル剤などを含む)、散剤(粉末剤)、丸剤などの各種の固形製剤、または内服用液剤(液剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)などの液状製剤などの形態で調製してもよい。また、本発明の治療剤または予防剤は、そのまま、医薬組成物、機能性食品、健康食品、サプリメントなどとして使用することもできる。
製剤化のための添加物としては、例えば、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、流動化剤、分散剤、湿潤剤、防腐剤、粘稠剤、pH調整剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、溶解補助剤が挙げられる。また、液剤の形態にする場合は、ペクチン、キサンタンガム、グアガムなどの増粘剤を配合することができる。また、コーティング剤を用いてコーティング錠剤にしたり、ペースト状の膠剤とすることもできる。さらに、他の形態に調製する場合であっても、従来の方法に従えばよい。
本発明の一態様である医薬組成物は、式(I)、(II)、(III)で示される化合物の化学構造に基づいて、例えばGPR34、P2Y10、およびGPR174から選択されるいずれか1つ以上のリゾホスファチジルセリン受容体に作用するリゾホスファチジルセリン受容体機能調節活性、リゾホスファチジルセリン受容体アゴニスト活性、肥満細胞の脱顆粒抑制作用、ヒスタミン遊離抑制作用、ロイコトリエン産生抑制作用、プロスタグランジン産生抑制作用、IL−13産生抑制作用、トリプターゼ分泌抑制作用、抗原抗体反応抑制作用などを有する。また、本発明の医薬組成物は、自己免疫疾患などの疾患の治療剤または予防剤として用いることができる。自己免疫疾患としては、全身性疾患および臓器特異性疾患の何れであってもよく、例えば、悪性関節リウマチ、全身エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、バセドウ病、抗リン脂質抗体症候群、シェーグレン症候群、原発性胆汁性肝硬変、多発性筋炎、および自己免疫性肝炎などが挙げられる。
リゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤
本発明の1つの側面によれば、上記化合物またはその塩を含む、GPR34、P2Y10およびGPR174から選択される1つ以上のリゾホスファチジルセリン受容体の機能調節剤が提供される。また、当該リゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤は、GPR34、P2Y10、およびGPR174から選択されるいずれか2つの機能を選択的に調節するものであってもよく、あるいはP2Y10の機能を選択的に調節するものであってよい。
本発明でいう「リゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤」とは、GPR34、P2Y10およびGPR174などのリゾホスファチジルセリン受容体に作用し、対象となる受容体の発現を亢進または抑制するため、あるいは対象となる受容体に特有の生体内機能を亢進または抑制するために用いられる剤をいう。
ここで、リゾホスファチジルセリン受容体は親水性部位(アミノ酸部位およびリン酸ジエステル部位)、疎水性部位(アシル側鎖部位)、親水性部位と疎水性部位とを連結する連結部位とからなるモジュール型分子であることから、上記化合物の一般的合成法に従い各モジュラー構造を系統的に変換し、各モジュール構造が生物活性発現に必要であるか調べることで、リゾホスファチジルセリンの生物活性発現のための必要構造や、受容体選択的なアゴニスト創製のための構造要求性を解明することが可能となる。すなわち、例えば、本発明でいうリゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤は、1つ以上の受容体に対するアゴニスト活性を有する化合物や、2つの受容体に選択的なアゴニスト活性(デュアルアゴニスト活性)、または1つの受容体に選択的なアゴニスト活性を有する化合物を含有させることで、リゾホスファチジルセリン受容体の未知なる生理機能を解明するためのケミカルツールとしても用いることができる。また、本発明のリゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤は、上記した医薬組成物の活性成分として使用することもできる。
<GPR34機能調節剤>
GPR34はマクロファージを中心とする単核球に高発現することから、マクロファージや顆粒球の遊走や増殖、活性化の制御に関与していると想定される。さらに病原菌(Cryptococcus neoformans)の肺感染実験において、GPR34ノックアウトマウスは野生型マウスに比べ病原菌数が多く、病原菌の除去機能に異常が生じていることも見出されている。すなわち、GPR34は単核球を介して広範囲の免疫反応に関与していることが示唆されており、GPR34の機能を選択的に調節するリゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤は、単核球が関連する生理機能の解明に用いることができる。
また、GPR34ノックアウトマウスで腫瘍壊死因子−α(TNF−α)やインターフェロン−γ(IFN−γ)などのサイトカインの産生が過剰亢進していることが確認されており、GPR34の機能としてサイトカインの産生抑制を示唆する報告がある。つまり、GPR34の機能を選択的に調節するリゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤は、生体内のサイトカインの産生抑制を解明するためのケミカルツールとして用いることができる。
また、GPR34の機能に関連する疾患の予防・治療剤などの医薬としても有用である。
<P2Y10機能調節剤>
P2Y10は、胸腺や脾臓といったリンパ器官に発現が多く、特に活性化リンパ球で発現が大きく上昇することが明らかとなっている。また、P2Y10は、LFA1機能を制御することで活性化Tリンパ球の細胞凝集塊形成を阻害していることも報告されており、P2Y10の生理機能として活性化リンパ球のLFA−1−ICAM−1相互作用の阻害による細胞接着の抑制に関与する可能性がある。すなわち、P2Y10の機能を選択的に調節するリゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤は、活性化リンパ球の細胞接着抑制に関わる生理機能を解明するためのケミカルツールとして用いることができる。
また、P2Y10の機能に関連する疾患の予防・治療剤などの医薬としても有用である。
<GPR174機能調節剤>
GPR174もP2Y10と同様に、胸腺や脾臓といったリンパ器官に発現が多く、特に活性化リンパ球で発現が大きく上昇することから、GPR174も、免疫系の活性化段階において何らかの重要な機能を担っている可能性がある。例えば、P2Y10選択的アゴニストが活性化リンパ球のIL−2産生を抑制しなかったのに対し、GPR174選択的アゴニストがIL−2産生を抑制することが明らかとなった。そして、GPR174の一塩基多型が、甲状腺組織で特異的に発現される自己抗体標的抗原を特徴とするバセドウ病や甲状腺機能亢進症に関連していることも報告されている。すなわち、GPR174の機能を選択的に調節するリゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤は、活性化リンパ球のIL−2産生抑制に関わる生理機能を解明するためのケミカルツールとして用いることができる。
また、GPR174の機能に関連する疾患、例えば、免疫系に関連する疾患、特に、バセドウ病や甲状腺機能亢進症の予防・治療剤などの医薬としても有用である。
化合物またはその塩の評価方法
リゾホスファチジルセリン受容体への被検化合物のアゴニスト活性は、GPR34、P2Y10またはGPR174を使用して評価することができる。すなわち、被検化合物としての上記化合物またはその塩の評価あるいはスクリーニング方法としては、GPR34、P2Y10またはGPR174を使用するものであれば特に限定されないが、例えば、GPR34、P2Y10またはGPR174をコードする遺伝子を発現する細胞、GPR34、P2Y10またはGPR174をコードする遺伝子を過剰に発現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物、ヒトGPR34、ヒトP2Y10またはヒトGPR174をコードする遺伝子を発現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物などを用いて行うことができる。ここで、評価またはスクリーニングに使用する細胞としては、特には限定されないが、通常使用されている公知の培養細胞、例えば、HEK293細胞などが挙げられる。また、非ヒト哺乳動物の例としては、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、サルなどが挙げられる。また、スクリーニングは動物の組織および細胞を使用してもよい。その場合、被検化合物の投与は、例えば、組織または細胞が保持される溶液または培地などに被検化合物を含ませることなどにより、対象に被検化合物を作用させることにより行うことができる。
化合物またはその塩の評価あるいはスクリーニングは、GPR34、P2Y10またはGPR174をコードする遺伝子を発現する培養細胞を使用して行うことができ、培養細胞の使用は、スクリーニングの効率の点で好ましい。また、GPR34、P2Y10またはGPR174はGタンパク質共役型受容体であることから、カルシウム応答、cAMP産生、レポーター遺伝子などを指標としてアッセイを行うことができる。また、前記培養細胞にさらに標識化されたヒト上皮増殖因子受容体(EGFR)リガンドをコードする遺伝子を発現させて、切断される標識化合物の量を定量することによりアッセイを行うこともできる。ここで、標識されたEGFRリガンドの具体例としては、EGFRリガンドとアルカリフォスファターゼ(AP)の融合タンパク質などが挙げられる。また、標識化されるEGFRリガンドとしては、トランスフォーミング増殖因子α(TGFα)が挙げられる。標識されたEGFRリガンドを用いるアッセイ方法は、例えば、Tokumaru et al., J Cell Biol 151, 209-220 (2000);Inoue et al., Nature Methods 9, 1021-1019 (2012)を参照して行うことができる。
上記評価またはスクリーニングにおいて使用されるGPR34、P2Y10またはGPR174はこれらの受容体活性を有するポリペプチドであれば特に限定されず、例えば、ヒト、マウス、ラットなどの哺乳類由来のGPR34、P2Y10またはGPR174が使用される。具体的な例としては、特許文献2および5に開示されているようなGPR34、P2Y10またはGPR174活性を有するポリペプチドを用いることができる。
以下、実施例を示すことにより本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
試薬およびデータ測定
試薬はSigma−Aldrich Chemical Co.、東京化成工業、和光純薬、関東化学から購入したものをさらに精製することなく使用した。1H−および13C−NMRは、BRUKER AVANCE400スペクトロメーター(400MHz)を使用して測定し、ケミカルシフトは重クロロホルム(7.26ppm(1H−NMR)、77.00ppm(13C−NMR))に対するppmで表示した。31P−NMRケミカルシフトは水中のリン酸(85%w/w、0.00ppm)に対するppmで表示した。質量分析はBRUKER microTOF−05スペクトロメーター(ESI-TOF)またはSHIMADZU AXIMA-TOF (MALDI-TOF)のポジティブおよびネガティブイオンモードで測定した。カラムクロマトグラフィーに使用するシリカゲルは関東化学から購入した。元素分析はYanaco MT−6 CHN CORDERスペクトロメーターを使用して行った。
[実施例1]
O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−((3−(o−トリルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
中間体1−1の合成
Figure 0006699011
含有水を除去するため、下記スキーム6で合成したホスホアミダイト(1.2815 g, 2.761 mmol)をジクロロメタン(10 mL)およびトルエン(0.5 mL)に溶解させた後に溶媒を真空下で留去した。得られた残渣に1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブロパノール(648.4 mg、3.406 mmol)を加え、ジクロロメタン(10 mL)およびトルエン(0.5 mL)を加えて、溶媒を真空下で留去した。残渣をジクロロメタン(4 mL)に溶解させて、1H−テトラゾール(574.2 mg、8.196 mmol)のTHF(8.5 mL)溶液を、0℃で加えた。数分間で、白色粉末が沈殿した。反応混合液を、アルゴン雰囲気下、室温で4時間撹拌した。tert−ブチルヒドロペルオキシド(TBHPのデカン溶液(5.0-6.0 M、1.100 mL))を室温で加え、さらに室温で1.7時間撹拌した。反応混合液を、水(12 mL)で希釈し、水層を分離させ、ジクロロメタン(20 mL x 3)で3回抽出した。有機層を集めて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製し、表題化合物を得た(1.1918 g、2.093 mmol、76%、粘着性油状物)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 5.491-5.472 (1H, m), 4.371-4.312 (2H, m), 4.242-4.178 (1H, m), 4.140-4.053 (2H, m), 3.722-3.683 (2H, m), 1.894-1.821 (2H, m), 1.493-1.478 (18H, m), 1.448 (9H, s), 0.889 (9H, s), 0.050 (6H, d, J=1.2 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 168.37, 155.25, 82.58, 79.87, 67.30, 64.52, 58.91, 54.38, 33.37, 33.30, 29.78, 29.74, 28.29, 27.93, 25.86, 18.23, -5.43.
31P NMR (CDCl3): δ = -5.51, -5.68.
HRMS (ESI-TOF, [M+Na]+): C25H52NNaO9PSi+: 計算値 592.3041. 実測値 592.3022。
中間体1−2の合成
Figure 0006699011
中間体1−1(1.1397 g, 2.000 mmol)のTHF(12 mL)溶液に、ピリジン(2.9 mL)に溶解させたHF・ピリジン(1.18 mL)を0℃で滴下し、室温で5時間撹拌した。得られた溶液に、酢酸エチル(10 mL)およびKHSO4(5%水溶液、10 mL)を加え、水層を分離させ、酢酸エチル(15 mL x 3)で抽出した。有機層を集めて、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜0:1)により精製し、表題化合物を得た(567.8 mg、1.247 mmol、62%、白色固体)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 5.518 (1H, dd, J=7.8 Hz, 3.8 Hz), 4.380-4.309 (2H, m), 4.272-4.226 (1H, m), 4.208-4.141 (2H, m), 3.752 (2H, td, J=6.0 Hz, 2.4 Hz), 1.882-1.846 (2H, m), 1.501-1.450 (27H, m).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 168.45, 155.25, 83.86, 83.79, 82.85, 82.80, 80.02, 67.46, 64.20, 58.11, 58.05, 54.48, 54.40, 32.82, 32.77, 29.79, 29.75, 28.30, 27.95.
31P NMR (CDCl3) ): δ = -4.74.
HRMS (ESI-TOF, [M+Na]+): C19H38NNaO9P+: 計算値 478.2176. 実測値 478.2177.
元素分析: C19H38NO9P: 計算値 C, 50.10; H, 8.41; N, 3.08. 実測値 C, 49.84; H, 8.17; N, 3.03.
Mp: 114-115℃(白色粉末、n-ヘキサン/CH2Cl2から再結晶)。
中間体1−3の合成
Figure 0006699011
下記で合成した化合物31(101.0 mg、0.2787 mmol)、中間体1−2(91.1 mg, 0.2000 mmol)のジクロロメタン(1.5 mL)溶液に、DMAP(10.4 mg、0.0851 mmol)、EDCI・HCl(80.3 mg、0.4189 mmol)を0℃で添加し、アルゴン雰囲気下、室温で、17.2時間撹拌した。反応混合物にEDCI・HCl(80.3 mg、0.4189 mmol)およびMeOH(1 mL)を0℃で添加し、アルゴン雰囲気下、室温で5.7時間撹拌した後に、水(15 mL)を加え、ジクロロメタン(15 mL x 3)で抽出した。有機層を集めて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後に、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)により精製し、表題化合物(124.1 mg、0.1551 mmol、78%、無色の粘着性油状物)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.302 (1H, t, J = 7.90 Hz), 7.260-7.238 (1H, m), 7.190-7.140 (3H, m), 7.109-7.057 (2H, m), 6.937-6.829 (5H, m), 5.494 (1H, d, J = 7.76 Hz), 5.047 (2H, s), 4.368-4.303 (2H, m), 4.224-4.178 (1H, m), 4.162-4.120 (2H, m), 4.062-3.966 (2H, m), 2.950 (2H, t, J = 7.62 Hz), 2.624-2.586 (2H, m), 2.214 (3H, s), 1.973-1.898 (2H, m), 1.476-1.434 (27H, m).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 173.01, 168.27, 158.16, 156.28, 155.16, 154.03, 139.11, 131.42, 130.04, 129.76, 128.94, 127.51, 127.12, 124.17, 120.71, 120.58, 119.98, 116.32, 115.36, 111.50, 83.61, 83.54, 82.58, 82.56, 79.83, 69.25, 67.33, 67.28, 63.99, 63.93, 60.33, 54.40, 54.32, 33.93, 29.71, 29.70, 29.67, 29.50, 29.42, 28.23, 27.87, 26.04, 16.07.
31P NMR (CDCl3): δ = -5.54, -5.68.
HRMS (ESI-TOF, [M+Na]+): C42H58NNaO12P+: 計算値 822.3589. 実測値 822.3561。
化合物1の合成
Figure 0006699011
中間体1−3(115.1 mg、0.1439 mmol)をTFA(1.0 mL)に0℃で溶解させ、混合物を室温で1.5時間撹拌後、ジクロロメタン(10 mL)で希釈し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=9:1:0〜65:25:4)により精製し、表題化合物のTFA塩(33.0 mg、0.0562 mmol、39%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA-d): δ = 7.289-7.219 (2H, m), 7.165-7.126 (2H, m), 7.081-7.047 (3H, m), 6.919-6.802 (5H, m), 5.024 (2H, s), 4.465 (2H, brs), 4.339 (1H, brs), 4.137 (2H, brs), 3.916 (2H, brs), 2.905 (2H, t, J = 7.38 Hz), 2.748 (2H, t, J = 7.40 Hz), 2.178 (3H, s), 1.871 (2H, brs).
31P NMR (CDCl3): δ = -1.97.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C29H33NO10P-:計算値 586.1848. 実測値 586.1878.
元素分析: 計算値 C29H34NO10P・1.4CF3CO2H: C, 51.12; H, 4.78; N, 1.87. 実測値 C, 50.82; H, 4.76; N, 1.88。
[実施例2]
O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−((3−(m−トリルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに下記で合成した化合物32を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1)により精製し、得られた無色油状物をジクロロメタンおよびTFAに0℃で溶解させ、その後40℃真空下で一晩乾燥させて、表題化合物のTFA塩(53.5 mg、0.0911 mmol、最終工程の収率47%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA-d): δ = 7.276 (1H, t, J=7.84 Hz), 7.190-7.052 (4H, m), 7.010 (1H, s), 6.905-6.758 (6H, m), 5.005 (2H, s), 4.410 (2H, brs), 4.312 (1H, brs), 4.089 (2H, brs), 3.885 (2H, brs), 2.906 (2H, brs), 2.610 (2H, brs), 2.282 (3H, s), 1.832 (2H, brs).
31P NMR (CDCl3): δ = -1.73.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C29H33NO10P-: 計算値 586.1848. 実測値 586.1876.
元素分析: C29H34NO10P・1.7CF3CO2H: 計算値 C, 49.80; H, 4.61; N, 1.79. 実測値 C, 49.63; H, 4.75; N, 1.84。
[実施例3]
O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−((3−(p−トリルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに下記で合成した化合物33を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=8:2:0〜65:25:4)により精製し、表題化合物のTFA塩(46.9 mg、0.0798 mmol、最終工程の収率49%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA-d): δ = 7.312 (1H, t, J=7.6 Hz), 7.211-7.052 (6H, m), 6.927-6.886 (5H, m), 5.067 (2H, s), 4.606 (2H, brs), 4.472 (1H, brs), 4.246-4.198 (2H, m), 4.000 (2H, brs), 2.957 (2H, t, J=7.4 Hz), 2.712 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.334 (3H, s), 1.948-1.921 (2H, m).
31P NMR (CDCl3): δ = -1.81.
HRMS (ESI-TOF, [M+Na]+): C29H34NNaO10P +: 計算値 610.1813. 実測値 610.1833.
元素分析: C29H34NO10P・1.7 CF3CO2H: 計算値 C, 49.80; H, 4.61; N, 1.79. 実測値 C, 49.94; H, 4.59; N, 2.05.
Mp: 190-191℃ (白色粉末)。
[実施例4]
O−((3−((3−(2−((3−(3−クロロロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに下記で合成した化合物34を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:2:1)により精製し、得られた無色油状物をジクロロメタンおよびTFAに0℃で溶解させ、その後40℃真空下で一晩乾燥させて、表題化合物のTFA塩(55.7 mg、0.0771 mmol、最終工程の収率63%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA-d): δ = 7.346 (1H, t, J=7.88 Hz), 7.226 (1H, t, J=8.12 Hz), 7.183-7.145 (2H, m), 7.088-7.053 (3H, m), 6.969-6.939 (2H, m), 6.889-6.851 (3H, m), 5.064 (2H, s), 4.501 (2H, brs), 4.378 (1H, brs), 4.145 (2H, t, J=5.90 Hz), 3.961 (2H, brs), 2.944 (2H, t, J=7.44 Hz), 2.683 (2H, t, J=7.44 Hz), 1.897 (2H, t, J=5.42 Hz).
31P NMR (CDCl3): δ = -1.49.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C28H30ClNO10P -: 計算値 606.1301. 実測値 606.1297.
元素分析: C28H30ClNO10P・0.7CF3CO2H: 計算値 C, 51.34; H, 4.65; N, 2.04. 実測値 C, 51,42; H, 4.93; N, 2.08。
[実施例5]
O−((3−((3−(2−((3−(4−クロロロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに下記で合成した化合物35を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2、クロロホルム:メタノール:水=65:25:4)により精製し、表題化合物のTFA塩(4.8 mg、0.0079 mmol、最終工程の収率5%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA-d): δ = 7.323 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.265 (2H, dt, J=9.2 Hz, 2.8 Hz), 7.180-7.127 (2H, m), 7.064 (1H, d, J=6.4 Hz), 7.020 (1H, brs), 6.930-6.841 (5H, m), 5.056 (2H, s), 4.486 (2H, brs), 4.373 (1H, brs), 4.195-4.139 (2H, m), 3.920 (2H, brs), 2.930 (2H, t, J=7.4 Hz), 2.674 (2H, t, J=7.4 Hz), 1.877 (2H, brs).
31P NMR (CDCl3): δ = -2.48.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]+): C28H30ClNO10P +:計算値 606.1301. 実測値 606.1305.
元素分析: C28H31ClNO10P・2 CF3CO2H: 計算値 C, 45.97; H, 3.98; N, 1.68. 実測値 C, 45.60; H, 3.94; N, 1.82.
Mp: 200-203 ℃ (白色粉末)。
[実施例6]
O−((3−((3−(2−((3−(3,4−ジクロロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに下記で合成した化合物38を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=9:1:0〜65:25:4)により精製し、表題化合物のTFA塩(20.1 mg、0.0313 mmol、最終工程の収率39%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA-d): δ = 7.396-7.356 (2H, m), 7.212-7.173 (2H, m), 7.097-7.055 (3H, m), 6.970 (1H, dd, J=8.2 Hz, 0.8 Hz), 6.921-6.862 (2H, m), 6.848 (1H, dd, J=8.8 Hz, 1.4 Hz), 5.098 (2H, s), 4.600 (2H, brs), 2.963 (2H, t, J=7.4 Hz), 2.721 (2H, t, J=7.4 Hz), 1.941 (2H, t, J=5.4 Hz).
31P NMR (CDCl3): δ = -1.85.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C28H29Cl2NO10P -: 計算値 640.0912. 実測値 640.0942.
元素分析: C28H30Cl2NO10P・2.6 CF3CO2H: 計算値 C, 42.47; H, 3.50; N, 1.49. 実測値 C, 42.25; H, 3.55; N, 1.59.
Mp: 201-204 ℃ (白色粉末)。
[実施例7]
O−((3−((3−(2−((3−(4−ブロモロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに下記で合成した化合物40を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=8:1:1〜7:1:2)により精製し、得られた無色油状物をジクロロメタンおよびTFAに0℃で溶解させ、その後40℃真空下で一晩乾燥させて、表題化合物のTFA塩(44.5 mg、0.0682 mmol、最終工程の収率85%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA-d)): δ = 7.429 (2H, dt, J=8.92 Hz, 2.62 Hz), 7.350 (1H, t, J=7.88 Hz), 7.210-7.141 (2H, m), 7.097 (1H, d, J=7.28 Hz), 7.045 (1H, s), 6.952 (1H, dd, J=8.08 Hz, 0.96 Hz), 6.923-6.857 (4H, m), 5.088 (2H, s), 4.620 (2H, brs), 4.500 (1H, brs), 4.195 (2H, t, J=6.18 Hz), 4.047 (2H, d, J=4.00 Hz), 2.963 (2H, t, J=7.42 Hz), 2.717 (2H, t, J=7.46 Hz), 1.972-1.943 (2H, m).
31P NMR (CDCl3): δ = -1.41
HRMS (ESI-TOF, [M-H]+): C28H30ClNO10P +: 計算値 650.0796, 652.0776. 実測値 650.0810, 652.0795.
元素分析: C28H31BrNO10P・0.7CF3CO2H: 計算値 C, 48.22; H, 4.36; N, 1.91. 実測値 C, 48.22; H, 4.43; N, 1.85。
[実施例8]
O−((3−((3−(2−((3−(4−(tert−ブチル)フェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに下記で合成した化合物42を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=9:1:0〜65:25:4)により精製し、表題化合物のTFA塩(48.0 mg、0.0762 mmol、最終工程の収率51%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.369-7.298 (3H, m), 7.203-7.065 (4H, m), 6.944-6.875 (5H, m), 5.074 (2H, s), 4.556 (2H, brs), 4.453 (1H, brs), 4.196 (2H, d, J = 6.00 Hz), 3.952 (2H, brs), 1.910 (2H, brs), 1.318 (9H, s).
31P NMR (CDCl3): δ = -2.19.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C32H39NO10P -: 計算値 628.2317. 実測値 628.2324.
元素分析: C32H40NO10P・2.5 CF3CO2H: 計算値 C, 48.58; H, 4.68; N, 1.53. 実測値 C, 48.46; H, 4.86; N, 1.71.
Mp: 185-187℃ (白色粉末)。
[実施例9]
O−((3−((3−(2−((3−([1,1’−ビフェニル]−4−イルオキ
シ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに下記で合成した化合物43を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1)により精製し、得られた無色油状物をジクロロメタンおよびTFAに0℃で溶解させ、その後40℃真空下で一晩乾燥させて、表題化合物のTFA塩(41.8 mg、0.0644 mmol、最終工程の収率56%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.578-7.550 (4H, m), 7.452-7.434 (2H, m), 7.380-7.315 (2H, m), 7.213-7.162 (2H, m), 7.116-7.056 (4H, m), 7.011 (1H, dd, J=8.08, 0.96 Hz), 6.917-6.883 (2H, m), 5.095 (2H, s), 4.600-4.587 (2H, m), 4.474 (1H, brs), 4.169 (2H, t, J=6.26 Hz), 4.018 (2H, brs), 2.968 (2H, t, J=7.44 Hz), 2.716 (2H, t, J=7.48 Hz), 1.943-1.914 (2H, m).
31P NMR (CDCl3): δ = -1.36.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C34H35NO10P -: 計算値 648.2004. 実測値 648.2014.
元素分析: C34H36NO10P・1.5CF3CO2H: 計算値 C, 54.15; H, 4.61; N, 1.71. 実測値 C, 54.21; H, 4.86; N, 1.78。
[実施例10]
O−((3−((3−(2−([1,1’−ビフェニル]−3−イルメトキシ)フ
ェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに下記で合成した化合物47を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2、クロロホルム:メタノール:酢酸=8:1:1〜7:1:2)により精製し、表題化合物の酢酸塩(18.6 mg、0.033 mmol、最終工程の収率39%、無色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(白色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d):δ=7.633 (1H, s), 7.575 (3H, t, J=6.4Hz), 7.468-7.333 (5H, m), 7.210 (1H, t, J=7.4Hz), 7.104 (1H, d, J=6.8Hz), 6.972 (1H, d, J=8.0Hz), 6.910 (1H, t, J=7.2Hz), 5.161 (2H, s), 4.566-4.440 (3H, m), 4.130 (2H, brs), 3.969 (2H, brs), 2.988 (2H, t, J=7.2Hz), 2.734 (2H, t, J=7.2Hz), 1.863 (2H, brs).
31P-NMR(CDCl3/TFA-d):δ= -1.53.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C28H31NO9P-: 計算値 556.1742. 実測値 556.1744. Mp: 134.0℃-137.5℃, 無色キューブ状固体.
元素分析: C28H32NO9P・0.9CF3COOH: 計算値 C, 54.22; H, 5.02; N, 2.12. 実測値 C, 54.06; H, 5.25; N, 2.17。
[実施例11]
O−((3−((3−(3−([1,1’−ビフェニル]−3−イルメトキシ)フ
ェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに下記で合成した化合物48を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2、クロロホルム:メタノール:酢酸=8:1:1〜7:1:2)により精製し、表題化合物の酢酸塩(24.3 mg、0.044 mmol、最終工程の収率60%、白色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(白色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d):δ=7.636 (1H, s), 7.582 (2H, d, J=7.2Hz), 7.471-7.333 (6H, m), 7.226 (1H, t, J=7.8Hz), 6.851 (3H, m), 5.161 (2H, s), 4.572-4.453 (3H, m), 4.214 (2H, brs), 4.007 (2H, brs), 2.907 (2H, t, J=7.4Hz), 2.712 (2H, t, J=7.0Hz), 1.956 (2H, brs).
31P-NMR(CDCl3/TFA-d):δ= -1.60.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C28H31NO9P-: 計算値 556.1742. 実測値 556.1761. Mp: 134.0℃-136.0℃, 無色プレート状固体.
元素分析: C28H32NO9P・0.6CF3COOH: 計算値 C, 56.03; H, 5.25; N, 2.24. 実測値 C, 55.90; H, 5.57; N, 2.13。
[実施例12]
O−(((R)−3−((3−(2−((2’,6’−ジメチル−[1,1’−ビ
フェニル]−3−イル)メトキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
中間体12−1の合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに下記で合成した化合物37を用い、中間体1−2の代わりに(2S)−2−tert−ブチルカルボニルアミノ−3−[((2R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3−ヒドロキシプロポキシ)−tert−ブトキシホスホリルオキシ]プロピオン酸tert−ブチルエステルを用いて、実施例1の中間体1−3と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、表題化合物(109.8 mg、0.118 mmol、70%、無色油状物)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ=7.420 (2H, m), 7.152 (4H, m), 7.100 (3H, m), 6.881 (2H, m), 5.495 (1H, m), 5.146 (2H, s), 4.348 (2H, m), 4.216 (1H, m), 4.119 (1H, m), 4.029-3.821 (4H, m), 2.998 (2H, t, J=7.8Hz), 2.662 (2H, m), 2.011 (6H, s), 1.460 (27H, m), 0.866 (9H, s), 0.078 (3H, s), 0.056 (3H, s). 13C-NMR(CDCl3):δ=172.85, 172.84, 168.31, 168.27, 156.48, 155.25, 141.45, 141.27, 137.43, 135.95, 130.06, 129.06, 128.72, 128.51, 127.74, 127.53, 127.29, 127.08, 125.34, 120.75, 111.80, 83.85, 83.78, 82.61, 79.90, 69.87, 69.15, 69.11, 69.06, 69.02, 67.85, 67.80, 67.51, 67.48, 67.43, 65.12, 65.08, 54.56, 54.42, 54.38, 54.34, 33.97, 29.80, 29.76, 29.73, 28.29, 27.94, 26.07, 25.64, 20.79, 18.00, -4.80, -4.87.
31P-NMR(CDCl3):δ=-5.61, -5.79.
HRMS (ESI-TOF, [M+Na]+): C49H74NNaO12PSi+: 計算値 950.4610. 実測値 950.4627。
化合物12の合成
Figure 0006699011
中間体12−1(105.6 mg、0.114 mmol)をTFA(2 mL)に0℃で溶解させ、混合物を室温で1.5時間撹拌後、ジクロロメタン(6 mL)で希釈し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2〜6:1:3、クロロホルム:メタノール:酢酸=7:1:2〜6:1:3)により精製し、表題化合物の酢酸塩(8.5 mg、0.014 mmol、最終工程の収率12%、白色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(橙色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ=7.449 (1H, t, J=7.4Hz), 7.384 (1H, d, J=7.6Hz), 7.213-7.063 (7H, m), 6.951 (2H, m), 5.176 (2H, s), 4.660-3.704 (8H, m), 2.977 (2H, t, J=7.2Hz), 2.785 (2H, t, J=7.2Hz), 1.981 (6H, s).
31P-NMR(CDCl3):δ=-1.72.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C30H35NO10P-:計算値 600.2004. 実測値 600.2029。
[実施例13]
O−(((R)−3−((3−(3−((2’,6’−ジメチル−[1,1’−ビ
フェニル]−3−イル)メトキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物36の代わりに下記で合成した化合物37を用いることを除いて実施例12と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2〜6:1:3)により精製し、表題化合物の酢酸塩(77.1 mg、0.128 mmol、最終工程の収率59%、白色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(茶色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ=7.454 (1H, t, J=7.6Hz), 7.385 (1H, d, J=7.6Hz), 7.243-6.995 (6H, m), 6.855 (3H, m), 5.180 (2H, s), 4.658-3.778 (8H, m), 2.918 (2H, t, J=7.2Hz), 2.755 (2H, t, J=7.0Hz), 1.980 (6H, s).
31P-NMR(CDCl3):δ=-1.42.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C30H35NO10P-: 計算値 600.2004. 実測値 600.2046.
Mp: 49.0℃-52.2℃, 無色固体.
元素分析: C30H36NO10P・1.5CF3COOH: 計算値 C, 51.30; H, 4.89; N, 1.81. 実測値 C, 51.12; H, 5.26; N, 1.88。
[実施例14]
O−(ヒドロキシ((R)−2−ヒドロキシ−3−((3−(2−((3−(フェニルアミノ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物36の代わりに下記で合成した化合物49を用いることを除いて実施例12と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2)により精製し、表題化合物の酢酸塩(54.9 mg、0.093 mmol、最終工程の収率74%、黄色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(橙色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d):δ=7.767 (1H, m), 7.549 (4H, brs), 7.462 (2H, m), 7.226 (3H, m), 7.169 (1H, brs), 6.970 (1H, brs), 6.909 (1H, d, J=4.0Hz), 5.159 (2H, brs), 4.626-4.377 (5H, m), 4.198-4.084 (3H, m), 3.026 (2H, m), 2.772 (2H, m).
31P-NMR(CDCl3/TFA-d):δ=-1.80.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C28H32N2O10P-:計算値 587.1800. 実測値 587.1797. Mp: 115.0℃-118.0℃, 茶色キューブ状固体.
元素分析: C28H33N2O10P・CF3COOH: 計算値 C, 51.29; H, 4.88; N, 3.99. 実測値 C, 51.47; H, 5.05; N, 3.80。
[実施例15]
O−(((R)−3−((3−(2−([1,1’−ビフェニル]−3−イルメトキシ
)フェニル)プロパノイル)オキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物36の代わりに下記で合成した化合物47を用いることを除いて実施例12と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2〜6:1:3、クロロホルム:メタノール:酢酸=8:1:1〜7:1:2)により精製し、表題化合物の酢酸塩(22.6 mg、0.039 mmol、最終工程の収率27%、白色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(茶色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ=7.602 (4H, m), 7.448 (3H, m), 7.355 (2H, m), 7.222 (1H, t, J=7.2Hz), 7.131 (1H, m), 7.003 (1H, m), 6.936 (1H, m), 4.597 (2H, brs), 4.456 (1H, brs), 4.249 (1H, m), 4.150-3.601 (4H, m), 3.005 (2H, t, J=7.4Hz), 2.777 (2H, t, J=7.4Hz).
31P-NMR(CDCl3):δ=-1.64. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C28H31NO10P-:計算値 572.1691. 実測値 572.1738. Mp: 71.0℃-75.0℃, 無色固体.
元素分析: C28H32NO10P・1.0CF3COOH・1.0H2O: 計算値 C, 51.07; H, 5.00; N, 1.99. 実測値 C, 50.71; H, 5.15; N, 2.05。
[実施例16]
O−(((R)−3−((3−(3−([1,1’−ビフェニル]−3−イルメトキシ
)フェニル)プロパノイル)オキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物36の代わりに下記で合成した化合物48を用いることを除いて実施例12と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2〜6:1:3)により精製し、表題化合物の酢酸塩(78.5 mg、0.137 mmol、最終工程の収率88%、白色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(茶色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ=7.641-7.313 (8H, m), 7.143 (2H, m), 6.838 (3H, m), 5.197 (2H, s), 4.660-3.784 (8H, m), 2.958 (2H, m), 2.772 (2H, t, J=7.4Hz). 31P-NMR(CDCl3):δ=-1.39.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C28H31NO10P-: 計算値 572.1691. 実測値 572.1741. Mp: 51.0℃-54.0℃, 無色固体.
元素分析: C28H32NO10P・2.0CF3COOH: 計算値 C, 47.95; H, 4.28; N, 1.75. 実測値 C, 47.59; H, 4.52; N, 2.04。
[実施例17]
O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−((3−(4−ヨードフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに下記で合成した化合物41を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=8:1:1〜7:1:2)により精製し、得られた無色油状物をジクロロメタンおよびTFAに0℃で溶解させ、その後40℃真空下で一晩乾燥させて、表題化合物のTFA塩(36.8 mg、0.0526 mmol、最終工程の収率48%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA-d): δ = 7.609 (2H, d, J=8.76 Hz), 7.340 (1H, t, J=7.88 Hz), 7.197-7.150 (2H, m), 7.090 (1H, d, J=8.76 Hz), 7.037 (1H, s), 6.939 (1H, dd, J=8.04 Hz, 1.00 Hz), 6.911-6.863 (2H, m), 6.751 (2H, d, J=8.76 Hz), 5.073 (2H, s), 4.566 (2H, brs), 4.440 (1H, brs), 4.182 (2H, brs), 3.994 (2H, brs), 2.951 (2H, t, J=7.28 Hz), 2.701 (2H, t, J=7.32 Hz), 1.932 (2H, brs).
31P NMR (CDCl3): δ = -1.65
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C28H30INO10P +: 計算値 698.0657. 実測値 698.0673。
[実施例18]
O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−((3−(4−メトキシフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに下記で合成した化合物44を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=8:1:1〜7:1:2、クロロホルム:メタノール:酢酸=16:2:3〜7:1:2)により精製し、得られた無色油状物をジクロロメタンおよびTFAに0℃で溶解させ、その後40℃真空下で一晩乾燥させて、表題化合物のTFA塩(31.7mg、0.0523 mmol、最終工程の収率52%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA-d): δ = 7.327 (1H, t, J=7.82 Hz), 7.217-7.178 (1H, m), 7.153-7.096 (2H, m), 7.038 (1H, s), 7.019-6.902 (7H, m), 5.083 (2H, s), 4.653 (2H, brs), 4.532 (1H, brs), 4.205 (2H, t, J=6.20 Hz), 4.065 (2H, brs), 3.917 (3H, s), 2.969 (2H, t, J=7.46 Hz), 2.726 (2H, t, J=7.48 Hz), 1.980-1.951 (2H, m).
31P NMR (CDCl3): δ = -1.31.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C29H33NO11P -: 計算値 602.1797. 実測値 602.1798.
元素分析: C29H34NO11P・0.75CF3CO2H: 計算値C, 53.16; H, 5.08; N, 2.03. 実測値 C, 53.05; H, 5.30; N, 1.88。
[実施例21]
O−(ヒドロキシ(((2R,3R)−2−(((3−(2−((3−(p−トリルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−yl)オキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ブロパノールの代わりに(2R,3R)−2−(tert−ブチルジメチル−シリルオキシメチル)−テトラヒドロ−ピラン−3−オールを用い、化合物31の代わりに下記で合成した化合物33を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=65:25:4)により精製して、表題化合物(16.4 mg、0.0255 mmol、最終工程の収率74.94%、白色固体)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3/TFA-d): δ = 7.320 (t, 1H, J = 8.0Hz), 7.218-7.064 (m, 6H), 6.931-6.898 (m, 5H), 5.077 (s, 2H), 4.752-4.622 (m, 2H), 4.609-4.457 (m, 2H), 4.297-4.291 (m, 1H), 4.165-4.141 (m, 2H), 3.772-3.708 (m, 1H), 3.623-3.598 (m, 1H), 2.964-2.957 (m, 2H), 2.754-2.737 (m, 2H), 2.336 (s, 3H), 2.177-2.152 (m, 1H), 2.076-2.014 (m, 1H), 1.756-1.741 (m, 1H), 1.584-1.527 (m, 1H)
31P NMR (CDCl3): δ = 2.7
元素分析: 計算値 C, 45.18% ; H, 4.02%; N, 1.36% (C32H38NO11P+CF3CO2H×3.4); 実測値 C, 45.01%; H, 4.27% ; N, 1.57%。
[実施例22]
O−((((2R,3R)−2−(((3−(2−((3−(4−クロロロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)オキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物33の代わりに下記で合成した化合物35を用いることを除いて実施例21と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=65:25:4)により精製して、表題化合物のTFA塩(17.4 mg、0,0262 mmol、最終工程の収率(定量的)、白色固体)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ (ppm): δ = 7.364-7.324 (m, 1H), 7.308-7.266 (m, 2H), 7.182-7.129 (m, 3H), 7.039-7.035 (m, 1H), 6.967-6.829 (m, 5H), 5.642-5.496 (m, 1H), 5.057 (s, 2H), 4.409-4.333, (m, 3H), 4.247-4.100 (m, 3H), 4.018-3.979 (m, 1H), 3.556-3.520 (m, 1H), 3.461-3.402 (m, 1H), 2.995-2.947 (m, 2H), 2.651 (dd, 2H, J = 15.2Hz, 7.2Hz), 2.265-2.168 (m, 1H), 2.041-1.900 (m, 1H), 1.687-1.600 (m, 1H), 1.488-1.422 (m, 27H), 1.392-1.287 (m, 1H).
13C NMR (CDCl3): δ (ppm): δ = 173.03, 168.38, 157.29, 156.34, 155.62, 155.26, 139.52, 139.50, 130.17, 130.06, 129.79, 129.12, 129.07, 128.48, 127.56, 127.52, 121.99, 120.87, 120.35, 117.94, 117.16, 111.57, 83.92, 82.69, 82.67, 79.93, 76.46, 76.39, 76.36, 76.28, 71.64, 71.59, 69.25, 67.81, 67.72, 67.43, 64.54, 64.46, 54.45, 54.36, 33.92, 29.87, 29.82, 29.77, 28.76, 28.65, 28.32, 27.95, 26.00, 25.97, 20.05.
31P NMR (CDCl3): δ (ppm): δ = -5.28, -5.87.
HRMS (ESI-TOF [M+Na]+) : C44H59ClNNaO13P+ 計算値898.3305, 実測値 898.3282
元素分析: 計算値 C, 42.94% ; H, 3.63%; N, 1.32% (C44H59ClNO13P + CF3CO2H×3.5); 実測値 C, 42.74%; H, 3.88% ; N, 1.57%。
[実施例23]
O−(ヒドロキシ(((2R,3R)−3−((3−(2−((3−(p−トリルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピランの合成
Figure 0006699011
化合物39の代わりに下記で合成した化合物33を用いることを除いて実施例23と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=6:1:2〜6:1:3)により精製して、表題化合物(6.1mg、0.0095 mmol、最終工程の収率54.4%、白色固体)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ (ppm): δ = 7.319-7.280 (m, 1H), 7.199-7.030 (m, 6H), 6.908-6.869 (m, 5H), 5.062 (s, 2H), 4.991(m, 1H), 4.521 (m, 2H), 4.447-4.412 (m, 1H), 4.096-4.071 (m, 1H), 3.979-3.900 (m, 2H), 3.779 (m, 1H), 3.592-3.540 (m, 1H), 3.073-2.917 (m, 2H), 2.873-2.723 (m, 2H), 2.329 (s, 3H), 1.802-1.652 (m, 3H), 1.432-1.406 (m, 1H)
31P NMR (CDCl3): δ (ppm): δ = -2.58
HRMS (ESI-TOF [M-H]-): C32H37NO11P- 計算値 642.2110, 実測値 642.2121
元素分析: 計算値 C, 39.80% ; H, 3.34% ; N, 1.05% (C32H38NO11P + CF3CO2H×6); 実測値 C, 39.72%; H, 3.66% ; N, 1.06%.
Mp 179〜189℃。
[実施例24]
O−((((2R,3R)−3−((3−(2−((3−(4−クロロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−yl)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物39の代わりに下記で合成した化合物34を用いることを除いて実施例23と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=65:25:4)により精製して、表題化合物(36.7 mg、0.0553 mmol、最終工程の収率99.9%、白色固体)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ (ppm): δ = 7.361 (t, 1H, J = 8.0Hz), 7.323-7.293 (m, 2H), 7.225-7.173 (m, 2H), 7.106-7.089 (m, 1H), 7.052 (m, 1H), 6.917-6.899 (m, 5H), 5.109 (s, 2H), 5.031(m, 1H), 4.558 (m, 2H), 4.468 (m, 1H), 4.144-4.117 (m, 1H), 3.981-3.932 (m, 2H), 3.819 (m, 1H), 3.634-3.582 (m, 1H), 3.060-2.945 (m, 2H), 2.847-2.698 (m, 2H), 1.835-1.689 (m, 3H), 1.470-1.422 (m, 1H)
31P NMR (CDCl3): δ (ppm): δ = -2.69
HRMS (ESI-TOF [M-H]-): C31H34FNO11P- 計算値 662.1563, 実測値 662.1544
元素分析: 計算値 C, 37.31% ; H, 3.28% ; N, 1.01% (C31H35FNO11P + CF3CO2H×6+H2O×2); 実測値 C, 37.14%; H, 3.42% ; N, 1.30%.
Mp 178〜189℃。
[実施例25]
O−((((2R,3R)−3−((3−(2−((3−(2−フルオロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−yl)メトキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物33の代わりに下記で合成した化合物39を用いることを除いて実施例21と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:水=65:25:4)により精製して、表題化合物のTFA塩(46.9 mg、0.0729 mmol、最終工程の収率107.9%、白色固体)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ (ppm): δ = 7.311 (t, 1H, J = 0.8Hz), 7.202-7.014 (m, 8H), 6.904-6.869 (m, 3H), 5.067 (s, 2H), 4.990 (m, 1H), 4.501-4.449 (m, 2H), 4.430-4.404 (m, 1H), 4.095-4.070 (m, 1H), 3.931-3.885 (m, 2H), 3.768 (m, 1H), 3.584-3.533 (m, 1H), 3.024-2.904 (m, 2H), 2.808-2.658 (m, 2H), 1.787-1.641 (m, 3H), 1.423-1.30 (m, 1H).
31P NMR (CDCl3): δ (ppm): δ = -2.95.
HRMS (ESI-TOF [M-H]-) : C31H34FNO11P- 計算値646.1859, 実測値 646.1865.
元素分析: 計算値C, 42.88% ; H, 3.59% ; N, 1.30% (C31H35FNO11P + CF3CO2H×3.8); 実測値 C, 42.91%; H, 3.88% ; N, 1.39%.
Mp 170〜190℃。
[実施例30]
3−(2−((3−フェノキシベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
中間体30−1の合成
Figure 0006699011
3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル(149.8 mg、0.831 mmol)、3−フェノキシベンジルアルコール(118.2 mg、0.590 mmol)、トリフェニルホスフィン(198.1 mg, 0.755 mmol)のトルエン(5 mL)溶液に、DEAD(2Mトルエン溶液、374.6μL、0.749 mmol)を室温で滴下し、70℃で3時間撹拌した。反応混合液の溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)により精製し、表題化合物(200.2 mg、0.552 mmol、94%、黄色油状物)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ (ppm): δ= 7.340 (3H, m), 7.158 (3H, m), 7.144 (1H, m), 7.075 (1H, m), 7.025 (2H, m), 6.893 (1H, m), 6.864 (1H, m), 5.064 (2H, s), 2.636 (3H, s), 2.972 (2H, t, J = 7.74 Hz), 2.609 (2H, t, J = 7.74Hz)。
化合物30の合成
Figure 0006699011
中間体30−1(176.0 mg、0.486 mmol)をメタノール(2 mL)およびTHF(2 mL)に溶解させ、水酸化ナトリウム(2N水溶液、2 mL)を加え、室温で1時間撹拌した。水層のpHが2となるまで2N塩酸を加え、反応混合液を酸性化させた。溶液を酢酸エチル(20 mL × 3)で3回抽出した。有機層を集めて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、表題化合物(149.6 mg、0.429 mmol、88%、無色油状物)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ (ppm): δ = 10.932 (1H, brs), 7.341 (3H, m), 7.713 (3H, m), 7.112 (1H, m), 7.067 (1H, m), 7.029 (2H, m), 6.966 (1H, m), 6.911 (1H, m), 6.882 (1H, m), 5.065 (2H, s), 2.975 (2H, t, J = 7.68Hz), 2.651 (2H, t, J = 7.68Hz).
13C NMR (CDCl3): δ (ppm): δ = 178.82, 157.70, 156.88, 156.37, 139.20, 130.14, 129.93, 129.78, 128.84, 127.68, 123.47, 121.54, 120.88, 119.19, 118.00, 117.04, 111.58, 69.34, 33.81, 25.86
HRMS (ESI, [M-H]-: C22H19 O4 - 計算値 347.1289, 実測値347.1318。
[実施例31]
3−(2−((3−(o−トリルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
中間体31−1の合成
Figure 0006699011
酢酸銅(452.6 mg、2.492 mmol)の無水ジクロロメタン(20 mL)溶液を入れた100 ml丸底フラスコに、無水ピリジン(0.200 mL、2.483 mmol)、4Åモレキュラーシーブ、o−クレゾール(289.1 mg、2.673 mmol)および3−ホルミルフェニルボロン酸(566.6 mg、3.779 mmol)を加え、反応混合液を室温で17.5時間撹拌した。した。混合液をCelite(登録商標)上で濾過し、溶媒を留去して緑色固体を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:ジエチルエーテル=20:1)により精製し、一晩真空下で乾燥させ、表題化合物(298.7 mg、1.407 mmol、53%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 9.938 (1H, s), 7.548 (1H, dt, J = 7.52 Hz, 1.14 Hz), 7.465 (1H, t, J = 7.80 Hz), 7.335 (1H, dd, J = 2.40 Hz, 0.72 Hz), 7.279 (1H, d, J = 7.44 Hz), 7.226-7.183 (2H, m), 7.124 (1H, td, J = 7.42 Hz, 1.16 Hz), 6.942 (1H, d, J = 8.00 Hz), 2.214 (3H, s).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 191.71, 158.79, 153.45, 137.98, 131.72, 130.32, 130.21, 127.41, 124.86, 124.02, 123.11, 120.27, 116.46, 16.08.
HRMS (ESI-TOF, [M+Na]+): C14H12NaO2 +: 計算値 235.0730. 実測値 235.0703。
中間体31−2の合成
Figure 0006699011
中間体31−1(294.8 mg、1.389 mmol)のメタノール(10 mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(111.6 mg、1.389 mmol)を少しずつ0℃で加え、0℃で30分間撹拌した。反応混合液をジクロロメタン(10 mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5 mL)および水(10 mL)で希釈した。溶液をジクロロメタン(20 mL × 3)で3回抽出し、有機層を集めて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、表題化合物(257.0 mg、1.199 mmol、88%、無色油状物)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.290-7.237 (2H, m), 7.183-7.139 (1H, m), 7.060 (1H, td, J = 10.5 Hz, 1.24 Hz), 7.025 (1H, dd, J = 7.56 Hz, 0.28 Hz), 6.915-6.893 (2H, m), 6.822-6.796 (1H, m), 4.628 (2H, s), 2.228 (3H, s), 1.780 (1H, s).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 158.21, 154.21, 142.82, 131.46, 130.05, 129.78, 127.15, 124.12, 120.67, 119.90, 116.30, 115.54, 64.98, 16.15.
HRMS (ESI-TOF, [M+Na]+): C14H14NaO2 +: 計算値 237.0886. 実測値 237.0914。
中間体31−3の合成
Figure 0006699011
3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル(342.6 mg、1.901 mmol)、中間体31−2(238.9 mg、238.9 mmol)、トリフェニルホスフィン(594.5 mg、2.267 mmol)のトルエン(15mL)溶液に、DEAD(2Mトルエン溶液、1.0 mL)を室温で滴下し、反応混合液をアルゴン雰囲気下、70℃で3.8時間撹拌した。反応混合液の溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=15:1)により精製し、表題化合物((375.6 mg、0.9977 mmol、89%、桃色油状物)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.297 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.252-7.237 (1H, m), 7.185-7.133 (3H, m), 7.102-7.052 (2H, m), 6.946-6.836 (5H, m), 5.033 (2H, s), 3.633 (3H, s), 2.952 (2H, t, J = 7.6 Hz), 2.595 (2H, t, J = 7.6 Hz), 2.215 (3H, s).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 173.69, 158.22, 156.34, 154.10, 139.15, 131.46, 130.11, 130.09, 129.79, 129.10, 127.53, 127.17, 124.21, 120.77, 120.67, 120.04, 116.39, 115.45, 111.50, 69.29, 51.43, 33.95, 26.13, 16.12.
HRMS (ESI-TOF, [M+Na]+): C24H24NaO4 +: 計算値 399.1567. 実測値 399.1566。
化合物31の合成
Figure 0006699011
中間体31−3(360.9 mg、0.9587 mmol)をメタノール(2 mL)およびTHF(2 mL)に溶解させ、水酸化ナトリウム(2N水溶液、2 mL)を加え、室温で3.5時間撹拌した。水層のpHが2となるまで2N塩酸を加え、反応混合液を酸性化させた。溶液を酢酸エチル(20 mL × 3)で3回抽出した。有機層を集めて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製し、表題化合物(335.0 mg、0.9243 mmol、96%、無色油状物)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.298 (1H, t, J = 7.90 Hz), 7.247-7.227 (1H, m), 7.180-7.140 (1H, m), 7.100-7.047 (2H, m), 6.936-6.837 (5H, m), 5.032 (2H, s), 2.943 (2H, t, J = 7.66 Hz), 2.628 (2H, t, J = 7.66 Hz), 2.208 (3H, s).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 179.31, 158.26, 156.33, 154.06, 139.07, 131.47, 130.16, 130.10, 129.83, 128.77, 127.64, 127.18, 124.24, 120.80, 120.65, 120.11, 116.46, 115.33, 111.51, 69.31, 33.82, 25.81, 16.12.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C23H21O4 -: 計算値 361.1445. 実測値 361.1469.
元素分析: C23H22O4・0.1AcOEt: 計算値 C, 75.71; H, 6.19. 実測値: C, 75.42; H, 6.41。
[実施例32]
3−(2−((3−(m−トリルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
o−クレゾールの代わりにm−クレゾールを用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1、ジクロロメタン:メタノール=30:1)により精製し、表題化合物(219.8 mg、0.6065 mmol、33%、無色油状物)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.326 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.224-7.134 (4H, m), 7.042 (1H, s), 6.955-6.800 (6H, m), 5.055 (2H, s), 2.969 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.642 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.317 (3H, s).
13C NMR (100MHz, CDCl3): δ = 178.72, 157.79, 156.82, 156.37, 139.96, 139.15, 130.11, 129.87, 129.46, 128.84, 127.65, 124.28, 121.39, 120.85, 119.86, 117.92, 117.00, 116.18, 111.58, 69.35, 33.79, 25.84, 21.33.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C23H27O4 -: 計算値 361.1445. 実測値 361.1447。
[実施例33]
3−(2−((3−(p−トリルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
o−クレゾールの代わりにp−クレゾールを用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)、それに続く、n−ヘキサンおよびジクロロメタンによる再結晶により精製し、表題化合物(595.5 mg、1.643 mmol、73%、白色粉末)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ=7.311 (1H, t, J=4.0 Hz), 7.186-7.108 (5H, m), 7.016 (1H, s), 6.935-6.846 (5H, m), 5.042 (2H, s), 2.962 (2H, t, J=3.8 Hz), 2.641 (2H, t, J=3.8 Hz), 2.328 (3H, s).
13C NMR (CDCl3): δ=179.06, 158.25, 156.36, 154.30, 139.07, 133.19, 130.28, 130.12, 129.83, 128.80, 127.66, 121.12, 120.82, 119.41, 117.45, 116.47, 111.53, 69.33, 33.82, 25.85, 20.69.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C23H21O4 -:計算値 361.1445. 実測値 361.1433.
元素分析 C23H22O4: 計算値 C, 76.22; H, 6.12. 実測値 C, 76.00; H, 6.29.
Mp: 104.5-106.0℃ (n-ヘキサン/CH2Cl2から再結晶、無色粉末)。
[実施例34]
3−(2−((3−(3−クロロロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
o−クレゾールの代わりにm−クロロフェノールを用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製し、表題化合物(466.4mg、1.218 mmol、99%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.357 (1H, t, J=7.86 Hz), 7.245-7.152 (4H, m), 7.081-7.046 (2H, m), 6.999 (1H, t, J=2.12 Hz), 6.969 (1H, dd, J=2.42 Hz, 0.40 Hz), 6.915-6.848 (3H, m), 5.065 (2H, s), 2.977 (2H, t, J=7.66 Hz), 2.657 (2H, t, J=7.68 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 179.49, 157.96, 156.73, 156.28, 139.46, 135.03, 130.50, 130.13, 130.12, 128.78, 127.69, 123.41, 122.29, 120.93, 119.09, 118.47, 117.59, 116.92, 111.53, 69.19, 33.91, 25.83.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C22H18ClO4 -: 計算値 381.0899. 実測値 381.0913.
元素分析 C22H19ClO4: 計算値 C, 69.02; H, 5.00. 実測値 C, 68.72; H, 5.14。
[実施例35]
3−(2−((3−(4−クロロロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
o−クレゾールの代わりにp−クロロフェノールを用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、表題化合物(349.5 mg、0.9129 mmol、94%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.356 (1H, t, J=7.8 Hz), 7.289 (2H, dt, J=8.8 Hz, 2.8 Hz), 7.205-7.165 (3H, m), 7.060 (1H, s), 6.974-6.862 (5H, m), 5.071 (2H, s), 2.984 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.662 (2H, t, J=7.6 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 179.22, 157.29, 156.28, 155.58, 139.37, 130.12, 130.04, 129.74, 128.80, 128.44, 127.67, 121.94, 120.92, 120.31, 118.01, 117.12, 111.55, 69.22, 33.87, 25.83.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C22H18ClO4 -: 計算値 381.0899. 実測値 381.0892.
元素分析: C22H19ClO4: 計算値 C, 69.02; H, 5.00. 実測値 C, 68.79; H, 5.13。
[実施例36]
3−(2−((2’,6’−ジメチル−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)メトキ
シ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
中間体36−1の合成
Figure 0006699011
3−ブロモベンズアルデヒド(370.4 mg、2.002 mmol)、2,6−ジメチルフェニルボロン酸(420.5 mg、2.804 mmol)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1M溶液、4 mL、4.001 mmol)のエタノール(2.2 mL)およびトルエン(4 mL)の混合溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(114.9 mg、0.099 mmol)加え、アルゴン雰囲気下、80℃で22時間撹拌した。反応混合液を冷却後、水(5 mL)および酢酸エチル(10 mL)を加え、Celite(登録商標)上で濾過した。水層と有機層に分離し、水層を酢酸エチル(20 mL)で2回抽出し、有機層を集めて食塩水(30 mL)で抽出し、さらにすげての水層を酢酸エチル(20 mL)で抽出した。有機層を集めて硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジエチルエーテル=60:1〜50:1)により精製して表題化合物(347.8 mg、1.655 mmol、83%、無色油状物)を得た。
1H-NMR(CDCl3): δ =10.067 (1H, s), 7.889 (1H, dt, J=1.4, 7.7Hz), 7.698 (1H, dt, J=0.4, 1.8Hz), 7.618 (1H, t, J=7.6Hz), 7.450 (1H, dt, J=1.6, 7.6Hz), 7.209 (1H, m), 7.136 (2H, m), 2.029 (6H, s). 13C-NMR(CDCl3):δ=192.31, 142.11, 140.22, 136.73, 135.80, 135.30, 130.50, 129.23, 128.01, 127.51, 127.48, 20.79。
中間体36−2の合成
Figure 0006699011
中間体31−1の代わりに中間体36−1を用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:0〜4:1〜2:1)により精製し、表題化合物(229.1 mg、0.636 mmol、83%、白色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3): δ =7.431 (2H, m), 7.210-7.097 (7H, m), 6.908 (2H, m), 5.148 (2H, s), 3.008 (2H, t, J=7.8Hz), 2.695 (2H, m), 2.025 (6H, s). 13C-NMR(CDCl3):δ=178.93, 156.52, 141.47, 141.34, 137.34, 136.00, 130.08, 128.85, 128.72, 128.57, 127.85, 127.64, 127.29, 127.08, 125.42, 120.79, 111.73, 69.89, 33.82, 25.97, 20.80.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C24H23O3 -: 計算値 359.1653. 実測値 359.1673. 元素分析: C17H26O3: 計算値 C, 79.97; H, 6.71; N, 0.00. 実測値 C, 79.59; H, 6.84; N, 0.00. Mp: 117.5-120.0℃, 無色固体。
[実施例37]
3−(3−((2’,6’−ジメチル−[1,1’−ビフェニル]−3−イル)メトキ
シ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルの代わりに3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルを用いることを除いて実施例36と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:0〜4:1〜2:1)により精製し、表題化合物(366.2 mg、1.016 mmol、98%、無色油状物)を得た。
1H-NMR(CDCl3): δ =7.423 (2H, m), 7.228-7.099 (6H, m), 6.825 (3H, m), 5.109 (2H, s), 2.928 (1H, t, J=7.8Hz), 2.670 (1H, m), 2.022 (6H, s). 13C-NMR(CDCl3): δ =178.33, 158.89, 141.73, 141.49, 141.31, 137.25, 136.00, 129.53, 128.67, 128.56, 127.98, 127.28, 127.07, 125.57, 120.85, 115.15, 112.74, 69.90, 35.31, 30.57, 20.82.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C24H23O3 -:計算値 359.1653. 実測値 359.1685. 元素分析: C24H24O3・0.1H2O: 計算値 C, 79.57; H, 6.73; N, 0.00. 実測値 C, 79.49; H, 6.81; N, 0.00。
[実施例38]
3−(2−((3−(3,4−ジクロロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
o−クレゾールの代わりに3,4−ジクロロフェノールを用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製し、表題化合物(486.3 mg、1.165 mmol、92%、白色固体)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.369 (1H, t, J=8.0 Hz), 7.356 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.244-7.156 (3H, m), 7.095 (1H, d, J=2.4 Hz), 7.076 (1H, s), 6.950 (1H, dd, J=2.7 Hz, 0.8 Hz), 6.903 (1H, td, J=7.2 Hz, 0.8 Hz), 6.862 (1H, d, J=8.4 Hz), 6.848 (1H, dd, J=2.9 Hz, 1.4 Hz), 5.073 (2H, s), 2.980 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.658 (2H, t, J=7.6 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ =179.33, 156.48, 156.32, 156.24, 139.63, 133.20, 131.02, 130.23, 130.15, 128.78, 127.71, 126.64, 122.61, 120.99, 120.55, 118.46, 118.15, 117.65, 111.54, 69.15, 33.90, 25.85.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C22H17Cl2O4 -: 計算値 415.0509. 実測値 415.0525.
元素分析: C22H18Cl2O4: 計算値 C, 63.32; H, 4.35. 実測値C, 63.05; H, 4.57。
[実施例39]
3−(2−((3−(2−フルオロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
o−クレゾールの代わりに2−フルオロフェノールを用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:2)により精製し、表題化合物(278.2 mg、0.7602 mmol、93.55%、無色油状物)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ (ppm): δ = 10.718 (brs, 1H), 7.431-7.392 (m, 1H), 7.283-7.132 (m, 8H), 7.043-6.936 (m, 3H), 5.126 (s, 2H), 3.064 (t, 2H, J = 7.6Hz), 2.741 (t, 2H, J = 7.6Hz).
13C NMR (CDCl3): δ (ppm): δ = 179.87, 157.89, 156.44, 155.80, 153.32, 143.55, 143.43, 139.34, 130.22, 120.02, 128.90, 127.80, 125.22, 125.15, 124.88, 124.84, 122.34, 122.33, 121.57, 121.00, 117.31, 117.13, 116.59, 115.52, 111.68, 69.34, 34.05, 25.91.
HRMS (ESI-TOF [M-H]-): C22H18FNaO4 - 計算値365.1195, 実測値 365.1223.
元素分析: 計算値 C, 71.72% ; H, 5.28%; N, 0.00% (C22H19FNaO4+酢酸エチル×0.1); 実測値 C, 71.42%; H, 5.27% ; N, 0.00%。
[実施例40]
3−(2−((3−(4−ブロモロフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
o−クレゾールの代わりに4−ブロモフェノールを用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=6:1〜2:1)により精製し、表題化合物(130.0 mg、0.3042 mmol、92%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.420 (2H, dt, J=8.88 Hz, 2.70 Hz), 7.346 (1H, t, J=7.88 Hz), 7.193-7.153 (3H, m), 7.047 (1H, s), 6.952-6.848 (5H, m), 5.060 (2H, s), 2.970 (2H, t, J=7.70 Hz), 2.649 (2H, t, J=7.72 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 178.98, 157.15, 156.28, 156.19, 139.39, 132.72, 130.14, 130.07, 128.80, 127.69, 122.03, 120.93, 120.72, 118.11, 117.22, 115.89, 111.54, 69.21, 33.83, 25.85.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C22H18BrO4 -: 計算値 425.0394, 427.0373. 実測値 425.0420, 427.0401.
元素分析: C22H19BrO4: 計算値 C, 61.84; H, 4.48. 実測値 C, 61.54; H, 4.59。
[実施例41]
3−(2−((3−(4−ヨードフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
o−クレゾールの代わりに4−ヨードフェノールを用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=6:1〜4:1〜2:1)により精製し、表題化合物(216.7 mg, 0.4569 mmol, 90%、薄緑様白色粉末)を得た。
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C22H18IO4 -: 計算値 473.0255. 実測値 473.0283。
[実施例42]
3−(2−((3−(4−(tert−ブチル)フェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
中間体31−1の代わりに3−(4−tert−ブチルフェノキシ)ベンズアルデヒドを用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により精製し、表題化合物(632.9 mg、1.565 mmol、85%、白色粉末)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.341 (2H, dt, J=8.8 Hz, 2.6 Hz), 7.320 (1H, t, J=7.8 Hz), 7.186-7.119 (3H, m), 7.041 (1H, s), 6.965-6.850 (5H, m), 5.052 (2H, s), 2.963 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.643 (2H, t, J=7.6 Hz), 1.317 (9H, s).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 178.12, 158.02, 156.38, 154.31, 146.39, 139.09, 130.15, 129.85, 128.82, 127.68, 126.58, 121.24, 120.83, 118.75, 117.72, 116.76, 111.57, 69.37, 34.31, 33.68, 31.47, 25.90.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C26H27O4 -: 計算値 403.1915. 実測値 403.1900.
元素分析: C26H28O4: 計算値 C, 77.20; H, 6.98. 実測値 C, 77.05; H, 7.01.
Mp: 111.1-112.5℃ (無色キューブ状固体、n-ヘキサン/CH2Cl2から再結晶)。
[実施例43]
3−(2−((3−([1,1’−ビフェニル]−4−イルオキシ)ベンジル)オキシ
)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
o−クレゾールの代わりに4−フェニルフェノールを用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=6:1〜2:1)により精製し、表題化合物(189.5 mg、0.4464 mmol、84%、白色固体)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): ( = 7.429-7.391 (2H, m), 7.365-7.287 (2H, m), 7.186-7.147 (3H, m), 7.104-7.057 (3H, m), 6.994 (1H, dd, J=8.08 Hz, 0.92 Hz), 6.903-6.849 (2H, m), 5.056 (2H, s), 2.965 (2H, t, J=7.68 Hz), 2.638 (2H, t, J=7.68 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): ( = 179.28, 157.56, 156.44, 156.33, 140.46, 139.25, 136.49, 130.12, 129.98, 128.80, 128.74, 128.44, 127.66, 127.02, 126.87, 121.69, 120.86, 119.32, 118.07, 117.19, 111.55, 69.29, 33.86, 25.84.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): Calcd for C28H23O4 -: 423.1602. Found: 423.1631。
[実施例44]
3−(2−((3−(4−メトキシフェノキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
o−クレゾールの代わりに4−メトキシフェノールを用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてn−ヘキサンおよびジクロロメタンを用いた再結晶を行うことにより精製し、表題化合物(217.5 mg、0.5748 mmol、56%、薄桃色固体)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.294 (1H, t, J=7.88 Hz), 7.181-7.146 (2H, m), 7.086 (1H, d, J=7.48 Hz), 6.993-6.971 (3H, m), 6.903-6.842 (5H, m), 5.032 (2H, s), 3.788 (3H, s), 2.955 (2H, t, J=7.64 Hz), 2.635 (2H, t, J=7.66 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 178.95, 158.93, 156.37, 156.04, 149.77, 139.04, 130.11, 129.80, 128.81, 127.66, 121.06, 120.83, 120.79, 116.80, 115.76, 114.91, 111.55, 69.37, 55.61, 33.80, 25.84.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C23H21O5 -:計算値 377.1394. 実測値 377.1400。
[実施例45]
3−(2−((3−ベンジルベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
中間体31−2の代わりにm−ベンジルベンジルアルコールを用いることを除いて基本的には実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1〜2:1)、さらにはn−ヘキサン/ジクロロメタンを用いて再結晶を行って精製し、表題化合物(413.6 mg、1.194 mmol、55%、白色固体)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.309-7.127 (11H, m), 6.896-6.857 (2H, m), 5.031 (2H, s), 3.987 (2H, s), 2.967 (2H, t, J=7.70 Hz), 2.653 (2H, t, J=7.70 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 179.45, 156.51, 141.49, 140.84, 137.34, 130.08, 128.93, 128.79, 128.67, 128.47, 128.38, 127.65, 127.55, 126.10, 124.78, 120.72, 69.70, 41.83, 33.89, 25.91.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C23H21O3 -: 計算値 345.1496. 実測値 345.1504。
[実施例46]
3−(2−((3−(ベンジルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
o−クレゾールの代わりに臭化ベンジル、3−ホルミルフェニルボロン酸の代わりにm−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いることを除いて基本的には実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜0:1)により精製し、表題化合物(701.3 mg、1.935 mmol、87%、白色固体)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.435-7.232 (6H, m), 7.184-7.144 (2H, m), 7.058 (1H, s), 7.006 (1H, d, J=7.56 Hz), 6.934-6.861 (3H, m), 5.062 (2H, s), 5.058 (2H, s), 2.993 (2H, t, J=7.72 Hz), 2.681 (2H, t, J=7.74 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 179.31, 159.02, 156.46, 138.83, 136.89, 130.07, 129.63, 128.76, 128.54, 127.91, 127.67, 127.46, 120.78, 119.42, 114.37, 113.20, 119.59, 69.93, 69.60, 33.91, 25.91.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C23H21O4 -: 計算値 361.1445. 実測値 361.1445。
[実施例47]
3−(2−([1,1’−ビフェニル]−3−ylメトキシ)フェニル)プロパン酸の
合成
Figure 0006699011
中間体31−2の代わりに3−ヒドロキシメチルビフェニルを用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、表題化合物(211.7 mg、0.637 mmol、95%、白色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3): δ =11.572 (1H, brs), 7.686 (1H, m), 7.636 (1H, t, J=1.6Hz), 7.617 (1H, m), 7.574 (1H, dt, 1.6, 7.6Hz), 7.453 (4H, m), 7.362 (1H, m), 7.221 (2H, m), 6.944 (2H, m), 5.180 (2H, s), 3.064 (2H, m), 2.748 (2H, m). 13C-NMR(CDCl3): δ =179.45, 156.54, 141.56, 140.87, 137.73, 130.12, 129.03, 128.84, 128.78, 127.73, 127.40, 127.16, 126.64, 125.88, 125.77, 120.86, 111.64, 69.79, 33.99, 25.95.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C22H19O3 -:計算値 331.1340. 実測値 331.1389. 元素分析: C22H20O3: 計算値 C, 79.50; H, 6.06; N, 0.00. 実測値 C, 79.26; H, 6.23; N, 0.00. Mp: 87.8℃-88.8℃、無色プレート状固体, (ヘキサン−CH2Cl2から再結晶)。
[実施例48]
3−(3−([1,1’−ビフェニル]−3−ylメトキシ)フェニル)プロパン酸の
合成
Figure 0006699011
3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルの代わりに3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルを用いることを除いて実施例47と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、表題化合物(185.0 mg、0.557 mmol、91%、白色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3): δ =11.302 (1H, brs), 7.677 (1H, m), 7.614 (2H, m), 7.569 (1H, dt, J=1.6, 7.6Hz), 7.451 (4H, m), 7.365 (1H, m), 7.231 (1H, m), 6.855 (3H, m), 5.120 (2H, s), 2.952 (2H, m), 2.694 (2H, m). 13C-NMR(CDCl3):δ=178.74, 158.97, 141.81, 141.60, 140.91, 137.51, 129.60, 129.02, 128.76, 127.40, 127.20, 126.80, 126.40, 126.33, 120.93, 115.07, 112.59, 69.97, 35.39, 30.58. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C22H19O3 -: 計算値 331.1340. 実測値 331.1369. 元素分析: C22H20O3: 計算値 C, 79.50; H, 6.06; N, 0.00. 実測値 C, 79.44; H, 6.10; N, 0.00. Mp: 90.0℃-91.0℃, 無色プレート状固体, (ヘキサン−CH2Cl2から再結晶)。
[実施例49]
3−(2−((3−(フェニルアミノ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
o−クレゾールおよび3−ホルミルフェニルボロン酸の組み合わせ代わりに3−アミノ安息香酸エチルおよびフェニルボロン酸の組み合わせを用いることを除いて実施例31と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜0:1)により精製し、表題化合物(227.0 mg、0.653 mmol、75%(2工程)、無色油状物)を得た。
1H-NMR(CDCl3):δ=7.298 (3H, m), 7.231 (2H, m), 7.182 (1H, t, J=1.8Hz), 7.111 (2H, m), 7.056 (1H, ddd, J=8.0Hz, 2.4Hz, 0.8Hz), 7.002-6.920 (4H, m), 5.085 (2H, s), 3.061 (2H, t, J=7.8z), 2.736 (2H, m). 13C-NMR(CDCl3):δ=179.67, 156.41, 143.55, 142.70, 138.50, 130.06, 129.46, 129.29, 128.73, 127.67, 121.20, 120.73, 119.09, 118.15, 116.52, 115.74, 111.61, 69.50, 34.02, 25.95, 20.99. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C22H20NO3 -:計算値 346.1449. 実測値 346.1458. 元素分析: C22H21NO3: 実測値 C, 76.23 H, 6.21; N, 4.09. 計算値 C, 76.06; H,6.09; N, 4.03。
[実施例50]
3−(3−((3−フェノキシフェノキシ)メチル)フェニル)プロパン酸の合成
Figure 0006699011
中間体50−1の合成
Figure 0006699011
塩化リチウム(1.1906 g、1.56等量)のアセトニトリル(20 mL)溶液、3−ヒドロキシメチルベンズアルデヒド(2.4528 g)のアセトニトリル(10 mL)溶液、ホスホノ酢酸トリメチル(5.1150g、1.56等量)のアセトニトリル(10 mL)溶液を室温で混合し、得られた混合溶液に、0℃でDBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン)(4.2682g、1.56等量)のアセトニトリル(10 mL)溶液を2分間かけて添加し、0℃で20分間、室温で17時間撹拌した。水(50 mL)を添加し、酢酸エチル(250 mL)で抽出し、有機層を食塩水(100 mL)で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を留去して得られた残渣を、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)により精製し、表題化合物(2.5720 g、74%、無色油状物)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3): 7.679 (1H, d, J=16.0Hz), 7.523 (1H, s), 7.449-7.426 (1H, m), 7.383-7.370 (2H, d-like m), 6.444 (1H, d, J=16.0Hz), 4.713 (2H, s), 3.800 (3H, s). 13C-NMR (100MHz, CDCl3): 167.42, 144.65, 141.62, 134.60, 129.06, 128.75, 127.30, 126.35, 118.00, 64.79, 51.71.
元素分析: C11H12O3: 計算値 C, 68.74; H, 6.29; N, 0.00. 実測値 C, 68.52; H, 6.30; N, 0.00。
中間体50−2の合成
Figure 0006699011
中間体50−1(2.2627 g)のメタノール(100 mL)溶液に削り屑状マグネシウム (Magnesium turning)(2.8676 g、中間体50−1の10等量)を8℃で加え、12℃で3.5時間撹拌した。0℃に冷却後、10%塩酸水溶液を加え、酢酸エチル(600 mL)で抽出し、有機層を食塩水(250 mL)で洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒を留去して得られた残渣を、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=3:4)により精製し、表題化合物(2.3038 g、80%、無色油状物)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3): 7.291 (1H, t, J=8.0Hz), 7.219-7.202 (2H, brd m), 7.137 (1H, d, J=7.6Hz), 4.678 (2H, s), 3.674 (1H,s), 2.963 (2H, t, J=8.0Hz), 2.641 (2H, t, J=7.6Hz), 1.619 (1H, OH). 13C-NMR (100MHz, CDCl3): 173.32, 141.14, 140.78, 128.67, 127.48, 126.86, 124.89, 65.16, 51.60, 35.57, 30.79.
元素分析: C11H14O3+0.2H2O: 計算値 C, 66.78; H, 7.34; N, 0.00. 実測値 C, 66.95; H, 7.16; N, 0.00. HRMS (ESI-TOF, [M+Na]+): C11H14NaO3 +: 計算値 217.08352. 実測値 217.08637。
中間体50−3の合成
Figure 0006699011
中間体50−2(189.3 mg)、3−フェノキシフェノール(202.9 mg、1.2等量)、トリフェニルホスフィン(303.4 mg、1.3等量)のトルエン(5 mL)溶液に、DEAD(40%(w/w)トルエン溶液、0.7 mL、1.3等量)を室温で5分間かけて添加した。反応混合物を、69-75℃で21時間撹拌後、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4、酢酸エチル:n−ヘキサン=3:80)により精製し、表題化合物(286.2 mg、81%、無色粘着性油状物)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3): 7.325 (1H, t, d, J=7.2 Hz, 1.2 Hz), 7.291 (1H, t, J=7.2Hz), 7.246 (1H, m), 7.216 (1H, t, J=8.4 Hz), 7.154 (1H, br d, J=7.6 Hz), 7.100 (1H, t, t J=7.6 Hz, 1.2 Hz), 7.013 (1H, d, d, J=8.6Hz, 1.2 Hz), 6.713 (1H, d, d, d, J=8.4 Hz, 2.4 Hz, 0.8 Hz), 6.630 (1H, t, J=2,4 Hz), 6.603 (1H, d, d, d, J=8.0Hz, 2.2 Hz, 1.2 Hz), 4.981 (2H, s), 3.657 (3H, s), 2.958 (2H, t, J=7.6 Hz), 2.627 (2H, t, J=8.0 Hz). 13C-NMR (100MHz, CDCl3): 173.20, 160.08, 158.53, 156.85, 140.91, 136.93, 130.12, 129.70, 128.75, 127.96, 127.45, 125.52, 123.39, 119.15, 111.20, 109.59, 105.65, 70.07, 51.58, 35.57, 30.83.
元素分析: C23H22O4: 計算値 C, 76.22; H, 6.12; N, 0.00. 実測値 C, 76.02; H, 6.18; N, 0.00. HRMS (ESI-TOF, [M+Na]+): C23H22NaO4 +: 計算値 385.14103. 実測値 385.14221。
化合物50の合成
Figure 0006699011
中間体50−3(272.8 mg)をメタノール(3 mL)およびTHF(4 mL)に溶解させ、水酸化ナトリウム(2N水溶液、3 mL)を加え、室温で2時間撹拌した。水(100 mL)で希釈し、2N塩酸(5mL)を加え、反応混合液を酸性化させた。溶液を酢酸エチル(125 mL)で抽出し、有機層を集めて硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を留去し、表題化合物257.0 mg、98%、白色固体)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3): 7.323 (1H, d, d, J=8.2Hz, 1.2 Hz), 7.289 (1H, d, J=7.6 Hz), 7.252 (1H, m), 7.215 (1H, t, J=8.4Hz), 7.163 (1H, brd d, J=7.6 Hz), 7.098 (1H, t, t, J=7.6 Hz, 1.2 Hz), 7.011 (2H, d, d, J=8.2 Hz, 1.2 Hz), 6.713 (1H, d, d, d, J= 8.4 Hz, 2.4 Hz, 0.8 Hz), 6.633 (1H, t, J=2.4 Hz), 6.601 (1H, d, d, d, J=7.4 Hz, 2.0 Hz, 0.8 Hz), 4.984 (2H, s), 2.963 (2H, t, J=8.0Hz), 2.676 (2H, t, J=7.6 Hz).
13C-NMR (100MHz, CDCl3): 178.23, 160.07, 158.53, 156.86, 140.55, 137.01, 130.14, 129,72, 128.83, 127.96, 127.46, 125.64, 123.41, 119.16, 111.23, 109.64, 105.69, 70.06, 35.35, 30.49. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C22H19O4 -:計算値 347.12888. 実測値 347.13222. HRMS (ESI-TOF, [M+Na]+): C22H19O4+Na+:計算値 371.12538. 実測値 371.12633. 元素分析: C22H20O4: 計算値 C, 75.84; H, 5.79; N, 0.00. 実測値 C, 75.52; H, 6.05; N, 0.00.
M.p. 68-69 °C (無色キューブ状固体、CH2Cl2/n-ヘキサンから再結晶)。
[実施例71]
O−(ヒドロキシ((R)−2−ヒドロキシ−3−((3−(2−(4−フェノキシブトキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物37の代わりに化合物51を用いることを除いて実施例12と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=8:1:1〜7:1:2)により精製し、表題化合物の酢酸塩(36.2 mg、0.065 mmol、最終工程の収率26%、白色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(白色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =7.292 (2H, m), 7.195 (1H, m), 7.069 (1H, dd, J=1.4Hz, 7.4Hz), 7.003 (1H, m), 6.935 (2H, d, J=8.0Hz), 6.877 (2H, m), 4.567 (2H, brs), 4.433 (1H, brs), 4.301-3.977 (9H, m), 2.933 (2H, t, J=7.4Hz), 2.742 (2H, t, J=7.4Hz), 1.973 (4H, quintet, J=2.9Hz). 31P-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =-2.00. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C25H33NO11P-: 計算値 554.1797. 実測値 554.1824. Mp: 145.5℃-147.0℃, 無色キューブ状固体. 元素分析: C25H34NO11P・0.7CF3COOH: 計算値 C, 49.91; H, 5.51; N, 2.20. 実測値 C, 50.14; H, 5.79; N, 2.21。
[実施例72]
O−(ヒドロキシ((R)−2−ヒドロキシ−3−((3−(2−((6−フェノキシヘキシル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物37の代わりに化合物52を用いることを除いて実施例12と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2)により精製し、表題化合物の酢酸塩(75.0 mg、0.128 mmol、最終工程の収率75%、白色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(茶色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =7.296 (2H, t, J=8.0Hz), 7.192 (1H, m), 7.071 (1H, d, J=6.4Hz), 6.998 (1H, t, J=7.4Hz), 6.942 (2H, d, J=8.0Hz), 6.878 (2H, m), 4.487 (3H, m), 4.281-3.979 (7H, m), 2.938 (2H, t, J=7.2Hz), 2.746 (2H, t, J=7.2Hz), 1.823 (4H, quintet, J=6.4Hz), 1.526 (4H, m, J=3.5Hz). 31P-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =-1.83. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-):Calcd for C27H37NO11P-: 582.2110. Found: 582.2107. Mp: 129.5℃-131.5℃, 無色キューブ状固体. 元素分析: C27H38NO11P・0.5CF3COOH: 計算値 C, 52.50; H, 6.06; N, 2.20. 実測値 C, 52.10; H, 6.31; N, 2.19。
[実施例73]
O−(ヒドロキシ((R)−2−ヒドロキシ−3−((3−(3−(4−フェノキシブトキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物37の代わりに化合物53を用いることを除いて実施例12と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2〜6:1:3)により精製し、表題化合物の酢酸塩(67.6 mg、0.122 mmol、最終工程の収率71%、黄色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(茶色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =7.309 (1H, m), 7.228 (1H, t, J=7.8Hz), 7.023 (1H, t, J=7.4Hz), 6.957 (2H, d, J=8.0 Hz), 6.814 (3H, m), 4.617 (2H, brs), 4.484 (1H, brs), 4.329-4.047 (9H, m), 2.919 (2H, t, J=7.6Hz), 2.756 (2H, t, J=7.4Hz), 1.967 (4H, m). 31P-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =-1.70. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C25H36NO10P-: 計算値 554.1797. 実測値 554.1825. Mp: 140.5℃-144.0℃, 無色キューブ状固体. 元素分析: C26H34NO11P・0.5CF3COOH: 計算値 C, 50.98; H, 5.68; N, 2.29. 実測値 C, 51.02; H, 5.48; N, 2.32。
[実施例74]
O−(ヒドロキシ((R)−2−ヒドロキシ−3−((3−(3−((6−フェノキシヘキシル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物37の代わりに化合物54を用いることを除いて実施例12と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2〜6:1:3)により精製し、表題化合物の酢酸塩(69.1 mg、0.118 mmol、最終工程の収率69%、白色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(白色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =7.297 (2H, m), 7.211 (1H, t, J=8.0Hz), 6.998 (1H, tt, J=7.4Hz, 1.1Hz), 6.946 (2H, m), 6.793 (3H, m), 4.560 (2H, brs), 4.431 (1H, brs), 4.269-3.957 (9H, m), 2.897 (2H, t, J=7.6Hz), 2.727 (2H, t, J=7.6Hz), 1.808 (4H, m), 1.509 (4H, m).
31P-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =-1.91. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C27H37NO11P-: 計算値 582.2110. 実測値 582.2122. Mp: 138.0℃-141.5℃, 無色キューブ状固体. 元素分析: C27H38NO11P・0.5CF3COOH: 計算値 C, 52.50; H, 6.06; N, 2.19. 実測値 C, 52.60; H, 6.06; N, 2.27。
[実施例75]
O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−(4−フェノキシブトキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに化合物51を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=7:1:2)により精製し、表題化合物の酢酸塩(35.3 mg、0.065 mmol、最終工程の収率66%、白色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(茶色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =7.297 (2H, t, J=8.0Hz), 7.195 (1H, t, J=7.4Hz), 7.069 (1H, d, J=6.8Hz), 7.009 (1H, t, J=7.4Hz), 6.945 (2H, d, J=8.0Hz), 6.876 (2H, t, J=7.2Hz), 4.576 (2H, brs), 4.467 (1H, brs), 4.179 (4H, m), 4.039 (4H, m), 2.929 (2H, t, J=7.2Hz), 2.714 (2H, t, J=7.0Hz), 1.965 (6H, m). 31P-NMR(CDCl3/TFA-d): δ = -1.64. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C25H33NO10P-: 計算値 538.1848. 実測値 538.1875. Mp: 124.0℃-128.0℃, 無色キューブ状固体. 元素分析: C25H33NO10P・0.8CF3COOH: 計算値 C, 50.65; H, 5.56; N, 2.22. 実測値 C, 50.58; H, 5.59; N, 2.23。
[実施例76]
O−(ヒドロキシ(3−((3−(2−((6−フェノキシヘキシル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに化合物52を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2〜6:1:3)により精製し、表題化合物の酢酸塩(50.1 mg、0.088 mmol、最終工程の収率90%、無色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(茶色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =7.298 (2H, t, J=7.8Hz), 7.191 (1H, t, J=7.6Hz), 7.067 (1H, d, J=6.8Hz), 7.011 (1H, d, J=7.2Hz), 6.953 (2H, d, J=8.0Hz), 6.876 (2H, m), 4.578-4.471 (3H, m), 4.205 (2H, brs), 4.104 (2H, t, J=6.6Hz), 4.003 (4H, m), 2.933 (2H, t, J=6.6Hz), 2.721 (2H, t, J=6.8Hz), 1.950 (2H, brs), 1.827 (4H, m), 1.521 (4H, m). 31P-NMR(CDCl3/TFA-d): δ = -1.65.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C27H37NO10P-: 計算値 566.2161. 実測値 566.2187. Mp: 131.5℃-133.0℃, 無色キューブ状固体. 元素分析: C27H38NO10P・0.3CF3COOH: 計算値 C, 55.09; H, 6.42; N, 2.33. 実測値 C, 54.79; H, 6.41; N, 2.23。
[実施例77]
O−(ヒドロキシ(3−((3−(3−(4−フェノキシブトキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに化合物53を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2)により精製し、表題化合物の酢酸塩(37.1 mg、0.069 mmol、最終工程の収率76%、白色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(茶色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =7.299 (2H, t, J=8.0Hz), 7.214 (1H, t, J=8.0Hz), 7.006 (1H, t, J=7.4Hz), 6.945 (2H, d, J=8.4Hz), 6.803 (2H, m), 6.762 (1H, brs), 4.582-4.478 (3H, m), 4.226 (2H, m), 4.138-4.037 (6H, m), 2.908 (2H, t, J=7.4Hz), 2.715 (2H, t, J=7.4Hz), 1.998 (6H, m). 31P-NMR(CDCl3/TFA-d): δ = -1.68. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C25H33NO10P-: 計算値 538.1848. Found: 538.1858. Mp: 122.5℃-124.0℃, 茶色キューブ状固体. 元素分析: C25H34NO10P・0.5CF3COOH: 計算値 C, 52.35; H, 5.83; N, 2.35. 実測値 C, 52.35; H, 5.92; N, 2.33。
[実施例78]
O−(ヒドロキシ(3−((3−(3−((6−フェノキシヘキシル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに化合物54を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2)により精製し、表題化合物の酢酸塩(39.9 mg、0.070 mmol、最終工程の収率85%、白色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(白色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =7.299 (2H, t, J=8.0Hz), 7.213 (1H, t, J=7.8Hz), 7.005 (1H, t, J=7.4Hz), 6.950 (2H, d, J=8.0Hz), 6.798 (3H, m), 4.581 (2H, brs), 4.469 (1H, brs), 4.223 (2H, t, J=5.8Hz), 4.070 (6H, m), 2.902 (2H, t, J=7.6Hz), 2.713 (2H, t, J=7.4Hz), 1.973 (2H, t, J=5.2Hz), 1.812 (4H, quartet, J=6.3Hz), 1.512 (4H, quartet, J=3.6Hz). 31P-NMR(CDCl3/TFA-d): δ = -1.51.
HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C27H37NO10P-:計算値 566.2161. 実測値 566.2204. Mp: 120.0℃-123.0℃, 無色キューブ状固体. 元素分析: C27H38NO10P・0.2CF3COOH: 計算値 C, 55.74; H, 6.52; N, 2.37. 実測値 C, 55.44; H, 6.45; N, 2.23。
[実施例79]
O−(((R)−3−((3−(2−((3−(ヘキシルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物37の代わりに化合物59を用いることを除いて実施例12と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2)により精製し、表題化合物の酢酸塩(26.5 mg、0.044 mmol、最終工程の収率33%、無色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(茶色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =7.291 (1H, t, J=7.8Hz), 7.181 (1H, m), 7.090 (1H, d, J=7.2Hz), 7.018 (1H, d, J=7.6Hz), 6.976 (1H, brs), 6.904 (3H, m), 5.054 (2H, s), 4.535-4.394 (3H, m), 4.279 -3.723 (7H, m), 2.976 (2H, t, J=7.2Hz), 2.744 (2H, t, J=7.4Hz), 1.766 (2H, quintet, J=7.1Hz), 1.424 (2H, m), 1.320 (4H, m), 0.887 (3H, t, J=7.0Hz). 31P-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =-1.81. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C28H39NO11P-: 計算値 596.2266. 実測値 596.2306. Mp: 128.0℃-132.0℃, 無色キューブ状固体. 元素分析: C28H40NO11P・CF3COOH: 計算値 C, 50.64; H, 5.81; N, 1.97. 実測値 C, 50.89; H, 5.85; N, 1.95。
[実施例80]
O−(((R)−3−((3−(3−((3−(ヘキシルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物37の代わりに化合物60を用いることを除いて実施例12と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2)により精製し、表題化合物の酢酸塩(21.3 mg、0.036 mmol、最終工程の収率38%、白色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(橙色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =7.316 (1H, t, J=8.0Hz), 7.230 (1H, t, J=8.0Hz), 7.040 (2H, m), 6.945 (1H, dd, J=2.2Hz, 8.2Hz), 5.084 (2H, s), 4.616 (2H, brs), 4.457 (1H, brs), 4.330-4.014 (7H, m), 2.922 (2H, t, J=7.2Hz), 2.756 (2H, t, J=7.2Hz), 1.767 (2H, m), 1.473-1.275 (6H, m), 0.885 (3H, m). 31P-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =-1.74. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C28H39NO11P-: 計算値 596.2285. 実測値 596.2266. Mp: 121.0℃-124.0 ℃, 無色キューブ状固体. 元素分析: C28H40NO11P・0.5CF3COOH: 計算値 C, 53.21; H, 6.24; N, 2.14. 実測値 C, 53.50; H, 6.48; N, 2.15。
[実施例81]
O−((3−((3−(2−((3−(ヘキシルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに化合物59を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2〜6:1:3)により精製し、表題化合物の酢酸塩(20.8 mg、0.036 mmol、最終工程の収率55%、無色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(茶色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =7.310 (1H, t, J=7.8Hz), 7.194 (1H, t, J=7.6Hz), 7.103 (1H, m), 7.056 (1H, d, J=7.6Hz), 7.003 (1H, s), 6.909 (3H, m), 5.075 (2H, s), 4.588-4.475 (3H, m), 4.185 (2H, m), 4.101-3.971 (4H, m), 2.986 (2H, t, J=7.0Hz), 2.738 (2H, t, J=6.8Hz), 1.937 (2H, brs), 1.783 (2H, quintet, J=7.1Hz), 1.434 (2H, quintet, J=7.1Hz), 1.338 (4H, m), 0.894 (3H, t, J=6.8Hz). 31P-NMR(CDCl3/TFA-d): δ = -1.46. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C28H39NO10P-: 計算値 580.2317. 実測値 580.2304. Mp: 124.5℃-127.0℃, 無色キューブ状固体. 元素分析: C28H40NO10P・0.5CF3COOH: 計算値 C, 54.54; H, 6.39; N, 2.19. 実測値 C, 54.40; H, 6.49; N, 2.30。
[実施例82]
O−((3−((3−(3−((3−(ヘキシルオキシ)ベンジル)オキシ)フェニル)プロパノイル)オキシ)プロポキシ)(ヒドロキシ)ホスホリル)−L−セリンの合成
Figure 0006699011
化合物31の代わりに化合物60を用いることを除いて実施例1と同様の方法で合成を行い、最終工程においてカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:酢酸=9:1:0〜8:1:1〜7:1:2)により精製し、表題化合物の酢酸塩(34.4 mg、0.059 mmol、最終工程の収率60%、無色固体)を得た。得られた酢酸塩をTFAに溶解させて、その後溶媒を留去し、表題化合物のTFA塩(白色固体)を得た。
1H-NMR(CDCl3/TFA-d): δ =7.311 (1H, t, J=7.8Hz), 7.221 (1H, t, J=7.8Hz), 7.043 (2H, d, J=8.0Hz), 6.937 (1H, dd, J=2.2Hz, 8.2Hz), 6.838 (3H, m), 5.081 (2H, s), 4.584 (2H, brs), 4.467 (1H, brs), 4.231 (2H, m), 4.102-4.004 (4H, m), 2.910 (2H, t, J=7.4Hz), 2.720 (2H, t, J=7.4Hz), 1.970 (2H, brs), 1.769 (2H, m), 1.474-1.292 (6H, m), 0.891 (3H, m). 31P-NMR(CDCl3/TFA-d): δ = -1.75. HRMS (ESI-TOF, [M-H]-): C28H39NO10P-: 計算値 580.2317. 実測値 580.2356. Mp: 139.0℃-141.5℃, 無色プレート状固体. 元素分析: C28H40NO10P・0.7CF3COOH: 計算値 C, 53.39; H, 6.20; N, 2.12. 実測値 C, 53.39; H, 6.43; N, 2.15。
本発明に使用されるアミノ酸部位が連結したリン酸部位(ホスホアミダイト)の合成方法を以下のスキームに示す。
Figure 0006699011
GPR34、P2Y10およびGPR174のアゴニスト活性評価
[試験例1]TGFα切断アッセイによるアゴニスト活性の評価
HEK293細胞を2.0x105 cells/mLとなるように10%ウシ胎仔血清(FCS)含有のダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)で懸濁し、60mmディッシュに4mLずつ播種した。5%CO2存在下で24時間培養後、LipofectAMINE 2000 (Invitrogen社)を用いて各種発現ベクターのトランスフェクションを行った。60mmディッシュあたり、AP標識TGFαのプラスミドベクターを1μg、マウスのGPR34、P2Y10またはGPR174のpCAGGSプラスミドベクター1μgを用いた。プラスミドベクターは、特許文献2および5において開示された方法により準備した。なお、AP標識TGFαは膜結合型pro-TGFαのN末端側にヒト胎盤アルカリホスファターゼ(human placental alkaline phosphatase)が融合したタンパクであり、AP標識TGFαのプラスミドベクターは、Tokumaru et al., J Cell Biol 151, 209-220 (2000)の記載に基づいて作成することができる。トランスフェクション24時間後、トリプシン/EDTAを用いて細胞を剥がし、2.0x104cells/wellとなるように培養液に再懸濁し、96-wellプレートに播種した。化合物で刺激する場合は再懸濁液にハンクス平衡塩溶液(HBSS、5mM HEPES含有)を用いた。30分間静置後、各種濃度の被検化合物を添加し、5%CO2存在下でさらに1時間静置した。96-wellプレートを遠心 (190 x g , 3分)し、上清80μLを別の96-wellプレートに移した。10 mM p−ニトロフェニルホスフェート(p-NPP)を含有した反応バッファー(40 mM Tris-HCl (pH 9.5))を上清及び細胞に80μL加えた。OD405をマイクロプレートリーダーで測定し(バックグラウンド)、37℃で1時間加温した後にOD405を再度測定した。各wellについて、AP活性は2回目の吸光度からバックグラウンドを引いた値を以下の式に当てはめて算出した。
Figure 0006699011
さらに、無刺激群のAP活性(%)を差し引いた値を縦軸に用いてグラフを作成した。実施例1〜3、5、6、8、10〜16、21〜25、71、72、75、76、79、81、82の各試験化合物について算出したEC50値を下記参考化合物1のEC50値と比較して、各化合物のアゴニスト活性を算出した結果を以下の表3に示す。活性の算出は、化合物濃度とAP活性(%)をプロットし、参考化合物1(LPS18:1)の活性を+++、参考化合物1の活性と比較して10倍の活性を++++、100倍の活性を+++++で示し、1/10の活性を++、1/100の活性を+、それ未満の活性を−で示した。また、カッコ書きで各化合物のEC50値を併記した。
Figure 0006699011
また、比較のため、ベンゼン環上の置換基を有さず、環と環との間のリンカー部分の修飾を施していない化合物(化合物A〜D、参考化合物2)についてもアゴニスト活性を測定し、結果を以下の表3に示す。
Figure 0006699011
Figure 0006699011
Figure 0006699011
Figure 0006699011
Figure 0006699011
Figure 0006699011
Figure 0006699011
表3に示されるように、すべての化合物が、GPR34、P2Y10、および/またはGPR174に対して、強いアゴニスト活性を備えることが確認された。例えば、実施例21〜25の化合物はGPR34に選択性を有するアゴニストであることが確認された。また、実施例3、5、6、21、22、23、24の化合物はベンゼン環上に置換基を有さない化合物とそれぞれ比較して、GPR34に対してより高い活性を備えることが確認された。

Claims (13)

  1. 式(I):
    Figure 0006699011
    [式中:
    1は、独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、ヒドロキシC1-6アルキル、C7-14アラルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、5〜10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5〜10員ヘテロアリール、C6-10アリールオキシ、5〜10員ヘテロアリールオキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、およびヒドロキシから選択され、
    2およびR3は、独立して、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲン原子から選択され、
    pは、0〜5であり、
    qおよびrは、独立して、0〜4であり、
    lおよびmは、独立して、0〜3であり;
    nは、0〜5であり;
    1およびZ2は、mが0または1の場合、いずれか一方が酸素原子で他方が直接結合であるか、いずれも直接結合であり、mが2または3の場合、Z1およびZ2は、独立して、酸素原子および直接結合からなる群より選択され;
    3は、酸素原子、硫黄原子、−NR9−、−CO−、−SO2−、ジフルオロメチレン、および直接結合からなる群より選択され、ここで、R9は、水素原子またはC1-6アルキルであり(ただし、Z 3 が直接結合の場合、lは0ではない)
    4は、水素原子、C1-6アルキル、C7-14アラルキル、またはC1-6アルコキシC1-6アルキルであり;
    5は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
    6およびR7は、独立して、水素原子、C1-6アルキル、C7-14アラルキル、ホルミル、C1-6アルキルカルボニル、C6-10アリールカルボニル、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、およびC7-14アラルキルオキシカルボニルからなる群より選択され;
    8は、水素原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、またはC7-14アラルキルであり;
    X−A−Yは、
    Figure 0006699011
    からなる群から選択される1つの基であり、
    ここで、R10およびR11は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1以上のR12によって置換されていてもよいC1-6アルキル、ヒドロキシ、またはC1-6アルコキシであって、R12は、ヒロドキシ、C1-6アルコキシ、C3-10シクロアルキルオキシ、5〜10員ヘテロシクリルオキシ、C7-14アラルキルオキシ、C6-10アリールオキシ、および5〜10員ヘテロアリールオキシから選択され、sは、1〜5であり、XおよびYは、独立して、CH2または直接結合であり;
    Bは、酸素原子または−NR13−であり、ここで、R13は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
    1、Q2およびQ3のいずれか1つは炭素原子または窒素原子であり、残りの2つは炭素原子である]
    により示される化合物、またはその塩(ただし、(2S)−2−アミノ−3−[ヒドロキシ−((2R,3S)−3−{3−[2−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−フェニル]−プロピオニルオキシ}−テトラヒドロ−ピラン−2−イルメトキシ)−ホスホリルオキシ]−プロピオン酸、(2S)−2−アミノ−3−[ヒドロキシ−((2R,3R)−2−{3−[2−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−フェニル]−プロピオニルメトキシ}−テトラヒドロ−ピラン−3−イルオキシ)−ホスホリルオキシ]−プロピオン酸、(2S)−2−アミノ−3−[ヒドロキシ−((2R,3R)−3−{3−[2−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−フェニル]−プロピオニルオキシ}−テトラヒドロ−ピラン−2−イルメトキシ)−ホスホリルオキシ]−プロピオン酸、(2S)−2−アミノ−3−[ヒドロキシ−((2R,3S)−2−{3−[2−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−フェニル]−プロピオニルオキシメチル}−テトラヒドロ−ピラン−3−イルオキシ)−ホスホリルオキシ]−プロピオン酸、(2S)−2−アミノ−3−[ヒドロキシ−((2R,3S)−2−{3−[2−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−フェニル]−プロピオニルオキシメチル}−3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イルオキシ)−ホスホリルオキシ]−プロピオン酸、(2S)−2−アミノ−3−[ヒドロキシ−((2R,3R)−2−{3−[2−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−フェニル]−プロピオニルオキシメチル}−3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イルオキシ)−ホスホリルオキシ]−プロピオン酸、(2S,3S)−2−アミノ−3−[ヒドロキシ−((2R,3S)−3−{3−[2−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−フェニル]−プロピオニルオキシ}−テトラヒドロ−ピラン−2−イルメトキシ)−ホスホリルオキシ]−酪酸、(2S,3S)−2−アミノ−3−[ヒドロキシ−((2R,3R)−3−{3−[2−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−フェニル]−プロピオニルオキシ}−テトラヒドロ−ピラン−2−イルメトキシ)−ホスホリルオキシ]−酪酸、(2S,3S)−2−アミノ−3−[ヒドロキシ−((2R,3S)−2−{3−[2−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−フェニル]−プロピオニルオキシメチル}−テトラヒドロ−ピラン−3−イルオキシ)−ホスホリルオキシ]−酪酸、(2S,3S)−2−アミノ−3−[ヒドロキシ−((2R,3R)−2−{3−[2−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−フェニル]−プロピオニルオキシメチル}−テトラヒドロ−ピラン−3−イルオキシ)−ホスホリルオキシ]−酪酸および(2S)−2−アミノ−3−[ヒドロキシ−((1R)−1−メトキシメチル−2−{3−[2−(3−フェノキシ−ベンジルオキシ)−フェニル]−プロピオニルオキシ}−エトキシ)−ホスホリルオキシ]−プロピオン酸を除く)。
  2. 式(II−1)又は式(II−2)
    Figure 0006699011
    [式中:
    1は、独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、ヒドロキシC1-6アルキル、C7-14アラルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、5〜10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5〜10員ヘテロアリール、C6-10アリールオキシ、5〜10員ヘテロアリールオキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、およびヒドロキシから選択され、
    3は、独立して、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲン原子から選択され、
    pは、0〜5であり、
    rは、0〜4であり、
    mは、3〜15であり;
    nは、0〜5であり;
    1およびZ2は、独立して、酸素原子および直接結合からなる群より選択され;
    4は、水素原子、C1-6アルキル、C7-14アラルキル、またはC1-6アルコキシC1-6アルキルであり;
    5は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
    6およびR7は、独立して、水素原子、C1-6アルキル、C7-14アラルキル、ホルミル、C1-6アルキルカルボニル、C6-10アリールカルボニル、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、およびC7-14アラルキルオキシカルボニルからなる群より選択され;
    8は、水素原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、またはC7-14アラルキルであり;
    X−A−Yは、
    Figure 0006699011
    からなる群から選択される1つの基であり、
    ここで、R10およびR11は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1以上のR12によって置換されていてもよいC1-6アルキル、ヒドロキシ、またはC1-6アルコキシであって、R12は、ヒロドキシ、C1-6アルコキシ、C3-10シクロアルキルオキシ、5〜10員ヘテロシクリルオキシ、C7-14アラルキルオキシ、C6-10アリールオキシ、および5〜10員ヘテロアリールオキシから選択され、sは、1〜5であり、XおよびYは、独立して、CH2または直接結合であり;
    Bは、酸素原子または−NR13−であり、ここで、R13は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
    1、Q2およびQ3のいずれか1つは炭素原子または窒素原子であり、残りの2つは炭素原子である]
    により示される化合物、またはその塩。
  3. 式(III−1)又は式(III−2)
    Figure 0006699011
    [式中:
    1は、独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、ヒドロキシC1-6アルキル、C7-14アラルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、5〜10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5〜10員ヘテロアリール、C6-10アリールオキシ、5〜10員ヘテロアリールオキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、およびヒドロキシから選択され;
    3は、独立して、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、およびハロゲン原子から選択され;
    pおよびrは、独立して、0〜4であり;
    mは、独立して、0〜3であり;
    nは、0〜5であり;
    1およびZ2は、mが0または1の場合、いずれか一方が酸素原子で他方が直接結合であるか、いずれも直接結合であり、mが2または3の場合、Z1およびZ2は、独立して、酸素原子および直接結合からなる群より選択され;
    3は、酸素原子、硫黄原子、−NR9−、−CO−、−SO2−、ジフルオロメチレン、および直接結合からなる群より選択され、ここで、R9は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
    4は、水素原子、C1-6アルキル、C7-14アラルキル、またはC1-6アルコキシC1-6アルキルであり;
    5は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
    6およびR7は、独立して、水素原子、C1-6アルキル、C7-14アラルキル、ホルミル、C1-6アルキルカルボニル、C6-10アリールカルボニル、C1-6アルコキシカルボニル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、およびC7-14アラルキルオキシカルボニルからなる群より選択され;
    8は、水素原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、またはC7-14アラルキルであり;
    X−A−Yは、
    Figure 0006699011
    からなる群から選択される1つの基であり、
    ここで、R10およびR11は、独立して、水素原子、ハロゲン原子、1以上のR12によって置換されていてもよいC1-6アルキル、ヒドロキシ、またはC1-6アルコキシであって、R12は、ヒロドキシ、C1-6アルコキシ、C3-10シクロアルキルオキシ、5〜10員ヘテロシクリルオキシ、C7-14アラルキルオキシ、C6-10アリールオキシ、および5〜10員ヘテロアリールオキシから選択され、sは、1〜5であり、XおよびYは、独立して、CH2または直接結合であり;
    Bは、酸素原子または−NR13−であり、ここで、R13は、水素原子またはC1-6アルキルであり;
    1、Q2およびQ3のいずれか1つは炭素原子または窒素原子であり、残りの2つは炭素原子であり;
    15は、C3-15アルキル、C3-10シクロアルキル、および5〜10員ヘテロシクリルから選択される]
    により示される化合物、またはその塩。
  4. pが1〜3である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩。
  5. 1が、独立して、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C6-10アリール、C6-10アリールオキシ、およびハロゲン原子から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩。
  6. 3(CH2lが、酸素原子、−NH−、−CH2−、−OCH2−、および直接結合からなる群より選択される、請求項1、4、5のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩。
  7. 5が、水素原子またはメチルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩。
  8. 4が、水素原子であり;
    6およびR7が、水素原子であり;
    8が、水素原子である;
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩。
  9. X−A−Yが、
    Figure 0006699011
    からなる群から選択される1つの基であり、
    XおよびYは、独立して、CH2または直接結合である;
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、またはその塩。
  10. 式(IV):
    Figure 0006699011
    [式中:
    1は、独立して、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルスルホニル、ヒドロキシC1-6アルキル、C7-14アラルキル、C1-6アルコキシC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、5〜10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5〜10員ヘテロアリール、シアノ、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ハロゲン原子、およびヒドロキシから選択され、
    pは、0又は1であり、
    3は、酸素原子および直接結合からなる群より選択される]
    により示される化合物、またはその塩。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその塩を含み、自己免疫疾患を治療するための、医薬組成物。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその塩を含み、GPR34、P2Y10、およびGPR174から選択されるいずれか1つ以上のリゾホスファチジルセリン受容体に作用する、リゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤。
  13. リゾホスファチジルセリン受容体アゴニスト活性を有する、請求項12に記載のリゾホスファチジルセリン受容体機能調節剤。
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