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JP6690533B2 - ケーブルおよび電力供給装置 - Google Patents

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Description

本技術は、ケーブルおよび電力供給装置に関する。
USBケーブル等のケーブルは、電子機器間のデータを送受信するために使用されている。また、USBケーブル等を介して、ホスト側の機器からデバイスへ電力を供給することも、行われている。また、USB充電対応ACアダプタ等の電力供給機器から、電力供給機器に接続されたUSBケーブル等のケーブルを介して、電子機器に電力を供給することが行われている。
下記特許文献1では、異常な温度上昇が生じた場合に電源をオフにして装置の故障等を防止する技術が提案されている。
特開2003−92516号公報
ケーブルでは、短絡等に起因する異常な温度上昇が生じた場合に、電流を遮断して少なくともケーブルを保護することが求められている。
したがって、本技術の目的は、異常な温度上昇が生じた場合に少なくともケーブルを保護することができるケーブルおよび電力供給装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本技術は、電源ラインを構成する+の電源ラインと−の電源ラインと複数のデータ伝送ラインを含むケーブル部と、該ケーブル部の一端および他端の少なくとも何れかに設けられたコネクタとを備え、ACアダプタに対して接続されるUSB規格に準拠したケーブルにおいて、
コネクタは、合成樹脂からなるコネクタボディとコネクタボディに装着される金属製のコネクタシェルを有し、
コネクタボディから電源ラインと複数のデータ伝送ラインにそれぞれ接続された端子が突出され、
温度上昇に伴う形状変化により、+の電源ラインと−の電源ラインとをショートさせる導電部材を備えたケーブルである。
本技術は、電力供給源と、電力供給源に接続された上述のケーブルの少なくとも何れかとを備えた電力供給装置である。
本技術によれば、異常な温度上昇が生じた場合に少なくともケーブルを保護することができる。
図1は本技術の第1の実施の形態によるケーブルの構成例を示す概略図である。 図2はケーブル部の一端に設けられたコネクタの構成の概略を示す概略図である。 図3はケーブルの電気的構成の概略を示す概略図である。 図4は保護回路の具体的な構成を示す概略図である。 図5は変形例1−1のケーブルの構成の概略を示す概略図である。 図6は保護回路の他の構成の第1の例を示す概略図である。 図7は保護回路の他の構成の第2の例を示す概略図である。 図8Aおよび図8Bはコネクタの構成の概略を示す概略図である。 図9Aおよび図9Bはコネクタの構成の概略を示す概略図である。 図10は第3の実施の形態による電力供給装置の構成の概略を示す略線図である。 図11Aおよび図11Bはコネクタの構成の概略を示す概略図である。 図12はACアダプタの電気的構成の概略を示す概略図である。 図13はコネクタを側方から見た構成の概略を示す側面図である。
(本技術の技術的背景)
まず本技術の理解を容易にするため、本技術の技術的背景について説明する。USB(Universal Serial Bus)を用いた給電規格は、BC1.2(Battery Charging Specification Revision1.2)のリリースにより1.5Aまで拡大され、またUSB−PD(Power Delivery)や各メーカーの独自規格等の登場でさらなる大電流化が進んでいる。一方で、USBケーブルのコネクタは、マイクロUSB等の小型なものが一般的となり、端子の変形によるショートやケーブル内部の変形劣化によるショート、端子に異物が混入しショート等が起こりやすい。大電流化によって、充電器の過電流保護の値が大きくなっているため、市場において異常発熱によるケーブルの焼損等が増加している。ショートによる発熱は局地的に発生するため、異常温度を迅速に検出して、ケーブル、並びに、ケーブルに接続された電力供給源およびケーブルに接続された電力供給先である機器を保護することが求められている。
以下、本技術の実施の形態について図面を参照して説明する。説明は、以下の順序で行う。実施の形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.第4の実施の形態
5.他の実施の形態(変形例)
なお、以下に説明する実施の形態等は本技術の好適な具体例であり、本技術の内容がこれらの実施の形態等に限定されるものではない。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また例示した効果と異なる効果が存在することを否定するものではない。
1.第1の実施の形態
本技術の第1の実施の形態によるケーブルの構成の一例について説明する。図1は、本技術の第1の実施の形態によるケーブルの構成の一例の概略を示す概略図である。図1に示すように、本技術の第1の実施の形態によるケーブルは、ケーブル部1と、コネクタ2と、保護回路を搭載した基板3とを備える。例えば、本技術の第1の実施の形態によるケーブルは、マイクロUSBケーブル等のUSBケーブルである。本技術の第1の実施の形態によるケーブルは、例えば、USBアダプタ、ACアダプタ、電源等の電力供給源に接続されて出力ケーブルとして使用することができる。なお、電源としては、例えば、USB出力機能付きポータブル電源等のリチウムイオンポリマー電池等の電池を内蔵した電源等が挙げられる。
コネクタ2は、ケーブル部1の一端に設けられている。ケーブル部1の他端には、コネクタ2と異なるタイプのコネクタが設けられている。基板3は、コネクタ2に内蔵されている。なお、基板3は、ケーブル部1およびコネクタ2の両方にわたり内蔵されていてもよい。導電性異物等によってコネクタシェル12とコネクタ端子とがショートした場合には、コネクタ全体が早く発熱するため、温度検出素子(基板3)はコネクタ2に内蔵されていることが有効である。
図2は、ケーブル部1の一端に設けられたコネクタの構成の概略を示す概略図である。図3は、ケーブルの電気的構成の概略を示す概略図である。コネクタ2は、合成樹脂等からなるコネクタボディ11と、コネクタボディ11に装着される板金製のコネクタシェル12と、基板3とを備える。図示は省略するが、これらは、コネクタシェル12の先端部分が露出されるように樹脂で被覆されている。
コネクタシェル12に覆われたコネクタボディ11の突出部分には、コネクタ端子であるVBUS端子21、GND端子22、D+端子23、D−端子24、ID端子25が、並設されている。
ケーブル部1は、電源線として、+の電源ラインを構成するVBUS線31と、−の電源ラインを構成するGND線32と、信号伝送用の+、−の2本のデータ通信線としてD+線33、D−線34と、シールド線35とを含む。
D+端子23は、D+線33と電気的に接続されている。D−端子24は、D−線34と電気的に接続されている。シールド線35は、コネクタシェル12に電気的に接続されている。
VBUS線31およびGND線32は、保護回路が搭載された基板3に接続され、VBUS線31は基板3を介して、VBUS端子21と電気的に接続され、GND線32は基板3を介してGND端子22と電気的に接続されている。
保護回路は、スイッチS1と、サーミスタ等の温度検出素子51とを含む。スイッチS1は、+の電源ラインに設けられており、+の電源ラインの導通および遮断の切り替えを行う。スイッチS1に接続された温度検出素子51が、異常な温度上昇を検知するとスイッチS1がオフの状態となり、+の電源ラインを遮断する。これにより、異常発熱等による異常な温度上昇から少なくともケーブルを保護することができる。例えば、異常発熱等による異常な温度上昇からケーブル、並びに、ケーブルに接続された電力供給源(USBアダプタ、ACアダプタ、電源等)およびケーブルに接続された電力供給先である機器を保護することができる。
図3に示した保護回路に対応するより具体的な保護回路の構成例を図4に示す。なお、保護回路の構成は図4に示す例に限定されるものではない。図4に示すように、+の電源ライン(VBUSライン)には、スイッチS1として例えばMOS(Metal Oxide Semiconductor)FET(Field Effect Transistor)が設けられており、MOSFETに対して並列に抵抗52が接続されている。また、MOSFETに温度検出素子51としてサーミスタが接続されている。サーミスタは、例えば温度上昇に伴い抵抗が上昇する(正の温度係数を有する)PTC(positive temperature coefficient)サーミスタである。図4に示す例では、異常な温度上昇に伴いサーミスタの抵抗値が上昇し、MOSFETがオフとなり、+の電源ラインを遮断する。これにより、異常な温度上昇から少なくともケーブルを保護することができる。例えば、異常発熱等による異常な温度上昇からケーブル、並びに、ケーブルに接続された電力供給源およびケーブルに接続された電力供給先である機器を保護することができる。
[変形例1−1]
(基板の配置を変更した例)
第1の実施の形態によるケーブルの一例は、基板3の配置を次のように変更したものであってもよい。
図5は、変形例1−1のケーブルの構成の概略を示す概略図である。上述したケーブルの一例と同様、変形例1−1のケーブルは、ケーブル部1と、コネクタ2と、保護回路を搭載した基板3とを備える。コネクタ2は、ケーブル部1の一端に設けられている。ケーブル部1の他端には、コネクタ2と異なるタイプのコネクタが設けられている。変形例1−1では、基板3は、コネクタ2ではなくケーブル部1に内蔵されている。例えば、コネクタ端子のケーブルとの接触点が導電性異物でショートした場合には、コネクタ全体より、コネクタ端子のケーブルとの接触点の方が早く発熱する傾向にある。このような発熱をより早く検知して迅速に保護を掛けることができるため、基板3がケーブル部1(好ましくはコネクタ2の近傍)に内蔵されていることが有効である。以上のこと以外は、上述したケーブルの一例と同様である。
[変形例1−2]
(保護回路の他の構成の第1の例)
第1の実施の形態によるケーブルの一例および変形例1−1は、保護回路の構成を次のように変更したものであってもよい。
図6は、保護回路の他の構成の第1の例を示す概略図である。変形例1−2では、−の電源ラインに、−の電源ラインの導通および遮断を切り替えるスイッチS1が設けられている。スイッチS1に接続された温度検出素子51が、異常な温度上昇を検知するとスイッチS1がオフの状態となり、−の電源ラインを遮断する。これにより、異常な温度上昇から少なくともケーブルを保護することができる。例えば、異常発熱等による異常な温度上昇からケーブル、並びに、ケーブルに接続された電力供給源およびケーブルに接続された電力供給先である機器を保護することができる。以上のこと以外は、上述したケーブルの一例および変形例1−1と同様である。
[変形例1−3]
(保護回路の他の構成の第2の例)
第1の実施の形態によるケーブルの一例および変形例1−1は、保護回路の構成を次のように変更したものであってもよい。
図7は、保護回路の他の構成の第2の例を示す概略図である。+の電源ラインに、スイッチS1が設けられている。変形例1−3では、スイッチS1に制御部61が接続されている。制御部61は、例えば、マイクロコンピュータ等によって構成される。制御部61が例えば温度検出素子51の抵抗値等を監視して、温度異常を検出した場合、スイッチS1をオフの状態に制御して、+の電源ラインを遮断する。これにより、異常な温度上昇から少なくともケーブルを保護することができる。例えば、異常発熱等による異常な温度上昇からケーブル、並びに、ケーブルに接続された電力供給源およびケーブルに接続された電力供給先である機器を保護することができる。以上のこと以外は、上述したケーブルの一例および変形例1−1と同様である。なお、変形例1−2も同様に、保護回路に制御部61を追加した構成としてもよい。
以上説明した本技術の第1の実施の形態では、ケーブル単独で、保護動作を行うことができる。例えば、典型的なUSB充電対応ACアダプタ等では、典型的にはACアダプタ側で保護動作(過大な出力電流や異常な温度上昇により出力を停止)を行っているが、本技術では、ACアダプタ等によらず、ケーブル単独で保護動作を行うことができる。また、データ通信線を犠牲にすることなく、さらには、温度検知用の線材を追加することなく、ケーブル単体で熱検知および保護を掛けることができる。
また、本技術の第1の実施の形態は、典型的な保護動作と比較して、優れた効果を有する。すなわち、ACアダプタ側で保護動作を行う技術では、USBケーブルのコネクタ端子の異常や、異物の混入、接触不具合等の不完全な状態でのUSBコネクタの異常発熱の際に、保護を掛けることができないため、電力供給源である電源(ACアダプタ)やUSBケーブル、セット機器を保護することができなかった。
また、ケーブル側に温度センサを付けておいて、温度異常をACアダプタ側に通知して、ACアダプタ側でOFFする手法を採用することも可能であるが、USBケーブルの通信線を追加する必要がある。また、ケーブル単独で保護動作を行うことができない。
これに対して、本技術の第1の実施の形態では、ケーブル単体で保護を掛けることができ、ACアダプタや電源に依存しない方式で保護を掛けることができる。また、本技術の第1の実施の形態では、過大な電流や電圧などの、電流や電圧を検知するのではなく、異常発熱の温度を検知するため、異常時の熱を迅速に検知して電流を止めることができる。本技術の第1の実施の形態では、ACアダプタや電源の定格範囲内(定格電圧、定格電流)であっても、コネクタ端子の異常や、異物の混入、接触不具合等の不完全な状態でのUSBコネクタの異常発熱の際に、迅速且つ確実に熱を検知して、電流をシャットOFFすることで発熱を止め、電力供給元である電源(ACアダプタ)やUSBケーブル、セット機器を保護することができる。本技術の第1の実施の形態では、ACアダプタ、電源に依存せず、USBコネクタの異常な発熱による、USBケーブルやセット側コネクタの溶融や発煙に至る前に、安全に停止し、熱を検知して停止できるため、使用するユーザーの安全性を担保するための保護として有効である。さらに、ACアダプタや電源に対しても、影響を与えず、安全に使用することができる。
2.第2の実施の形態
本技術の第2の実施の形態によるケーブルの構成の一例について説明する。
本技術の第2の実施の形態によるケーブルの一例は、第1の実施の形態と同様、例えば、ケーブル部1と、コネクタ2とを備える。コネクタ2は、ケーブル部1の一端に設けられている。ケーブル部1の他端には、コネクタ2と異なるタイプのコネクタが設けられている。
図8Aおよび図8Bは、コネクタ2の構成の概略を説明するための概略図である。なお、図8Aは、保護動作を行う前の状態を示し、図8Bは、保護動作を行った後の状態を示す。なお、図8Aおよび図8Bでは、D+端子23に電気的に接続されるD+線33、および、D−端子24に電気的に接続されるD−線34の図示を省略している。
GND線32は、GND端子22に電気的に接続されている。VBUS線31は保護部材70を介してVBUS端子21と電気的に接続されている。
保護部材70は、絶縁材料等からなるケース71と、ケース71内に収容された形状記憶合金等の温度によって形状変化する材料からなる伸縮導電部材72とを含む。保護部材70は、例えば、コネクタ2に内蔵されている。なお、保護部材70はケーブル部1に内蔵されていてもよいし、コネクタ2およびケーブル部1の両方にわたり内蔵されていてもよい。
伸縮導電部材72は、例えば、通常動作時の温度(低温、常温等)で伸びた状態となり、高温で縮んだ状態となる特性を有するバネ状の形状記憶合金等である。保護部材70は+の電源ラインに直列に設置され、伸縮導電部材72の伸びおよび/または縮み等の形状変化によって、+の電源ラインの導通および遮断を切り替える。
例えば、図8Aに示すように、通常動作時の温度(低温、常温等)の状態では、伸縮導電部材72が伸びた状態等となり、伸縮導電部材72の両端が、それぞれ、VBUS線31およびVBUS端子21のそれぞれと電気的に接続された状態となっている。例えば、ケース71の一端面および他端面のそれぞれには開口が設けられており、開口を通じてVBUS線31およびVBUS端子21のそれぞれと伸縮導電部材72の一端および他端のそれぞれとが接触して、電気的に接続された状態となっている。
異常な温度上昇等が生じて高温状態になると、図8Bに示すように、伸縮導電部材72が縮んだ状態に変化する等の形状変化によって、+の電源ラインが遮断される。例えば、伸縮導電部材72が縮んだ状態になることで、VBUS線31およびVBUS端子21のそれぞれと伸縮導電部材72の一端および他端のそれぞれとの接触が解除されることにより、+の電源ラインが遮断される。これにより、異常な温度上昇から少なくともケーブルを保護することができる。例えば、異常発熱等による異常な温度上昇からケーブル、並びに、ケーブルに接続された電力供給源およびケーブルに接続された電力供給先である機器を保護することができる。本技術の第2の実施の形態では、第1の実施の形態同様、ケーブル単独で、保護動作を行うことができる。
[変形例2−1]
第2の実施の形態によるケーブルの一例は、保護部材70の配置を次のように変更したものであってもよい。
図9Aおよび図9Bは、コネクタ2の構成の概略を説明するための概略図である。なお、図9Aは、保護動作を行う前の状態を示し、図9Bは、保護動作を行った後の状態を示す。なお、図9Aおよび図9Bでは、D+端子23に電気的に接続されるD+線33、および、D−端子24に電気的に接続されるD−線34の図示を省略している。
変形例2−1では、VBUS線31はVBUS端子21に電気的に接続されている。GND線32は保護部材70を介してGND端子22と電気的に接続されている。保護部材70は−の電源ラインに直列に設置され、伸縮導電部材72の伸びおよび/または縮み等の形状変化によって、−の電源ラインの導通および遮断を切り替える。
例えば、図9Aに示すように、通常動作時の温度(低温、常温等)の状態では、伸縮導電部材72が伸びた状態等となり、伸縮導電部材72の両端が、それぞれ、GND線32およびGND端子22のそれぞれと電気的に接続された状態となっている。
異常な温度上昇等が生じて高温状態になると、図8Bに示すように、伸縮導電部材72が縮んだ状態に変化する等の形状変化によって、−の電源ラインが遮断される。これにより、異常な温度上昇から少なくともケーブルを保護することができる。例えば、異常発熱等による異常な温度上昇からケーブル、並びに、ケーブルに接続された電力供給源およびケーブルに接続された電力供給先である機器を保護することができる。
以上説明した本技術の第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果を奏する。本技術の第2の実施の形態ではサーミスタ等の温度検出素子を用いないでも、ケーブル単独で、保護動作を行うことができる。
3.第3の実施の形態
本技術の第3の実施の形態によるケーブルについて説明する。以下では、第3の実施の形態によるケーブルを電力供給装置に適用した例について説明する。例えば、ケーブルの他端がACアダプタに接続された電力供給装置の構成例について説明する。
図10は、上述した電力供給装置の構成の概略を示す略線図である。電力供給装置は、ACアダプタ80とACアダプタ80に接続されたケーブル90とを備える。ケーブル90は、ケーブル部91と、ケーブル部91の一端に設けられたコネクタ92とを備える。ケーブル部91の他端はACアダプタ80に接続されたコネクタ92とは異なるタイプのコネクタが設けられている。なお、コネクタを介さないでACアダプタ80にケーブル部91が接続されていてもよい。
図11Aおよび図11Bは、コネクタ92の構成の概略を説明するための概略図である。なお、図11Aは、保護動作を行う前の状態を示し、図11Bは、保護動作を行った後の状態を示す。なお、図11Aおよび図11Bでは、D+端子23に電気的に接続されるD+線33、および、D−端子24に電気的に接続されるD−線34の図示を省略している。
伸縮導電部材72は、例えば、通常動作時の温度(低温、常温等)で縮んだ状態となり、高温で伸びた状態となる特性を有するバネ状の形状記憶合金等である。図11Aに示すように、通常動作時の温度(低温、常温等)の状態では、保護部材70のケース71に含まれる伸縮導電部材72は縮んだ状態となり、+の電源ラインと−の電源ラインとが伸縮導電部材72によってショートしていない状態とされている。一方、異常な温度上昇等により高温状態となった場合には、図11Bに示すように、伸縮導電部材72が伸びた状態となり、伸縮導電部材72の両端部のそれぞれが、+の電源ラインおよび−の電源ラインのそれぞれと電気的に接続され、+の電源ラインと−の電源ラインとが伸縮導電部材72によってショートした状態となる。これにより、ACアダプタ80に流れる電流の量が増大することによって、ACアダプタ80が有する保護回路による過電流保護動作が動作し、ACアダプタ80の出力を停止させることができる。その結果、異常な温度上昇から少なくともケーブルを保護することができる。例えば、ケーブル、並びに、ケーブルに接続されたACアダプタ80およびケーブルに接続された電力供給先である機器を保護することができる。なお、高温の状態の後、変形する温度まで温度が下がらないと、伸縮導電部材は伸びたままの状態であり、+の電源ラインと−の電源ラインとが伸縮導電部材72によってショートした状態が維持される。
4.第4の実施の形態
本技術の第4の実施の形態によるケーブルについて説明する。以下では、第4の実施の形態によるケーブルを電力供給装置に適用した例について説明する。例えば、ケーブルの他端がACアダプタに接続された電力供給装置の構成例について説明する。電力供給装置は、ACアダプタ80とACアダプタ80に接続されたケーブル100とを備える。ケーブル90は、ケーブル部91と、ケーブル部91の一端に設けられたコネクタ92とを備える。ケーブル部91の他端はACアダプタ80に接続されたコネクタ92とは異なるタイプのコネクタが設けられている。なお、コネクタを介さないでACアダプタ80に接続されていてもよい。
図12は、ACアダプタの電気的構成の概略を示す概略図である。外部電源からACアダプタ80に供給される交流をAC−DC回路81で直流に変換し、電源ラインを通じてコネクタ102を介して電力が供給される。ケーブル100の+の電源ラインを構成するVBUS線31にスイッチS82に接続されている。スイッチS82のオンおよびオフはロードスイッチSW制御回路83によって制御される。
(ケーブル部)
ケーブル部101は、電源線として、+の電源ラインを構成するVBUS線31と、−の電源ラインを構成するGND線32と、信号伝送用の+、−の2本のデータ通信線としてD+線33、D−線34と、シールド線35と、接続検出のための接続検出線36とを含む。
(コネクタ)
図13は、コネクタを側方から見た構成の概略を示す側面図である。コネクタ102の先端の金属部分の下面には、上方に可動する突出部である爪111と、爪111の上昇と連動して上方に可動する接続部112と、ケーブル部101の接続検出線36と接続された接続検出端子部113とを備える。例えば、コネクタ102が、コネクタ挿し込み口に挿し込まれると爪111が上昇し、接続部112の底面が爪111により押し上げられることにより、接続部112が上昇する。これにより、接続部112の上端部と接続検出端子部113とをショートさせる。接続部112と電気的に接続されているシールド(先端の金属部分)は、GNDに接続されており、接続検出ラインの電位がGNDレベルまで落ちることでコネクタ接続の検出を行う。コネクタ102がデバイスと未接続と検出された場合、+の電源ライン(VBUSライン)の電力供給を停止する。例えば、検出信号を用いて、+の電源ラインに設けられたスイッチS82の制御を行うことで、電力供給のオンおよびオフの動作を行う。これにより、コネクタ102が電子機器等と接続されていない状態において、異常状態が発生することを防止することができる。
5.他の実施の形態
本技術は、上述した本技術の実施の形態に限定されるものでは無く、本技術の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上述の実施の形態において挙げた数値、構造、形状、材料、原料、製造プロセス等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、形状、材料、原料、製造プロセス等を用いてもよい。
また、上述の実施の形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値等は、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
例えば、ケーブルは、ケーブル部1の一端および他端のコネクタが同一のタイプのものであってもよい。例えば、第2の実施の形態において保護部材70を+の電源ラインおよび−の電源ラインの両方に設置してもよい。例えば、第2の実施の形態において保護部材70に代えてヒューズを用いてもよい。
また、他の実施の形態の一例として、例えば、USBケーブルと接続されるデバイス側のコネクタ付近にサーミスタを設置する構成も採用することも可能である。公知技術では、バッテリー付近にサーミスタを設置し、バッテリーが高温になると充電を停止させる回路が採用されている。これと同様の回路を用い、デバイス側のコネクタ付近のサーミスタにより高温を検出すると充電を停止させ、さらにアダプタ側へ停止信号を送りアダプタからの電力供給を停止させる。停止信号の送り方は次の通りである。(1)通常のUSB2.0/USB3.0規格でDCP(Dedicated Charging Port)を使用しない場合、D+/D−が未使用のため、その信号ラインを使う。(2)ケーブルに停止信号用の信号線を追加する、(3)USB PD/EVP/QC2.0(Quick Charge2.0)といったアダプタ側と通信を行う規格の場合はこれらの通信信号を使うことも可能である。他の実施の形態の一例では、デバイス接続時において異常発熱から少なくともケーブルを保護することができる。例えば、異常発熱からケーブル、並びに、ケーブルに接続された電力供給源であるアダプタおよびケーブルに接続された電力供給先であるデバイスを保護することができる。デバイス側に温度検出素子を設けているため、ケーブル部、コネクタの加工が必要ないという利点を有する。
1・・・ケーブル部、2・・・コネクタ、3・・・基板、11・・・コネクタボディ、12・・・コネクタシェル、21・・・VBUS端子、22・・・GND端子、23・・・D+端子、24・・・D−端子、25・・・ID端子、31・・・VBUS線、32・・・GND線、33・・・D+線、34・・・D−線、35・・・シールド線、36・・・接続検出線、51・・・温度検出素子、52・・・抵抗、61・・・制御部、70・・・保護部材、71・・・ケース、72・・・伸縮導電部材、80・・・ACアダプタ、81・・・AC−DC回路、83・・・ロードスイッチ制御回路、90・・・ケーブル、91・・・ケーブル部、92・・・コネクタ、100・・・ケーブル、101・・・ケーブル部、102・・・コネクタ、S1、S82・・・スイッチ

Claims (2)

  1. 電源ラインを構成する+の電源ラインと−の電源ラインと複数のデータ伝送ラインを含むケーブル部と、該ケーブル部の一端および他端の少なくとも何れかに設けられたコネクタとを備え、ACアダプタに対して接続されるUSB規格に準拠したケーブルにおいて、
    前記コネクタは、合成樹脂からなるコネクタボディと前記コネクタボディに装着される金属製のコネクタシェルを有し、
    前記コネクタボディから前記電源ラインと複数のデータ伝送ラインにそれぞれ接続された端子が突出され、
    温度上昇に伴う形状変化により、前記+の電源ラインと前記−の電源ラインとをショートさせる導電部材を備えたケーブル。
  2. 電力供給源と、
    該電力供給源に接続された請求項1に記載のケーブルと
    を備えた電力供給装置。
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