JP6686420B2 - 配線基板、電子装置、および配線基板の製造方法 - Google Patents
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Description
第1のエラストマーを含む基板と、
第2のエラストマーおよび導電性フィラーを含む導電性樹脂組成物により構成されており、前記基板の少なくとも一方の面に設けられた導電部と、
第3のエラストマーを含み、前記導電部の前記基板側とは反対側の面の少なくとも一部を被覆する被覆層とを備え、
前記第1のエラストマーがシリカ粒子(B)を含み、
前記導電性フィラーが銀粉を含み、前記第2のエラストマーがシリコーンゴムを含み、
前記導電性樹脂組成物中の前記導電性フィラーの含有量が、前記導電性樹脂組成物の固形分全体中、70質量%以上90質量%以下であり、
前記第1のエラストマーおよび前記第3のエラストマーは、シリコーンゴムを含む、配線基板が提供される。
上記の配線基板および電子部品を含む電子装置
が提供される。
第1のエラストマーを含む基板を準備する工程と、
前記基板の少なくとも一方の面に、第2のエラストマーおよび導電性フィラーを含む導電性樹脂組成物により構成された導電部を設ける工程と、
前記第1のエラストマーがシリカ粒子(B)を含み、
前記導電性フィラーが銀粉を含み、前記第2のエラストマーがシリコーンゴムを含み、
前記導電性樹脂組成物中の前記導電性フィラーの含有量が、前記導電性樹脂組成物の固形分全体中、70質量%以上90質量%以下であり、
第3のエラストマーを含み、前記導電部の前記基板側とは反対側の面の少なくとも一部を被覆する被覆層を形成する工程とを含み、
前記第1のエラストマーおよび前記第3のエラストマーは、シリコーンゴムを含む、配線基板の製造方法が提供される。
本実施形態に係る配線基板50は、第1のエラストマーを含む基板20と、第2のエラストマーおよび導電性フィラーを含む導電部10と、第3のエラストマーを含む被覆層30とを備える。導電部10は、基板20の少なくとも一方の面に設けられている。被覆層30は、導電部10の基板20側とは反対側の面の少なくとも一部を被覆する。第1のエラストマーおよび第3のエラストマーは、シリコーンゴムを含む。以下に詳しく説明する。
シリコーンゴム系硬化性組成物は、エラストマー(A)として、シリコーンゴムを含む。
本実施形態においては、このようなシリコーンゴムの中でも、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)を、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)で架橋してなるシリコーンゴムが好ましく用いられる。
ビニル基直鎖状含有オルガノポリシロキサン(A−1)は、直鎖構造を有し、かつ、ビニル基を含有しており、かかるビニル基が硬化時の架橋点となる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)は、直鎖構造を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))と分岐構造を有する分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))とに分類され、本実施形態では、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))だけでもよいし、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))だけでもよいし、これらの直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(a))と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2(b))の双方を含んでもよい。
(Ha(R7)3−aSiO1/2)m(SiO4/2)n
(式(c)において、R7は一価の有機基、aは1〜3の範囲の整数、mはHa(R7)3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)。
エラストマー(A)の含有量を上記下限値以上とすることにより、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物が適度な柔軟性を持つことができる。また、エラストマー(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、硬化物の機械的強度の向上を図ることができる。
なお、本明細書中において、「固形分」とは、水や有機溶媒等の揮発性成分を除去した成分全体を指し、たとえば常温で液体を呈していたとしても、揮発の起こらない成分については、固形分であるものとして合算する。
以下、各成分についても同様である。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、必要に応じ、シリカ粒子(B)を含んでいてもよい。このシリカ粒子(B)を含ませることにより、シリコーンゴム系硬化性組成物から形成される硬化物の硬さや機械的強度の向上を図ることができる。
なお、シリカ粒子(B)の粒径は、たとえば、シリコーンゴム系硬化性組成物あるいはこの硬化物について透過型電子顕微鏡等で観察の上、画像解析を行い、任意に選んだシリカ粒子200個の平均値として定義することができる。
なお、シリカ粒子(B)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカ粒子(B)の含有量を上記下限値以上、上限値以下とすることにより、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物が適度な機械的強度を持つことができる。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シランカップリング剤(C)を含んでいてもよい。このシランカップリング剤(C)は、加水分解性基を有するものであり、この加水分解基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基がシリカ粒子(B)表面の水酸基と脱水縮合反応することで、シリカ粒子(B)の表面改質を行うことができる。
その他、シリカ粒子(B)が存在しない場合であっても、導電部10、基板20および被覆層30の互いの密着性を向上させるという効果を発揮することができる。
これにより、たとえば、エラストマー(A)として、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)が含まれる場合、以下のような効果が奏される。
すなわち、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化の際、すなわち、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)が有するビニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)が有するヒドリド基とがヒドロシリル化反応して、これらによるネットワーク(架橋構造)が形成される際に、シリカ粒子(B)が有するビニル基も、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)が有するヒドリド基とのヒドロシリル化反応に関与するため、ネットワーク中にシリカ粒子(B)も取り込まれるようになる。これにより、形成される硬化物の高硬度化および高モジュラス化を図ることができる。
上記式(4)中、nは1〜3の整数を表わす。Yは、疎水性基、親水性基またはビニル基を有するもののうちのいずれかの官能基を表わし、nが1の時は疎水性基であり、nが2または3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。ORは、加水分解性基を表わす。
シランカップリング剤(C)の含有量を上記下限値以上、上限値以下とすることにより、導電部10、基板20、被覆層30が互いに適度な密着性を持ち、また、シリカ粒子(B)を用いる場合においては、硬化物全体としての機械的強度の向上に資することができる。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、白金または白金化合物(D)を含むことができる。
白金または白金化合物(D)は、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物硬化の際の触媒として作用する成分である。
なお、白金または白金化合物(D)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
白金または白金化合物(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、シリコーンゴム系硬化性組成物が適切な速度で硬化することが可能となる。また、白金または白金化合物(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、シリコーンゴム系硬化性組成物を作製する際のコストの削減に資することができる。
また、本実施形態の導電性組成物には、水(E)が含まれていてもよい。
これにより、先述のシランカップリング剤(C)が加水分解を起こし、所望の効能を発現しやすくなる。
なお、この水(E)の添加量は任意である。
さらに、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記(A)〜(E)成分の他、樹脂組成物に配合される公知の成分を含有していてもよい。例えば、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウール、マイカ等が挙げられる。その他、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等を適宜配合することができる。
また、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化性を制御する観点から、適宜反応阻害剤を加えることもできる。
続いて、本実施形態に係るシリコーンゴム系硬化性組成物の製造方法について説明する。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、たとえば、以下に示すような工程を経ることにより製造することができる。
さらに、混練する時間は、5分〜1時間程度であるのが好ましく、10〜40分程度であるのがより好ましい。
導電性樹脂組成物は、エラストマー(A)として、シリコーンゴムを含む。導電性樹脂組成物中に含まれるエラストマー(A)としては、シリコーンゴム系硬化性組成物中に含まれるエラストマー(A)として例示したものを用いることが可能である。また、好ましい条件についても、以下に説明する点を除いてシリコーンゴム系硬化性組成物中に含まれるエラストマー(A)と同じである。
エラストマー(A)の含有量を上記下限値以上とすることにより、導電性樹脂組成物の硬化物が適度な柔軟性を持つことができる。また、エラストマー(A)の含有量を上記上限値以下とすることにより、硬化物の機械的強度の向上を図ることができる。
本実施形態の導電性樹脂組成物は、必要に応じ、シリカ粒子(B)を含んでいてもよい。このシリカ粒子(B)を含ませることにより、導電性樹脂組成物から形成される硬化物の硬さや機械的強度の向上を図ることができる。導電性樹脂組成物中に含まれるシリカ粒子(B)としては、シリコーンゴム系硬化性組成物中に含まれるシリカ粒子(B)として例示したものを用いることが可能である。また、好ましい条件についても、以下に説明する点を除いてシリコーンゴム系硬化性組成物中に含まれるシリカ粒子(B)と同じである。
シリカ粒子(B)の含有量を上記下限値以上、上限値以下とすることにより、導電性樹脂組成物の硬化物が適度な機械的強度を持つことができる。また、シリカ粒子(B)の含有量を上記上限値以下とすることにより、硬化物が適度な導電特性を持つことができる。
本実施形態の導電性樹脂組成物は、シランカップリング剤(C)を含んでいてもよい。このシランカップリング剤(C)は、加水分解性基を有するものであり、この加水分解基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基がシリカ粒子(B)表面の水酸基と脱水縮合反応することで、シリカ粒子(B)の表面改質を行うことができる。
その他、シリカ粒子(B)が存在しない場合であっても、導電部10と基板20および被覆層30との密着性を向上させるという効果を発揮することができる。
導電性樹脂組成物中に含まれるシランカップリング剤(C)としては、シリコーンゴム系硬化性組成物中に含まれるシランカップリング剤(C)として例示したものを用いることが可能である。また、好ましい条件についても、以下に説明する点を除いてシリコーンゴム系硬化性組成物中に含まれるシランカップリング剤(C)と同じである。
シランカップリング剤(C)の含有量を上記下限値以上、上限値以下とすることにより、導電部10が被覆層30および基板20と適度な密着性を持ち、また、シリカ粒子(B)を用いる場合においては、硬化物全体としての機械的強度の向上に資することができる。また、シランカップリング剤(C)の含有量を上記上限値以下とすることにより、硬化物である導電部10が適度な導電特性を持つことができる。
本実施形態の導電性樹脂組成物は、白金または白金化合物(D)を含むことができる。
白金または白金化合物(D)は、本実施形態の導電性樹脂組成物硬化の際の触媒として作用する成分である。導電性樹脂組成物中に含まれる白金または白金化合物(D)としては、シリコーンゴム系硬化性組成物中に含まれる白金または白金化合物(D)として例示したものを用いることが可能である。また、好ましい条件についても、以下に説明する点を除いてシリコーンゴム系硬化性組成物中に含まれる白金または白金化合物(D)と同じである。
白金または白金化合物(D)の含有量を上記下限値以上とすることにより、導電性樹脂組成物が適切な速度で硬化することが可能となる。また、白金または白金化合物(D)の含有量を上記上限値以下とすることにより、導電性樹脂組成物を作製する際のコストの削減に資することができる。
また、本実施形態の導電性組成物には、水(E)が含まれていてもよい。
これにより、先述のシランカップリング剤(C)が加水分解を起こし、所望の効能を発現しやすくなる。
なお、この水(E)の添加量は任意である。
本実施形態の導電性樹脂組成物は、導電性フィラーを含む。
この導電性フィラーは特に限定はされないが、例えば、銅、銀、金、ニッケル、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、アンチモン、或いはこれらを合金化した金属粉、導電有機化合物、導電性カーボン材料のうちの少なくとも一種類、あるいは、これらのうちの二種以上を含むことができる。
なお、これらの導電性フィラーは他種金属でコートしたものも使用できる。
導電性フィラーの含有量を上記下限値以上とすることにより、導電性樹脂組成物の硬化物が適度な導電特性を持つことができる。また、導電性フィラーの含有量を上記上限値以下とすることにより、硬化物が適度な柔軟性を持つことができる。
さらに、本実施形態の導電性樹脂組成物は、上記(A)〜(E)成分の他、樹脂組成物に配合される公知の成分を含有していてもよい。例えば、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウール、マイカ等が挙げられる。その他、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等を適宜配合することができる。
また、導電性樹脂組成物の硬化性を制御する観点から、適宜反応阻害剤を加えることもできる。
続いて、本実施形態に係る導電性樹脂組成物の製造方法について説明する。
本実施形態の導電性樹脂組成物は、たとえば、以下に示すような工程を経ることにより製造することができる。
ここで用いられる溶媒は、上記の配合物を均一に溶解ないし分散させることのできる溶媒の中から適宜選択すればよい。
溶媒は、これらのうち一種類を単独で用いても良く、二種類以上の溶媒を任意の比率で混合して用いても良い。
当該製造方法は、第1のエラストマーを含む基板20を準備する工程、第2のエラストマーおよび導電性フィラーを含む導電部10を設ける工程、および、第3のエラストマーを含む被覆層30を形成する工程を含む。導電部10を設ける工程では、基板20の少なくとも一方の面に導電部10を設ける。被覆層30を形成する工程では、導電部10の基板20側とは反対側の面の少なくとも一部を被覆するよう被覆層30を設ける。第1のエラストマーおよび第3のエラストマーは、シリコーンゴムを含む。以下に詳しく説明する。
本実施形態に係る配線基板50の製造方法の変形例1について、以下に説明する。本変形例に係る配線基板50の製造方法は、被覆層30を形成する工程の加熱加圧する工程において、基板20、導電部10、およびシート状の被覆層形成用樹脂組成物が、この順に積層された積層体を加熱加圧する点以外は、本実施形態に係る配線基板50の製造方法と同じである。
本実施形態に係る配線基板50の製造方法の変形例2について、以下に説明する。本変形例に係る配線基板50の製造方法は、被覆層30を形成する工程の加熱加圧する工程において、基板20と、導電部10と、液状の被覆層形成用樹脂組成物と、第4のエラストマーを含む補助層40とが、この順に積層された積層体を加熱加圧する点以外は、本実施形態に係る配線基板50の製造方法と同じである。
本実施形態に係る配線基板50の製造方法の変形例3について、以下に説明する。本変形例に係る配線基板50の製造方法は、被覆層30を形成する工程の加熱加圧する工程において、基板20と、導電部10と、シート状の被覆層形成用樹脂組成物と、第4のエラストマーを含む補助層40とが、この順に積層された積層体を加熱加圧する点以外は、変形例1と同じである。
本実施形態によれば、基板と被覆層がいずれもシリコーンゴムを含むことにより、耐久性に優れた配線基板を得られる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 第1のエラストマーを含む基板と、
第2のエラストマーおよび導電性フィラーを含み、前記基板の少なくとも一方の面に設けられた導電部と、
第3のエラストマーを含み、前記導電部の前記基板側とは反対側の面の少なくとも一部を被覆する被覆層とを備え、
前記第1のエラストマーおよび前記第3のエラストマーは、シリコーンゴムを含む、配線基板。
2. 1.に記載の配線基板において、
前記第2のエラストマーはシリコーンゴムを含む、配線基板。
3. 1.または2.に記載の配線基板において、
前記第1のエラストマー、前記第2のエラストマー、および前記第3のエラストマーのうち、少なくとも1つはビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)の架橋体(a)を含む、配線基板。
4. 3.に記載の配線基板において、
前記架橋体(a)は、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)との架橋体である、配線基板。
5. 1.から4.のいずれか一つに記載の配線基板において、
前記第1のエラストマー、前記第2のエラストマー、および前記第3のエラストマーのうち、少なくとも1つはシリカ粒子(B)を含む、配線基板。
6. 1.から5.のいずれか一つに記載の配線基板において、
厚みを1mmとした切込みありクレセント形試験片について、JIS K6252(2007)の方法で測定した、前記基板の引裂き強さが20N/mm以上である、配線基板。
7. 1.から6.のいずれか一つに記載の配線基板において、
伸縮性を有する、配線基板。
8. 1.から7.のいずれか一つに記載の配線基板において、
25℃での100%モジュラスが5.0MPa以下である、配線基板。
9. 1.から8.のいずれか一つに記載の配線基板および電子部品を含む電子装置。
10. 第1のエラストマーを含む基板を準備する工程と、
前記基板の少なくとも一方の面に、第2のエラストマーおよび導電性フィラーを含む導電部を設ける工程と、
第3のエラストマーを含み、前記導電部の前記基板側とは反対側の面の少なくとも一部を被覆する被覆層を形成する工程とを含み、
前記第1のエラストマーおよび前記第3のエラストマーは、シリコーンゴムを含む、配線基板の製造方法。
11. 10.に記載の配線基板の製造方法において、
前記被覆層を形成する工程は、前記基板、前記導電部、および被覆層形成用樹脂組成物がこの順に積層された積層体を加熱加圧する工程を含む、配線基板の製造方法。
12. 11.に記載の配線基板の製造方法において、
前記加熱加圧する工程では、前記基板、前記導電部、および液状の前記被覆層形成用樹脂組成物が、この順に積層された積層体を加熱加圧する、配線基板の製造方法。
13. 11.に記載の配線基板の製造方法において、
前記加熱加圧する工程では、前記基板、前記導電部、およびシート状の前記被覆層形成用樹脂組成物が、この順に積層された積層体を加熱加圧する、配線基板の製造方法。
14. 12.または13のいずれか一つに記載の配線基板の製造方法において、
前記加熱加圧する工程では、前記基板と、前記導電部と、前記被覆層形成用樹脂組成物と、第4のエラストマーを含む補助層とが、この順に積層された積層体を加熱加圧する、配線基板の製造方法。
[シリコーンゴム系組成物1の作製]
第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(a))を52.9重量部、第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(b))を13.3重量部、シリカ粒子(B)を26.5重量部、シランカップリング剤(C)を6.9重量部、および、水(E)を3.5重量部、秤量し、その後、混練装置((株)モリヤマ製、油圧式加圧型ニーダー)により、混練することで、これら各成分を含有する混練物を得た。
なお、ここでの混練は、第1ステップにおいて窒素雰囲気下、60〜90℃の条件下で1時間混練し、次いで第2ステップにおいて減圧雰囲気下、160℃で1時間混練した。
上記で得たシリコーンゴム系組成物1を、2.33倍量のテトラデカンに浸漬し、続いて自転・公転ミキサーで撹拌し、溶液状とした。この溶液に対し、導電性フィラー1として銀粉(DOWAエレクトロニクス社製、商品名「3−8F」)を加えることで、導電性樹脂組成物1(表2中、組成物「No.1」で示す。)を得た。このとき、導電性樹脂組成物1の固形分100質量部に対し、シリコーンゴム系組成物1の含有量を15質量部、導電性フィラー1の含有量を85質量部とした。
実施形態に係る製造方法(以下、製法「No.1」と呼ぶ。)で配線基板を製造した。具体的には、シリコーンゴム系組成物1を型枠内で熱プレスし、20mm×50mm、厚さ0.5mmの寸法にシート化して基板を得た。この熱プレスにおいては、加熱温度を170℃、圧力を10MPa、熱プレス時間を5分とした。
得られた配線基板について、以下の各評価を行った。
(株)エーディーシー製直流電圧・電流源/モニタ(6241A)を用いて電極パッド間の抵抗値R0を測定し、測定された抵抗値R0に対して配線パターンの長さ方向に垂直な断面積を乗じ、さらに長さの値で除することで体積抵抗率を求めた。結果を表2中に、体積抵抗率として示す。なお、この体積抵抗率は後述の耐久性試験を行う前の測定結果である。
得られた配線基板について、配線基板の長さ方向に20%伸長し、この伸長を解放する操作を100回行った。この100回伸長操作を行った後の配線基板について、抵抗値R1の測定および導電部の観察を行った。なお、抵抗値R1の測定においては(株)エーディーシー製直流電圧・電流源/モニタ(6241A)を用いて電極パッド間を測定した。
×:20%伸長させた状態で導電部に目視で分かるほどの断線が生じている場合
△:上記「×」に該当せず、かつ、R1/R0が100以上の場合
○:上記「×」に該当せず、かつ、R1/R0が30以上100未満の場合
◎:上記「×」に該当せず、かつ、R1/R0が30未満の場合
配線基板の基板から厚みを1mmとした切込みありクレセント形試験片を作製し、引き裂き強さをJIS K6252(2007)の方法で測定した。測定条件としては、試験片つかみ具の移動速度を500mm/minとした。
配線基板の25℃での100%モジュラスを、引張試験機(島津製作所社製、オートグラフ)を用いて測定した。試験片つかみ具の移動速度は500mm/minとした。
変形例1の製造方法(以下、製法「No.2」と呼ぶ。)を用いた以外は、実施例1と同様にして配線基板を得た。具体的には、以下に説明する通りである。
変形例2の製造方法(以下、製法「No.3」と呼ぶ。)を用いた以外は、実施例1と同様にして配線基板を得た。具体的には、以下に説明する通りである。
変形例3の製造方法(以下、製法「No.4」と呼ぶ。)を用いた以外は、実施例1と同様にして配線基板を得た。
シリコーンゴム系組成物1の代わりに以下のシリコーンゴム系組成物2を用いて基板および被覆層を形成した点、および導電性樹脂組成物1の代わりに以下の導電性樹脂組成物2を用いて導電部を形成した点以外は実施例2と同様にして配線基板を得た。具体的には以下の通りである。
各成分の配合量を表1の様に変更した以外はシリコーンゴム系組成物1と同様にしてシリコーンゴム系組成物2を得た。
すなわち、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(a))を48.2重量部、第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1(b))を12.0重量部、シリカ粒子(B)を33.1重量部、シランカップリング剤(C)を6.3重量部、および、水(E)を3.2重量部、秤量し、その後、混練装置((株)モリヤマ製、油圧式加圧型ニーダー)により、混練することで、これら各成分を含有する混練物を得た。
なお、ここでの混練は、第1ステップにおいて窒素雰囲気下、60〜90℃の条件下で1時間混練し、次いで第2ステップにおいて減圧雰囲気下、160℃で1時間混練した。
上記で得たシリコーンゴム系組成物2を、2.33倍量のテトラデカンに浸漬し、続いて自転・公転ミキサーで撹拌し、溶液状とした。この溶液に対し、導電性フィラー2として銀粉(DOWAエレクトロニクス社製、商品名「FA−D5」)を加えることで、導電性樹脂組成物2(表2中、組成物「No.2」で示す。)を得た。このとき、導電性樹脂組成物2の固形分100質量部に対し、シリコーンゴム系組成物2の含有量を20質量部、導電性フィラー2の含有量を80質量部とした。
導電性樹脂組成物1の代わりに以下の導電性樹脂組成物3を用いて導電部を形成した点以外は実施例2と同様にして配線基板を得た。具体的には以下の通りである。
上記で得たシリコーンゴム系組成物1を、2.33倍量のテトラデカンに浸漬し、続いて自転・公転ミキサーで撹拌し、溶液状とした。この溶液に対し、上記した導電性フィラー2を加えることで、導電性樹脂組成物3(表2中、組成物「No.3」で示す。)を得た。このとき、導電性樹脂組成物3の固形分100質量部に対し、シリコーンゴム系組成物1の含有量を40質量部、導電性フィラー2の含有量を60質量部とした。
導電性樹脂組成物1の代わりに以下の導電性樹脂組成物4を用いて導電部を形成した点以外は実施例3と同様にして配線基板を得た。具体的には以下の通りである。
ウレタンゴム1(住化バイエルウレタン社製、ディスパコールU42:熱可塑性ウレタンエラストマー粒子の水分散液)に対し、上記した導電性フィラー1を加えることで、導電性樹脂組成物4(表2中、組成物「No.4」で示す。)を得た。このとき、導電性樹脂組成物4の固形分100質量部に対し、ウレタンゴム1の固形分の含有量を15質量部、導電性フィラー1の含有量を85質量部とした。
被覆層を形成しなかった点以外は実施例1と同様にして配線基板を得た。すなわち、基板の上に導電部のみを設けたものを配線基板とした。
シリコーンゴム系組成物1の代わりに上記のウレタンゴム1を用いて被覆層および補助層を形成した点以外は実施例3と同様にして配線基板を得た。具体的には以下の通りである。
シリコーンゴム系組成物1の代わりにウレタンゴム1を用いて基板を形成した点、および導電性樹脂組成物1の代わりに上記の導電性樹脂組成物4を用いて導電部を形成した点以外は比較例2と同様にして配線基板を得た。
100 電子装置
101 第1面
102 第2面
20 基板
30 被覆層
40 補助層
50 配線基板
60 電子部品
Claims (13)
- 第1のエラストマーを含む基板と、
第2のエラストマーおよび導電性フィラーを含む導電性樹脂組成物により構成されており、前記基板の少なくとも一方の面に設けられた導電部と、
第3のエラストマーを含み、前記導電部の前記基板側とは反対側の面の少なくとも一部を被覆する被覆層とを備え、
前記第1のエラストマーがシリカ粒子(B)を含み、
前記導電性フィラーが銀粉を含み、前記第2のエラストマーがシリコーンゴムを含み、
前記導電性樹脂組成物中の前記導電性フィラーの含有量が、前記導電性樹脂組成物の固形分全体中、70質量%以上90質量%以下であり、
前記第1のエラストマーおよび前記第3のエラストマーは、シリコーンゴムを含む、配線基板。 - 請求項1に記載の配線基板において、
前記第1のエラストマー、前記第2のエラストマー、および前記第3のエラストマーのうち、少なくとも1つはビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)の架橋体(a)を含む、配線基板。 - 請求項2に記載の配線基板において、
前記架橋体(a)は、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A−1)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(A−2)との架橋体である、配線基板。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の配線基板において、
前記第2のエラストマー、および前記第3のエラストマーのうち、少なくとも1つはシリカ粒子(B)を含む、配線基板。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の配線基板において、
厚みを1mmとした切込みありクレセント形試験片について、JIS K6252(2007)の方法で測定した、前記基板の引裂き強さが20N/mm以上である、配線基板。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の配線基板において、
伸縮性を有する、配線基板。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の配線基板において、
25℃での100%モジュラスが5.0MPa以下である、配線基板。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の配線基板および電子部品を含む電子装置。
- 第1のエラストマーを含む基板を準備する工程と、
前記基板の少なくとも一方の面に、第2のエラストマーおよび導電性フィラーを含む導電性樹脂組成物により構成された導電部を設ける工程と、
前記第1のエラストマーがシリカ粒子(B)を含み、
前記導電性フィラーが銀粉を含み、前記第2のエラストマーがシリコーンゴムを含み、
前記導電性樹脂組成物中の前記導電性フィラーの含有量が、前記導電性樹脂組成物の固形分全体中、70質量%以上90質量%以下であり、
第3のエラストマーを含み、前記導電部の前記基板側とは反対側の面の少なくとも一部を被覆する被覆層を形成する工程とを含み、
前記第1のエラストマーおよび前記第3のエラストマーは、シリコーンゴムを含む、配線基板の製造方法。 - 請求項9に記載の配線基板の製造方法において、
前記被覆層を形成する工程は、前記基板、前記導電部、および被覆層形成用樹脂組成物がこの順に積層された積層体を加熱加圧する工程を含む、配線基板の製造方法。 - 請求項10に記載の配線基板の製造方法において、
前記加熱加圧する工程では、前記基板、前記導電部、および液状の前記被覆層形成用樹脂組成物が、この順に積層された積層体を加熱加圧する、配線基板の製造方法。 - 請求項10に記載の配線基板の製造方法において、
前記加熱加圧する工程では、前記基板、前記導電部、およびシート状の前記被覆層形成用樹脂組成物が、この順に積層された積層体を加熱加圧する、配線基板の製造方法。 - 請求項11または12のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法において、
前記加熱加圧する工程では、前記基板と、前記導電部と、前記被覆層形成用樹脂組成物と、第4のエラストマーを含む補助層とが、この順に積層された積層体を加熱加圧する、配線基板の製造方法。
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