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JP6677530B2 - ガラス成形型および曲面ガラスの製造方法 - Google Patents

ガラス成形型および曲面ガラスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス成形型および曲面ガラスの製造方法に関する。
携帯電子デバイス用のカバーガラス等のガラス物品は、熱再成形により作製される。この処理は、ガラスを損傷なく変形できる温度までガラスシートを加熱する工程に続いて、加熱されたガラスを、3次元(いわゆる「3D」)形状を有するガラス物品へと成形する。
携帯デバイス用においては、厳密な形状精度の設計仕様を満たすために、成形後、ガラスの変形温度未満の温度(ガラス物品を安全に型から取り外すことができる温度)にガラスが達するまで、型上でガラス物品を冷却する及び/又はアニーリングされる。冷却段階では、例えばガラス物品を載せている型を、連続する複数の冷却ステーションに沿って移送する工程が採用される。この工程ではガラス物品の歪みを防ぎ、要求される形状精度を達成するために、冷却段階中、ガラス物品の表面に亘る温度差を、例えば5℃を超えない等、またガラス物品の厚さに亘る温度差も、例えば2℃を超えない等、極めて小さくするように行われる。
このような課題を解決するために特許文献1には、ガラス物品の作製方法であって、以下:
(i)ガラスシートを型上に配置する工程;
(ii)前記ガラスシートを第1の温度まで加熱する工程;
(iii)前記ガラスシートを、前記型を用いて3次元形状を有するガラス物品へと成形する工程;
(iv)前記型と熱接触する少なくとも1つの熱パイプを備える、等温熱伝達デバイスを提供する工程;
(v)前記型上に前記ガラス物品を配置し、前記等温熱伝達デバイスを前記型と熱接触させながら、前記型、前記ガラス物品及び前記等温熱伝達デバイスを熱傾斜チャネルに沿って移送し、前記ガラス物品を第2の温度まで冷却する工程;
を含む方法において、
前記移送の間、前記等温熱伝達デバイスは、前記型の相対的に高温の領域から前記型の相対的に低温の領域へと熱を伝達する、方法が記載されている。
また、特許文献1には、型が、ガラスシートの成形中に曝露されることになる温度等の高温に耐え得る材料で作製されることが記載されている。さらに、特許文献1には、型材料は、成形条件下においてガラスと反応しない(若しくはガラスに粘着しない)ものであるか、又は成形表面は、成形条件下においてガラスと反応しない(若しくはガラスに粘着しない)コーティング材料でコーティングされていていることが例示されている。特許文献1の一実施例では、型は、グラファイト等の非反応性炭素材料から作製されており、その成形表面は、成形表面がガラスと接触する際にガラスに欠陥が発生するのを回避するために、十分に研磨されることが記載されている。別の実施例では、型は、炭化珪素、炭化タングステン及び窒化珪素等の緻密質セラミック材料から作製されており、成形表面は、グラファイト等の非反応性炭素材料でコーティングされることが記載されている。
また、特許文献1には、型を用いたガラスシートの成形において、成形表面に対してガラスシートを引き寄せるために、真空を用いることが記載されている。これは、例えば真空ポンプを用いて、孔又はスロットを通して成形キャビティを排気することにより、成形キャビティ内に真空を生成する工程を伴う。この、成形キャビティ内に真空を生成する動作により、成形表面に対してガラスシートを引き寄せることができる。さらに、特許文献1には、ガラスシートが重力によって撓む又は落ち込み始める前又は後に、成形キャビティ内に真空を生成してよいことが記載されている。
特表2015−513308号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、成形表面がガラスと接触する際にガラスに欠陥が発生するのを回避するため、十分に研磨されて使用される一方、真空ポンプを孔またはスロットを通して成形キャビティ内に真空を生成する動作を行う。
真空を生成するためには、型から孔又はスロットに吸引が可能となるよう孔がつながっていなければならないが、このような孔はガラス表面の欠陥の原因となる。
すなわち、ガラス表面の欠陥を防止するためには、黒鉛材の表面を研磨して使用することが好ましい。その一方で、真空引きを効率よく行うためには型の表面に孔が形成されていることがよい。
つまり、真空引きを可能にすることと、ガラス表面の欠陥を防止することは二律背反する課題である。
本発明では、上記課題を鑑み、効率的に真空引きを可能にしつつ、ガラス表面の欠陥を防止することができるガラス成形型および曲面ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明のガラス成形型は、
(1)上面にガラスシートの載置部を有する黒鉛からなるガラス成形型であって、前記ガラス成形型は、前記ガラス成形型の内部に形成され前記載置部の下に水平方向に層状に広がる内部空間と、前記載置部以外の前記ガラス成形型の表面に形成され前記内部空間に接続するガス排出口とを有することを特徴とする。
本発明のガラス成形型を用いて曲面ガラスを製造する場合、まず、ガラスシートが載置部に載置される。そして、ガラスシートが軟化する第1の温度以上まで加熱しガラスシートを軟化させた後、ガス排出口からガスを吸引する。これにより内部空間が減圧された状態となる。また、ガラス成形型は多孔質である黒鉛からなるので、内部空間が減圧された状態となると、ガラスシートと載置部との間のガスが内部空間に吸引され、これに伴いガラスシートも吸引されることになる。次にガラス成形型をガラスシートの形状が固定される第2の温度以下まで冷却した後(冷却工程)、ガラス成形型からガラスシートを離型する。
特に、本発明のガラス成形型は、ガラス成形型の載置部の下に水平方向に層状に広がる内部空間を有しているので、載置部と内部空間との間で黒鉛の気孔を利用してガラスシートを偏ることなく均等に吸引することができる。
また、ガラス表面に欠陥が生じるのを防ぐために、載置部に気孔の少ない緻密な黒鉛を使用しても載置部から内部空間までの距離を近くすることにより、黒鉛内部での圧力損失の影響を小さくすることができる。このため、効率的に真空引きできる機構を有しつつも成形されるガラス表面の欠陥をできにくくすることができる。
また、本発明のガラス成形型は、以下の(2)〜(6)の態様であることが好ましい。
(2)前記ガラス成形型は、前記内部空間を挟んで、型上部と型下部とに隔てられるとともに、前記型上部と前記型下部とを接合する接着層を有する。
黒鉛は、耐熱温度が高い上に溶融しない素材である。このため、型上部と型下部とをそれぞれ製作し、接着層で接合することによって、内部空間を容易に形成することができる。
(3)前記内部空間には、前記型上部と前記型下部とを支えるポストが形成されている。
内部空間は、載置部の下に水平方向に層状に広がっているので、真空引きすると撓みが発生しやすくなる。内部空間にポストを形成することによって、内部空間が負圧によって潰れにくくなり、載置部が変形することを防止することができる。
(4)前記接着層は、前記ポストの先端にも形成されている。
接着層が前記ポストの先端にも形成されていることにより、前記型上部と前記型下部とがポストを介して熱的に接触し、効率よく載置部の加熱、冷却ができるようになる。このため、ガラスシートの曲げ加工時間を短縮することができる。また、載置部のいずれの場所でもスムーズに加熱、冷却ができるようになるので、均熱性を高めることができ、ガラスの曲げ精度を高めることができる。
(5)前記ガラス成形型は、前記ポストを複数有する。
前記ガラス成形型は、複数ポストを有するので、支持箇所を増やすことができ、減圧時の撓みを小さくすることができる。また、熱の伝達箇所を増やすことができるので、均熱性を高めることができる。
(6)前記接着層は、炭素系接着材である。
炭素系接着材は、ガラス成形型を構成する素材と同材質であるので、加熱時に互いに浸食しあうことがない。また、接着層が型上部および型下部と同様に高い耐熱性を有しているので好適に使用することができる。
本発明の曲面ガラスの製造方法は、
(7)前記本発明のガラス成形型を用いた曲面ガラスの製造方法であって、前記ガラス成形型の載置部にガラスシートを載置する載置工程と、前記ガラスシートを前記ガラスシートが軟化する第1の温度以上まで加熱する加熱工程と、前記ガラス成形型のガス排出口からガスを吸引する吸引工程と、前記ガラス成形型を前記ガラスシートの形状が固定される第2の温度以下まで冷却する冷却工程と、前記ガラス成形型から、成形されたガラスシートを離型する離型工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、ガラス成形型の載置部の下に水平方向に層状に広がる内部空間を有しているので、載置部と内部空間との間で黒鉛の気孔を利用してガラスシートを均等に吸引することができる。
また、内部空間を有しているので、緻密な黒鉛を使用しても載置部から内部空間までの距離を近くすることにより、黒鉛内部での圧力損失の影響を小さくすることができる。このため、効率的に吸引できる機構を有しつつも成形されるガラス表面の欠陥をできにくくすることができる。
図1(a)〜(c)は、本発明のガラス成形型の一例を模式的に示す図であり、図1(a)はガラス成形型の平面図、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図、図1(c)は図1(b)のB−B線断面図である。 図2(a)〜(c)は、本発明のガラス成形型を用いたガラスシートの成形プロセスの一例を模式的に順に示す工程図であり、図2(a)は成形前の状態を、図2(b)は成形後の状態を、図2(c)はガラスシートの離型後の状態を模式的に示している。 図3(a)〜(c)は、本発明のガラス成形型の別の一例を模式的に示す図であり、図3(a)はガラス成形型の平面図、図3(b)は図3(a)のC−C線断面図、図3(c)は図3(b)のD−D線断面図である。 図4(a)〜(c)は、本発明のガラス成形型の別の一例を模式的に示す図であり、図4(a)はガラス成形型の平面図、図4(b)は図4(a)のE−E線断面図、図4(c)は図4(b)のF−F線断面図である。
(発明の詳細な説明)
以下、詳述する。
本発明のガラス成形型は、上面にガラスシートの載置部を有する黒鉛からなるガラス成形型であって、ガラス成形型は、ガラス成形型の内部に形成され載置部の下に水平方向に層状に広がる内部空間と、前記載置部以外の前記ガラス成形型の表面に形成され内部空間に接続するガス排出口とを有する。
なお、本発明のガラス成形型では、内部空間には下方向に伸びる縦孔が形成されており、この縦孔とガス排出口とがつながっていることが好ましい。
本発明のガラス成形型では、ガス排出口は、ガラス成形型の底面に形成されていてもよく、側面に形成されていてもよい。
本発明のガラス成形型を用いて曲面ガラスを製造する場合、まず、ガラスシートが載置部に載置される(載置工程)。そして、ガラスシートが軟化する第1の温度以上まで加熱しガラスシートを軟化させた後(加熱工程)、ガス排出口から吸引する。これにより内部空間が減圧された状態となる。また、ガラス成形型は多孔質である黒鉛からなるので、内部空間が減圧された状態となると、ガラスシートと載置部との間の気体が内部空間に吸引され、これに伴いガラスシートも吸引されることになる(吸引工程)。次にガラス成形型をガラスシートの形状が固定される第2の温度以下まで冷却した後(冷却工程)、ガラス成形型からガラスシートを離型する(離型工程)。
特に、本発明のガラス成形型は、ガラス成形型の載置部の下に水平方向に層状に広がる内部空間を有しているので、載置部と内部空間との間で黒鉛の気孔を利用してガラスシートを偏ることなく均等に吸引することができる。
また、ガラス表面に欠陥が生じるのを防ぐために、載置部に気孔が少なく緻密な黒鉛を使用しても載置部から内部空間までの距離を近くすることにより、黒鉛内部での圧力損失の影響を小さくすることができる。このため、効率的に吸引できる機構を有しつつも成形されるガラス表面の欠陥をできにくくすることができる。
本発明のガラス成形型では、特に限定されないが、載置部から内部空間までの黒鉛部分の厚さは、3〜15mmであることが好ましい。
搭載部から内部空間までの距離が上記範囲であると、内部空間を減圧してガラスシートを吸引する際に黒鉛内部での圧力損失の影響を小さくすることができる。その結果、効率的に曲面ガラスを製造することができる。
本発明のガラス成形型は、内部空間を挟んで、型上部と型下部とに隔てられるとともに、型上部と型下部とを接合する接着層を有することが好ましい。
特に、本発明のガラス成形型は、型上部と型下部とからなり、型上部と型下部とは接着層により接合されており、型上部の下面及び/又は型下部の上面には凹部が形成されていることがより好ましい。
型上部の下面及び/又は型下部の上面に形成された凹部は、型上部と型下部とが接合されることにより内部空間を形成することになる。
黒鉛は、耐熱温度が高い上に溶融しない素材である。このため、型上部と型下部とをそれぞれ製作し、接着層で接合することによって、内部空間を容易に形成することができる。
接着層は、特に限定されない。例えば、シリコン、鉄、アルミニウムなどを溶融し、ロウ付けしてもよく、また炭素系接着材を用いてもよい。炭素系接着材は、フェノール樹脂、ピッチ、フラン樹脂、コプナ樹脂、などが利用できる。これらの樹脂は、炭素前駆体で接着した後炭化することにより、炭素系接着層を得ることができる。
本発明のガラス成形型の内部空間には、型上部と型下部とを支えるポストが形成されていることが好ましい。
内部空間は、載置部の下に水平方向に層状に広がっているので、真空引きすると撓みが発生しやすくなる。内部空間にポストを形成することによって、内部空間が負圧によって潰れにくくなり、載置部が変形することを防止することができる。
本発明のガラス成形型の接着層は、ポストの先端にも形成されていることが好ましい。
接着層が前記ポストの先端にも形成されていることにより、型上部と型下部とがポストを介して熱的に接触し、効率よく載置部の加熱、冷却ができるようになる。このため、ガラスシートの曲げ加工時間を短縮することができる。また、載置部いずれの場所でもスムーズに加熱、冷却ができるようになるので、均熱性を高めることができ、ガラスの曲げ精度を高めることができる。
本発明のガラス成形型は、ポストを複数有することが好ましい。
本発明のガラス成形型が、ポストを複数有すると、支持箇所を増やすことができ、減圧時の撓みを小さくすることができる。また、熱の伝達箇所を増やすことができるので、均熱性を高めることができる。
本発明のガラス成形型の接着層は、炭素系接着材であることが好ましい。
本発明のガラス成形型の接着層が炭素系接着材であると、ガラス成形型を構成する素材と同材質であるので、加熱時に互いに浸食しあうことがない。また、接着層が型上部および型下部と同様に高い耐熱性を有しているので好適に使用することができる。
本発明のガラス成形型を適用するガラスは、どのようなものでもよく、たとえば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラスなどどのようなものでもよい。ガラスの温度特性に合わせて適宜成形プロセスの温度条件を設定することができる。
以下に、上記本発明のガラス成形型の一例について図面を用いて説明する。
図1(a)〜(c)は、本発明のガラス成形型の一例を模式的に示す図であり、図1(a)はガラス成形型の平面図、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図、図1(c)は、図1(b)のB−B線断面図である。
図1(a)に示すように、本発明のガラス成形型10は、上面に長方形のガラスシートの載置部1を有している。また、図1(b)に示すように、載置部1は、周辺部が緩やかにカーブして凹んだ構造となっている。なお、図1(a)に示すように、平面視で載置部1の四隅は、角の丸まった形状となっている。また、載置部1の表面は研磨され切削時に形成された切削痕は取り除かれている。
図1(b)に示すように、ガラス成形型10は、載置部1の直下に載置部1に沿って内部空間2を有している。すなわち、内部空間2は載置部1に沿って水平方向に層状に広がっている。
また、ガラス成形型10は、型上部7と型下部8とからなっており、型下部8の上面には凹部が形成されている。
そして、型下部8の上面に形成された凹部は、型上部7と型下部8とが接着層4で接着されることにより内部空間2を形成している。なお、接着層4は、コプナ樹脂が炭化して形成された炭素系接着材である。
ガラス成形型10では、載置部1から内部空間2までの黒鉛部分の厚さtは、3〜15mmであることが好ましい。
また、内部空間2には、型下部8から型上部7に達するようにポスト6が形成されている。さらに、図1(b)及び図1(c)に示すように、ポスト6は、円柱形状であり、型上部7と接着層4で接着されている。さらに、
内部空間2には、平面視においてポスト6が10×6と配列されるように、ポストが形成されている。
ガラス成形型10は、ガラス成形型10の側面に形成され内部空間2に接続するガス排出口3を有する。
また、図1(b)に示すように、内部空間2には、下方向に延びる縦孔が形成されており、この縦孔とガス排出口3とがつながることによりガス排出口3は、内部空間2に接続されている。
次に、上記本発明のガラス成形型を用いたガラス成形プロセスの一例について説明する。
図2(a)〜(c)は、本発明のガラス成形型を用いたガラスシートの成形プロセスの一例を模式的に順に示す工程図であり、図2(a)は成形前の状態を、図2(b)は成形後の状態を、図2(c)はガラスシートの離型後の状態を模式的に示している。
上記本発明のガラス成形型を用いたガラス成形プロセスの一例は、以下の工程順に行われる。
(i)ガラス成形型の載置部にガラスシートを載置する載置工程。
(ii)ガラスシートをガラスシートが軟化する第1の温度以上まで加熱する加熱工程。
(iii)ガラス成形型のガス排出口からガスを吸引する吸引工程。
(iv)ガラス成形型をガラスシートの形状が固定される第2の温度以下まで冷却する冷却工程。
(v)ガラス成形型から、成形されたガラスシートを離型する離型工程。
図2(a)は、(i)ガラス成形型の載置部にガラスシートを載置する載置工程及び(ii)ガラスシートをガラスシートが軟化する第1の温度以上まで加熱する加熱工程を模式的に示しており、図2(b)は、(iii)ガラス成形型のガス排出口から吸引する吸引工程及び(iv)ガラス成形型をガラスシートの形状が固定される第2の温度以下まで冷却する冷却工程を示しており、図2(c)は、(v)ガラス成形型から、成形されたガラスシートを離型する離型工程を示している。
このように、本発明のガラス成形型を用いたガラス成形プロセスは、本発明の曲面ガラスの製造方法でもある。
上記(ii)ガラスシートをガラスシートが軟化する第1の温度以上まで加熱する加熱工程における第1の温度とは、ガラスの形状変形が可能な温度であり、例えば109.1dPa・s(poise)のガラス粘度に対応する温度と10dPa・s(poise)のガラス粘度に対応する温度との間である。アルミノシリケートガラスにおいて第1の温度は700〜850℃である。
上記(iv)ガラス成形型をガラスシートの形状が固定される第2の温度以下まで冷却する冷却工程における第2の温度とは、ガラスの形状変化が不可能な温度であり、例えばガラスの1012dPa・s(poise)のガラス粘度に対応する温度である。第2の温度は、第1の温度よりも低い。アルミノシリケートガラスにおいて第2の温度は500〜650℃である。
上記本発明のガラス成形型を用いたガラス成形プロセスでは、まず、ガラス成形型の載置部にガラスシートを載置し、ガラスシートをガラスシートが軟化する第1の温度以上まで加熱することにより、ガラスシートは変形を開始する。ガラスシートの加熱の方法は特に限定されないが、例えば熱風、輻射などが利用できる。また、ガラスシートのみを加熱してもよいが、ガラス成形型も同時に加熱してもよい。ガラス成形型を同時に加熱することにより、変形したガラスシートの温度を均一に保持することができ、ガラス成形型の載置部の形状にあわせて精度よく変形させることができる。
次に、上記本発明のガラス成形型を用いたガラス成形プロセスでは、ガラス成形型のガス排出口からガスを吸引する。
ガラス成形型のガス排出口から、ガスを吸引すると、ガラス成形型を構成する黒鉛の気孔を通してガラスシートが吸引される。内部空間は、載置部の直下にあり、載置部とガラスシートに挟まれた空間に存在するガスを効率よく吸引することができるので、ガラスシートを載置部の形状に密着させ精度よく変形させることができる。
内部空間は、載置部の直下にあるので、内部空間から最も近い外表面である載置部から集中的に雰囲気ガスを吸引することができる。
ここで、ガラス成形のプロセスは、不活性雰囲気下で行われることが好ましい。不活性雰囲気とは、特に限定されないが、窒素、アルゴンなどが挙げられる。これらのガスは、ガラス成形型およびガラスシートに腐食などの悪影響を及ぼさないので好適に利用することができる。
次に、上記本発明のガラス成形型を用いたガラス成形プロセスでは、ガラス成形型をガラスシートの形状が固定される第2の温度以下まで冷却する。冷却は、ガラス成形型内部を流通する熱媒体で冷却してもよいし、例えばガラス成形型にヒートシンクを接触させ、冷却してもよい。
上記本発明のガラス成形型は、型上部と、型下部とからなり、貼り合わされることにより内部空間を有するように構成されている。さらに内部空間に前記型上部と前記型下部とを支えるポストを有している場合には、(iii)ガラス成形型のガス排出口からガスを吸引する吸引工程において、ガス排出口からガスを吸引することにより内部空間に負圧が生じても、内部空間の変形が抑制される。また、内部空間は熱の伝達を妨げるが、ポストが形成されていることにより型上部と型下部の伝熱を円滑に行うことができる。
特に、型下部と型上部とが炭素系接着材による接着層で接合されており、ポストの上端と型上部との間に炭素系接着材による接着層が形成されている場合には、炭素系接着層は、熱伝導のよい炭素によって形成されているので、熱抵抗が小さい。このため、ガラスシートが成形された後の冷却工程において、速やかにガラス成形型の載置部の熱を拡散することができ、離型までの時間を短縮することができる。
次に、本発明のガラス成形型の別の一例について説明する。
図3(a)〜(c)は、本発明のガラス成形型の別の一例を模式的に示す図であり、図3(a)はガラス成形型の平面図、図3(b)は図3(a)のC−C線断面図、図3(c)は図3(b)のD−D線断面図である。
図3(a)〜(c)に示すように、本発明のガラス成形型110は、上記図1(a)〜(c)に示す本発明のガラス成形型10と、ポストの形状が異なっている。すなわち、図3(a)〜(c)に示すガラス成形型110では、内部空間102内に備えられたポスト106は、10×6となるよう配列した四角柱形状をしている。
また、ガラス成形型110は、載置部101の直下に載置部101に沿って内部空間102を有している。すなわち、内部空間102は載置部101に沿って水平方向に層状に広がっている。また、ガラス成形型110は、型上部107と型下部108とからなっており、型下部108の上面には凹部が形成されている。
そして、型下部108の上面に形成された凹部は、型上部107と型下部108とが接着層104で接着されることにより内部空間102を形成している。
また、内部空間102には、型下部108から型上部107に達するようにポスト106が形成されている。さらに、ポスト106は、型上部107と接着層104で接着されている。
ガラス成形型110は、ガラス成形型110の側面に形成され内部空間102に接続するガス排出口103を有する。
また、図3(b)に示すように、内部空間102には、下方向に延びる縦孔が形成されており、この縦孔とガス排出口103とがつながることによりガス排出口103は、内部空間102に接続されている。
次に、本発明のガラス成形型のさらに別の一例について説明する。
図4(a)〜(c)は、本発明のガラス成形型の別の一例を模式的に示す図であり、図4(a)はガラス成形型の平面図、図4(b)は図4(a)のE−E線断面図、図4(c)は図4(b)のF−F線断面図である。
図4(a)〜(c)に示すように、本発明のガラス成形型は、上記図1(a)〜(c)に示す本発明のガラス成形型と、内部空間の構造が異なっている。
図4(a)〜(c)に示すガラス成形型210は、内部空間202と同じ面内にガス排出口203が備えられている。具体的には、図4(c)に示すように、内部空間202は、ガラス成形型210の側方から非貫通孔209aを複数本あけた後に、これらを繋ぐように直交する非貫通孔209bが1本あけられる。形成された非貫通孔209a及び209bは、ガス排出口203となる1本を残して黒鉛の栓220が挿入される。このようにして非貫通孔209a及び209bを組み合わせて内部空間202が形成される。このため、ガラス成形型210は、ガラス成形型210を型上部と型下部とに分割する接着層は有していない。また、内部空間202を通過する断面において、平面視で空間に囲まれた領域はないので、ポストも形成されていない。
このようなガラス成形型でも、ガラス成形型のガス排出口から、ガスを吸引すると、ガラス成形型を構成する黒鉛の気孔を通してガラスシートが吸引される。内部空間は、載置部の直下にあり、載置部とガラスシートに挟まれた空間に存在するガスを効率よく吸引することができるので、ガラスシートを載置部の形状に密着させ精度よく変形させることができる。
内部空間は、載置部の直下にあるので、内部空間から最も近い外表面である載置部から集中的に雰囲気ガスを吸引することができる。
また、内部空間は、細い非貫通孔を組み合わせて形成されているので、載置部からガラス成形型下面への熱抵抗は小さく載置部からの熱を速やかに拡散させることができ、離型までの時間を短縮することができる。
本発明のガラス成形型は、薄いガラスの曲げ加工に適用でき、例えば、携帯電話、スマートフォンなどの表示画面を覆うカバーガラスのガラス成形型として使用することができる。
1、101、201 載置部
2、102、202 内部空間
3、103、203 ガス排出口
4、104 接着層
5 ガラスシート
6、106 ポスト
7、107 型上部
8、108 型下部
10、110、210 ガラス成形型
209a、209b 非貫通孔
220 黒鉛の栓

Claims (7)

  1. 上面にガラスシートの載置部を有する黒鉛からなるガラス成形型であって、
    前記ガラス成形型は、前記ガラス成形型の内部に形成され前記載置部の下に水平方向に層状に広がる内部空間と、前記載置部以外の前記ガラス成形型の表面に形成され前記内部空間に接続するガス排出口とを有し、
    前記黒鉛の気孔を通して前記ガラスシートを吸引することができ、
    前記載置部には、吸引孔が形成されていないことを特徴とするガラス成形型。
  2. 前記ガラス成形型は、前記内部空間を挟んで、型上部と型下部とに隔てられるとともに、前記型上部と前記型下部とを接合する接着層を有することを特徴とする請求項1に記載のガラス成形型。
  3. 前記内部空間には、前記型上部と前記型下部とを支えるポストが形成されていることを特徴とする請求項2に記載のガラス成形型。
  4. 前記接着層は、前記ポストの先端にも形成されていることを特徴とする請求項3に記載のガラス成形型。
  5. 前記ガラス成形型は、前記ポストを複数有することを特徴とする請求項3または4に記載のガラス成形型。
  6. 前記接着層は、炭素系接着材であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のガラス成形型。
  7. 前記請求項1〜6のいずれかに記載のガラス成形型を用いた曲面ガラスの製造方法であって、
    前記ガラス成形型の載置部にガラスシートを載置する載置工程と、
    前記ガラスシートを前記ガラスシートが軟化する第1の温度以上まで加熱する加熱工程と、
    前記ガラス成形型のガス排出口からガスを吸引する吸引工程と、
    前記ガラス成形型を前記ガラスシートの形状が固定される第2の温度以下まで冷却する冷却工程と、
    前記ガラス成形型から、成形されたガラスシートを離型する離型工程と
    を含むことを特徴とする、曲面ガラスの製造方法。
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