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JP6673663B2 - 局在表面プラズモン共鳴センサ - Google Patents

局在表面プラズモン共鳴センサ Download PDF

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Description

本発明は、検出技術に関し、局在表面プラズモン共鳴センサに関する。
表面プラズモン共鳴センサは、微量な試料を検出可能であることから、様々な分野で用いられている(例えば、特許文献1から5参照。)。しかし、特許文献1に開示されたセンサにおいては、全反射条件を満たすよう、光の入射角を設定する必要があり、精密な光学系が必要となる。また、角度変化を検出するためのプリズムも必要となる。そのため、装置が複雑になるという問題がある。特許文献2、3、4に開示されたセンサは、信号強度が弱く、検出精度が低いという問題がある。さらに、特許文献2、3、4に開示されたセンサは、特許文献1に開示されたセンサに比べて光学系が簡素化されているものの、依然として小型化が困難もしくは小型化するためには装置構成を複雑にする必要がある。特許文献5に開示されたセンサは、光源と受光器を一直線上に配置しなければならないため、小型化に限界があるという問題がある。
さらに、特許文献2、3、4、5に開示されたセンサは、いずれも光路中に試料が介在するため、試料の色度や厚さの影響を受けてしまい、信号強度の低下やS/N比の劣化が生じやすいという問題がある。これに対して、特許文献1に示されたセンサは、光路中に試料が介在しないため、高いS/N比が得られるものの、上述したような精密な光学系が必要となる。
特許第5607593号公報 特許第3452837号公報 特許第5167486号公報 特許第4231701号公報 特許第5460113号公報
そこで、本発明は、複雑な光学系を必要とせず、小型化が可能で、さらには検出精度の高い局在表面プラズモン共鳴センサを提供することを目的とする。
本発明の態様によれば、(a)光透過性基板と、(b)光透過性基板の表面上に設けられた、局在表面プラズモン共鳴を生じさせる、複数の開口が一定間隔で設けられた金属薄膜と、(c)光透過性基板の裏面に検査光を照射する検査光源と、(d)金属薄膜からの検査光の反射光を検出する受光器と、を備える、局在表面プラズモン共鳴センサが提供される。
上記の局在表面プラズモン共鳴センサが、金属薄膜上の試料を検出してもよい。あるいは、上記の局在表面プラズモン共鳴センサが、金属薄膜上に配置されたガス吸着層をさらに備えていてもよい。ガス吸着層が多孔質吸着材であってもよい。
上記の局在表面プラズモン共鳴センサが、金属薄膜に接続されたヒーターをさらに備えていてもよいし、ガス吸着層に接続されたヒーターをさらに備えていてもよい。また、上記の局在表面プラズモン共鳴センサが、金属薄膜に電圧を印加し、金属薄膜を発熱させる加熱電源をさらに備えていてもよい。さらに、上記の局在表面プラズモン共鳴センサが、金属薄膜に対し、金属薄膜におけるプラズモン共鳴波長を含む加熱光を照射する加熱光源をさらに備えていてもよい。
上記の局在表面プラズモン共鳴センサにおいて、光透過性基板の裏面に対し、検査光源及び受光器の光軸が略垂直であってもよい。検査光源の光軸と、受光器の光軸と、が、略平行であってもよい。
上記の局在表面プラズモン共鳴センサが、検査光源に接続される第1光ファイバと、受光器に接続される第2光ファイバと、を更に備えていてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的上面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサで計測された反射スペクトルの例である。 従来技術に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的斜視図である。 従来技術に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的側面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的側面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的側面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的側面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的上面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的側面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的側面図である。 本発明の第6の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的上面図である。 本発明の第7の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的側面図である。 本発明の第7の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの模式的側面図である。 本発明の実施例1に係る局在表面プラズモン共鳴センサの製造工程を説明する模式的斜視図である。 本発明の実施例1に係る局在表面プラズモン共鳴センサの製造工程を説明する模式的斜視図である。 本発明の実施例1に係る局在表面プラズモン共鳴センサの製造工程を説明する模式的斜視図である。 本発明の実施例1に係る局在表面プラズモン共鳴センサの製造工程を説明する模式的斜視図である。 本発明の実施例1に係る局在表面プラズモン共鳴センサの製造工程を説明する模式的斜視図である。 本発明の実施例1に係る局在表面プラズモン共鳴センサの製造工程を説明する模式的斜視図である。 本発明の実施例1に係る局在表面プラズモン共鳴センサの製造工程を説明する模式的斜視図である。 本発明の実施例1に係る局在表面プラズモン共鳴センサの製造工程を説明する模式的斜視図である。 本発明の実施例1に係る局在表面プラズモン共鳴センサの製造工程を説明する模式的斜視図である。 本発明の実施例1に係る局在表面プラズモン共鳴センサの製造工程を説明する模式的斜視図である。 本発明の実施例2に係る局在表面プラズモン共鳴センサの走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例2に係る局在表面プラズモン共鳴センサの原子間力顕微鏡写真である。 本発明の実施例2に係る局在表面プラズモン共鳴センサで得られた反射スペクトルである。 本発明の実施例2に係る局在表面プラズモン共鳴センサで得られた透過スペクトルである。 本発明の実施例3に係る局在表面プラズモン共鳴センサで得られた反射スペクトルである。 本発明の実施例3に係る局在表面プラズモン共鳴センサで得られた透過スペクトルである。 本発明の実施例3に係る局在表面プラズモン共鳴センサで得られた吸収スペクトルである。 本発明の実施例4の結果を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。ただし、本開示の一部をなす記述及び図面は、本発明を限定するものであると理解するべきではない。本開示から当業者には様々な代替技術及び運用技術が明らかになるはずであり、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサは、図1及び図2に示すように、光透過性基板1と、光透過性基板1の表面上に設けられた、局在表面プラズモン共鳴を生じさせる、複数の開口12A、12B、12C・・・が一定間隔で設けられた金属薄膜2と、光透過性基板1の裏面に検査光13を照射する検査光源3と、金属薄膜2からの検査光の反射光14を検出する受光器4と、を備える。
光透過性基板1は、検査光源3が発する検査光に対して透明である。光透過性基板1の材料としては、例えば、石英ガラス等のガラス、及びアクリルアミド等の樹脂が使用可能である。
金属薄膜2は、検査光源3が発する検査光に対して実質的に不透明な材料からなり、検査光源3が発した検査光を反射する。金属薄膜2の材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、及びこれらの金属の複合体の光非透過性物質等が使用可能である。金属薄膜2の厚みは、数十から数百nmであるが、これに限定されない。金属薄膜2の厚みは、所望の反射率が得られるよう、適宜設定される。
金属薄膜2に設けられた複数の開口12A、12B、12C・・・のそれぞれは、例えば正方形状であり、一辺の長さが数百nm、例えば300nmである。複数の開口12A、12B、12C・・・は、例えば、それぞれの一辺の長さと同じ間隔をおいて設けられている。ただし、複数の開口12A、12B、12C・・・のそれぞれの形状や大きさ、及び間隔は、局在表面プラズモン共鳴を生じさせることができれば、特に限定されない。例えば、複数の開口12A、12B、12C・・・のそれぞれは、円形状、三角形状、六角形状、多角形状、環状、及びC字形状であってもよい。
好ましくは、複数の開口12A、12B、12C・・・のそれぞれの大きさは、検査光の波長よりも小さい。また、好ましくは、複数の開口12A、12B、12C・・・のそれぞれの幅は、複数の開口12A、12B、12C・・・の間隔以下であり、例えば、複数の開口12A、12B、12C・・・の間隔の1/3倍以上1倍以下、あるいは2/3以下である。例えば、複数の開口12A、12B、12C・・・の面積の総和は、金属薄膜2の複数の開口12A、12B、12C・・・が設けられていない部分の面積よりも小さい。
光透過性基板1と金属薄膜2の間に、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化クロム(Cr23)、酸化ニッケル(NiO)、又は酸化チタン(TiO2)等の誘電体からなる酸化膜を配置してもよい。
検査光源3と受光器4は、光透過性基板1の裏面に対向して配置される。検査光源3が発する検査光は、白色光等の広波長帯域光であるが、これに限定されない。検査光は、可視光又は近赤外光であってもよい。光透過性基板1と、受光器4と、の間に、光学フィルタを設けてもよい。光学フィルタが透過する光の波長は、プラズモン共鳴波長によって、適宜設定される。検査光源3と受光器4は、外光の影響を遮断する筐体5に格納されていてもよい。
光透過性基板1の裏面に対し、検査光源3及び受光器4の光軸が略垂直であり、検査光源の光軸と、受光器の光軸と、が、略平行であってもよい。なお、この場合、検査光は非平行光であり、検査光源3から照射された後、光束が広がることが好ましい。また、検査光源の光軸と、受光器の光軸と、が、光透過性基板1の上方において交差するよう、光透過性基板1の裏面に対し、検査光源3及び受光器4の光軸が傾斜していてもよい。
図3に示すように、金属薄膜2表面上近傍に存在する試料100の誘電率に応じて、金属薄膜2の裏面で反射される光のスペクトルが変化する。具体的には、金属薄膜2表面上近傍に存在する試料100の誘電率に応じて、局在表面プラズモン共鳴により吸収される光の波長ピークがシフトする。試料100は、特に限定されないが、例えば化学物質や、生化学物質等の生体物質である。例えば、金属薄膜2表面近傍にエタノールを滴下すると、図4に示すように、反射光スペクトルにおいて、波長980nmで、反射率の低下が確認される。試料100の誘電率は、試料100の濃度や密度に依存するため、反射スペクトルの変化から、試料100の濃度や密度を測定することが可能となる。反射スペクトルの変化の測定においては、吸収波長ピークのシフトを測定してもよいし、特定の波長における反射率の変化を測定してもよい。特定の波長における反射率の変化を測定する場合は、特定の波長を透過、又は減衰させる光学フィルタを、光透過性基板1と、受光器4と、の間に設けるとよい。
従来の基板上に配置された金属微粒子や金属ナノディスクを用いる局在表面プラズモン共鳴センサにおいては、金属微粒子や金属ナノディスクが配置された基板に検査光を照射して、基板を透過した検査光のスペクトルを検査している。しかし、基板上の試料が色を有していたり、濁っている場合、検査光が試料に吸収されたり、試料によって散乱したりして、透過光が減少し、スペクトルの分解能が低下するという問題がある。また、検査対象の試料そのものが透明であっても、試料に不純物が混じっていると、同様の問題が生じる。
これに対し、第1の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサが備える複数の開口12A、12B、12C・・・が一定間隔で設けられた金属薄膜2は、金属微粒子や金属ナノディスクよりも多くの光を反射することが可能である。そのため、光透過性基板1の裏側から検査光を照射しても、反射光の強度が強く、反射光スペクトルの分解能が高い。そのため、高い精度で試料100を検出することが可能となる。また、検査光の光路上に試料100が存在しないため、試料100の色や濁度の影響を受けることなく、試料100を高い精度で検出することが可能となる。
また、従来の基板上に配置された金属微粒子を用いる局在表面プラズモン共鳴センサにおいては、プラズモン共鳴により吸収される光の波長が、およそ400nmから600nmの範囲にある。しかし、金属微粒子の材料として用いられる金属材料自体が、光を吸収する性質を有している。例えば、銀の吸収波長は320nmであり、金の吸収波長は500nmであり、銅の吸収波長は600nmである。そのため、金属微粒子の材料そのものによる光の吸収波長と、プラズモン共鳴による光の吸収波長と、が重なるため、検出感度が低下する場合がある。
これに対し、第1の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサにおいては、プラズモン共鳴が生じうる金属微粒子等よりも大きな開口パターンでプラズモン共鳴を生じさせることが可能であるため、プラズモン共鳴により吸収される光の波長が、600nm以上、700nm以上、800nm以上、900nm以上、又は1000nm以上である。そのため、金属材料自体による光の吸収波長と、プラズモン共鳴による光の吸収波長と、が重なりにくく、高い検出感度を得ることが可能となる。
さらに、例えば図5及び図6に示すように、従来の光透過型局在表面プラズモン共鳴センサにおいては、筐体基板530に対し、検査光源503、金属微粒子や金属ナノディスクが配置された光透過性基板501、及び受光器504を垂直に配置する必要がある。これに付随して、検査光源503に接続された回路ブロック523、光透過性基板501と受光器504の間の光学フィルタ508、及び受光器504に接続された回路ブロック524も、筐体基板530に対し、垂直に配置する必要がある。そのため、従来の光透過型局在表面プラズモン共鳴センサは、小型化及び薄型化が困難である。
これに対し、図7及び図8に示すように、第1の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサにおいては、検査光源3に例えば薄い発光ダイオード(LED)を用い、受光器4に例えば薄いフォトデテクタを用いれば、筐体基板30に対し、回路ブロック23、回路ブロック23に接続された検査光源3、回路ブロック24、回路ブロック24に接続された受光器4、受光器4の上に配置された光学フィルタ8、光透過性基板1、及び複数の開口が一定間隔で設けられた金属薄膜2を積層させることが可能である。そのため、第1の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサは、小型化及び薄型化が容易である。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサは、図9に示すように、検査光源3に接続される第1光ファイバ43と、受光器4に接続される第2光ファイバ44と、をさらに備える。第2の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサのその他の構成要素は、第1の実施の形態と同様である。
第1光ファイバ43の一方の端面は、検査光源3に接続される。第1光ファイバ43の他方の端面は、検査光源3からの出射された検査光13が光透過性基板1に入射されるように配置される。第2光ファイバ44の一方の端面は受光器4に接続される。第2光ファイバ44の他方の端面は、反射光14が入射されるように配置される。
第1光ファイバ43及び第2光ファイバ44は、例えば平行に配置されてもよい。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサは、図10に示すように、金属薄膜2上に配置されたガス吸着層6をさらに備える。第3の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサのその他の構成要素は、第1の実施の形態と同様である。
ガス吸着層6は、例えば、多孔質吸着材である。多孔質吸着材の平均孔径は、例えば0.5nm〜50nmである。また、ガス吸着層6の膜厚は、例えば10nm〜2μmである。ただし、金属薄膜2の表面上近傍にガス106を吸着可能であれば、ガス吸着層6の構造はこれらに限定されない。ガス吸着層6は、金属薄膜2の複数の開口12A、12B、12C・・・を埋めていてもよいし、埋めていなくてもよい。
ガス吸着層6は、例えばメソポーラス材料、マクロポーラス材料、複合メソ/マクロポーラス材料、多孔性配位高分子(PCP)、及び金属有機構造体(MOF)等からなる。例えば、メソポーラス材料は、2〜50nmの平均孔径を有し、ラメラ、ヘキサゴナル、及びキュービックなどの規則正しい構造を有する。
また、ガス吸着層6の素材としては、例えばポリマー、金属、シリカ材料、粘土、セルロース、シリカゲル、カーボンナノチューブ、セラミック、ゼオライト、及びそれらの組み合わせが使用可能である。
ガス吸着層6には、局在表面プラズモン共鳴センサの周辺を漂うガスが吸着される。ガス吸着層6にガスが吸着されると、金属薄膜2近傍の物質密度が増加するため、みかけの誘電率が増加する。この結果プラズモン共鳴波長が変化し、金属薄膜2の裏面で反射される光のスペクトルが変化する。ガスの吸着量は、ガスの濃度に依存するため、反射スペクトルの変化から、ガスの濃度を高い精度で測定することが可能となる。
さらに、ガス吸着層6が金属薄膜2表面を保護することから、局在表面プラズモン共鳴センサの安定性を向上させることが可能となる。
なお、図11に示すように、第3の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサは、検査光源3に接続される第1光ファイバ43と、受光器4に接続される第2光ファイバ44と、をさらに備えていてもよい。第1光ファイバ43と、第2光ファイバ44と、は、第2の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサは、図12及び図13に示すように、金属薄膜2に接続されたヒーター7をさらに備える。第4の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサのその他の構成要素は、第1の実施の形態と同様である。ヒーター7としては、発熱抵抗素子等が使用可能である。ヒーター7の材料としては、例えば、クロム及びニッケル等の金属、酸化錫等の酸化物半導体、シリコン等の半導体、並びに炭素等が使用可能である。
ヒーター7が金属薄膜2に熱接触しておれば、ヒーター7を金属薄膜2に接続する方法は特に限定されない。ヒーター7は、金属薄膜2に貼り付けられていてもよいし、金属薄膜2に組み込まれていてもよいし、金属薄膜2と一体化していてもよい。あるいは、ヒーター7と、金属薄膜2と、を、ワイヤボンディングにより接続してもよい。ヒーター7で加熱された金属薄膜2は、面状発熱体となる。
例えば、局在表面プラズモン共鳴センサの検出対象が化学物質や生体物質である場合、ヒーター7によって金属薄膜2を加熱することにより、金属薄膜2上で化学物質や生体物質の化学反応や分解を促進することが可能となる。生体物質の分解の例としては、二本鎖DNAの解離が挙げられる。
従来の金属微粒子や金属ナノディスクを用いる局在表面プラズモン共鳴センサにおいては、配置された金属微粒子や金属ナノディスクが互いに分離しているため、配置された金属微粒子や金属ナノディスクすべてに熱を伝導させることは困難である。これに対し、第4の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサにおいては、局在表面プラズモン共鳴を生じさせる構造が熱伝導膜である金属薄膜2に設けられているため、ヒーター7の熱を金属薄膜2全体に伝えることが可能となる。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサは、図14に示すように、ガス吸着層6に接続されたヒーター7をさらに備える。第5の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサのその他の構成要素は、第3の実施の形態と同様である。第5の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサによれば、ヒーター7によってガス吸着層6を加熱することにより、ガス吸着層6に吸着された気体分子を脱着することが可能となる。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサは、図15に示すように、金属薄膜2に電圧を印加し、金属薄膜2を発熱させる加熱電源17をさらに備える。第6の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサのその他の構成要素は、第1の実施の形態と同様である。加熱電源17によって電圧を印加された金属薄膜2には電流が流れ、熱が生じる。この場合、金属薄膜2を連続する折り返し構造とすることによって、電気抵抗を高くし、ジュール発熱しやすくしてもよい。加熱電源17が接続された金属薄膜2上に、図10に示したガス吸着層6が配置されていてもよい。
従来の金属微粒子や金属ナノディスクを用いる局在表面プラズモン共鳴センサにおいては、配置された金属微粒子や金属ナノディスクが互いに分離しているため、配置された金属微粒子や金属ナノディスクすべてに通電することは困難である。これに対し、第6の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサにおいては、局在表面プラズモン共鳴を生じさせる構造が金属薄膜2に設けられているため、加熱電源17によって金属薄膜2全体を印加して、加熱することが可能となる。
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサは、図16に示すように、金属薄膜2に対し、金属薄膜2におけるプラズモン共鳴波長を含む加熱光を照射する加熱光源27をさらに備える。第7の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサのその他の構成要素は、第1の実施の形態と同様である。金属薄膜2は、加熱光源27から、金属薄膜2におけるプラズモン共鳴波長を含む光である加熱光を照射されると、光熱変換により、発熱する。図17に示すように、加熱光を照射される金属薄膜2上に、ガス吸着層6が配置されていてもよい。この場合、ガス吸着層6は、加熱光に対して透明であることが好ましい。
従来の金属微粒子や金属ナノディスクを用いる局在表面プラズモン共鳴センサにおいては、プラズモン共鳴が弱いため、光熱変換効率が低い。これに対し、第7の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサにおいては、局在表面プラズモン共鳴を生じさせる構造が金属薄膜2に設けられているため、強いプラズモン共鳴を生じさせることが可能であり、光熱変換効率が高い。
(実施例1)
図18に示すように光透過性基板として石英基板201を用意し、図19に示すように、石英基板201上に厚さ5から10nmのシリコン(Si)薄膜202をスパッタで形成した。その後、図20に示すように、シリコン薄膜202上に、ポジ型電子線レジスト(ZEP 520A−7、日本ゼオン株式会社)を塗布してレジスト膜203を形成し、図21に示すように、レジスト膜203上に導電性樹脂(ESPACER、昭和電工株式会社)を塗布して導電性樹脂層204を形成した。
なお、シリコン薄膜202は、レジスト膜203の密着性を向上させ、レジスト膜203の剥離や、レジスト膜203に形成されるパターンの崩壊を抑制する。また、シリコン薄膜202の厚さを20nm程度に厚くするか、あるいはシリコン薄膜202の代わりに金属クロム膜を配置することによって、導電性樹脂層204は省略することもできる。
次に、図22に示すように、電子ビーム描画装置を用いて導電性樹脂層204、及びレジスト膜203に電子ビームを照射し、図23に示すように、レジスト膜203に複数の円形状パターン214A、214B、214C・・・が残るよう描画した。その後、導電性樹脂層204を除去し、レジスト膜203を現像処理することにより、電子ビームを照射した部分が除去された結果、図24に示すように、シリコン薄膜202上に、複数の円筒状レジストパターン223A、223B、223C・・・が形成された。
次に、図25に示すように、シリコン薄膜202及び複数の円筒状レジストパターン223A、223B、223C・・・上に、アルミニウムをスパッタし、厚さが20から100nmの金属薄膜205を形成した。その後、有機溶剤によって、複数の円筒状レジストパターン223A、223B、223C・・・を除去した。なお、超音波洗浄機によって、有機溶剤を振動させた。これに伴い、複数の円筒状レジストパターン223A、223B、223C・・・を覆っていた部分の金属薄膜205もリフトオフされ、図26に示すように、金属薄膜205に複数の円形状の開口215A、215B、215C・・・が形成された。次に、酸素プラズマ照射によって、レジストの残渣を除去すると共に、図27に示すように、シリコン薄膜202を酸化させ、酸化膜206に変化させた。
(実施例2)
実施例1と同様の方法によって、光透過性基板上に、複数の正方形状の開口が設けられた厚さ22nmの金属薄膜を形成した。開口の辺の長さは300nmであり、複数の開口の隣り合う辺の間隔は300nmであった。得られた金属薄膜の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図28に、原子間力顕微鏡(AFM)写真を図29に示す。
得られた光透過性基板と金属薄膜の複合体に対して、光を照射したところ、図30に示すように、高い反射率が確認され、また、急峻なプラズモン共鳴特性が確認された。また、図31に示すように、プラズモン共鳴波長以外の波長帯域において、透過率がほぼ20%以下であることが確認された。
(実施例3)
実施例2と同様の方法によって、光透過性基板上に、複数の正方形状の開口が設けられた厚さ50nmの金属薄膜を形成した。開口の辺の長さは300nmであり、複数の開口の隣り合う辺の間隔は300nmであった。得られた光透過性基板と金属薄膜の複合体に対して、光を照射したところ、図32に示すように、高い反射率が確認され、また、急峻なプラズモン共鳴特性が確認された。また、図33に示すように、プラズモン共鳴波長以外の波長帯域において、透過率がほぼ20%以下であることが確認された。さらに、図34に示すように、吸収率スペクトルにおいても、急峻なプラズモン共鳴特性が確認された。
(実施例4)
図9に示すような平行2芯光ファイバを備える局在表面プラズモン共鳴センサを用意した。アルミニウムからなる厚さ70nmの金属薄膜には、開口幅260nmの複数の矩形が、540nmの間隔で設けられていた。試料としては、水とエタノールの混合物を用い、水とエタノールの混合比を変えた時の反射率の変化を、測定した。測定対象の反射光の波長は860nmであった。結果として、図35に示すように、エタノール濃度が上昇するにつれて、プラズモン共鳴波長が変化したことにより、波長860nmにおける反射率が上昇したことが確認された。
本発明の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサは、揮発性有機物(VOC)処理装置を安定的に運転させるための工業用ガスセンサ、簡易型ウイルス検査装置、環境発電装置や無線電送装置の小型で低消費電力な環境モニター、並びに口臭及び体臭を検出するための携帯端末に搭載される小型で低消費電力な健康モニター等として利用可能である。ただし、本発明の実施の形態に係る局在表面プラズモン共鳴センサの利用方法は、これらに限定されない。
1 光透過性基板
2 金属薄膜
3 検査光源
4 受光器
5 筐体
6 ガス吸着層
7 ヒーター
8 光学フィルタ
12A、12B、12C 開口
17 加熱電源
23、24 回路ブロック
27 加熱光源
30 筐体基板
100 試料
201 石英基板
202 薄膜
202 シリコン薄膜
203 レジスト膜
204 導電性樹脂層
205 金属薄膜
206 酸化膜
213A、213B、213C 変性部分
214A、214B、214C 円形状パターン
215A、215B、215C 開口
223A、223B、223C 円筒状レジストパターン
501 光透過性基板
503 検査光源
504 受光器
508 光学フィルタ
523 回路ブロック
524 回路ブロック
530 筐体基板

Claims (7)

  1. 光透過性基板と、
    前記光透過性基板の表面上に設けられた、局在表面プラズモン共鳴を生じさせる、複数の開口が一定間隔で設けられた金属薄膜と、
    前記光透過性基板の裏面に検査光を照射する検査光源と、
    前記金属薄膜からの前記検査光の反射光を検出する受光器と、
    前記金属薄膜に電圧を印加し、前記金属薄膜を発熱させる加熱電源と、
    を備える、局在表面プラズモン共鳴センサ。
  2. 前記金属薄膜上の試料を検出する、請求項1に記載の局在表面プラズモン共鳴センサ。
  3. 前記金属薄膜上に配置されたガス吸着層を更に備える、請求項1に記載の局在表面プラズモン共鳴センサ。
  4. 前記ガス吸着層が多孔質吸着材である、請求項3に記載の局在表面プラズモン共鳴センサ。
  5. 前記光透過性基板の裏面に対し、前記検査光源及び前記受光器の光軸が略垂直である、請求項1からのいずれか1項に記載の局在表面プラズモン共鳴センサ。
  6. 前記検査光源の光軸と、前記受光器の光軸と、が、略平行である、請求項1からのいずれか1項に記載の局在表面プラズモン共鳴センサ。
  7. 前記検査光源に接続される第1光ファイバと、前記受光器に接続される第2光ファイバと、を更に備える、請求項1からのいずれか1項に記載の局在表面プラズモン共鳴センサ。
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