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JP6656596B2 - 燃料電池の単セル構造 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池の単セル構造に関する。
従来、簡単な構成で、所望のシール機能を確保しながら、ブリッジ部に適切な反応ガス連結流路を形成することが可能な燃料電池が提案されている(特許文献1参照。)。
この燃料電池は、セパレータ間に設けられたブリッジ部に、焼き付けや射出成形などにより一体化されたエチレンプロピレンジエンゴムやアクリロニトリルブタジエンゴムなどからなる各種シールが設けられている。
日本国特開2013−98155号公報
ところで、燃料電池の性能向上に対するさらなる要求に伴って、膜電極接合体や、ガス拡散層、フレームなどの部材が薄型化されてきており、単セルのセパレータ間隔もさらに小さくなっている。この場合、特許文献1に記載された燃料電池にあっては、セパレータ端部を各種シールで覆っているため、燃料電池のブリッジ部のガス流通部高さが低くなり、圧損増加が生じる可能性が高くなる。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明は、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加の抑制を実現し得る燃料電池の単セル構造を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた。そして、その結果、フレームの所定の位置に凸形状部で形成されるガス流通部を設けることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の燃料電池の単セル構造は、フレーム付き膜電極接合体と、一対のセパレータと、ガス流路部と、マニホールド部と、突出部と、フレームの延出部と、ガス流通部とを備えるものである。ここで、フレーム付き膜電極接合体は、膜電極接合体と膜電極接合体を外周から支持するフレームとからなる。また、一対のセパレータは、フレーム付き膜電極接合体の両面に配置されている。さらに、ガス流路部は、セパレータと膜電極接合体との間に形成され、ガスが供給される。また、マニホールド部は、フレームとセパレータの積層方向に貫通する穴が形成されている。さらに、突出部は、一対のセパレータの少なくとも一方のセパレータがフレーム付き膜電極接合体側に突出し、マニホールド部近傍でフレームを支持している。また、フレームの延出部は、突出部よりもマニホールド部側に延出している。さらに、ガス流通部は、フレームの延出部に形成されており、マニホールド部からガス流路部にガスを供給する。そして、ガス流通部は、フレームの延出部に設けられた凸形状部から形成されている。
本発明によれば、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加の抑制を実現し得る燃料電池の単セル構造を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックを説明する斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックを説明する分解状態の斜視図である。 図3Aは、燃料電池単セルを説明する斜視図であり、図3Bは、燃料電池単セルを説明する分解状態の斜視図である。 図4は、燃料電池モジュールを構成する第1の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する平面図である。 図5は、第1の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する断面図である。 図6は、第1の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する他の断面図である。 図7は、第1の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明するさらに他の断面図である。 図8は、燃料電池モジュールを構成する第2の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する平面図である。 図9は、第2の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する断面図である。 図10は、第2の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する他の断面図である。 図11は、第2の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明するさらに他の断面図である。 図12は、燃料電池モジュールを構成する第3の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する平面図である。 図13は、第3の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する断面図である。 図14は、第3の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する他の断面図である。 図15は、燃料電池モジュールを構成する第4の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する平面図である。 図16は、第4の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する断面図である。 図17は、第4の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する他の断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る燃料電池の単セル構造について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の形態で引用する図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックを説明する斜視図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係る燃料電池スタックを説明する分解状態の斜視図である。さらに、図3Aは、燃料電池単セルを説明する斜視図であり、図3Bは、燃料電池単セルを説明する分解状態の斜視図である。
図1〜図3に示すように、燃料電池スタックFSは、燃料電池単セルCを複数積層して一体化した複数の燃料電池モジュールMと、燃料電池モジュールM同士の間に介装されるシールプレートPとを備えている。図示例の燃料電池単セルC及びシールプレートPは、いずれもほぼ同じ縦横寸法を有する矩形板状の形状を有している。なお、図2には、2つの燃料電池モジュールMと、1つのシールプレートPを示しているが、実際には、それ以上の数の燃料電池モジュールM及びシールプレートPを積層する。
また、燃料電池スタックFSは、燃料電池モジュールMの積層方向の両端部に、エンドプレート56A,56Bをそれぞれ配置し、燃料電池単セルCの長辺側となる両面(図1及び図2中で上下面)に、締結板57A,57Bが設けてあるとともに、短辺側となる両面に、補強板58A,58Bが設けてある。各締結板57A,57B及び補強板58A,58Bは、図示しないボルトにより、両エンドプレート56A,56Bに連結する。
このようにして、燃料電池スタックFSは、図1に示すようなケース一体型構造となり、各燃料電池モジュールM及びシールプレートPを積層方向に拘束・加圧して個々の燃料電池単セルCに所定の接触面圧を加え、ガスシール性や導電性等を良好に維持する。
図3に示すように、燃料電池単セルCは、膜電極接合体12と膜電極接合体12を外周から支持するフレーム20とからなるフレーム付き膜電極接合体10と、フレーム付き膜電極接合体10の両面に配置された一対のセパレータ30,30と、フレーム20とセパレータ30の積層方向に貫通する穴が形成されたマニホールド部H1〜H6とを備える。また、燃料電池単セルCは、セパレータ30と膜電極接合体12との間に形成された、ガスが供給されるガス流路部Fを備える。
膜電極接合体12は、一般に、MEA(Membrane Electrode Assembly)と呼ばれるものであって、詳細な図示は省略するが、固体高分子からなる電解質膜を一対の電極層(アノード、カソード)で挟持した構造を有している。この膜電極接合体12は、その周囲に樹脂製のフレーム20を有し、一体化されている。
各セパレータ30は、表裏反転形状を有する金属製の板部材であって、例えば、ステンレス製であり、プレス加工により適宜の形状に成形することができる。また、各セパレータ30は、少なくとも膜電極接合体12に対応する部分が断面凹凸形状に形成してある。さらに、各セパレータ30は、膜電極接合体12に凸部を接触させるとともに、凹部と膜電極接合体12との間にガス流路部Fを形成する。
燃料電池単セルCは、図3に示すように、短辺両側に、各々三個ずつのマニホールド部H1〜H3,H4〜H6が配列してある。これらのマニホールド部H1〜H6は、膜電極接合体12のフレーム20や各セパレータ30の同じ位置にそれぞれフレームマニホールド部FH1〜FH6、セパレータマニホールド部SH1〜SH6のように形成してあり、燃料電池単セルCを構成した際に互いに連通する。
図3の左側に示す各マニホールド部H1〜H3は、上側から、カソードガス排出用(H1)、冷却液供給用(H2)及びアノードガス供給用(H3)であり、積層方向に互いに連通してそれぞれの流路を形成する。また、図3の右側に示す各マニホールド部H4〜H6は、上側から、アノードガス排出用(H4)、冷却液排出用(H5)及びカソードガス供給用(H6)であり、積層方向に互いに連通してそれぞれの流路を形成する。なお、各マニホールド部H1〜H6の供給及び排出の位置関係は、一部又は全部が逆であってもよい。
上記の燃料電池単セルCは、所定枚数を積層して燃料電池モジュールMを形成する。このとき、隣接する燃料電池単セルC同士の間には、冷却液(例えば水)の流路を形成し、隣接する燃料電池モジュールM同士の間にも冷却液の流路を形成する。したがって、シールプレートPは、燃料電池モジュールM同士の間、すなわち冷却液の流路内に配置されている。シールプレートPは、上記した燃料電池単セルCとは別体にして形成してあり、燃料電池単セルCと同様のマニホールド部H1〜H6が形成してある。
図4は、燃料電池モジュールを構成する第1の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する平面図である。つまり、図4は、図3に示した燃料電池単セルのZ線で囲んだ部分の平面図である。但し、上側のセパレータは記載を省略している。また、下側のセパレータは破線にて示している。また、図5は、第1の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する断面図である。つまり、図5は、図4に示した燃料電池単セルのV−V線に沿った断面図である。但し、燃料電池単セルが2枚積層された状態を示している。さらに、図6は、第1の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する他の断面図である。つまり、図6は、図4に示した燃料電池単セルのVI−VI線に沿った断面図である。また、図7は、図4に示した第1の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明するさらに他の断面図である。つまり、図7は、図4に示した燃料電池単セルのVII−VII線に沿った断面図である。なお、上記説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図4〜図7に示すように、一対のセパレータ30,30は、フレーム付き膜電極接合体10の側に突出し、かつ、マニホールド部H3近傍でフレーム20を支持する突出部31を備える。また、フレーム20は、突出部31よりもマニホールド部H3側に延出する延出部21を備える。さらに、燃料電池単セルCは、マニホールド部H3からガス流路部にガスを供給するガス流通部Gを備える。そして、ガス流通部Gは、延出部21に設けられた凸形状部22から形成されている。
本実施形態においては、凸形状部22は、一対のセパレータ30,30の一方の側に突出したものである。なお、図示した凸形状部22は、平面形状が略円形である。このような凸形状部22は、例えば、エンボス加工により形成することができる。この場合、凸形状部22は、一対のセパレータ30,30の他方の側に窪んだ形状を有する。また、凸形状部22は、一対のセパレータ30,30の一方のセパレータと接触している。さらに、凸形状部22は、突出部31に対して、ガス流れ方向に沿った直線上に設けられている。
また、フレームマニホールド部FH3(H3)の開口端面20aは、セパレータマニホールド部SH3(H3)の開口端面30aよりセパレータマニホールド部SH3(H3)側に突出させて設けられている。
なお、図中の矢印Yは、ガス流れ方向を示し、セパレータ30とフレーム20との間は、シール部材40により一部でシールされている。また、マニホールド部H3から供給されるアノードガスは、図7に示すように凸形状部22の間に形成されたガス流通部Gを流通し、さらに、図6に示すように、フレーム20と下側のセパレータ30との間に形成されたガス流路を流通する。
本実施形態においては、ガス流通部が延出部に設けられた凸形状部から形成されている構成とした。そのため、フレームが変形した場合であっても、ガス流路を確保することができる。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。
そして、本実施形態においては、凸形状部が突出部に対してガス流れ方向に沿った直線上に設けられている構成とした。そのため、凸形状部と突出部とが直線上に設けられていない場合と比較して、圧損が少ないガス流路を確保することができる。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。また、生成水の排出が容易になるという利点もある。
また、本実施形態においては、凸形状部が一対のセパレータの一方のセパレータと接触している構成とした。そのため、凸形状部が一対のセパレータのいずれとも接触していない場合と比較してフレームの変形を抑制することができる。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。
さらに、本実施形態においては、フレームマニホールド開口端面がセパレータマニホールド開口端面よりセパレータマニホールド部側に突出させて設けられた構成とした。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、セパレータ間短絡を抑制することができる。
また、本実施形態においては、凸形状部の平面形状が略円形である。そのため、燃料電池単セルの組立の際に位置合わせが多少ずれた場合であっても、ガス流路を確保し易いという利点がある。また、開口端面に近い位置に折れ曲がり部を有するため、フレームが変形し難く、ガス流路を確保し易いという利点もある。
(第2の実施形態)
図8は、燃料電池モジュールを構成する第2の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する平面図である。つまり、図8は、燃料電池単セルの図3に示したZ線で囲んだ部分と同じ部分の平面図である。但し、上側のセパレータは記載を省略している。また、下側のセパレータは破線にて示している。また、図9は、第2の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する断面図である。つまり、図9は、図8に示した燃料電池単セルのIX−IX線に沿った断面図である。但し、燃料電池単セルが2枚積層された状態を示している。さらに、図10は、第2の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する他の断面図である。つまり、図10は、図8に示した燃料電池単セルのX−X線に沿った断面図である。また、図11は、図8に示した第2の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明するさらに他の断面図である。つまり、図11は、図8に示した燃料電池単セルのXI−XI線に沿った断面図である。なお、上記の実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図8〜図11に示すように、本実施形態においては、凸形状部22がガスの流れ方向Yに沿って直線状の形状を有していることが、第1の実施形態と相違している。つまり、図示した凸形状部22は、平面形状がガス流れ方向に長辺を有し、その端部が開口端面に達した略矩形である。このような凸形状部22も、例えば、エンボス加工により形成することができる。この場合も、凸形状部22は、一対のセパレータ30,30の他方の側に窪んだ形状を有する。
本実施形態においては、ガス流通部が延出部に設けられた凸形状部から形成されている構成とした。そのため、フレームが変形した場合であっても、ガス流路を確保することができる。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。
そして、本実施形態においては、凸形状部が突出部に対してガス流れ方向に沿った直線上に設けられている構成とした。そのため、凸形状部と突出部とが直線上に設けられていない場合と比較して、圧損が少ないガス流路を確保することができる。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。また、生成水の排出が容易になるという利点もある。
また、本実施形態においては、凸形状部が一対のセパレータの一方のセパレータと接触している構成とした。そのため、凸形状部が一対のセパレータのいずれとも接触していない場合と比較してフレームの変形を抑制することができる。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。
さらに、本実施形態においては、フレームマニホールド開口端面がセパレータマニホールド開口端面よりセパレータマニホールド部側に突出させて設けられた構成とした。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、セパレータ間短絡を抑制することができる。
また、本実施形態においては、凸形状部がガスの流れ方向に沿って直線状の形状を有している。具体的には、凸形状部の平面形状がガス流れ方向に長辺を有し、その端部が開口端面に達した略矩形である。そのため、フレームが変形し難く、ガス流路を確保し易いという利点がある。さらに、ガス流れを整流にし易いという利点もある。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。
(第3の実施形態)
図12は、燃料電池モジュールを構成する第3の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する平面図である。つまり、図12は、燃料電池単セルの図3に示したZ線で囲んだ部分と同じ部分の平面図である。但し、上側のセパレータは記載を省略している。また、下側のセパレータは破線にて示している。また、図13は、第3の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する断面図である。つまり、図13は、図12に示した燃料電池単セルのXIII−XIII線に沿った断面図である。但し、燃料電池単セルが2枚積層された状態を示している。さらに、図14は、第3の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する他の断面図である。つまり、図14は、図12に示した燃料電池単セルのXVI−XVI線に沿った断面図である。なお、図12に示した燃料電池のV−V線に沿った断面図は、図5と同一である。なお、上記の実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図12〜図14に示すように、本実施形態においては、凸形状部22が一対のセパレータ30,30の双方と接触していることが、第1の実施形態と相違している。
本実施形態においては、ガス流通部が延出部に設けられた凸形状部から形成されている構成とした。そのため、フレームが変形した場合であっても、ガス流路を確保することができる。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。
そして、本実施形態においては、凸形状部が突出部に対してガス流れ方向に沿った直線上に設けられている構成とした。そのため、凸形状部と突出部とが直線上に設けられていない場合と比較して、圧損が少ないガス流路を確保することができる。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。また、生成水の排出が容易になるという利点もある。
また、本実施形態においては、凸形状部が一対のセパレータの双方のセパレータと接触している構成とした。そのため、凸形状部が一対のセパレータの一方と接触している場合と比較してフレームの変形を抑制することができる。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。
さらに、本実施形態においては、フレームマニホールド開口端面がセパレータマニホールド開口端面よりセパレータマニホールド部側に突出させて設けられた構成とした。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、セパレータ間短絡を抑制することができる。
また、本実施形態においては、凸形状部の平面形状が略円形である。そのため、燃料電池単セルの組立の際に位置合わせが多少ずれた場合であっても、ガス流路を確保し易いという利点がある。また、開口端面に近い位置に折れ曲がり部を有するため、フレームが変形し難く、ガス流路を確保し易いという利点もある。
(第4の実施形態)
図15は、燃料電池モジュールを構成する第4の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する平面図である。つまり、図15は、燃料電池単セルの図3に示したZ線で囲んだ部分と同じ部分の平面図である。但し、上側のセパレータは記載を省略している。また、下側のセパレータは破線にて示している。また、図16は、第4の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する断面図である。つまり、図16は、図15に示した燃料電池単セルのXVI−XVI線に沿った断面図である。但し、燃料電池単セルが2枚積層された状態を示している。さらに、図17は、第4の実施形態に係る燃料電池単セルの要部を説明する他の断面図である。つまり、図17は、図15に示した燃料電池単セルのXVII−XVII線に沿った断面図である。なお、図17に示した燃料電池のIX−IX線に沿った断面図は、図9と同一である。なお、上記の実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図15〜図17に示すように、本実施形態においては、凸形状部22が一対のセパレータ30,30の双方と接触していることが、第2の実施形態と相違している。
本実施形態においては、ガス流通部が延出部に設けられた凸形状部から形成されている構成とした。そのため、フレームが変形した場合であっても、ガス流路を確保することができる。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。
そして、本実施形態においては、凸形状部が突出部に対してガス流れ方向に沿った直線上に設けられている構成とした。そのため、凸形状部と突出部とが直線上に設けられていない場合と比較して、圧損が少ないガス流路を確保することができる。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。また、生成水の排出が容易になるという利点もある。
また、本実施形態においては、凸形状部が一対のセパレータの双方のセパレータと接触している構成とした。そのため、凸形状部が一対のセパレータの一方と接触している場合と比較してフレームの変形を抑制することができる。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。
さらに、本実施形態においては、フレームマニホールド開口端面がセパレータマニホールド開口端面よりセパレータマニホールド部側に突出させて設けられた構成とした。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、セパレータ間短絡を抑制することができる。
また、本実施形態においては、凸形状部がガスの流れ方向に沿って直線状の形状を有している。具体的には、凸形状部の平面形状がガス流れ方向に長辺を有し、その端部が開口端面に達した略矩形である。そのため、フレームが変形し難く、ガス流路を確保し易いという利点がある。さらに、ガス流れを整流にし易いという利点もある。その結果、フレームの変形の有無にかかわらず、単セルのセパレータ間隔が小さい場合であっても、圧損増加を抑制することができる。
以上、本発明を若干の実施形態によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上述した実施形態においては、フレームの所定の位置に凸形状部で形成されるガス流通部を設ける位置として、アノードガスが供給される部位を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、アノードガスが供給される部位に替えて又は追加してカソードガスが供給される部位に適用することも可能である。また、これらに追加して、アノードガスが排出される部位やカソードガスが排出される部位に適用することも可能である。
FS 燃料電池スタック
C 燃料電池単セル
M 燃料電池モジュール
P シールプレート
F ガス流路部
G ガス流通部
H1〜H6 マニホールド部
FH1〜FH6 フレームマニホールド部
SH1〜SH6 セパレータマニホールド部
10 フレーム付き膜電極接合体
12 膜電極接合体
20 フレーム
20a 開口端面
21 延出部
22 凸形状部
30 セパレータ
30a 開口端面
31 突出部
40 シール部材
56A,56B エンドプレート
57A,57B 締結板
58A,58B 補強板

Claims (4)

  1. 膜電極接合体と前記膜電極接合体を外周から支持するフレームとからなるフレーム付き膜電極接合体と、
    前記フレーム付き膜電極接合体の両面に配置された一対のセパレータと、
    前記セパレータと前記膜電極接合体との間に形成された、ガスが供給されるガス流路部と、
    前記フレームと前記セパレータの積層方向に貫通する穴が形成されたマニホールド部と、
    前記一対のセパレータの少なくとも一方のセパレータが前記フレーム付き膜電極接合体側に突出し、前記マニホールド部近傍で前記フレームを支持する突出部と、
    前記突出部よりも前記マニホールド部側に延出する前記フレームの延出部と、
    前記延出部に形成された、前記マニホールド部から前記ガス流路部に前記ガスを供給するガス流通部と、を備え、
    前記ガス流通部が、前記延出部に設けられた凸形状部から形成されている
    ことを特徴とする燃料電池の単セル構造。
  2. 前記凸形状部が、前記ガスの流れ方向に沿って直線状の形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の単セル構造。
  3. 前記凸形状部が、前記突出部に対して、前記ガスの流れ方向に沿った直線上に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池の単セル構造。
  4. 前記凸形状部が、前記一対のセパレータの少なくとも一方のセパレータと接触していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の燃料電池の単セル構造。
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