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JP6649779B2 - 中空糸型半透膜とその製造方法 - Google Patents

中空糸型半透膜とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、海水淡水化の前処理用の膜や浄水場における水処理用の膜として使用できる中空糸型半透膜と、その製造方法に関する。
水処理手段の一つとしてUF膜(限外濾過膜)などの半透膜が使用されることがある。
特許文献1には、疎水性の芳香族スルホンポリマーと親水性ポリマーからなる限外濾過のための親水性の一体型非対称半透性中空繊維膜の発明が記載されている(請求項1)。
この中空繊維膜は、膜の内側表面に接して開放気孔性の分離層を有し、前記分離層に接して外側表面の方向に非対称のスポンジ状の細孔構造を有し、フィンガーポアがない支持層を有し、さらに前記支持層に接して外側方向に外部層を有している(請求項1)。
疎水性の芳香族スルホンポリマーは、ポリスルホンまたはポリエーテルスルホンが好ましいことが記載されており(段落番号0035)、親水性ポリマーはポリビニルピロリドンなどが例示されており、実施例では、ポリエーテルスルホンとポリビニルピロリドンの併用例のみが記載されている。
また、図1、図2の膜断面の走査型電子顕微鏡写真からは、内側の開放気孔性の分離層と外側のスポンジ層は、内側の開放気孔性の分離層の密度が小さく、外側のスポンジ層の密度が大きいことが確認できる。
その他、特許文献2、3には、製膜成分としてスルホン化ポリエーテルスルホンとポリスルホンを併用した、高い脱塩能力を有する中空糸型NF膜の発明が記載されている。
特許第5065379号 特開2013−215640号公報 特開2014−568号公報
本発明は、海水淡水化の前処理用の膜や浄水場における水処理用の膜として使用できる中空糸型半透膜とその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、製膜成分として、(A)スルホン化度が0.10〜0.20のスルホン化ポリエーテルスルホン20〜40質量%と(B)ポリエーテルスルホン80〜60質量%が溶媒に溶解された製膜溶液組成物から得られる中空糸型半透膜であって、
内表面側の内側緻密層と、外表面側の外側緻密層と、前記内側緻密層と前記外側緻密層の間にそれらの緻密層よりも密度の小さい内部層を有しているものであり、
純水透過係数(PWP)が1200L/m2・h(0.1MPa)以上で、破断点強度が250g/本以上、破断点伸度が50%以上である、中空糸型半透膜を提供する。
さらに本発明は、上記の中空糸型半透膜の製造方法であって、
前記製膜溶液組成物を脱泡後、紡糸して中空糸を得る工程と、
紡糸した中空糸を乾燥する工程を有しているものであり、
前記製膜溶液組成物を脱泡後、紡糸する工程において、内部凝固液として、水、ジエチレングリコールおよびジエチレングリコールモノメチルエーテルの混合溶液を使用する、中空糸型半透膜の製造方法を提供する。
本発明の中空糸型半透膜は、引っ張り強度が大きく糸切れし難く、高い純水透過係数を有していることから、海水淡水化の前処理用の膜、浄水場における浄水用の膜として使用することができる。
実施例と比較例における河川水フラックスおよび海水フラックスを測定するための装置のフロー図。 実施例1の中空糸型半透膜の孔径分布図。 実施例3の中空糸型半透膜の幅方向断面の膜構造を示すSEM写真。 実施例3の中空糸型半透膜の孔径分布図。 実施例8の中空糸型半透膜の孔径分布図。 実施例8の膜構造の全体を示すSEM写真。 実施例8の膜構造の異なる厚さ位置のSEM写真。
(1)中空糸型半透膜
<製膜溶液組成物>
本発明の中空糸型半透膜は、製膜成分として、(A)スルホン化度が0.10〜0.20のスルホン化ポリエーテルスルホン20〜40質量%と(B)ポリエーテルスルホン80〜60質量%が溶媒に溶解された製膜溶液組成物から得られるものである。
前記製膜溶液組成物は、次の各成分からなるものが好ましい。
(A)スルホン化度が0.10〜0.20のスルホン化ポリエーテルスルホン3〜15質量%
(B)ポリエーテルスルホン10〜30質量%
(C)ポリエチレングリコール5〜30質量%、
(D)残部割合の溶媒を含み、
(A)成分と(B)成分の合計量中の含有割合が、(A)成分15〜45質量%、(B)成分85〜55質量%のもの。
(A)成分のスルホン化ポリエーテルスルホンは、スルホン化度が0.10〜0.20であり、好ましくはスルホン化度が0.14〜0.18である。
スルホン化度が前記範囲内であると、特に純水透過係数を高めることができる。
スルホン化ポリエーテルスルホンは、スルホ基が酸型(−SO3H)のものであり、スルホ基が塩型(−SO3Naなど)のものは含まれない。
スルホン化ポリエーテルスルホンは,例えば特開平02―208322号公報、米国特許4508852明細書に記載の製造方法、特開2013−215640号公報の実施例1〜4に記載の製造方法、特開2014−568号公報の実施例1〜4に記載の製造方法により製造することができる。
(A)成分のスルホン化ポリエーテルスルホンは、重量平均分子量が10万以上であるものが好ましい。
(B)成分のポリエーテルスルホンは、重量平均分子量が1万〜10万のものが好ましい。
(C)成分のポリエチレングリコールは、(A)成分および(B)成分の貧溶媒となるものである。(C)成分のポリエチレングリコールは、分子量100〜400のものが好ましい。
(D)成分の溶媒は、(A)成分および(B)成分を溶解できるものであり(良溶媒)、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N、N・ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
なお、上記の製膜溶液組成物組成物は、上記成分以外にも、少量の塩化リチウム、硝酸リチウムなどを含有することもできる。
組成物中の各成分の含有割合は、次のとおりである。
(A)成分は、3〜15質量%、好ましくは3〜12質量%、より好ましくは5〜10質量%であり、
(B)成分は、10〜30質量%、好ましくは10〜25質量%、より好ましくは13〜23質量%であり、
(C)成分は、5〜30質量%、好ましくは8〜25質量%、より好ましくは8〜23質量%であり、
(D)成分は、(A)〜(D)成分で合計100質量%となる残部割合である。
(A)成分と(B)成分の合計量中の含有割合は、
(A)成分は15〜45質量%、好ましくは20〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%であり、
(B)成分は、85〜55質量%、好ましくは80〜60質量%、より好ましくは80〜65質量%である。
製膜溶液組成物の製造方法は、(C)成分と(D)成分からなる混合溶媒に対して、(A)成分と(B)成分を一緒に添加溶解させる方法、(C)成分と(D)成分からなる混合溶媒に対して、先に(A)成分を添加溶解させた後、(B)成分を添加溶解させる方法などを適用することができる。
<中空糸型半透膜の膜構造>
本発明の中空糸型半透膜は、内表面側の内側緻密層(内側スキン層)と、外表面側の外側緻密層(外側スキン層)と、前記内側緻密層と前記外側緻密層の間にそれらの緻密層よりも密度の小さい内部層を有しているものである。
内部層は、内側緻密層から膜の中間厚さまでの内側内部層と、外側緻密層から膜の中間厚さまでの外側内部層を有しているものでもよい。
内部層は、平均孔径が0.2〜1.0μmの孔が分散された網目構造を有している層であるものが好ましい。
内側内部層は、外側内部層の密度よりも大きな密度の層であるものでもよく、そのような場合には、平均孔径が0.5〜1.5μmの孔が分散された層であるものが好ましい。なお、膜に存在している孔の平均孔径が小さいと密度が大きく、平均孔径が大きいと密度が小さくなる。
内側緻密層の密度(D1)と前記外側緻密層の密度(D2)は、D2>D1の関係を有しているものが好ましく、D2/D1は1.1〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。
また製造条件を変えることで、D2<D1の関係にすることもできる。
本発明の中空糸型半透膜は、内径600〜1000μm、外径1100〜1500μmのものが好ましく、内径650〜900μm、外径1200〜1450μmのものがより好ましい。
本発明の中空糸型半透膜は、純水透過係数(PWP)が1200L/m2・h(0.1MPa)以上のものであり、好ましくは1300〜2500L/m2・h(0.1MPa)のものである。
本発明の中空糸型半透膜は、破断点強度が250g/本以上のものであり、好ましくは300〜550g/本のものであり、より好ましくは350〜550g/本のものである。
本発明の中空糸型半透膜は、破断点伸度が50%以上のものであり、好ましくは破断点伸度が55%以上のものであり、さらに好ましくは破断点伸度が60%以上のものである。
本発明の中空糸型半透膜は、破断点強度と破断点伸度が高いことから、外力を受けたときに切断し難く、エアーバブリング洗浄ができるようになるため好ましい。
本発明の中空糸型半透膜は、外圧型のUF膜として適している。
本発明の中空糸型半透膜は、海水淡水化における前処理手段、浄水場における浄水用の膜として使用することができるものであり、浄水用の膜として使用することで細菌、原虫などを除去することができる。
(2)中空糸型半透膜の製造方法
本発明の中空糸型半透膜は、上記した中空糸型半透膜用の製膜溶液組成物を使用して製造する。以下、工程順に説明する。
最初に上記した中空糸型半透膜用の製膜溶液組成物を調製する。
次に、前記製膜溶液組成物を脱泡した後、紡糸して中空糸膜を得る。
紡糸は二重紡糸ノズルの外周部から製膜溶液を吐出させると同時に、中央孔からは製膜成分の非溶媒(内部凝固液)を吐出させる。
内部凝固液は、水、ジエチレングリコール(DEG)およびジエチレングリコールモノメチルエーテル(DMM)の混合溶液を使用する。
内部凝固液の温度は40〜80℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。
内部凝固液の各成分の含有割合は、次のとおりである。
水は、好ましくは3〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%、さらに好ましくは5〜12質量%であり、
ジエチレングリコールは、好ましくは17〜45質量%、より好ましくは25〜40質量%、さらに好ましくは27〜35質量%であり、
ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、好ましくは40〜80質量%、より50〜70質量%、さらに好ましくは55〜65質量%である。
その後、紡糸した中空糸を二重紡糸ノズルから乾燥空間を通して凝固槽まで導いて凝固させ、中空糸膜を得る。
乾燥空間の温度は、40〜90℃が好ましい。
乾燥空間の距離は、10〜150mmが好ましい。
凝固槽中の凝固液は水を用いることができ、凝固槽の温度(凝固浴の温度)は40〜90℃が好ましく、40〜60℃がより好ましい。
本発明の製造方法により得られた中空糸型半透膜は、上記した製膜溶液組成物に含まれている(A)成分のスルホン化度が0.10〜0.20のスルホン化ポリエーテルスルホンを100(100質量%)としたとき、中空糸型半透膜中に含まれている前記(A)成分の量は10〜40(質量%)の範囲である。
前記(A)成分は製造過程において溶出して減少して行くことが避けられない。
(1)スルホン化度(置換度)
精製、乾燥後のスルホン化ポリエーテルスルホンを重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、600MHz H-NMR(BRUKER AVANCE 600)より測定した。1H- NMRスペクトルで得られた芳香環水素のピーク積分値及び下記式より、スルホン化度(置換度)を算出した。
スルホン化度(置換度)
=[8.2〜8.5ppmの積分値(下記化学式中の(1))]/{([6.8〜8.2ppmの積分値(下記化学式中の(2)〜(5))]-[8.2〜8.5ppmの積分値]×2)/4+[8.2〜8.5ppmの積分値]}
(2)膜構造(平均孔径の測定方法)
中空糸型半透膜の幅方向断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を得た後、内表面からの各々の距離における近傍の孔50個の平均径を、解析ソフトを用いて求めた。
(2)純水透過係数(PWP)
実施例及び比較例で得た中空糸型半透膜の一端側を閉じた状態で、他端側から純水を0.1MPaで供給し、中空糸膜から一定時間に透過する純水の容量を測定した。この容量を採取時間(h)、中空糸膜内表面の膜面積(m2)で除して、純水透過係数〔L/m2・h(0.1MPa)〕を求めた。
(4)河川水フラックス(m3/(m2・day)および海水フラックス(m3/(m2・day)
原水として兵庫県揖保川下流域の河川水を用い、膜面積0.13m2の膜モジュールを用いて、図1に示す装置フローの膜濾過装置により1ヶ月間の濾過運転を行った。
まず、原水を原水供給ポンプ11で濾過膜モジュール12に送液し、中空糸の外側を流す外圧クロスフロー濾過を行った。透過水は貯水タンク15に貯水した。濃縮水は、濃縮水返送ライン14で原水の供給ラインに返送した。
濾過運転は定圧濾過であり、モジュール入口圧力は約0.05MPa、クロスフロー線速は0.1m/s、濾過過程の時間は60分であった。
次に、ポンプ16を駆動させて、貯水タンク15内の透過水を逆圧洗浄ライン18から濾過膜モジュール12に供給する逆圧洗浄を1分間、約0.1MPaの圧力で行った。この際、逆洗水は、透過水に次亜塩素酸ナトリウムを有効塩素濃度が3〜5mg/lになるように注入したものを用いた。
濾過過程における単位時間当たりの透過水量および膜間差圧を測定し,透過流束(単位時間、単位膜面積,圧力0.1MPa当たりの透過水量:m3/(m2・h・0.1MPa))を算出した。膜間差圧とは、膜モジュール入口圧力と出口圧力の平均値から透過圧力を引いたものであり、これを水温25℃に換算した値である。
1ヶ月間運転後の1日当たりの平均透過流束を河川水フラックス(m3/(m2・day))とした。
海水フラックスは、原水として広島県大竹市の瀬戸内海水を使用して、図1に示す装置フローの膜濾過装置を使用して4ヶ月間の濾過運転を行い,河川水フラックスと同様に透過流束から算出した。
(5)濾過時の糸切れ(中空糸型半透膜の断線)の有無
河川水フラックスを測定するための濾過運転を1ヶ月行ったときのモジュールの外観検査および解体検査で糸切れの有無を目視により確認した。
(5)破断点強度(g/本)および破断点伸度(%)
得られた中空糸型半透膜の破断点強度及び伸度は、島津製作所製小型卓上試験機EZTestを用いて測定した。
有効長5cmの中空糸型半透膜に対し,クロスヘッドを10mm/minで移動させた場合の破断点強度及び伸度を測定した。
(A)成分のスルホン化ポリエーテルスルホン(SPES):実施例および比較例の酸型のSPESは、特開2013−215640号公報の実施例1に準じて製造した。
(B)成分のポリエーテルスルホン(PES):住友化学(株)製の住化エクセル5200P(MW30,000)を使用した。
実施例1〜8および比較例1〜3
<製膜溶液組成物>
表1に示すジメチルスルホキシド(DMSO)、ポリエチレングリコール(PEG;MW 200)からなる溶媒に対して、スルホン化ポリエーテルスルホン(SPES)を加え、90℃で約1時間加熱して溶解させた。
次に、前記溶液にポリエーテルスルホン(PES)を加え、90℃で約5時間加熱して溶解して、製膜溶液組成物を得た。
<中空糸型半透膜の製造>
上記の製膜溶液組成物を80℃で15時間かけて脱泡した。
脱泡した製膜溶液組成物を用い、二重紡糸ノズルにより実施例1〜6は60℃、実施例7は60℃、実施例8は80℃、比較例1〜3は60℃で紡糸した。表1に示す内部凝固液を使用した。
二重紡糸ノズルから吐出させた後、距離100mmの乾燥空間(70℃)を通して乾燥させ、実施例1〜8と比較例1〜3は表1に示す温度の水(外部凝固液)が入った凝固槽を通過させた。
その後、さらに50℃の水が入った水洗槽を通過させて中空糸型半透膜を巻き取った。
得られた中空糸型半透膜について、上記した各測定を実施した。結果を表1に示す。
実施例1の中空糸膜(最大部の厚さ350μm)において、内表面からの距離と平均孔径を測定すると、次のようになっていた。
(内側内部層)
内表面からの距離5μm:平均孔径:0.095μm
内表面からの距離65μm:平均孔径:0.829μm
(外側内部層)
内表面からの距離120μm:平均孔径:0.4782μm
内表面からの距離222μm:平均孔径:0.2794μm
実施例1の中空糸型半透膜の孔径分布を図2に示す。
図2から、内側緻密層の密度(D1)が外側緻密層の密度(D2)よりも大きいこと(D1>D2)が確認された。
実施例3の膜構造(SEM写真)を図3に示し、孔径分布曲線を図4に示す。
図3から確認できるとおり、内表面側の内側緻密層と外表面側の外側緻密層の間には内部層があり、内側緻密層側の内部層(内側内部層に相当する)の孔径と外側緻密層側の内部層(外側内部層に相当する)の孔径を比べると、内側緻密層側の内部層の孔径が大きかった(密度が小さかった)。
図4から確認できるとおり、内側内部層の孔径が大きく、外側内部層の孔径が小さくなっていた(密度が大きくなっていた)。
実施例8の中空糸膜(最大部の厚さ350μm)において、内表面からの距離と平均孔径を測定すると、次のようになっていた。
(内側内部層)
内表面からの距離10μm:平均孔径:0.404μm
内表面からの距離70μm:平均孔径:0.565μm
(外側内部層)
内表面からの距離140μm:平均孔径:0.211μm
内表面からの距離210μm:平均孔径:0.134μm
実施例8の中空糸型半透膜の孔径分布を図5に示す。
実施例8の膜構造(SEM写真)を図6、図7に示す。
実施例8の膜の外側内部層は、内表面からはなれるほど(外表面に近づくほど)密度が大きく(平均孔径が小さく)なっており、外側緻密層の密度(D2)は内側緻密層の密度(D1)よりも大きくなっていた(D2>D1)。
本発明の中空糸型半透膜は、強伸度が高いため、糸切れが生じ難くなる。
本発明の中空糸型半透膜は、純水透過係数、破断点強伸度の全てが高く、海水及び河川水フラックスも高い事から低ファウリング性を備え、海水淡水化における前処理手段用の膜、浄水場における浄水用の膜として適している。
本発明の中空糸型半透膜は、海水淡水化における前処理用の膜、飲料水を製造する浄水場における水処理膜として使用することができる。
10 逆流防止弁
13、17、19 開閉バルブ(電磁弁)

Claims (6)

  1. 製膜成分として、(A)スルホン化度が0.10〜0.20のスルホン化ポリエーテルスルホン20〜40質量%と(B)ポリエーテルスルホン80〜60質量%を含み、さらに溶媒を含む製膜溶液組成物が製造原料である中空糸型半透膜であって、
    内表面側の内側緻密層と、外表面側の外側緻密層と、前記内側緻密層と前記外側緻密層の間にそれらの緻密層よりも密度の小さい内部層を有しているものであり、
    純水透過係数(PWP)が1200L/m2・h(0.1MPa)以上で、破断点強度が250g/本以上、破断点伸度が50%以上である、中空糸型半透膜。
  2. 前記製膜溶液組成物の(A)成分と(B)成分の合計量中の含有割合が、(A)成分20〜35質量%、(B)成分80〜65質量%のものである、請求項1記載の中空糸型半透膜。
  3. 前記内部層が、前記内側緻密層から膜の中間厚さまでの内側内部層と、前記外側緻密層から膜の中間厚さまでの外側内部層を有しているものであり、
    前記内部層の全体が、平均孔径が0.1〜1.0μmの孔が分散された網目構造を有しているものである、
    前記内側内部層が、平均孔径が0.2〜1.5μmの孔が分散されたものであり、
    前記内側緻密層の密度(D1)と前記外側緻密層の密度(D2)が、D2>D1の関係を有している、請求項1記載の中空糸型半透膜。
  4. 外圧型の中空糸型UF膜である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の中空糸型半透膜。
  5. 請求項1または3記載の中空糸型半透膜の製造方法であって、
    前記製膜成分と溶媒を含む製膜溶液組成物を脱泡後、紡糸して中空糸を得る工程と、
    紡糸した中空糸を乾燥させた後、40〜90℃の凝固水槽内に通して凝固させる工程を有しているものであり、
    前記製膜溶液組成物が、
    (A)スルホン化度が0.10〜0.20のスルホン化ポリエーテルスルホン 3〜15質量%、
    (B)ポリエーテルスルホン 10〜30量%、
    (C)ポリエチレングリコール 8〜25質量%、
    (D)N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N、N・ジメチルホルムアミドから選ばれる溶媒 (A)〜(D)合計で100質量%となる割合のものであり、
    前記製膜溶液組成物を脱泡後、紡糸する工程において、内部凝固液として、水3〜15質量%、ジエチレングリコール17〜45質量%およびジエチレングリコールモノメチルエーテル40〜80質量%の混合溶液を使用する、
    前記製膜溶液組成物中の(A)成分の含有量を100質量%としたとき、前記中空糸型半透膜中の(A)成分の含有量が10〜40質量%である、中空糸型半透膜の製造方法。
  6. 内部凝固液として、水5〜15質量%、ジエチレングリコール31〜45質量%およびジエチレングリコールモノメチルエーテル50〜65質量%の混合溶液を使用する、請求項5記載の中空糸型半透膜の製造方法。
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