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JP6645281B2 - セラミックス/アルミニウム接合体の製造方法、及び、パワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents

セラミックス/アルミニウム接合体の製造方法、及び、パワーモジュール用基板の製造方法 Download PDF

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JP6645281B2 JP2016049862A JP2016049862A JP6645281B2 JP 6645281 B2 JP6645281 B2 JP 6645281B2 JP 2016049862 A JP2016049862 A JP 2016049862A JP 2016049862 A JP2016049862 A JP 2016049862A JP 6645281 B2 JP6645281 B2 JP 6645281B2
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Description

この発明は、セラミックス部材とアルミニウム部材とが接合されてなるセラミックス/アルミニウム接合体の製造方法、セラミックス基板とこのセラミックス基板に接合されたアルミニウム板とを備えたパワーモジュール用基板の製造方法に関するものである。
LEDやパワーモジュール等の半導体装置においては、導電材料からなる回路層の上に半導体素子が接合された構造とされている。
風力発電、電気自動車、ハイブリッド自動車等を制御するために用いられる大電力制御用のパワー半導体素子においては、発熱量が多いことから、これを搭載する基板としては、例えばAlN(窒化アルミ)、Al(アルミナ)などからなるセラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に導電性の優れた金属板を接合して形成した回路層と、を備えたパワーモジュール用基板が、従来から広く用いられている。なお、パワージュール用基板としては、セラミックス基板の他方の面に金属板を接合して金属層が形成したものも提供されている。
例えば、特許文献1には、AlN(窒化アルミ)からなるセラミックス基板の一方の面に回路層となるアルミニウム板がAl−Si系のろう材を介して接合され、セラミックス基板の他方の面に金属層となるアルミニウム板がAl−Si系のろう材を介して接合されたパワーモジュール用基板が提案されている。
このようなパワーモジュール用基板においては、回路層の上に、はんだ層を介してパワー素子としての半導体素子が搭載され、パワーモジュールとして使用される。また、金属層側には、アルミニウムや銅からなるヒートシンクが接合されることもある。
また、特許文献2には、純度が99.5%以上のアルミニウム部材をセラミックス基板の少なくとも一方の面に接触させ、不活性ガス中において620℃〜650℃の温度に加熱することにより、アルミニウム部材をセラミックス基板に直接接合する技術が提案されている。なお、この特許文献2においては、アルミニウム部材をセラミックス基板側に押圧しないか、あるいは、1000Pa以下で押圧することが記載されている。
国際公開第03/090277号 特許第3935037号公報
ところで、特許文献1に記載されたように、ろう材を用いてセラミックス基板とアルミニウム板とを接合した場合には、セラミックス基板とアルミニウム板との接合界面に液相が多量に発生し、ろうこぶやろう染み等の表面異常が生じるおそれがあった。
また、セラミックス基板とアルミニウム板をろう付けした後に、さらにヒートシンク等をフラックスを用いて接合する際に、ろう材が再溶融してフラックス浸食の影響を受けやすくなるといった問題があった。
さらに、セラミックス基板とアルミニウム板との接合界面に、ろう材に起因する異方性の強い層が形成され、接合信頼性が低下してしまうおそれがあった。
また、特許文献2に記載されたように、アルミニウム板をセラミックス基板に直接接合した場合には、積層方向への荷重が低いため、冷熱サイクル負荷時に接合が不十分となるおそれがあった。このように、冷熱サイクル信頼性が低いため、パワーモジュール用基板等に適用することができなかった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、セラミックス部材とアルミニウム部材とをろう材を介さずに直接接合でき、かつ、冷熱サイクル信頼性に優れたセラミックス/アルミニウム接合体を得ることが可能なセラミックス/アルミニウム接合体の製造方法、及び、パワーモジュール用基板の製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決して前記目的を達成するために、本発明のセラミックス/アルミニウム接合体の製造方法は、セラミックス部材と、共晶系のアルミニウム合金からなるアルミニウム部材とが接合されてなるセラミックス/アルミニウム接合体の製造方法であって、前記セラミックス部材と前記アルミニウム部材とを積層する積層工程と、積層された前記セラミックス部材と前記アルミニウム部材を積層方向に0.29MPa以上1.47MPa以下の荷重を負荷するとともに、前記アルミニウム合金の共晶温度以上液相線温度未満の保持温度で保持し、前記セラミックス部材と前記アルミニウム部材との接合界面に固液共存領域を形成する加熱工程と、前記固液共存領域を凝固させて前記セラミックス部材と前記アルミニウム部材とを接合する凝固工程と、を備えており、前記アルミニウム合金は、共晶温度が450℃以上、かつ、液相線温度が640℃以上とされていることを特徴としている。
この構成のセラミックス/アルミニウム接合体の製造方法によれば、前記アルミニウム合金の共晶温度以上液相線温度未満の保持温度で保持し、固液共存領域を形成して前記セラミックス部材と前記アルミニウム部材とを接合しているので、液相が多量に生成することがなく、ろうこぶやろう染みのような表面異常が発生するおそれがない。
また、ろう材を用いていないので、セラミックス部材とアルミニウム部材との接合界面に、ろう材に起因した異方性の強い層が形成されず、接合信頼性に優れている。
さらに、接合時において、積層された前記セラミックス部材と前記アルミニウム部材を積層方向に0.29MPa以上1.47MPa以下の荷重を負荷しているので、前記セラミックス部材と前記アルミニウム部材とが確実に接合されており、冷熱サイクル信頼性に優れたセラミックス/アルミニウム接合体を得ることができる。
前記アルミニウム合金の共晶温度が450℃以上とされているので、セラミックスとアルミニウム部材との界面反応が十分に進行する温度で確実に液相を生じさせることにより、強固なセラミックス/アルミニウム接合体を得ることができる。また、前記アルミニウム合金の液相線温度が640℃以上とされているので、液相の過剰な発生によるアルミニウム部材の変形や表面変質を確実に抑制可能である。
ここで、本発明のセラミックス/アルミニウム接合体の製造方法においては、前記アルミニウム合金は、添加元素としてSi,Cu,Ag,Mgから選択される1種又は2種以上を含有していることが好ましい。
この場合、添加元素としてSi,Cu,Ag,Mgといった元素を含有することで、アルミニウム合金の共晶温度が低くなるため、低温条件で前記セラミックス部材と前記アルミニウム部材とを接合することが可能となる。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、セラミックス基板と、このセラミックス基板に接合されたアルミニウム板とを備えたパワーモジュール用基板の製造方法であって、前記アルミニウム板は、アルミニウム合金からなり、前記アルミニウム板と前記セラミックス基板とを上述のセラミックス/アルミニウム接合体の製造方法によって接合することを特徴としている。
パワーモジュール用基板においては、セラミックス基板の一方の面あるいは他方の面にアルミニウム板を接合することにより、回路層あるいは金属層が形成される。ここで、回路層あるいは金属層を構成するアルミニウム板が上述のセラミックス/アルミニウム接合体の製造方法によってセラミックス基板に接合されることにより、冷熱サイクル信頼性に優れたパワーモジュール用基板を得ることができる。また、回路層あるいは金属層の表面変質を抑制することができる。
本発明によれば、セラミックス部材とアルミニウム部材とをろう材を介さずに直接接合でき、かつ、冷熱サイクル信頼性に優れたセラミックス/アルミニウム接合体を得ることが可能なセラミックス/アルミニウム接合体の製造方法、及び、パワーモジュール用基板の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態であるパワーモジュール用基板の製造方法によって製造されたパワーモジュール用基板を用いたパワーモジュールの概略説明図である。 本発明の実施形態であるパワーモジュール用基板の製造方法を示すフロー図である。 本発明の実施形態であるパワーモジュール用基板の製造方法を示す説明図である。 本発明の実施形態であるパワーモジュール用基板とヒートシンクとの接合方法を示す説明図である。 本発明の実施形態であるパワーモジュール用基板の製造方法によって製造された他のパワーモジュール用基板を用いたパワーモジュールの概略説明図である。 AlとSiの2元状態図である。
以下に、本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。本実施形態であるセラミックス/アルミニウム接合体は、セラミックス部材としてセラミックス基板11、アルミニウム部材としてアルミニウム板22が接合されてなる回路層12及びアルミニウム板23が接合されてなる金属層13を備えたパワーモジュール用基板10とされている。
図1に、本発明の実施形態であるパワーモジュール用基板10を用いたパワーモジュール1を示す。
このパワーモジュール1は、回路層12及び金属層13が配設されたパワーモジュール用基板10と、回路層12の一方の面(図1において上面)にはんだ層2を介して接合された半導体素子3と、金属層13の他方の面(図1において下面)に接合されたヒートシンク40と、を備えている。
ここで、はんだ層2は、例えばSn−Ag系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材とされている。なお、本実施形態では、回路層12とはんだ層2との間、Niめっき層(図示なし)が設けられている。
パワーモジュール用基板10は、セラミックス基板11と、このセラミックス基板11の一方の面(図1において上面)に配設された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面(図1において下面)に配設された金属層13とを備えている。
セラミックス基板11は、回路層12と金属層13との間の電気的接続を防止するものであって、本実施形態では、絶縁性の高いAlN(窒化アルミ)で構成されている。また、セラミックス基板11の厚さは、0.2〜1.5mmの範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。
回路層12は、セラミックス基板11の一方の面に導電性を有する金属板が接合されることにより形成されている。
本実施形態においては、図3に示すように、回路層12は、共晶系のアルミニウム合金の圧延板からなるアルミニウム板22がセラミックス基板11に接合されることによって形成されている。この回路層12には、回路パターンが形成されており、その一方の面(図1において上面)が、半導体素子3が搭載される搭載面されている。ここで、回路層12(アルミニウム板22)の厚さは0.01mm以上1mm未満の範囲内に設定されており、本実施形態では0.4mmに設定されている。なお、回路層12の厚さは、0.05mm以上0.6mm未満であることが好ましいが、これに限定されることはない。
なお、回路層12としては、導電率が45%IACS以上であることが好ましい。また、ビッカース硬さが70Hv以下であることが好ましい。
金属層13は、セラミックス基板11の他方の面に熱伝導性に優れた金属板が接合されることにより形成されている。
本実施形態においては、図3に示すように、金属層13は、アルミニウム合金の圧延板からなるアルミニウム板23がセラミックス基板11に接合されることによって形成されている。ここで、金属層13(アルミニウム板23)の厚さは0.01mm以上3mm未満の範囲内に設定されており、本実施形態では0.04mmに設定されている。金属層13の厚さは、0.05mm以上2mm未満であることが好ましいが、これに限定されることはない。
ここで、回路層12(アルミニウム板22)及び金属層13(アルミニウム板23)を構成するアルミニウム合金としては、添加元素としてSi,Cu,Ag,Mgから選択される1種又は2種以上を含有していることが好ましい。
また、アルミニウム合金の共晶温度が530℃以上、かつ、液相線温度が640℃以上とされていることが好ましい。
添加元素としてSiを含有するAl−Si合金の場合には、Siの含有量を0.3mass%以上2.4mass%以下の範囲内とすることが好ましい。
添加元素としてCuを含有するAl−Cu合金の場合には、Cuの含有量を0.7mass%以上7.0mass%以下の範囲内とすることが好ましい。
添加元素としてAgを含有するAl−Ag合金の場合には、Agの含有量を3.1mass%以上15.9mass%以下の範囲内とすることが好ましい。
添加元素としてMgを含有するAl−Mg合金の場合には、Mgの含有量を0.6mass%以上4.5mass%以下の範囲内とすることが好ましい。
添加元素としてSiとMgを含有するAl−Si−Mg合金の場合には、Siの含有量を0.3mass%以上0.8mass%以下の範囲内、Mgの含有量を0.5mass%以上1.2mass%以下の範囲内とすることが好ましい。
添加元素としてCuとAgを含有するAl−Cu−Ag合金の場合には、Cuの含有量を0.7mass%以上2.0mass%以下の範囲内、Agの含有量を2.5mass%以上4.5mass%以下の範囲内とすることが好ましい。
ヒートシンク40は、前述のパワーモジュール用基板10を冷却するためのものである。本実施形態であるヒートシンク40は、図1に示すように、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる放熱板とされている。
本実施形態においては、ヒートシンク40とパワーモジュール用基板10とは、KAlFを主成分とするフラックスを用いたろう付けによって接合されている。
次に、上述した本実施形態であるパワーモジュール用基板10の製造方法及びパワーモジュール1の製造方法について、図2から図4を参照して説明する。
(回路層及び金属層形成工程S01)
まず、アルミニウム板22,23をセラミックス基板11に接合し、本実施形態であるパワーモジュール用基板10を製造する。
この回路層及び金属層形成工程S01においては、後述する積層工程S11、加熱工程S12、凝固工程S13を備えている。
積層工程S11においては、図3に示すように、セラミックス基板11の一方の面(図3において上面)にアルミニウム板22を積層し、セラミックス基板11の他方の面(図3において下面)に、アルミニウム板23を積層する。
次に、加熱工程S12においては、積層されたセラミックス基板11とアルミニウム板22,23を積層方向に0.29MPa以上1.47MPa以下の荷重を負荷するとともに、アルミニウム板22,23を構成するアルミニウム合金の共晶温度以上液相線温度未満の保持温度で保持し、セラミックス基板11とアルミニウム板22,23との接合界面に固液共存領域を形成する。
ここで、積層方向に加圧する際の荷重が0.29MPa未満の場合には、セラミックス基板11とアルミニウム板22,23とが十分に密着せず、接合が不十分となるおそれがある。一方、積層方向に加圧する際の荷重が1.47MPaを超えると、アルミニウム板の形状を維持できなくなるおそれがある。このため、本実施形態では、積層方向に加圧する際の荷重を0.29MPa以上1.47MPa以下の範囲内に設定している。
なお、セラミックス基板11とアルミニウム板22,23とをさらに密着させるためには、積層方向に加圧する際の荷重の下限を0.49MPa以上とすることが好ましく、0.79MPa以上とすることがさらに好ましい。また、アルミニウム板の形状を確実に維持するためには、積層方向に加圧する際の荷重の上限を1.2MPa以下とすることが好ましく、0.98MPa以下とすることがさらに好ましい。
また、保持温度がアルミニウム板22,23を構成するアルミニウム合金の共晶温度未満の場合には、液相が形成されず、セラミックス基板11とアルミニウム板22,23とを接合することができない。一方、保持温度がアルミニウム板22,23を構成するアルミニウム合金の液相線温度以上の場合には、アルミニウム板22、23が溶融して形状を維持できなくなるおそれがある。このため、本実施形態では、保持温度を、アルミニウム板22,23を構成するアルミニウム合金の共晶温度以上液相線温度未満の範囲内に設定している。
例えば、回路層12(アルミニウム板22)及び金属層13(アルミニウム板23)を構成するアルミニウム合金として、Al−1.9mass%Siを用いた場合、図6の状態図に示すように、共晶温度は577℃、液相線温度は648℃となる。よって、保持温度は、Al−1.9mass%Siを用いた場合、577℃以上648℃未満の範囲内で設定されることとなる。
なお、セラミックス基板11とアルミニウム板22,23とを確実に接合するためには、保持温度の下限を、前記アルミニウム合金の共晶温度+5℃以上とすることが好ましく、共晶温度+15℃以上とすることがさらに好ましい。また、アルミニウム板の形状を確実に維持するためには、保持温度の上限を前記アルミニウム合金の液相線温度−5℃以下とすることが好ましく、液相線温度−10℃以下とすることがさらに好ましい。
次に、凝固工程S13においては、アルミニウム板22、23とセラミックス基板11との界面にそれぞれに形成された固液共存領域を凝固させることにより、セラミックス基板11とアルミニウム板22及びアルミニウム板23とを接合する。
これにより、セラミックス基板11に回路層12及び金属層13が形成されたパワーモジュール用基板10が製造される。
(ヒートシンク接合工程S02)
次に、図4に示すように、パワーモジュール用基板10の金属層13の他方の面側に、ヒートシンク40を接合する。
具体的には、パワーモジュール用基板10の金属層13とヒートシンク40との間に、Al−Si系ろう材箔27と、KAlFを主成分とするフラックス(図示なし)とを介在させる。
次に、積層されたパワーモジュール用基板10、ヒートシンク40を積層方向に加圧(圧力0〜10kgf/cm)した状態で、雰囲気加熱炉内に装入して加熱し、金属層13とヒートシンク40との間に溶融金属領域を形成する。そして、上述の溶融金属領域が凝固することにより、パワーモジュール用基板10の金属層13とヒートシンク40とが接合される。このとき、金属層13、ヒートシンク40の表面には、酸化被膜が形成されているが、前述のフラックスによってこれらの酸化被膜が除去される。このとき、フラックス成分が液化、気化して、セラミックス基板11側へと移動することになる。
(半導体素子接合工程S03)
また、回路層12の一方の面に第1はんだ層2を介して半導体素子3を接合する。これにより、本実施形態であるパワーモジュール1が製出される。
以上のような構成とされた本実施形態であるパワーモジュール用基板10の製造方法によれば、加熱工程S12において、回路層12及び金属層13(アルミニウム板22,23)を構成するアルミニウム合金の共晶温度以上液相線温度未満の保持温度で保持し、固液共存領域を形成し、セラミックス基板11とアルミニウム板22,23とを接合しているので、接合界面に液相が多量に生成することがなく、ろうこぶやろう染みのような表面異常が発生するおそれがない。
また、本実施形態であるパワーモジュール用基板10の製造方法によれば、ろう材を用いていないので、セラミックス基板11と回路層12及び金属層13との接合界面に、ろう材に起因した異方性の強い層が形成されず、接合信頼性に優れている。
さらに、ヒートシンク接合工程S02において、フラックスを使用した場合であっても、フラックスの影響によってセラミックス基板11と回路層12及び金属層13との接合信頼性が低下するおそれがない。
また、接合時において、積層されたセラミックス基板11とアルミニウム板22,23を積層方向に0.29MPa以上1.47MPa以下の荷重を負荷しているので、セラミックス基板11とアルミニウム板22,23とが確実に接合されており、冷熱サイクル信頼性に優れたパワーモジュール用基板10を製造することができる。
また、本実施形態では、回路層12及び金属層13(アルミニウム板22,23)を構成するアルミニウム合金が、添加元素としてSi,Cu,Ag,Mgから選択される1種又は2種以上を含有する共晶系合金とされているので、アルミニウム合金の共晶温度が低くなり、低温条件でセラミックス基板11とアルミニウム板22,23とを接合することが可能となる。
さらに、本実施形態では、回路層12及び金属層13(アルミニウム板22,23)を構成するアルミニウム合金として、共晶温度が530℃以上とされたものを用いているので、セラミックス基板11とアルミニウム板22,23の界面反応が十分に進行する温度で確実に液相を生じさせることにより、強固なパワーモジュール用基板10を得ることができる。
また、回路層12及び金属層13(アルミニウム板22,23)を構成するアルミニウム合金として、液相線温度が640℃以上とされたものを用いているので、液相の過剰な発生によるアルミニウム板22,23の変形や表面変質を確実に抑制可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、パワーモジュール用基板を例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、セラミックス部材と、アルミニウム合金からなるアルミニウム部材とを接合してなるセラミックス/アルミニウム接合体であればよい。
また、本実施形態では、回路層及び金属層を、アルミニウム合金からなるアルミニウム板を接合することで形成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、回路層又は金属層のいずれか一方が、アルミニウム合金からなるアルミニウム板で構成されていればよい。
具体的には、金属層がアルミニウム合金からなるアルミニウム板で構成されている場合であれば、回路層は、純度99.99mass%以上の4Nアルミニウムからなるアルミニウム板、銅又は銅合金からなる銅板、アルミニウムと銅との積層板等で構成してもよい。また、回路層がアルミニウム合金からなるアルミニウム板で構成されている場合であれば、金属層は、純度99.99mass%以上の4Nアルミニウムからなるアルミニウム板等の他の金属や複合材料で構成してもよい。
また、本実施形態では、セラミックス基板11の一方の面及び他方の面にそれぞれ回路層12、金属層13が形成されているものとして説明したが、図5に示すように、金属層を形成することなく、セラミックス基板11の一方の面に回路層12のみが形成されているパワーモジュール用基板110であってもよい。この図5に示すパワーモジュール101においては、上述のパワーモジュール用基板110の回路層12とは反対側の面にヒートシンク40が接合されている。
また、本実施形態では、セラミックス基板11として、窒化アルミ(AlN)を例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、アルミナ(Al)、窒化珪素(Si)等の他のセラミックスで構成されたものであってもよい。
さらに、回路層及び金属層のはんだ接合を行う面にNiめっき層を形成するものとして説明したが、これに限定されることはなく、Agペースト等の他の手段によって下地層を構成してもよい。
また、ヒートシンクは、本実施形態で例示してものに限定されることはなく、ヒートシンクの構造に特に限定はない。例えば、内部に冷却媒体の流路が形成されたヒートシンクであってもよい。また、放熱フィンを有するヒートシンクであってもよい。
さらに、アルミニウム板を接合することによって回路層を形成するものとして説明したが、これに限定されることはなく、セラミックス基板の表面にアルミニウムの小片を配線パターン状に接合したものであってもよい。この場合、回路層をエッチングして配線パターンを形成する工程を省略することが可能となる。
本発明の有効性を確認するために行った確認実験について説明する。
回路層及び金属層を構成するアルミニウム板として、表1に示す組成のアルミニウム合金の圧延板(48mm×58mm×厚さ0.4mm)を準備した。
また、表1に示すセラミックス基板(50mm×60mm×厚さ0.635mm)を準備した。
本発明例及び比較例においては、セラミックス基板の一方の面及び他方の面にアルミニウム板を直接積層し、これらを積層方向に表2に示す荷重で加圧するとともに、表2に示す雰囲気下で、表2に示す保持温度及び保持時間で保持し、その後、Nフローによって冷却した。これにより、パワーモジュール用基板を製造した。
なお、本発明例9〜11については、セラミックス基板の一方の面のみにアルミニウム板を接合した。
(回路層の変形)
回路層の変形については、回路層の面積が接合前のアルミニウム板の面積に対して10%以上増加した場合を×、5%以上10%未満の場合を○、5%未満の場合を◎と評価した。
(初期接合率)
回路層とセラミックス基板との接合率を評価した。具体的には、パワーモジュール用基板において、回路層とセラミックス基板との界面の接合率について超音波探傷装置(株式会社日立パワーソリューションズ製FineSAT200)を用いて評価し、以下の式から算出した。ここで、初期接合面積とは、接合前における接合すべき面積、すなわち回路層の面積(48mm×58mm)とした。超音波探傷像を二値化処理した画像において剥離は接合部内の白色部で示されることから、この白色部の面積を剥離面積とした。評価結果を表2に示す。
(接合率)={(初期接合面積)−(非接合部面積)}/(初期接合面積)×100
(冷熱サイクル後の接合率)
冷熱サイクル後の接合率は、冷熱衝撃試験機エスペック社製TSB−51を使用し、ヒートシンク付パワーモジュール用基板に対して、液相(フロリナート)で、−40℃×10分←→150℃×10分の3000サイクルを実施し、上述した方法と同じ方法で接合率を評価した。評価結果を表2に示す。
(回路層の硬度)
上述の冷熱サイクル試験前のパワーモジュール用基板において、回路層の表面に対して、JIS Z 2244に準拠してマイクロビッカース硬さ試験機にて測定を行った。評価結果を表2に示す。
(回路層の表面変質)
接合後のパワーモジュール用基板において、回路層のうちセラミックス基板とは反対側の面(回路層表面)を目視にて観察し、表面変質(ろう染み)の発生状況を以下の基準で評価した。評価結果を表2に示す。
◎:表面変質が回路層表面の面積の10%未満
○:表面変質が回路層表面の面積の10%以上25%未満
×:表面変質が回路層表面の面積の25%以上
Figure 0006645281
Figure 0006645281
アルミニウム合金の共晶温度未満で接合した比較例1,3では、液相が形成されず、接合することができなかった。なお、比較例1,3では、接合することができなかったため、冷熱サイクル後の接合率は測定していない。
保持温度を液相線以上とした比較例2,4では、回路層の変形や表面変質が生じた。
接合時の荷重を0.29MPa未満とした比較例5では、冷熱サイクル後の接合率が低くかった。
接合時の荷重が1.47MPaを超えた比較例6では、回路層の変形が確認された。
一方、本発明例のパワーモジュール用基板は、回路層の変形や表面変質のなく、接合信頼性の高いパワーモジュール用基板が得られることが確認された。
10 パワーモジュール用基板(セラミックス/アルミニウム接合体)
11 セラミックス基板(セラミックス部材)
12 回路層
13 金属層
22 アルミニウム板(アルミニウム部材)
23 アルミニウム板(アルミニウム部材)

Claims (3)

  1. セラミックス部材と、共晶系のアルミニウム合金からなるアルミニウム部材とが接合されてなるセラミックス/アルミニウム接合体の製造方法であって、
    前記セラミックス部材と前記アルミニウム部材とを積層する積層工程と、
    積層された前記セラミックス部材と前記アルミニウム部材を積層方向に0.29MPa以上1.47MPa以下の荷重を負荷するとともに、前記アルミニウム合金の共晶温度以上液相線温度未満の保持温度で保持し、前記セラミックス部材と前記アルミニウム部材との接合界面に固液共存領域を形成する加熱工程と、
    前記固液共存領域を凝固させて前記セラミックス部材と前記アルミニウム部材とを接合する凝固工程と、を備えており、
    前記アルミニウム合金は、共晶温度が450℃以上、かつ、液相線温度が640℃以上とされていることを特徴とするセラミックス/アルミニウム接合体の製造方法。
  2. 前記アルミニウム合金は、添加元素としてSi,Cu,Ag,Mgから選択される1種又は2種以上を含有していることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス/アルミニウム接合体の製造方法。
  3. セラミックス基板と、このセラミックス基板に接合されたアルミニウム板とを備えたパワーモジュール用基板の製造方法であって、
    前記アルミニウム板は、アルミニウム合金からなり、
    前記アルミニウム板と前記セラミックス基板とを請求項1又は請求項2に記載のセラミックス/アルミニウム接合体の製造方法によって接合することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
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