以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(駆動装置)
図1は、車両150のバックドア(開閉部材)200に設けられた駆動装置100を示す図である。本実施例において、駆動装置100は、いわゆるスピンドルパワーバックドア駆動ユニットである。しかし、駆動装置100は、車両のスウィングドア、スライドドア、窓ガラスなどの開閉部材を開閉するために用いてもよい。また、駆動装置100は、ドアの開閉に限らず、車両のシートを昇降させるために使用してもよい。
駆動装置100は、車両150の車体150Aの幅方向の両側で車体150Aとバックドア200との間に設けられている。駆動装置100の両端部に継ぎ手102及び104がそれぞれ設けられている。駆動装置100の一端部の継ぎ手102は、車体150Aに連結されている。駆動装置100の他端部の継ぎ手104は、バックドア200に連結されている。駆動装置100に内蔵されているモータ110(図3)により円筒状のカバー管106が円筒状のハウジング管107に対して相対移動することにより、バックドア200が開閉する。
図2は、駆動装置100の斜視図である。駆動装置100は、ハウジング管107と、ハウジング管107に入れ子式に嵌合されたカバー管106とを有する。カバー管106は、ハウジング管107に対して軸線方向に往復移動可能である。カバー管106及びハウジング管107は、伸縮自在管を構成している。ハウジング管107の端部に継ぎ手102が設けられている。カバー管106の端部に継ぎ手104が設けられている。電気ケーブル108は、ハウジング管107に収納されたモータ110(図3)へ電力を供給する。
図3は、駆動装置100の断面図である。図3(a)は、バックドア200を全閉したときの駆動装置100を示す図である。図3(b)は、バックドア200を全開したときの駆動装置100を示す図である。駆動装置100の駆動源としてのモータ110は、ハウジング管107に収納されている。モータ110の回転軸(入力軸)111は、抵抗発生装置1に連結されている。抵抗発生装置1は、減速機(遊星歯車)112に連結されて、モータ110の動力を減速機112へ伝達する。減速機112は、ねじ付きスピンドル(回転体)113に連結されている。抵抗発生装置1は、モータ110と減速機112との間に配置されている。減速機112は、抵抗発生装置1の回転速度を減速してねじ付きスピンドル113へ伝達する。抵抗発生装置1は、減速機112を介してモータ110の回転運動をねじ付きスピンドル113へ伝達する。
スピンドルナット114は、ねじ付きスピンドル113に螺合している。ねじ付きスピンドル113は、回転可能にハウジング管107により保持されている。ねじ付きスピンドル113は、円筒状のスピンドル管115に挿入されている。スピンドル管115の一端部は、スピンドルナット114に固定され、他端部は、継ぎ手104及びカバー管106に固定されている。
カバー管106の内部には、圧縮コイルばね116が収納されている。圧縮コイルばね116は、バックドア200が開かれたときに、バックドア200を開状態に保持するためにバックドア200の自重と釣り合う付勢力を発生する。なお、ここでいう「バックドア200の自重と釣り合う」は、バックドア200が任意の位置に開放されたときにバックドア200を当該任意の位置に保持できることを意味する。
モータ110が回転すると、抵抗発生装置1及び減速機112を介してねじ付きスピンドル113が回転する。ねじ付きスピンドル113の回転運動は、ねじ付きスピンドル113とスピンドルナット114との螺合によりスピンドルナット114及びスピンドル管115の直線運動へ変換される。スピンドルナット114及びスピンドル管115の直線運動により、カバー管106は、ハウジング管107に対して移動してバックドア200を開閉する。
バックドア200が全閉されているとき、図3(a)に示すように、スピンドルナット114は、ねじ付きスピンドル113の下部に位置し、カバー管106のほとんどの部分がハウジング管107を覆っている。すなわち、伸縮自在管は、縮んだ状態である。バックドア200を開くためにモータ110が回転すると、ねじ付きスピンドル113の回転によりスピンドルナット114が上方へ移動する。バックドア200が全開されると、図3(b)に示すように、スピンドルナット114は、ねじ付きスピンドル113の上部に位置し、カバー管106がハウジング管107に対して上方へ移動する。すなわち、伸縮自在管は、伸びた状態である。
カバー管106は、ハウジング管107に対して任意の位置に停止することができる。任意の位置に停止したカバー管106には、バックドア200の自重がかかるが、バックドア200の自重は、圧縮コイルばね116の付勢力と釣り合う。これによって、バックドア200は、任意の位置に停止可能である。駆動装置100は、バックドア200をどの開度でも自由に止められるフリーストップを実現するドア保持装置である。バックドア200に風などの不所望の外力が作用した場合や車両が傾斜面に停車しており、バックドア200の自重と圧縮コイルばね116の付勢力との釣り合いが崩れた場合、抵抗発生装置1は、バックドア200の開閉動作に対する抵抗を発生してバックドア200の位置を保持する。
(抵抗発生装置)
バックドア200が開いたときに、バックドア200が自重により閉じることを防止するために、駆動装置100には、圧縮コイルばね116が設けられている。しかし、バックドア200の開状態でバックドア200に風や雪などの負荷が作用した場合や、車両が傾斜面に停車しておりバックドア200の自重と圧縮コイルばね116の付勢力との釣り合いが崩れた場合、バックドア200が不所望に閉じるおそれがある。そこで、開かれたバックドア200にある程度の外力が作用してもバックドア200が閉じることがないように、駆動装置100には、抵抗発生装置1が設けられている。抵抗発生装置1は、電気的制御を必要とすることなく、バックドア200の作動状態に応じて、停止保持状態(保持力付与状態)と作動許容状態(保持力解除状態)とを機械的に切り替えることができる抵抗機構である。抵抗発生装置1は、バックドア200を任意の開度で停止させるときに抵抗(保持力)を発生してバックドア200を任意の開度で保持する機能と、モータ110によりバックドア200を開閉するときに抵抗を解除してモータ110の出力損失なくモータ110によるバックドア200の開閉を許容する機能とを有する。
図4は、モータ110と減速機112との間に配置された抵抗発生装置1の断面図である。図4(a)は、モータ110が停止し、回転摩擦部材5が弾性変形部材7に接触している状態を示す。図4(b)は、モータ110が回転し、回転摩擦部材5が弾性変形部材7から離間している状態を示す。抵抗発生装置1は、ハウジング管107内に収納される。図4においては、ハウジング管107の図示を省略している。抵抗発生装置1の入力側は、モータ110に連結されている。抵抗発生装置1の出力側は、減速機112に連結されている。抵抗発生装置1は、モータ110の回転軸111から動力を受けて回転する。モータ110は、高速で回転するので、抵抗発生装置1の出力部材2は、高速で回転する。減速機112は、出力部材2の回転速度を減速し、減速した回転速度でねじ付きスピンドル113を回転する。
図5は、抵抗発生装置1の分解斜視図である。抵抗発生装置1は、出力部材2、軸受3、軸受保持部材(スペーサー)4、回転摩擦部材(シュー)5、ケース(固定部材)6、弾性変形部材(摩擦抵抗発生摺動部品)7、保持部材8、支持板(ベース)9及び解除部材(動力受け部)10を有する。解除部材10は、モータ110からの動力を受けて回転する。解除部材10は、圧入によりモータ110の回転軸111に係止され、回転軸111と一体に回転する。なお、解除部材10は、ねじ、ピン、セレーションなどの係止部材によりモータ110の回転軸111に係止されていてもよい。
支持板9は、2本のねじ11によりモータ110に固定される。支持板9の外周部には、複数(本実施例において4つ)の突起9a及び複数の係止部9bが設けられている。突起9aは、回転軸線Xに沿って延在している。弾性変形部材(弾性部材)7は、保持部材8に保持されている。保持部材8の外周部には、複数(本実施例において2つ)の突起8aが設けられている。突起8aは、回転軸線Xに沿って延在している。ケース6は、円筒形状をしている。ケース6は、解除部材10の回りに配置された固定部材である。弾性変形部材7は、保持部材8を介してケース6に固定して配置されている。保持部材8及びケース6は、モータ110の動力を受けずに固定された固定部材である。ケース6は、ケース6の一端部に開口する複数(本実施例において4つ)の溝穴6aが設けられている。また、ケース6は、ケース6の他端部に開口する複数(本実施例において4つ)の溝穴6bが設けられている。溝穴6a及び6bは、回転軸線Xに沿って延在している。保持部材8は、保持部材8の突起8aが支持板9の突起9aと一直線に整列するように、支持板9に隣接して配置される。ケース6は、ケース6の溝穴6aが保持部材8の突起8a及び支持板9の突起9aに嵌合するように、保持部材8及び支持板9に取り付けられる。保持部材8は、ケース6により、支持板9すなわちモータ110に対して回転しないように固定される。
ケース6の一端部には、複数の係止穴6cが設けられている。支持板9の複数の係止部9bとケース6の複数の係止穴6cは、スナップフィット嵌めを構成する。支持板9の複数の係止部9bとケース6の複数の係止穴6cとのスナップフィット嵌めにより、ケース6は、支持板9すなわちモータ110に対して回転軸線Xの方向に移動しないように保持される。ケース6は、支持板9に固定されるように構成されているが、モータ110そのものに、又は、ハウジング管107に直接固定されるように構成されていてもよい。保持部材8は、弾性変形部材7が回転軸線Xの方向に移動しないように固定し、弾性変形部材7が回転軸線Xの回りに回転しないように固定する固定部材として機能する。
出力部材2は、軸受3を介して軸受保持部材4に回転可能に保持されている。回転摩擦部材5は、出力部材2と一体に回転するが、出力部材2に対して回転軸線Xの方向に移動可能に出力部材2に支持されている。軸受保持部材4の外周には、複数(本実施例において4つ)の突起4aが設けられている。突起4aは、回転軸線Xに沿って延在している。出力部材2、軸受3及び回転摩擦部材5が軸受保持部材4に組み付けられた状態で、軸受保持部材4は、軸受保持部材4の突起4aがケース6の溝穴6bに嵌合するように、ケース6に取り付けられる。軸受保持部材4は、ケース6により、支持板9すなわちモータ110に対して回転しないように固定される。
出力部材2には、出力軸12が固定されている。出力軸12には、歯車13が設けられている。減速機112の外周部には、複数の突起112aおよび複数の係止部112bが設けられている。ケース6の他端部には、複数の係止穴6dが設けられている。減速機112の複数の係止部112bとケース6の複数の係止穴6dは、スナップフィット嵌めを構成する。減速機112は、減速機112の突起112aがケース6の溝穴6bに嵌合し、減速機112の係止部112bがケース6の係止穴6dにスナップフィット嵌めされるように、ケース6に取り付けられる。減速機112は、ケース6により、支持板9すなわちモータ110に対して回転しないように固定される。また、減速機112の係止部112bとケース6の係止穴6dとのスナップフィット嵌めにより、減速機112、軸受保持部材4及び保持部材8は、モータ110に対して回転軸線Xの方向に移動しないように保持される。出力部材2の歯車13は、減速機112の歯車14と噛合する。
図6は、解除部材10の斜視図である。解除部材10は、円筒状の本体10aと、本体10aに設けられた穴10bと、本体10aから回転軸線Xに垂直な方向へ突出する2つの突出部10cとからなる。突出部10cは、本体10aの半径方向に挿入されたピンで形成されていてもよい。穴10bは、回転軸線Xの方向に延在している。穴10bにモータ110の回転軸111が圧入され、解除部材10は、回転軸111と一体に回転する。
図7は、弾性変形部材7と保持部材8の断面図である。本実施例において、弾性変形部材7及び保持部材8は、円環形状である。保持部材8は、半径方向で内方へ延在するツバ部(フランジ部)8bを有する。ツバ部8bの先端部8cは、回転軸線Xの方向に屈曲している。本実施例において、保持部材8は、金属製である。しかし、保持部材8は、必ずしも金属製である必要はない。弾性変形部材7は、回転摩擦部材5に摩擦接触する摩擦接触部7aと、保持部材8の先端部8cに固定される固定部7bとを有する。弾性変形部材7は、回転摩擦部材5が摩擦接触部7aに接触しやすいように、摩擦接触部7aと固定部7bとの間に円環状の傾斜部(テーパ―部)7cが設けられている。摩擦接触部7aは、全周にわたって連続的に均一に設けられている。しかし、摩擦接触部7aは、周方向に間隔を空けて断続的に設けられていてもよい。弾性変形部材7は、エラストマー、ゴム、ウレタン、樹脂又は金属(例えば、板ばね)などからつくられている。弾性変形部材7及び保持部材8は、樹脂材料に一部金属材料が組み込まれているインサート成形、または、金属材料に一部樹脂が組み込まれているアウトサート成形により一体に形成されていてもよい。弾性変形部材7と保持部材8との間には、弾性変形部材7の変形を容易にするために、空間15が設けられている。しかし、弾性変形部材7が十分に変形可能な場合、空間15は、必ずしも必要ない。
なお、弾性変形部材7は、保持部材8を設けることなく直接にケース6に固定されていてもよい。あるいは、弾性変形部材7は、保持部材8を設けることなく直接に支持板9に固定されていてもよい。または、弾性変形部材7がハウジング管107に固定されていてもよい。または、弾性変形部材7は、モータ110そのものに固定されてもよい。または、弾性変形部材7は、軸受保持部材4に固定されていてもよい。弾性変形部材7のケース6、支持板9、ハウジング管107又は軸受保持部材4への固定は、圧入であってもよい。保持部材8、ケース6、支持板9、ハウジング管107、モータ110又は軸受保持部材4は、これらのいずれかに弾性変形部材7が固定して配置された場合、動力を受けずに固定された固定部材として機能する。弾性変形部材7は、モータ110に対して回転しないように且つ移動しないように固定されていればよい。なお、弾性変形部材7及び保持部材8の代わりに、市販のオイルシールを用いることもできる。市販のオイルシールは、安価、安定性、長寿命及び低騒音という効果を有する。ただし、本実施例に用いるオイルシールは、オイルをシールする機能を発揮する必要はない。
図8は、回転摩擦部材5を示す図である。図8(a)は、回転摩擦部材5の側面図である。図8(b)は、図8(a)のVIIIB−VIIIB線に沿って取った回転摩擦部材5の断面図である。図8(c)は、回転摩擦部材5のカム部16の側から見た回転摩擦部材5の斜視図である。図8(d)は、回転摩擦部材5のスプライン穴17の側から見た回転摩擦部材5の斜視図である。回転摩擦部材5は、解除部材10に係合するカム部16と、出力部材2のスプライン軸(スプライン部)22に噛合するスプライン穴(スプライン部)17と、弾性変形部材7に摩擦接触する摩擦接触部18と、圧縮ばね(付勢部材)21を受けるばね座(受け部)19と、円環状突起部(係止部)20とを有する。回転摩擦部材5は、回転軸線Xの回りに概略回転対称な形状を有する同心構造である。
カム部16は、回転摩擦部材5の一端部で回転摩擦部材5の内部に設けられている。カム部16は、解除部材10と係合する係合部である。カム部16は、複数(本実施例においては4つ)のカム面16aと、複数(本実施例においては2つ)の回転方向当接部16bと、複数(本実施例においては2つ)の軸方向当接部16cを有する。カム面16aは、解除部材10の突出部10cと係合する。モータ110が回転し、解除部材10が回転摩擦部材5に対して相対的に回転すると、解除部材10の突出部10cとカム面16aとのカム作用により、回転摩擦部材5を回転軸線Xの方向へ滑り移動させる。回転方向当接部16bは、解除部材10の突出部10cに当接して、回転摩擦部材5に対する解除部材10の相対回転量を規制する。解除部材10の突出部10cが回転方向当接部16bに当接することにより、モータ110の回転を回転摩擦部材5へ伝達し、回転摩擦部材5を回転させる。軸方向当接部16cは、モータ110が停止しているときに、後述する圧縮ばね21のばね力により解除部材10の突出部10cに当接して、回転摩擦部材5の回転軸線Xの方向の移動を規制する。
スプライン穴17は、カム部16が設けられた回転摩擦部材5の一端部と反対の他端部に設けられている。スプライン穴17は、内周に複数の歯17aが設けられている。歯17aは、回転軸線Xに平行に延在するキー形状に形成されている。スプライン穴17の複数の歯17aは、出力部材2のスプライン軸22の複数の歯22aと噛合して、回転摩擦部材5の回転トルクを出力部材2へ伝達するとともに、出力部材2に対する回転摩擦部材5の回転軸線Xの方向の滑り移動を可能にする。
回転摩擦部材5は、解除部材10がモータ110の動力を受けて回転するのに伴い、弾性変形部材7と接触する接触位置と、弾性変形部材7から離れる離間位置との間を移動可能である。回転摩擦部材5の摩擦接触部18は、弾性変形部材7の摩擦接触部7aに接離する。摩擦接触部18は、摩擦接触部7aに接触しているときに、摩擦接触部7aにより緊締(締め付け)される。摩擦接触部18は、摩擦接触部7aに接触しやすいように、摩擦接触部18から回転摩擦部材5の一端部へ向って傾斜する円環状の傾斜部(テーパ―部)18aが設けられている。回転摩擦部材5が回転軸線Xの方向へ移動して摩擦接触部18が摩擦接触部7aに接触するときに、回転摩擦部材5の傾斜部18aが弾性変形部材7の傾斜部7cに当接するので、摩擦接触部18と摩擦接触部7aの接触を容易にすることができる。摩擦接触部18は、全周にわたって連続的に均一に設けられている。しかし、摩擦接触部18は、周方向に間隔を空けて断続的に設けられていてもよい。本実施例においては、摩擦接触部18は、カム部16の外側に設けられている。回転軸線Xの方向において、摩擦接触部18は、カム部16と重なり合う位置に配置されている。よって、回転摩擦部材5の回転軸線Xの方向の長さを短くすることができ、ひいては、抵抗発生装置1を小型化することができる。
図9は、出力部材2と回転摩擦部材5を示す図である。図9(a)は、出力部材2に組み込まれた回転摩擦部材5を示す図である。図9(b)は、出力部材2に回転摩擦部材5を組み込む前の状態を示す図である。出力部材2は、軸受3を介して軸受保持部材4に回転可能に保持されている。出力部材2は、軸受3を保持する溝穴2aが設けられている(後述の図10を参照)。また、軸受保持部材4は、軸受3を保持する溝穴4bが設けられている。溝穴2aは、出力部材2が矢印A又は矢印Bで示す方向へ移動することを規制する。溝穴2aは、出力部材2が減速機112側へ又はモータ110側へ移動することを規制する軸線方向ストッパーとして機能する。出力部材2は、複数の歯22aが設けられたスプライン軸22と、圧縮ばね21を受けるばね座(受け部)23(図4参照)と、回転軸線Xの方向へ延在する二つの腕部(係止部)24とを有する。図9(b)に示すように、圧縮ばね21を出力部材2のばね座23と回転摩擦部材5のばね座19との間に配置する。回転摩擦部材5を矢印Aで示す方向に出力部材2へ向って押し込み、回転摩擦部材5のスプライン穴17をスプライン軸22に嵌合させる。回転摩擦部材5は、スプライン軸22上を回転軸線Xに沿って摺動可能である。さらに、回転摩擦部材5を矢印Aで示す方向に出力部材2へ向って押し込むと、出力部材2の腕部24の爪部24aが回転摩擦部材5の円環状突起部20を乗り越える。爪部24aが円環状突起部20を乗り越えるために腕部24が撓みやすいように、出力部材2に溝2bが形成されている(後述の図10参照)。出力部材2へ向って回転摩擦部材5を押し込む押し込み力を解除すると、回転摩擦部材5は、圧縮ばね21のばね力(付勢力)により矢印Bで示す方向に付勢される。圧縮ばね21のばね力(付勢力)により出力部材2の腕部24の爪部24aが回転摩擦部材5の円環状突起部20を係止するので、圧縮ばね21及び回転摩擦部材5は、出力部材2に保持される(図9(a))。
回転摩擦部材5を出力部材2に組み込む際に、圧縮ばね21を圧縮し圧縮ばね21のばね力により爪部24aが円環状突起部20を係止するので、出力部材2、圧縮ばね21及び回転摩擦部材5がばらばらにならないように組み立てることができる。出力部材2、軸受3、軸受保持部材4、圧縮ばね21及び回転摩擦部材5の組立体を安定して、ケース6へ挿入することができる。組立体をケース6へ挿入すると、図4(a)に示すように回転摩擦部材5が弾性変形部材7へ挿入され、摩擦接触部18と摩擦接触部7aが接触する。本実施例においては、回転摩擦部材5の外側に弾性変形部材7が配置され、弾性変形部材7の内側に弾性変形しない金属製の回転摩擦部材5が配置される。
(抵抗発生装置の動作)
以下、図4、図10及び図11を参照して、抵抗発生装置1の動作を説明する。図10は、回転摩擦部材5と弾性変形部材7の拡大断面図である。図10(a)は、回転摩擦部材5が弾性変形部材7に接触している状態を示す。図10(b)は、回転摩擦部材5が弾性変形部材7から離間している状態を示す。図11は、モータ110から見た回転摩擦部材5と解除部材10を示す図である。図11(a)は、解除部材10の突出部10cが回転摩擦部材5の軸方向当接部16cに当接している状態を示す。図11(b)は、解除部材10の突出部10cが回転摩擦部材5の回転方向当接部16bに当接している状態を示す。
モータ110が停止してバックドア200が任意の位置に停止しているとき、抵抗発生装置1は、図4(a)及び図10(a)に示す状態にある。また、ユーザがバックドア200に手をかけてバックドア200を手動で開閉するときも、抵抗発生装置1は、図4(a)及び図10(a)に示す状態にある。回転摩擦部材5は、圧縮ばね21のばね力により矢印Bで示す方向に付勢されている。このとき、図11(a)に示すように、解除部材10の突出部10cは、回転摩擦部材5の軸方向当接部16cに当接して回転摩擦部材5の回転軸線Xの方向への移動を規制する。解除部材10の突出部10cは、回転摩擦部材5のモータ110へ向う移動を所定の位置で規制するストッパーとして機能する。なお、突出部10cと軸方向当接部16cとの当接の代わりに、回転摩擦部材5の円環状突起部20が出力部材2の腕部24の爪部24aに当接することにより、回転摩擦部材5の回転軸線Xの方向への移動を規制してもよい。この場合、出力部材2の腕部24の爪部24aがストッパーとして機能する。あるいは、モータ110の回転軸111にストッパーの機能をもたせてもよい。
解除部材10の突出部10cが回転摩擦部材5の軸方向当接部16cに当接している状態において、弾性変形部材7の摩擦接触部7aは、回転摩擦部材5の摩擦接触部18に接触して摩擦接触部7aの内径が拡大するように弾性変形している。弾性変形部材7の摩擦接触部7aの内周面は、弾性変形部材7の弾性力により回転摩擦部材5の摩擦接触部18の外周面に所定の接触圧(緊迫力)で接触する接触状態にある。抵抗発生装置1は、停止保持状態(保持力付与状態)にある。弾性変形部材7の摩擦接触部7aは、回転摩擦部材5の摩擦接触部18を掴んでいるので、この状態で、回転摩擦部材5を回転させようとすると、回転摩擦部材5の摩擦接触部18と弾性変形部材7の摩擦接触部7aとの圧接により摩擦抵抗力が発生する。
開状態にあるバックドア200に風や雪などの外的負荷がかかりバックドア200が開閉しようとすると、ねじ付きスピンドル113が回転しようとする。ねじ付きスピンドル113の回転運動は、減速機112を介して出力部材2を回転させようとする。出力部材2のスプライン軸22は、回転摩擦部材5のスプライン穴17に噛合しているので、出力部材2は、回転摩擦部材5を回転させようとする。回転摩擦部材5の摩擦接触部18は、弾性変形部材7の摩擦接触部7aに圧接しているので、ねじ付きスピンドル113の回転運動に対する摩擦抵抗が発生する。よって、抵抗発生装置1は、バックドア200の任意の位置での開状態を保持することができる。一方、抵抗発生装置1が抵抗を発生している状態でもユーザがバックドア200に手をかけてバックドア200を開閉できるように、抵抗発生装置1の抵抗は設定されている。抵抗発生装置1の抵抗の大きさは、弾性変形部材7の摩擦接触部7aと回転摩擦部材5の摩擦接触部18との締め代を変更することにより容易に設定することができる。弾性変形部材7は、摩擦接触部18へ接触圧を高めるため、又はその接触圧を維持するために、弾性変形部材7にばね(付勢部材)を設けてもよい。ばねは、弾性変形部材7の外周にわたって延在する環形状をしていてもよい。しかし、ばねは、基本的になくてよい。
弾性変形部材7の摩擦接触部7aと回転摩擦部材5の摩擦接触部18は、回転軸線Xに沿う断面において平坦部を有していてもよい。すなわち、弾性変形部材7の摩擦接触部7aと回転摩擦部材5の摩擦接触部18は、それぞれ円筒形状に形成されていてもよい。本実施例において、弾性変形部材7の摩擦接触部7aと回転摩擦部材5の摩擦接触部18は、全周にわたって連続的に且つ均一に設けられている。摩擦接触部7a及び18を全周にわたって連続的に且つ均一に設けることにより、回転摩擦部材5が回転する際に発生する音を低減することができる。
バックドア200の開閉によるねじ付きスピンドル113の正転及び逆転のいずれの場合にも、抵抗発生装置1によりねじ付きスピンドル113の回転運動に対する抵抗を発生することができる。抵抗発生装置1は、停止時も手動による回転時も常にほぼ安定した摩擦抵抗力を発生することができる。
モータ110が回転すると、回転軸111と一体に解除部材(保持抵抗解除部材)10が回転する。解除部材10は、図11(b)に示すように、回転摩擦部材5に対して所定の角度だけ相対的に回転する。解除部材10が回転するときに、解除部材10の突出部10cは、回転摩擦部材5のカム部16のカム面16aの上へ乗り上げる。カム面16aは、軸方向当接部16cと回転方向当接部16bとの間に形成された傾斜面である。カム面16aは、軸方向当接部16cから回転方向当接部16bまでモータ110へ向って傾斜している。解除部材10は、回転軸線Xの方向へ移動しないように回転軸111に固定されているので、解除部材10の回転により突出部10cがカム面16aの上へ乗り上げると、突出部10cは、圧縮ばね21のばね力(付勢力)に抗して回転摩擦部材5を矢印Aで示す方向へ移動させる。回転摩擦部材5は、スプライン穴17と出力部材2のスプライン軸22との係合により、回転軸線Xに沿って矢印Aで示す方向へ出力部材2に対して移動する。
モータ110が回転しているとき、抵抗発生装置1は、図4(b)及び図10(b)に示す状態にある。本実施例において、回転摩擦部材5の回転軸線Xの方向の移動量は、弾性変形部材7の摩擦接触部7aと回転摩擦部材5の摩擦接触部18との接触部の回転軸線Xの方向の長さより大きい。従って、モータ110が回転して回転摩擦部材5が矢印Aで示す方向へ移動すると、回転摩擦部材5の摩擦接触部18は、弾性変形部材7の摩擦接触部7aから離れる。これによって、弾性変形部材7は、摩擦接触部7aと回転摩擦部材5の摩擦接触部18との接触を解除する解除状態になる。従って、回転摩擦部材5及び出力部材2の回転運動に対する抵抗がなくなる。抵抗発生装置1は、モータ110による作動許容状態(保持力解除状態)になる。弾性変形部材7の摩擦接触部7aと回転摩擦部材5の摩擦接触部18が非接触状態になるので、モータ110の出力損失が無くなる。
モータ110により解除部材10が回転すると、図11(b)に示すように、解除部材10の突出部10cは、回転摩擦部材5のカム部16の回転方向当接部16bに当接する。突出部10cと回転方向当接部16bとの当接により、回転摩擦部材5は、解除部材10と一体となって回転する。突出部10cと回転方向当接部16bは、解除部材10の回転を回転摩擦部材5へ伝達する回転伝達機構を構成する。回転摩擦部材5の回転トルクは、スプライン穴17と出力部材2のスプライン軸22との係合により、出力部材2へ伝達される。従って、出力部材2は、回転摩擦部材5とともに回転する。このとき、弾性変形部材7は、摩擦接触部7aと回転摩擦部材5の摩擦接触部18との接触を解除する解除状態にあるので、出力部材2は、保持抵抗なしに回転することができる。スプライン穴17とスプライン軸22は、回転摩擦部材5の回転を出力部材2へ伝える回転伝達手段として機能する。出力部材2の出力軸12に設けられた歯車13は、減速機112の歯車14と噛合し、出力部材2の回転運動を減速機112へ伝達する。
出力部材2の回転は、出力部材2の歯車13から減速機112の歯車14へ伝達されるので、減速機112は、ねじ付きスピンドル113を回転させる。それによって、バックドア200がモータ110により開閉される。本実施例においては、モータ110の正転又は逆転のいずれの場合においても、解除部材10は、弾性変形部材7と回転摩擦部材5との係合を解除するとともに回転摩擦部材5を回転させる。よって、モータ110は、解除部材10及び回転摩擦部材5を介して出力部材2を保持抵抗なしに回転させることができる。
モータ110の回転が停止すると、圧縮ばね21のばね力により回転摩擦部材5を図10の矢印Bで示す方向へ移動させて、抵抗発生装置1を、回転摩擦部材5が弾性変形部材7に接触して保持抵抗を発生する保持状態にする。圧縮ばね21のばね力により回転摩擦部材5の摩擦接触部18が弾性変形部材7の摩擦接触部7aに接触しやすくするために、摩擦接触部7a及び回転摩擦部材5に傾斜部7c及び18aがそれぞれ設けられている。圧縮ばね21は、回転摩擦部材5が弾性変形部材7から離れた保持解除状態から保持状態へ復帰させる復帰手段として機能する。このとき、回転摩擦部材5が保持解除状態から保持状態へ戻るのに伴い、解除部材10およびモータ110も保持状態のときの位置まで戻る。
本実施例によれば、金属製(剛体)の回転摩擦部材5の外側に、固定された弾性変形部材7が配置された構成とすることができる。回転摩擦部材5の同心構造と弾性変形部材のゴムの減衰効果により、原理的に高速回転に対して有利な構造とすることができる。回転摩擦部材5をモータ110と同じ回転速度で回転させた場合であっても、作動音を低減することができる。回転摩擦部材5の回りに環状の弾性変形部材7を配置したことにより、寿命・耐久性や性能安定など量産品質確保への短期対応が可能で、簡素な構成で小型・低コスト化も可能となる。
本実施例によれば、解除部材の回転運動を回転体へ伝達するときに、回転体の回転運動に対する抵抗を簡単な構造で確実に解除することができる。
本実施例においては、解除部材10をモータ110の回転軸111と一体に回転させているので、抵抗発生装置1を小型化することができる。しかし、解除部材10を歯車、プーリ等の動力伝達部材を介してモータ又はモータ以外の原動機により回転させてもよい。
本実施例によれば、抵抗発生装置1は、バックドア200が開かれたときに、バックドア200の開位置を保持する保持抵抗を発生し、バックドア200の落下を防止することができる。抵抗発生装置1は、モータ110によりバックドア200を開閉するときに抵抗を発生しないので、ねじ付きスピンドル113のねじのリードを長く設定することができバックドア200の開閉速度を早くすることができる。また、抵抗発生装置1は、手動でバックドア200を開閉するときには抵抗を発生するので、ねじ付きスピンドル113のねじのリードを長く設定してもバックドア200の保持力を維持することができる。
本実施例によれば、モータ110でバックドア200を開閉するときに保持抵抗力を完全に解除できるので、モータ110の損失が無く、モータ110を大型化する必要がない。また、モータ110による駆動時は、弾性変形部材7と回転摩擦部材5が離れるため、摩擦による性能劣化、部品の破損を低減することができる。
本実施例によれば、解除部材の回転運動を回転体へ伝達するときに、回転体の回転運動に対する抵抗を簡単な構造で確実に解除することができる。
(カム部の変形例)
カム部16は、回転摩擦部材5の内部に設けられていたが、カム部16は、回転摩擦部材5の外部又は外周に形成されていてもよい。以下、カム部の変形例として、図12を参照して、回転摩擦部材5の外周に形成されたカム部36を説明する。図12は、変形例のカム部36が設けられた回転摩擦部材5を示す図である。図12(a)は、モータ110の駆動が停止されているときの回転摩擦部材5の側面図である。図12(b)は、モータ110が回転されているときの回転摩擦部材5の側面図である。図12(c)は、図12(a)のXIIC−XIIC線に沿って取った回転摩擦部材5の断面図である。図12に示す回転摩擦部材5において、図8に示す回転摩擦部材5と同様の構造には同様の参照符号を付して説明を省略する。
回転摩擦部材5は、解除部材10に係合するカム部36を有する。カム部36は、回転摩擦部材5の外周壁に内側から外側へ貫通する傾斜溝穴として形成されている。解除部材10の突出部10cは、カム部36を貫通している。本実施例において、カム部36は、回転軸線Xに対して対称な二つの位置にそれぞれ設けられている。それぞれのカム部36は、複数(本実施例においては2つ)のカム面36aと、複数(本実施例においては2つ)の回転方向当接部36bと、本実施例においては1つの軸方向当接部36cを有する。カム面36aは、解除部材10の突出部10cと係合する。モータ110が回転し、解除部材10が回転摩擦部材5に対して相対的に回転すると、解除部材10の突出部10cとカム面36aとのカム作用により、回転摩擦部材5を回転軸線Xの方向へ滑り移動させる。回転方向当接部36bは、解除部材10の突出部10cに当接して、回転摩擦部材5に対する解除部材10の相対回転量を規制する。解除部材10の突出部10cが回転方向当接部36bに当接することにより、モータ110の回転を回転摩擦部材5へ伝達し、回転摩擦部材5を回転させる。軸方向当接部36cは、モータ110が停止しているときに、圧縮ばね21のばね力により解除部材10の突出部10cに当接して、回転摩擦部材5の回転軸線Xの方向の移動を規制する。
図12(a)は、モータ110が停止しているときの回転摩擦部材5の回転軸線Xの方向の位置を示し、図12(b)は、モータ110が回転しているときの回転摩擦部材5の回転軸線Xの方向の位置を示している。モータ110が停止しているとき、回転摩擦部材5は、圧縮ばね21のばね力により矢印Bで示す方向に付勢されている。このとき、図12(a)に示すように、解除部材10の突出部10cは、カム部36の軸方向当接部36cに当接して回転摩擦部材5の回転軸線Xの方向への移動を規制する。解除部材10の突出部10cがカム部36の軸方向当接部36cに当接している状態において、弾性変形部材7の摩擦接触部7aは、回転摩擦部材5の摩擦接触部18に接触する。モータ110が回転すると、解除部材10の突出部10cとカム面36aとのカム作用により、回転摩擦部材5は、矢印Aで示す方向へ移動する。図12(a)及び図12(b)から分かるように、回転摩擦部材5は、回転軸線Xの方向に移動量Dだけ移動する。回転摩擦部材5の回転軸線Xの方向の移動量Dは、弾性変形部材7の摩擦接触部7aと回転摩擦部材5の摩擦接触部18との接触部の回転軸線Xの方向の長さより大きい。従って、モータ110が回転して回転摩擦部材5が矢印Aで示す方向へ移動すると、回転摩擦部材5の摩擦接触部18は、弾性変形部材7の摩擦接触部7aから離れる。
このように、カム部36も、カム部16と同様にモータ110の回転に連動して回転摩擦部材5を回転軸線Xの方向へ移動させるとともに解除部材10の回転トルクを回転摩擦部材5へ伝達することができる。
なお、本実施例においては、回転摩擦部材5のカム部が設けられているが、解除部材10にカム部(傾斜面)を設けられてもよいし、回転摩擦部材5及び解除部材10の両方にカム部が設けられていてもよい。解除部材10にカム部を設けた場合、解除部材10のカム部に係合する突出部(係合部)を回転摩擦部材5に設けてもよい。また、回転摩擦部材5及び解除部材10のそれぞれに円盤状カム部を設け、回転摩擦部材5の円盤状カム部が解除部材10の円盤状カム部に係合するようにしてもよい。円盤状カム部は、回転位相に山谷が形成されていてもよい。
本実施例においては、出力部材2のスプライン軸22の外周に圧縮ばね21を設けているので、抵抗発生装置1を小型化することができる。しかし、スプライン軸22に隣接して、又は、スプライン軸22の内側に設けた空間内に圧縮ばね21を設けてもよい。
また、本実施例においては、回転摩擦部材5にスプライン穴(スプライン部)17が設けられ、出力部材2にスプライン軸(スプライン部)22が設けられているが、回転摩擦部材5にスプライン軸を設け、出力部材2にスプライン穴を設けてもよい。スプライン軸及びスプライン穴は、出力部材2に対して回転摩擦部材5を軸線方向へスラスト移動可能に保持するとともに、回転摩擦部材5の回転トルクを出力部材2へ伝達して出力部材2を回転摩擦部材5に同期して回転させる軸線方向移動可能な回転伝達手段を構成する。なお、回転摩擦部材5と出力部材2の係合は、スプライン穴17とスプライン軸22との係合に限らず、回転摩擦部材5と出力部材2の一方に凹部を設け、他方に凸部を設け、凹部と凸部を係合可能とするとともに、凸部が凹部に対して軸線方向Xへスラスト移動可能とする種々の構成を取り得る。
本実施例において、抵抗発生装置1は,モータ110と減速機112との間に設けられている。しかし、抵抗発生装置1は、減速機112とねじ付きスピンドル113との間に設けられていてもよい。すなわち、抵抗発生装置1は、減速機112で減速された駆動力をねじ付きスピンドル113へ伝達し、また、ねじ付きスピンドル113の駆動力を減速機112へ伝達するように構成されていてもよい。