JP6512054B2 - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
上記樹脂組成物の製造方法においては、動的加硫する際、オイルをさらに添加することが好ましい。
樹脂組成物は、マレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体ゴム、ポリプロピレン、油展ゴムを含有する混合物に対して、架橋剤及び従来周知の他の添加物を添加して動的加硫することにより得られる。
<マレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体ゴム>
本実施形態のマレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体ゴムは、エチレン−α−オレフィン・ジエン三元共重合体(EPDM)及びエチレン−α−オレフィン共重合体の少なくともいずれか一方100質量部に対して、無水マレイン酸3〜10質量部と、有機過酸化物0.2〜1.0質量部とを加えて得られる反応生成物である。
ポリプロピレンは、結晶性樹脂であってもよく、非結晶性樹脂であってもよいが、結晶性樹脂であることが好ましい。重合体の数平均分子量は、10万〜40万であることが好ましい。また、JIS K7210に準拠して測定されたメルトフローレートが、0.5〜120であることが好ましい。
<油展ゴム>
油展ゴムは、ゴム成分に、油展成分として鉱物オイル、パラフィン系オイル、ナフテン系オイルなどを添加したものであり、各種押出機、バンバリーミキサー等を用いた溶融混練による動的加硫時の作業を容易にすることを目的として配合される。油展ゴムに配合されるオイルは、パラフィン系、ナフテン系あるいは芳香族炭化水素系等従来周知のものを用いることができる。また、ゴム成分についても、天然ゴム(NR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴム、エチレン−プロピレンゴム等従来周知のものを用いることができる。油展量(PHR)は、特に限定されないが、0.1〜100重量部のものが好ましく、20〜85重量部のものがより好ましい。
<架橋剤>
本発明の樹脂組成物の製造方法では、架橋剤として、金属酸化物を必須成分として、フェノール樹脂系架橋剤又は有機過酸化物系架橋剤の少なくともいずれか一方を用いる。
15の飽和炭化水素基、mは0〜10の整数である。
有機過酸化物系架橋剤は、<マレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体ゴム>欄で例示した有機過酸化物等、従来周知のものを適宜選択して用いることができる。この場合も、該当する市販品を用いることができ、市販品一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、架橋剤とともに、従来周知の架橋促進剤、架橋助剤を適宜添加してもよい。架橋助剤としては、従来周知のジビニルベンザン、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多官能性モノマー等が挙げられる。
マレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体ゴム、ポリプロピレン、及び油展ゴムを含有する混合物中には、必要に応じて、無機フィラー、有機フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、界面活性剤、難燃剤、充填剤、補強剤等を適宜配合することができる。また、公知のカップリング剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、軟化剤、着色剤、無機ないし有機抗菌剤、滑剤、シリコンオイルなども加えることができる。
他の成分についても、従来周知のものの中から適宜選択して用いることができる。
次に、樹脂組成物の製造方法について説明する。
まず、マレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体ゴム、ポリプロピレン、油展ゴム、及び他の添加剤を適宜添加したものを溶融混合して混合物とする。混合物は、ポリプロピレンの融点以上の温度、例えば、160〜250℃の温度範囲で溶融混練することにより得られる。
マレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体ゴムは、α−オレフィン共重合体にマレイン酸由来のカルボキシル基が化学結合した構造を有している。マレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体とポリプロピレンを含有する混合物に、架橋剤を添加して動的加硫することにより、マトリックスであるポリプロピレン樹脂(ハードセグメント)中に、架橋されたマレイン酸変性α−オレフィン系共重合体ゴム(ソフトセグメント)が微分散した状態となる。この場合、架橋剤としてフェノール樹脂又は有機過酸化物の少なくともいずれか一方及び金属酸化物を添加して動的加硫することにより、マレイン酸由来のカルボキシル基と金属イオンとの間にはイオン架橋が形成され、フェノール樹脂又は有機過酸化物との間にはC−C結合に由来する高次架橋構造が形成される。つまり、イオン架橋と、C−C結合に由来する高次架橋構造により高い架橋密度を有するソフトセグメントが、ハードセグメントとしてのポリプロピレン樹脂中に微分散されている状態となっている。これにより、良好な粘度特性に加え、優れた耐へたり性、耐熱性を備えた樹脂組成物を製造することができる。中でも、架橋剤として、フェノール樹脂と金属酸化物を添加して樹脂組成物を製造する製造方法では、金属酸化物に由来するイオン架橋と、フェノール樹脂に由来するフェノール架橋とが形成され、高い架橋密度を有する樹脂組成物が得られる。
(1)樹脂組成物は、マレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体ゴム2.5〜60質量%、ポリプロピレン4〜50質量%、及び油展ゴム30〜90質量%を含有する混合物に対して、架橋剤としてフェノール樹脂又は有機過酸化物の少なくともいずれか一方及び金属酸化物を添加して動的加硫されるものであり、混合物100質量%に対して、フェノール樹脂を0〜8.0質量%、有機過酸化物を0〜1.0質量%、金属酸化物を0.2〜6.0質量%の割合で混合している。
(2)金属イオンによるイオン架橋と、フェノール樹脂によるフェノール架橋により、マレイン酸変性α−オレフィン系共重合体ゴム分子中に、安定した高次架橋構造が形成される。マレイン酸変性α−オレフィン系共重合体ゴムとポリプロピレンとを架橋剤の存在下に動的加硫させることにより、このような高次架橋構造が形成されたゴム分子が、ポリプロピレン樹脂中に微分散され、優れた耐へたり性、耐熱性、熱可塑性を備えた樹脂組成物を得ることができる。
(3)金属イオンによるイオン架橋と、有機過酸化物によるC−C架橋により、マレイン酸変性α−オレフィン系共重合体ゴム分子中に、安定した高次架橋構造が形成される。これにより、優れた熱可塑性、耐へたり性、耐熱性を備えた樹脂組成物を得ることができる。
(イ)マレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体ゴムに架橋構造が形成された構造体を2.5〜60質量%、ポリプロピレンを4〜50質量%、及び油展ゴムを30〜90質量%含有する樹脂組成物であって、前記マレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体ゴム、前記ポリプロピレン、及び前記油展ゴムをあわせた100質量%に対して、前記架橋構造を形成しているフェノール樹脂が0.7〜8質量%、前記架橋構造を形成している金属イオンが0.06〜6.0質量%質量%含まれていることを特徴とする樹脂組成物。
<マレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体ゴム>
樹脂組成物に配合したマレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体ゴム(A)は、α−オレフィン共重合体、酸無水物、有機過酸化物として、以下に示す各成分を二軸押出機で混練溶融して調製した。
<ポリプロピレン>
ポリプロピレン(B1):株式会社プライムポリマー製、商品名:J830HV、メルトフローレート25
ポリプロピレン(B2):SK Global Chemical製、商品名:BX3920、メルトフローレート100
ポリプロピレン(B3):日本ポリプロ株式会社製、商品名:ノバテックPP EC9、メルトフローレート0.5
<油展ゴム>
エチレンープロピレンコポリマー(C1):JSR株式会社製、商品名:EP98、油展量75
エチレンープロピレンコポリマー(C2):JSR株式会社製、商品名:EP102E、油展量50
<架橋剤>
酸化亜鉛(D1):正同化学工業株式会社、商品名:活性亜鉛華AZO
フェノール樹脂系架橋剤(D2):SI Group Inc.製、商品名:SP−1055F
有機過酸化物系架橋剤(D3):2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(日油株式会社製、商品名:パーヘキサ25B)
<他の添加剤>
オイル(E):出光興産株式会社製、商品名:プロセスオイルPW100
フィラー(F1):カオリンクレー(バーゲスピグメント株式会社製、商品名:バーゲスKE)
フィラー(F2):タルク(林化成株式会社製、商品名:GH7)
<樹脂組成物>
(実施例1〜19及び比較例1〜12)
表1に示すように、実施例1〜19及び比較例1〜12では、マレイン酸変性されたα−オレフィン系共重合体ゴム、ポリプロピレン、油展ゴム、及び他の添加剤を、動的架橋が起こる温度条件で溶融混合して混合物を調製し、該混合物に対して、架橋剤を供給して動的加硫を行った。表1に示される各成分の配合量を示す数値の単位は、質量%である。
実施例1〜19及び比較例1〜12の各樹脂組成物について、粘度、外観ブツ、永久圧縮歪み、硬度、低伸長応力、イオン化率を測定した。
Claims (2)
- マレイン酸変性されたエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム2.5〜60質量%、ポリプロピレン4〜50質量%、及び油展ゴム30〜90質量%を含有する混合物に対して、架橋剤としてフェノール樹脂又は有機過酸化物の少なくともいずれか一方及び金属酸化物を添加して動的加硫する樹脂組成物の製造方法であって、
前記混合物100質量%に対して、前記フェノール樹脂を0〜8.0質量%、前記有機過酸化物を0〜1.0質量%、前記金属酸化物を0.2〜6.0質量%、増粘剤としてフィラーを0〜30質量%の割合で混合して動的加硫し、
動的加硫する際、前記混合物100質量%に対して、オイルをさらに0〜60質量%添加することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。 - 樹脂組成物の粘度が60〜400Pa・sである請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
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