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JP6598067B2 - トリアジンジオン化合物 - Google Patents

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JP6598067B2
JP6598067B2 JP2015208908A JP2015208908A JP6598067B2 JP 6598067 B2 JP6598067 B2 JP 6598067B2 JP 2015208908 A JP2015208908 A JP 2015208908A JP 2015208908 A JP2015208908 A JP 2015208908A JP 6598067 B2 JP6598067 B2 JP 6598067B2
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本発明は、新規なトリアジンジオン化合物、および該化合物からなる新規なアルキル化剤、ならびに該化合物を用いる新規なアルキル化方法に関する。
酸触媒アルキル化反応は、塩基性条件下で不安定な化合物中のヒドロキシ基等の官能基を保護するための有用な方法である。本発明者らは、最近、下記式(1):
で表される2,4,6−トリス(ベンジルオキシ)−1,3,5−トリアジン(以下、TriBOTと略称する。)が熱や湿気に対する安定性が高く、取扱い易さの点で優れたアルコール類のベンジル化剤となることを報告した(非特許文献1、2)。また、本発明者らは、TriBOTを用いた酸触媒下でのベンジル化反応の中間体である下記式(2):
で表される6−(ベンジルオキシ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(以下、MonoBOTと略称する。)がベンジル化剤としてTriBOTよりも高い反応性を示すことを報告した(非特許文献3)。
Yamada, K., Fujita, H. and Kunishima, M., Org. Lett., 2012, 14, 5026 Yamada, K., Fujita, H., Kitamura, M. and Kunishima, M., Synthesis, 2013, 45, 2989 藤田光, 国嶋崇隆, 日本薬学会第134年会講演要旨集, 28R-am05S, 2014
MonoBOTは、ベンジル化剤として高い反応性を示すが、非プロトン性溶媒に対する溶解度は極めて低いため、ベンジル化剤の濃度を120mM以上に高めることは困難であった。そして、ベンジル化剤の濃度が希薄な条件下でベンジル化反応を行うと、目的とするベンジル化反応と、TriBOTを用いたベンジル化反応の際にもみられた副反応であるトリアジン環の窒素原子上へのベンジル基の転位反応が競合するため、下記式(3):
及び下記式(4):
で表されるN−ベンジルイソシアヌル酸が副生し、それにより目的とするベンジル化生成物の収率が低下するという課題を有することが分かった。
本発明の目的は、TriBOTやMonoBOTの高い安定性及び高い反応性を維持しつつ、非プロトン性溶媒に対する溶解度を高めると共に、副反応である窒素原子上へのベンジル基の転位反応を抑制することにより、収率良くアルキル化(特に、ベンジル化)を行うことができる新規かつ実用的なアルキル化剤、およびそれを用いるアルキル化方法を提供することである。
本発明者は、かかる状況下、鋭意検討を重ねた結果、MonoBOTにおける2つのNH基の水素原子をアルキル基で置換することにより、MonoBOTと比較して、非プロトン性溶媒に対する溶解性が大幅に改善されることを見出した。また、MonoBOTのベンジル基を種々のアルキル基に変換した下記式(I):
[式中、
、R及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示す。]
で表されるトリアジンジオン化合物[以下、化合物(I)と称する場合がある]をアルキル化剤として酸触媒下、化学量論量用いることにより、TriBOTやMonoBOTにおいてみられた窒素原子上へのR基の転位等の副反応等を抑えることが出来、且つ、緩和な反応条件下、収率良くアルキル化反応を進行させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]式(I):
[式中、
、R及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示す。]
で表される化合物、
[2]R及びRが、それぞれ独立して、置換されていてもよいC1−6アルカノイル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基及び置換されていてもよいC6−10アリール基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC1−6アルキル基であり、且つ
Rが、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基及び置換されていてもよいC6−10アリール基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC1−6アルキル基である、前記[1]記載の化合物、
[3]R及びRが、それぞれ独立して、置換されていてもよいアセチル基、置換されていてもよいビニル基、置換されていてもよいエチニル基及び置換されていてもよいフェニル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC1−4アルキル基であり、且つ
Rが、置換されていてもよいビニル基、置換されていてもよいエチニル基及び置換されていてもよいフェニル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC1−4アルキル基である、前記[1]記載の化合物、
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物からなるアルキル化剤、
[5]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物を用いる、酸触媒存在下での求核化合物のアルキル化方法、並びに
[6]求核化合物が、アルコール、フェノール及びカルボン酸からなる群より選択される化合物である、前記[5]記載の方法等に関する。
本発明によれば、前記TriBOTやMonoBOTの問題点を全て解決することが出来る。すなわち、本発明の化合物(I)は、非プロトン性溶媒への溶解性が顕著に向上すると共に、副反応を完全に抑えることが出来、化学量論量の使用により、酸触媒条件下、アルコールをはじめとする種々の求核化合物のアルキル化を高収率で進行させることが出来るので、アルキル化剤として有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
(定義)
本明細書中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
本明細書中、「置換されていてもよいアルキル基」における「アルキル基」とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1以上のアルキル基を意味し、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくは、C1−12アルキル基であり、中でも、C1−6アルキル基がより好ましく、C1−4アルキル基が特に好ましい。
本明細書中、「C1−6アルキル基」の好適な具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。また、「C1−4アルキル基」の好適な具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等が挙げられる。中でも、特にメチル、エチルまたはtert−ブチルが好ましい。
本明細書中、「アルケニル基」としては、直鎖状または分岐鎖状のC2−6アルケニル基等が好ましく、中でも、1−C2−6アルケニル基(C2−6アルケン−1−イル基)が好ましい。1−C2−6アルケニル基の好適な具体例としては、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、1−ヘキセニル等が挙げられ、ビニル基が特に好ましい。
本明細書中、「アルキニル基」としては、C2−6アルキニル基等が好ましく、中でも、1−C2−6アルキニル基(C2−6アルキン−1−イル基)が好ましい。1−C2−6アルキニル基の好適な具体例としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、1−ヘキシニル等が挙げられ、中でも、エチニル基が特に好ましい。
本明細書中、「シクロアルキル基」とは、炭素原子数3以上の環状アルキル基を意味し、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくは、C3−8シクロアルキル基であり、より好ましくは、C3−6シクロアルキル基である。「C3−8シクロアルキル基」の好適な具体例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。
本明細書中、「C6−10アリール基」における「アリール基」とは、芳香族性を示す単環式あるいは多環式(縮合)の炭化水素基を意味し、「C6−10アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルが挙げられ、中でも、フェニルが特に好ましい。
本明細書中、「アルコキシ基」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1以上のアルコキシ基を意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C1−6アルコキシ基である。「C1−6アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられ、中でも、メトキシ、エトキシが特に好ましい。
本明細書中、「アシル基」としては、例えば、直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルカノイル基、C7−13アロイル基等が挙げられる。「C1−6アルカノイル基」としては、具体的には、例えば、ホルミル、アセチル、n−プロピオニル、イソプロピオニル、n−ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、バレリル、ヘキサノイル等が挙げられ、「C7−13アロイル基」としては、具体的には、ベンゾイル、ナフトイル等が挙げられる。また、これらはそれぞれ置換されていてもよい。
本明細書中、「置換されていてもよい」における「置換基」には、前記のハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、アシル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基の他、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、グアニジル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ部は前記アルコキシ基と同様)、スルホ基、ホスホ基、C1−6アルキルチオ基(アルキル部は前記アルキル基と同様)、C1−6アルキルスルフィニル基(アルキル部は前記アルキル基と同様)、C1−6アルキルスルフォニル基(アルキル部は前記アルキル基と同様)、アミノ基、モノ(C1−6アルキル)アミノ基(アルキル部は前記アルキル基と同様)、ジ(C1−6アルキル)アミノ基(アルキル部は前記アルキル基と同様)、アシルアミノ基(アシル部は前記アシル基と同様)、オキソ基などが包含される。また、複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
上記置換基は、さらに上記置換基で置換されていてもよい。置換基の数は、置換可能な数であれば特に限定されないが、好ましくは1乃至5個、より好ましくは1乃至3個である。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、同一でも異なっていてもよい。
本明細書中、「アルキル化剤」又は「アルキル化方法」における「アルキル化」には、無置換のアルキル基を導入する反応だけでなく、置換アルキル基を導入する反応も包含される。置換アルキル基の導入によるアルキル化の具体例としては、例えば、アリル化、プロパルギル化、ベンジル化等が挙げられる。
本明細書中、「酸触媒」としては、例えば、鉱酸類(塩酸、臭化水素酸、硫酸、塩化水素など)、カルボン酸類(酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸など)、スルホン酸類(メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸(以下、「TfOH」と称する場合がある。)など)、ルイス酸類(三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体(以下、「BF・EtO」と称する場合がある。)、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)(以下、「Sc(OTf)」と称する場合がある。)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(III)(以下、「Cu(OTf)」と称する場合がある。)、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(以下、「TMSOTf」と称する場合がある。)、塩化アルミニウム、塩化スズ、臭化亜鉛など)等を使用することができる。中でも、プロトン酸として、好ましくは、TfOHであり、ルイス酸として、好ましくは、BF・EtO、Sc(OTf)、Cu(OTf)またはTMSOTfである。
本明細書中、「求核化合物」とは、孤立電子対をもつ化合物、またはアニオン類を意味し、該「求核化合物」としては、例えば、アルコール類、チオール類、アミン類、カルボン酸類、セレノール類、ホスフィン類、フェノール類、芳香族化合物、アミド類、β−ジカルボニル化合物等が挙げられ、中でも、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類等が好ましく、アルコール類が特に好ましい。
(本発明の化合物)
本発明の化合物は、下記式(I):
[式中、
、R及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示す。]
で表されるトリアジンジオン化合物(化合物(I))である。
以下、化合物(I)の各基について説明する。
及びRは、それぞれ独立して、置換されていてもよいアルキル基を示す。
及びRは、それぞれ独立して、好ましくは、置換されていてもよいC1−6アルカノイル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基及び置換されていてもよいC6−10アリール基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC1−6アルキル基である。
及びRは、それぞれ独立して、より好ましくは、置換されていてもよいアセチル基、置換されていてもよいビニル基、置換されていてもよいエチニル基及び置換されていてもよいフェニル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC1−4アルキル基である。
及びRは、それぞれ独立して、特に好ましくは、ハロゲン原子で置換されていてもよいアセチル基、C1−6アルキル基又は置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよいビニル基、C1−6アルキル基又は置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよいエチニル基及び置換されていてもよいフェニル基からなる群より選択される基により置換されたメチル基、または無置換のC1−4アルキル基である。
Rは、置換されていてもよいアルキル基を示す。
Rは、好ましくは、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基及び置換されていてもよいC6−10アリール基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC1−6アルキル基である。
Rは、より好ましくは、置換されていてもよいビニル基、置換されていてもよいエチニル基及び置換されていてもよいフェニル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC1−4アルキル基である。
Rは、特に好ましくは、C1−6アルキル基又は置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよいビニル基、C1−6アルキル基又は置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよいエチニル基及び置換されていてもよいフェニル基からなる群より選択される基により置換されたメチル基、あるいは無置換のC1−4アルキル基である。。
化合物(I)としては、以下の化合物が好適である。
[化合物(IA)]
及びRが、それぞれ独立して、置換されていてもよいC1−6アルカノイル基、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基及び置換されていてもよいC6−10アリール基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC1−6アルキル基であり;且つ
Rが、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC2−6アルキニル基及び置換されていてもよいC6−10アリール基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC1−6アルキル基である、化合物(I)。
[化合物(IB)]
及びRが、それぞれ独立して、置換されていてもよいアセチル基、置換されていてもよいビニル基、置換されていてもよいエチニル基及び置換されていてもよいフェニル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC1−4アルキル基であり;且つ
Rが、置換されていてもよいビニル基、置換されていてもよいエチニル基及び置換されていてもよいフェニル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC1−4アルキル基である、化合物(I)。
[化合物(IC)]
及びRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよいアセチル基、C1−6アルキル基又は置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよいビニル基、C1−6アルキル基又は置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよいエチニル基及び置換されていてもよいフェニル基からなる群より選択される基により置換されたメチル基、または無置換のC1−4アルキル基であり;且つ
Rが、C1−6アルキル基又は置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよいビニル基、C1−6アルキル基又は置換されていてもよいフェニル基で置換されていてもよいエチニル基及び置換されていてもよいフェニル基からなる群より選択される基により置換されたメチル基、あるいは無置換のC1−4アルキル基である、化合物(I)。
好適な化合物(I)としては、具体的には、後述する実施例に記載の化合物(I−1)〜化合物(I−4)が挙げられる。
本発明の化合物(I)が、酸性基または塩基性基を有する場合に、塩基又は酸と反応させることにより、塩基性塩又は酸性塩にすることができる。化合物(I)が、そのような塩の形態を取り得る場合には、その塩も本発明の化合物(I)に含まれる。
化合物(I)の「塩基性塩」としては、好適には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;N−メチルモルホリン塩、トリエチルアミン塩、トリブチルアミン塩、tert−ブチルアミン塩、ジイソプロピルエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチルピペリジン塩、ピリジン塩、4−ピロリジノピリジン塩、ピコリン塩のような有機塩基塩類又はグリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり、より好適には、アルカリ金属塩である。
化合物(I)の「酸性塩」としては、好適には、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリ−ルスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマール酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり、最も好適には、ハロゲン化水素酸塩(特に、塩酸塩)である。
化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体等の異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も化合物(I)に包含される。例えば、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(例、濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶)によりそれぞれを単品として得ることができる。
化合物(I)は、溶媒和物であっても、無溶媒和物であってもよい。
化合物(I)はまた、同位元素(例、H、14C等)などで標識されていてもよい。
さらに、化合物(I)は、重水素変換体であってもよい。
(化合物(I)の合成)
化合物(I)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、以下のような反応を経て合成することができる。
なお、以下の反応式中の各工程で得られた化合物は、反応液のままか粗生成物として次の反応に用いることもできる。あるいは、該化合物は常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの通常の分離手段により容易に精製することができる。
本発明の化合物(I)は、例えば、以下の製造方法により製造することができる。
(製造方法)
[式中、Xは、脱離基を示し、他の記号は、前記と同義である。]
工程1
当該工程は、塩化シアヌル(化合物(1a))の3個のクロロ基のうちの1個をORで置換する工程である。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、塩基存在下、化合物(1a)をアルコール(ROH)と反応させることにより行われる。
ROHの使用量は、化合物(1a)1モルに対して、通常、1〜1.2モルである。
塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン)、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、テトラメチルグアニジン等の有機塩基類等が挙げられ、中でもトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基が好ましい。
該塩基の使用量は、化合物(1a)1モルに対して、通常1〜2モルであり、好ましくは、1〜1.2モルである。
溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;1,4−ジオキサン、THF、ジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、DME、ジグリム等のエーテル類;ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類が挙げられ、中でもジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が特に好ましい。
反応温度は、通常−30℃〜40℃、好ましくは0℃〜室温である。
反応時間は、通常0.1〜30時間である。
工程2
当該工程は、化合物(1b)のクロロ基をヒドロキシ基へと変換することにより、化合物(1c)(化合物(1c)は、通常、その互変異性体である化合物(1c’)の状態で安定に存在する)を製造する工程である。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、カルボン酸塩および3級アミンを用いて行われる。
カルボン酸塩の使用量は、化合物(1b)1モルに対して、通常1〜10モルであり、好ましくは、1〜5モルである。
3級アミンの使用量は、化合物(1b)1モルに対して、通常0.1〜1モルであり、好ましくは、0.2〜0.4モルである。
カルボン酸塩としては、カルボン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩であればよく、カルボン酸の種類は問わない。具体的には、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸テトラエチルアンモニウム等が挙げられるが、実用的観点から、酢酸ナトリウムが特に好ましい。
3級アミンとしては、化合物(1b)と反応してトリアジニルアンモニウム塩を形成するものであればよく、具体的には、例えば、4−メチルモルホリン(N−メチルモルホリン:NMM)、メチルピペリジン、ジエチルメチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、キヌクリジン、メチルピロリジン等が挙げられ、中でもNMMが特に好ましい。
溶媒としては、反応基質を溶解するものであればよく、例えば、THF等のエーテル類、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(2−プロパノール)、ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒、水、水−THF混合溶媒、水−アルコール系混合溶媒等が挙げられ、中でも水−THF混合溶媒が好ましい。
反応温度は、通常−30℃〜100℃、好ましくは0℃〜40℃である。
反応時間は、通常0.1〜30時間である。
工程3
当該工程は、化合物(1c’)の2個のNHの水素原子を、それぞれR及びR(アルキル基)へと変換することにより、化合物(I)を製造する工程である。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、塩基の存在下で対応するアルキル化剤RX及びRXを用いて順次行われる。
該アルキル化剤(RX又はRX)の脱離基Xとしては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等)、アリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、2−ニトロベンゼンスルホニル基等)等が挙げられるが、中でもハロゲン原子、2−ニトロベンゼンスルホニル基等が特に好ましい。
アルキル化剤の使用量は、化合物(1c’)1モルに対して、通常1〜3モルであり、好ましくは、1〜2モルである
塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸アルカリ金属;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属;トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン)、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、テトラメチルグアニジン等の有機塩基類等が挙げられ、中でも炭酸セシウム、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等が好ましい。
該塩基の使用量は、化合物(1c’)1モルに対して、通常1〜3モルであり、好ましくは、1〜2モルである。
溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類;1,4−ジオキサン、THF、ジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、DME、ジグリム等のエーテル類;ジメチルスルホキシド(DMSO);N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド類が挙げられ、中でもDMSOが特に好ましい。
反応温度は、通常−30℃〜120℃、好ましくは10℃〜100℃である。
反応時間は、通常0.1〜30時間である。
化合物(I)におけるRがRと同一の基である場合には、本工程3において、RX(又はRX)及び塩基を、それぞれ前記の2倍量用いることで、一回の反応により所望のアルキル基を導入することができる。
(化合物(I)を用いる求核化合物のアルキル化方法)
本発明の化合物(I)は、各種求核化合物(例えば、アルコール、フェノール、チオール、アミン、セレノール、ホスフィン、芳香族化合物(例えば、置換されていてもよいベンゼン類、置換されていてもよいナフタレン類、置換されていてもよいアントラセン類、置換されていてもよいインドール類、置換されていてもよいピロール類等)、カルボン酸、アミド、β−ジカルボニル化合物(例えば、β−ジケトン類、β−ケトエステル類、β−ジエステル等)等)のアルキル化剤、特に、C−またはO−アルキル化剤、として使用することができる。
本発明のアルキル化方法は、例えば、以下のように実施することができる。
以下に化合物(I)を用いる求核化合物のアルキル化方法の代表例として、アルコールのベンジル化方法について説明する。
[式中、Rは、置換されていてもよいアルキル基を示し、Rはベンジル基を示し、他の記号は、前記と同義である。]
アルコール類のベンジル化反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、酸触媒存在下、アルコール類(R−OH)を化合物(I)と反応させることにより進行する。本反応は、必要に応じてモレキュラーシーブ(例、モレキュラーシーブ5A)存在下で行ってもよい。
当該ベンジル化方法に使用する溶媒としては、反応に影響を及ぼさない溶媒であれば、特に限定されないが、非プロトン性溶媒を好適に使用することができる。非プロトン性溶媒としては、具体的には、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、DME、THF、ジグリム、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、またはそれらの混合溶媒等が挙げられ、中でも1,4−ジオキサン、DME又はジクロロメタン−ジエチルエーテル混合溶媒が特に好ましい。
化合物(I)の使用量は、アルコール類1モルに対して、通常1〜1.2モルであり、好ましくは、1.2モルである。
酸触媒としては、前記したものを使用することができる。
酸触媒の使用量は、アルコール類1モルに対して、通常0.01〜0.3モルであり、好ましくは、0.05〜0.2モルである。
反応温度は、通常0℃〜100℃であり、好ましくは室温〜60℃である。
反応時間は、通常0.1〜24時間である。
反応液中の化合物(I)の濃度は、通常0.05〜0.5Mであり、好ましくは0.1〜0.3Mである。
本発明の化合物(I)をアルキル化剤(ベンジル化剤)として用いるアルキル化(ベンジル化)方法によれば、ベンジル化剤としてTriBOTやMonoBOTを使用した場合と比較して、ベンジル基のトリアジン環上の窒素原子への転位等の副反応を完全に抑制でき、また、アルキル化剤の溶媒に対する溶解性も向上し、高濃度での反応も可能であるので、化学量論量の化合物(I)の使用(求核化合物1モルに対して、ほぼ1モルの化合物(I)の使用)によりベンジル化を短時間で収率良く行うことができる。
以下に実施例及び実験例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
反応は、Merck 60 F254 シリカゲルプレート(厚さ0.25mm)を用いて、薄層クロマトグラフィーによりモニターした。
H及び13C−NMRスペクトルは、JEOL ECS400またはECS600を用い、重クロロホルムまたは重メタノールを溶媒として測定した。H−NMRについてのデータは、化学シフト(δppm)、多重度(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、m=マルチプレット、dd=ダブルダブレット、tdd=トリプルダブルダブレット、br s=ブロードシングレット)、カップリング定数(J)(Hz)、積分及び割当てとして報告する。
高分解能質量スペクトル解析(HRMS)は、JEOL JMS-SX102Aを用いて実行した。
融点(mp)測定は、柳本微量融点測定器を用いて行った。
元素分析は、Yanaco CHN Corder MT−5を用いて実行した。
分取薄層クロマトグラフィーは、Merck 60 F254 シリカゲルプレート(厚さ0.5mm)を用いて行った。フラッシュクロマトグラフィーは、関東化学株式会社(日本、東京)のシリカゲル60Nを用いて行った。
以下の実施例中の「室温」は通常約10℃ないし約30℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、収率についてはmol/mol%を、その他については重量%を示す。
実施例で使用される略号は、以下のとおりである。
Bn:ベンジル基
MS:モレキュラーシーブ
NMM:4−メチルモルホリン
AcONa:酢酸ナトリウム
iPrEtN:ジイソプロピルエチルアミン
以下の実施例において、化合物(I)の合成に使用した原料化合物である2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(塩化シアヌル)は、市販品(東京化成工業株式会社製)をそのまま使用した。その他の原料化合物は、市販品をそのまま使用するか、又は自体公知の方法(例えば、Kunishima, M. et al., Tetrahedron Lett., 2002, Vol. 43, No. 18, pp. 3323-3326)若しくはこれらに準ずる方法に従って製造することができる。
(実施例1)
6−(ベンジルオキシ)−1,3−ジメチル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(I−1))の合成
(1)2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの合成
乾燥させたナスフラスコ中、窒素雰囲気下、0℃の塩化シアヌル(7.38g、40.0mmol)のジクロロメタン(70.0mL)溶液にベンジルアルコール(4.12mL、40.0mmol)とエチルジイソプロピルアミン(7.70mL、44.0mmol)のジクロロメタン(35.0mL)溶液を5分間かけて滴下した後、ジクロロメタン(5mL)で洗い込みを行った。混合物を0℃で1時間、室温で1.5時間撹拌した後、反応液を1M塩酸(110mL)及び飽和食塩水(50mL)で順次洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、ヘキサンから再結晶し、2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン(9.45g、収率92%)を無色結晶として得た。
m.p.86−88℃;
H−NMR(400MHz,CDCl):δ 7.49−7.33(m,5H),5.53(s,2H);
13C−NMR(100MHz,CDCl):δ 172.7,171.0,133.8,129.2,128.9,128.8,71.9;
Anal. Calcd for C10ClO:C,46.90;H,2.76;N,16.41.Found:C,47.13;H,2.92;N,16.32;
HRMS(DART)Calcd For C10ClO([M+H]):256.0044,Found:256.0016;
IR(KBr):1541,1508,1429,1362,1300,1255,1057cm−1.
(2)6−(ベンジルオキシ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオンの合成
ナスフラスコに2−(ベンジルオキシ)−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン(1.28g、5.00mmol)、酢酸ナトリウム(2.05g、25.0mmol)、4−メチルモルホリン(NMM)(110μL、1.00mmol)、テトラヒドロフラン(10.0mL)、水(10.0mL)を加え、0℃で1時間、室温で19時間撹拌した後、1M塩酸(1.0mL)を加えた。テトラヒドロフランを減圧留去して生じた沈殿を濾取した後、エタノールから再結晶し、6−(ベンジルオキシ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(923.4mg、収率84%)を無色結晶として得た。
m.p.200℃(decomp.);
H−NMR(600MHz,DMSO−d):δ 12.24(br s,1H),11.07(br s,1H),7.48−7.34(m,5H),5.35(s.1H);
13C−NMR(150MHz,DMSO−d):δ 162.3,153.9,135.1,128.49,128.45,128.42,69.2;
Anal. Calcd for C10:C,54.79;H,4.14;N,19.17.Found:C,54.71;H,4.12;N,19.10;
HRMS(DART)Calcd For C1010([M+H]):220.0722,Found:220.0708;
IR(KBr):3076,1751,1736,1684,1578,1313cm−1.
(3)6−(ベンジルオキシ)−1,3−ジメチル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(I−1))の合成
乾燥させた試験管に6−(ベンジルオキシ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(109.6mg、0.500mmol)、炭酸セシウム(358mg、1.10mmol)、ジメチルスルホキシド(1.00mL)を加えた懸濁液に、ヨウ化メチル(68.5μL、1.10mmol)を加え、室温、窒素雰囲気下、40分間撹拌した。反応終了後、冷水に反応液を加え、酢酸エチル(10mL)で4回抽出し、集めた有機層を水(30mL)で2回、飽和食塩水(30mL)で1回洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、酢酸エチルを留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、6−(ベンジルオキシ)−1,3−ジメチル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(111mg、収率90%)を無色結晶として得た。
m.p.109−110℃;
H−NMR(CDCl,400MHz):δ 7.52−7.39(m,5H),5.49(s,2H),3.37(s,3H),3.36(s,3H);
13C−NMR(CDCl,400MHz):δ 158.8,154.6,151.1,133.9,129.2,128.9,128.8,71.8,29.4,29.2;
Anal.Calcd for C1213:C,58.29;H,5.30;N,17.00.Found:C,58.23;H,5.48;N,17.02;
HRMS(DART)Calcd for C1214([M+H]):248.1035,Found:248.1051;
IR(KBr):3060,2956,1671,1616,1600,1583,1500.
(実施例2)
6−(ベンジルオキシ)−1,3−ジアリル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(I−2))の合成
乾燥させた試験管に実施例1の工程(2)で得られた6−(ベンジルオキシ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(109.6mg、0.500mmol)、炭酸セシウム(358mg、1.10mmol)、ジメチルスルホキシド(1.00mL)を加えた懸濁液に、臭化アリル(92.4μL、1.10mmol)を加え、室温、窒素雰囲気下、1.5時間撹拌した。反応終了後、冷水に反応液を加え、酢酸エチル(10mL)で4回抽出し、集めた有機層を水(30mL)で2回、飽和食塩水(30mL)で1回洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、酢酸エチルを留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、6−(ベンジルオキシ)−1,3−ジアリル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(100mg、収率67%)を無色結晶として得た。
m.p.65−66℃;
H−NMR(CDCl,600MHz):δ 7.41−7.39(m,5H),5.90(tdd,J=6.0,10.1,17.2,1H),5.81(tdd,J=6.0,10.3,17.0,1H),5.48(s,2H),5.30(dd,J=1.4,17.2,1H),5.23−5.20(m,2H),5.18(dd,J=17.0,1.0,1H),4.51(d,J=6.0,2H),4.47(d,J=6.0,2H);
13C−NMR(CDCl,400MHz):δ 158.4,153.8,150.2,133.8,131.1,130.5,129.1,128.8,128.6,119.1,118.5,71.8,44.9,44.6;
Anal.Calcd for C1617:C,64.20;H,5.72;N,14.04.Found:C,64.09;H,5.71;N,13.96;
HRMS(DART)Calcd for C1618([M+H]):300.1348,Found:300.1374;
IR(KBr):3083,2985,2958,1735,1685,1610,1479.
(実施例3)
6−(ベンジルオキシ)−1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(I−3))の合成
乾燥させた試験管に実施例1の工程(2)で得られた6−(ベンジルオキシ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(109.6mg、0.500mmol)、炭酸セシウム(358mg、1.10mmol)、ジメチルスルホキシド(1.00mL)を加えた懸濁液に、臭化ベンジル(130.7μL、1.10mmol)を加え、室温、窒素雰囲気下、1時間撹拌した。反応終了後、冷水に反応液を加え、酢酸エチル(10mL)で4回抽出し、集めた有機層を水(30mL)で2回、飽和食塩水(30mL)で1回洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、酢酸エチルを留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、6−(ベンジルオキシ)−1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(150mg、収率75%)を無色油状物として得た。
H−NMR(CDCl,400MHz):δ 7.51−7.48(m,2H),7.40−7.19(m,13H),5.43(s,2H),5.10(s,2H),5.00(s,2H);
13CNMR(CDCl,400MHz):δ 158.4,154.1,151.0,136.3,135.1,133.6,129.2,129.1,129.0,128.8,128.7,128.5,128.5,128.3,127.9,72.1,46.2,45.9;
Anal.Calcd for C2421:C,72.17;H,5.30;N,10.52.Found:C,71.86;H,5.29;N,10.44;
HRMS(DART)Calcd for C2422([M+H]):400.1661,Found:400.1659;
IR(CHCl):3041,3012,1739,1679,1606,1473,1452,1438.
(実施例4)
6−(ベンジルオキシ)−1,3−プロパルギル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(I−4))の合成
乾燥させたナスフラスコに実施例1の工程(2)で得られた6−(ベンジルオキシ)−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(658mg、3.00mmol)、炭酸セシウム(2.15g、6.60mmol)、ジメチルスルホキシド(6.00mL)を加えた懸濁液に、臭化プロパルギル(494μL、6.60mmol)を加え、室温、窒素雰囲気下、2時間撹拌した後、臭化プロパルギル(67.3μL、0.90mmol)を追加してさらに1時間撹拌した。反応終了後、冷水に反応液を加え、酢酸エチル(10mL)で4回抽出し、集めた有機層を水(30mL)で3回、飽和食塩水(30mL)で1回洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、酢酸エチルを留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、6−(ベンジルオキシ)−1,3−ジプロパルギル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン(171mg、収率19%)を無色結晶として得た。
m.p.150−151℃;
H−NMR(CDCl,400MHz):δ 7.49−7.37(m,5H),5.54(s,2H),4.68(d,J=2.3,2H),4.66(d,J=2.3,2H),2.29(t,J=2.3,1H),2.23(t,J=2.3,1H);
13C−NMR(CDCl,400MHz):δ 158.0,152.8,149.4,133.6,129.3,128.9,128.8,77.3,76.4,73.0,72.5,71.7,32.5,32.1;
Anal.Calcd for C1613:C,65.08;H,4.44;N,14.23.Found:C,64.97;H,4.44;N,14.23;
HRMS(DART)Calcd for C1614([M+H]):296.1035,Found:296.1062;
IR(KBr):3289,3257,1741,1685,1608,1475,1446.
(実験例1)
化合物(I)(化合物(I−1))とMonoBOTの各種非プロトン性溶媒に対する溶解性の比較試験
代表的な非プロトン性溶媒(1,4−ジオキサン、DME、ジクロロメタン又はジエチルエーテル)に対する化合物(I−1)とMonoBOTの溶解性を調べた。結果を表1に示す。
その結果、化合物(I−1)は、MonoBOTに比較して、いずれの非プロトン性溶媒に対しても顕著に高い溶解性を示すことが分かった。
(実験例2)
化合物(I)を用いる3−フェニル−1−プロパノールのベンジル化反応の反応条件の検討とMonoBOTを用いた場合との比較
化合物(I−1)、化合物(I−2)、化合物(I−3)又は化合物(I−4)を用いる3−フェニル−1−プロパノールのベンジル化反応の反応条件を検討した。また、MonoBOTをベンジル化剤として用いた場合との比較実験を行った。結果を表2に示す。
その結果、MonoBOTを用いた場合には、ベンジル基の分子内転位体である化合物3及び4の副生が認められたが、本発明の化合物(I)をベンジル化剤として用いた場合には、副反応は完全に抑えられ、ベンジルエーテル化合物(5)のみが収率良く得られた。また、本発明の化合物(I)を用いることにより、酸触媒の添加量を低減させても高収率でベンジル化が進行することが分かった。更に、実験例1で示した通り、本発明の化合物(I)は、MonoBOTと比較して各種非プロトン性溶媒に対して高い溶解性を示すので、反応溶媒として、1,4−ジオキサンのみならず、DMEやジクロロメタン−ジエチルエーテル混合溶媒を溶媒として用いた場合でも収率良くベンジル化反応が進行することが分かった。
(実験例3)
化合物(I)(化合物(I−1))を用いる3−フェニル−1−プロパノール(塩基性条件下で安定な化合物)のベンジル化反応
試験管に活性化したモレキュラーシーブ5A(33.3mg)、3−フェニル−1−プロパノール(54.5μL、0.400mmol)、化合物(I−1)(118.7mg、0.480mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)(3.51μL、0.0400mmol)及び1,4−ジオキサン(1.33mL)を加え、室温、窒素雰囲気下、5時間撹拌後、ピリジン(32.2μL、0.400mmol)を加えて反応を停止させた。酢酸エチル(10mL)を加え、綿栓濾過後、水(10mL)で洗浄し、水層を再び酢酸エチル(10mL)で抽出して、集めた有機層を飽和食塩水(10mL)で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで洗浄した後、酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーおよびリサイクルカラムクロマトグラフィーにより分離精製し、ベンジル3−フェニルプロピルエーテル(81.3mg、収率90%)を得た。
(実験例4)
化合物(I)(化合物(I−1))を用いる2−(2−クロロエトキシ)エタノール(塩基性条件下で不安定な化合物)のベンジル化反応
試験管に活性化したモレキュラーシーブ5A(6.7mg)、2−(2−クロロエトキシ)エタノール(42.2μL、0.400mmol)、化合物(I−1)(118.7mg、0.480mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(3.51μL、0.0400mmol)、1,4−ジオキサン(1.33mL)を加え、室温、窒素雰囲気下、4時間撹拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に反応液を加え、酢酸エチル(10mL)で2回抽出し、飽和食塩水(20mL)で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで洗浄した後、酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製し、ベンジル2−(2−クロロエトキシ)エチルエーテル(76.9mg、収率90%)を得た。
(実験例5)
化合物(I)(化合物(I−1))を用いる種々のアルコールのベンジル化反応
実験例3又は4の方法に従い、種々のアルコールのベンジル化を行った。結果を表3に示す。
表3の結果から、塩基性条件下で分解しやすいクロロ基やアセトキシ基を有する基質を用いた場合でも、高収率で対応するベンジルエーテルが得られることが分かった。また、酸性条件下で不安定な第2級アルコールや第3級アルコールのベンジル化においても、TriBOTを用いた場合よりも高い収率で対応するベンジルエーテル体が得られた。
以上の結果より、化合物(I)をアルキル化剤として使用することにより、TriBOTやMonoBOTの課題であったベンジル基の分子内転位等の副反応や非プロトン性溶媒への低溶解性を全て解決することができ、化学量論量(求核化合物1モルに対して、約1モル)の化合物(I)の使用により緩和な条件下で収率良く求核化合物のアルキル化反応を行えることが分かった。
本発明の化合物(I)は、空気中、室温下で安定且つ取扱い易い固体として得られ、また、アルキル化剤として高い反応性を有しているので、緩和な条件下でアルコールをはじめとする種々の求核化合物のアルキル化を高収率で進行させることができる。また、本発明によれば、化合物(I)においては、TriBOTやMonoBOTにおいてみられるようなアルキル基の分子内転位等の副反応が起こらず、また、TriBOTやMonoBOTと比較して各種非プロトン性溶媒への溶解性が顕著に向上することから、化合物(I)を過剰量用いることなく、緩和な反応条件下で目的のアルキル化反応のみを短時間で収率良く進行させることが可能な実用的なアリールメチル化剤を提供することができる。

Claims (5)

  1. 式(I):

    [式中、
    及び 、それぞれ独立して、置換されていてもよいC 2−6 アルケニル基及び置換されていてもよいC 2−6 アルキニル基からなる群より選択される基により置換されたC 1−6 アルキル基を示し、且つ
    Rが、置換されていてもよいフェニル基により置換されたC 1−6 アルキル基を示す。]
    で表される化合物。
  2. 及びRが、それぞれ独立して、置換されていてもよいビニル基及び置換されていてもよいエチニル基からなる群より選択される基により置換され1−4アルキル基であり、且つ
    Rが、置換されていてもよいフェニル基により置換されたメチル基である、請求項1記載の化合物。
  3. 式(I):

    [式中、
    及びR は、それぞれ独立して、置換されていてもよいC 2−6 アルケニル基及び置換されていてもよいC 2−6 アルキニル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC 1−6 アルキル基を示し、且つ
    Rが、置換されていてもよいフェニル基により置換されたC 1−6 アルキル基を示す。]
    で表される化合物からなるアルキル化剤。
  4. 及びR が、それぞれ独立して、置換されていてもよいビニル基及び置換されていてもよいエチニル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいC 1−4 アルキル基であり、且つ
    Rが、置換されていてもよいフェニル基により置換されたメチル基である、請求項3記載のアルキル化剤
  5. 請求項3又は4に記載のアルキル化剤を用いる、酸触媒存在下でのアルコール、フェノール及びカルボン酸からなる群より選択される化合物のアルキル化方法。
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