JP6597316B2 - 画像処理装置及びプログラム - Google Patents
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Description
多重染色に基づく解析を行う場合には、複数種類の生体物質を正確に判別する必要がある。しかし、発光特性が互いに異なる蛍光物質の間のクロストークなどの要因により、複数種類の生体物質の発現を表す蛍光輝点を正確に判別することは難しく、解析結果に誤差が発生しやすいという問題がある。
また、特許文献2で具体的に用いられているような、発光輝度が高い蛍光体を用いて染色を行う場合、画像からの蛍光輝点の抽出や、細胞の自家蛍光と蛍光輝点の判別は容易となる。しかし、同時に、発光特性が異なる複数の蛍光物質の間のクロストークの影響が増大して、フィルタ設定等のみで区別することが難しくなると考えられる。具体的には、1種類の蛍光物質の発光に基づく蛍光輝点を抽出する際に、別の種類の生体物質の発光を示す蛍光輝点も共に抽出されやすく、定量結果に誤差が生じやすくなる。
本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
前記形態画像から前記細胞又は細胞内器官の領域を抽出する領域抽出手段と、
前記蛍光画像から前記蛍光輝点を抽出する輝点抽出手段と、
前記領域及び前記蛍光輝点に基づいて、前記蛍光輝点が表す生体物質の種類を判定する判定手段と、
を備え、
前記判定手段は、以下の(a)、(b)、及び(c)の少なくとも何れか1つに基づいて、前記蛍光輝点が表す生体物質の種類を判定する
ことを特徴とする画像処理装置。
(a)前記蛍光輝点と最も近い前記細胞又は細胞内器官の距離。
(b)前記蛍光輝点が前記細胞又は細胞内器官に内包されるかどうか。
(c)前記蛍光輝点と最も近い前記細胞又は細胞内器官の特徴量。
2. 発光特性が互いに異なる複数種類の蛍光物質を用いて複数種類の特定物質をそれぞれ染色した組織標本を撮像した、前記複数種類の特定物質の存在を蛍光輝点で示す蛍光画像、及び前記組織標本を撮像した、細胞又は細胞内器官の形態を表す形態画像を入力する入力手段と、
前記形態画像から前記細胞又は細胞内器官の領域を抽出する領域抽出手段と、
前記蛍光画像から前記蛍光輝点を抽出する輝点抽出手段と、
前記領域及び前記蛍光輝点に基づいて、前記蛍光輝点が表す特定物質の種類を判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
ことを特徴とする、第2項に記載の画像処理装置。
ことを特徴とする第2項又は第3項に記載の画像処理装置。
(a)前記蛍光輝点と最も近い前記細胞又は細胞内器官の距離。
(b)前記蛍光輝点が前記細胞又は細胞内器官に内包されるかどうか。
(c)前記蛍光輝点と最も近い前記細胞又は細胞内器官の特徴量。
ことを特徴とする、第2項〜第5項の何れか一項に記載の画像処理装置。
ことを特徴とする第2項〜第6項の何れか一項に記載の画像処理装置。
前記蛍光輝点が前記複数種類の特定物質のそれぞれを表す確率を算出して、
前記蛍光輝点が表す特定物質の種類を判定する
ことを特徴とする第2項〜第6項の何れか一項に記載の画像処理装置。
ことを特徴とする第7項に記載の画像処理装置。
発光特性が互いに異なる複数種類の蛍光物質を用いて複数種類の特定物質をそれぞれ染色した組織標本を撮像した、前記複数種類の特定物質の存在を蛍光輝点で示す蛍光画像、及び前記組織標本を撮像した、細胞又は細胞内器官の形態を表す形態画像を入力する入力手段、
前記形態画像から前記細胞又は細胞内器官の領域を抽出する領域抽出手段、
前記蛍光画像から前記蛍光輝点を抽出する輝点抽出手段、
前記領域及び前記蛍光輝点に基づいて、前記蛍光輝点が表す特定物質の種類を判定する判定手段、
として機能させるためのプログラム。
11. 蛍光物質を用いて特定物質を染色した組織標本を撮像した、前記特定物質の存在を蛍光輝点で示す蛍光画像、及び前記組織標本を撮像した、細胞又は細胞内器官の形態を表す形態画像を入力する入力手段と、
前記形態画像から前記細胞又は細胞内器官の領域を抽出する領域抽出手段と、
前記蛍光画像から前記蛍光輝点を抽出する輝点抽出手段と、
前記領域及び前記蛍光輝点に基づいて、前記蛍光輝点が表す特定物質の種類を判定する判定手段と、
を備え、
前記判定手段は、以下の(a)、(b)、及び(c)の少なくとも何れか1つに基づいて、前記蛍光輝点が表す特定物質の種類を判定する事を特徴とする画像処理装置。
(a)前記蛍光輝点と最も近い前記細胞又は細胞内器官の距離。
(b)前記蛍光輝点が前記細胞又は細胞内器官に内包されるかどうか。
(c)前記蛍光輝点と最も近い前記細胞又は細胞内器官の特徴量。
<病理診断支援システム100の構成>
図1に、病理診断支援システム100の全体構成例を示す。
病理診断支援システム100は、所定の染色試薬で染色された人体の組織切片の顕微鏡画像を取得し、取得された顕微鏡画像を解析することにより、観察対象の組織切片における特定の生体物質の発現を定量的に表す特徴量を出力するシステムである。
顕微鏡画像取得装置1Aと画像処理装置2Aとの接続方式は特に限定されない。たとえば、顕微鏡画像取得装置1Aと画像処理装置2AはLAN(Local Area Network)により接続されることとしてもよいし、無線により接続される構成としてもよい。
顕微鏡画像取得装置1Aは、照射手段、結像手段、撮像手段、通信I/Fなどを備えて構成されている。照射手段は、光源、フィルタなどにより構成され、スライド固定ステージに載置されたスライド上の組織切片に光を照射する。結像手段は、接眼レンズ、対物レンズなどにより構成され、照射した光によりスライド上の組織切片から発せられる透過光、反射光、又は蛍光を結像する。撮像手段は、CCD(Charge Coupled Device)センサーなどを備え、結像手段により結像面に結像される像を撮像して顕微鏡画像のデジタル画像データを生成する顕微鏡設置カメラである。通信I/Fは、生成された顕微鏡画像の画像データを画像処理装置2Aに送信する。
顕微鏡画像取得装置1Aでは、明視野観察に適した照射手段及び結像手段を組み合わせた明視野ユニット、蛍光観察に適した照射手段及び結像手段を組み合わせた蛍光ユニットが備えられており、ユニットを切り替えることにより明視野/蛍光を切り替えることが可能である。
なお、公知の任意の顕微鏡(例えば、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡、電子顕微鏡等)にカメラを設置したものを顕微鏡画像取得装置1Aとして用いることができる。
図2に、画像処理装置2Aの機能構成例を示す。
図2に示すように、画像処理装置2Aは、制御部21、操作部22、表示部23、通信I/F24、記憶部25などを備えて構成され、各部はバス26を介して接続されている。
たとえば、制御部21は、記憶部25に記憶されている画像処理プログラムとの協働により画像解析処理を実行し、領域抽出手段、輝点抽出手段、判定手段、及び選択手段としての機能を実現する。
その他、画像処理装置2Aは、LANアダプターやルーターなどを備え、LANなどの通信ネットワークを介して外部機器と接続される構成としてもよい。
本実施形態では、画像処理装置2Aは、例えば、顕微鏡画像取得装置1Aから送信された、細胞における特定の生体物質の発現を表す画像(例えば、細胞における特定の生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像)、及び細胞核、細胞膜等、細胞の所定の構造の形態を表す形態画像(例えば、明視野画像)を用いて解析を行うことが好ましい。
細胞の形態画像としては、明視野画像の他に、細胞の診断対象とする構造を特異的に染色可能な蛍光染色試薬を用いて組織切片を染色し、用いた蛍光染色試薬が発する蛍光を撮影した蛍光画像を用いても良い。形態画像の取得に用いることができる蛍光染色試薬としては、例えば、細胞核を染色可能なDAPI染色、細胞質を染色可能なパパロニコロウ染色等が挙げられる。また、位相差画像、微分干渉画像、電子顕微鏡画像等を形態画像として用いても良い。
以下、細胞に特異的に発現する特定の生体物質の発現を蛍光輝点で表す蛍光画像を取得するための蛍光染色試薬や当該蛍光染色試薬を用いた組織切片の染色方法について説明する。
蛍光染色試薬に用いられる蛍光物質としては、蛍光有機色素及び量子ドット(半導体粒子)を挙げることができる。200〜700nmの範囲内の波長の紫外〜近赤外光により励起されたときに、400〜1100nmの範囲内の波長の可視〜近赤外光の発光を示すことが好ましい。
具体的には、5−カルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシ−フルオレセイン、5,6−ジカルボキシ−フルオレセイン、6−カルボキシ−2’,4,4’,5’,7,7’−ヘキサクロロフルオレセイン、6−カルボキシ−2’,4,7,7’−テトラクロロフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、ナフトフルオレセイン、5−カルボキシ−ローダミン、6−カルボキシ−ローダミン、5,6−ジカルボキシ−ローダミン、ローダミン 6G、テトラメチルローダミン、X−ローダミン、及びAlexa Fluor 350、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 500、Alexa Fluor 514、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 610、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 635、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750、BODIPY FL、BODIPY TMR、BODIPY 493/503、BODIPY 530/550、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665(以上インビトロジェン社製)、メトキシクマリン、エオジン、NBD、ピレン、Cy5、Cy5.5、Cy7などを挙げることができる。これら蛍光有機色素は単独で使用されてもよいし、複数種を混合して使用されてもよい。
具体的には、CdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnS、ZnTe、InP、InN、InAs、InGaP、GaP、GaAs、Si、Geが挙げられるが、これらに限定されない。
たとえば、CdSe/ZnS、CdS/ZnS、InP/ZnS、InGaP/ZnS、Si/SiO2、Si/ZnS、Ge/GeO2、Ge/ZnSなどを用いることができるが、これらに限定されない。
「蛍光物質内包ナノ粒子」とは、上記のとおり蛍光物質を内包したナノ粒子であって、詳しくは蛍光物質をナノ粒子の内部に分散させたものをいい、蛍光物質とナノ粒子自体とが化学的に結合していてもよいし、結合していなくてもよい。
ナノ粒子を構成する素材は特に限定されるものではなく、シリカ、ポリスチレン、ポリ乳酸、メラミンなどを挙げることができる。
たとえば、蛍光有機色素を内包したシリカナノ粒子は、ラングミュア 8巻 2921ページ(1992)に記載されているFITC内包シリカ粒子の合成を参考に合成することができる。FITCの代わりに所望の蛍光有機色素を用いることで種々の蛍光有機色素内包シリカナノ粒子を合成することができる。
量子ドットを内包したシリカナノ粒子は、ニュー・ジャーナル・オブ・ケミストリー 33巻 561ページ(2009)に記載されているCdTe内包シリカナノ粒子の合成を参考に合成することができる。
蛍光有機色素を内包したポリスチレンナノ粒子は、米国特許4326008(1982)に記載されている重合性官能基をもつ有機色素を用いた共重合法や、米国特許5326692(1992)に記載されているポリスチレンナノ粒子への蛍光有機色素の含浸法を用いて作製することができる。
量子ドットを内包したポリマーナノ粒子は、ネイチャー・バイオテクノロジー19巻631ページ(2001)に記載されているポリスチレンナノ粒子への量子ドットの含浸法を用いて作製することができる。
平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電子顕微鏡写真を撮影し十分な数の粒子について断面積を計測し、各計測値を円の面積としたときの円の直径を粒径として求めた値である。本実施形態では、1000個の粒子の粒径の算術平均を平均粒径とする。変動係数も、1000個の粒子の粒径分布から算出した値とする。
本実施形態では、特定の生体物質と特異的に結合及び/又は反応する蛍光染色試薬として、蛍光物質内包ナノ粒子と生体物質認識部位を予め直接結合したものを用いる場合を例にとって説明する。「生体物質認識部位」とは、特定の生体物質と特異的に結合及び/又は反応する部位である。
特定の生体物質としては、それと特異的に結合する物質が存在するものであれば特に限定されるものではないが、代表的にはタンパク質(ペプチド)及び核酸(オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド)などが挙げられる。
したがって、生体物質認識部位としては、前記タンパク質を抗原として認識する抗体やそれに特異的に結合する他のタンパク質など、及び前記核酸にハイブリタイズする塩基配列を有する核酸などが挙げられる。
具体的な生体物質認識部位としては、細胞表面に存在するタンパク質であるHER2に特異的に結合する抗HER2抗体、細胞核に存在するエストロゲン受容体(ER)に特異的に結合する抗ER抗体、細胞骨格を形成するアクチンに特異的に結合する抗アクチン抗体などが挙げられる。
中でも、抗HER2抗体及び抗ER抗体を蛍光物質内包ナノ粒子に結合させたもの(蛍光染色試薬)は、乳癌の投薬選定に用いることができ、好ましい。
たとえば、無機物と有機物を結合させるために広く用いられている化合物であるシランカップリング剤を用いることができる。このシランカップリング剤は、分子の一端に加水分解でシラノール基を与えるアルコキシシリル基を有し、他端に、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、アルデヒド基などの官能基を有する化合物であり、上記シラノール基の酸素原子を介して無機物と結合する。
具体的には、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ポリエチレングリコール鎖をもつシランカップリング剤(たとえば、Gelest社製PEG−silane no.SIM6492.7)などが挙げられる。
シランカップリング剤を用いる場合、2種以上を併用してもよい。
たとえば、得られた蛍光有機色素内包シリカナノ粒子を純水中に分散させ、アミノプロピルトリエトキシシランを添加し、室温で12時間反応させる。反応終了後、遠心分離又はろ過により表面がアミノプロピル基で修飾された蛍光有機色素内包シリカナノ粒子を得ることができる。続いてアミノ基と抗体中のカルボキシル基とを反応させることで、アミド結合を介し抗体を蛍光有機色素内包シリカナノ粒子と結合させることができる。必要に応じて、EDC(1−Ethyl−3−[3−Dimethylaminopropyl]carbodiimide Hydrochloride:Pierce(登録商標)社製)のような縮合剤を用いることもできる。
組織切片の作製方法は特に限定されず、公知の方法により作製されたものを用いることができる。下記染色方法は病理組織切片に限定せず、培養細胞にも適用可能である。
キシレンを入れた容器に組織切片を浸漬させ、パラフィンを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。必要により浸漬途中でキシレンを交換してもよい。
次いで、エタノールを入れた容器に組織切片を浸漬させ、キシレンを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。必要により浸漬途中でエタノールを交換してもよい。
次いで、水を入れた容器に組織切片を浸漬させ、エタノールを除去する。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。必要により浸漬途中で水を交換してもよい。
公知の方法にならい、組織切片の生体物質の賦活化処理を行う。
賦活化条件に特に定めはないが、賦活液としては、0.01Mクエン酸緩衝液(pH6.0)、1mMEDTA溶液(pH8.0)、5%尿素、0.1Mトリス塩酸緩衝液などを用いることができる。加熱機器は、オートクレーブ、マイクロウェーブ、圧力鍋、ウォーターバスなどを用いることができる。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。温度は50〜130℃、時間は5〜30分で行うことができる。
次いで、PBS(Phosphate Buffered Saline:リン酸緩衝生理食塩水)を入れた容器に、賦活化処理後の組織切片を浸漬させ、洗浄を行う。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。
蛍光染色試薬のPBS分散液を組織切片に載せ、組織切片の生体物質と反応させる。
蛍光染色試薬の生体物質認識部位を変えることにより、さまざまな生体物質に対応した染色が可能となる。蛍光染色試薬として、数種類の生体物質認識部位が結合された蛍光物質内包ナノ粒子を用いる場合には、それぞれの蛍光物質内包ナノ粒子PBS分散液を予め混合しておいてもよいし、別々に順次組織切片に載せてもよい。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。反応時間は、30分以上24時間以下であることが好ましい。
蛍光染色試薬による染色を行う前に、BSA含有PBSなど、公知のブロッキング剤を滴下することが好ましい。
次いで、PBSを入れた容器に、染色後の組織切片を浸漬させ、未反応の蛍光物質内包ナノ粒子の除去を行う。温度は特に限定されるものではないが、室温で行うことができる。浸漬時間は、3分以上30分以下であることが好ましい。必要により浸漬途中でPBSを交換してもよい。カバーガラスを組織切片に載せ、封入する。必要に応じて市販の封入剤を使用してもよい。
染色した組織切片に対し顕微鏡画像取得装置1Aを用いて、顕微鏡画像(蛍光画像)を取得する。顕微鏡画像取得装置1Aにおいて、蛍光染色試薬に用いた蛍光物質の吸収極大波長及び蛍光波長に対応した励起光源と蛍光検出用光学フィルタとを選択する。
なお、発光強度が微弱である蛍光色素を用いた組織染色を施した組織標本から、蛍光画像の取得や蛍光発光の解析を行う場合、微弱な発光を確実に検出するために、モノクロカメラの使用が好ましいことが知られている。しかし、上述した蛍光物質内包ナノ粒子を用いて組織染色を行った場合には、1粒子当たりの発光輝度が高いので、カラーカメラを用いても、個々の粒子が発する蛍光を蛍光輝点として撮像できる。
以下、本発明の実施形態では、波長特性が異なる複数のカラーフィルタを有するカラーカメラを用いて蛍光画像を取得した場合を例にとって説明するが、以下の実施形態では、特に断りがない限り、モノクロカメラを用いて蛍光画像を取得してもよい。
以下、診断支援情報生成システム100において、細胞の形態を表す形態画像及び細胞における特定の生体物質の発現を表す蛍光画像を取得して、解析を行う動作について、具体的な実施形態を挙げて説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の画像解析処理は、制御部21と記憶部25に記憶されている画像処理プログラムとの協働により実行され、制御部21はその画像処理プログラムにしたがって、以下の実施形態に記載の処理を実行する。
本発明の第1実施形態では、形態画像から抽出された細胞又は細胞内器官の領域と、蛍光画像から抽出された蛍光輝点の距離に基づいて、蛍光輝点が表す生体物質の種類を判定する。
本発明において、細胞内器官とは、細胞内に含まれる細胞小器官などの任意の構造を示す。細胞又は細胞内器官の領域は、具体的には、例えば、細胞核、細胞膜、細胞質、又は核小体の何れか1つから選択される。
第1実施形態における蛍光染色試薬は、例えば、抗Ki67抗体が結合した蛍光物質内包ナノ粒子(蛍光染色試薬A)及び抗CK7抗体が結合した蛍光物質内包ナノ粒子(蛍光染色試薬B)である。
細胞核の形態を表す形態画像としては、明視野画像を取得する。
その後、顕微鏡画像取得装置1Aを用いて、以下の(a1)〜(a6)の手順により、明視野画像及び蛍光画像を取得する。
(a1)操作者は、組織切片をスライドに載置し、そのスライドを顕微鏡画像取得装置1Aのスライド固定ステージに設置する。
(a2)ユニットを明視野ユニットに設定し、撮影倍率、ピントの調整を行い、組織切片上の観察対象の領域を視野に納める。
(a3)撮像手段で撮影を行って明視野画像(形態画像)の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
(a4)ユニットを蛍光ユニットに変更する。
(a5)視野及び撮影倍率を変えずに撮像手段で撮影を行って、蛍光染色試薬Aの発光を表す第1の蛍光画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。励起光及びフィルタは、蛍光染色試薬Aの波長特性に適したものを用いる。
(a6)視野及び撮影倍率を変えずに、励起光及びフィルタを蛍光染色試薬Bの波長特性に適したものに変更して、撮像手段で撮影を行って、蛍光染色試薬Bの発光を表す第2の蛍光画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
ステップS12では、例えば図4に示されるとおり、形態画像をモノクロ画像に変換し(ステップS121)、予め定められた閾値でモノクロ画像に閾値処理を施して各画素の値を二値化し(ステップS122)、二値画像にノイズ処理を実行する(ステップS123)。
ステップS121〜S123により、形態画像から細胞核領域が抽出された細胞核画像を生成することができる。
ステップS141では、染色試薬Aの発光波長成分のピーク輝度が所定の閾値以上である蛍光輝点のみを抽出する。ステップS142の閾値処理の前に、細胞自家蛍光や他の不要信号成分などのノイズ除去処理が施されてもよい。
所定の閾値Aは、組織標本の種類等に基づいて予め設定されている値を用いる。
次いで、第2の蛍光画像から作成された蛍光輝点画像から、ステップS16においてCK7の発現を示すと判定された蛍光輝点が選択されて(ステップS17:選択工程)、CK7の発現を示す画像が作成される。
また、細胞核から所定の値よりも遠い蛍光輝点は、細胞外のノイズであると判定して、削除することとしてもよい。
また、ステップS16(判定工程)では、蛍光輝点から最も近い細胞核領域の輪郭までの距離を算出することとしたが、例えば、蛍光輝点から細胞核領域の重心までの距離を算出することとしてもよい。
また、ステップS17(選択工程)では、ステップS16においてCK7の発現を示すと判定された蛍光輝点が蛍光輝点画像から削除されて、Ki67の発現を示す画像が作成されることとしてもよい。
本発明の第2実施形態では、形態画像(蛍光画像)から抽出された細胞又は細胞内器官の領域と、蛍光画像から抽出された蛍光輝点の距離に基づいて、蛍光輝点が表す生体物質の種類を判定する。
細胞膜の蛍光染色は、公知の任意の方法で行うってよいが、例えば、組織標本に抗ATPase(一次抗体)を反応させた後、蛍光色素を結合した二次抗体(以下、蛍光染色試薬Xとする)を反応させることによって、細胞膜を蛍光染色する。
細胞膜の形態表す形態画像としては、蛍光画像を取得する。
以下、第2実施形態が、上述した第1実施形態と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については説明を省略する。
その後、顕微鏡画像取得装置1Aを用いて、以下の(a1)〜(a6)の手順により、蛍光画像を取得する。
(a1)操作者は、組織切片をスライドに載置し、そのスライドを顕微鏡画像取得装置1Aのスライド固定ステージに設置する。
(a2)ユニットを明視野ユニットに設定し、撮影倍率、ピントの調整を行い、組織切片上の観察対象の領域を視野に納める。
(a3)ユニットを蛍光ユニットに変更する。
(a4)撮像手段で撮影を行って蛍光染色試薬Xの発光を表す蛍光画像(形態画像)の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。励起光及びフィルタは、蛍光染色試薬Xの波長特性に適したものを用いる。
(a5)視野及び撮影倍率を変えずに、励起光及びフィルタを蛍光染色試薬Aの波長特性に適したものに変更して、撮像手段で撮影を行って、蛍光染色試薬Aの発光を表す第1の蛍光画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
(a6)視野及び撮影倍率を変えずに、励起光及びフィルタを蛍光染色試薬Bの波長特性に適したものに変更して、撮像手段で撮影を行って、蛍光染色試薬Bの発光を表す第2の蛍光画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
次いで、第1実施形態のステップS13〜S14と同様にして、第1の蛍光画像から蛍光輝点を抽出する。
その後、第1実施形態のステップS15と同様にして、細胞膜画像と蛍光輝点画像の加算処理を実行して、細胞膜領域と蛍光輝点を重ね合わせる(ステップS15)。
第2実施形態におけるステップS16の判定工程の1例では、まず、蛍光輝点から最も近い細胞核領域の輪郭までの距離を算出する。そして、算出された距離に閾値処理を施して、その蛍光輝点が細胞核に発現しているKi67の発現を示すか、又は細胞膜に発現しているHER2の発現を示すかを判定する。
次いで、蛍光輝点画像から、ステップS16においてHER2の発現を示すと判定された蛍光輝点のみが選択されて(ステップS17:選択工程)、HER2の発現を示す画像が作成される。
本発明の第3実施形態では、形態画像から抽出された蛍光輝点に最も近い細胞又は細胞内器官の領域の特徴量に基づいて、蛍光輝点が表す生体物質の種類を判定する。
特徴量とは、例えば、大きさ(面積、周囲長、短径、又は長径の長さ、等)、形状(円形度、短径と長径の比、等)、及び/又は染色の状態(染色ムラの有無、等)である。
第3実施形態における蛍光染色試薬は、例えば、抗NSE抗体が結合した蛍光物質内包ナノ粒子(蛍光染色試薬A)及び抗CEA抗体が結合した蛍光物質内包ナノ粒子(蛍光染色試薬B)である。
一般的に、腺癌の細胞の核小体は、1細胞当たり1〜2個の円形で大型のものが多い一方、小細胞癌の細胞の核小体は小さく目立たないことが知られている。この所見に基づいて、形態画像から抽出された細胞核が、いずれの種類の癌の細胞のものかを判定することができる。
以下、第3実施形態が、上述した第1〜第2実施形態と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については説明を省略する。
その後、顕微鏡画像取得装置1Aを用いて、第1実施形態の(a1)〜(a6)と同様の手順及びにより、明視野画像及び蛍光画像を取得する。
その後、画像処理装置2Aにおいて、第1の蛍光画像及び第2の蛍光画像における生体物質の発現を解析する画像解析処理が実行される。
次いで、第1実施形態のステップS13〜S15と同様の処理によって、細胞核領域、核小体領域、及び蛍光輝点を重ね合わせる。
第3実施形態のステップS16では、例えば、蛍光輝点に最も近い細胞核領域を抽出して、その細胞核領域の内部に含まれる核小体領域の面積を計測する。核小体領域の面積の合計が所定の閾値以下である場合には、小細胞癌の細胞中に発現している生体物質であるNSEの発現を表す蛍光輝点と判定し、所定の閾値よりも大きい場合には、腺癌の細胞に発現している生体物質であるCEAの発現を表す蛍光輝点と判定する(図8(b)参照)。なお、図示していないが、蛍光輝点から最も近い細胞核領域までの距離が長すぎる場合には、核小体領域の面積に関わらず、細胞外のノイズに由来する蛍光輝点と判定することとしてもよい。
次いで、ステップS16においてNSEの発現を示すと判定された蛍光輝点が蛍光輝点画像から選択されて(ステップS17:選択工程)、NSEの発現を示す画像が作成される。
本発明の第4実施形態では、形態画像から抽出された細胞又は細胞内器官の領域と蛍光画像から抽出された蛍光輝点の距離に加えて、蛍光輝点の色情報に基づいて、蛍光輝点が表す生体物質の種類を判定する。
以下、細胞核がH染色によって染色され、さらに、細胞膜に発現するHER2及びEGFR(上皮成長因子受容体)、及び細胞核に発現するKi67が、発光特性が互いに異なる3種類の蛍光染色試薬によってそれぞれ染色された組織切片を、組織標本として用いる場合を例にとって説明する。
第4実施形態における蛍光染色試薬は、例えば、抗HER2抗体が結合した蛍光物質内包ナノ粒子(蛍光染色試薬A)、抗EGFR抗体が結合した蛍光物質内包ナノ粒子(蛍光染色試薬B)、及び抗Ki67抗体が結合した蛍光物質内包ナノ粒子(蛍光染色試薬C)である。
細胞核の形態を表す形態画像としては、明視野画像を取得する。
以下、第4実施形態が、上述した第1〜第3実施形態と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については説明を省略する。
その後、顕微鏡画像取得装置1Aを用いて、第1実施形態の(a1)〜(a4)と同様の手順、及び下記(a5)の手順により、明視野画像及び蛍光画像を取得する。なお、第4実施形態では蛍光画像の取得には、複数の色フィルタを備えたカメラを用いて、カラー画像を取得することが必要である。
(a5)視野及び撮影倍率を変えずに,励起光及びフィルタを蛍光染色試薬Cの波長特性に適したものに変更して、撮像手段で撮影を行って、蛍光染色試薬Cの発現を表す第3の蛍光画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
以下、第2実施形態の画像処理装置2Aにおける画像解析処理が、上述した第1〜第3実施形態の画像処理と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については説明を省略する。
第4実施形態のステップS142では、第1実施形態で説明したように蛍光輝点が抽出された二値画像を生成した後、二値画像をマスクとして、第1の蛍光画像の蛍光輝点の領域を抽出した画像を生成して、蛍光輝点領域画像とする。その後、第1実施形態のステップS143と同様の処理を行って蛍光輝点画像を生成する。
さらに、最も近い細胞核までの距離が長い(所定の閾値Aよりも大きい)蛍光輝点のうち、例えば、色相が0〜HBの範囲内である蛍光輝点は、細胞膜に発現しているHER2の発現を示す蛍光輝点であると判定され、色相がHB〜360の範囲内である蛍光輝点は、細胞膜に発現しているEGFRの発現を示す蛍光輝点であると判定される。HBは、蛍光染色試薬A〜Cの発光波長に基づいて、予め決められる値である。
次いで、蛍光輝点画像から、ステップS16においてKi67、EGFR、及びHER2の発現を示すと判定された蛍光輝点がそれぞれ選択されて(ステップS17:選択工程)、各生体物質の発現を示す画像が作成される。
本発明の第5実施形態では、第1実施形態と同様に、形態画像から抽出された細胞又は細胞内器官の領域の形態と、蛍光画像から抽出された蛍光輝点の距離に基づいて、蛍光輝点が表す生体物質の種類を判定する。
以下、細胞核がH染色によって染色され、さらに、細胞核に発現するKi67及び細胞膜に発現するHER2が、それぞれ発光波長の異なる2種類の蛍光染色試薬によって染色された組織切片を、組織標本として用いる場合を例にとって説明する。
第5実施形態における蛍光染色試薬は、例えば、抗Ki67抗体が結合した蛍光物質内包ナノ粒子(蛍光染色試薬A)及び抗HER2抗体が結合した蛍光物質内包ナノ粒子(蛍光染色試薬B)である。
細胞核の形態を表す形態画像としては、明視野画像を取得する。
以下、第5実施形態が、上述した第1〜第4実施形態と異なる構成を中心に説明し、共通する構成については説明を省略する。
その後、画像処理装置2Aにおいて、第1の蛍光画像及び第2の蛍光画像における生体物質の発現を解析する画像解析処理が実行される。
第5実施形態における、第1の蛍光画像における生体物質の発現を解析する画像解析処理では、まず、制御部21は、第1実施形態のステップS11〜S15と同様の処理を行う。
図10(b)は、第1実施形態における蛍光輝点から最も近い細胞核までの距離と、核付着輝点カウントの相関を示すグラフの一例である。第1実施形態においては、蛍光輝点から最も近い細胞核までの距離が閾値A以下であれば、例えばAx又は0の何れであった場合でも、核付着輝点カウントは常に1であることから、当該蛍光輝点は、1個のKi67として計測される。
第1〜第5実施形態では、明視野画像と暗視野画像の撮影のためのユニットの切り替えや、蛍光画像の撮影時の励起光及びフィルタの切り替えなど、様々な要因で、画像の撮像範囲の位置がずれる可能性がある。そのため、第1〜第5実施形態において、複数の画像を用いて画像処理を行う場合には、ステップS15で画像を重ね合わせる際に、重ね合わせる複数の画像で共通して認識可能な構造に基づいて、画像の位置合わせを行うことが好ましい。
具体的には、例えば、組織標本にエオジン染色を行う。エオジン染色により、明視野画像及び蛍光画像での両方で、細胞質の形状が観察可能となる。従って、第1〜第5実施形態では、ステップS12及びS14のそれぞれにおいて、形態画像におけるエオジン染色領域及び蛍光画像におけるエオジン染色領域を抽出して、ステップS15において、これらのエンジン染色領域が完全に重なり合うように、形態画像と蛍光画像の位置を調整する位置合わせを行った後、画像の重ね合わせを実行することとすれば、画像のずれを補正することが可能であり、各蛍光輝点が示す生体物質の種類を正確に判定することができる。
これにより、発光波長が互いに異なる複数種類の蛍光物質を用いて、複数の生体物質をそれぞれ染色した場合であっても、蛍光輝点が表す生体物質の種類を容易に判別できるので、観察対象細胞における特定タンパクの発現の定量の誤差を容易に減らすことができ、診断精度が向上する。
その他、診断支援情報生成システム100を構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
2A 画像処理装置
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 通信I/F
25 記憶部
26 バス
3A ケーブル
100 診断支援情報生成システム
Claims (11)
- 発光特性が互いに異なる複数種類の蛍光物質を用いて複数種類の生体物質をそれぞれ染色した組織標本を撮像した、前記複数種類の生体物質の発現を蛍光輝点で示す蛍光画像、及び前記組織標本を撮像した、細胞又は細胞内器官の形態を表す形態画像を入力する入力手段と、
前記形態画像から前記細胞又は細胞内器官の領域を抽出する領域抽出手段と、
前記蛍光画像から前記蛍光輝点を抽出する輝点抽出手段と、
前記領域及び前記蛍光輝点に基づいて、前記蛍光輝点が表す生体物質の種類を判定する判定手段と、
を備え、
前記判定手段は、以下の(a)、(b)、及び(c)の少なくとも何れか1つに基づいて、前記蛍光輝点が表す生体物質の種類を判定する
ことを特徴とする画像処理装置。
(a)前記蛍光輝点と最も近い前記細胞又は細胞内器官の距離
(b)前記蛍光輝点が前記細胞又は細胞内器官に内包されるかどうか
(c)前記蛍光輝点と最も近い前記細胞又は細胞内器官の特徴量 - 発光特性が互いに異なる複数種類の蛍光物質を用いて複数種類の特定物質をそれぞれ染色した組織標本を撮像した、前記複数種類の特定物質の存在を蛍光輝点で示す蛍光画像、及び前記組織標本を撮像した、細胞又は細胞内器官の形態を表す形態画像を入力する入力手段と、
前記形態画像から前記細胞又は細胞内器官の領域を抽出する領域抽出手段と、
前記蛍光画像から前記蛍光輝点を抽出する輝点抽出手段と、
前記領域及び前記蛍光輝点に基づいて、前記蛍光輝点が表す特定物質の種類を判定する判定手段と、
を備える事を特徴とする画像処理装置。 - 前記領域が、細胞膜、細胞質、細胞核、又は核小体の領域の何れか1つである
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記判定手段は、以下の(a)、(b)、及び(c)の少なくとも何れか1つに基づいて、前記蛍光輝点が表す特定物質の種類を判定する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
(a)前記蛍光輝点と最も近い前記細胞又は細胞内器官の距離
(b)前記蛍光輝点が前記細胞又は細胞内器官に内包されるかどうか
(c)前記蛍光輝点と最も近い前記細胞又は細胞内器官の特徴量 - 前記特徴量は面積であることを特徴とする請求項1又は4に記載の画像処理装置。
- 前記判定手段は、前記蛍光輝点の色に基づいて、前記蛍光輝点が表す特定物質の種類を判定する
ことを特徴とする、請求項2〜5の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 前記判定手段は、前記蛍光輝点が表す特定物質の種類を、前記複数種類の特定物質のいずれか1つであると判定する
ことを特徴とする請求項2〜6の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 前記判定手段は、
前記蛍光輝点が前記複数種類の特定物質のそれぞれを表す確率を算出して、
前記蛍光輝点が表す特定物質の種類を判定する
ことを特徴とする請求項2〜6の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 前記判定手段により判定された結果に基づいて、前記蛍光輝点から、前記複数種類の特定物質のうち特定の特定物質を表す蛍光輝点を選択する選択手段を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。 - コンピュータを、
発光特性が互いに異なる複数種類の蛍光物質を用いて複数種類の特定物質をそれぞれ染色した組織標本を撮像した、前記複数種類の特定物質の存在を蛍光輝点で示す蛍光画像、及び前記組織標本を撮像した、細胞又は細胞内器官の形態を表す形態画像を入力する入力手段、
前記形態画像から前記細胞又は細胞内器官の領域を抽出する領域抽出手段、
前記蛍光画像から前記蛍光輝点を抽出する輝点抽出手段、
前記領域及び前記蛍光輝点に基づいて、前記蛍光輝点が表す特定物質の種類を判定する判定手段、
として機能させるためのプログラム。 - 蛍光物質を用いて特定物質を染色した組織標本を撮像した、前記特定物質の存在を蛍光輝点で示す蛍光画像、及び前記組織標本を撮像した、細胞又は細胞内器官の形態を表す形態画像を入力する入力手段と、
前記形態画像から前記細胞又は細胞内器官の領域を抽出する領域抽出手段と、
前記蛍光画像から前記蛍光輝点を抽出する輝点抽出手段と、
前記領域及び前記蛍光輝点に基づいて、前記蛍光輝点が表す特定物質の種類を判定する判定手段と、
を備え、
前記判定手段は、以下の(a)、(b)、及び(c)の少なくとも何れか1つに基づいて、前記蛍光輝点が表す特定物質の種類を判定する事を特徴とする画像処理装置。
(a)前記蛍光輝点と最も近い前記細胞又は細胞内器官の距離
(b)前記蛍光輝点が前記細胞又は細胞内器官に内包されるかどうか
(c)前記蛍光輝点と最も近い前記細胞又は細胞内器官の特徴量
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