JP6583817B2 - 子宮平滑筋における腫瘍の診断マーカー - Google Patents
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Description
形態学的基準は施設或いは診断した個人により判断が異なる場合があるため、客観性のある信頼性の高い診断法が望まれている。しかし、子宮平滑筋腫と子宮平滑筋肉腫を区別する有用なバイオマーカーは現状存在しない。
[1]以下の工程(A)〜(E)を備えたことを特徴とする子宮平滑筋における腫瘍を診断するためのデータを収集する方法。
(A)採取された子宮平滑筋腫、子宮平滑筋肉腫、及び正常子宮平滑筋層の組織からゲノムDNAを抽出する工程;
(B)工程(A)で抽出した各組織のゲノムDNA中の、ALX1、CBLN1、CORIN、FOXP1、GATA2、IGLON5、NPTX2、NTRK2、PRL、及びSTEAP4遺伝子をコードする領域又は前記各遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列のメチル化頻度を測定する工程;
(C)被検体から採取された腫瘍組織からゲノムDNAを抽出する工程;
(D)工程(C)で抽出したゲノムDNA中の、ALX1、CBLN1、CORIN、FOXP1、GATA2、IGLON5、NPTX2、NTRK2、PRL、及びSTEAP4遺伝子をコードする領域又は前記各遺伝子の転写制御領域をコードする領域におけるCpG配列のメチル化頻度を測定する工程;
(E)工程(B)で測定したCpG配列のメチル化頻度、及び工程(D)で測定したCpG配列のメチル化頻度に基づき多変量解析を行い、前記被検体における子宮平滑筋腫及び子宮平滑筋肉腫を診断するためのデータを収集する工程;
[2]多変量解析が階層的クラスタリング解析であることを特徴とする上記[1]記載の方法。
[3]工程(B)及び(D)において、
ALX1遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号1に示されるヌクレオチド配列の144−145番目のヌクレオチド配列であり、
CBLN1遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号2に示されるヌクレオチド配列の146−147番目のヌクレオチド配列であり、
CORIN遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号3に示されるヌクレオチド配列の181−182番目のヌクレオチド配列であり、
FOXP1遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号4に示されるヌクレオチド配列の67−68番目のヌクレオチド配列であり、
GATA2遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号5に示されるヌクレオチド配列の171−172番目のヌクレオチド配列であり、
IGLON5遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号6に示されるヌクレオチド配列の377−378番目のヌクレオチド配列であり、
NPTX2遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号7に示されるヌクレオチド配列の159−160番目のヌクレオチド配列であり、
NTRK2遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号8に示されるヌクレオチド配列の65−66番目のヌクレオチド配列であり、
PRL遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号9に示されるヌクレオチド配列の259−260番目のヌクレオチド配列であり、
STEAP4遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号10に示されるヌクレオチド配列の102−103番目のヌクレオチド配列であることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の方法。
[4]ALX1、CBLN1、CORIN、FOXP1、GATA2、IGLON5、NPTX2、NTRK2、PRL、及びSTEAP4遺伝子をコードする領域又は前記各遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列のメチル化頻度を測定するためのプライマー若しくはプローブ、又はそれらの標識物を備えたことを特徴とする、子宮平滑筋における腫瘍の診断用キット。
[5]ALX1遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号1に示されるヌクレオチド配列の144−145番目のヌクレオチド配列であり、
CBLN1遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号2に示されるヌクレオチド配列の146−147番目のヌクレオチド配列であり、
CORIN遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号3に示されるヌクレオチド配列の181−182番目のヌクレオチド配列であり、
FOXP1遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号4に示されるヌクレオチド配列の67−68番目のヌクレオチド配列であり、
GATA2遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号5に示されるヌクレオチド配列の171−172番目のヌクレオチド配列であり、
IGLON5遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号6に示されるヌクレオチド配列の377−378番目のヌクレオチド配列であり、
NPTX2遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号7に示されるヌクレオチド配列の159−160番目のヌクレオチド配列であり、
NTRK2遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号8に示されるヌクレオチド配列の65−66番目のヌクレオチド配列であり、
PRL遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号9に示されるヌクレオチド配列の259−260番目のヌクレオチド配列であり、
STEAP4遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号10に示されるヌクレオチド配列の102−103番目のヌクレオチド配列であることを特徴とする上記[4]記載のキット。
サンプルであるゲノムDNAに対してバイサルファイト処理を行うことによって、ゲノムDNAにおける、メチル化修飾を受けたシトシンはそのまま変換せず、非メチル化シトシンのみをウラシルに変換させる。このゲノムDNAについてシーケンス反応を行うと、ウラシルはチミンとして表現されることとなる。バイサルファイト処理前後のゲノムDNAの配列データを比較し、バイサルファイト処理前後のいずれもシトシンである部位はメチル化シトシンであることが分かり、バイサルファイト処理前にシトシンでありバイサルファイト処理後にチミンとなった部位は非メチル化シトシンであることが分かる。
サンプルであるゲノムDNAに対してバイサルファイト処理を行うと、メチル化CpG部位と非メチル化CpG部位とは、異なった塩基配列が生じることとなる。このことを利用して、各々において異なる塩基配列の部位に特異的なPCRプライマーを設計して、PCR産物の有無でメチル化状態を検出する方法である。このMSP法では、バイサルファイト処理をしたDNAをそのまま解析に使うことができるため、短時間で結果を確認することが可能である。
バイサルファイト処理によりDNAメチル化状態依存的に特定の制限酵素認識配列の塩基配列が変化することを利用し、バイサルファイト−PCR後に酵素処理したPCR産物を電気泳動することでメチル化頻度を測定する方法であり、後述の実施例で用いている方法でもある。特定の認識配列におけるメチル化頻度を、PCR産物の切断の有無の量比にて定量的に解析できる。
この方法は、バイサルファイトシーケンシング法の1種であるバイサルファイトパイロシークエンシング法を基盤とした、ゲノムワイドなDNAメチル化(DNAメチローム)解析法である。サンプルから抽出したゲノムDNAについてバイサルファイト処理を行った後、制限酵素によってDNAを断片化し、該DNA断片上の本件CpG部位におけるメチル化頻度(メチル化レベル)を、付属のBeadChipを用いて検出する。このBeadChipには、本件CpG部位を含む約45万個の各CpG部位におけるシトシンがウラシルに変換したDNA配列に特異的にハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブ(非メチル検出用プローブ)の標識物と、変換していないDNA配列に特異的にハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブ(メチル検出用プローブ)の標識物がそれぞれ固定されている。それぞれのプローブにハイブリダイズしたDNA断片の量を蛍光で簡便に検出することによって、ゲノムDNA上の本件CpG部位におけるメチル化頻度を測定することができる。本件CpG部位におけるメチル化頻度の好適な指標として、β値を挙げることができる。β値とは、例えば、標識物質が蛍光物質や蛍光タンパク質の場合、測定によって得られた、各CpG部位に対応する非メチル検出用プローブの蛍光値(signal A)、及び、メチル検出用プローブの蛍光値(signal B)について、以下の計算式により算出される値である。
β=(本件CpG部位におけるsignal Bの最大値)/(本件CpG部位におけるsignal Aの最大値+本件CpG部位におけるsignal Bの最大値+100);
この計算式によると、各CpG部位のメチル化頻度が、0(完全非メチル化)〜1(完全メチル化)の範囲で算出されることとなる。
配列番号1に示されるヌクレオチド配列の144−145番目のヌクレオチド配列、
配列番号2に示されるヌクレオチド配列の146−147番目のヌクレオチド配列、
配列番号3に示されるヌクレオチド配列の181−182番目のヌクレオチド配列、
配列番号4に示されるヌクレオチド配列の67−68番目のヌクレオチド配列、
配列番号5に示されるヌクレオチド配列の171−172番目のヌクレオチド配列、
配列番号6に示されるヌクレオチド配列の377−378番目のヌクレオチド配列、
配列番号7に示されるヌクレオチド配列の159−160番目のヌクレオチド配列、
配列番号8に示されるヌクレオチド配列の65−66番目のヌクレオチド配列、
配列番号9に示されるヌクレオチド配列の259−260番目のヌクレオチド配列、
配列番号10に示されるヌクレオチド配列の102−103番目のヌクレオチド配列、
のメチル化頻度を測定することが好ましい。
山口大学医学部、及び医学部附属病院遺伝子解析研究に関する倫理審査委員会の承認のもと、医学的適応により子宮全摘術を受けた患者より、組織サンプルを得た。用いた検体は、正常筋層18検体、子宮筋腫18検体、及び子宮肉腫12検体だった。また、これとは別にヒト平滑筋肉腫由来細胞株2種(ヒト子宮肉腫細胞株SKN、及びヒト卵巣肉腫細胞株RKN)(独立行政法人医薬基盤研究所 JCRB細胞バンクより購入)を用いた。
組織検体からゲノムDNAを抽出した。組織片10〜30mgを、液体窒素で凍結後、粉砕し粉末状にした。DNA抽出は一般的な方法で行った。粉末状組織片をProteinase K(QIAGEN社製)で処理した後、フェノール/クロロフォルムを用いて抽出を行い、エタノール沈殿で精製した。
出願人はこれまでに、子宮筋腫と正常筋層それぞれ各3検体のDNAメチロームデータをもとに、子宮筋腫特異的にメチル化変異が生じている120遺伝子を抽出している(PLoS One, 8(6): e66632, 2013)。DNAメチル化パターンは組織・細胞種ごとに特異的である。子宮筋腫と子宮肉腫はともに子宮平滑筋に由来するが本質的には異なる腫瘍であるため、出願人は、子宮筋腫特異的にメチル化変異が生じている遺伝子群が子宮筋腫と子宮肉腫とを明確に区別するバイオマーカーとなり得る可能性は高いと考えた。そこで、前記120遺伝子のうち、DNAメチル化解析用プライマーの構築に成功した33遺伝子を子宮筋腫特異的メチル化変異遺伝子の候補として選出した。33遺伝子を表1に示す。
DNAメチル化頻度の測定には、COBRA法を用いた。ゲノムDNAをバイサルファイト処理した後にバイサルファイト−PCRを行うと、非メチル化シトシンはチミンに変換され、他方、メチル化シトシンはシトシンのままで変換されないという反応が生じる。この反応により、特定の制限酵素認識配列の塩基配列がメチル化状態に依存して変化することを利用し、酵素処理したPCR産物を電気泳動することでメチル化頻度を解析する。
バイサルファイト処理は、EpiTect(R) Bisulfite kit(Qiagen社製)を用い、キット付属の説明書に基づいて行った。1μgのゲノムDNAに対し、バイサルファイト反応を、95℃ 5分間、65℃ 85分間、95℃ 5分間、及び65℃ 175分間の条件で行った。バイサルファイト−PCRは、1/100量のバイサルファイトDNAをテンプレートとし、Biotaq HS DNA polymerase(Bioline社製)を用いて、95℃ 10分間、[95℃ 0.5分間、60℃ 0.5分間、72℃ 0.5分間]×35サイクル、72℃ 7分間の反応条件で行った。制限酵素は配列TCGAを認識するTaqI、及び配列ACGTを認識するHpyCH4IVを使用した。制限酵素処理には半量のPCR産物を使用し、TaqIは37℃、HpyCH4IVは65℃でそれぞれ2時間以上反応した。制限酵素処理したPCR産物はアガロースゲル電気泳動で分離し、メチル化率を算出した。
実施例1を踏まえ、筋腫特異的バイオマーカー遺伝子パネルを構築するにあたり、判別精度を保ちつつメチル化解析の労力を最小限にできる遺伝子数を検討した。
子宮筋腫特異的メチル化変異遺伝子の候補として選出した上記33遺伝子について、3症例の子宮筋腫検体を用いて1遺伝子のメチル化頻度をCOBRA法により解析した。その結果、全ての筋腫検体で高メチル化変異或いは低メチル化変異が生じている、17個の遺伝子を筋腫特異的バイオマーカー遺伝子として同定した。更に、子宮筋腫検体を11症例に増やし同様の解析を行い、7割以上の筋腫検体で共通して高メチル化変異あるいは低メチル化変異が生じた10個の遺伝子(ALX1、CBLN1、CORIN、FOXP1、GATA2、IGLON5、NPTX2、NTRK2、PRL、及びSTEAP4)を特定した。
特定した筋腫特異的バイオマーカー遺伝子について、バイサルファイト−PCRに用いたPCRプライマーを表2に示す。表2に示したプライマー配列は、バイサルファイト処理により非メチル化シトシンがウラシル(チミン)に変換された配列を増幅できるように設計したものである。また、本件バイオマーカー遺伝子のバイサルファイト−PCRにて増幅されたゲノム領域のヌクレオチド配列を、配列番号1〜10に示す(配列番号1:ALX1、配列番号2:CBLN1、配列番号3:CORIN、配列番号4:FOXP1、配列番号5:GATA2、配列番号6:IGLON5、配列番号7:NPTX2、配列番号8:NTRK2、配列番号9:PRL、配列番号10:STEAP4)。COBRA法にてメチル化頻度を解析したCpG部位は、以下のとおりである。
配列番号1に示されるヌクレオチド配列の144−145番目のヌクレオチド配列
配列番号2に示されるヌクレオチド配列の146−147番目のヌクレオチド配列
配列番号3に示されるヌクレオチド配列の181−182番目のヌクレオチド配列
配列番号4に示されるヌクレオチド配列の67−68番目のヌクレオチド配列
配列番号5に示されるヌクレオチド配列の171−172番目のヌクレオチド配列
配列番号6に示されるヌクレオチド配列の377−378番目のヌクレオチド配列
配列番号7に示されるヌクレオチド配列の159−160番目のヌクレオチド配列
配列番号8に示されるヌクレオチド配列の65−66番目のヌクレオチド配列
配列番号9に示されるヌクレオチド配列の259−260番目のヌクレオチド配列
配列番号10に示されるヌクレオチド配列の102−103番目のヌクレオチド配列
各症例のメチル化状態の類似度を測る尺度としてピアソン相関を用い、クラスタリングのアルゴリズムとして平均連結法を採用したクラスタリングを行った。実際の階層的クラスタリングには、オープンリソースソフトであるMultiExperiment Viewer(MeV)を使用し、症例方向のクラスタリングを行った。
各18症例の正常筋層検体、及び子宮筋腫検体における階層的クラスタリングの結果を図2に示す。選出した前述の10遺伝子により、18症例の正常筋層と子宮筋腫がクラスタリングにより完全に異なるクラスターに区別された。一方で、筋腫検体においては樹形図(デンドログラム)の約半分の高さ(点線)で切り取った場合、メチル化パターンが若干異なる3つのサブグループ(L1、L2およびL3)に分類されることも示された。
12症例の子宮肉腫検体、及び肉腫細胞株4サンプル(ヒト子宮肉腫細胞株SKN、及びヒト卵巣肉腫細胞株RKNをそれぞれ2サンプルずつ)を、実施例2にて構築した各18症例の正常筋層検体、及び子宮筋腫検体における階層的クラスタリングの結果と共に示した結果を図3に示す。
8症例の肉腫検体と4株の肉腫細胞株は、筋腫・筋層とは異なるクラスターに分別された。一方、4症例の肉腫検体は筋腫のサブグループL2に分別された。筋腫を含まないクラスターに分類された検体のうち、筋層のクラスターに含まれなかったものは肉腫と判断できる。筋腫を含むクラスターに分類された検体のうち、サブグループL1およびL3にクラスタリングされたものは筋腫と判断でき、サブグループL2にクラスタリングされたものは40%の確率で肉種の可能性を持つ検体と判断できる。
追加した新規の症例データが肉腫、筋腫、及び筋層検体を含むどのクラスターに分類されるかを調べることで、その症例が肉腫であるか否かを診断することができる。新規な2症例(検体X、及びY)について、COBRA法により前述の10遺伝子領域のメチル化データを取得し、そのデータを実施例3にて示した肉腫、筋腫および筋層検体のメチル化データに追加して階層的クラスタリングを行った。検体X、及びYは病理診断により、それぞれ子宮筋腫、及び子宮肉腫と診断されている。階層的クラスタリングの結果を図4に示す。
検体X、及びYは階層的クラスタリングにより、それぞれ子宮筋腫、及び子宮肉腫に分別された。これより、本願筋腫特異的バイオマーカー遺伝子パネルは、子宮肉腫の診断に応用可能であることが示された。
Claims (4)
- 以下の工程(A)〜(E)を備えたことを特徴とする子宮平滑筋における腫瘍を診断するためのデータを収集する方法。
(A)採取された子宮平滑筋腫、子宮平滑筋肉腫、及び正常子宮平滑筋層の組織からゲノムDNAを抽出する工程;
(B)工程(A)で抽出した各組織のゲノムDNA中の、ALX1、CBLN1、CORIN、FOXP1、GATA2、IGLON5、NPTX2、NTRK2、PRL、及びSTEAP4遺伝子をコードする領域又は前記各遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列のメチル化頻度を測定する工程;
(C)被検体から採取された子宮平滑筋における腫瘍組織からゲノムDNAを抽出する工程;
(D)工程(C)で抽出したゲノムDNA中の、ALX1、CBLN1、CORIN、FOXP1、GATA2、IGLON5、NPTX2、NTRK2、PRL、及びSTEAP4遺伝子をコードする領域又は前記各遺伝子の転写制御領域をコードする領域におけるCpG配列のメチル化頻度を測定する工程;
(E)前記被検体における子宮平滑筋腫及び子宮平滑筋肉腫を診断するためのデータを収集するため、工程(D)で測定したCpG配列のメチル化頻度データを、基準となる工程(B)で測定したCpG配列のメチル化頻度データとともに階層的クラスタリングを行う工程; - 工程(B)及び(D)において、
ALX1遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号1に示されるヌクレオチド配列の144−145番目のヌクレオチド配列であり、
CBLN1遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号2に示されるヌクレオチド配列の146−147番目のヌクレオチド配列であり、
CORIN遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号3に示されるヌクレオチド配列の181−182番目のヌクレオチド配列であり、
FOXP1遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号4に示されるヌクレオチド配列の67−68番目のヌクレオチド配列であり、GATA2遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号5に示されるヌクレオチド配列の171−172番目のヌクレオチド配列であり、
IGLON5遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号6に示されるヌクレオチド配列の377−378番目のヌクレオチド配列であり、
NPTX2遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号7に示されるヌクレオチド配列の159−160番目のヌクレオチド配列であり、
NTRK2遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号8に示されるヌクレオチド配列の65−66番目のヌクレオチド配列であり、PRL遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号9に示されるヌクレオチド配列の259−260番目のヌクレオチド配列であり、STEAP4遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号10に示されるヌクレオチド配列の102−103番目のヌクレオチド配列であることを特徴とする請求項1記載の方法。 - ALX1、CBLN1、CORIN、FOXP1、GATA2、IGLON5、NPTX2、NTRK2、PRL、及びSTEAP4遺伝子をコードする領域又は前記各遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列のメチル化頻度を測定するためのプライマー若しくはプローブ、又はそれらの標識物を備えたことを特徴とする、子宮平滑筋における腫瘍の診断用キット。
- ALX1遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号1に示されるヌクレオチド配列の144−145番目のヌクレオチド配列であり、
CBLN1遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号2に示されるヌクレオチド配列の146−147番目のヌクレオチド配列であり、
CORIN遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号3に示されるヌクレオチド配列の181−182番目のヌクレオチド配列であり、
FOXP1遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号4に示されるヌクレオチド配列の67−68番目のヌクレオチド配列であり、GATA2遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号5に示されるヌクレオチド配列の171−172番目のヌクレオチド配列であり、
IGLON5遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号6に示されるヌクレオチド配列の377−378番目のヌクレオチド配列であり、
NPTX2遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号7に示されるヌクレオチド配列の159−160番目のヌクレオチド配列であり、
NTRK2遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号8に示されるヌクレオチド配列の65−66番目のヌクレオチド配列であり、PRL遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号9に示されるヌクレオチド配列の259−260番目のヌクレオチド配列であり、STEAP4遺伝子をコードする領域又は前記遺伝子の転写制御領域におけるCpG配列が、配列番号10に示されるヌクレオチド配列の102−103番目のヌクレオチド配列であることを特徴とする請求項3記載のキット。
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