JP6579982B2 - 車両用キーレスシステム、および車両用キーレスシステムの車載機 - Google Patents
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Description
このような車両用キーレスシステムには、キーボタンの操作態様に応じて、異なるコマンド信号が携帯機から送信されるように構成されたものがある。
例えば、キーボタンが通常操作された場合には、車両ドアの施錠・解錠を指示するコマンド信号がメイン信号として送信され、キーボタンが長押しされた場合(特殊態様で操作された場合)には、ドアウインドウの開・閉を指示するコマンド信号がサブ信号として送信されるように構成されたものがある。
しかしながら、車載機の方は、RF送信を常時受信できる状態で待機する必要があるので、電力消費を抑えることが難しかった。
この車載機では、受信部が、コマンド信号を受信する度に、割り込み信号を制御部に出力し、制御部が、受信部からの割り込み信号が入力されると、受信部で受信したコマンド信号を取り込んで、コマンド信号に含まれるID情報やコマンド情報などを抽出するコード分析を行うように構成されている。
そして、制御部は、抽出したID情報の照合を行って、受信したコマンド信号が、車載機が搭載された自車両向けのコマンド信号である場合に、コマンド信号から抽出したコマンド情報などに基づいて、制御対象のアクチュエータに、制御対象を動作させるためのコマンド指令を出力するようになっている。
そして、コード分析の結果、受信部が受信したコマンド信号が自車両向けでないと判断された場合には、その後の処理を中断するようになっている。
携帯機から送信されたコマンド信号を車載機が受信して所定の車載装置を制御する車両用キーレスシステムであって、
携帯機は、
当該携帯機に固有のID情報を含んだコマンド信号をメイン信号として送信したのち、メイン信号に続いて、携帯機に固有のID情報を含んだコマンド信号をサブ信号として送信するように構成されており、
サブ信号は、間欠送信される複数の同一信号からなり、
車載機は、
メイン信号として送信されたコマンド信号を受信すると、受信したメイン信号に含まれるID情報が、車載機を利用可能な携帯機に固有のID情報として記憶部に記憶されているID情報と一致しない場合に、状態移行処理を実行し、
状態移行処理では、
受信部を、間欠送信されるサブ信号と異なるタイミングで間欠動作するスリープ状態に移行させて、
車載機を、メイン信号に続いて送信された前記サブ信号の処理を行わない省電力状態に移行させるものとした。
これにより、メイン信号に続いて送信されるサブ信号にかかわる処理が行われないので、車載機における消費電力が低減されて、無駄な電力が消費されないことになる。
以下の説明では、ドアの施錠・解錠を主なコマンド対象とするキーレスエントリーシステムの場合を例に挙げて説明する。
図1は、キーレスエントリーシステム1の全体構成を示すブロック図である。
操作部4は、ユーザにより操作されるキーボタン8を有しており、携帯機2では、このキーボタン8として、施錠ボタン8aと、解錠ボタン8bとが設けられている。なお、以下の説明では、施錠ボタン8aと解錠ボタン8bとを特に区別しない場合には、説明の便宜上、キーボタン8と標記する。
EEPROM5には、CPU3を作動させる処理プログラムやID(識別)情報が格納されている。
CPU3は、キーボタン8の操作に基づいてコマンド信号を生成する処理を行い、生成したコマンド信号を送信部7へ出力する。
RAM6は、CPU3が処理作業する間、データ等を一時的に記憶する。
送信部7は、図示省略の発振回路や変調回路を含み、CPU3で生成されたコマンド信号を電波として送信する。
受信部11は、携帯機2から送信されたコマンド信号を受信する。受信部11は、コマンド信号を順次に一時記憶するメモリとしてのリングバッファ12を備え、受信したコマンド信号のデータを格納する。リングバッファ12は、順次に格納したデータを時系列に取り出し可能で、後述の単位コマンド信号を少なくとも2個格納可能となっている。
CPU13は、後述するカウンタ16を備えている。
EEPROM14には、CPU13を作動させる処理プログラムやID情報が格納されている。
RAM15は、CPU13が処理作業する間一時的にデータ等を記憶する。
そして、CPU13は、照合処理やコマンド処理等に基づいて、ドアアクチュエータ18やウインドウアクチュエータ19への駆動信号などのコマンド指令を出力する。
CPU13は、受信部11を含む車載機10内全般の制御も行う。
なお、図示省略しているが、車載機10は、CPU13とドアアクチュエータ18およびウインドウアクチュエータ19との間に、上記コマンド指令を伝送するためのインタフェースを備えている。
ユーザが携帯機2のキーボタン8を押下すると、携帯機2から車載機10に対して、図2の(a)に示す信号が送信される。
この信号は、受信部11を起動させるためのウェイクアップ信号WKと、CPU13が押下されたキーボタン8に応じてコマンド処理を実行するためのメイン信号MS(単位コマンド信号RC)と、信号送信の完了を表す終了信号ENDと、が時系列に送信されたものである。
そのため、ユーザが携帯機2のキーボタン8を長押しした場合(第2の操作が行われた場合)、上記信号は、図2の(a)に示す通り、単位コマンド信号RCと終了信号ENDとの間に、サブ信号LPを更に含んだものとなる。
単位コマンド信号RCは、携帯機2に固有に割り当てられたID情報や、押されたキーボタン8(施錠ボタン8aまたは解錠ボタン8b)に対応するコマンド情報を示すコードデータで形成されており、キーボタン8が押されて生成される各単位コマンド信号RC(RC(1)、RC(2)、RC(3))は、同一の内容となっている。
なお、以下の説明においては、上述の3つの単位コマンド信号RC(1)、RC(2)、RC(3)を、総称してメイン信号MSとも標記する。
例えば、解錠ボタン8bを単純に押し下げる操作(第1の操作)が行われた場合、この第1の操作により生成される単位コマンド信号RCは、ドアの解錠を要求するコマンド情報を含んでいる。
また、解錠ボタン8bを長押しする特殊態様の操作(第2の操作)が行われた場合、この第2の操作により生成される単位コマンド信号RCは、例えば、ドアウインドウを開くコマンド情報を含んだものとなる。
なお、以下の説明では、メイン信号MSと区別するため、第2の時間間隔S2で送信される単位コマンド信号を、サブ信号LPと呼ぶ。
そして、キーボタン8の押し下げ操作が終了すると、前記したID情報を含む終了信号ENDが、送信部7から送信される。
ここで、単位コマンド信号RCのデータ長は、あらかじめ設定されており、車載機10のEEPROM14にも記憶されている。
そして、受信部11は、動作のタイミングでウェイクアップ信号WKを受信すると、スリープ状態から稼動状態になって、その後に携帯機2側から送信されるメイン信号MSなどを常時受信可能な状態となる。
このため、ウェイクアップ信号WKの長さは、受信部11の間欠動作時の間欠間隔T1よりも大きく設定されている(図2の(a)、(b))。
そして、受信部11の間欠動作時の間欠間隔T1は、その動作タイミングがサブ信号LPと重ならない値に設定されている。
なお、この図2においては、2つのサブ信号LPを受信した後に、終了信号ENDが受信された状態を示している。
そして、受信部11は、各受信信号の格納を完了する都度、図2の(d)のように、CPU13へ割り込み信号BQを出力する。この割り込み信号BQの出力は、メイン信号MSの場合もサブ信号LPの場合も同じである。
メイン信号MSの1番目の単位コマンド信号RC(1)が、リングバッファ12に格納されると、格納が完了した時刻t1において、最先(1度目)の割り込み信号BQ(1)が、CPU13に入力される。これにより、CPU13の状態が、間欠動作のスリープ状態から、稼動状態へ移行する。
図2の(f)は、この取り込み通信のタイミングを示すが、(e)とともにその詳細は後掲の図3に譲る。
CPU13は、取り込んだ受信信号をRAM15に記憶させると共に、受信信号のコード分析を行って抽出したID情報やコマンド情報などの分析結果も、RAM15に記憶させる。
図3の(c)は、リングバッファ12へ格納される受信信号を示しており、(d)は、割り込み信号BQを示しており、(e)は、CPU13の状態変化を示しており、(f)は、リングバッファ12からの取り込みタイミングを示している。
しかし、CPU13のスリープ状態から稼動状態への状態移行に時間を要するため、図3の(e)に示すように、リングバッファ12からの取り込み通信が可能になるまでに例えば6ms程度の遷移遅れT3が生じる。
そのため、図3の(c)、(f)に示すように、割り込み信号BQ(1)の受信時刻t1から取り込み通信が開始される時刻t2までの間に、2番目の単位コマンド信号RC(2)が、受信部11で受信されると、受信した2番目の単位コマンド信号RC(2)のリングバッファ12への格納が開始されることになる。
なお、2番目の単位コマンド信号RC(2)のリングバッファ12への格納完了に伴って、2度目の割り込み信号BQ(2)がCPU13に入力されることになるが、2度目の割り込み信号BQ(2)を受信した時点(時刻t3)において、CPU13は、既に稼動状態になっているので、上記したリングバッファ12からの取り込み通信は、前記した遷移遅れの問題を生じることなく、速やかに実行されることになる。
そして、3度目の割り込み信号BQ(3)の受信に伴うリングバッファ12からの取り込み通信もまた、前記した遷移遅れの問題を生じることなく、速やかに実行されることになる。
しかし、図示の通り、設定された取り込み通信時間Xが終了するまでに、総ての2番目の単位コマンド信号RC(2)のリングバッファ12への格納が完了していないので、CPU13に取り込まれるデータは、1番目の単位コマンド信号RC(1)と、2番目の単位コマンド信号RC(2)の一部とが連続して結合された状態のデータとなる。
なお、図3の(f)における各単位コマンド信号の幅は、取り込まれるデータのボリューム比を示すイメージであって、時間長を表すものではない。
はじめに、単位コマンド信号RCのデータ長は既知であるから、CPU13は、上記既知のデータ長から1番目の単位コマンド信号RC(1)と、2番目の単位コマンド信号RC(2)の一部とを、識別して分離する。
これにより、コード分析に必要な総てのデータが揃った1番目の単位コマンド信号RC(1)が取得される。
そして、CPU13は、取り込んだ2番目の単位コマンド信号RC(2)の残りと、先に分離した2番目の単位コマンド信号RC(2)の一部とを結合して、コード分析に必要な総てのデータが揃った2番目の単位コマンド信号RC(2)を取得する。
そして、抽出したID情報がEEPROM14に記憶されたID情報と一致し、かつ各信号がすべて同一である場合に、CPU13が、単位コマンド信号RCのコマンド情報に基づく第1のコマンド処理を行って、例えば、ドアアクチュエータ18へコマンド指令が出力されることになる。
ここで、コマンド指令は、例えば、携帯機2で解錠ボタン8bが押された場合であれば、ドアロックの解錠指令となり、携帯機2の施錠ボタン8aが押された場合であれば、ドアロックの施錠指令となる。
これにより、サブ信号LPのリングバッファ12への格納完了に伴う割り込み信号BQが、CPU13に入力されることになる。サブ信号LPを複数回受信した場合には、受信する度に、サブ信号LPのリングバッファ12への格納完了に伴う割り込み信号BQが、CPU13に入力されることになる。
ここで、CPU13は、サブ信号LPを取り込んだ数(回数)をカウントするカウンタ16を備えており、取り込んだサブ信号LPの数があらかじめ設定された所定数Nに達したか否かを判断する。
そして、CPU13は、取り込んだサブ信号LPの数が所定数Nに達したと判断すると、特殊態様の操作としてのキーボタン8の長押しがなされたものと判定して、第2のコマンド処理を行って、例えば、ウインドウアクチュエータ19へのコマンド指令(サイドガラスを開方向に移動させる指令など)が出力されることになる。
なお、各ステップの左肩には当該ステップの処理主体を記しているが、直前のステップと処理主体が同一であるステップについては記載を省略している。他の実施例のフローチャートにおいても同様である。
ステップ100において、携帯機2からのウェイクアップ信号WKを受けて、受信部11が起動すると、受信部11の状態が、スリープ状態から稼動状態になる。
そして、ステップ101において、受信部11が、ウェイクアップ信号WKに続く1番目の単位コマンド信号RC(1)を受信して、受信した1番目の単位コマンド信号RC(1)のリングバッファ12への格納が完了すると、受信部11が、1度目の割り込み信号BQ(1)をCPU13に出力する。
このスリープ状態から稼動状態への遷移遅れT3の間に、ステップ103において、受信部11において2番目の単位コマンド信号RC(2)の受信が開始されて、受信された2番目の単位コマンド信号RC(2)のリングバッファ12への格納が開始されることになる。
そして、ステップ106において、CPU13は、分離した1番目の単位コマンド信号RC(1)のコード分析を行って、ID情報やコマンド情報などを取得する。
そして、照合の結果、ID情報を取得した単位コマンド信号RC(1)が、自車両向けの単位コマンド信号RC(1)であると判断した場合には(ステップ107、Y)、CPU13は、ステップ108へ進み、自車両向けの単位コマンド信号RC(1)でないと判断した場合には(ステップ107、N)、ステップ124へ進む。
ステップ109において、2度目の割り込み信号BQ(2)を受けたCPU13は、リングバッファ12に格納されている2番目の単位コマンド信号RC(2)の残りのデータを取り込む。
次いで、ステップ110において、CPU13は、前記したステップ105にて分離した2番目の単位コマンド信号RC(2)の一部と、前記したステップ109で取り込んだ残りのデータとを結合して、コード分析に必要な総てのデータが揃った2番目の単位コマンド信号RC(2)のデータを取得する。
これにより、続くステップ111において、CPU13は、2番目の単位コマンド信号RC(2)のコード分析を行って、ID情報やコマンド情報などを取得することになる。
そして、ステップ114において、CPU13は、3番目の単位コマンド信号RC(3)のコード分析を行って、ID情報やコマンド情報などを取得することになる。
そして、CPU13は、各単位コマンド信号RC(1)〜RC(3)が、同一の内容である場合には(ステップ115、Y)、ステップ116の処理へ進み、同一の内容でないと判断した場合には(ステップ115、N)、ステップ124の処理へ進む。
そして、ステップ117において、CPU13は、サブ信号LPのカウンタ16を初期化する。
ここで、受信部11は、携帯機2から送信された信号を受信可能な状態(稼動状態)で保持されているので、ステップ118において、受信部11は、受信した受信信号のリングバッファ12への格納を完了すると、割り込み信号BQをCPU13に出力する。
なお、コード分析や、コマンド処理によるコマンド指令の出力までに時間がかかる場合、CPU13は、これらの処理を、割り込み信号BQに応じて実行される受信信号の取り込みと並行して行うことができる。
そして、CPU13は、ステップ120において、ステップ119にて取り込んだ受信信号のコード分析を行って、当該受信信号が自車両向けの終了信号ENDであるかどうかをチェックする。
CPU13は、ステップ120において受信信号が終了信号ENDであると判断した場合には(ステップ120、Y)、ステップ124の処理へ進み、受信信号が終了信号ENDではなくサブ信号LPであると判断した場合には(ステップ120、N)、ステップ121の処理へ進む。
CPU13は、カウンタ値nが所定数Nに達したと判断した場合には(ステップ122、Y)、ステップ123の処理へ進み、所定数Nに達していないと判断した場合には(ステップ122、N)ステップ118の処理へ戻る。
そして、ウインドウアクチュエータ19を駆動するためのコマンド指令が出力されたのちは、CPU13は、終了信号ENDの受信を待たずに、ステップ124において、受信部11へスリープ指令を出力する。
そして、続くステップ125において、CPU13は、当該CPU13の状態を、稼動状態からスリープ状態に変更して、携帯機2から送信された信号(ウェイクアップ信号WK)に基づく一連の処理を終了する。
よって、前記したステップ100おいて、間欠的に動作するスリープ状態となった受信部11が、携帯機2から新たに送信された信号(ウェイクアップ信号WK)を受信するまでの間、車載機10の受信部11とCPU13の状態が、スリープ状態のままで保持されることになる。
そのため、サブ信号LPを取り込んだ回数(カウンタ値n)が、所定数Nになるまで(ステップ122)の間は、CPU13が、ステップ118からステップ122の処理を繰り返し実行することになる。
つまり、CPU13は、ウインドウアクチュエータ19へのコマンド指令を出力することなくこの段階で処理を終了させる。図2のタイムチャートはこの場合を示している。
そのため、CPU13は、前記したステップ107におけるID情報照合の処理において、メイン信号MSが自車両向けでないと判断した場合(ステップ107、N)、ステップ124の処理へ進む。
すなわち、スリープ指令CSによりスリープ状態に移行した受信部11は、図7の(b)に示す時刻t8やt9のタイミングにて間欠駆動するが、これらのタイミングは、図7の(c)の破線で示すサブ信号LPを受信部11が受信するタイミングと異なるものである。
したがって、スリープ指令CSを受信した後の受信部11は、他車両向けのサブ信号LPを受信すること無く、スリープ状態を維持できる。
そのため、上記スリープ指令CSを受信した後の受信部11は、他車両向けのサブ信号LPを受信しない一方で、携帯機2より新たなウェイクアップ信号WKが発信された場合には、当該ウェイクアップ信号WKを受信して、スリープ状態から稼動状態へ確実に移行(復帰)できるようになっている。
この際、CPU13は、受信部11より他車両向けのサブ信号LPに基づく割り込み信号BQが入力されることは無いので、スリープ状態を維持することが出来る。
そして、CPU13は、各々のタイミングにて、リングバッファ12より単位コマンド信号RC(2)のデータの一部(断片)を取り込み、それらを結合することで、コード分析に必要な総てのデータが揃った単位コマンド信号RC(2)の取得を実現する。
したがって、キーレスエントリーシステム1は、メイン信号MSについて冗長性付与による高い通信精度を得て、携帯機2の操作されたキーボタン8に対応するコマンドを高い信頼性をもって実行できる。
そして、キーレスエントリーシステム1は、キーボタン8の長押しによって別のコマンドも実行でき、利便性が向上する。
また、キーレスエントリーシステム1は、サブ信号LPについてもその所定数Nをカウントすることにより冗長性が付与され、高い通信精度が得られる。
図8は、第2の実施例を示すタイムチャートであり、前記した図3のタイムチャートに対応するものである。
図8の(c)は、受信信号を示しており、(d)は、割り込み信号を示しており、(e)は、CPU13の状態変化を示しており、これら図8の(c)〜(e)は、それぞれ、前記した図3の(c)〜(e)と同じである。
また、図8の(f)は、本実施例におけるリングバッファ12からの取り込みタイミングを示している。
その代わりに、2度目の割り込み信号BQ(2)が受信部11から入力されるのを待って、CPU13が、リングバッファ12からの一度目の受信信号の取り込みを実施するようになっている。
なお、リングバッファ12に格納されて連続している1番目の単位コマンド信号RC(1)と2番目の単位コマンド信号RC(2)のデータは、取り込み通信時間X内にすべて取り込み可能である。
なお、CPU13による3番目の単位コマンド信号RC(3)の取り込みは、第1の実施例における処理と同じである。
ステップ202において、CPU13のスリープ状態から稼動状態への移行が開始されると、稼働状態への移行の開始から完了までの遷移遅れT3の間に、ステップ203の2番目の単位コマンド信号RC(2)の受信部11での受信が開始されると共に、受信された受信信号のリングバッファ12への格納が開始される。
ここで取り込んだデータは、1番目の単位コマンド信号RC(1)と、2番目の単位コマンド信号RC(2)とが結合したものである。
そのため、続くステップ207において、CPU13は、取り込んだデータにおいて、1番目の単位コマンド信号RC(1)の部分と、2番目の単位コマンド信号RC(2)の部分とを識別したうえで、1番目の単位コマンド信号RC(1)と、2番目の単位コマンド信号RC(2)に分離させる。
そして、図10に示すステップ208において、CPU13は、1番目の単位コマンド信号RC(1)と、2番目の単位コマンド信号RC(2)の各々に対してコード分析を実施して、ID情報やコマンド情報などを取得する。
そして、照合の結果、ID情報を取得した単位コマンド信号RC(1)が、自車両向けの単位コマンド信号RC(1)であると判断した場合に(ステップ209、Y)、ステップ210へ進み、自車両向けの単位コマンド信号RC(1)でないと判断した場合には(ステップ209、N)、ステップ222へ進む。
このステップ210からステップ223までの各処理は、前記した第1の実施例におけるステップ112(図5参照)からステップ125(図6参照)までの各処理と、それぞれ同じであり、以下においては、これらの処理の説明を省略する。
その他の構成は第1の実施例と同じである。
そして、CPU13は、取り込んだ単位コマンド信号RC(1)と単位コマンド信号RC(2)を分離することにより、全部のデータが揃った単位コマンド信号RC(2)の取得を実現する。
その結果、CPU13は、メイン信号MSである3つの単位コマンド信号RC(1)〜RC(3)すべてを確実に取得し、それぞれをコード分析することができる。
したがって、キーレスエントリーシステム1は、メイン信号MSについて冗長性付与による高い通信精度を得て、携帯機2の操作されたキーボタン8に対応するコマンドを高い信頼性をもって実行できる。
そして、キーレスエントリーシステム1は、キーボタン8の長押しによって別のコマンドも実行でき、利便性が向上する。
また、キーレスエントリーシステム1は、サブ信号LPについてもその所定数Nをカウントすることにより冗長性が付与され、高い通信精度が得られる。
そのため、受信部11が、他車両向けのサブ信号LPを受信する度に、割り込み信号BQを出力し、さらにその割り込み信号に応じてCPU13が、リングバッファ12からのデータ取り込みを繰り返すような事態が回避される。
さらに、受信部が2番目の単位コマンド信号RC(2)を受信している間、CPU13は待機しているので、リングバッファ12からの取り込み時にCPU13が発生するノイズによって受信部の受信が阻害されるおそれがない。
図12は、第3の実施例を示すタイムチャートであり、前記した図3のタイムチャートに対応するものである。図12の(c)は、受信信号を示しており、(d)は、割り込み信号を示しており、(e)は、CPU13の状態変化を示しており、これら図8の(c)〜(e)は、それぞれ、前記した図3の(c)〜(e)と同じである。
また、図12の(f)は、本実施例におけるリングバッファ12からの取り込みタイミングを示している。
なお、CPU13による3番目の単位コマンド信号RC(3)の取り込みは、第1の実施例における処理と同じである。
ステップ302において、CPU13のスリープ状態から稼動状態への移行が開始されると、稼働状態への移行の開始から完了までの遷移遅れT3の間に、ステップ303の2番目の単位コマンド信号RC(2)の受信部11での受信が開始されると共に、受信された受信信号のリングバッファ12への格納が開始される。
ここで、CPU13の稼動状態への移行が完了した時点(時刻t2)では、コード分析に必要な総てのデータが揃った1番目の単位コマンド信号RC(1)と、2番目の単位コマンド信号RC(2)の一部とが、リングバッファ122が格納されており、2番目の単位コマンド信号RC(2)の一部は、コード分析に必要な総てのデータが揃っていない不完全なデータである。
そして、照合の結果、IDを取得した単位コマンド信号RC(1)が、自車両向けの単位コマンド信号RC(1)であると判断した場合には(ステップ306、Y)、CPU13は、ステップ307へ進み、自車両向けの単位コマンド信号RC(1)でないと判断した場合には(ステップ306、N)、ステップ322へ進む。
ステップ308において、2度目の割り込み信号BQ(2)を受けたCPU13は、リングバッファ12から2番目の単位コマンド信号RC(2)を取り込む。
次いで、ステップ309において、CPU13は、2番目の単位コマンド信号RC(2)のコード分析を行って、ID情報やコマンド情報などを取得する。
したがって、キーレスエントリーシステム1は、メイン信号MSについて冗長性付与による高い通信精度を得て、携帯機2の操作されたキーボタン8に対応するコマンドを高い信頼性をもって実行できる。
そして、キーレスエントリーシステム1は、キーボタン8の長押しによって別のコマンドも実行でき、利便性が向上する。
また、キーレスエントリーシステム1は、サブ信号LPについてもその所定数Nをカウントすることにより冗長性が付与され、高い通信精度が得られる。
そのため、受信部11が、他車両向けのサブ信号LPを受信する度に、割り込み信号BQを出力し、さらにその割り込み信号に応じてCPU13がリングバッファ12からのデータ取り込みを繰り返すような事態が回避される。
さらにまた、CPU13では2度目の割り込み信号BQ(2)に応答して行う取り込み後に、1回目の取り込みによる2番目の単位コマンド信号RC(2)の一部と2回目の取り込みによる2番目の単位コマンド信号RC(2)の残りとを結合する処理が不要となり、第1の実施例に対して、制御速度が速まる。
そして、1番目の単位コマンド信号RC(1)が発明における最先で受信したメイン信号に相当する。
(1)コマンド信号を送信する携帯機2と、
携帯機2より送信されたコマンド信号を受信すると共に、受信したコマンド信号に応じて車載装置(ドアアクチュエータ18、ウインドウアクチュエータ19)を制御する車載機10と、を有する車両用キーレスシステム1であって、
携帯機2は、
操作部4と、CPU3(携帯側制御部)と、送信部7とを有すると共に、
CPU3は、
操作部4が操作されると、携帯機2に固有のID情報を含む単位コマンド信号RC(1)〜RC(3)をメイン信号MSとして送信部7から送信すると共に、
操作部4の操作に続く操作部4の操作態様が、特殊態様の要件(例えば、長押し)を満たした場合に、ID情報を含む単位コマンド信号RCをサブ信号LPとして、メイン信号MSに続いて送信部7から送信し、
車載機10は、
コマンド信号(メイン信号MS、サブ信号LPとして送信された単位コマンド信号RCを含む)を受信する受信部11と、
受信部11で受信したコマンド信号に基づいて車載装置を制御するためのコマンド処理を実行するCPU13(車載機側制御部)と、
車載機10を利用可能な携帯機2に固有のID情報を記憶するEEPROM14(記憶部)と、を有すると共に、
CPU13は、
メイン信号MSとして送信された単位コマンド信号RC(1)〜RC(3)を受信すると、受信したメイン信号MSに含まれるID情報が、EEPROM14に記憶されているID情報と一致しない場合に、
車載機10のCPU13を、間欠動作するスリープ状態(省電力状態)に移行させる状態移行処理を実行して、メイン信号に続いて送信されるサブ信号の処理を行わないようにした。
そのため、車載機10のCPU13では、サブ信号LPとして送信された他車両向けの単位コマンド信号RCにかかわる処理が行われないので、車載機10における消費電力が低減されて、無駄な電力が消費されないことになる。
CPU13は、最先で受信したメイン信号の単位コマンド信号RC(1)に含まれるID情報と、EEPROM14に記憶されているID情報とが一致しない場合に、車載機10のCPUをスリープ状態に移行させる状態移行処理を実行する構成とした。
これにより、車載機10における無駄な電力の消費を、最も早いタイミングで抑制できる。
車載機10の受信部11は、サブ信号LPを受信する度に、サブ信号LPのリングバッファ12からの取り込みを指示する割り込み信号BQをCPU13に出力するように構成されており、
CPU13は、受信したメイン信号MSに含まれるID情報が、EEPROM14に記憶されているID情報と一致しないために、CPU13をスリープ状態に移行させる際に、さらに受信部11をスリープ状態(省電力状態)に移行させる受信部制御処理を実行する構成とした。
これにより、他車両向けのメイン信号MSに続いて送信される他車両向けのサブ信号LPを、受信部11が受信することがないので、受信部10がサブ信号LPを受信して、受信したサブ信号LPのリングバッファ12への格納が完了した時点で、割り込み信号BQが、CPU13に向けて出力されることもない。
そのため、スリープ状態のCPU13が、割り込み信号の入力を受けて、起動状態になることなく、スリープ状態で保持されることになる。よって、割り込み信号に応じてCPU13が起動状態になることがないので、CPU13での無駄な電力消費を好適に防止できる。
さらに、受信部11もまたスリープ状態になるので、受信部11における電力消費も抑制できることになる。
そしてこの処理はとくにメイン信号MSの中でも1番目の単位コマンド信号RC(1)のID情報に基づいて行うので実行タイミングが最も早く、受信部11およびCPU13の無駄な電力消費が最大限に抑えられる。
よって、他車両向けのメイン信号MSを受信したと判定されて、受信部11がスリープ状態に移行した場合には、他車両向けのメイン信号MS受信した後であると判定されたメイン信号MSに続いて送信される他車両向けのサブ信号LPを、間欠動作する受信部11が受信することがない。
これにより、受信部11が、他車両向けのメイン信号MSに続いて送信されるサブ信号LPを受信して、割り込み信号をCPU13に出力することがないので、他車両向けのサブ信号LPにより、スリープ状態のCPUが起動状態になることを好適に防止できる。
このようにすることによっても、車載機10(CPU13)での電力消費を抑制できる。
車載機10の受信部11がスリープ状態であるときに、受信部10が間欠動作する際の間欠時間長T1は、ウェイクアップ信号WKの時間長よりも短いものとした。
よって、ウェイクアップ信号WKに続いて送信されるメイン信号MSを、車載機10側で確実に受信させることができる。
また、受信部11はスリープ状態に移行したあとでも携帯機2から新たなコマンド信号が送信されたときには、確実に再起動することができる。
当該CPU13を、間欠動作するスリープ状態(省電力状態)に移行させる状態移行処理を実施する際に、受信部11をスリープ状態(省電力状態)に移行させる受信部制御処理も実行する場合には、受信部11をスリープ状態への移行後に、CPU13のスリープ状態への移行を開始する構成とした。
上記のように構成して受信部11を先にスリープ状態にすることで、CPU13の状態の切り替えに伴う電力消費の抑制が可能となる。
また携帯機2の特殊態様の操作もキーボタン8の長押しに限定されず、複数回の断続操作など任意の態様を採用することができる。
特殊態様の操作によるコマンド対象もドアウインドウの開・閉に限定されない。
さらには、メイン信号MSは冗長性付与のため3つの単位コマンド信号RC(1)−RC(3)で形成したが、これに限定されず、2つ以上の任意の個数でよい。
2 携帯機
3 CPU
4 操作部
5 EEPROM
6 RAM
7 送信部
8 キーボタン
8a 施錠ボタン
8b 解錠ボタン
10 車載機
11 受信部
12 リングバッファ
13 CPU
14 EEPROM
15 RAM
16 カウンタ
18 ドアアクチュエータ
19 ウインドウアクチュエータ
BQ 割り込み信号
CS スリープ指令
END 終了信号
MS メイン信号
LP サブ信号
RC 単位コマンド信号
WK ウェイクアップ信号
Claims (10)
- コマンド信号を送信する携帯機と、
前記携帯機より送信された前記コマンド信号を受信すると共に、受信した前記コマンド信号に応じて車載装置を制御する車載機と、を有する車両用キーレスシステムであって、
前記携帯機は、
操作部と、携帯側制御部と、送信部とを有すると共に、
前記携帯側制御部は、
前記操作部が操作されると、前記携帯機に固有のID情報を含む前記コマンド信号をメイン信号として前記送信部から送信すると共に、
前記操作部の操作に続く前記操作部の操作態様が、特殊態様の要件を満たした場合に、前記ID情報を含む前記コマンド信号をサブ信号として、前記メイン信号に続いて前記送信部から送信し、
前記車載機は、
前記コマンド信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信したコマンド信号に基づいて前記車載装置を制御するためのコマンド処理を実行する車載機側制御部と、
前記車載機を利用可能な携帯機に固有のID情報を記憶する記憶部と、を有し、
前記サブ信号は、間欠送信される複数の同一信号からなり、
前記車載機側制御部は、
前記メイン信号として送信された前記コマンド信号を受信すると、受信したメイン信号に含まれるID情報が、前記記憶部に記憶されているID情報と一致しない場合に、状態移行処理を実行し、
前記状態移行処理では、
前記受信部を、前記間欠送信されるサブ信号と異なるタイミングで間欠動作するスリープ状態に移行させて、
前記車載機を、前記メイン信号に続いて送信された前記サブ信号の処理を行わない省電力状態に移行させることを特徴とする車両用キーレスシステム。 - 前記メイン信号は、所定時間間隔で連続する複数の同一信号からなり、
前記車載機側制御部は、最先で受信したメイン信号に含まれるID情報と、前記記憶部に記憶されているID情報とが一致しない場合に、前記状態移行処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の車両用キーレスシステム。
- 前記受信部は、前記サブ信号を受信する度に、当該サブ信号の取り込みを指示する割り込み信号を、前記車載機側制御部に出力することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用キーレスシステム。
- 前記携帯側制御部は、
前記メイン信号よりも先に、前記受信部を起動させる受信部起動信号を送信し、
前記受信部が間欠動作する際の間欠時間長は、前記受信部起動信号の時間長よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の車両用キーレスシステム。 - 前記状態移行処理は、
前記車載機側制御部が、前記受信部を前記スリープ状態に移行させた後に、前記車載機側制御部自身を、間欠動作するスリープ状態に移行させる処理であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の車両用キーレスシステム。 - 携帯機より送信されたコマンド信号を受信すると、受信したコマンド信号に応じて車載装置を制御する車載機であって、
前記携帯機は、
前記携帯機に固有のID情報を含んだ前記コマンド信号をメイン信号として送信したのち、前記メイン信号に続いて、前記携帯機に固有のID情報を含んだ前記コマンド信号をサブ信号として送信するように構成されており、
前記車載機は、
前記コマンド信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信したコマンド信号に基づいて前記車載装置を制御するためのコマンド処理を実行する車載機側制御部と、
前記車載機を利用可能な携帯機に固有のID情報を記憶する記憶部と、を有し、
前記サブ信号は、間欠送信される複数の同一信号からなり、
前記車載機側制御部は、
前記メイン信号として送信された前記コマンド信号を受信すると、受信したメイン信号に含まれるID情報が、前記記憶部に記憶されているID情報と一致しない場合に、状態移行処理を実行し、
前記状態移行処理では、
前記受信部を、前記間欠送信されるサブ信号と異なるタイミングで間欠動作するスリープ状態に移行させて、
前記車載機を、前記メイン信号に続いて送信された前記サブ信号の処理を行わない省電力状態に移行させることを特徴とする車載機。 - 前記メイン信号は、所定時間間隔で連続する複数の同一信号からなり、
前記車載機側制御部は、最先で受信したメイン信号に含まれるID情報と、前記記憶部に記憶されているID情報とが一致しない場合に、前記状態移行処理を実行することを特徴とする請求項6に記載の車載機。 - 前記受信部は、前記サブ信号を受信する度に、当該サブ信号の取り込みを指示する割り込み信号を、前記車載機側制御部に出力することを特徴とする請求項6または7に記載の車載機。
- 前記携帯機側は、前記メイン信号よりも先に、前記受信部を起動させる受信部起動信号を送信するように構成されており、
前記受信部が間欠動作する際の間欠時間長は、前記受信部起動信号の時間長よりも短いことを特徴とする請求項6に記載の車載機。 - 前記状態移行処理は、
前記車載機側制御部が、前記受信部を前記スリープ状態に移行させた後に、前記車載機側制御部自身を、間欠動作するスリープ状態に移行させる処理であることを特徴とする請求項7から9のいずれか1に記載の車載機。
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