JP6566555B2 - 電力変換装置及び空調機 - Google Patents
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Description
例えば、空気調和機(空調機)には、電力変換装置として、商用電源から直流電力を生成するためのアクティブフィルタ(アクティブコンバータ)、モータを駆動させるための交流電力を生成するインバータ等が搭載されている(特許文献1〜特許文献3参照)。これらのアクティブフィルタ、インバータ等は、大電力のスイッチングに適したスイッチング素子(いわゆるパワートランジスタ)で構成される。
一部の空調機においては、インバータ、アクティブコンバータ等を構成する多数のスイッチング素子が同一基板上に搭載されるため、各スイッチング素子のON/OFF制御に応じたスイッチングノイズが発生する。そうすると、特に、各スイッチング素子を制御するスイッチング素子制御回路が同一の電源で動作する場合、電源線を通じて互いのノイズが伝搬し合い、誤動作の要因となることが懸念される。
以下、第1の実施形態に係る電力変換装置について、図1〜図4を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係る電力変換装置の全体構成を示す図である。
本実施形態に係る電力変換装置1は、空調機に搭載される。電力変換装置1は、商用電源からの交流電力を変換して、当該空調機の運転状態に応じてコンプレッサのモータを駆動させるための電力を生成する。
具体的には、図1に示すように、アクティブフィルタ12は、インダクタ120、アクティブフィルタ用ダイオード素子121、及び、スイッチング素子122で構成される。アクティブフィルタ12は、後述する制御部2が、高電位線αと低電位線βとの間に接続されるスイッチング素子122を適切に制御することで、整流回路11から出力される直流電力の高調波成分を抑制するフィルタとして機能する。
なお、スイッチング素子122(及び、後述するスイッチング素子130)は、大電力出力(高電圧、大電流)に適用可能なパワートランジスタであり、例えば、FET(Field Effect Transistor)、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子等が一般的である。
具体的には、図1に示すように、インバータ13は、6個のスイッチング素子130によって構成される。インバータ13は、高電位線αと低電位線βとの間において、3組のスイッチング素子130が並列に接続されてなり、当該スイッチング素子130の各組が、三相交流電力の各相(U相、V相、W相)に対応して交流電力を出力する。
具体的には、制御部2は、高電位線α、低電位線βにおける各種センシング値(電圧、電流)を取り込みながら、取得した当該センシング値に応じて、適切にスイッチング素子122、130のON/OFFを制御する。制御部2の態様については、図2を参照しながら具体的に説明する。
図2は、第1の実施形態に係る制御部の構成を示す図である。
図2に示すように、制御部2は、定電圧出力回路20と、アクティブフィルタ制御回路21と、制御用スイッチング素子210と、インバータ制御回路22と、ファンモータ制御回路23と、を備えている。
また、図2に示すように、制御部2を構成する各種回路には、ダイオード素子D0〜D3、定電圧調整用ダイオード素子D4、及び、キャパシタC0〜C4が接続されている。
定電圧出力回路20は、例えば、DC15Vの定電圧を出力する。定電圧出力回路20から出力された定電圧は、電源線Vを通じて上記各種回路に供給(印加)される。
また、電源線Vは、定電圧出力回路20から分岐して、上記各種回路の各々へと接続される。
アクティブフィルタ制御回路21は、電源線Vを通じて印加されるDC15Vの定電圧に基づいて動作する。
ここで、インバータ制御回路22は、電力変換装置1の各配線(高電位線α、低電位線β等)における電圧(電流)のセンシング値に応じながら、インバータ13を構成するスイッチング素子130の各々を独立して制御する。これにより、モータ14(図1)のトルク、回転数等が、空調機の運転状態に応じて適宜調整される。インバータ制御回路22は、例えば、4.5kHz程度の周波数で各スイッチング素子130のON/OFFを制御する。
インバータ制御回路22は、同じく、電源線Vを通じて印加されるDC15Vの定電圧に基づいて動作する。
ファンモータ制御回路23は、同じく、電源線Vを通じて印加されるDC15Vの定電圧に基づいて動作する。
なお、ファンモータの回転を制御するスイッチング素子の構成は、図1に示すインバータ13と同様である。
図2に示すように、キャパシタC0は、定電圧出力回路20とアクティブフィルタ制御回路21とを接続する電源線Vの下流側に一端が接続され、他端がグランドに接続されている。
また、キャパシタC1は、定電圧出力回路20と制御用スイッチング素子210とを接続する電源線Vの下流側に一端が接続され、他端がグランドに接続されている。
また、キャパシタC2は、定電圧出力回路20とインバータ制御回路22とを接続する電源線Vの下流側に一端が接続され、他端がグランドに接続されている。
また、キャパシタC3は、定電圧出力回路20とファンモータ制御回路23とを接続する電源線Vの下流側に一端が接続され、他端がグランドに接続されている。
そして、キャパシタC4は、電源線Vの上流側に一端が接続され、他端がグランドに接続されている。
具体的には、ダイオード素子D0は、定電圧出力回路20とアクティブフィルタ制御回路21とを接続する電源線Vにおいて、定電圧出力回路20からアクティブフィルタ制御回路21にかけて順方向に直列接続されている。
また、ダイオード素子D1は、定電圧出力回路20と制御用スイッチング素子210とを接続する電源線Vにおいて、定電圧出力回路20から制御用スイッチング素子210にかけて順方向に直列接続されている。
また、ダイオード素子D2は、定電圧出力回路20とインバータ制御回路22とを接続する電源線Vにおいて、定電圧出力回路20からインバータ制御回路22にかけて順方向に直列接続されている。
更に、ダイオード素子D3は、定電圧出力回路20とファンモータ制御回路23とを接続する電源線Vにおいて、定電圧出力回路20からファンモータ制御回路23にかけて順方向に直列接続されている。
また、ダイオード素子D1は、キャパシタC1の一端よりも上流側の電源線Vにおいて接続される。換言すると、キャパシタC1は、電源線Vにおけるダイオード素子D1と制御用スイッチング素子210との間に一端が接続され、他端がグランドに接続される。
また、ダイオード素子D2は、キャパシタC2の一端よりも上流側の電源線Vにおいて接続される。換言すると、キャパシタC2は、電源線Vにおけるダイオード素子D2とインバータ制御回路22との間に一端が接続され、他端がグランドに接続される。
更に、ダイオード素子D3は、キャパシタC3の一端よりも上流側の電源線Vにおいて接続される。換言すると、キャパシタC3は、電源線Vにおけるダイオード素子D3とファンモータ制御回路23との間に一端が接続され、他端がグランドに接続される。
定電圧調整用ダイオード素子D4は、電源線Vの各所に接続されたダイオード素子D0〜D3と同じ特性のダイオード素子である。
図3は、第1の実施形態に係る制御部の作用効果を説明する第1の図である。
また、図4は、第1の実施形態に係る制御部の作用効果を説明する第2の図である。
具体的には、図3は、図2に示す回路構成においてダイオード素子D0〜D3を具備しない対比例についての動作を説明する図である。
また、図4は、図2に示す回路構成のとおり、ダイオード素子D0〜D3を具備する制御部2の動作を説明する図である。
なお、図3、図4においては、簡略化のため、図2に示す制御部2の回路構成のうち、定電圧出力回路20、アクティブフィルタ制御回路21、インバータ制御回路22及びこれらを接続する電源線Vのみを示している。
以下、図3及び図4を参照しながら、制御部2の回路構成(図2)に基づく作用効果について説明する。
ここで、図3によれば、定電圧出力回路20からアクティブフィルタ制御回路21にかけて、定常的に電流Id1が流れるとともに、定電圧出力回路20からインバータ制御回路22にかけて、定常的に電流Id2が流れている。
対比例に示す回路構成の場合、定電圧出力回路20から供給される正規の電流Id1、Id2に加え、アクティブフィルタ制御回路21及びインバータ制御回路22の各々の動作に起因して生じたスイッチングノイズが、キャパシタC0、C2と電源線Vに寄生するインダクタンス成分とに基づく共振特性に誘起されることで電源線Vを伝搬する。
例えば、図3に示すように、キャパシタC0からインバータ制御回路22にかけてノイズ電流In1が流れるとともに、キャパシタC2からアクティブフィルタ制御回路21にかけてノイズ電流In2が流れる。
そうすると、各スイッチング素子制御回路(アクティブフィルタ制御回路21、インバータ制御回路22等)における電圧(電流)のセンシング能力が大幅に低下し、場合によっては、誤動作を引き起こすことが懸念される。
また、通常の電力変換装置では、異常(過電流)が発生したことを検知する過電流検知器が備えられていることが一般的であるが、このような過電流検知器が、上述の電圧変動に起因して誤動作することも考えられる。
例えば、図4に示すように、キャパシタC0からインバータ制御回路22にかけて流れようとするノイズ電流In1は、その進行方向に対し逆方向に接続されたダイオード素子D0によって遮断される。同様に、キャパシタC2からアクティブフィルタ制御回路21にかけて流れようとするノイズ電流In2は、その進行方向に対し逆方向に接続されたダイオード素子D2によって遮断される。
一方、定電圧出力回路20からアクティブフィルタ制御回路21にかけて定常的に流れる電流Id1は、ダイオード素子D0によって阻害されることはない。同様に、定電圧出力回路20からインバータ制御回路22にかけて定常的に流れる電流Id2は、ダイオード素子D2によって阻害されることはない。
図2に示すように、定電圧出力回路20と、各スイッチング素子制御回路(アクティブフィルタ制御回路21、インバータ制御回路22等)及び制御用スイッチング素子210と、の間にダイオード素子D0〜D3が設けられている。そうすると、電源線V上において、ダイオード素子D0〜D3の閾値電圧Vfに起因する電圧降下(例えば、Vf=0.7V)が生じる。この場合、各スイッチング素子制御回路等に印加される定電圧がダイオード素子D0〜D3の閾値電圧Vf分だけ低下する。したがって、各スイッチング素子制御回路等は、本来印加されるべき電圧(例えば、DC15V)が印加されず、誤動作を引き起こす可能性がある。
これにより、スイッチングノイズを低減し、ひいてはスイッチングノイズによる誤動作を低減することができる。特に、アクティブフィルタ12においては、アクティブフィルタ制御回路21における電圧、電流のセンシング性能が改善されるため、高調波抑制性能が向上する。
電源線Vに接続されているスイッチング素子そのものもノイズ発生源となり得るため、このようにすることで、スイッチングノイズを一層低減することができる。
以上、第1の実施形態に係る電力変換装置1について詳細に説明したが、電力変換装置1の具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
例えば、他の実施形態に係る定電圧出力回路20は、配線Gに、ダイオード素子D0〜D3の閾値電圧Vfに相当する電圧降下を生じさせる抵抗値を有する抵抗素子、又は、これに類する回路素子を接続する態様であってもよい。
即ち、他の実施形態においては、スイッチングノイズ低減効果が所望に得られる範囲内であれば、必ずしも、電源線Vに接続される全てのスイッチング素子制御回路及びスイッチング素子に対応してダイオード素子D0〜D3及びキャパシタC0〜C3を設けなくともよい。
即ち、他の実施形態においては、電力変換装置1は、アクティブフィルタ制御回路21、インバータ制御回路22、ファンモータ制御回路23のうちの何れか一つ又は複数を具備しない態様であってもよいし、逆に、アクティブフィルタ制御回路21、インバータ制御回路22、ファンモータ制御回路23以外のスイッチング素子制御回路を具備する態様であってもよい。
10 交流電源
11 整流回路
12 アクティブフィルタ
120 インダクタ
121 アクティブフィルタ用ダイオード素子
122 スイッチング素子
13 インバータ
130 スイッチング素子
14 モータ
2 制御部
20 定電圧出力回路
21 アクティブフィルタ制御回路(スイッチング素子制御回路)
210 制御用スイッチング素子(スイッチング素子)
22 インバータ制御回路(スイッチング素子制御回路)
23 ファンモータ制御回路(スイッチング素子制御回路)
C0、C1、C2、C3、C4 キャパシタ
D0、D1、D2、D3 ダイオード素子
D4 定電圧調整用ダイオード素子
V 電源線
G 配線
α 高電位線
β 低電位線
Claims (4)
- 定電圧を出力する定電圧出力回路と、
前記定電圧出力回路から電源線を通じて印加される前記定電圧に基づいて動作し、電力変換を行うためのスイッチング素子を制御するスイッチング素子制御回路と、
前記電源線において、前記定電圧出力回路から前記スイッチング素子制御回路にかけて順方向に接続されたダイオード素子と、
前記電源線における前記ダイオード素子と前記スイッチング素子制御回路との間に一端が接続され、他端がグランドに接続されたキャパシタと、
を備え、
前記定電圧出力回路は、
グランドと接続された配線において、前記ダイオード素子と同じ特性のダイオード素子である定電圧調整用ダイオード素子が接続されている
電力変換装置。 - 前記ダイオード素子は、
前記定電圧出力回路から複数の前記スイッチング素子制御回路の各々へと接続される全ての前記電源線に接続されている
請求項1に記載の電力変換装置。 - 前記ダイオード素子は、
前記スイッチング素子が、前記定電圧出力回路から前記電源線を通じて前記定電圧を印加される場合において、更に、前記定電圧出力回路と、前記定電圧を印加される前記スイッチング素子と、の間にも接続されている
請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。 - 請求項1から請求項3の何れか一項に記載の電力変換装置を備える空調機。
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