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JP6563541B1 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

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JP6563541B1
JP6563541B1 JP2018032955A JP2018032955A JP6563541B1 JP 6563541 B1 JP6563541 B1 JP 6563541B1 JP 2018032955 A JP2018032955 A JP 2018032955A JP 2018032955 A JP2018032955 A JP 2018032955A JP 6563541 B1 JP6563541 B1 JP 6563541B1
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Abstract

【課題】内燃機関を含むエンジンルーム内のレイアウトの自由度を向上しつつ、ハニカム担体の触媒の劣化の偏りを抑制できる内燃機関の排気浄化装置を提供すること。【解決手段】排気浄化装置1は、ハニカム担体42を有する触媒コンバータ4と、タービン出口25及びバイパス出口26から流出する排気をハニカム担体42に導く排気管3と、を備える。ハニカム担体42の中心軸線Ocに垂直な断面形状は、長手方向LD及び短手方向SDが定義される非真円形状であり、中心軸線Ocに沿った平面視において、ハニカム担体42の輪郭C1に定められた2つの仮想点P1,P2を端点とする線分のうち最も長い第1仮想線分L1は、タービン軸線Otに対し傾斜し、2つの仮想点P1,P2のうちタービン出口25及びバイパス出口26から遠い方である仮想点P1は、バイパス出口26よりもタービン出口25に偏倚する。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。より詳しくは、過給機と非真円形状の触媒コンバータとを備える内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関の排気を、触媒コンバータで浄化する技術は広く知られている。この触媒コンバータは、三元触媒、酸化触媒、NOx浄化触媒等の排気浄化触媒が担持された柱状のハニカム担体と、このハニカム担体を収容するケースと、を備える。例えば特許文献1には、このようなハニカム担体として、断面形状がオーバル形状となるものが提案されている。車両のエンジンルームには、内燃機関や触媒コンバータの他、様々な装置が配置されることから、オーバル形状のハニカム担体を用いることにより、真円形状のハニカム担体を用いた場合よりもエンジンルーム内のレイアウトの自由度を向上できる場合がある。
特開平10−043603号公報
ところで、触媒コンバータの上流側には過給機のタービンを設ける場合があるが、特許文献1では触媒コンバータと過給機との接続構造については十分に検討されていない。過給機のタービンには、タービンインペラを経由した排気が流出するタービン出口と、タービンインペラを迂回した排気が流出するバイパス出口とが並設されており、これら2つの出口からは異なる流速、流量で排気が流出する。また過給時にはタービン出口から排気が流出し、非過給時にはバイパス出口から排気が流出するため、これらタービン出口及びバイパス出口からは、異なったタイミングで排気が流出する。このため、上記のように非真円形状のハニカム担体を接続する場合、ハニカム担体に担持される排気浄化触媒の劣化に偏りが生じないように触媒コンバータを過給機に接続する必要がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、内燃機関を含むエンジンルーム内のレイアウトの自由度を向上しつつ、ハニカム担体の触媒の劣化の偏りを抑制できる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る内燃機関の排気浄化装置(例えば、後述の排気浄化装置1)は、タービン軸線(例えば、後述のタービン軸線Ot)に沿った排気が流出するタービン出口(例えば、後述のタービン出口25)及びタービンインペラ(例えば、後述のタービンインペラ22)を迂回した排気が流出するバイパス出口(例えば、後述のバイパス出口26)が並設された過給機(例えば、後述の過給機2)と、触媒が担持された柱状のハニカム担体(例えば、後述のハニカム担体42)を有する触媒コンバータ(例えば、後述の触媒コンバータ4)と、前記過給機と前記触媒コンバータとを接続し、前記タービン出口及び前記バイパス出口から流出する排気を前記ハニカム担体に導く接続部(例えば、後述の排気管3)と、を備えるものであって、前記ハニカム担体の中心軸線(例えば、後述の中心軸線Oc)に垂直な断面形状は、長手方向(例えば、後述の長手方向LD)及び短手方向(例えば、後述の短手方向SD)が定義される非真円形状であり、前記中心軸線に沿った平面視において、前記ハニカム担体の外周に定められた2つの仮想点(例えば、後述の仮想点P1,P2)を端点とする線分のうち最も長い触媒側仮想線分(例えば、後述の第1仮想線分L1)は、前記タービン軸線に対し傾斜し、前記2つの仮想点のうち前記タービン出口及び前記バイパス出口から遠い方は、前記バイパス出口よりも前記タービン出口に偏倚することを特徴とする。
(2)この場合、前記中心軸線に沿った平面視における前記タービン軸線に対する前記触媒側仮想線分の傾き(例えば、後述のθ1)は、排気下流側から前記タービン軸線に沿って視た正面視における前記中心軸線に対する前記タービン出口と前記バイパス出口とを結ぶ過給機側仮想線分(例えば、後述の第2仮想線分L2)の傾き(例えば、後述のθ2)と等しいことが好ましい。
(3)この場合、前記タービン軸線に対し垂直な軸線に沿って視た側面視において、前記ハニカム担体の流入側端面は、当該流入側端面と前記タービン軸線との間の中心軸線に沿った距離が、前記タービン出口側から離れるに従い遠くなるように前記タービン軸線に対し傾斜することが好ましい。
(4)この場合、前記中心軸線に沿った平面視において、前記ハニカム担体に対し、長軸が前記長手方向と平行でありかつ前記2つの仮想点を通過する仮想楕円を定義し、さらに当該仮想楕円の2つの焦点(例えば、後述の焦点Q1,Q2)を中心とした2つの仮想円(例えば、後述の仮想円O1,O2)を定義した場合、前記ハニカム担体における単位体積当りの触媒担持量は、前記タービン出口に近い方の仮想円で区画される領域(例えば、後述の第2仮想円O2)よりも前記タービン出口に遠い方の仮想円(例えば、後述の第1仮想円O1)で区画される領域の方が多いことが好ましい。
(1)本発明では、触媒コンバータのハニカム担体として、その中心軸線に垂直な断面形状が、長手方向及び短手方向が定義される非真円形状のものを用いる。これにより、真円形状のハニカム担体を用いた場合と比較して、エンジンルーム内のレイアウトの自由度を向上できる。また本発明では、ハニカム担体の中心軸線に沿った平面視において、ハニカム担体の外周に定められた2つの仮想点を端点とする線分のうち最も長い触媒側仮想線分は、タービン軸線に対し傾斜し、かつ2つの仮想点のうちタービン出口及びバイパス出口から遠い方は、バイパス出口よりもタービン出口に偏倚する。一般的に、タービン出口とバイパス出口が並設された過給機では、タービン出口からはバイパス出口よりも高温の排気が流出する。これに対し本発明では、ハニカム担体を過給機に対し上記のように設けることにより、タービン出口から流出する排気をハニカム担体のうち長手方向に沿って過給機から遠い方へ流入させ、バイパス出口から流出する排気をハニカム担体のうち長手方向に沿って過給機から近い方へ流入させることができる。これにより、過給機のタービン出口及びバイパス出口から流出する排気をハニカム担体にバランス良く流入させることができる。また本発明では、タービン出口から流出する排気は、バイパス出口から流出する排気よりも長い距離を経てハニカム担体に流入するため、その分だけタービン出口から流出しハニカム担体に流入する排気の温度を下げることができる。よって本発明によれば、ハニカム担体に担持された触媒の排気熱による劣化の偏りをも抑制できる。
(2)本発明では、ハニカム担体の中心軸線に沿った平面視におけるタービン軸線に対する触媒側仮想線分の傾きと、タービン軸線に沿って視た正面視における中心軸線に対するタービン出口とバイパス出口とを結ぶ過給機側仮想線分の傾きとを等しくする。これにより。ハニカム担体に担持された触媒の排気熱による劣化の偏りをさらに抑制できる。
(3)本発明では、タービン軸線に対し垂直な軸線に沿って視た側面視において、ハニカム担体の流入側端面は、この流入側端面とタービン軸線との間の中心軸線に沿った距離が、タービン出口から離れるに従い遠くなるようにタービン軸線に対し傾斜する。これにより、タービン出口から流出した排気がハニカム担体に流入するまでの距離をさらに長くできるので、その分だけタービン出口から流出しハニカム担体に流入する排気の温度をさらに下げることができる。よって本発明によれば、ハニカム担体に担持された触媒の排気熱による劣化の偏りをさらに抑制できる。
(4)本発明では、平面視におけるハニカム担体に対し、仮想楕円及びこの仮想楕円の2つの焦点を中心とする2つの仮想円を定義する。この場合、上記のようにタービン出口から流出する排気の多くは、これら2つの仮想円のうちタービン出口からの距離が遠い方に流入し、バイパス出口から流出する排気の多くは、タービン出口からの距離が近い方に流入する。これに対し本発明では、2つの仮想円のうちタービン出口からの距離が遠い方の仮想円で区画される領域における触媒担持量を、タービン出口からの距離が近い方の仮想円で区画される領域における触媒担持量よりも多くする。これにより、触媒の劣化の偏りをさらに抑制できる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置の構成を示す部分断面図である。 排気浄化装置の構成を示す部分断面図である。 排気浄化装置の構成を示す部分断面図である。 触媒コンバータの構成を示す斜視図である。 触媒コンバータの構成を示す断面図である。 排気浄化装置において実現される排気の流れを説明するための図である。 排気浄化装置において実現される排気の流れを説明するための図である。 ハニカム担体における触媒担持量の分布を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図3は、それぞれ内燃機関の排気浄化装置1の構成を示す部分断面図である。より具体的には、図1は、後述のタービン軸線Otに対し垂直な軸線に沿って視た側面図であり、図2は、排気上流側から後述のハニカム担体42の中心軸線Ocに沿って視た平面図であり、図3は、排気下流側からタービン軸線Otに沿って視た正面図である。
排気浄化装置1は、図示しない内燃機関の排気のエネルギを用いて吸気を圧縮する過給機2と、過給機2を経た排気を浄化する触媒コンバータ4と、過給機2と触媒コンバータ4とを接続し、過給機2から流出する排気を触媒コンバータ4に導く排気管3と、を備える。なお図1〜図3では、内燃機関の排気通路に設けられる排気タービン21と内燃機関の吸気通路に設けられる吸気コンプレッサとを組み合わせて構成される過給機2のうち、特に排気タービン21のみを図示する。この排気浄化装置1は、例えば、排気タービン21が触媒コンバータ4に対し鉛直方向上方側になるように、図示しないエンジンルームに搭載される(図1及び図3参照)。
排気タービン21は、吸気コンプレッサと連結されたタービンインペラ22(図3参照)と、その内部にタービンインペラ22をタービン軸線Otを中心として回転自在に収容するインペラ室(図示せず)が形成されたタービン本体23と、を備える。
タービン本体23には、内燃機関の排気通路に接続され、排気を上記インペラ室に導く排気導入部24と、タービンインペラ22を経た排気をタービン軸線Otに沿って流出させるタービン出口25(図3参照)と、タービンインペラ22を迂回するバイパス流路(図示せず)と、このバイパス流路を経た排気を流出させるバイパス出口26(図3参照)と、バイパス出口26に設けられた開閉弁27と、この開閉弁27を駆動するアクチュエータ28と、が設けられている。
図3に示すように、開閉弁27は、バイパス出口26に設けられた円盤状の弁体27aと、この弁体27aに接続された回動軸27bとを備える。弁体27aは、アクチュエータ28を用いて回動軸27bを正転又は逆転させることによってバイパス出口26を開閉する。
また図3に示すように、排気下流側からタービン軸線Otに沿って視た正面視において、弁体27aに対し鉛直方向下方側に設けられた触媒コンバータ4側を第1方向D1と定義し、弁体27aに対し第1方向D1と反対側を第2方向D2と定義した場合、回動軸27bは、弁体27aに対し第2方向D2側に設けられている。これにより、バイパス出口26を開く際、弁体27aは回動軸27bによって第2方向側、すなわち触媒コンバータ4側とは反対側へ変位するので、弁体27aによりバイパス出口26から触媒コンバータ4への排気の流れが阻害されることもない。
また図3に示すように、タービン本体23には、タービン出口25とバイパス出口26とが並設されている。また排気下流側からタービン軸線Otに沿って視た正面視において、タービン出口25はバイパス出口26に対し第2方向D2側に設けられている。換言すれば、上記正面視では、タービン出口25から触媒コンバータ4までの距離は、バイパス出口26から触媒コンバータ4までの距離よりも長い。また図3に示すように、上記上面視において、バイパス出口26は、その少なくとも一部が触媒コンバータ4において規定されている後述の中心軸線Ocと重なるように、タービン本体23に形成されている。
図4は、触媒コンバータ4の構成を示す斜視図である。
触媒コンバータ4は、排気浄化触媒が担持された柱状のハニカム担体42と、ハニカム担体42を収容する筒状のケース部材41と、ハニカム担体42とケース部材41との間において、ハニカム担体42の外周を囲むように設けられたマット43と、を備える。
ハニカム担体42は、排気の流入側端面42aから排気の流出側端面42bまで延び、排気の流路となる複数のセルと、これらセルを区画形成する多孔質の隔壁と、を有するフロースルー型である。またこのハニカム担体42の隔壁に担持させる排気浄化触媒としては、酸化触媒、三元触媒、及びNOx吸蔵触媒等が用いられる。触媒コンバータ4は、過給機2から流出する排気をハニカム担体42の各セルに通流させることにより、隔壁に担持された排気浄化触媒の作用下で排気を浄化する。ハニカム担体42の材質としては、例えば、コーディエライト、アルミナチタネート、及びムライト等が用いられる。またマット43には、耐熱、耐振性、シール機能及び振動吸収能力を有するアルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナシリカ繊維、ガラス繊維等のセラミック繊維が用いられる。
図5は、触媒コンバータ4の構成を示す断面図である。より具体的には、図5は、柱状のハニカム担体42において定義される中心軸線Ocに対し垂直な面に沿った断面図である。
図5に示すように、ハニカム担体42の中心軸線Ocに対し垂直な断面視における輪郭C1は、短手方向SD及び長手方向LDが定義される長円形状(所謂、トラック形状)である。図5における下方に描かれた直交する矢線LD及びSDはこの非真円形状の長手方向及び短手方向を概念的に表したものである。
以下では、ハニカム担体42の断面視における輪郭C1を長円形状とした場合について説明するが、本発明はこれに限らない。本発明は、ハニカム担体の断面視における輪郭の形状が、短手方向及び長手方向が定義される非真円形状であればどのような形状でも適用できる。ここで短手方向及び長手方向が定義される非真円形状とは、真円が短手方向に沿ってやや扁平した形状であり、より具体的には図5に示すような長円形状の他、楕円形状、角丸長方形状、及び卵形状等が挙げられる。
輪郭C1において、短手方向SDの対向する二辺を第1短径部SD1及び第2短径部SD2といい、長手方向LDの対向する二辺を第1長径部LD1及び第2長径部LD2という。なお輪郭C1が長円形状である場合、図3に示すように、第1短径部SD1及び第2短径部SD2は互いに略平行の略直線状となり、第1長径部LD1及び第2長径部LD2は略半円状となる。
図1〜図3に戻り、排気管3の構成について説明する。
排気管3は、排気タービン21のタービン本体23と触媒コンバータ4のケース部材41とを接続する管部材であり、排気タービン21のタービン出口25及びバイパス出口26から流出する排気をハニカム担体42の流入側端面42aに導く。
排気管3は、フランジ部31と、このフランジ部31から延出する管部32と、を備える。フランジ部31は、タービン本体23においてタービン出口25及びバイパス出口26を囲繞するように形成されたタービンフランジ部23aに対し、締結機構39によって締結されている。なおこの締結機構39には、図2に示すような複数のボルト及びナットの他、Vクランプ等の既知のものが用いられる。
管部32の一端側には、フランジ部31を介して排気タービン21に接続されている上流端部33が形成され、管部32の他端側には、触媒コンバータ4のケース部材41の端部が接合される下流端部34が形成されている。図1に示すように、管部32は、断面視では略L字状である。すなわち、上流端部33によって形成される開口の向きと下流端部34によって形成される開口との向きは交差(本実施形態では、略直交)している。換言すれば、排気管3は、排気タービン21から流出する排気の流れの向きを略90°変化させて触媒コンバータ4へ導く。
本実施形態では以上のような排気管3を用いることにより、排気タービン21と触媒コンバータ4とは、側面視ではタービン軸線Otとハニカム担体42の中心軸線Ocとが交差(本実施形態では、略直交)するように接続される。
次に、図1〜図3を参照しながら、上記のように長手方向LD及び短手方向SDが定義される非真円形状のハニカム担体42と排気タービン21との相対位置関係について詳細に説明する。
図2に示すように、ハニカム担体42は、排気上流側からハニカム担体42の中心軸線Ocに沿って視た平面視では、ハニカム担体42の輪郭C1に対して定義される第1仮想線分L1は、タービン軸線Otに対し傾斜するように、排気管3によって排気タービン21に接続される。ここで第1仮想線分L1とは、平面視において、ハニカム担体42の輪郭C1に対して定められた2つの仮想点P1,P2を端点とする線分のうち最も長いものである。換言すれば、この第1仮想線分L1とは、平面視において、長手方向LDと平行でありかつ中心軸線Ocを通過する軸線とハニカム担体42の輪郭C1とが交差する2点を仮想点P1,P2とし、これら2つの仮想点P1,P2を結ぶ線分であると定義される。これに加えてハニカム担体42は、平面視において、上記2つの仮想点P1,P2のうち、タービン出口25及びバイパス出口26(又はタービンフランジ部23a)から遠い方の仮想点P1が、バイパス出口26よりもタービン出口25に偏倚するように、排気管3によって排気タービン21に接続される。
また本実施形態では、ハニカム担体42は、その中心軸線Ocに沿った平面視におけるタービン軸線Otに対する第1仮想線分L1の傾きθ1(図2参照)が、タービン軸線Otに沿って視た正面視における中心軸線Ocに対する第2仮想線分L2の傾きθ2(図3参照)と等しくなるように、排気管3によって排気タービン21に接続される。ここで第2仮想線分L2とは、図3に示すように正面視において、環状のタービン出口25の内部で定義される点と環状のバイパス出口26の内部において定義される点とを結ぶ線分である。
また本実施形態では、ハニカム担体42は、タービン軸線Otに対し垂直な軸線に沿って視た側面視において、図1に示すように、ハニカム担体42の流入側端面42aは、タービン軸線Otに対し傾斜するように、排気管3によって排気タービン21に接続される。ここで傾斜するとは、より具体的には、平面視では、この流入側端面42aとタービン軸線Otとの間の中心軸線Ocに沿った距離が、タービン出口25側から離れるに従い遠くなるようなっていることをいう。
次に、図6及び図7を参照して、排気浄化装置1において実現される排気の流れについて説明する。
図6及び図7は、排気浄化装置1において実現される排気の流れを説明するための図である。より具体的には、図6は、タービン軸線Otに対し垂直な軸線に沿って視た側面図であり、図7は、排気上流側から中心軸線Ocに沿って視た平面図である。
図6では、タービン出口25から流出する排気の主な流れを複数の実線の矢印で示し、バイパス出口26から流出する排気の主な流れを複数の破線の矢印で示す。また図7では、ハニカム担体42の流入側端面42aのうちタービン出口25から流出する排気が主に流入する領域である第1領域R1を太実線で示し、バイパス出口26から流出する排気が主に流入する領域である第2領域R2を太実線で示す。なお図6及び図7では、上記のように第1長径部LD1及び第2長径部LD2が定義されるハニカム担体42において、第2長径部LD2の方が第1長径部LD1よりもタービン出口25に近くなるように設けた場合について説明する。
図6及び図7に示すように、タービン出口25及びバイパス出口26から流出する排気は、排気管3によってその向きを変えられながらハニカム担体42の流入側端面42aに流入する。この際排気浄化装置1では、第1仮想線分L1がタービン軸線Otに傾斜しかつ仮想点P1がバイパス出口26よりもタービン出口25に偏倚するように、ハニカム担体42を排気タービン21に接続することにより、タービン出口25から流出する排気をタービン出口25から遠い第1長径部LD1側に定められた第1領域R1側に流入させ、バイパス出口26から流出する排気をタービン出口25から近い第2長径部LD2側に定められた第2領域R2側に流入させることができる。これにより、タービン出口25から流出する排気とバイパス出口26から流出する排気とを、ハニカム担体42の流入側端面42aにむらなく流入させることができる。
なお、タービン出口25から流出する排気は、タービンインペラ22を通過することによってある程度温度が低下するものの、内燃機関の過給圧制御時においてバイパス出口26から流出する排気よりも高温である。またタービン出口25から流出する排気の流量は、バイパス出口26から流出する排気の流量よりも多い。これに対し排気浄化装置1では、図6及び図7に示すように、タービン出口25から流出する排気はバイパス出口26から流出する排気よりも長い距離を経てハニカム担体42の流入側端面42aに流入する。このため、タービン出口25から流出する排気は、バイパス出口26から流出する排気よりも長い時間を経て冷却されるため、ハニカム担体42に担持されている排気浄化触媒の排気の熱による劣化の偏在を抑制できる。
なお本実施形態の排気浄化装置1によれば、上記のようにしてハニカム担体42を排気タービン21に接続することである程度、排気浄化触媒の劣化の偏在を抑制できるものの、十分でない場合がある。
そこで本実施形態では、さらに触媒劣化の偏在を抑制するため、ハニカム担体42に担持させる排気浄化触媒の単位体積当りの担持量である触媒担持量には、図8に示すように領域ごとに差を設けることが好ましい。
図8は、ハニカム担体42における触媒担持量の分布を説明するための図である。
ハニカム担体42に対して定義される仮想楕円において、この仮想楕円における2つの焦点Q1、Q2を中心とした同半径の2つの仮想円O1,O2とを定義した場合、ハニカム担体42における触媒担持量は、タービン出口25から近い方の第2仮想円O2で区画される領域よりも、タービン出口25から遠い方の第1仮想円O1で区画される領域の方が多く設定される。ここでハニカム担体42に対して定義される仮想楕円とは、例えば、その長軸が非真円形状のハニカム担体42の長手方向LDと平行でありかつ上述の2つの仮想点P1,P2を通過するものとして定義される。
本実施形態に係る排気浄化装置1によれば、以下の効果を奏する。
(1)排気浄化装置1では、触媒コンバータ4のハニカム担体42として、その中心軸線Ocに垂直な断面形状が、長手方向LD及び短手方向SDが定義される非真円形状のものを用いる。これにより、真円形状のハニカム担体を用いた場合と比較して、エンジンルーム内のレイアウトの自由度を向上できる。また排気浄化装置1では、ハニカム担体42の中心軸線Ocに沿った平面視において、ハニカム担体42の輪郭C1に定められた2つの仮想点P1,P2を端点とする線分のうち最も長い第1仮想線分L1は、タービン軸線Otに対し傾斜し、かつ2つの仮想点P1,P2のうちタービン出口25及びバイパス出口26から遠い方の仮想点P1は、バイパス出口26よりもタービン出口25に偏倚する。このように排気浄化装置1では、ハニカム担体42を排気タービン21に対し上記のように設けることにより、タービン出口25から流出する排気をハニカム担体42のうち長手方向LDに沿って排気タービン21から遠い方へ流入させ、バイパス出口26から流出する排気をハニカム担体42のうち長手方向LDに沿って排気タービン21から近い方へ流入させることができる。これにより、タービン出口25及びバイパス出口26から流出する排気をハニカム担体42にバランス良く流入させることができる。また排気浄化装置1では、タービン出口25から流出する排気は、バイパス出口26から流出する排気よりも長い距離を経てハニカム担体42に流入するため、その分だけタービン出口25から流出しハニカム担体42に流入する排気の温度を下げることができる。よって排気浄化装置1によれば、ハニカム担体42に担持された排気浄化触媒の排気熱による劣化の偏りをも抑制できる。
(2)排気浄化装置1では、ハニカム担体42の中心軸線Ocに沿った平面視におけるタービン軸線Otに対する第1仮想線分L1の傾きθ1と、タービン軸線Otに沿って視た正面視における中心軸線Ocに対するタービン出口25とバイパス出口26とを結ぶ第2仮想線分L2の傾きθ2とを等しくする。これにより。ハニカム担体42に担持された排気浄化触媒の排気熱による劣化の偏りをさらに抑制できる。
(3)排気浄化装置1では、タービン軸線Otに対し垂直な軸線に沿って視た側面視において、ハニカム担体42の流入側端面42aは、この流入側端面42aとタービン軸線Otとの間の中心軸線Ocに沿った距離が、タービン出口25から離れるに従い遠くなるようにタービン軸線Otに対し傾斜する。これにより、タービン出口25から流出した排気がハニカム担体42に流入するまでの距離をさらに長くできるので、その分だけタービン出口25から流出しハニカム担体42に流入する排気の温度をさらに下げることができる。よって排気浄化装置1によれば、ハニカム担体42に担持された排気浄化触媒の排気熱による劣化の偏りをさらに抑制できる。
(4)排気浄化装置1では、平面視におけるハニカム担体42に対し、仮想楕円O1及びこの仮想楕円O1の2つの焦点Q1,Q2を中心とする2つの仮想円O1,O2を定義する。この場合、上記のようにタービン出口25から流出する排気の多くは、これら2つの仮想円O1,O2のうちタービン出口25からの距離が遠い方の第1仮想円O1側に流入し、バイパス出口26から流出する排気の多くは、タービン出口25からの距離が近い方の第2仮想円O2側に流入する。これに対し排気浄化装置1では、2つの仮想円O1,O2のうちタービン出口25からの距離が遠い方の第1仮想円O1で区画される領域における触媒担持量を、タービン出口25からの距離が近い方の第2仮想円O2で区画される領域における触媒担持量よりも多くする。これにより、排気浄化触媒の劣化の偏りをさらに抑制できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
1…排気浄化装置
2…過給機
21…排気タービン
25…タービン出口
26…バイパス出口
27…開閉弁
27a…弁体
27b…回動軸
3…排気管(接続部)
4…触媒コンバータ
42…ハニカム担体
Ot…タービン軸線
Oc…中心軸線
L1…第1仮想線分
L2…第2仮想線分
Q1,Q2…焦点
O1,O2…仮想円

Claims (4)

  1. タービン軸線に沿った排気が流出するタービン出口及びタービンインペラを迂回した排気が流出するバイパス出口が並設された過給機と、
    触媒が担持された柱状のハニカム担体を有する触媒コンバータと、
    前記過給機と前記触媒コンバータとを接続し、前記タービン出口及び前記バイパス出口から流出する排気を前記ハニカム担体に導く接続部と、を備える内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記ハニカム担体の中心軸線に垂直な断面形状は、長手方向及び短手方向が定義される非真円形状であり、
    前記中心軸線に沿った平面視において、前記ハニカム担体の外周に定められた2つの仮想点を端点とする線分のうち最も長い触媒側仮想線分は、前記タービン軸線に対し傾斜し、前記2つの仮想点のうち前記タービン出口及び前記バイパス出口から遠い方は、前記バイパス出口よりも前記タービン出口に偏倚することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記中心軸線に沿った平面視における前記タービン軸線に対する前記触媒側仮想線分の傾きは、排気下流側から前記タービン軸線に沿って視た正面視における前記中心軸線に対する前記タービン出口と前記バイパス出口とを結ぶ過給機側仮想線分の傾きと等しいことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記タービン軸線に対し垂直な軸線に沿って視た側面視において、前記ハニカム担体の流入側端面は、当該流入側端面と前記タービン軸線との間の中心軸線に沿った距離が、前記タービン出口側から離れるに従い遠くなるように前記タービン軸線に対し傾斜することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記中心軸線に沿った平面視において、前記ハニカム担体に対し、長軸が前記長手方向と平行でありかつ前記2つの仮想点を通過する仮想楕円を定義し、さらに当該仮想楕円の2つの焦点を中心とした2つの仮想円を定義した場合、前記ハニカム担体における単位体積当りの触媒担持量は、前記タービン出口に近い方の仮想円で区画される領域よりも前記タービン出口に遠い方の仮想円で区画される領域の方が多いことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
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