JP6540769B2 - 高強度極薄鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
[1]成分組成は、質量%で、C:0.020%超え0.080%以下、Si:0.04%以下、Mn:0.10%以上1.20%以下、P:0.020%超え0.20%以下、S:0.020%以下、Al:0.10%以下、N:0.0120%超え0.020%以下、Nb:0.005%以上0.030%以下を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、組織は、フェライト組織を主体とし、該フェライト組織の平均結晶粒径が8μm以下であり、粒度番号12.5以上のフェライト粒をフェライト組織全体に対し面積%で10%以上有し、塗装焼付処理後または塗装焼き付け相当の加熱処理後の上降伏応力が550MPa以上、全伸びが15%以上である、板厚0.4mm以下の高強度極薄鋼板。
[2]上記[1]に記載の高強度極薄鋼板の製造方法であって、鋼スラブを仕上げ圧延温度:820℃以上で圧延し、巻取温度:500〜720℃で巻取る熱間圧延工程と、前記熱間圧延後、圧下率:80%以上で冷間圧延する一次冷間圧延工程と、前記一次冷間圧延工程後、550℃から最高到達板温まで平均昇温速度:5℃/sec.以上で昇温し、最高到達板温:650〜800℃とし、650〜800℃の温度域での保持時間:55sec.以下で加熱を行い、前記加熱後冷却するにあたり、650℃から350℃までの温度範囲を19sec.以内とする焼鈍工程と、前記焼鈍工程後、圧下率:5%以下で調質圧延を行う調質圧延工程とを有する高強度極薄鋼板の製造方法。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%は、すべて質量%である。
また、本発明において、高強度極薄鋼板とは、上降伏応力が550MPa以上の鋼板である。
本発明の極薄鋼板においては、550MPaの上降伏応力の達成が必要である。そのためには、Nbを含有させることで生ずるNb析出物 (NbC等) による析出強化を利用することが重要となる。Nb析出物の生成には鋼板のC量が重要であり、具体的には、0.020%超えのC含有量が必要である。一方で、C量の増加は鉄炭化物の生成を促進し、伸びの低下の要因となる。そのため、C含有量は0.080%以下とする。
Siは固溶強化により鋼の強度を増加させる元素であるが、多量に添加するとめっき性を損ない、耐食性が著しく低下する。よって、Si含有量は0.04%以下とする。
Mnは固溶強化により鋼の強度を増加させる元素である。目標とする上降伏応力を得るためには、Mn含有量を0.10%以上とする必要がある。よって、Mn含有量の下限は0.10%とする。一方、Mn含有量が1.20%を超えると、表面に濃化してMn酸化物が生成し、耐食性に悪影響を及ぼす。よって、Mn含有量の上限は1.20%とする。
Pは固溶強化能の大きな元素である。また、Pはフェライト粒界に作用し、フェライト粒の成長を阻害する役割を担うため、後述する粒度番号12.5以上の微細粒の生成に重要な元素である。十分な固溶強化を得る観点から、目標とする上降伏応力を得るためには、P含有量を0.020%超えとする必要がある。一方、Pは過剰に含有することで、耐食性を劣化させる元素であり、0.20%を超えると耐食性が劣る。以上より、P含有量は0.020%超え0.20%以下とする。なお、好ましくは、P含有量は0.040%以上とする。好ましくは、P含有量は0.180%以下とする。より好ましくは、P含有量は0.160%以下とする。
本発明鋼はN、C含有量が高く、また、スラブ割れの原因となる析出物を形成するNbを含むため、連続鋳造時矯正帯でスラブエッジが割れやすくなる。スラブエッジ割れを防止する点から、S含有量は0.020%以下とする。好ましくは、S含有量は0.010%以下である。
Al含有量が増加すると、再結晶温度の上昇がもたらされるため、焼鈍温度を高く設定する必要がある。本発明においては、強度を増加させるために含有する他の元素で再結晶温度の上昇がもたらされ、焼鈍温度が高くなるため、Alによる再結晶温度の上昇は極力回避することが必要である。よって、Alの含有量は0.10%以下とする。
Nは固溶強化能が大きく、固溶強化による強度上昇に必要な元素である。Nの固溶強化により十分な強度上昇を得るためには、N含有量は0.0120%超えとする必要がある。よって、N含有量の下限は0.0120%超えとする。一方、Nを過剰に添加すると、連続鋳造時、温度が低下する下部矯正帯でスラブエッジ割れが生じやすくなる。よって、N含有量の上限は0.020%以下とする。なお、好ましくは、N含有量は0.0130%以上とする。好ましくは、N含有量は0.0180%以下とする。より好ましくは、N含有量は0.0170%以下とする。
Nbは析出物生成能の高い元素であり、微細な析出物を生じ、上降伏応力を上昇させる。また、微細なNb析出物はフェライト粒を細粒化し、強度の上昇をもたらす。後述する、粒度番号12.5以上の微細なフェライト粒を得るためには、上記Pに加えてNbの含有が必要となる。本発明において、目標の強度を得るためには0.005%以上のNbの含有が必要である。よって、Nb含有量の下限は0.005%以上とする。一方、Nbは再結晶温度の上昇をもたらすため、0.030%超えでNbを含有すると、本発明で記載している最高到達板温:650〜800℃、650〜800℃の温度域での保持時間:55sec.以下の加熱での焼鈍では未再結晶粒が残存する。よってNb含有量の上限は0.030%以下とする。なお、好ましくは、Nb含有量は0.007%以上とする。好ましくは、Nb含有量は0.028%以下とする。より好ましくは、Nb含有量は0.010%以上とする。より好ましくは、Nb含有量は0.025%以下とする。
フェライト組織の平均結晶粒径は、鋼板の上降伏応力に影響を及ぼす。フェライト組織の平均結晶粒径が8μmを超えると目的とする上降伏応力を確保できないため、フェライト組織の平均結晶粒径は8μm以下とする。好ましくは6μm以下である。なお、フェライト組織の平均結晶粒径は、例えばJIS G 0551の切断法によるフェライト組織の平均結晶粒径に準じて測定するものとする。また、フェライト組織の平均結晶粒径は成分、冷間圧下率、焼鈍条件等により目標値に制御することが可能である。
粒度番号12.5以上のフェライト粒を10%以上有する組織とすることにより、粒度番号12.5以上の微細粒による強度上昇と、比較的粗なフェライト粒による延性向上の両立が達成される。粒度番号12.5以上のフェライト粒の割合が10%を下回ると、目標とする強度と延性を共に達成することが困難となる。よって、粒度番号12.5以上のフェライト粒の割合はフェライトフェライト組織全体に対し面積%で10%以上とする。好ましくは15%以上である。一方、25%を超えるとフェライト粒の微細化により高強度は得られるものの、組織全体に対する微細なフェライト粒の占める割合が極端に大きくなることで、全伸びが低下し、高強度と高延性の両立が困難となる恐れがある。よって25%以下が好ましい。なお、フェライト粒の粒度番号は、JIS G 0551の定義に従うものとする。また、粒度番号12.5以上のフェライト粒の割合は、後述する実施例記載の方法にて求めることができる。
本発明鋼の適用対象である溶接缶のデント強度等を確保するために、塗装焼付処理後または塗装焼き付け相当の加熱処理後の上降伏応力は550MPa以上とする。上記成分組成を採用するとともに、例えば後述する製造条件を採用することで、鋼板の上降伏応力を550MPa以上に制御可能である。上降伏応力は、製缶されてから550MPaを達成していればよいが、通常、缶製造時に塗装焼き付けを行うため塗装焼付処理後または塗装焼き付け相当の加熱処理後の上降伏応力は550MPa以上とする。なお、塗装は鋼板に比較して薄いため、上降伏応力の測定値に影響はない。
全伸びが15%を下回ると、例えば、本発明鋼の適用対象である、拡缶加工、ビード加工、フランジ加工等の高い加工性の加工を伴う缶への適用が困難となる。従って、全伸びの下限は15%以上とする。なお、全伸びは、上記成分組成を採用するとともに、例えば後述する製造条件を採用することで目標値に制御可能である。
現在、製缶コストの低減を目的として、鋼板の薄肉化が進められている。しかしながら、鋼板の薄肉化、すなわち、鋼板板厚の低減に伴って、缶体強度の低下が懸念される。これに対して、本発明の高強度極薄鋼板は、板厚が薄い場合でも、缶体強度を低下させることがない。板厚が薄い場合に、高延性かつ高強度という本発明の効果が顕著にでる。この点から、板厚は0.4mm以下とする。好ましくは0.3mm以下、より好ましくは0.2mm以下である。
本発明の高強度極薄鋼板の製造方法は、上記成分組成からなる鋼スラブを仕上げ圧延温度:820℃以上で圧延し、巻取温度:500〜720℃で巻取る熱間圧延工程と、前記熱間圧延後、必要に応じて酸洗し、圧下率:80%以上で冷間圧延する一次冷間圧延工程と、前記一次冷間圧延工程後、550℃から最高到達板温までの平均昇温速度:5℃/sec.以上で昇温し、最高到達板温:650〜800℃とし、650〜800℃の温度域での保持時間:55sec.以下で加熱を行い、前記加熱後冷却するにあたり、650℃から350℃までの温度範囲を19sec.以内とする焼鈍工程と、前記焼鈍工程後、圧下率:5%以下で調質圧延を行う調質圧延工程とを有する。
仕上げ圧延温度が820℃未満では、オーステナイト相とフェライト相の2層域での圧延となるため粒成長し、熱間圧延後の鋼板の組織が粗大粒となる。そして、冷間圧延し焼鈍した後の鋼板の結晶粒が粗大化することで、上降伏応力が低下するため目標とする上降伏応力が得られない。よって、熱間圧延工程における仕上げ圧延温度は820℃以上とする。また、熱間圧延時の仕上げ圧延温度が990℃を超えた場合、スケールが発生するため、仕上げ圧延温度は990℃以下が好ましい。
巻取温度が500℃未満では、ランナウトテーブルで急冷されることにより幅方向の温度分布が不均一となり、材質の不均一や幅方向の形状不良の要因となる。そのため、巻取温度の下限は500℃以上とする。一方、巻取温度が720℃を超えると、鋼板のスケール厚みが増大し、次工程の酸洗時の脱スケール性が悪化する可能性がある。そのため、巻取温度の上限は720℃以下とする。
1次冷間圧延における圧下率は、本発明において重要な要件の一つである。1次冷間圧延での圧下率が80%未満では、上降伏応力が550MPa以上の鋼板を製造することは困難である。従って、圧下率は80%以上とする。好ましくは、85%以上である。
上記のP、Nbの添加に加え、焼鈍時の550℃から最高到達板温までの平均昇温速度を5℃/sec.以上に制御することにより、粒度番号12.5以上の微細粒を面積%で10%以上有する組織を得ることが可能となる。これは、鋼板の加熱速度が大きくなることにより、鋼板中に固溶元素の濃度勾配が生じ、固溶元素の濃度が濃い部分では粒成長が極端に抑制されるためである。550℃から最高到達板温までの平均昇温速度が5℃/sec.未満の場合では、鋼板中の固溶元素が均一となり、固溶元素が濃化する領域を作ることが出来ず、微細粒を含む組織を得ることが出来ない。よって、焼鈍時の550℃から最高到達板温までの平均昇温速度は5℃/sec.以上とする。平均昇温速度を制御する温度域は550℃から最高到達板温までである。再結晶はFe原子の拡散を伴うため、再結晶組織を制御するためには、Fe原子が拡散可能な550℃以上の温度域の昇温速度を制御することが重要となる。そのため、平均昇温速度を制御する温度域を550℃から最高到達板温までとする。
鋼板の組織をより均一とするために、焼鈍時の最高到達板温は650℃以上とする。一方、焼鈍時の最高到達板温が800℃を超える条件で連続焼鈍するためには、鋼板の破断を防止するために、鋼板の搬送速度を低下させる必要があり、生産性が低下する。そのため、焼鈍時の最高到達板温は650℃以上800℃以下とする。好ましくは、660℃以上760℃以下である。
焼鈍時の650〜800℃の温度域での保持時間が55sec.を超えるような搬送速度の条件では生産性を確保できないため、焼鈍時の650〜800℃の温度域での保持時間は55sec.以下とする。また、保持時間の下限については規定をしていないが、保持時間を短縮するために搬送速度を速くすると、蛇行させずに安定的に搬送することが困難となる。そのため、10sec.を下限とすることが好ましい。
焼鈍の加熱後に急冷処理を行う。650℃から350℃までの冷却速度の制御により、Cの析出を抑制し、固溶Cによる固溶強化を積極的に利用することで、目標とする上降伏応力を得る。
650℃から350℃までの温度範囲は急速に冷却することが重要であり、19sec.以内に急冷する。好ましくは10sec.以内で急冷する。一方、1sec.未満では著しい急冷により通板中の鋼板が破断する恐れがある。よって、1sec.以上が好ましい。なお、350℃未満の領域の冷却速度は特に限定するものではないが、350℃から150℃まで200sec.以内に冷却することが好ましい。
焼鈍工程後、圧下率:5%以下の調質圧延を行う。圧下率を大きくすると、加工時に導入される歪みが大きくなり、全伸びが低下する。本発明では、極薄材において15%以上の全伸びを確保する必要があるため、調質圧延工程における圧下率は5%以下とする。また、圧下率の下限については規定をしていないが、調質圧延工程には鋼板の表面粗さを付与する役割があり、鋼板に表面粗さを均一に付与するために、圧下率は1%以上とすることが好ましい。
Claims (2)
- 成分組成は、質量%で、C:0.020%超え0.080%以下、Si:0.04%以下、Mn:0.10%以上1.20%以下、P:0.020%超え0.20%以下、S:0.020%以下、Al:0.10%以下、N:0.0120%超え0.020%以下、Nb:0.005%以上0.030%以下を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、
組織は、フェライト組織が面積率で組織全体の70%以上とし、該フェライト組織の平均結晶粒径が8μm以下であり、粒度番号12.5以上のフェライト粒をフェライト組織全体に対し面積%で10%以上25%以下を有し、
塗装焼付処理後または塗装焼き付け相当の加熱処理後の上降伏応力が550MPa以上、全伸びが15%以上である、
板厚0.4mm以下の高強度極薄鋼板。 - 請求項1に記載の高強度極薄鋼板の製造方法であって、鋼スラブを仕上げ圧延温度:820℃以上で圧延し、巻取温度:500〜720℃で巻取る熱間圧延工程と、
前記熱間圧延後、圧下率:80%以上で冷間圧延する一次冷間圧延工程と、
前記一次冷間圧延工程後、550℃から最高到達板温まで平均昇温速度:5℃/sec.以上で昇温し、最高到達板温:650〜800℃とし、650〜800℃の温度域での保持時間:55sec.以下で加熱を行い、前記加熱後冷却するにあたり、650℃から350℃までの温度範囲を19sec.以内とする焼鈍工程と、
前記焼鈍工程後、圧下率:5%以下で調質圧延を行う調質圧延工程と
を有する高強度極薄鋼板の製造方法。
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