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JP6439755B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、連続合金化溶融亜鉛めっき設備を用いた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関し、特に合金化後に行う冷却に関するものである。
一般に、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、図1のような連続合金化溶融亜鉛めっき設備100を用いて以下のように製造される。まず、図示しない連続焼鈍炉で焼鈍された鋼板(鋼帯)Pは、溶融亜鉛めっき浴20に連続的に導入され、ここで鋼板Pに溶融亜鉛めっきが施される。鋼板Pは、溶融亜鉛めっき浴20中のシンクロール21によって、その進行方向が上方になる。鋼板Pは溶融亜鉛めっき浴20の上方に引き上げられた後、ガスワイピング装置22でめっき付着量が調整される。その後、合金化炉23で鋼板Pに施された亜鉛めっきが加熱合金化される。その後、冷却装置10で冷却液を微細化した液滴群を鋼板Pに向けて噴射して、鋼板Pを冷却する。その後、トップロール25近傍で放射温度計24によって鋼板温度が測定される。なお、図1中の矢印は鋼板Pの進行方向である。
合金化後の冷却方法としては、空気等の気体を噴射する冷却(ガス冷却)と、図1の冷却装置10のように、冷却液を微細化した液滴群を噴射する冷却(ミスト冷却)とがある。ミスト冷却は、ガス冷却よりも冷却効率が高いため、限られた冷却設備長で、高い冷却速度で冷却を行うことができ、生産性を向上させるために用いられる。
しかし、合金化後のミスト冷却では、鋼板の幅方向で冷却ムラが生じ、これが起因となり、鋼板表面にシワが発生したり、鋼板が変形したりするなどの形状不良が発生することが知られている。この冷却ムラを防止するため、種々の対策が検討されている。
特許文献1には、冷却装置を鋼板進行方向に複数のゾーンに分割して、各ゾーン出側の鋼板温度に応じて、ゾーン毎にミスト冷却およびガス冷却のどちらを使用するか判定する方法が記載されている。また、特許文献2には、冷却装置を二分割し、後段の冷却を前段の冷却よりも緩冷却にする方法が記載されている。
特開2000−256818号公報 特開2006−111945号公報
しかし、特許文献1、2に記載の方法では、特に冷却設備の後半ゾーンでの冷却速度が大きく規制される。そのため、冷却設備長の延長を行わない場合、鋼板の通板速度も規制する必要があり、生産性向上の阻害要因となる。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、鋼板の生産性向上を阻害することなく、合金化後の冷却における鋼板幅方向の冷却ムラを抑制し、それに起因する欠陥の発生を抑制することが可能な合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。冷却ノズルから噴射された液滴が鋼板表面に付着することが原因で、鋼板幅方向の冷却ムラは拡大する。つまり、冷却の開始から終了まで、液滴群が鋼板の表面に接触せず、液滴群が蒸発して蒸気膜が形成された状態(以下、「膜沸騰状態」とも称する。)で、鋼板が冷却されることで、鋼板幅方向の冷却ムラが抑制できる。そして、本発明者は、液滴群の平均液滴直径D(μm)を、冷却停止温度T(℃)との関係で、ある所定値未満とすることによって、冷却の開始から終了まで膜沸騰状態を維持でき、その結果、鋼板幅方向の冷却ムラを抑制できることを見出した。
本発明は、上記の知見によって完成されたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
[1]焼鈍された鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、その後、前記鋼板に施された亜鉛めっきを加熱合金化し、次いで冷却液を微細化した液滴群を前記鋼板に向けて噴射して前記鋼板を冷却停止温度T(℃)まで冷却する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
前記液滴群には、20℃、二酸化炭素1気圧の場合における二酸化炭素の飽和溶解量の1.0%以上の二酸化炭素が溶解しており、前記液滴群の平均液滴直径D(μm)は、前記冷却の開始から前記冷却停止温度T(℃)となる冷却終了まで、前記液滴群が前記鋼板の表面に接触せず、前記液滴群が蒸発して蒸気膜を形成した状態が維持されるサイズであることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[2]前記液滴群の平均液滴直径D(μm)は、前記冷却停止温度T(℃)との関係で下記式(1)を満足することを特徴とする[1]に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
D<5.0×10−3×T−2.0×T+2.2×10・・・(1)
[3]前記液滴群の平均液滴直径D(μm)は、前記冷却停止温度T(℃)、との関係でさらに下記式(2)を満足することを特徴とする[2]に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
D≧3.0×10−3×T−1.2×T+1.3×10・・・(2)
[4]焼鈍された鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、その後、前記鋼板に施された亜鉛めっきを加熱合金化し、次いで冷却液を微細化した液滴群を前記鋼板に向けて噴射して前記鋼板を冷却停止温度T(℃)まで冷却する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、前記液滴群には、20℃、二酸化炭素1気圧の場合における二酸化炭素の飽和溶解量の1.0%以上の二酸化炭素が溶解しており、前記冷却の開始から前記冷却停止温度T(℃)となる冷却終了まで、前記液滴群が前記鋼板の表面に接触せず、前記液滴群が蒸発して蒸気膜が形成された状態が維持される、前記液滴群の平均液滴直径D(μm)と前記冷却停止温度T(℃)との関係式を予め求め、該関係式を満足する平均液滴直径D(μm)で冷却を行うことを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法によれば、鋼板の生産性向上を阻害することなく、合金化後の冷却における鋼板幅方向の冷却ムラを抑制し、それに起因する欠陥の発生を抑制することが可能である。
図1は、連続合金化溶融亜鉛めっき設備の模式図である。 図2の(A)は、冷却装置の模式図であり、図2の(B)は、冷却装置の空気用ヘッダの模式図である。 図3は、合金化後のミスト冷却における、鋼板温度と冷却能力との関係を示す概念図である。 図4は、本発明の一実施形態における、液滴群の平均液滴直径Dと遷移温度Tとの関係を示すグラフである。 図5は、本発明の一実施形態における、冷却停止温度Tと液滴群の平均液滴直径Dとの関係を示すグラフである。
本発明の一実施形態における合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法で用いる連続合金化溶融亜鉛めっき設備100は、図1に示すように、焼鈍炉(図示せず)、溶融亜鉛めっき浴20、シンクロール21、ガスワイピング装置22、合金化炉23、冷却装置10、走査型放射温度計24、およびトップロール25を有する。
図示しない連続焼鈍炉で焼鈍された鋼板Pは、溶融亜鉛めっき浴20に連続的に導入され、ここで鋼板Pに溶融亜鉛めっきが施される。鋼板Pは、溶融亜鉛めっき浴20中のシンクロール21によって、その進行方向が上方になる。鋼板Pは溶融亜鉛めっき浴20の上方に引き上げられた後、ガスワイピング装置22でめっき付着量が調整される。その後、合金化炉23で鋼板Pに施された亜鉛めっきが加熱合金化される。その後、冷却装置10で冷却液を微細化した液滴群を鋼板Pに向けて噴射して、鋼板Pを冷却する。その後、トップロール25近傍で放射温度計24によって鋼板温度が測定される。
冷却装置10の構成を、図2を参照して説明する。冷却装置10の主要部分は、図2(A)に示すように、空気用ヘッダ12と、これに取り付けられたノズル14である。空気用ヘッダ12の内部には、図示しない冷却液用ヘッダがある。空気用ヘッダ12には所定の圧力に加圧された空気が、また、冷却液用ヘッダには所定の圧力に加圧された冷却液が、それぞれ供給される。空気および冷却液はノズル14の内部で混合され、その結果、冷却液は微細化され、ノズル14の開口部から液滴群が鋼板Pに向けて噴霧される。なお、この冷却液には、事前に二酸化炭素を溶解させてある。図2(B)に示すように、1つの空気用ヘッダ12には、その延在方向に所定間隔で複数個のノズル14が取り付けられている。空気用ヘッダ12は、その延在方向が鋼板Pの幅方向と一致するように設置されているため、鋼板Pを幅方向にわたって冷却できる。また、図2(A)に示すように、空気用ヘッダ12は冷却設備長に応じて鋼板Pの進行方向に複数個配置される。さらに、空気用ヘッダ12は、鋼板Pの両面に配置されるので、鋼板Pの表面および裏面を冷却できる。冷却液は特に限定されないが、水であることが好ましい。なお、冷却装置10の構造は、液滴群を噴霧可能な装置であれば、上記で説明したものには限定されない。
また、前述のように水と空気を混合して噴射する場合以外にも、水のみを加圧して液滴を噴霧する方法でも良い。
図3を参照して、合金化後のミスト冷却における鋼板の冷却メカニズムを説明する。まず、冷却開始直後で鋼板の温度が高い段階では、冷却能力は比較的低く、しかも鋼板の温度変化に対して冷却能力の変化が小さい状態である(領域A)。この領域Aの段階では、液滴群が鋼板の表面に接触せず、液滴群が蒸発して鋼板表面のごく近傍(鋼板表面と液滴群との間)に蒸気膜が形成された膜沸騰状態で、鋼板が冷却される。この領域Aは、安定した熱流速が得られる状態である。
鋼板の温度が所定温度T以下に低下すると、鋼板温度の低下にともない冷却能力が増加する(領域B)。この領域Bの段階では、一部の液滴は鋼板の表面に接触せずに蒸発して、蒸気膜を形成するが、残りの液滴は蒸発せず、鋼板の表面に衝突する状態(部分膜沸騰状態)で、鋼板が冷却される。鋼板温度が低下するほど、鋼板の表面に直接衝突する液滴の割合が増加する。この領域Bは、不安定な熱流速しか得られない状態であり、鋼板幅方向の冷却ムラが拡大する。つまり、合金化後冷却前の鋼板温度が幅方向に多少ばらついたり、図2(B)に示す複数のノズル14間で噴射量が不可避的に数%ばらつくことが、鋼板幅方向の冷却ムラの原因となっているところ、領域Bでは、鋼板温度が低下している箇所がより高い冷却能力で冷却されるため、鋼板幅方向の冷却ムラが拡大するのである。なお、領域Aから領域Bに切り替わる鋼板温度Tを、本明細書では「遷移温度」と称する。
鋼板温度がさらに低下すると、鋼板温度の低下にともない冷却能力も低下し、安定した冷却状態となる(領域C)。この領域Cの段階では、全ての液滴が鋼板の表面に衝突する状態で、鋼板が冷却される。
つまり、冷却の開始から終了まで、領域Aの膜沸騰状態を維持できれば、鋼板幅方向の冷却ムラが抑制できる。そこで本発明者は、図3の曲線を左方向にシフトして領域Aを低温側に拡大する、つまり遷移温度Tを冷却停止温度T(℃)よりも低温にする手段を検討した。その結果、鋼板表面近傍での液滴群の平均液滴直径D(μm)が小さいほど、領域Aが低温側に広がることが判明した。
また、本発明では、二酸化炭素を溶解させた冷却液を用いる。これにより、液滴群には二酸化炭素が溶解しているため、液滴化した冷却液が鋼板に衝突して鋼板から熱を奪う際、冷却液の温度上昇にともない、溶解できなくなった気体により発泡する。その発泡により、蒸気膜が形成されやすくなり、領域Aの膜沸騰状態を低温でも維持可能になる。
冷却液への二酸化炭素の溶解量が少ないと、発泡効果が十分に発現しないため、本発明では、20℃、二酸化炭素1気圧の場合における二酸化炭素の飽和溶解量の1.0%以上の二酸化炭素を溶解させた冷却液を用いる。なお、20℃、空気1気圧の場合、二酸化炭素の水に対する飽和溶解量は0.61mg/Lである。一方、20℃、二酸化炭素1気圧の場合、二酸化炭素の水に対する飽和溶解量は1700mg/Lである。
二酸化炭素を溶解させた冷却液は、例えば、冷却液の入った容器に所定圧の二酸化炭素を吹き込むことにより(バブリング)、二酸化炭素を事前に溶解させた冷却液を、冷却用ヘッダから供給し、ノズル14の内部で空気と混合すればよい。
なお、工業的に入手しやすいという点で、本発明では二酸化炭素を冷却液に溶解させるが、二酸化炭素と同様に、水に溶解する気体であれば、同様の効果が発現する。
そこで、図1に示す連続合金化溶融亜鉛めっき設備を用いて、液滴群の平均液滴直径D(μm)と遷移温度T(℃)との関係について検討した。冷却液は水を用いた。また、二酸化炭素を飽和量の10%以上溶解させた冷却液とした。液滴群の平均液滴直径D(μm)は、水に対する空気の流量比を変化させることにより変更した。それ以外の実験条件は以下のとおりである。
鋼板:板厚1.0mm、板幅1000mm、引張強さ450MPa
通板速度:150mpm
溶融亜鉛めっき浴の浴温:460℃
合金化直後の鋼板温度:500℃
合金化後のミスト冷却における、液滴群の平均液滴直径D(μm)と遷移温度T(℃)との関係を図4に示す。図4に示すように、液滴群の平均液滴直径D(μm)が小さいほど遷移温度Tは低くなった。
そこで、図4に基づいて、遷移温度T(℃)を冷却停止温度T(℃)未満とするための、液滴群の平均液滴直径D(μm)と冷却停止温度T(℃)との関係を求めた。その結果、液滴群の平均液滴直径D(μm)は、冷却停止温度T(℃)との関係で下記式(1)を満足すれば、遷移温度T(℃)を冷却停止温度T(℃)未満とすることができることがわかった。
D<5.0×10−3×T−2.0×T+2.2×10・・・(1)
冷却停止温度T(℃)は、通常、250〜450℃の範囲とすることができる。そこで、本発明の一実施形態では、冷却停止温度T(℃)を定めたら、その値を式(1)の右辺に代入し、液滴群の平均液滴直径D(μm)を右辺の値未満に制御して、鋼板の冷却を行えばよい。なお、本発明における液滴群の平均液滴直径D(μm)は、ザウター(Sauter)平均粒径で定義され、浸液法や、液滴にレーザー光を照射するレーザー法で測定することができる。
液滴群の平均液滴直径D(μm)は、ノズルの構造、混合前の空気および冷却液の圧力比、空気および冷却液の流量比、などによって制御できる。例えば、冷却液の圧力に対して空気の圧力を高くすれば、液滴群の平均液滴直径D(μm)は小さくなる。また、冷却液の流量に対して空気の流量を多くすれば、液滴群の平均液滴直径D(μm)は小さくなる。また、流量が同じ前提であれば、ノズル径が小さいほど液滴群の平均液滴直径D(μm)は小さくなる。
ただし、液滴群の平均液滴直径D(μm)を小さくするには、上述のように例えば空気の噴射圧力を高くする必要がある。その場合、ブロアやコンプレッサといった圧縮空気製造装置が高価になる、ランニングコストが増加するといった追加コストが必要になるため、必要以上に液滴群の平均液滴直径D(μm)を小さくすることは好ましくない。そこで、本発明者は、冷却停止温度T(℃)に対し、鋼板幅方向の冷却ムラを低減する効果が飽和する液滴群の平均液滴直径D(μm)の下限を調査した。鋼板幅方向の冷却ムラを低減する効果が飽和する液滴群の平均液滴直径D(μm)の下限は部分膜沸騰(遷移沸騰)が生じる限界の温度であり、調査した結果、液滴群の平均液滴直径D(μm)は、冷却停止温度T(℃)との関係でさらに下記式(2)を満足することが好ましいことがわかった。
D≧3.0×10−3×T−1.2×T+1.3×10・・・(2)
図5に、式(1)および式(2)による冷却停止温度T(℃)と液滴群の平均液滴直径D(μm)との関係を示す。破線が式(1)であり、実線が式(2)である。
なお、液滴群の平均液滴直径D(μm)と冷却停止温度T(℃)との関係式は、操業条件、特に冷却条件によって、式(1)や式(2)とは異なる可能性がある。このため、本発明はこれらの式には限定されず、液滴群の平均液滴直径D(μm)が、冷却停止温度T(℃)との関係で、冷却の開始から冷却停止温度T(℃)となる冷却終了まで膜沸騰状態が維持されるサイズであることが重要である。これにより、合金化後の冷却における鋼板幅方向の冷却ムラを抑制し、それに起因する欠陥の発生を抑制することが可能である。なお、本発明は、相対的には冷却能力の低い膜沸騰状態で冷却を行うものではあるが、液滴の噴霧量を適切に制御すれば、十分な冷却能力を得ることができる。そのため、ガス冷却を含む特許文献1や、後段の冷却を前段の冷却よりも緩冷却にする特許文献2のように、生産性を阻害することはない。
本発明の他の実施形態では、本発明を適用する操業条件において、冷却の開始から冷却停止温度T(℃)となる冷却終了まで、液滴群が鋼板の表面に接触せず、膜沸騰状態が維持される、液滴群の平均液滴直径D(μm)と冷却停止温度T(℃)との関係式を予め求め、求めた関係式を満足するように、液滴群の平均液滴直径D(μm)を制御して、合金化後の鋼板の冷却を行えばよい。これにより、合金化後の冷却における鋼板幅方向の冷却ムラを抑制し、それに起因する欠陥の発生を抑制することが可能である。
図1に示す連続合金化溶融亜鉛めっき設備を用いて、上述の式(1)および式(2)を求めた実験と同じ操業条件で、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。冷却停止温度T(℃)を300℃、350℃、400℃の3水準として、液滴群の平均液滴直径D(μm)、二酸化炭素の飽和溶解量に対する溶解量の割合(%)を表1に示すものとした。冷却後の鋼板の幅方向温度差(最大温度−最小温度)を放射温度計により測定し、結果を表1に示した。
また、冷却中の鋼板表面近傍をカメラで撮影した映像を目視で観察し、冷却中の液滴群の状態を調べた。
また、鋼板の欠陥については、得られた鋼板を目視し、シワ状模様が無いものを合格とした。
Figure 0006439755
表1に示すように、式(1)を満足しない比較例では、鋼板幅方向の温度差が大きくなり、鋼板表面にシワ状の模様が発生するといった欠陥が生じた。これに対し、式(1)を満足する本発明例では、鋼板幅方向の温度差が非常に小さく、鋼板表面にシワ状の模様が発生するといった欠陥は生じなかった。また、観察の結果、比較例では、冷却の初期は膜沸騰状態であったが、後半で部分膜沸騰状態となっていたのに対し、発明例では、冷却の初期から終了まで膜沸騰状態が維持されていた。
本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法によれば、鋼板の生産性向上を阻害することなく、合金化後の冷却における鋼板幅方向の冷却ムラを抑制し、それに起因する欠陥の発生を抑制することが可能である。
100 連続合金化溶融亜鉛めっき設備
10 冷却装置
12 空気用ヘッダ
14 ノズル
20 溶融亜鉛めっき浴
21 シンクロール
22 ガスワイピング装置
23 合金化炉
24 (走査型)放射温度計
25 トップロール
P 鋼板

Claims (4)

  1. 焼鈍された鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、その後、前記鋼板に施された亜鉛めっきを加熱合金化し、次いで冷却液を微細化した液滴群を前記鋼板に向けて噴射して前記鋼板を冷却停止温度T(℃)まで冷却する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
    前記液滴群には、20℃、二酸化炭素1気圧の場合における二酸化炭素の飽和溶解量の1.0%以上の二酸化炭素が溶解しており、
    前記液滴群の平均液滴直径D(μm)は、前記冷却の開始から前記冷却停止温度T(℃)となる冷却終了まで、前記液滴群が前記鋼板の表面に接触せず、前記液滴群が蒸発して蒸気膜を形成した状態が維持されるサイズであることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 前記液滴群の平均液滴直径D(μm)は、前記冷却停止温度T(℃)との関係で下記式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
    D<5.0×10−3×T−2.0×T+2.2×10・・・(1)
  3. 前記液滴群の平均液滴直径D(μm)は、前記冷却停止温度T(℃)、との関係でさらに下記式(2)を満足することを特徴とする請求項2に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
    D≧3.0×10−3×T−1.2×T+1.3×10・・・(2)
  4. 焼鈍された鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、その後、前記鋼板に施された亜鉛めっきを加熱合金化し、次いで冷却液を微細化した液滴群を前記鋼板に向けて噴射して前記鋼板を冷却停止温度T(℃)まで冷却する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
    前記液滴群には、20℃、二酸化炭素1気圧の場合における二酸化炭素の飽和溶解量の1.0%以上の二酸化炭素が溶解しており、
    前記冷却の開始から前記冷却停止温度T(℃)となる冷却終了まで、前記液滴群が前記鋼板の表面に接触せず、前記液滴群が蒸発して蒸気膜が形成された状態が維持される、前記液滴群の平均液滴直径D(μm)と前記冷却停止温度T(℃)との関係式を予め求め、
    該関係式を満足する平均液滴直径D(μm)で冷却を行うことを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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