Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP6436890B2 - ピリジン誘導体を有効成分とする香味変調剤 - Google Patents

ピリジン誘導体を有効成分とする香味変調剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6436890B2
JP6436890B2 JP2015206337A JP2015206337A JP6436890B2 JP 6436890 B2 JP6436890 B2 JP 6436890B2 JP 2015206337 A JP2015206337 A JP 2015206337A JP 2015206337 A JP2015206337 A JP 2015206337A JP 6436890 B2 JP6436890 B2 JP 6436890B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flavor
product
food
milk
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015206337A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017078040A5 (ja
JP2017078040A (ja
Inventor
和 宮澤
和 宮澤
康隆 大久保
康隆 大久保
賢治 原口
賢治 原口
道長 高橋
道長 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by T Hasegawa Co Ltd filed Critical T Hasegawa Co Ltd
Priority to JP2015206337A priority Critical patent/JP6436890B2/ja
Priority to CN201680018985.8A priority patent/CN107529803B/zh
Priority to PCT/JP2016/061077 priority patent/WO2016167153A1/ja
Publication of JP2017078040A publication Critical patent/JP2017078040A/ja
Publication of JP2017078040A5 publication Critical patent/JP2017078040A5/ja
Priority to US15/712,381 priority patent/US10894772B2/en
Priority to HK18108190.1A priority patent/HK1248472A1/zh
Application granted granted Critical
Publication of JP6436890B2 publication Critical patent/JP6436890B2/ja
Priority to US16/561,374 priority patent/US10882823B2/en
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Seasonings (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は特異な香気と旨味を有する2−(フェニルアルキロキシアルキル)ピリジン類縁体または2−(フェニルアルキルチオアルキル)ピリジン類縁体を有効成分とする香味変調剤に関する。さらに詳しくは、該化合物を有効成分とする、香気付与乃至増強剤、旨味付与剤、旨味増強剤、甘味増強剤、および、該化合物を有効成分として含有する香料組成物、ならびに、これらの香味変調剤または香料組成物を配合した飲食品および香粧品に関する。
近年、飲食品および香粧品用香料において、消費者の嗜好性の多様化とともに、従来にない新しいタイプの香気・香味を有する香料に対するニーズが高まり、マイルドで新鮮な香質を有し、持続性に優れたユニークな香料素材の開発が望まれている。このような背景にあって、香料素材を適宜に、またその配合量を変えて組合せ、できるだけ天然らしさを有するように調合する研究等が行われているが、未だ充分とはいえない。そこで、新たな香料素材として様々な有機化合物の探索が行われている。
香料化合物は嗅覚を刺激する化合物であるが、その種類は数万あるとされる。一方、食の風味は嗅覚刺激と味覚刺激が脳で統合された感覚と考えられている。すなわち、嗅覚刺激は味覚を刺激する化合物(食塩、砂糖、グルタミン酸ナトリウムなど)と組み合され、食全体の風味が形成されている。そこで、近年、香気を有する化合物の中から、嗅覚と同時に味覚を刺激する化合物について探索が盛んとなり、飲食品の総合的な風味の向上に用いられている。
嗅覚と同時に味覚を刺激する化合物として、例えば、4−ヒドロキシ−2(5)−エチル−5(2)−メチル−3(2H)−フラノンは醤油に添加すると塩味を増強する効果があることが見出されている(特許文献1)。また、1,3,5−ウンデカトリエンは炭酸飲料に使用することで食感刺激に類似した炭酸感増強効果を併せ持つことが見出されている(特許文献2)。一般に、香料化合物は味覚に対しては苦味として作用するものが多い。なかでも代表的な香料化合物であるメントールは嗅覚刺激作用として清涼香を有するが、嗅覚刺激作用以外にも、痛覚刺激作用として皮膚や口腔内の冷涼感を生じ、味覚刺激作用として苦味を有することが知られている。
基本味である旨味についても、香料化合物のなかに嗅覚と同時に旨味に関する味覚を刺激する化合物が見出され、これらの化合物を食品香料として応用し、飲食品の機能性を広げ、消費者の求める新たな風味を提供している。例えば、2−アルキルピリジンは旨味を持つことが開示されている(特許文献3)。また、ピリジン環を含む置換基を有する芳香族ケトン化合物(特許文献4)、芳香族アミド化合物(特許文献5)についても旨味物質として開示されている。
また、2−(フェニルアルキロキシアルキル)ピリジンの一種である2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジンはニトリル化合物とアセチレンによるピリジン環合成反応研究(非特許文献1)および有機金属を利用したカップリング反応研究の生成物(非特許文献2)として報告されており、また、旨味増強剤としての用途も開示されている(特許文献6)。
特開2012−70636号公報 特許第5500664号公報 特表2011−516059号公報 特表2012−532848号公報 特表2014−531448号公報 WO2015/000900国際公開公報
Izvestiya Akademii Nauk SSSR, Seriya Khimicheskaya (1986), (7), 1628−34 Journal of Organic Chemistry (2012), 77(22), 10399−10408
本発明の目的は、飲食品や香粧品に添加した場合に好ましい香気を付与乃至増強し、また飲食品に添加した場合には香気に加え、呈味として旨味の付与並びに旨味乃至甘味を増強する香料化合物、および、その化合物を有効成分として含有する香料組成物、ならびに、その化合物を有効成分として含有する飲食品および香粧品を提供することにある。
本発明者らは、数多くの有機化合物について鋭意探索した結果、下記式(1)に示される化合物である、2−(フェニルアルキロキシアルキル)ピリジン類縁体または2−(フェニルアルキルチオアルキル)ピリジン類縁体は、ハーバル、アーシー、アーモンド、ナッティー、ラム酒様な香気を有し、また、味に関しては、飲食品に高濃度で配合した場合にはやや苦味を伴った野菜、スパイス様の呈味を有するが、低濃度で配合した場合には飲食品の旨味、甘味、塩味、乳のコクを増強する効果を有し、その旨味などの増強効果が2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジンより大幅に増大したことを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明は以下のものを提供する。
(a)下記式(1)に示される化合物またはその塩を有効成分とする香味変調剤。
Figure 0006436890
上記式(1)中、n=2,3,4または5を示し、m=1または2を示し、XはOまたはSを示し、Yは下記式(2)または(3)を示す。
Figure 0006436890
上記式(2)中、Zは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはOR基(Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基)を示す(ただし、n=2、m=1の場合、または、n=3、m=1であって、XはOかつZはHの場合を除く)。また、上記式(3)中、R〜Rは水素原子またはメチル基であって、R〜Rの少なくとも2つがメチル基である。
(b)香味変調が香気の付与乃至増強である、(a)の香味変調剤。
(c)香味変調が旨味の付与である、(a)の香味変調剤。
(d)香味変調が旨味の増強である、(a)の香味変調剤。
(e)香味変調が甘味の増強である、(a)の香味変調剤。
(f)香味変調が塩味の増強である、(a)の香味変調剤。
(g)香味変調が、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品に対する乳のコクの増強である、(a)の香味変調剤。
(h)(a)〜(g)のいずれかの香味変調剤を有効成分として含有する食品用香料組成物。
(i)(a)〜(g)のいずれかの香味変調剤または(h)の食品用香料組成物を含有させた飲食品。
(j)(a)または(b)の香味変調剤を有効成分として含有する香粧品用香料組成物。
(k)(a)もしくは(b)の香味変調剤または(j)の香粧品用香料組成物を含有させた香粧品。
(l)(a)の式(1)に示される化合物またはその塩を飲食品または香粧品に含有させる、飲食品または香粧品の香気付与乃至増強方法。
(m)(a)の式(1)に示される化合物またはその塩を飲食品に含有させる、飲食品の旨味付与乃至増強方法。
(n)(a)の式(1)に示される化合物またはその塩を飲食品に含有させる、飲食品の甘味増強方法。
(o)(a)の式(1)に示される化合物またはその塩を飲食品に含有させる、飲食品の塩味増強方法。
(p)乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物または乳製品代用品に(a)の式(1)に示される化合物またはその塩を含有させる、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物または乳製品代用品の、乳のコクの増強方法。
(q)下記(A)〜(D)を含有する乳化組成物。
(A)(a)の式(1)に示される化合物またはその塩
(B)水
(C)糖類、1価アルコールまたは多価アルコールから選ばれる1種以上
(D)乳化剤
(r)(q)の乳化組成物を乾燥してなる粉末組成物。
(s)下記式(4)に示される化合物またはその塩
Figure 0006436890
上記式(4)中、n=2,3,4または5を示し、m=1または2を示し、XはOまたはSを示し、Yは下記式(5)または(6)を示す。
Figure 0006436890
上記式(5)中、Zは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはOR基(Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基)を示す(ただし、n=2、m=1の場合、または、n=3もしくは4であって、m=1、XはOかつZはHの場合を除く)。また、上記式(6)中、R〜Rは水素原子またはメチル基であって、R〜Rの少なくとも2つがメチル基である。
本発明の化合物である上記式(1)に示される化合物またはその塩である、2−(フェニルアルキロキシアルキル)ピリジン類縁体または2−(フェニルアルキルチオアルキル)ピリジン類縁体は、飲食品または香粧品に添加した場合にハーバル、アーシー、アーモンド、ナッティー、ラム酒様な香気を付与し、特に、飲食品に添加した場合には天然感あふれる香気を付与すると共に、旨味を付与乃至増強する作用、および、甘味、塩味を増強する作用、および、特に乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品に添加した場合には、乳のコクを増強する作用を有する。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明に係る、下記式(1)に示される化合物である、2−(フェニルアルキロキシアルキル)ピリジン類縁体または2−(フェニルアルキルチオアルキル)ピリジン類縁体は、前述の通り、飲食品に高濃度で配合した場合にはやや苦味を伴った野菜、スパイス様の呈味を有するが、低濃度で配合した場合には飲食品の旨味、甘味、塩味、乳のコクを増強する効果を有する。
Figure 0006436890
上記式(1)中、n=2,3,4または5を示し、m=1または2を示し、XはOまたはSを示し、Yは下記式(2)または(3)を示す。
Figure 0006436890
上記式(2)中、Zは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはOR基(Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基)を示す(ただし、n=2、m=1の場合、または、n=3、m=1であって、XはOかつZはHの場合を除く)。また、上記式(3)中、R〜Rは水素原子またはメチル基であって、R〜Rの少なくとも2つがメチル基である。
本発明に係る、上記式(1)に示される化合物については、その化合物の塩を使用することで、飲食品または香料品に添加した場合に上記に記載の効果と同等の効果を有する。特に、飲食品に添加する場合には、上記式(1)に示される化合物の食用塩であることが好ましく、例えば、塩酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、グルコン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩などを挙げることができる。
特に、Zが下記式(7)に示す、パラ位に存在する場合には、より飲食品の旨味、甘味、塩味、乳のコクを増強する効果を有する。
Figure 0006436890
上記式(7)中、n=2,3,4または5を示し、m=1または2を示し、XはOまたはSを示し、Yは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはOR基(Rは水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基)を示す(ただし、n=2、m=1の場合、または、n=3、m=1であって、XはOかつZはHの場合を除く)。
具体的な化合物としては、2−(4−ベンジルオキシブチル)ピリジン、2−(4−ベンジルオキシブチル)ピリジン塩酸塩、2−(5−ベンジルオキシペンチル)ピリジン、2−(2−フェニルエトキシエチル)ピリジン、2−(3−フェニルエトキシプロピル)ピリジン、2−[3−(p−メトキシベンジロキシ)プロピル]ピリジン、2−[3−(p−エトキシベンジロキシ)プロピル]ピリジン、2−[3−(p−イソプロピルオキシベンジロキシ)プロピル]ピリジン、2−(2−フェニルエチルチオエチル)ピリジン、2−(2−フェニルエチルチオエチル)ピリジン塩酸塩、2−(3−フェニルエチルチオプロピル)ピリジン、2−[3−(p−メチルベンジロキシ)プロピル]ピリジン、2−[3−(p−エチルベンジロキシ)プロピル]ピリジン、2−[3−(2,5−ジメチルベンジルオキシ)プロピル]ピリジン、2−[3−(2,6−ジメチルベンジルオキシ)プロピル]ピリジンを挙げることができる。さらにこれらの化合物は、飲食品の旨味、甘味、塩味、乳のコクを増強する効果を有する。
例えば、2−(4−ベンジルオキシブチル)ピリジンについては公知化合物であり、以下に示すスキームによる合成反応を利用して調製することが可能である。
Figure 0006436890
すなわち、2−ピリジンエタノールを出発原料として塩素化により2−(2−クロロエチル)ピリジンとし、マロン酸エステル合成により2−(2−ピリジル)エチルマロン酸ジメチルを生成後、加水分解、脱炭酸によって4−(2−ピリジル)酪酸メチルを生成し、水素化アルミニウムリチウムにて還元後、塩化ベンジルを付加して2−(4−ベンジルオキシブチル)ピリジンを調製することができる。
また、例えば、2−(2−フェニルエトキシエチル)ピリジンについては、新規化合物であり、以下に示すスキームによる合成反応を利用して調製することが可能である。
Figure 0006436890
すなわち、水素化ナトリウムの存在下、2−ビニルピリジンおよび2−フェニルエチルアルコールを反応させることにより、2−(2−フェニルエトキシエチル)ピリジンを調製することができる。
さらに、例えば、2−[3−(p−メトキシベンジロキシ)プロピル]ピリジンについては、新規化合物であり、以下に示すスキームによる合成反応を利用して調製することが可能である。
Figure 0006436890
すなわち、水素化ナトリウムの存在下、2−ピリジンプロパノールおよび塩化p−メトキシベンジルを反応させることにより、2−[3−(p−メトキシベンジロキシ)プロピル]ピリジンを調製することができる。
これら得られた化合物は、減圧蒸留やカラムクロマトグラフィーなどの手段を用いることで高純度化することも可能である。
本発明は、上記式(1)に示される化合物またはその塩を有効成分とすることを特徴とする香味変調剤、旨味付与剤、旨味乃至甘味増強剤ならびに上記式(1)に示される化合物またはその塩を有効成分として含有する香料組成物およびこれらを含有させた飲食品および香粧品である。
本発明の有効成分である上記式(1)に示される化合物またはその塩は、ハーバル、アーシー、アーモンド、ナッティー、ラム酒様な香気を有しており、上記式(1)に示される化合物またはその塩を香気付与目的で使用する場合は、飲食品または香粧品に対し、質量基準で、上記式(1)に示される化合物として、一般に0.1ppb〜200ppm、好ましくは1ppb〜20ppm、より好ましくは10ppb〜2ppmの範囲で添加することができる。この濃度範囲で添加することにより、飲食品にまたは香粧品に天然感あふれる香気を付与することができる。
また、上記式(1)に示される化合物またはその塩を単独で水に希釈した場合にその水溶液は旨味を呈し、その濃度は、質量を基準として、0.01ppm〜200ppmの範囲内で旨味が感じられるが、好ましくは0.1ppm〜20ppmを例示できる。
しかしながら、食塩やグルタミン酸ナトリウムなどの旨味成分と併用した場合や、2,4,7−トリデカトリエナール、4,7−トリデカジエナール、トリメチルアミンまたは2−メチルフラン−3−チオールなどの揮発性の旨味増強物質と併用した場合には、相乗的に旨味および塩味の増強作用を有し、その相乗効果が発揮される濃度は、飲食品の質量を基準として、上記式(1)に示される化合物またはその塩が0.1ppb〜40ppm、好ましくは1ppb〜10ppm、より好ましくは5ppb〜2ppmの範囲である。
さらにまた、上記式(1)に示される化合物またはその塩は、ショ糖などの甘味物質と併用した場合には、甘味増強作用を有し、その相乗効果が発揮される濃度は、飲食品の質量を基準として、0.1ppb〜40ppm、好ましくは1ppb〜10ppm、より好ましくは5ppb〜2ppmの範囲である。
本発明の上記式(1)に示される化合物またはその塩は、特に、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品に添加した場合に、その旨味増強、塩味増強および甘味増強効果がよく発揮され、乳のコクが増強される感覚特性が感じられる。その効果が発揮される濃度は、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品の質量を基準として、0.1ppb〜40ppm、好ましくは1ppb〜10ppm、より好ましくは5ppb〜2ppmの範囲である。
本発明の上記式(1)に示される化合物またはその塩が相乗効果により旨みが増強される旨味素材としては、塩味物質である食塩、塩化カリウムなどの無機塩類、旨味素材としてグルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸、セリン、テアニン、アルギニンなどのアミノ酸類、ジペプチド、オリゴペプチドなどのペプチド類;イノシン酸、グアニル酸などの核酸類、コハク酸などの有機酸類、およびこれらの任意の混合物などが例示できる。
また、本発明の上記式(1)に示される化合物またはその塩が相乗効果により甘味が増強される呈味素材としては、ショ糖、ぶどう糖、果糖、麦芽糖、乳糖、ガラクトース、マルチトース、トレハロースなどの糖類;アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、グリチルリチン酸二ナトリウム、ソーマチン、サッカリンおよびその塩、羅漢果抽出物、甘草抽出物、レバウディオサイドA、ステビア抽出物、酵素処理ステビア抽出物、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンなどの高甘味度甘味料類;キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、パラチニット、還元水あめなどの糖アルコール類、およびこれらの任意の混合物などが例示できる。
また、本発明の上記式(1)に示される化合物またはその塩により、特にコクが増強される乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品としては、次のものが例示できる。乳としては、例えば、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(昭和26年12月27日厚生省令第52号)に規定された生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、加工乳等;乳製品としては、例えば、前記省令に規定されたクリーム、バター、バターオイル、ヨーグルト等の発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、チーズ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、練乳、全粉乳、脱脂粉乳、加糖粉乳、濃縮ホエイ、ホエイパウダー等;乳若しくは乳製品を含有する飲食品としては、例えば、牛乳、クリーム類、バター、チーズ、練乳、粉乳等を添加したコーヒー飲料、茶飲料、果汁飲料、炭酸飲料、冷菓類、和洋菓子類、パン類、スープ類、カレー、シチュー、各種インスタント飲食品、各種スナック食品、ドレッシング等の調味料等;乳製品代用品としては、例えば、油脂を乳化して製造されるマーガリンやファットスプレッド等のバター代用品、コーヒーや紅茶等に添加するコーヒーホワイトナー等のクリーム類代用品等を挙げることができる。
上記式(1)に示される化合物またはその塩を飲食品や香粧品に添加するには、上記式(1)に示される化合物またはその塩そのもの、または、そのものの希釈液を飲食品や香粧品に添加することもできるが、上記式(1)に示される化合物またはその塩を有効成分として含有する香料組成物を調製し、その香料組成物を飲食品や香粧品に添加することにより、飲食品や香粧品に香気を付与することができる。また、飲食品に香気を付与し、かつ、香料組成物中に上記式(1)に示される化合物またはその塩を有効成分として含有させ、その香料組成物を飲食品に添加することにより、飲食品に対し旨味などを増強することができる。
本発明の香料組成物は、上記式(1)に示される化合物またはその塩を該香料組成物の質量を基準として、一般に0.1ppm〜2%、好ましくは1ppm〜0.5%、より好ましくは10ppm〜0.1%の濃度で含有させことができる。
さらに、この香料組成物を、飲食品または香粧品に対し香気を付与する場合には、0.01%〜1%程度添加して、飲食品または香粧品に対する上記式(1)に示される化合物またはその塩の添加濃度として、その飲食品または香粧品中に、質量を基準として0.1ppb〜200ppm、好ましくは1ppb〜20ppm、より好ましくは10ppb〜2ppmの範囲となるように添加することができる。その結果、飲食品または香粧品に、上記式(1)に示される化合物が有効成分として作用し、飲食品または香粧品にハーバル、アーシー、アーモンド、ナッティー、ラム酒様な香気を付与できる。
また、この香料組成物を、飲食品に対し、旨味、塩味、甘味、乳のコクを増強する場合には、0.005%〜1%程度添加して、飲食品または香粧品に対する上記式(1)に示される化合物またはその塩の添加濃度として、その飲食品の質量を基準として、0.1ppb〜40ppm、好ましくは1ppb〜10ppm、より好ましくは5ppb〜2ppmの範囲となるように添加することができる。その結果、飲食品、上記式(1)に示される化合物が有効成分として作用し、飲食品の旨味、塩味、甘味、乳のコクを増強することができる。
飲食品または香粧品に対する上記式(1)に示される化合物またはその塩の添加濃度が0.1ppb未満である場合には飲食品または香粧品に対する香気付与効果や飲食品に対する旨味などの増強効果が乏しく、また、飲食品または香粧品に対する上記式(1)に示される化合物またはその塩の添加濃度が200ppmを超えると、飲食品または香粧品における、本化合物独特の香気が強すぎて好ましくない場合がある。また、飲食品としての呈味のバランスが崩れ、好ましくない可能性がある。
前記香料組成物には上記式(1)に示される化合物またはその塩以外にも一般的に使用できる他の香料成分を配合することができる。上記式(1)に示される化合物またはその塩と共に含有し得る他の香料成分としては、各種の合成香料、天然香料、天然精油、動植物エキスなどを挙げることができる。他の香料成分としては「特許庁、周知慣用技術集(香料)第II部食品香料、頁8−87、平成12年1月14日発行」に記載されている合成香料、天然精油、天然香料、動植物エキス等を挙げることができる。
これらの成分として、食品用香料(香料組成物および旨味増強香料組成物)の素材として、例えば、炭化水素化合物としてα−ピネン、β−ピネン、ミルセン、カンフェン、リモネンなどのモノテルペン、バレンセン、セドレン、カリオフィレン、ロンギフォレンなどのセスキテルペン、1,3,5−ウンデカトリエンなど;アルコール化合物としてブタノール、ペンタノール、プレノール、ヘキサノールなどの直鎖・飽和アルカノール類、(Z)−3−ヘキセン−1−オール、2,6−ノナジエノールなどの直鎖・不飽和アルコール類、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、テトラヒドロミルセノール、ファルネソール、ネロリドール、セドロールなどのテルペンアルコール類、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フルフリルアルコールなどの芳香族アルコール類;アルデヒド化合物としてアセトアルデヒド、ヘキサナール、デカナールなどの直鎖・飽和アルデヒド、(E)−2−ヘキセナール、2,4−オクタジエナールなどの直鎖・不飽和アルデヒド類、シトロネラール、シトラールなどのテルペンアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナミルアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フルフラール、ヘリオトロピンなどの芳香族アルデヒド類、ケトン化合物として2−ヘプタノン、2−ウンデカノン、1−オクテン−3−オンなどの直鎖・飽和および不飽和ケトン類、アセトイン、ジアセチル、2,3−ペンタジオン、マルトール、エチルマルトール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンなどの直鎖および環状ジケトン類、ヒドロキシケトン、カルボン、メントン、ヌートカトンなどのテルペンケトン類、α−イオノン、β−イオノン、β−ダマセノンなどのテルペン分解物に由来するケトン類、ラズベリーケトンなどの芳香族ケトン類;フラン・エーテル化合物としてローズオキシド、リナロールオキシド、メントフラン、テアスピランなどの環状エーテル類;エステル化合物として酢酸エチル、酢酸イソアミルなどの脂肪族アルコールの酢酸エステル類、酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、酢酸ラバンジュリルなどのテルペンアルコール酢酸エステル類、酪酸エチル、カプロン酸エチルなどの脂肪酸と低級アルコールエステル類、酢酸ベンジル、サリチル酸メチルなどの芳香族エステル類;ラクトン化合物としてγ−デカラクトン、γ−ドデカラクトン、δ−デカラクトン、δ−ドデカラクトンなどの飽和ラクトン類、7−デセン−4−オリド、2−デセン−5−オリドなどの不飽和ラクトン類;酸化合物として酪酸、オクタン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの飽和・不飽和脂肪酸類;含窒素化合物としてインドール、スカトール、ピリジン、アルキル置換ピラジン、アントラニル酸メチルなど;含硫化合物としてメタンチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、アリルイソチオシアネートなどが挙げられる。また、各種のエキスとしてハーブ・スパイス抽出物、コーヒー・緑茶・紅茶・ウーロン茶抽出物、乳または乳加工品およびこれらのリパーゼ・プロテアーゼなどの酵素分解物も挙げられる。
また、旨味増強香料組成物の素材としては、前記食品用香料の素材に加え、さらに、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸などのアミノ酸類、イノシン酸、グアニル酸、アデニル酸、ウラジル酸シチジル酸などの核酸類及びその塩類、酵母エキス、コハク酸などの有機酸類、リボース、キシロース、アラビノース、グルコース、フラクトース、ラムノース、ラクトース、マルトース、シュークロース、トレハロース、セロビオース、マルトトリオース、水飴などの糖類などが挙げられる。
また、香粧品用香料の素材としては、前記食品用香料の素材に加え、合成香料化合物として、α−アミルシンナミルアルデヒド、ジヒドロジャスモン、メチルイオノン、α−ダマスコン、アセチルセドレン、ジヒドロジャスモン酸メチル、シクロペンタデカノリドなど;天然精油としてはスイートオレンジ、ビターオレンジ、プチグレン、レモン、ベルガモット、マンダリン、ネロリ、ペパーミント、スペアミント、ラベンダー、カモミール、ローズマリー、ユーカリ、セージ、バジル、ローズ、ゼラニウム、ジャスミン、イランイラン、アニス、クローブ、ジンジャー、ナツメグ、カルダモン、スギ、ヒノキ、ベチバー、パチョリ、ラブダナムなどが挙げられる。
また、前記香料組成物には、必要に応じて、香料組成物において通常使用されている保留剤として、水、エタノールなどの溶剤や、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、グリセリン、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、ハーコリン、脂肪酸トリグリセライド、脂肪酸ジグリセリドなどを配合することができる。
また、上記式(1)に示される化合物またはその塩、およびこれらを含有する香料組成物に、本発明で使用する(B)成分である水、(C)成分である糖類、1価アルコールもしくは多価アルコールから選ばれる1種以上、および(D)乳化剤を配合し、例えば、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモジナイザー等を用いて乳化することにより乳化組成物の形態とすることもできる。
本発明で使用する(B)成分である水は(C)成分である糖類、1価アルコールまたは多価アルコールと共に前記水相を構成するが、水相中の含水率は、通常50%以下、特に約0〜25%の範囲内の含水状態で使用することが好ましく、含水率が50%を越えると防腐性が失われる可能性がある。
本発明の(C)成分である糖類、1価アルコールまたは多価アルコールは、乳化の安定のために配合する。糖類としては、例えば、グルコース、フラクトース、シュークロース、トレハロース、セロビオース、マルトトリオース、ラムノース、ラクトース、マルトース、リボース、キシロース、アラビノースおよび水飴などが挙げられ、1価アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノールなどが挙げられ、多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マルチトールおよび澱粉分解還元物などが挙げられ、これらの2種以上の混合物を挙げることができる。
本発明で使用する(D)成分である乳化剤としては、特に制限されるものではなく、従来から飲食品等に用いられる各種の乳化剤が使用可能であり、例えば、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、化工でん粉、ソルビタン脂肪酸エステル、キラヤ抽出物、アラビアガム、トラガントガム、グアーガム、カラヤガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸及びその塩類、カラギーナン、ゼラチン、カゼインなどを例示することができる。
これらの乳化剤のうち特に、HLBが8以上の親水性界面活性剤が好ましく、この場合は、水相部に乳化剤を混合する。具体的にはポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等を挙げることができる。ポリグリセリン脂肪酸エステル類としては、例えば、平均重合度3以上のポリグリセリンと炭素数8以上の脂肪酸とのエステル、例えば、デカグリセリンモノオレエート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリンモノパルミテート、デカグリセリンモノミリステートなどで且つ、HLBが約8以上、好ましくは約8〜約14の範囲内のものを挙げることができる。HLBが8を下回るポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた場合には、一般に、均一で粒子径の小さな乳化粒子を調製することが困難であり、また、乳化物が不安定で飲料に添加すると、沈殿、油分離などの分離現象を起こす傾向が強い。
ポリグリセリン脂肪酸エステル類の含有量は、油相部1重量部に対し、通常約0.05重量部〜約0.5重量部、好ましくは約0.15重量部〜約0.3重量部の範囲内であることができる。
本発明の乳化組成物の調製法の一実施態様を例示すれば以下のとおりである。まず、前記の油相部に使用する原料を混合して、油相部1質量部を調製する。これとは別に、(B)水、(C)糖類、1価アルコールまたは多価アルコールから選ばれる1種以上、および、(D)乳化剤を混合溶解した溶液(水相)約2〜約50重量部(水分含有量約0.5〜約10重量%)を調製し、油相部と水相部を混合し、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモジナイザー等を用いて乳化処理することにより、粒子径約0.2〜約2μmの極めて微細で安定性に優れた乳化液を得ることができる。
該乳化組成物中には、上記式(1)に示される化合物またはその塩、およびこれらを含有する香料組成物を該乳化組成物の質量を基準として、一般に0.1ppm〜2%、好ましくは1ppm〜0.5%、より好ましくは10ppm〜0.1%の濃度で含有させことができる。
さらに、例えば、前記乳化組成物に砂糖、乳糖、ブドウ糖、トレハロース、セロビオース、水飴、還元水飴等の糖類;糖アルコール類;デキストリン等の各種デンプン分解物およびデンプン誘導体、デンプン、ゼラチン、アラビアガム等の天然ガム類などの賦形剤を適宜配合した後、例えば、噴霧乾燥、真空乾燥などの適宜な乾燥手段により乾燥して粉末組成物の形態とすることもできる。これらの賦形剤の配合量は粉末組成物に望まれる特性等に応じて適宜に選択することができる。
本発明の上記式(1)に示される化合物またはその塩を単独で、または上記式(1)に示される化合物またはその塩を有効成分とする香料組成物によって、ハーバル、アーシー、アーモンド、ナッティー、ラム酒様な香気の増強、および旨味乃至甘味を増強することができる飲食品の具体例としては、コーラ飲料、果汁入り炭酸飲料、乳類入り炭酸飲料などの炭酸飲料類;果汁飲料、野菜飲料、スポーツドリンク、ハチミツ飲料、豆乳、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料、乳飲料などのソフト飲料類;緑茶、紅茶、ウーロン茶、ハーブティー、ミルクティー、コーヒー飲料などの嗜好飲料類;チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒などのアルコール飲料類;バター、チーズ、ミルク、ヨーグルトなどの乳製品;アイスクリーム、ラクトアイス、シャーベット、ヨーグルト、プリン、ゼリー、デイリーデザートなどのデザート類及びそれらを製造するためのミックス類;キャラメル、キャンディー、錠菓、クラッカー、ビスケット、クッキー、パイ、チョコレート、スナックなどの菓子類及びそれらを製造するためのケーキミックスなどのミックス類;パン、スープ、各種インスタント食品などの一般食品類、歯磨きなどの口腔用組成物を挙げることができる。
また、本発明の上記式(1)に示される化合物またはその塩を単独で、または上記式(1)に示される化合物またはその塩を有効成分とする香料組成物によって、ハーバル、アーシー、アーモンド、ナッティー、ラム酒様な香気を増強することができる香粧品の具体例としては、また、香粧品としては、例えば、香水;シャンプー、リンス、ヘアクリーム、ポマードなどのヘアケア製品;オシロイ、口紅などの化粧品類;フェイス用石鹸、ボデイ用石鹸、洗濯用石鹸、洗濯用洗剤、消毒用洗剤、防臭洗剤などの保健・衛生用洗剤類;歯みがき、ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどの保健・衛生材料類;室内芳香剤、カーコロンなどの芳香製品;を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
実施例において反応粗製物、精製物の測定は次の分析機器を用いて行なった。
GC測定:GC−2014(島津製作所社製)およびクロマトパックC−R8A(島津製作所社製)
GC測定用GCカラム:ジーエルサイエンス社製TC−1(長さ30m、内径0.53mm、液層膜厚1.50マイクロメータ)、ジーエルサイエンス社製TC−1701(長さ30m、内径0.53mm、液層膜厚1.00マイクロメータ)
GC/MS測定:5973N(Agilent社製)
GC/MS測定用GCカラム:ジーエルサイエンス社製TC−1701(長さ30m、内径0.25mm、液層膜厚0.25マイクロメータ)
NMR測定:ECX−400A(JEOL RESONANCE社製)。
実施例1:2−(4−ベンジルオキシブチル)ピリジンの調製
2−(4−ベンジルオキシブチル)ピリジンは以下の反応経路に示す5工程より調製される。
Figure 0006436890
(1)2−(2−クロロエチル)ピリジンの調製
500mLフラスコに2−ピリジンエタノール(15.00g,122mmol)、トリフェニルホスフィン(38.40g,146mmol)、四塩化炭素(100mL)を入れ加熱還流した。1.5時間後にトリフェニルホスフィン(9.60g,36.6mmol)を追加し、さらに30分加熱還流した。
反応液を室温まで冷却後、ペンタン(200mL)を入れ、桐山ロートを用いてろ過をした。得られたろ液を濃縮し粗精製物(17.07g)を得た。これを減圧蒸留し、2−(2−クロロエチル)ピリジンを11.16g(収率65.8%、純度97.1%)得た。
(2)2−(2−ピリジル)エチルマロン酸ジメチルの調製
300mLフラスコに2−(2−クロロエチル)ピリジン(10.35g,73.1mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)、マロン酸ジメチル(14.48g,110mmol)、炭酸カリウム(18.18g,132mmol)を加え撹拌した。40分後に触媒量のヨウ化ナトリウム(0.25g)を加え、80℃で8時間撹拌した。さらにマロン酸ジメチル(9.66g,73.1mmol)を追加し、80℃で9時間撹拌したところで反応を終了させた。
反応液を室温まで冷却後、氷水(300g)を加え、これをエーテルで2回抽出し、水(200g)にて洗浄後、乾燥、濃縮を経て粗精製物(20.9g)を得た。これを減圧蒸留し、2−(2−ピリジル)エチルマロン酸ジメチルを7.78g(収率44.9%、純度90.8%)得た。
(3)4−(2−ピリジル)酪酸メチルの調製
1Lフラスコに2−(2−ピリジル)エチルマロン酸ジメチル(7.72g,32.5mmol)、ジメチルスルホキシド(270mL)、水(2.34g,130mmol)、塩化ナトリウム(7.60g,130mmol)を仕込み150℃で5.5時間撹拌した。
反応液を室温まで冷却後、水(550mL)、エーテル(300mL)を加え抽出をした。さらに水(550mL)を加え、これをエーテル(250mL)で抽出をした。さらに、少量の重曹、続いて食塩を飽和するまで加え、これをエーテル(250mL×3回)で抽出した。得られた有機層を合わせ、20%食塩水(500mL)で洗浄後、硫酸マグネシウムによる乾燥、濃縮を経て4−(2−ピリジル)酪酸メチルの粗精製物(5.17g,純度82.2%)を得た。該粗精製物はこれ以上の精製をすることなく次の反応に用いた。
(4)2−ピリジンブタノールの調製
窒素雰囲気下、200mLフラスコに水素化アルミニウムリチウム(0.90g,23.7mmol)及び乾燥エーテル(20mL)を仕込み、氷水浴下5℃で撹拌した。ここに4−(2−ピリジル)酪酸メチルの粗精製物(5.17g,28.8mmol)の乾燥エーテル(10mL)溶液を10℃以下で滴下し、同温下2時間撹拌した。さらに室温まで昇温させ3時間撹拌した。
ここに飽和ロッシェル塩水溶液(100mL)、エーテル(20mL)を加え終夜で撹拌し、有機層を分離した。水層をエーテル(100mL)で抽出し、合わせた有機層を20%食塩水(100mL)による洗浄後、硫酸ナトリウム乾燥、濃縮を経て粗精製物(3.98g)を得た。これを減圧蒸留し、2−ピリジンブタノールを2.14g(2段階収率44.8%、純度95.8%)得た。
(5)2−(4−ベンジルオキシブチル)ピリジンの調製
200mLフラスコに60%水素化ナトリウム(0.47g,11.8mmol)、乾燥テトラヒドロフラン(5mL)を入れ窒素雰囲気下撹拌した。ここに水浴下で2−ピリジンブタノール(1.50g,9.92mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5mL)溶液を25℃以下で5分間滴下し、その後室温で20分撹拌した。反応容器を再び水浴につけ、ここに塩化ベンジル(1.51g,11.9mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5mL)溶液を25℃以下で15分間滴下し、室温で終夜撹拌した。
反応液に冷水(5mL)を加えクエンチし、これを酢酸エチル(30mL)で抽出した。得られた有機層を20%食塩水(30mL)で洗浄後、硫酸ナトリウムによる乾燥、濃縮を経て粗精製物(2.54g)を得た。このものをシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、2−(4−ベンジルオキシブチル)ピリジンを1.04g(収率43.4%、純度98.5%)得た(本発明品1)。
2−(4−ベンジルオキシブチル)ピリジン物性データ
1H NMR(CDCl,400MHz) δ 1.65−1.73(m,2H),1.79−1.90(m,2H),2.78−2.83(m,2H),3.50(t,2H,J=6.4Hz),4.49(s,2H),7.07−7.11(m,1H),7.13(d,1H,J=8.0Hz),7.24−7.30(m,1H),7.32−7.36(m,4H),7.57(dt,1H,J=2.0,7.6Hz),8.50−8.53(m,1H).
13C NMR(CDCl,100MHz) δ 26.43,29.40,38.08,70.18,72.87,120.92,122.73,127.45,127.60(2C),128.31(2C),136.24,138.57,149.19,162.04.
MS(EI,70eV) m/z 65(12),78(6),91(50),92(15),93(100),94(10),106(84),107(17),117(8),118(8),120(30),132(6),134(52),135(38),150(96),151(10).
実施例2:2−(2−フェニルエトキシエチル)ピリジンの調製
2−(2−フェニルエトキシエチル)ピリジンは以下の反応経路に示す工程より調製される。
Figure 0006436890
1Lフラスコに60%水素化ナトリウム(17.09g,420mmol)、乾燥テトラヒドロフラン(400mL)を入れ窒素雰囲気下撹拌した。ここに水浴下2−フェニルエチルアルコール(47.48g,380mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(50mL)溶液を30℃以下で20分間滴下し、その後室温で10分撹拌した。反応容器を再び水浴につけ、ここに2−ビニルピリジン(49.00g,460mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(50mL)溶液を30℃以下で20分間滴下し、滴下後1.5時間加熱還流した。
反応液を冷却後、冷水(300mL)を加えクエンチし、これを酢酸エチル(200mL)で抽出した。得られた有機層を20%食塩水(300mL)で洗浄後、硫酸ナトリウムによる乾燥、濃縮を経て粗精製物(139.76g)を得た。これを減圧下蒸留することで未反応の原料の大部分を除き、目的物を含む残渣(13.13g)を得た。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、高純度の目的物を含むフラクションを910mg(純度93.9%)得た。さらにクーゲルロールで精製し2−(2−フェニルエトキシエチル)ピリジンを781mg(収率0.9%、純度98.6%)得た(本発明品2)。
2−(2−フェニルエトキシエチル)ピリジン物性データ
1H NMR(CDCl,400MHz) δ 2.85(t,2H,J=6.8Hz),3.05(t,2H,J=6.4Hz),3.66(t,2H,J=6.8Hz),3.83(t,2H,J=6.4Hz),7.08−7.12(m,1H),7.13−7.21(m,4H),7.22−7.28(m,2H),7.55(dt,1H,J=2.0,7.6Hz),8.50−8.53(m,1H).
13C NMR(CDCl,100MHz) δ 36.13,38.58,70.06,71.78,121.23,123.57,126.02,128.20(2C),128.83(2C),136.17,138.97,149.13,159.20.
MS(EI,70eV) m/z 77(12),78(20),79(14),91(8),93(26),94(6),104(54),105(30),106(100),107(44),122(89),123(12),136(21),227(6).
実施例3:2−[3−(p−メトキシベンジロキシ)プロピル]ピリジンの調製
2−[3−(p−メトキシベンジロキシ)プロピル]ピリジンは以下の反応経路に示す工程より調製される。
Figure 0006436890
200mLフラスコに60%水素化ナトリウム(1.75g,43.8mmol)、乾燥テトラヒドロフラン(10mL)を入れ窒素雰囲気下撹拌した。ここに水浴下2−ピリジンプロパノール(5.00g,36.4mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5mL)溶液を30℃以下で30分間滴下し、その後室温で30分撹拌した。反応容器を再び水浴につけ、ここに塩化p−メトキシベンジル(6.84g,43.7mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5mL)溶液を30℃以下で30分間滴下し、室温で5時間撹拌した。
反応液に冷水(20mL)を30℃以下で加えクエンチし、これを酢酸エチル(50mL)で抽出した。得られた有機層を20%食塩水(50mL)で洗浄後、硫酸ナトリウムによる乾燥、濃縮を経て粗精製物(11.50g)を得た。このものをシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、2−[3−(p−メトキシベンジロキシ)プロピル]ピリジンを5.78g(収率61.7%、純度99.4%)得た(本発明品3)。
2−[3−(p−メトキシベンジロキシ)プロピル]ピリジン物性データ
1H NMR(CDCl,400MHz) δ 2.01−2.08(m,2H),2.86−2.90(m,2H),3.50(t,2H,J=6.4Hz),3.80(s,3H),4.44(s,2H),6.86−6.89(m,2H),7.07−7.14(m,2H),7.24−7.28(m,2H),7.56(dt,1H,J=1.6,7.6Hz),8.50−8.53(m,1H).
13C NMR(CDCl,100MHz) δ 29.65,34.85,55.24,69.24,72.46,113.71(2C),120.94,122.83,129.21(2C),130.63,136.23,149.20,159.07,161.69.
MS(EI,70eV) m/z 92(5),93(100),94(8),106(6),121(39),136(14).
実施例4:2−(2−フェニルエチルチオエチル)ピリジンの調製
2−(2−フェニルエチルチオエチル)ピリジンは以下の反応経路に示す工程より調製される。
Figure 0006436890
200mLフラスコに2−ビニルピリジン(5.00g,47.6mmol)、2−フェニルエタンチオール(6.58g,47.6mmol)、イオン交換水(21mL)を入れ、室温で2日間撹拌した。
反応液を酢酸エチル(50mL)で抽出し、得られた有機層を20%食塩水(50mL)で洗浄後、硫酸ナトリウムによる乾燥、濃縮を経て粗精製物(11.37g)を得た。このものをシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、2−(2−フェニルエチルチオエチル)ピリジンを8.64g(純度99.3%)得た。これの一部(5.15g)をクーゲルロールでさらに精製し、高純度品を5.12g(収率74.1%、純度99.9%)得た(本発明品4)。
2−(2−フェニルエチルチオエチル)ピリジン物性データ
1H NMR(CDCl,400MHz) δ 2.76−2.82(m,2H),2.84−2.91(m,2H),2.94−2.99(m,2H),3.04−3.10(m,2H),7.12−7.23(m,5H),7.26−7.32(m,2H),7.61(dt,1H,J=1.6,7.6Hz),8.53−8.56(m,1H).
13C NMR(CDCl,100MHz) δ 31.72,33.70,36.18,38.40,121.41,123.11,126.22,128.36(2C),128.40(2C),136.31,140.47,149.33,159.95.
MS(EI,70eV) m/z 77(10),78(14),79(11),91(8),93(12),103(6),104(8),105(10),106(74),107(79),108(7),136(5),138(100),139(31),140(9),152(9),215(14),243(6).
実施例5:2−[3−(p−メチルベンジロキシ)プロピル]ピリジンの調製
2−[3−(p−メチルベンジロキシ)プロピル]ピリジンは以下の反応経路に示す工程より調製される。
Figure 0006436890
200mLフラスコに60%水素化ナトリウム(1.75g,43.8mmol)、乾燥テトラヒドロフラン(10mL)を入れ窒素雰囲気下撹拌した。ここに水浴下2−ピリジンプロパノール(5.05g,36.8mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5mL)溶液を30℃以下で30分間滴下し、その後室温で30分撹拌した。反応容器を再び水浴につけ、ここに塩化p−メチルベンジル(6.20g,44.1mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5mL)溶液を30℃以下で30分間滴下し、室温で2日間撹拌した。
反応液に冷水(20mL)を30℃以下で加えクエンチし、これを酢酸エチル(50mL)で抽出した。得られた有機層を20%食塩水(50mL)で洗浄後、硫酸ナトリウムによる乾燥、濃縮を経て粗精製物(10.13g)を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、2−[3−(p−メチルベンジロキシ)プロピル]ピリジンを4.36g(収率49.1%、純度99.7%)得た(本発明品5)。
2−[3−(p−メチルベンジロキシ)プロピル]ピリジン物性データ
1H NMR(CDCl,400MHz) δ 2.01−2.09(m,2H),2.34(s,3H),2.86−2.91(m,2H),3.51(t,2H,J=6.4Hz),4.46(s,2H),7.07−7.12(m,2H),7.15(d,2H,J=8.0Hz),7.23(d,2H,J=8.0Hz),7.56(dt,1H,J=2.0,7.6Hz),8.50−8.53(m,1H).
13C NMR(CDCl,100MHz) δ 21.12,29.67,34.86,69.37,72.69,120.94,122.84,127.72(2C),128.98(2C),135.47,136.22,137.14,149.21,161.72.
MS(EI,70eV) m/z 77(8),78(6),79(7),92(9),93(100),94(11),103(5),105(26),106(14),120(11),121(25),136(55),137(5).
実施例6:2−[3−(2,5−ジメチルベンジルオキシ)プロピル]ピリジンの調製
2−[3−(2,5−ジメチルベンジルオキシ)プロピル]ピリジンは以下の反応経路に示す工程より調製される。
Figure 0006436890
200mLフラスコに60%水素化ナトリウム(1.75g,43.8mmol)、乾燥テトラヒドロフラン(10mL)を入れ窒素雰囲気下撹拌した。ここに水浴下2−ピリジンプロパノール(5.00g,36.4mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5mL)溶液を35℃以下で20分間滴下し、その後室温で40分撹拌した。反応容器を再び水浴につけ、ここに塩化2,5−ジメチルベンジル(6.76g,43.7mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(5mL)溶液を30℃以下で10分間滴下し、室温で6時間撹拌した。
反応液に冷水(30mL)を35℃以下で加えクエンチし、これを酢酸エチル(50mL)で抽出した。得られた有機層を20%食塩水(50mL)で洗浄後、硫酸ナトリウムによる乾燥、濃縮を経て粗精製物(12.06g)を得た。このものをシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、2−[3−(2,5−ジメチルベンジルオキシ)プロピル]ピリジンを5.62g(収率60.5%、純度99.1%)得た(本発明品6)。
2−[3−(2,5−ジメチルベンジルオキシ)プロピル]ピリジン物性データ
1H NMR(CDCl3,400MHz) δ 2.03−2.11(m,2H),2.29(s,3H),2.31(s,3H),2.86−2.92(m,2H),3.55(t,2H,J=6.4Hz),4.46(s,2H),6.98−7.14(m,5H),7.56(dt,1H,J=1.6,7.6Hz),8.51−8.53(m,1H).
13C NMR(CDCl3,100MHz) δ 18.30,20.92,29.71,34.91,69.74,71.30,120.96,122.85,128.27,129.25,130.07,133.37,135.12,136.12,136.25,149.20,161.70.
MS(EI,70eV) m/z 91(9),92(7),93(100),94(8),106(9),117(11),118(36),119(20),120(10),121(26),136(38),196(8).
比較例1:2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジンの調製
300mLフラスコに25重量%水酸化ナトリウム水溶液(120.0g、750mmol)、2−ピリジンエタノール(12.34g、100mmol)、塩化ベンジル(15.51g、123mmol)および臭化テトラn−ブチルアンモニウム(1.61g、4.99mmol)を入れ、45℃で3時間撹拌し、反応液をヘキサン(100mL)で抽出した。有機層を20%食塩水(100mL)で洗浄後、2mol/L塩酸(100mL)で目的物を塩酸塩にすることで水層に抽出し、ついで水層に飽和炭酸ナトリウム水溶液(150mL)を加えてアルカリ性とし、目的物を含む水層から酢酸エチル(100mL×1回、50mL×1回)で抽出した。得られた有機層を合わせ、20%食塩水(100mL)で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥、減圧下に酢酸エチルを回収し濃縮物(22.75g)を得た。この濃縮物を減圧蒸留で精製することで2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジン(16.51g、収率77.4%、純度99.9%)を得た(比較品1)。
2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジン物性データ
1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 3.11(t,2H,J=6.8Hz),3.86(t,2H,J=6.8Hz),4.53(s,2H),7.12(dd,1H,J=7.6,5.2Hz),7.22(d,1H,J=7.6Hz),7.24−7.33(m,5H),7.60(dt,1H,J=1.2,7.6Hz),8.53(dm,1H,J=5.2Hz).
13C NMR(100MHz,CDCl3) δ 38.71,69.59,72.95,121.31,123.59,127.50,127.58(2C),128.31(2C),136.23,138.35,149.26,159.20.
MS(EI,70eV) m/z 39(10),51(12),65(27),78(12),79(13),91(75),92(10),93(24),106(61),107(100),122(71),168(2),182(6).
実施例7:本発明品1〜6の香気評価
実施例1〜6で調製した本発明品1〜6の1%エタノール溶液を評価液として調製した。評価液をサンプル瓶に用意し、瓶口からの香気評価および評価液を含浸させたにおい紙により、よく訓練された5名のパネラーにより香気評価をおこなった。その平均的な評価を表1に示す。
Figure 0006436890
実施例8:パイナップル様の調合香料組成物
下記表2の処方により、パイナップル様の調合香料組成物を調合した。
Figure 0006436890
上記パイナップル様香料組成物(比較品2)999.8gに本発明品1〜6を0.2g(0.02質量%)混合して新規なパイナップル様の調合香料組成物を調製した。比較品2に本発明品1を混合したものを本発明品7、比較品2に本発明品2を混合したものを本発明品8、比較品2に本発明品3を混合したものを本発明品9、比較品2に本発明品4を混合したものを本発明品10、比較品2に本発明品5を混合したものを本発明品11、比較品2に本発明品6を混合したものを本発明品12とした。本発明品7〜12と比較品2について、専門パネラー5人により比較した。香気評価は香料組成物をサンプル瓶(30ml)に10ml用意し、瓶口からの香気評価、および、香料組成物を含浸させたにおい紙により、よく訓練された5名のパネラーにより比較を行った。その結果、専門パネラー5人の全員が、本発明品7〜12は比較品2と比べて、いずれもフレッシュで天然感あふれるパイナップルの特徴をとらえており、また、持続性の点でも格段に優れているとした。
実施例9:パイナップル様の調合香料組成物のシャーベットへの配合
実施例8で得られたパイナップル様調合香料組成物(比較品2または本発明品7)を下記処方のシャーベットに添加し、常法によりシャーベットを調製し、よく訓練された5名のパネラーが食して、官能評価を行った。
シャーベット配合処方(質量部)
砂糖:10、 水飴(75%):6、 果糖ぶどう糖液糖(75%):5、クエン酸(結晶):0.1、 1/5パイナップル果汁: 10、 本発明品7(または比較品2):0.2、 水にて合計量を100とする。
これらのシャーベットを、パネラー5人により官能評価を行った。その結果、パネラー5人全員が、本発明品7を添加したシャーベットは比較品2を添加したシャーベットに比べて、フレッシュで天然感あふれるパイナップルの特徴が強調されており、呈味についても旨味および甘味が強いと評価した。
実施例10:リラタイプの調合香料組成物
下記表3の処方により、リラタイプの調合香料組成物を調合した。
Figure 0006436890
上記リラタイプの香料組成物(比較品3)99.8gに本発明品1〜6を0.2g(1質量%)混合して新規なリラタイプの調合香料組成物を調製した。比較品3に本発明品1を混合したものを本発明品13、比較品3に本発明品2を混合したものを本発明品14、比較品3に本発明品3を混合したものを本発明品15、比較品3に本発明品4を混合したものを本発明品16、比較品3に本発明品5を混合したものを本発明品17、比較品3に本発明品6を混合したものを本発明品18とした。本発明品13〜18と比較品3について、パネラー5人により比較を行った。その結果、パネラー5人全員が、本発明品13〜18は比較品3と比べて、いずれもフレッシュで天然感あふれるリラの特徴をとらえ持続性の点でも格段に優れているとした。
実施例11:リラタイプの調合香料組成物のシャンプーへの配合
実施例10で得られたリラタイプの調合香料組成物(比較品3または本発明品13)を下記処方のシャンプーに添加し、常法によりシャンプーを調製し、よく訓練された5名のパネラーにより洗髪し、官能評価を行った。
シャンプーの処方(質量部)
ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム:20、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド:5、グリセリン:4、本発明品13(または比較品3): 0.2、水にて合計量を100とする。
これらのシャンプーを、パネラー5人により官能評価を行った。その結果、パネラー5人全員が、本発明品13を添加したシャンプーは比較品3を添加したシャンプーに比べて、フレッシュで天然感あふれるリラの特徴が強調されていると評価した。
実施例12:旨味の確認
水に表4に示す濃度の本発明品1〜6を溶解した溶液を調製した。また、比較品として同じ濃度の比較品1(2−(2−ベンジルオキシエチル)ピリジン)を溶解した溶液を調製した。無添加の水をコントロール品として、本発明品1〜6および比較品1を溶解した溶液を、よく訓練された10名のパネラーにより味わうことにより、旨味についての官能評価を行った。
旨味評点は、水をコントロール品として、0:コントロールと変化なし、1:コントロールより少し強い、2:コントロールより強い、3:コントロールよりかなり強い、4:呈味のバランスが悪い、として採点した。そのパネラー10名の平均点を表4に示す。
Figure 0006436890
表4に示した通り、本発明品1〜6を単独で水に希釈した場合に、その水溶液は旨味を有していた。また、その濃度としては、質量を基準として、0.01ppm〜200ppmの範囲内で旨味が感じられ、特に0.1ppm〜20ppm程度で良好な旨味が感じられることが分かった。
一方、比較品1を単独で水に希釈した場合も、その水溶液は旨味を有していた。また、その濃度としては、質量を基準として、0.1ppm〜2000ppmの範囲内で旨味が感じられ、特に1ppm〜200ppm程度で良好な旨味が感じられることが分かった。
すなわち、本発明品1〜6は比較品1の10倍程度旨味付与作用が強いことが認められ、同程度の旨味強度を得るための濃度は、本発明品1〜6は比較品1の1/10程度であった。
実施例13:旨味付与および塩味増強効果の確認
0.3質量%の塩化ナトリウム水溶液(コントロール)、および、0.3質量%塩化ナトリウムに本発明品1〜6を表5に示す濃度に溶解させた溶液を調製した。また、比較品として0.3質量%塩化ナトリウムに比較品1を溶解した溶液を調製した。それぞれの溶液をよく訓練された10名のパネラーにより味わうことにより、旨味の付与および塩味の増強についての官能評価を行った。
旨味および塩味の評点は、0.3質量%の塩化ナトリウム水溶液をコントロールとして、0:コントロールと差なし、1:コントロールと比べわずかに旨味および塩味を感じる、2:コントロールと比べ旨味および塩味あり、3:コントロールと比べ強い旨味および塩味あり、4:コントロールと比べ非常に強い旨味および塩味あり、5:旨味や塩味のバランスを欠いて苦味が感じられる、として採点した。そのパネラー10名の平均点を表5に示す。
Figure 0006436890
表5に示した通り、本発明品1〜6を0.3質量%の塩化ナトリウム水溶液に希釈した場合には旨味および塩味が感じられるが、その旨味は実施例12に示す本発明品1〜6を水に希釈した場合よりも低濃度でも感じられた。したがって、食塩と併用することで旨味の付与および塩味増強を感じる、本発明品1〜6の濃度としては、質量を基準として、0.1ppb〜2ppm、好ましくは1ppb〜0.5ppmの範囲と考えられた。また、本発明品1〜5は比較品1の10倍程度旨味付与作用が強いことが認められ、同程度の旨味強度を得るための濃度は、本発明品1〜6は比較品1の1/10程度であった。
実施例14:旨味および塩味増強の確認
0.3質量%の食塩および0.03質量%のグルタミン酸ナトリウム(MSG)の水溶液と、これに、本発明品1〜6を10ppb加えた水溶液をよく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、旨味および塩味の増強についての官能評価を行った。その結果、5名全員が、本発明品1〜6を加えた水溶液の方が0.3質量%の食塩および0.03質量%のグルタミン酸ナトリウム(MSG)の水溶液と比較して旨味および塩味が強いという評価であった。
実施例15:旨味増強効果の確認
0.1質量%のイノシン酸ナトリウム(5’−IMP・2Na)と、これに、本発明品1〜6を10ppb加えた水溶液をよく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、旨味についての官能評価を行った。その結果、5名全員が、本発明品1〜6を10ppb加えた水溶液の方が、0.1質量%のイノシン酸ナトリウム水溶液と比較して旨味が強いという評価であった。
実施例16:甘味増強効果の確認
3質量%ショ糖水溶液と、これに、本発明品1〜6を5ppb加えた水溶液をよく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、呈味についての官能評価を行った。その結果、5名全員が、本発明品1〜6を10ppb加えた水溶液の方が、3質量%ショ糖水溶液と比較して甘味が強いという評価であった。
実施例17:うどんつゆへの添加
市販のうどんつゆ(3倍濃縮)に本発明品1〜6を0.05ppm添加したものを調製した。調製したうどんつゆおよび無添加のうどんつゆそれぞれ100mlに熱湯200mlを加え、よく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、旨味についての官能評価を行った。その結果、5名全員が、本発明品1〜6を0.05ppm加えたうどんつゆの方が、市販のうどんつゆと比較して旨味、塩味および甘みが強いという評価であった。
実施例18:カツオブシ様調合香料組成物のめんつゆへの添加
下記表6の処方により、カツオブシ様の調合香料組成物(香気の付与に加えて、旨味を付与するタイプ)を調合した。
Figure 0006436890
下記表7の処方によりめんつゆを調製し、これに表6に示すカツオブシ様調合香料組成物を0.02%添加したものを調製した。
Figure 0006436890
カツオブシ様調合香料組成物無添加のめんつゆつゆと、添加しためんつゆを、よく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、官能評価を行った。その結果、5名全員が、本発明のカツオブシ様調合香料組成物を添加した方が、無添加のめんつゆと比較して、カツオブシ様の香気が付与されており好ましく、また旨味、塩味および甘味が増強されており、おいしく良好であるという評価であった。
実施例19:カツオブシ様乳化香料組成物
油相として上記表6に示すカツオブシ様の調合香料組成物100g、水相としてグリセリン312.5g、イオン交換水65gにデカグリセリンモノステアレート22.5g溶解したものを調製し、両液をTK−ホモゲナイザー(特殊機化工業社製)により、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとしたカツオブシ様乳化香料組成物を得た(本発明品19:2−(4−ベンジルオキシブチル)ピリジン濃度0.2質量%)。
実施例20:カツオブシ様乳化香料組成物のめんつゆへの添加
上記表7の処方によりめんつゆを調製し、これに本発明品19のカツオブシ様乳化香料組成物を0.01%添加したものを調製した(2−(4−ベンジルオキシブチル)ピリジン濃度0.2ppm)。
カツオブシ様乳化香料組成物無添加のめんつゆと、添加しためんつゆを、よく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、官能評価を行った。その結果、5名全員が、本発明品19のカツオブシ様乳化香料組成物を添加した方が、カツオブシ様の香気が付与されており好ましく、その呈味は旨味、塩味および甘味が増強されており、非常に美味であり良好であるという評価であった。
実施例21:カツオブシ様粉末香料組成物
水相として水150gにアラビアガム70g及びトレハロース20gを加えて溶解し、85〜90℃で15分間加熱殺菌し、40℃に冷却した。これに油相として上記表6に示すカツオブシ様の調合香料組成物10gを添加混合した後、TK−ホモミキサーで乳化し、O/W型の乳化組成物を得た。この乳化組成物をニロ社のモービルマイナー型スプレードライヤーを使用して、入口温度140℃、出口温度75℃にて噴霧乾燥し、カツオブシ様粉末香料組成物95gを得た(本発明品20:2−(4−ベンジルオキシブチル)ピリジン濃度0.1質量%)。
実施例22:カツオブシ様粉末香料組成物の粉末ラーメンスープへの添加
表8の処方により粉末ラーメンスープを調製した。これにさらに本発明品20を1質量%添加したものを調製した。
Figure 0006436890
本発明品20添加および無添加の粉末ラーメンスープをそれぞれ10gずつ用意し、それぞれ熱水(70℃)を600mlずつ加えて希釈し、訓練されたパネラー5名により官能評価を行った。その結果、5名全員が、本発明品20のカツオブシ様粉末香料組成物を添加した方が、カツオブシ様の香気が付与されており好ましく、その呈味は旨味、塩味および甘味が増強されており、非常に美味であり良好であるという評価であった。
実施例23:ミルク様の調合香料組成物(香気の付与に加えて、コクを付与するタイプ)
下記表9の処方により、ミルク様の調合香料組成物(比較品4)を調合した。
Figure 0006436890
上記ミルク様調合香料組成物100g(比較品4)に、本発明品1〜6を1mg(10ppm)混合して、新規なミルク様調合香料組成物を調製した。比較品4に本発明品1を混合したものを本発明品21、比較品4に本発明品2を混合したものを本発明品22、比較品4に本発明品3を混合したものを本発明品23、比較品4に本発明品4を混合したものを本発明品24、比較品4に本発明品5を混合したものを本発明品25、比較品4に本発明品6を混合したものを本発明品26とした。
実施例24:脱脂粉乳水溶液への添加
市販の脱脂粉乳(スキムミルク)10質量部と水90質量部の混合溶液(脱脂粉乳水溶液)を調製し、これに実施例23にて調製したミルク様の調合香料組成物を0.1%添加したものを調製した。ミルク様調合香料組成物無添加の脱脂粉乳水溶液、比較品4および本発明品21〜26をそれぞれ0.1質量%添加した脱脂粉乳水溶液を、よく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、官能評価を行った。その結果、5名全員が、無添加の脱脂粉乳水溶液よりも比較品4を添加した脱脂粉乳水溶液の方が、ミルクの香が強くおいしいとの評価であったが、さらに本発明品21〜26をそれぞれ添加した脱脂粉乳水溶液の方が、比較品4を添加した脱脂粉乳水溶液と比べ、旨味および甘味が強く、さらに、乳特有のコクが強く、風味が全体的に極めて良好であるという評価であった。
実施例25:ミルク様乳化香料組成物
下記表10の処方により、ミルク様調合香料組成物(参考品1〜7)を調合した。
Figure 0006436890
油相として表10のミルク様調合香料組成物(参考品1〜7)100g、水相としてグリセリン312.5g、イオン交換水65gにデカグリセリンモノパルミテート22.5g溶解したものを調製し、両液をTK−ホモゲナイザー(特殊機化工業社製)により、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとしたミルク様乳化香料組成物を得た。参考品1を乳化したものを比較品5、参考品2を乳化したものを本発明品27、参考品3を乳化したものを本発明品28、参考品4を乳化したものを本発明品29、参考品5を乳化したものを本発明品30、参考品6を乳化したものを本発明品31、参考品7を乳化したもの本発明品32をとした。
実施例26:ミルク様乳化香料組成物のラクトアイスへの添加
下記表11の処方により、ラクトアイスを調製し、これに本発明品27〜32または比較品5のミルク様調合香料組成物をそれぞれ0.01%添加したものを調製した。ラクトアイスの調製は、全原料を加熱溶解してホモジナイザー150kg/cm2 で乳化後、10°Cで一夜エージングを行った。フリーザーにてフリージング後−40°Cにて1時間硬化してラクトアイスを得た。
Figure 0006436890
本発明品27〜32または比較品5のミルク様乳化香料組成物添加のラクトアイスと、香料無添加のラクトアイスを、よく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、官能評価を行った。その結果、5名全員が、まず、香料無添加のラクトアイスと比べ、比較品5を添加したラクトアイスの方がミルク様の香気が良好であるとの評価であった。さらにまた、5名全員が、比較品5を添加したラクトアイスよりも本発明品27〜32を添加したラクトアイスの方が、ミルク様の香気が良好で、かつ、呈味においては旨味、甘味および乳のコクが増強されており、非常に美味であり良好であるという評価であった。
実施例27:ミルク様粉末香料組成物
水相として水150gにアラビアガム70g及びトレハロース20gを加えて溶解し、85〜90℃で15分間加熱殺菌し、40℃に冷却した。これに油相として参考品2を10g添加混合した後、TK−ホモミキサーで乳化し、O/W型の乳化組成物を得た。この乳化組成物をニロ社のモービルマイナー型スプレードライヤーを使用して、入口温度140℃、出口温度75℃にて噴霧乾燥し、ミルク様粉末香料組成物95gを得た(本発明品33:2−(4−ベンジルオキシブチル)ピリジン濃度0.1質量%)。
実施例28:脱脂粉乳水溶液への添加
脱脂粉乳(スキムミルク)、および脱脂粉乳(スキムミルク)99質量部に本発明品33(1質量部)をよく混合したものを調製した。脱脂粉乳および脱脂粉乳に本発明品33を混合したものそれぞれの10質量部と水90質量部の混合溶液(脱脂粉乳水溶液)を調製し、これをよく訓練された5名のパネラーにより味わうことにより、官能評価を行った。その結果、5名全員が、無添加の脱脂粉乳水溶液よりも本発明品33を添加した脱脂粉乳水溶液の方が、ミルクの香気が強く、また、旨味および甘味が強く、さらに、乳特有のコクが強く、極めて良好なミルク風味であるという評価であった。
実施例29:パイナップル様乳化香料組成物
下記表12の処方により、パイナップル様調合香料組成物を調合した(参考品8〜13)。
Figure 0006436890
油相として表12のパイナップル様調合香料組成物(参考品8〜13)100g、水相としてグリセリン312.5g、イオン交換水65gにデカグリセリンモノオレエート22.5g溶解したものを調製し、両液をTK−ホモゲナイザー(特殊機化工業社製)により、8000rpmで撹拌混合し、10分間の乳化を行った。イオン交換水で2000倍希釈時の波長680nmにおける吸光度が0.2AbsとなるようなO/W型エマルジョンとしたパイナップル様乳化香料組成物を得た。参考品8を乳化したものを本発明品34、参考品9を乳化したものを本発明品35、参考品10を乳化したものを本発明品36、参考品11を乳化したものを本発明品37、参考品12を乳化したものを本発明品38、参考品13を乳化したものを本発明品39とした。
実施例30:パイナップル様の調合香料組成物のシャーベットへの配合
下記表13の処方により、シャーベットを調製し、これに本発明品34〜39のパイナップル様乳化香料組成物を0.2%添加したものを調製した。
Figure 0006436890
これらのシャーベットを、パネラー5人により官能評価を行った。その結果、パネラー5人全員が、本発明品34〜39を添加したシャーベットは無添加のシャーベットに比べて、いずれもフレッシュで天然感あふれるパイナップル香気の特徴が強調されており、呈味についても旨味および甘味が強いと評価した。

Claims (19)

  1. 下記式(1)に示される化合物またはその塩を有効成分とする香味変調剤。
    Figure 0006436890
    上記式(1)中、n=2,3,4または5を示し、m=1または2を示し(ただしn=2かつm=1の場合は除く)、XはOまたはSを示し、Yは下記式(2)または(3)を示す。
    Figure 0006436890
    上記式(2)中、Zは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはOR基(Rは水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基)を示す(ただし、n=3、m=1であって、XはOかつZはHの場合を除く)。また、上記式(3)中、R〜Rは水素原子またはメチル基であって、R〜Rの少なくとも2つがメチル基である。
  2. 香味変調が香気の付与乃至増強である、請求項1に記載の香味変調剤。
  3. 香味変調が旨味の付与である、請求項1に記載の香味変調剤。
  4. 香味変調が旨味の増強である、請求項1に記載の香味変調剤。
  5. 香味変調が甘味の増強である、請求項1に記載の香味変調剤。
  6. 香味変調が塩味の増強である、請求項1に記載の香味変調剤。
  7. 香味変調が、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物、又は乳製品代用品に対する乳のコクの増強である、請求項1に記載の香味変調剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の香味変調剤を有効成分として含有する食品用香料組成物。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の香味変調剤または請求項8の食品用香料組成物を含有させた飲食品。
  10. 請求項1または2に記載の香味変調剤を有効成分として含有する香粧品用香料組成物。
  11. 請求項1もしくは2に記載の香味変調剤または請求項10の香粧品用香料組成物を含有させた香粧品。
  12. 請求項1に記載の式(1)に示される化合物またはその塩を飲食品または香粧品に含有させる、飲食品または香粧品の香気付与乃至増強方法。
  13. 請求項1に記載の式(1)に示される化合物またはその塩を飲食品に含有させる、飲食品の旨味付与乃至増強方法。
  14. 請求項1に記載の式(1)に示される化合物またはその塩を飲食品に含有させる、飲食品の甘味増強方法。
  15. 請求項1に記載の式(1)に示される化合物またはその塩を飲食品に含有させる、飲食品の塩味増強方法。
  16. 乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物または乳製品代用品に請求項1に記載の式(1)に示される化合物またはその塩を含有させる、乳、乳製品、乳若しくは乳製品を含有する飲食物または乳製品代用品の、乳のコクの増強方法。
  17. 下記(A)〜(D)を含有する乳化組成物。
    (A)請求項1に記載の式(1)に示される化合物またはその塩
    (B)水
    (C)糖類、1価アルコールまたは多価アルコールから選ばれる1種以上
    (D)乳化剤
  18. 請求項17に記載の乳化組成物を乾燥してなる粉末組成物。
  19. 下記式(4)に示される化合物またはその塩
    Figure 0006436890
    上記式(4)中、n=2,3,4または5を示し、m=1または2を示し(ただしn=2かつm=1の場合は除く)、XはOまたはSを示し、Yは下記式(5)または(6)を示す。
    Figure 0006436890
    上記式(5)中、Zは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはOR基(Rは水素原子、または炭素数1〜4のアルキル基)を示す(ただし、n=3もしくは4であって、m=1、XはOかつZはHまたはメチル基の場合を除く)。また、上記式(6)中、R〜Rは水素原子またはメチル基であって、R〜Rの少なくとも2つがメチル基である。

JP2015206337A 2015-04-15 2015-10-20 ピリジン誘導体を有効成分とする香味変調剤 Active JP6436890B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015206337A JP6436890B2 (ja) 2015-10-20 2015-10-20 ピリジン誘導体を有効成分とする香味変調剤
CN201680018985.8A CN107529803B (zh) 2015-04-15 2016-04-05 以吡啶衍生物或其盐作为有效成分的香味调制剂
PCT/JP2016/061077 WO2016167153A1 (ja) 2015-04-15 2016-04-05 ピリジン誘導体またはその塩を有効成分とする香味変調剤
US15/712,381 US10894772B2 (en) 2015-04-15 2017-09-22 Flavor modulator having pyridine derivative or salt thereof as active ingredient
HK18108190.1A HK1248472A1 (zh) 2015-04-15 2018-06-26 以吡啶衍生物或其鹽作為有效成分的香味調製劑
US16/561,374 US10882823B2 (en) 2015-04-15 2019-09-05 Flavor modulator having pyridine derivative or salt thereof as active ingredient

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015206337A JP6436890B2 (ja) 2015-10-20 2015-10-20 ピリジン誘導体を有効成分とする香味変調剤

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017078040A JP2017078040A (ja) 2017-04-27
JP2017078040A5 JP2017078040A5 (ja) 2017-07-13
JP6436890B2 true JP6436890B2 (ja) 2018-12-12

Family

ID=58665620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015206337A Active JP6436890B2 (ja) 2015-04-15 2015-10-20 ピリジン誘導体を有効成分とする香味変調剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6436890B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0470391B1 (fr) * 1990-08-10 1995-08-23 Firmenich Sa Utilisation de pyridines à titre d'ingrédients parfumants et aromatisants
EP2273894A1 (en) * 2008-04-04 2011-01-19 Firmenich S.A. Taste modifying product
EP2451781B1 (en) * 2009-07-10 2013-09-18 Givaudan SA Pyridine derivatives with umami flavour
WO2013041599A1 (en) * 2011-09-21 2013-03-28 Givaudan Sa Pyridine derivates and their use as umami tastants
US10178875B2 (en) * 2013-07-01 2019-01-15 Givaudan S.A. Methods of modifying or imparting taste using organic compounds

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017078040A (ja) 2017-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6900128B2 (ja) 4−(4−メチル−3−ペンテニル)−2(3h)−フラノンおよびそれを有効成分として含有する香料組成物
US10882823B2 (en) Flavor modulator having pyridine derivative or salt thereof as active ingredient
JP5805902B1 (ja) 香味変調剤
JP6391179B2 (ja) 乳化組成物および粉末組成物
JP6436890B2 (ja) ピリジン誘導体を有効成分とする香味変調剤
JP6352227B2 (ja) 2−(3−ベンジルオキシプロピル)ピリジンを含有する乳化組成物および粉末組成物
JP5964528B1 (ja) 4−アルコキシシンナムアルデヒドを有効成分とする香味変調剤
JP6824926B2 (ja) 飲食品の風味改善剤
JP6898212B2 (ja) 香料組成物、これを含有する飲食品および香粧品、ならびにアセタール化合物およびその製造方法
JP6605563B2 (ja) 2−(2−メチル−1−プロペニル)−4−メチレンテトラヒドロピランを含有する香料組成物
JP7046902B2 (ja) 香料組成物、飲食品および消費財の香気付与乃至増強方法
JP7362591B2 (ja) 含硫ラクトン化合物
JP7326243B2 (ja) シクロプロパン骨格を有するラクトン化合物
JP6995452B2 (ja) ドデセン酸を有効成分とする飲食品の旨味増強剤
JP7094644B2 (ja) 含硫化合物および香味付与剤
JP2020050837A (ja) 香味改善剤
JP7154719B2 (ja) 4-メルカプト-1-オクタノールまたはその脂肪酸エステル、および香味付与剤
JP6859419B1 (ja) 3−メルカプト−3−メチルペンチル アセテートおよび香味付与剤
JP7179431B2 (ja) 含硫化合物および香味付与剤
WO2022085379A1 (ja) ラクトン化合物
WO2023276505A1 (ja) ジスルフィド化合物を含む香味付与組成物
WO2021167055A1 (ja) ヒドロキシアルデヒド化合物からなる香味付与剤
JP2024110039A (ja) 香気徐放化合物およびこれを用いた香料組成物
JP2021171025A (ja) ロタンドンを有効成分とする飲食品のコク味増強剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181113

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6436890

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150