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JP6434675B2 - 静電塗装機 - Google Patents

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JP6434675B2 JP2018500153A JP2018500153A JP6434675B2 JP 6434675 B2 JP6434675 B2 JP 6434675B2 JP 2018500153 A JP2018500153 A JP 2018500153A JP 2018500153 A JP2018500153 A JP 2018500153A JP 6434675 B2 JP6434675 B2 JP 6434675B2
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Description

本発明は、噴霧した塗料に高電圧を印加して塗装を行うようにした静電塗装機に関する。
一般に、静電塗装機としては回転霧化頭型の静電塗装機が知られている。この静電塗装機は、接地電位に保持され、圧縮エアが供給されることにより回転軸を回転するエアモータと、前記回転軸の前側に設けられると共に接地電位に保持された筒状体からなり、前記エアモータによって回転する間に供給された塗料を前端の放出端縁から噴霧する回転霧化頭と、前記回転霧化頭よりも後側に位置して前記エアモータの外周側に設けられ複数個の電極に負の高電圧が印加されることによって前記回転霧化頭の前記放出端縁から噴霧された塗料粒子を負の電位に帯電させる外部電極部材と、導電性材料を用いて筒状に形成されると共に前端が前記回転霧化頭の長さ方向の中間部位に位置する状態で前記回転霧化頭の外周側に配置され、前記前端に前記回転霧化頭から噴霧された塗料粒子に向けてシェーピングエアを噴出する多数個のエア噴出孔が周方向の全周に亘って設けられたシェーピングエア噴出部材とを含んで構成されている(特許文献1)。
このように構成された静電塗装機を用いて塗装を行う場合には、エアモータによって回転霧化頭を高速回転させ、この状態で回転霧化頭に塗料を供給する。これにより、回転霧化頭に供給された塗料は、回転霧化頭が回転するときの遠心力によって微粒化され、放出端縁から塗料粒子として噴霧される。このときに、シェーピングエア噴出部材は、各エア噴出孔から噴出されるシェーピングエアを塗料粒子に噴き付ける。これによって、シェーピングエアは、塗料粒子の被塗物方向の運動ベクトル成分を制御し、塗料粒子の噴霧パターンを所望の形状に整える。
さらに、外部電極部材は、各電極に負の高電圧が印加されることにより、回転霧化頭の放出端縁から噴霧された塗料粒子を負極性帯電させる。これにより、回転霧化頭から噴霧された塗料粒子は、間接的に負極性帯電する。従って、静電塗装機は、帯電した塗料粒子を各電極と被塗物との間に形成された静電界に沿って飛行させ、この塗料粒子を被塗物に塗着させることができる。
特開平8−332418号公報
ここで、静電塗装機は、遠心力によって回転霧化頭から径方向の外側に飛行する塗料粒子に対し、シェーピングエア噴出部材の各エア噴出孔からシェーピングエアを噴き付けることにより、塗料粒子の向きを徐々に被塗物に向けつつ塗料粒子を加速させることができる。また、外部電極部材は、噴霧された塗料粒子を各電極によって負極性に帯電させることにより、接地電位に保持されている被塗物との間に形成された静電界に沿って塗料粒子を飛行させ、塗着効率を高めている。
しかし、塗料(塗料液糸)が回転霧化頭の放出端縁から切離されて塗料粒子になった直後は、シェーピングエアが塗料粒子に及ぼす力積が小さい。このため、被塗物に向かう軸方向の運動ベクトル成分は小さく、径方向の外向きの運動ベクトル成分が主である。軸方向の運動ベクトル成分はシェーピングエアの作用で得られる。しかし、そのエアは、環状に配置された有限個の孔から噴出されるため、均一な圧力ではなく、また、霧化された塗料粒子の直径寸法および質量にはバラつきがある。このため、粒子の空気抵抗や慣性も異なるので、軸方向の運動ベクトル成分は一定とはならない。
塗料粒子がコロナ放電によって負極性で帯電したとき、この塗料粒子には、被塗物と同じ接地電位であるシェーピングエア噴出部材や回転霧化頭に吸着しようとするクーロン力が働く。一方、塗料粒子には、シェーピングエアを作用させている。しかし、このシェーピングエアによってクーロン力に抗するに十分な軸方向の運動ベクトルが得られていなければ、塗料粒子は、塗装機方向に戻る。この結果、戻された塗料粒子は、塗装機に付着してしまう。
これにより、特許文献1の静電塗装機は、付着した塗料による電気的な短絡を防止するために、高い頻度での洗浄作業が必要になるから、生産性が低下してしまう。特に、自動車の車内のように狭い場所を塗装する場合には、塗料が付着し易くなるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、回転霧化頭、シェーピングエア噴出部材への塗料の付着を抑制することができるようにした静電塗装機を提供することにある。
本発明は、接地電位に保持され、圧縮エアが供給されることにより回転軸を回転するエアモータと、前記回転軸の前側に設けられると共に接地電位に保持された筒状体からなり、前記エアモータによって回転する間に供給された塗料を前端の放出端縁から噴霧する回転霧化頭と、前記回転霧化頭よりも後側に位置して前記エアモータの外周側に設けられ複数個の電極に負の高電圧が印加されることによって前記回転霧化頭の前記放出端縁から噴霧された塗料粒子を負の電位に帯電させる外部電極部材と、導電性材料を用いて筒状に形成されると共に前端が前記回転霧化頭の長さ方向の中間部位に位置する状態で前記回転霧化頭の外周側に配置され、前記前端に前記回転霧化頭から噴霧された塗料粒子に向けてシェーピングエアを噴出する多数個のエア噴出孔が周方向の全周に亘って設けられたシェーピングエア噴出部材とを含んで構成された静電塗装機において、前記シェーピングエア噴出部材の前側部位の外周側には、径方向に延びる円環状体からなり、前記外部電極部材の各電極から前記回転霧化頭に向かう電気力線を遮蔽するシールド部材が設けられたことにある。
本発明によれば、回転霧化頭から噴霧された塗料粒子を被塗物に向けて飛行させることにより、回転霧化頭、シェーピングエア噴出部材への塗料の付着を抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態による間接帯電方式の回転霧化頭型静電塗装機を示す断面図である。 間接帯電方式の回転霧化頭型静電塗装機を示す斜視図である。 回転霧化頭型静電塗装機の前側部分を拡大して示す断面図である。 シールド部材を設けた場合の塗料粒子、シェーピングエア、電気力線の関係を模式的に示す説明図である。 第2の実施の形態による回転霧化頭型静電塗装機の前側部分を拡大して示す断面図である。 第3の実施の形態による回転霧化頭型静電塗装機の前側部分を拡大して示す断面図である。 第4の実施の形態による回転霧化頭型静電塗装機の前側部分を拡大して示す断面図である。 第1の変形例によるシールド部材をシェーピングエア噴出部材、回転霧化頭と共に示す要部拡大の斜視図である。 第2の変形例によるシールド部材をシェーピングエア噴出部材、回転霧化頭と共に示す要部拡大の斜視図である。 第3の変形例による外部電極部材を備えた回転霧化頭型静電塗装機を示す断面図である。 第4の変形例による外部電極部材とシールド部材を備えた回転霧化頭型静電塗装機を示す断面図である。 比較例による塗料粒子、シェーピングエア、電気力線の関係を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態による間接帯電方式の回転霧化頭型静電塗装機について、添付図面に従って詳細に説明する。
図1ないし図4は、本発明の第1の実施の形態を示している。この第1の実施の形態では、シェーピングエア噴出部材の前側部位の外周側から径方向の外側に真直ぐに延びた鍔状(円板状)のシールド部材を備えた回転霧化頭型静電塗装機を例に挙げて説明する。なお、本実施の形態では、後述する回転霧化頭型静電塗装機1について、被塗物15に近い方向(或いは、シェーピングエアの噴出方向)を前側とし、この前側と反対側で被塗物15と離れた方向を後側として配置関係を述べるものとする。
図1において、第1の実施の形態による回転霧化頭型静電塗装機1(以下、単に静電塗装機1という)は、後述の外部電極部材6により回転霧化頭4から噴霧された塗料を高電圧に間接的に帯電させる間接帯電方式の回転霧化頭型静電塗装機として構成されている。静電塗装機1は、例えば塗装用ロボットのアーム(図示せず)の先端に取付けられている。
塗装機支持体2は、後述するエアモータ3の外周側で該エアモータ3を取囲み、かつエアモータ3よりも後方に延びて設けられている。塗装機支持体2は、基端側の取付筒部2Aを介して前述したアームの先端に取付けられている。ここで、塗装機支持体2は、例えば剛性を有する絶縁性樹脂材料によって構成されている。
塗装機支持体2の先端側には、前方に開口するように、モータ収容部2Bが設けられている。このモータ収容部2Bの開口側には、めねじ部2Cが設けられている。さらに、塗装機支持体2には、モータ収容部2Bの底部の中央位置(後述する回転軸3Cと同軸)に、後述するフィードチューブ5の基端側が挿嵌される挿嵌孔2Dが設けられている。
エアモータ3は、塗装機支持体2のモータ収容部2B内に設けられている。このエアモータ3は、圧縮エアを動力源として後述の回転軸3Cおよび回転霧化頭4を、例えば3000〜150000rpmの高速で回転させるものである。エアモータ3は、例えばアルミニウム合金を含む導電性金属材料によって構成され、接地電位に保持されている。
エアモータ3は、塗装機支持体2の前側に取付けられた段付円筒状のモータケース3Aと、該モータケース3Aの後側寄りに位置して回転可能に収容された例えば羽根車式のタービン3Bと、前記モータケース3Aの中心位置に回転自在に設けられ、後端側が前記タービン3Bに取付けられた回転軸3Cとを含んで構成されている。
エアモータ3のモータケース3Aは、回転軸3Cと同軸に配置された円筒体として形成されている。モータケース3Aは、塗装機支持体2のモータ収容部2B内に挿嵌される大径な大径筒3A1と、該大径筒3A1から前方に突出した小径な小径筒3A2とにより段付筒状に形成されている。
モータケース3Aは、塗装機支持体2のモータ収容部2B内に挿嵌される。この状態で、モータケース3Aは、塗装機支持体2のめねじ部2Cに螺着された円環状のねじ部材3Dによってモータ収容部2B内に固定されている。
回転軸3Cは、モータケース3A内にエア軸受(図示せず)を介して回転自在に支持された中空な筒状体として形成されている。この回転軸3Cは、後端側がタービン3Bの中央に取付けられ、前端側がモータケース3Aから前側に突出している。回転軸3Cの前端部には、例えば螺合手段を用いて回転霧化頭4が取付けられている。
回転霧化頭4は、エアモータ3の回転軸3Cの前側に設けられている。回転霧化頭4は、例えばアルミニウム合金を含む導電性金属材料によって筒状体として形成され、エアモータ3を通じて接地電位に保持されている。図3に示すように、回転霧化頭4は、例えば長尺な円筒体として形成され、後側が軸方向に直線状に延びた取付部位4Aとなっている。取付部位4Aは、例えば螺合手段を用いて回転軸3Cの前端部に取付けられている。
回転霧化頭4の前側は、前方に向けて漸次拡開した拡開部位4Bとなり、該拡開部位4Bの内周面は、供給された塗料を薄膜化する塗料薄膜化面4Cとなっている。また、塗料薄膜化面4Cの先端(前端)は、薄膜化した塗料を塗料粒子として放出する放出端縁4Dとなっている。ここで、回転霧化頭4は、最大の直径寸法、即ち、放出端縁4Dの直径が寸法D(図3参照)に設定されている。
そして、回転霧化頭4は、エアモータ3によって高速回転される。この状態で、回転霧化頭4に後述のフィードチューブ5を通じて塗料が供給されると、その塗料は、塗料薄膜化面4Cで薄膜化しつつ、遠心力によって放出端縁4Dから噴霧される。この場合、放出端縁4Dから噴霧された塗料粒子は、前方に配置された後述の被塗物15には向かわず、回転霧化頭4の遠心力によって径方向の外側に向けて(放射状に)飛行しようとする。
しかし、放出端縁4Dから噴霧された塗料粒子は、後側から後述のシェーピングエア噴出部材9によるシェーピングエアが噴き付けられることにより、徐々に前側の被塗物15に向かうように加速される。さらに、放出端縁4Dから噴霧された塗料粒子は、後述の外部電極部材6によって負極性に帯電させられることにより、接地電位に保持されている被塗物15との間に形成された静電界に沿って飛行することができる。
フィードチューブ5は、回転軸3C内に挿通して設けられ、その後端側は、塗装機支持体2の挿嵌孔2Dに挿嵌されている。一方、フィードチューブ5の前端側は、回転軸3Cから突出して回転霧化頭4内に延在している。フィードチューブ5内には塗料通路が設けられ、該塗料通路は、色替弁装置を介して塗料供給源および洗浄流体供給源(いずれも図示せず)に接続されている。これにより、塗装時には、塗料供給源から塗料通路を介して供給される塗料は、フィードチューブ5から回転霧化頭4に吐出される。一方、回転霧化頭4の洗浄時、色替時等には、洗浄流体供給源から供給される洗浄流体(シンナ、空気等)は、フィードチューブ5から吐出される。
外部電極部材6は、回転霧化頭4よりも後側に位置してエアモータ3の外周側、即ち、塗装機支持体2の外周側に設けられている。外部電極部材6は、後述する複数個の電極6Cに負の高電圧が印加されることによって、回転霧化頭4の放出端縁4Dから噴霧された塗料粒子を負の電位に帯電させるものである。
外部電極部材6は、塗装機支持体2の外周側に設けられ絶縁性樹脂材料からなる環状の外部電極支持筒体6Aと、該外部電極支持筒体6Aに周方向に等間隔で複数個(例えば8個〜20個)配列された電極取付穴6B(2個のみ図示)と、該各電極取付穴6Bにそれぞれ取付けられた電極6Cとを含んで構成されている。外部電極支持筒体6Aの前側には、各電極6Cの針状部6C1に対応する個数の孔6A1が設けられている。
ここで、第1の実施の形態による外部電極部材6は、静電塗装機1を車体の内側のように狭い空間で使用するために、塗装機支持体2の後側寄りで該塗装機支持体2の外周側の近傍位置に設けられている。これに伴い、各電極6Cの針状部6C1は、回転霧化頭4に対して軸方向の後側に大きく離間した位置、即ち、エアモータ3の外周側に配置されている。さらに、各電極6Cの針状部6C1は、後述の外側カバー部材8の径方向の外側の近傍位置に配置されている。これにより、塗装作業時には、各電極6Cが周囲の部材に干渉するのを抑制することができる。
各電極6Cは、抵抗を介して高電圧発生器(いずれも図示せず)に接続されている。従って、各電極6Cには、高電圧発生器による負の高電圧が印加される構成となっている。これにより、外部電極部材6は、各電極6Cでコロナ放電が生じることによって、回転霧化頭4から噴霧された塗料粒子を負極性に帯電させる。
内側カバー部材7は、後述の外側カバー部材8と一緒にカバー部材を構成するもので、例えば絶縁性の樹脂材料を用い、前側に向け円弧状に縮径した筒状体として形成されている。内側カバー部材7は、エアモータ3を取囲むように、外部電極部材6と後述のシェーピングエア噴出部材9との間に設けられている。内側カバー部材7は、後側が塗装機支持体2の外周側に取付けられ、前側がシェーピングエア噴出部材9の外周面9Bの後側部位に取付けられている。
外側カバー部材8は、内側カバー部材7と一緒にカバー部材を構成するもので、内側カバー部材7と同様に、絶縁性の樹脂材料によって前側に向け円弧状に縮径した筒状体として形成されている。外側カバー部材8は、内側カバー部材7のさらに外側からエアモータ3を取囲むように、外部電極部材6とシェーピングエア噴出部材9との間に設けられている。
外側カバー部材8は、後側が内側カバー部材7と外部電極部材6の内周側との間に取付けられ、前側がシェーピングエア噴出部材9の外周面9Bの前側部位に取付けられている。この外側カバー部材8は、回転霧化頭4、シェーピングエア噴出部材9の組立作業または分解作業を行うときに、取外すことができる。
シェーピングエア噴出部材9は、前端(後述の前面部位9D)が回転霧化頭4の長さ方向の中間部位(拡開部位4Bの後側)に位置する状態で、回転霧化頭4の外周側に配置されている。シェーピングエア噴出部材9は、例えばアルミニウム合金を含む導電性金属材料によって構成され、エアモータ3を介して接地電位に保持されている。
シェーピングエア噴出部材9は、回転霧化頭4を取囲む段付状の円筒体として形成されている。シェーピングエア噴出部材9の内周面9Aは、回転霧化頭4の外周面と僅かな隙間をもって対面している。一方、シェーピングエア噴出部材9の外周面9Bは、後側が内側カバー取付部位9B1となり、前側が前方に向けて漸次縮径するテーパ部位9B2となっている。
内側カバー取付部位9B1には、内側カバー部材7の前側部位が外嵌状態で取付けられる。テーパ部位9B2は、中間部の前側寄り位置まで外側カバー部材8に覆われ、それよりも前側は外部に露出している。また、テーパ部位9B2は、外部電極部材6による電界が一部に集中しないように、円弧面を使用して滑らかに形成されている。
シェーピングエア噴出部材9の後端部位は、円筒状の取付ねじ部9Cとなり、該取付ねじ部9Cは、塗装機支持体2のめねじ部2Cに螺着されるものである。これにより、シェーピングエア噴出部材9は、取付ねじ部9Cを用いて塗装機支持体2の前側部位に取付けられている。
ここで、シェーピングエア噴出部材9の前側部位の基本的な形状について詳しく述べる。この場合、シェーピングエア噴出部材9の前側部位は、テーパ部位9B2の前部から前方に向けて円筒状に延びた範囲、即ち、図2、図3中に二点鎖線で示す円筒状をなした仮想の境界面9Eを有している。このシェーピングエア噴出部材9の仮想境界面9Eは、同様の形状が比較例としての図12に記載されている。即ち、シェーピングエア噴出部材9の円筒状の仮想境界面9Eは、図12において、シェーピングエア噴出部材9のテーパ部位9B2の前側の円筒面9E′に相当する。これにより、シェーピングエア噴出部材9の前側部位に後述のシールド部材14を設けた場合、円筒状の仮想境界面9Eがシェーピングエア噴出部材9とシールド部材14との境界部となり、仮想境界面9Eよりも外径側がシールド部材14となる。
さらに、図2、図3に示すように、シェーピングエア噴出部材9の前端(前側部位)は、平坦な円環状の前面部位9Dとなっている。この前面部位9Dには、第1のエア噴出孔10と第2のエア噴出孔12が開口して設けられている。前面部位9Dは、回転霧化頭4の拡開部位4Bの後部位置の周囲に配置されている。
第1のエア噴出孔10は、前面部位9Dの外径側寄りに位置して周方向の全周に亘って等間隔で多数個設けられている。この第1のエア噴出孔10は、第1のシェーピングエア通路11を通じて第1のシェーピングエア供給源(図示せず)に接続されている。第1のエア噴出孔10は、第1のシェーピングエアを回転霧化頭4の放出端縁4Dの近傍に向けて噴出するものである。
第2のエア噴出孔12は、第1のエア噴出孔10よりも径方向の内側に位置して前面部位9Dに周方向の全周に亘って等間隔で多数個設けられている。この第2のエア噴出孔12は、第2のシェーピングエア通路13を通じて第2のシェーピングエア供給源(図示せず)に接続されている。第2のエア噴出孔12は、第2のシェーピングエアを回転霧化頭4の背面に向けて噴出するものである。
これにより、第1のエア噴出孔10から噴出される第1のシェーピングエアと第2のエア噴出孔12から噴出される第2のシェーピングエアは、回転霧化頭4の放出端縁4Dから放出される塗料の液糸を剪断して塗料粒子の形成を促進すると共に、回転霧化頭4から噴霧された塗料粒子の噴霧パターンを整形する。このとき、第1のシェーピングエアの圧力と第2のシェーピングエアの圧力を適宜調整することによって、噴霧パターンを所望の大きさや形状に変更することができる。さらに、第1,第2のシェーピングエアは、遠心力によって回転霧化頭4の放出端縁4Dから径方向の外側に飛行する塗料粒子に噴き付けられることにより、塗料粒子の向きを徐々に被塗物に向けつつ塗料粒子を加速させる。
次に、第1の実施の形態の特徴部分となるシールド部材14の構成について詳細に述べる。
シールド部材14は、シェーピングエア噴出部材9の前面部位9Dの外径側に位置して、径方向に延びる円環状体として形成されている。このシールド部材14は、外部電極部材6の各電極6Cから回転霧化頭4に向かう電気力線を遮蔽するものである。シールド部材14は、シェーピングエア噴出部材9の前面部位9Dの外径側、即ち、外周面9Bのテーパ部位9B2の前側に位置する仮想境界面9Eを境として、その径方向の外向きに延びる円環状の部材、例えば鍔状の板体として形成されている。
シールド部材14は、仮想境界面9Eを境として、その外側にシェーピングエア噴出部材9と一体に形成されている。これにより、シールド部材14は、シェーピングエア噴出部材9等を介して接地電位に保持されている。
シールド部材14は、シェーピングエア噴出部材9の前面部位9Dと同一平面をなす前面部14Aと、該前面部14Aと前,後方向の反対側に位置する後面部14Bと、前記前面部14Aと後面部14Bの最外周部となる周縁部14Cとを有している。後面部14Bのうち、外周面9Bのテーパ部位9B2との接続部位は、滑らかな円弧状面14B1となっている。この円弧状面14B1は、角張った隅を無くすことで付着した塗料の洗浄性を高めることができる。
ここで、シールド部材14の大きさと配設位置について説明する。まず、シールド部材14の直径寸法Eは、回転霧化頭4の放出端縁4Dの直径寸法Dに対し、下記数1のように設定されている。
Figure 0006434675
これにより、シールド部材14は、シェーピングエア噴出部材9から噴出されたシェーピングエアにより、塗料粒子が被塗物15に向けて十分に加速された後に、この塗料粒子が高電圧に帯電するように外部電極部材6の各電極6Cによる電気力線を調整することができる。
また、シールド部材14の軸方向の設置位置、即ち、回転霧化頭4の放出端縁4Dからシールド部材14の前面部14Aまでの後方への距離寸法Lは、下記数2のように設定されている。
Figure 0006434675
この場合、シールド部材14を回転霧化頭4の放出端縁4Dに近い位置に配置、即ち、距離寸法Lを小さくすることで、シールド部材14の直径寸法Eを小さく抑えることができる。これにより、シールド部材14は、コンパクトに形成できるから、車体の内側のように狭い場所でも周囲の部材に干渉することなく塗装することができる。このため、回転霧化頭4とシールド部材14との距離寸法Lは、小さく設定することが望ましい。
一方で、シールド部材14は、前面部14Aとシェーピングエア噴出部材9の前面部位9Dとの段差を小さくする(または無くす)ことにより、付着した塗料の洗浄性を高めることができる。さらに、シールド部材14は、例えば、外部電極部材6の各電極6Cの針状部6C1と回転霧化頭4の放出端縁4Dとを繋ぐ直線を遮る位置に形成されている。
次に、静電塗装機1によって被塗物15に塗装を施す場合の動作について説明する。
まず、比較例として、従来技術の静電塗装機101による塗装作業について、図12を参照しつつ述べる。静電塗装機101は、シールド部材14が設けられていない点を除いて、第1の実施の形態による静電塗装機1と同様の構成となっている。
エアモータ3のタービン3Bにタービンエアを供給して回転軸3Cを回転させる。これにより、回転軸3Cと一緒に回転霧化頭4が高速で回転する。この状態で、色替弁装置(図示せず)で選択された塗料をフィードチューブ5の塗料通路から回転霧化頭4に供給することにより、この塗料を回転霧化頭4の塗料薄膜化面4Cで薄膜化しつつ、遠心力によって放出端縁4Dから塗料粒子として噴霧することができる。
この場合、図12中の点線16のように、回転霧化頭4の放出端縁4Dから切離された直後の塗料粒子は、前方に配置された被塗物15には向かわず、回転霧化頭4による遠心力で径方向の外側に向け放射状に飛行しようとする。そこで、図12中の一点鎖線の矢示17で示すように、シェーピングエア噴出部材9は、各エア噴出孔10,12から塗料粒子に向けてシェーピングエアを噴き付ける。これにより、シェーピングエアは、その推進力によって塗料粒子を徐々に前側の被塗物15に向かわせつつ、加速させる。また、シェーピングエアは、塗料粒子を微粒化しつつ、塗料粒子の噴霧パターンを整形することができる。
回転霧化頭4の放出端縁4Dから塗料粒子を噴霧したときには、外部電極部材6の各電極6Cに、高電圧発生器による負の高電圧が印加される。各電極6Cは、接地電位に保持されている被塗物15との間に電気力線18を形成すると共に、放出端縁4Dから噴霧された塗料粒子を負極性に帯電させる。これにより、塗料粒子は、電気力線18に沿わせることで被塗物15に効率よく供給することができる。
しかし、回転霧化頭4、シェーピングエア噴出部材9も接地電位に保持されている。このため、各電極6Cと回転霧化頭4の前端(放出端縁4D)との間にも、電気力線19が形成され、各電極6Cとシェーピングエア噴出部材9の外周面9Bとの間にも、電気力線20が形成される。
ここで、各電極6Cから回転霧化頭4に向かう電気力線19は、回転霧化頭4の放出端縁4Dに集中するから、各電極6Cの先端に加え、この放出端縁4Dでも放電(コロナ放電)が生じる。このとき、放電によるイオン粒子が回転霧化頭4の前端位置で塗料粒子に衝突し、塗料粒子は負極性に帯電(衝突帯電)する。このため、回転霧化頭4の前端位置が、塗料粒子が負極性に帯電する帯電領域21(二点鎖線で囲まれた範囲)となる。
これにより、回転霧化頭4の放出端縁4Dから切離された直後の塗料粒子が負極性に帯電してしまう。切離された直後の塗料粒子は、シェーピングエアによる前方への推進力が弱く、径方向の外向きの運動ベクトル成分を有している。しかも、シェーピングエアは、環状に配置された多数個のエア噴出孔10,12から噴出されるものであるから、均一な噴出圧力を得ることは困難である。さらに、霧化された塗料粒子の直径寸法および質量にはバラつきがある。このため、軸方向の運動ベクトル成分は、粒子の空気抵抗や慣性も異なるために一定とはならない。
この状態で塗料粒子が負極性に帯電すると、点線22で示すように、帯電塗料粒子のうち、シェーピングエアの作用が特に弱い粒子は、外部電極部材6の近くに配置された回転霧化頭4、シェーピングエア噴出部材9等にクーロン力によって引き寄せられ、これらに付着し汚染してしまう。
次に、第1の実施の形態によるシールド部材14が設けられた静電塗装機1によって塗装を施した場合の電気力線および塗料粒子の飛行状態について、図4を参照しつつ説明する。
回転霧化頭4の放出端縁4Dから塗料粒子を噴霧したときには、外部電極部材6の各電極6Cは、接地電位に保持されている被塗物15との間に電気力線23を形成する。これにより、塗料粒子を電気力線23に沿わせて被塗物15に効率よく供給することができる。
この場合、回転霧化頭4、シェーピングエア噴出部材9も接地電位に保持されている。しかし、回転霧化頭4と各電極6Cとの間には、接地電位に保持されたシールド部材14が設けられている。従って、外部電極部材6の各電極6Cから回転霧化頭4の放出端縁4Dに向かう電気力線は、シールド部材14によって遮蔽することができる。具体的には、各電極6Cとシールド部材14の周縁部14Cとの間に電気力線24が形成されることにより、各電極6Cと回転霧化頭4との間の電気力線の密度を希薄にすることができる。
さらに、シールド部材14の周縁部14Cでは、電気力線24によって放電が生じる。このとき、周縁部14Cよりも前側では、各エア噴出孔10,12から噴出されたシェーピングエアが、周囲の空気を巻き込んで回転霧化頭4の前方に流れている。このため、シールド部材14の周縁部14Cの放電で発生したイオン粒子は、回転霧化頭4の前方で塗料粒子に衝突し、この塗料粒子に衝突帯電が生じる。
これにより、回転霧化頭4から噴霧された塗料粒子が負極性に帯電する帯電領域25(二点鎖線で囲まれた範囲)は、回転霧化頭4の放出端縁4Dから外側かつ前側に離れた位置に設定することができる。従って、回転霧化頭4の放出端縁4Dから噴霧された塗料粒子は、帯電領域25に達するまでに、シェーピングエアによって被塗物15に向けて加速することができる。これにより、帯電領域25で塗料粒子が負極性に帯電した場合には、塗料粒子が静電塗装機1側に飛行することがないから、塗料粒子の戻りによる静電塗装機1の汚染を防止しつつ、被塗物15への塗着効率を向上することができる。
かくして、第1の実施の形態によれば、シェーピングエア噴出部材9の前面部位9Dの外径側には、仮想境界面9Eから径方向の外側に延びる円環状体からなるシールド部材14を設けている。これにより、シールド部材14は、外部電極部材6の各電極6Cから回転霧化頭4に向かう電気力線を遮蔽することができる。これにより、塗料粒子は、被塗物15に向けて加速した後に帯電するから、戻り塗料によるシェーピングエア噴出部材9を含む静電塗装機1の汚染を抑制することができる。
この結果、シールド部材14を設けたことによって付着した塗料の洗浄作業を行う頻度を低減することができるから、静電塗装機1を用いて塗装作業を行った場合の生産性を向上することができる。
シールド部材14は、シェーピングエア噴出部材9の外径側から径方向の外向きに延びる円環状の板体として形成している。従って、板体からなるシールド部材14は容易に設けることができ、塗料の付着による汚染を安価に防止することができる。また、薄肉なシールド部材14は、その周縁部14Cに電気力線を集中させることができる。
しかも、シールド部材14は、シェーピングエア噴出部材9と一体に形成されているから、シールド部材14は、シェーピングエア噴出部材9を介して接地電位に保持することができる。この上で、シェーピングエア噴出部材9とシールド部材14との取付け隙間に塗料が浸入するような事態を未然に防ぐことができ、洗浄時間を短縮することができる。
エアモータ3の外周側には、エアモータ3を取囲み、かつエアモータ3よりも後方に延びた塗装機支持体2が設けられている。また、外部電極部材6は、塗装機支持体2の外周側に設けられ絶縁性樹脂材料からなる環状の外部電極支持筒体6Aと、該外部電極支持筒体6Aの前端側に周方向に配列された複数個の電極6Cとを含んで構成されている。これにより、塗装機支持体2の外周側に外部電極部材6を絶縁状態で配置することができる。また、複数個の電極6Cをコンパクトに纏めることができるから、外部電極部材6を小型化でき、狭い場所の塗装に適した塗装機とすることができる。
外部電極部材6とシェーピングエア噴出部材9との間には、エアモータ3を取囲んだ状態で筒状に形成された内側カバー部材7と、内側カバー部材7の外側を取囲んだ外側カバー部材8とが設けられている。従って、エアモータ3は、内側カバー部材7と外側カバー部材8とによって覆い隠されている。この場合、外表面が滑らかな円弧状に形成された外側カバー部材8は、塗料が付着したとしても、付着塗料を短時間で確実に洗浄することができる。
さらに、シールド部材14は、鍔状に形成しているから、その周縁部14Cでは、電気力線24が集中して放電が生じる。この放電によるイオン粒子は、シェーピングエアによる空気の流れによって回転霧化頭4の前方で塗料粒子に衝突する。これにより、塗料粒子が被塗物15に向けて十分に加速した帯電領域25で塗料粒子を帯電させることができる。
次に、図5は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、シールド部材を、シェーピングエア噴出部材の前側部位の外径側から前側に向けて拡開したテーパ状体として形成したことにある。この第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同様の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図5において、第2の実施の形態によるシールド部材31は、第1の実施の形態によるシールド部材14とほぼ同様に、シェーピングエア噴出部材9の前面部位9Dの外径側に位置して、径方向に延びる円環状体として形成されている。具体的には、シールド部材31は、シェーピングエア噴出部材9の前側部位の外径側に設けられた仮想境界面9Eを、シェーピングエア噴出部材9との境とし、この仮想境界面9Eよりも外径側に設けられている。
しかし、第2の実施の形態によるシールド部材31は、前側に向けて拡開したテーパ状体として形成されている点で、第1の実施の形態によるシールド部材14と相違している。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、シールド部材31をテーパ状体として形成しているから、シールド部材31は、直径寸法を小さく形成した場合でも、外部電極部材6の各電極6Cと回転霧化頭4の放出端縁4Dとの間を遮ることができる。これにより、狭い場所や入り組んだ場所で塗装を行う場合の作業性を向上することができる。この上で、シールド部材31は、外部電極部材6の各電極6Cから放出端縁4Dに向かう電気力線を減少させることができ、放出端縁4Dでの放電をさらに抑制することができる。また、外部電極部材6を前側に配置した場合でも、シールド部材31は、各電極6Cの針状部6C1と回転霧化頭4の放出端縁4Dとを繋ぐ直線を遮る位置に形成することができる。
次に、図6は本発明の第3の実施の形態を示している。第3の実施の形態の特徴は、シールド部材は、シェーピングエア噴出部材と別個に設けられた導電性材料からなり、シェーピングエア噴出部材の外径側に電気的に接続された状態で取付ける構成としたことにある。この第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同様の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図6において、第3の実施の形態によるシールド部材41は、シェーピングエア噴出部材9と別個に設けられている。また、シールド部材41は、例えばアルミニウム合金を含む導電性金属材料から形成され、シェーピングエア噴出部材9の外径側に電気的に接続されている。
シールド部材41は、シェーピングエア噴出部材9の外周面9Bに外嵌して取付けられた円筒状の取付リング41Aと、該取付リング41Aの外周側に複数本のステー41Bを介して設けられた円環状のシールド円板41Cとにより構成されている。このシールド円板41Cは、径方向の外側に向け前側に傾斜することによりテーパ状に形成されている。また、シールド円板41Cは、例えば外部電極部材6の各電極6Cの針状部6C1と回転霧化頭4の放出端縁4Dとを繋ぐ直線を遮る位置に配置されている。
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態によれば、シールド部材41は、シェーピングエア噴出部材9と別個に設けているから、既存のシェーピングエア噴出部材9に対して後付でシールド部材41を設けることができる。また、シールド部材41は、シールド円板41Cの位置、角度、大きさを適宜に設定することができる。このため、外部電極部材6の位置が前,後方向や径方向に異なる場合でも、シールド部材41は、各電極6Cの針状部6C1と回転霧化頭4の放出端縁4Dとを繋ぐ直線を遮る位置に形成することができ、設計時の自由度、汎用性等を高めることができる。
次に、図7は本発明の第4の実施の形態を示している。第4の実施の形態の特徴は、シールド部材は、シェーピングエア噴出部材の外周面と一体的に設ける構成としたことにある。この第4の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同様の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図7において、第4の実施の形態によるシールド部材51は、シェーピングエア噴出部材9の外径側を厚肉に形成することにより、シェーピングエア噴出部材9と一体的に設けられている。シールド部材51は、例えば、外部電極部材6の各電極6Cの針状部6C1と回転霧化頭4の放出端縁4Dとを繋ぐ直線を遮る位置まで厚肉に形成されている。この上で、シールド部材51の前端の外周部位は、ほぼ直角な角部51Aとなっている。この角部51Aは、第1の実施の形態によるシールド部材14の周縁部14Cと同様に、電気力線が集中して放電を生じることができる。
かくして、このように構成された第4の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第4の実施の形態によれば、シールド部材51による凹凸を少なくすることができ、洗浄性を良好にすることができる。
なお、第1の実施の形態では、シールド部材14は、円環状の板体(鍔状体)として形成した場合を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、図8に示す第1の変形例のように形成してもよい。即ち、第1の変形例によるシールド部材61は、円形状に加工した針金を1個または複数個配置し、これをシェーピングエア噴出部材9に電気的に接続する構成としている。
また、図9に示す第2の変形例のように形成してもよい。即ち、第2の変形例によるシールド部材71は、導電性の網部材を円環状に形成し、これをシェーピングエア噴出部材9に電気的に接続する構成としている。網部材以外にも、金属板に多数個の孔を形成したパンチングプレートと呼ばれる板体を用いることもできる。これらの構成は、他の実施の形態にも同様に適用できるものである。
一方、第1の実施の形態では、外部電極部材6は、塗装機支持体2の外周側に設けられた環状の外部電極支持筒体6Aと、該外部電極支持筒体6Aに周方向に等間隔で複数個配列された電極取付穴6Bと、該各電極取付穴6Bにそれぞれ取付けられた電極6Cとを含んで構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば、図10に示す第3の変形例のように構成してもよい。即ち、第3の変形例による外部電極部材81は、塗装機支持体2の外周側に設けられた環状の外部電極支持筒体81Aと、該外部電極支持筒体81Aの前部に周方向に等間隔で複数本配列され、前方に向けて延びた電極棒81Bと、該各電極棒81Bの先端から突出した電極81Cとを含んで構成されている。これらの構成は、他の実施の形態にも同様に適用できるものである。
さらに、第3の変形例以外にも、図11に示す第4の変形例のように構成してもよい。この第4の変形例では、塗料粒子を負極性に効率よく帯電させるために、外部電極部材91の各電極棒91Bは、その先端部がシェーピングエア噴出部材9の前面部位9Dに近い位置に配置され、各電極棒91Bには電極91Cが突出して設けられている。
ここで、第4の変形例のように、各電極棒91Bの先端部が回転霧化頭4の放出端縁4Dに近付けられた場合には、第2の実施の形態によるシールド部材31とほぼ同様に、前側に向けて拡開したテーパ状体からなるシールド部材92が好適に用いられる。即ち、テーパ状体からなるシールド部材92は、前方に配置された電極棒91Bの先端(電極91C)と回転霧化頭4の放出端縁4Dとを結ぶ直線を遮るのに適した形状となっている。具体的には、テーパ状のシールド部材92は、回転霧化頭4の拡開部位4Bの周囲を覆うのに適しており、径方向寸法を小さく抑えつつ、各電極91Cからの電気力線を遮ることができる。
1 回転霧化頭型静電塗装機
2 塗装機支持体
3 エアモータ
3C 回転軸
4 回転霧化頭
4D 放出端縁(前端)
6,81,91 外部電極部材
6A,81A,91A 外部電極支持筒体
6C,81C,91C 電極
7 内側カバー部材(カバー部材)
8 外側カバー部材(カバー部材)
9 シェーピングエア噴出部材
9B 外周面
9D 前面部位(前側部位)
10 第1のエア噴出孔(エア噴出孔)
12 第2のエア噴出孔(エア噴出孔)
14,31,41,51,61,71,92 シールド部材
14A 前面部
15 被塗物
18,19,20,23,24 電気力線
81B,91B 電極棒
D 回転霧化頭の放出端縁の直径寸法
E シールド部材の直径寸法
L 回転霧化頭の放出端縁とシールド部材との軸方向の距離寸法

Claims (8)

  1. 接地電位に保持され、圧縮エアが供給されることにより回転軸を回転するエアモータと、
    前記回転軸の前側に設けられると共に接地電位に保持された筒状体からなり、前記エアモータによって回転する間に供給された塗料を前端の放出端縁から噴霧する回転霧化頭と、
    前記回転霧化頭よりも後側に位置して前記エアモータの外周側に設けられ複数個の電極に負の高電圧が印加されることによって前記回転霧化頭の前記放出端縁から噴霧された塗料粒子を負の電位に帯電させる外部電極部材と、
    導電性材料を用いて筒状に形成されると共に前端が前記回転霧化頭の長さ方向の中間部位に位置する状態で前記回転霧化頭の外周側に配置され、前記前端に前記回転霧化頭から噴霧された塗料粒子に向けてシェーピングエアを噴出する多数個のエア噴出孔が周方向の全周に亘って設けられたシェーピングエア噴出部材とを含んで構成された静電塗装機において、
    前記シェーピングエア噴出部材の前側部位の外径側には、径方向に延びる円環状体からなり、前記外部電極部材の各電極から前記回転霧化頭に向かう電気力線を遮蔽するシールド部材が設けられたことを特徴とする静電塗装機。
  2. 前記シールド部材は、前記シェーピングエア噴出部材の外周側から径方向の外向きに延びる円環状の部材として形成されてなる請求項1に記載の静電塗装機。
  3. 前記シールド部材は、前記シェーピングエア噴出部材と一体に形成され、前記シェーピングエア噴出部材を介して接地電位に保持されてなる請求項1に記載の静電塗装機。
  4. 前記シールド部材は、前記シェーピングエア噴出部材と別個に設けられた導電性材料からなり、前記シェーピングエア噴出部材の外周側に電気的に接続された状態で取付けられてなる請求項1に記載の静電塗装機。
  5. 前記エアモータの外周側には、前記エアモータを取囲み、かつ前記エアモータよりも後方に延びた塗装機支持体が設けられ、
    前記外部電極部材は、前記塗装機支持体の外周側に設けられ絶縁性樹脂材料からなる環状の外部電極支持筒体と、該外部電極支持筒体の前側に周方向に配列された前記電極とにより構成されてなる請求項1に記載の静電塗装機。
  6. 前記外部電極部材と前記シェーピングエア噴出部材との間には、絶縁性材料によって筒状に形成され、前記エアモータを取囲むカバー部材が設けられてなる請求項1に記載の静電塗装機。
  7. 前記シールド部材の直径寸法Eは、前記回転霧化頭の前記放出端縁の直径寸法Dに対し、1.4D≦E≦3.0Dである請求項1に記載の静電塗装機。
  8. 前記回転霧化頭の前記放出端縁と前記シールド部材の前面部との間の軸方向の距離寸法Lは、1mm≦L≦50mmである請求項1に記載の静電塗装機。
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